JP5919931B2 - 画像処理装置 - Google Patents

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本発明は、画像処理装置に関する。
特許文献1には、2つの異なる出力デバイス間の色を合わせるための手段として、少なくとも色の読取り精度を校正していないスキャナとカラーパッチデータを含み、該カラーパッチデータを該第1、第2の出力デバイスで印刷し、該印刷結果の該カラーパッチを該スキャナで読取るとともに、該読取りデータのみを用いて該2つの異なる出力デバイス間の色を合わせるカラーマッチング装置が開示されている。
また、特許文献2には、キャリブレーションの処理において、対象プリンタからテストパターンを出力し、このパターンを読取って補正テーブルを作成する際、読取りを行なったスキャナに対応したプロファイルで上記読取り結果を標準色空間信号に変換するときの変換パラメータを変換する、従来技術が開示されている。
また、特許文献3には、色データの入力手段としてスキャナを使い、所定領域の画像データを相加平均したデータを持ってスキャナ測定データとし、相加平均したデータは端数部を有効とし、スキャナ測定データが標準測色計データに同じくなるように一致させる為の変換手段を持ち、変換手段は、処理速度やファイルサイズ等の現実的な要請から変換用プロファイルをもってスキャナ測定データを標準測色計データに変換する、従来技術が開示されている。
特開平11−252392号公報 特開2000−253268号公報 特開2001−4448号公報
従来、画像形成手段と画像読み取り手段を備えた画像処理装置において、画像読み取り手段を用いて特定の画像(テストパターン等)を読み取り、その読み取り値に基づいてカラープロファイルを作成したりキャリブレーション(補正)を行ったりすることがある。ここで、画像読み取り手段による画像の読み取りは、読み取り精度に不均一な状態(ムラ)が生じる場合があった。
本発明は、画像読み取り手段による画像の読み取りにおける読み取り精度の不均一さによる影響を抑制し、カラープロファイルの作成やキャリブレーションにおける精度を向上させることを目的とする。
請求項1に記載の発明は、
媒体上に形成された画像を読み取る画像読み取り部と、
前記画像読み取り部の読み取り処理における主走査方向の読み取り範囲の長さ以上の長さと、当該画像読み取り部による安定的な読み取りが可能な幅を有する第1の特定画像を前記画像読み取り部により読み取って得られた読み取り画像に基づき、当該画像読み取り部による読み取り処理において生じる読み取り精度の不均一さを判定する読み取り状態判定部と、
前記読み取り状態判定部による判定結果に基づいて、前記画像読み取り部による読み取り画像のうちで色特性の判定に用いる領域である対象領域を決定する対象領域決定部と、
予め設定された第2の特定画像を前記画像読み取り部により読み取って得られた読み取り画像のうち、前記対象領域内の画像に基づいて、当該第2の特定画像を形成した画像形成装置の色特性を判定する色特性判定部と、
を備える、画像処理装置である。
請求項2に記載の発明は、
前記第1の特定画像前記媒体上に形成する画像形成部をさらに備え、
前記読み取り状態判定部は、前記媒体上に形成された前記第1の特定画像を、前記画像読み取り部の読み取り処理における主走査方向に沿う方向が当該第1の特定画像において当該主走査方向の読み取り範囲の長さ以上の長さとなる向きで読み取ることにより得られた読み取り画像に基づいて、前記読み取り精度の不均一さを判定することを特徴とする、請求項1に記載の画像処理装置である。
請求項3に記載の発明は、
前記画像形成部は、像形成の動作における副走査方向に沿って前記画像読み取り部の読み取り処理における主走査方向の読み取り範囲の長さ以上の長さを有し、像形成の動作における主走査方向の予め設定された範囲に配置される当該第1の特定画像を、前記媒体上に形成することを特徴とする、請求項2に記載の画像処理装置である。
請求項に記載の発明は、
前記読み取り状態判定部は、前記第1の特定画像の読み取り画像における各画素の色値に基づき、各画素の色値に対する基準値を計算し、当該基準値と各画素の色値との間の差分を求め、
前記対象領域決定部は、前記読み取り状態判定部により求められた前記基準値と各画素の色値との差分が一定以下である領域を前記対象領域として決定することを特徴とする、請求項2または請求項3に記載の画像処理装置である。
請求項に記載の発明は、
前記第2の特定画像を前記対象領域内に収まるように変形し、当該変形が行われた当該第2の特定画像を前記画像形成部に形成させることを特徴とする、請求項2乃至請求項4のいずれかに記載の画像処理装置である。
請求項に記載の発明は、
前記色特性判定部は、前記第2の特定画像を構成する画像のうち、前記対象領域内に描画されている部分に基づいて、前記画像形成部の色特性を判定することを特徴とする、請求項2乃至請求項4のいずれかに記載の画像処理装置である。
請求項に記載の発明は、
前記読み取り状態判定部による判定結果に基づき、前記画像読み取り部による読み取り画像の全体が前記対象領域決定部により決定される前記対象領域となるように、当該画像読み取り部における読み取り特性の設定を変更することを特徴とする、請求項2乃至請求項4のいずれかに記載の画像処理装置である。
請求項に記載の発明は、
画像形成装置により出力された、画像読み取り装置の読み取り処理における主走査方向の読み取り範囲の長さ以上の長さと、当該画像読み取り装置による安定的な読み取りが可能な幅を有する第1の特定画像を当該画像読み取り装置により読み取って得られた読み取り画像に基づき、当該画像読み取り装置による読み取り処理において生じる読み取り精度の不均一さを判定する読み取り状態判定部と、
前記読み取り状態判定部による判定結果に基づいて、前記画像読み取り装置による読み取り画像のうちで色特性の判定に用いる領域である対象領域を決定する対象領域決定部と、
前記画像形成装置により出力された予め設定された第2の特定画像を前記画像読み取り装置により読み取って得られた読み取り画像のうち、前記対象領域内の画像に基づいて、当該画像形成装置の色特性を判定する色特性判定部と、
を備えることを特徴とする、画像処理装置である。
請求項1の発明によれば、画像読み取り部における読み取り精度の不均一さについての判定結果を反映させて、精度の高い色特性判定を行うことができる。
請求項2の発明によれば、画像読み取り部の読み取り処理における主走査方向の読み取り精度の不均一さを判定し、判定結果を色特性判定に反映させることができる。
請求項3の発明によれば、画像形成部にて形成した特定画像を用いて、画像読み取り部の読み取り処理における主走査方向の読み取り精度の不均一さを判定し、判定結果を色特性判定に反映させることができる。
請求項の発明によれば、画像読み取り部による画素単位での読み取り結果に対して読み取り精度の不均一さを判定することができる。
請求項の発明によれば、読み取り精度の不均一さについての判定結果において色特性の判定に用いると決定された領域に形成された画像を用いて、精度の高い色特性判定を行うことができる。
請求項の発明によれば、読み取り精度の不均一さについての判定結果において色特性の判定に用いると決定された領域に含まれる画像を用いて、精度の高い色特性判定を行うことができる。
請求項の発明によれば、読み取り精度の不均一さについての判定結果に基づいて設定変更された画像読み取り部により読み取った画像を用いて、精度の高い色特性判定を行うことができる。
請求項の発明によれば、画像読み取り部における読み取り精度の不均一さについての判定結果を反映させて、精度の高い色特性判定を行うことができる。
本実施形態が適用される画像処理装置の機能構成を示す図である。 画像の形成における主走査と副走査を説明する図である。 本実施形態で用いられる読み取りムラ検出用画像の例を示す図である。 本実施形態における読み取りムラの判定手順を示すフローチャートである。 画像形成部を用いて作成される読み取りムラ検出用画像の例を示す図である。 本実施形態における測定用パッチ画像の変形例を示す図である。 手法(1)における測定用パッチ画像の出力手順を示すフローチャートである。 色特性判定対象領域に表示されたパッチにより色特性を判定する様子を説明する図である。 手法(2)における画像形成部の色特性の判定手順を示すフローチャートである。 データ処理手段としての制御装置と、画像形成手段としての画像形成装置と、画像読み取り手段としての画像読み取り装置とを別個の装置として設けた、本実施形態が適用されるシステムの構成例を示す図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。
<画像処理装置の構成>
図1は、本実施形態が適用される画像処理装置の機能構成を示す図である。
図1に示す画像処理装置100は、複写機能、プリンタ機能、スキャナ機能などを備えた複合機である。図1に示すように、画像処理装置100は、画像形成部10、画像読み取り部20、装置制御部30、データ処理部40を備える。また、各種のデータやプログラムを保持する記憶部50を備える。
画像形成部10は、画像データを取得し、取得した画像データに基づき、トナーやインク等の画像形成材を用いて、用紙等の媒体上に画像を形成する。本実施形態において、画像形成の方式は特に限定せず、電子写真方式やインクジェット方式、静電誘導方式等、様々な方式に対して適用可能である。画像データは、図示しない通信手段(ネットワークインターフェイス等)を介して外部装置から受信しても良いし、画像読み取り部20により読み取った画像を用いても良い。
図2は、画像の形成における主走査と副走査を説明する図である。
図2に示すように、画像形成部10による画像の形成は、画像11を構成する複数のライン(走査線)12を並べることで行われる。すなわち、ライン12ごとに走査することにより画像形成材にて形成される帯状の画像を媒体上に並べていくことにより、画像11全体が形成される。ここで、1ライン分の画像を形成するためにライン12の方向(図2の矢印X方向)に走査することを主走査と呼び、次のライン12に移動すること(図2の矢印Y方向への移動)を副走査と呼ぶ。通常は、画像形成部10において画像を形成する際に媒体が搬送される方向が副走査方向となる。
画像読み取り部20は、読み取り対象の媒体に光を当て、撮像素子にて反射光等を読み取ってデジタルデータに変換するスキャナであり、用紙等の媒体に記録された画像を読み取る。本実施形態の画像処理装置100は、画像形成部10の色特性を判定する機能を備えており、この判定を行うために、画像形成部10により出力された測定用パッチ画像(後述)を読み取るのに、画像読み取り部20が用いられる。
画像読み取り部20による画像の読み取りは、上記の画像形成部10による画像の形成と同様に、ラインごとに行われる。画像の読み取りにおけるラインの形状(幅および長さ)は、撮像素子の構成によって定まる。また、画像形成の場合と同様に、1ライン分の画像を読み取るためにライン方向に走査することを主走査と呼び、次のラインに移動することを副走査と呼ぶ。したがって、通常は、読み取り対象の媒体もしくは撮像素子の移動する方向が副走査方向となり、これに垂直な方向が主走査方向となる。
装置制御部30は、画像処理装置100の各種動作を制御する。具体的には、画像形成部10による画像形成の動作、画像読み取り部20による読み取り動作等を制御する。また、テストモードや省電力モード等の動作モードの制御、切り替え、電源投入時の各機能のチェック等、画像処理装置100における全体的な制御を担う。装置制御部30の各機能は、ROM等のメモリに保持されたプログラムをCPUが実行することにより実現される。
データ処理部40は、装置制御部30の機能の一つとして実現され、画像処理装置100における各種動作において必要となるデータ処理を行う。具体的には、例えば、画像形成部10により形成される画像や画像読み取り部20により読み取った画像に対する画像処理を行う。
さらに、本実施形態のデータ処理部40は、画像形成部10の色特性の判定等に関わる各種のデータ処理も行う。図1に示す構成例では、データ処理部40における機能として、画像読み取り部20の読み取り精度の均一さの状態を判定する読み取り状態判定手段としての読み取りムラ判定部41と、装置の色特性を判定する色特性判定部42とが記載されている。これらの機能の詳細については後述する。
記憶部50は、例えば、磁気ディスク装置やROM、その他の不揮発性の記憶装置で実現される。記憶部50には、装置制御部30の機能を実現するためにCPUが実行するプログラムや装置制御部30の制御に用いられる設定データ、データ処理部40の処理対象となるデータ等が保持される。図1に示す構成例では、記憶部50に保持されるデータのうち、画像形成部10の色特性の判定等に関わる処理で用いられるデータが記載されている。したがって、図示の例によれば、記憶部50は、読み取りムラ検出用画像記憶手段、パッチ画像記憶手段、パッチ画像読み取りパターン記憶手段、カラープロファイル記憶手段などとして機能する。
なお、図1には、本実施形態の画像処理装置100における、画像形成部10の色特性の判定等に関わる処理を実現するために用いられる機能が特に記載されている。実際には、図示の機能構成の他、画像処理装置100に対する入力操作を受け付けるための操作手段や外部装置とのデータ交換を行うための通信手段等を備える。
<画像形成部の色特性>
ここで、画像処理装置100における画像形成部10の色特性について説明する。画像形成部10は、画像形成による出力を長期間に渡って行ううちに、出力される画像の色味や濃度等が変化する場合があることが知られている。これは、画像形成部10における出力特性の経時変化や機器間のばらつきの増大に起因する。また、このような出力画像の色等に関する変化は、その原因となる経時変化等を含めて画像処理装置100ごとの個体差があるのが一般的である。そのため、例えば、複数の画像処理装置100を接続したシステムにおいて、個々の画像処理装置100において出力画像の色味等が相互に異なることも生じ得る。このような画像処理装置100ごとの色特性の差異やその変化に対処するための手段として、従来から、装置固有の色特性を表すカラープロファイルが作成され、作成されたカラープロファイルに基づきキャリブレーション(色補正)が行われている。図1に示したデータ処理部40の色特性判定部42は、このような装置の色特性の判定、カラープロファイルの作成、キャリブレーション等を行う。
画像処理装置100における画像形成部10のカラープロファイルは、特定の配色がなされた色特性の測定用の特定画像であるパッチ画像(以下、測定用パッチ画像)を画像形成部10により出力し、出力された測定用パッチ画像における各パッチの色を測定して作成される。画像形成部10が出力した測定用パッチ画像の色を測定することにより、予め定められた各色が当該画像形成部10ではどのような色として形成されるか(すなわち、画像形成部10の色特性)がわかる。
ここで、出力された測定用パッチ画像の色の測定を簡易に行う手段として、画像処理装置100の画像読み取り部20を用いることが、従来から行われている。この場合、測定用パッチ画像に対応するパターンデータ(パッチ画像読み取りパターン)を用意し、例えば画像処理装置100の記憶部50に予め保持しておく。このパッチ画像読み取りパターンには、測定用パッチ画像における各パッチの色情報(例えば、C:シアン、M:マゼンタ、Y:イエロー、K:黒の4色の濃度情報)が記録されている。そして、画像形成部10により出力された測定用パッチ画像を画像読み取り部20で読み取り、色特性判定部42が、読み取った画像における各パッチの色をパッチ画像読み取りパターンにおける各パッチの色情報と比較して、装置固有の色特性を判定する。
<読み取り精度の読み取りムラの判定>
ところで、画像読み取り部20による画像の読み取り精度は、一般に、読み取りが可能な範囲(面)の全体にわたって完全に均一ではなく、読み取り対象に光を当てる光源の構成等に起因する装置固有のムラ(部分的に読み取り精度が異なり、不均一となる現象)を有する。そのため、上記のような測定用パッチ画像の色の測定に画像読み取り部20を使用する場合は、当該画像読み取り部20における読み取り精度のムラ(以下、読み取りムラ)を考慮する必要がある。そこで、本実施形態では、まず画像読み取り部20における読み取りムラを判定し、その判定結果を反映させて画像形成部10の色特性を判定する。図1に示したデータ処理部40の読み取りムラ判定部41は、この画像読み取り部20による画像の読み取り処理において生じる読み取り精度のムラの様子(言い換えれば、読み取り精度の均一さの状態)を判定する。
具体的な手法として、本実施形態では、読み取りムラを検出するための特定画像(読み取りムラ検出用画像)を画像読み取り部20で読み取り、読み取った画像を解析して読み取りムラを判定する。読み取りムラ検出用画像は、一定の領域にわたる単一色の画像とする。一般に、画像読み取り部20の読み取り精度は、画像読み取り部20の主走査方向に沿って大きく変化する。具体的には、主走査方向の中央付近では比較的ムラのない均一で高い読み取り精度が得られるが、主走査方向の端部では読み取り精度が低下し、大きな読み取りムラが生じる。そのため、読み取りムラ検出用画像は、少なくとも主走査方向の読み取り可能な範囲(以下、読み取り可能範囲)全体におよぶ画像であることが望ましい。
図3は、本実施形態で用いられる読み取りムラ検出用画像の例を示す図である。
図3に示す読み取りムラ検出用画像61は、主走査方向の読み取り可能範囲全体にわたる一定幅の帯状の画像である。すなわち、帯状の読み取りムラ検出用画像61の長さLは、画像読み取り部20による読み取り幅の最大値以上である。また、読み取りムラ検出用画像61の幅Wは、特に限定しないが、画像読み取り部20の撮像素子による画像の読み取りを安定的に行うため、撮像素子の性能等に応じて一定以上の長さが設定される。
さらに具体的に説明すると、画像読み取り部20が最大でA3サイズの用紙の読み取りを行うことができ、この用紙を読み取る際の主走査方向が用紙の短辺方向に対応している場合、読み取りムラ検出用画像61の長さLは、A3サイズの短辺の長さ以上となる。一方、読み取りムラ検出用画像61の幅Wに関しては、上記のように、一定以上の長さであれば特に限定は無い。したがって、この場合、読み取りムラ検出用画像61は、必ずしもA3サイズの用紙上に形成されなくても良く、例えば長辺の長さがA3サイズの短辺と同一であるA4サイズの用紙上に、用紙の長辺方向全体にわたる一定幅の画像として形成しても良い。さらにまた、読み取りムラ検出用画像61の幅Wは一定以上あれば良いのであるから、上記の例では、読み取りムラ検出用画像61は、A3サイズやA4サイズの用紙全面に形成される画像であっても良い。
次に、読み取りムラ検出用画像を用いた画像読み取り部20の読み取りムラの判定方法について説明する。
図4は、読み取りムラの判定手順を示すフローチャートである。
図4を参照すると、まず、図3を参照して説明した読み取りムラ検出用画像を画像読み取り部20で読み取ることにより、読み取りムラ検出用画像の読み取り画像(データ)が取得される(ステップ401)。そして、装置制御部30のデータ処理部40における読み取りムラ判定部41が、読み取りデータにおける各画素の色空間における値(以下、色値)に対する基準値を算出する(ステップ402)。
ここで、基準値は、読み取った読み取りムラ検出用画像の画素ごとの色値に基づいて算出される。具体的には、例えば、読み取りムラ検出用画像の全体における画素ごとの色値の平均値や、比較的読み取り精度が均一な、主走査方向の中央付近の一定領域における画素ごとの色値の平均値等が用いられる。色空間の種類は適宜設定して良く、色値としては、例えば、RGB値やLab値が用いられる。
次に、読み取りムラ判定部41は、ステップ402で求めた基準値と、ステップ401で取得した読み取りデータにおける各画素の色値(個別の値)との差分を算出する(ステップ403)。この差分は、例えば、各画素の色値および基準値を表すために用いた色空間における各画素の色値と基準値との間のユークリッド距離として求める。
次に、読み取りムラ判定部41は、ステップ403で算出した差分に基づいて、画像読み取り部20の読み取りムラを判定する(ステップ404)。具体的には、差分値が一定以上である場合に、その画素に対応する場所の読み取りムラが大きいと判断する。そして、読み取りムラ判定部41は、読み取りムラが大きい領域を除いて、色特性の判定に用いる領域(色特性判定対象領域)を決定する(ステップ405)。すなわち、読み取りムラ判定部41は、読み取り精度がある程度均一な領域である色特性判定対象領域を決定する領域決定手段としても機能する。決定された色特性判定対象領域の情報は、図1に示したデータ処理部40の処理に用いられる作業メモリ(RAM等)や記憶部50等の記憶手段に格納して保持される。
上述したように、通常、画像読み取り部20における読み取りムラは、主走査方向の端部付近に生じる傾向がある。したがって、色特性判定対象領域は、主走査方向の中央付近に位置することとなる。ただし、その具体的範囲は装置ごとに個別的である。そのため、上記の手順により個々の画像処理装置100の画像読み取り部20に適した色特性判定対象領域を具体的に決定する。
<読み取りムラ検出用画像の作成>
上述した読み取りムラの判定に用いられる読み取りムラ検出用画像は、画像処理装置100の画像形成部10を用いて作成しても良い。この場合、図1に示したように、画像処理装置100の記憶部50に読み取りムラ検出用画像のデータを保持しておき、このデータを読み出して画像形成部10により用紙上に形成して出力する。
図5は、画像形成部10を用いて作成される読み取りムラ検出用画像の例を示す図である。
ここで、本実施形態で判定する色特性とは別に、画像形成部10の機構等に起因して画像形成における濃度ムラ(部分的に色の濃度が異なり、不均一となる現象)を生じる場合がある。この場合においても、画像形成における主走査方向の中央付近では比較的ムラの無い均一な濃度の画像形成が行われ、主走査方向の端部で大きな濃度ムラが生じる傾向がある。
そこで、本実施形態では、図5(a)に示すように、画像形成対象の媒体である用紙60上に、図3に示した読み取りムラ検出用画像61を90度回転させた画像を画像形成部10にて作成する。すなわち、作成される画像は、画像形成部10の出力方向(画像形成の際の副走査方向)に沿って、画像読み取り部20の主走査方向の読み取り可能範囲に相当する長さを有し、画像形成部10における主走査方向に沿って、一定の幅を有する画像である。このようにして出力された画像を、図5(b)に示すように90度回転させて、読み取りムラ検出用画像として用いる。
画像形成部10により読み取りムラ検出用画像を作成した場合、上記のように画像形成部10における主走査方向の中央付近で形成される画像を用いるとしても、作成された読み取りムラ検出用画像に若干の画像形成における濃度ムラが含まれることが想定される。特に、画像形成における副走査方向に沿って生じる濃度ムラが読み取りムラ検出用画像に含まれることが考えられる。そこで、このような画像形成における濃度ムラの影響を抑制する方策として、次のような操作を行っても良い。
例えば、読み取りムラ検出用画像を180度回転させたり、画像読み取り部20の主走査方向に沿って数cm程度ずらしたりすることで画像の向きや位置を変更して、複数回、読み取りムラ検出用画像を読み取り、読み取りデータを取得する。そして、読み取りデータにおける各画素の色値として、取得した複数回分の読み取りデータの平均値を用いる。読み取りムラ検出用画像の向きや位置を変えて取得した読み取りデータの平均値を用いることで、読み取りムラ検出用画像に含まれる濃度ムラの影響が軽減される。
また、読み取りムラ検出用画像の濃度ムラの発生を低減させる方策として、例えば、画像形成部10にて読み取りムラ検出用画像を複数枚出力し、最後に出力した読み取りムラ検出用画像を用いても良い。これは、複数枚出力する過程で、画像形成部10の動作や用紙上に形成された画像を定着させるために用いられる定着装置の温度が安定してくるので、濃度ムラの少ない画像を得やすいためである。
また、定着装置の温度は、画像を定着させるために用紙に接触することによって低下するため、用紙の搬送方向(画像形成の際の副走査方向)の先端と後端では温度が変わってしまう。そこで、これにより発生する濃度ムラの影響を除くため、先端および後端(画像読み取り部20による読み取りの際における主走査方向の両端部)の数cm程度を読み取りムラの判定には用いないこととしても良い。
さらにまた、画像形成における濃度ムラの発生を低減させる他の方策としては、読み取りムラ検出用画像を構成するスクリーンとして濃度のばらつきが発生し難い低線数のスクリーンを使用すること、読み取りムラ検出用画像を形成する媒体として表面の凹凸の少ない用紙を使用すること等が挙げられる。また、読み取りムラ検出用画像を形成する画像形成の方式として、インクジェット方式を用いれば、他の方式(電子写真方式等)と比較して濃度ムラが発生し難い。この場合、画像処理装置100の画像形成部10の方式がインクジェット方式でない場合は、インクジェット方式である他の画像形成装置等により読み取りムラ検出用画像が出力されることとなる。
さらに、何らの画像も形成されていない用紙を画像読み取り部20で読み取り、読み取りムラ検出用画像の読み取りデータとしても良い。この場合、用紙上に画像を形成していないので、画像形成の工程による濃度ムラは全く生じない。ただし、用紙の種類によっては、表面の凹凸のために読み取りデータにおいて濃度ムラが生じる場合がある。このような場合、用紙表面に読み取りムラ検出用画像を形成すれば、画像形成材によって用紙表面の凹凸が緩和され、濃度ムラの無い良好な読み取りデータが得られる。
<色特性の判定>
次に、上記のようにして判定された画像読み取り部20における読み取りムラを考慮して、画像形成部10の色特性を判定する手法について説明する。
本実施形態では、画像読み取り部20における読み取りムラの影響を抑制する手法として、(1)測定用パッチ画像を加工する手法、(2)測定用パッチ画像の読み取り画像を編集する手法、(3)画像読み取り部20の設定を変更する手法、を提案する。以下、これらの手法について、各々、具体的に説明する。
(1)測定用パッチ画像を加工する手法
本手法では、上記の画像読み取り部20における読み取りムラの判定結果に基づき、読み取りムラの影響を受けないように測定用パッチ画像を加工し、加工された測定用パッチ画像を用いて、画像形成部10の色特性を判定する。すなわち本手法では、図4を参照して説明した処理により決定した色特性判定対象領域に収まるように、測定用パッチ画像が変形される。具体的な測定用パッチ画像の変形例として、画像を縮小して用紙上に形成することが挙げられる。
図6は、測定用パッチ画像の変形例を示す図である。
図6(a)は変形前の測定用パッチ画像を示し、図6(b)は図6(a)の測定用パッチ画像における各パッチの位置情報を示し、図6(c)は変形後の測定用パッチ画像を示し、図6(d)は図6(c)の測定用パッチ画像における各パッチの位置情報を示す。なお、図6(a)および図6(c)の測定用パッチ画像は、模式的に示したものである。そして、図6(b)および図6(d)に示す各パッチの位置は、図6(a)および図6(c)の測定用パッチ画像における各パッチの位置に正確に対応してはいない。いずれも、本手法における測定用パッチ画像の変形を説明するために参照するに過ぎない。
まず、図6(a)を参照すると、測定用パッチ画像51aは、画像読み取り部20の主走査方向の読み取り可能範囲に相当する幅を有しており、正方形の9個のパッチを含んでいる。各パッチには、それぞれ相異なる色が割り当てられている。また、図6(b)に示すテーブル52aには、図6(a)の測定用パッチ画像51aにおける各パッチの番号(パッチ番号)に対応させて、各パッチの位置情報が記録されている。図6(b)に示す例において、この位置情報は、図6(a)に示した測定用パッチ画像51aにおける左上の隅を原点とし、幅方向(画像読み取り部20による読み取りの際に主走査方向と一致する方向)をX軸、幅方向に垂直な方向(画像読み取り部20による読み取りの際に副走査方向と一致する方向)をY軸とする直交座標を用い、各パッチにおける左上の頂点の位置をX座標値およびY座標値で表している。
図6(b)に示すような位置情報は、記憶部50に保持されている測定用パッチ画像51aのデータにおいて、パッチの位置を示す情報として記録されると共に、パッチ画像読み取りパターンにも記録される。これにより、測定用パッチ画像51aの読み取りデータにおける各パッチを特定し、パッチ画像読み取りパターンと比較して色情報を解析することが可能となる。
ここで、読み取りムラ判定部41による読み取りムラ検出用画像を用いた判定処理により、読み取りムラが判定され、色特性判定対象領域が決定されたものとする。例えば、画像読み取り部20の主走査方向における両端から長さ[20]の範囲は読み取りムラが大きいため、X座標値:[20]<X<[60]の範囲を色特性判定対象領域として決定したとする。この場合、装置制御部30のデータ処理部40は、この判定結果を作業メモリ等の記憶手段から読み出し、この判定結果に基づいて、測定用パッチ画像51aの各パッチが色特性判定対象領域内に収まるように、測定用パッチ画像51aを縮小する。図6(c)を参照すると、縮小された測定用パッチ画像51bにおいて、画像読み取り部20の主走査方向における両端から長さ[20]の範囲(斜線を付した領域)を除く色特性判定対象領域53の範囲内に全てのパッチが配置されている。
また、データ処理部40は、図6(c)に示すように測定用パッチ画像51aを変形した場合、その変形に合わせて、各パッチの位置情報も変更する。すなわち、データ処理部40は、測定用パッチ画像51aを変形処理する画像処理手段として機能すると共に、パッチの位置情報を変更する位置情報変更手段として機能する。図6(d)に示すテーブル52bには、パッチ番号に対応させて、図6(c)のように変形された測定用パッチ画像51bにおける各パッチの位置情報が記録されている。これにより、図6(c)のように変形された測定用パッチ画像51bを画像形成部10により出力し、画像読み取り部20で読み取った場合にも、色特性判定部42が、読み取りデータにおける各パッチを特定し、パッチ画像読み取りパターンと比較して色特性を判定することが可能となる。
図7は、手法(1)における測定用パッチ画像51b(図6(c)参照)の出力手順を示すフローチャートである。
図7を参照すると、装置制御部30のデータ処理部40は、まず、測定用パッチ画像51bを形成して出力する用紙のサイズに関する情報を取得し(ステップ701)、読み取りムラ判定部41による読み取りムラの判定結果として得られた色特性判定対象領域53の情報を取得する(ステップ702)。用紙のサイズに関する情報は、例えば、記憶部50に、色特性の判定やキャリブレーションを行うための設定情報として保持されている。また、色特性判定対象領域53の情報は、読み取りムラ判定部41により決定されて、作業メモリ等の記憶手段に保持されている。
次に、データ処理部40は、取得した色特性判定対象領域53のサイズに応じて、測定用パッチ画像51aを変形する(ステップ703)。図6を参照して説明した例では、この変形として、測定用パッチ画像51aを縮小した。また、データ処理部40は、測定用パッチ画像51aのパッチの位置情報を、変形後の測定用パッチ画像51bに対応させて変更する(ステップ704)。
この後、装置制御部30は、変形された測定用パッチ画像51bを用紙上に形成して出力する(ステップ705)。出力された測定用パッチ画像51bは、図6(c)に示したように、色特性判定対象領域53の範囲内に全てのパッチが形成されている。この測定用パッチ画像51bを画像読み取り部20にて読み取り、色特性判定部42が、読み取りムラの影響が少ない色特性判定対象領域53の範囲内で読み取った読み取り画像に基づいて色特性を判定し、装置のカラープロファイルを作成する。また、必要に応じてキャリブレーションを行う。
なお、上記の例では、全てのパッチを色特性判定対象領域内に表示させるために、測定用パッチ画像を縮小したが、測定用パッチ画像の変形としては、上記の縮小に限定されない。例えば、図6(a)に示した測定用パッチ画像51aに表示されるパッチを縦(読み取り時の副走査方向)2列や縦1列に並べ替えることによって全てのパッチが色特性判定対象領域53の範囲内に収まるように、測定用パッチ画像51aを変形しても良い。このように測定用パッチ画像を変形する場合、測定用パッチ画像全体を縮小する場合と異なり、パッチ自体が縮小されないため、各パッチの色情報とパッチ画像読み取りパターンとの比較において誤差が生じ難い。
(2)測定用パッチ画像の読み取り画像を編集する手法
本手法では、測定用パッチ画像に対して何ら操作を行わずに、画像形成部10にて測定用パッチ画像を出力し、出力画像を画像読み取り部20にて読み取る。そして、読み取りデータのうちで、画像読み取り部20における読み取りムラの影響が少ない色特性判定対象領域に表示されたパッチの読み取りデータを用いて、色特性を判定する。
図8は、色特性判定対象領域に表示されたパッチにより色特性を判定する様子を説明する図である。
図8(a)は、測定用パッチ画像であり、図6(a)に示したものと同様である。図8(b)は、図8(a)の測定用パッチ画像に対するパッチ画像読み取りパターンである。図8(b)に示すテーブル54aには、図6(a)の測定用パッチ画像における各パッチの番号(パッチ番号)に対応させて、各パッチの色情報が記録されている。また、図8(c)は、図8(a)の測定用パッチ画像の読み取り画像における色特性判定対象領域を示す図であり、図8(d)は、色特性判定対象領域に表示されたパッチのみを対象としたパッチ画像読み取りパターンを示す図である。
図8(c)を参照すると、画像読み取り部20の主走査方向における両端から一定の範囲の領域(斜線を付した領域)は読み取りムラが大きいため、色特性判定対象領域53から除外されている。したがって、測定用パッチ画像51aにおいて色特性判定対象領域53の範囲内に配置されているパッチは、パッチ番号2、5、8の3個である。すなわち、本手法では、図8(a)、(c)に示す測定用パッチ画像51aの読み取り画像において、この3個のパッチの情報に基づき、色特性の判定が行われる。
図8(d)に示すテーブル54bは、図8(c)に示した色特性判定対象領域53の範囲内のパッチ(パッチ番号2、5、8)に対応させて、図8(b)に示したテーブル54aを変更したものである。図8(b)のテーブル54aと図8(d)のテーブル54bとを比較すると、テーブル54bには、テーブル54aに記録された色情報のうち、パッチ番号2、5、8の各パッチに関する情報以外は削除されている。このパッチ画像読み取りパターンの変更は、例えば、色特性判定対象領域53の範囲内のパッチを特定する情報(パッチ番号)に基づいて、色特性判定部42が行う。なお、パッチ画像読み取りパターンのテーブル54aを変更するのではなく、元のパッチ画像読み取りパターンから色特性判定対象領域53の範囲内のパッチに対応する色情報のみを色特性判定部42が読み出して色特性の判定を行うようにしても良い。
図9は、手法(2)における画像形成部10の色特性の判定手順を示すフローチャートである。
事前に、画像読み取り部20の読み取りムラの判定が行われ、画像形成部10により測定用パッチ画像の出力が行われており、画像読み取り部20により測定用パッチ画像の読み取りが行われる(ステップ901)。そして、色特性判定部42が、読み取り画像のパッチの一つに着目し(ステップ902)、着目したパッチが色特性判定対象領域53に含まれているか否かを判断する(ステップ903)。着目したパッチが色特性判定対象領域53に含まれていない場合は、そのパッチの色情報をパッチ画像読み取りパターンから削除する(ステップ904)。
測定用パッチ画像の読み取り画像に含まれる全てのパッチに対してステップ902〜904の処理を行った後(ステップ905)、色特性判定部42は、パッチ画像読み取りパターンに残ったパッチの色情報と、読み取り画像における対応するパッチの色情報とを比較して色特性を判定し、装置のカラープロファイルを作成する(ステップ906)。
本手法では、もともと用意された測定用パッチ画像のうち色特性判定対象領域53の範囲内に配置された一部のパッチのみを用いて色特性を判定するため、全てのパッチを用いて判定する場合と比較して、色特性の判定精度が低下することが考えられる。しかし、判定対象となるパッチは縮小等の変形が行われないため、上記の手法(1)において測定用パッチ画像を縮小した場合と比較して、各パッチの色情報を解析する際の誤差が生じにくい。また、出力する測定用パッチ画像に何らの処理も行わないため、自装置の画像形成部10以外の画像形成装置で出力した測定用パッチ画像の色情報を解析し、その装置の色特性を判定するために(すなわち、簡易測色器として)用いることができる。
(3)画像読み取り部20の設定を変更する手法
本手法では、読み取りムラ判定部41による判定結果に基づいて、画像読み取り部20による読み取り可能範囲の全体にわたって読み取り精度が均一となるように、画像読み取り部20の設定を変更する。本手法によれば、画像読み取り部20で測定用パッチ画像を読み取って得られた読み取り画像の全体と色特性判定対象領域とが一致する。そのため、上記の手法(1)のように測定用パッチ画像を加工する必要もなく、また上記の手法(2)のように一部のパッチのみを対象とする判定となることもない。
ただし、画像読み取り部20の設定変更において、読み取り精度の低い箇所において読み取り精度を向上させることはできないため、読み取り精度の高い箇所の精度を低下させて、全体の読み取り精度を均一にすることとなる。なお、本手法においても、出力する測定用パッチ画像に何らの処理も行わないため、自装置の画像形成部10以外の画像形成装置で出力した測定用パッチ画像の色情報を解析し、その装置の色特性を判定するために(すなわち、簡易測色器として)用いることができる。
以上、本実施形態について説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。上記実施形態に、種々の変更または改良を加えたものも、本発明の技術的範囲に含まれることは、特許請求の範囲の記載から明らかである。
例えば、読み取りムラ検出用画像は、画像読み取り部20の主走査方向に沿って、読み取り可能範囲全体にわたる長さを有し、副走査方向に沿って、画像読み取り部20の撮像素子による画像の読み取りを安定的に行うことが可能な長さ(幅)を有する画像であれば良く、図3や図5に示したような長方形である必要はない。
また、本実施形態では、画像読み取り部20の主走査方向に沿って生じる読み取りムラを判定し、判定結果を測定用パッチ画像の形成や読み取りの処理に反映させたが、さらに画像読み取り部20の副走査方向に沿って生じる読み取りムラを判定し、判定結果を測定用パッチ画像の形成や読み取りの処理に反映させるようにしても良い。
また、本実施形態では、図1に示したように、複写機能、プリンタ機能、スキャナ機能などを備えた複合機である画像処理装置100のデータ処理部40において、読み取りムラ検出用画像の読み取りデータに基づく読み取りムラの判定、測定用パッチ画像の加工、色特性判定などの処理を行った。しかしながら、本実施形態を実現する構成としては、上記のように各データ処理を行う機能を画像処理装置100に設ける構成には限定しない。例えば、プリントサーバ等の制御装置においてデータ処理を行い、制御装置に制御される画像形成装置の色特性を判定したり、画像読み取り装置の読み取りムラを判定したりするように構成しても良い。
図10は、データ処理手段としての制御装置と、画像形成手段としての画像形成装置と、画像読み取り手段としての画像読み取り装置とを別個の装置として設けた、本実施形態が適用されるシステムの構成例を示す図である。
図10に示すシステムは、画像形成装置300と、画像読み取り装置400と、これらを制御する制御装置200とを備え、各装置はLAN(Local Area Network)その他の接続回線を介して接続されている。
画像形成装置300は、制御装置200から受け付けた制御命令にしたがって、トナーやインク等の画像形成材を用いて、用紙等の媒体上に画像を形成する。画像読み取り装置400は、制御装置200から受け付けた制御命令にしたがって、画像の読み取り(デジタルデータへの変換)を行う。画像読み取り装置400が読み取った画像のデータは、制御装置200へ送られる。
制御装置200は、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置により実現され、制御装置200に接続されている画像形成装置300や画像読み取り装置400の制御やデータ処理を行う処理部210と、処理部210が実行する制御プログラムや各種のデータを記憶した記憶部220とを備える。処理部210は、読み取りムラ判定部211の機能と色特性判定部212の機能とを有する。これらの機能は、図1に示した画像処理装置100における読み取りムラ判定部41および色特性判定部42の機能と同様である。また、図10に示す例では、制御装置200の記憶部220に、読み取りムラ検出用画像、測定用パッチ画像、パッチ画像読み取りパターン、カラープロファイルの各データが保持されている。
図10に示すように構成されたシステムにおいて、画像読み取り装置400の読み取り特性(読み取り精度のムラの様子)の判定は、次のように行われる。
まず、制御装置200の制御により、画像形成装置300に読み取りムラ検出用画像を出力させる。ここで、画像形成装置300による読み取りムラ検出用画像の出力は、図1に示した画像処理装置100の画像形成部10による読み取りムラ検出用画像の出力と同様である。なお、図10に示す例では、制御装置200の記憶部220に読み取りムラ検出用画像のデータが格納されており、このデータが制御装置200から画像形成装置300へ送られて出力されるように構成されているが、読み取りムラ検出用画像のデータは画像形成装置300の記憶装置に格納しておき、制御装置200からの出力命令に基づいて画像形成装置300が読み取りムラ検出用画像を形成して出力するようにしても良い。
次に、出力された読み取りムラ検出用画像を画像読み取り装置400で読み取ると、読み取り画像のデータが、画像読み取り装置400から制御装置200へ送られる。この画像読み取り装置400による読み取りムラ検出用画像の読み取りは、画像の向き等の特定等も含め、図1に示した画像処理装置100の画像読み取り部20による読み取りムラ検出用画像の読み取りと同様である。
制御装置200は、画像読み取り装置400から読み取りムラ検出用画像の読み取り画像のデータを取得すると、このデータに基づいて、処理部210の読み取りムラ判定部211により、画像読み取り装置400の読み取り特性を判定する。そして、読み取りムラ検出用画像の読み取りに用いた画像読み取り装置400における色特性判定対象領域を決定する。
次に、画像形成装置300の色特性の判定は、次のように行われる。
まず、測定用パッチ画像を加工する手法(手法(1))を採用する場合、測定用パッチ画像の加工は、制御装置200の処理部210が行う。すなわち、処理部210が、記憶部220から測定用パッチ画像のデータを読み出し、上記の読み取りムラ判定部211による読み取りムラ判定処理で決定した色特性判定対象領域の範囲内に各パッチが含まれるように、読み出した測定用パッチ画像を加工する。そして、制御装置200は、出力命令と共に、加工した測定用パッチ画像を画像形成装置300に送り、出力させる。
次に、出力された測定用パッチ画像を画像読み取り装置400で読み取ると、読み取り画像のデータが、画像読み取り装置400から制御装置200へ送られる。制御装置200は、画像読み取り装置400から測定用パッチ画像の読み取り画像のデータを取得すると、このデータに基づいて、処理部210の色特性判定部212により、測定用パッチ画像を出力した画像形成装置300の色特性を判定する。そして、判定結果に基づき、この画像形成装置300のカラープロファイルを作成する。
また、測定用パッチ画像の読み取り画像を編集する手法(手法(2))を採用する場合、制御装置200の処理部210は、記憶部220から測定用パッチ画像のデータを読み出し、そのまま出力命令と共に画像形成装置300に送って、出力させる。なお、この場合、測定用パッチ画像のデータは画像形成装置300の記憶装置に格納しておき、制御装置200からの出力命令に基づいて画像形成装置300が測定用パッチ画像を形成して出力するようにしても良い。
次に、出力された測定用パッチ画像を画像読み取り装置400で読み取ると、読み取り画像のデータが、画像読み取り装置400から制御装置200へ送られる。制御装置200は、画像読み取り装置400から測定用パッチ画像の読み取り画像のデータを取得すると、上記の読み取りムラ判定部211による読み取りムラ判定処理で決定した色特性判定対象領域の範囲内に含まれているパッチの読み取りデータに基づいて、処理部210の色特性判定部212により、測定用パッチ画像を出力した画像形成装置300の色特性を判定する。そして、判定結果に基づき、この画像形成装置300のカラープロファイルを作成する。
また、画像読み取り部20の設定を変更する手法(手法(3))を採用する場合、制御装置200は、上記の読み取りムラ判定部211による読み取りムラ判定処理の判定結果に基づいて、画像読み取り装置400による読み取り可能範囲の全体にわたって読み取り精度が均一となるように、画像読み取り装置400の設定変更を行う。そして、制御装置200の制御により、画像形成装置300から測定用パッチ画像を出力させ、出力した測定用パッチ画像を画像読み取り装置400で読み取って得られた読み取り画像のデータを取得する。上記の設定変更により、画像読み取り装置400の読み取り精度は読み取り可能範囲の全体にわたって均一となっているので、処理部210の色特性判定部212は、取得した読み取り画像のデータをそのまま用いて、測定用パッチ画像を出力した画像形成装置300の色特性を判定する。そして、判定結果に基づき、この画像形成装置300のカラープロファイルを作成する。
以上、制御装置200と、画像形成装置300と、画像読み取り装置400とをそれぞれ独立の装置として構成したシステムにおける本実施形態の適用例を説明したが、本実施形態は、このような構成の他、画像形成機能および画像読み取り機能を備えた複写機等の画像処理装置と制御装置とを接続したシステム構成、画像読み取り装置と制御装置とを一体とし独立の画像形成装置を接続したシステム構成、画像形成装置と制御装置とを一体とし独立の画像読み取り装置を接続したシステム構成等に対しても、適用可能である。
10…画像形成部、20…画像読み取り部、30…装置制御部、40…データ処理部、41…読み取りムラ判定部、42…色特性判定部、50…記憶部、61…読み取りムラ検出用画像、100…画像処理装置

Claims (8)

  1. 媒体上に形成された画像を読み取る画像読み取り部と、
    前記画像読み取り部の読み取り処理における主走査方向の読み取り範囲の長さ以上の長さと、当該画像読み取り部による安定的な読み取りが可能な幅を有する第1の特定画像を前記画像読み取り部により読み取って得られた読み取り画像に基づき、当該画像読み取り部による読み取り処理において生じる読み取り精度の不均一さを判定する読み取り状態判定部と、
    前記読み取り状態判定部による判定結果に基づいて、前記画像読み取り部による読み取り画像のうちで色特性の判定に用いる領域である対象領域を決定する対象領域決定部と、
    予め設定された第2の特定画像を前記画像読み取り部により読み取って得られた読み取り画像のうち、前記対象領域内の画像に基づいて、当該第2の特定画像を形成した画像形成装置の色特性を判定する色特性判定部と、
    を備える、画像処理装置。
  2. 前記第1の特定画像前記媒体上に形成する画像形成部をさらに備え、
    前記読み取り状態判定部は、前記媒体上に形成された前記第1の特定画像を、前記画像読み取り部の読み取り処理における主走査方向に沿う方向が当該第1の特定画像において当該主走査方向の読み取り範囲の長さ以上の長さとなる向きで読み取ることにより得られた読み取り画像に基づいて、前記読み取り精度の不均一さを判定することを特徴とする、請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記画像形成部は、像形成の動作における副走査方向に沿って前記画像読み取り部の読み取り処理における主走査方向の読み取り範囲の長さ以上の長さを有し、像形成の動作における主走査方向の予め設定された範囲に配置される前記第1の特定画像を、前記媒体上に形成することを特徴とする、請求項2に記載の画像処理装置。
  4. 前記読み取り状態判定部は、前記第1の特定画像の読み取り画像における各画素の色値に基づき、各画素の色値に対する基準値を計算し、当該基準値と各画素の色値との間の差分を求め、
    前記対象領域決定部は、前記読み取り状態判定部により求められた前記基準値と各画素の色値との差分が一定以下である領域を前記対象領域として決定することを特徴とする、請求項2または請求項3に記載の画像処理装置。
  5. 前記第2の特定画像を前記対象領域内に収まるように変形し、当該変形が行われた当該第2の特定画像を前記画像形成部に形成させることを特徴とする、請求項2乃至請求項4のいずれかに記載の画像処理装置。
  6. 前記色特性判定部は、前記第2の特定画像を構成する画像のうち、前記対象領域内に描画されている部分に基づいて、前記画像形成部の色特性を判定することを特徴とする、請求項2乃至請求項4のいずれかに記載の画像処理装置。
  7. 前記読み取り状態判定部による判定結果に基づき、前記画像読み取り部による読み取り画像の全体が前記対象領域決定部により決定される前記対象領域となるように、当該画像読み取り部における読み取り特性の設定を変更することを特徴とする、請求項2乃至請求項4のいずれかに記載の画像処理装置。
  8. 画像形成装置により出力された、画像読み取り装置の読み取り処理における主走査方向の読み取り範囲の長さ以上の長さと、当該画像読み取り装置による安定的な読み取りが可能な幅を有する第1の特定画像を当該画像読み取り装置により読み取って得られた読み取り画像に基づき、当該画像読み取り装置による読み取り処理において生じる読み取り精度の不均一さを判定する読み取り状態判定部と、
    前記読み取り状態判定部による判定結果に基づいて、前記画像読み取り装置による読み取り画像のうちで色特性の判定に用いる領域である対象領域を決定する対象領域決定部と、
    前記画像形成装置により出力された予め設定された第2の特定画像を前記画像読み取り装置により読み取って得られた読み取り画像のうち、前記対象領域内の画像に基づいて、当該画像形成装置の色特性を判定する色特性判定部と、
    を備えることを特徴とする、画像処理装置。
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