JP5912756B2 - 工作機械の環境及び機械状態診断方法 - Google Patents
工作機械の環境及び機械状態診断方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5912756B2 JP5912756B2 JP2012074303A JP2012074303A JP5912756B2 JP 5912756 B2 JP5912756 B2 JP 5912756B2 JP 2012074303 A JP2012074303 A JP 2012074303A JP 2012074303 A JP2012074303 A JP 2012074303A JP 5912756 B2 JP5912756 B2 JP 5912756B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- temperature
- change
- machine
- estimated
- room temperature
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Numerical Control (AREA)
Description
一方、恒温室等への設置や特許文献1のような構造体への冷却配管の付加については、前述のような外乱の影響は少なくなるがコストアップとなることは明らかである。
よって、熱変位を推定して補正を行う方法を実施する前提として、多くのコストをかけずに機械の周辺環境や状態を診断する方法の提供が望まれていた。
[形態1]
図1は、工作機械の一例であるマシニングセンタの説明図である。マシニングセンタ1は、ベッド2上に、ワークを載置するテーブル3と、コラム4とが設置され、コラム4には、主軸6を備えた主軸頭5が設けられている。これらの各構造体には、温度センサch1〜ch7が設けられている。このうち温度センサch1は主軸6に、温度センサch2は主軸頭5に、温度センサch3はテーブル3にそれぞれ設けられる一方、温度センサch4,ch5はテーブル3の上下に分けて、温度センサch6,ch7はコラム4の前後に分けてそれぞれ設けられている。
以下、温度推定装置11における室温の推定処理を説明する。
T2=ΔT×k+T1 ・・・(1)
これにより温度差ΔTを算出することで、推定室温Teを求めることができる。
図4において、A’は、ある構造体周りの室温変化、a’〜c’は、環境が同じ程度の位置で測定した構造体温度で、図5は、電源投入を想定した室温変化3時間後の各構造体温度T1と30分後の温度T2及びそのときの推定室温である。すなわち、室温変化開始後3時間で機械の電源が投入され、3.5時間後に環境診断を行ったとすると、T1及びT2より式(1)を用いて現在の室温との温度差ΔTを算出することで各構造体からの推定室温を求めることができる。
[形態2]
この形態2において、マシニングセンタ1の温度推定装置11は、温度測定装置10で数値化された測定値から予め設定された構造体の温度時定数を用いて温度変化を推定するようになっている。以下、本形態2における環境及び機械状態の具体的な診断方法を、コラム4の前後に配置された温度センサch6及びch7から得られる温度を例にして説明する。
そして、図6に示すようにS11で機械各部の温度を測定した後、S12において、室温から各部の温度変化を推定すると共に、推定温度変化の許容範囲を演算する。次に、診断装置12が環境及び機械状態を診断する(S13)という処理を、所定間隔で繰り返し(S14でNOとなるまで)行うようになっている。
以下、温度推定装置11における温度変化の推定と許容範囲の設定とについて説明する。
推定温度変化b=Tn−1+(T−Tn−1)×t1/(t1+τ1) ・・・(2)
そして、許容範囲b1,b2は、推定温度変化bに予め設定した係数を乗じることで設定する。例えば、上側の許容範囲を1.2倍、下側の許容範囲を0.8倍とすると、それぞれ次の式(3)(4)で許容範囲が決定される。
許容範囲b1=b×1.2 ・・・(3)
許容範囲b2=b×0.8 ・・・(4)
この診断は、例えば以下の式(5)(6)を両方満たすかによって推定温度変化bの上下の許容範囲に測定温度変化cが入っているか否かを判定する。すなわち、図7のように両方満たす場合は許容範囲内に入っているため安定していると判断し、一方でも満たさない場合は不安定であると判断してオペレータに報知すると共に加工を中断する。
b1−c≧0 ・・・(5)
c−b2≧0 ・・・(6)
上記形態2では、1つの温度センサについて推定温度変化を求めて診断する方法となっているが、ここでは対となる2つの温度センサについて推定温度変化を求めて診断する方法を説明する。
図8において、直線で示すaは室温変化を想定したモデル、d1,d2は、式(2)において演算した温度センサch6及びch7の推定温度変化の平均値dから求めた上側の許容範囲及び下側の許容範囲、曲線で示すcは、コラム前側の温度変化、eは、コラム後側の温度変化である。
特にここでは、対となる位置での測定温度が許容範囲内で変化しているかを判定することで、構造体の傾きや反りに影響する位置の周囲環境が想定以内であるか否かを診断することができる。
図9は、室温変化を想定したモデルaに対し、予め設定した熱変位への影響を考慮したコラム前後温度差の変化に対する閾値と、温度センサch6及びch7によって測定したコラム前後温度差fの変化とを表している。ここで、温度差の変化は、開始時のコラム前後温度をそれぞれTf1及びTr1、測定時のコラム前後温度をそれぞれTf2及びTr2とすると、以下の式(7)によって演算することができる。
温度差の変化=(Tr2−Tf2)−(Tr1−Tf1) ・・・(7)
このように、上記形態4のマシニングセンタ1の環境及び機械状態の診断方法においても、特別な装備を必要とすることなく、機械が安定した熱変位をしているかの機械状態の診断が安価に可能となる。また、各構造体の温度変化より使用開始前の機械の周辺環境を診断することもできる。
要注意と判定された場合には加工を継続しても問題ない場合がある。例えば、形態3が許容範囲外で形態4が許容範囲内であると、構造体の前後の温度差は小さいが温度変化は推定値よりも大きいので、想定している環境と異なるため時間経過により前後のバランスが崩れたり、時間経過による熱変位が大きくなったりする可能性があるが、加工時間の短いワークや要求精度が低いワークであれば加工を続行することが可能である。
また、形態3が許容範囲内で形態4が許容範囲外であると、構造体が傾いているが熱変位は推定の範囲にあるので、フライスでの上面加工であれば加工しても問題ないが、ドリルでの穴あけ加工では、穴が楕円になったり工具折損の原因となったりする可能性があるため加工を中断する必要がある。
このように、要求される加工条件により加工を続けても良い場合と悪い場合があるので、表示された診断結果からオペレータが判断する材料としたり、所定の判定の場合は加工を中断するようにしたりすることで、不必要な加工の中断を避けることができる。
そして、上記形態ではコラム前後温度ch6及びch7を例にしているが、ベッド上下温度ch4及びch5など他の位置での温度センサにおいても同様の診断が可能である。
Claims (1)
- 構造体各部に複数の温度センサを設置し、前記温度センサで検出した前記構造体各部の温度から工作機械の環境及び機械状態を診断する方法であって、
各前記温度センサから得られる検出温度に基づいて現在の室温をそれぞれ推定し、少なくとも2つの前記温度センサにおいて推定された前記現在の室温間の差を、予め設定された閾値と比較することを特徴とする工作機械の環境及び機械状態の診断方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012074303A JP5912756B2 (ja) | 2012-03-28 | 2012-03-28 | 工作機械の環境及び機械状態診断方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012074303A JP5912756B2 (ja) | 2012-03-28 | 2012-03-28 | 工作機械の環境及び機械状態診断方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2013206119A JP2013206119A (ja) | 2013-10-07 |
JP5912756B2 true JP5912756B2 (ja) | 2016-04-27 |
Family
ID=49525138
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012074303A Active JP5912756B2 (ja) | 2012-03-28 | 2012-03-28 | 工作機械の環境及び機械状態診断方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5912756B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7486362B2 (ja) | 2020-07-07 | 2024-05-17 | オークマ株式会社 | 工作機械の精度診断装置及び精度診断方法 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4556446B2 (ja) * | 2004-02-27 | 2010-10-06 | 村田機械株式会社 | 多軸工作機械 |
JP4182082B2 (ja) * | 2005-04-18 | 2008-11-19 | ファナック株式会社 | 工作機械 |
-
2012
- 2012-03-28 JP JP2012074303A patent/JP5912756B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2013206119A (ja) | 2013-10-07 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6985174B2 (ja) | 工作機械の精度診断装置 | |
JP5336042B2 (ja) | 工作機械における温度センサの異常検知方法 | |
US7676338B2 (en) | Method for detecting abnormality of temperature sensor in machine tool | |
US7503691B2 (en) | Machine tool | |
TWI667096B (zh) | 線放電加工機 | |
US20170023417A1 (en) | Thermal displacement compensation device for machine tool | |
KR101870553B1 (ko) | 전동기 제어 장치 | |
TW201817524A (zh) | 線放電加工機 | |
JP2011253887A (ja) | 電子回路の冷却部の異常検査システム | |
KR101691211B1 (ko) | 하이브리드/전기자동차의 온도센서 고장진단 장치 및 그 방법 | |
JP2018103274A (ja) | 工作機械の温度推定方法及び熱変位補正方法 | |
JPH09225781A (ja) | 工作機械の熱変位推定方法 | |
JP5884415B2 (ja) | トルク測定装置 | |
JP5912756B2 (ja) | 工作機械の環境及び機械状態診断方法 | |
JP4840108B2 (ja) | 空気調和機の圧縮機保護制御方法 | |
JP2007015094A (ja) | 工作機械の熱変位推定方法 | |
US11249454B2 (en) | Thermal displacement correction device considering sensor failure | |
JP4880634B2 (ja) | 工作機械の熱変位推定方法 | |
JP4105598B2 (ja) | 工作機械の熱変形誤差の補正方法 | |
JP2006221308A (ja) | 異常検出方法および制御装置と、これらを用いた制御システム | |
JP4358705B2 (ja) | 工作機械の熱変形誤差の補正方法 | |
JP4406544B2 (ja) | 電子冷却器の診断システム | |
JP5289546B2 (ja) | 電子回路の冷却部の異常検査システム | |
JP6726645B2 (ja) | 送りねじ装置における送りねじの診断方法 | |
US20240077115A1 (en) | Temperature rise value estimating method, thermal displacement amount estimating method, and bearing cooling apparatus control method for machine tool, and machine tool |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20140930 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20150828 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20150929 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20151124 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20160308 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20160401 |
|
R150 | Certificate of patent (=grant) or registration of utility model |
Ref document number: 5912756 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |