JP5920281B2 - 合金化溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法 - Google Patents

合金化溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、焼付硬化特性(以下、BH特性ともいう)を有する合金化溶融亜鉛めっき鋼板、特にプレス加工後の表面性状に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法に関する。
自動車の内外板パネルに用いられる冷延鋼板は、プレス成形に適した深絞り性や張出し性等の成形性、一定レベル以上の強度及び良好な表面外観を具備している必要がある。こうした冷延鋼板として、C量を低減した上でTiやNbを添加し、焼鈍再結晶時の固溶C量をほとんど皆無にして集合組織を制御することにより深絞り性を向上させるとともに、Si、Mn、P等の固溶強化元素を添加して高強度化を図ったIF(Interstitial Free)鋼タイプの高強度冷延鋼板が知られている。しかし、IF鋼タイプの鋼板では、降伏強度が低いためにパネル成形後の耐デント性に劣るという問題があった。そこで、非特許文献1には、IF鋼タイプに近い成分系のNb添加極低炭素鋼を用い、急速冷却が可能な連続焼鈍プロセスにより焼鈍後に固溶Cを残留させてBH特性を付与し、耐デント性の向上を図った深絞り用の高強度冷延鋼板が提案されている。また、特許文献1には、こうしたBH特性を有するNb添加極低炭素冷延鋼板のNbとC量の比やN量を最適化してBH特性変動やコイル内材質変動の小さい冷延鋼板が提案されている。また、特許文献2には、熱間圧延後の巻取温度を600℃未満とするとともに、Mn量、SiとAlの合計の含有量を規定し、焼鈍時の昇温速度を規定することで、安定したBH特性を有し表面外観にも優れた高強度冷延鋼板の製造方法が提案されている。
また、近年、自動車の内外板パネルとしては、優れた耐食性を確保するため、上記したような冷延鋼板の表面に溶融亜鉛めっきを施し、さらに合金化処理を施した合金化溶融亜鉛めっき鋼板が多く用いられるようになっている。
特開2001−131689号公報 特開2011−195946号公報
佐藤 進等:「焼付硬化性超深絞り用高張力冷延鋼板」、鉄と鋼、vol.68 (1982) p1302
近年、自動車の外板パネルに使用される鋼板に対しては、特にパネル形状に加工した後の外観への要求が厳しくなっている。特に鋼板中に固溶Cを残留させてBH特性を付与した鋼板では、加工度が低い自動車の外板パネルなどの部材にプレス成形する際、不均一変形を誘発し、鋼板表面に軽微な凹凸状の欠陥が生じる場合がある。このような凹凸状の欠陥の有無は、プレス成形後の部材について、凹凸の有無を見やすくするために砥石掛けを行い検査されている。
ここで、非特許文献1や特許文献1に記載される冷延鋼板では、必ずしも良好な表面外観が得られないという問題があった。また、特許文献2に提案される技術では、820〜850℃で焼鈍することが提案されているが、加工度の低いパネルでは、不均一変形を誘発し、上記した加工後の砥石掛けによる検査で見出される凹凸状の欠陥が発生するという問題があり、プレス成形後に必ずしも良好な表面性状が得られないという問題があった。特に、冷延鋼板の表面に溶融亜鉛めっきを施し、合金化処理を施した合金化溶融亜鉛めっき鋼板では、冷延鋼板に比べてさらにプレス成形後に良好な表面性状が得られないという問題が起こりやすくなっていた。
本発明は、このような従来技術の問題を解決して、良好なBH特性を有し、プレス成形後の表面性状にも優れる合金化溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の要旨は以下のとおりである。
[1]質量%で、C:0.0008〜0.0025%、Si+Al:0.02〜0.10%、Mn:0.10〜1.00%、P:0.05%以下、S:0.010%以下、Nb:0.005〜0.025%、Ti:0.001〜0.020%、B:0.0005〜0.0015%、N:0.004%以下を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる成分組成を有する鋼スラブを、1100〜1200℃の加熱温度で30分以上加熱し、オーステナイト相域で熱間圧延後、500℃以上700℃未満の巻取温度で巻取り、冷間圧延後、連続焼鈍プロセスにより、下記の(1)式に示す焼鈍温度T℃で焼鈍し、次いで溶融亜鉛めっきおよび合金化処理を施すことを特徴とする合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法;
7.75(109.7+0.129Nb/C)<T<890・・・(1)
ただし、式中のNb、Cは各々の元素の含有量(質量%)を、Tは焼鈍温度(℃)を表す。
[2]質量%で、C:0.0008〜0.0025%、Si+Al:0.02〜0.10%、Mn:0.10〜1.00%、P:0.05%以下、S:0.010%以下、Nb:0.005〜0.025%、Ti:0.001〜0.020%、B:0.0005〜0.0015%、N:0.004%以下を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる成分組成を有し、時効指数(AI)が10.5MPa以上45MPa以下であることを特徴とする合金化溶融亜鉛めっき鋼板。
本発明により、良好なBH特性を有し、自動車外板パネルなどの加工度の低い部材にプレス成形した場合でも、表面性状に優れるTSが340MPa以上の合金化溶融亜鉛めっき鋼板を得ることができるようになった。本発明の合金化溶融亜鉛めっき鋼板は、自動車の内外板パネルに好適である。
本発明者が種々検討した結果、プレス成形等により成形する際の加工度が低い場合に、砥石掛け検査によって見出されるような凹凸状欠陥が発生するのは、鋼板中の固溶C量が低い場合であり、ある程度の固溶C量、具体的には、時効指数が10.5MPa以上となるような固溶C量を鋼板中に確保することで、上記したような凹凸状欠陥の発生が回避できることを見出した。また、このような固溶C量を確保するには、連続焼鈍プロセスにおいて、鋼中のNb量、C量に応じて焼鈍温度に下限を設け、所定の温度範囲で焼鈍することが有効であることを見出した。なお、上記連続焼鈍プロセスとは、連続焼鈍ラインや連続溶融亜鉛めっきラインに設けられた連続焼鈍炉での焼鈍プロセスを意味する。
本発明はこのような知見に基づくものである。以下に、本発明の詳細について説明する。なお、各成分元素の含有量を表す「%」は、特に断らない限り「質量%」を意味する。
1)成分組成
C:0.0008〜0.0025%
C量が0.0025%を超えるとNb添加量を増大する必要があり、成形性の低下やコスト増を招く。一方、安定して所望のBH特性、具体的には15MPa以上のBH特性を確保するには、合金化溶融亜鉛めっき後の鋼板中に少なくとも0.0008%以上の固溶C量を確保する必要がある。それゆえ、C量は0.0008%以上0.0025%以下とする。
Si+Al:0.02〜0.10%
SiやAlは、フェライト変態を促進するとともに、フェライト相を固溶強化し、340MPa以上のTSの確保に寄与する元素である。また、NbCの析出を促進して焼鈍後のBH特性の安定化を図る上でも効果的な元素である。こうした効果を得るには、SiとAlの合計量を0.02%以上にする必要がある。一方、その合計量が0.10%を超えるとAr変態点が上昇し、オーステナイト相域での熱間圧延が困難になって成形性の低下を招きやすくなり、また、溶融亜鉛めっきを行う際にめっき不良を引き起こしやすくなる。それゆえ、Si+Alの含有量は0.02%以上0.10%以下とする。
Mn:0.10〜1.00%
Mnは鋼板の高強度化、脱酸の効果を有する元素であり、所望の鋼板強度を確保するため、Mn量は0.10%以上とする必要がある。一方、Mn量が1.00%を超えると鋼が脆化しやすくなり、伸び特性などが低下して成形性が低下する。また、溶融亜鉛めっきを行う際にめっきの濡れ性を阻害し、まためっき密着性も低下させる。それゆえ、Mn量は0.10%以上1.00%以下とする。
P:0.05%以下
Pは0.05%を超えて多量に含有すると、NbCの析出を抑制し、また、合金化溶融亜鉛めっきを行う際にめっき不良を引き起こす。それゆえ、P量は0.05%以下とするが、極力低減することが好ましい。
S:0.010%以下
Sは熱間脆性を引き起こしやすい元素であり、低減することが好ましい元素であるが、0.010%までは許容できる。それゆえ、S量は0.010%以下とし、極力低減することが好ましい。
Nb:0.005〜0.025%
Nbは、本発明において極めて重要な元素である。Nbは、オーステナイト相域での再結晶を著しく抑制し、熱間圧延後の結晶粒を微細化するため、冷間圧延・焼鈍後の結晶粒を細粒化し、高強度化に寄与する。また、NbCとして析出し、再結晶時の固溶Cを低減することで深絞り性の向上にも寄与する。さらに焼鈍時には、NbCの析出およびNbCの再溶解を連続的に起こし、固溶Cを存在させてBH特性の安定化を図ることができる。こうした効果を得るには、Nb量を0.005%以上にする必要がある。一方、Nb量が0.025%を超えると、鋼板が過度に高強度化し、成形性の低下を招く。それゆえ、Nb量は0.005%以上0.025%以下とする。
Ti:0.001〜0.020%
Tiは、耐常温時効性に有害な固溶Nを固定して低減するのに効果的な元素である。このような効果を得るため、Ti量は0.001%以上とする必要がある。一方、Ti量が0.020%を超えるとBH特性を発現させるNbCの析出・再溶解に影響を及ぼし、安定したBH特性が得られなくなる。それゆえ、Ti量は0.001%以上0.020%以下とする。
B:0.0005〜0.0015%
Bは、IF鋼に近い成分系では粒界強度を高め、その脆化を抑制する効果を有する。こうした効果を得るため、B量は0.0005%以上とする必要がある。一方、B量が0.0015%を超えると効果が飽和するのみならず、成形性が低下する。それゆえ、B量は0.0005%以上0.0015%以下とする。
N:0.004%以下
Nは、固溶状態で多量に存在すると耐常温時効性を阻害するため、極力低減することが好ましいが、0.004%までは許容できる。それゆえ、N量は0.004%以下とする。
上記した成分組成以外の残部はFeおよび不可避的不純物である。
2)製造条件
以下に本発明の合金化溶融亜鉛めっき鋼板の好ましい製造条件の限定理由について説明する。なお、本発明の鋼板の製造条件は、これに限定されるものではない。
スラブ加熱条件:1100〜1200℃で30分以上
熱間圧延後にNbCをフェライト相に析出させるには、鋼スラブ中に存在している粗大なNbCを熱間圧延前に溶解させる必要がある。そのためには、スラブを1100℃以上で30分以上加熱する必要がある。一方、1200℃を超えてスラブを加熱すると熱間圧延後のフェライト粒が粗大化して、強度の低下を招く。それゆえ、鋼スラブは1100〜1200℃で30分以上加熱する必要がある。
熱間圧延:オーステナイト相域
フェライト相が存在する温度領域で熱間圧延を終了すると、深絞り性などの成形性が著しく低下する。それゆえ、熱間圧延はオーステナイト相の単相域で行う必要がある。
巻取温度:500℃以上700℃未満
巻取温度が700℃以上となると、鋼板表面のスケール厚が厚くなって熱延鋼板に表面欠陥が発生しやすくなり、ひいては得られる合金化溶融亜鉛めっき鋼板を加工した後に良好な表面外観を得ることが困難となる。それゆえ熱間圧延後の巻取温度を700℃未満とする必要がある。一方、巻取温度が500℃未満では、NbCの析出が著しく抑制され、焼鈍時におけるNbCの析出が不安定になりやすく、焼鈍後の固溶C量のばらつきが大きくなって安定したBH特性が得られない。それゆえ、巻取温度は500℃以上700℃未満とする必要がある。
冷間圧延条件
上記の条件で製造された熱延鋼板は、酸洗など常法によりスケール除去後、所望の板厚とするため、冷間圧延が施される。冷間圧延の圧下率は、特に規定するものではないが、生産効率等の観点から70%〜80%程度とすることが好ましい。
焼鈍条件
焼鈍は、NbCの析出・溶解や固溶Cの確保の観点から、加熱や冷却をコントロールしやすい連続焼鈍プロセスで行う。
焼鈍温度T(℃):7.75(109.7+0.129Nb/C)<T<890・・・(1)
本発明では、連続焼鈍プロセスにおける焼鈍温度が重要である。本発明者は、合金化溶融亜鉛めっき鋼板について、上記したような加工度が低い場合に砥石掛け検査によって見出されるような凹凸欠陥の発生について詳細に検討した結果、このような欠陥の発生が鋼板の不均一変形に起因することを知見し、不均一変形の原因が固溶C量のばらつきにあると推察した。そこで、鋼板中の固溶C量に大きく影響する焼鈍温度と鋼中のNb量、C量との関係を種々検討し、連続焼鈍プロセスにおける焼鈍温度T℃を、
T>7.75(109.7+0.129Nb/C)
(ただし式中のNbはNb含有量(質量%)、CはC含有量(質量%))
とすることで、合金化溶融亜鉛めっきを施した後でも、上記したような凹凸欠陥の発生を抑制できることを見出した。ただし、焼鈍温度が890℃以上となると、粗大粒が発生し、安定した強度特性が得られなくなるため、焼鈍温度は890℃未満とする必要がある。したがって、連続焼鈍プロセスにおける焼鈍温度T℃は、上記した(1)式を満たす必要がある。
ここで、上記したように、T>7.75(109.7+0.129Nb/C)とすることで、加工度が低い場合の不均一変形の誘発を抑制して、上記したような凹凸欠陥の発生を抑制できるのは、次のように考えられる。すなわち、Nb/Cが大きくなると、鋼中の固溶C量が少なくなるが、鋼中のNb/Cに応じて焼鈍温度T℃を高くすると、焼鈍中のNbCの再溶解が進み、不均一変形が発生しない程度の固溶C量、具体的には、後述するように、合金化溶融亜鉛めっきを施した後でもAIが10.5MPa以上となるような固溶C量を確保できる。合金化溶融亜鉛めっき鋼板では、焼鈍後に、さらに溶融亜鉛めっき浴に浸漬し、合金化処理を施すという熱履歴を経るため、このようなめっき処理を施さない冷延鋼板に比べて鋼板中の固溶C量が少なくなりやすく、固溶C量がばらつきやすくなる。本発明では、上記したように、焼鈍温度の下限値をNb含有量、C含有量との関係で規定することにより、このような凹凸欠陥の発生を抑制できるような十分な固溶C量を、溶融亜鉛めっきおよび合金化処理後でも確保できるようになり、合金化溶融亜鉛めっき鋼板の不均一変形を抑制して凹凸状欠陥の発生を抑制できるようになったと考えられる。
めっき条件
連続焼鈍プロセスで焼鈍された鋼板は、溶融亜鉛めっきを施し、さらに該溶融亜鉛めっきを合金化する合金化処理を施す。めっき処理条件は、特に限定する必要は無く、常法に従い行えばよい。例えば、浴中Al濃度を0.1〜0.2%に調整した450〜470℃の溶融亜鉛浴でめっき処理し、その後ワイピングでめっき厚をZn付着量20〜150g/mとなるように調整後、440〜550℃で5〜60秒程度保持する合金化処理を施す。
なお、上記しためっき処理は、連続焼鈍ラインにて製造された冷延鋼板に溶融亜鉛めっき処理を施してもよいが、生産効率の観点から、連続溶融亜鉛めっきラインにて、連続焼鈍プロセスに引き続き、溶融亜鉛めっき処理を施すことが好ましい。
3)鋼板特性
時効指数(AI):10.5MPa以上45MPa以下
上記したような、加工度が少ない加工を施した後の凹凸欠陥の発生を抑制するためには、ある程度の固溶C量、具体的にはAIが10.5MPa以上となるような固溶C量を、合金化溶融亜鉛めっき後の鋼板中に確保する必要がある。このため、本発明の合金化溶融亜鉛めっき鋼板のAIは10.5MPa以上とする。より好ましくは、AIは11MPa以上である。一方、AIが45MPaを超えると、耐常温時効性の劣化によりプレス成形性が大きく低下するため、AIは45MPa以下とする。なお、ここで時効指数(AI)とは、試験材である鋼板から圧延方向を引張方向として採取したJIS5号引張試験片に7.5%の予歪を加えた後、100℃で30分の熱処理を施し再度引張試験を行って、熱処理前の応力(7.5%予歪付与後の応力)と熱処理後の降伏応力の差で評価したものである。
なお、本発明の合金化溶融亜鉛めっき鋼板は、引張強度TSが340MPa以上を確保できるような、高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板であり、BH特性を有する。ここで、本発明の鋼板が有するBH量は、耐デント性を確保するため、15MPa以上とすることが好ましい。一方、本発明の鋼板は、上記したように、AIを45MPa以下とするものであり、この場合、BH量は概ね60MPa程度以下となる。
表1に示す成分組成を有する鋼スラブを、1150℃で180分加熱し、オーステナイト相域で仕上温度950℃として熱間圧延し、650℃で巻取り、板厚3.2mmの熱延鋼板とした。次いで得られた熱延鋼板を圧下率75%で板厚0.8mmまで冷間圧延後、連続焼鈍炉を有する連続溶融亜鉛めっきラインにて、連続焼鈍プロセスで、表2に示す焼鈍温度(均熱温度)で180秒均熱保持して焼鈍後、引き続き、溶融亜鉛めっき浴に浸漬して溶融亜鉛めっきを施し、次いで合金化処理を施し、合金化溶融亜鉛めっき鋼板No.1〜10を製造した。なお、溶融亜鉛めっき浴は、浴中Al濃度:0.13質量%、温度:460℃とし、付着量はガスワイピングにより片面当り45g/mに調節し、合金化処理は440℃〜500℃で30秒処理した。
得られた合金化溶融亜鉛めっき鋼板から、JIS5号引張試験片(圧延方向に平行)を採取し、JIS Z2241に準拠した方法で引張試験を行い、引張強度TSを測定した。また、圧延方向から採取したJIS5号引張試験片に2%の予歪を加えた後、170℃で20分の塗装焼付け処理を模した熱処理を施し、再度引張試験を行って降伏強度と2%予歪後の応力の差からBH量を測定した。また、得られた合金化溶融亜鉛めっき鋼板の圧延方向から採取したJIS5号引張試験片に引張試験機にて7.5%の予歪を加えた後、100℃で30分の熱処理を施し、再度引張試験を行って熱処理前の応力(7.5%予歪付与後の応力)と熱処理後の降伏応力の差から時効指数(AI)を求めた。
また、加工後の表面性状を検討するため、得られたれ合金化溶融亜鉛めっき鋼板からサンプルを採取し、張出し成型により、加工度3%として加工を加えた後、200〜600番手の砥石により砥石掛けを行い、目視で凹凸の有無を判断する砥石掛け試験を行った。この砥石掛け試験では、砥石掛け後に凹凸が観察される場合(凹凸有りの場合)表面性状が良好でないとし、凹凸が観察されない場合(凹凸無の場合)表面欠陥の発生が無く表面性状に優れるとして評価した。
上記した合金化溶融亜鉛めっき鋼板の評価結果を表2に示す。
本発明の合金化溶融亜鉛めっき鋼板は、TSが340MPa以上、AIが10.5MPa以上であり、軽加工後の表面性状にも優れていることが判る。
一方、比較例である鋼板No.8、9、10は、いずれも焼鈍温度が本発明の範囲を下回っており、得られた合金化溶融亜鉛めっき鋼板のAIが10.5MPa未満であり、砥石掛け試験により表面欠陥が観察された。
Figure 0005920281
Figure 0005920281

Claims (2)

  1. 質量%で、
    C:0.0008〜0.0025%、
    Si+Al:0.02〜0.10%、
    Mn:0.10〜1.00%、
    P:0.05%以下、
    S:0.010%以下、
    Nb:0.005〜0.025%、
    Ti:0.001〜0.020%、
    B:0.0005〜0.0015%、
    N:0.004%以下
    を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる成分組成を有する鋼スラブを、1100〜1200℃の加熱温度で30分以上加熱し、オーステナイト相域で熱間圧延後、500℃以上700℃未満の巻取温度で巻取り、冷間圧延後、連続焼鈍プロセスにより、下記の(1)式に示す焼鈍温度T℃で焼鈍し、次いで溶融亜鉛めっきおよび合金化処理を施すことを特徴とする時効指数(AI)が10.5MPa以上45MPa以下、引張強度TSが340MPa以上、かつ、BH量が15MPa以上の合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法;
    7.75(109.7+0.129Nb/C)<T<890・・・(1)
    ただし、式中のNb、Cは各々の元素の含有量(質量%)を、Tは焼鈍温度(℃)を表す。
  2. 質量%で、
    C:0.0008〜0.0025%、
    Si+Al:0.02〜0.10%、
    Mn:0.10〜1.00%、
    P:0.05%以下、
    S:0.010%以下、
    Nb:0.005〜0.025%、
    Ti:0.001〜0.020%、
    B:0.0005〜0.0015%、
    N:0.004%以下
    を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる成分組成を有し、時効指数(AI)が10.5MPa以上45MPa以下、引張強度TSが340MPa以上、かつ、BH量が15MPa以上であることを特徴とする合金化溶融亜鉛めっき鋼板。
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