JP5911204B2 - レーザ溶接方法 - Google Patents

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本発明は、レーザ溶接方法に関するものであり、特に、シールドガスにHeとArとの混合ガスまたはHeとNとの混合ガスを用いたレーザ溶接方法に関する。
金属の溶接方法として、電気的エネルギーを利用するアーク溶接、機械的エネルギーを利用する摩擦溶接、光エネルギーを利用するレーザ溶接等が挙げられる。
この中で、レーザ溶接は、摩擦溶接やアーク溶接と比べて、熱源が高エネルギー密度であり、加熱・冷却サイクルが短いので、高速深溶け込み溶接が可能であり、溶接熱の影響が非常に少なく溶接変形が小さいといった特長がある。一方、金属のエネルギー吸収率が低く、焦点深度が浅いとの欠点がある。それと、溶接部にプラズマが発生すると、プラズマによりレーザビームが吸収・屈折され、母材に入るレーザパワーが減少し、溶融部の溶け込み深さ(溶け込み深さと記す)が浅くなるとの欠点もある。
レーザ溶接におけるプラズマの発生は、以下の過程でおきると言われている。
まず、レーザビームが、材料表面に照射されると、溶融部あるいは溶融部から発生した金属蒸気から、電子が放出される。この電子はレーザエネルギーを吸収し加速される。加速された電子は、次々と中性の金属粒子を、衝突励起または電離することによって、やがて全面的な電離破壊を生じ、プラズマを形成する。
通常、レーザ溶接では、金属プラズマ発生の抑制や大気からの溶融金属保護のために、レーザ照射部に、He、Ar、N等のシールドガスを吹き付けながら溶接する。このシールドガスは、一般的にレーザノズル中央からのセンターガスである。
しかし、プラズマを抑制する能力はシールドガスの種類によって大きく異なり、Heが、他のガスと比べて熱伝導度が大きく、プラズマの熱を多く奪うため、効果が大きい。また、Heをイオン化するエネルギーを金属プラズマは保有していない。
一方、Arは、Heと比べて熱伝導度が小さいので冷却作用が小さく、電離電圧が小さいので、一部イオン化する。
また、各シールドガスを用いたレーザ溶接において、Ar<N<Heの順に、溶け込み深さが深くなると言われており、Heをシールドガスに用いるのが最も好ましい。
しかし、Heをシールドガスに用いると、Heが、NやArに比べて、高価であるので、加工費が高くなるという問題があった。
そこで、シールドガスに、安価なNやArを用いて、溶け込み深さを深くする溶接方法が検討されているが、単一のNやArを用いたのでは、困難であるとの問題があった。
この問題を解決するレーザ溶接方法として、シールドガスに、Heの割合を20〜70%にしたHeとArとの混合ガス(He−Ar混合ガスと記す)を用いたレーザ溶接方法がある。
この方法では、溶け込み深さを、シールドガスにHe単一ガスを用いたレーザ溶接方法での溶け込み深さに、近づけることができる(例えば、特許文献1参照)。
特公平02−056196号公報(第2頁、第3図)
しかし、特許文献1に記載のシールドガスにHeの割合が20〜70%のHe−Ar混合ガスを用いたレーザ溶接方法では、その溶け込み深さが、He単一ガスを用いた場合以上にはなっていない。
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであり、その目的は、シールドガスに、高価なHeの使用量を減らすことができる、He−Ar混合ガスまたはHe−N混合ガスを用いても、シールドガスにHe単一ガスを用いた場合の溶け込み深さ以上の溶け込み深さを実現できるレーザ溶接方法を得ることである。
本発明に係わるレーザ溶接方法は、ノズルの先端からレーザビームと同軸にシールドガスを、被溶接材の溶接部に吹き付けながら溶接するレーザ溶接方法であって、シールドガスに、Heの容積割合が30〜90%である、HeとArとの混合ガスを用い、ノズルの内径Dに対して、ノズル先端と被溶接材との間隔Lを、2D≦L≦3Dの範囲に設定して、シールドガスが、溶接時に大気の酸素を巻き込んで、ノズル中心距離Xがノズル半径Dの2倍の位置での被溶接材の表面の酸素濃度を5%にして溶接するものである。
本発明に係わるレーザ溶接方法は、ノズルの先端からレーザビームと同軸にシールドガスを、被溶接材の溶接部に吹き付けながら溶接するレーザ溶接方法であって、シールドガスに、Heの容積割合が30〜90%である、HeとArとの混合ガスを用い、ノズルの内径Dに対して、ノズル先端と被溶接材との間隔Lを、2D≦L≦3Dの範囲に設定して、シールドガスが、溶接時に大気の酸素を巻き込んで、ノズル中心距離Xがノズル半径Dの2倍の位置での被溶接材表面の酸素濃度を5%にして溶接するものであり、シールドガスにHe単一ガスを用いた場合の溶け込み深さ以上の溶け込み深さを実現でき、溶接コストの低減と生産性の向上とが図れる。
本発明の実施の形態1に係わるレーザ溶接方法に用いられる溶接装置で溶接する状態を示す模式図である。 本発明の実施の形態1に係わるレーザ溶接方法に用いられる混合シールドガスの生成方法を示す模式図である。 シールドガスにHe−Ar混合ガスを用い、シールドガスを吹き付けるノズルの先端と被溶接材との間隔をHe単一ガスの場合と同様にした時の溶融池の状態を示す模式図である。 シールドガスにHe−Ar混合ガスを用い、シールドガスを吹き付けるノズルの先端と被溶接材との間隔をHe単一ガスの場合より広くした時の溶融池の状態を示す模式図である。 実施例1における、ノズル間隔と溶け込み深さとの関係を示す図である。 被溶接材の表面におけるノズル中心の投射点とノズル中心距離を説明する図である。 実施例2における、ノズル中心距離と被溶接材表面の酸素濃度との関係を示す図である。 実施例3における、シールドガスであるHe−Ar混合ガスのHeのガス流量の割合と溶け込み深さとの関係を示す図である。
以下に、本発明によるレーザ溶接方法の実施の形態を、図面を用いて説明する。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係わるレーザ溶接方法に用いられる溶接装置で溶接する状態を示す模式図である。
図1に示すように、本実施の形態のレーザ溶接方法では、COレーザのレーザビーム7が、放物面鏡6により反射され、加工点付近に集光される。この時、放物面鏡6は、レーザビーム7により温度が上昇するので、背面を冷却水で冷却する。溶接中は被溶接材3のレーザビーム照射部に溶融池1が形成される。
本実施の形態では、例えば、放物面鏡6に10インチのものを用い、レーザビーム加工点付近でのスポット径を0.3mmに絞っている。
被溶接材3に形成される溶融池1は、加工ヘッド5内部を通り、ノズル4の先端からレーザビーム7と同軸にセンターガスとして溶接部に吹き付けられるシールドガス2により、大気中から保護される。
シールドガス2には、He−Ar混合ガスまたはHe―N混合ガスを用いている。
図2は、本発明の実施の形態1に係わるレーザ溶接方法に用いられる混合シールドガスの生成方法を示す模式図である。
図2に示すように本実施の形態では、Heガスボンベ9とArガスボンベ10との各々から供給されるガス量を、Heガスボンベ9に接続されている第1の流量計11aとArガスボンベ10に接続されている第2の流量計11bとで調整する。そして、各調整された流量の、HeとArとが、混合ミキサ12に供給されて混合されることにより、シールドに必要である流量の均一な混合シールドガス2を得る。
例えば、流量が50l/minであり、70%He−30%Ar混合ガスを生成するためには、第1の流量計11aでHeの流量を35l/minとし、第2の流量計11bでArの流量を15l/minとすれば良い。
また、Heと混合するガスがNの場合も、同様にして、シールドに必要な流量であり、且つ均一な混合シールドガス2を得ることができる。
次に、本実施の形態のレーザ溶接方法が、シールドガス2に、He−Ar混合ガスまたはHe―N混合ガスを用い、溶け込み深さを深くできる機構について説明する。
図3は、シールドガスにHe−Ar混合ガスを用い、シールドガスを吹き付けるノズルの先端と被溶接材との間隔をHe単一ガスの場合と同様にした時の溶融池の状態を示す模式図である。
図4は、シールドガスにHe−Ar混合ガスを用い、シールドガスを吹き付けるノズルの先端と被溶接材との間隔をHe単一ガスの場合より広くした時の溶融池の状態を示す模式図である。
シールドガスにHe−Ar混合ガスを用い、ノズル先端と被溶接材との間隔(ノズル間隔と記す)LがHe単一ガスの場合と同様であると、He単一ガスを用いた場合に比べて、溶融部でのプラズマのサイズが大きくなり、図3に示すように、溶融池1の径が大きくなり、溶融池の深さd、すなわち溶け込み深さは浅くなる。この時、溶融池1の対流は、矢印Aで示すように、溶融池の中央から外側方向である。
しかし、シールドガスにHe−Ar混合ガスを用い、ノズル間隔LをHe単一ガスの場合より大きくすると、溶融池1付近でのシールドガスによるシールド性が、若干悪くなり大気の酸素を巻き込む。そして、この巻き込まれた酸素が溶融金属に混入すると、溶融池1の対流は、図4において矢印Bで示すように、溶融池の外側から中央へ流れ、さらに深さ方向に流れることにより、溶融池の深さd、すなわち溶融部の溶け込み深さが増加する。
この図3と図4とに示す現象は、シールドガスにHe―N混合ガスを用いた場合も同様である。
これに対して、シールドガスにHe単一ガスを用い、ノズル間隔Lを広くすると、逆に、溶け込み深さは浅くなる。
この現象は、Heが空気より軽いので、ノズル間隔Lを広くすると、溶接部近傍までHeが到達しなくなり、シールド性が極端に落ちてプラズマが多く発生するためである。
シールドガスがHe−Ar混合ガスの場合は、Arが空気より重いので、ノズル間隔Lが広くなっても、シールドガスが溶接部近傍まで到達し、シールド性が維持される。シールドガスがHe−N混合ガスの場合も同様である。
シールドガスに、He−Ar混合ガスまたはHe−N混合ガスを用いるレーザ溶接方法では、ノズル間隔Lが狭いと、シールド性は良いが、溶け込み深さがHe単一ガスを用いた場合以上に深くなることはない。
しかし、ノズル間隔Lをある程度広くすると、上記のような機構により、大気中の酸素を巻き込み、溶け込み深さを深くすることができる。
すなわち、本発明のプラズマ溶接方法は、ノズル間隔Lをノズル内径Dに対して、2D≦L≦3Dと設定して溶接を行うものであり、ノズル間隔Lを調整し、溶融池内に酸素を溶け込ませることで、溶け込み深さがHe単一ガスを用いた場合以上に深くなる。
次に、実施例を用いて、本実施の形態のレーザ溶接方法の効果を説明する。
実施例1.
実施例1では、出力が5〜5.5kWのCOレーザを用いた溶接装置で、シールドガスにHe−Ar混合ガスを用い、シールドガス流量を30〜50l/min、溶接速度を0.5〜1m/minの条件で溶接した各場合の、ノズル間隔Lと溶け込み深さとの関係を調べている。溶接に用いたノズルは、ノズル内径Dが、φ5mmとφ6mmとの2種類であり、ノズル間隔Lは5〜21mmの範囲である。
図5は、実施例1における、ノズル間隔と溶け込み深さとの関係を示す図である。
図5には、出力が5.5kWのCOレーザの溶接装置で、シールドガスに70%He−30%Ar混合ガスを用い、シールドガス流量を50l/min、溶接速度を0.7m/minの条件で溶接した場合の、ノズル間隔Lと溶け込み深さとの関係を示している。
図5に示すように、ノズル内径Dがφ5mmでは、ノズル間隔Lが8〜15mmである場合、この範囲以外である場合より、溶け込み深さが深くなっている。
また、ノズル内径Dがφ6mmでは、ノズル間隔Lが12〜18mmである場合、この範囲以外である場合より、溶け込み深さが深くなっている。
図5は、ノズル内径Dがφ5mmの場合、ノズル内径Dの2倍である10mmからノズル内径Dの3倍である15mmのノズル間隔Lの範囲が、溶け込み深さを深くできる領域となっており、ノズル内径Dがφ6mmの場合、ノズル内径Dの2倍である12mmからノズル内径Dの3倍である18mmのノズル間隔Lの範囲が、溶け込み深さを深くできる領域となっていることを示している。
すなわち、ノズル間隔Lが2D≦L≦3Dの範囲の場合、溶け込み深さがより深くなることを示している。
このノズル間隔Lが2D≦L≦3Dの範囲の場合に、溶け込み深さをより深くできることは、上記の本実施例の各条件の溶接においても同様である。
図5では、シールドガスに70%He−30%Ar混合ガスを用いた場合を示しているが、ノズル間隔Lが2D≦L≦3Dの範囲の場合が、この範囲以外の場合より、溶け込み深さを深くできることは、後述する混合割合のHe−Ar混合ガスを用いても同様であり、シールドガスに同様な割合のHe−N混合ガスを用いても同様である。
実施例2.
実施例2では、混合ガスに70%He−30%Ar混合ガスを用い、ノズル内径Dがφ2mmのノズルを用い、ノズル間隔Lが3、4、5、6、7mmの各々で、実施例1と同様な条件で溶接した場合の、図6に示す被溶接材3の表面におけるノズル中心の投射点Cからの距離(ノズル中心距離と記す)Xと、被溶接材3の表面の酸素濃度との関係を調べている。
検討したノズル中心距離Xは、ノズル内径Dと同じ、すなわちノズル半径Rの2倍である2mmまでである。
図7は、実施例2における、ノズル中心距離と被溶接材表面の酸素濃度との関係を示す図である。
図7に示すように、ノズル間隔Lが3〜7mmの全ての場合で、被溶接材表面において、ノズル中心距離Xが大きくなるに従い、酸素濃度が増加している。
しかし、ノズル間隔Lが3mmの場合は、酸素濃度の増加が小さく、シールド性が良好であることを示しており、ノズル間隔Lが、4、5、6mmと大きくなると、酸素濃度が増加していき、7mmになると増加量が特に多くなることを示している。
本発明のレーザ溶接方法では、溶接材表面の酸素濃度が10%を超えるとブローホール発生の要因となるため、本実施例においては、ノズル間隔Lは7mm未満でなければならない。
すなわち、本実施例は、ノズル間隔Lが、ノズル内径Dの2倍である4mmからノズル内径Dの3倍である6mmの範囲では、ノズル中心距離Xが、ノズル半径の2倍の位置でも、被溶接材表面の酸素濃度が5%程度であり、溶融金属に適量の酸素が混入され、溶融部の溶け込み深さを深くすることができることを示している。
しかし、ノズル間隔Lが3mmと、ノズル内径Dの2倍より小さいと、溶接材表面の酸素濃度が低く、溶融金属に混入される酸素量が少なく、溶融部の溶け込み深さを深くすることができない。逆に、ノズル間隔Lが、ノズル内径Dの3倍より広い7mmになると、溶接材表面の酸素濃度が高くなり過ぎ、溶接に不具合を生じる。
本実施例は、ノズル内径Dが2mmの場合であるが、一般的にノズルから出た流体の純度が保たれる距離はノズル内径Dに比例することから、これより大きなノズル内径Dの場合でも、ノズル間隔Lが、2D≦L≦3Dである範囲では、溶融金属に適量の酸素を混入でき、溶融部の溶け込み深さを深くすることができる。
また、実施例1から、ノズル間隔Lがノズル内径Dの2〜3倍の範囲であると、溶け込み深さが大きくなることが明らかであるので、本実施例の結果は、被溶接材表面の酸素濃度を5%程度に制御すると、溶け込み深さを深くできることを示している。
本実施例では、混合ガスがHe−Ar混合ガスの場合を示しているが、He−N混合ガスの場合も同様である。
実施例3.
実施例3では、シールドガスに、He、ArまたはNの単一ガス、あるいはHe−Ar混合ガスを用い、ノズル内径Dがφ6mmのノズルを用い、ノズル間隔Lが15mmで、これ以外の条件は実施例1と同様にして、厚さ16mmのSS400を被溶接材として、ビードオンプレート試験を実施し、断面観察より溶け込み深さを調べている。
He−Ar混合ガスは、Heのガス流量の割合が20〜90%のものを用いている。
図8は、実施例3における、シールドガスであるHe−Ar混合ガスのHeのガス流量の割合と溶け込み深さとの関係を示す図である。
図8には、シールドガスが、He、ArまたはNのいずれかの単一ガスである場合の溶け込み深さも示している。
図8に示すように、溶け込み深さは、単一ガスの場合は、Heが最も深く、Nが次であり、Arが最も浅くなっており、Heと、NおよびArとの差は大きい。
これは、各ガスの熱伝導率の差に起因すると考えられ、熱伝導率は、He>N>Arの順に高くなっている。すなわち、熱伝導率が高いガスは、プラズマ冷却作用が大きく、溶融部付近に発生したプラズマを小さくし、溶け込み深さを深くできる。
また、図8に示すように、He−Ar混合ガスのHeガス流量の割合、すなわち、He−Ar混合ガスにおけるHeの容積割合が30〜90%の場合は、He単一ガスを用いた場合の溶け込み深さ以上の溶け込み深さが得られる。
これは、本実施例のように、シールドガスにHe−Ar混合ガスを用い、ノズル間隔Lが2D≦L≦3Dの範囲にある条件で溶接すると、図4で示した機構により、溶融金属に適量の酸素が混入され、溶融池の対流が深さ方向に流れ、溶け込み深さが深くなり、特に、He−Ar混合ガスにおけるHeの容積割合が、30〜90%では、この効果が顕著になるためである。
本実施例では、シールドガスに用いられる混合ガスがHe−Ar混合ガスの場合を示しているが、He−N混合ガスの場合も同様である。
本実施の形態のレーザ溶接方法は、シールドガスに、Heの容積割合を30〜90%としたHe−Ar混合ガスまたはHe−N混合ガスを用い、He単一ガスを用いた場合より深い溶け込み深さを実現できるものであり、高価なHeガスの使用量を減らすことができ、溶接コストを低減できる。
また、本実施の形態のレーザ溶接方法は、He単一ガスを用いた場合より溶け込み深さが深くなるので、従来溶接方法でHe−Ar混合ガスまたはHe−N混合ガスを用いた場合より溶け込み深さが深くなり、溶け込み深さが浅くなる低レーザ出力での溶接であっても、従来溶接方法でHe−Ar混合ガスまたはHe−N混合ガスを用いた場合と同程度の溶け込み深さを実現でき、溶接装置の運転コストが下がり、溶接コストを低減できる。
また、溶け込み深さが浅くなる高速度での溶接であっても、従来溶接方法でHe−Ar混合ガスまたはHe−N混合ガスを用いた場合と同程度の溶け込み深さを実現でき、生産性が向上する。
本発明に係わるレーザ溶接方法は、シールドガスに用いられるHeの使用量を低減できるとともに、溶接装置の運転コストの低減と溶接速度の向上とが可能であり、コスト低減と生産性向上とが要求される装置の溶接に用いることができる。
1 溶融池、2 シールドガス、3 被溶接材、4 ノズル、5 加工ヘッド、
6 放物面鏡、7 レーザビーム、9 Heガスボンベ、10 Arガスボンベ、
11a 第1の流量計、11b 第2の流量計、12 混合ミキサ、L ノズル間隔、
D ノズル内径、d 溶融池の深さ、C ノズル中心の投射点、X ノズル中心距離、
R ノズル半径。

Claims (2)

  1. ノズルの先端からレーザビームと同軸にシールドガスを、被溶接材の溶接部に吹き付けながら溶接するレーザ溶接方法であって、
    上記シールドガスに、Heの容積割合が30〜90%である、HeとArとの混合ガスを用い、上記ノズルの内径Dに対して、上記ノズル先端と上記被溶接材との間隔Lを、2D≦L≦3Dの範囲に設定して、上記シールドガスが、溶接時に大気の酸素を巻き込んで、ノズル中心距離Xが上記ノズル半径Dの2倍の位置での上記被溶接材の表面の酸素濃度を5%にして溶接するレーザ溶接方法。
  2. ノズルの先端からレーザビームと同軸にシールドガスを、被溶接材の溶接部に吹き付けながら溶接するレーザ溶接方法であって、
    上記シールドガスに、Heの容積割合が30〜90%である、HeとNとの混合ガスを用い、上記ノズルの内径Dに対して、上記ノズル先端と上記被溶接材との間隔Lを、2D≦L≦3Dの範囲に設定して、上記シールドガスが、溶接時に大気の酸素を巻き込んで、ノズル中心距離Xが上記ノズル半径Dの2倍の位置での上記被溶接材の表面の酸素濃度を5%にして溶接するレーザ溶接方法。
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