特許文献1に記載のように放射線モニターによる放射線量の計測や、特許文献2に記載のように解体前に放射能量の特定をすることは、原子力設備の解体作業や保守点検作業を安全に行ううえで必要である。そして、作業者の被ばく軽減を図るには、放射線の遮蔽を行う必要性がある。
遮蔽を行う場合、放射線の核種、放射線量、放射線源の形状などに対応したものを選択する計画が必要になる。また、遮蔽体の重量が嵩むと設置時間を要するとともにコストが嵩むことになる。よって、より安全で効率的な遮蔽計画を作成することが望まれる。
本発明は上述した課題を解決するものであり、原子力設備において安全で効率的な遮蔽計画を作成することのできる作業計画支援装置および作業計画支援方法を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するために、第1の発明の原子力設備における作業計画支援装置は、表示部と、原子力設備の構成を示す簡易図に関連付けられて前記簡易図内の所定の作業区域および当該作業区域での前記原子力設備を構成する各部品の位置を含む配置図情報を有する配置図データベースと、各前記部品の寸法および材質を含む設計情報を有する部品データベースと、各前記部品の表面での線量当量率および核種を含む放射線情報を有する放射線データベースと、前記表示部に前記簡易図を表示し、当該簡易図で指定された作業区域、当該作業区域での作業日時および作業時間の入力に応じ、前記作業区域の配置図情報、前記作業区域の設計情報、および前記作業区域の放射線情報から前記作業区域の線量当量率を算出して前記配置図に併せて前記表示部に表示し、前記作業区域において前記配置図で指定された代表作業位置の入力に応じ、前記作業区域の配置図情報、前記作業区域の設計情報、および前記作業区域の放射線情報から各前記部品の放射線が前記代表作業位置に影響する放射線影響率を算出して前記放射線影響率の所定範囲ごとの各前記部品に種分けして前記配置図に併せて前記表示部に表示する制御部と、を含むことを特徴とする。
この作業計画支援装置によれば、作業区域の線量当量率を配置図に併せて表示することで、作業に適した作業代表位置を容易に特定することが可能となる。また、特定された当該代表作業位置に影響する放射線影響率の高い部品とその部品の情報とを容易に把握することが可能となり、当該部品に応じた遮蔽材を効率的に選択することができる。
上述の目的を達成するために、第2の発明の原子力設備における作業計画支援装置は、第1の発明において、各前記部品に対応する遮蔽材の形態および放射線の核種や遮蔽能力に対応する遮蔽材の材質や質量を含む遮蔽材情報を有する遮蔽材データベースをさらに含み、前記制御部は、放射線影響率の最も高い前記部品に対応する遮蔽材を遮蔽材情報から取得して前記表示部に表示し、前記遮蔽材の選択入力に応じ、放射線影響率の最も高い前記部品に前記遮蔽材を適用した前記作業区域の線量当量率を算出して前記配置図に併せて前記表示部に表示することを特徴とする。
この作業計画支援装置によれば、作業区域の線量当量率と、作業区域の代表作業位置に影響する放射線影響率の高い部品に対応する遮蔽材と、この遮蔽材を適用した状態での作業区域の線量当量率とを取得することで、放射線影響率の高い部品に応じた遮蔽材の選択と、その遮蔽効果とを知ることができ、作業者への被ばくの影響を軽減する安全な遮蔽計画を作成することができる。しかも、遮蔽材の形態や材質や質量を選択することができるため、費用対効果の効率的な遮蔽計画を作成することができる。
また、第3の発明の原子力設備における作業計画支援装置は、第2の発明において、前記制御部は、前記作業区域の目標線量当量率の入力に応じ、前記遮蔽材を適用した前記作業区域の線量当量率が前記目標線量当量率以下でない場合、前記遮蔽材を増量するとともに、増量した遮蔽材を適用した前記作業区域の線量当量率を算出して前記配置図に併せて前記表示部に表示することを特徴とする。
この作業計画支援装置によれば、目標線量当量率以下となるまで、遮蔽材の選択と、その遮蔽効果とを知ることができ、作業者への被ばくの影響をより軽減する安全な遮蔽計画を作成することができる。しかも、遮蔽材の形態や材質や質量を選択することができるため、費用対効果のより効率的な遮蔽計画を作成することができる。
また、第4の発明の原子力設備における作業計画支援装置は、第2の発明において、前記制御部は、前記作業区域の目標線量当量率の入力に応じ、前記遮蔽材を適用した前記作業区域の線量当量率が前記目標線量当量率以下でない場合、前記遮蔽材を適用した状態で、各前記部品の放射線が前記代表作業位置に影響する放射線影響率を再算出して前記放射線影響率の所定範囲ごとの各前記部品に種分けして前記配置図に併せて前記表示部に表示し、放射線影響率の最も高い前記部品に対応する遮蔽材を遮蔽材情報から取得して前記表示部に表示し、前記遮蔽材の選択入力に応じ、放射線影響率の最も高い前記部品に前記遮蔽材を適用した前記作業区域の線量当量率を算出して前記配置図に併せて前記表示部に表示することを特徴とする。
この作業計画支援装置によれば、目標線量当量率以下となるまで、遮蔽材の選択と、その遮蔽効果とを知ることができ、作業者への被ばくの影響をより軽減する安全な遮蔽計画を作成することができる。しかも、遮蔽材の形態や材質や質量を選択することができるため、費用対効果のより効率的な遮蔽計画を作成することができる。特に、この作業計画支援装置によれば、先の遮蔽材を適用したままで、作業区域において指定された代表作業位置に影響する放射線影響率を再算出することで、代表作業位置に影響する放射線影響率が変わったり、代表作業位置に放射線影響率の最も高い部品が変わったりした場合を確認しつつ、これに対応して遮蔽材を取得することができるため、より安全で効率的な遮蔽計画を作成することができる。
また、第5の発明の原子力設備における作業計画支援装置は、第2〜第4の発明のいずれか一つにおいて、前記放射線データベースは、各前記部品の表面での線量当量率と同日時に計測された原子力設備の空間での線量当量率をさらに含む放射線情報を有しており、前記制御部は、前記遮蔽材を適用する以前の前記代表作業位置での線量当量率を算出し、かつ前記作業区域の放射線情報から前記代表作業位置に最も近い空間で計測された線量当量率を取得して、各線量当量率を比較することで補正係数を設定し、当該補正係数を、前記遮蔽材を適用した線量当量率の算出の補正に用いることを特徴とする。
この作業計画支援装置によれば、補正係数を、遮蔽材を適用した線量当量率の算出の補正に用いることで、より正確な遮蔽材の遮蔽効果を知ることができるため、より安全で効率的な遮蔽計画を作成することができる。
上述の目的を達成するために、第6の発明の原子力設備における作業計画支援装置は、表示部と、原子力設備の構成を示す簡易図に関連付けられて前記簡易図内の所定の作業区域および当該作業区域での前記原子力設備を構成する各部品の位置を含む配置図情報を有する配置図データベースと、各前記部品の各種寸法および材質を含む設計情報を有する部品データベースと、各前記部品の表面での線量当量率および核種を含む放射線情報を有する放射線データベースと、前記表示部に前記簡易図を表示し、当該簡易図で指定された作業区域、当該作業区域での作業日時および作業時間の入力に応じ、前記作業区域の配置図情報、前記作業区域の設計情報、および前記作業区域の放射線情報から前記作業区域の線量当量率を算出して前記配置図に併せて前記表示部に表示し、前記作業区域において前記配置図で指定された複数の代表作業位置の入力に応じ、前記作業区域の配置図情報、前記作業区域の設計情報、および前記作業区域の放射線情報から各前記部品の放射線が各前記代表作業位置に影響する放射線影響率を算出して各前記代表作業位置の数に対応して放射線影響率のある各前記部品に種分けして前記配置図に併せて前記表示部に表示する制御部と、を含むことを特徴とする。
この作業計画支援装置によれば、作業区域の線量当量率を配置図に併せて表示することで、作業に適した作業代表位置を容易に特定することが可能となる。また、作業区域の最も多くの代表作業位置に影響する放射線影響率の高い部品とその部品の情報とを容易に把握することが可能となり、当該部品に応じた遮蔽材を効率的に選択することができる。
上述の目的を達成するために、第7の発明の原子力設備における作業計画支援装置は、第6の発明において、各前記部品に対応する遮蔽材の形態および放射線の核種や遮蔽能力に対応する遮蔽材の材質や質量を含む遮蔽材情報を有する遮蔽材データベースをさらに含み、前記制御部は、最も多くの前記代表作業位置に放射線影響率の高い前記部品に対応する遮蔽材を遮蔽材情報から取得して前記表示部に表示し、前記遮蔽材の選択入力に応じ、最も多くの前記代表作業位置に放射線影響率の高い前記部品に前記遮蔽材を適用した前記作業区域の線量当量率を算出して前記配置図に併せて前記表示部に表示することを特徴とする。
この作業計画支援装置によれば、作業区域の線量当量率と、作業区域の最も多くの代表作業位置に放射線影響率の高い部品に対応する遮蔽材と、この遮蔽材を適用した状態での作業区域の線量当量率とを取得することで、最も多くの代表作業位置に放射線影響率の高い部品に応じた遮蔽材の選択と、その遮蔽効果とを知ることができ、作業者への被ばくの影響を軽減する安全な遮蔽計画を作成することができる。しかも、遮蔽材の形態や材質や質量を選択することができるため、費用対効果の効率的な遮蔽計画を作成することができる。
また、第8の発明の原子力設備における作業計画支援装置は、第7の発明において、前記制御部は、前記作業区域の目標線量当量率の入力に応じ、前記遮蔽材を適用した前記作業区域の線量当量率が前記目標線量当量率以下でない場合、前記遮蔽材を増量するとともに、増量した遮蔽材を適用した前記作業区域の線量当量率を算出して前記配置図に併せて前記表示部に表示することを特徴とする。
この作業計画支援装置によれば、目標線量当量率以下となるまで、遮蔽材の選択と、その遮蔽効果とを知ることができ、作業者への被ばくの影響をより軽減する安全な遮蔽計画を作成することができる。しかも、遮蔽材の形態や材質や質量を選択することができるため、費用対効果のより効率的な遮蔽計画を作成することができる。
また、第9の発明の原子力設備における作業計画支援装置は、第7の発明において、前記制御部は、前記作業区域の目標線量当量率の入力に応じ、前記遮蔽材を適用した前記作業区域の線量当量率が前記目標線量当量率以下でない場合、前記遮蔽材を適用した状態で、各前記部品の放射線が各前記代表作業位置に影響する放射線影響率を再算出して各前記代表作業位置の数に対応して放射線影響率のある各前記部品に種分けして前記配置図に併せて前記表示部に表示し、最も多くの前記代表作業位置に放射線影響率の高い前記部品に対応する遮蔽材を遮蔽材情報から取得して前記表示部に表示し、前記遮蔽材の選択入力に応じ、最も多くの前記代表作業位置に放射線影響率の高い前記部品に前記遮蔽材を適用した前記作業区域の線量当量率を算出して前記配置図に併せて前記表示部に表示することを特徴とする。
この作業計画支援装置によれば、目標線量当量率以下となるまで、遮蔽材の選択と、その遮蔽効果とを知ることができ、作業者への被ばくの影響をより軽減する安全な遮蔽計画を作成することができる。しかも、遮蔽材の形態や材質や質量を選択することができるため、費用対効果のより効率的な遮蔽計画を作成することができる。特に、この作業計画支援装置によれば、先の遮蔽材を適用したままで、作業区域において指定された代表作業位置に影響する放射線影響率を再算出することで、代表作業位置に影響する放射線影響率が変わったり、代表作業位置に放射線影響率の最も高い部品が変わったりした場合を確認しつつ、これに対応して遮蔽材を取得することができるため、より安全で効率的な遮蔽計画を作成することができる。
また、第10の発明の原子力設備における作業計画支援装置は、第7〜第9の発明のいずれか一つにおいて、前記放射線データベースは、各前記部品の表面での線量当量率と同日時に計測された原子力設備の空間での線量当量率をさらに含む放射線情報を有しており、前記制御部は、前記遮蔽材を適用する以前の前記代表作業位置での線量当量率を算出し、かつ前記作業区域の放射線情報から各前記代表作業位置のうち最も近い空間で計測された線量当量率を取得して、距離が近い同士の各線量当量率を比較することで補正係数を設定し、当該補正係数を、前記遮蔽材を適用した線量当量率の算出の補正に用いることを特徴とする。
この作業計画支援装置によれば、補正係数を、遮蔽材を適用した線量当量率の算出の補正に用いることで、より正確な遮蔽材の遮蔽効果を知ることができるため、より安全で効率的な遮蔽計画を作成することができる。
また、上述の目的を達成するために、第11の発明の原子力設備における作業計画支援装置は、原子力設備の構成を示す簡易図に関連付けられて前記簡易図内の所定の作業区域および当該作業区域での前記原子力設備を構成する各部品の位置を含む配置図情報を有する配置図データベースと、各前記部品の寸法および材質を含む設計情報を有する部品データベースと、各前記部品の表面での線量当量率および核種を含む放射線情報を有する放射線データベースと、を含むことを特徴とする。
この作業計画支援装置によれば、上述の配置図データベースと、部品データベースと、放射線データベースとにより、簡易図をキーステーションとし、当該簡易図と関連付けられた配置図によって、原子力設備構成品の属性情報(設計情報、放射線情報を含む)を一元管理することができる。その結果、原子力設備の解体作業や保守点検作業を行う箇所に影響を及ぼす放射線の核種、放射線量、放射線源の形状を容易に特定することが可能となり、その後の遮蔽計画を含む作業計画を効率的に作成することができる。
また、第12の発明の原子力設備における作業計画支援装置は、第1〜第11の発明のいずれか一つにおいて、前記配置図情報は、前記原子力設備の内部を撮像して得られた画像に基づくパノラマ画像を含むことを特徴とする。
この作業計画支援装置によれば、パノラマ画像を用いることで、オペレータが、簡易図で作業区域を指定すれば、その場所でのパノラマ画像が確認できるため、運転中に立入が困難な原子炉格納容器内またはループ室内の状態をいつでも確認できる。また、パノラマ画像は、パノラマ写真と計測された位置とが関連付けられているので、コンピュータによりパノラマ画像の所望の位置を観測することも容易である。このように、パノラマ画像を用いることにより、原子力発電設備の内部の情報を把握する際の利便性が向上する。
上述の目的を達成するために、第13の発明の原子力設備における作業計画支援方法は、表示部と、原子力設備の構成を示す簡易図に関連付けられて前記簡易図内の所定の作業区域および当該作業区域での前記原子力設備を構成する各部品の位置を含む配置図情報を有する配置図データベースと、各前記部品の各種寸法および材質を含む設計情報を有する部品データベースと、各前記部品の表面での線量当量率および核種を含む放射線情報を有する放射線データベースと、を含む作業計画支援装置を用いる原子力設備における作業計画支援方法であって、前記表示部に前記簡易図を表示し、当該簡易図で指定された作業区域、当該作業区域での作業日時および作業時間の入力に応じ、前記作業区域の配置図情報、前記作業区域の設計情報、および前記作業区域の放射線情報から前記作業区域の線量当量率を算出して前記配置図に併せて前記表示部に表示する工程と、次に、前記作業区域において前記配置図で指定された代表作業位置の入力に応じ、前記作業区域の配置図情報、前記作業区域の設計情報、および前記作業区域の放射線情報から各前記部品の放射線が前記代表作業位置に影響する放射線影響率を算出して前記放射線影響率の所定範囲ごとの各前記部品に種分けして前記配置図に併せて前記表示部に表示する工程と、を含むことを特徴とする。
この作業計画支援方法によれば、作業区域の線量当量率を配置図に併せて表示することで、作業に適した作業代表位置を容易に特定することが可能となる。また、作業区域の最も多くの代表作業位置に影響する放射線影響率の高い部品とその部品の情報とを容易に把握することが可能となり、当該部品に応じた遮蔽材を効率的に選択することができる。
また、第14の発明の原子力設備における作業計画支援方法は、第13の発明において、前記作業計画支援装置が、各前記部品に対応する遮蔽材の形態および放射線の核種や遮蔽能力に対応する遮蔽材の材質や質量を含む遮蔽材情報を有する遮蔽材データベースをさらに含み、前記放射線影響率の所定範囲ごとの各前記部品に種分けして前記配置図に併せて前記表示部に表示する工程の後、次に、放射線影響率の最も高い前記部品に対応する遮蔽材を遮蔽材情報から取得して前記表示部に表示する工程と、次に、前記遮蔽材の選択入力に応じ、放射線影響率の最も高い前記部品に前記遮蔽材を適用した前記作業区域の線量当量率を算出して前記配置図に併せて前記表示部に表示する工程と、を含むことを特徴とする。
この作業計画支援方法によれば、作業区域の線量当量率と、作業区域の代表作業位置に影響する放射線影響率の高い部品に対応する遮蔽材と、この遮蔽材を適用した状態での作業区域の線量当量率とを取得することで、放射線影響率の高い部品に応じた遮蔽材の選択と、その遮蔽効果とを知ることができ、作業者への被ばくの影響を軽減する安全な遮蔽計画を作成することができる。しかも、遮蔽材の形態や材質や質量を選択することができるため、費用対効果の効率的な遮蔽計画を作成することができる。
また、第15の発明の原子力設備における作業計画支援方法は、第14の発明において、前記作業区域の目標線量当量率の入力に応じ、前記遮蔽材を適用した前記作業区域の線量当量率が前記目標線量当量率以下でない場合、前記遮蔽材を増量するとともに、増量した遮蔽材を適用した前記作業区域の線量当量率を算出して前記配置図に併せて前記表示部に表示する工程を含むことを特徴とする。
この作業計画支援方法によれば、目標線量当量率以下となるまで、遮蔽材の選択と、その遮蔽効果とを知ることができ、作業者への被ばくの影響をより軽減する安全な遮蔽計画を作成することができる。しかも、遮蔽材の形態や材質や質量を選択することができるため、費用対効果のより効率的な遮蔽計画を作成することができる。
また、第16の発明の原子力設備における作業計画支援方法は、第14の発明において、前記作業区域の目標線量当量率の入力に応じ、前記遮蔽材を適用した前記作業区域の線量当量率が前記目標線量当量率以下でない場合、前記遮蔽材を適用した状態で、各前記部品の放射線が前記代表作業位置に影響する放射線影響率を再算出して前記放射線影響率の所定範囲ごとの各前記部品に種分けして前記配置図に併せて前記表示部に表示し、放射線影響率の最も高い前記部品に対応する遮蔽材を遮蔽材情報から取得して前記表示部に表示し、前記遮蔽材の選択入力に応じ、放射線影響率の最も高い前記部品に前記遮蔽材を適用した前記作業区域の線量当量率を算出して前記配置図に併せて前記表示部に表示する工程を含むことを特徴とする。
この作業計画支援方法によれば、目標線量当量率以下となるまで、遮蔽材の選択と、その遮蔽効果とを知ることができ、作業者への被ばくの影響をより軽減する安全な遮蔽計画を作成することができる。しかも、遮蔽材の形態や材質や質量を選択することができるため、費用対効果のより効率的な遮蔽計画を作成することができる。特に、この作業計画支援方法によれば、先の遮蔽材を適用したままで、作業区域において指定された代表作業位置に影響する放射線影響率を再算出することで、代表作業位置に影響する放射線影響率が変わったり、代表作業位置に放射線影響率の最も高い部品が変わったりした場合を確認しつつ、これに対応して遮蔽材を取得することができるため、より安全で効率的な遮蔽計画を作成することができる。
また、第17の発明の原子力設備における作業計画支援方法は、第14〜第16の発明のいずれか一つにおいて、前記放射線データベースは、各前記部品の表面での線量当量率と同日時に計測された原子力設備の空間での線量当量率をさらに含む放射線情報を有しており、前記遮蔽材を適用する以前の前記代表作業位置での線量当量率を算出し、かつ前記作業区域の放射線情報から前記代表作業位置に最も近い空間で計測された線量当量率を取得して、各線量当量率を比較することで補正係数を設定し、当該補正係数を、前記遮蔽材を適用した線量当量率の算出の補正に用いる工程を含むことを特徴とする。
この作業計画支援方法によれば、補正係数を、遮蔽材を適用した線量当量率の算出の補正に用いることで、より正確な遮蔽材の遮蔽効果を知ることができるため、より安全で効率的な遮蔽計画を作成することができる。
上述の目的を達成するために、第18の発明の原子力設備における作業計画支援方法は、表示部と、原子力設備の構成を示す簡易図に関連付けられて前記簡易図内の所定の作業区域および当該作業区域での前記原子力設備を構成する各部品の位置を含む配置図情報を有する配置図データベースと、各前記部品の各種寸法および材質を含む設計情報を有する部品データベースと、各前記部品の表面での線量当量率および核種を含む放射線情報を有する放射線データベースと、を含む作業計画支援装置を用いる原子力設備における作業計画支援方法であって、前記表示部に前記簡易図を表示し、当該簡易図で指定された作業区域、当該作業区域での作業日時および作業時間の入力に応じ、前記作業区域の配置図情報、前記作業区域の設計情報、および前記作業区域の放射線情報から前記作業区域の線量当量率を算出して前記配置図に併せて前記表示部に表示する工程と、前記作業区域において前記配置図で指定された複数の代表作業位置の入力に応じ、前記作業区域の配置図情報、前記作業区域の設計情報、および前記作業区域の放射線情報から各前記部品の放射線が各前記代表作業位置に影響する放射線影響率を算出して各前記代表作業位置の数に対応して放射線影響率のある各前記部品に種分けして前記配置図に併せて前記表示部に表示する工程と、を含むことを特徴とする。
この作業計画支援装置によれば、作業区域の線量当量率を配置図に併せて表示することで、作業に適した作業代表位置を容易に特定することが可能となる。また、作業区域の最も多くの代表作業位置に影響する放射線影響率の高い部品とその部品の情報とを容易に把握することが可能となり、当該部品に応じた遮蔽材を効率的に選択することができる。
また、第19の発明の原子力設備における作業計画支援方法は、第18の発明において、前記作業計画支援装置が、各前記部品に対応する遮蔽材の形態および放射線の核種や遮蔽能力に対応する遮蔽材の材質や質量を含む遮蔽材情報を有する遮蔽材データベースをさらに含み、各前記代表作業位置の数に対応して放射線影響率のある各前記部品に種分けして前記配置図に併せて前記表示部に表示する工程の後、次に、最も多くの前記代表作業位置に放射線影響率の高い前記部品に対応する遮蔽材を遮蔽材情報から取得して前記表示部に表示する工程と、次に、前記遮蔽材の選択入力に応じ、最も多くの前記代表作業位置に放射線影響率の高い前記部品に前記遮蔽材を適用した前記作業区域の線量当量率を算出して前記配置図に併せて前記表示部に表示する工程と、を含むことを特徴とする。
この作業計画支援方法によれば、作業区域の線量当量率と、作業区域の最も多くの代表作業位置に放射線影響率の高い部品に対応する遮蔽材と、この遮蔽材を適用した状態での作業区域の線量当量率とを取得することで、最も多くの代表作業位置に放射線影響率の高い部品に応じた遮蔽材の選択と、その遮蔽効果とを知ることができ、作業者への被ばくの影響を軽減する安全な遮蔽計画を作成することができる。しかも、遮蔽材の形態や材質や質量を選択することができるため、費用対効果の効率的な遮蔽計画を作成することができる。
また、第20の発明の原子力設備における作業計画支援方法は、第19の発明において、前記作業区域の目標線量当量率の入力に応じ、前記遮蔽材を適用した前記作業区域の線量当量率が前記目標線量当量率以下でない場合、前記遮蔽材を増量するとともに、増量した遮蔽材を適用した前記作業区域の線量当量率を算出して前記配置図に併せて前記表示部に表示する工程を含むことを特徴とする。
この作業計画支援方法によれば、目標線量当量率以下となるまで、遮蔽材の選択と、その遮蔽効果とを知ることができ、作業者への被ばくの影響をより軽減する安全な遮蔽計画を作成することができる。しかも、遮蔽材の形態や材質や質量を選択することができるため、費用対効果のより効率的な遮蔽計画を作成することができる。
また、第21の発明の原子力設備における作業計画支援方法は、第19の発明において、前記作業区域の目標線量当量率の入力に応じ、前記遮蔽材を適用した前記作業区域の線量当量率が前記目標線量当量率以下でない場合、前記遮蔽材を適用した状態で、各前記部品の放射線が各前記代表作業位置に影響する放射線影響率を再算出して各前記代表作業位置の数に対応して放射線影響率のある各前記部品に種分けして前記配置図に併せて前記表示部に表示し、最も多くの前記代表作業位置に放射線影響率の高い前記部品に対応する遮蔽材を遮蔽材情報から取得して前記表示部に表示し、前記遮蔽材の選択入力に応じ、最も多くの前記代表作業位置に放射線影響率の高い前記部品に前記遮蔽材を適用した前記作業区域の線量当量率を算出して前記配置図に併せて前記表示部に表示する工程を含むことを特徴とする。
この作業計画支援方法によれば、目標線量当量率以下となるまで、遮蔽材の選択と、その遮蔽効果とを知ることができ、作業者への被ばくの影響をより軽減する安全な遮蔽計画を作成することができる。しかも、遮蔽材の形態や材質や質量を選択することができるため、費用対効果のより効率的な遮蔽計画を作成することができる。特に、この作業計画支援方法によれば、先の遮蔽材を適用したままで、作業区域において指定された代表作業位置に影響する放射線影響率を再算出することで、代表作業位置に影響する放射線影響率が変わったり、代表作業位置に放射線影響率の最も高い部品が変わったりした場合を確認しつつ、これに対応して遮蔽材を取得することができるため、より安全で効率的な遮蔽計画を作成することができる。
また、第22の発明の原子力設備における作業計画支援方法は、第19〜第21の発明のいずれか一つにおいて、前記放射線データベースは、各前記部品の表面での線量当量率と同日時に計測された原子力設備の空間での線量当量率をさらに含む放射線情報を有しており、前記遮蔽材を適用する以前の前記代表作業位置での線量当量率を算出し、かつ前記作業区域の放射線情報から各前記代表作業位置のうち最も近い空間で計測された線量当量率を取得して、距離が近い同士の各線量当量率を比較することで補正係数を設定し、当該補正係数を、前記遮蔽材を適用した線量当量率の算出の補正に用いる工程を含むことを特徴とする。
この作業計画支援方法によれば、補正係数を、遮蔽材を適用した線量当量率の算出の補正に用いることで、より正確な遮蔽材の遮蔽効果を知ることができるため、より安全で効率的な遮蔽計画を作成することができる。
本発明によれば、安全で効率的な遮蔽計画を作成することができる。
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。
図1は、本実施形態に係る原子力設備における作業計画支援装置の構成図である。本実施形態に係る原子力設備における作業計画支援装置(以下、作業計画支援装置という)1は、原子力設備としての、例えば、原子力発電設備100の解体や点検に際して行う放射線の遮蔽の計画を支援するためのものである。
作業計画支援装置1は、コンピュータ2と、画像表示装置(表示部)5と、入力装置6とを有する。コンピュータ2は、制御部3と記憶部4とを有する。制御部3は、例えば、CPU(Central Processing Unit:中央演算装置)である。制御部3は、入力装置6からの命令またはデータの入力を受け付けたり、原子力発電設備100における遮蔽計画情報を取得して記憶部4に記憶させたりする。記憶部4は、一例として、ハードディスク装置または半導体記憶デバイスである。記憶部4は、コンピュータ2と通信回線を通じて接続されるもの(例えば、データサーバー)であってもよい。画像表示装置5は、画面5Dを有し、画面5Dに画像、主に、原子力発電設備100における遮蔽計画情報を表示する。入力装置6は、制御部3に遮蔽計画情報を読み出すための命令を入力する。本実施形態において、入力装置6は、キーボード6Kおよびマウス6Mを有するが、入力装置6はこれらに限定されるものではない。
図2は、本実施形態に係る原子力設備における作業計画支援装置が用いる簡易図の一例を示す説明図であり、図3は、本実施形態に係る原子力設備における作業計画支援装置が用いる配置図の一例を示す説明図である。本実施形態において、作業計画支援装置1は、簡易図10と、配置図としてのアイソメトリック図20とを用い、配置図に併せて原子力発電設備100の遮蔽計画情報を画像表示装置5の画面5Dに表示させる。
簡易図10は、図2に示すように、原子力発電設備100の部品である配管11や機器12の接続関係を模式的に記述した図である。機器12は、配管11を除いたものであって、例えば、弁12Aおよびポンプ12Bなどが挙げられる。簡易図10は、部品の接続関係を模式的に記述したものであるため、部品の詳細な構造は把握することができない。
一般に、アイソメトリック図20とは、立体を斜めから見た図を表示する方法によって得られる図の1つであって、等角投影図のことである。アイソメトリック図20は、X、Y、Z軸がそれぞれ等しい角度で、つまり120度間隔で見える角度で立体を投影した図である。このアイソメトリック図20は、遠近法は使用しないため、立体の表現力はあまり高くない。しかし、アイソメトリック図20は、例えば、部品である配管11の経路が正確な状態を維持して表示できるため、CAD(Computer Aided Design)に適した表示方法である。本実施形態では、配管11や機器12の詳細な構造を表示する際にアイソメトリック図20を用いる。なお、配置図はアイソメトリック図20に限定されるものではなく、3次元の立体構成図などを用いてもよい。
図4は、本実施形態に係る原子力設備における作業計画支援装置の記憶部が有する配置図データベースの概念図であり、図5は、本実施形態に係る原子力設備における作業計画支援装置の記憶部が有する部品データベースの概念図であり、図6は、本実施形態に係る原子力設備における作業計画支援装置の記憶部が有する放射線データベースの概念図であり、図7は、本実施形態に係る原子力設備における作業計画支援装置の記憶部が有する遮蔽材データベースの概念図である。
本実施形態において、作業計画支援装置1は、配置図データベース4A、部品データベース4B、放射線データベース4C、および遮蔽材データベース4Dを用いて遮蔽の計画、すなわち配管11や機器12などの部品への遮蔽部材の設置の計画を行う。これら、配置図データベース4A、部品データベース4B、放射線データベース4C、および遮蔽材データベース4Dは、図1に示す作業計画支援装置1の記憶部4に記憶されている。
図4に示すように、配置図データベース4Aは、原子力発電設備100の構成を示す簡易図10が有する部品(配管11や機器12)の位置情報R(R1、R2・・・Rn)と、位置情報Rに対応する作業区域および当該作業区域に存在する部品を記述した配置図情報I(I1、I2・・・In)とが関連付けて記述されたものである。位置情報Rは、例えば、図2に示すように、作業区域および作業区域での部品の位置を示す情報であり、部品を特定するための情報である。また、作業区域とは、簡易図10に示された部品の解体や点検を行うために当該部品を含む空間を示す。配置図情報Iは、例えば、アイソメトリック図20であり、作業区域での部品の詳細な外形を示した図であって、3DのCADデータである。簡易図10は、原子力発電設備100が有する部品を模式的かつ簡略化して示したもので部品の詳細な構造は不明であるが、図3に示すアイソメトリック図20は、簡易図10で示す部品の詳細な構造を示すことができる。なお、配置図情報Iは、作業計画支援装置1のコンピュータ2と通信回線を介して接続されるデータサーバーなどの記憶部に記憶されていてもよい。
図5に示すように、部品データベース4Bは、配置図情報Iが有する部品(配管11や機器12)の部品情報P(P1、P2・・・Pn)と、部品の設計情報A(A1、A2・・・An)とが関連付けて記述されたものである。部品情報Pは、図3に示すように、配置図情報Iに記述された部品を特定するためのものである。設計情報Aは、部品情報Pで特定される部品の長さや外径や肉厚などの寸法、および材質を含む設計時のものである。なお、設計情報Aは、作業計画支援装置1のコンピュータ2と通信回線を介して接続されるデータサーバーなどの記憶部に記憶されていてもよい。
図6に示すように、放射線データベース4Cは、配置図情報Iが有する部品(配管11や機器12)の部品情報P(P1、P2・・・Pn)と、部品の表面で計測された線量当量率および核種を含む放射線情報B(B1、B2・・・Bn)とが関連付けて記述されたものである。また、放射線データベース4Cは、配置図情報Iが有する空間の所定の場所情報Q(Q1、Q2・・・Qn)と、当該所定の場所で計測された実サーべイデータである線量当量率および核種を含む放射線情報C(C1、C2・・・Cn)とが関連付けて記述されたものである。この放射線データベース4Cにおいて、放射線情報Bと放射線情報Cとは、同日時に計測されたものである。なお、放射線情報B、Cは、作業計画支援装置1のコンピュータ2と通信回線を介して接続されるデータサーバーなどの記憶部に記憶されていてもよい。
図7に示すように、遮蔽材データベース4Dは、配置図情報Iが有する部品(配管11や機器12)の部品情報P(P1、P2・・・Pn)と、当該部品情報Pにおける各部品に対応する遮蔽材の形態の遮蔽材情報D(D1、D2・・・Dn)とが関連付けて記述されたものである。また、遮蔽材データベース4Dは、放射線の核種S(S1、S2・・・Sn)に対応する遮蔽材の材質や質量を含む遮蔽材情報E(E1、E2・・・En)を有する。また、遮蔽材データベース4Dは、放射線を遮蔽する遮蔽能力T(T1、T2・・・Tn)に対応する遮蔽材の材質や質量を含む遮蔽材情報F(F1、F2・・・Fn)を有する。また、遮蔽材情報D、E、Fは、遮蔽材の形態(遮蔽材情報D)や、遮蔽材の材質や質量(遮蔽材情報E、F)による遮蔽材の搬送・製造に係るコスト情報が含まれている。なお、遮蔽材情報D、E、Fは、作業計画支援装置1のコンピュータ2と通信回線を介して接続されるデータサーバーなどの記憶部に記憶されていてもよい。
図8は、本実施形態に係る原子力設備における作業計画支援装置の処理手順を示すフローチャートである。本実施形態において、オペレータが原子力発電設備100の遮蔽計画を作成する場合、作業計画支援装置1の制御部3は、画像表示装置5の画面5Dに簡易図10(図2参照)を表示させる(ステップS1)。この状態で、例えば、オペレータが入力装置6のマウス6Mを用いることにより、画面5Dに示されたポインタPoで解体や点検を行う部品(配管11や機器12)を指定する(ステップS2)。すると、制御部3は、記憶部4から配置図データベース4Aを読み出す。また、簡易図10が表示された状態で、オペレータが上述のごとく解体や点検を行う部品の指定とともに、例えば、入力装置6のキーボード6Kを用いることにより作業日時および作業時間を入力する(ステップS2)。すると、制御部3は、記憶部4から部品データベース4Bおよび放射線データベース4Cを読み出す。そして、制御部3は、指定された部品の位置情報R1に対応する作業区域を決定し、この作業区域の配置図である配置図情報I1(図3参照)を読み出して、画像表示装置5の画面5Dに表示するとともに、部品データベース4Bの設計情報A(A1、A2・・・An)、および放射線データベース4Cの放射線情報B(B1、B2・・・Bn)から、入力した作業時間での作業区域の線量当量率を算出しアイソメトリック図20に併せて表示する(ステップS3)。この線量当量率の表示は、例えば、線量当量率を高中低の3つに分けて線量当量率の高い順に赤黄青のように各部品を色分けして表示する。
次に、線量当量率がアイソメトリック図20に併せて表示された状態で、例えば、オペレータが入力装置6のマウス6Mを用いることにより、画面5Dに示されたポインタPoで作業区域において代表作業位置W(図3参照)を指定する(ステップS4)。すると、制御部3は、記憶部4から配置図データベース4A、部品データベース4Bおよび放射線データベース4Cを読み出す。そして、制御部3は、部品データベース4Bの設計情報A(A1、A2・・・An)、および放射線データベース4Cの放射線情報B(B1、B2・・・Bn)から、配置図データベース4Aのアイソメトリック図20で示される作業区域において指定された代表作業位置Wに影響する放射線影響率を算出し、放射線影響率の所定範囲ごとの部品に種分けしてアイソメトリック図20に併せて画像表示装置5の画面5Dに表示する(ステップS5)。この放射線影響率の表示は、例えば、放射線影響率を高中低の3つに分けて放射線影響率の高い順に赤黄青のように各部品を色分けして表示する。また、放射線影響率は、指定された代表作業位置Wに影響するものであるから、ステップS3にて表示した線量当量率と異なる場合や同じ場合がある。
次に、制御部3は、記憶部4から遮蔽材データベース4Dを読み出す。そして、制御部3は、遮蔽材データベース4Dの遮蔽材情報D(D1、D2・・・Dn)、遮蔽材情報E(E1、E2・・・En)、および遮蔽材情報F(F1、F2・・・Fn)から、放射線影響率の最も高い部品に対応する遮蔽材のモデルを取得して画像表示装置5の画面5Dに表示する(ステップS6)。遮蔽材のモデルは、部品の形態に合わせた形態のもので、代表作業位置Wに影響する放射線の核種に対応する材質であって、当該放射線を遮蔽して代表作業位置Wに影響する放射線を低減する質量のものが複数表示される。
次に、遮蔽材のモデルが表示された状態で、例えば、オペレータが入力装置6のマウス6Mを用いることにより、画面5Dに示されたポインタPoで遮蔽材のモデルを選択する(ステップS7)。すると、制御部3は、選択された遮蔽材のモデルを代表作業位置Wに放射線影響率の最も高い部品に適用し、作業区域の線量当量率を算出してアイソメトリック図20に併せて画像表示装置5の画面5Dに表示する(ステップS8)。
このように、本実施形態の作業計画支援装置1は、画像表示装置(表示部)5と、原子力発電設備(原子力設備)100の構成を示す簡易図10に関連付けられて簡易図10内の所定の作業区域および当該作業区域での原子力発電設備100を構成する各部品(配管11や機器12)の位置を含む配置図情報Iを有する配置図データベース4Aと、各部品の寸法および材質を含む設計情報Aを有する部品データベース4Bと、各部品の表面での線量当量率および核種を含む放射線情報Bを有する放射線データベース4Cと、画像表示装置5に簡易図10を表示し、当該簡易図10で指定された作業区域、当該作業区域での作業日時および作業時間の入力に応じ、作業区域の配置図情報I、作業区域の設計情報A、および作業区域の放射線情報Bから作業区域の線量当量率を算出してアイソメトリック図20に併せて画像表示装置5に表示し、作業区域においてアイソメトリック図20で指定された代表作業位置Wの入力に応じ、作業区域の配置図情報I、作業区域の設計情報A、および作業区域の放射線情報Bから各部品の放射線が代表作業位置Wに影響する放射線影響率を算出して放射線影響率の所定範囲ごとの各部品に種分けしてアイソメトリック図20に併せて画像表示装置5に表示する制御部3と、を含む。
また、本実施形態の作業計画支援方法は、画像表示装置(表示部)5と、原子力発電設備(原子力設備)100の構成を示す簡易図10に関連付けられて簡易図10内の所定の作業区域および当該作業区域での原子力発電設備100を構成する各部品(配管11や機器12)の位置を含む配置図情報Iを有する配置図データベース4Aと、各部品の寸法および材質を含む設計情報Aを有する部品データベース4Bと、各部品の表面での線量当量率および核種を含む放射線情報Bを有する放射線データベース4Cと、を含む作業計画支援装置1を用いる作業計画支援方法であって、画像表示装置5に簡易図10を表示し、当該簡易図10で指定された作業区域、当該作業区域での作業日時および作業時間の入力に応じ、作業区域の配置図情報I、作業区域の設計情報A、および作業区域の放射線情報Bから作業区域の線量当量率を算出してアイソメトリック図20に併せて画像表示装置5に表示する工程と、次に、作業区域においてアイソメトリック図20で指定された代表作業位置Wの入力に応じ、作業区域の配置図情報I、作業区域の設計情報A、および作業区域の放射線情報Bから各部品の放射線が代表作業位置Wに影響する放射線影響率を算出して放射線影響率の所定範囲ごとの各部品に種分けしてアイソメトリック図20に併せて画像表示装置5に表示する工程と、を含む。
この作業計画支援装置1および作業計画支援方法によれば、作業区域の線量当量率をアイソメトリック図20に併せて表示することで、作業に適した作業代表位置を容易に特定することが可能となる。また、特定された当該代表作業位置に影響する放射線影響率の高い部品とその部品の情報とを容易に把握することが可能となり、当該部品に応じた遮蔽材を効率的に選択することができる。
また、本実施形態の作業計画支援装置1は、画像表示装置(表示部)5と、原子力発電設備(原子力設備)100の構成を示す簡易図10に関連付けられて簡易図10内の所定の作業区域および当該作業区域での原子力発電設備100を構成する各部品(配管11や機器12)の位置を含む配置図情報Iを有する配置図データベース4Aと、各部品の寸法および材質を含む設計情報Aを有する部品データベース4Bと、各部品の表面での線量当量率および核種を含む放射線情報Bを有する放射線データベース4Cと、各部品に対応する遮蔽材の形態および放射線の核種Sや遮蔽能力Tに対応する遮蔽材の材質や質量を含む遮蔽材情報D、E、Fを有する遮蔽材データベース4Dと、画像表示装置5に簡易図10を表示し、当該簡易図10で指定された作業区域、当該作業区域での作業日時および作業時間の入力に応じ、作業区域の配置図情報I、作業区域の設計情報A、および作業区域の放射線情報Bから作業区域の線量当量率を算出してアイソメトリック図20に併せて画像表示装置5に表示し、作業区域においてアイソメトリック図20で指定された代表作業位置Wの入力に応じ、作業区域の配置図情報I、作業区域の設計情報A、および作業区域の放射線情報Bから各部品の放射線が代表作業位置Wに影響する放射線影響率を算出して放射線影響率の所定範囲ごとの各部品に種分けしてアイソメトリック図20に併せて画像表示装置5に表示し、放射線影響率の最も高い部品に対応する遮蔽材を遮蔽材情報D、E、Fから取得して画像表示装置5に表示し、遮蔽材の選択入力に応じ、放射線影響率の最も高い部品に遮蔽材を適用した作業区域の線量当量率を算出してアイソメトリック図20に併せて画像表示装置5に表示する制御部3と、を含む。
また、本実施形態の作業計画支援方法は、画像表示装置(表示部)5と、原子力発電設備(原子力設備)100の構成を示す簡易図10に関連付けられて簡易図10内の所定の作業区域および当該作業区域での原子力発電設備100を構成する各部品(配管11や機器12)の位置を含む配置図情報Iを有する配置図データベース4Aと、各部品の寸法および材質を含む設計情報Aを有する部品データベース4Bと、各部品の表面での線量当量率および核種を含む放射線情報Bを有する放射線データベース4Cと、各部品に対応する遮蔽材の形態および放射線の核種Sや遮蔽能力Tに対応する遮蔽材の材質や質量を含む遮蔽材情報D、E、Fを有する遮蔽材データベース4Dと、を含む作業計画支援装置1を用いる作業計画支援方法であって、画像表示装置5に簡易図10を表示し、当該簡易図10で指定された作業区域、当該作業区域での作業日時および作業時間の入力に応じ、作業区域の配置図情報I、作業区域の設計情報A、および作業区域の放射線情報Bから作業区域の線量当量率を算出してアイソメトリック図20に併せて画像表示装置5に表示する工程と、次に、作業区域においてアイソメトリック図20で指定された代表作業位置Wの入力に応じ、作業区域の配置図情報I、作業区域の設計情報A、および作業区域の放射線情報Bから各部品の放射線が代表作業位置Wに影響する放射線影響率を算出して放射線影響率の所定範囲ごとの各部品に種分けしてアイソメトリック図20に併せて画像表示装置5に表示する工程と、次に、放射線影響率の最も高い部品に対応する遮蔽材を遮蔽材情報D、E、Fから取得して画像表示装置5に表示する工程と、次に、遮蔽材の選択入力に応じ、放射線影響率の最も高い部品に遮蔽材を適用した作業区域の線量当量率を算出してアイソメトリック図20に併せて画像表示装置5に表示する工程と、を含む。
この作業計画支援装置1および作業計画支援方法によれば、作業区域の線量当量率と、作業区域の代表作業位置Wに影響する放射線影響率の高い部品に対応する遮蔽材と、この遮蔽材を適用した状態での作業区域の線量当量率とを取得することで、放射線影響率の高い部品に応じた遮蔽材の選択と、その遮蔽効果とを知ることができ、作業者への被ばくの影響を軽減する安全な遮蔽計画を作成することが可能になる。しかも、遮蔽材の形態や材質や質量を選択することができるため、費用対効果の効率的な遮蔽計画を作成することが可能になる。
[第1変形例]
図9は、本実施形態の第1変形例に係る原子力設備における作業計画支援装置の処理手順を示すフローチャートである。第1変形例では、上述した実施形態の作業計画支援装置1が用いられ、その処理手順として、目標線量当量率が入力される点が異なる。従って、以下に説明する第1変形例では、上述した実施形態と同様の箇所には同一の符号を付して説明する。
オペレータが原子力発電設備100の遮蔽計画を作成する場合、作業計画支援装置1の制御部3は、画像表示装置5の画面5Dに簡易図10(図2参照)を表示させる(ステップS1)。この状態で、例えば、オペレータが入力装置6のマウス6Mを用いることにより、画面5Dに示されたポインタPoで解体や点検を行う部品(配管11や機器12)を指定する(ステップS2)。すると、制御部3は、記憶部4から配置図データベース4Aを読み出す。また、簡易図10が表示された状態で、オペレータが上述のごとく解体や点検を行う部品の指定とともに、例えば、入力装置6のキーボード6Kを用いることにより作業日時および作業時間を入力する(ステップS2)。すると、制御部3は、記憶部4から部品データベース4Bおよび放射線データベース4Cを読み出す。そして、制御部3は、指定された部品の位置情報R1に対応する作業区域を決定し、この作業区域の配置図である配置図情報I1(図3参照)を読み出して、画像表示装置5の画面5Dに表示するとともに、部品データベース4Bの設計情報A(A1、A2・・・An)、および放射線データベース4Cの放射線情報B(B1、B2・・・Bn)から、入力した作業時間での作業区域の線量当量率を算出しアイソメトリック図20に併せて表示する(ステップS3)。この線量当量率の表示は、例えば、線量当量率を高中低の3つに分けて線量当量率の高い順に赤黄青のように各部品を色分けして表示する。
次に、線量当量率がアイソメトリック図20に併せて表示された状態で、例えば、オペレータが入力装置6のキーボード6Kを用いることにより作業区域の目標線量当量率を入力する(ステップS11)。目標線量当量率とは、入力した作業区域での作業時間において作業者の被ばくを軽減する目標の線量当量率であり、アイソメトリック図20に併せて表示された線量当量率を確認したうえで設定することができる。
次に、線量当量率がアイソメトリック図20に併せて表示された状態で、例えば、オペレータが入力装置6のマウス6Mを用いることにより、画面5Dに示されたポインタPoで作業区域において代表作業位置W(図3参照)を指定する(ステップS4)。すると、制御部3は、記憶部4から配置図データベース4A、部品データベース4Bおよび放射線データベース4Cを読み出す。そして、制御部3は、部品データベース4Bの設計情報A(A1、A2・・・An)、および放射線データベース4Cの放射線情報B(B1、B2・・・Bn)から、配置図データベース4Aのアイソメトリック図20で示される作業区域において指定された代表作業位置Wに影響する放射線影響率を算出し、放射線影響率の所定範囲ごとの部品に種分けしてアイソメトリック図20に併せて画像表示装置5の画面5Dに表示する(ステップS5)。この放射線影響率の表示は、例えば、放射線影響率を高中低の3つに分けて放射線影響率の高い順に赤黄青のように各部品を色分けして表示する。また、放射線影響率は、指定された代表作業位置Wに影響するものであるから、ステップS3にて表示した線量当量率と異なる場合や同じ場合がある。
次に、制御部3は、記憶部4から遮蔽材データベース4Dを読み出す。そして、制御部3は、遮蔽材データベース4Dの遮蔽材情報D(D1、D2・・・Dn)、遮蔽材情報E(E1、E2・・・En)、および遮蔽材情報F(F1、F2・・・Fn)から、放射線影響率の最も高い部品に対応する遮蔽材のモデルを取得して画像表示装置5の画面5Dに表示する(ステップS6)。遮蔽材のモデルは、部品の形態に合わせた形態のもので、代表作業位置Wに影響する放射線の核種に対応する材質であって、当該放射線を遮蔽して代表作業位置Wに影響する放射線を低減する質量のものが複数表示される。
次に、遮蔽材のモデルが表示された状態で、例えば、オペレータが入力装置6のマウス6Mを用いることにより、画面5Dに示されたポインタPoで遮蔽材のモデルを選択する(ステップS7)。すると、制御部3は、選択された遮蔽材のモデルを代表作業位置Wに放射線影響率の最も高い部品に適用し、作業区域の線量当量率を算出してアイソメトリック図20に併せて画像表示装置5の画面5Dに表示する(ステップS8)。
次に、制御部3は、遮蔽材を適用して算出した作業区域の線量当量率を、ステップS11で入力された目標線量当量率と比較し、遮蔽材を適用して算出した作業区域の線量当量率が目標線量当量率以下であれば(ステップS12:Yes)、本処理を終了する。一方、制御部3は、遮蔽材を適用して算出した作業区域の線量当量率が目標線量当量率以下でない場合(ステップS12:No)、質量を増量した遮蔽材のモデルを取得する(ステップS13)。そして、制御部3は、ステップS8に戻り、新たな遮蔽材を代表作業位置Wに放射線影響率の最も高い部品に適用し、作業区域の線量当量率を算出してアイソメトリック図20に併せて画像表示装置5の画面5Dに表示する。
このように、第1変形例の作業計画支援装置1は、上述した実施形態において、制御部3は、作業区域の目標線量当量率の入力に応じ、遮蔽材を適用した作業区域の線量当量率が目標線量当量率以下でない場合、遮蔽材を増量するとともに、増量した遮蔽材を適用した作業区域の線量当量率を算出してアイソメトリック図20に併せて画像表示装置5に表示する。
また、第1変形例の作業計画支援方法は、上述した実施形態において、作業区域の目標線量当量率の入力に応じ、遮蔽材を適用した作業区域の線量当量率が目標線量当量率以下でない場合、遮蔽材を増量するとともに、増量した遮蔽材を適用した作業区域の線量当量率を算出してアイソメトリック図20に併せて画像表示装置5に表示する工程を含む。
この作業計画支援装置1および作業計画支援方法によれば、目標線量当量率以下となるまで、遮蔽材の選択と、その遮蔽効果とを知ることができ、作業者への被ばくの影響をより軽減する安全な遮蔽計画を作成することが可能になる。しかも、遮蔽材の形態や材質や質量を選択することができるため、費用対効果のより効率的な遮蔽計画を作成することが可能になる。
[第2変形例]
図10は、本実施形態の第2変形例に係る原子力設備における作業計画支援装置の処理手順を示すフローチャートである。第2変形例では、上述した実施形態の作業計画支援装置1が用いられ、その処理手順として、目標線量当量率が入力される点が異なる。従って、以下に説明する第2変形例では、上述した実施形態と同様の箇所には同一の符号を付して説明する。
オペレータが原子力発電設備100の遮蔽計画を作成する場合、作業計画支援装置1の制御部3は、画像表示装置5の画面5Dに簡易図10(図2参照)を表示させる(ステップS1)。この状態で、例えば、オペレータが入力装置6のマウス6Mを用いることにより、画面5Dに示されたポインタPoで解体や点検を行う部品(配管11や機器12)を指定する(ステップS2)。すると、制御部3は、記憶部4から配置図データベース4Aを読み出す。また、簡易図10が表示された状態で、オペレータが上述のごとく解体や点検を行う部品の指定とともに、例えば、入力装置6のキーボード6Kを用いることにより作業日時および作業時間を入力する(ステップS2)。すると、制御部3は、記憶部4から部品データベース4Bおよび放射線データベース4Cを読み出す。そして、制御部3は、指定された部品の位置情報R1に対応する作業区域を決定し、この作業区域の配置図である配置図情報I1(図3参照)を読み出して、画像表示装置5の画面5Dに表示するとともに、部品データベース4Bの設計情報A(A1、A2・・・An)、および放射線データベース4Cの放射線情報B(B1、B2・・・Bn)から、入力した作業時間での作業区域の線量当量率を算出しアイソメトリック図20に併せて表示する(ステップS3)。この線量当量率の表示は、例えば、線量当量率を高中低の3つに分けて線量当量率の高い順に赤黄青のように各部品を色分けして表示する。
次に、線量当量率がアイソメトリック図20に併せて表示された状態で、例えば、オペレータが入力装置6のキーボード6Kを用いることにより作業区域の目標線量当量率を入力する(ステップS21)。目標線量当量率とは、入力した作業区域での作業時間において作業者が被ばくを軽減する目標の線量当量率であり、アイソメトリック図20に併せて表示された線量当量率を確認したうえで設定することができる。
次に、線量当量率がアイソメトリック図20に併せて表示された状態で、例えば、オペレータが入力装置6のマウス6Mを用いることにより、画面5Dに示されたポインタPoで作業区域において代表作業位置W(図3参照)を指定する(ステップS4)。すると、制御部3は、記憶部4から配置図データベース4A、部品データベース4Bおよび放射線データベース4Cを読み出す。そして、制御部3は、部品データベース4Bの設計情報A(A1、A2・・・An)、および放射線データベース4Cの放射線情報B(B1、B2・・・Bn)から、配置図データベース4Aのアイソメトリック図20で示される作業区域において指定された代表作業位置Wに影響する放射線影響率を算出し、放射線影響率の所定範囲ごとの部品に種分けしてアイソメトリック図20に併せて画像表示装置5の画面5Dに表示する(ステップS5)。この放射線影響率の表示は、例えば、放射線影響率を高中低の3つに分けて放射線影響率の高い順に赤黄青のように各部品を色分けして表示する。また、放射線影響率は、指定された代表作業位置Wに影響するものであるから、ステップS3にて表示した線量当量率と異なる場合や同じ場合がある。
次に、制御部3は、記憶部4から遮蔽材データベース4Dを読み出す。そして、制御部3は、遮蔽材データベース4Dの遮蔽材情報D(D1、D2・・・Dn)、遮蔽材情報E(E1、E2・・・En)、および遮蔽材情報F(F1、F2・・・Fn)から、放射線影響率の最も高い部品に対応する遮蔽材のモデルを取得して画像表示装置5の画面5Dに表示する(ステップS6)。遮蔽材のモデルは、部品の形態に合わせた形態のもので、代表作業位置Wに影響する放射線の核種に対応する材質であって、当該放射線を遮蔽して代表作業位置Wに影響する放射線を低減する質量のものが複数表示される。
次に、遮蔽材のモデルが表示された状態で、例えば、オペレータが入力装置6のマウス6Mを用いることにより、画面5Dに示されたポインタPoで遮蔽材のモデルを選択する(ステップS7)。すると、制御部3は、選択された遮蔽材のモデルを代表作業位置Wに放射線影響率の最も高い部品に適用し、作業区域の線量当量率を算出してアイソメトリック図20に併せて画像表示装置5の画面5Dに表示する(ステップS8)。
次に、制御部3は、遮蔽材を適用して算出した作業区域の線量当量率を、ステップS21で入力された目標線量当量率と比較し、遮蔽材を適用して算出した作業区域の線量当量率が目標線量当量率以下であれば(ステップS22:Yes)、本処理を終了する。一方、制御部3は、遮蔽材を適用して算出した作業区域の線量当量率が目標線量当量率以下でない場合(ステップS22:No)、先に算出した遮蔽材をそのまま適用する(ステップS23)。そして、制御部3は、ステップS5に戻り、先の遮蔽材を適用したままで、作業区域において指定された代表作業位置Wに影響する放射線影響率を再算出し、放射線影響率の所定範囲ごとの部品に種分けしてアイソメトリック図20に併せて画像表示装置5の画面5Dに表示する。その後は、ステップS6〜ステップS8およびステップS22の処理を行う。
このように、第2変形例の作業計画支援装置1は、上述した実施形態において、作業区域の目標線量当量率の入力に応じ、遮蔽材を適用した作業区域の線量当量率が目標線量当量率以下でない場合、遮蔽材を適用した状態で、各部品の放射線が代表作業位置Wに影響する放射線影響率を再算出して放射線影響率の所定範囲ごとの各部品に種分けしてアイソメトリック図20に併せて画像表示装置5に表示し、放射線影響率の最も高い部品に対応する遮蔽材を遮蔽材情報D、E、Fから取得して画像表示装置5に表示し、遮蔽材の選択入力に応じ、放射線影響率の最も高い部品に遮蔽材を適用した作業区域の線量当量率を算出してアイソメトリック図20に併せて画像表示装置5に表示する。
また、第2変形例の作業計画支援方法は、上述した実施形態において、作業区域の目標線量当量率の入力に応じ、遮蔽材を適用した作業区域の線量当量率が目標線量当量率以下でない場合、遮蔽材を適用した状態で、各部品の放射線が代表作業位置Wに影響する放射線影響率を再算出して放射線影響率の所定範囲ごとの各部品に種分けしてアイソメトリック図20に併せて画像表示装置5に表示し、放射線影響率の最も高い部品に対応する遮蔽材を遮蔽材情報D、E、Fから取得して画像表示装置5に表示し、遮蔽材の選択入力に応じ、放射線影響率の最も高い部品に遮蔽材を適用した作業区域の線量当量率を算出してアイソメトリック図20に併せて画像表示装置5に表示する工程を含む。
この作業計画支援装置1および作業計画支援方法によれば、目標線量当量率以下となるまで、遮蔽材の選択と、その遮蔽効果とを知ることができ、作業者への被ばくの影響をより軽減する安全な遮蔽計画を作成することが可能になる。しかも、遮蔽材の形態や材質や質量を選択することができるため、費用対効果のより効率的な遮蔽計画を作成することが可能になる。特に、この作業計画支援装置1および作業計画支援方法によれば、先の遮蔽材を適用したままで、作業区域において指定された代表作業位置Wに影響する放射線影響率を再算出することで、代表作業位置Wに影響する放射線影響率が変わったり、代表作業位置Wに放射線影響率の最も高い部品が変わったりした場合を確認しつつ、これに対応して遮蔽材を取得することができるため、より安全で効率的な遮蔽計画を作成することが可能になる。
[第3変形例]
図11は、本実施形態の第3変形例に係る原子力設備における作業計画支援装置の処理手順を示すフローチャートである。第3変形例では、上述した実施形態の作業計画支援装置1が用いられ、その処理手順として、遮蔽材を適用した作業区域の線量当量率を算出する補正係数を決定する点が異なる。従って、以下に説明する第3変形例では、上述した実施形態と同様の箇所には同一の符号を付して説明する。
オペレータが原子力発電設備100の遮蔽計画を作成する場合、作業計画支援装置1の制御部3は、画像表示装置5の画面5Dに簡易図10(図2参照)を表示させる(ステップS1)。この状態で、例えば、オペレータが入力装置6のマウス6Mを用いることにより、画面5Dに示されたポインタPoで解体や点検を行う部品(配管11や機器12)を指定する(ステップS2)。すると、制御部3は、記憶部4から配置図データベース4Aを読み出す。また、簡易図10が表示された状態で、オペレータが上述のごとく解体や点検を行う部品の指定とともに、例えば、入力装置6のキーボード6Kを用いることにより作業日時および作業時間を入力する(ステップS2)。すると、制御部3は、記憶部4から部品データベース4Bおよび放射線データベース4Cを読み出す。そして、制御部3は、指定された部品の位置情報R1に対応する作業区域を決定し、この作業区域の配置図である配置図情報I1(図3参照)を読み出して、画像表示装置5の画面5Dに表示するとともに、部品データベース4Bの設計情報A(A1、A2・・・An)、および放射線データベース4Cの放射線情報B(B1、B2・・・Bn)から、入力した作業時間での作業区域の線量当量率を算出しアイソメトリック図20に併せて表示する(ステップS3)。この線量当量率の表示は、例えば、線量当量率を高中低の3つに分けて線量当量率の高い順に赤黄青のように各部品を色分けして表示する。
次に、線量当量率がアイソメトリック図20に併せて表示された状態で、例えば、オペレータが入力装置6のマウス6Mを用いることにより、画面5Dに示されたポインタPoで作業区域において代表作業位置W(図3参照)を指定する(ステップS4)。すると、制御部3は、記憶部4から配置図データベース4A、部品データベース4Bおよび放射線データベース4Cを読み出す。そして、制御部3は、部品データベース4Bの設計情報A(A1、A2・・・An)および放射線データベース4Cの放射線情報B(B1、B2・・・Bn)から、指定された代表作業位置Wにおける線量当量率を算出し、アイソメトリック図20に併せて表示する(ステップS31)。さらに、制御部3は、記憶部4から放射線データベース4Cを読み出し、放射線データベース4Cの場所情報Q(Q1、Q2・・・Qn)、および放射線データベース4Cの放射線情報C(C1、C2・・・Cn)から、代表作業位置Wに最も近い空間で計測された線量当量率(実サーベイデータ)を取得する。そして、制御部3は、実サーベイデータとしての線量当量率と、ステップS31で算出した代表作業位置Wにおける線量当量率とを比較して補正係数を決定する(ステップS32)。
次に、制御部3は、記憶部4から配置図データベース4A、部品データベース4Bおよび放射線データベース4Cを読み出す。そして、制御部3は、部品データベース4Bの設計情報A(A1、A2・・・An)、および放射線データベース4Cの放射線情報B(B1、B2・・・Bn)から、配置図データベース4Aのアイソメトリック図20で示される作業区域において指定された代表作業位置Wに影響する放射線影響率を算出し、放射線影響率の所定範囲ごとの部品に種分けしてアイソメトリック図20に併せて画像表示装置5の画面5Dに表示する(ステップS5)。この放射線影響率の表示は、例えば、放射線影響率を高中低の3つに分けて放射線影響率の高い順に赤黄青のように各部品を色分けして表示する。また、放射線影響率は、指定された代表作業位置Wに影響するものであるから、ステップS3にて表示した線量当量率と異なる場合や同じ場合がある。
次に、制御部3は、記憶部4から遮蔽材データベース4Dを読み出す。そして、制御部3は、遮蔽材データベース4Dの遮蔽材情報D(D1、D2・・・Dn)、遮蔽材情報E(E1、E2・・・En)、および遮蔽材情報F(F1、F2・・・Fn)から、放射線影響率の最も高い部品に対応する遮蔽材のモデルを取得して画像表示装置5の画面5Dに表示する(ステップS6)。遮蔽材のモデルは、部品の形態に合わせた形態のもので、代表作業位置Wに影響する放射線の核種に対応する材質であって、当該放射線を遮蔽して代表作業位置Wに影響する放射線を低減する質量のものが複数表示される。
次に、遮蔽材のモデルが表示された状態で、例えば、オペレータが入力装置6のマウス6Mを用いることにより、画面5Dに示されたポインタPoで遮蔽材のモデルを選択する(ステップS7)。すると、制御部3は、選択された遮蔽材のモデルを代表作業位置Wに放射線影響率の最も高い部品に適用し、ステップS32で決定した補正係数を用いて作業区域の線量当量率を算出してアイソメトリック図20に併せて画像表示装置5の画面5Dに表示する(ステップS33)。
このように、第3変形例の作業計画支援装置1は、上述した実施形態において、放射線データベース4Cは、各部品の表面での線量当量率と同日時に計測された原子力設備の空間での線量当量率をさらに含む放射線情報Cを有しており、制御部3は、遮蔽材を適用する以前の代表作業位置Wでの線量当量率を算出し、かつ作業区域の放射線情報Cから代表作業位置Wに最も近い空間で計測された線量当量率を取得して、各線量当量率を比較することで補正係数を設定し、当該補正係数を、遮蔽材を適用した線量当量率の算出の補正に用いる。
また、第3変形例の作業計画支援方法は、上述した実施形態において、放射線データベース4Cは、各部品の表面での線量当量率と同日時に計測された原子力設備の空間での線量当量率をさらに含む放射線情報Cを有しており、遮蔽材を適用する以前の代表作業位置Wでの線量当量率を算出し、かつ作業区域の放射線情報Cから代表作業位置Wに最も近い空間での線量当量率を取得して、各線量当量率を比較することで補正係数を設定し、当該補正係数を、遮蔽材を適用した線量当量率の算出の補正に用いる工程を含む。
この作業計画支援装置1および作業計画支援方法によれば、補正係数を、遮蔽材を適用した線量当量率の算出の補正に用いることで、より正確な遮蔽材の遮蔽効果を知ることができるため、より安全で効率的な遮蔽計画を作成することが可能になる。
なお、第3変形例の作業計画支援装置1および作業計画支援方法は、上述した第1変形例および第2変形例のように、目標線量当量率を入力して、遮蔽材を適用した線量当量率と比較する処理を行ってもよい。
[第4変形例]
図12は、本実施形態の第4変形例に係る原子力設備における作業計画支援装置の処理手順を示すフローチャートである。第4変形例では、上述した実施形態の作業計画支援装置1が用いられ、その処理手順として、代表作業位置を複数設定する点が異なる。従って、以下に説明する第4変形例では、上述した実施形態と同様の箇所には同一の符号を付して説明する。
オペレータが原子力発電設備100の遮蔽計画を作成する場合、作業計画支援装置1の制御部3は、画像表示装置5の画面5Dに簡易図10(図2参照)を表示させる(ステップS1)。この状態で、例えば、オペレータが入力装置6のマウス6Mを用いることにより、画面5Dに示されたポインタPoで解体や点検を行う部品(配管11や機器12)を指定する(ステップS2)。すると、制御部3は、記憶部4から配置図データベース4Aを読み出す。また、簡易図10が表示された状態で、オペレータが上述のごとく解体や点検を行う部品の指定とともに、例えば、入力装置6のキーボード6Kを用いることにより作業日時および作業時間を入力する(ステップS2)。すると、制御部3は、記憶部4から部品データベース4Bおよび放射線データベース4Cを読み出す。そして、制御部3は、指定された部品の位置情報R1に対応する作業区域を決定し、この作業区域の配置図である配置図情報I1(図3参照)を読み出して、画像表示装置5の画面5Dに表示するとともに、部品データベース4Bの設計情報A(A1、A2・・・An)、および放射線データベース4Cの放射線情報B(B1、B2・・・Bn)から、入力した作業時間での作業区域の線量当量率を算出しアイソメトリック図20に併せて表示する(ステップS3)。この線量当量率の表示は、例えば、線量当量率を高中低の3つに分けて線量当量率の高い順に赤黄青のように各部品を色分けして表示する。
次に、線量当量率がアイソメトリック図20に併せて表示された状態で、例えば、オペレータが入力装置6のマウス6Mを用いることにより、画面5Dに示されたポインタPoで作業区域において複数の代表作業位置W1、W2・・・Wn(図3参照)を指定する(ステップS41)。すると、制御部3は、記憶部4から配置図データベース4A、部品データベース4Bおよび放射線データベース4Cを読み出す。そして、制御部3は、部品データベース4Bの設計情報A(A1、A2・・・An)、および放射線データベース4Cの放射線情報B(B1、B2・・・Bn)から、配置図データベース4Aのアイソメトリック図20で示される作業区域において指定された各代表作業位置W1、W2・・・Wnに影響する放射線影響率を算出し、各代表作業位置W1、W2・・・Wnの数に対応して放射線影響率のある各部品に種分けしてアイソメトリック図20に併せて画像表示装置5の画面5Dに表示する(ステップS42)。この放射線影響率の表示は、例えば、各代表作業位置W1、W2・・・Wnの数多くに放射線影響率のある順に高中低の3つに分けて各代表作業位置W1、W2・・・Wnの数に影響のある順に赤黄青のように各部品を色分けして表示する。
次に、制御部3は、記憶部4から遮蔽材データベース4Dを読み出す。そして、制御部3は、遮蔽材データベース4Dの遮蔽材情報D(D1、D2・・・Dn)、遮蔽材情報E(E1、E2・・・En)、および遮蔽材情報F(F1、F2・・・Fn)から、最も多くの代表作業位置W1、W2・・・Wnに放射線影響率の高い部品に対応する遮蔽材のモデルを取得して画像表示装置5の画面5Dに表示する(ステップS43)。遮蔽材のモデルは、部品の形態に合わせた形態のもので、代表作業位置Wに影響する放射線の核種に対応する材質であって、当該放射線を遮蔽して代表作業位置Wに影響する放射線を低減する質量のものが複数表示される。
次に、遮蔽材のモデルが表示された状態で、例えば、オペレータが入力装置6のマウス6Mを用いることにより、画面5Dに示されたポインタPoで遮蔽材のモデルを選択する(ステップS44)。すると、制御部3は、選択された遮蔽材のモデルを最も多くの代表作業位置W1、W2・・・Wnに放射線影響率の高い部品に適用し、作業区域の線量当量率を算出してアイソメトリック図20に併せて画像表示装置5の画面5Dに表示する(ステップS45)。
このように、第4変形例の作業計画支援装置1は、画像表示装置(表示部)5と、原子力発電設備(原子力設備)100の構成を示す簡易図10に関連付けられて簡易図10内の所定の作業区域および当該作業区域での原子力発電設備100を構成する各部品(配管11や機器12)の位置を含む配置図情報Iを有する配置図データベース4Aと、各部品の寸法および材質を含む設計情報Aを有する部品データベース4Bと、各部品の表面での線量当量率および核種を含む放射線情報Bを有する放射線データベース4Cと、画像表示装置5に簡易図10を表示し、当該簡易図10で指定された作業区域、当該作業区域での作業日時および作業時間の入力に応じ、作業区域の配置図情報I、作業区域の設計情報A、および作業区域の放射線情報Bから作業区域の線量当量率を算出してアイソメトリック図20に併せて画像表示装置5に表示し、作業区域においてアイソメトリック図20で指定された複数の代表作業位置W1、W2・・・Wnの入力に応じ、作業区域の配置図情報I、作業区域の設計情報A、および作業区域の放射線情報Bから各部品の放射線が各代表作業位置W1、W2・・・Wnに影響する放射線影響率を算出して各代表作業位置W1、W2・・・Wnの数に対応して放射線影響率のある各部品に種分けしてアイソメトリック図20に併せて画像表示装置5に表示する制御部3と、を含む。
また、第4変形例の作業計画支援方法は、画像表示装置(表示部)5と、原子力発電設備(原子力設備)100の構成を示す簡易図10に関連付けられて簡易図10内の所定の作業区域および当該作業区域での原子力発電設備100を構成する各部品(配管11や機器12)の位置を含む配置図情報Iを有する配置図データベース4Aと、各部品の寸法および材質を含む設計情報Aを有する部品データベース4Bと、各部品の表面での線量当量率および核種を含む放射線情報Bを有する放射線データベース4Cと、を含む作業計画支援装置1を用いる作業計画支援方法であって、画像表示装置5に簡易図10を表示し、当該簡易図10で指定された作業区域、当該作業区域での作業日時および作業時間の入力に応じ、作業区域の配置図情報I、作業区域の設計情報A、および作業区域の放射線情報Bから作業区域の線量当量率を算出してアイソメトリック図20に併せて画像表示装置5に表示する工程と、次に、作業区域においてアイソメトリック図20で指定された複数の代表作業位置W1、W2・・・Wnの入力に応じ、作業区域の配置図情報I、作業区域の設計情報A、および作業区域の放射線情報Bから各部品の放射線が各代表作業位置W1、W2・・・Wnに影響する放射線影響率を算出して各代表作業位置W1、W2・・・Wnの数に対応して放射線影響率のある各部品に種分けしてアイソメトリック図20に併せて画像表示装置5に表示する工程と、を含む。
この作業計画支援装置1および作業計画支援方法によれば、作業区域の線量当量率をアイソメトリック図20に併せて表示することで、作業に適した作業代表位置を容易に特定することが可能となる。また、作業区域の最も多くの代表作業位置に影響する放射線影響率の高い部品とその部品の情報とを容易に把握することが可能となり、当該部品に応じた遮蔽材を効率的に選択することができる。
また第4変形例の作業計画支援装置1は、画像表示装置(表示部)5と、原子力発電設備(原子力設備)100の構成を示す簡易図10に関連付けられて簡易図10内の所定の作業区域および当該作業区域での原子力発電設備100を構成する各部品(配管11や機器12)の位置を含む配置図情報Iを有する配置図データベース4Aと、各部品の寸法および材質を含む設計情報Aを有する部品データベース4Bと、各部品の表面での線量当量率および核種を含む放射線情報Bを有する放射線データベース4Cと、各部品に対応する遮蔽材の形態および放射線の核種Sや遮蔽能力Tに対応する遮蔽材の材質や質量を含む遮蔽材情報D、E、Fを有する遮蔽材データベース4Dと、画像表示装置5に簡易図10を表示し、当該簡易図10で指定された作業区域、当該作業区域での作業日時および作業時間の入力に応じ、作業区域の配置図情報I、作業区域の設計情報A、および作業区域の放射線情報Bから作業区域の線量当量率を算出してアイソメトリック図20に併せて画像表示装置5に表示し、作業区域においてアイソメトリック図20で指定された複数の代表作業位置W1、W2・・・Wnの入力に応じ、作業区域の配置図情報I、作業区域の設計情報A、および作業区域の放射線情報Bから各部品の放射線が各代表作業位置W1、W2・・・Wnに影響する放射線影響率を算出して各代表作業位置W1、W2・・・Wnの数に対応して放射線影響率のある各部品に種分けしてアイソメトリック図20に併せて画像表示装置5に表示し、最も多くの代表作業位置W1、W2・・・Wnに放射線影響率の高い部品に対応する遮蔽材を遮蔽材情報D、E、Fから取得して画像表示装置5に表示し、遮蔽材の選択入力に応じ、最も多くの代表作業位置W1、W2・・・Wnに放射線影響率の高い部品に遮蔽材を適用した作業区域の線量当量率を算出してアイソメトリック図20に併せて画像表示装置5に表示する制御部3と、を含む。
また、第4変形例の作業計画支援方法は、画像表示装置(表示部)5と、原子力発電設備(原子力設備)100の構成を示す簡易図10に関連付けられて簡易図10内の所定の作業区域および当該作業区域での原子力発電設備100を構成する各部品(配管11や機器12)の位置を含む配置図情報Iを有する配置図データベース4Aと、各部品の寸法および材質を含む設計情報Aを有する部品データベース4Bと、各部品の表面での線量当量率および核種を含む放射線情報Bを有する放射線データベース4Cと、各部品に対応する遮蔽材の形態および放射線の核種Sや遮蔽能力Tに対応する遮蔽材の材質や質量を含む遮蔽材情報D、E、Fを有する遮蔽材データベース4Dと、を含む作業計画支援装置1を用いる作業計画支援方法であって、画像表示装置5に簡易図10を表示し、当該簡易図10で指定された作業区域、当該作業区域での作業日時および作業時間の入力に応じ、作業区域の配置図情報I、作業区域の設計情報A、および作業区域の放射線情報Bから作業区域の線量当量率を算出してアイソメトリック図20に併せて画像表示装置5に表示する工程と、次に、作業区域においてアイソメトリック図20で指定された複数の代表作業位置W1、W2・・・Wnの入力に応じ、作業区域の配置図情報I、作業区域の設計情報A、および作業区域の放射線情報Bから各部品の放射線が各代表作業位置W1、W2・・・Wnに影響する放射線影響率を算出して各代表作業位置W1、W2・・・Wnの数に対応して放射線影響率のある各部品に種分けしてアイソメトリック図20に併せて画像表示装置5に表示する工程と、次に、最も多くの代表作業位置W1、W2・・・Wnに放射線影響率の高い部品に対応する遮蔽材を遮蔽材情報D、E、Fから取得して画像表示装置5に表示する工程と、次に、遮蔽材の選択入力に応じ、最も多くの代表作業位置W1、W2・・・Wnに放射線影響率の高い部品に遮蔽材を適用した作業区域の線量当量率を算出してアイソメトリック図20に併せて画像表示装置5に表示する工程と、を含む。
この作業計画支援装置1および作業計画支援方法によれば、作業区域の線量当量率と、作業区域の最も多くの代表作業位置W1、W2・・・Wnに放射線影響率の高い部品に対応する遮蔽材と、この遮蔽材を適用した状態での作業区域の線量当量率とを取得することで、最も多くの代表作業位置W1、W2・・・Wnに放射線影響率の高い部品に応じた遮蔽材の選択と、その遮蔽効果とを知ることができ、作業者への被ばくの影響を軽減する安全な遮蔽計画を作成することが可能になる。しかも、遮蔽材の形態や材質や質量を選択することができるため、費用対効果の効率的な遮蔽計画を作成することが可能になる。
[第5変形例]
図13は、本実施形態の第5変形例に係る原子力設備における作業計画支援装置の処理手順を示すフローチャートである。第5変形例では、上述した実施形態の作業計画支援装置1が用いられ、その処理手順として、第4変形例と同様に代表作業位置を複数設定する点、および目標線量当量率が入力される点が異なる。従って、以下に説明する第5変形例では、上述した第4変形例と同様の箇所には同一の符号を付して説明する。
オペレータが原子力発電設備100の遮蔽計画を作成する場合、作業計画支援装置1の制御部3は、画像表示装置5の画面5Dに簡易図10(図2参照)を表示させる(ステップS1)。この状態で、例えば、オペレータが入力装置6のマウス6Mを用いることにより、画面5Dに示されたポインタPoで解体や点検を行う部品(配管11や機器12)を指定する(ステップS2)。すると、制御部3は、記憶部4から配置図データベース4Aを読み出す。また、簡易図10が表示された状態で、オペレータが上述のごとく解体や点検を行う部品の指定とともに、例えば、入力装置6のキーボード6Kを用いることにより作業日時および作業時間を入力する(ステップS2)。すると、制御部3は、記憶部4から部品データベース4Bおよび放射線データベース4Cを読み出す。そして、制御部3は、指定された部品の位置情報R1に対応する作業区域を決定し、この作業区域の配置図である配置図情報I1(図3参照)を読み出して、画像表示装置5の画面5Dに表示するとともに、部品データベース4Bの設計情報A(A1、A2・・・An)、および放射線データベース4Cの放射線情報B(B1、B2・・・Bn)から、入力した作業時間での作業区域の線量当量率を算出しアイソメトリック図20に併せて表示する(ステップS3)。この線量当量率の表示は、例えば、線量当量率を高中低の3つに分けて線量当量率の高い順に赤黄青のように各部品を色分けして表示する。
次に、線量当量率がアイソメトリック図20に併せて表示された状態で、例えば、オペレータが入力装置6のキーボード6Kを用いることにより作業区域の目標線量当量率を入力する(ステップS51)。目標線量当量率とは、入力した作業区域での作業時間において作業者が被ばくを軽減する目標の線量当量率であり、アイソメトリック図20に併せて表示された線量当量率を確認したうえで設定することができる。
次に、線量当量率がアイソメトリック図20に併せて表示された状態で、例えば、オペレータが入力装置6のマウス6Mを用いることにより、画面5Dに示されたポインタPoで作業区域において複数の代表作業位置W1、W2・・・Wn(図3参照)を指定する(ステップS41)。すると、制御部3は、記憶部4から配置図データベース4A、部品データベース4Bおよび放射線データベース4Cを読み出す。そして、制御部3は、部品データベース4Bの設計情報A(A1、A2・・・An)、および放射線データベース4Cの放射線情報B(B1、B2・・・Bn)から、配置図データベース4Aのアイソメトリック図20で示される作業区域において指定された各代表作業位置W1、W2・・・Wnに影響する放射線影響率を算出し、各代表作業位置W1、W2・・・Wnの数に対応して放射線影響率のある各部品に種分けしてアイソメトリック図20に併せて画像表示装置5の画面5Dに表示する(ステップS42)。この放射線影響率の表示は、例えば、各代表作業位置W1、W2・・・Wnの数多くに放射線影響率のある順に高中低の3つに分けて各代表作業位置W1、W2・・・Wnの数に影響のある順に赤黄青のように各部品を色分けして表示する。
次に、制御部3は、記憶部4から遮蔽材データベース4Dを読み出す。そして、制御部3は、遮蔽材データベース4Dの遮蔽材情報D(D1、D2・・・Dn)、遮蔽材情報E(E1、E2・・・En)、および遮蔽材情報F(F1、F2・・・Fn)から、最も多くの代表作業位置W1、W2・・・Wnに放射線影響率の高い部品に対応する遮蔽材のモデルを取得して画像表示装置5の画面5Dに表示する(ステップS43)。遮蔽材のモデルは、部品の形態に合わせた形態のもので、代表作業位置Wに影響する放射線の核種に対応する材質であって、当該放射線を遮蔽して代表作業位置Wに影響する放射線を低減する質量のものが複数表示される。
次に、遮蔽材のモデルが表示された状態で、例えば、オペレータが入力装置6のマウス6Mを用いることにより、画面5Dに示されたポインタPoで遮蔽材のモデルを選択する(ステップS44)。すると、制御部3は、選択された遮蔽材のモデルを最も多くの代表作業位置W1、W2・・・Wnに放射線影響率の高い部品に適用し、作業区域の線量当量率を算出してアイソメトリック図20に併せて画像表示装置5の画面5Dに表示する(ステップS45)。
次に、制御部3は、遮蔽材を適用して算出した作業区域の線量当量率を、ステップS51で入力された目標線量当量率と比較し、遮蔽材を適用して算出した作業区域の線量当量率が目標線量当量率以下であれば(ステップS52:Yes)、本処理を終了する。一方、制御部3は、遮蔽材を適用して算出した作業区域の線量当量率が目標線量当量率以下でない場合(ステップS52:No)、質量を増量した遮蔽材のモデルを取得する(ステップS53)。そして、制御部3は、ステップS45に戻り、新たな遮蔽材を最も多くの代表作業位置W1、W2・・・Wnに放射線影響率の高い部品に適用し、作業区域の線量当量率を算出してアイソメトリック図20に併せて画像表示装置5の画面5Dに表示する。
このように、第5変形例の作業計画支援装置1は、上述した第4変形例において、制御部3は、作業区域の目標線量当量率の入力に応じ、遮蔽材を適用した作業区域の線量当量率が目標線量当量率以下でない場合、遮蔽材を増量するとともに、増量した遮蔽材を適用した作業区域の線量当量率を算出してアイソメトリック図20に併せて画像表示装置5に表示する。
また、第5変形例の作業計画支援方法は、上述した第4変形例において、作業区域の目標線量当量率の入力に応じ、遮蔽材を適用した作業区域の線量当量率が目標線量当量率以下でない場合、遮蔽材を増量するとともに、増量した遮蔽材を適用した作業区域の線量当量率を算出してアイソメトリック図20に併せて画像表示装置5に表示する工程を含む。
この作業計画支援装置1および作業計画支援方法によれば、目標線量当量率以下となるまで、遮蔽材の選択と、その遮蔽効果とを知ることができ、作業者への被ばくの影響をより軽減する安全な遮蔽計画を作成することが可能になる。しかも、遮蔽材の形態や材質や質量を選択することができるため、費用対効果のより効率的な遮蔽計画を作成することが可能になる。
[第6変形例]
図14は、本実施形態の第6変形例に係る原子力設備における作業計画支援装置の処理手順を示すフローチャートである。第6変形例では、上述した実施形態の作業計画支援装置1が用いられ、その処理手順として、第4変形例と同様に代表作業位置を複数設定する点、および目標線量当量率が入力される点が異なる。従って、以下に説明する第6変形例では、上述した第4変形例と同様の箇所には同一の符号を付して説明する。
オペレータが原子力発電設備100の遮蔽計画を作成する場合、作業計画支援装置1の制御部3は、画像表示装置5の画面5Dに簡易図10(図2参照)を表示させる(ステップS1)。この状態で、例えば、オペレータが入力装置6のマウス6Mを用いることにより、画面5Dに示されたポインタPoで解体や点検を行う部品(配管11や機器12)を指定する(ステップS2)。すると、制御部3は、記憶部4から配置図データベース4Aを読み出す。また、簡易図10が表示された状態で、オペレータが上述のごとく解体や点検を行う部品の指定とともに、例えば、入力装置6のキーボード6Kを用いることにより作業日時および作業時間を入力する(ステップS2)。すると、制御部3は、記憶部4から部品データベース4Bおよび放射線データベース4Cを読み出す。そして、制御部3は、指定された部品の位置情報R1に対応する作業区域を決定し、この作業区域の配置図である配置図情報I1(図3参照)を読み出して、画像表示装置5の画面5Dに表示するとともに、部品データベース4Bの設計情報A(A1、A2・・・An)、および放射線データベース4Cの放射線情報B(B1、B2・・・Bn)から、入力した作業時間での作業区域の線量当量率を算出しアイソメトリック図20に併せて表示する(ステップS3)。この線量当量率の表示は、例えば、線量当量率を高中低の3つに分けて線量当量率の高い順に赤黄青のように各部品を色分けして表示する。
次に、線量当量率がアイソメトリック図20に併せて表示された状態で、例えば、オペレータが入力装置6のキーボード6Kを用いることにより作業区域の目標線量当量率を入力する(ステップS61)。目標線量当量率とは、入力した作業区域での作業時間において作業者が被ばくを軽減する目標の線量当量率であり、アイソメトリック図20に併せて表示された線量当量率を確認したうえで設定することができる。
次に、線量当量率がアイソメトリック図20に併せて表示された状態で、例えば、オペレータが入力装置6のマウス6Mを用いることにより、画面5Dに示されたポインタPoで作業区域において複数の代表作業位置W1、W2・・・Wn(図3参照)を指定する(ステップS41)。すると、制御部3は、記憶部4から配置図データベース4A、部品データベース4Bおよび放射線データベース4Cを読み出す。そして、制御部3は、部品データベース4Bの設計情報A(A1、A2・・・An)、および放射線データベース4Cの放射線情報B(B1、B2・・・Bn)から、配置図データベース4Aのアイソメトリック図20で示される作業区域において指定された各代表作業位置W1、W2・・・Wnに影響する放射線影響率を算出し、各代表作業位置W1、W2・・・Wnの数に対応して放射線影響率のある各部品に種分けしてアイソメトリック図20に併せて画像表示装置5の画面5Dに表示する(ステップS42)。この放射線影響率の表示は、例えば、各代表作業位置W1、W2・・・Wnの数多くに放射線影響率のある順に高中低の3つに分けて各代表作業位置W1、W2・・・Wnの数に影響のある順に赤黄青のように各部品を色分けして表示する。
次に、制御部3は、記憶部4から遮蔽材データベース4Dを読み出す。そして、制御部3は、遮蔽材データベース4Dの遮蔽材情報D(D1、D2・・・Dn)、遮蔽材情報E(E1、E2・・・En)、および遮蔽材情報F(F1、F2・・・Fn)から、最も多くの代表作業位置W1、W2・・・Wnに放射線影響率の高い部品に対応する遮蔽材のモデルを取得して画像表示装置5の画面5Dに表示する(ステップS43)。遮蔽材のモデルは、部品の形態に合わせた形態のもので、代表作業位置Wに影響する放射線の核種に対応する材質であって、当該放射線を遮蔽して代表作業位置Wに影響する放射線を低減する質量のものが複数表示される。
次に、遮蔽材のモデルが表示された状態で、例えば、オペレータが入力装置6のマウス6Mを用いることにより、画面5Dに示されたポインタPoで遮蔽材のモデルを選択する(ステップS44)。すると、制御部3は、選択された遮蔽材のモデルを最も多くの代表作業位置W1、W2・・・Wnに放射線影響率の高い部品に適用し、作業区域の線量当量率を算出してアイソメトリック図20に併せて画像表示装置5の画面5Dに表示する(ステップS45)。
次に、制御部3は、遮蔽材を適用して算出した作業区域の線量当量率を、ステップS61で入力された目標線量当量率と比較し、遮蔽材を適用して算出した作業区域の線量当量率が目標線量当量率以下であれば(ステップS62:Yes)、本処理を終了する。一方、制御部3は、遮蔽材を適用して算出した作業区域の線量当量率が目標線量当量率以下でない場合(ステップS62:No)、先に算出した遮蔽材をそのまま適用する(ステップS63)。そして、制御部3は、ステップS42に戻り、先の遮蔽材を適用したままで、作業区域において指定された代表作業位置W1、W2・・・Wnに影響する放射線影響率を算出し、各代表作業位置W1、W2・・・Wnの数に対応して放射線影響率のある各部品に種分けしてアイソメトリック図20に併せて画像表示装置5の画面5Dに表示する。その後は、ステップS43〜ステップS45およびステップS62の処理を行う。
このように、第6変形例の作業計画支援装置1は、上述した第4変形例において、作業区域の目標線量当量率の入力に応じ、遮蔽材を適用した作業区域の線量当量率が目標線量当量率以下でない場合、遮蔽材を適用した状態で、各部品の放射線が各代表作業位置W1、W2・・・Wnに影響する放射線影響率を再算出して各代表作業位置W1、W2・・・Wnの数に対応して放射線影響率のある各部品に種分けしてアイソメトリック図20に併せて画像表示装置5に表示し、最も多くの代表作業位置W1、W2・・・Wnに放射線影響率の高い部品に対応する遮蔽材を遮蔽材情報D、E、Fから取得して画像表示装置5に表示し、遮蔽材の選択入力に応じ、最も多くの代表作業位置W1、W2・・・Wnに放射線影響率の高い部品に遮蔽材を適用した作業区域の線量当量率を算出してアイソメトリック図20に併せて画像表示装置5に表示する。
また、第6変形例の作業計画支援方法は、上述した第4変形例において、作業区域の目標線量当量率の入力に応じ、遮蔽材を適用した作業区域の線量当量率が目標線量当量率以下でない場合、遮蔽材を適用した状態で、各部品の放射線が各代表作業位置W1、W2・・・Wnに影響する放射線影響率を再算出して各代表作業位置W1、W2・・・Wnの数に対応して放射線影響率のある各部品に種分けしてアイソメトリック図20に併せて画像表示装置5に表示し、最も多くの代表作業位置W1、W2・・・Wnに放射線影響率の高い部品に対応する遮蔽材を遮蔽材情報D、E、Fから取得して画像表示装置5に表示し、遮蔽材の選択入力に応じ、最も多くの代表作業位置W1、W2・・・Wnに放射線影響率の高い部品に遮蔽材を適用した作業区域の線量当量率を算出してアイソメトリック図20に併せて画像表示装置5に表示する工程を含む。
この作業計画支援装置1および作業計画支援方法によれば、目標線量当量率以下となるまで、遮蔽材の選択と、その遮蔽効果とを知ることができ、作業者への被ばくの影響をより軽減する安全な遮蔽計画を作成することが可能になる。しかも、遮蔽材の形態や材質や質量を選択することができるため、費用対効果のより効率的な遮蔽計画を作成することが可能になる。特に、この作業計画支援装置1および作業計画支援方法によれば、先の遮蔽材を適用したままで、作業区域において指定された代表作業位置Wに影響する放射線影響率を再算出することで、代表作業位置Wに影響する放射線影響率が変わったり、代表作業位置Wに放射線影響率の最も高い部品が変わったりした場合を確認しつつ、これに対応して遮蔽材を取得することができるため、より安全で効率的な遮蔽計画を作成することが可能になる。
[第7変形例]
図15は、本実施形態の第7変形例に係る原子力設備における作業計画支援装置の処理手順を示すフローチャートである。第7変形例では、上述した実施形態の作業計画支援装置1が用いられ、その処理手順として、第4変形例と同様に代表作業位置を複数設定する点、および遮蔽材を適用した作業区域の線量当量率を算出する補正係数を決定する点が異なる。従って、以下に説明する第7変形例では、上述した第4変形例と同様の箇所には同一の符号を付して説明する。
オペレータが原子力発電設備100の遮蔽計画を作成する場合、作業計画支援装置1の制御部3は、画像表示装置5の画面5Dに簡易図10(図2参照)を表示させる(ステップS1)。この状態で、例えば、オペレータが入力装置6のマウス6Mを用いることにより、画面5Dに示されたポインタPoで解体や点検を行う部品(配管11や機器12)を指定する(ステップS2)。すると、制御部3は、記憶部4から配置図データベース4Aを読み出す。また、簡易図10が表示された状態で、オペレータが上述のごとく解体や点検を行う部品の指定とともに、例えば、入力装置6のキーボード6Kを用いることにより作業日時および作業時間を入力する(ステップS2)。すると、制御部3は、記憶部4から部品データベース4Bおよび放射線データベース4Cを読み出す。そして、制御部3は、指定された部品の位置情報R1に対応する作業区域を決定し、この作業区域の配置図である配置図情報I1(図3参照)を読み出して、画像表示装置5の画面5Dに表示するとともに、部品データベース4Bの設計情報A(A1、A2・・・An)、および放射線データベース4Cの放射線情報B(B1、B2・・・Bn)から、入力した作業時間での作業区域の線量当量率を算出しアイソメトリック図20に併せて表示する(ステップS3)。この線量当量率の表示は、例えば、線量当量率を高中低の3つに分けて線量当量率の高い順に赤黄青のように各部品を色分けして表示する。
次に、線量当量率がアイソメトリック図20に併せて表示された状態で、例えば、オペレータが入力装置6のマウス6Mを用いることにより、画面5Dに示されたポインタPoで作業区域において複数の代表作業位置W1、W2・・・Wn(図3参照)を指定する(ステップS41)。すると、制御部3は、記憶部4から配置図データベース4A、部品データベース4Bおよび放射線データベース4Cを読み出す。そして、制御部3は、部品データベース4Bの設計情報A(A1、A2・・・An)および放射線データベース4Cの放射線情報B(B1、B2・・・Bn)から、指定された代表作業位置W1、W2・・・Wnでの線量当量率を算出し、アイソメトリック図20に併せて表示する(ステップS71)。さらに、制御部3は、記憶部4から放射線データベース4Cを読み出し、放射線データベース4Cの場所情報Q(Q1、Q2・・・Qn)、および放射線データベース4Cの放射線情報C(C1、C2・・・Cn)から、代表作業位置W1、W2・・・Wnのうち最も近い空間で計測された線量当量率(実サーベイデータ)を取得する。そして、制御部3は、実サーベイデータとしての線量当量率と、ステップS71で算出した代表作業位置W1、W2・・・Wnの線量当量率のうちの実サーベイデータの測定位置に距離が近い線量当量率とを比較して補正係数を決定する(ステップS72)。
次に、制御部3は、記憶部4から配置図データベース4A、部品データベース4Bおよび放射線データベース4Cを読み出す。そして、制御部3は、部品データベース4Bの設計情報A(A1、A2・・・An)、および放射線データベース4Cの放射線情報B(B1、B2・・・Bn)から、配置図データベース4Aのアイソメトリック図20で示される作業区域において指定された各代表作業位置W1、W2・・・Wnに影響する放射線影響率を算出し、各代表作業位置W1、W2・・・Wnの数に対応して放射線影響率のある各部品に種分けしてアイソメトリック図20に併せて画像表示装置5の画面5Dに表示する(ステップS42)。この放射線影響率の表示は、例えば、各代表作業位置W1、W2・・・Wnの数多くに放射線影響率のある順に高中低の3つに分けて各代表作業位置W1、W2・・・Wnの数に影響のある順に赤黄青のように各部品を色分けして表示する。
次に、制御部3は、記憶部4から遮蔽材データベース4Dを読み出す。そして、制御部3は、遮蔽材データベース4Dの遮蔽材情報D(D1、D2・・・Dn)、遮蔽材情報E(E1、E2・・・En)、および遮蔽材情報F(F1、F2・・・Fn)から、最も多くの代表作業位置W1、W2・・・Wnに放射線影響率の高い部品に対応する遮蔽材のモデルを取得して画像表示装置5の画面5Dに表示する(ステップS43)。遮蔽材のモデルは、部品の形態に合わせた形態のもので、代表作業位置Wに影響する放射線の核種に対応する材質であって、当該放射線を遮蔽して代表作業位置Wに影響する放射線を低減する質量のものが複数表示される。
次に、遮蔽材のモデルが表示された状態で、例えば、オペレータが入力装置6のマウス6Mを用いることにより、画面5Dに示されたポインタPoで遮蔽材のモデルを選択する(ステップS44)。すると、制御部3は、選択された遮蔽材のモデルを最も多くの代表作業位置W1、W2・・・Wnに放射線影響率の高い部品に適用し、ステップS72で決定した補正係数を用いて作業区域の線量当量率を算出してアイソメトリック図20に併せて画像表示装置5の画面5Dに表示する(ステップS73)。
このように、第7変形例の作業計画支援装置1は、上述した第4変形例において、放射線データベース4Cは、各部品の表面での線量当量率と同日時に計測された原子力設備の空間での線量当量率をさらに含む放射線情報Cを有しており、制御部3は、遮蔽材を適用する以前の代表作業位置W1、W2・・・Wnでの線量当量率を算出し、かつ作業区域の放射線情報Cから各代表作業位置W1、W2・・・Wnのうち最も近い空間で計測された線量当量率を取得して、距離が近い同士の各線量当量率を比較することで補正係数を設定し、当該補正係数を、遮蔽材を適用した線量当量率の算出の補正に用いる。
また、第7変形例の作業計画支援方法は、上述した第4変形例において、放射線データベース4Cは、各部品の表面での線量当量率と同日時に計測された原子力設備の空間での線量当量率をさらに含む放射線情報Cを有しており、遮蔽材を適用する以前の代表作業位置W1、W2・・・Wnでの線量当量率を算出し、かつ作業区域の放射線情報Cから各代表作業位置W1、W2・・・Wnのうち最も近い空間で計測された線量当量率を取得して、距離が近い同士の各線量当量率を比較することで補正係数を設定し、当該補正係数を、遮蔽材を適用した線量当量率の算出の補正に用いる工程を含む。
この作業計画支援装置1および作業計画支援方法によれば、補正係数を、遮蔽材を適用した線量当量率の算出の補正に用いることで、より正確な遮蔽材の遮蔽効果を知ることができるため、より安全で効率的な遮蔽計画を作成することが可能になる。
なお、第7変形例の作業計画支援装置1および作業計画支援方法は、上述した第5変形例および第6変形例のように、目標線量当量率を入力して、遮蔽材を適用した線量当量率と比較する処理を行ってもよい。
ところで、本実施形態および各変形例において、上述した配置図情報Iは、原子力発電設備100の内部を撮像して得られた画像に基づく原子力発電設備100内部のパノラマ画像であってもよい。パノラマ画像は、例えば、次のような手順で作成する。
図16は、パノラマ画像を作成する手順のフローチャートである。原子力発電設備100内部のパノラマ画像を作成するにあたり、まず、原子力発電設備100の内部を撮影する(ステップS101)。この場合、パノラマ写真を撮影する。パノラマ写真は、360度視野角の写真である。パノラマ写真を撮影する場合、原子力発電設備100の内部の特定位置にマーキングを施しておく。次に、原子力発電設備100の内部を計測する(ステップS102)。なお、ステップS101とステップS102との順序は問わない。
ステップS102の計測は、パノラマ写真の撮影対象に対して行われ、例えば、3Dのレーザー計測である。例えば、原子力発電設備100の内部の所定位置を中心として、3Dレーザー計測装置のレーザー光を360度スキャンさせることにより、3Dレーザー計測装置と原子力発電設備100の内部機器との距離を計測する。この場合、原子力発電設備100の内部の特定位置にマーキングを施した状態としておく。すなわち、原子力発電設備100の内部は、パノラマ写真が撮影された場合と同じ状態とされる。
次に、ステップS101で撮像されたパノラマ写真と、ステップS102の計測によって得られた原子力発電設備100の内部の位置情報とを関連付けることにより、パノラマ画像が作成される(ステップS103)。この場合、パノラマ写真に撮影された前記マーキングと、3Dレーザー計測によって計測された前記マーキングとを照合させながら、パノラマ写真と位置情報とが関連付けられる。この関連付けは、例えば、コンピュータの画像処理によって実現される。上述したパノラマ画像の作成作業は、例えば、原子力発電設備100の建設時または定期検査時に行われる。
このようにして作成されたパノラマ画像は、例えば、上述した配置図データベース4Aに、配置図情報Iとして記述され、図1に示す作業計画支援装置1の記憶部4に保存される(ステップS104)。また、パノラマ画像に対応する簡易図10(図2参照)の位置と、前記パノラマ画像とを対応付けておく。このようにした場合、オペレータが簡易図10を指定すると、作業計画支援装置1の制御部3は、その位置におけるパノラマ画像を画像表示装置5の画面5Dに表示させる。
このように、本実施形態および各変形例の作業計画支援装置1では、配置図情報Iは、原子力設備100の内部を撮像して得られた画像に基づくパノラマ画像を含む。
この作業計画支援装置1によれば、パノラマ画像を用いることで、オペレータが、簡易図10で作業区域を指定すれば、その場所でのパノラマ画像が確認できるため、運転中に立入が困難な原子炉格納容器内またはループ室内の状態をいつでも確認できる。また、パノラマ画像は、パノラマ写真と計測された位置とが関連付けられているので、コンピュータによりパノラマ画像の所望の位置を観測することも容易である。このように、パノラマ画像を用いることにより、原子力発電設備100の内部の情報を把握する際の利便性が向上する。
なお、本実施形態および各変形例の作業計画支援装置1は、コンピュータ2を他のコンピュータなどに通信回線を介して接続することで、遮蔽計画を共有することが可能である。さらに、他のコンピュータをモバイル型のものとすれば、上述の作業区域において、遮蔽材を適用したアイソメトリック図やパノラマ画像と、実際のものを照らし合わせて遮蔽材の設置を行うことができ、解体作業や点検作業を容易に行うことが可能になる。
また、本実施形態および各変形例の作業計画支援装置1は、原子力設備(原子力設備)100の構成を示す簡易図10に関連付けられて簡易図10内の所定の作業区域および当該作業区域での原子力設備100を構成する各部品(配管11や機器12)の位置を含む配置図情報Iを有する配置図データベース4Aと、各部品の寸法および材質を含む設計情報Aを有する部品データベース4Bと、各部品の表面での線量当量率および核種を含む放射線情報Bを有する放射線データベース4Cと、を含む。
この作業計画支援装置1によれば、上述の配置図データベース4Aと、部品データベース4Bと、放射線データベース4Cとにより、簡易図10をキーステーションとし、当該簡易図10と関連付けられたアイソメトリック図20によって、原子力設備100の構成品の属性情報(設計情報A、放射線情報Bを含む)を一元管理することができる。その結果、原子力設備100の解体作業や保守点検作業を行う箇所に影響を及ぼす放射線の核種、放射線量、放射線源の形状を容易に特定することが可能となり、その後の遮蔽計画を含む作業計画を効率的に作成することができる。