JP5912624B2 - ハイブリッド車両の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明はハイブリッド車両の制御装置に関し、特に回生電力を回収可能なハイブリッド車両の制御装置に関する。
ハイブリッド方式の車両は、走行時には、複数の動力源を同時に又は個別に作動させて走行するように構成されている。例えば、シリーズハイブリッド方式の車両では、走行時(力行時)には、エンジンによって駆動された発電機から供給された電力、及び/又は、バッテリからの電力により、電動機を作動させて車輪等を駆動するように構成されている。一方、回生時には、ハイブリッド車両では、電動機が発電機として機能し、回生電力をバッテリに供給可能になっている。
また、ハイブリッド車両の一部の車両では、車両の走行中に車両を停止させること無しに、ギアのシフト位置を前進位置(D位置)から後進位置(R位置)へ、又は、R位置からD位置へ切り替え可能に構成されている(例えば、特許文献1参照)。特に、履帯又はキャタピラを有する装軌車両は、上記のように、車両を停止させること無しに進行方向に対応するシフト位置から逆方向に対応するシフト位置へ変速操作できるように構成することにより、装軌車両の目的に応じた作業性及び機動性を達成している。装軌車両としては、例えば、特殊車両、及び、ブルドーザ,パワーショベル,クレーン等の建機及び運搬車両が挙げられる。
例えば、特許文献1の車両では、前進中にシフト位置がD位置からR位置に切り替えられると、車速が所定値以下になるまで、電動機によって回生制動させるようになっている。これにより、特許文献1の車両では、ブレーキトルク又は減速トルクを確保すると共に、回生電力を得ることができる。
特開2009−51366号公報
しかしながら、例えば、運転者が前進中にアクセルを踏んだままD位置からR位置へ変速操作する場合、車両には、前進から後進への早急な切り替えが要求される。この前後進の切り替え時に、電動機は、D位置における力行から、R位置における回生を経て、R位置における力行へと動作する。このため、電力システム内で、急な電力方向の切り替えが発生する。このとき、電動機の回生電力をバッテリが吸収できない場合、バッテリが接続された直流バスの電圧が過度に上昇し、この過電圧によって、直流バスに接続された電気機器が故障したり、過電圧に対する電気機器の保護動作により車両停止を招いたりするおそれがある。
例えば、特許文献1の車両では、現在の前後進行方向に対応するシフト位置から、逆方向に対応するシフト位置に変速操作を行った場合に、バッテリの状態によらずに電動機が回生電力を発生するので、電気機器の故障や車両停止が生じてしまう。
この問題を解決するための対策として、回生電力を余裕をもって回収できるように、車両運転時におけるバッテリの充電率(SOC)を低い状態で運用することが考えられる。しかしながら、SOCを低い状態で作動させると、走行時に使用できるバッテリ電力が少なくなってしまうという不都合がある。さらに、別の対策として、バッテリ容量を大きくすることが考えられるが、コストや車載性(サイズ)の制約から十分なバッテリ容量を有するバッテリを搭載できないという問題がある。
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、走行中にシフト位置が進行方向とは逆方向に切り替えられたときに、回生電力による過電圧を防止し、電気機器を過電圧から保護することができるハイブリッド車両の制御装置を提供することを目的としている。
上述した課題を解決するために、本発明は、エンジンと、このエンジンによって駆動される発電機と、バッテリと、トルク指令値に基づいて駆動され外部に走行用動力を提供すると共に、回生電力を前記バッテリへ提供可能な電動機と、を備えたハイブリッド車両の制御装置であって、シフト位置が車両進行方向とは逆方向に対応する逆変速位置にある逆変速状態であるか否かを判断する逆変速判断手段と、バッテリが回生電力として受け入れ可能な電力に基づいて算出された回生可能トルク指令値と、アクセル量に応じて決定される逆方向へのアクセルトルク指令値のうち、絶対値の小さい方のトルク指令値を選択するトルク指令値選択手段と、逆変速判断手段によって逆変速状態であると判断された場合に、トルク指令値選択手段によって選択されたトルク指令値を電動機へ出力する逆変速時トルク指令値出力手段と、を備え、トルク指令値選択手段は、車速トルク指令値演算手段を備え、この車速トルク指令値演算手段は、車速に応じて逆方向への車速トルク指令値を算出し、トルク指令値選択手段は、回生可能トルク指令値と、アクセルトルク指令値と、車速トルク指令値の3つのトルク指令値から、最も小さいトルク指令値を選択するように構成されており、車速トルク指令値演算手段は、車速トルク指令値に車速を乗じた値が一定値になるように車速トルク指令値を算出し、一定値は予め設定されていることを特徴としている。
このように構成された本発明のハイブリッド車両の制御装置は、逆変速時(車両進行方向に対して逆方向に対応するシフト位置にシフトレバーが切り替えられ、車両進行方向とシフト位置が不一致の状態)において、バッテリが回生電力として受け入れ可能な充電可能電力に基づいて算出された回生可能トルク指令値と、アクセル量に応じて決定されるアクセルトルク指令値のうち、絶対値の小さい方のトルク指令値によって、電動機を作動させるように構成されている。
この構成により、本発明では、電動機が直流バスを介してバッテリへ回生させる回生電力を、アクセル量に関わらず、バッテリが回生電力として受け入れ可能な電力に制限することができる。これにより、本発明では、逆変速時において、回生電力はバッテリが吸収可能な電力以下に抑制されるため、直流バスが過電圧になって、この直流バスに接続された電機機器が過電圧により故障してしまうことを防止することができる。また、本発明においては、車速に応じてトルク指令値を制限することができるので、高速走行時における逆変速状態において、過大な回生電力が発生し、過電圧によって電気機器が故障することを抑制することができる。さらに、本発明においては、車速に依らず、回生電力を一定値に制限することができるので、直流バスの過電圧を確実に防止することができる。
また、本発明において好ましくは、トルク指令値選択手段は、回生可能トルク指令値演算手段を備え、この回生可能トルク指令値演算手段は、バッテリのSOCに基づいてバッテリが受け入れ可能な充電可能電力を算出し、電動機によって充電可能電力を回生させるように、回生可能トルク指令値を算出する。
このように構成された本発明においては、回生可能トルク指令値が、バッテリの状況、すなわち、バッテリのSOC(充電率)に基づいて算出されるので、回生電力をバッテリが回収できずに直流バスが過電圧になることを確実に防止することができる。
また、具体的には、回生可能トルク指令値演算手段は、充電可能電力を電動機の回転速度で除した値に基づいて回生可能トルク指令値を算出する。
また、本発明において好ましくは、制御手段は、機械的ブレーキ指令値出力手段を更に備え、この機械的ブレーキ指令値出力手段は、逆変速状態において、ブレーキペダルの操作量に関わらず所定の減速トルクを得るように、電動機を直接又は間接的に制動する機械的ブレーキ装置へブレーキ指令を出力する。
例えば、車両が比較的高速走行中に運転者が逆変速操作を行った場合、十分なブレーキトルクを回生トルクのみによって得ると、回生電力が大きくなり過ぎ、直流バスの過電圧によって電気機器の故障のリスクが高まってしまう。
しかしながら、本発明においては、減速トルクの不足分を機械的ブレーキによって補償するように構成されている。これにより、本発明では、回生電力に起因した直流バスの過電圧によって電機機器が故障してしまうことを防止すると共に、少なくとも所定の減速トルクを確保することができる。
また、本発明において好ましくは、機械的ブレーキ指令値出力手段は、アクセルトルク指令値と選択されたトルク指令値との差分を補償するように、ブレーキ指令を算出する。
このように構成された本発明においては、運転者により操作されたアクセルペダルの操作量(アクセル量)に対応する減速トルクが、回生トルクのみによって得られない場合でも、不足する減速トルクを機械的ブレーキ装置による制動によって補償することができる。これにより、本発明では、逆変速時において、十分な減速トルクが得られると共に、運転者は、アクセル量と、これによって得られる減速トルクとの間に違和感なしに運転することができる。
また、具体的には、トルク指令値選択手段は、アクセルトルク指令値演算手段を備え、このアクセルトルク指令値演算手段は、アクセル量に対応付けられたトルク指令値テーブルからアクセルトルク指令値を演算する。
本発明のハイブリッド車両の制御装置によれば、走行中にシフト位置が進行方向とは逆方向に切り替えられたときに、回生電力による過電圧を防止し、車載電気機器を過電圧から保護することができる。
本発明の実施形態におけるハイブリッド車両の全体構成図である。 本発明の実施形態における制御装置の電動機トルク制御の説明図である。 本発明の実施形態における操向用トルク補正値演算処理の説明図である。 本発明の実施形態における制御装置の電力制御の説明図である。 本発明の実施形態における制御装置の逆変速時トルク補正値演算処理の説明図である。 本発明の第2の実施形態における制御装置の逆変速時トルク補正値演算処理の説明図である。
次に、図1乃至図5を参照して、本発明の実施形態によるハイブリッド車両の制御装置を説明する。
先ず、図1に基づいて、本実施形態のハイブリッド車両の制御装置に関連して、ハイブリッド車両の動力部分の構成について説明する。本実施形態では、ハイブリッド車両として、装軌車両(例えば、特殊車両、及び、ブルドーザ,パワーショベル,クレーン等の建機及び運搬車両)を例にとって説明するが、これに限らず、他の種類の車両であってもよい。
図1に示すように、本実施形態のハイブリッド車両100は、エンジン1と、発電機2と、コンバータ3と、バッテリ4と、直流バス5と、走行用の左側のインバータ6と、走行用の右側のインバータ7と、走行用の左側の永久磁石式同期電動機8と、走行用の右側の永久磁石式同期電動機9と、左側の履帯10と、右側の履帯11と、制御装置12とを備えている。
発電機2は、エンジン1によって駆動され交流電力を発生させるように構成されている。発電機2は、コンバータ3を介して直流バス5に接続されており、発生した電力を直流バスへ供給する。
コンバータ3は、発電機2に付設されており、発電機トルク指令値Tg*に基づいて発電機2をトルク制御すると共に、発電機2で生成された交流電力を直流に変換して直流バス5へ出力する。コンバータ3は、直流バス5のバス電圧を制御することにより、バッテリ4による電力の充放電を制御するように構成されている。
バッテリ4は、充放電可能な二次電池であり、直流バス5の電圧に応じて、直流バス5へ直流電力を供給(放電)したり、直流バス5から直流電力を受けて充電したりするようになっている。
本実施形態では、バッテリ4は、バッテリ電力を制御する電力変換装置(DC/DCコンバータ)を有しておらず、直流バス5へ直接的に接続されている。本実施形態では、バッテリ電力制御用の電力変換装置を用いない構成とすることにより、車両100の燃費と車載性を向上させている。
制御装置12は、エンジン1,発電機2,コンバータ3,インバータ6及び7,電動機8及び9等を制御するように構成されている。
制御装置12は、アクセルペダル20,ブレーキペダル21,シフトレバー22,ステアリング23,履帯速度計(又は車速時計)24に接続され、運転者によって操作されたアクセルペダル20の操作量であるアクセル量を表す信号,ブレーキペダル21の操作量であるブレーキ量を表す信号,シフトレバー22からシフトレバー位置を表す信号,ステアリング23の操作量であるステアリング量を表す信号,履帯速度計24から履帯10,11の各履帯速度又は車速を表す信号を受ける。制御装置12は、これらの信号に基づいて、インバータ6,7を介して各電動機8,9を運転させるためのインバータトルク指令値(又は、電動機トルク指令値)EL,ERをインバータ6,7へ出力する。
各インバータ6,7は、制御装置12から受けた電動機トルク指令値EL,ERに基づいて、対応する電動機8,9をトルク制御する。具体的には、インバータ6,7は、発電機2及び/又はバッテリ4から給電されている直流バス5の直流電力を交流電力に変換し、対応する電動機8,9へ供給し、これら電動機8,9を駆動する。電動機8,9の回転出力軸は、直接又は間接的に履帯10,11にそれぞれ連結されており、電動機8,9は、履帯10,11へ走行用動力を提供して車両100を走行させるように構成されている。
電動機8,9は、電気的に独立して駆動され、2つの電動機8,9の力行及び回生により、車両100の加減速、及び旋回を実施可能としている。同期発電機としての電動機8,9が回生動作によって生成した回生電力は、コンバータとして機能するインバータ6,7によって直流に変換され、直流バス5へ供給される。各電動機8,9の回生電力は、直流バス5を介してバッテリ4により吸収され、又は、直流バス5,他方のインバータを介して他方の電動機を駆動するために用いられる。
また、履帯10,11又は電動機8,9には、減速トルクを発生させる制動ブレーキ又はメカ(機械的)ブレーキ(図示せず)が直接又は間接的に連結されている。制動ブレーキは、ブレーキペダル21の操作量であるブレーキ量に応じて決定されるメカ(機械的)ブレーキ指令に基づいて、制動トルクを発生させるように構成されている。
次に、図2及び図3に基づいて、電動機の出力トルク制御の概略について説明する。
通常の加減速及び旋回の動作において、制御装置12は、アクセル量,ブレーキ量,シフト位置から決定される前後進用トルク指令値AL,ARと、ステアリング量,履帯の目標速度,履帯の実速度等に基づいて算出される操向用トルク補正値DL,DRとを用いて電動機の出力トルクを制御するためのインバータトルク指令値EL,ERを出力するように構成されている(図2参照)。
また、逆変速時の動作において、制御装置12は、バッテリ4のSOCやアクセル量等に基づいて決定される逆変換時トルク指令値CL,CRを、前後進用トルク指令値AL,ARに代えて、前後進用トルク指令値BL,BRとして出力するように構成されている(図5参照)。
図2は、電動機8,9の出力トルク制御に関する制御装置12のブロック図を示している。図2に示すように、制御装置12は、電動機8,9の出力トルク制御に関連して、前後進トルク指令値演算装置30と、逆変速トルク補正値演算装置40と、操向用トルク補正値演算装置50を備えている。
前後進トルク指令値演算装置30は、アクセル量,ブレーキ量,シフト位置に基づいて、左右の電動機8,9に対してそれぞれ前後進用トルク指令値AL,ARを算出し、逆変速トルク補正値演算装置40へ出力する。
前後進トルク指令値演算装置30は、シフト位置毎に各アクセル量に対してトルク指令値が関連付けられたテーブルを有しており、ブレーキ量を加味してトルク指令値を算出するように構成されている。
逆変速トルク補正値演算装置40は、車両走行中に運転者がシフトレバーを走行方向とは逆方向に対応するシフト位置に切り替えない限り(すなわち、走行方向とシフト位置が一致している場合)、受け取った前後進用トルク指令値AL,ARを、前後進用トルク指令値BL,BRとして、そのまま出力する。
しかしながら、車両走行中に運転者がシフトレバーを走行方向とは逆方向に対応するシフト位置に切り替えた場合(すなわち、走行方向とシフト位置が不一致である逆変速時)、車両100は、シフト位置で示された進行方向とは逆方向へ進行する。この逆走時において、逆変速トルク補正値演算装置40は、左右のインバータ6,7へ出力する前後進用トルク指令値BL,BRを、後述するように、前後進用トルク指令値AL,ARから逆変速時トルク指令値CL,CRに切り替える(図5参照)。
また、操向用トルク補正値演算装置50は、ステアリング量,車速に基づいて、前後進用トルク指令値BL,BRを補正するための、操向用トルク補正値DL,DRを算出する。足し算器によって、操向用トルク補正値DL,DRはそれぞれ前後進用トルク指令値BL,BRに加算され、前後進用トルク指令値BL,BRは、電動機トルク指令値(又はインバータトルク指令値)EL,ERに補正される。
次に、操向用トルク補正値演算装置50の概略構成について説明する。図3は、操向用トルク補正値演算装置50のブロック図を示している。
操向用トルク補正値演算装置50は、履帯の目標速度決定装置51と、左右の履帯10,11に対応する左比例積分制御装置52,右比例積分制御装置53と、トルク補正量最小値検出装置54を備えている。
目標速度決定装置51は、アクセルペダル20,ステアリング23から、アクセル量,ステアリング量を受け取り、ステアリング量を加味して、アクセル量(及びブレーキ量)に応じた左履帯目標速度,右履帯目標速度を比例積分制御装置52,53に出力する。
比例積分制御装置52,53は、それぞれ履帯目標速度と、左履帯速度計24L,右履帯速度計24Rから受け取った実速度との差分に応じて左右のトルク補正値を出力する。
トルク補正量最小値検出装置54は、受け取った左右のトルク補正値のうち、絶対値が小さい方の値を選択し、それぞれ逆の符号を付して、左右の操向用トルク補正値DL,DRとして、足し算器に送る。
永久磁石式同期電動機8,9は最大出力トルクが決まっているが、その最大出力トルクを越えた前後進用トルク指令値が指令された場合、指令したトルク値が得られずに速度変化を起こす可能性がある。このため、本実施形態では、2つの操向用トルク補正値のうち、絶対値が小さい方の操向用トルク補正値を採用することにより、補正後の電動機トルク指令値EL,ERが、電動機8,9の最大出力トルクを超えないようにしている。
なお、トルク補正量最小値検出装置54は、アクセル量及びステアリング量を受け取り、アクセル量が0の場合、ステアリング量に基づいた旋回方向によって外輪側を判断し、外輪側の操向用トルク補正値は0に、内輪側の操向用トルク補正値はそのまま出力するように構成されている。
次に、図4に基づいて発電機の電力制御の概略について説明する。
本実施形態では、電動機8,9へ供給される電力は、発電機2及びバッテリ4の合計電力であり、その配分の決定は、発電機2の動作制御のみによって行われる。すなわち、コンバータ3は、発電機2の出力を制御する機能を有しており、発電機トルク指令値Tg*に基づいて発電機2の出力を制御する。
具体的には、制御装置12は、バッテリ充電率(SOC)に依存する電圧−電力特性を考慮して、直流バス5の目標電圧指令値Vbus*を決定し、その目標電圧指令値Vbus*と実際の直流バス電圧Vbusとに基づいて発電機トルク指令値Tg*を決定する。これにより、本実施形態では、発電機2を制御して直流バス5の電圧を調節することにより、間接的にバッテリ4の電力制御を行うことができる。
なお、バッテリ充電率(SOC)は、「バッテリの残容量/バッテリの満充電容量×100(%)」で特定される量であり、さらに温度を考慮して補正してもよい。
このため、本実施形態では、制御装置12は、電力制御装置60を備えている。この電力制御装置60は、走行用動力演算手段61と、エンジン最大出力演算手段62と、バッテリ出力決定手段63と、バッテリ電力−電圧特性対比手段64と、比較手段65と、直流バス電圧レギュレータ66を備えている。
走行用動力演算手段61は、電動機回転数,インバータトルク指令値(電動機トルク指令値)に基づいて、直流バス5に提供する走行用電力を算出する。例えば、走行用電力は、左右の各電動機回転数と、アクセル量,ブレーキ量,シフト位置,ステアリング量等に基づいて算出された電動機トルク指令値とにより、各電動機8,9に必要な走行用動力を算出し、各走行用電力に各インバータ6,7の効率を考慮して、各電動機8,9を駆動するための実際の走行用電力を算出することができる。また、直流バス5に接続された補機(電力負荷)である電気機器の動作に必要な電力(補機用電力)は別途算出される。これら走行用電力と補機用電力の合計が、要求電力となる。
エンジン最大出力演算手段62は、エンジン1の回転数,アクセル量,エンジン1のガバナの開度等に基づいて、エンジン1のその時点におけるエンジン最大出力を算出する。
バッテリ出力決定手段63は、要求電力と、エンジン最大出力から求められる発電機2の最大出力とを比較することにより、バッテリ4が出力すべき電力(バッテリ目標出力)を算出する。例えば、バッテリ目標出力は、要求電力から発電機2の最大出力を差し引くことにより算出される。これにより、エンジン1(又は発電機2)と、バッテリ4の動力配分が特定される。
なお、バッテリ4のSOCに応じて、バッテリ出力決定手段63が、動力配分を調整するように構成してもよい。
バッテリ電力−電圧特性対比手段64は、バッテリ4におけるバッテリ電圧とバッテリ電力が対応付けられたテーブルを有している。なお、図4には、このテーブルの一例が示されている。テーブルは予め実験的に取得されたものであり、この例は、横軸をバッテリ電力(電流)、縦軸をバッテリ電圧としたグラフの形態であり、SOC毎に、バッテリ電圧とバッテリ入出力電力の関係が示されている。この例では、SOCが高いほど、バッテリ電圧は高く、SOCが低いほど、バッテリ電圧は低くなる傾向がある。また、バッテリ出力電力が大きくなるほど(すなわち、放電電流が大きくなるほど)、バッテリ電圧が低くなり、バッテリ入力電力が大きくなるほど(すなわち、充電電流が大きくなるほど)、バッテリ電圧が高くなる傾向がある。
バッテリ電力−電圧特性対比手段64は、受け取ったバッテリ目標出力及びSOCに基づいて、上記テーブルからバッテリ電圧を算出することができる。このバッテリ電圧が、直流バス5に対する電圧指令値Vbus*となる。
比較手段65は、直流バス電圧指令値Vbus*と実際の直流バス電圧Vbusとを比較し、比較結果を直流バス電圧レギュレータ66へ出力する。
直流バス電圧レギュレータ66は、この比較結果に基づいて、例えば、直流バス電圧指令値Vbus*と実際の直流バス電圧Vbusとが一致するように、発電機2のトルク指令値Tg*を算出し、コンバータ3へ出力する。コンバータ3は、このトルク指令値Tg*を受けて、発電機2の動作を制御する。
次に、図5に基づいて、本実施形態の特徴的な構成である逆変速時トルク補正値演算装置について説明する。
上述のように、車両100の走行中において、シフトレバーが進行方向とは逆方向に対応するシフト位置に切り替えられた場合(すなわち、逆変速時)、制御装置12は、前後進用トルク指令値AL,ARに代えて、逆変速時トルク指令値CL,CRを、前後進用トルク指令値BL,BRとして、インバータ6,7へ出力するように構成されている。
このため、図5に示すように、制御装置12の逆変速トルク補正値演算装置40は、回生可能電力演算手段41と、電力トルク変換手段41aと、逆変速時アクセルトルク指令値演算手段42と、車速演算手段43と、最小値選択手段44と、符号選択手段45と、前進後進判定手段46と、逆変速判断手段47と、トルク指令値切替手段48と、変化率制限手段49とを備えている。
なお、逆変速トルク補正値演算装置40は、左側の電動機8に対応した演算部分と、右側の電動機9に対応した演算部分を有しているが、図5は、左側の電動機8に対応した演算部分のみを示している。左右の演算部分は同様な構成であるので、右側の電動機9に対応した演算部分の説明は省略する。
回生可能電力演算手段41は、バッテリ4に付設されたバッテリ管理ユニット(BMU)から受け取ったSOCに基づいて、バッテリ4が現在の充電状態において、吸収又は回生可能な電力を算出するように構成されている。例えば、回生可能電力演算手段41は、各SOCに対して回生電力として受け入れ可能な電力を関連付けたバッテリSOC−回生可能電力テーブルを有しており、このテーブルを用いて、取得したSOCに基づいて、回生可能電力(充電可能電力)を算出する。
このバッテリSOC−回生可能電力テーブルは、インバータ6,7と発電機としての電動機8,9の電力変換効率を考慮して、直流バス5に接続された電気機器に対する過電圧上限値及びバッテリ特性に基づいて予め決定することができる。
なお、図5には、このテーブルの一例が示されている。この例は、横軸をSOC、縦軸を回生可能電力としたグラフの形態であり、SOCと回生可能電力の関係が示されている。図5の例では、SOCが大きくなるほど、回生可能電力が小さくなる。
車速演算手段43は、左右の履帯10,11に設けられた履帯速度計24L,24Rからそれぞれ左右の履帯速度を受け取り、同期発電機としての電動機8,9の平均回転速度と、車速を算出する。
電力トルク変換手段41aは、回生可能電力演算手段41から受け取った回生可能電力を、車速演算手段43から受け取った平均回転速度で除した値に基づいて、回生可能トルク指令値を算出する。
なお、回生可能電力演算手段41及び電力トルク変換手段41aは、回生可能トルク指令値演算手段に相当する。
逆変速時アクセルトルク指令値演算手段42は、逆変速時において運転者によって操作されているアクセルペダル20の操作量(アクセル量)に基づいて、現在の進行方向とは逆方向であるが、逆変速操作後のシフト位置に対応した進行方向へのトルク指令値を算出するように構成されている。
例えば、逆変速時アクセルトルク指令値演算手段42は、シフト位置毎に、各アクセル量に対してトルク指令値を関連付けた逆変速時アクセル量−アクセルトルク指令値テーブルを有しており、このテーブルを用いて、取得したアクセル量に基づいて、逆変速時アクセルトルク指令値を算出する。
なお、図5には、このテーブルの一例が示されている。この例は、横軸をアクセル量、縦軸をトルク指令値としたグラフの形態であり、アクセル量とトルク指令値の関係が示されている。図5の例では、アクセル量が大きいほど、トルク指令値(絶対値)が大きくなる。
なお、本実施形態では、D位置に対応した進行方向を正とし、R位置に対応した進行方法を負としているので、シフト位置がD位置からR位置へ切り替えられると、負のトルク指令値が算出され、逆に、R位置からD位置へ切り替えられると、正のトルク指令値が算出される。
最小値選択手段44は、受け取った回生可能トルク指令値と逆変速時アクセルトルク指令値のうち、絶対値が小さいトルク指令値を選択する。例えば、アクセル量が大きい場合の逆変速時アクセルトルク指令値では、回生電力が大きくなり過ぎるおそれがあるため、トルク指令値を、SOCに基づいて算出された回生可能トルク指令値に制限することにより、直流バス5の過電圧を防止することができる。一方、SOCが小さい場合には回生可能な電力には余裕があるので、大きな回生可能トルク指令値を設定可能であるが、アクセル量が小さい場合には、トルク指令値を、アクセル量に基づいて算出された逆変速時アクセルトルク指令値に制限することにより、運転者の意図しない車両100の動作を防止することができる。
最小値選択手段44は、トルク指令値選択手段に相当する。
前進後進判定手段46は、受け取った車速から、車両100の進行方向を判定する。すなわち、D位置に対応する方向が前進であり、R位置に対応する方向が後進であり、前進後進判定手段46は、車両100の前後進を判定し、前後進判定フラグを設定する。
符号選択手段45は、受け取った前後進判定フラグに基づいて、符号を次の表1に基づいて選択し、最小値選択手段44によって選択されたトルク指令値(絶対値)に付する。例えば、車両100が前方へ走行中に、シフト位置をR位置に切り替え、車両100が依然として前方に進行している逆変速状態では、車両100が前方へ進行しているので、前後進判定フラグは前進に設定される。また、シフト位置がR位置なので、前後進用トルク指令値ALの符号は負になる。前後進判定フラグが前進に設定されているので、逆変換時トルク指令値CLの符号は負になり、減速トルクを与えることになる。
Figure 0005912624
逆変速判断手段47は、受け取った前後進判定フラグとシフト位置に基づいて、現在の状況が逆変速状態であるか否かを判定し、逆変速判定フラグを出力する。すなわち、車両100が前方へ進行しているにも関わらず、シフトレバーがR位置にある場合は、逆変速状態であることを示す逆変速判定フラグが出力される。また、車両100が後方へ進行しているにも関わらず、シフトレバーがD位置にある場合も、逆変速判定フラグが出力される。
トルク指令値切替手段48は、通常時は、前後進トルク指令値演算装置30から受け取った前後進用トルク指令値ALを、前後進用トルク指令値BLとして出力する。しかしながら、トルク指令値切替手段48は、逆変速状態となり逆変速判定フラグを受け取っている間は、前後進用トルク指令値ALの代わりに、逆変速時トルク指令値CLを、前後進用トルク指令BLとして出力するように、出力を切り替える。
トルク指令値切替手段48は、逆変速時トルク指令値出力手段に相当する。
変化率制限手段49は、逆変速操作が行われたときに、前後進用トルク指令BLが前後進用トルク指令値ALから逆変速時トルク指令値CLへの切り替わった際の車両100へ加わる前後方向の衝撃を緩和するためのものである。このため、変化率制限手段49は、前後進用トルク指令BLの変化率が所定の閾値よりも大きい場合に、変化率を所定の閾値に制限するように構成されている。
以上のように、本実施形態では、逆変速時において、電動機8,9が直流バス5に回生させる回生電力を、アクセル量に関わらずバッテリ4のSOCに応じて制限するように、電動機8,9へのトルク指令値(前後進用トルク指令値BL,BR)が決定される。これにより、逆変速時において、回生電力がバッテリ4によって吸収可能な電力以下に抑制されるため、直流バス5が過電圧になって電機機器が故障してしまうことを効果的に防止することができる。
なお、本実施形態では、逆変速トルク補正値演算装置40内の逆変速時アクセルトルク指令値演算手段42が、アクセル量に基づいたトルク指令値を算出しているが、これに限らず、例えば、前後進トルク指令値演算装置30内の同様な手段によって算出された同様のトルク指令値を、逆変速時アクセルトルク指令値演算手段42からのトルク指令値に代えて、最小値選択手段44に入力させるように構成してもよい。
次に、図6に基づいて、本発明の第2の実施形態について説明する。
本実施形態は、高速で車両100が走行中に(すなわち、電動機8,9の回転数が高い状態で)、シフト位置を逆変速状態に切り替えた場合に好適な実施形態である。すなわち、高速走行中に逆変速状態になると、回生電力が大きくなるため、過電圧による電気機器の故障のリスクが高まる。第1の実施形態では、高速走行時に逆変速操作をすると、アクセル量に関わらず、バッテリ4のSOCによってトルク指令値が制限されてしまうので、十分なブレーキトルク又は減速トルクが得られない可能性がある。
本実施形態では、このような高速走行中の逆変速操作においても、過電圧による電気機器の故障を防止すると共に、所定の減速トルクを得ることができるように構成されている。本実施形態の具体的な構成は、図6に示されている。本実施形態では、図5の逆変速トルク補正値演算装置40に代えて、図6に示された逆変速トルク補正値演算装置140が用いられる。
なお、第2の実施形態の図6において、図5に示した第1の実施形態と共通する要素については、同じ符号を用い、重複する説明は省略する。
図6に示すように、逆変速トルク補正値演算装置140は、図5の逆変速トルク補正値演算装置40の各要素に加えて、逆変速時車速トルク指令値演算手段101と、絶対値処理手段102と、メカ(機械的)ブレーキ指令値演算手段103と、メカブレーキ指令値切替手段104と、変化率制限手段105と、メカブレーキ指令値決定手段106と、トルク指令値差分演算手段144aとを備えている。
逆変速時車速トルク指令値演算手段101は、車速に応じてトルク指令値(逆変速時車速トルク指令値)を算出するように構成されている。具体的には、逆変速時車速トルク指令値演算手段101は、車速(絶対値)に対して、減速トルクを得るためのトルク指令値が関連付けられた逆変速時車速−車速トルク指令テーブルを有している。なお、図6には、このテーブルの一例が示されている。この例は、横軸を車速(絶対値)、縦軸をトルク指令値としたグラフの形態であり、車速とトルク指令値の関係が示されている。この例では、車速が所定閾値以下の場合は、トルク指令値が一定であり、車速が所定閾値以上の場合は、車速が大きくなるほど、トルク指令値が小さくなる。したがって、本実施形態では、車速が大きいほど、逆変速時車速トルク指令値を小さくして、過大な回生電力の発生を防止することができる。
なお、本例では、所定閾値以下の車速では一定のトルク指令値が出力されるように構成されているが、このような閾値を設けなくてもよい。また、本例では、車速が大きくなるにつれて、トルク指令値が徐々に小さくなるように構成されているが、これに限らず、車速が大きくなるにつれて、トルク指令値が段階的に小さくなるように構成してもよい。
より特定的には、車速が所定閾値以上では、車速とトルク指令値が反比例の関係となるように構成してもよい。この場合、所定閾値以下の車速では、一定のトルク指令値が出力されるが、所定閾値以上の車速では、車速とトルク指令値の積が一定値となる。この一定値は、電動機8,9からの機械的な出力の値(例えば、50kW)である。したがって、所定閾値以上の車速では、同期電動機及びインバータの効率(例えば、90%)を考慮することにより、一定の電力分(例えば、40kW=50kW×0.9)を回生電力として直流バス5へ回生させることができる。
例えば、通常の使用状態におけるバッテリ4のSOCの使用範囲が40〜70%であり、上限値の70%SOCにおいて、バッテリ4には40kWの電力を充電(回生)可能であるとする。この場合、常に、バッテリ4は少なくとも40kWの回生電力を吸収できる。このため、この最小限の回生電力を上記一定の電力分に設定すれば、後述するように、逆変速時車速トルク指令値演算手段101から出力された逆変速時車速トルク指令値が、前後進用のトルク指令値BLとして選択された場合に、回生電力が大き過ぎて直流バス5が過電圧になることを防止することができる。
したがって、逆変速時車速−車速トルク指令テーブルにおいて、車速とトルク指令値の積が一定値に設定される場合、この一定値は、同期電動機及びインバータの効率、及び、バッテリ4のSOCの使用範囲(回生可能な電力の最小値)を考慮して設定することが望ましい。
絶対値処理手段102は、車速演算手段43から車速を表す信号を受けて、車速の大きさを表す車速絶対値信号を逆変速時車速トルク指令値演算手段101へ出力する。逆変速時車速トルク指令値演算手段101は、車速絶対値信号から車速(絶対値)を取得する。
トルク指令値差分演算手段144aは、逆変速時アクセルトルク指令値演算手段42が出力した逆変速時アクセルトルク指令値から最小値選択手段44によって選択されたトルク指令値を差し引いた差分(絶対値)を算出し、メカブレーキ補正トルク指令値として出力する。
すなわち、運転者は、アクセルペダル20を操作することによって、アクセル量に応じた減速トルクが得られることを期待するが、選択されたトルク指令値が、逆変速時アクセルトルク指令値よりも小さいと、期待した減速トルクが得られないことになる。そこで、本実施形態では、トルク指令値差分演算手段144aは、不足する減速トルクを機械的ブレーキ装置によって得ることによって、所定の減速トルクが得られるように、メカブレーキ補正トルク指令値を出力する。
これにより、逆変速時において、車両100全体にかかるブレーキトルク(すなわち、電動機8,9による回生トルクとメカブレーキ装置による制動トルクの和)を、車速やバッテリ4のSOCに関わらず、アクセル量に対応して発生させることができるので、必要なブレーキトルクを得ることが可能となる。
メカブレーキ指令値演算手段103は、メカブレーキ補正トルク指令値に対して、メカブレーキを作動させるためのメカブレーキ指令値(%)を関連付けたメカブレーキ指令演算テーブルを有しており、このテーブルを用いて、受け取ったメカブレーキ補正トルク指令値に基づいて、メカブレーキ指令値Gを算出する。なお、メカブレーキ指令値は、ブレーキ無しの効果が得られる状態からフルブレーキの効果が得られる状態までを、0%から100%で表している。
図6には、このテーブルの一例が示されている。この例は、横軸をメカブレーキ補正トルク指令値Tm*、縦軸をメカブレーキ指令値(%)としたグラフの形態であり、メカブレーキ補正トルク指令値Tm*とメカブレーキ指令値(%)の関係が示されている。図6のテーブルの例では、メカブレーキ補正トルク指令値が所定閾値以下の範囲では、メカブレーキ補正トルク指令値が大きくなるほど、メカブレーキ指令値Gも大きくなり、所定閾値以上では、メカブレーキ指令値Gが一定(100%)になる。
メカブレーキ指令値決定手段106は、運転者がブレーキペダル21を操作した操作量(ブレーキ量)に基づいて、メカブレーキを作動させるためのメカブレーキ指令値Fを算出する。
メカブレーキ指令値切替手段104は、通常時は、メカブレーキ指令値決定手段106から受け取ったメカブレーキ指令値Fをメカブレーキに対して出力する。しかしながら、逆変速判断手段47から逆変速状態であることを表す逆変速判定フラグを受け取っている間は、メカブレーキ指令値演算手段103から受け取ったメカブレーキ指令値Gを、メカブレーキ指令値Fの代わりに、メカブレーキに対して出力する。
したがって、本実施形態では、運転者が逆変速時にブレーキペダル21を操作しなくても、メカブレーキが補助的に作動して、減速トルクの不足分を補償するように構成されている。
変化率制限手段105は、逆変速操作が行われたときに、メカブレーキの作動によって車両100へ加わる前後方向の衝撃を緩和するためのものである。このため、変化率制限手段105は、メカブレーキ指令値Fからメカブレーキ指令値Gへの変化率が所定の閾値よりも大きい場合に、変化率を所定の閾値に制限するように構成されている。
以上のように、本実施形態では、逆変速時に回生電力が大きくなり過ぎるのを防止するために回生制動が抑制され、十分な減速トルクが得られない場合であっても、その不足分を機械的ブレーキによって補償するように構成されている。これにより、本実施形態では、回生電力に起因して直流バス5が過電圧になって電機機器が故障してしまうことを防止することができると共に、所定の減速トルクを確保することができる。このような効果は、高速走行中に逆変速操作をした場合に特に顕著となる。
40,140 逆変速トルク補正値演算装置
41 回生可能電力演算手段
41a 電力トルク変換手段
42 逆変速時アクセルトルク指令値演算手段
44 最小値選択手段
47 逆変速判断手段
48 トルク指令値切替手段
100 ハイブリッド車両
101 逆変速時車速トルク指令値演算手段
103 メカブレーキ指令値演算手段
144a トルク指令値差分演算手段
L,AR 前後進用トルク指令値
L,BR 前後進用トルク指令値
L,CR 逆変速時トルク指令値
L,DR 操向用トルク補正値
L,ER 電動機(インバータ)トルク指令値

Claims (7)

  1. エンジンと、このエンジンによって駆動される発電機と、バッテリと、トルク指令値に基づいて前記発電機及び/又は前記バッテリからの電力を用いて駆動され外部に走行用動力を提供すると共に、回生電力を前記バッテリへ提供可能な電動機と、を備えたハイブリッド車両の制御装置であって、
    シフト位置が車両進行方向とは逆方向に対応する逆変速位置にある逆変速状態であるか否かを判断する逆変速判断手段と、
    前記バッテリが回生電力として受け入れ可能な電力に基づいて算出された回生可能トルク指令値と、アクセル量に応じて決定される前記逆方向へのアクセルトルク指令値のうち、絶対値の小さい方のトルク指令値を選択するトルク指令値選択手段と、
    前記逆変速判断手段によって逆変速状態であると判断された場合に、前記トルク指令値選択手段によって選択されたトルク指令値を前記電動機へ出力する逆変速時トルク指令値出力手段と、
    を備え
    前記トルク指令値選択手段は、車速トルク指令値演算手段を備え、
    この車速トルク指令値演算手段は、車速に応じて前記逆方向への車速トルク指令値を算出し、
    前記トルク指令値選択手段は、前記回生可能トルク指令値と、前記アクセルトルク指令値と、前記車速トルク指令値の3つのトルク指令値から、最も小さいトルク指令値を選択するように構成されており、
    前記車速トルク指令値演算手段は、前記車速トルク指令値に車速を乗じた値が一定値になるように前記車速トルク指令値を算出し、前記一定値は予め設定されているハイブリッド車両の制御装置。
  2. 前記トルク指令値選択手段は、回生可能トルク指令値演算手段を備え、
    この回生可能トルク指令値演算手段は、前記バッテリのSOCに基づいて前記バッテリが受け入れ可能な充電可能電力を算出し、前記電動機によって前記充電可能電力を回生させるように、前記回生可能トルク指令値を算出することを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド車両の制御装置。
  3. 前記回生可能トルク指令値演算手段は、前記充電可能電力を前記電動機の回転速度で除した値に基づいて前記回生可能トルク指令値を算出することを特徴とする請求項2に記載のハイブリッド車両の制御装置。
  4. 前記制御手段は、機械的ブレーキ指令値出力手段を更に備え、
    この機械的ブレーキ指令値出力手段は、前記逆変速状態において、ブレーキペダルの操作量に関わらず所定の減速トルクを得るように、前記電動機を直接又は間接的に制動する機械的ブレーキ装置へブレーキ指令を出力することを特徴とする請求項1乃至3に記載のハイブリッド車両の制御装置。
  5. 前記機械的ブレーキ指令値出力手段は、前記アクセルトルク指令値と前記選択されたトルク指令値との差分を補償するように、前記ブレーキ指令を算出することを特徴とする請求項4に記載のハイブリッド車両の制御装置。
  6. 前記トルク指令値選択手段は、アクセルトルク指令値演算手段を備え、
    このアクセルトルク指令値演算手段は、アクセル量に対応付けられたトルク指令値テーブルから前記アクセルトルク指令値を演算することを特徴とする請求項1乃至5に記載のハイブリッド車両の制御装置。
  7. 前記一定値は、前記バッテリの充電率の使用範囲の上限値において前記バッテリに回生可能な電力に対応するように設定されていることを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド車両の制御装置。
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