JP5919057B2 - 鋼製セルの連結構造 - Google Patents

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Description

この発明は、鋼製セルの連結構造の技術分野に属する。
流出土砂の貯留や調節、渓岸や河床の不安定土砂の2次移動の抑制などを目的として、山間部の谷間地に砂防えん堤が設置される。この砂防えん堤の一つに、円筒形状に構築した鋼製セルに砕石、河床材等の中詰材を詰めた構造物を複数設置した構造が知られている。
鋼製セルを複数設置する際に、土砂が、隣り合う鋼製セル間から下流へ流出しないように遮る必要があるが、施工や補修が容易なように、隣り合う鋼製セルを多少の間隔をあけて配置し、その間隔を連結部材で連結して遮断する(又は流量を制限する)ことが行われている(例えば、特許文献1〜3参照)。
前記特許文献1の発明は、隣り合う鋼製セル間に連結鉄筋を複数列スクリーン状に配置し、連結鉄筋で囲まれる部分に砕石類を充填し、該隣り合う鋼製セル間に流れる流量を制限しつつ透水性をもたせる連結構造が開示されている。
この発明によると、射水による洗掘を防止しつつ透水性をもたせ、構造物全体として経済的な断面設計による連結構造を実現できる。
前記特許文献2の発明は、隣り合う鋼製セルの外側壁に、該隣り合う鋼製セルの中心点を結ぶ直線上において鋼製セルの軸方向に延長する継手空間を形成する鋼製継手部材が溶接により固定され、鋼製連結部材の幅方向の両側に設けられた係合部が前記継手空間に嵌挿され、該継手空間にシール用モルタルを注入充填して該隣り合う鋼製セル間を遮断する連結構造が開示されている。
この発明によると、遮断可能な連結部材として汎用されていたアーク部(同文献2の第1図参照)の問題点、すなわちアーク部内に中詰砂を充填すると鋼製セルとアーク部との接合部に引張応力が発生し、該接合部が破損、破壊する問題点を解消した連結構造を実現できる。
前記特許文献3の発明は、砂防えん堤の技術ではないが、鋼板セルの連結技術として、一方の鋼製セルの外壁面に断面C形等の雌型継手を設け、他方の鋼製セルの外壁面に断面T形の雄型継手を設け、互いに嵌合させる態様で連結し、該嵌合部に形成された隙間に膨張性材料を充満させて該隣り合う鋼製セル間を遮断する連結構造が開示されている。
この発明によると、前記特許文献2と同様に、遮断可能な連結部材として汎用されていたアーク部の問題点を解消した連結構造を実現できる。
特公平3−39126号公報 特開昭58−189412号公報 特開昭59−88530号公報
前記特許文献1〜3の発明は、上述したように種々の効果は一応認められるものの、地すべりに起因して鋼製セルが移動することにより発生する問題点について、何ら考慮されていない。
すなわち、例えば、砂防えん堤として鋼製セルが設置される場合、谷間地に設置するので地盤の不安定な場所もあり、鋼製セルの設置箇所が地すべりにより移動することがある。この場合、前記特許文献1〜3の発明では、地すべりによる鋼製セルの移動で、隣り合う鋼製セルの間隔が狭まり、鋼製セルと連結部材との継手部(接合部)が破損することで鋼製セルが破損したり、鋼製セル同士が接触して破損する懸念があった。
そこで、近年、地すべりにより鋼製セルが移動する場合を考慮し、隣り合う鋼製セルの間隔を大きく広げた連結構造にして鋼製セル同士の接触を回避するとともに、間隔が狭まったとしても鋼製セルが接触したり、破損したりすることのない連結構造が求められている。
本発明の目的は、通常時は、隣り合う鋼製セルとの間隔を大きく広げた遮断型(不透過型)の連結構造を実現し、地すべり発生時は、鋼製セル同士の間隔が狭まったとしても隣り合う鋼製セルが接触したり、破損したりすることのない鋼製セルの連結構造を提供することにある。
上記背景技術の課題を解決するための手段として、請求項1に記載した発明に係る鋼製セルの連結構造は、間隔をあけて複数設置される鋼製セルを互いに連結して不透過型の砂防えん堤を構成する鋼製セルの連結構造であって、
隣り合う鋼製セルの間に柱状の離脱材が鉛直に配置され、
前記隣り合う鋼製セルの外壁面にはそれぞれ、前記離脱材に線接触又は面接触する支持部材が該鋼製セルの軸方向に延長して設けられ、
前記離脱材は、前記隣り合う鋼製セルの平面視で中心同士を結んだ中心連結線上から外れた位置に配置され、前記支持部材に対し、溶接又はバンド部材で仮固定され、地すべりによる鋼製セルの移動で仮固定状態が解除されるように簡易接続されていることを特徴とする。
請求項に係る発明は、請求項1に記載した鋼製セルの連結構造において、前記離脱材は曲面を有しており、前記支持部材が、前記離脱材の曲面に線接触又は面接触することを特徴とする。
請求項に係る発明は、請求項1に記載した鋼製セルの連結構造において、前記離脱材は平面を有しており、前記支持部材が、前記離脱材の平面に線接触又は面接触することを特徴とする。
請求項に係る発明は、請求項2又は3に記載した鋼製セルの連結構造において、前記支持部材が、前記離脱材の曲面又は平面に線接触する曲面を有していることを特徴とする。
請求項に係る発明は、請求項2又は3に記載した鋼製セルの連結構造において、前記支持部材が、前記離脱材の曲面又は平面に線接触する平面を有していることを特徴とする。
請求項に係る発明は、請求項1〜5のいずれか一に記載した鋼製セルの連結構造において、前記離脱材は、丸形鋼管、又は角形鋼管であることを特徴とする。
請求項に係る発明は、請求項1〜6のいずれか一に記載した鋼製セルの連結構造において、前記支持部材は、H形鋼、I形鋼、又は半割状の丸形鋼管であることを特徴とする。
請求項に係る発明は、請求項1〜7のいずれか一に記載した鋼製セルの連結構造において、両端部に設置する鋼製セルは、その1つ内側に設置する鋼製セルと、平面視で、前後にずらして設置されていることを特徴とする。
本発明に係る鋼製セルの連結構造によれば、地すべりで鋼製セルの設置地盤が移動して、それにともない鋼製セルが移動し、隣り合う鋼製セルの間隔が狭まる際に簡易接続状態が解除され、離脱材が、前記隣り合う鋼製セルの平面視で中心同士を結んだ中心連結線上から離れる方向へ移動するので、下記する効果を奏する。
すなわち、離脱材は、通常時はもとより、地すべり発生時も隣り合う鋼製セルに接触(衝突)する虞がなく、鋼製セルを破損させる虞もない。よって、例えば1000mm程度の大径の離脱材を用いることができ、ひいては隣り合う鋼製セルの間隔を大きく広げた遮断型(不透過型)の連結構造を実現することができる。
これに伴い、隣り合う鋼製セルの間隔の大部分を離脱材で塞ぐことができるので、該離脱材を支持する支持部材の幅寸を小さくして実施できる。支持部材の幅寸を小さくして実施できるので、隣り合う鋼製セルの間隔が狭くなったとしても支持部材が隣り合う支持部材(又は鋼製セル)に衝突して破損する虞を極力回避できる。よって、支持部材の破損に伴う鋼製セルの破損も極力防止できる。
本発明に係る鋼製セルの連結構造の全体を概略的に示す平面図である。 図1の矢印Xが示す部分の拡大図である。 地すべりにより簡易接続状態が解除されて離脱材が離脱した状態を示す平面図である。 離脱材として丸形鋼管を用いた鋼製セルの連結構造のバリエーションを示す平面図である。 離脱材として丸形鋼管を用いた鋼製セルの連結構造のバリエーションを示す平面図である。 離脱材として丸形鋼管を用いた鋼製セルの連結構造のバリエーションを示す平面図である。 離脱材として丸形鋼管を用いた鋼製セルの連結構造のバリエーションを示す平面図である。 離脱材として角形鋼管を用いた鋼製セルの連結構造のバリエーションを示す平面図である。 離脱材として角形鋼管を用いた鋼製セルの連結構造のバリエーションを示す平面図である。 離脱材として角形鋼管を用いた鋼製セルの連結構造のバリエーションを示す平面図である。
次に、本発明に係る鋼製セルの連結構造の実施例を図面に基づいて説明する。
本発明は、図1と図2に示したように、間隔をあけて複数設置される鋼製セル1を互いに連結して不透過型の砂防えん堤を構成する鋼製セル1の連結構造であり、隣り合う鋼製セル1、1の間に柱状の離脱材2が鉛直に配置され、前記隣り合う鋼製セル1、1の外壁面にはそれぞれ、前記離脱材2に線接触又は面接触する支持部材3、3が該鋼製セル1、1の軸方向に延長して設けられ、前記離脱材2は、前記隣り合う鋼製セル1、1の平面視で中心c、c同士を結んだ中心連結線上から外れた位置に配置され、前記支持部材3に対し、溶接又はバンド部材4で仮固定され、地すべりによる鋼製セル1の移動で仮固定状態が解除されるように簡易接続されている。
図示例の鋼製セル1は、砂防えん堤として利用され、山間部の谷間地にほぼ等間隔をあけて複数(5基)設置されている。ちなみに図1中の符号10は地山、符号Uは上流側、符号Dは下流側、矢印は河川水の流れ方向を示している。
前記鋼製セル1は、現場で、鋼製セグメントを周方向および鉛直方向に多数接続して円筒形状に形成し、河床材等の中詰材を充填して構築される。鋼製セル1のサイズは設置箇所等に応じて自在に設計変更可能であるが、本実施例では、高さが8〜10m程度、直径が12〜14m程度で実施されている。鋼製セル1の設置基数も設置箇所等に応じて自在に設計変更可能であるが、本実施例では、横方向に500mm〜1000mm程度の間隔をあけて5基設置している。
さらに本実施例では、地すべり発生時に隣接する鋼製セル1、1同士の衝突を回避し易いように、両端部に設置する鋼製セル1と、その1つ内側に設置する鋼製セル1とを、平面視で、あらかじめ前後にずらして設置している。
隣り合う鋼製セル1、1の間に設ける連結構造は、図2に示したように、前記離脱材2と、これを両側から二線支持(接触)する支持部材3、3と、該離脱材2の鉛直姿勢を保持しつつ簡易接続を実現するバンド材4とからなり、河川水や土砂の流れを遮断する構成で実施されている。
図示例の離脱材2は、径が500mm〜1000mm程度の大径の丸形鋼管が用いられ、少なくとも河川水や土砂の流れを遮断するのに必要な高さで実施されている。この離脱材2は、隣り合う鋼製セル1、1の平面視で中心c、c同士を結んだ中心連結線上から外れた上流側Uの位置で、且つ双方の鋼製セル1、1と接触しない態様で、地上から立ち上がるように鉛直に配置されている。
図示例の支持部材3、3は、H形鋼が用いられ、これを鉛直姿勢にして、一側のフランジを前記鋼製セル1の外壁面にボルト接合(又は溶接等)で取り付け、他側のフランジを前記離脱材2の外壁面へ線接触させる態様で、離脱材2と同等の高さ、即ち少なくとも河川水や土砂の流れを遮断するのに必要な高さで実施されている。
また、前記支持部材3、3は、前記他側のフランジの裏側面に、前記バンド材4を固定するための孔明きプレート5が、鉛直方向に所要の間隔をあけて溶接等で水平に設けられている。
さらに、前記支持部材3、3は、必要に応じスチフナー11で補剛する等して所要の強度・剛性を備え、河川水や土砂の流れを受けて下流側Dへ移動しようとする離脱材2の押圧力に対し、効率よく抵抗できる位置および対面角度θ(図示例は30度程度)で鋼製セル1に設置されている。
図示例のバンド材4は、径が13mm程度の丸鋼が用いられ、その両端部が、前記孔明きプレート5を利用してボルト止めすることにより支持部材3、3に簡易接続されている。
具体的に、前記バンド材(丸鋼)4はあらかじめ、湾曲部が前記離脱材2の曲率とほぼ一致するU字形状に形成され、その両端部は、内側にボルト6が通る程度の小さい輪状(又は鉤状)を形成するように内方へ折り曲げられている。よって、本実施例にかかる簡易接続は、このバンド材4の湾曲部を離脱材2の外周面に沿わせ、両端部を前記孔明きプレート5の上に載せ、ボルト6を該孔明きプレート5の下方からバンド材4の輪(折り曲げ部)の内側へ通して貫通させ、角ワッシャ7等を介してナット8で締め付けて実施されている。
ここで、前記簡易接続とは、図3に例示するように、地すべりによる鋼製セル1の移動により、隣り合う鋼製セル1、1の間隔が狭まる方向へ力が働いて所定の押圧力が連結構造に作用した際に、前記支持部材3、3と前記離脱材2との接続が解除され、該離脱材2が開放されて前記中心連結線上から離れる方向への移動を許容する接続状態をいう。
ちなみに本実施例では、所定の押圧力が連結構造に作用した際に、前記ボルト6が破断するような細径で実施したり、前記ナット8が外れるように緩く締めて実施したり、前記バンド材4を、その両端部の折り曲げ部が外方へ曲がりボルト6から外れるような剛性で実施したり、又は前記孔明きプレート5が支持部材3から剥離しやすいように該支持部材3よりも低い強度の溶接材を用いて溶接(アンダーマッチ)したりして、支持部材3と離脱材2との接続状態を解除できるような構造設計で実施されている。
次に、前記鋼製セル1の連結構造の構築方法について、その一例を説明する。
先ず、所定の場所に所定の間隔をあけて複数の鋼製セル1を構築する。中詰材の充填作業は、鋼製セグメントを一段ずつ組み立てて、鋼製セル1が完成した後に行うことが作業上好ましい。
続いて、隣り合う鋼製セル1の外壁面の所定部位、すなわち後に配置する離脱材2の外周面とバランスよく線接触する部位に、前記支持部材(H形鋼)3を鉛直姿勢にしてボルト又は溶接等の接合手段で接合する。支持部材3は、河川水や土砂の流れを遮断するのに必要な高さとし、必要に応じ適宜継ぎ足して前記鋼製セル1に接合する。なお、前記支持部材3は、離脱材2と接触する側のフランジの裏面側にあらかじめ、前記孔明きプレート5を設けて現場溶接の省力化を図っている。
次に、隣接する支持部材3、3に対し、前記離脱材2を、バランスよく(平面視で離脱材2の中心線を対称軸としてほぼ左右対称な位置で)線接触するように地面にほぼ鉛直に立てて位置決めする。続いて前記U字形状のバンド材4を、支持部材3、3の孔明きプレート5にボルト6を利用して取り付けることにより、離脱材2を支持部材3、3へ仮固定する簡易接続作業を行い、もって、鋼製セル1の連続構造を実現する。
前記簡易接続作業は、既に説明したように、前記U字形状のバンド材4の湾曲部を離脱材2の外周面に沿わせ、両端部を前記孔明きプレート5の上に載せ、ボルト6を孔明きプレート5の下方からバンド材4の輪の内側へ通して貫通させ、角ワッシャ7等を介してナット8で締め付けて実施する。
ちなみに本実施例では、地すべりによる鋼製セル1の移動により所定の押圧力が連結構造に作用した際に、前記ボルト6が破断して前記支持部材3と前記離脱材2との簡易接続状態を解除できるような構造設計を採用している(図3参照)。
したがって、この実施例1にかかる鋼製セル1の連結構造によれば、地すべりで鋼製セル1の設置地盤が移動して、それにともない鋼製セル1が移動し、隣り合う鋼製セル1、1の間隔が狭まる際に簡易接続状態が解除され、前記離脱材2が前記中心連結線上、ひいては隣り合う鋼製セル1、1から離れる方向へ移動するので、下記する効果を奏する。
すなわち、前記離脱材2は、通常時はもとより、地すべり発生時も隣り合う鋼製セル1に接触(衝突)する虞がなく、鋼製セル1を破損させる虞もない。よって、例えば1000mm程度の大径の離脱材2を用いることができ、ひいては隣り合う鋼製セル1、1との間隔を大きく広げた遮断型(不透過型)の連結構造を実現することができる。
これに伴い、隣り合う鋼製セル1、1の間隔の大部分を離脱材2で塞ぐことができるので、該離脱材2を支持する支持部材3の幅寸を小さくして実施できる。支持部材3の幅寸を小さくして実施できるので、地すべりにより鋼製セル1が移動して、隣り合う鋼製セル1、1の間隔が狭くなったとしても支持部材3が隣り合う支持部材3(又は鋼製セル1)に衝突して破損する虞を極力回避できる。よって、支持部材3の破損に伴う鋼製セル1の破損も極力防止できる。
なお、本実施例では、バンド材4を用いて簡易接続を実現しているが、バンド材4を用いず、離脱材2と支持部材3、3との接触部位を溶接接合して実施することもできる。この場合、地すべりによる鋼製セル1の移動により所定の押圧力が連結構造に作用した際に、溶接部が剥離し、前記支持部材3と前記離脱材2との簡易接続状態を解除できるような構造設計を採用する。例えば、離脱材2と支持部材3、3との鉛直方向に長い直線状の接触部位を部分的に溶接したり、点付け溶接したり、アンダーマッチしたりすることが考えられる。以下に説明する実施例2〜7についても同様の技術的思想とする。
ちなみに、以下の実施例2〜7では、鋼製セル1の連結構造を実現する上で主要な構成要素となる離脱材2と支持部材3のバリエーション(実施形態)を図面に基づいて説明する。
図4A、Bに係る鋼製セル1の連結構造は、上記実施例1と比して、隣接する支持部材(H形鋼)3、3の対面角度θをそれぞれ、設置する間隔等に応じ、90度程度、120度程度に設計変更した点が主に相違する。
要するに、図4A、Bに係る鋼製セル1の連結構造について、上記実施例1と同様に、離脱材2は、曲面を有する丸形鋼管を用い、支持部材3は、該離脱材2の曲面にフランジが線接触するH形鋼を用いて実施している。ちなみに前記支持部材3は、前記鋼製セル1の外壁面にボルト接合で取り付けているが、溶接接合、或いはこれらを併用して取り付けることもできる。
バンド材4は、上記実施例1と同様に、所定の曲率で湾曲させた丸鋼で実施しているが、可撓性に優れたスチールバンド、ステンレスバンド、ワイヤ、番線、紐等でも実施することができる。可撓性に優れたこれらのバンド材4は、特に図4Bに示したような、バンド材4に大きな曲率が要求される場合に好適である。該バンド材4を支持部材3に取り付ける手法は種々あるが、例えば、当該バンド材4の中間部を離脱材2の外周面に沿わせ、その両端部を、前記孔明きプレート5の下方から通したボルト6に幾重にも巻き付け、角ワッシャ7等を介してナット8で締め付けることが考えられる。
可撓性に優れたこれらのバンド材4は、丸鋼より剛性(引張強度)が低いので、地すべりによる鋼製セル1の移動により所定の押圧力が連結構造に作用した際に、当該バンド材4自身が破断により切り離されて、前記離脱材2と前記支持部材3との簡易接続状態を解除できるような構造設計で実施することが好ましい。
よって、この実施例2に係る鋼製セル1の連結構造によれば、上記実施例1と同様に、地すべりで鋼製セル1が移動して隣り合う鋼製セル1、1の間隔が狭まる際に簡易接続状態が解除され、前記離脱材2が前記中心連結線上から離れる方向へ移動、ひいては隣り合う鋼製セル1、1から離れる方向へ移動する。したがって、前記段落[0034]に記載した効果と同様の効果を奏する。
なお、前記離脱材2と前記支持部材3はそれぞれ、汎用性が高い丸形鋼管とH形鋼とで実施しているが、これは一例に過ぎず、前記離脱材2は曲面を備え、前記支持部材3は該曲面に線接触する平面を有していればよい。例えば、前記支持部材3は、H形鋼の代わりにI形鋼を用いてもほぼ同様に実施できる。
図4Cに係る鋼製セル1の連結構造は、上記実施例1と比して、隣接する支持部材(H形鋼)3、3の離脱材2に接触する部位を曲面状に形成した点が主に相違する。
要するに、図4Cに係る鋼製セル1の連結構造について、離脱材2は、曲面を有する丸形鋼管を用い、支持部材3は、該離脱材2の曲面に面接触するようにフランジを僅かに湾曲させたH形鋼を用いて実施している。ちなみに前記支持部材3は、前記鋼製セル1の外壁面にボルト接合で取り付けているが、溶接接合、或いはこれらを併用して取り付けることもできる。
バンド材4は、地すべりによる鋼製セル1の移動により所定の押圧力が連結構造に作用した際に、前記離脱材2と前記支持部材3との簡易接続状態を解除できるような構造設計とすることを条件に、上記実施例1に係る丸鋼でも実施できるし、上記実施例2で説明した可撓性に優れたバンド材でも実施できる。
よって、この実施例3に係る鋼製セル1の連結構造によれば、上記実施例1と同様に、地すべりで鋼製セル1が移動して隣り合う鋼製セル1、1の間隔が狭まる際に簡易接続状態が解除され、離脱材2が前記中心連結線上から離れる方向へ移動、ひいては隣り合う鋼製セル1、1から離れる方向へ移動する。したがって、前記段落[0034]に記載した効果と同様の効果を奏する。
なお、前記離脱材2と前記支持部材3はそれぞれ、汎用性が高い丸形鋼管とH形鋼とで実施しているが、これは一例に過ぎず、前記離脱材2は曲面を備え、前記支持部材3は該曲面に面接触する曲面を有していればよい。
図4Dに係る鋼製セル1の連結構造は、上記実施例1と比して、支持部材3に半割状の丸形鋼管を用いて実施した点が主に相違する。その他、バンド材4の両端部が外方へ折り曲げられている点も相違する。
要するに、図4Dに係る鋼製セル1の連結構造として、離脱材2は、曲面を有する丸形鋼管を用い、支持部材3は、該離脱材2の曲面に線接触する半割状の丸形鋼管を用いて実施している。
ちなみに、前記支持部材3である半割状の丸形鋼管は、溶接で裏当てした平板プレート9を鋼製セル1の外壁面にボルト接合することにより鋼製セル1に取り付けているが、平板プレート9を用いずに、直接鋼製セル1に溶接で取り付けることもできる。また、前記孔明きプレート5は、前記支持部材3である半割状の丸形鋼管の外壁面の鉛直方向に所要の間隔をあけて溶接等で水平に設けられている。
バンド材4は、地すべりによる鋼製セル1の移動により所定の押圧力が連結構造に作用した際に、前記離脱材2と前記支持部材3との簡易接続状態を解除できるような構造設計とすることを条件に、上記実施例1に係る丸鋼でも実施できるし、上記実施例2で説明した可撓性に優れたバンド材でも実施できる。
よって、この実施例4に係る鋼製セル1の連結構造によれば、上記実施例1と同様に、地すべりで鋼製セル1が移動して隣り合う鋼製セル1、1の間隔が狭まる際に簡易接続状態が解除され、離脱材2が前記中心連結線上から離れる方向へ移動、ひいては隣り合う鋼製セル1、1から離れる方向へ移動する。したがって、前記段落[0034]に記載した効果と同様の作用効果を奏する。
なお、前記離脱材2と前記支持部材3はそれぞれ、汎用性が高い丸形鋼管と半割状の丸形鋼管とで実施しているが、これは一例に過ぎず、前記離脱材2は曲面を備え、前記支持部材3は該曲面に線接触する曲面を有していればよい。
図5Aに係る鋼製セル1の連結構造は、上記実施例1と比して、離脱材2に角形鋼管を用い、離脱材2の平面に面接触する構成で実施する点が主に相違する。
要するに、図5Aに係る鋼製セル1の連結構造について、離脱材2は、平面を有する角形鋼管を用い、支持部材3は、該離脱材2の平面に面接触するH形鋼を用いて実施している。ちなみに前記支持部材3は、前記鋼製セル1の外壁面にボルト接合で取り付けているが、溶接接合、或いはこれらを併用して取り付けることもできる。
バンド材4は、地すべりによる鋼製セル1の移動により所定の押圧力が連結構造に作用した際に、前記離脱材2と前記支持部材3との簡易接続状態を解除できるような構造設計とすることを条件に、上記実施例1に係る丸鋼でも実施できるし、上記実施例2で説明した可撓性に優れたバンド材でも実施できる。ただし、本実施例では、離脱材2の外形が角形なので、後者の方が施工性はよい。以下に説明する実施例6、7についても同様の技術的思想とする。
よって、この実施例5に係る鋼製セル1の連結構造によれば、上記実施例1と同様に、地すべりで鋼製セル1が移動して隣り合う鋼製セル1、1の間隔が狭まる際に簡易接続状態が解除され、離脱材2が前記中心連結線上から離れる方向へ移動、ひいては隣り合う鋼製セル1、1から離れる方向へ移動する。したがって、前記段落[0034]に記載した効果と同様の効果を奏する。
なお、前記離脱材2と前記支持部材3はそれぞれ、汎用性が高い角形鋼管とH形鋼とで実施しているが、これは一例に過ぎず、前記離脱材2は平面を備え、前記支持部材3は該平面に面接触する平面を有していればよい。
図5Bに係る鋼製セル1の連結構造は、上記実施例1と比して、離脱材2に角形鋼管を用い、離脱材2の平面に線接触する構成で実施する点が主に相違する。
要するに、図5Bに係る鋼製セル1の連結構造について、離脱材2は、平面を有する角形鋼管を用い、支持部材3は、該離脱材2の平面に線接触するH形鋼を用いて実施している。ちなみに前記支持部材3は、前記鋼製セル1の外壁面にボルト接合で取り付けているが、溶接接合、或いはこれらを併用して取り付けることもできる。
よって、この実施例6に係る鋼製セル1の連結構造によれば、上記実施例1と同様に、地すべりで鋼製セル1が移動して隣り合う鋼製セル1、1の間隔が狭まる際に簡易接続状態が解除され、離脱材2が前記中心連結線上から離れる方向へ移動、ひいては隣り合う鋼製セル1、1から離れる方向へ移動する。したがって、前記段落[0034]に記載した効果と同様の作用効果を奏する。
なお、前記離脱材2と前記支持部材3はそれぞれ、汎用性が高い角形鋼管とH形鋼とで実施しているが、これは一例に過ぎず、前記離脱材2は平面を備え、前記支持部材3は該平面に線接触する平面を有していればよい。
図5Cに係る鋼製セル1の連結構造は、上記実施例1と比して、離脱材2に角形鋼管を用い、離脱材2の平面に線接触する構成で実施する点が主に相違する。その他、バンド材4の両端部が外方へ折り曲げられている点も相違する。
要するに、図5Cに係る鋼製セル1の連結構造について、離脱材2は、平面を有する角形鋼管を用い、支持部材3は、該離脱材2の平面に線接触する半割状の丸形鋼管を用いて実施している。前記支持部材3である半割状の丸形鋼管を鋼製セル1の外壁面に設置する方法、および該半割状の丸形鋼管に孔明きプレート5を設置する方法は、上記実施例4で説明したとおりである。
よって、この実施例7に係る鋼製セル1の連結構造によれば、上記実施例1と同様に、地すべりで鋼製セル1が移動して隣り合う鋼製セル1、1の間隔が狭まる際に簡易接続状態が解除され、離脱材2が前記中心連結線上から離れる方向へ移動、ひいては隣り合う鋼製セル1、1から離れる方向へ移動する。したがって、前記段落[0034]に記載した効果と同様の作用効果を奏する。
なお、前記離脱材2と前記支持部材3はそれぞれ、汎用性が高い角形鋼管と半割状の丸形鋼管とで実施しているが、これは一例に過ぎず、前記離脱材2は平面を備え、前記支持部材3は該平面に線接触する曲面を有していればよい。
以上、実施例1〜実施例7を図面に基づいて説明したが、本発明は、図示例の限りではなく、その技術的思想を逸脱しない範囲において、当業者が通常に行う設計変更、応用のバリエーションの範囲を含むことを念のために言及する。
1 鋼製セル
2 離脱材
3 支持部材
4 バンド材
5 孔明きプレート
6 ボルト
7 角ワッシャ
8 ナット
9 平板プレート
10 地山
11 スチフナー

Claims (8)

  1. 間隔をあけて複数設置される鋼製セルを互いに連結して不透過型の砂防えん堤を構成する鋼製セルの連結構造であって、
    隣り合う鋼製セルの間に柱状の離脱材が鉛直に配置され、
    前記隣り合う鋼製セルの外壁面にはそれぞれ、前記離脱材に線接触又は面接触する支持部材が該鋼製セルの軸方向に延長して設けられ、
    前記離脱材は、前記隣り合う鋼製セルの平面視で中心同士を結んだ中心連結線上から外れた位置に配置され、前記支持部材に対し、溶接又はバンド部材で仮固定され、地すべりによる鋼製セルの移動で仮固定状態が解除されるように簡易接続されていることを特徴とする、鋼製セルの連結構造。
  2. 前記離脱材は曲面を有しており、前記支持部材が、前記離脱材の曲面に線接触又は面接触することを特徴とする、請求項1に記載した鋼製セルの連結構造。
  3. 前記離脱材は平面を有しており、前記支持部材が、前記離脱材の平面に線接触又は面接触することを特徴とする、請求項1に記載した鋼製セルの連結構造。
  4. 前記支持部材が、前記離脱材の曲面又は平面に線接触する曲面を有していることを特徴とする、請求項2又は3に記載した鋼製セルの連結構造。
  5. 前記支持部材が、前記離脱材の曲面又は平面に線接触する平面を有していることを特徴とする、請求項2又は3に記載した鋼製セルの連結構造。
  6. 前記離脱材は、丸形鋼管、又は角形鋼管であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一に記載した鋼製セルの連結構造。
  7. 前記支持部材は、H形鋼、I形鋼、又は半割状の丸形鋼管であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一に記載した鋼製セルの連結構造。
  8. 両端部に設置する鋼製セルは、その1つ内側に設置する鋼製セルと、平面視で、前後にずらして設置されていることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一に記載した鋼製セルの連結構造。
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