JP5918336B1 - ワークテーブル用ブレーキ装置 - Google Patents
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Abstract
Description
ところで、特許文献1記載のワークテーブル用ブレーキ装置は、ワークテーブルを高速回転から、ワークに衝撃を与えずに、静かに回転停止させるためのブレーキ装置であり、しかも、用途が治具や網の塗装に使用されるブレーキ装置であり、かつ、空気(エアー)を用いるものであるので、ワークテーブル上にて、ドリル加工、切削加工、研削加工等の大きな外力を付加して機械加工する工作機械用のワークテーブルブレーキ装置としては、次のような問題点がある。
即ち(i)極めて大径の円環平板状ピストンを使用しているため往復動用シール材として耐摩耗性に優れた大径のUパッキン等を要し、高価で、維持管理も困難である点。(ii)ピストン収納室は、極めて大径の円環状であり、カバー部材等の包囲壁部材は、特に、肉厚とせねばならず、油圧用としては、容積が増大し、かつ、重量も大きくなる点。(iii)(塗装用のワークテーブルを高速回転から静かに回転停止可能であるといえども、)工作機械用としては機械加工中に大きな外力が、ワークを介して、ワークテーブルに作用するので、3個の小さなガイドピンでは、ターンテーブルの回転方向のガタが発生する。従って、ガタ───バックラッシ───の発生によって、ターンテーブルが周方向に微動回転を発生し、高精度な機械加工が至難となる点。(iv)軸心(上下)方向の寸法が大きく、コンパクト化が困難である点。
また、重ね合わされた上記トッププレートと上記ミドルプレートの円環状の相互対応面に於て、内環状シール材と外環状シール材が同心状に介設され、上記油路の内周縁と外周縁を形成しているものである。
図1は、ワークテーブルの概略構造を示した簡略図である。
図1に示すように、ワークテーブル15は、その上面にワークWを載置し、固定して、回転軸16に支持されて、回転軸心L廻りに回転自在である。ワークテーブル15の回転軸16は、ウォームギア機構40を介して電気モーターMにより回転駆動される。
本発明のワークテーブル用ブレーキ装置は、トッププレート1とミドルプレート2とアンダープレート3とバッキングプレート4とを、備え、ミドルプレート2内に保持するピストン8を油圧により押し下げて、ピストン8に押圧された押圧部材7,7が、回転軸16に固着された制動ディスク5に接触し、制動ディスク5をバッキングプレート4に押し付けて、ワークテーブル15を停止保持するブレーキ力を得るように構成されている。主な用途として、工作機械用のワークテーブル15の位置決め後の保持(固定)である。なお、非常制動の作用もなし得る。
ミドルプレート2は、中央に設けられた孔部を取り囲むように複数のピストン収納孔20が(上下方向に)貫通状に形成され、各ピストン収納孔20には、ピストン8が上下往復動自在に保持されている。トッププレート1とミドルプレート2の重ね合わせ状態で、閉環状の油路10を形成する。ミドルプレート2に設けた複数のピストン収納孔20の全てに油路10を連通連結し、油路10に供給される油圧によりピストン収納孔20からピストン8を下方に押出すように構成されている。
ピストン8は、短円柱状に形成され、その外周面にはUパッキン21とウェアリング22が取付けられている。全てのピストン8は、円環状ピストン設置領域Cに配設され、この仮想領域Cの内周縁と外周縁に沿って、トッププレート1とミドルプレート2の相互対応面に内環状シール材11と外環状シール材12が1本ずつ配設されている。内環状シール材11と外環状シール材12は、Oリングから成り、シール溝18,19に装入されて、ピストン設置領域Cの密封性を維持している。このように、シール材11,12は同心状に配設され、油路10の内周縁と外周縁を形成している。
押圧部材7は、ピストン8の下方位置に配設され、かつ、鍔部28と円環状枠部材30の間に介装された上下方向の弾発部材26によって上方へ弾発付勢されており、押圧部材7の上面がピストン8の下面に常時弾発的に押し付けられている。弾発部材26は、圧縮状コイルばねから成り、円環状枠部材30に立設された鉛直状ピン25に支持されている。押圧部材7は、油圧を受けて下方に押し出されたピストン8に押圧されて、弾発部材26の弾発付勢力に抗して下方へ降下し、ワークテーブル15の回転軸16に連結された制動ディスク5の上面に圧接して、制動状態となる。なお、油路10の油圧が開放された際は、弾発部材26の弾発付勢力によって押圧部材7が押し上げられて非制動状態となり、ピストン8は押圧部材7に押し上げられピストン収納孔20内に収納される。即ち、弾発部材26は、押圧部材7及びピストン8の上方向戻しばねと言うこともできる。
弾発部材6は、圧縮状コイルばねから成り、円環状枠部材30の内周面に固着された水平状ピン29に支持されている。弾発部材6,6及びピン29,29は、トルク受け突片部9,9の90°回転対称位置に円環状枠部材30の周方向に位置をずらして配設されている。弾発部材6,6は、円弧状押圧部材7,7の矩形状本体部27の外側面を押し、弾発部材6,6の弾発付勢力によって、円弧状押圧部材7の両端面7a,7aが、トルク受け突片部9,9の側面9a,9aに常時押し付けられている。非制動状態では、弾発部材6,6によって軽く上記側面9aに押圧されて当接しているので、ピストン8によって押圧される制動状態に切換わるや否や、トルク受け突片部9の側面9aに対しては円弧状押圧部材7の両端面7a,7aはその当接状態のままで強力に円弧状押圧部材7,7は制動ディスク5を押圧する。即ち、制動状態下では、円弧状押圧部材7,7は、回転方向に動かそうとしても、両端面7a,7aがトルク受け突片部9,9の側面9a,9aに押し付けられて時計方向にも反時計方向にも動かない為、回転方向にガタつくことなく、制動ディスク5を押圧し、バッキングプレート4と共働きして、制動ディスク5を挾圧し固定する。
また、ピストン8は、各々のピストン収納孔20内で「コゼ」が発生しにくいようなピストン径と上下長さ寸法の比に設定されており、ピストン収納孔20に1個ずつミドルプレート2に複数のピストン8を保持させることで、ミドルプレート2の厚みを小さく抑えることが可能となる。
図3に示すように、給油孔部14に作動油を所定油圧で注入し、閉環状の油路10を介してミドルプレート2に設けた複数のピストン収納孔20の全てに作動油を供給する。油路10に供給される油圧によりピストン収納孔20からピストン8が下方に押出され、ピストン8に押された円弧状押圧部材7,7が、上下方向の弾発部材26の弾発付勢力に抗して下方へ降下し、押圧部材7,7の下面が制動ディスク5の上面に圧接する。制動ディスク5は、押圧部材7,7の圧接力により撓みながらバッキングプレート4に押し付けられ、ワークテーブル15を停止保持するブレーキ力を得る。この際、円弧状押圧部材7,7は、アンダープレート3に非回転状に保持されている為、回転方向のガタつきが無く、バックラッシを発生しない。
図5に示すように、円弧状押圧部材7,7は、左右方向の弾発部材6,6によって、ラジアル内方へ弾発付勢され、(押圧部材7の)両端面7a,7aが、トルク受け突片部9,9の側面9a,9aに常時押し付けられている為、アンダープレート3に円弧状押圧部材7,7が隙間(遊び)無く保持される。つまり、制動ディスク5との接触により押圧部材7,7を回転方向に動かそうとする力が働いたとしても、押圧部材7,7は時計方向にも反時計方向にも全く動かず、バックラッシをゼロに近い値にまで低減できる。
2 ミドルプレート
3 アンダープレート
4 バッキングプレート
5 制動ディスク
6 弾発部材
7 円弧状押圧部材
7a 両端面
8 ピストン
9 トルク受け突片部
9a 側面
10 油路
11 内環状シール材
12 外環状シール材
15 ワークテーブル
16 回転軸
20 ピストン収納孔
Claims (3)
- 重ね合わせた状態で円環状の油路(10)を形成するトッププレート(1)とミドルプレート(2)を備え、上記ミドルプレート(2)に上下方向に貫設した複数のピストン収納孔(20)に上記油路(10)を連通連結し、上記油路(10)の油圧により上記ピストン収納孔(20)から下方に押出自在として各ピストン収納孔(20)に内装されたピストン(8)を有し、
上記ピストン(8)の下方位置に配設されワークテーブル(15)の回転軸(16)に固着された制動ディスク(5)に圧接自在の複数の円弧状押圧部材(7)(7)と、上記制動ディスク(5)を下方で受けるバッキングプレート(4)と、ラジアル内方突出状のトルク受け突片部(9)(9)を有し上記円弧状押圧部材(7)(7)を嵌め込んで非回転状に保持するアンダープレート(3)を備えたことを特徴とするワークテーブル用ブレーキ装置。 - 上記円弧状押圧部材(7)(7)をラジアル内方へ弾発付勢する弾発部材(6)(6)を備え、該弾発部材(6)(6)の弾発付勢力によって、上記円弧状押圧部材(7)の両端面(7a)(7a)を、上記トルク受け突片部(9)(9)の側面(9a)(9a)に常時押し付けるように構成された請求項1記載のワークテーブル用ブレーキ装置。
- 重ね合わされた上記トッププレート(1)と上記ミドルプレート(2)の円環状の相互対応面に於て、内環状シール材(11)と外環状シール材(12)が同心状に介設され、上記油路(10)の内周縁と外周縁を形成している請求項1又は2記載のワークテーブル用ブレーキ装置。
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