JP5915023B2 - 脱硝装置および脱硝方法 - Google Patents

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Description

本発明は、エンジンの排気ガス中に含まれる窒素酸化物を還元する脱硝装置および脱硝方法に関する。
近年、国際海事機関(IMO:International Maritime Organization)が、船舶から排出される排気ガス中の窒素酸化物(NOx)の排出量規制を制定しており、一般海域においてNOxの排出量を所定値までに制限し(2次規制)、大気汚染物質放出規制海域(ECA:Emission Control Area、以下、ECAと称する)においては、NOxの排出量を、2次規制より低い排出量を上限として制限することが決まっている(3次規制)。
ECAにおいては、2次規制の範囲よりNOxの排出制限が厳しい3次規制に対応するため、排気ガスに含まれるNOxを還元するための脱硝装置を船舶に設置する必要がある。しかし、脱硝装置に用いられる脱硝触媒は、所定温度(例えば、270℃程度)以下であるとNOxの還元効率が低下してしまうので、所定温度以上に維持しなければならないという問題がある。
そこで、過給機のタービンの上流の高温の排気ガスを分流して脱硝触媒に導入することで、脱硝触媒の温度を高温にする技術が開示されている(例えば、特許文献1)。また、脱硝触媒の上流に配された排気管をヒータで加熱し、その排気管を通過した排気ガスで脱硝触媒を温める技術が提案されている(例えば、特許文献2)。
特許第2915687号 特許第3924046号
ところで、2次規制の対象となる一般海域においては、脱硝装置を用いなくとも、NOxの排出量を規制値以下に抑えることができるので、脱硝触媒の無用な劣化を回避するために、排気ガスは脱硝触媒を通過しない流路で排出する。しかし、特許文献1の技術では、このように脱硝触媒を回避する流路がないため一般海域において脱硝触媒が排気ガスに晒され、粉塵が堆積する等して脱硝触媒の劣化が進んでしまう。
そこで、例えば、船舶が一般海域と3次規制の対象となるECAとを行き来する際、脱硝触媒を経由する流路と経由しない流路とで、排気ガスを排出する流路を切り換える構成が考えられる。しかし、このような排気ガスの流路の切り換えを前提とした場合、船舶が一般海域からECAへ入る際、脱硝触媒には何ら昇温する手段がないのでNOxを還元可能な十分高い温度に到達していないことが多い。そのため、船舶では、脱硝触媒を暖機する必要が生じる。
しかし、一般海域からECAへ入る際の暖機に、例えば、特許文献2の技術を利用すると、ヒータ等の別途の加熱装置が必要となり、無駄な電力を消費することとなっていた。
本発明は、このような課題に鑑み、別途の加熱装置を利用せずとも、使用前の脱硝触媒を暖機することが可能な脱硝装置および脱硝方法を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明の他の脱硝装置は、エンジンの排気ガス中の窒素酸化物を還元する脱硝触媒と、エンジンとタービンとの間における排気路から分岐し、脱硝触媒に伝熱可能に構成され、脱硝触媒の下流における排気路に連通する第1バイパス管と、タービンと、脱硝触媒との間における排気路から分岐し、脱硝触媒とに伝熱可能に構成され、脱硝触媒の下流における排気路に連通する第3バイパス管と、第1バイパス管を流れる排気ガスの流量を調節する第1バルブ、および第3バイパス管を流れる排気ガスの流量を調節する第3バルブそれぞれの開閉を制御するバルブ制御部と、を備えることを特徴とする。
上記課題を解決するために、本発明の脱硝方法は、エンジンの排気ガス中の窒素酸化物を還元する脱硝触媒と、エンジンとタービンとの間における排気路から分岐し、脱硝触媒に伝熱可能に構成され、脱硝触媒の下流における排気路に連通する第1バイパス管と、タービンと、脱硝触媒との間における排気路から分岐し、脱硝触媒とに伝熱可能に構成され、脱硝触媒の下流における排気路に連通する第3バイパス管とを備える脱硝装置を用いて、脱硝触媒の未使用時に、第3バイパス管に排気ガスを流し、脱硝触媒の暖機時に、第1バイパス管に排気ガスを流し、脱硝触媒の使用時に、第3バイパス管の排気ガスの流れを止めることを特徴とする。

本発明は、別途の加熱装置を利用せずとも、使用前の脱硝触媒を暖機することが可能となる。
第1の実施形態における脱硝システムを説明するための説明図である。 エンジンにおけるエンジン負荷と排気ガスの温度との関係を説明するための説明図である。 第2の実施形態における脱硝システムを説明するための説明図である。 第3の実施形態における脱硝システムを説明するための説明図である。 第3の実施形態における脱硝装置を用いた脱硝方法の処理の流れを説明するためのフローチャートである。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
コンテナ船やタンカー等の大型船舶では、熱効率がよく、低質燃料油(重油)が使用できるためコスト面で有利である、ユニフロー型の2サイクルエンジン(2ストロークエンジン)が広く使用されている。このようなエンジンにおいて、化石燃料、例えば、ガソリン、軽油、重油、液化天然ガス(LNG:Liquefied Natural Gas)、および液化石油ガス(LPG:Liquefied Petroleum Gas)等の燃料を燃焼させると、その結果生じる排気ガスには、NOxが含まれる。上述したように、船舶は、ECAにおいて、2次規制の範囲よりNOxの排出制限が厳しい3次規制に対応するため、排気ガスに含まれるNOxを還元するための脱硝装置を用いる必要がある。
以下、エンジンから排出される排気ガス中のNOxを還元する脱硝システム100a、100b、100cについて説明する。なお、以下の実施形態において、脱硝システム100a、100b、100cに用いるエンジンとしてユニフロー型の2ストロークエンジンを例に挙げて説明するが、他の形式のエンジンに脱硝システム100a、100b、100cを採用することもできる。
(第1の実施形態:脱硝システム100a)
図1は、第1の実施形態における脱硝システム100aを説明するための説明図である。図1に示すように、脱硝システム100aは、エンジン110と、過給機120と、脱硝装置200とを含んで構成される。図1中、物質(排気ガス、還元剤)の流れを実線の矢印で示し、信号の流れを一点鎖線の矢印で示す。
エンジン110は、シリンダ110aと、ピストン110bと、排気弁110cと、排気集合管112とを含んで構成される。エンジン110は、掃気、圧縮、燃焼、排気といった行程を通じて、クロスヘッド(図示せず)に連結されたピストン110bがシリンダ110a内を摺動自在に、図1中白抜き矢印に示す方向に往復移動する。このようなクロスヘッド型のピストン110bでは、シリンダ110a内でのストロークを比較的長く形成することができ、ピストン110bに作用する側圧をクロスヘッドが受けるため、2ストロークエンジンの高出力化を図ることができる。さらに、シリンダ110aとクロスヘッドが収まるクランク室とが隔離されるので、低質燃料油を用いる場合においても汚損劣化を防止することができる。排気集合管112は、エンジン110に設けられた複数の排気弁110cそれぞれを通じてシリンダ110aと連通する複数の排気路を集約する。
過給機120は、タービン122と、タービン122と同軸の圧縮機124とを含んで構成される。タービン122は、エンジン110から排出された排気ガスX1によって回転し、圧縮機124は、タービン122の回転を利用し、外部から導入される活性ガス(酸素、オゾン等の酸化剤、または、その混合気(例えば空気))を圧縮してエンジン110への掃気圧を高める。こうすることで、エンジン110の出力を向上させることができる。
脱硝装置200は、排気ガスX1にアンモニアを作用させることで、排気ガスX1中に含まれるNOxを窒素に還元する。このように、エンジン110から排出された排気ガスX1は、脱硝装置200に導入され、NOxが還元されて、排気ガスX2として外部に排出される。
ところで、2次規制の対象となる一般海域においては、NOxの還元が不要、すなわち、脱硝触媒を要さないので、脱硝触媒の劣化を回避するために、排気ガスは脱硝触媒を通過しない流路(経路)で排出される。しかし、脱硝システム100aを搭載した船舶(以下、単に船舶と称す)が一般海域からECAへ入る際、脱硝触媒の温度を、NOxを還元可能な温度に上昇させるため暖機が必要となる。
第1の実施形態では、別途の加熱装置を利用せずとも、使用前の脱硝触媒を暖機することが可能な脱硝装置200を提供することを目的とする。以下、脱硝装置200の具体的な構成について説明する。
(脱硝装置200)
第1の実施形態にかかる脱硝装置200では、排気ガスX1に還元剤を導入し、還元剤の導入位置の下流にある、脱硝触媒で、排気ガスX1中に含まれるNOxを還元して窒素を生成する選択式触媒還元方式(Selective Catalytic Reduction)を採用している。
図1に示すように、脱硝装置200は、還元剤導入部210と、脱硝触媒212と、第1バルブ214と、第1バイパス管216と、第2バルブ218と、第2バイパス管220と、バルブ制御部222とを含んで構成される。
還元剤導入部210は、タービン122から脱硝触媒212の間の排気路202a中、第2バルブ218と脱硝触媒212との間に還元剤(尿素水)を導入(噴霧)する。
脱硝触媒212は、バナジウム、タングステン、モリブデン等の金属またはその酸化物と酸化チタン等で構成され、還元剤導入部210が導入した還元剤によって、過給機120のタービン122を通過した排気ガス中のNOxを還元する。
第1バルブ214は、エンジン110からタービン122までの間の排気路202bに配置され、後述するバルブ制御部222の制御に応じて、第1バイパス管216を流れる排気ガスX1の流量を調節する。具体的に、第1バルブ214は、排気路202bから第1バイパス管216に分流する排気ガスの流量を、その開度によって調整する。
第1バイパス管216は、エンジン110とタービン122との間における排気路202bから分岐し、脱硝触媒212の筐体と一部が隣接して脱硝触媒212に伝熱可能に構成され、脱硝触媒212の下流における排気路202cに連通する。
本実施形態において、脱硝触媒212は2重管構造となっており、第1バイパス管216は、2重管の外周側管216aも担い、この外周側管216aから、脱硝触媒212が設けられた内周側管に熱が伝導する。
第2バルブ218は、第2バイパス管220を流れる排気ガスX1の流量を調節する。具体的に、第2バルブ218は、脱硝触媒212を通過する流路および第2バイパス管220を通過する流路それぞれについて、開度が設定される。ここでは、第2バルブ218は流路の切換弁であり、バルブ制御部222の制御に応じて、排気ガスX1の流路を、脱硝触媒212を通過する流路(排気路202c)と、第2バイパス管220を通過する流路とで排他的に切り換える。すなわち、第2バルブ218は、脱硝触媒212を通過する流路への開度を100%、第2バイパス管220を通過する流路への開度を0%、または、脱硝触媒212を通過する流路への開度を0%、第2バイパス管220を通過する流路への開度を100%、のいずれかの状態とする。
第2バイパス管220は、タービン122と、脱硝触媒212との間における排気路202aから分岐し、脱硝触媒212の下流における排気路202cに連通しており、脱硝触媒212の上流の排気ガスX1を脱硝触媒212の下流にバイパスさせる。
バルブ制御部222は、第1バルブ214および第2バルブ218それぞれの開閉(開度)を制御する。
(一般海域航行時)
船舶がECA以外の一般海域内を航行している場合、バルブ制御部222は、例えば、乗組員の操作に応じて、第2バルブ218を制御し、排気ガスX1の送出先を第2バイパス管220に切り換える。また、バルブ制御部222は、第1バルブ214を閉じ第1バイパス管216に排気ガスX1が流れないようにする。
このように、一般海域を航行中、脱硝装置200は、排気ガスX1に、脱硝触媒212を迂回して第2バイパス管220を通過させるため、脱硝触媒212に粉塵が堆積する等して劣化する事態を回避することが可能となる。
(暖機時)
船舶が一般海域内を航行している際、脱硝触媒212による還元処理が必要となる所定時間前(例えば、数十時間前)に、例えば、乗組員が操作スイッチ(図示せず)を、暖機の指示を示す暖機指示状態とすると、バルブ制御部222は、排気ガスX1の送出先を第2バイパス管220としたまま、第1バルブ214を開き第1バイパス管216に排気ガスX1が流れるようにする。
図2は、エンジン110におけるエンジン負荷と排気ガスX1の温度との関係を説明するための説明図である。図2中、タービン122の入口(上流)の排気ガスX1の温度を実線で、タービン122の出口(下流)の排気ガスX1の温度を破線で示す。
図2に示すように、タービン122の上流の排気ガスの温度は、タービン122の下流の排気ガスの温度よりも50〜150度程度高い。脱硝装置200は、第1バイパス管216において、このタービン122の上流の温度の高い排気ガスX1をバイパスさせ脱硝触媒212と熱交換させることにより、脱硝触媒212の温度を上昇させる。
このように、脱硝装置200は、脱硝触媒212による還元処理が必要となると、別途の加熱装置を用いることなく、タービン122に流入する前の高温の排気ガスの一部を用いて迅速に脱硝触媒212の暖機を行うことが可能となる。また、脱硝装置200では、脱硝触媒212による還元処理が不要な期間や脱硝触媒212の暖機中、排気ガスが脱硝触媒212に導入されることがないため、排気ガスに含まれる粉塵が燃焼せずに脱硝触媒212に堆積してしまう事態を回避できる。
(ECA航行時)
船舶がECAを航行している場合、バルブ制御部222は、例えば、乗組員の操作に応じて、第2バルブ218を制御し、排気ガスX1の送出先を、脱硝触媒212を通過する流路とする。また、バルブ制御部222は、第1バルブ214を閉じ第1バイパス管216に排気ガスX1が流れないようにする。一般海域からECAへ入る際、上述したように脱硝触媒212は暖機されているため、脱硝装置200はスムーズにNOxを還元可能となる。
このように、ECAを航行中、脱硝装置200は、排気ガスX1を脱硝触媒212で還元し、還元された排気ガスX2として排出する。かかる構成により、船舶は3次規制に対応することができる。
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、タービン122上流の高温の排気ガスを利用して、脱硝触媒212の暖機を行う脱硝装置200について説明した。第2の実施形態では、タービン122の出力に影響を与えず、脱硝触媒212の暖機を行うことが可能な脱硝装置300について説明する。
図3は、第2の実施形態における脱硝システム100bを説明するための説明図である。図3に示すように、脱硝システム100bは、エンジン110と、過給機120と、脱硝装置300とを含んで構成される。エンジン110、過給機120については、第1の実施形態の脱硝システム100aと実質的に機能が等しいので詳細な説明は省略し、ここでは脱硝装置300について説明する。
(脱硝装置300)
図3に示すように、脱硝装置300は、還元剤導入部210と、脱硝触媒212と、バルブ制御部322と、第3バルブ324と、第3バイパス管326と、ヒータ328とを含んで構成される。還元剤導入部210、脱硝触媒212については、第1の実施形態の脱硝装置200と実質的に機能が等しいので詳細な説明は省略し、ここではバルブ制御部322、第3バルブ324、第3バイパス管326、ヒータ328について説明する。
バルブ制御部322は、第3バルブ324を制御する。第3バルブ324は、第3バイパス管326を流れる排気ガスの流量を調節する。具体的に、第3バルブ324は、脱硝触媒212を通過する流路および第3バイパス管326を通過する流路それぞれについて、開度が設定される。ここでは、第3バルブ324は、エンジン110の排気ガスの流路を、脱硝触媒212を通過する流路と、第3バイパス管326を通過する流路とで排他的に切り換える。すなわち、第3バルブ324は、脱硝触媒212を通過する流路への開度を100%、第3バイパス管326を通過する流路への開度を0%、または、脱硝触媒212を通過する流路への開度を0%、第3バイパス管326を通過する流路への開度を100%、のいずれかの状態とする。
第3バイパス管326は、脱硝触媒212の上流において排気路202aから分岐され、脱硝触媒212の筐体と一部が隣接して伝熱可能に構成され、脱硝触媒212の下流における排気路202cに連通する。
本実施形態において、脱硝触媒212は2重管構造となっており、第3バイパス管326は、2重管の外周側管216aも担い、この外周側管216aから、脱硝触媒212が設けられた内周側管に熱が伝導する。
ヒータ328は、例えば、通電することで発熱する電熱ヒータで構成され、脱硝触媒212を加熱する。
(一般海域航行時)
船舶がECA以外の一般海域内を航行している場合、バルブ制御部322は、例えば、乗組員の操作に応じて、第3バルブ324を制御し、排気ガスX1の送出先を第3バイパス管326に切り換える。
このように、一般海域を航行中、脱硝装置300は、排気ガスX1に、脱硝触媒212を迂回して第3バイパス管326を通過させるため、脱硝触媒212に粉塵が堆積する等して劣化する事態を回避することが可能となる。
(暖機時)
船舶が一般海域内を航行している際に暖機をする場合、脱硝触媒212による還元処理が必要となる所定時間前に、乗組員がヒータ328に通電させると、ヒータ328が脱硝触媒212を加熱する。このとき、バルブ制御部322は、排気ガスX1の送出先を第3バイパス管326のままとしておく。
第2の実施形態の脱硝触媒212は、排気ガスに晒されることなく、排気ガスの熱によって常に温められる。そのため、脱硝装置300は、別途の加熱装置を用いることなく、排気されるすべての排気ガスの熱を利用して脱硝触媒212の暖機を行うことが可能となる。また、脱硝装置300では、第1の実施形態と同様、脱硝触媒212による還元処理が不要な期間や脱硝触媒212の暖機中、排気ガスが脱硝触媒212に吹き付けることがないため、排気ガスに含まれる粉塵が燃焼せずに脱硝触媒212に堆積してしまう事態を回避できる。
(ECA航行時)
船舶がECAを航行している場合、バルブ制御部322は、例えば、乗組員の操作に応じて、第3バルブ324を制御し、排気ガスX1の送出先を、脱硝触媒212を通過する流路に切り換える。一般海域からECAへ入る際、上述したように脱硝触媒212は暖機されているため、脱硝装置300はスムーズにNOxを還元可能となる。
このように、ECAを航行中、脱硝装置300は、排気ガスX1を脱硝触媒212で還元し、還元された排気ガスX2として排出する。かかる構成により、船舶は3次規制に対応することができる。
(第3の実施形態)
続いて、第1の実施形態における脱硝装置200と、第2の実施形態における脱硝装置300とをそれぞれを組み合わせ、より効率的に脱硝触媒212の暖機を行うことができる脱硝装置400について第3の実施形態で説明する。
図4は、第3の実施形態における脱硝システム100cを説明するための説明図である。図4に示すように、脱硝システム100cは、エンジン110と、過給機120と、脱硝装置400とを含んで構成される。エンジン110、過給機120については、第1の実施形態の脱硝システム100aと実質的に機能が等しいので詳細な説明は省略し、ここでは脱硝装置400について説明する。
図4に示すように、脱硝装置400は、還元剤導入部210と、脱硝触媒212と、第1バルブ214と、第1バイパス管216と、第3バルブ324と、第3バイパス管326と、バルブ制御部422とを含んで構成される。還元剤導入部210、脱硝触媒212、第1バルブ214、第1バイパス管216、第3バルブ324、第3バイパス管326については、上述した実施形態の脱硝装置200、300と実質的に機能が等しいので詳細な説明は省略し、ここではバルブ制御部422について説明する。
バルブ制御部422は、第1バイパス管216を流れる排気ガスの流量を調節する第1バルブ214、および第3バイパス管326を流れる排気ガスの流量を調節する第3バルブ324それぞれの開閉を制御する。
(一般海域航行時)
船舶がECA以外の一般海域内を航行している場合、バルブ制御部422は、例えば、乗組員の操作に応じて、第3バルブ324を制御し、排気ガスX1の送出先を第3バイパス管326とする。また、バルブ制御部422は、第1バルブ214を閉じ第1バイパス管216に排気ガスX1が流れないようにする。
このように、一般海域を航行中、脱硝装置400は、排気ガスX1に、脱硝触媒212を迂回して第3バイパス管326を通過させるため、脱硝触媒212に粉塵が堆積する等して劣化する事態を回避することが可能となる。
(暖機時)
船舶が一般海域内を航行している際、脱硝触媒212による還元処理が必要となる所定時間前(例えば、数十時間前)に、例えば、乗組員が操作スイッチ(図示せず)を、暖機の指示を示す暖機指示状態とすると、バルブ制御部422は、排気ガスX1の送出先を第3バイパス管326としたまま、第1バルブ214を開き第1バイパス管216に排気ガスX1が流れるようにする。
第3の実施形態の脱硝装置400は、脱硝触媒212による還元処理が不要な期間、タービン122の下流の排気ガスによって脱硝触媒212の暖機を継続的に行い、脱硝触媒212は常時ある程度(例えば、200度程度)に温められている。そして、乗組員の暖機を指示する操作があると、タービン122の上流の高温の排気ガスによって脱硝触媒212をさらに昇温する。かかる構成により、脱硝装置400は、タービン122の上流の排気ガスを用いる時間をより短時間に抑えてタービン122の出力への影響を抑制しつつ、より迅速に暖機を行うことが可能となる。
(ECA航行時)
船舶がECAを航行している場合、バルブ制御部422は、例えば、乗組員の操作に応じて、第3バルブ324を制御し、排気ガスX1の送出先を、脱硝触媒212を通過する流路に切り換える。また、バルブ制御部422は、第1バルブ214を閉じ第1バイパス管216に排気ガスX1が流れないようにする。一般海域からECAへ入る際、上述したように脱硝触媒212は暖機されているため、脱硝装置400はスムーズにNOxを還元可能となる。
このように、ECAを航行中、脱硝装置400は、排気ガスX1を脱硝触媒212で還元し、還元された排気ガスX2として排出する。かかる構成により、船舶は3次規制に対応することができる。
(脱硝方法)
図5は、第3の実施形態にかかる脱硝装置400を用いた脱硝方法の処理の流れを説明するためのフローチャートである。図5に示すように、バルブ制御部422は、船舶が現在航行している海域が、一般海域であるか否かを判定する(S500)。一般海域である場合(S500におけるYES)、バルブ制御部422は、第3バルブ324の排気ガスの送出先が脱硝触媒212を通過する流路か否かを判定する(S502)。脱硝触媒212を通過する流路である場合(S502におけるYES)、バルブ制御部422は、第3バルブ324の排気ガスの送出先を第3バイパス管326を通過する流路に切り換える(S504)。
そして、バルブ制御部422は、例えば、操作スイッチが暖機の指示を示す暖機指示状態であるか否かを判定する(S506)。暖機指示状態でなかった場合(S506におけるNO)、バルブ制御部422は、第1バルブ214が開いているか否かを判定する(S508)。第1バルブ214が開いている場合(S508におけるYES)、バルブ制御部422は、第1バルブ214を閉じる(S510)。そして、海域判定ステップS500に戻る。
暖機指示状態である場合(S506におけるYES)、バルブ制御部422は、第1バルブ214が閉じているか否かを判定する(S512)。第1バルブ214が閉じている場合(S512におけるYES)、バルブ制御部422は、第1バルブ214を開く(S514)。そして、海域判定ステップS500に戻る。
海域判定ステップS500において、船舶が現在航行している海域が一般海域でなくECAである場合(S500におけるNO)、バルブ制御部422は、第3バルブ324の排気ガスの送出先が、第3バイパス管326であるか否かを判定する(S516)。第3バイパス管326である場合(S502におけるYES)、バルブ制御部422は、第3バルブ324の排気ガスの送出先を第3バイパス管326から脱硝触媒212を通過する流路に切り換える(S518)。
続いて、バルブ制御部422は、第1バルブ214が開いているか否かを判定する(S520)。第1バルブ214が開いている場合(S520におけるYES)、バルブ制御部422は、第1バルブ214を閉じる(S522)。そして、海域判定ステップS500に戻る。
上述したように、第3の実施形態にかかる脱硝方法によれば、別途の加熱装置を利用せず、使用前の脱硝触媒212を暖機させることが可能となる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上述した第1〜3の実施形態において、暖機時に、エンジン110や過給機120の制御によって、排気ガスの温度を昇温することで、脱硝触媒212の暖機時間を短縮してもよい。
また、上述した第1〜3の実施形態では、船舶の乗組員が操作スイッチを暖機指示状態とすると、脱硝触媒212の暖機が開始されるとしたが、かかる場合に限定されず、例えば、脱硝装置200、300、400は、船舶に備えられたGPS(Global Positioning System)レーダによって導出された船舶の位置や速度に基づいて、船舶が一般海域からECAに入るまでの時間を予測して、その時間が所定時間内になると、脱硝触媒212の暖機を開始するとしてもよい。
また、上述した実施形態において、タービン122および脱硝触媒212を迂回する管を第1バイパス管216、脱硝触媒214を迂回する管を第2バイパス管220、第3バイパス管326として表現したが、タービン122や脱硝触媒212があることを前提にしているものではない。例えば、第2バイパス管220(この場合、厳密にはバイパスしていない)があることを前提として、第2バイパス管220の上流の排気ガスを分岐して脱硝触媒212を通過させ、排気路に戻したりする場合も本発明の実施形態の範囲に含まれる。すなわち、2つの系統(流路)のいずれを主系統(メイン)または副系統(サブ)とするかは任意に設定することができる。
なお、本明細書の脱硝方法の各工程は、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はなく、並列的あるいはサブルーチンによる処理を含んでもよい。
本発明は、エンジンの排気ガス中に含まれる窒素酸化物を還元する脱硝装置および脱硝方法に利用することができる。
110 …エンジン
122 …タービン
200、300、400 …脱硝装置
202a、202b、202c …排気路
212 …脱硝触媒
214 …第1バルブ
216 …第1バイパス管
218 …第2バルブ
220 …第2バイパス管
222、322、422 …バルブ制御部
324 …第3バルブ
326 …第3バイパス管

Claims (2)

  1. エンジンの排気ガス中の窒素酸化物を還元する脱硝触媒と、
    前記エンジンとタービンとの間における排気路から分岐し、前記脱硝触媒に伝熱可能に構成され、該脱硝触媒の下流における該排気路に連通する第1バイパス管と、
    前記タービンと、前記脱硝触媒との間における排気路から分岐し、該脱硝触媒とに伝熱可能に構成され、該脱硝触媒の下流における該排気路に連通する第3バイパス管と、
    前記第1バイパス管を流れる排気ガスの流量を調節する第1バルブ、および前記第3バイパス管を流れる排気ガスの流量を調節する第3バルブそれぞれの開閉を制御するバルブ制御部と、
    を備えることを特徴とする脱硝装置。
  2. エンジンの排気ガス中の窒素酸化物を還元する脱硝触媒と、
    前記エンジンとタービンとの間における排気路から分岐し、前記脱硝触媒に伝熱可能に構成され、該脱硝触媒の下流における該排気路に連通する第1バイパス管と、
    前記タービンと、前記脱硝触媒との間における排気路から分岐し、該脱硝触媒とに伝熱可能に構成され、該脱硝触媒の下流における該排気路に連通する第3バイパス管とを備える脱硝装置を用いて、
    前記脱硝触媒の未使用時に、前記第3バイパス管に排気ガスを流し、
    前記脱硝触媒の暖機時に、前記第1バイパス管に排気ガスを流し、
    前記脱硝触媒の使用時に、前記第3バイパス管の排気ガスの流れを止めることを特徴とする脱硝方法。
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