JP5910020B2 - ブルー相方式の液晶パネル製造装置およびブルー相方式の液晶パネルの製造方法 - Google Patents
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具体的に、特許文献1には、特定の温度においてブルー相を示す低分子の液晶中に特定の化学構造を有するモノマーに由来の高分子ネットワークを形成することにより、この液晶中に高分子ネットワークが形成されてなる液晶材料においては、当該液晶材料を構成する液晶においてブルー相が出現する温度範囲よりも大きな温度範囲が得られること、すなわちブルー相が出現する温度範囲を拡大することができることが開示されている。
また、液晶材料を得るために熱重合によって重合するモノマーを用いた場合には、重合温度を液晶にブルー相が出現される温度範囲内に設定することが困難である場合があり、しかも高分子ネットワークの形態が加熱条件によって変化する可能性がある。よって、液晶組成物を得るためのモノマーとしては、光重合によって重合するモノマーを用いることが好ましい。
なお、図12には、光源から放出された光が被処理体Wの至るまでの光路の例(大気中における光路および液体冷媒L中における光路)が矢印によって示されている。
当該冷媒槽内において液体冷媒に浸漬した状態の液晶パネル材料に当該液晶パネル材料の液晶層を構成する紫外線硬化性樹脂を硬化させる波長の紫外線を含む光を照射する紫外線光源と、
当該紫外線光源に電力を供給する給電手段と、
当該冷媒槽内において液体冷媒に浸漬した状態の液晶パネル材料の温度が当該液晶パネル材料の液晶層においてブルー相が出現するブルー相出現温度となるように、冷媒槽内の液体冷媒の温度を調整する温調手段とを備えてなるブルー相方式の液晶パネル製造装置であって、
前記紫外線光源は、当該紫外線光源と前記液晶パネル材料との間に液体冷媒と大気との境界面が存在しないように配置されており、
前記冷媒槽は、液体冷媒の流入口および流出口を具備し、当該流出口が当該流入口より上方に位置するように設けられており、
当該流入口から冷媒槽内に液体冷媒を供給する液体冷媒供給源を有することを特徴とする。
当該反射鏡は、当該反射鏡の反射面と当該紫外線光源との間に液体冷媒と大気との境界面が存在しないように配置されることが好ましい。
前記制御部は、前記温度センサーからの液体冷媒の温度情報に基づいて前記温調手段を動作させることにより、冷媒槽内において液体冷媒に浸漬した状態の液晶パネル材料の温度がブルー相出現温度となるように当該冷媒槽内の液体冷媒の温度を制御することが好ましい。
前記液体冷媒供給源は、ブルー相出現温度より高い第1の温度の液体冷媒を当該第1の流入口から冷媒槽内に供給する第1の液体冷媒供給源と、ブルー相出現温度より低い第2の温度の液体冷媒を当該第2の流入口から冷媒槽内に供給する第2の液体冷媒供給源とからなり、
前記第1の流入口と前記第1の液体冷媒供給源との間には、当該第1の流入口から冷媒槽内に流入する液体冷媒の単位時間あたりの流量を制御する第1の流量制御手段が設けられており、
前記第2の流入口と前記第2の液体冷媒供給源との間には、当該第2の流入口から冷媒槽内に流入する液体冷媒の単位時間あたりの流量を制御する第2の流量制御手段が設けられていることが好ましい。
前記制御部は、前記温度センサーからの液体冷媒の温度情報に基づいて、前記第1の流入口から冷媒槽内に流入する液体冷媒の単位時間あたりの流量と前記第2の流入口から冷媒槽内に流入する液体冷媒の単位時間あたりの流量との比を調整することにより、冷媒槽内において液体冷媒に浸漬した状態の液晶パネル材料の温度がブルー相出現温度となるように当該冷媒槽内の液体冷媒の温度を制御することが好ましい。
放電容器の外表面に配置された放電用電極は、グラウンド電位とされているか、もしくは接地されていることが好ましい。
このような構成の本発明のブルー相方式の液晶パネル装置においては、前記エキシマランプは、前記放電容器の内部にて発生するエキシマ光により励起されて紫外光を放射する蛍光体を含有する蛍光体層が当該放電容器の内表面に設けられていてもよい。
一方の放電用電極が当該放電容器の外側管側の外表面に配置され、他方の放電用電極が当該放電容器の内側管側の外表面に配置され、これらの放電用電極が給電手段と電気的に接続されており、
放電容器の外側管側の外表面に配置された放電用電極は、グラウンド電位とされているか、もしくは接地されており、当該放電容器の外側管側の外表面に配置された放電用電極のみが前記冷媒槽内の液体冷媒と接触していることが好ましい。
このような構成の本発明のブルー相方式の液晶パネル装置においては、前記エキシマランプは、前記放電容器の内部にて発生するエキシマ光により励起されて紫外光を放射する蛍光体を含有する蛍光体層が当該放電容器の外側管側の内表面に設けられていてもよい。
一方の放電用電極が放電容器の外側管側の外表面に配置され、他方の放電用電極が当該放電容器の内側管側の外表面に配置され、これらの放電用電極が給電手段と電気的に接続されており、
放電容器の外側管側の外表面に配置された放電用電極は、グラウンド電位とされているか、もしくは接地されており、当該放電容器の外側管側の外表面に配置された放電用電極のみが前記冷媒槽内の液体冷媒と接触していることが好ましい。
このような構成の本発明のブルー相方式の液晶パネル装置においては、前記エキシマランプは、前記放電容器の内部にて発生するエキシマ光により励起されて紫外光を放射する蛍光体を含有する蛍光体層が当該放電容器の外側管側の内表面に設けられていてもよい。
前記外管の両端開口を塞ぐ蓋部材は冷媒槽の外部に位置されており、一方の蓋部材には、当該却ガス導入手段から供給される冷却ガスを当該外管の内部に導入する冷却ガス導入部が設けられており、他方の蓋部材には、当該外管の内部に導入された冷却ガスを排出する冷却ガス排出部が設けられていることが好ましい。
冷媒槽内において液体冷媒に浸漬した状態の液晶パネル材料の液晶層の温度が当該液晶層においてブルー相が出現するブルー相出現温度となるように冷媒槽内の液体冷媒の温度を設定し、
当該液晶層においてブルー相が出現した状態の液晶パネル材料に対して紫外線光源によって当該液晶パネル材料の液晶層を構成する紫外線硬化性樹脂を硬化させる波長の紫外線を含む光を照射する工程を有することを特徴とする。
冷媒槽内に流入する第1の温度の液体冷媒の単位時間あたりの流量と第2の温度の液体冷媒の単位時間あたりの流量との比を調整することにより、冷媒槽内において液体冷媒に浸漬した状態の液晶パネル材料の液晶層の温度が当該液晶層においてブルー相が出現するブルー相出現温度となるように冷媒槽内の液体冷媒の温度を設定し、
当該液晶層においてブルー相が出現した状態の液晶パネル材料に対して紫外線光源によって当該液晶パネル材料の液晶層を構成する紫外線硬化性樹脂を硬化させる波長の紫外線を含む光を照射する工程を有することを特徴とする。
従って、本発明のブルー相方式の液晶パネル製造装置によれば、液体冷媒に浸漬した状態のブルー相方式の液晶パネル材料の液晶層の全面に均一な光照射を行うことができるため、ブルー相方式の液晶パネル材料が大型のものであっても、液晶層をむらのないブルー相状態とすることのできるブルー相方式の液晶パネルを得ることができる。
図1は、本発明のブルー相方式の液晶パネル製造装置の構成の一例を、ブルー相方式の液晶パネル材料と共に示す説明図である。
第1の実施の形態に係るブルー相方式の液晶パネル製造装置(以下、「第1の液晶パネル製造装置」ともいう。)10は、液晶、当該液晶を螺旋構造に配向させてブルー相を出現させるためのカイラル剤、紫外線硬化材樹脂および必要に応じて紫外線重合開始剤を含有し、特定の温度でブルー相を示す液晶組成物よりなる液晶層を有するブルー相方式の液晶パネル材料(以下、「ブルー相パネル材料」ともいう。)を被処理体Wとし、このブルー相パネル材料から、当該ブルー相パネル材料の液晶層を構成する紫外線硬化性樹脂を、当該液晶層にブルー相が出現されている状態で硬化することによって得られる、ブルー相方式の液晶パネルを製造するものである。
また、冷媒槽11内には、当該冷媒槽11内の液体冷媒Lの温度を計測するための温度センサー17と、紫外線光源を構成する複数のUVランプ20に共通の反射鏡19とが、液体冷媒Lが満たされた冷媒槽11内において、液体冷媒Lに浸漬した状態となるように設けられている。また、冷媒槽11の外部には、紫外線光源を構成する複数のUVランプ20に共通の給電手段29と、温度センサー17からの温度情報に基づいて給電手段29、温調手段16および液体冷媒循環手段15を制御する機能を有する制御部18が設けられている。
図の例においては、循環路14における液体冷媒Lの循環方向が矢印で示されている。
放電ランプとしては、石英ガラス製の発光管内に互いに対向した一対の放電電極を有し、当該発光管内に高純度の水銀と希ガスとが封入されてなる水銀ランプ、石英ガラス製の発光管内に互いに対向した一対の放電電極を有し、当該発光管内に高純度の水銀とハロゲン化金属(メタルハライド)が封入されてなるメタルハライドランプ、誘電体バリア放電などを利用して発光するエキシマランプ、および希ガス蛍光ランプなどが挙げられる。
なお、本発明のブルー相方式の液晶パネル製造装置およびブルー相方式の液晶パネルの製造方法においては、被処理体Wとしてのブルー相パネル材料の液晶層を構成する液晶組成物に含有される紫外線硬化材樹脂が紫外線が照射されることによって硬化するものであることから、紫外線光源が用いられている。
また、UVランプ20としては、水銀ランプおよびメタルハライドランプなどの放電電極間のアーク放電により発光する放電ランプを用いた場合には、これらの放電ランプはランプ自体の発熱が大きく、しかもランプを安定に発光させるためのランプの最冷点制御も複雑であることに起因して弊害が生じるおそれがある。具体的には、液体冷媒Lによるブルー相パネル材料の温度制御を行うためにランプ自体の発熱の影響を考慮せねばならず、またランプ自体においても安定な発光を実現することが困難となる。更には、液体冷媒L中に配置されることによってランプ自体が冷却されるため、発光管内に封入されている水銀などの封入物の蒸気圧が規制されることとなるため、それに起因してランプの発光動作に不具合が生じるおそれがある。
液体冷媒Lは、純水に限定されるものではなく、熱容量が比較的大きく、紫外線光源を構成するUVランプ20および被処理体Wであるブルー相パネル材料に影響を及ぼさない(例えば、ブルー相パネル材料と化学反応を生じない)液体を用いることができる。
ここに、液体冷媒Lに係る「所定の温度」とは、被処理体Wであるブルー相パネ材料の液晶層においてブルー相の出現がされ、そのブルー相状態を維持することのできる温度である。
冷媒槽11において流出口13が流入口12より上方に位置することにより、流入口12から流入される液体冷媒Lが流出口13に至るまでの過程において、被処理体Wの配設領域を通過した後に、UVランプ20の配設領域を通過する割合が大きくなる。すなわち、流入口12から流入された液体冷媒Lの大部分が、先ず被処理体Wに到達し、その後、UVランプ20に到達することとなる。よって、点灯状態にあって高温化したUVランプ20との熱交換により温度上昇した液体冷媒Lによって被処理体Wが加熱されて不具合が生じることを抑制することができる。
この図の例においては、紫外線光源を構成する複数のUVランプ20に共通の平板状の反射鏡19が設けられており、この反射鏡19は、液体冷媒Lが満たされた状態の冷媒槽11内において、紫外線光源を構成する複数のUVランプ20の上方であって当該複数のUVランプ20と液体冷媒Lと大気との境界面LSとの間に位置され、液体冷媒Lに浸漬された状態とされている。
すなわち、UVランプ20から液体冷媒Lと大気との境界面LSに向かう方向に放出された光は、図2(a)に示すように、反射鏡19によって反射されることとなり、液体冷媒Lと大気との境界面LSにおいて反射されることがなく、しかも、反射鏡19の反射面形状は、液体冷媒Lと大気との境界面LS(液体冷媒Lの表面)にゆらぎが発生した場合であっても、液体冷媒Lと大気との境界面LSとは異なり、変形することがないため、反射鏡19に反射されて被処理体Wに到達する光(図2(a)における一点鎖線の矢印Bで示される光路を進む光)の当該被処理体W上での放射照度分布が一定となり、時間的にも変化することがない。よって、反射鏡19の形状を適宜設定(例えば、図に示されているような平面形状)することにより、反射鏡19から反射されて被処理体Wに到達する光の当該被処理体W上での放射照度分布を略均一にすることができる。
一方、反射鏡19が設けられていない場合においては、被処理体Wであるブルー相パネル材料の液晶層を構成する光硬化性樹脂の硬化状態が場所的に不均一となるおそれがある。すなわち、被処理体W(ブルー相パネル材料)から得られるブルー相方式の液晶パネルの液晶層におけるブルー相状態(ブルー相の出現)にむらが生じてしまうおそれがある。
すなわち、UVランプ20から放出されて被処理体Wに照射される紫外線を含む光は、図2(b)に示すように、UVランプ20から被処理体Wに向かう方向に放出され当該被処理体Wに照射される直射光(図2(b)における実線の矢印Aで示される光路を進む光)と、液体冷媒Lと大気との境界面LSに向かう方向に放出され当該境界面LSにより反射されて被処理体Wに到達する液体冷媒Lと大気との境界面LSからの反射光(図2(b)における一点鎖線の矢印Bで示される光路を進む光)とからなる。そのため、液体冷媒Lと大気との境界面LS(液体冷媒Lの表面)にゆらぎが発生すると、大気と液体冷媒Lとの境界面LSが平面状ではなくなり、その形状が波うち状態、すなわち曲面状となるが、このような曲面状の液体冷媒Lと大気との境界面LSにより反射されて被処理体Wに到達する光の当該被処理体W上での放射照度分布は、液体冷媒Lと大気との境界面LSのゆらぎに依存し、必ずしも所望の放射照度分布とはならない。液体冷媒Lと大気との境界面LSからの反射光の強度は、前記直射光の強度よりは小さいものの、被処理体Wとしてのブルー相パネル材料の種類によっては、液体冷媒Lと大気との境界面LSからの反射光の影響を無視できない場合もあり、このような場合においては、被処理体Wであるブルー相パネル材料の液晶層を構成する光硬化性樹脂の硬化状態が場所的に不均一となる。すなわち、得られるブルー相方式の液晶パネルの液晶層におけるブルー相状態(ブルー相の出現)にむらが生じてしまう。
従って、第1の液晶パネル製造装置10によれば、液体冷媒Lに浸漬した状態の被処理体Wであるブルー相パネル材料の液晶層の全面に均一な光照射を行うことができるため、ブルー相方式の液晶パネル材料が大型のものであっても、液晶層においてブルー相が出現した状態の液晶パネル材料に対して、紫外線光源によって当該液晶パネル材料の液晶層を構成する紫外線硬化性樹脂を硬化させる波長の紫外線を含む光を照射することにより、液晶層をむらのないブルー相状態とすることのできるブルー相方式の液晶パネルを得ることができる。
図3においては、本発明のブルー相方式の液晶パネル製造装置の紫外線光源として用いられるエキシマランプの構成および当該エキシマランプの配置状態の一例が示されており、その説明の都合上、エキシマランプおよび当該エキシマランプの配置状態を説明するために必要とされる構成部材以外の構成部材、具体的には、冷媒槽11における流入口12および流出口13を含む循環型冷却媒体供給機構、温度センサー17および反射鏡19などは図示が省略されている。また、同図において、エキシマランプ30は、当該エキシマランプ30の管軸を含む平面における断面が示されている。
この第1のエキシマランプ30には、放電容器31の外表面に網状の第1の放電用電極32が設けられ、当該放電容器31の内部に第2の放電用電極33が設けられており、これにより、第1の放電用電極32と第2の放電用電極33とは、誘電体としての放電容器31および放電空間Sを介在して配置されており、当該誘電体は、第1の放電用電極32と放電空間Sとの間に位置されている。また、第1の放電用電極32と第2の放電用電極33とはリード線28を介して給電手段29に電気的に接続されており、この給電手段29により高周波電圧が第1の放電用電極32と第2の放電用電極33との間に印加されることにより、誘電体が介在された状態の両電極間において放電が形成される。その結果、放電容器31の放電空間Sに励起されたエキシマ分子が形成され、このエキシマ分子が基底状態に遷移する際、エキシマ光が放出される。
ここに、放電媒質としてキセノンガスおよび塩素ガスを用いた場合には、放電により中心波長308nmの紫外光が発生する。
この図の例においては、第1のエキシマランプ30の一端部の端部が冷媒槽11の外部に突出した状態とされている。また、第1のエキシマランプ30の他端部(図3における右端部)は、冷媒槽11内に設けられたランプ支持手段37によって支持されている。すなわち、第1のエキシマランプ30は、冷媒槽11に設けられたシール部35およびランプ支持手段37により、当該第1のエキシマランプ30と被処理体Wとの間において、冷媒槽11に満たされた液体冷媒Lと大気との境界面LSが存在することのないように、液体冷媒Lに浸漬された状態で配置されている。
第1の放電用電極32がグラウンド電位とされているか、もしくは接地(アース)されていることにより、放電容器31の内部に設けられた第2の放電用電極33が高電圧側とされるため、図3に示されているように第1のエキシマランプ30の一端部の端部が冷媒槽11の外部に突出した状態とすることにより、給電手段29と第2の放電用電極33とを結線するリード線28を液体冷媒Lに曝されることのないようにすることができる。よって、給電手段29と第2の放電用電極33との間における絶縁対策を比較的容易に行うことができる。
一方、第2の放電用電極33がグラウンド電位とされているか、もしくは接地(アース)され、第1の放電用電極32が高電圧側とされた場合には、給電手段29と第1の放電用電極32とを結線するリード線28の一部が冷媒槽11内において液体冷媒Lに曝されることとなるため、冷媒槽11内などにおいて不所望な絶縁破壊が生じるおそれがある。
図4においては、本発明のブルー相方式の液晶パネル製造装置の紫外線光源として用いられるエキシマランプの構成および当該エキシマランプの配置状態の一例が示されており、その説明の都合上、エキシマランプおよび当該エキシマランプの配置状態を説明するために必要とされる構成部材以外の構成部材、具体的には、冷媒槽11における流入口12および流出口13を含む循環型冷却媒体供給機構、温度センサー17および反射鏡19などは図示が省略されている。また、同図において、エキシマランプ40は、当該エキシマランプ40の管軸を含む平面における断面が示されている。
このような構成の放電容器41の放電空間Sには、第1のエキシマランプ30と同様に、放電によってエキシマ分子を生成する放電媒質、および必要に応じてハロゲンガスが封入される。
ここに、放電媒質としてキセノンガスおよび塩素ガスを用いた場合には、放電により中心波長308nmの紫外光が発生する。
また、図3に係る第1のエキシマランプ30と同様の理由により、第2のエキシマランプ40の一端部におけるシール部35に位置される部分およびその近傍部分の放電容器41の外表面に遮光膜38が設けられていてもよい。
図5においては、本発明のブルー相方式の液晶パネル製造装置の紫外線光源として用いられるエキシマランプの構成および当該エキシマランプの配置状態の一例が示されており、その説明の都合上、エキシマランプおよび当該エキシマランプの配置状態を説明するために必要とされる構成部材以外の構成部材、具体的には、冷媒槽11における流入口12および流出口13を含む循環型冷却媒体供給機構、温度センサー17および反射鏡19などは図示が省略されている。また、同図において、エキシマランプ50は、当該エキシマランプ50の管軸を含む平面における断面が示されている。
このような構成の放電容器51の放電空間Sには、第1のエキシマランプ30と同様に、放電によってエキシマ分子を生成する放電媒質、および必要に応じてハロゲンガスが封入される。
ここに、放電媒質としてキセノンガスおよび塩素ガスを用いた場合には、放電により中心波長308nmの紫外光が発生する。
この図の例においては、第3のエキシマランプ50の両端部の各々の端部が冷媒槽11の外部に突出した状態とされている。
また、図3に係る第1のエキシマランプ30と同様の理由により、第3のエキシマランプ50の一端部におけるシール部35に位置される部分およびその近傍部分の放電容器51の外表面に遮光膜38が設けられていてもよい。
図6(a)においては、本発明のブルー相方式の液晶パネル製造装置の紫外線光源として用いられる希ガス蛍光ランプの構成および当該希ガス蛍光ランプの配置状態の一例が示されており、その説明の都合上、希ガス蛍光ランプおよび当該希ガス蛍光ランプの配置状態を説明するために必要とされる構成部材以外の構成部材、具体的には、冷媒槽11における流入口12および流出口13を含む循環型冷却媒体供給機構、温度センサー17および反射鏡19などは図示が省略されている。また、同図において、希ガス蛍光ランプ60は、A−A線の右側において、当該希ガス蛍光ランプ60の管軸を含む平面における断面が示されている。
この希ガス蛍光ランプ本体60Aには、放電容器61の外表面に互いに離間して放電容器61の管軸方向に沿って一対の第1の外部電極63および第2の外部電極64が配設されている。
また、第1の外部電極63と第2の外部電極64とはリード線28を介して給電手段29に電気的に接続されており、この給電手段29により高周波電圧が第1の外部電極63と第2の外部電極64との印加されることにより、放電容器61よりなる誘電体が介在された状態の両電極間において放電が形成される。その結果、放電容器61の放電空間Sに励起されたエキシマ分子が形成され、このエキシマ分子が基底状態に遷移する際、エキシマ光が放出される。そしてこのエキシマ光によって蛍光体層67を構成する蛍光体が励起され、当該蛍光体層67から紫外光が発生し、この紫外光が直接、あるいは紫外線反射膜65で反射され、光放射用アパーチャ部62から外部に放射される。
なお、必要に応じて第1の外部電極63および第2の外部電極64の外表面には保護膜(図示省略)が設けられていてもよい。
その理由は、希ガス蛍光ランプ本体60Aは、第1の外部電極63および第2の外部電極64が放電容器61の外表面に設けられているものであることから、そのままの状態で液体冷媒L中に設置した場合には、第1の外部電極63および第2の外部電極64が液体冷媒L中に浸漬されることとなり、給電手段29と第1の外部電極63とを結線するリード線28および当該給電手段29と第2の外部電極64とを結線するリード線28の一部が冷媒槽11内において液体冷媒Lに曝されることとなるため、冷媒槽11内などにおいて不所望な絶縁破壊が生じるおそれがあるためである。
このような構成を有する第1の二重管型希ガス蛍光ランプ60によれば、図6(a)に示されているように、給電端子71が設けられている第1の二重管型希ガス蛍光ランプ60の一端部の端部を冷媒槽11の外部に突出した状態とすることにより、給電手段29と第1の外部電極63および第2の外部電極64とを結線するリード線28を液体冷媒Lが曝されることのないようにすることができる。よって、給電手段29と第1の外部電極63および第2の外部電極64との間における絶縁対策を比較的容易に行うことができる。
この図の例においては、第1の二重管型希ガス蛍光ランプ60の一端部の端部が冷媒槽11の外部に突出した状態とされている。また、第1の二重管型希ガス蛍光ランプ60の他端部(図6(a)における右端部)は、冷媒槽11内に設けられたランプ支持手段37によって支持されている。すなわち、第1の二重管型希ガス蛍光ランプ60は、冷媒槽11に設けられたシール部35およびランプ支持手段37により、当該第1の二重管型希ガス蛍光ランプ60と被処理体Wであるブルー相パネル材料との間において、冷媒槽11に満たされた状態の液体冷媒Lと大気との境界面LSが存在することのないように、液体冷媒Lに浸漬された状態で配置されている。
図7(a)においては、本発明のブルー相方式の液晶パネル製造装置の紫外線光源として用いられる希ガス蛍光ランプの構成および当該希ガス蛍光ランプの配置状態の一例が示されており、その説明の都合上、希ガス蛍光ランプおよび当該希ガス蛍光ランプの配置状態を説明するために必要とされる構成部材以外の構成部材、具体的には、冷媒槽11における流入口12および流出口13を含む循環型冷却媒体供給機構、温度センサー17および反射鏡19などは図示が省略されている。また、同図において、希ガス蛍光ランプ70は、B−B線の右側において、当該希ガス蛍光ランプ70の管軸を含む平面における断面が示されている。
具体的には、第2の二重管型希ガス蛍光ランプ70においては、外管68の両端開口を閉塞する蓋部材69のうちの一方(図7における左方)の蓋部材69には冷却ガス導入ノズル75よりなる冷却ガス導入部が設けられており、他方(図7における右方)の蓋部材69には冷却ガス排出ノズル76よりなる冷却ガス排出部が設けられている。冷却ガス導入ノズル75には冷却ガス導入手段74が連結されており、当該冷却ガス導入手段74から冷却ガス導入ノズル75を介して乾燥空気などの冷却ガスが外管68内に導入される。外管68内に導入された冷却ガスは熱交換により外管68内の希ガス蛍光ランプ本体60Aを冷却した後、冷却ガス排出ノズル76から外部へ排出される。
また、第2の二重管型希ガス蛍光ランプ70においては、一方の蓋部材69に冷却ガス導入ノズル75を設け、他方の蓋部材69に冷却ガス排出ノズル76を設ける必要があることから、外管68の外径は、第1の二重管型希ガス蛍光ランプ60を構成する外管68の外径に比して大きくなっている。
ここに、図7においては、理解を容易にするため、外管68の管軸と外管68の内部に配置される希ガス蛍光ランプ本体60Aの管軸とは一致しておらず、当該希ガス蛍光ランプ本体60Aは外管68の内周面に対して下側に偏った状態で配置されているが、外管68内における希ガス蛍光ランプ本体60Aの配置位置はこれに限るものではなく、外管68の位置と希ガス蛍光ランプ本体60Aとの位置とが同軸上になるようにしてもよい。
この図の例においては、第2の二重管型希ガスランプ70の両端部の各々の端部が冷媒槽11の外部に突出した状態とされている。
例えば、UVランプ20を構成するエキシマランプは、放電容器の内部にて発生するエキシマ光により励起されて紫外光を放射する蛍光体を含有する蛍光体層が当該放電容器の放電空間を囲繞する表面に設けられなる構成を有するもの、すなわちエキシマ光により励起された蛍光体から発生した光(紫外光)が放射される蛍光ランプの構造を有するものであってもよい。
具体的には、図3に示す第1のエキシマランプ30において、放電容器31の内表面に、放電容器31の内部にて発生するエキシマ光により励起されて紫外光を放射する蛍光体を含有する蛍光体層が設けられてなる構成の蛍光ランプ(以下、「第1の蛍光ランプ」ともいう。)であってもよい。また、図4に示す第2のエキシマランプ40において、放電容器41における外側管42の内表面に、放電容器41の内部にて発生するエキシマ光により励起されて紫外光を放射する蛍光体を含有する蛍光体層が設けられてなる構成の蛍光ランプ(以下、「第2の蛍光ランプ」ともいう。)であってもよく、あるいは、図5に示す第3のエキシマランプ50において、放電容器51における外側管52の内表面に、放電容器51の内部にて発生するエキシマ光により励起されて紫外光を放射する蛍光体を含有する蛍光体層が設けられてなる構成の蛍光ランプ(以下、「第3の蛍光ランプ」ともいう。)であってもよい。
第1の蛍光ランプ、第2の蛍光ランプおよび第3の蛍光ランプのいずれにおいても、放電空間Sに形成されたエキシマ分子が基底状態に遷移する際に放出されるエキシマ光により上記蛍光体が励起され、当該蛍光体から紫外光が発生し、その光が放電容器の外部に放射される。
なお、上記希ガス蛍光ランプ以外の構造を包含する蛍光ランプについては、便宜上、単に「蛍光ランプ」(具体的には、例えば「第1の蛍光ランプ」、「第2の蛍光ランプ」および「第3の蛍光ランプ」)と称している。
図8は、本発明のブルー相方式の液晶パネル製造装置の構成の他の例を、ブルー相方式の液晶パネル材料と共に示す説明図である。
第2の実施の形態に係るブルー相方式の液晶パネル製造装置(以下、「第2の液晶パネル製造装置」ともいう。)は、図1に係る第1の液晶パネル製造装置10において、冷媒槽11に2つの流入口(具体的には第1の流入口12Aおよび第2の流入口12B)が設けられており、循環型冷却媒体供給機構に代えて、冷媒槽11に対して液体冷媒Lを供給するための2つの液体冷媒供給ラインを有し、この2つの液体冷媒供給ラインから冷媒槽11に温度の異なる液体冷媒Lを供給することによって冷媒槽11内の液体冷媒Lの温度の調整を行う構成の2系統型冷却媒体供給機構が設けられていること以外は、当該図1に係る第1の液晶パネル製造装置10と同様の構成を有するものである。
この図の例においては、制御部84は、温度センサー17からの温度情報に基づいて給電手段29、第1の液体冷媒供給源81A、第2の液体冷媒供給源81B、第1の流量制御手段82Aおよび第2の流量制御手段82Bを制御する機能を有するものである。
ここに、被処理体Wとしてのブルー相パネル材料の液晶層は、液晶、当該液晶を螺旋構造に配向させブルー相を出現させるためのカイラル剤、紫外線硬化性樹脂および紫外線重合開始剤を含む液晶組成物よりなる液晶層を有するものであり、紫外線光源を構成するUVランプ20は、被処理体Wとしてのブルー相パネル材料の液晶層を構成する紫外線硬化性樹脂を硬化させるのに適した波長の紫外線を放出するものとする。
また、被処理体Wとしてのブルー相パネル材料の液晶層を等方相まで加熱することができるとされる液体冷媒Lの温度をTe、当該液晶層においてブルー相を出現させることのできるとされる、すなわち液晶層の温度をブルー相出現温度とすることができるとされる冷液体冷媒Lの温度をTbとするとき、これらの温度TeおよびTbと、第1の液体冷媒供給源81Aから供給される液体冷媒Lの温度(第1の温度T1)と、第2の液体冷媒供給源81Bから供給される液体冷媒Lの温度(第2の温度T2)とは、T1>Te>Tb>T2の関係を満たすものとする。
なお、理解を容易にするために、第1の流入口12Aから単位時間あたりに冷媒槽11内に流入する液体冷媒Lの流量と第2の流入口12Bから単位時間あたりに冷媒槽11内に流入する液体冷媒Lの流量との総和は一定であるものとする。
第2の液晶パネル製造装置における冷媒槽11内に被処理体Wであるブルー相パネル材料(図9および図10においては「ワーク」と示す。)を配置する。被処理体Wの設置位置は、UVランプ20から放出される紫外線を含む光が照射される光照射範囲内である。
制御部84は、第1の液体冷媒供給源81A(図9および図10においては「液体冷媒供給源A」と示す。)および第2の液体冷媒供給源81B(図9および図10においては「液体冷媒供給源B」と示す。)からの液体冷媒Lの供給を開始させると共に、第1の流量制御手段82A(図9および図10においては「流量コントローラA」と示す。)および第2の流量制御手段82B(図9および図10においては「流量コントローラB」と示す。)を制御して、第1の流入口12Aから冷媒槽11内に流入する第1の温度T1の液体冷媒Lの単位時間あたりの流量と、第2の流入口12Bから冷媒槽11内に流入する第2の温度T2の液体冷媒Lの単位時間あたりの流量との比が特定の流量比Reとなるように設定する。
ここに、第1の流入口12Aから冷媒槽11内に流入する第1の温度T1の液体冷媒Lの単位時間あたりの流量をVT1e とし、第2の流入口12Bから冷媒槽11内に流入する第2の温度T2の液体冷媒Lの単位時間あたりの流量をVT2e とするとき、これらの流量VT1e およびVT2e は、VT1e +VT2e =Vs (一定)の関係を満たす。
また、「特定の流量比Re」とは、冷媒槽11内において第1の温度T1の液体冷媒Lと第2の温度T2の液体冷媒Lとが混合することによって得られる液体冷媒Lの温度が、被処理体Wであるブルー相パネル材料の液晶層を等方相まで加熱することのできる温度Teとするために予め設定された値であり、式Re=VT1e/VT2e によって示される。この特定の流量比Reの値は予め制御部84に記憶されている。また、流量VT1e および流量VT2e の値も予め制御部84に記憶されている。
第1の流入口12Aおよび第2の流入口12Bより液体冷媒Lが冷媒槽11内に流入し、被処理体W、UVランプ20および反射鏡19が液体冷媒Lに完全に浸漬し、流出口13より液体冷媒Lが冷媒槽11から外部へ流出するようになった時点で、制御部84は温度センサー17から冷媒槽11内の液体冷媒Lの温度に関する温度信号を受信する。
制御部84は、受信した温度信号により、冷媒槽11内の液体冷媒Lの温度Te’を求める。
制御部84は予め記憶しておいた温度Teの値と温度Te’の値の大小を検定する。
ここに、被処理体Wであるブルー相パネル材料の液晶層を等方相まで加熱することのできる冷却槽11内の液体冷媒Lの温度Teの許容範囲幅の値をΔTeとする。すなわち、|Te−Te’|≦ΔTeである場合において、被処理体Wであるブルー相パネル材料の液晶層は等方相まで加熱される。
ステップS105においてTe−Te’>ΔTeである場合には、冷媒槽11内の液体冷媒Lの温度Te’が被処理体Wであるブルー相パネル材料の液晶層を等方相まで加熱するには低すぎる状態である。すなわち、第2の液体冷媒供給源81Bから供給され第2の流入口12Bより冷媒槽11内に流入する第2の温度T2の液体冷媒Lの流量が過大な状態である。
そこで、制御部84は、第1の流量制御手段82Aまたは第2の流量制御手段82Bを制御して、第1の流入口12Aから冷媒槽11内に流入する第1の温度T1の液体冷媒Lの単位時間あたりの流量をVT1e から変更してVT1e ’(VT1e <VT1e ’)とし、第2の流入口12Bから冷媒槽11内に流入する第2の温度T2の液体冷媒Lの単位時間あたりの流量をVT2e から変更してVT2e ’(VT2e >VT2e ’)とし、これらの流量の比を特定の流量比Reから変更して流量比Re’(Re’=VT1e ’/VT2e ’)とする。なお、VT1e +VT2e =VT1e ’+VT2e ’=Vs (一定)とする。
制御部84は、流量比Re’を設定することによって冷媒槽11内の液体冷媒Lの温度分布がある程度均一になるまでの時間が経過した後、温度センサー17から冷媒槽11内の液体冷媒Lの温度に関する温度信号を受信する。その後、再び冷媒槽11内の液体冷媒Lの温度の値と温度Teの値との大小を検定するため、ステップS104に移行する。
ステップS105においてTe−Te’ <−ΔTeである場合には、冷媒槽11内の液体冷媒Lの温度Te’が被処理体Wであるブルー相パネル材料の液晶層を等方相まで加熱するには高すぎる状態である。すなわち、第1の液体冷媒供給源81Aから供給され第1の流入口12Aより冷媒槽11内に流入する第1の温度T1の液体冷媒Lの流量が過大な状態である。
そこで、制御部84は、第1の流量制御手段82Aおよび第2流量制御手段82Bを制御して、第1の流入口12Aから冷媒槽11内に流入する第1の温度T1の液体冷媒Lの単位時間あたりの流量をVT1e から変更してVT1e ’ ’(VT1e >VT1e ’ ’)とし、第2の流入口12Bから冷媒槽11内に流入する第2の温度T2の液体冷媒Lの単位時間あたりの流量をVT2e から変更してVT2e ’ ’(VT2e <VT2e ’ ’)とし、これらの流量の比を特定の流量比Reから変更して流量比Re’ ’(Re’ ’(=VT1e ’ ’/VT2e ’ ’)とする。なお、VT1e +VT2e =VT1e ’ ’+VT2e ’ ’=Vs (一定)とする。
制御部84は、流量比Re’’を設定して冷媒槽11内の液体冷媒Lの温度分布がある程度均一になるまでの時間が経過した後、温度センサー17から冷媒槽11内の液体冷媒Lの温度に関する温度信号を受信する。その後、再び槽内の液体冷媒Lの温度の値と温度Teの値との大小を検定するため、ステップS104に移行する。
ステップS105において|Te−Te’|≦ΔTeである場合には、冷媒槽11内の液体冷媒Lの温度Te’が被処理体Wであるブルー相パネル材料の液晶層を等方相まで加熱するのに適した温度となっている状態である。よって、他のステップ(具体的には、ステップS106およびステップS107、あるいはステップS108およびステップS109)を経ることなくステップS110に移行する。
制御部84は、被処理体Wであるブルー相パネル材料における液晶層の温度が上昇して、当該液晶層が等方相に転移するまで待機する。
ここに、ブルー相パネル材料の液晶層が等方相に転移するまでに要する待機時間は、例えば、ステップS105において|Te−Te’|≦ΔTeであることが検定されてから、冷媒槽11内の液体冷媒Lの温度分布がある程度均一となり、被処理体Wであるブルー相パネル材料の液晶層が(場所的に)略均一に等方相に転移するまでの時間であり、この待機時間の値は予め制御部84に記憶されているものとする。待機時間の計時は、例えば、カウンタ(図示省略)などの計時手段を用いて行われる。なお計時手段ならびに計時方法は周知技術であるので、ここでは説明を省略する。
制御部84は、第1の流量制御手段81Aおよび第2の流量制御手段81Bを制御して、第1の流入口12Aから冷媒槽11内に流入する第1の温度T1の液体冷媒Lの単位時間あたりの流量と、第2の流入口12Bから槽内に流入する第2の温度T2の液体冷媒Lの単位時間あたりの流量との比が特定の流量比Rbとなるように設定する。
ここに、第1の流入口12Aから冷媒槽11内に流入する第41の温度T1の液体冷媒Lの単位時間あたりの流量をVT1b とし、第2の流入口Bから槽内に流入する第2の温度T2の液体冷媒Lの単位時間あたりの流量をVT2b とするとき、これらの流量VT1b およびVT2b は、VT1b +VT2b =VS(一定)の関係を満たす。
また、「特定の流量比Rb」とは、冷媒槽11内において第1の温度T1の液体冷媒Lと第2の温度T2の液体冷媒Lとが混合することによって得られる液体冷媒Lの温度が、被処理体Wであるブルー相パネル材料の液晶層においてブルー相を出現させることのできる温度Tbとするために予め設定された値であり、式Rb=VT1b /VT2bによって示される。この特定の流量比Rbの値は予め制御部84に記憶されている。また、流量VT1b およびVT2b の値も予め制御部84に記憶されている。
制御部84は、流量比Rbを設定することによって冷媒槽11内の液体冷媒Lの温度分布がある程度均一になるまでの時間(待機時間)が経過した後、温度センサー17から冷媒槽11内の液体冷媒Lの温度に関する温度信号を受信する。
制御部84は、受信した温度信号により、冷媒槽11内の液体冷媒Lの温度Tb’を求める。
制御部84は予め記憶しておいた温度Tbの値と温度Tb’の値の大小を検定する。
ここに、ブルー相パネル材料Wの液晶層にブルー相を出現させることのできる液体冷媒Lの温度Tbの許容範囲幅の値をΔTbとする。すなわち、|Tb−Tb’|≦ΔTbである場合において、被処理体Wであるブルー相パネル材料の液晶層においてブルー相が出現する。
ステップS114においてTb−Tb’>ΔTbである場合には、冷媒槽11内の液体冷媒Lの温度Tb’が被処理体Wであるブルー相パネル材料の液晶層にブルー相を出現させるには低すぎる状態である。すなわち、第2の液体冷媒供給源81Bから供給され第2の流入口12Bより冷媒槽11内に流入する温度T2の液体冷媒Lの流量が過大な状態である。
そこで、制御部84は、第1の流量制御手段82Aおよび第2の流量制御手段82Bを制御して、第1の流入口12Aから冷媒槽11内に流入する第1の温度T1の液体冷媒Lの単位時間あたりの流量をVT1b から変更してVT1b ’(VT1b <VT1b ’)とし、第2の流入口12Bから冷媒槽11内に流入する第2の温度T2の液体冷媒Lの単位時間あたりの流量をVT2b から変更してVT2b ’(VT1b >VT2b ’)として、これらの流量の比を特定の流量比Rbから変更して流量比Rb’(Rb’=VT1b ’/VT2b ’)とする。なお、VT1b +VT2b =VT1b ’+VT2b ’=Vs (一定)とする。
制御部84は、特定の流量比Re’を設定することによって冷媒槽11内の液体冷媒Lの温度分布がある程度均一になるまでの時間が経過した後、温度センサー17から冷媒槽11内の液体冷媒Lの温度に関する温度信号を受信する。その後、再び冷媒槽11内の液体冷媒Lの温度の値と温度Tbの値との大小を検定するため、ステップS114に移行する。
ステップS114においてTb−Tb’ <−ΔTbである場合には、冷媒槽11内の液体冷媒Lの温度Tb’ が被処理体Wであるがブルー相パネル材料の液晶層にブルー相を出現させるには高すぎる状態である。すなわち、第1の液体冷媒供給源81Aから供給され第1の流入口Aより槽内に流入する温度T1の液体冷媒Lの流量が過大な状態である。
そこで、制御部84は、第1の流量制御手段81Aおよび第2の流量制御手段81Bを制御して、第1の流入口12Aから冷媒槽11内に流入する第1の温度T1の液体冷媒Lの単位時間あたりの流量をVT1b から変更してVT1b ’ ’(VT1b >VT1b ’ ’)とし、第2の流入口12Bから冷媒槽11内に流入する第2の温度T2の液体冷媒Lの量単位時間あたりの流量をVT2b から変更してVT2b ’ ’(VT2b <VT2b ’ ’)として、これらの流量の比を特定の流量比Rbから変更して流量比Rb’ ’(Rb’ ’=VT1b ’ ’/VT2b ’ ’)とする。なお、VT1b +VT2b =VT1b ’ ’+VT2b ’ ’=Vs (一定)とする。
制御部84は、流量比Rb’’を設定することによって冷媒槽11内の液体冷媒Lの温度分布がある程度均一になるまでの時間が経過した後、温度センサー17から冷媒槽11内の液体冷媒Lの温度に関する温度信号を受信する。その後、再び冷媒槽11内の液体冷媒Lの温度の値と温度Tbの値との大小を検定するため、ステップS114に移行する。
ステップS114において|Tb−Tb’|≦ΔTbである場合には、冷媒槽11内の液体冷媒Lの温度Tb’が被処理体Wであるブルー相パネル材料における液晶層にブルー相を出現させるのに適した温度となっている状態である。よって、他のステップ(具体的には、ステップS115およびステップS116、あるいはステップS117およびステップS118)を経ることなくステップS119に移行する。
制御部84は、被処理体Wであるブルー相パネル材料における液晶層の温度が変化して、当該液晶層がブルー相に転移するまで待機する。
ここに、ブルー相パネル材料の液晶層がブルー相に転移するまでに要する待機時間は、例えば、ステップS114において|Tb−Tb’|≦ΔTbであることが検定されてから、冷媒槽11内の液体冷媒Lの温度分布がある程度均一となり、被処理体Wであるブルー相パネル材料の液晶層が(場所的に)略均一にブルー相に転移するまでの時間であり、この待機時間の値は予め制御部84に記憶されているものとする。待機時間の計時は、例えば、カウンタ(図示省略)などの計時手段を用いて行われる。なお計時手段ならびに計時方法は周知技術であるので、ここでは説明を省略する。
制御部84は、冷媒槽11内の液体冷媒Lの温度分布がある程度均一になるまでの時間(待機時間)が経過し、被処理体Wであるブルー相パネル材料の液晶層においてほぼ均一にブルー相が出現した後、給電手段29にUVランプ20への給電開始信号を送信する。
給電開始信号を受信した給電手段29は、UVランプ20に電力を供給してUVランプ20を点灯させる。
所定時間経過後、制御部84は給電手段29にUVランプ20への給電終了信号を送信する。
ここに、「所定時間」とは、UVランプ20からブルー相パネル材料Wに対して紫外線を含む光の照射が開始されてから、当該ブルー相パネル材料Wの液晶層を構成する紫外線硬化樹脂が硬化して高分子安定化処理工程が終了するまでの時間である。
給電終了信号を受信した給電手段29は、UVランプ20への電力供給を停止してUVランプ20を消灯させる。
従って、第2の液晶パネル製造装置によれば、液体冷媒Lに浸漬した状態の被処理体Wであるブルー相パネル材料の液晶層の全面に均一な光照射を行うことができるため、ブルー相方式の液晶パネル材料が大型のものであっても、液晶層においてブルー相が出現した状態の液晶パネル材料に対して、紫外線光源によって当該液晶パネル材料の液晶層を構成する紫外線硬化性樹脂を硬化させる波長の紫外線を含む光を照射することにより、液晶層をむらのないブルー相状態とすることのできるブルー相方式の液晶パネルを得ることができる。
具体的には、例えば被処理体であるブルー相パネル材料における液晶層を最初に等方相まで加熱した後、徐々に降温させてブルー相まで相転移させてブルー相が出現する温度を保持する場合において、制御部84によって第1の流量制御手段82Aおよび第2の流量制御手段82Bを制御して、第1の流入口12Aから冷媒槽11内に流入する液体冷媒Lの単位時間あたりの流量と第2の流入口12Bから冷媒槽11内に流入する液体冷媒Lの単位時間あたりの流量との比を適宜調整することにより、ブルー相パネル材料における液晶層の温度制御を比較的短時間で行うことが可能となる。
図11は、本発明のブルー相方式の液晶パネル製造装置の構成の更に他の例を、ブルー相方式の液晶パネル材料と共に示す説明図である。
第3の実施の形態に係るブルー相方式の液晶パネル製造装置(以下、「第3の液晶パネル製造装置」ともいう。)は、図1に係る第1の液晶パネル製造装置10において、被処理体Wを冷媒槽11の外部から冷媒槽11内へ搬送して紫外線光源から放射される紫外線を含む光が照射される領域を通過させ、冷媒槽11内から冷媒槽11の外部へと搬送する搬送機構が設けられており、また、冷媒槽11には2つの流入口が具備されていると共に流出口が設けられておらず、当該冷媒槽11の側面部に、当該側面部に沿って冷媒槽11を一巡するように、冷媒槽11の開口縁部から溢れ出る液体冷媒Lを回収するためのバッファー槽93が設けられており、このバッファー槽93に具備されている2つの液体冷媒流出口94および当該2つの流入口12には液体冷媒Lの循環路95が設けられていること以外は、当該図1に係る第1に液晶パネル製造装置10と同様の構成を有するものである。
ここに、被処理体Wであるブルー相パネル材料は、搬送機構によって冷媒槽11の外部から冷媒槽11内へ搬送されて紫外線光源から放射される紫外線を含む光が照射される領域を通過し、冷媒槽11内から冷媒槽11の外部へと搬送される過程において、冷媒槽11内において光照射されることにより、液晶パネル材料の液晶層においてブルー相が出現された状態で紫外線硬化性樹脂が硬化され、ブルー相方式の液晶パネルとされる。
この図の例において、搬送用ローラー駆動制御手段92は、制御部96により、温度センサー17の温度情報に基づいてその操作が制御される。また、制御部96は、搬送用ローラー駆動制御手段92を制御する機能を有すると共に、温度センサー17の温度情報に基づいて液体冷媒循環手段15および温調手段16を制御するする機能を有するものである。
従って、第3の液晶パネル製造装置によれば、液体冷媒Lに浸漬した状態の被処理体Wであるブルー相パネル材料の液晶層の全面に均一な光照射を行うことができるため、ブルー相方式の液晶パネル材料が大型のものであっても、液晶層においてブルー相が出現した状態の液晶パネル材料に対して、紫外線光源によって当該液晶パネル材料の液晶層を構成する紫外線硬化性樹脂を硬化させる波長の紫外線を含む光を照射することにより、液晶層をむらのないブルー相状態とすることのできるブルー相方式の液晶パネルを得ることができる。
例えば、本発明のブルー相方式の液晶パネル製造装置においては、紫外線光源と被処理体としてのブルー相パネル材料とは、液体冷媒が満たされた冷媒槽内において、当該紫外線光源とブルー相パネル材料との間に液体冷媒と大気との境界面が存在しないように配置されていればよく、紫外線光源とブルー相パネル材料との間には、液体冷媒の大気以外のものとの境界面が存在していてもよい。具体的には、例えば紫外線光源とブルー相パネル材料との間に、紫外線に対する透光性を有する板状体が介在されており、当該板状体と液体冷媒との境界面が存在していてもよい。
11 冷媒槽
12,12A,12B 流入口
13 流出口
14 循環路
15 液体冷媒循環手段
16 温調手段
17 温度センサー
18 制御部
19 反射鏡
19A 反射面
20 紫外線ランプ(UVランプ)
28 リード線
29 給電手段
30 エキシマランプ(第1のエキシマランプ)
31 放電容器
32 第1の放電用電極
33 第2の放電用電極
35 シール部
36 シール部材
37 ランプ支持手段
38 遮光膜
40 エキシマランプ(第2のエキシマランプ)
41 放電容器
42 外側管
43 内側管
44 第1の放電用電極
45 第2の放電用電極
50 エキシマランプ(第3のエキシマランプ)
51 放電容器
52 外側管
53 内側管
54 第1の放電用電極
55 第2の放電用電極
60 希ガス蛍光ランプ(第1の二重管型希ガス蛍光ランプ)
60A 希ガス蛍光ランプ本体
61 放電容器
62 アパーチャ部
63 第1の外部電極
64 第2の外部電極
65 紫外線反射膜
66 低軟化点ガラス層
67 蛍光体層
68 外管
69 蓋部材
70 希ガス蛍光ランプ(第2の二重管型希ガス蛍光ランプ)
71 給電端子
74 冷却ガス導入手段
75 冷却ガス導入ノズル
76 冷却ガス排出ノズル
81A 第1の液体冷媒供給源
81B 第2の液体冷媒供給源
82A 第1の流量制御手段
82B 第2の流量制御手段
83A 第1の液体冷媒供給路
83B 第2の液体冷媒供給路
84 制御部
90 ランプ
91 搬送用ローラー
92 搬送用ローラー駆動制御手段
93 バッファー槽
94 液体冷媒流出口
95 循環路
96 制御部
Claims (21)
- 内部に液体冷媒を有し、当該液体冷媒に、液晶、カイラル剤および紫外線硬化性樹脂を含有し、特定の温度でブルー相を示す液晶組成物よりなる液晶層を有するブルー相方式の液晶パネル材料を浸漬するための冷媒槽と、
当該冷媒槽内において液体冷媒に浸漬した状態の液晶パネル材料に当該液晶パネル材料の液晶層を構成する紫外線硬化性樹脂を硬化させる波長の紫外線を含む光を照射する紫外線光源と、
当該紫外線光源に電力を供給する給電手段と、
当該冷媒槽内において液体冷媒に浸漬した状態の液晶パネル材料の温度が当該液晶パネル材料の液晶層においてブルー相が出現するブルー相出現温度となるように、冷媒槽内の液体冷媒の温度を調整する温調手段とを備えてなるブルー相方式の液晶パネル製造装置であって、
前記紫外線光源は、当該紫外線光源と前記液晶パネル材料との間に液体冷媒と大気との境界面が存在しないように配置されており、
前記冷媒槽は、液体冷媒の流入口および流出口を具備し、当該流出口が当該流入口より上方に位置するように設けられており、
当該流入口から冷媒槽内に液体冷媒を供給する液体冷媒供給源を有することを特徴とするブルー相方式の液晶パネル製造装置。 - 前記紫外線光源から放出される紫外線を含む光を反射する反射鏡を更に有し、
当該反射鏡は、当該反射鏡の反射面と当該紫外線光源との間に液体冷媒と大気との境界面が存在しないように配置されることを特徴とする請求項1に記載のブルー相方式の液晶パネル製造装置。 - 前記液体冷媒供給源は、前記流出口から排出される液体冷媒を循環して前記流入口から前記冷媒槽内に流入させる液体冷媒循環手段の一部を構成することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のブルー相方式の液晶パネル製造装置。
- 前記冷媒槽内の液体冷媒の温度を計測する温度センサーと、制御部とを有し、
前記制御部は、前記温度センサーからの液体冷媒の温度情報に基づいて前記温調手段を動作させることにより、冷媒槽内において液体冷媒に浸漬した状態の液晶パネル材料の温度がブルー相出現温度となるように当該冷媒槽内の液体冷媒の温度を制御することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のブルー相方式の液晶パネル製造装置。 - 前記流入口は、第1の流入口と第2の流入口とからなり、
前記液体冷媒供給源は、ブルー相出現温度より高い第1の温度の液体冷媒を当該第1の流入口から冷媒槽内に供給する第1の液体冷媒供給源と、ブルー相出現温度より低い第2の温度の液体冷媒を当該第2の流入口から冷媒槽内に供給する第2の液体冷媒供給源とからなり、
前記第1の流入口と前記第1の液体冷媒供給源との間には、当該第1の流入口から冷媒槽内に流入する液体冷媒の単位時間あたりの流量を制御する第1の流量制御手段が設けられており、
前記第2の流入口と前記第2の液体冷媒供給源との間には、当該第2の流入口から冷媒槽内に流入する液体冷媒の単位時間あたりの流量を制御する第2の流量制御手段が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のブルー相方式の液晶パネル製造装置。 - 前記冷媒槽内の液体冷媒の温度を計測する温度センサーと、制御部とを有し、
前記制御部は、前記温度センサーからの液体冷媒の温度情報に基づいて、前記第1の流入口から冷媒槽内に流入する液体冷媒の単位時間あたりの流量と前記第2の流入口から冷媒槽内に流入する液体冷媒の単位時間あたりの流量との比を調整することにより、冷媒槽内において液体冷媒に浸漬した状態の液晶パネル材料の温度がブルー相出現温度となるように当該冷媒槽内の液体冷媒の温度を制御することを特徴とする請求項5に記載のブルー相方式の液晶パネル製造装置。 - 前記液晶パネル材料を冷媒槽の外部から冷媒槽内へ搬送して前記紫外線光源から放出される紫外線を含む光が照射される領域を通過させ、冷媒槽内において光照射されることにより当該液晶パネル材料の液晶層においてブルー相が出現された状態で紫外線硬化性樹脂が硬化することによって得られたブルー相方式の液晶パネルを冷媒槽内から冷媒槽の外部へと搬送する搬送機構が設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のブルー相方式の液晶パネル製造装置。
- 前記紫外線光源は、複数のエキシマランプを並列に配置してなる構成を有するものであることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載のブルー相方式の液晶パネル製造装置。
- 前記紫外線光源を構成するエキシマランプは、誘電体材料からなり、内部に放電媒質が充填された放電容器の外表面に一方の放電用電極が配置され、他方の放電用電極が当該放電容器の内部に配置され、これらの放電用電極が給電手段と電気的に接続されており、
放電容器の外表面に配置された放電用電極は、グラウンド電位とされているか、もしくは接地されていることを特徴とする請求項8に記載のブルー相方式の液晶パネル製造装置。 - 前記エキシマランプは、前記放電容器の内部にて発生するエキシマ光により励起されて紫外光を放射する蛍光体を含有する蛍光体層が当該放電容器の内表面に設けられていることを特徴とする請求項9に記載のブルー相方式の液晶パネル製造装置。
- 前記紫外線光源を構成するエキシマランプは、内部に放電媒質が充填された、誘電体材料からなる、外形が略円筒状であって一端が封じられ他端が開口した外側管および内側管が略同軸上に配置されており、外側管の開口側の端部と当該内側管の開口側の端部とが封着されてなる放電容器を有し、
一方の放電用電極が当該放電容器の外側管側の外表面に配置され、他方の放電用電極が当該放電容器の内側管側の外表面に配置され、これらの放電用電極が給電手段と電気的に接続されており、
放電容器の外側管側の外表面に配置された放電用電極は、グラウンド電位とされているか、もしくは接地されており、当該放電容器の外側管側の外表面に配置された放電用電極のみが前記冷媒槽内の液体冷媒と接触していることを特徴とする請求項8に記載のブルー相方式の液晶パネル製造装置。 - 前記エキシマランプは、前記放電容器の内部にて発生するエキシマ光により励起されて紫外光を放射する蛍光体を含有する蛍光体層が当該放電容器の外側管側の内表面に設けられていることを特徴とする請求項11に記載のブルー相方式の液晶パネル製造装置。
- 前記紫外線光源を構成するエキシマランプは、内部に放電媒質が充填された、誘電体材料からなる、外形が略円筒状の外側管および内側管が略同軸上に配置されており、当該外側管および当該内側管の各々の両端部が封着されてなる中空円筒状の放電容器を有し、
一方の放電用電極が放電容器の外側管側の外表面に配置され、他方の放電用電極が当該放電容器の内側管側の外表面に配置され、これらの放電用電極が給電手段と電気的に接続されており、
放電容器の外側管側の外表面に配置された放電用電極は、グラウンド電位とされているか、もしくは接地されており、当該放電容器の外側管側の外表面に配置された放電用電極のみが前記冷媒槽内の液体冷媒と接触していることを特徴とする請求項8に記載のブルー相方式の液晶パネル製造装置。 - 前記エキシマランプは、前記放電容器の内部にて発生するエキシマ光により励起されて紫外光を放射する蛍光体を含有する蛍光体層が当該放電容器の外側管側の内表面に設けられていることを特徴とする請求項13に記載のブルー相方式の液晶パネル製造装置。
- 前記紫外線光源は、発光管である放電容器の内部に希ガスが封入され、当該放電容器の外表面に互いに離間して放電容器の管軸方向に沿って一対の外部電極が配設されており、当該一対の外部電極の端部に給電端子が接続されてなる希ガス蛍光ランプの複数が並列に配置されてなる構成を有するものであることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載のブルー相方式の液晶パネル製造装置。
- 前記希ガス蛍光ランプは、前記放電容器を全体に覆う透光性を有する筒状の外管と、当該外管の両端開口を塞ぐ絶縁性を有する蓋部材とを備えており、当該放電容器の外表面に設けられた外部電極に接続された給電端子は、当該蓋部材を貫通して当該外管の外部に突出しており、当該給電端子における突出した部分が給電手段に電気的に接続されていることを特徴とする請求項15に記載のブルー相方式の液晶パネル製造装置。
- 前記給電端子における突出した部分は、前記冷媒槽の外部に露出していることを特徴とする請求項16に記載のブルー相方式の液晶パネル製造装置。
- 前記希ガス蛍光ランプは、冷却ガス導入手段を更に具備し、
前記外管の両端開口を塞ぐ蓋部材は冷媒槽の外部に位置されており、一方の蓋部材には、当該却ガス導入手段から供給される冷却ガスを当該外管の内部に導入する冷却ガス導入部が設けられており、他方の蓋部材には、当該外管の内部に導入された冷却ガスを排出する冷却ガス排出部が設けられていることを特徴とする請求項16または請求項17に記載のブルー相方式の液晶パネル製造装置。 - 前記請求項1乃至請求項18のいずれかに記載のブルー相方式の液晶パネル製造装置を用い、液晶、カイラル剤および紫外線硬化性樹脂を含有し、特定の温度でブルー相を示す液晶組成物よりなる液晶層を有するブルー相方式の液晶パネル材料からブルー相方式の液晶パネルを得るためのブルー相方式の液晶パネルの製造方法であって、
冷媒槽内において液体冷媒に浸漬した状態の液晶パネル材料の液晶層の温度が当該液晶層においてブルー相が出現するブルー相出現温度となるように冷媒槽内の液体冷媒の温度を設定し、
当該液晶層においてブルー相が出現した状態の液晶パネル材料に対して紫外線光源によって当該液晶パネル材料の液晶層を構成する紫外線硬化性樹脂を硬化させる波長の紫外線を含む光を照射する工程を有することを特徴とするブルー相方式の液晶パネルの製造方法。 - 請求項5乃至請求項18のいずれかに記載のブルー相方式の液晶パネル製造装置を用い、液晶、カイラル剤および紫外線硬性樹脂を含有し、特定の温度でブルー相を示す液晶組成物よりなる液晶層を有するブルー相方式の液晶パネル材料からブルー相方式の液晶パネルを得るためのブルー相方式の液晶パネルの製造方法であって、
冷媒槽内に流入する第1の温度の液体冷媒の単位時間あたりの流量と第2の温度の液体冷媒の単位時間あたりの流量との比を調整することにより、冷媒槽内において液体冷媒に浸漬した状態の液晶パネル材料の液晶層の温度が当該液晶層においてブルー相が出現するブルー相出現温度となるように冷媒槽内の液体冷媒の温度を設定し、
当該液晶層においてブルー相が出現した状態の液晶パネル材料に対して紫外線光源によって当該液晶パネル材料の液晶層を構成する紫外線硬化性樹脂を硬化させる波長の紫外線を含む光を照射する工程を有することを特徴とするブルー相方式の液晶パネルの製造方法。 - 冷媒槽内の液体冷媒の温度を計測し、得られた液体冷媒の温度の値に基づいて、前記第1の温度の液体冷媒の単位時間あたりの流量と前記第2の温度の液体冷媒の単位時間あたりの流量との比を調整することを特徴とする請求項20に記載のブルー相方式の液晶パネルの製造方法。
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