JP5915990B2 - つまずきリスク評価装置、つまずきリスク評価システム - Google Patents

つまずきリスク評価装置、つまずきリスク評価システム Download PDF

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本発明は、歩行時、特に遊脚期(歩行において地面から足が離れている状態)におけるつま先と地面の距離を示すつま先クリアランスを推定し、つまずきリスクを評価するつまずきリスク評価装置及びつまずきリスク評価方法に関する。
一般に、転倒は、全ての年代の人に起こる歩行中の事故である。転倒の原因としては、歩行中のつまずきであることが多い。遊脚期におけるつま先と地面との距離、つまりつま先クリアランスを測定することで、歩行中のつまずきリスクを評価することができると考えられている。
つま先クリアランスの測定は、一般的にはモーションキャプチャシステムによって、行うことが可能であるが、装置が高価かつ複雑であるために、つま先クリアランスを簡易に計測するシステムが普及していないという問題があった。
また、特許文献1においては、被験者に加速度計を装着させて歩行させることで、歩行中の加速度を測定し、予め設定した判別条件を充足すると異常歩行として検出する技術が提案されている。しかし、特許文献1に提案された手法では、加速度計を被験者に装着させて一定時間歩行してもらうことが必要であり、簡便ではなく、また、つま先クリアランスを測定することはできない。
特開平10−165395号公報
本発明は、上述した従来技術の課題に鑑みてなされたもので、簡便にかつ正確につま先クリアランスを推定し、つまずきリスクを評価することができるつまずきリスク評価装置及びつまずきリスク評価システムを提供することを目的とする。
本発明の一態様に係るつまずきリスク評価装置は、歩行動作におけるつまずくリスクを評価するつまずきリスク評価装置であって、歩行動作における床反力の変化を示す床反力データを取得する床反力データ取得部と、前記床反力データに基づいて、少なくとも床反力の左右成分データ、床反力の鉛直成分のデータ、床反力の前後成分のデータのうちの少なくとも一つからつま先クリアランスを算出するつま先クリアランス推定部と、算出されたつま先クリアランスに基づいてつまずきリスクを評価するつまずきリスク評価部と、つまずきリスクの評価結果を提供する結果提供部と、を有する。
上記つまずきリスク評価装置において、取得した前記床反力データを正規化する正規化部をさらに有し、前記つま先クリアランス推定部は、正規化した床反力データに基づいてつま先クリアランスを算出してもよい。
上記つまずきリスク評価装置において、つま先クリアランスを算出する推定式を予め格納する記憶部をさらに有し、前記つま先クリアランス推定部は、前記記憶部から前記推定式を読み出し、前記床反力データに適用することでつま先クリアランスを算出してもよい。
上記つまずきリスク評価装置において、前記記憶部に格納された推定式は、複数の標本データである床反力データを回帰分析することにより導出された推定式であってもよい。
上記つまずきリスク評価装置において、前記床反力データ取得部は、前記床反力データとともに被験者の身長データ及び体重データを含む属性データを取得し、前記正規化部は、前記体重データによって前記床反力データを正規化し、前記つま先クリアランス推定部は、算出したつま先クリアランスを前記身長データに基づいて被験者のつま先クリアランス値を算出してもよい。
本発明の一態様にかかるつまずきリスク評価システムは、測定装置とつまずきリスク評価装置とからなるつまずきリスク評価システムであって、前記測定装置は、歩行動作における床反力の変化を示す床反力データを計測する床反力計を有し、前記つまずきリスク評価装置は、歩行動作における床反力の変化を示す床反力データを前記測定装置から取得する床反力データ取得部と、前記床反力データに基づいて、少なくとも床反力の左右成分データ、床反力の鉛直成分のデータ、床反力の前後成分のデータのうちの少なくとも一つからつま先クリアランスを算出するつま先クリアランス推定部と、算出されたつま先クリアランスに基づいてつまずきリスクを評価するつまずきリスク評価部と、つまずきリスクの評価結果を前記測定装置へ提供する結果提供部と、を有する。
上記つまずきリスク評価システムにおいて、前記測定装置は、さらに被験者の身長データ及び体重データを含む属性データを入力する属性データ入力部を有し、前記つまずきリスク評価装置は、さらに前記床反力データを前記体重データで正規化する正規化部と、つま先クリアランスを算出する推定式を予め格納する記憶部をさらに有し、前記つま先クリアランス推定部は、前記記憶部から前記推定式を読み出し、正規化された床反力データに適用することでつま先クリアランスを算出し、算出したつま先クリアランスを前記身長データで被験者のつま先クリアランス値を算出してもよい。
本発明の一態様にかかるつまずきリスク評価方法は、計測された床反力データを取得するステップ、前記床反力データに基づいて、少なくとも床反力の左右成分データ、床反力の鉛直成分のデータ、床反力の前後成分のデータのうちの少なくとも一つからつま先クリアランスを算出するステップ、算出されたつま先クリアランスに基づいてつまずきリスクを評価するステップ、つまずきリスクの評価結果を提供するステップと、を有する。
上記つまずきリスク評価方法は、さらに、歩行者の歩行動作における床反力の変化を示す床反力データを計測するステップを有してもよい。
上記つまずきリスク評価方法は、さらに、被験者の身長データ及び体重データを含む属性データを入力するステップを有し、前記床反力データを取得するステップは、さらに前記属性データを取得し、さらに、取得した前記床反力データを前記体重データで正規化するステップを有し、前記つま先クリアランスを算出するステップは、正規化された床反力データに基づいてつま先クリアランスを算出し、算出したつま先クリアランスを前記身長データで被験者のつま先クリアランス値を算出するステップであってもよい。
本発明によれば、床反力データを取得することで、つま先クリアランスを推定することができるため、簡便な測定装置でつま先クリアランスを測定してつまずきリスクを評価することが可能となる。
本発明の実施の形態に係るつまずきリスク評価システム1の構成の一例を示すブロック図である。 本発明の実施の形態に係るつまずきリスク評価装置100のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。 本発明の実施の形態に係る測定装置200の一例を示す図である。 本発明の実施の形態に係るつまずきリスク評価方法を行うための準備段階におけるフローチャートである。 モーションキャプチャによって取得されたつま先の位置データ及びかかとの位置データの一例を示す図である。 床反力計から取得されたデータに正規化処理を行ったデータ例である。 3つの成分の床反力データのパラメータを直列に並べたデータ例である。 本発明の実施の形態に係るつまずきリスク評価方法を行うためのフローチャートである。
図1は、本発明の実施の形態に係るつまずきリスク評価システム1の構成の一例を示すブロック図である。このつまずきリスク評価システム1は、歩行者のつまずく危険性を評価するシステムであり、つまずきリスク評価装置100と測定装置200とを含む。つまずきリスク評価装置100と測定装置200とは、互いにインターネット等のネットワーク300を介して接続されている。なお、インターネットに限らず直接ケーブル等の通信線で接続し、つまずきリスク評価装置100と測定装置200とが一体となった構成でもよい。また、トレッドミルなどのランニングマシンにつまずきリスク評価装置100と測定装置200を付加した構成でもよい。
つまずきリスク評価装置100は、測定装置200で測定された歩行者の歩行動作に伴う床反力の変化を示す床反力データに基づいて、つま先クリアランスを推定し、推定されたつま先クリアランスに基づいてつまずく危険性の評価を行う装置である。
測定装置200は、歩行者の歩行動作に伴う床反力データを取得する装置である。一つの態様では、床反力データの測定装置として床反力計203が用いられる。また、歩行者の身長や体重、年齢などの属性データを入力する。
つまずきリスク評価装置100は、データ取得部111、正規化部112、クリアランス推定部113、つまずきリスク評価部114、結果提供部115と、記憶部120を有する。
つまずきリスク評価装置100は、一つの態様では、ハードウェア資源とソフトウェアの協働で実現され、例えばコンピュータである。具体的には、つまずきリスク評価装置100の各種機能は、つま先クリアランスを推定しつまずきリスクを評価する所定のプログラムが予めインストールされており、メモリに読み出されて制御装置(例えば、CPUなどのプロセッサ)によって実行されることで実現される。但し、つまずきリスク評価装置100は、ハードウェアのみで実現されていてもよい。また、つまずきリスク評価装置100は、物理的に一つにより実現されてもよく、複数の装置により実現されていてもよい。
データ取得部111は、測定装置200からネットワーク300を介して床反力計203が検出した床反力データを取得する。この場合、床反力計203が取得した床反力データをそのまま取得してもよく、また取得した床反力データのうち一部を抽出して取得してもよい。例えば、床反力計は床反力の左右、前後、鉛直方向の各成分を測定することが可能であるが、そのうちの鉛直方向成分のみを取得するように構成してもよい。また、一つの態様では、測定装置200によって計測される歩行者の歩行動作に伴う少なくとも一方の足にかかる床反力の変化を示すデータを抽出して取得してもよい。
また、データ取得部111は、測定装置200の属性データ入力部201に入力される歩行者の属性データ、例えば、歩行者の性別、年齢、身長、体重などを取得してもよい。また、データ取得部111は、取得した床反力データや属性データを記憶部120の測定データ記憶部122に記憶させるように構成してもよい。
正規化部112は、データ取得部111が取得した床反力データについて正規化を行う。一つの態様では歩行動作における片足の踵接地から同じ足の次の踵接地までの一歩行周期において時間率100%で正規化処理を行う。これは一歩行周期にかかる時間が、歩行時においてもそれぞれ異なり、また各人によっても異なる。そこで、時間率100%規格化処理を行うことによって、一歩行周期における床反力データのデータ点数を101点に統一し、複数歩行周期において比較を容易にするものである。一つの態様では、直線補間による方法を用い、一歩行周期の床反力データにおいて、データ点数が101に満たないときは、2点間のデータを線形配分により新規データ点を設置し、また101点以上の場合は、間引いて区間データが均等に101点になるように正規化を行う。
また、正規化部112は床反力データを体重で正規化を行う。一つの態様では、床反力の測定データを体重で割ることで、正規化処理を行う。これにより、歩行者の体重の違いによるばらつきを解消することができる。
クリアランス推定部113は、データ取得部が取得し、正規化部112で正規化された床反力データに基づいてつま先クリアランスを推定する。つま先クリアランスとは、歩行動作における片足のつま先離地から同じ足の次の踵接地までの遊脚期における地面とつま先の距離であり、最小つま先クリアランス(MTC:Minimum Toe Clearance)は遊脚中期の最小値である。
クリアランス推定部113は、推定式記憶部121から推定式を読み出し、正規化された床反力データを読み出したクリアランス推定式に適用することで、身長で正規化された最小つま先クリアランスを推定する。読み出されるクリアランス推定式は、一つの態様では、複数の標本データにおいて、床反力データの各成分(例えば、左右、前後、鉛直成分)の正規化された101点ずつのデータを独立変数、身長で正規化されたクリアランスを従属変数とした回帰分析を実施することで導出される回帰式である。回帰分析にあたっては、例えば、線形の重回帰分析(ステップワイズ投入法)が用いられるが、これに限らず、他の回帰分析手法であってもよい。所定の床反力データを推定式に投入することで、最小つま先クリアランスの推定値が算出される。また、年齢や性別によって、異なる推定式を推定式記憶部121から読み出して適用し、算出してもよい。なお、推定式に投入することで算出される最小つま先クリアランスは、身長で正規化された最小つま先クリアランス(単位なし)である。従って、事前に入力された歩行者の身長を掛け合わせることで本来の最小つま先クリアランス値(単位:mm)を算出することができる。
つまずきリスク評価部114は、クリアランス推定部において算出された最小つま先クリアランスの推定値をもとに、つまずきリスクの評価を行う。一つの態様においては、クリアランス値は、低い値ほど、地面とつま先の距離が小さいことを意味するため、つまずきリスクが高いといえる。また、複数歩分床反力を計測できた場合においては、クリアランス値のばらつき(標準偏差)が大きいほどつまずきリスクが高いと評価してもよい。従って、推定された最小つま先クリアランス値もしくはそのばらつきについて、所定の閾値を設け、閾値以下の場合はつまずきリスクが高いと評価する。また、別の態様においては、2段階に閾値を設けて、それぞれ「つまずきリスク高」「つまずきリスク中」「つまずきリスク低」との評価を行ってもよい。
結果提供部115は、つまずきリスク評価部114での評価結果を測定装置200にネットワーク300を介して提供する。一つの態様では、結果提供部115は、つまずきリスクの評価として「つまずきリスク高」など、つまずきリスク評価部がクリアランス推定値に基づいて評価したリスク評価結果を提供する。また、他の態様として、算出されたクリアランス推定値リスク評価結果として提供してもよい。また、結果提供部115は、つまずきリスク評価とともに、評価に対応するアドバイスを提供してもよい。測定装置200に提供された結果は、表示部202に表示される等する。
記憶部120は、推定式記憶部121、測定データ記憶部122など各種データを記憶する。推定式記憶部121は、一つの態様においては、最小つま先クリアランス値を床反力データから推定するための計算式を予め記憶している。別の態様においては、推定式記憶部121には、回帰分析のための一般式を記憶しクリアランス推定部113で推定式の導出を行う。また、推定式記憶部121は、年齢や性別によってそれぞれ異なる複数の推定式を格納していてもよい。
測定データ記憶部122は、例えば、既に測定された床反力データの各成分の1歩行周期分の時系列データに、身長、体重などの属性データとともに記憶する。記憶される床反力データは、時間及び体重で正規化されたデータであってもよい。
測定装置200は、ネットワーク300を介してつまずきリスク評価装置100に接続されており、被験者の歩行動作時の床反力の変化を測定し、また被験者の属性データの入力を受け付けて、測定された床反力データや入力されたデータをつまずきリスク評価装置100に送信する装置である。
属性データ入力部201は、歩行動作を行って最小つま先クリアランスを測定する被験者の属性データを入力するものである。属性データとは、例えば、身長、体重、年齢、性別などである。属性データ入力部201は、例えばタッチパネルやキーボードなどで構成される。
表示部202は、情報を表示するためのディスプレイ等であり、例えば、被験者が入力した属性データを表示したり、つまずきリスク評価装置100から提供された測定結果を表示したりする。
床反力計203は、被験者である歩行者の歩行動作時の床反力の変化を示す床反力データを測定する。床反力計は、床反力として左右(x)、前後(y)、鉛直(z)成分をそれぞれ計測することが可能であり、市販のものを適用できる。また、床反力として3成分全てが必要ではなく、いずれか一成分であってもよい。なお、床反力計として、床反力データを検出する複数のセンサ(例えばロードセル)を分散して配置することで構成してもよい。なお、床反力計の構成は、これらに限定されるものではなく、被験者の歩行動作に伴う床反力データが検出できればよい。床反力計は、歩行者の歩行動作に伴う床反力の変化を示すセンサを備えており、測定装置200に、床反力計203とともに歩行者に歩行を促す歩行誘導装置(例えばトレッドミル)が備えられていてもよい。
図2は、本発明の実施の形態に係るつまずきリスク評価装置100のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図2において、つまずきリスク評価装置100を構成するコンピュータは、従前から存在する汎用的なハードウェア構成で実現できる。すなわち、つまずきリスク評価装置100を形成するコンピュータは、図2に示したようにCPU101、ROM102、RAM103、外部記憶装置104、通信インターフェース105、入出力インターフェース106と接続されたマウス107とキーボード108、及び表示装置として設けられたディスプレイ109を、バスに接続して構成される。
図3は、本発明の実施の形態に係る測定装置200の一例を示す図である。表示部202は、歩行者が視認できる高さの位置に設けられる。一つの態様では、表示部202は、タッチパネルセンサなどを備え、属性データ入力部201を兼ねている。歩行者は、自分の属性データ、例えば年齢や性別、身長、体重などが表示部202から入力する。なお、本形態に限らず、属性データ入力部201としてキーボードなどを別に備えてもよい。
床反力計203は、歩行者の歩行動作時の床反力を計測する。床反力計は、歩行者の歩行動作に伴う床反力の変化を示すセンサを備えており、測定装置200に、床反力計203とともに歩行者に歩行を促す歩行誘導装置が備えられていてもよい。
図4は、本発明の実施の形態に係るつまずきリスク評価方法を行うための準備段階におけるフローチャートである。かかる準備段階においては、床反力データ及び属性データからなる標本データを複数収集し、これらの標本データに基づいてつま先クリアランスを推定するための推定式を作成する。
まず、標本データを収集するために、標本となる人が計測空間内での歩行を開始する。測定装置の一例としては、図3のような測定装置200に加えて、図示しないモーションキャプチャを有する装置を適用することができる。モーションキャプチャは、歩行時の足部の軌跡のトラッキングを開始する(ステップ401)。
歩行を開始すると、モーションキャプチャにより、つま先の位置データを取得し、時系列に従ってつま先の位置の変化を示すデータを取得する(ステップ402)。つま先の位置データは、例えば、地面からつま先までの距離を示すデータである。また、座標データであってもよい。なお、つま先に赤外線反射マーカを貼付してモーションキャプチャでトラッキングしやすくしてもよい。
また、歩行を開始すると、測定装置の床反力計が床反力データを取得し、床反力データに基づいて少なくとも一方の足に関する床反力の変化を示すデータを取得する(ステップ403)。例えば、複数歩分における少なくとも一方の足における床反力の変化を示すデータを取得する。しかし、少なくとも一歩行周期における床反力の変化を示すデータが取得できればよい。また、取得される床反力は例えば左右、前後、鉛直方向の各成分(x、y、z)であってもよく、鉛直方向成分のみを取得するように構成してもよい。
なお、測定装置は、身長、体重、年齢などの標本となる人の属性データを取得してもよい。また、測定装置は、歩行に伴う他のデータ、例えば歩行速度、歩行周期、歩幅などを取得してもよい。
モーションキャプチャから取得したつま先の位置データに基づいて、最小つま先クリアランス(MTC)を抽出する(ステップ404)。最小つま先クリアランスの抽出は、一歩行周期における遊脚期での地面とつま先の距離の最小値の抽出によって行う。従って、複数歩行周期分、データが存在する場合には、複数の最小つま先クリアランスが抽出される。一つの態様においては、抽出された最小つま先クリアランスは、属性データとして入力された身長で正規化を行う。
また、取得された床反力データは、一歩行周期において時間率100%規格化処理を行う。一つの態様においては、規格化処理された床反力データを体重で割ることで正規化を行う。
収集された標本データは、例えばつまずきリスク評価装置100の記憶部120における測定データ記憶部122に記憶される。例えば、標本1人分において、正規化された床反力データが一歩行周期において成分ごとに101点分ずつ、複数歩行周期分ある場合には複数歩行周期分、記憶部120に記憶される。また、これらのデータに対応づけて身長や体重などの属性データを記憶してもよい。N人分の標本データがある場合には、N人分のこれらのデータが記憶されることとなる。
複数人の標本データが収集されたところで、MTCを従属変数、床反力データを独立変数とした重回帰分析、例えばステップワイズ投入法を実施する(ステップ405)。適用される回帰分析法は、これに限られない。回帰分析により床反力データに基づく最小つま先クリアランスの推定式を導出する。
クリアランスの推定式は、例えば時間による正規化処理を行うことで床反力データの各成分(x、y、z)の101個のデータを直列に並べ、303個のデータとしたうえで、データを投入する。
このようなデータに基づいて導出される導出式は例えば下記のように表すことができる。
Figure 0005915990
上記の式において、a1〜a303は、MTCの実測値と推定値との間の相関関係や、MTCと床反力間の相関関係を鑑みて重み付けした重回帰係数である。bは定数である。また、x1〜x101、y1〜y101、z1〜z101は、床反力データの左右、前後、鉛直成分の各データを示しており、例えば、x5は、左右成分における5番目の床反力データを意味する。
より具体的には、回帰分析に基づいて下記のような式が導出される。
Figure 0005915990
なお、上記式は一例にすぎず、本実施形態に係る推定式は上記式に限定されるものではない。
導出された回帰式は、つまずきリスク評価装置100に入力され、記憶部120の推定式記憶部121に記憶される(ステップ406)。なお、これらの処理は、例えば、図2に示したようなコンピュータで実現される。
一つの態様においては、一人の標本データにおいて複数歩行周期分の床反力データが収集できた場合には、各歩行周期で推定されたMTCのばらつきを取得してもよい。
また、別の態様においては、属性データの年齢データを用いて、収集された標本データを一定年齢ごとにグループ分けを行い、それぞれのグループにおいて回帰分析を行うことで推定式を算出してもよい。このようにすることで、例えば若者向け、お年寄り向けのクリアランス推定式を導出することが可能となる。
図5は、モーションキャプチャによって取得されたつま先の位置データ及びかかとの位置データの一例を示す図である。一歩行周期における片足のつま先及びかかとの位置を地面からの距離で示している、グラフの上部の図はつま先及びかかとの位置に対応する足の状態をモデル化したものである。遊脚期(Swing Phase)の中ほどに最小つま先クリアランス(MTC)が存在することがわかる。
図6は、床反力計から取得されたデータに正規化処理を行ったデータ例である。床反力計から取得された床反力データの3成分(前後、左右、鉛直成分)を1歩行周期において時間率100%規格化処理を行い、体重で正規化処理を行っている。
図7は、3つの成分の床反力データのパラメータを直列に並べたデータ例である。正規化された床反力データを重回帰分析に適用するために、それぞれの成分ごとに直列に並べる。このデータ例では、左右方向成分(x)、前後方向成分(y)、鉛直方向成分(z)の順となっているが、この順には限られない。
図8は、本発明の実施の形態に係るつまずきリスク評価方法を行うためのフローチャートである。つまずきリスク評価装置100は、測定装置200の属性データ入力部201より、体重、身長などの属性データが入力されると、データ取得部111において属性データを取得する(ステップ801)。
次に、被験者に測定装置200上で歩行動作をするように促し、歩行が開始される(ステップ802)。床反力計203において計測される、歩行動作に伴って時系列で変化する床反力データをデータ取得部111において取得する(ステップ803)。
取得された床反力データは、正規化部112において時間率100%規格化処理で正規化される(ステップ804)。一歩行周期における床反力データのデータ点数を101点に統一する。床反力データが2成分以上ある場合には、それぞれの成分に対して時間率による正規化処理を行う。なお、データ点数は101点に限られない。時間によって正規化処理が行われたデータであればよい。また、正規化部112は、時間率により正規化された床反力データの各成分の各パラメータを、体重データに基づいて正規化する。
クリアランス推定部113は、正規化された床反力データの各成分のパラメータを用いて、推定式記憶部121に記憶されたつま先クリアランスの推定式を読み出し、所定の床反力データの成分のパラメータを代入して、最小つま先クリアランス推定値を算出する(ステップ805)。また、複数歩分の床反力データが取得できた場合は、それぞれの歩行周期における最小つま先クリアランスを算出してもよい。さらに、それぞれの標準偏差を算出してもよい。また、算出されたつま先クリアランス推定値は、正規化された最小つま先クリアランスであるため、被験者の身長をかけることで、被験者のつま先クリアランス値を算出してもよい。
つまずきリスク評価部114は、算出された最小つま先クリアランスに基づいてつまずきリスクの評価を行う。標準偏差が算出されている場合には、標準偏差に基づいてつまずきリスクを評価してもよい。
結果提供部115は、つまずきリスク評価部114が評価した評価結果を被験者に提供する。測定装置200の表示部202に評価結果を表示させることで提供してもよく、また図示しない測定装置に供えられたスピーカより音声で評価結果を出力してもよい。なお、結果提供部115は、評価結果だけでなく、クリアランス推定部113が算出した被験者のつま先クリアランス値を提供してもよい。
以上のとおり、本発明にかかるつまずきリスク評価方法によれば、上記システム構成について説明したように、被験者のつまずきリスクを簡易かつ正確に評価することができる。
100 つまずきリスク評価装置
200 測定装置
300 ネットワーク

Claims (7)

  1. 歩行動作におけるつまずくリスクを評価するつまずきリスク評価装置であって、
    歩行動作における床反力の変化を示す床反力データを取得する床反力データ取得部と、
    前記床反力データに基づいて、少なくとも床反力の左右成分データ、床反力の鉛直成分のデータ、床反力の前後成分のデータのうちの少なくとも一つからつま先クリアランスを算出するつま先クリアランス推定部と、
    算出されたつま先クリアランスに基づいてつまずきリスクを評価するつまずきリスク評価部と、
    つまずきリスクの評価結果を提供する結果提供部と、を有するつまずきリスク評価装置。
  2. 請求項1記載のつまずきリスク評価装置において、
    取得した前記床反力データを正規化する正規化部をさらに有し、
    前記つま先クリアランス推定部は、正規化した床反力データに基づいてつま先クリアランスを算出することを特徴とするつまずきリスク評価装置。
  3. 請求項1又は2記載のつまずきリスク評価装置において、
    つま先クリアランスを算出する推定式を予め格納する記憶部をさらに有し、
    前記つま先クリアランス推定部は、前記記憶部から前記推定式を読み出し、前記床反力データに適用することでつま先クリアランスを算出することを特徴とするつまずきリスク評価装置。
  4. 前記記憶部に格納された推定式は、複数の標本データである床反力データを回帰分析することにより導出された推定式であることを特徴とする請求項3記載のつまずきリスク評価装置。
  5. 前記床反力データ取得部は、前記床反力データとともに被験者の身長データ及び体重データを含む属性データを取得し、
    前記正規化部は、前記体重データによって前記床反力データを正規化し、
    前記つま先クリアランス推定部は、算出したつま先クリアランスを前記身長データに基づいて被験者のつま先クリアランス値を算出することを特徴とする請求項1〜4記載のつまずきリスク評価装置。
  6. 測定装置とつまずきリスク評価装置とからなるつまずきリスク評価システムであって、
    前記測定装置は、
    歩行動作における床反力の変化を示す床反力データを計測する床反力計を有し、
    前記つまずきリスク評価装置は、
    歩行動作における床反力の変化を示す床反力データを前記測定装置から取得する床反力データ取得部と、
    前記床反力データに基づいて、少なくとも床反力の左右成分データ、床反力の鉛直成分のデータ、床反力の前後成分のデータのうちの少なくとも一つからつま先クリアランスを算出するつま先クリアランス推定部と、
    算出されたつま先クリアランスに基づいてつまずきリスクを評価するつまずきリスク評価部と、
    つまずきリスクの評価結果を前記測定装置へ提供する結果提供部と、を有するつまずきリスク評価システム。
  7. 請求項6記載のつまずきリスク評価システムにおいて、
    前記測定装置は、さらに
    被験者の身長データ及び体重データを含む属性データを入力する属性データ入力部を有し、
    前記つまずきリスク評価装置は、さらに
    前記床反力データを前記体重データで正規化する正規化部と、
    つま先クリアランスを算出する推定式を予め格納する記憶部をさらに有し、
    前記つま先クリアランス推定部は、前記記憶部から前記推定式を読み出し、正規化された床反力データに適用することでつま先クリアランスを算出し、算出したつま先クリアランスを前記身長データで被験者のつま先クリアランス値を算出することと特徴とするつまずきリスク評価システム。
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