JP5905719B2 - エレベータのブレーキシステムとエレベータの緊急制動方法 - Google Patents

エレベータのブレーキシステムとエレベータの緊急制動方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5905719B2
JP5905719B2 JP2011289537A JP2011289537A JP5905719B2 JP 5905719 B2 JP5905719 B2 JP 5905719B2 JP 2011289537 A JP2011289537 A JP 2011289537A JP 2011289537 A JP2011289537 A JP 2011289537A JP 5905719 B2 JP5905719 B2 JP 5905719B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
elevator
brake
housing
braking
guide rail
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2011289537A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013139306A (ja
Inventor
安幸 榎本
安幸 榎本
Original Assignee
安幸 榎本
安幸 榎本
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 安幸 榎本, 安幸 榎本 filed Critical 安幸 榎本
Priority to JP2011289537A priority Critical patent/JP5905719B2/ja
Publication of JP2013139306A publication Critical patent/JP2013139306A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5905719B2 publication Critical patent/JP5905719B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Maintenance And Inspection Apparatuses For Elevators (AREA)

Description

本発明は、エレベータのカゴが地震若しくは不測の事故によって所定以上の幅で揺れた場合、若しくは主索が切れてカゴが異常降下をした際の緊急制動を行うためのブレーキシステムと緊急制動方法に関する。
エレベータでは、カゴの中に人間を乗せて、高さ方向に移動を行うため、事故や天災によるカゴの異常降下に対する安全対策が必要となる。通常はカゴと共に連動して移動するガバナロープの速度をガバナで検知し、異常降下時にはガバナロープを機械的に把持することで、カゴに搭載した楔をカゴの固定部材とガイドレールとの間に噛み込ませてカゴを停止させる。
しかし、近年は、設備の簡易化を図るため、ガバナロープやガバナを省略するエレベータが提案されている。例えば、特許文献1には、楔を電子制御による電磁機構で移動させ、固定部材とガイドレースの間に噛み込ませる非常停止装置を搭載したエレベータが開示されている。
また、特許文献2には、カゴに搭載されるガイドレールを把持する把持部を有する把持機構と、この把持機構の把持部によるガイドレールの把持によってガイドレールとカゴの固定部材との間に移動される楔によって構成された非常停止装置が開示されている。
また、特許文献3には、ガイドレールを挟むように配置され、円弧状の当接面を有する回転可能な一対の制動体と、制動体の円弧両端部に取付けられる制動子と、制動体を回転可能に軸支する一対のアームなどから構成される緊急停止手段が開示されている。特許文献3によると、制動体をガイドレールに挟持するように押し付けると、制動体が回転し、制動体の当接面がガイドレールに噛み込むように回転するため、カゴの異常降下を停止させることができる。
特開2009−46246号公報 特開2011−116485号公報 特開2009−215039号公報
カゴおよびエレベータ設備全体の軽量化という観点からは、カバナロープおよびガバナを省略したエレベータは、今後必要とされると考えられる。この点、特許文献1若しくは2のように、楔の移動を電子制御することは有用である。また、特許文献3の方式は、ガイドレールを把持するだけで緊急停止ができるようにする点で、より軽量化が図れると考えられる。いずれの方法であっても、結局は、ガイドレールを把持することによって、カゴの異常降下を停止させる方法であるといえる。
しかしながら、ガイドレールを把持するだけで異常降下を始めたカゴを停止させるのは容易ではない。なぜなら、潤滑グリスが表面に存在しているガイドレールを把持によって停止させることになるからである。つまり、いかに強い力でガイドレールを把持できるかという点が、エレベータの緊急停止装置にとって必要な点である。
この観点で考えると、特許文献1乃至3の方法は、カゴの自重による力でガイドレールを把持することになる。したがって、より大きな力でガイドレールを把持することはできない。一方、カゴの自重以上の力でガイドレールを把持使用とすると、より大掛かりな油圧システムなどをカゴに搭載することになり、カゴの小型化ができないという問題が発生する。
本発明は、上記の課題に鑑みて想到させたものであり、軽量であってなおかつ、所望の大きな力でガイドレールを挟持することができるエレベータのブレーキシステムと、それを用いた緊急制動方法を提供する。
より具体的に本発明のブレーキシステムは、
ガイドレールに沿って昇降するエレベータのカゴに取り付けられるエレベータのブレーキシステムであって、
ブレーキユニットと、
前記カゴの揺れを検知するための揺れセンサと、
前記カゴの異常降下を検知する落下センサと
御装置と、
前記制御装置を駆動させるバッテリを有し、
前記ブレーキユニットは、
筒状の筐体と、
前記筐体中に配設され気体を噴出するための噴出口を有するインフレータと、
前記筐体内を気密に2分し、前記噴出口と気密に接続するための貫通孔が形成された仕切板と、
前記筐体内で前記仕切板に対して前記インフレータと逆側に配置され、前記筐体内から突き出る方向に摺動可能に収納され、
対向したパッドと、
前記パッドの対向面を油圧で前記ガイドレールに押し付ける油圧作動部からなる把持部と、
前記油圧作動部に圧力を加える加圧部を含む
ブレーキ部と、
を含み、前記カゴにおいて前記ブレーキ部が前記筐体から突出すれば、前記ガイドレールに届く位置に配置され、
前記制御装置は、
前記揺れセンサと、前記落下センサからの信号に基づいて、前記インフレータと、前記加圧部を制御する
ことを特徴とする。
また、本発明のエレベータの緊急制動方法は、
地震情報の受信若しくは揺れを検知することで揺れの発生を検知する揺れ検知工程と、
揺れの発生を検知したら、前記エレベータのカゴ毎に配置され、筐体内に収納された少なくとも一対のブレーキパッドを、前記エレベータのガイドレールを挟持できる位置まで突出する制動予備工程と、
前記カゴが異常降下をすることを検知する落下検知工程と、
前記カゴの異常降下を検知したら、前記ブレーキパッドでガイドレールを挟持する制動工程を有することを特徴とする。
本発明によれば、速い速度で膨張する爆破時の風速をつかって、油圧部のシリンダを押圧するため、ガイドレールを挟持するブレーキパッドに、大きな力を掛けることができる。したがって、潤滑用グリスが表面に存在するガイドレールであっても、速やかに制動力を得ることができる。また、油圧部のシリンダを押圧するのに、火薬の爆発力を利用する。したがって、作動していない状態では、体積的に小さく、また軽量にすることができる。
また、地震情報を受信する若しくは揺れを感じた際には、緊急制動をかける事前動作としてブレーキパッドがガイドレールを挟持する位置に配置される制動予備工程を行うので、カゴが実際に揺れた際に、ガイドレールから外れることがない。
本発明に係るブレーキシステムの斜視図を示す図である。 本発明に係るブレーキシステムの斜視図を示す図である。 本発明に係るブレーキシステムの平面視断面を含む構成を示す図である。 ブレーキ部が突出し制動予備状態を示す図である。 加圧部を作動させ制動を行った状態を示す図である。 ベント弁を開き空気を少し抜いた状態を示す図である。 再制動を行った状態を示す図である。
以下に本発明に関わるエレベータのブレーキシステムと制動方法について図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明は本発明の一実施形態を例示するのであり、本発明は以下の例示に限定されるものではない。また、本発明の趣旨を逸脱しない限り以下の例示を変更することができる。
図1には、本発明に係るブレーキシステム1の外観を示す。本発明のブレーキシステム1は、エレベータのカゴの揺れを検知する揺れセンサ4と、カゴの異常降下を検知する落下センサ5および、ガイドレールを把持して実際に制動動作を行うブレーキユニット2と、ブレーキユニット2を揺れセンサ4と落下センサ5からの信号に基づいて制御する制御装置3を含んで構成される。
ブレーキユニット2では筐体10は筒状に形成されている。図1では円筒状の形態を例示している。少なくとも筐体10の一端10aは開放されており、そこには、ブレーキ部16が収納されている。ブレーキ部16は、対向して配置されるブレーキパッド23およびブレーキパッド23同士を押し付けるように働く油圧作動部28からなる把持部20と、把持部20に対して圧力を加える加圧部21から構成される。なお、図1では、把持部20の対向するブレーキパッド23と油圧作動部28の一部が見えているだけで、加圧部21は見えない。
筐体10は、ガイドレール52の近傍に固定用ブラケット50などで固定される。ブレーキ部16は、制御装置3の指示によって、ガイドレール52側に突き出し、ガイドレール52を把持できる位置に配置される。図2には、ブレーキ部16が突出し、ガイドレール52を把持可能な位置に配置された様子を示す。すなわち、ブレーキ部16は、普段は、ガイドレール52から離れた位置に配置される。通常の運転時にはガイドレール52から離して位置させることで、運転時の揺れでブレーキパッド23がガイドレール52に当たることがないようにするためである。
ブレーキユニット2は制御装置3によって動作が制御される。ブレーキシステム1自体は緊急時に作動することが求められるので、制御装置3に係る電源は独立して与えられる。つまり、本発明のブレーキシステム1は、バッテリ6を独自で有しており、エレベータの電源はバッテリ6の充電以外には用いない。なお、本ブレーキシステム1には、通信手段40と、避難口検知手段41が含まれているのが好適である。
図3に、ブレーキユニット2の断面図を含むブレーキシステム1の構成図を示す。ブレーキユニット2は上面視した際に、筐体10の上半分を取り除いた状態を示し、適宜断面図を混在して示している。本発明のブレーキシステム1は、上述したように、実際に制動動作を行うブレーキユニット2と、それを制御する制御装置3から構成される。ブレーキユニット2は、筐体10中に収納されたインフレータ12と、仕切板14と、ブレーキ部16から構成される。ブレーキ部16は、ブレーキ部筐体22中に、加圧部21と把持部20が収納されている。
筐体10は、ブレーキユニット2全体を保持し、また、エレベータのカゴに固定される。筒状の形状が好ましく、断面は特に限定されるものではないが、円形が好適である。少なくとも一方の端が開口10aに形成される。後述するブレーキ部16は、非動作時には筐体10内に収納されており、動作時にはこの開口10aからある程度突出するからである。
筐体10のカゴへの固定方法は、図1および2で示したように、固定用ブラケット50でカゴに固定されるのが好適であるが、特に限定されるものではない。筐体10には、実際にガイドレール52(図3では省略)を把持するブレーキ部16が配設されるので、制動時の力はブレーキ部16を介して筐体10に加わる。従って制動時の力に耐えられる強度が必要である。例えば、カーボンファイバーを含むFRP(Fiber Reinforced Plastics)材料は軽量であってしかも高い強度を有するので、好適に利用することができる。
筐体10の内部には、まず、インフレータ12が配設される。インフレータ12は、ガスの噴射器であり、ガスの噴出口12oを有する密閉容器の形態が好適に利用できる。インフレータ12中には圧縮した気体を充填してもよいが、本実施の形態では、火薬13と起爆装置13aを配置する。火薬13は少ない体積でも、爆発によって膨大な体積の気体を発生させることができる。すなわち、非作動時には全体を小型、軽量にすることができるからである。ただし、気体の発生は急激に進行する場合が多く、噴出口12oの大きさおよび内圧に対する強度は考慮する必要がある。なお、火薬は体から化学反応によって気体を発生する気体発生手段である。また体から化学反応によって気体を発生するものであれば、火薬以外の物質でも火薬に置換可能である。
インフレータ12の次には、仕切板14が配置される。仕切板14は、筐体10の所定の位置に固定される。少なくとも、仕切板14から筐体10の開口10aまでの間にブレーキ部16が収納できる程度の位置に固定される。仕切板14は、少なくとも1箇所に貫通孔14hを有する。筐体10の開口端10aから見て、仕切板14の奥に配置されるインフレータ12の噴出口12oは、この貫通孔14hに気密に接続される。インフレータ12が作動して、インフレータ12の噴出口12oから気体が噴出すると、仕切板14は、筐体10の開口端10aから見て、奥側(インフレータ12側)に押圧する力が加わる。一方、筐体10の内壁と仕切板14の周辺は気密に固定されている。したがって、仕切板14は、この押圧に耐えることができる程度の強度は要求される。
仕切板14の次には、ブレーキ部16が収納される。ブレーキ部16は、ブレーキ部筐体22の中に、加圧部21と、把持部20が収納され構成されている。ブレーキ部筐体22は、筐体10の内径に対して摺動可能な程度に小さい外径を有する。つまり、筐体10の開口端10aからブレーキ部16の先端(後述するブレーキパッド23が配置されている)が突出することができる。
ブレーキ部筐体22は、ブレーキパッド23が配置される側(先端側22a)が開口し、他方の端(後端側22b)が底になった容器形状をしている。断面は筐体10と同じで、上記の通り、筐体10内で摺動可能な程度に外径が筐体10の内径より小さい。
図3(b)には、ブレーキ部16が筐体10中を開口端10a側に進み図3(a)のAの地点に来たときの拡大断面図を示す。ブレーキ部筐体22の後端側22bには、先端側22aに傾斜面を有するガイド爪22pが形成されている。また、筐体10の内壁には、このガイド爪22pに嵌合するガイド溝10gが形成される。筐体10内部でブレーキ部筐体22が回転しないためである。なお、ガイド溝10gは、仕切板14から筐体10の開口端10aまでの間に終端10eを有する。つまり、ガイド爪22pは、ガイド溝10gの終端10eに当たり、それ以上は、開口端10a側に進めない。
この構成によって、筐体10の開口端10aからブレーキ部筐体22が所定の位置までしか突出できない。すなわち、ブレーキ部筐体22の後端22bに形成したガイド爪22pと、筐体10内壁に形成したガイド溝10gの終端10eによってブレーキ部筐体22の筐体10からの突出を停止する突出停止手段が形成される。
なお、ガイド爪22pが後端側22bから先端側22aに向かって高さが低くなるように傾斜部22qを設けているのは、ガイド溝10gの終端10eに向かってガイド爪22pが進んだ時に、ガイド溝10gの終端10eで筐体10内壁にガイド爪22pが噛み込みを生じさせて、ブレーキ部16を筐体10に対して固定するためである。
ブレーキ部16の内部には、後端側22b(すなわち、ブレーキ部筐体22を容器と見たときの内底側)に加圧部21が配置され、先端側22a(すなわち、ブレーキ部筐体22を容器と見たときの開口側)に把持部20が配置される。加圧部21は、内部を陰圧にして蛇腹状に収縮したエアバックである。加圧部21(エアバック)の内部には、第1火薬31と第1起爆装置31a、第2火薬32と第2起爆装置32a、圧力センサ34が設置される。また、加圧部21(エアバック)の側面には開口度を調節可能なベント弁33が配設されている。
把持部20は、U字状のアーム24の内側に対向してブレーキパッド23が係止された油圧作動部28と、アーム24の根元からアーム24の反対側に突出した加圧シリンダ25sおよび加圧ピストン25pを含んで構成される。U字状のアーム24の内部には油路27が形成されており、油圧作動部28は、油路27より断面積が大きい作動シリンダ28sと作動ピストン28pで形成されている。作動ピストン28pの先端にはブレーキパッド23が係止されている。油圧作動部28は、U字状のアーム24の内側に対向するように形成されており、ブレーキパッド23も対向して配置される。
アーム24の根元にはアーム24内の油路27と連通された加圧シリンダ25sと加圧ピストン25pが配設されている。この加圧ピストン25pを押すことで、加圧シリンダ25s内の油がU字状アーム24の油路27を経由して、作動シリンダ28s内の作動ピストン28pを押し出す。作動ピストン28pに係止されたブレーキパッド23は、互いの間隔を縮めることで、ブレーキパッド23の間の物体を挟持する。
加圧ピストン25pの端部には受け板26が接続され、加圧部21に対向している。すなわち、受け板26は、加圧部21が膨張すると、加圧ピストン25pを押圧する関係に配置される。
以上のように、エレベータのカゴを制動させるための具体的な作動部分の他に、本ブレーキシステム1には、揺れセンサ4と落下センサ5を有する。揺れセンサ4と落下センサ5は、加速度センサで構成することができる。揺れセンサ4はカゴの横方向の加速度を検知するセンサであり、落下センサ5は、カゴの縦方向の加速を検知する。どちらのセンサも検知結果を信号として出力することができる。
また、本ブレーキシステム1では、ブレーキユニット2を揺れセンサ4と落下センサ5の出力信号に基づいて制御を行うための制御装置3を有する。制御装置3は、インフレータ12内の起爆装置13aと、加圧部21内の第1起爆装置31a、第2起爆装置32a、ベント弁33、圧力センサ34、および揺れセンサ4と落下センサ5にも接続されている。
さらに、本ブレーキシステム1は、通信手段40と、避難口検知手段41を有していることが望ましい。通信手段40は、有線若しくは無線のいずれの方式であってもよい。通信手段40は外部の緊急放送若しくはエレベータの管理会社との通信が可能であり、地震発生情報を受信する。また、ブレーキシステム1に不具合が発生した場合や、ブレーキシステム1が作動した場合等、管理会社や外部に対して通知する。
また、避難口検知手段41は、最寄階若しくは予め避難口として決められた出口を検知する手段である。より具体的には、例えば、避難口が1階のエレベータ扉と定められている場合は、カゴが1階の扉前に到達したことを検知する手段である。
緊急の場合に昇降路内で停止されたカゴは、避難口まで自力で安全に降下してこなければならないが、避難口まで到達した場合は、自力で再度停止しなければならない。避難口検知手段41は、この時、カゴが避難口に到達したことを知るための手段である。一例としては、避難口にだけ設けたガイドレール上の突起をガイドレールに沿って当接させたローラの動きで検知する機械的な検知手段等が好適に利用できる。もちろん、光センサ若しくは電磁センサを用いて避難口に設けた印を検知するようにしてもよい。
また、本発明のブレーキシステム1では、1つのカゴに対して複数のブレーキユニット2を取り付けても良い。この場合、制御装置3、揺れセンサ4、落下センサ5、通信手段40、避難口検知手段41は、1つ若しくは予備を含めて2つであってもよい。ブレーキユニット2を複数個設けるのは、1つあたりのブレーキユニット2の負荷を軽減するためである。また、制御装置3を1つ若しくは予備を入れて2つでもよいのは、複数のブレーキユニット2を1つの制御装置3で制御することもできるからである。
以上のような構成を有する、ブレーキシステム1の動作について説明する。本発明のブレーキシステム1は、カゴの上部若しくは下部において、ガイドレール52に近接して固定される(図1および2を参照)。これは、後述するように、筐体10からブレーキ部16が突出した際に、ブレーキパッド23がガイドレール52を挟持できる位置に届く程度に近接して固定される。
通常ブレーキシステム1が作動していない場合は、筐体10中にブレーキ部16が収納されている(図3の状態)。また、加圧部21も内部が陰圧にされて蛇腹状に収縮している。この時、対向するブレーキパッド23は開いている。制御装置3は、定期的に圧力センサ34からの信号で加圧部21の内部圧力を得る。この内部圧力が所定値を超えるようであれば、加圧部21を構成するエアバックに孔が開いており、気体が内部に侵入しているおそれがある。したがって、制御装置3は、エアバックにリークがあることを外部の管理会社等に通知する。
地震が発生した場合などは、現在では、揺れが発生する前に事前に地震の発生が通知される場合がある。このような通知は、行政機関やテレビ、ラジオ放送を通じて全国に通信される。通信手段40はこれらの通知を受信することができる。例えば、エレベータの管理会社が行政機関からの情報を転送する等の方法をとることで、通信手段40は地震発生の情報を受信することが出来る。
また、揺れセンサ4は、通常のエレベータの運行上発生するはずのない横揺れを感じることで、たとえ地震発生の通知がなくても、カゴに対して危険な揺れが加わっていることを検知することができる。
図4を参照して、通信手段40が地震情報を受けた場合、若しくは揺れセンサ4が異常な揺れを検知した場合は、制御装置3は、まずインフレータ12内の起爆装置13aを作動させて、火薬13を爆発させる。この時発生する気体は、インフレータ12の噴出口12oから、仕切板14の貫通孔14hを通って、ブレーキ部筐体22の後端側22bに押圧をかける。この押圧によって、ブレーキ部16は、筐体10の開口端10aから突出する。なお、通信手段40が地震情報を受けた場合、若しくは揺れセンサ4が異常な揺れを検知した場合が揺れ検知工程と呼び、ブレーキ部16が突出した状態を制動予備工程と呼ぶ。
この時、ブレーキ部筐体22の後方端22bに形成されたガイド爪22pが、筐体10内部のガイド溝10gに嵌合しながら突出するので、ブレーキ部16が回転することはない。また、ガイド溝10gは筐体10の開口端10aから所定の位置に終端10eが形成されているので、所定の長さだけ突出する。そして、ブレーキ部16は、ガイド爪22pがガイド溝10gの終端10eに噛み込むことで、突出した位置に固定される。
また、この位置とは、ブレーキパッド23同士を付き合わせるように移動させれば、ガイドレール52を把持できる位置である(図2参照)。さらに、ガイドレール52を全て包み込み、ガイドレール52が取り付けられた昇降路内壁面にブレーキパッド23の先端が当接する位置まで突出してもよい。ただし、ブレーキパッド23が開いている状態では、ブレーキパッド23は、ガイドレール52とは接触しない。しかし、突出したブレーキ部16のブレーキパッド23が、ガイドレール52を挟持できる位置でガイドレール52を包み込み、昇降路内壁面に突っ張るように固定されるので、カゴがいかに揺れてもブレーキ部16がガイドレール52から外れることはない。
突出したブレーキ部16は、突出した位置で固定されているので、そのまま揺れが止まってしまうと、そのままの位置で放置される。しかし、突出したブレーキ部16のブレーキパッド23は、ガイドレール52に当接していないので、通常通りのエレベータの運用が可能である。また、突出したブレーキ部16は、定期的に行われるエレベータの点検の際に、取替え若しくは筐体10内への再収納を行えばよい。
図5を参照して、揺れ若しくは地震情報の取得によってブレーキ部16を突出させた後、より激しい揺れがエレベータに加えられ、カゴを支持している主索および副索も切れてしまった場合、カゴは自由落下を始める。これは異常降下でありエレベータにとっては、最も危険な状態である。落下センサ5は、この異常降下を検知し、制御装置3に通知する。なお、異常降下を検知する工程を落下検知工程と呼ぶ。異常降下信号を受けた制御装置3は、直ちに、加圧部21の第1起爆装置31aを作動させて、第1火薬31を爆発させる。
この爆発によって、加圧部21は爆発的に膨張し、受け板26を介して加圧ピストン25pを押圧する。この押圧力によって、油圧が作動シリンダ28s内の作動ピストン28pを押出し、ガイドレール52を挟んで対向した一対のブレーキパッド23は、ガイドレール52を把持する。この際の把持する力は強大であり、ガイドレール52に潤滑用のグリスがあっても、カゴの落下を止めることができる。ブレーキパッド23でガイドレール52を挟持し制動をかける工程は制動工程と呼ぶ。カゴが停止したか否かは落下センサ5で確認することができる。
図6を参照して、次に、カゴに乗員がいる場合を想定して、カゴを避難口まで降下させる必要がある。そこで、制御装置3は、ベント弁33を少し開き、加圧部21の圧力を減少させる。カゴに複数のブレーキユニット2が搭載されている場合は、いくつかのブレーキユニット2だけのエアを抜いても良い。カゴがゆっくりと降下を始めたら、ベント弁33は閉じて、そのまま、避難口検知手段41によって避難口を検知できるまでカゴを降下させる。
図7を参照し、避難口検知手段41によって、避難口まで降下したことを検知したら、制御装置3は、第2起爆装置32aを作動させて、加圧部21内の第2火薬32を爆発させる。これによって、再びブレーキパッド23は強固にガイドレール52を把持し、カゴは降下を停止する。なお、避難口までカゴを降下させる工程を避難工程と呼び、第2火薬32を使ってカゴを再度停止させる工程を再制動工程と呼ぶ。
以上のように本発明のエレベータのブレーキシステム1は、火薬の爆発を利用した加圧手段で油圧作動部28を動作させ、ブレーキパッド23をガイドレール52に押し当てるので、強大な力でガイドレール52を把持することができ、軽量小型であっても、落下するカゴを停止させることができる。
本発明のブレーキシステムは、エレベータの緊急停止用として好適に利用できるほか、一般車両や遊園地での乗り物、航空機など、ブレーキが搭載されている部分において、緊急停止用ブレーキとして広く利用することができる。
1 ブレーキシステム
2 ブレーキユニット
3 制御装置
4 揺れセンサ
5 落下センサ
6 バッテリ
10 筐体
10a 筐体の開口端
10e (ガイド溝の)終端
10g ガイド溝
12 インフレータ
12o 噴出口
13 火薬
13a 起爆装置
14 仕切板
14h 貫通孔
16 ブレーキ部
20 把持部
21 加圧部
22 ブレーキ部筐体
22a 先端側
22b 後端側
22p ガイド爪
22q (ガイド爪の)傾斜部
23 ブレーキパッド
24 U字状のアーム
25s 加圧シリンダ
25p 加圧ピストン
26 受け板
27 油路
28 油圧作動部
28p 作動ピストン
28s 作動シリンダ
31 第1火薬
31a 第1起爆装置
32 第2火薬
32a 第2起爆装置
33 ベント弁
34 圧力センサ
40 通信手段
41 避難口検知手段
50 固定用ブラケット
52 ガイドレール

Claims (15)

  1. ガイドレールに沿って昇降するエレベータのカゴに取り付けられるエレベータのブレーキシステムであって、
    ブレーキユニットと、
    前記カゴの揺れを検知するための揺れセンサと、
    前記カゴの異常降下を検知する落下センサと
    御装置と、
    前記制御装置を駆動させるバッテリを有し、
    前記ブレーキユニットは、
    筒状の筐体と、
    前記筐体中に配設され気体を噴出するための噴出口を有するインフレータと、
    前記筐体内を気密に2分し、前記噴出口と気密に接続するための貫通孔が形成された仕切板と、
    前記筐体内で前記仕切板に対して前記インフレータと逆側に配置され、前記筐体内から突き出る方向に摺動可能に収納され、
    対向したパッドと、
    前記パッドの対向面を油圧で前記ガイドレールに押し付ける油圧作動部からなる把持部と、
    前記油圧作動部に圧力を加える加圧部を含む
    ブレーキ部と、
    を含み、前記カゴにおいて前記ブレーキ部が前記筐体から突出すれば、前記ガイドレールに届く位置に配置され、
    前記制御装置は、
    前記揺れセンサと、前記落下センサからの信号に基づいて、前記インフレータと、前記加圧部を制御する
    ことを特徴とするエレベータのブレーキシステム。
  2. 前記加圧部は、エアバックで構成され、内部に第1火薬と第1起爆装置が配置されていることを特徴とする請求項1に記載されたエレベータのブレーキシステム。
  3. 前記加圧部には前記エアバックの開度を制御できるベント弁が設けられていることを特徴とする請求項2に記載されたエレベータのブレーキシステム。
  4. 前記加圧部には、内部に第2の火薬と第2の起爆装置が配置されていることを特徴とする請求項3に記載されたエレベータのブレーキシステム。
  5. 前記エアバックは内部を陰圧にして前記ブレーキ部に収納されていることを特徴とする請求項2乃至4のいずれかの請求項に記載されたエレベータのブレーキシステム。
  6. 前記エアバック内には圧力センサが配置されていることを特徴とする請求項2乃至5のいずれかの請求項に記載されたエレベータのブレーキシステム。
  7. 前記インフレータは、化学反応によって体から気体を発生させる気体発生手段を有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかの請求項に記載されたエレベータのブレーキシステム。
  8. 外部の緊急放送若しくはエレベータの管理会社との通信が可能な通信手段をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかの請求項に記載されたエレベータのブレーキシステム。
  9. 前記カゴが最寄階若しくは予め避難口と決められた出口まで降下したことを検知する避難口検知手段をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかの請求項に記載されたエレベータのブレーキシステム。
  10. 前記制御装置は、複数の前記ブレーキユニットを制御することを特徴とする請求項1乃至9のいずれかの請求項に記載されたエレベータのブレーキシステム。
  11. 前記筐体は、カーボンファイバーで形成されたことを特徴とする請求項1乃至10のいずれかの請求項に記載されたエレベータのブレーキシステム。
  12. エレベータの緊急制動方法であって、
    地震情報の受信若しくは揺れを検知することで揺れの発生を検知する揺れ検知工程と、
    揺れの発生を検知したら、前記エレベータのカゴ毎に配置され、筐体内に収納された少なくとも一対のブレーキパッドを、前記エレベータのガイドレールを挟持できる位置まで突出する制動予備工程と、
    前記カゴが異常降下をすることを検知する落下検知工程と、
    前記カゴの異常降下を検知したら、前記ブレーキパッドでガイドレールを挟持する制動工程を有することを特徴とするエレベータの緊急制動方法。
  13. 地震の揺れがなくなった後、前記カゴを避難口まで下ろす退避工程と、
    前記避難口まで降りた前記カゴを再度停止させる再制動工程をさらに有することを特徴とする請求項12に記載されたエレベータの緊急制動方法。
  14. 前記制動工程では、エアバックを火薬によって膨張させ、前記エアバックによって油圧シリンダを押圧し、前記油圧シリンダによって作られる油圧により前記一対のブレーキパッドで前記ガイドレールを挟持させることを特徴とする請求項12または13のいずれかの請求項に記載されたエレベータの緊急制動方法。
  15. 前記再制動工程は、前記エアバック中で再度火薬を爆発させることを特徴とする請求項13に従属する請求項14に記載されたエレベータの緊急制動方法。
JP2011289537A 2011-12-28 2011-12-28 エレベータのブレーキシステムとエレベータの緊急制動方法 Active JP5905719B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011289537A JP5905719B2 (ja) 2011-12-28 2011-12-28 エレベータのブレーキシステムとエレベータの緊急制動方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011289537A JP5905719B2 (ja) 2011-12-28 2011-12-28 エレベータのブレーキシステムとエレベータの緊急制動方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013139306A JP2013139306A (ja) 2013-07-18
JP5905719B2 true JP5905719B2 (ja) 2016-04-20

Family

ID=49037169

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011289537A Active JP5905719B2 (ja) 2011-12-28 2011-12-28 エレベータのブレーキシステムとエレベータの緊急制動方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5905719B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107572337A (zh) * 2017-09-04 2018-01-12 陕西理工大学 一种电梯轿厢失控坠落缓冲控制装置

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103407854A (zh) * 2013-07-31 2013-11-27 吴江市同心电子科技有限公司 一种防止电梯下坠的装置
CN104089783B (zh) * 2014-06-27 2016-08-24 杭州沃镭智能科技股份有限公司 一种楔形制动扩张器总成的测试装置
CN108217378B (zh) * 2018-02-11 2024-01-02 广州特种机电设备检测研究院 具有止坠安全装置的电梯
CN109896393B (zh) * 2019-03-29 2020-10-27 中国船舶重工集团公司第七一九研究所 一种用于电梯的防坠落装置和设有该防坠落装置的电梯
CN112520530B (zh) * 2021-01-21 2022-02-18 博仕通电梯有限公司 一种电梯检修用安全销装置
CN113353756B (zh) * 2021-05-11 2022-07-19 重庆市华创电梯部件有限公司 一种电梯超速保护装置

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS50136161U (ja) * 1974-04-26 1975-11-10
JPH061560A (ja) * 1992-06-16 1994-01-11 Hitachi Ltd エレベータ、及びその非常停止装置、及びそのアキュムレータ及び圧力流体ボンベ
JP2005041592A (ja) * 2003-07-22 2005-02-17 Mitsubishi Electric Building Techno Service Co Ltd エレベーターの昇降案内装置
AU2003270422A1 (en) * 2003-09-09 2005-04-27 Otis Elevator Company Retractable seismic plate
BRPI0417050B1 (pt) * 2004-03-29 2017-08-01 Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha Method and actuator circuit
JP2011105412A (ja) * 2009-11-13 2011-06-02 Hitachi Ltd エレベータ
JP2011241018A (ja) * 2010-05-17 2011-12-01 Toshiba Elevator Co Ltd エレベータ装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107572337A (zh) * 2017-09-04 2018-01-12 陕西理工大学 一种电梯轿厢失控坠落缓冲控制装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013139306A (ja) 2013-07-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5905719B2 (ja) エレベータのブレーキシステムとエレベータの緊急制動方法
CN107473050B (zh) 一种轿厢式电梯防坠落安全系统的控制方法
EP2185241B1 (en) Height rescue apparatus
RU2576366C2 (ru) Способ активации ловителя
US9027714B2 (en) Actuating and resetting a safety gear
WO2006022880A3 (en) Occupant retraction system
US5791597A (en) Energy attenuation system
EP1243487A3 (en) Seat belt device
US20080054617A1 (en) Vehicle Having At Least One Seat For At Least One Vehicle Occupant And A Belt System
CN112224362A (zh) 一种汽车落水救生系统
EP3653825B1 (en) Gas supply assembly for aircraft door actuator and evacuation system
CN206814193U (zh) 一种房屋建筑施工安全升降机
CN214608002U (zh) 一种救援气囊
WO2017190772A1 (en) Release device for use with a fall protection unit having a deployable lifeline
CN200987839Y (zh) 一种利用汽缸阻尼的下降装置
CN101454175A (zh) 儿童安全座椅的安全带预紧装置
JP2006271912A (ja) 避難ロープ装置
CN110937482A (zh) 一种防止坠落伤害的安全观光电梯
US11117782B2 (en) Force adjusting braking device for an elevator system
US9145108B2 (en) Restraint pretensioner with deacceleration mechanism
CN207434793U (zh) 一种建筑工地电梯防坠装置
CN110884974A (zh) 用于智慧社区的电梯
CN110758214B (zh) 一种气囊追踪承接式应急救援车
WO2021008701A1 (en) Elevator with an elevator car safety device acting on the stator beam
CN214648229U (zh) 应急滑梯旋转机构

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20141208

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20151029

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20151110

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160106

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160301

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160317

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5905719

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250