JP2004096475A - 画像読取装置及びプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】基準部材の不良による信号値の変化と、光電変換手段の不良画素による信号値の変化を識別し、前記基準部材の不良の影響を除去したシェーディング補正用の基準信号を生成可能とし、画質の優れた画像読取装置を実現する。
【解決手段】画像読取装置の第1の光学ユニット1及び第2の光学ユニット2は、それぞれ、CCD19a、19bの感度不均一画素を示す情報を記憶するEEPROM37a、37bと、シェーディング補正に用いる基準白データを記憶するメモリ32a、32bと、基準白色板22、20を読み取って得た白データから特異点を検出し、EEPROM37a、32bに記憶された情報に該当せず且つ特異点と検出された画素の白データを補正し、前記以外の画素の白データは補正せずに、メモリ32a、32bに記憶するCPU35a、35bを備える。
【選択図】   図8

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、CCD等のリニアイメージセンサで原稿面を走査し原稿画像を読み取る画像読取装置に関し、特に、リニアイメージセンサの画素感度のばらつき(画素感度不均一)や、光源、光学系の特性による明暗のばらつきを補正するためのシェーディング補正を行うことが可能な画像読取装置及びプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、CCD等のリニアイメージセンサで原稿面を走査し原稿画像を読み取る画像読取装置では、リニアイメージセンサの画素感度ばらつきや、光源、光学系の特性による明暗のばらつきを補正するために、リニアイメージセンサで基準白色板を読み取って得た白色データを基にシェーディング補正が行われている。
【0003】
基準白色板にゴミや汚れが無く、リニアイメージセンサの画素感度ばらつきが無い図6に示すような正しい基準白データが読み取れる場合は、正常にシェーディング補正を行うことができる。しかし、図21に示すような基準白色板のイメージセンサのn画素目に相当する位置にゴミがあった場合には、図7に示すように該当画素の信号レベルがゴミの影響で落ち込み、この信号レベルを基準白データとしてシェーディング補正を行うと、該当画素部分が縦スジとなって画像劣化を引き起こす。
【0004】
この画像劣化を引き起こすゴミや汚れの影響をなくすために、複数ラインの基準白データを読み取り、注目画素の複数ラインの読取データの平均値や最大値を算出し、この値を注目画素の基準白データとしてシェーディング補正を行う方法が提案されている。また、注目画素の近傍の画素の白色データとの比較から、白色信号レベルの落ち込み個所を検出し、検出した画素の基準白データを近傍の画素のデータで置き換えることにより、基準白色板に付着したゴミや傷、汚れの影響による縦スジを防止する方法が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、リニアイメージセンサの読取位置が固定であり、且つ読取対象の原稿を搬送して原稿面を走査する構成の画像読取装置では、基準白色板がリニアイメージセンサに対し原稿通過面と反対の位置に固定された状態で配置されているため、基準白色板の複数のラインを読み取っても、物理的には同じラインを読むことになる。このため、上述したような注目画素の複数ラインの読取データの平均値や最大値を算出する方法では、基準白色板に付着したゴミや汚れの影響を除去することができないという問題があった。
【0006】
また、注目画素の近傍の画素の白色データとの比較から、白色信号レベルの落ち込み個所を検出し、検出した画素の基準白データを近傍の画素のデータで置き換える方法では、白色信号レベルの落ち込みが基準白色板に付着したゴミや傷、汚れの影響による縦スジは防止できる。しかし、リニアイメージセンサの画素感度ばらつきにより白色信号レベルが落ち込んだ画素の白データを、近傍の画素のデータで置き換えると、そこが縦スジになって画像劣化を引き起こすという問題があった。
【0007】
本発明は、上述した点に鑑みなされたものであり、基準部材の不良による信号値の変化と、光電変換手段の不良画素による信号値の変化を識別し、前記基準部材の不良の影響を除去したシェーディング補正用の基準信号を生成可能とし、画質の優れた画像読取装置及びプログラムを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は、光電変換手段と、シェーディング補正用の基準部材とを備えた画像読取装置であって、前記基準部材を読み取って得た信号値から特異点を検出する検出手段と、前記信号値を画素ごとに補正する補正手段と、前記基準部材を読み取って得た信号値から前記シェーディング補正用の基準信号を生成する際に、前記検出手段で特異点と検出された画素が前記光電変換手段の特定画素に該当しない場合に該画素の信号値を前記補正手段で補正するように制御し、前記検出手段で特異点と検出された画素が前記特定画素に該当する場合には該画素の信号値を前記補正手段で補正しないように制御する制御手段とを有することを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、光電変換手段と、シェーディング補正用の基準部材とを備えた画像読取装置における画素データ補正方法を実行するプログラムであって、前記画素データ補正方法は、前記基準部材を読み取って得た信号値から特異点を検出する検出工程と、前記信号値を画素ごとに補正する補正工程と、前記基準部材を読み取って得た信号値から前記シェーディング補正用の基準信号を生成する際に、前記検出工程で特異点と検出された画素が前記光電変換手段の特定画素に該当しない場合に該画素の信号値を前記補正工程で補正するように制御し、前記検出工程で特異点と検出された画素が前記特定画素に該当する場合には該画素の信号値は補正しないように制御する制御工程とを有することを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0011】
[第1の実施の形態]
先ず、本発明の第1の実施の形態を説明する。図1は第1の実施の形態に係る画像読取装置の概略構成を示す構成図である。画像読取装置は、原稿下面の画像情報を読み取る第1の光学ユニット1、原稿上面の画像情報を読み取る第2の光学ユニット2、原稿を原稿読取位置に搬送する搬送ローラ3、原稿を装置外部に排出する排紙ローラ4、読取対象の原稿が載置される原稿台ガラス5、読取対象の原稿を複数枚積載することが可能な原稿設置台6、図8等に示す各種電子部品が実装された制御基板7、第1の光学ユニット1を移動させるためのレール8、給紙部9を備えている。
【0012】
本画像読取装置は、第1の光学ユニット1、第2の光学ユニット2により原稿両面の読み取りが可能な両面画像読取装置として構成されており、原稿台ガラス5上に原稿を載置固定した状態で原稿画像を読み取るフラットベッドモードと、原稿設置台6上に積載した原稿を搬送させて原稿画像を読み取るシートスルーモードの何れかのモードで動作することが可能となっている。
【0013】
まず、画像読取装置のシートスルーモードによる原稿読み取りについて説明する。シートスルーモードで原稿を読み取る場合には、搬送ローラ3を含む搬送系により原稿設置台6上の原稿を搬送し、第1の光学ユニット1、第2の光学ユニット2によりそれぞれ原稿の下面、上面を読み取る。原稿設置台6上に表を下に向けた状態で載置された原稿は、不図示のピックアップローラによってピックアップされ、不図示の分離機構によって一番下の原稿だけが分離され給紙される。分離給紙された原稿は、搬送ローラ3によって矢印方向に搬送され、原稿読取位置を通過する。原稿は原稿読取位置を通過した後、排紙ローラ4によって矢印方向に排紙される。
【0014】
第1の光学ユニット1は、原稿の下を向いた面の画像情報を読み取るための光学ユニットであり、不図示のモータによってレール8を介し図1の左右方向に移動可能に構成されており、シートスルーモードでは、図1の位置に固定された状態で原稿台ガラス5を通して原稿の表面の画像情報を読み取る。また、第2の光学ユニット2は、原稿の上を向いた面の画像情報を読み取るための光学ユニットであり、第1の光学ユニット1と原稿搬送路を挟んで反対側の位置に固定された状態で給紙部9内に配置されている。この2つの第1の光学ユニット1、第2の光学ユニット2によって、原稿の下面、上面を片面ずつ、または上下両面を一度に読み取ることもできるように構成されている。
【0015】
給紙部9と原稿設置台6は一体となった状態で原稿台ガラス5の上部に設置されており、画像読取装置の筐体奥側に配設されたヒンジを介して開閉できるように構成されている(給紙部9と原稿設置台6を以後ADF(Auto Document Feeder)と称する)。
【0016】
図2は画像読取装置の第1の光学ユニット1の内部構造を示す構成図である。第1の光学ユニット1は、光源11a、反射板12a、第1反射ミラー13a、第2反射ミラー14a、第3反射ミラー15a、第4反射ミラー16a、第5反射ミラー17a、レンズ18a、ラインイメージセンサ19aを備えている。第2の光学ユニット2も第1の光学ユニット1と同様な内部構造(図示略)を備えている。第1の光学ユニット1の各構成部材を示す符号の後に添字aを付加し、第2の光学ユニット2の各構成部材を示す符号の後に添字bを付加するものとする。
【0017】
光源11aは、第1の光学ユニット1の上方に位置する原稿の下面を照射する。反射板12aは、原稿面の照度を上げるためのものである。光源11aからの照射光と反射板12aで反射された反射光により原稿を照射し、原稿の反射光が第1反射ミラー13a、第2反射ミラー14a、第3反射ミラー15a、第4反射ミラー16a、第5反射ミラー17aでそれぞれ反射され、レンズ18aを介してラインイメージセンサ19a上に結像される。ラインイメージセンサ19aにより原稿の反射光を電気信号に光電変換することで、1ラインの画像情報が得られる。
【0018】
図3は画像読取装置の第1の光学ユニット1のラインイメージセンサ19aの概略構成と有効読取範囲を示す図である。第1の光学ユニット1のラインイメージセンサ19aは例えば有効画素数7500画素のモノクロCCDであり、第1の実施の形態では有効画素数7500画素のうち7000画素を原稿読取用に使用している。第2の光学ユニット2のラインイメージセンサ19bも同様であり(図示略)説明を省略する。
【0019】
次に、画像読取装置のフラットベットモードによる原稿読み取りについて説明する。フラットベットモードで原稿を読み取る場合には、ADFをヒンジを回転中心として手前を開け、原稿を原稿台ガラス5に載せた後、ADFを閉め、ADFで原稿を押えて読み取るようになっている。第1の光学ユニット1が不図示のモータにより駆動され、レール8上を矢印方向に移動しながら、原稿台ガラス5上に載置された原稿表面のライン画像情報を順次読み取り、原稿表面の2次元画像情報を得ることができるように構成されている。
【0020】
次に、画像読取装置の概略動作について説明する。図4は画像読取装置のシートスルーモードでの読取位置の概略を示す図である。原稿突き当て板21は、フラットベッドモード時に原稿台ガラス5上に載置する原稿の端部の位置決めを行うための板である。基準白色板22は、第1の光学ユニット1用の基準白色板であり、原稿突き当て板21の裏面に配設されている。基準白色板20は、第2の光学ユニット2用の基準白色板であり、原稿台ガラス5の上面に配設されている。図中aは第1の光学ユニット1による原稿下面に対する読取位置を示し、bは第2の光学ユニット2による原稿上面に対する読取位置を示している。
【0021】
画像読取装置の操作部(図示略)からの原稿読み取り開始の指示を受け付けると、制御部(図示略)は第1の光学ユニット1をホームポジションに移動させる。次に、第1の光学ユニット1の光源11aを点灯させ、光量が安定するまで所定時間ホームポジションで待機させる。その後、図5に示すように第1の光学ユニット1を矢印方向へ移動させ、原稿突き当て板21の裏面に取り付けてある基準白色板22のcからdの8ライン分を読み取り、後述する第1の光学ユニット1用のシェーディング補正用の基準白データW1(n)(n=1〜7000)を作成し、第1の光学ユニット1のメモリ32a(図8参照)に記憶する。
【0022】
次に、第1の光学ユニット1の光源11aを消灯し、ホームポジションに移動させる。その後、第2の光学ユニット2の光源11bを点灯させ、光量が安定するまで所定時間待機させる。所定時間経過後、第2の光学ユニット2により、原稿台ガラス5上に設けられた基準白色板20を第1の光学ユニット1と同様に8ライン分読み取る。第2の光学ユニット2の読取位置は固定されているため、読み取った8ラインのデータは基準白色板20の同一のラインを読み取ったデータということになる。読み取った8ラインのデータから後述する第2の光学ユニット2用のシェーディング補正用の基準白データW2(n)(n=1〜7000)を作成し、第2の光学ユニット2のメモリ32bに記憶する。
【0023】
図6、図7は基準白色板20及び基準白色板22を読み取った1ラインのデータを示す図である。図中横軸は画素(1〜7000)、縦軸は信号レベルである。図6は基準白色板20、22にゴミや傷等が無く、且つ第1の光学ユニット1のCCD19aや第2の光学ユニット2のCCD19bに感度落ち込み画素がない場合の例であり、1画素から7000画素までなだらかな曲線を描く。図7は基準白色板20、22にゴミや傷がある場合の例であり、n画素目近傍の白データの信号レベルがゴミの影響で落ち込んでいる例である。
【0024】
図8は画像読取装置の第1の光学ユニット1の回路構成を示すブロック図である。第1の光学ユニット1は、原稿の反射光を光電変換するCCD19a、CCD19aの読取画像信号を適正レベルにクランプし増幅する前処理回路30a、前処理回路30aの出力をA/D変換するA/Dコンバータ31a、シェーディング補正用の基準白データを記憶するメモリ32a、シェーディング補正を行うシェーディング補正回路33a、A入力とB入力を有するセレクタ34a、図11、図13のフローチャートに示す処理を実行するCPU35a、A/Dコンバータ31aの出力とセレクタ34aの出力を加算する加算回路36a、感度不均一画素情報を記憶するEEPROM37aを備えている。第2の光学ユニット2も第1の光学ユニット1と同様な回路構成(図示略)を備えている。第1の光学ユニット1の各構成要素を示す符号の後に添字aを付加し、第2の光学ユニット2の各構成要素を示す符号の後に添字bを付加するものとする。
【0025】
第1の光学ユニット1のCCD19aで読み取られた基準白色板22に対応するアナログ画像信号は、前処理回路30aで適正なレベルにクランプされた後、増幅され、A/Dコンバータ31aに入力されてデジタル値に変換される。
【0026】
第1の光学ユニット1用の基準白データW1(n)を得るために、まずセレクタ34aのA入力をCPU35aで選択する。セレクタ34aのA入力には0データが入力されている。この状態で基準白色板22の第1番目のcラインを読み取る。読み取られた白データは加算回路36aで画素ごとに0が加算されるため、結果的にそのままメモリ32aに記憶される。
【0027】
次に、CPU35aによりセレクタ34aの入力をB入力に切り替えることで、加算回路36aの一方の入力にメモリ32aに記憶したcラインのデータが読み出されて入力される。この状態で基準白色板22の第2番目のc+1ラインを読み取る。読み取られた白データは、加算回路36aで基準白色板22の第1番目のcラインのデータと加算されてメモリ32aに記憶される。以下同様な動作で基準白色板22の第8番目のc+7ラインまで読み取られ、第1番目のcラインから第8番目のc+7ラインまで画素ごとに加算された白データがメモリ32aに記憶される。基準白色板22のc+1ラインからc+4ラインにかけてゴミがある場合に得られる基準白データW1(n)のイメージを図9に示す。
【0028】
第2の光学ユニット2用の基準白データW2(n)も同様にして、基準白色板20のbのラインを8ライン分読み取り、基準白データW2(n)がメモリ32bに記憶される。基準白色板20のbのライン上にゴミがある場合に得られる基準白データW2(n)のイメージを図10に示す。
【0029】
次に、第1の光学ユニット1のメモリ32aの上位8ビットのデータを、CPU35aで読み出して基準白データW1(n)に補正処理を施し、第2の光学ユニット2のメモリ32bの上位8ビットのデータを、CPU35bで読み出して基準白データW2(n)に補正処理を施す。
【0030】
この補正処理は、基準白データW1(n)、W2(n)において、信号レベルが周囲の画素と比較して低かったり逆に高かったりする画素を検出し(特異点検出)、この検出画素のデータが、基準白色板上に付着したゴミや傷によって発生したものである場合には、その画素の基準白データをゴミや傷が無い場合に想定される値に補正する特異点除去を行い、検出画素の感度が周囲の画素の感度と異なるために発生したものである場合は、特異点除去を行わずそのままの値をその画素の基準白データとするものである。
【0031】
次に、白基準補正処理について図11を参照しながら説明する。図11は白基準補正処理を示すフローチャートである。まず、注目画素nをn=1とし(ステップS1)、有効読取範囲(図3参照)の先頭の画素W1(1)から処理を開始する。次に、画素nが有効読取範囲内であるか否かを判断し(ステップS2)、画像有効範囲内である場合には、画素nが感度ばらつき画素であるか否かを判断する(ステップS3)。感度ばらつき画素である画素情報(感度不均一画素情報)は、第1の光学ユニット1の場合はEEPROM37a(第2の光学ユニット2の場合は予めEEPROM37b)に、図12に示すフォーマットで例えば製品出荷時に予め記憶されている。
【0032】
上記の感度ばらつき画素である画素情報(感度不均一画素情報)は、16ビット長のデータとして記憶されており、この16ビットの上位13ビットが感度不均一画素の位置を示す画素位置情報41、下位3ビットが感度不均一画素の幅を示す画素幅情報42である。例えば、有効画素の第500画素から第502画素までの3画素が感度不均一画素である場合、第1の光学ユニット1のEEPROM37aには、以下のような値が記憶される。
【0033】
0000111110100011
上記下線部が感度不均一画素の画素幅である3画素幅を表しており、上位13ビットが感度不均一画素の最初の画素位置である500を表している。これをHex(Hexadecimal)で表すと0FA3hである。
【0034】
このようなCCDの全ての感度不均一画素の情報が、第1の光学ユニット1のEEPROM37aの先頭から記憶されており、最後の感度不均一情報は、次のアドレスの値が0000hであることで判断できるようになっている。
【0035】
例えば、CCDの感度不均一画素の部分が全部で2箇所あり、1箇所目は有効画素の第500画素から第502画素までの3画素、2箇所目は有効画素の第6000画素から第60003画素までの4画素である場合は、第1の光学ユニット1のEEPROM37aには次のように記憶されている。
【0036】
0FA3h
BB84h
0000h



画素nが第1の光学ユニット1のEEPROM37aに記憶されている感度不均一画素情報に合致する場合は、特異点除去処理(ステップS4)をスキップしてステップS5に進み、nを1進めて(注目画素を次の順番の画素とする)、上記ステップS2に戻る。画素nが第1の光学ユニット1のEEPROM37aに記憶されている感度不均一画素情報に合致しない場合には、次の特異点除去処理(ステップS4)を行った後にステップS5に進み、nを1進めて(注目画素を次の順番の画素とする)、上記ステップS2に戻る。上述の処理を読取有効範囲の7000画素まで行った後、白基準補正処理は終了する。
【0037】
次に、特異点除去処理について図13を参照しながら説明する。図13は特異点除去処理を示すフローチャートである。まず、注目画素nとその直前の画素n−1の基準白データW1(n)とW1(n−1)の差
|W1(n)−W1(n−1)|
と、規定値th1とを比較する(ステップS41)。|W1(n)−W1(n−1)|≧th1の場合にはステップS43に進み、|W1(n)−W1(n−1)|<th1の場合にはステップS42に進む。
【0038】
|W1(n)−W1(n−1)|<th1の場合、注目画素nとその直後の画素n+1の基準白データW1(n)とW1(n+1)の差
|W1(n+1)−W1(n)|
と、規定値th1とを比較する(ステップS42)。|W1(n+1)−W1(n)|≧th1の場合にはステップS43に進み、|W1(n+1)−W1(n)|<th1の場合にはステップS43をスキップして本処理を終了する。
【0039】
上述の処理で、|W1(n)−W1(n−1)|と|W1(n+1)−W1(n)|のどちらか一方でも規定値th1以上の場合にステップS43を実行する。即ち、直前の画素の基準白データW1(n−1)の値を、第1の光学ユニット1のメモリ32aのn画素目の基準白データW1(n)に上書きして置き換える(ステップS43)。
【0040】
このようにして、原稿の読取時におけるシェーディング補正に用いる第1の光学ユニット1の基準白データW1 (n)がメモリ32aに得られる。第2の光学ユニット2の基準白色データW2(n)も上記と同様の処理により、メモリ32bに得られる。
【0041】
以上の処理によって、図14に示すような白データの落ち込み個所がn画素付近にあった場合、白データの落ち込み個所がCCDの感度不均一画素である場合には、第n画素の基準白データW1(n)は図15に示すように補正されずそのままの値となり、白データの落ち込み個所がCCDの感度不均一画素で無い場合には、直前の画素で置き換えられて図16に示すように補正される。
【0042】
次に、原稿設置台6上の原稿を原稿読取位置に搬送することで、第1の光学ユニット1、第2の光学ユニット2により、原稿下面の原稿画像情報D1i(n)と原稿上面の画像情報D2i(n)が各ラインごとに読み取られる。第1の光学ユニット1で読み取られる原稿下面の画像は、CCD19aで読み取られてアナログ情報として出力され、前処理回路30aで処理された後、A/Dコンバータ31aでデジタル値D1i(n)に変換され、シェーディング補正回路33aに入力される。
【0043】
また、先にメモリ32aに記憶しておいた基準白データW1(n)が読み出されて、シェーディング補正回路33aに入力され、
D1o(n)=D1i(n) x  Wref  / W1(n)
で示す処理が施され、シェーディング補正後の画像データD1o(n)が出力される。ここで、Wrefは白レベルの固定の基準値であり、8ビットで量子化する場合にはFFhとなる。
【0044】
同様に、第2の光学ユニット2で読み取られる原稿上面の画像は、CCD19bで読み取られてアナログ情報として出力され、上述の処理と同様にして、前処理回路30bで処理された後、A/Dコンバータ31bでデジタル値D2i(n)に変換され、シェーディング補正回路33bに入力される。
【0045】
また、先にメモリ32bに記憶しておいた基準白データW2(n)が読み出されて、シェーディング補正回路33bに入力され、
D2o(n)=D2i(n) x  Wref  / W2(n)
で示す処理が施され、シェーディング補正後の画像データD2o(n)が出力される。
【0046】
尚、第1の実施の形態では、0000hで感度不均一情報の終わりを示したが、FFFFhで終わりを示しても、有効読取範囲外の画素位置情報で終わりを示しても良い。
【0047】
以上説明したように、第1の実施の形態によれば、第1の光学ユニット1のEEPROM37a、第2の光学ユニット2のEEPROM37bに予めCCDの感度不均一画素の画素位置と画素幅を示す情報を記憶しておき、それぞれ、基準白色板22、20を読み取って基準白データを得る際に、EPROM37a、EEPROM37bに記憶された情報に該当せず且つ特異点と検出された画素の白データのみを補正し、その他の画素の白データはそのまま補正せずに、EPROM37a、EEPROM37bに記憶するため、次のような効果を奏する。
【0048】
基準白色板に付着したゴミ、汚れ、傷の影響による白色信号レベルの落ち込みと、CCDの画素感度ばらつきによる白色信号レベルの落ち込みを識別し、それぞれ上記のような最適な処理を行うことにより、基準白色板に付着したゴミ、汚れ、傷の影響のある画素の基準白色データだけを補正することができる。これにより、CCDにおける感度不均一の画素をゴミと間違って補正することがないため、CCDの画素感度不均一による縦スジと、基準白色板に付着したゴミ、汚れ、傷による縦スジの両方を防止することができる画質の優れた両面画像読取装置を安価に実現することができる。
【0049】
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態を説明する。図17は第2の実施の形態に係る画像読取装置の第1の光学ユニット1のラインイメージセンサ19aの概略構成と有効読取範囲を示す図である。第1の光学ユニット1のラインイメージセンサ19aは例えば有効画素数7500画素のカラーCCDであり、第2の実施の形態では有効画素数7500画素のうち7000画素を原稿読取用に使用している。第2の光学ユニット2のラインイメージセンサ19bも同様であり(図示略)説明を省略する。
【0050】
第2の実施の形態では、Red、Green、Blueの3ラインCCDの感度不均一画素情報を、図18に示すように、どの色のCCD(RGBのどの色に対応するCCD)であるかを特定するための色情報51と、感度不均一画素の位置を示す画素位置情報52と、感度不均一画素の幅を示す画素幅情報53からなるフォーマットで、第1の光学ユニット1の場合はEEPROM37aに、第2の光学ユニット2の場合はEEPROM37bに、例えば製品出荷時に予め記憶する。
【0051】
Bit15、Bit14の色情報51は、どの色のCCDかを特定するための2ビットの情報であり、以下のように、その組合せによりRGBのCCDを指定する。
Figure 2004096475
感度不均一画素無しは、以降に感度不均一画素が無いことを示す。
【0052】
Bit13〜Bit2の12bitの位置情報52は、読取有効画素位置番号を2で割った商情報である。
【0053】
Bit2、Bit1の画素幅情報53は、以下のように、その組合せにより感度不均一幅を示す。
Figure 2004096475
図19は画像読取装置の第1の光学ユニットの回路構成を示すブロック図である。第1の光学ユニット1は、CPU36と、EEPROM37と、RGB各色ごとに制御系を備えている。R色の制御系は、CCD19、前処理回路30R、A/Dコンバータ31R、メモリ32R、シェーディング補正回路33R、セレクタ34R、加算回路36Rを備えている。第2の光学ユニット2も第1の光学ユニット1と同様な回路構成(図示略)を備えている。R色の制御系の各構成要素を示す符号の後に添字Rを付加し、G色の制御系の各構成要素を示す符号の後に添字Gを付加し、B色の制御系の各構成要素を示す符号の後に添字Bを付加するものとする。尚、各部の機能は第1の実施の形態で詳述したので説明を省略する。
【0054】
第2の実施の形態は、RGB各色ごとにCCD19で光電変換されたRGBの各アナログ信号を、第1の実施の形態と同様の回路で各色ごとに処理する構成であり、RGB各色のCCDの基準白データW1R(n)、W1G(n)、W1B(n)は、それぞれメモリ32R、メモリ32G、メモリ32Bに記憶されるよう構成されている。感度不均一画素情報は、1つのEEPROM37に一括で記憶されており、単一のCPU35で全ての色の白基準補正を行うようになっている。
【0055】
例えば、R色のCCDの1200画素から1201画素までに感度不均一があり、G色のCCDは感度不均個所が無く、B色のCCDの300画素から303画素と、4000画素から4005画素の2箇所に感度不均一がある場合には、EEPROM37に予め、下記のような感度不均一画素情報が書き込まれている。
【0056】
0960h
8259h
9F42h
FFFFh


R色のCCDの白基準補正処理では、最初の0960hが感度不均一情報として用いられる。Bit15、Bit14から、次の感度不均一情報がB色のCCDのものであることが分かるため、R色のCCDの感度不均一個所はこの1箇所であることが分かる。G色のCCDの感度不均一個所は無いことと、B色のCCDの感度不均一個所は8259h、9F42hの2箇所であることが、次のデータがFFFFhであることから判断される。以下の処理は第1の実施の形態と同じである。
【0057】
以上説明したように、第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様に、CCDにおける感度不均一の画素をゴミと間違って補正することがないため、CCDの画素感度不均一による縦スジと、基準白色板に付着したゴミ、汚れ、傷による縦スジの両方を防止することができる画質の優れた両面画像読取装置を安価に実現することができる。
【0058】
[第3の実施の形態]
次に、本発明の第3の実施の形態を説明する。図20は第3の実施の形態に係る画像読取装置の第2の光学ユニットの回路構成を示すブロック図である。第2の光学ユニット2は、CCD19b、前処理回路30b、A/Dコンバータ31b、メモリ32b、シェーディング補正回路33b、CPU35b、EEPROM37bを備えている。尚、各部の機能は第1の実施の形態で詳述したので説明を省略する。
【0059】
第3の実施の形態では、第1の光学ユニット1の回路構成は第1の実施の形態と同じ構成(図8参照)であり、第2の光学ユニット2の回路構成はセレクタ34b、加算回路36bを廃止し、メモリ32bのビット幅を11ビットから8ビットへ減少させたものである。即ち、第3の実施の形態は第2の光学ユニット2の部品点数を削減したものである。
【0060】
第1の光学ユニット1は、第1の実施の形態と同様に基準白色板22のcからdの8ライン分を読み取り、第1の光学ユニット1用のシェーディング補正用の基準白データW1(n)(n=1〜7000)を作成してメモリ32aに記憶する。このようにしてメモリ32aに記憶されたデータの上位8ビットを基準白データW1(n)として扱うことで、基準白色板22のcからdまでの物理的に異なる位置の8ライン分のデータの平均値を基準白データW1(n)とする。
【0061】
第2の光学ユニット2の読取位置は固定されているため、基準白色板20のbの位置しか読み取ることができない。従って、第2の光学ユニット2で何回読み取っても同一のラインのデータであるため、基準白色板20を1ラインだけ読み取り、この1ラインのデータを基準白データW2(n)としてメモリ32bに記憶する。以下の処理は第1の実施の形態と同様である。
【0062】
以上説明したように、第3の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様に、CCDにおける感度不均一の画素をゴミと間違って補正することがないため、CCDの画素感度不均一による縦スジと、基準白色板に付着したゴミ、汚れ、傷による縦スジの両方を防止することができる画質の優れた両面画像読取装置を安価に実現することができる。
【0063】
[他の実施の形態]
上記実施の形態では、画像読取装置単体の場合を例に挙げたが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の画像読取装置を備えた複写機、本発明の画像読取装置を備えた複合機に適用することもできる。
【0064】
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、1つの機器からなる装置に適用してもよい。上述した実施形態の機能を実現するソフトウエアのプログラムコードを記憶した記憶媒体等の媒体をシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体等の媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても、本発明が達成されることは言うまでもない。
【0065】
この場合、記憶媒体等の媒体から読み出されたプログラムコード自体が上述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体等の媒体は本発明を構成することになる。プログラムコードを供給するための記憶媒体等の媒体としては、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD−RAM、DVD−RW、DVD+RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、或いはネットワークを介したダウンロードなどを用いることができる。
【0066】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、上述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって上述した実施形態の機能が実現される場合も、本発明に含まれることは言うまでもない。
【0067】
更に、記憶媒体等の媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって上述した実施形態の機能が実現される場合も、本発明に含まれることは言うまでもない。
【0068】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、基準部材の不良による信号値の変化と、光電変換手段の不良画素による信号値の変化を識別し、前記基準部材の不良の影響を除去したシェーディング補正用の基準信号を生成することができる。そして、画質の優れた画像読取装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る画像読取装置の模式的な概略構成を示す構成図である。
【図2】画像読取装置の第1の光学ユニットの内部構造を示す構成図である。
【図3】画像読取装置のCCDの概略構成と有効読取範囲を示す図である。
【図4】画像読取装置のシートスルーモードでの第1及び第2の光学ユニットの読取位置を示す模式的な構成図である。
【図5】第1の光学ユニットの基準白読取位置を示す模式的な構成図である。
【図6】ゴミ等が無い基準白色板を読み取ったときの信号波形を示す図である。
【図7】ゴミ等が付着した基準白色板を読み取ったときの信号波形を示す図である。
【図8】第1の光学ユニットの回路構成を示すブロック図である。
【図9】基準白色板のc+1〜c+4ラインにゴミがある場合の基準白色データを示す図である。
【図10】基準白色板のbラインにゴミがある場合の基準白色データを示す図である。
【図11】白基準補正処理を示すフローチャートである。
【図12】感度不均一画素情報のフォーマットを示す図である。
【図13】特異点除去処理を示すフローチャートである。
【図14】レベルの落ち込みがある基準白色データを示す図である。
【図15】特異点除去処理を施さない基準白色データを示す図である。
【図16】特異点除去処理を施した基準白色データを示す図である。
【図17】本発明の第2の実施の形態に係る画像読取装置のカラーCCDの概略構成と有効読取範囲を示す図である。
【図18】感度不均一画素情報のフォーマットを示す図である。
【図19】第1の光学ユニットの回路構成を示すブロック図である。
【図20】本発明の第3の実施の形態に係る画像読取装置の第2の光学ユニットの回路構成を示すブロック図である。
【図21】基準白色板を示す図である。
【符号の説明】
1 第1の光学ユニット
2 第2の光学ユニット
19a、19b、19 CCD(光電変換手段)
20 基準白色板(基準部材)
22 基準白色板(基準部材)
30a、30b、30R、30G、30B 前処理回路
31a、31b、31R、31G、31B A/Dコンバータ
32a、32a、32R、32G、32B メモリ(基準信号記憶手段)
33a、33b、33R、33G、33B シェーディング補正回路
34a、34b、34R、34G、34B セレクタ
35a、35b、35 CPU(検出手段、補正手段)
36a、36b、36R、36G、36B 加算回路
37a、37b、37 EEPROM(情報記憶手段)

Claims (8)

  1. 光電変換手段と、シェーディング補正用の基準部材とを備えた画像読取装置であって、
    前記基準部材を読み取って得た信号値から特異点を検出する検出手段と、
    前記信号値を画素ごとに補正する補正手段と、
    前記基準部材を読み取って得た信号値から前記シェーディング補正用の基準信号を生成する際に、前記検出手段で特異点と検出された画素が前記光電変換手段の特定画素に該当しない場合に該画素の信号値を前記補正手段で補正するように制御し、前記検出手段で特異点と検出された画素が前記特定画素に該当する場合には該画素の信号値を前記補正手段で補正しないように制御する制御手段と
    を有することを特徴とする画像読取装置。
  2. 前記光電変換手段の特定画素の情報を記憶する情報記憶手段を有することを特徴とする請求項1記載の画像読取装置。
  3. 前記制御手段により生成された前記シェーディング補正用の基準信号を記憶する基準信号記憶手段を有することを特徴とする請求項1又は2記載の画像読取装置。
  4. 前記検出手段は、信号値が周囲の画素と比較して低い画素や高い画素を前記特異点として検出することを特徴とする請求項1記載の画像読取装置。
  5. 前記情報記憶手段に記憶する情報は、不良画素の位置を示す位置情報を含むことを特徴とする請求項1記載の画像読取装置。
  6. 前記情報記憶手段に記憶する情報は、不良画素の幅を示す幅情報を含むことを特徴とする請求項5記載の画像読取装置。
  7. 前記情報記憶手段に記憶する情報は、前記光電変換手段が三原色のどの色に対応するかを示す色情報を含むことを特徴とする請求項5又は6記載の画像読取装置。
  8. 光電変換手段と、シェーディング補正用の基準部材とを備えた画像読取装置における画素データ補正方法を実行するプログラムであって、
    前記画素データ補正方法は、前記基準部材を読み取って得た信号値から特異点を検出する検出工程と、前記信号値を画素ごとに補正する補正工程と、前記基準部材を読み取って得た信号値から前記シェーディング補正用の基準信号を生成する際に、前記検出工程で特異点と検出された画素が前記光電変換手段の特定画素に該当しない場合に該画素の信号値を前記補正工程で補正するように制御し、前記検出工程で特異点と検出された画素が前記特定画素に該当する場合には該画素の信号値は補正しないように制御する制御工程とを有することを特徴とするプログラム。
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JP2013198009A (ja) * 2012-03-21 2013-09-30 Fuji Xerox Co Ltd 画像処理装置

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