JP5907506B2 - ロータリー式弁装置 - Google Patents

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Description

本発明は、弁部材の停止位置に応じて定まる複数の弁ポートの連通関係を当該弁部材の回転により切り換えるロータリー式弁装置に関する。
従来のロータリー式弁装置として、例えば、特許文献1に開示されている四路切換弁は、図18に示すように、大径円筒状の弁ケース811と、弁ケース811の上端側に一体に連接されかつ上端が塞がれた小径円筒状のモータケース812と、弁ケース811の他端側開口を密閉するように当該弁ケース811に取り付けられた平板状の弁座813と、弁座813における弁ケース811内側を向く弁座面813aに重ねて配置されたロータリー式の弁体814と、弁ケース811内の空間を図中上下方向に区画して、圧力バランス室808及び弁室809を形成する隔壁807と、弁ケース811内の圧力バランス室808に内装された遊星歯車減速機815と、ステッピングモータ820と、を有している。
弁座813には、第1切換ポートC1(不図示)及び第2切換ポートC2、並びに、これら切換ポートC1、C2に可逆的に連通される第1固定ポートE1及び第2固定ポートE2が設けられている。弁体814は、弁ケース811に収容されており、その円柱部814aが隔壁807の中央に設けられた貫通孔807aに回転可能に支持され、円柱部814aに一体に連接された袴部814bが弁座面813aに重ねて配置されている。この袴部814bには、第2固定ポートE2に常時連通する気密連通孔814cが設けられている。弁体814は、遊星歯車減速機815の出力軸815aが接続されており、出力軸815aの回転に伴って回転される。
この四路切換弁801は、ステッピングモータ820の回転が遊星歯車減速機815を介して弁体814に伝達されて、弁体814が停止位置を切り換えるように回転される。これにより、弁体814は、一の停止位置にあるとき、気密連通孔814cによって第2固定ポートE2と第2切換ポートC2とを連通して接続し、かつ、第1固定ポートE1と第1切換ポートC1とを弁室809に露出させてこれらのポートを連通して接続する。また、弁体814は、他の停止位置にあるとき、気密連通孔814cによって第2固定ポートE2と第1切換ポートC1とを連通して接続し、かつ、第1固定ポートE1と第2切換ポートC2とを弁室809に露出させてこれらのポートを連通して接続する。このようにして、各ポートの連通関係が切り換えられる。
このような四路切換弁801は、例えば、エアコンの室内機と室外機との間で冷媒を循環させる冷媒循環回路等に組み込まれて用いられる。この場合、四路切換弁801の第2固定ポートE2は圧縮機の吸入側に接続される。そのため、第2固定ポートE2を流れる流体の流動方向が一定で且つ流体圧力も比較的小さいので、気密連通孔814c内及び圧力バランス室808内の冷媒の圧力(流体圧力)は大きく変動することはなく概ね一定となる。
その一方で、このようなロータリー式弁装置は、例えば、流体の流動方向が変化する回路等にも用いられる。流体の流動方向が変化する回路等に用いられるロータリー式弁装置の一例である二方弁の構成を、図19、図20に示す。
図19に示す二方弁901は、弁本体910と、弁本体910内に収容された弁部材930と、を備えている。弁部材930は、弁本体910に軸心回りに回動可能に支持された円柱部931と、円柱部931に一体に連接された袴形状の弁体部933と、を備えている。弁部材930は、弁本体910内に収容されることにより、弁本体910内の空間を弁室Bと背圧室Hとに区画している。また、円柱部931と弁本体910との間にシール部材938が設けられており、このシール部材938により、弁室Bと背圧室Hとが互いに密封して分け隔てられている。弁部材930は、コイルばね963によって、弁本体910に一体に設けられた弁座部920に押しつける力が加えられており、その弁体部933の下端面933aが弁座部920の弁座面922aに当接されている。弁体部933の下端面933aには、弁体部933に広がる密閉凹部934が形成されており、この密閉凹部934と弁座面922aとの間に密閉空間Gが形成されている。また、弁部材930には、弁体部933の密閉空間Gと背圧室Hとを連通する均圧孔936が形成されている。
弁座部920には、弁座面922aに開口する第1弁ポートP1及び第2弁ポートP2が形成されている。そして、弁部材930が回転軸部940を介して回転駆動部950によって回転されることにより、第1弁ポートP1及び第2弁ポートP2の少なくとも一方が開閉される。具体的には、図20(a)に示すように、第1弁ポートP1及び第2弁ポートP2が共に弁室Bに露出されて流体の流動が許容されたり(弁開状態)、図20(b)、(c)に示すように、第1弁ポートP1及び第2弁ポートP2のいずれか一方が、弁部材930の弁体部933に覆われて(即ち、密閉空間G内に露出されて)、流体の流動が規制されたりする(弁閉状態)。
そして、例えば、第1弁ポートP1及び第2弁ポートP2のいずれか一方が、弁部材930の弁体部933に覆われて流体の流動が規制されているときに、流体の流動方向が変化すると、弁室B内の流体圧力と、密閉空間G内及び背圧室H内(即ち、第1弁ポートP1及び第2弁ポートP2のうちの弁体部933に覆われた一方)の流体圧力と、の関係が変化し、場合によっては、流体圧力により弁部材930に対して弁座部920から浮き上がらせる力が働く。
そのため、弁室B内の流体圧力と、密閉空間G内及び背圧室H内の流体圧力と、の関係が変化した場合でも、弁座部920から浮き上がってしまわないように、コイルばね963による弁部材930を弁座部920に押しつける力が設定されている。
特開2001−141093号公報
上述した二方弁901においては、例えば、弁部材930の形状公差等の各種要因によって、弁部材930に加わる流体圧力による力のバランスが変化する。そのため、ワーストケースとした場合でも弁部材930が弁座部920から浮き上がらないように、コイルばね963による当該弁部材930を押しつける力が設定される。
以下に、コイルばね963の設定に関して、図21〜図26を参照して具体例を説明する。
例えば、図21(a)に示すように、弁部材930がコイルばね963によって弁座部920に押しつけられた場合に、形状公差によって、弁体部933の下端面933aの外周縁933a1が弁座面922aに当接され、且つ、内周縁933a2が弁座面922aから離間されることが考えられる。この場合、弁体部933の下端面933aには、密閉空間G内の流体圧力が加えられる。つまり、図21(b)に示すように、弁部材930における密閉空間G内の流体圧力が加えられる箇所の平面視面積S1が、弁体部933の下端面933aの外周縁933a1内の面積(斜線部分)となる。以下、この構成を「密閉空間最大構成」という。
また、図22(a)に示すように、弁部材930がコイルばね963によって弁座部920に押しつけられた場合に、形状公差によって、弁体部933の下端面933aの内周縁933a2が弁座面922aに当接され、且つ、外周縁933a1が弁座面922aから離間されることが考えられる。この場合、弁体部933の下端面933aには、弁室B内の流体圧力が加えられる。つまり、図22(b)に示すように、弁部材930における密閉空間G内の流体圧力が加えられる箇所の平面視面積S2が、弁体部933の下端面933aの内周縁933a2内の面積(斜線部分)となる。以下、この構成を「密閉空間最小構成」という。
そして、これら密閉空間最大構成及び密閉空間最小構成のそれぞれにおいて、密閉空間G内及び背圧室H内の流体圧力が、弁室B内の流体圧力より高い場合及び低い場合の4つのケースについて、弁部材930に働く力の一例を以下に示す。
以下の説明において、弁部材930の円柱部931の上端面931aの平面視面積SHを380平方ミリメートル(即ち、円柱部931の径Dを22mm)、密閉空間最大構成のときの上記平面視面積S1(即ち、下端面933aの外周縁933a1内の面積)を385平方ミリメートル、密閉空間最小構成のときの上記平面視面積S2(即ち、下端面933aの内周縁933a2内の面積)を250平方ミリメートル、としている。
また、密閉空間G内及び背圧室H内の流体圧力が弁室B内の流体圧力より高い場合のこれら流体圧力の圧力差ΔP1を3.0MPaとし、密閉空間G内及び背圧室H内の流体圧力が弁室B内の流体圧力より低い場合のこれら流体圧力の圧力差ΔP2を−3.0MPaとしている。
密閉空間G内の流体圧力により弁部材930に対して働く力F1は、密閉空間G内の流体圧力と弁室B内の流体圧力との圧力差(上記圧力差ΔP1又はΔP2)に、弁部材930における密閉空間G内の流体圧力が加えられる箇所の平面視面積(上記平面視面積S1又はS2)を乗じることで得られる。背圧室H内の流体圧力により弁部材930に対して働く力F2は、背圧室H内の流体圧力と弁室B内の流体圧力との圧力差(上記圧力差ΔP1又はΔP2)に、弁部材930における背圧室H内の流体圧力が加えられる箇所の平面視面積(上記平面視面積SH)を乗じることで得られる。また、以下では、弁部材930を弁座面に押しつける向きを正としている。
(ケース1:密閉空間最大構成において、密閉空間G内及び背圧室H内の流体圧力が弁室B内の流体圧力より高い場合)
図23に示すケース1において、密閉空間G内の流体圧力により弁部材930に対して働く力F1は、
F1=(−ΔP1)×S1=−1155[N]・・・(1−1)
となり、背圧室H内の流体圧力により弁部材930に対して働く力F2は、
F2=ΔP1×SH=1140[N]・・・(1−2)
となる。そのため、上記式より、弁部材930には、
F=F1+F2=−15[N]
の力が働き、つまり、弁部材930を弁座面922aから浮き上がらせるように15[N]の力が働いている。この場合、コイルばね963によって、少なくとも15[N]を超える力で弁部材930を弁座面922aに向けて押しつける必要がある。
(ケース2:密閉空間最小構成において、密閉空間G内及び背圧室H内の流体圧力が弁室B内の流体圧力より高い場合)
図24に示すケース2において、密閉空間G内の流体圧力により弁部材930に対して働く力F1は、
F1=(−ΔP1)×S2=−750[N]・・・(1−3)
となり、背圧室H内の流体圧力により弁部材930に対して働く力F2は、
F2=ΔP1×SH=1140[N]・・・(1−4)
となる。そのため、上記式より、弁部材930には、
F=F1+F2=390[N]
の力が働き、つまり、弁部材930を弁座面922aに押しつけるように390[N]の力が働いている。この場合、コイルばね963によって、弁部材930を弁座面922aに向けて押しつけなくても、弁部材930は弁座面922aから浮き上がらない。
(ケース3:密閉空間最大構成において、密閉空間G内及び背圧室H内の流体圧力が弁室B内の流体圧力より低い場合)
図25に示すケース3において、密閉空間G内の流体圧力により弁部材930に対して働く力F1は、
F1=(−ΔP2)×S1=1155[N]・・・(1−5)
となり、背圧室H内の流体圧力により弁部材930に対して働く力F2は、
F2=ΔP2×SH=−1140[N]・・・(1−6)
となる。そのため、上記式より、弁部材930には、
F=F1+F2=15[N]
の力が働き、つまり、弁部材930を弁座面922aに押しつけるように15[N]の力が働いている。この場合、コイルばね963によって、弁部材930を弁座面922aに向けて押しつけなくても、弁部材930は弁座面922aから浮き上がらない。
(ケース4:密閉空間最小構成において、密閉空間G内及び背圧室H内の流体圧力が弁室B内の流体圧力より低い場合)
図26に示すケース4において、密閉空間G内の流体圧力により弁部材930に対して働く力F1は、
F1=(−ΔP2)×S2=750[N]・・・(1−7)
となり、背圧室H内の流体圧力により弁部材930に対して働く力F2は、
F2=ΔP2×SH=−1140[N]・・・(1−8)
となる。そのため、上記式より、弁部材930には、
F=F1+F2=−390[N]
の力が働き、つまり、弁部材930を弁座面922aから浮き上がらせるように390[N]の力が働いている。この場合、コイルばね963によって、少なくとも390[N]を超える力で弁部材930を弁座面922aに向けて押しつける必要がある。
上述したケース1〜4のうち、特に、背圧室内の流体圧力が弁室内の流体圧力より低い場合であるケース4において、弁部材930が弁座面922aから浮き上がらせる力が最も大きくなる。そこで、ケース1〜4のいずれの場合においても弁部材930が弁座面922aから浮き上がらないようにするためには、ワーストケースであるケース4において、弁部材930を弁座面922aから浮き上がらせないようにすればよい。つまり、コイルばね963による弁部材930を弁座面922aに向けて押しつける力FSが、ケース4において弁部材930を浮き上がらせる力である390[N]を少なくとも超えるように設定すればよい。
しかしながら、上記二方弁901において、上記ケース4を想定してコイルばね963による弁部材930を弁座面922aに向けて押しつける力FSを、例えば391[N]に設定した場合に、上記ケース2の状態になると、弁部材930に対して、流体圧力により弁座面922aに押しつける力F(=390[N])と、コイルばね963により弁座面922aに向けて押しつける力FS(=391[N])とがともに加わって、強い力で弁部材930が弁座面922aに押しつけられる。そのため、このような強い力で押しつけられた弁部材930を回転駆動するには大きな力が必要となることから、回転駆動部950を大型化しなければならないという問題があった。
そこで、本発明は、弁部材を弁座面に押しつける力を抑制できるロータリー式弁装置を提供することを課題とする。
請求項1に記載された発明は、上記課題を解決するために、空間が内側に設けられた弁本体と、前記空間に面した平面状の弁座面及び該弁座面に開口する2つの弁ポートを有する弁座部と、前記弁座面に摺動回転可能に重ねて前記空間内に配置され、停止位置に応じて定まる前記2つの弁ポートの連通関係を回転により切り換える弁部材と、前記弁部材を前記弁座面に向けて押しつける押圧部材と、を備えたロータリー式弁装置において、前記弁部材が、前記弁本体に軸心回りに回転可能に支持される軸部と、前記軸部の一端に設けられ、前記停止位置に応じて前記2つの弁ポートのうちの少なくとも1の弁ポートを開閉する弁体部と、を有し、前記弁本体が、前記弁部材により前記空間が区画されることによって、前記軸部の一端側に形成された、前記弁体部が収容される弁室と、前記軸部の他端側に形成された背圧室と、を有し、前記弁本体又は前記弁部材が、前記2つの弁ポートのうちの前記弁体部により開閉される弁ポートと前記背圧室とを接続する均圧路を有し、前記背圧室の流体圧力が前記弁室の流体圧力より低いときの前記弁部材における前記背圧室の流体圧力が加えられる平面視面積が、前記背圧室の流体圧力が前記弁室の流体圧力より高いときの前記平面視面積より小さくなるように構成されていることを特徴とするロータリー式弁装置である。
請求項2に記載された発明は、上記課題を解決するために、空間が内側に設けられた弁本体と、前記空間に面した平面状の弁座面及び該弁座面に開口する複数の弁ポートを有する弁座部と、前記弁座面に摺動回転可能に重ねて前記空間内に配置され、停止位置に応じて定まる前記複数の弁ポートの連通関係を回転により切り換える弁部材と、前記弁部材を前記弁座面に向けて押しつける押圧部材と、を備えたロータリー式弁装置において、前記弁部材が、前記弁本体に軸心回りに回転可能に支持される軸部と、前記軸部の一端に設けられ、前記弁座面との間に密閉空間を形成しかつ当該密閉空間により前記停止位置に応じて所定の組み合わせの前記複数の弁ポートを連通する1又は複数の密閉連通路が設けられた弁体部と、を有し、前記弁本体が、前記弁部材により前記空間が区画されることによって、前記軸部の一端側に形成された、前記弁体部が収容される弁室と、前記軸部の他端側に形成された背圧室と、を有し、前記弁本体又は前記弁部材が、前記密閉連通路のうちのいずれか1つと前記背圧室とを接続する均圧路を有し、前記背圧室の流体圧力が前記弁室の流体圧力より低いときの前記弁部材における前記背圧室の流体圧力が加えられる平面視面積が、前記背圧室の流体圧力が前記弁室の流体圧力より高いときの前記平面視面積より小さくなるように構成されていることを特徴とするロータリー式弁装置である。
請求項3に記載された発明は、請求項1又は2に記載された発明において、前記弁本体と前記弁部材との間には、それらの間を密封する環状のシール部材が設けられ、前記背圧室の流体圧力が前記弁室の流体圧力より高いときに前記シール部材が前記弁部材に押しつけられ、前記背圧室の流体圧力が前記弁室の流体圧力より低いときに前記シール部材が前記弁本体に押しつけられるように構成されていることを特徴とするものである。
請求項4に記載された発明は、請求項3に記載された発明において、前記弁部材の前記軸部が、前記背圧室に一端面が面するように配置された小径軸部分と、該小径軸部分の他端面に同軸に連なる大径軸部分と、前記小径軸部分の外周面及び前記大径軸部分の外周面の間に形成された軸部段差面と、を有し、前記弁本体が、前記小径軸部分が回転可能に嵌合される小径孔部と、前記大径軸部分が回転可能に嵌合される大径孔部と、前記小径孔部の内周面及び大径孔部の内周面との間に形成された支持部段差面と、が設けられた弁部材支持部を有し、前記シール部材が、前記小径軸部分の外周面、前記軸部段差面、前記大径孔部の内周面及び前記支持部段差面に囲まれた空間内に、前記小径軸部分の外周面と前記大径孔部の内周面との間を密封するように設けられていることを特徴とするものである。
請求項5に記載された発明は、上記課題を解決するために、空間が内側に設けられた弁本体と、前記空間に面した平面状の弁座面及び該弁座面に開口する2つの弁ポートを有する弁座部と、前記弁座面に摺動回転可能に重ねて前記空間内に配置され、停止位置に応じて定まる前記2つの弁ポートの連通関係を回転により切り換える弁部材と、前記弁部材を前記弁座面に向けて押しつける押圧部材と、を備えたロータリー式弁装置において、前記弁部材が、前記弁本体に軸心回りに回転可能に支持される円柱部と、前記円柱部の一端に連なり、前記停止位置に応じて前記2つの弁ポートのうちの少なくとも1の弁ポートを開閉する弁体部と、を有し、前記弁本体が、前記弁部材により前記空間が区画されることによって、前記円柱部の一端側に形成された、前記弁体部が収容される弁室と、前記円柱部の他端側に形成された背圧室と、を有し、前記弁本体又は前記弁部材が、前記2つの弁ポートのうちの前記弁体部により開閉される弁ポートと前記背圧室とを接続する均圧路を有し、前記円柱部が、前記背圧室に一端面が面するように配置された小径円柱部分と、該小径円柱部分の他端面に同軸に連なる大径円柱部分と、前記小径円柱部分の外周面及び前記大径円柱部分の外周面の間に形成された円柱部段差面と、を有し、前記弁本体が、前記小径円柱部分が回転可能に嵌合される小径孔部と、前記大径円柱部分が回転可能に嵌合される大径孔部と、前記小径孔部の内周面及び大径孔部の内周面との間に形成された支持部段差面と、が設けられた弁部材支持部を有し、前記小径円柱部分の外周面、前記円柱部段差面、前記大径孔部の内周面及び前記支持部段差面に囲まれた空間内に、前記小径円柱部分の外周面と前記大径孔部の内周面との間を密封する環状のシール部材が設けられていることを特徴とするロータリー式弁装置である。
請求項6に記載された発明は、上記課題を解決するために、空間が内側に設けられた弁本体と、前記空間に面した平面状の弁座面及び該弁座面に開口する複数の弁ポートを有する弁座部と、前記弁座面に摺動回転可能に重ねて前記空間内に配置され、停止位置に応じて定まる前記複数の弁ポートの連通関係を回転により切り換える弁部材と、前記弁部材を前記弁座面に向けて押しつける押圧部材と、を備えたロータリー式弁装置において、前記弁部材が、前記弁本体に軸心回りに回転可能に支持される円柱部と、前記円柱部の一端に連なり、前記弁座面との間に密閉空間を形成しかつ当該密閉空間により前記停止位置に応じて所定の組み合わせの前記複数の弁ポートを連通する1又は複数の密閉連通路が設けられた弁体部と、を有し、前記弁本体が、前記弁部材により前記空間が区画されることによって、前記円柱部の一端側に形成された、前記弁体部が収容される弁室と、前記円柱部の他端側に形成された背圧室と、を有し、前記弁本体又は前記弁部材が、前記密閉連通路のうちのいずれか1つと前記背圧室とを接続する均圧路を有し、前記円柱部が、前記背圧室に一端面が面するように配置された小径円柱部分と、該小径円柱部分の他端面に同軸に連なる大径円柱部分と、前記小径円柱部分の外周面及び前記大径円柱部分の外周面の間に形成された円柱部段差面と、を有し、前記弁本体が、前記小径円柱部分が回転可能に嵌合される小径孔部と、前記大径円柱部分が回転可能に嵌合される大径孔部と、前記小径孔部の内周面及び大径孔部の内周面との間に形成された支持部段差面と、が設けられた弁部材支持部を有し、前記小径円柱部分の外周面、前記円柱部段差面、前記大径孔部の内周面及び前記支持部段差面に囲まれた空間内に、前記小径円柱部分の外周面と前記大径孔部の内周面との間を密封する環状のシール部材が設けられていることを特徴とするロータリー式弁装置である。
請求項1、2に記載された発明によれば、背圧室の流体圧力が弁室の流体圧力より低いときの弁部材における背圧室の流体圧力が加えられる平面視面積が、背圧室の流体圧力が弁室の流体圧力より高いときの前記平面視面積より小さくなるように構成されている。このようにしたことから、背圧室内の流体圧力が弁室内の流体圧力より低い場合において、背圧室内の流体圧力により弁部材に対して弁座面から浮き上がらせる力が働いているところ、弁部材における背圧室内の流体圧力が加えられる箇所の面積(即ち、平面視面積)が小さくなるので、弁部材を弁座面から浮き上がらせる力を小さくすることができる。これにより、押圧部材による弁部材を弁座面に向けて押しつける力を小さくすることができるので、弁部材を弁座面に押しつける力を抑制できる。
請求項3に記載された発明によれば、弁本体と弁部材との間には、それらの間を密封する環状のシール部材が設けられている。そして、背圧室の流体圧力が弁室の流体圧力より高いときにシール部材が弁部材に押しつけられ、背圧室の流体圧力が弁室の流体圧力より低いときにシール部材が弁本体に押しつけられるように構成されている。このようにしたことから、弁本体と弁部材との間を密封する環状のシール部材は、その一部の面に背圧室の流体圧力が加わり、他の一部の面に弁室の流体圧力が加わっている。そして、背圧室の流体圧力が弁室の流体圧力より高いときにシール部材が弁部材に押しつけられると、シール部材の一部の面の平面視面積に加えられた背圧室の流体圧力が弁部材にも加えられる。また、背圧室の流体圧力が弁室の流体圧力より低いときにシール部材が弁本体に押しつけられると、シール部材の他の一部の面に加えられた弁室の流体圧力が弁本体にも加えられる。つまり、背圧室の流体圧力が弁室の流体圧力より低いときの弁部材における背圧室の流体圧力が加えられる平面視面積(即ち、直接的又はシール部材を通じて間接的に加えられる平面視面積)が、背圧室の流体圧力が弁室の流体圧力より高いときの前記平面視面積より小さくなるように構成されている。このことから、背圧室内の流体圧力が弁室内の流体圧力より低い場合において、背圧室内の流体圧力により弁部材に対して弁座面から浮き上がらせる力が働いているところ、弁部材における背圧室内の流体圧力が加えられる箇所の面積(即ち、平面視面積)が小さくなるので、弁部材を弁座面から浮き上がらせる力を小さくすることができる。これにより、押圧部材による弁部材を弁座面に向けて押しつける力を小さくすることができるので、弁部材を弁座面に押しつける力を抑制できる。
請求項4に記載された発明によれば、弁部材の軸部が、背圧室に一端面が面するように配置された小径軸部分と、該小径軸部分の他端面に同軸に連なる大径軸部分と、小径軸部分の外周面及び前記大径軸部分の外周面の間に形成された軸部段差面と、を有している。弁本体が、小径軸部分が回転可能に嵌合される小径孔部と、大径軸部分が回転可能に嵌合される大径孔部と、小径孔部の内周面及び大径孔部の内周面との間に形成された支持部段差面と、が設けられた弁部材支持部を有している。そして、シール部材が、小径軸部分の外周面、軸部段差面、大径孔部の内周面及び支持部段差面に囲まれた空間内に、小径軸部分の外周面と大径孔部の内周面との間を密封するように設けられている。このようにしたことから、弁部材の小径軸部分の外周面と弁本体の大径孔部の内周面との間を密封する環状のシール部材は、その一部の面に背圧室の流体圧力が加わり、他の一部の面に弁室の流体圧力が加わっている。そして、背圧室の流体圧力が弁室の流体圧力より高いときにシール部材が弁部材の軸部段差面に押しつけられ、シール部材の一部の面の平面視面積に加えられた背圧室の流体圧力が弁部材にも加えられる。また、背圧室の流体圧力が弁室の流体圧力より低いときにシール部材が弁本体の支持部段差面に押しつけられ、シール部材の他の一部の面に加えられた弁室の流体圧力が弁本体にも加えられる。つまり、背圧室の流体圧力が弁室の流体圧力より低いときの弁部材における背圧室の流体圧力が加えられる平面視面積(即ち、直接的又はシール部材を通じて間接的に加えられる平面視面積)が、背圧室の流体圧力が弁室の流体圧力より高いときの前記平面視面積より小さくなるように構成されている。つまり、背圧室内の流体圧力が弁室内の流体圧力より高い場合、背圧室内の流体圧力によりシール部材が軸部段差面に押しつけられて、弁部材において平面視で大径軸部分の外径より内側の箇所に背圧室内の流体圧力が加えられる。また、背圧室内の流体圧力が弁室内の流体圧力より低い場合、弁室内の流体圧力によりシール部材が軸部段差面に押しつけられて、弁部材において平面視で小径軸部分の外径より内側の箇所に背圧室内の流体圧力が加えられる。このことから、背圧室内の流体圧力が弁室内の流体圧力より低い場合において、背圧室内の流体圧力により弁部材に対して弁座面から浮き上がらせる力が働いているところ、弁部材における背圧室内の流体圧力が加えられる箇所の面積(即ち、平面視面積)が小さくなるので、弁部材を弁座面から浮き上がらせる力を小さくすることができる。これにより、押圧部材による弁部材を弁座面に向けて押しつける力を小さくすることができるので、弁部材を弁座面に押しつける力を抑制できる。
請求項5、6に記載された発明によれば、弁本体に軸心回りに回転可能に支持される円柱部が、背圧室に一端面が面するように配置された小径円柱部分と、該小径円柱部分の他端面に同軸に連なる大径円柱部分と、小径円柱部分の外周面及び大径円柱部分の外周面の間に形成された円柱部段差面と、を有している。また、弁本体が、円柱部の小径円柱部分が回転可能に嵌合される小径孔部と、円柱部の大径円柱部分が回転可能に嵌合される大径孔部と、小径孔部の内周面及び大径孔部の内周面との間に形成された支持部段差面と、が設けられた弁部材支持部を有している。そして、円柱部の小径円柱部分の外周面、円柱部段差面、弁本体の弁部材支持部の大径孔部の内周面及び支持部段差面に囲まれた空間内に、小径円柱部分の外周面と大径孔部の内周面との間を密封する環状のシール部材が設けられている。このようにしたことから、シール部材における円柱部段差面側の箇所には弁室内の流体圧力が加わっており、シール部材における支持部段差面側の箇所には背圧室内の流体圧力が加わっている。そのため、背圧室内の流体圧力が弁室内の流体圧力より高い場合、背圧室内の流体圧力によりシール部材が円柱部段差面に押しつけられて、弁部材において平面視で大径円柱部分の外径より内側の箇所に背圧室内の流体圧力が加えられる。また、背圧室内の流体圧力が弁室内の流体圧力より低い場合、弁室内の流体圧力によりシール部材が円柱部段差面に押しつけられて、弁部材において平面視で小径円柱部分の外径より内側の箇所に背圧室内の流体圧力が加えられる。つまり、背圧室内の流体圧力が弁室内の流体圧力より低い場合において、背圧室内の流体圧力により弁部材に対して弁座面から浮き上がらせる力が働いているところ、弁部材における背圧室内の流体圧力が加えられる箇所の面積が小さくなるので、弁部材を弁座面から浮き上がらせる力を小さくすることができる。これにより、押圧部材による弁部材を弁座面に向けて押しつける力を小さくすることができるので、弁部材を弁座面に押しつける力を抑制できる。
本発明の第1の実施形態である二方弁の縦断面図である。 図1の二方弁の一部を拡大した拡大断面図である。 図1のX−X線に沿う断面図であり、(a)は、弁部材が第1停止位置にある状態(弁開状態)を示し、(b)は、弁部材が第2停止位置にある状態(第1弁ポートを閉じた弁閉状態)を示し、(c)は、弁部材が第3停止位置にある状態(第2弁ートを閉じた弁閉状態)を示す。 弁部材における弁体部の密閉空間内の流体圧力を受ける箇所を説明する図であって、(a)は、弁体部の密閉空間が最大となる場合の弁部材の断面図であり、(b)は、(a)の弁部材を備えた構成(密閉空間内最大構成)において弁座面を軸L方向から見た平面図である。 弁部材における弁体部の密閉空間内の流体圧力を受ける箇所を説明する図であって、(a)は、弁体部の密閉空間が最小となる場合の弁部材の断面図であり、(b)は、(a)の弁部材を備えた構成(密閉空間内最小構成)において弁座面を軸L方向から見た平面図である。 図1の二方弁の動作を説明する図であって、(a)は、二方弁の縦断面図であり、(b)は、(a)の弁座面を軸L方向から見た平面図であり、(c)は、(a)の一部を拡大した拡大断面図である(ケース1:密閉空間最大構成において、密閉空間内及び背圧室内の流体圧力が弁室内の流体圧力より高い場合)。 図1の二方弁の動作を説明する図であって、(a)は、二方弁の縦断面図であり、(b)は、(a)の弁座面を軸L方向から見た平面図であり、(c)は、(a)の一部を拡大した拡大断面図である(ケース2:密閉空間最小構成において、密閉空間内及び背圧室内の流体圧力が弁室内の流体圧力より高い場合)。 図1の二方弁の動作を説明する図であって、(a)は、二方弁の縦断面図であり、(b)は、(a)の弁座面を軸L方向から見た平面図であり、(c)は、(a)の一部を拡大した拡大断面図である(ケース3:密閉空間最大構成において、密閉空間内及び背圧室内の流体圧力が弁室内の流体圧力より低い場合)。 図1の二方弁の動作を説明する図であって、(a)は、二方弁の縦断面図であり、(b)は、(a)の弁座面を軸L方向から見た平面図であり、(c)は、(a)の一部を拡大した拡大断面図である(ケース4:密閉空間最小構成において、密閉空間内及び背圧室内の流体圧力が弁室内の流体圧力より低い場合)。 本発明の第2の実施形態である流路切換弁の縦断面図である。 図10のX−X線に沿う断面図であり、(a)は、弁部材が第1停止位置にある状態を示し、(b)は、弁部材が第2停止位置にある状態を示す。 弁部材における弁体部の密閉空間内の流体圧力を受ける箇所を説明する図であって、(a)は、弁体部の密閉空間が最大となる場合の弁部材の断面図であり、(b)は、(a)の弁部材を備えた構成(密閉空間内最大構成)において弁座面を軸L方向から見た平面図である。 弁部材における弁体部の密閉空間内の流体圧力を受ける箇所を説明する図であって、(a)は、弁体部の密閉空間が最小となる場合の弁部材の断面図であり、(b)は、(a)の弁部材を備えた構成(密閉空間内最小構成)において弁座面を軸L方向から見た平面図である。 図10の流路切換弁の動作を説明する図であって、(a)は、流路切換弁の縦断面図であり、(b)は、(a)の弁座面を軸L方向から見た平面図であり、(c)は、(a)の一部を拡大した拡大断面図である(ケース1:密閉空間最大構成において、密閉空間内及び背圧室内の流体圧力が弁室内の流体圧力より高い場合)。 図10の流路切換弁の動作を説明する図であって、(a)は、流路切換弁の縦断面図であり、(b)は、(a)の弁座面を軸L方向から見た平面図であり、(c)は、(a)の一部を拡大した拡大断面図である(ケース2:密閉空間最小構成において、密閉空間内及び背圧室内の流体圧力が弁室内の流体圧力より高い場合)。 図10の流路切換弁の動作を説明する図であって、(a)は、流路切換弁の縦断面図であり、(b)は、(a)の弁座面を軸L方向から見た平面図であり、(c)は、(a)の一部を拡大した拡大断面図である(ケース3:密閉空間最大構成において、密閉空間内及び背圧室内の流体圧力が弁室内の流体圧力より低い場合)。 図10の流路切換弁の動作を説明する図であって、(a)は、流路切換弁の縦断面図であり、(b)は、(a)の弁座面を軸L方向から見た平面図であり、(c)は、(a)の一部を拡大した拡大断面図である(ケース4:密閉空間最小構成において、密閉空間内及び背圧室内の流体圧力が弁室内の流体圧力より低い場合)。 従来のロータリー式弁装置の一例の四路切換弁の縦断面図である。 従来のロータリー式弁装置の他の一例の二方弁の縦断面図である。 図19のX−X線に沿う断面図であり、(a)は、弁部材が第1停止位置にある状態(弁開状態)を示し、(b)は、弁部材が第2停止位置にある状態(第1弁ポートを閉じた弁閉状態)を示し、(c)は、弁部材が第3停止位置にある状態(第2弁ートを閉じた弁閉状態)を示す。 図19の二方弁の弁部材における弁体部の密閉空間内の流体圧力を受ける箇所を説明する図であって、(a)は、弁体部の密閉空間が最大となる場合の弁部材の断面図であり、(b)は、(a)の弁部材を備えた構成(密閉空間内最大構成)において弁座面を軸L方向から見た平面図である。 図19の二方弁の弁部材における弁体部の密閉空間内の流体圧力を受ける箇所を説明する図であって、(a)は、弁体部の密閉空間が最小となる場合の弁部材の断面図であり、(b)は、(a)の弁部材を備えた構成(密閉空間内最小構成)において弁座面を軸L方向から見た平面図である。 図19の二方弁の動作を説明する図であって、(a)は、二方弁の縦断面図であり、(b)は、(a)の弁座面を軸L方向から見た平面図である(ケース1:密閉空間最大構成において、密閉空間内及び背圧室内の流体圧力が弁室内の流体圧力より高い場合)。 図19の二方弁の動作を説明する図であって、(a)は、二方弁の縦断面図であり、(b)は、(a)の弁座面を軸L方向から見た平面図である(ケース2:密閉空間最小構成において、密閉空間内及び背圧室内の流体圧力が弁室内の流体圧力より高い場合)。 図19の二方弁の動作を説明する図であって、(a)は、二方弁の縦断面図であり、(b)は、(a)の弁座面を軸L方向から見た平面図である(ケース3:密閉空間最大構成において、密閉空間内及び背圧室内の流体圧力が弁室内の流体圧力より低い場合)。 図19の二方弁の動作を説明する図であって、(a)は、二方弁の縦断面図であり、(b)は、(a)の弁座面を軸L方向から見た平面図である(ケース4:密閉空間最小構成において、密閉空間内及び背圧室内の流体圧力が弁室内の流体圧力より低い場合)。
(第1の実施形態)
以下に、本発明のロータリー式弁装置の第1の実施形態としての二方弁について、図1〜図3を参照して構成を説明し、図4〜図9を参照して動作を説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態である二方弁の縦断面図である。図2は、図1の二方弁の一部を拡大した拡大断面図である。図3は、図1のX−X線に沿う断面図であり、(a)は、弁部材が第1停止位置にある状態(弁開状態)を示し、(b)は、弁部材が第2停止位置にある状態(第1弁ポートを閉じた弁閉状態)を示し、(c)は、弁部材が第3停止位置にある状態(第2弁ートを閉じた弁閉状態)を示す。なお、以下の説明における「上下」の概念は、図1における上下に対応しており、各部材の相対的な位置関係を示すものであって、絶対的な位置関係を示すものではない。
第1の実施形態の二方弁(各図中、符号1で示す)は、例えば、流体の流動方向が変化する回路に配設され、流体の流動を許容又は規制するためなどに用いられる二方弁である。
本実施形態の二方弁1は、図1〜図3に示すように、弁本体10と、弁座部20と、弁部材30と、シールリング38と、回転軸部40と、回転駆動部50と、コイルばね63と、を有している。
弁本体10は、例えば、ステンレスやアルミニウム合金などを材料として構成され、略円筒形状の第1部分11と、第1部分11の図中上方の一端部を塞ぐようにして当該第1部分11に固定して取り付けられた略円板状の第2部分12と、を有している。
第2部分12の中央部には、それを貫通する平面視円形の円形貫通孔13が形成されている。この円形貫通孔13は、その軸Lが後述する弁座部20の弁座面22aと直交するように設けられている。
円形貫通孔13における図中上方の軸受挿入部14には、後述する回転軸部40を回転可能に支持する軸受け部16が挿入されて、当該軸受け部16が第2部分12に固定して設けられている。
また、円形貫通孔13における図中下方の弁部材支持部15には、後述する弁部材30の円柱部31における小径円柱部分31aが回転可能に嵌合される小径孔部15aと、当該円柱部31における大径円柱部分31bが回転可能に嵌合される、小径孔部15aより径の大きい大径孔部15bと、が軸L方向に並べて設けられている。また、小径孔部15aの内周面15a1と大径孔部15bの内周面15b1との間には、これら内周面15a1及び内周面15b1と直交(略直交を含む)する支持部段差面15cが設けられている。
第1部分11の内側空間11a及びそれに連通する第2部分12の円形貫通孔13の弁部材支持部15内の空間により、弁本体10内側に空間Qが形成されている。第1部分11と第2部分12との間は、シールリング66によって封止され、軸受け部16と第2部分12との間は、シールリング67によって封止されている。
弁座部20は、弁本体10の第1部分11の図中下方の他端部を塞ぐように当該第1部分11と一体に設けられた弁座部本体21と、弁座部本体21における弁本体10内の空間Q側を向く平面に固定して重ねられた薄板部材22と、を有している。
また、弁座部20は、弁座部本体21及び薄板部材22を貫通して設けられた2つの弁ポートとしての第1弁ポートP1及び第2弁ポートP2が設けられている。本実施形態において、弁座面22aに直交する方向からの平面視において、第1弁ポートP1及び第2弁ポートP2は、軸Lを中心とする円周上に配置されている。
弁座部20の薄板部材22は、例えば、ステンレスなどを材料として構成されており、弁本体10内の空間Qに面した平面状の弁座面22aを備えている。この弁座面22aは、弁本体10の第2部分12と間隔をあけて対向して配置されている。
弁部材30は、円柱部31と、円柱部31の図中下方の端部(即ち、円柱部31の一端)に設けられた弁体部33と、を一体に有している。弁部材30は、弁本体10内の空間Qに収容されている。
円柱部31は、小径円柱部分31aと、小径円柱部分31aに同軸に連接された当該小径円柱部分31aより径の大きい大径円柱部分31bと、を一体に有している。また、小径円柱部分31aの外周面31a1と大径円柱部分31bの外周面31b1との間には、これら外周面31a1及び外周面31b1と直交(略直交を含む)する円柱部段差面31cが設けられている。小径円柱部分31aは、外径が上述した弁本体10の弁部材支持部15の小径孔部15aの内径より若干小さく形成されている。また、大径円柱部分31bは、外形が上述した弁本体10の弁部材支持部15の大径孔部15bの内径より若干小さく形成されている。円柱部31は、その軸が円形貫通孔13の軸Lと重なるようにして弁部材支持部15に嵌合される。これにより、円柱部31(つまり、弁部材30)は、当該弁部材支持部15により軸心回りに回転可能に支持される。円柱部31は、軸部の一例に相当する。また、小径円柱部分31a、大径円柱部分31b及び円柱部段差面31cは、それぞれ小径軸部分、大径軸部分及び軸部段差面の一例に相当する。
円柱部31の小径円柱部分31aの外周面31a1、円柱部31の円柱部段差面31c、弁部材支持部15の大径孔部15bの内周面15b1、および、弁部材支持部15の支持部段差面15c、によって囲まれたシール空間Rには、シールリング38が配設されている。
シールリング38は、例えば、ニトリルゴムやシリコーンゴムなどの比較的軟質の弾性材料で構成されている。シールリング38は、外部から力を加えられていない状態(弾性変形していない状態)で円環状(リング状)になるように形成されている。シールリング38の内径は、円柱部31の小径円柱部分31aの外径より小さく形成され、シールリング38の外径は、弁部材支持部15の大径孔部15bの内径より大きく形成されている。これにより、シールリング38は、上記シール空間Rに収容されると半径方向に押しつぶされて、円柱部31の小径円柱部分31aの外周面31a1と弁部材支持部15の大径孔部15bの内周面15b1との間を回転可能に密封する。シールリング38における円柱部段差面31c側の箇所(即ち、シール部材の他の一部の面)には弁室B内の流体圧力が加わっており、シールリング38における支持部段差面15c側の箇所(即ち、シール部材の一部の面)には背圧室H内の流体圧力が加わっている。シールリング38は、シール部材の一例に相当する。
また、円柱部31は、その長さが円形貫通孔13の弁部材支持部15の長さと同一又は若干短くされており、小径円柱部分31aの全体及び大径円柱部分31bの一部が、当該弁部材支持部15内に配置されている。これにより、円柱部31の図中上方の上端面31d(即ち、小径円柱部分31aの一端面)側に密閉された空間(以下、「背圧室H」という)が形成される。つまり、弁部材30は、その上端面31d側に、弁本体10の第2部分12との間に空間Qの一部を密閉するように区画した背圧室Hを形成するように配設されている。また、弁部材30は、空間Q内に配設されることにより、当該空間Qの他の一部である弁本体10の第1部分11の内側空間11aを、弁室Bとして背圧室Hと区画する。この第1部分11の内側空間11aには、後述する弁体部33が収容される。換言すると、弁本体10が、弁部材30により空間Qが区画されることによって、円柱部31の一端側に形成された弁体部33が収容される弁室Bと、円柱部31の他端側に形成された背圧室Hと、を有している。
また、円柱部31は、後述する回転軸部40の一端部41が取り付けられる回転軸部取付孔32が、上端面31dに開口して設けられている。この回転軸部取付孔32は、小径部32aと、小径部より径の大きい大径部32bと、が上下方向に連なって形成されている。小径部32aの径は、回転軸部40の一端部41の外径より若干大きくされている。大径部32bの径は、コイルばね63の外径より若干大きくされている。
弁体部33は、円柱部31の半径方向に張り出した袴形状でかつ軸L方向から見た平面視において略扇形状に形成されている。本実施形態において、弁体部33は、円柱部31の一端に一体に連なって設けられている。勿論、このような構成以外にも、弁体部33は、円柱部31と別個に形成されるとともに連接部材等を介して円柱部31の一端に連なって設けられていてもよい。弁体部33は、弁本体10の弁室B(内側空間11a)内に配置されている。弁体部33の下端面33aは平面状に形成され、弁座部20の弁座面22aに摺動回転可能に密に重ねられている。弁体部33の下端面33aには、当該弁体部33内側に広がる密閉凹部34が設けられている。
密閉凹部34は、弁体部33の内側をその外形に沿ってくり抜いた形状に形成されており、軸L方向から見た平面視において略扇形状に形成されている。密閉凹部34は、弁座面22aに重ねられることにより、当該弁座面22aとの間に密閉空間Gを形成する。弁体部33によって第1弁ポートP1又は第2弁ポートP2が覆われて密閉空間G内に露出されることにより、第1弁ポートP1又は第2弁ポートP2が互いに分け隔てられて、第1弁ポートP1と第2弁ポートP2との間を流れる流体の流動が規制される。
また、弁部材30には、円柱部31の回転軸部取付孔32と密閉凹部34とを連通する均圧路36が設けられている。この均圧路36によって、回転軸部取付孔32を通じて密閉凹部34の密閉空間G(つまり、弁体部33により開閉される第1弁ポートP1又は第2弁ポートP2)と背圧室Hとが連通されて接続される。なお、本実施形態において、均圧路36は、弁部材30に設けられているが、これに限定されるものではない。例えば、弁部材30が、例えば、第1弁ポートP1のみ開閉する構成において、弁本体10に、第1弁ポートP1と背圧室Hとを接続する均圧路を設けてもよい。
弁部材30は、図3(a)に示す第1停止位置にあるとき、弁体部33により第1弁ポートP1及び第2弁ポートP2のいずれも覆われず、これら第1弁ポートP1と第2弁ポートP2とが弁室B内に露出されて流体の流動が許容される(弁開状態)。
また、弁部材30を、図3(a)の第1停止位置から図3(b)に示す第2停止位置まで図中時計回りに回転させると、弁部材30は弁体部33によって第1弁ポートP1が覆われる。これにより、第1弁ポートP1が密閉空間G内に露出され、第2弁ポートP2が弁室B内に露出されて、第1弁ポートP1又は第2弁ポートP2が互いに分け隔てられて、第1弁ポートP1と第2弁ポートP2との間を流れる流体の流動が規制される(弁閉状態)。
また、弁部材30を、図3(a)の第1停止位置から図3(c)に示す第3停止位置まで図中反時計回りに回転させると、弁部材30は弁体部33によって第2弁ポートP2が覆われる。これにより、第2弁ポートP2が密閉空間G内に露出され、第1弁ポートP1が弁室B内に露出されて、第1弁ポートP1又は第2弁ポートP2が互いに分け隔てられて、第1弁ポートP1と第2弁ポートP2との間を流れる流体の流動が規制される(弁閉状態)。
弁本体10と弁部材30とには、弁部材30が第2停止位置を超えて時計回りに回転されること、及び、第3停止位置を超えて反時計回りに回転されることを規制する図示しない一対の回転ストッパ機構が設けられている。または、弁部材30の回転角度等を検出するセンサなどからなる検出部を設けて、当該検出部によって検出された弁部材30の回転角度等に基づいて、弁部材30を第2停止位置及び第3停止位置に停止させるように、後述する回転駆動部50を制御する構成などであってもよい。
回転軸部40は、円柱状に形成されており、一端部41が弁部材30に取り付けられ、他端部42が、弁本体10の第2部分12を貫通して外部に突出されている。また、回転軸部40の軸が円形貫通孔13の軸Lと重なるようにして、回転軸部40の中央部43が、弁本体10の第2部分12に設けられた軸受け部16によって回動可能に支持されている。
回転軸部40の一端部41は、コイルばね63の内側に挿通されると共に、弁部材30の回転軸部取付孔32に挿入して配置されている。このときコイルばね63は、回転軸部40に設けられたフランジ状のばね受け部44と回転軸部取付孔32における小径部32aと大径部32bとの間の段差部32cとの間に圧縮状態で挟まれている。これにより、弁部材30は、コイルばね63によって弁座面22aに向けて押圧される。コイルばね63は、押圧部材の一例に相当する。
また、回転軸部40の一端部41には、その外周面に形成された図示しない凸部が設けられており、回転軸部取付孔32の小径部32aの内周面には、この凸部が軸Lを中心とした回転方向に係止するように形成された図示しない凹部が設けられている。これにより、回転軸部40は、弁部材30に対して軸L方向に移動可能であり、かつ、回転軸部40が軸Lを中心として回転されると、上記凸部と上記凹部とが係止して回転軸部40とともに弁部材30が回転される。
回転軸部40には、ばね受け部44の図中上方に間隔をあけて第1フランジ部45が設けられ、第1フランジ部45の図中上方に間隔をあけて第2フランジ部46が設けられている。第1フランジ部45及び第2フランジ部46の外径は、弁本体10の軸受け部16の内径と略同一にされている。ばね受け部44と第1フランジ部45との間には、第1シールリング61が配設され、第1フランジ部45と第2フランジ部46との間には、第2シールリング62が配設されて、これら第1シールリング61及び第2シールリング62によって軸受け部16と回転軸部40との間を封止している。
第1シールリング61及び第2シールリング62は、例えば、ニトリルゴムやシリコーンゴムなどの比較的軟質の弾性材料で構成されている。第1シールリング61及び第2シールリング62は、外部から力を加えられていない状態(弾性変形していない状態)で円環状(リング状)になるように形成されており、その内径が回転軸部40の中央部43の外径より若干小さく、かつ、その外径が軸受け部16の内径より若干大きくされている。
回転駆動部50は、弁本体10の第2部分12の上面12aにおける回転軸部40が突出された箇所付近に設けられている。回転駆動部50は、直流モータからなるモータ部51と、モータ部51のモータシャフト51aに固定して取り付けられた第1ギヤ52と、第1ギヤ52と噛み合うようにして回転軸部40の他端部42に固定して取り付けられた第2ギヤ53と、を有している。回転駆動部50は、モータ部51に電力が供給されると、モータシャフト51aを回転させ、この回転が第1ギヤ52及び第2ギヤ53を通じて、回転軸部40を、軸Lを中心として回転させる。本実施形態において、一対の歯車(第1ギヤ52及び第2ギヤ53)により減速機構を構成しているが、さらに多くの歯車により減速機構を構成してもよい。この減速機構は遊星歯車により構成されていてもよい。
次に、本実施形態の二方弁1における動作の一例について、図4〜図9を参照して説明する。
図4は、弁部材における弁体部の密閉空間内の流体圧力を受ける箇所を説明する図であって、(a)は、弁体部の密閉空間が最大となる場合の弁部材の断面図であり、(b)は、(a)の弁部材を備えた構成(密閉空間内最大構成)において弁座面を軸L方向から見た平面図である。図5は、弁部材における弁体部の密閉空間内の流体圧力を受ける箇所を説明する図であって、(a)は、弁体部の密閉空間が最小となる場合の弁部材の断面図であり、(b)は、(a)の弁部材を備えた構成(密閉空間内最小構成)において弁座面を軸L方向から見た平面図である。
図6は、図1の二方弁の動作を説明する図であって、(a)は、二方弁の縦断面図であり、(b)は、(a)の弁座面を軸L方向から見た平面図であり、(c)は、(a)の一部を拡大した拡大断面図である(ケース1:密閉空間最大構成において、密閉空間内及び背圧室内の流体圧力が弁室内の流体圧力より高い場合)。図7は、図1の二方弁の動作を説明する図であって、(a)は、二方弁の縦断面図であり、(b)は、(a)の弁座面を軸L方向から見た平面図であり、(c)は、(a)の一部を拡大した拡大断面図である(ケース2:密閉空間最小構成において、密閉空間内及び背圧室内の流体圧力が弁室内の流体圧力より高い場合)。図8は、図1の二方弁の動作を説明する図であって、(a)は、二方弁の縦断面図であり、(b)は、(a)の弁座面を軸L方向から見た平面図であり、(c)は、(a)の一部を拡大した拡大断面図である(ケース3:密閉空間最大構成において、密閉空間内及び背圧室内の流体圧力が弁室内の流体圧力より低い場合)。図9は、図1の二方弁の動作を説明する図であって、(a)は、二方弁の縦断面図であり、(b)は、(a)の弁座面を軸L方向から見た平面図であり、(c)は、(a)の一部を拡大した拡大断面図である(ケース4:密閉空間最小構成において、密閉空間内及び背圧室内の流体圧力が弁室内の流体圧力より低い場合)。
上述した二方弁1においては、例えば、弁部材30の形状公差、温度変化による歪み等の各種要因によって、弁部材30の下端面33aと弁座面22aとの接触面積がばらついたり、不安定になったりすることがあり、弁部材30に加わる流体圧力による力のバランスが変化する。そのため、弁部材30の下端面33aと弁座面22aとの接触面積のばらつきにより密閉空間Gが最大となる場合及び最小となる場合をワーストケースとして、これらワーストケースとした場合でも弁部材30が弁座面22aから浮き上がらないように、コイルばね63による当該弁部材30を押しつける力を設定することで、想定されるすべてのケースにおいて、弁部材30を弁座面22aから浮き上がらないようにすることが可能となる。
例えば、図4(a)に示すように、弁部材30がコイルばね63によって弁座面22aに押しつけられた場合に、形状公差によって、弁体部33の下端面33aの外周縁33a1が弁座面22aに当接され、且つ、内周縁33a2が弁座面22aから離間されることが考えられる。この場合、弁体部33の下端面33aには、密閉空間G内の流体圧力が加えられる。つまり、図4(b)に示すように、弁部材30における密閉空間G内の流体圧力が加えられる箇所の平面視面積S1が、弁体部33の下端面33aの外周縁33a1内の面積(斜線部分)となる。以下、この構成を「密閉空間最大構成」という。
また、図5(a)に示すように、弁部材30がコイルばね63によって弁座面22aに押しつけられた場合に、形状公差によって、弁体部33の下端面33aの内周縁33a2が弁座面22aに当接され、且つ、外周縁33a1が弁座面22aから離間されることが考えられる。この場合、弁体部33の下端面33aには、弁室B内の流体圧力が加えられる。つまり、図5(b)に示すように、弁部材30における密閉空間G内の流体圧力が加えられる箇所の平面視面積S2が、弁体部33の下端面33aの内周縁33a2内の面積(斜線部分)となる。以下、この構成を「密閉空間最小構成」という。
そして、これら密閉空間最大構成及び密閉空間最小構成のそれぞれにおいて、密閉空間G内及び背圧室H内の流体圧力が、弁室B内の流体圧力より高い場合及び低い場合の4つのケースについて、弁部材30に働く力の一例を以下に示す。
以下の説明において、弁部材30の円柱部31の大径円柱部分31bの平面視面積SH1を380平方ミリメートル(即ち、大径円柱部分31bの径D1を22mm)、小径円柱部分31aの平面視面積SH2を254.3平方ミリメートル(即ち、小径円柱部分31aの径D2を18mm)、密閉空間最大構成のときの上記平面視面積S1(即ち、下端面33aの外周縁33a1内の面積)を385平方ミリメートル、密閉空間最小構成のときの上記平面視面積S2(即ち、下端面33aの内周縁33a2内の面積)を250平方ミリメートル、としている。
また、密閉空間G内及び背圧室H内の流体圧力が弁室B内の流体圧力より高い場合のこれら流体圧力の圧力差ΔP1を3.0MPaとし、密閉空間G内及び背圧室H内の流体圧力が弁室B内の流体圧力より低い場合のこれら流体圧力の圧力差ΔP2を−3.0MPaとしている。
密閉空間G内の流体圧力により弁部材30に対して働く力F1は、密閉空間G内の流体圧力と弁室B内の流体圧力との圧力差(上記圧力差ΔP1又はΔP2)に、弁部材30における密閉空間G内の流体圧力が加えられる箇所の平面視面積(上記平面視面積S1又はS2)を乗じることで得られる。背圧室H内の流体圧力により弁部材30に対して働く力F2は、背圧室H内の流体圧力と弁室B内の流体圧力との圧力差(上記圧力差ΔP1又はΔP2)に、弁部材30における背圧室H内の流体圧力が加えられる箇所の平面視面積(上記平面視面積SH1又はSH2)を乗じることで得られる。また、以下では、弁部材30を弁座面に押しつける向きを正としている。
(ケース1:密閉空間最大構成において、密閉空間G内及び背圧室H内の流体圧力が弁室B内の流体圧力より高い場合)
図6(a)、(b)に示すように、密閉空間G内及び背圧室H内の流体圧力が弁室B内の流体圧力より高い場合、シールリング38が、弁部材30の円柱部31の円柱部段差面31cに押しつけられる。そのため、背圧室H内の流体圧力が大径円柱部分31b(即ち、平面視面積SH1)の箇所に加わる。そのため、密閉空間G内の流体圧力により弁部材30に対して働く力F1は、
F1=(−ΔP1)×S1=−1155[N]・・・(2−1)
となり、背圧室H内の流体圧力により弁部材30に対して働く力F2は、
F2=ΔP1×SH1=1140[N]・・・(2−2)
となる。そのため、上記式より、弁部材30には、
F=F1+F2=−15[N]
の力が働き、つまり、弁部材30を弁座面22aから浮き上がらせるように15[N]の力が働いている。この場合、コイルばね63によって、少なくとも15[N]を超える力で弁部材30を弁座面22aに向けて押しつける必要がある。
(ケース2:密閉空間最小構成において、密閉空間G内及び背圧室H内の流体圧力が弁室B内の流体圧力より高い場合)
図7(a)、(b)に示すように、ケース2においても、ケース1と同様に、背圧室H内の流体圧力が大径円柱部分31b(即ち、平面視面積SH1)の箇所に加わる。そのため、密閉空間G内の流体圧力により弁部材30に対して働く力F1は、
F1=(−ΔP1)×S2=−750[N]・・・(2−3)
となり、背圧室H内の流体圧力により弁部材30に対して働く力F2は、
F2=ΔP1×SH1=1140[N]・・・(2−4)
となる。そのため、上記式より、弁部材30には、
F=F1+F2=390[N]
の力が働き、つまり、弁部材30を弁座面22aに押しつけるように390[N]の力が働いている。この場合、コイルばね63によって、弁部材30を弁座面22aに向けて押しつけなくても、弁部材30は弁座面22aから浮き上がらない。
(ケース3:密閉空間最大構成において、密閉空間G内及び背圧室H内の流体圧力が弁室B内の流体圧力より低い場合)
図8(a)、(b)に示すように、密閉空間G内及び背圧室H内の流体圧力が弁室B内の流体圧力より低い場合、シールリング38が、弁本体10の弁部材支持部15の支持部段差面15cに押しつけられる。そのため、背圧室H内の流体圧力が小径円柱部分31a(即ち、平面視面積SH2)の箇所に加わる。そのため、密閉空間G内の流体圧力により弁部材30に対して働く力F1は、
F1=(−ΔP2)×S1=1155[N]・・・(2−5)
となり、背圧室H内の流体圧力により弁部材30に対して働く力F2は、
F2=ΔP2×SH2=−763[N]・・・(2−6)
となる。そのため、上記式より、弁部材30には、
F=F1+F2=392[N]
の力が働き、つまり、弁部材30を弁座面22aに押しつけるように392[N]の力が働いている。この場合、コイルばね63によって、弁部材30を弁座面22aに向けて押しつけなくても、弁部材30は弁座面22aから浮き上がらない。
(ケース4:密閉空間最小構成において、密閉空間G内及び背圧室H内の流体圧力が弁室B内の流体圧力より低い場合)
図9(a)、(b)に示すように、ケース4においても、ケース3と同様に、背圧室H内の流体圧力が小径円柱部分31a(即ち、平面視面積SH2)の箇所に加わる。そのため、密閉空間G内の流体圧力により弁部材30に対して働く力F1は、
F1=(−ΔP2)×S2=750[N]・・・(2−7)
となり、背圧室H内の流体圧力により弁部材30に対して働く力F2は、
F2=ΔP2×SH2=−763[N]・・・(2−8)
となる。そのため、上記式より、弁部材30には、
F=F1+F2=−13[N]
の力が働き、つまり、弁部材30を弁座面22aから浮き上がらせるように13[N]の力が働いている。この場合、コイルばね63によって、少なくとも13[N]を超える力で弁部材30を弁座面22aに向けて押しつける必要がある。
上述したケース1〜4のうち、ケース1において、弁部材30が弁座面22aから浮き上がらせる力が最も大きくなる。そこで、ケース1〜4のいずれの場合においても弁部材30が弁座面22aから浮き上がらないようにするためには、ワーストケースであるケース1において、弁部材30を弁座面22aから浮き上がらせないようにすればよい。つまり、コイルばね63による弁部材30を弁座面22aに向けて押しつける力FSが、ケース1において弁部材30を浮き上がらせる力である15[N]を少なくとも超えるように設定すればよい。そして、背圧室Hの流体圧力と弁室Bの流体圧力との関係が切り替わることにより、弁部材30における背圧室Hの流体圧力が加えられる平面視面積が変化する。具体的には、背圧室Hの流体圧力より弁室Bの流体圧力が高いときの上記平面視面積SH2が、背圧室Hの流体圧力より弁室Bの流体圧力が低いときの上記平面視面積SH1より小さくなる。これにより、このコイルばね63に設定される力は、従来の構成に比べて小さくなる。
上述したように、二方弁1では、密閉空間G内及び背圧室H内の流体圧力が弁室B内の流体圧力より高い場合、シールリング38が、弁部材30の円柱部31の円柱部段差面31cに押しつけられる。そのため、背圧室H内の流体圧力が大径円柱部分31b(即ち、平面視面積SH1)の箇所に加わる。また、密閉空間G内及び背圧室H内の流体圧力が弁室B内の流体圧力より低い場合、シールリング38が、弁本体10の弁部材支持部15の支持部段差面15cに押しつけられる。そのため、背圧室H内の流体圧力が小径円柱部分31a(即ち、平面視面積SH2)の箇所に加わる。
つまり、二方弁1は、背圧室Hの流体圧力が弁室Bの流体圧力より低いときの弁部材30における背圧室Hの流体圧力が加えられる平面視面積SH2が、背圧室Hの流体圧力が弁室Bの流体圧力より高いときの前記平面視面積SH1より小さくなるように構成されている。また、弁本体10と弁部材30との間には、それらの間を密封する環状のシールリング38が設けられ、背圧室Hの流体圧力が弁室Bの流体圧力より高いときにシールリング38が弁部材30に押しつけられ、背圧室Hの流体圧力が弁室Bの流体圧力より低いときにシールリング38が弁本体10に押しつけられるように構成されている。
以上説明したように、本実施形態の二方弁1は、空間Qが内側に設けられた弁本体10と、空間Qに面した平面状の弁座面22a及び該弁座面22aに開口する第1弁ポートP1及び第2弁ポートP2を有する弁座部20と、弁座面22aに摺動回転可能に重ねて空間Q内に配置され、停止位置に応じて定まる第1弁ポートP1及び第2弁ポートP2の連通関係を回転により切り換える弁部材30と、弁部材30を弁座面22aに向けて押しつけるコイルばね63と、を備えている。また、弁部材30が、弁本体10に軸心回りに回転可能に支持される円柱部31と、円柱部31の一端に連なり、弁部材30の停止位置に応じて第1弁ポートP1及び第2弁ポートP2を開閉する弁体部33と、を有している。弁本体10が、弁部材30により空間Qが区画されることによって円柱部31の一端側に形成された弁体部33が収容される弁室Bと、円柱部31の他端側に形成された背圧室Hと、を有している。弁部材30が、第1弁ポートP1及び第2弁ポートP2と背圧室Hとを接続する均圧路36を有している。円柱部31が、背圧室Hに一端面が面するように配置された小径円柱部分31aと、該小径円柱部分31aの他端面に同軸に連なる大径円柱部分31bと、小径円柱部分31aの外周面31a1及び大径円柱部分31bの外周面31b1の間に形成された円柱部段差面31cと、を有している。弁本体10が、小径円柱部分31aが回転可能に嵌合される小径孔部15aと、大径円柱部分31bが回転可能に嵌合される大径孔部15bと、小径孔部15aの内周面15a1及び大径孔部15bの内周面15b1との間に形成された支持部段差面15cと、が設けられた弁部材支持部15を有している。そして、小径円柱部分31aの外周面31a1、円柱部段差面31c、大径孔部15bの内周面15b1及び支持部段差面15cに囲まれたシール空間R内に、小径円柱部分31aの外周面31a1と大径孔部15bの内周面15b1との間を密封する環状のシールリング38が設けられている。
以上より、本実施形態によれば、弁本体10に軸心回りに回転可能に支持される円柱部31が、背圧室Hに一端面が面するように配置された小径円柱部分31aと、該小径円柱部分31aの他端面に同軸に連なる大径円柱部分31bと、小径円柱部分31aの外周面31a1及び大径円柱部分31bの外周面31b1の間に形成された円柱部段差面31cと、を有している。また、弁本体10が、円柱部31の小径円柱部分31aが回転可能に嵌合される小径孔部15aと、円柱部31の大径円柱部分31bが回転可能に嵌合される大径孔部15bと、小径孔部15aの内周面15a1及び大径孔部15bの内周面15b1との間に形成された支持部段差面15cと、が設けられた弁部材支持部15を有している。そして、円柱部31の小径円柱部分31aの外周面31a1、円柱部段差面31c、弁本体10の弁部材支持部15の大径孔部15bの内周面15b1及び支持部段差面15cに囲まれたシール空間R内に、小径円柱部分31aの外周面31a1と大径孔部15bの内周面15b1との間を密封する環状のシールリング38が設けられている。このようにしたことから、シールリング38における円柱部段差面31c側の箇所には弁室B内の流体圧力が加わっており、シールリング38における支持部段差面15c側の箇所には背圧室H内の流体圧力が加わっている。そのため、背圧室H内の流体圧力が弁室B内の流体圧力より高い場合、背圧室H内の流体圧力によりシールリング38が円柱部段差面31cに押しつけられて、弁部材30において平面視で大径円柱部分31bの外径より内側の箇所に背圧室H内の流体圧力が加えられる。また、背圧室H内の流体圧力が弁室B内の流体圧力より低い場合、弁室B内の流体圧力によりシールリング38が支持部段差面15cに押しつけられて、弁部材30において平面視で小径円柱部分31aの外径より内側の箇所に背圧室H内の流体圧力が加えられる。つまり、背圧室H内の流体圧力が弁室B内の流体圧力より低い場合において、背圧室H内の流体圧力により弁部材30に対して弁座面22aから浮き上がらせる力が働いているところ、弁部材30における背圧室H内の流体圧力が加えられる箇所の面積が小さくなるので、弁部材30を弁座面22aから浮き上がらせる力を小さくすることができる。これにより、コイルばね63による弁部材30を弁座面22aに向けて押しつける力を小さくすることができるので、弁部材30を弁座面22aに押しつける力を抑制できる。
また、二方弁1は、背圧室Hの流体圧力が弁室Bの流体圧力より低いときの弁部材30における背圧室Hの流体圧力が加えられる平面視面積SH2が、背圧室Hの流体圧力が弁室Bの流体圧力より高いときの平面視面積SH1より小さくなるように構成されている。このようにしたことから、背圧室H内の流体圧力が弁室B内の流体圧力より低い場合において、背圧室H内の流体圧力により弁部材30に対して弁座面22aから浮き上がらせる力が働いているところ、弁部材30における背圧室H内の流体圧力が加えられる箇所の面積(即ち、平面視面積)が小さくなるので、弁部材30を弁座面22aから浮き上がらせる力を小さくすることができる。これにより、コイルばね63による弁部材30を弁座面22aに向けて押しつける力を小さくすることができるので、弁部材30を弁座面22aに押しつける力を抑制できる。
また、二方弁1は、弁本体10と弁部材30との間に、それらの間を密封する環状のシールリング38が設けられている。そして、背圧室Hの流体圧力が弁室Bの流体圧力より高いときにシールリング38が弁部材30に押しつけられ、背圧室Hの流体圧力が弁室Bの流体圧力より低いときにシールリング38が弁本体10に押しつけられるように構成されている。このようにしたことから、弁本体10と弁部材30との間を密封する環状のシールリング38は、その一部の面(支持部段差面15c側の箇所)に背圧室Hの流体圧力が加わり、他の一部の面(円柱部段差面31c側の箇所)に弁室Bの流体圧力が加わっている。そして、背圧室Hの流体圧力が弁室Bの流体圧力より高いときにシールリング38が弁部材30に押しつけられると、シールリング38の一部の面の平面視面積に加えられた背圧室Hの流体圧力が弁部材30にも加えられる。また、背圧室Hの流体圧力が弁室Bの流体圧力より低いときにシールリング38が弁本体10に押しつけられると、シールリング38の他の一部の面に加えられた弁室Bの流体圧力が弁本体10にも加えられる。つまり、背圧室Hの流体圧力が弁室Bの流体圧力より低いときの弁部材30における背圧室Hの流体圧力が加えられる平面視面積SH2(即ち、直接的又はシール部材を通じて間接的に加えられる平面視面積)が、背圧室Hの流体圧力が弁室Bの流体圧力より高いときの前記平面視面積SH1より小さくなるように構成されている。このことから、背圧室H内の流体圧力が弁室B内の流体圧力より低い場合において、背圧室H内の流体圧力により弁部材30に対して弁座面22aから浮き上がらせる力が働いているところ、弁部材30における背圧室H内の流体圧力が加えられる箇所の面積(即ち、平面視面積)が小さくなるので、弁部材30を弁座面22aから浮き上がらせる力を小さくすることができる。これにより、コイルばね63による弁部材30を弁座面22aに向けて押しつける力を小さくすることができるので、弁部材30を弁座面22aに押しつける力を抑制できる。
(第2の実施形態)
以下に、本発明のロータリー式弁装置の第2の実施形態として流路切換弁について、図10、図11を参照して構成を説明し、図12〜図17を参照して動作を説明する。
図10は、本発明の第2の実施形態である流路切換弁の縦断面図である。図11は、図10のX−X線に沿う断面図であり、(a)は、弁部材が第1停止位置にある状態を示し、(b)は、弁部材が第2停止位置にある状態を示す。なお、以下の説明における「上下」の概念は、図11における上下に対応しており、各部材の相対的な位置関係を示すものであって、絶対的な位置関係を示すものではない。
第2の実施形態の流路切換弁(各図中、符号1Aで示す)は、例えば、流体の流動方向が変化する回路に配設され、流体の流動方向を切り換えるためなどに用いられる四方切換弁である。
本実施形態の流路切換弁1Aは、図10、図11に示すように、弁本体10と、弁座部20Aと、弁部材30Aと、シールリング38と、回転軸部40と、回転駆動部50と、コイルばね63と、を有している。本実施形態の流路切換弁1Aは、上述した第1の実施形態の二方弁1において、弁座部20及び弁部材30に代えて、弁座部20A及び弁部材30Aを有する以外は同一の構成である。よって、以下の説明において、第1の実施形態と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
弁座部20Aは、弁本体10の第1部分11の図中下方の他端部を塞ぐように当該第1部分11と一体に設けられた弁座部本体21と、弁座部本体21における空間Q側を向く平面に固定して重ねられた薄板部材22と、を有している。
また、弁座部20Aは、弁座部本体21及び薄板部材22を貫通して設けられた複数の弁ポートとしての第1固定ポートE1、第2固定ポートE2、第1切換ポートC1、及び、第2切換ポートC2が設けられている。本実施形態において、弁座面22aに直交する方向からの平面視において、第1固定ポートE1は、円形貫通孔13の軸Lに重ねて配置され、第2固定ポートE2、第1切換ポートC1及び第2切換ポートC2は、軸Lを中心とする円周(略円周含む)上に配置されている。弁座部20Aの弁座部本体21及び薄板部材22は、開口されたポート以外について上述した第1の実施形態と同様の構成である。
弁部材30Aは、円柱部31と、円柱部31の図中下方の端部(即ち、円柱部31の一端)に設けられた弁体部33Aと、を一体に有している。弁部材30Aは、弁本体10内の空間Qに収容されている。円柱部31は、上述した第1の実施形態と同一の構成である。つまり、本実施形態の円柱部31及び弁本体10の弁部材支持部15については、図2に示す上述した第1の実施形態と同一の構成である。
弁体部33Aは、円柱部31の半径方向に張り出した平面視円形状に形成されており、弁本体10の内側空間11a内に配置されている。本実施形態において、弁体部33Aは、円柱部31の一端に一体に連なって設けられている。勿論、この構成以外にも、弁体部33Aは、円柱部31と別個に形成されるとともに連接部材等を介して円柱部31の一端に連なって設けられていてもよい。弁体部33Aの下端面33aは平面状に形成され、弁座部20Aの弁座面22aに摺動回転可能に密に重ねられている。弁体部33Aの下端面33aには、当該弁体部33A内側に広がる密閉連通路34A及び開放連通路35が設けられている。
密閉連通路34Aは、弁座面22aとの間に密閉空間G1を形成するように、弁体部33Aの下端面33aに中央部分から半径方向に延在して設けられている。本実施形態では、密閉連通路34Aが、軸L方向から見た平面視において、帯状(略帯状含む)に形成され、円柱部31の外側に一方向に向けて延在する延在部分340を有している。
開放連通路35は、弁体部33Aの下端面33aに密閉連通路34Aを囲む略C字形状の空間G2を形成するように設けられている。弁体部33Aには、開放連通路35の内外を接続する接続孔33bが設けられている。
また、弁部材30Aには、円柱部31の回転軸部取付孔32と密閉連通路34Aとを連通する均圧路36が設けられている。この均圧路36によって、回転軸部取付孔32を通じて密閉連通路34Aの密閉空間G1と背圧室Hとが連通されて接続される。
弁部材30Aは、図11(a)に示す第1停止位置にあるとき、密閉連通路34Aの密閉空間G1によって第1固定ポートE1と第1切換ポートC1とを連通して接続し、かつ、開放連通路35の空間G2に第2固定ポートE2と第2切換ポートC2とを露出させてこれらポートを連通して接続する。また、図11(a)の第1停止位置から図11(b)に示す第2停止位置まで回転させると、弁部材30Aは、密閉連通路34Aにより形成される密閉空間G1によって第1固定ポートE1と第2切換ポートC2とを連通して接続し、かつ、開放連通路35の空間G2に第2固定ポートE2と第1切換ポートC1とを露出させてこれらポートを連通して接続する。
弁本体10と弁部材30Aとには、弁部材30Aが第1停止位置及び第2停止位置を超えて回転されることを規制する図示しない一対の回転ストッパ機構が設けられている。または、弁部材30Aの回転角度等を検出するセンサなどからなる検出部を設けて、当該検出部によって検出された弁部材30Aの回転角度等に基づいて、弁部材30Aを第1停止位置及び第2停止位置に停止させるように、後述する回転駆動部50を制御する構成などであってもよい。これにより、弁部材30Aは、第1停止位置から図中反時計回りに回転されて第2停止位置で停止し、第2停止位置から図中時計回りに回転されて第1停止位置で停止する。
次に、本実施形態の流路切換弁1Aにおける動作の一例について、図12〜図17を参照して説明する。
図12は、弁部材における弁体部の密閉空間内の流体圧力を受ける箇所を説明する図であって、(a)は、弁体部の密閉空間が最大となる場合の弁部材の断面図であり、(b)は、(a)の弁部材を備えた構成(密閉空間内最大構成)において弁座面を軸L方向から見た平面図である。図13は、弁部材における弁体部の密閉空間内の流体圧力を受ける箇所を説明する図であって、(a)は、弁体部の密閉空間が最小となる場合の弁部材の断面図であり、(b)は、(a)の弁部材を備えた構成(密閉空間内最小構成)において弁座面を軸L方向から見た平面図である。
図14は、図10の流路切換弁の動作を説明する図であって、(a)は、流路切換弁の縦断面図であり、(b)は、(a)の弁座面を軸L方向から見た平面図であり、(c)は、(a)の一部を拡大した拡大断面図である(ケース1:密閉空間最大構成において、密閉空間内及び背圧室内の流体圧力が弁室内の流体圧力より高い場合)。図15は、図10の流路切換弁の動作を説明する図であって、(a)は、流路切換弁の縦断面図であり、(b)は、(a)の弁座面を軸L方向から見た平面図であり、(c)は、(a)の一部を拡大した拡大断面図である(ケース2:密閉空間最小構成において、密閉空間内及び背圧室内の流体圧力が弁室内の流体圧力より高い場合)。図16は、図10の流路切換弁の動作を説明する図であって、(a)は、流路切換弁の縦断面図であり、(b)は、(a)の弁座面を軸L方向から見た平面図であり、(c)は、(a)の一部を拡大した拡大断面図である(ケース3:密閉空間最大構成において、密閉空間内及び背圧室内の流体圧力が弁室内の流体圧力より低い場合)。図17は、図10の流路切換弁の動作を説明する図であって、(a)は、流路切換弁の縦断面図であり、(b)は、(a)の弁座面を軸L方向から見た平面図であり、(c)は、(a)の一部を拡大した拡大断面図である(ケース4:密閉空間最小構成において、密閉空間内及び背圧室内の流体圧力が弁室内の流体圧力より低い場合)。
上述した流路切換弁1Aにおいては、例えば、弁部材30Aの形状公差、温度変化による歪み等の各種要因によって、弁部材30Aの下端面33aと弁座面22aとの接触面積がばらついたり、不安定になったりすることがあり、弁部材30Aに加わる流体圧力による力のバランスが変化する。そのため、弁部材30Aの下端面33aと弁座面22aとの接触面積のばらつきにより密閉空間G1が最大となる場合及び最小となる場合をワーストケースとして、これらワーストケースとした場合でも弁部材30Aが弁座面22aから浮き上がらないように、コイルばね63による当該弁部材30Aを押しつける力を設定することで、想定されるすべてのケースにおいて、弁部材30を弁座面22aから浮き上がらないようにすることが可能となる。
例えば、図12(a)に示すように、弁部材30Aがコイルばね63によって弁座面22aに押しつけられた場合に、形状公差によって、弁体部33Aの下端面33aにおける密閉連通路34Aを囲う部分の外周縁33a3が弁座面22aに当接され、且つ、当該部分の内周縁33a4が弁座面22aから離間されることが考えられる。この場合、弁体部33Aの下端面33aにおける当該部分は、密閉空間G1内の流体圧力が加えられる。つまり、図12(b)に示すように、弁部材30Aにおける密閉空間G1内の流体圧力が加えられる箇所の平面視面積S1が、弁体部33Aの下端面33aにおける密閉連通路34Aを囲う部分の外周縁33a3内の面積(斜線部分)となる。以下、この構成を「密閉空間最大構成」という。
また、図13(a)に示すように、弁部材30Aがコイルばね63によって弁座面22aに押しつけられた場合に、形状公差によって、弁体部33Aの下端面33aにおける密閉連通路34Aを囲う部分の内周縁33a4が弁座面22aに当接され、且つ、当該部分の外周縁33a3が弁座面22aから離間されることが考えられる。この場合、弁体部33Aの下端面33aにおける当該部分には、弁室B内の流体圧力が加えられる。つまり、図13(b)に示すように、弁部材30Aにおける密閉空間G1内の流体圧力が加えられる箇所の平面視面積S2が、弁体部33Aの下端面33aにおける密閉連通路34Aを囲う部分の内周縁33a4内の面積(斜線部分)となる。以下、この構成を「密閉空間最小構成」という。
そして、これら密閉空間最大構成及び密閉空間最小構成のそれぞれにおいて、密閉空間G1内及び背圧室H内の流体圧力が、弁室B内の流体圧力より高い場合及び低い場合の4つのケースについて、弁部材30Aに働く力の一例を以下に示す。
以下の説明において、弁部材30Aの円柱部31の大径円柱部分31bの平面視面積SH1を380平方ミリメートル(即ち、大径円柱部分31bの径D1を22mm)、小径円柱部分31aの平面視面積SH2を254.3平方ミリメートル(即ち、小径円柱部分31aの径D2を18mm)、密閉空間最大構成のときの上記平面視面積S1(即ち、下端面33aの外周縁33a3内の面積)を400平方ミリメートル、密閉空間最小構成のときの上記平面視面積S2(即ち、下端面33aの内周縁33a4内の面積)を252平方ミリメートル、としている。
また、密閉空間G1内及び背圧室H内の流体圧力が弁室B内の流体圧力より高い場合のこれら流体圧力の圧力差ΔP1を3.0MPaとし、密閉空間G1内及び背圧室H内の流体圧力が弁室B内の流体圧力より低い場合のこれら流体圧力の圧力差ΔP2を−3.0MPaとしている。
密閉空間G1内の流体圧力により弁部材30Aに対して働く力F1は、密閉空間G1内の流体圧力と弁室B内の流体圧力との圧力差(上記圧力差ΔP1又はΔP2)に、弁部材30Aにおける密閉空間G1内の流体圧力が加えられる箇所の平面視面積(上記平面視面積S1又はS2)を乗じることで得られる。背圧室H内の流体圧力により弁部材30Aに対して働く力F2は、背圧室H内の流体圧力と弁室B内の流体圧力との圧力差(上記圧力差ΔP1又はΔP2)に、弁部材30Aにおける背圧室H内の流体圧力が加えられる箇所の平面視面積(上記平面視面積SH1又はSH2)を乗じることで得られる。また、以下では、弁部材30Aを弁座面22aに押しつける向きを正としている。
(ケース1:密閉空間最大構成において、密閉空間G1内及び背圧室H内の流体圧力が弁室B内の流体圧力より高い場合)
図14(a)、(b)に示すように、密閉空間G1内及び背圧室H内の流体圧力が弁室B内の流体圧力より高い場合、シールリング38が、弁部材30Aの円柱部31の円柱部段差面31cに押しつけられる。そのため、背圧室H内の流体圧力が大径円柱部分31b(即ち、平面視面積SH1)の箇所に加わる。そのため、密閉空間G1内の流体圧力により弁部材30Aに対して働く力F1は、
F1=(−ΔP1)×S1=−1200[N]・・・(3−1)
となり、背圧室H内の流体圧力により弁部材30Aに対して働く力F2は、
F2=ΔP1×SH1=1140[N]・・・(3−2)
となる。そのため、上記式より、弁部材30Aには、
F=F1+F2=−60[N]
の力が働き、つまり、弁部材30Aを弁座面22aから浮き上がらせるように60[N]の力が働いている。この場合、コイルばね63によって、少なくとも60[N]を超える力で弁部材30Aを弁座面22aに向けて押しつける必要がある。
(ケース2:密閉空間最小構成において、密閉空間G1内及び背圧室H内の流体圧力が弁室B内の流体圧力より高い場合)
図15(a)、(b)に示すように、ケース2においても、ケース1と同様に、背圧室H内の流体圧力が大径円柱部分31b(即ち、平面視面積SH1)の箇所に加わる。そのため、密閉空間G1内の流体圧力により弁部材30Aに対して働く力F1は、
F1=(−ΔP1)×S2=−756[N]・・・(3−3)
となり、背圧室H内の流体圧力により弁部材30Aに対して働く力F2は、
F2=ΔP1×SH1=1140[N]・・・(3−4)
となる。そのため、上記式より、弁部材30Aには、
F=F1+F2=384[N]
の力が働き、つまり、弁部材30Aを弁座面22aに押しつけるように384[N]の力が働いている。この場合、コイルばね63によって、弁部材30Aを弁座面22aに向けて押しつけなくても、弁部材30Aは弁座面22aから浮き上がらない。
(ケース3:密閉空間最大構成において、密閉空間G1内及び背圧室H内の流体圧力が弁室B内の流体圧力より低い場合)
図16(a)、(b)に示すように、密閉空間G1内及び背圧室H内の流体圧力が弁室B内の流体圧力より低い場合、シールリング38が、弁本体10の弁部材支持部15の支持部段差面15cに押しつけられる。そのため、背圧室H内の流体圧力が小径円柱部分31a(即ち、平面視面積SH2)の箇所に加わる。そのため、密閉空間G1内の流体圧力により弁部材30Aに対して働く力F1は、
F1=(−ΔP2)×S1=1200[N]・・・(3−5)
となり、背圧室H内の流体圧力により弁部材30Aに対して働く力F2は、
F2=ΔP2×SH2=−763[N]・・・(3−6)
となる。そのため、上記式より、弁部材30Aには、
F=F1+F2=437[N]
の力が働き、つまり、弁部材30Aを弁座面22aに押しつけるように437[N]の力が働いている。この場合、コイルばね63によって、弁部材30Aを弁座面22aに向けて押しつけなくても、弁部材30Aは弁座面22aから浮き上がらない。
(ケース4:密閉空間最小構成において、密閉空間G1内及び背圧室H内の流体圧力が弁室B内の流体圧力より低い場合)
図17(a)、(b)に示すように、ケース4においても、ケース3と同様に、背圧室H内の流体圧力が小径円柱部分31a(即ち、平面視面積SH2)の箇所に加わる。そのため、密閉空間G1内の流体圧力により弁部材30Aに対して働く力F1は、
F1=(−ΔP2)×S2=756[N]・・・(3−7)
となり、背圧室H内の流体圧力により弁部材30Aに対して働く力F2は、
F2=ΔP2×SH2=−763[N]・・・(3−8)
となる。そのため、上記式より、弁部材30Aには、
F=F1+F2=−7[N]
の力が働き、つまり、弁部材30Aを弁座面22aから浮き上がらせるように7[N]の力が働いている。この場合、コイルばね63によって、少なくとも7[N]を超える力で弁部材30Aを弁座面22aに向けて押しつける必要がある。
上述したケース1〜4のうち、ケース1において、弁部材30Aが弁座面22aから浮き上がらせる力が最も大きくなる。そこで、ケース1〜4のいずれの場合においても弁部材30Aが弁座面22aから浮き上がらないようにするためには、ワーストケースであるケース1において、弁部材30Aを弁座面22aから浮き上がらせないようにすればよい。つまり、コイルばね63による弁部材30Aを弁座面22aに向けて押しつける力FSが、ケース1において弁部材30Aを浮き上がらせる力である60[N]を少なくとも超えるように設定すればよい。
上述した流路切換弁1Aについて、従来の構成のように円柱部31に小径円柱部分31a及び大径円柱部分31bを設けずに軸方向にわたって均一な径とした場合(即ち、上記SH2=SH1=380平方ミリメートルとした場合)、上記ケース4の状態となると、密閉空間G1内の流体圧力により弁部材30Aに対して働く力F1は、
F1=(−ΔP2)×S2=756[N]・・・(3−9)
となり、背圧室H内の流体圧力により弁部材30Aに対して働く力F2は、
F2=ΔP2×SH2=−1140[N]・・・(3−10)
となる。そのため、上記式(23)、(24)より、弁部材30Aには、
F=F1+F2=−384[N]
の力が働き、つまり、弁部材30Aを弁座面22aから浮き上がらせるように384[N]の力が働いている。この場合、コイルばね63によって、少なくとも384[N]を超える力で弁部材30Aを弁座面22aに向けて押しつける必要があり、このケース4がワーストケースとなる。このことから、本実施形態において、背圧室Hの流体圧力と弁室Bの流体圧力との関係が切り替わることにより、弁部材30Aにおける背圧室Hの流体圧力が加えられる平面視面積が変化する。具体的には、背圧室Hの流体圧力より弁室Bの流体圧力が高いときの上記平面視面積SH2が、背圧室Hの流体圧力より弁室Bの流体圧力が低いときの上記平面視面積SH1より小さくなる。これにより、コイルばね63に設定される力は、従来の構成に比べて小さくなる。
上述したように、流路切換弁1Aでは、密閉空間G1内及び背圧室H内の流体圧力が弁室B内の流体圧力より高い場合、シールリング38が、弁部材30Aの円柱部31の円柱部段差面31cに押しつけられる。そのため、背圧室H内の流体圧力が大径円柱部分31b(即ち、平面視面積SH1)の箇所に加わる。また、密閉空間G1内及び背圧室H内の流体圧力が弁室B内の流体圧力より低い場合、シールリング38が、弁本体10の弁部材支持部15の支持部段差面15cに押しつけられる。そのため、背圧室H内の流体圧力が小径円柱部分31a(即ち、平面視面積SH2)の箇所に加わる。
つまり、流路切換弁1Aは、背圧室Hの流体圧力が弁室Bの流体圧力より低いときの弁部材30Aにおける背圧室Hの流体圧力が加えられる平面視面積SH2が、背圧室Hの流体圧力が弁室Bの流体圧力より高いときの前記平面視面積SH1より小さくなるように構成されている。また、弁本体10と弁部材30Aとの間には、それらの間を密封する環状のシールリング38が設けられ、背圧室Hの流体圧力が弁室Bの流体圧力より高いときにシールリング38が弁部材30Aに押しつけられ、背圧室Hの流体圧力が弁室Bの流体圧力より低いときにシールリング38が弁本体10に押しつけられるように構成されている。
以上説明したように、本実施形態の流路切換弁1Aは、空間Qが内側に設けられた弁本体10と、空間Qに面した平面状の弁座面22a及び該弁座面22aに開口する第1固定ポートE1、第2固定ポートE2、第1切換ポートC1及び第2切換ポートC2を有する弁座部20Aと、弁座面22aに摺動回転可能に重ねて空間Q内に配置され、停止位置に応じて定まる第1固定ポートE1、第2固定ポートE2、第1切換ポートC1及び第2切換ポートC2の連通関係を回転により切り換える弁部材30Aと、弁部材30Aを弁座面22aに向けて押しつけるコイルばね63と、を備えている。また、弁部材30Aが、弁本体10に軸心回りに回転可能に支持される円柱部31と、円柱部31の一端に連なり、弁座面22aとの間に密閉空間G1を形成しかつ当該密閉空間G1により弁部材30Aの停止位置に応じて所定の組み合わせの第1固定ポートE1、第2固定ポートE2、第1切換ポートC1及び第2切換ポートC2を連通する密閉連通路34Aが設けられた弁体部33Aと、を有している。弁本体10が、弁部材30Aにより空間Qが区画されることによって円柱部31の一端側に形成された弁体部33Aが収容される弁室Bと、円柱部31の他端側に形成された背圧室Hと、を有している。弁部材30Aが、密閉連通路34Aと背圧室Hとを接続する均圧路36を有している。円柱部31が、背圧室Hに一端面が面するように配置された小径円柱部分31aと、該小径円柱部分31aの他端面に同軸に連なる大径円柱部分31bと、小径円柱部分31aの外周面31a1及び大径円柱部分31bの外周面31b1の間に形成された円柱部段差面31cと、を有している。弁本体10が、小径円柱部分31aが回転可能に嵌合される小径孔部15aと、大径円柱部分31bが回転可能に嵌合される大径孔部15bと、小径孔部15aの内周面15a1及び大径孔部15bの内周面15b1との間に形成された支持部段差面15cと、が設けられた弁部材支持部15を有している。そして、小径円柱部分31aの外周面31a1、円柱部段差面31c、大径孔部15bの内周面15b1及び支持部段差面15cに囲まれたシール空間R内に、小径円柱部分31aの外周面31a1と大径孔部15bの内周面15b1との間を密封する環状のシールリング38が設けられている。
以上より、本実施形態によれば、弁本体10に軸心回りに回転可能に支持される円柱部31が、背圧室Hに一端面が面するように配置された小径円柱部分31aと、該小径円柱部分31aの他端面に同軸に連なる大径円柱部分31bと、小径円柱部分31aの外周面31a1及び大径円柱部分31bの外周面31b1の間に形成された円柱部段差面31cと、を有している。また、弁本体10が、円柱部31の小径円柱部分31aが回転可能に嵌合される小径孔部15aと、円柱部31の大径円柱部分31bが回転可能に嵌合される大径孔部15bと、小径孔部15aの内周面15a1及び大径孔部15bの内周面15b1との間に形成された支持部段差面15cと、が設けられた弁部材支持部15を有している。そして、円柱部31の小径円柱部分31aの外周面31a1、円柱部段差面31c、弁本体10の弁部材支持部15の大径孔部15bの内周面15b1及び支持部段差面15cに囲まれたシール空間R内に、小径円柱部分31aの外周面31a1と大径孔部15bの内周面15b1との間を密封する環状のシールリング38が設けられている。このようにしたことから、シールリング38における円柱部段差面31c側の箇所には弁室B内の流体圧力が加わっており、シールリング38における支持部段差面15c側の箇所には背圧室H内の流体圧力が加わっている。そのため、背圧室H内の流体圧力が弁室B内の流体圧力より高い場合、背圧室H内の流体圧力によりシールリング38が円柱部段差面31cに押しつけられて、弁部材30Aにおいて平面視で大径円柱部分31bの外径より内側の箇所に背圧室H内の流体圧力が加えられる。また、背圧室H内の流体圧力が弁室B内の流体圧力より低い場合、弁室B内の流体圧力によりシールリング38が支持部段差面15cに押しつけられて、弁部材30Aにおいて平面視で小径円柱部分31aの外径より内側の箇所に背圧室H内の流体圧力が加えられる。つまり、背圧室H内の流体圧力が弁室B内の流体圧力より低い場合において、背圧室H内の流体圧力により弁部材30Aに対して弁座面22aから浮き上がらせる力が働いているところ、弁部材30Aにおける背圧室H内の流体圧力が加えられる箇所の面積が小さくなるので、弁部材30Aを弁座面22aから浮き上がらせる力を小さくすることができる。これにより、コイルばね63による弁部材30Aを弁座面22aに向けて押しつける力を小さくすることができるので、弁部材30Aを弁座面22aに押しつける力を抑制できる。
また、流路切換弁1Aは、背圧室Hの流体圧力が弁室Bの流体圧力より低いときの弁部材30Aにおける背圧室Hの流体圧力が加えられる平面視面積SH2が、背圧室Hの流体圧力が弁室Bの流体圧力より高いときの平面視面積SH1より小さくなるように構成されている。このようにしたことから、背圧室H内の流体圧力が弁室B内の流体圧力より低い場合において、背圧室H内の流体圧力により弁部材30Aに対して弁座面22aから浮き上がらせる力が働いているところ、弁部材30Aにおける背圧室H内の流体圧力が加えられる箇所の面積(即ち、平面視面積)が小さくなるので、弁部材30Aを弁座面22aから浮き上がらせる力を小さくすることができる。これにより、コイルばね63による弁部材30Aを弁座面22aに向けて押しつける力を小さくすることができるので、弁部材30Aを弁座面22aに押しつける力を抑制できる。
また、流路切換弁1Aは、弁本体10と弁部材30Aとの間に、それらの間を密封する環状のシールリング38が設けられている。そして、背圧室Hの流体圧力が弁室Bの流体圧力より高いときにシールリング38が弁部材30Aに押しつけられ、背圧室Hの流体圧力が弁室Bの流体圧力より低いときにシールリング38が弁本体10に押しつけられるように構成されている。このようにしたことから、弁本体10と弁部材30Aとの間を密封する環状のシールリング38は、その一部の面(支持部段差面15c側の箇所)に背圧室Hの流体圧力が加わり、他の一部の面(円柱部段差面31c側の箇所)に弁室Bの流体圧力が加わっている。そして、背圧室Hの流体圧力が弁室Bの流体圧力より高いときにシールリング38が弁部材30Aに押しつけられると、シールリング38の一部の面の平面視面積に加えられた背圧室Hの流体圧力が弁部材30Aにも加えられる。また、背圧室Hの流体圧力が弁室Bの流体圧力より低いときにシールリング38が弁本体10に押しつけられると、シールリング38の他の一部の面に加えられた弁室Bの流体圧力が弁本体10にも加えられる。つまり、背圧室Hの流体圧力が弁室Bの流体圧力より低いときの弁部材30Aにおける背圧室Hの流体圧力が加えられる平面視面積SH2(即ち、直接的又はシール部材を通じて間接的に加えられる平面視面積)が、背圧室Hの流体圧力が弁室Bの流体圧力より高いときの前記平面視面積SH1より小さくなるように構成されている。このことから、背圧室H内の流体圧力が弁室B内の流体圧力より低い場合において、背圧室H内の流体圧力により弁部材30Aに対して弁座面22aから浮き上がらせる力が働いているところ、弁部材30Aにおける背圧室H内の流体圧力が加えられる箇所の面積(即ち、平面視面積)が小さくなるので、弁部材30Aを弁座面22aから浮き上がらせる力を小さくすることができる。これにより、コイルばね63による弁部材30Aを弁座面22aに向けて押しつける力を小さくすることができるので、弁部材30Aを弁座面22aに押しつける力を抑制できる。
以上、本発明について、好ましい実施形態を挙げて説明したが、本発明のロータリー式弁装置は上記実施形態の構成に限定されるものではない。
例えば、上記第1の実施形態は、弁部材30の弁体部33の下端面33aに密閉凹部34が設けられた構成であったが、これに限定されるものではなく、下端面33aを平面状として密閉凹部34を省略した構成としてもよい。この構成の場合、下端面33aが第1弁ポートP1又は第2弁ポートP2に重なったときに、これら弁ポートと背圧室Hとを連通して接続するように均圧路36の一端を下端面33aに配置する。
また、上記第2の実施形態は、4つの流路を切り換える流路切換弁(四方切換弁)であったが、これに限定されるものではなく、例えば、3つの流路を切り換える構成や、5つ以上の流路を切り換える構成の流路切換弁であってもよい。また、本発明は、2つの流路を連通及び遮断する弁装置に適用してもよい。
また、上記第2の実施形態では、1つの密閉連通路を有する構成であったが、これに限定されるものではなく、2つ以上の密閉連通路を有する構成としてもよい。例えば、上記実施形態において、弁部材30の接続孔33bを省略して開放連通路35を密閉連通路として構成してもよい。
また、上記第2の実施形態では、弁部材30の弁体部33Aに、密閉連通路34Aと開放連通路35とを設けた構成であったが、これに限定されるものではなく、例えば、弁体部33Aに密閉連通路34Aのみ設け、開放連通路35を形成する箇所を削除した構成としてもよい。このような、開放連通路35を省略した構成としても、弁部材30Aの各停止位置において、第2固定ポートE2と第1切換ポートC1及び第2切換ポートC2のうちの第1固定ポートE1に連通されていない一方とが、弁室Bの他の一部である内側空間11aに露出されてこれらポートが連通して接続され、弁ポートの連通関係を切り換えることができる。
また、上記各実施形態では、弁部材30及び弁部材30Aに均圧路36を設けた構成であったが、これに限定されるものではなく、均圧路を弁本体10に設けた構成としてもよい。
また、上記各実施形態では、比較的軟質の弾性材料で構成された第1シールリング61及び第2シールリング62を有するものであったが、これに限定されるものではない。例えば、第1シールリング61より弁本体10の外部寄りに配置された第2シールリング62を、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などのフッ素樹脂等の比較的硬質の合成樹脂で構成してもよく、本発明の目的に反しない限り、第1シールリング61及び第2シールリング62の構成は任意である。また、第1シールリング61のみで封止性が十分に確保できるのであれば、第2シールリング62を省略した構成としてもよい。
なお、前述した実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施形態に限定されるものではない。即ち、当業者は、従来公知の知見に従い、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。かかる変形によってもなお本発明のロータリー式弁装置の構成を具備する限り、勿論、本発明の範疇に含まれるものである。
1 二方弁(ロータリー式弁装置)
1A 流路切換弁(ロータリー式弁装置)
10 弁本体
15 弁部材支持部
15a 小径孔部
15a1 小径孔部の内周面
15b 大径孔部
15b1 大径孔部の内周面
15c 支持部段差面
20、20A 弁座部
22a 弁座面
30、30A 弁部材
31 円柱部(軸部)
31a 小径円柱部分(小径軸部分)
31a1 小径円柱部分の外周面
31b 大径円柱部分(大径軸部分)
31b1 大径円柱部分の外周面
31c 円柱部段差面(軸部段差面)
31d 円柱部の上端面
32 回転軸部取付孔
33、33A 弁体部
33a 弁体部の下端面
33a1 下端面の外周縁
33a2 下端面の内周縁
33a3 下端面における密閉連通路を囲う部分の外周縁
33a4 下端面における密閉連通路を囲う部分の内周縁
34 密閉凹部
34A 密閉連通路
36 均圧路
38 シールリング(シール部材)
40 回転軸部
50 回転駆動部
63 コイルばね(押圧部材)
B 弁室
C1 第1切換ポート(弁ポート)
C2 第2切換ポート(弁ポート)
F1 第1固定ポート(弁ポート)
F2 第2固定ポート(弁ポート)
G、G1 密閉空間
H 背圧室
P1 第1弁ポート
P2 第2弁ポート
Q 弁本体の内側の空間
R シール空間(小径軸部分の外周面、軸部段差面、大径孔部の内周面及び支持部段差面に囲まれた空間)
L 円形貫通孔の軸

Claims (6)

  1. 空間が内側に設けられた弁本体と、前記空間に面した平面状の弁座面及び該弁座面に開口する2つの弁ポートを有する弁座部と、前記弁座面に摺動回転可能に重ねて前記空間内に配置され、停止位置に応じて定まる前記2つの弁ポートの連通関係を回転により切り換える弁部材と、前記弁部材を前記弁座面に向けて押しつける押圧部材と、を備えたロータリー式弁装置において、
    前記弁部材が、前記弁本体に軸心回りに回転可能に支持される軸部と、前記軸部の一端に設けられ、前記停止位置に応じて前記2つの弁ポートのうちの少なくとも1の弁ポートを開閉する弁体部と、を有し、
    前記弁本体が、前記弁部材により前記空間が区画されることによって、前記軸部の一端側に形成された、前記弁体部が収容される弁室と、前記軸部の他端側に形成された背圧室と、を有し、
    前記弁本体又は前記弁部材が、前記2つの弁ポートのうちの前記弁体部により開閉される弁ポートと前記背圧室とを接続する均圧路を有し、
    前記背圧室の流体圧力が前記弁室の流体圧力より低いときの前記弁部材における前記背圧室の流体圧力が加えられる平面視面積が、前記背圧室の流体圧力が前記弁室の流体圧力より高いときの前記平面視面積より小さくなるように構成されている
    ことを特徴とするロータリー式弁装置。
  2. 空間が内側に設けられた弁本体と、前記空間に面した平面状の弁座面及び該弁座面に開口する複数の弁ポートを有する弁座部と、前記弁座面に摺動回転可能に重ねて前記空間内に配置され、停止位置に応じて定まる前記複数の弁ポートの連通関係を回転により切り換える弁部材と、前記弁部材を前記弁座面に向けて押しつける押圧部材と、を備えたロータリー式弁装置において、
    前記弁部材が、前記弁本体に軸心回りに回転可能に支持される軸部と、前記軸部の一端に設けられ、前記弁座面との間に密閉空間を形成しかつ当該密閉空間により前記停止位置に応じて所定の組み合わせの前記複数の弁ポートを連通する1又は複数の密閉連通路が設けられた弁体部と、を有し、
    前記弁本体が、前記弁部材により前記空間が区画されることによって、前記軸部の一端側に形成された、前記弁体部が収容される弁室と、前記軸部の他端側に形成された背圧室と、を有し、
    前記弁本体又は前記弁部材が、前記密閉連通路のうちのいずれか1つと前記背圧室とを接続する均圧路を有し、
    前記背圧室の流体圧力が前記弁室の流体圧力より低いときの前記弁部材における前記背圧室の流体圧力が加えられる平面視面積が、前記背圧室の流体圧力が前記弁室の流体圧力より高いときの前記平面視面積より小さくなるように構成されている
    ことを特徴とするロータリー式弁装置。
  3. 前記弁本体と前記弁部材との間には、それらの間を密封する環状のシール部材が設けられ、
    前記背圧室の流体圧力が前記弁室の流体圧力より高いときに前記シール部材が前記弁部材に押しつけられ、前記背圧室の流体圧力が前記弁室の流体圧力より低いときに前記シール部材が前記弁本体に押しつけられるように構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のロータリー式弁装置。
  4. 前記弁部材の前記軸部が、前記背圧室に一端面が面するように配置された小径軸部分と、該小径軸部分の他端面に同軸に連なる大径軸部分と、前記小径軸部分の外周面及び前記大径軸部分の外周面の間に形成された軸部段差面と、を有し、
    前記弁本体が、前記小径軸部分が回転可能に嵌合される小径孔部と、前記大径軸部分が回転可能に嵌合される大径孔部と、前記小径孔部の内周面及び大径孔部の内周面との間に形成された支持部段差面と、が設けられた弁部材支持部を有し、
    前記シール部材が、前記小径軸部分の外周面、前記軸部段差面、前記大径孔部の内周面及び前記支持部段差面に囲まれた空間内に、前記小径軸部分の外周面と前記大径孔部の内周面との間を密封するように設けられている
    ことを特徴とする請求項3に記載のロータリー式弁装置。
  5. 空間が内側に設けられた弁本体と、前記空間に面した平面状の弁座面及び該弁座面に開口する2つの弁ポートを有する弁座部と、前記弁座面に摺動回転可能に重ねて前記空間内に配置され、停止位置に応じて定まる前記2つの弁ポートの連通関係を回転により切り換える弁部材と、前記弁部材を前記弁座面に向けて押しつける押圧部材と、を備えたロータリー式弁装置において、
    前記弁部材が、前記弁本体に軸心回りに回転可能に支持される円柱部と、前記円柱部の一端に連なり、前記停止位置に応じて前記2つの弁ポートのうちの少なくとも1の弁ポートを開閉する弁体部と、を有し、
    前記弁本体が、前記弁部材により前記空間が区画されることによって、前記円柱部の一端側に形成された、前記弁体部が収容される弁室と、前記円柱部の他端側に形成された背圧室と、を有し、
    前記弁本体又は前記弁部材が、前記2つの弁ポートのうちの前記弁体部により開閉される弁ポートと前記背圧室とを接続する均圧路を有し、
    前記円柱部が、前記背圧室に一端面が面するように配置された小径円柱部分と、該小径円柱部分の他端面に同軸に連なる大径円柱部分と、前記小径円柱部分の外周面及び前記大径円柱部分の外周面の間に形成された円柱部段差面と、を有し、
    前記弁本体が、前記小径円柱部分が回転可能に嵌合される小径孔部と、前記大径円柱部分が回転可能に嵌合される大径孔部と、前記小径孔部の内周面及び大径孔部の内周面との間に形成された支持部段差面と、が設けられた弁部材支持部を有し、
    前記小径円柱部分の外周面、前記円柱部段差面、前記大径孔部の内周面及び前記支持部段差面に囲まれた空間内に、前記小径円柱部分の外周面と前記大径孔部の内周面との間を密封する環状のシール部材が設けられている
    ことを特徴とするロータリー式弁装置。
  6. 空間が内側に設けられた弁本体と、前記空間に面した平面状の弁座面及び該弁座面に開口する複数の弁ポートを有する弁座部と、前記弁座面に摺動回転可能に重ねて前記空間内に配置され、停止位置に応じて定まる前記複数の弁ポートの連通関係を回転により切り換える弁部材と、前記弁部材を前記弁座面に向けて押しつける押圧部材と、を備えたロータリー式弁装置において、
    前記弁部材が、前記弁本体に軸心回りに回転可能に支持される円柱部と、前記円柱部の一端に連なり、前記弁座面との間に密閉空間を形成しかつ当該密閉空間により前記停止位置に応じて所定の組み合わせの前記複数の弁ポートを連通する1又は複数の密閉連通路が設けられた弁体部と、を有し、
    前記弁本体が、前記弁部材により前記空間が区画されることによって、前記円柱部の一端側に形成された、前記弁体部が収容される弁室と、前記円柱部の他端側に形成された背圧室と、を有し、
    前記弁本体又は前記弁部材が、前記密閉連通路のうちのいずれか1つと前記背圧室とを接続する均圧路を有し、
    前記円柱部が、前記背圧室に一端面が面するように配置された小径円柱部分と、該小径円柱部分の他端面に同軸に連なる大径円柱部分と、前記小径円柱部分の外周面及び前記大径円柱部分の外周面の間に形成された円柱部段差面と、を有し、
    前記弁本体が、前記小径円柱部分が回転可能に嵌合される小径孔部と、前記大径円柱部分が回転可能に嵌合される大径孔部と、前記小径孔部の内周面及び大径孔部の内周面との間に形成された支持部段差面と、が設けられた弁部材支持部を有し、
    前記小径円柱部分の外周面、前記円柱部段差面、前記大径孔部の内周面及び前記支持部段差面に囲まれた空間内に、前記小径円柱部分の外周面と前記大径孔部の内周面との間を密封する環状のシール部材が設けられている
    ことを特徴とするロータリー式弁装置。
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