以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、本実施形態では、車両に搭載されるナビゲーション装置1を例示して説明する。
≪第1実施形態≫
図1は、第1実施形態に係るナビゲーション装置1を示す構成図である。第1実施形態に係るナビゲーション装置1は、図1に示すように、制御装置10、車両位置検出装置20、入力装置30、地図データベース40、報知装置50、および通信装置60の各構成を備える。
車両位置検出装置20は、自車両の現在位置を検出するための装置であり、たとえば、図示しない車速センサ、ジャイロセンサ、およびGPSユニットなどを備えている。車両位置検出装置20は、車速センサにより検出された車速、ジャイロセンサにより検出された加速度、ならびに、GPSユニットにより検出された自車両の経度緯度情報に基づいて、自車両の現在位置および進行方向とを検出し、検出した自車両の位置および進行方向を、制御装置10に送信する。
入力装置30は、たとえば、ユーザの手操作による入力が可能なスイッチや、ユーザの音声による入力が可能なマイクなどの装置である。入力装置30により入力された情報は、制御装置10に送信される。本実施形態では、報知装置50により誤報知が行われた場合に、入力装置30を介して、ユーザが誤報知であることを入力することが可能となっている。
地図データベース40には、地図データに加えて、各道路リンクごとの道路情報が、地図情報として記憶されている。地図データ40に記憶されている道路情報には、たとえば、道路が一般道路であるか高速道路であるかを示す道路種別情報や、道路の通行可能方向の情報が含まれる。地図データベース40に格納されている地図情報は、必要に応じて、制御装置10により取得される。
報知装置50は、ユーザに対して警告を報知するための装置である。報知装置50としては、特に限定されないが、たとえば、ユーザに対して警告を音声で出力するスピーカや、警告メッセージを表示するディスプレイ、点灯により警告を行うインストルメントパネル内の警告灯などが挙げられる。
通信装置60は、たとえば無線通信により、制御装置10から入力された情報を、他のナビゲーション装置1(他車両に搭載されているナビゲーション装置1)に対して送信するとともに、他のナビゲーション装置1から送信された情報を受信し、制御装置10に出力する。
制御装置10は、自車両が逆走しているか否かを判定するためのプログラムが格納されたROM(Read Only Memory)と、このROMに格納されたプログラムを実行する動作回路としてのCPU(Central Processing Unit)と、アクセス可能な記憶装置として機能するRAM(Random Access Memory)とを備える。なお、動作回路としては、CPUに代えて又はこれとともに、MPU(Micro Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などを用いることができる。
制御装置10は、ROMに格納されたプログラムをCPUにより実行することにより、自車両の位置情報および進行方向を取得する車両情報取得機能と、自車位置周辺の地図情報を取得する地図情報取得機能と、高速道路の出口位置を検出する出口位置検出機能と、自車両が逆走しているか否かを判定するための逆走判定エリアを設定する逆走判定エリア設定機能と、逆走判定エリアにおいて自車両が逆走しているか否かを判定する逆走判定機能と、自車両が逆走していると判定された場合に、運転者に対して警告を行う警告機能と、誤報知に関する情報を記憶する誤報知情報記憶機能と、誤報知に関する情報を他車両と送受信する通信機能とを実現する。以下に、制御装置10が備える各機能について説明する。
制御装置10の車両情報取得機能は、車両位置検出装置20から、自車両の位置情報および進行方向情報を取得する。なお、車両位置検出装置20は、所定周期で、自車両の位置および進行方向を検出しており、車両情報取得機能は、車両位置検出装置20から所定周期で、自車両の位置情報および進行方向情報を取得する。
制御装置10の地図情報取得機能は、地図データベース40を参照し、車両情報取得機能により取得された自車両の位置情報に基づいて、自車位置周辺の地図情報を取得する。なお、地図情報取得機能により取得される地図情報には、自車位置周辺の道路情報、すなわち、道路が一般道路であるか高速道路であるかを示す道路種別情報や、道路の通行可能方向の情報が含まれる。
制御装置10の出口位置検出機能は、地図情報取得機能により取得された自車位置周辺の地図情報に基づいて、自車両の前方、かつ、自車両の現在位置から所定距離内において、他の道路と接続することなく、一の高速道路と一の一般道路とが接続している接続点(ノード)を、高速道路の出口位置として検出する。たとえば、図2に示す例では、一の高速道路と一の一般道路とが分岐することなく接続している接続点P0が、高速道路の出口位置として検出されることとなる。なお、図2は、本実施形態に係る逆走判定処理を説明するための図である。
制御装置10の判定エリア設定機能は、自車両が逆走しているか否かを判定するための逆走判定エリアを、出口位置検出機能により検出された高速道路の出口位置に基づく位置に設定する。たとえば、本実施形態において、判定エリア設定機能は、高速道路の出口位置に、逆走判定エリアを設定する。なお、判定エリア設定機能による逆走判定エリアの設定方法については後述する。
制御装置10の逆走判定機能は、判定エリア設定機能により設定された逆走判定エリア内において、自車両が逆走しているか否かの判定を行う。具体的には、逆走判定機能は、地図情報取得機能により取得された地図情報に基づいて、逆走判定エリア内の高速道路の通行可能方向を特定する。そして、逆走判定機能は、特定した高速道路の通行可能方向と、車両情報取得機能により取得された自車両の進行方向とを比較する。その結果、自車両の進行方向の方位が、高速道路の通行可能方向を180°反転した方向の方位を中心として、所定値(たとえば、45°)以下となる場合は、自車両は逆走していると判定する。すなわち、逆走判定機能は、自車両の進行方向と、高速道路の通行可能方向を180°反転した方向とのなす角度(劣角)が、所定値(たとえば、45°)以下となる場合は、自車両は逆走していないと判定する。一方、逆走判定機能は、自車両の進行方向の方位が、高速道路の通行可能方向を180°反転した方向の方位を中心として、所定値(たとえば、45°)以下とならない場合には、自車両は逆走していないと判定する。
制御装置10の報知機能は、逆走判定機能により自車両が逆走していると判定された場合に、報知装置50を介して、自車両の運転者に警告を行う。これにより、自車両の運転者に高速道路を逆走していることを報知することができる。
制御装置10の誤報知情報記憶機能は、誤報知が行われた高速道路の出口位置の情報を、誤報知情報として、地図データベース40に記憶する。ここで、本実施形態では、報知機能により自車両の運転者に逆走していることを報知した結果、運転者により逆走判定機能の判定結果が誤っており誤報知であると判断された場合には、運転者は入力装置30を介して報知機能による報知が誤報知であったことを入力することができる。誤報知情報記憶機能は、このように入力装置30を介して誤報知であったとの入力が行われた場合に、誤判定が行われた高速道路の出口位置の情報を、誤報知情報として地図データベース40に記憶する。なお、地図データベース40に記憶された誤報知情報は、判定エリア設定機能により逆走判定エリアを設定する際に利用される。
また、制御装置10の通信機能は、図1に示す通信装置60を介して、誤報知が行われた高速道路の出口位置の情報を、誤報知情報として、他車両に搭載されているナビゲーション装置1に送信する。また同様に、通信機能は、他車両に搭載されているナビゲーション装置1から送信された誤報知情報を、図1に示す通信装置60を介して受信する。なお、他車両に搭載されているナビゲーション装置1から送信された誤報知情報も、判定エリア設定機能により逆走判定エリアを設定する際に利用される。
続いて、図3に基づいて、第1実施形態に係る逆走判定処理について説明する。図3は、第1実施形態に係る逆走判定処理を説明するフローチャートである。なお、以下に説明する逆走判定処理は、制御処理10により実行される。
まず、ステップS101では、制御装置10の車両情報取得機能により、自車両の位置情報の取得が開始される。ここで、本実施形態では、車両位置検出装置20により自車両の現在位置が周期的に検出されており、車両情報取得機能は、自車両の位置情報を、車両位置検出装置10から所定周期で繰り返し取得する。同様に、続くステップS102では、車両情報取得機能により、自車両の進行方向情報の取得が開始される。自車両の進行方向情報も、自車両の位置情報と同様に、車両位置検出装置20により周期的に検出されており、車両情報取得機能は、自車両の進行方向情報を、車両位置検出装置10から所定周期で繰り返し取得する。
ステップS103では、制御装置10の地図情報取得機能により、ステップS101で取得された自車両の位置情報に基づいて、自車位置周辺の地図情報の取得が行われる。なお、ステップS103で取得される地図情報には、自車位置周辺の道路情報、すなわち、道路が一般道路であるか高速道路であるかを示す道路種別情報や、道路の通行可能方向の情報が含まれる。
ステップS104では、制御装置10の出口位置検出機能により、高速道路の出口位置の検出が行われる。具体的には、出口位置検出機能は、地図情報取得機能により取得した自車位置周辺の地図情報に基づいて、自車両の前方、かつ、自車両の現在位置から所定距離内において、他の道路と接続することなく、一の高速道路と一の一般道路とが接続している接続点を、高速道路の出口位置として検出する。そして、高速道路の出口位置を検出できた場合は、ステップS105に進み、一方、高速道路の出口位置を検出できない場合は、ステップS101に戻り、高速道路の出口位置を検出できるまで、ステップS101〜S104の処理を繰り返す。
たとえば、図2に示す例では、自車両が、高速道路から一般道路に向かって走行している場面を例示している。たとえば、図2に示す例において、自車両が位置P1に位置している場合、自車両の位置P1から所定距離L1内に、他の道路と接続することなく、一の高速道路と一の一般道路とが接続する接続点P0が存在していない。そのため、自車両が位置P1に位置している場合には、高速道路の出口位置は検出されず、ステップS101に戻る。一方、自車両が位置P1から位置P2まで移動した場合、出口位置検出機能は、自車両の前方、かつ、自車両の現在位置P2から所定距離L1内に、他の道路と接続することなく、一の高速道路と一の一般道路とが接続する接続点P0を検出することができるため、当該接続点P0を高速道路の出口位置として検出し、ステップS105に進む。
次いでステップS105では、制御装置10の判定エリア設定機能により、ステップS104で検出された高速道路の出口位置に、自車両が逆走しているか否かを判定するための逆走判定エリアが設定される。たとえば、判定エリア設定機能は、図2に示すように、高速道路の出口位置P0に、自車両が逆走しているか否かを判定するための逆走判定エリアAを設定することができる。
そして、ステップS106では、制御装置10の逆走判定機能により、ステップS101で取得した自車両の位置情報に基づいて、自車両が、ステップS105で設定された逆走判定エリア内に位置しているか否かの判断が行われる。自車両が逆走判定エリア内に位置していると判断された場合は、ステップS107に進み、一方、自車両が逆走判定エリア内に位置していないと判断された場合は、ステップS110に進む。
たとえば、図2に示す例において、自車両が位置P2に位置している場合には、逆走判定機能は、自車両が逆走判定エリアA内に位置していないと判断し、ステップS110に進む。一方、図2に示す例において、自車両が位置P3に位置している場合には、逆走判定機能は、自車両が逆走判定エリアA内に位置していると判断し、ステップS107に進む。
ステップS107では、自車両が逆走判定エリア内に位置していると判断されているため、制御装置10の逆走判定機能により、逆走判定エリア内において、自車両が逆走しているか否かの判定が行われる。具体的には、逆走判定機能は、ステップS103で取得した自車位置周辺の地図情報に基づいて、逆走判定エリア内において、ステップS104で検出した接続点P0に接続する高速道路の通行可能方向を特定し、特定した高速道路の通行可能方向と自車両の進行方向とを比較する。そして、逆走判定機能は、自車両の進行方向の方位と、高速道路の通行可能方向を180°反転した方向の方位との差(自車両の進行方向と、高速道路の通行可能方向を180°反転した方向とのなす劣角)が、所定値(たとえば、45°)以下である場合には、自車両は逆走していると判定し、一方、自車両の進行方向の方位と、高速道路の通行可能方向を180°反転した方向の方位との差が、所定値を超えている場合には、自車両は逆走していないと判定する。
そして、ステップS107の判定の結果、自車両は逆走していないと判定された場合には(ステップS108=No)、ステップS106に戻り、ステップS106〜S108の処理が繰り返されることとなる。なお、本実施形態では、ステップS101,S102の後も、所定の周期で、自車両の位置情報および進行方向情報が取得されており、ステップS106〜S108では、最新の自車両の位置情報および進行方向情報に基づいて、自車両が逆走しているか否かの判定が行われる。
反対に、ステップS107の判定の結果、自車両は逆走していないと判定された場合には(ステップS108=No)、ステップS109に進み、制御装置10の報知機能により、報知装置50を介して、自車両の運転者に対して警告が報知される。
また、ステップS106で、自車両が逆走判定エリアに位置していないと判定された場合は、ステップS110に進む。ステップS110では、制御装置10の逆走判定機能により、自車両が逆走判定エリアを通過したか否かの判断が行われる。自車両が逆走判定エリアを通過していない場合は、ステップS106に戻り、一方、自車両が逆走判定エリアを通過した場合は、ステップS111に進む。
たとえば、図2に示す例において、自車両が位置P2に位置する場合には、自車両が逆走判定エリア内に位置しておらず(ステップS106=No)、また、自車両が逆走判定エリアを通過していないため(ステップS110=No)、自車両が逆走判定エリア内に進入するまで、ステップS106,S110を繰り返す。一方、図2に示す例において、自車両が位置P4に位置する場合、自車両が逆走判定エリア内に位置していないが(ステップS106=No)、自車両が逆走判定エリアを通過しているため(ステップS110=Yes)、ステップS111に進む。
ステップS111では、制御装置10の逆走判定機能により、自車両が、高速道路の出口位置(高速道路と一般道路との接続点)から所定距離内に位置しているか否かの判断が行われる。そして、自車両が、高速道路の出口位置から所定距離内に位置している場合には、自車両は高速道路の出口位置の近くに位置しており、自車両が高速道路を逆走する可能性があるものと判断され、ステップS106に戻り、自車両が逆走しているか否かの判定が繰り返される。一方、自車両が、高速道路の出口位置から所定距離内に位置していない場合には、自車両が高速道路の出口位置から遠く離れているため、自車両が高速道路を逆走する可能性は少ないものと判断し、ステップS112に進み、ステップS112で、逆走判定エリア設定機能により、ステップS105で設定した逆走判定エリアが削除された後、ステップS101に戻る。
たとえば、図2に示す例において、自車両が位置P4に位置する場合には、逆走判定機能は、自車両が、高速道路の出口位置P0から所定距離L2内に位置するため、自車両が高速道路を逆走する可能性があるものと判断し、ステップS106に戻る。一方、図2に示す例において、自車両が位置P5に位置する場合には、逆走判定機能は、自車両が、高速道路の出口位置P0から所定距離L2を超えた位置に存在するため、自車両が高速道路を逆走する可能性は少ないものと判断し、ステップS101に戻る。
以上のように、第1実施形態では、他の道路と接続することなく、一の高速道路と一の一般道路とが接続する接続点を、高速道路の出口位置として検出し、自車両が高速道路を逆走しているか否かを判定するための逆走判定エリアを、高速道路の出口位置に設定する。このように、第1実施形態では、高速道路の出口位置に逆走判定エリアを設定することで、たとえば、北米のように、高速道路の出口位置に料金所などが設置されていないために、運転者が誤って、高速道路の出口から高速道路内に進入してしまった場合でも、高速道路における逆走を適切に検出することができ、その結果、高速道路での逆走を有効に防止することができる。
≪第2実施形態≫
続いて、第2実施形態に係るナビゲーション装置1について説明する。第2実施形態に係るナビゲーション装置1は、図1に示す第1実施形態に係るナビゲーション装置1と同様の構成を有し、以下に説明する点以外は、第1実施形態に係るナビゲーション装置1と同様に動作する。以下においては、図4を参照して、第2実施形態に係る逆走判定処理を説明する。図4は、第2実施形態に係る逆走判定処理を示すフローチャートである。
図4に示すように、まず、ステップS201〜S203では、第1実施形態のステップS101〜S103と同様に、自車両の位置情報および進行方向情報の取得が開始され(ステップS201,S202)、自車位置周辺の地図情報の取得が行われる(ステップS203)。そして、ステップS204では、第1実施形態のステップS104と同様に、高速道路の出口位置の検出が行われ、高速道路の出口位置を検出できない場合は、ステップS201に戻り、一方、高速道路の出口位置を検出できた場合は、ステップS205に進み、第1実施形態のステップS105と同様に、高速道路の出口位置に逆走判定エリアが設定される。
ステップS206では、制御装置10の判定エリア設定機能により、逆走判定エリア内に同方位道路が存在するか否かの判断が行われる。ここで、同方位道路とは、逆走判定エリア内に存在し、かつ、高速道路の出口位置に接続していない他の道路であって、当該道路の通行可能方向が、自車両が逆走していると判定される方向と同じ方向である道路をいう。具体的には、判定エリア設定機能は、逆走判定エリア内に存在し、かつ、ステップS204で検出した接続点に接続していない他の道路を特定し、特定した他の道路の通行可能方向の方位と、接続点に接続する高速道路の通行可能方向を180°反転した方向の方位との差が所定値(たとえば、45°)以下であるか否かを判定する。その結果、特定した他の道路の通行可能方向の方位と、接続点に接続する高速道路の通行可能方向を180°反転した方向の方位との差が所定値(たとえば、45°)以下である場合には、上記他の道路は同方位道路であると判断し、逆走判定エリア内に同方位道路が存在していると判断する。そして、ステップS206において、逆走判定エリア内に同方位道路が存在すると判断された場合には、ステップS207に進み、一方、逆走判定エリア内に同方位道路が存在しないと判断された場合には、ステップS208に進む。
ステップS207では、逆走判定エリア内に同方位道路が存在すると判断されているため、判定エリア設定機能により、同方位道路が存在しない位置に、逆走判定エリアをシフトさせる処理が行われる。たとえば、判定エリア設定機能は、高速道路に対して逆走判定エリアを略平行方向に繰り返し微小移動させることで、同方位道路を含まない位置まで逆走判定エリアを移動させることができる。
そして、ステップS208〜S213では、第1実施形態のステップS106〜S111と同様の処理が行われる。すなわち、自車両が逆走判定エリア内に進入するまでは(ステップS208=No、ステップS212=No)、自車両が逆走判定エリアに位置しているか否かの判定を繰り返し、自車両が逆走判定エリア内に進入した場合に(ステップS208=Yes)、自車両が逆走しているか否かを判定し(ステップS209)、逆走していると判定された場合には(ステップS210=Yes)、運転者に逆走を報知する(ステップS211)。また、自車両が逆走判定エリアを通過した後は(ステップS208=No、ステップS212=Yes)、自車両が、高速道路の出口位置から所定距離内である場合には(ステップS213=Yes)、自車両の逆走の判定を繰り返し、自車両が、高速道路の出口位置所定距離離れた場合には(ステップS213=No)、ステップS205で設定した逆走判定エリアが削除された後(ステップS214)、ステップS201に戻る。
以上のように第2実施形態では、逆走判定エリア内に同方位道路が存在するか否かを判断し、逆走判定エリア内に同方位道路が存在していると判断された場合には、同方位道路が存在しない位置まで逆走判定エリアを移動させる。これにより、第2実施形態では、第1実施形態の効果に加えて、たとえば、自車両が逆走判定エリア内の同方位道路を、同方位道路の通行可能方向どおりに走行している場合において、自車両の位置情報の誤検出などにより、自車両が逆走判定エリア内の高速道路を逆走していると誤判定されてしまうことを有効に防止することができ、自車両の逆走の検出精度を高めることができるという効果を奏することができる。
≪第3実施形態≫
続いて、第3実施形態に係るナビゲーション装置1について説明する。第3実施形態に係るナビゲーション装置1は、図1に示す第1実施形態に係るナビゲーション装置1と同様の構成を有し、以下に説明する点以外は、第1実施形態に係るナビゲーション装置1と同様に動作する。以下においては、図5を参照して、第3実施形態に係る逆走判定処理を説明する。図5は、第3実施形態に係る逆走判定処理を示すフローチャートである。
図5に示すように、まず、ステップS301〜S303では、第1実施形態のステップS101〜S103と同様に、自車両の位置情報および進行方向情報の取得が開始され(ステップS301,S302)、自車位置周辺の地図情報の取得が行われる(ステップS303)。そして、ステップS304では、第1実施形態のステップS304と同様に、高速道路の出口位置の検出が行われ、高速道路の出口位置を検出できない場合は、ステップS301に戻り、一方、高速道路の出口位置を検出できた場合は、ステップS305に進み、第1実施形態のステップS105と同様に、高速道路の出口位置に逆走判定エリアが設定される。
ステップS306では、制御装置10の判定エリア設定機能により、逆走判定エリア内に同方位道路が存在するか否かの判断が行われる。逆走判定エリア内に同方位道路が存在すると判断された場合には、ステップS314に進み、判定エリア設定機能により、ステップS305で設定した逆走判定エリアの削除が行われる。そして、ステップS301に処理を戻す。一方、逆走判定エリア内に同方位道路が存在しないと判断された場合には、ステップS307に進み、ステップS307〜S313において、第1実施形態のステップS106〜S112と同様に、ステップS305で設定した逆走判定エリア内で、自車両が逆走しているか否かの判定が行われる。
以上のように第3実施形態では、逆走判定エリア内に同方位道路が存在するか否かを判断し、逆走判定エリア内に同方位道路が存在していると判断された場合には、設定した逆走判定エリアを削除する。これにより、第3実施形態では、第1実施形態の効果に加えて、同方位道路が存在する位置で逆走判定エリアが設定されないため、自車両が逆走判定エリア内の同方位道路を、同方位道路の通行可能方向に走行している場合において、自車両の位置情報の誤検出などにより、自車両が逆走判定エリア内の高速道路を逆走していると誤判定されてしまうことを有効に防止することができるとともに、同方位道路が存在する場合には、同方位道路を含まない位置を検索することなく、逆走判定エリアを削除することで、同方位道路が存在する位置を検索するための演算コストを軽減することができるという効果を奏することができる。
≪第4実施形態≫
続いて、第4実施形態に係るナビゲーション装置1について説明する。第4実施形態に係るナビゲーション装置1は、図1に示す第1実施形態に係るナビゲーション装置1と同様の構成を有し、以下に説明する点以外は、第1実施形態に係るナビゲーション装置1と同様に動作する。以下においては、図6を参照して、第4実施形態に係る逆走判定処理を説明する。図6は、第4実施形態に係る逆走判定処理を示すフローチャートである。
図6に示すように、まず、ステップS401〜S403では、第1実施形態のステップS101〜S103と同様に、自車両の位置情報および進行方向情報の取得が開始され(ステップS401,S402)、自車位置周辺の地図情報の取得が行われる(ステップS403)。そして、ステップS404では、第1実施形態のステップS104と同様に、高速道路の出口位置の検出が行われ、高速道路の出口位置を検出できない場合は、ステップS401に戻り、一方、高速道路の出口位置を検出できた場合は、ステップS405に進む。
ステップS405では、制御装置10の判定エリア設定機能により、ステップS404で検出した高速道路の出口位置に対応する誤報知情報が、地図データベース40に記憶されているか否かの判断が行われる。この誤報知情報は、後述するように、自車両が逆走しているとの誤報知が行われた高速道路の出口位置の情報である。高速道路の出口位置に対応する誤報知情報がある場合には、誤報知が行われた高速道路の出口位置では、再度、自車両が逆走していると誤判定されてしまう可能性があるため、当該高速道路の出口位置に逆走判定エリアを設定せずに、ステップS401に戻る。一方、高速道路の出口位置に対応する誤報知情報がない場合には、ステップS406に進み、第1実施形態のステップS105と同様に、高速道路の出口位置に逆走判定エリアが設定される。なお、ステップS405で参照される誤報知情報には、他車両に搭載されているナビゲーション装置1から送信された誤報知情報も含まれる。
ステップS407〜ステップS410では、第1実施形態のステップS106〜S109と同様に、自車両が逆走判定エリア内に位置している場合に(ステップS407=Yes)、自車両が逆走しているか否かを判定し(ステップS408)、逆走していると判定された場合には(ステップS409=Yes)、運転者に逆走が報知される(ステップS410)。
そして、続くステップS411では、制御装置10の誤報知情報記憶機能により、入力装置30を介して、ステップS410の報知が誤報知である旨の入力があったか否かの判断が行われる。本実施形態では、ステップS410の報知の結果、運転者により、自車両が逆走しているとの判定は誤判定であり、誤報知であると判断された場合に、運転者が、入力装置30を介して誤報知である旨を入力することが可能となっている。そして、入力装置30を介して誤報知である旨の入力が行われた場合には、ステップS412に進み、ステップS412で、誤報知情報記憶機能により、誤報知が行われた高速道路の出口位置が誤報知情報として、地図データベース40に記憶される。また、ステップS413で、制御装置10の通信機能により、誤報知が行われた高速道路の出口位置が誤報知情報として、他車両のナビゲーション装置1に送信される。一方、入力装置30を介して誤報知情報が入力されなかった場合には、ステップS401に戻る。
なお、ステップS414〜S416では、第1実施形態のステップS110〜S112と同様の処理が行われる。
以上のように第4実施形態では、自車両が逆走していることを報知した結果、運転者により、自車両が逆走しているとの判定は誤判定であると判断され、入力装置20を介して誤報知である旨の入力が行われた場合には、誤報知が行われた高速道路の出口位置を誤報知情報と記憶する。そして、次回の逆走判定処理において、高速道路の出口位置に逆走判定エリアを設定する際に、当該高速道路の出口位置に対応する誤報知情報が記憶されている場合には、当該高速道路の出口位置に逆走判定エリアを設定しないように制御する。これにより、第4実施形態では、一度、誤報知が行われた高速道路の出口位置において、再度、誤報知が行われることを有効に防止することができる。さらに、第4実施形態では、誤報知情報を他車両のナビゲーション装置1に送信するとともに、誤報知情報を他車両のナビゲーション装置1から受信することで、自車両が走行したことがない高速道路の出口位置において、誤報知を有効に予防することができる。
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
たとえば、上述した第1実施形態では、他の道路と接続することなく、一の高速道路と一の一般道路とが接続する接続点を、高速道路の出口位置として検出し、検出した高速道路の出口位置に逆走判定エリアを設定する構成を例示したが、この構成に限定されず、たとえば、高速道路の出口位置よりも高速道路側に所定距離だけ離れた位置に逆走判定エリアを設定する構成としてもよい。一般に、一般道路は複雑な形状をしているため、一般道路の近くに逆走判定エリアを設定してしまうと、自車両が逆走していると誤検出してしまう場合がある。これに対して、高速道路の出口位置よりも高速道路側に所定距離だけ離れた位置に逆走判定エリアを設定することで、このような誤検出を低減することができる。なお、逆走判定エリアの高速道路側へのシフト量は、特に限定されず、予め定めた所定距離としてもよいし、あるいは、自車速や高速道路の出口位置までの距離に応じて求めてもよい。
また、上述した第2実施形態では、逆走判定エリア内に同方位道路が存在すると判断された場合に、高速道路に対して逆走判定エリアを略平行方向に微小移動させることで、同方位道路を含まない位置まで逆走判定エリアを移動させる構成を例示したが、この構成に限定されず、たとえば、同方位道路の通行可能方向の方位が、高速道路の通行可能方向を180°反転した方向の方位を中心として所定値(たとえば、45°)以下となる位置を検索し、検索した位置に逆走判定エリアを設定する構成としてもよい。あるいは、逆走判定エリアの形状を、同方位道路を含まない形状に変形する構成としてもよい。
さらに、上述した第2実施形態および第3実施形態では、逆走判定エリア内に存在しており、かつ、高速道路の出口位置に接続していない他の道路の中から、同方位道路を検索する構成を例示したが、この構成に限定されず、たとえば、逆走判定エリア内に存在しており、かつ、高速道路の出口位置に接続していない他の道路のうち、一般道路を除く高速道路の中から、同方位道路を検索する構成としてもよい。このように、同方位道路の検索対象を高速道路に限定することで、演算コストを低減することができ、演算の高速化を図ることができる。また同様に、逆走判定エリア内に存在しており、かつ、高速道路の出口位置に接続していない他の道路のうち、自車両の現在位置から所定距離内で進入可能な道路の中から、同方位道路を検索する構成としてもよい。この場合、同方位道路として検出される道路が、自車両が実際に進入可能な道路に限定されることとなるため、たとえば、接続点に接続する高速道路を自車両が走行している場合に、同方位道路の存在により、逆走判定エリアの位置がシフトされ、あるいは、逆走判定エリアが削除されることにより、自車両の逆走が不検出となってしまうことを有効に防止することができる。
加えて、上述した実施形態では、通信装置60が、無線通信を介して他車両のナビゲーション装置1と通信する構成を例示したが、この構成に限定されず、たとえば、一の車両で記憶した誤報知情報を記録媒体に複製し、当該記憶媒体を用いて、他の車両に、一の車両で記憶した誤報知情報を記憶させる構成としてもよい。
なお、上述した実施形態の車両位置検出装置20は本発明の自車位置検出手段および進行方向検出手段に、制御装置10の地図情報取得機能は本発明の地図情報取得手段に、制御装置10の出口位置検出機能は本発明の出口位置検出手段に、制御装置10の判定エリア設定機能は本発明の判定エリア設定手段に、制御装置10の逆走判定機能は本発明の逆走判定手段に、入力装置30は本発明の入力手段に、制御装置10の誤報知情報記憶機能は本発明の誤判定位置記憶手段に、それぞれ相当する。