JP5905172B2 - 超音波処置装置 - Google Patents
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Description
本発明は、超音波振動が伝達される処置部と処置部に対して開閉可能なジョーとの間で処置対象を把持して、超音波振動を用いて把持された処置対象を処置する超音波処置装置に関する。
例えば特許文献1には、超音波振動が伝達される処置部と、処置部に対して開閉可能なジョーと、を備える超音波処置装置が開示されている。この超音波処置装置では、電源から振動発生部に振動発生電力が伝達されることにより、振動発生部である超音波振動子で超音波振動が発生する。そして、発生した超音波振動が処置部に伝達され、伝達された超音波振動を用いて処置部は生体組織等の処置対象を処置する。ここで、ジョーの開閉方向は、超音波振動の伝達方向に対して垂直である(交差する)。処置部とジョーとの間で処置対象が把持された状態で処置部に超音波振動が伝達されることにより、処置対象と処置部との間に摩擦熱が発生する。摩擦熱によって、処置対象が凝固と同時に切開される。また、超音波処置装置では、振動発生電力の超音波インピーダンス値が経時的に検出され、超音波インピーダンス値が既定の第1の閾値以上でかつ第1の閾値より大きい既定の第2の閾値以下の範囲であるか否かを判定している。
前記特許文献1のような超音波処置装置では、超音波振動を用いて処置部とジョーとの間で把持された処置対象を凝固させながら切開することにより、超音波振動の伝達方向について処置対象の少なくとも一部の範囲において、超音波振動の伝達方向に平行でかつジョーの開閉方向に平行な分断面で、処置対象が分断される。この現象を、切れ分かれと称する。生体組織が切れ分かれることにより、処置対象が分断された範囲では、ジョーの当接部が処置部に当接する。ジョーの当接部が処置部に当接している状態で処置部に超音波振動が伝達されると、振動によって、ジョーの当接部が摩耗又は熱変形等によって破壊してしまう。このため、処置対象が切れ分かれたか否かを適切に判断することが、重要となる。
ここで、処置対象が切れ分かれた時点の近傍では、ジョーの当接部と処置部との間に位置する処置対象の状態変化等に起因して、超音波インピーダンス値の経時的な変化において、ピークが発生する。前記特許文献1では、超音波インピーダンス値が既定の第1の閾値以上でかつ既定の第2の閾値以下の範囲であるか否かは、判定される。しかし、切れ分かれによって発生するピークでの超音波インピーダンス値は、超音波処置具(ハンドピース)の種類、処置対象の種類、処置対象の濡れ具合等に対応して、変化する。このため、切れ分かれによって発生するピークでの超音波インピーダンス値は、第1の閾値より小さくなる場合もあれば、第2の閾値より大きくなる場合もある。したがって、前記特許文献1では、切れ分かれによって発生する超音波インピーダンス値のピークが適切に検出されず、術者は、処置対象が切れ分かれたか否かを適切に判断できない。
また、処置において、超音波振動によって処置部を振動させながらジョーを処置部に対して開閉させることがある。この際、ジョーの処置部に対する開閉動作に対応して、ジョーから処置部への負荷の作用状態が変化し、切れ分かれに起因するピーク(対象ピーク)より前に、超音波インピーダンス値にピークが発生することがある。このため、切れ分かれに起因するピーク以外のピークが発生した場合でも、適切に切れ分かれによって発生したピークを検出することが重要となる。
本発明は前記課題に着目してなされたものであり、その目的とするところは、超音波振動を用いた処置において、ジョーから処置部への負荷の作用状態に関係なく、処置部とジョーとの間で把持された処置対象が切れ分かれたか否かを適切に判断する超音波処置装置を提供することにある。
前記目的を達成するために、本発明のある態様の超音波処置装置は、振動発生電力を出力可能な電源と、前記電源からの前記振動発生電力によって超音波振動を発生する超音波振動子と、前記超音波振動子で発生する前記超音波振動を用いて処置を行う処置部と、前記処置部に対して開閉可能なジョーと、前記ジョーを開閉させる開閉操作が入力される開閉操作入力部と、前記開閉操作入力部での前記開閉操作に対応して動作することにより、前記ジョーを開閉させる移動ユニットと、前記移動ユニットの動作を検出する移動検出部と、前記超音波振動子の超音波インピーダンス値を経時的に検出するインピーダンス検出部と、前記超音波インピーダンス値の経時的な変化の検出結果に基づいて、前記超音波インピーダンス値のピークを検出するピーク判定部と、前記移動検出部での検出結果及び前記ピーク判定部での検出結果に基づいて、前記振動発生電力の出力を停止又は低減させるか、及び、前記超音波インピーダンス値の前記ピークが検出されたことを告知するかの、少なくとも一方を行う制御部と、を備える。
本発明によれば、超音波振動を用いた処置において、ジョーから処置部への負荷の作用状態に関係なく、処置部とジョーとの間で把持された処置対象が切れ分かれたか否かを適切に判断する超音波処置装置を提供することができる。
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態について、図1乃至図17を参照して説明する。図1は、超音波処置装置1を示す図である。図1に示すように、超音波処置装置1は、超音波処置具(ハンドピース)2と、制御ユニット3と、を備える。超音波処置具2は、長手軸Cを有する。長手軸Cに平行な2方向の一方が先端方向(図1の矢印C1の方向)であり、先端方向とは反対方向が基端方向(図1の矢印C2の方向)である。超音波処置具2は、振動子ユニット5と、ハンドルユニット6とを備える。振動子ユニット5は、ハンドルユニット6の基端方向側に着脱可能に連結される。振動子ユニット5の基端部には、ケーブル7の一端が接続されている。ケーブル7の他端は、制御ユニット3に接続されている。
本発明の第1の実施形態について、図1乃至図17を参照して説明する。図1は、超音波処置装置1を示す図である。図1に示すように、超音波処置装置1は、超音波処置具(ハンドピース)2と、制御ユニット3と、を備える。超音波処置具2は、長手軸Cを有する。長手軸Cに平行な2方向の一方が先端方向(図1の矢印C1の方向)であり、先端方向とは反対方向が基端方向(図1の矢印C2の方向)である。超音波処置具2は、振動子ユニット5と、ハンドルユニット6とを備える。振動子ユニット5は、ハンドルユニット6の基端方向側に着脱可能に連結される。振動子ユニット5の基端部には、ケーブル7の一端が接続されている。ケーブル7の他端は、制御ユニット3に接続されている。
ハンドルユニット6は、長手軸Cに沿って延設される筒状ケース部11と、筒状ケース部11と一体に形成される固定ハンドル12と、筒状ケース部11に対して回動可能に取付けられる可動ハンドル13と、を備える。固定ハンドル12は、筒状ケース部11から長手軸Cに対して離れる状態で、延設されている。筒状ケース部11への取付け位置を中心として可動ハンドル13が回動することにより、可動ハンドル13が固定ハンドル12に対して開動作又は閉動作を行う。また、ハンドルユニット6は、筒状ケース部11の先端方向側に取付けられる回転操作ノブ15を備える。回転操作ノブ15は、筒状ケース部11に対して長手軸Cを中心として回転可能である。また、固定ハンドル12には、エネルギー操作入力部であるエネルギー操作入力ボタン16が設けられている。
超音波処置具2は、長手軸Cに沿って延設されるシース8を備える。シース8が先端方向側から回転操作ノブ15の内部及び筒状ケース部11の内部に挿入されることにより、シース8がハンドルユニット6に取付けられる。また、超音波処置具2は、超音波プローブ9を備える。超音波プローブ9は、筒状ケース部11の内部からシース8の内部を通って、長手軸Cに沿って延設されている。超音波プローブ9は、シース8に挿通されている。超音波プローブ9の先端部には、シース8の先端から先端方向に向かって突出する処置部17が、設けられている。また、シース8の先端部には、ジョー18が回動可能に取付けられている。
図2は、ハンドルユニット6の内部及び振動子ユニット5の内部の構成を示す図である。また、図3は、ハンドルユニット6、振動子ユニット5及び制御ユニット3での電気的な接続状態を示す図である。図2に示すように、振動子ユニット5は、振動子ケース21を備える。振動子ケース21が基端方向側から筒状ケース部11の内部に挿入されることにより、振動子ユニット5がハンドルユニット6に取付けられる。
図4は、振動子ユニット5の構成を示す図である。図2乃至図4に示すように、振動子ユニット5は、前述の振動子ケース21と、振動子ケース21の内部に設けられる振動発生部である超音波振動子22と、超音波振動子22が取付けられるホーン部材23と、を備える。超音波振動子22には、電気配線部25A,25Bの一端が、接続されている。制御ユニット3は、振動発生電力Pを出力可能な電源26を備える。電源26では、例えば、コンセント等の電力を変換回路等で振動発生電力Pに変換し、振動発生電力Pを出力する。電気配線部25A,25Bの他端は、電源26に接続されている。電源26から出力された振動発生電力Pは、電気配線部25A,25Bを介して、超音波振動子22に伝達される。振動発生電力Pが伝達されることにより、超音波振動子22で超音波振動が発生する。
ホーン部材23には、超音波振動子22が装着される振動子装着部27が、設けられている。超音波振動子22で発生した超音波振動は、ホーン部材23に伝達される。また、ホーン部材23には、振動子装着部27より先端方向側に断面積変化部28が設けられている。断面積変化部28では、先端方向に向かうにつれて長手軸Cに垂直な断面積が減少する。断面積変化部28によって、超音波振動の振幅が拡大される。ホーン部材23の先端部には、雌ネジ部29Aが設けられている。また、超音波プローブ9の基端部には、雄ネジ部29Bが設けられている。雄ネジ部29Bが雌ネジ部29Aに螺合することにより、ホーン部材23の先端方向側に超音波プローブ9が接続される。超音波プローブ9は、筒状ケース部11の内部で、ホーン部材23に接続される。
ホーン部材23に伝達された超音波振動は、ホーン部材23及び超音波プローブ9において、基端方向から先端方向へ長手軸Cに沿って伝達される。すなわち、ホーン部材23及び超音波プローブ9は、発生した超音波振動を伝達する振動伝達部である。超音波振動は、処置部17まで、先端方向へ向かって伝達される。処置部17は、伝達された超音波振動を用いて、生体組織等の処置対象を処置する。なお、振動伝達部(ホーン部材23及び超音波プローブ9)では、基端(ホーン部材23の基端)及び先端(超音波プローブ9の先端)が、超音波振動の腹位置となる。また、超音波振動は、振動方向及び伝達方向が長手軸C(長手軸方向)に平行な縦振動である。したがって、長手軸Cに平行な先端方向が、超音波振動の伝達方向となる。
図5は、ホーン部材23及び超音波振動子22を部材ごとに分解して示す図である。図5に示すように、超音波振動子22は、(本実施形態では4つの)リング状の圧電素子31A〜31Dを備える。それぞれの圧電素子31A〜31Dには、ホーン部材23の振動子装着部27が挿通されている。また、それぞれの圧電素子31A〜31Dは、厚み方向が超音波振動の伝達方向(すなわち、長手軸C)に平行で、かつ、径方向が超音波振動の伝達方向(すなわち、先端方向)に垂直な状態で、振動子装着部27に取付けられている。
超音波振動子22は、第1の電極部32と、第2の電極部33と、を備える。第1の電極部32に、電気配線部25Aの一端が接続され、第2の電極部33に、電気配線部25Bの一端が接続されている。第1の電極部32は、第1の電極リング部35A〜35Cを備える。第1の電極リング部35Aは、圧電素子31Aの先端方向側に位置し、第1の電極リング部35Bは、長手軸Cに平行な長手軸方向について圧電素子31Bと圧電素子31Cとの間に位置している。また、第1の電極リング部35Cは、圧電素子31Dの基端方向側に位置している。それぞれの第1の電極リング部35A〜35Cには、振動子装着部27が挿通されている。
第2の電極部33は、第2の電極リング部37A,37Bを備える。第2の電極リング部37Aは、長手軸Cに平行な長手軸方向について圧電素子31Aと圧電素子31Bとの間に位置している。また、第2の電極リング部37Bは、長手軸方向について圧電素子31Cと圧電素子31Dとの間に位置している。それぞれの第2の電極リング部37A,37Bには、振動子装着部27が挿通されている。
前述のような構成にすることにより、圧電素子31Aは、第1の電極リング部35Aと第2の電極リング部37Aとの間に挟まれ、圧電素子31Bは、第2の電極リング部37Aと第1の電極リング部35Bとの間に挟まれる。また、圧電素子31Cは、第1の電極リング部35Bと第2の電極リング部37Bとの間に挟まれ、圧電素子31Dは、第2の電極リング部37Bと第1の電極リング部35Cとの間に挟まれる。したがって、それぞれの圧電素子31A〜31Dは、第1の電極部32と第2の電極部33との間に挟まれている。
また、超音波振動子22は、絶縁リング38A,38Bを備える。絶縁リング38Aは、第1の電極部32の第1の電極リング部35Aの先端方向側に位置している。絶縁リング38Bは、第1の電極部32の第1の電極リング部35Cの基端方向側に位置している。それぞれの絶縁リング38A,38Bには、振動子装着部27が挿通されている。また、超音波振動子22は、バックマス36を備える。バックマス36は、絶縁リング38Bの基端方向側に位置している。バックマス36により、圧電素子31A〜31D、第1の電極部32、第2の電極部33及び絶縁リング38A,38Bは、先端方向に押圧されている。これにより、圧電素子31A〜31D、第1の電極部32、第2の電極部33及び絶縁リング38A,38Bは、ホーン部材23とバックマス36との間で挟持される。
図6は、振動発生部である超音波振動子22と電源26との間の電気的な接続状態を示す図である。図6に示すように、電源26と第1の電極部32との間は、電気配線部25Aによって、電気的に接続されている。また、電源26と第2の電極部33との間は、電気配線部25Bによって、電気的に接続されている。電源26から振動発生電力Pが出力されることにより、第1の電極部32と第2の電極部33との間に、振動発生電圧Vが印加される。振動発生電圧Vが印加されることにより、第1の電極部32と第2の電極部33との間に挟まれる圧電素子31A〜31Dに、振動発生電流Iが流れる。振動発生電流Iは、電流の方向が周期的に変化する交流電流である。また、振動発生電力Pのインピーダンス値である超音波インピーダンス値Zは、式(1)のようになる。
図2に示すように、シース8は、筒状ケース部11の内部から先端方向へ向かって延設されている。シース8は、内側筒状部61と、内側筒状部61の外周方向側に設けられる可動筒状部62と、を備える。内側筒状部61は、回転操作ノブ15に対して固定され、回転操作ノブ15と一体に筒状ケース部11に対して長手軸Cを中心として、回転可能である。また、可動筒状部62は、筒状ケース部11、超音波プローブ9及び内側筒状部61に対して、長手軸Cに沿って移動可能である。また、可動筒状部62は、回転操作ノブ15と一体に、筒状ケース部11に対して長手軸Cを中心として、回転可能である。内側筒状部61の基端部及び可動筒状部62の基端部が振動子ケース21の内部に挿入されることにより、筒状ケース部11の内部において、シース8が振動子ケース21に連結される。振動子ケース21は、回転操作ノブ15及びシース8と一体に、筒状ケース部11に対して長手軸Cを中心として、回転可能である。
また、筒状ケース部11の内部では、径方向についてシース8の内側筒状部61と超音波プローブ9との間に、弾性を有するリング状の支持部材73が設けられている。支持部材73によって、超音波プローブ9が、内側筒状部61に対して回り止め固定される。すなわち、支持部材73を介して、超音波プローブ9がシース8に連結される。超音波プローブ9は、回転操作ノブ15及びシース8と一体に、筒状ケース部11に対して長手軸Cを中心として、回転可能である。
筒状ケース部11の内部では、可動筒状部62の外周面に筒状のスライダー部63が、設けられている。スライダー部63は、可動筒状部62に対して長手軸Cに沿って、移動可能である。スライダー部63には、長手軸回り方向に沿って係合溝65が形成されている。可動ハンドル13は、支点ピン66を介して、筒状ケース部11に取付けられ、支点ピン66を中心として回動可能である。また、可動ハンドル13は、スライダー部63の係合溝65に係合可能な係合突起67を備える。係合突起67が係合溝65に係合することにより、可動ハンドル13がスライダー部63に連結される。スライダー部63は、回転操作ノブ15及び可動筒状部62と一体に、長手軸Cを中心として筒状ケース部11及び可動ハンドル13に対して回転可能である。
また、筒状ケース部11の内部では、可動筒状部62の外周面に弾性部材であるコイルバネ(圧縮コイルバネ)68が、配置されている。コイルバネ68の一端(先端)は、可動筒状部62に接続されている。また、コイルバネ68の他端(基端)は、スライダー部63に接続されている。コイルバネ68は、自然状態から所定の収縮量だけ収縮した基準状態で、可動筒状部62とスライダー部63との間に長手軸Cに沿って、延設されている。また、可動筒状部62の外周面には、スライダー部63の基端方向側にストッパ部69が固定されている。ストッパ部69によって、スライダー部63がストッパ部69に当接した状態からスライダー部63が基端方向へ可動筒状部62に対して移動することが、規制される。
図7は、シース8の先端部、処置部17及びジョー18の構成を示す図である。図7では、ジョー18が処置部17に対して開いた状態で示されている。図7に示すように、内側筒状部61及び可動筒状部62は、シース8の先端部まで先端方向に向かって延設されている。シース8は、可動筒状部62の外周方向側に設けられる外側筒状部64を備える。外側筒状部64は、回転操作ノブ15に対して固定され、筒状ケース部11に対して回転操作ノブ15と一体に、長手軸Cを中心として回転可能である。回転操作ノブ15より先端方向側の部位では、外側筒状部64によって、可動筒状部62が覆われている。ジョー18は、支点ピン71を介してシース8の外側筒状部64に取付けられている。ジョー18は、支点ピン71を中心として、シース8に対して回動可能である。ジョー18がシース8に対して回動することにより、ジョー18が処置部17に対して開動作又は閉動作を行う。また、可動筒状部62の先端部は、接続ピン72を介して、ジョー18に接続されている。ジョー18は、回転操作ノブ15及びシース8と一体に、筒状ケース部11に対して長手軸Cを中心として回転可能である。
可動ハンドル13を固定ハンドル12に対して開閉させることにより、ジョー18を処置部17に対して開動作又は閉動作させる開閉操作が入力される。すなわち、可動ハンドル13は、ジョー18を開閉させる開閉操作が入力される開閉操作入力部である。開閉操作が入力されることにより、操作力がスライダー部63及びコイルバネ68を介して、可動筒状部62に伝達される。これにより、可動筒状部62が、筒状ケース部11及び超音波プローブ9に対して、長手軸Cに沿って移動する。可動筒状部62が移動する際には、スライダー部63及びコイルバネ68も、可動筒状部62と一体に、長手軸Cに沿って移動する。可動筒状部62が長手軸Cに沿って移動することにより、ジョー18が処置部17に対して開閉する。なお、ジョー18の開方向(図7の矢印A1の方向)及び閉方向(図7の矢印A2の方向)は、長手軸Cに対して垂直である(交差する)。したがって、可動筒状部62が、スライダー部63及びコイルバネ68と一体に長手軸Cに沿って移動することにより、ジョー18の処置部17に対する開き角度が変化する。
処置部17とジョー18との間で生体組織等の処置対象を把持する際には、可動ハンドル13を固定ハンドル12に対して閉じることにより、可動筒状部62、スライダー部63及びコイルバネ68が一体に、先端方向へ向かって移動する。これにより、ジョー18が、処置部17に対して閉方向へ移動し、ジョー18の処置部17に対する開き角度が小さくなる。そして、ジョー18が処置対象に当接すると、ジョー18の閉方向への移動が停止し、可動筒状部62の先端方向への移動が停止する。可動筒状部62の先端方向への移動が停止した状態においても、開閉操作の入力によって、可動ハンドル13は、固定ハンドル12に対して閉じ、可動筒状部62に対して移動する。
可動筒状部62の先端方向への移動が停止した状態において可動ハンドル13が閉動作を行うことにより、スライダー部63が可動筒状部62に対して先端方向へ移動する。これにより、コイルバネ68が収縮し、基準状態に比べてコイルバネ68の弾性力が大きくなる。コイルバネ68の弾性力が大きくなることにより、基準状態に比べて、コイルバネ68から可動筒状部62に作用する力が大きくなる。これにより、基準状態に比べて、ジョー18と処置部17との間での処置対象の把持力が大きくなり、ジョー18から処置部17へ作用する負荷が大きくなる。
前述のように、ジョー18の処置部17に対する開閉動作及びジョー18と処置部17との間で把持される処置対象の状態に対応して、ジョー18から処置部17への負荷の作用状態が変化する。そして、ジョー18から処置部17への負荷の作用状態に対応して、可動ハンドル13及びスライダー部63は移動し、可動ハンドル13及びスライダー部63の可動筒状部62に対する位置が変化する。なお、本実施形態では、可動ハンドル13、スライダー部63及び可動筒状部62によって、ジョー18から処置部17への負荷の作用状態及びジョー18の処置部17に対する開き角度の少なくとも一方 に対応して、移動する移動ユニットが形成されている。移動ユニットでは、可動ハンドル13の移動に対応して可動筒状部62がスライダー部63と一体に移動する状態では、ジョー18の処置部17に対する開き角度が変化する。そして、可動ハンドル13の移動に対応してスライダー部63が可動筒状部62に対して移動する状態では、ジョー18から処置部17への負荷の作用状チアが変化する。
図8は、処置部17及びジョー18の構成を示す図である。ここで、図8は、ジョー18と処置部17との間に処置対象が存在せず、かつ、ジョー18を処置部17に対して閉じた状態を示し、長手軸Cに垂直な断面を示している。図7及び図8に示すように、ジョー18は、シース8に基端部が取付けられるジョー本体41と、ジョー本体41に取付けられる把持部材42と、を備える。ジョー本体41及び把持部材42は、例えば導電性を有する金属から形成されている。また、ジョー18は、把持部材42に取付けられるパッド部材43を備える。パッド部材43は、例えば電気絶縁性を有するPTFEから形成されている。
パッド部材43には、処置部17に対してジョー18が閉じた状態において処置部17に当接可能な当接部(当接面)45が、形成されている。ジョー18と処置部17との間に処置対象が存在しない状態でジョー18を処置部17に対して閉じることにより、パッド部材43の当接部45が処置部17に当接する。当接部45は、処置部17に対向している。また、本実施形態では、当接部45は、ジョー18の開方向(図7及び図8の矢印A1の方向)及び閉方向(図7及び図8の矢印A2の方向)に対して垂直である。
ここで、長手軸Cに垂直で(交差し)、かつ、ジョー18の開閉方向に垂直な2方向を第1の幅方向(図8の矢印B1の方向)及び第2の幅方向(図8の矢印B2の方向)とする。当接部45の第1の幅方向側には、当接部45に対して傾斜する状態で処置部17に対向する傾斜対向部46Aが把持部材42によって、形成されている。また、当接部45の第2の幅方向側には、当接部45に対して傾斜する状態で処置部17に対向する傾斜対向部46Bが把持部材42によって、形成されている。当接部45が処置部17に当接した状態において、傾斜対向部46A,46Bは処置部17から離間している。したがって、当接部45が処置部17に当接した状態においても、把持部材42は処置部17に接触しない。
図3に示すように、制御ユニット3は、電源26に電気的に接続される制御部51を備える。また、制御ユニット3は、制御部51に電気的に接続されるエネルギー操作検出部75、移動検出部76及び検査信号生成部77を備える。エネルギー操作検出部75、移動検出部76及び検査信号生成部77は、検査信号回路Kを介して、互いに対して電気的に接続されている。検査信号回路Kは、ケーブル7の内部、振動子ケース21を通って、ハンドルユニット6の内部まで、延設されている。なお、制御部51は、例えばCPU(Central Processing Unit)、ASIC(application specific integrated circuit)等を備えるプロセッサ又はFPGA(Field Programmable Gate Array)等の論理回路、及び、メモリ(記憶部)から形成されている。また、エネルギー操作検出部75及び移動検出部76は、例えば検出回路である。また、検査信号生成部77は、信号出力部として機能し、例えば信号生成回路又はアナログ信号生成器である。
図2及び図3に示すように、ハンドルユニット6の内部には、検出スイッチ(第1のスイッチ部)47及びエネルギースイッチ(第2のスイッチ部)48が、設けられている。検出スイッチ47及びエネルギースイッチ48は、検査信号回路Kを介して、互いに対して電気的に接続されている。また、検出スイッチ47及びエネルギースイッチ48は、検査信号回路Kを介して、エネルギー操作検出部75、移動検出部76及び検査信号生成部77に電気的に接続されている。検出スイッチ47によって、移動ユニットの一部である可動ハンドル13と可動筒状部62との間の長手軸方向についての相対位置が検出される。本実施形態では、検出スイッチ47及びエネルギースイッチ48は、筒状ケース部11に対して固定された状態で、設けられている。このため、筒状ケース部11に対する可動ハンドル13の位置と筒状ケース部11に対する可動筒状部62の位置との間の差分に基づいて、可動ハンドル13と可動筒状部62との間の長手軸方向についての相対位置が検出される。また、別の実施例では、検出スイッチ47は、可動筒状部62に対して固定されてもよい。この場合、可動筒状部62に対する可動ハンドル13の移動量に基づいて、移動ユニットの一部である可動ハンドル13と可動筒状部62との間の長手軸方向についての相対位置が検出される。可動ハンドル13と可動筒状部62との間の長手軸方向についての相対位置が検出されることにより、移動ユニット(可動ハンドル13、スライダー部63及び可動筒状部62)の移動状態が検出される。
第1のスイッチ部である検出スイッチ47は、可動ハンドル13が当接可能な位置に配置され、可動ハンドル13の開閉動作に対応して、開閉状態が切替わる。すなわち、移動ユニットの一部である可動ハンドル13及びスライダー部63の移動状態に基づいて、検出スイッチ47の開閉状態が変化する。本実施形態では、開閉操作入力部である可動ハンドル13が固定ハンドル12に対して閉じられ、可動ハンドル13が規定の範囲に位置する場合は、可動ハンドル13が検出スイッチ47に当接し、検出スイッチ47が閉状態になる。この際、ジョー18から処置部17に作用する負荷が大きくなるとともに、ジョー18の処置部17に対する開き角度は小さくなる。一方、可動ハンドル13が固定ハンドル12に対して開かれ、規定の範囲に位置しない場合は、可動ハンドル13が検出スイッチ47に接触せず、検出スイッチ47が開状態になる。この際、ジョー18から処置部17に作用する負荷が小さくなるとともに、ジョー18の処置部に対する開き角度は大きくなる。ここで、移動ユニットが規定の範囲に位置する場合、可動ハンドル13は、例えば最も開いた状態から5°〜40°閉じた位置に位置し、11°〜22°閉じた位置に位置することがより好ましい。また、移動ユニットが規定の範囲に位置する場合、スライダー部63は、例えば、ストッパ部69に当接した状態から、0.5mm〜4.0mmだけ可動筒状部62に対して先端方向へ移動し、1mm〜2mmだけ可動筒状部62に対して先端方向へ移動していることがより好ましい。
エネルギー操作入力ボタン16では、電源26から振動発生電力Pを出力させるエネルギー操作が入力される。エネルギー操作の入力に基づいて、エネルギースイッチ48の開閉状態が切替えられる。本実施形態では、エネルギー操作入力ボタン16が押圧され、エネルギー操作が入力されることにより、エネルギースイッチ48が閉状態になる。
図9は、検査信号回路Kの構成を示す図である。図2及び図9に示すように、検出スイッチ(第1のスイッチ部)47には、2本の電気信号線81A,81Bの一端が接続されている。また、エネルギースイッチ(第2のスイッチ部)48には、2本の電気信号線82A,82Bの一端が接続されている。筒状ケース部11の内部には、筒状ケース部11に対して固定された状態で、電気接続リング83が設けられている。振動子ユニット5をハンドルユニット6に連結した状態では、振動子ケース21の外周面の先端部が、電気接続リング83に当接する。
図9に示すように、電気接続リング83には、リング導電部85A,85Bが形成されている。リング導電部85A,85Bは、互いに対して電気的に絶縁されている。リング導電部85Aには、電気信号線81Aの他端、及び、電気信号線82Aの他端が接続されている。また、リング導電部85Bには、電気信号線81Bの他端及び電気信号線82Bの他端が接続されている。また、振動子ケース21には、ケース導電部86A,86Bが長手軸Cに沿って延設されている。ケース導電部86A,86Bは、互いに対して電気的に絶縁されている。ハンドルユニット6に振動子ユニット5が連結された状態では、長手軸回り方向についての振動子ケース21の角度位置に関係なく、常時、ケース導電部86Aの先端部がリング導電部85Aに当接する。同様に、長手軸回り方向についての振動子ケース21の角度位置に関係なく、常時、ケース導電部86Bの先端部がリング導電部85Bに当接する。
ケース導電部86Aの基端部には、電気信号線87Aの一端が接続されている。電気信号線87Aは、ケーブル7の内部を通って延設され、制御ユニット3において3つに分岐される。そして、制御ユニット3において電気信号線87Aは、1つの分岐がエネルギー操作検出部75に接続され、別の1つの分岐が移動検出部76に接続され、残りの1つの分岐が検査信号生成部77に接続される。ケース導電部86Bの基端部には、電気信号線87Bの一端が接続されている。電気信号線87Bは、ケーブル7の内部を通って延設され、制御ユニット3において3つに分岐される。そして、制御ユニット3において電気信号線87Bは、1つの分岐がエネルギー操作検出部75に接続され、別の1つの分岐が移動検出部76に接続され、残りの1つの分岐が検査信号生成部77に接続される。
図10は、検査信号回路Kでの電気的な接続状態を示す図である。図9及び図10に示すように、検査信号回路Kでは、電気信号線81A,82A,87A、リング導電部85A及びケース導電部86Aによって、第1の信号経路K1が形成され、電気信号線81B,82B,87B、リング導電部85B及びケース導電部86Bによって、第2の信号経路K2が形成されている。第2の信号経路K2は、グランド経路である。検査信号生成部(信号出力部)77は、アナログ信号として交流電流を生成し、交流電流を検査信号回路K(検出スイッチ47及びエネルギースイッチ48)に出力する。したがって、検査信号生成部77から第1の信号経路K1に向かって(図10の矢印i1の方向へ)交流電流が出力される状態と検査信号生成部77から第2の信号経路K2に向かって(図10の矢印i2の方向へ)交流電流が出力される状態との間で、アナログ信号の出力状態が周期的に変化する。
検査信号回路Kでは、検出スイッチ47、エネルギースイッチ48、エネルギー操作検出部75及び移動検出部76が、互いに対して電気的に並列に配置されている。エネルギー操作検出部75は、通過する電流を測定する電流測定部88Aと、抵抗部89Aと、を備える。電流測定部88Aは、検査信号生成部77からアナログ信号が出力された状態において、エネルギー操作検出部75を通過する電流を測定する。エネルギー操作検出部75は、電流測定部88Aでの測定結果に基づいて、エネルギースイッチ48の開閉状態を検出し、エネルギー操作の入力を検出する。したがって、アナログ信号の物理量に基づいて、エネルギースイッチ(第2のスイッチ部)48の開閉状態が検出される。
また、移動検出部76は、通過する電流を測定する電流測定部88Bと、抵抗部89Bと、を備える。電流測定部88Bは、検査信号生成部77からアナログ信号が出力された状態において、移動検出部76を通過する電流を測定する。移動検出部76は、電流測定部88Bでの測定結果に基づいて、検出スイッチ47の開閉状態を検出し、移動ユニット(特に可動ハンドル13及びスライダー部63)の移動状態を検出する。したがって、アナログ信号の物理量に基づいて、検出スイッチ(第1のスイッチ部)47の開閉状態が検出される。なお、電流測定部88A,88Bは、例えば交流電流計である。また、本実施形態では、抵抗部89Aは、抵抗部89Bと同一の抵抗値R0となる。
検査信号回路Kでは、ダイオード91Aが検出スイッチ47に対して電気的に直列に配置されている。ダイオード91Aでは、第1の信号経路K1から第2の信号経路K2へ向かう(図10の矢印i3の方向へ流れる)電流に対しては抵抗がほぼ0になるが、第2の信号経路K2から第1の信号経路K1へ向かう(図10の矢印i4の方向へ流れる)電流に対しては抵抗が無限大になる。また、検査信号回路Kでは、ダイオード91Bがエネルギースイッチ48に対して電気的に直列に配置されている。ダイオード91Bでは、第1の信号経路K1から第2の信号経路K2へ向かう(図10の矢印i5の方向へ流れる)電流に対しては抵抗が無限大になるが、第2の信号経路K2から第1の信号経路K1へ向かう(図10の矢印i6の方向へ流れる)電流に対しては抵抗がほぼ0になる。
図11は、検査信号生成部77で生成される交流電流(アナログ信号)に対する移動検出部76を通過する電流(アナログ信号)の変化を説明する図である。なお、以下の説明では、移動検出部76を通過する電流について説明するが、エネルギー操作検出部75を通過する電流も、検査信号生成部77で生成される交流電流に対して、移動検出部76を通過する電流と同様に変化する。図11で示されるグラフは、横軸に経過時間τを示し、縦軸に電流(アナログ信号)iを示している。電流iは、検査信号生成部77から第1の信号経路K1に向かって(図10の矢印i1の方向へ)出力される場合を正で、検査信号生成部77から第2の信号経路K2に向かって(図10の矢印i2の方向へ)出力される場合を負で、示している。
図11に示すように、検査信号生成部77では、sin波の波形のアナログ信号(交流電流)が生成される。検出スイッチ47が開状態(OFF状態)で、エネルギースイッチ48が開状態(OFF状態)の場合は、検出スイッチ47及びエネルギースイッチ48を電流は通過しない。したがって、検査信号生成部77から出力されたアナログ信号(交流電流)は、常時、エネルギー操作検出部75及び移動検出部76を通過する。このため、検出スイッチ47が開状態で、エネルギースイッチ48が開状態の場合は、移動検出部76を通過する電流も、sin波の波形になる。
また、検出スイッチ47が閉状態(ON状態)で、エネルギースイッチ48が開状態(OFF状態)の場合は、エネルギースイッチ48を電流は通過しない。前述のように、ダイオード91Aでは、第1の信号経路K1から第2の信号経路K2へ向かう(図10の矢印i3の方向へ流れる)電流に対しては抵抗がほぼ0になる。このため、検査信号生成部77から第1の信号経路K1に向かってアナログ信号が出力される場合は、検出スイッチ47を電流が通過し、エネルギー操作検出部75及び移動検出部76を通過しない。一方、ダイオード91Aでは、第2の信号経路K2から第1の信号経路K1へ向かう(図10の矢印i4の方向へ流れる)電流に対しては抵抗が無限大になる。このため、検査信号生成部77から第2の信号経路K2に向かってアナログ信号が出力される場合は、検出スイッチ47を電流が通過せず、エネルギー操作検出部75及び移動検出部76を通過する。したがって、検出スイッチ47が閉状態で、エネルギースイッチ48が開状態の場合は、検査信号生成部77から第2の信号経路K2に向かってアナログ信号が出力される状態でのみ、アナログ信号がエネルギー操作検出部75及び移動検出部76を通過する。
また、検出スイッチ47が開状態(OFF状態)で、エネルギースイッチ48が閉状態(ON状態)の場合は、検出スイッチ47を電流は通過しない。前述のように、ダイオード91Bでは、第1の信号経路K1から第2の信号経路K2へ向かう(図10の矢印i5の方向へ流れる)電流に対しては抵抗が無限大になる。このため、検査信号生成部77から第1の信号経路K1に向かってアナログ信号が出力される場合は、エネルギースイッチ48を電流が通過せず、エネルギー操作検出部75及び移動検出部76を通過する。一方、ダイオード91Bでは、第2の信号経路K2から第1の信号経路K1へ向かう(図10の矢印i6の方向へ流れる)電流に対しては抵抗がほぼ0になる。このため、検査信号生成部77から第2の信号経路K2に向かってアナログ信号が出力される場合は、エネルギースイッチ48を電流が通過し、エネルギー操作検出部75及び移動検出部76を通過しない。したがって、検出スイッチ47が開状態で、エネルギースイッチ48が閉状態の場合は、検査信号生成部77から第1の信号経路K1に向かってアナログ信号が出力される状態でのみ、アナログ信号がエネルギー操作検出部75及び移動検出部76を通過する。
また、検出スイッチ47が閉状態(ON状態)で、エネルギースイッチ48が閉状態(ON状態)の場合は、第1の信号経路K1から第2の信号経路K2へ向かう状態で検出スイッチ47に電流が流れることが可能となり、第2の信号経路K2から第1の信号経路K1へ向かう状態でエネルギースイッチ48に電流が流れることが可能となる。このため、検査信号生成部77から第1の信号経路K1に向かってアナログ信号が出力される場合は、検出スイッチ47を電流が通過し、エネルギー操作検出部75及び移動検出部76を通過しない。そして、検査信号生成部77から第2の信号経路K2に向かってアナログ信号が出力される場合は、エネルギースイッチ48を電流が通過し、エネルギー操作検出部75及び移動検出部76を通過しない。したがって、検査信号生成部77から出力されたアナログ信号(交流電流)は、常時、エネルギー操作検出部75及び移動検出部76を通過しない。
前述のように、エネルギー操作検出部75を通過する電流の波形、及び、移動検出部76を通過する電流の波形に基づいて、検出スイッチ47の開閉状態及びエネルギースイッチの開閉状態を検出可能となる。
図3に示すように、制御ユニット3は、電源26及び制御部51に電気的に接続されるインピーダンス検出部52と、インピーダンス検出部52及び制御部51に電気的に接続されるピーク検出部53と、を備える。インピーダンス検出部52は、電源26から振動発生電力Pが出力されている状態において、振動発生電力Pの超音波インピーダンス値Zを経時的に検出する。ピーク検出部53は、検出された超音波インピーダンス値Zの経時的な変化に基づいて、超音波インピーダンス値Zのピーク(対象ピーク)を検出する。ピーク検出部53は、漸減検出部55と、仮ピーク値保持部56と、ピーク判定部57と、を備える。漸減検出部55、仮ピーク値保持部56及びピーク判定部57の詳細については、後述する。なお、インピーダンス検出部52は、例えば検出回路である。また、ピーク検出部53は、例えば例えばCPU(Central Processing Unit)、ASIC(application specific integrated circuit)等を備えるプロセッサ又はFPGA(Field Programmable Gate Array)等の論理回路、及び、メモリ(記憶部)から形成されている。
また、制御ユニット3は、ブザー、ランプ等の告知部58を備える。告知部58は、制御部51に電気的に接続されている。告知部58によって、対象ピークが検出されたことが告知される。なお、対象ピークの説明、及び、対象ピークの検出法については、後述する。
次に、超音波処置装置1の作用及び効果について説明する。超音波処置装置1を用いて生体組織等の処置対象を処置する際には、シース8、超音波プローブ9及びジョー18を、処置対象が位置する体内等に挿入する。そして、処置部17に対して開いたジョー18と処置部17との間に処置対象が位置する状態まで、処置部17及びジョー18を移動させる。そして、可動ハンドル13を固定ハンドル12に対して閉じることにより、処置部17とジョー18との間で処置対象が保持される。
この状態でエネルギー操作入力ボタン16によってエネルギー操作を入力することにより、操作信号が制御部51に伝達され、電源26からの振動発生電力Pの出力が開始される。振動発生電力Pが伝達されることにより、圧電素子31A〜31Dによって振動発生電流Iが超音波振動に変換される。この際、制御部51は、振動発生電流Iが一定に保たれる定電流制御で、振動発生電力Pの出力状態を制御している。したがって、振動発生電流Iが一定となる状態に、超音波インピーダンス値Zの変化に対応させて振動発生電圧Vを調整している。
超音波振動子22で発生した超音波振動は、ホーン部材23及び超音波プローブ9を介して、処置部17に伝達され、処置部17は縦振動する。処置部17とジョー18との間で処置対象が把持された状態で処置部17が縦振動することにより、処置対象と処置部17の間に摩擦熱が発生する。摩擦熱によって、処置対象を凝固すると同時に切開する処置が行われる。
処置部17とジョー18との間で把持された処置対象を処置することにより、超音波振動の伝達方向について処置対象の少なくとも一部の範囲で、処置対象の切れ分かれが発生する。図12は、処置部17とジョー18との間で把持された処置対象Uの切分かれを説明する図である。なお、切れ分かれは、超音波振動の伝達方向(長手軸方向)について処置対象の全範囲に渡って発生することもあり、超音波振動の伝達方向(長手軸方向)について処置対象の一部の範囲にのみ発生することもある。切れ分かれが発生した部位では、超音波振動の伝達方向に平行でかつジョーの開閉方向(図12の矢印A1の方向及び図12の矢印A2の方向)に平行な分断面Dで、処置対象Uが分断される。分断面Dは、第1の幅方向(図12の矢印B1の方向)及び第2の幅方向(図12の矢印B2の方向)に対して垂直である。したがって、切れ分かれが発生した範囲では、処置対象Uが、分断面Dより第1の幅方向側の部位U1と、分断面Dより第2の幅方向側の部位U2と、に分断される。
切れ分かれによって処置対象Uが分断された範囲では、ジョー18の当接部45が処置部17に当接する。ジョー18の当接部45が処置部17に当接する状態で処置部17が超音波振動によって振動(縦振動)することにより、ジョー18の当接部45が摩耗してしまう。このため、処置対象Uが切れ分かれたか否かを適切に判断することが、重要となる。
ここで、振動発生電力Pの超音波インピーダンス値Zは、超音波プローブ9に対する負荷、すなわち超音波プローブ9に接続された超音波振動子22への負荷に対応して、変化する。図13は、電源26から振動発生電力Pの出力が開始されてからの超音波インピーダンス値Zの経時的な変化の一例を示している。図13では、縦軸に超音波インピーダンス値Zを示し、横軸に振動発生電力Pの出力開始からの経過時間tを示している。処置対象Uの切れ分かれた時点の近傍までは、ジョー18の当接部45と処置部17との間の処置対象Uの状態変化等によって、ジョー18から処置部17への押圧力が徐々に大きくなる。このため、超音波プローブ9に対する負荷が徐々に大きくなる。したがって、処置対象Uの切れ分かれるまでは、超音波インピーダンス値Zは経時的に漸増する。ここで、経時的に漸増するとは、経過時間tが進むにつれて超音波インピーダンス値Zが徐々に増加することを意味し、数十Ω以下の微小な増減を含みながら超音波インピーダンス値Zが徐々に増加することも含まれる。
処置対象Uの切れ分かれると、ジョー18の当接部45が処置部17の近傍に位置するため、処置部17の超音波振動によって発生する摩擦熱に起因して、パッド部材43が溶解し始める。このため、超音波プローブ9に対する負荷が徐々に小さくなっていると考えられる。したがって、処置対象Uの切れ分かれた時点の近傍より後では、超音波インピーダンス値Zは経時的に漸減する。ここで、経時的に漸減するとは、経過時間tが進むにつれて超音波インピーダンス値Zが徐々に減少することを意味し、数十Ω以下の微小な増減を含みながら超音波インピーダンス値Zが徐々に減少することも含まれる。
切れ分かれによって前述のように超音波インピーダンス値Zが変化するため、処置対象Uの切れ分かれた時点の近傍(例えば、ジョー18の当接部45が処置部17に当接し始めた時点の近傍)において、超音波インピーダンス値Zが経時的にピーク(極大値)となる。超音波インピーダンス値Zの経時的なピークが検出されることにより、処置対象Uが切れ分かれたか否かを、適切に判断可能となる。ここで、図13に示す一例では、超音波インピーダンス値Z1が、処置対象Uの切れ分かれに起因するピーク(ピーク値)である対象ピークとなる。また、経過時間t1が、対象ピークが発生する対象ピーク時となる。
図14は、超音波振動を用いた処置においての制御ユニット3の作動状態を示す図である。図14に示すように、処置を行う際には、検査信号生成部77から検査信号回路Kにアナログ信号を出力する(ステップS101)。そして、アナログ信号の電流iの波形(物理量)に基づいて、エネルギー操作検出部75は、エネルギー操作入力ボタン16でエネルギー操作が入力されたか否かを判断する(ステップS102)。前述したように、エネルギー操作の入力の有無は、エネルギースイッチ48の開閉状態に基づいて、判断される。本実施形態では、エネルギー操作が入力されることにより、エネルギースイッチ48が閉状態となる。
エネルギー操作の入力が検出されると(ステップS102−Yes)、電源26から振動発生電力Pの出力が開始される(ステップS103)。そして、インピーダンス検出部52によって、振動発生電力Pの超音波インピーダンス値Zの経時的な検出が開始される(ステップS104)。これにより、超音波インピーダンス値Zが経時的に検出される。例えば、超音波振動の振幅を一定にするために、振動発生電流Iが一定となる定電流制御が行われる場合、振動発生電力P及び振動発生電圧Vの少なくとも一方の経時的な変化を検出する。そして、検出した振動発生電力P及び/又は振動発生電圧Vに基づいて、式(1)を用いて、超音波インピーダンス値Zを算出する。これにより、超音波インピーダンス値Zが経時的に検出される。この際、ピーク検出部53(漸減検出部55、仮ピーク値保持部56及びピーク判定部57)は、制御部51によって、対象ピークの検出を行わない検出不可状態に制御されている。また、ある実施例では、インピーダンス検出部52は、振動発生電圧V及び振動発生電流Iを経時的に検出し、式(1)を用いて、超音波インピーダンス値Zを算出する。
そして、移動検出部76によって、移動ユニット(特に可動ハンドル13及びスライダー部63)の移動状態(移動位置)の検出処理が行われる(ステップ105)。そして、移動検出部76での検出結果に基づいて、ピーク検出部53(漸減検出部55、仮ピーク値保持部56及びピーク判定部57)によって対象ピークの検出を行われる検出許可状態に、検出不可状態から切替えるか否かが、制御部51によって判断される(ステップS106)。すなわち、制御部51は、移動検出部76での移動ユニットの移動状態の検出結果に基づいて漸減検出部55、仮ピーク値保持部56及びピーク判定部57を制御し、対象ピークの検出が行われる検出許可状態と対象ピークの検出が行われない検出不可状態との間で、切替えを行う。
図15は、移動検出部76によって行われる移動ユニットの移動状態の検出処理(図14のステップS105)を示す図である。すなわち、図15では、移動ユニットの移動状態を検出する方法を示している。図15に示すように、移動ユニット(特に可動ハンドル13及びスライダー部63)の移動状態を検出する際には、まず、検査信号生成部77から検査信号回路Kにアナログ信号を出力する(ステップS111)。そして、アナログ信号の電流iの波形(物理量)に基づいて、移動検出部76は、検出スイッチ47の開閉状態を検出する(ステップS112)。検出スイッチ47が開状態の場合は(ステップS112−No)、移動ユニットが規定の範囲に位置しないと判断し(ステップS113)、判定パラメータiflagを0に設定する(ステップS114)。検出スイッチ47が閉状態の場合は(ステップS112−Yes)、移動ユニットが規定の範囲に位置すると判断し(ステップS115)、判定パラメータiflagを1に設定する(ステップS116)。
図14のステップS106では、判定パラメータiflagに基づいて、検出許可状態へ切替えるか否かを判断する。判定パラメータiflagが0の場合は、検出不可状態が維持される(ステップS106−No)。一方、判定パラメータiflagが1の場合は、検出不可状態から検出許可状態に切替えられる(ステップS106−Yes)。したがって、制御部51は、移動ユニットが規定の範囲に位置しない場合は、対象ピークの検出が行われない検出不可状態に、ピーク検出部53(漸減検出部55、仮ピーク値保持部56及びピーク判定部57)を制御している。なお、図13に示す一例では、対象ピーク時t1以前の経過時間t2において、検出許可状態に切替えられる。
処置おいて、処置部17に対する閉動作によってジョー18が処置対象Uに当接するまでは、移動ユニット(特に13,63)は規定の範囲に位置せず、可動ハンドル13は検出スイッチ47に接触しないため、検出スイッチ47は開状態となる。そして、ジョー18の処置対象Uへの当接によって可動筒状部62の先端方向への移動が停止した状態から、可動ハンドル13をさらに閉じることにより、移動ユニット(特に13,63)は、規定の範囲に移動する。これにより、可動ハンドル13は検出スイッチ47に接触し、検出スイッチ47は閉状態となる。この際、スライダー部63の可動筒状部62に対する先端方向への移動によって、コイルバネ68が基準状態から収縮し、ジョー18から処置部17へ作用する負荷が大きくなる。したがって、移動ユニット(特に13,63)が規定の範囲に位置することが検出されることにより、術者は、ジョー18が処置対象Uに当接し、処置対象Uの凝固しながらの切開が開始された後に、ジョー18から処置部17への負荷(押圧力)が増加していることを、認識可能となる。
図16は、電源26から振動発生電力Pの出力が開始されてからの超音波インピーダンス値Zの経時的な変化の、図13とは別の一例を示している。図16では、図13と同様に、縦軸に超音波インピーダンス値Zを示し、横軸に振動発生電力Pの出力開始からの経過時間tを示している。例えば、術者によっては、処置において、処置部17を振動させながら、ジョー18を処置部17に対して開閉させることがある。この場合、ジョー18の開閉動作によって、ジョー18が処置対象Uへ当接及び離間を繰返すことがある。ジョー18が処置対象Uへ当接及び離間を繰返すことにより、ジョー18から処置部17への負荷の作用状態が変化する。このため、切れ分かれに起因する対象ピークより前に、ジョー18の処置対象Uへの当接及び離間に起因する超音波インピーダンス値Zのピークが発生してしまう場合がある。図16に示す一例では、経過時間t3に、当接部45(ジョー18)の処置対象Uへの当接及び離間に起因して、超音波インピーダンス値Zがピーク(ピーク値)Z3として検出されているとなる。また、経過時間t3より後の経過時間t4に、処置対象Uの切れ分かれに起因して、超音波インピーダンス値Zが対象ピーク(対象ピーク値)Z4が検出されている。
図16に示すように超音波インピーダンス値Zが経時的に変化した場合、経過時間t3において、移動ユニット(13,62,63)は、規定の範囲に位置していない。このため、検出スイッチ47は、開状態であり、判定パラメータiflagは0に設定され、図14のステップS106において、検出不可状態が維持される。このため、当接部45の処置対象Uへの当接及び離間に起因してピークZ3が発生した場合でも、ピークZ3は、切れ分かれに起因する対象ピークとは別のピークである判断される。すなわち、ピークZ3は、対象ピークとして検出されない。
そして、経過時間t3の後、ジョー18が処置対象Uに当接し、処置対象Uの凝固しながらの切開が開始される。そして、処置対象Uの凝固しながらの切開が開始された後の経過時間t5において、移動ユニット(13,62,63)が規定の範囲に移動し、検出スイッチ47が閉状態になる。これにより、判定パラメータiflagは1に設定され、図14のステップS106において、検出不可状態から検出許可状態に切替えられる。検出許可状態に切替えられることにより、切替え時t5より後の対象ピーク時t4に発生する対象ピークZ4を検出可能となる。
図14に示すように、ステップS106で検出許可状態に切替えられると、ピーク検出部53によって、超音波インピーダンス値Zの経時的な変化に基づいて、処置対象Uの切り分かれに起因する超音波インピーダンス値Zの対象ピークの検出処理が行われる(ステップS107)。この際、超音波インピーダンス値Zが対象ピーク(対象ピーク値)となる対象ピーク時が検出されてもよい。
図17は、ピーク検出部53によって行われる超音波インピーダンス値Zの対象ピークの検出処理(図14のステップS107)を示す図である。すなわち、図17では、ピーク検出部53によって対象ピークを検出する方法を示している。図17に示すように、対象ピークの検出処理においては、まず、漸減検出部55が、インピーダンス検出部52での超音波インピーダンス値Zの検出結果に基づいて、超音波インピーダンス値Zが漸減を開始する漸減開始時を検出する(ステップS121)。図13に示す一例では、経過時間t1が漸減開始時として検出され、図16に示す一例では、経過時間t4が漸減開始時として検出される。漸減開始時が検出されると(ステップS121−Yes)、仮ピーク値保持部56が、検出された漸減開始時での超音波インピーダンス値Zを仮ピーク値として保持する(ステップS122)。図13に示す一例では、経過時間t1での超音波インピーダンス値Z1が仮ピーク値として保持され、図16に示す一例では、経過時間t4での超音波インピーダンス値Z4が仮ピーク値として保持される。
そして、ピーク判定部57によって、保持された仮ピーク値に対して漸減開始時以後の超音波インピーダンス値Zの経時的な変化が比較される(ステップS123)。図13に示す一例では、仮ピーク値として保持された超音波インピーダンス値Z1に対して、経過時間t1以後の超音波インピーダンス値Zの経時的な変化が比較される。図16に示す一例では、仮ピーク値として保持された超音波インピーダンス値Z4に対して、経過時間t4以後の超音波インピーダンス値Zの経時的な変化が比較される。そして、仮ピーク値に対する超音波インピーダンス値Zの経時的な変化の比較に基づいて、ピーク判定部57が、仮ピーク値が処置対象Uの切れ分かれに起因する対象ピークであったか否かを判定する(ステップS124)。図13に示す一例では、仮ピーク値として保持された超音波インピーダンス値Z1が、対象ピーク(対象ピーク値)であったか否かが、判定される。図16に示す一例では、仮ピーク値として保持された超音波インピーダンス値Z4が、対象ピーク(対象ピーク値)であったか否かが、判定される。この際、検出された漸減開始時が対象ピーク時であったか否かを、判定してもよい。なお、検出不可状態では、ステップS121〜S124の少なくとも1つが行われない状態に、制御されている。
ある実施例では、図17のステップS123(比較処理)で、漸減開始時から基準時間ΔTだけ経過した後において仮ピーク値からの超音波インピーダンス値Zの減少量εrealが基準減少量ε以上であったか否かが、比較される。そして、ステップS123で、漸減開始時以後において連続的に超音波インピーダンス値Zが仮ピーク値より小さくなったか否かが、比較される。この実施例では、漸減開始時から基準時間ΔTだけ経過した後において仮ピーク値からの超音波インピーダンス値Zの減少量εrealが基準減少量ε以上で、かつ、超音波インピーダンス値Zが連続的に仮ピーク値より小さくなった場合に、仮ピーク値が対象ピークであったと判定される。図13に示す一例では、漸減開始時t1以後において、仮ピーク値Z1より連続的に超音波インピーダンス値Zが小さくなる。そして、漸減開始時である経過時間t1から基準時間ΔT1経過する間での超音波インピーダンス値Zの減少量ε1realは、基準減少量ε1以上となっている。このため、図13に示す一例では、ピーク判定部57により仮ピーク値Z1が対象ピークであったと判断される。したがって、経過時間t1の時点(仮ピーク値Z1が検出された時点)で処置対象Uの少なくとも一部が分断されていたと判断される。図16に示す一例でも、漸減開始時である経過時間t4以後において、図13に示す一例と同様にして、比較及び判断が行われる。
また、別のある実施例では、ステップS123で、漸減開始時以後において超音波インピーダンス値Zが漸増したか否かが、判定されてもよい。そして、漸減開始時以後に超音波インピーダンス値Zが漸増した場合は、ステップS123で、漸増し始めた漸増開始時からの超音波インピーダンス値Zの増加量ξrealが基準増加量ξ以上となったか否かが、判断される。この実施例では、漸減開始時から基準時間ΔTだけ経過した後において仮ピーク値からの超音波インピーダンス値Zの減少量εrealが基準減少量ε以上で、かつ、超音波インピーダンス値Zが漸増開始時からの増加量ξrealが基準増加量ξ以上にならない場合に、仮ピーク値が対象ピークであったと判定される。図13に示す一例では、漸減開始時t1以後において、超音波インピーダンス値Zが漸増しない。そして、漸減開始時である経過時間t1から基準増加量ξ以上増加することなく、かつ、基準時間ΔT1経過する間での超音波インピーダンス値Zの減少量ε1realは、基準減少量ε1以上となっている。このため、図13に示す一例では、仮ピーク値Z1が対象ピークであったと判断される。図16に示す一例でも、漸減開始時である経過時間t4以後において、図13に示す一例と同様にして、比較及び判断が行われる。
なお、前述の実施例では、基準時間ΔTの長さ、基準減少量εの大きさ及び基準増加量ξの大きさは、既定の値に定まったものでなく、超音波インピーダンス値Zの経時的な変化等に対応させて設定されてもよい。したがって、状況に応じて、基準時間ΔT、基準減少量ε及び基準増加量ξの値が変化する。また、仮ピーク値に対する漸減開始時以後の超音波インピーダンス値Zの経時的な変化の比較(ステップS123)、及び、仮ピーク値が対象ピークであったか否かの判定(ステップS124)は、前述の実施例に限るものではない。
前述のように、仮ピーク値に対する漸減開始時以後の超音波インピーダンス値Zの経時的な変化の比較(ステップS123)、及び、仮ピーク値が対象ピークであったか否かの判定(ステップS124)が行われることにより、処置対象Uの切れ分かれに起因する対象ピークが検出される。対象ピークは、対象ピーク時から基準時間ΔTだけ経過した以後に検出される。したがって、対象ピークが検出されるピーク検出時は、対象ピーク時より後の時点であり、超音波インピーダンス値Zが対象ピークとなる対象ピーク時に対象ピークが検出されるわけではない。図13に示す一例では、経過時間t1+ΔT1が、対象ピークが検出されるピーク検出時となる。図16に示す一例では、経過時間t4+ΔT4が、対象ピークが検出されるピーク検出時となる。
対象ピークが検出されると、ある実施例では、制御部51によって、電源26からの振動発生電力Pの出力が停止又はエンベロープトラッキング(ET)を行いながら徐々に出力を低減される(ステップS108)。これにより、超音波プローブ9縦振動しなくなり、ジョー18の当接部45が処置部17に当接した場合でも、当接部45の摩耗が防止される。また、別のある実施例では、告知部59によって、対象ピークが検出されたことが告知される(ステップS108)。ここで、告知部59がブザーである場合は、電子音を発信し、告知部59がランプである場合は、点灯する。告知部59によって、術者は、処置対象Uが切れ分かれたか否かを判断する。
本実施形態の超音波処置装置1では、超音波インピーダンス値Zの漸減開始時を検出し、漸減開始時での超音波インピーダンス値Zを仮ピーク値として保持している。そして、仮ピーク値に対して漸減開始時以後の超音波インピーダンス値Zの経時的な変化を比較することにより、保持された仮ピーク値が検出対象である対象ピークであったか否かを判定している。このため、切れ分かれに起因して発生する対象ピーク(対象ピーク値)の大きさに関係なく、対象ピークを適切に検出することができる。したがって、超音波振動を用いた処置部17とジョー18との間で把持された処置対象Uの処置において、処置対象Uが切れ分かれたか否かを、適切に判断することができる。
また、本実施形態での超音波処置装置1では、前述したように、当接部45の処置対象Uへの当接及び離間(ジョー18から処置部17への負荷の作用状態の変化)に起因するピーク(例えばZ3)が対象ピーク(例えばZ4)より前に発生した場合でも、当接部45の処置対象Uへの当接及び離間に起因するピーク(例えばZ2)の発生時には、ピーク検出部53は、検出不可状態に制御されている。したがって、当接部45の処置対象Uへの当接及び離間に起因するピーク(例えばZ3)が発生した時点(例えばt3)では、ピーク検出部53による対象ピークの検出は行われない。このため、対象ピーク(例えばZ4)とは異なるピーク(例えばZ3)が対象ピーク(例えばZ4)より前に発生した場合でも、適切に対象ピークを検出することができる。
(変形例)
なお、前述の実施形態では、検査信号生成部77でsin波の波形のアナログ信号(交流電流)が生成されるが、方形波又は三角波の波形の交流電流がアナログ信号として生成されてもよい。
なお、前述の実施形態では、検査信号生成部77でsin波の波形のアナログ信号(交流電流)が生成されるが、方形波又は三角波の波形の交流電流がアナログ信号として生成されてもよい。
また、第1の変形例として図18に示すように、検査信号生成部77で、直流電流がアナログ信号として、生成されてもよい。本変形例では、ダイオード91Aの代わりに抵抗部93Aが、検出スイッチ47に対して電気的に直列に配置されている。また、ダイオード91Bの代わりに抵抗部93Bが、エネルギースイッチ48に対して電気的に直列に配置されている。抵抗部93Aは、エネルギー操作検出部75の抵抗部89A及び移動検出部76の抵抗部89Bの抵抗値R0とは、異なる抵抗値R1を有する。また、抵抗部93Bは、エネルギー操作検出部75の抵抗部89A及び移動検出部76の抵抗部89Bの抵抗値R0、及び、抵抗部93Aの抵抗値R1とは、異なる抵抗値R2を有する。エネルギー操作検出部75には、通過する直流電流を測定する直流電流計等の電流測定部92Aが設けられ、移動検出部76には、通過する直流電流を測定する直流電流計等の電流測定部92Bが設けられている。
前述のように検査信号回路Kを形成することにより、エネルギースイッチ(第2のスイッチ部)48の開閉状態に対応して、エネルギー操作検出部75を通過する電流の電流値が変化する。同様に、検出スイッチ(第1のスイッチ部)47の開閉状態に対応して、移動検出部76を通過する電流の電流値が変化する。したがって、本変形例でも、アナログ信号の物理量に基づいて、検出スイッチ47の開閉状態、及び、エネルギースイッチ48の開閉状態が検出される。
したがって、本変形例でも、検出スイッチ47の開閉状態に基づいて、移動ユニット(可動ハンドル13、スライダー部63及び可動筒状部62)の移動状態(移動位置)の検出が行われる。これにより、移動ユニットの移動状態に基づいて、対象ピークの検出を行われる検出許可状態に検出不可状態から切替えるか否かが、適切に判断される。
また、前述の実施形態では、アナログ信号の物理量に基づいて、検出スイッチ47の開閉状態及びエネルギースイッチ48の開閉状態が検出されるが、これに限るものではない。例えば、第2の変形例として図19に示すように、デジタル信号(第1のデジタル信号)の信号レベルに基づいて、検出スイッチ47の開閉状態が検出されてもよい。図19では、デジタル信号の信号経路が、概略的に示されている。本変形例では、移動検出部76は、デジタル信号を出力する信号生成部95Aを備える。信号生成部95Aは、信号出力部として機能し、例えばデジタル信号として直流電流を生成する電源である。信号生成部95Aは、第1の信号経路K´1を介して、検出スイッチ47に電気的に接続されている。また、信号生成部95Aは、グランド経路Gを介して、検出スイッチ47に電気的に接続されている。なお、第1の信号経路K´1及びグランド経路Gは、ケーブル7の内部に延設される電気信号線(図示しない)、振動子ケース21のケース導電部(図示しない)、ハンドルユニット6の内部に延設される電気信号線(図示しない)等から形成されている。
検出スイッチ47では、検出スイッチ47の開閉状態に対応して、第1の信号経路K´1とグランド経路Gとの間の電気的な接続状態が、変化する。また、移動検出部76は、第1の信号経路K´1とグランド経路Gとの間の電圧(電位差)を検出する電圧検出部98Aを備える。電圧検出部98Aは、例えば信号生成部95Aに対して電気的に並列に配置される電圧計である。電圧検出部98Aでの検出結果に基づいて、信号生成部95Aから出力されるデジタル信号(第1のデジタル信号)の信号レベルが検出される。
検出スイッチの開状態では、信号生成部95Aの電源電圧(例えば5V)だけグランド経路Gより電位が高くなる状態に、第1の信号経路K´1がプルアップされている。このため、デジタル信号の信号レベルがHighレベル(すなわち、1)となる。一方、検出スイッチの閉状態では、検出スイッチ47で第1の信号経路K´1がグランド経路Gに電気的に接続される。このため、第1の信号経路K´1は、グランド経路Gと同一の電位となり、デジタル信号の信号レベルがLowレベル(すなわち、0)となる。前述のように、本変形例では、信号生成部95Aから出力されるデジタル信号(第1のデジタル信号)の信号レベルに基づいて、検出スイッチ47の開閉状態が検出される。
本変形例でも、検出スイッチ47の開閉状態に基づいて、移動ユニット(可動ハンドル13、スライダー部63及び可動筒状部62)の移動状態(移動位置)の検出が行われる。これにより、移動ユニットの移動状態に基づいて、対象ピークの検出を行われる検出許可状態に検出不可状態から切替えるか否かが、適切に判断される。
また、本変形例では、エネルギー操作入力部として2つのエネルギー操作ボタン16A,16Bが設けられている。エネルギー操作入力ボタン16Aでエネルギー操作が入力されることにより、第1の実施形態のエネルギー操作入力ボタンと同様に、電源26から振動発生電力Pが出力される。これにより、超音波振動子22で超音波振動が発生し、発生した超音波振動が処置部17に伝達される。一方、エネルギー操作入力ボタン16Bでエネルギー操作が入力されると、例えば電源26から高周波電力が出力される。そして、出力された高周波電力が、処置部17及びジョー18に高周波電力が伝達され、処置部17及びジョー18は電極として機能する。そして、処置部17とジョー18との間で把持された処置対象Uに高周波電流が流れることにより、処置対象(生体組織)Uが変性され、処置対象Uが凝固される。
本変形例では、ハンドルユニット6の内部に2つのエネルギースイッチ48A,48Bが設けられている。エネルギー操作入力ボタン16Aでエネルギー操作が入力されることにより、エネルギースイッチ48Aが閉状態になり、エネルギー操作入力ボタン16Bでエネルギー操作が入力されることにより、エネルギースイッチ48Bが閉状態になる。エネルギー操作検出部75は、デジタル信号を生成する信号生成部95B、95Cを備える。信号生成部95B,95Cは、信号出力部として機能し、移動検出部76の信号生成部95Aと同様の構成である。信号生成部95Bは、第2の信号経路K´2を介してエネルギースイッチ48Aに電気的に接続されるとともに、前述のグランド経路Gを介してエネルギースイッチ48Aに電気的に接続されている。また、信号生成部95Cは、第3の信号経路K´3を介してエネルギースイッチ48Bに電気的に接続されるとともに、前述のグランド経路Gを介してエネルギースイッチ48Bに電気的に接続されている。なお、第2の信号経路K´2及び第3の信号経路K´3は、ケーブル7の内部に延設される電気信号線(図示しない)、振動子ケース21のケース導電部(図示しない)、ハンドルユニット6の内部に延設される電気信号線(図示しない)等から形成されている。
エネルギースイッチ48Aでは、エネルギースイッチ48Aの開閉状態に対応して、第2の信号経路K´2とグランド経路Gとの間の電気的な接続状態が、変化する。そして、エネルギースイッチ48Bでは、エネルギースイッチ48Bの開閉状態に対応して、第3の信号経路K´3とグランド経路Gとの間の電気的な接続状態が、変化する。また、エネルギー操作検出部75は、第2の信号経路K´2とグランド経路Gとの間の電圧(電位差)を検出する電圧検出部98Bと、第3の信号経路K´3とグランド経路Gとの間の電圧(電位差)を検出する電圧検出部98Cと、を備える。電圧検出部98B,98Cは、移動検出部76の電圧検出部98Aと同様の構成である。電圧検出部98Bでの検出結果に基づいて、信号生成部95Bから出力されるデジタル信号(第2のデジタル信号)の信号レベルが検出され、電圧検出部98Cでの検出結果に基づいて、信号生成部95Cから出力されるデジタル信号(第2のデジタル信号)の信号レベルが検出される。
それぞれの信号生成部95B,95Cでは、対応するエネルギースイッチ(48A又は48B)の開閉状態とデジタル信号の信号レベルとの関係は、信号生成部95Aで生成されるデジタル信号(第1のデジタル信号)と同様である。したがって、それぞれの信号生成部95B,95Cから出力されるデジタル信号(第2のデジタル信号)の信号レベルに基づいて、対応するエネルギースイッチ(48A又は48B)の開閉状態が検出される。これにより、それぞれの信号生成部95B,95Cから出力されるデジタル信号の信号レベルに基づいて、対応するエネルギー操作入力ボタン(16A又は16B)でのエネルギー操作の入力の有無を検出可能となる。
なお、エネルギー操作の入力の有無をデジタル信号の信号レベルに基づいて検出する場合、ケーブル7の内部、振動子ケース21等において信号経路(例えばK1〜K3)の数を増加させることが可能であれば、エネルギー操作入力部(例えば16A,16B)及び対応するエネルギースイッチ(例えば48A,48B)の数を増加させることが可能のとなる。エネルギー操作入力部(例えば16A,16B)及び対応するエネルギースイッチ(例えば48A,48B)の数が増加することにより、様々なエネルギーの出力状態を実現可能となり、様々な処置に対応可能となる。
また、前述の実施形態等では、検出スイッチ47が設けられているがこれに限るものではない。例えば、第3の変形例として図20に示すように、検出スイッチ47の代わりに圧力センサ97が設けられてもよい。圧力センサ97は、信号経路99を介して、移動検出部76に電気的に接続されている。圧力センサ97での圧力状態を示す検出信号が、信号経路99を介して移動検出部76に伝達される。なお、信号経路99は、ケーブル7の内部に延設される電気信号線(図示しない)、振動子ケース21のケース導電部(図示しない)、ハンドルユニット6の内部に延設される電気信号線(図示しない)等から形成されている。
移動ユニットを形成するスライダー部63は、先端方向へ向かって突出する突出部96を備える。圧力センサ97は、スライダー部63の突出部96が当接可能な位置に配置され、スライダー部63の移動に対応して、スライダー部63からの押圧状態が切替わる。すなわち、移動ユニット(特に可動ハンドル13及びスライダー部63)の移動状態に基づいて、圧力センサ97の圧力状態が変化する。
本変形例では、可動ハンドル13の閉動作によってスライダー部63が可動筒状部62に対して先端方向へ移動することにより、スライダー部63が、規定の範囲に位置する。この場合、スライダー部63の突出部96が圧力センサ97を押圧し、圧力センサ97での圧力が大きくなる。この際、ジョー18から処置部17に作用する負荷は、大きくなる。一方、可動ハンドル13の開動作によってスライダー部63が可動筒状部62に対して基端方向へ移動することにより、スライダー部63は、規定の範囲に位置しなくなる。この場合、スライダー部63が圧力センサ97に接触せず、圧力センサ97での圧力が小さくなる。この際、ジョー18から処置部17に作用する負荷は、小さくなる。
前述のように本変形例でも、圧力センサ97の圧力状態に基づいて、移動ユニット(特に可動ハンドル13及びスライダー部63)の移動状態(移動位置)の検出が行われ、ジョー18から処置部17への負荷の作用状態が適切に認識される。これにより、移動ユニットの移動状態(ジョー18から処置部17への負荷の作用状態)に基づいて、対象ピークの検出を行われる検出許可状態に検出不可状態から切替えるか否かが、適切に判断される。
また、前述の実施形態等では、ジョー18から処置部17への負荷の作用状態に対応して移動する可動ハンドル13又はスライダー部63の移動状態を検出しているが、これに限るものではない。例えば、第4の変形例として図21に示すように、移動ユニットの一部である可動筒状部62の移動状態が、検出されてもよい。本変形例では、可動筒状部62に外周側に向かって突出する突出部131が設けられている。そして、筒状ケース部11の内部には、圧力センサ133が設けられている。圧力センサ133は、信号経路132を介して、移動検出部76に電気的に接続されている。圧力センサ133での圧力状態を示す検出信号が、信号経路132を介して移動検出部76に伝達される。なお、信号経路132は、ケーブル7の内部に延設される電気信号線(図示しない)、振動子ケース21のケース導電部(図示しない)、ハンドルユニット6の内部に延設される電気信号線(図示しない)等から形成されている。
圧力センサ133は、可動筒状部62の突出部131が当接可能な位置に配置され、可動筒状部62の移動に対応して、可動筒状部62からの押圧状態が切替わる。すなわち、移動ユニット(特に可動筒状部62)の移動状態に基づいて、圧力センサ133への圧力状態が変化する。
本変形例では、可動ハンドル13の閉動作によって可動筒状部62が(スライダー部63と一体に)先端方向へ移動することにより、可動筒状部62が、規定の範囲に位置する。この場合、可動筒状部62の突出部131が圧力センサ133を押圧し、圧力センサ133での圧力が大きくなる。この際、ジョー18の処置部17に対する開き角度は、小さくなる。一方、可動ハンドル13の開動作によって可動筒状部62が(スライダー部63と一体に)基端方向へ移動することにより、可動筒状部62は、規定の範囲に位置しなくなる。この場合、可動筒状部62が圧力センサ133に接触せず、圧力センサ133での圧力が小さくなる。この際、ジョー18の処置部17に対する開き角度は、大きくなる。
前述のように本変形例では、圧力センサ133の圧力状態に基づいて、移動ユニット(特に可動筒状部62)の移動状態(移動位置)の検出が行われ、ジョー18の処置部17に対する開き角度が適切に認識される。これにより、移動ユニットの移動状態(ジョー18の処置部17に対する開き角度)に基づいて、対象ピークの検出を行われる検出許可状態に検出不可状態から切替えるか否かが、適切に判断される。
また、ある変形例では、超音波電力Pの出力が開始されてから、超音波振動の周波数fの調整が、PLL(Phase Locked Loop)制御によって、行われてもよい。この場合、超音波振動の周波数fの調整が開始された調整開始以後において、超音波インピーダンス値Zの極小値の検出処理が行われる。ここで、周波数fの調整開始以後において最初に極小値Zを検出した時点を極小検出時とすると、この変形例では、制御部51によって極小検出時に、対象ピークの検出が行われない検出不可状態から対象ピークの検出が行われる検出許可状態へ、切替えられる。すなわち、極小検出時まで対象ピークの検出が行われない状態に、ピーク検出部53が、制御されている。
また、PLL制御によって周波数fが調整される別の変形例では、周波数fの調整開始時から所定の設定時間だけ経過した時点である起動時に、制御部51によって、対象ピークの検出が行われない検出不可状態から対象ピークの検出が行われる検出許可状態へ、切替えられてもよい。すなわち、この変形例では、起動時まで対象ピークの検出が行われない状態に、ピーク検出部53が、制御されている。
前述の実施形態等では、超音波処置装置(1)は、ジョー(18)から処置部(17)への負荷の作用状態及びジョー(18)の処置部(17)に対する開き角度の少なくとも一方に対応して、移動する移動ユニット(13,62,63)と、移動ユニット(13,62,63)の移動状態を検出する移動検出部(76)と、を備える。また、超音波処置装置(1)は、電源(26)から振動発生電力(P)が出力されている状態において、振動発生電力(P)の超音波インピーダンス値(Z)を経時的に検出するインピーダンス検出部(52)と、インピーダンス検出部(52)での検出結果に基づいて、超音波インピーダンス値(Z)が漸減を開始する漸減開始時を検出する漸減検出部(55)と、検出された漸減開始時での超音波インピーダンス値(Z)を仮ピーク値として保持する仮ピーク値保持部(56)と、保持された仮ピーク値に対して漸減開始時以後の超音波インピーダンス値(Z)の経時的な変化を比較することにより、保持された仮ピーク値が検出対象である対象ピークであったか否かを判定するピーク判定部(57)と、を備える。そして、超音波処置装置(1)は、移動検出部(76)での検出結果に基づいて、移動ユニット(13,62,63)が規定の範囲に位置しない場合は、対象ピークの検出が行われない検出不可状態に、漸減検出部(55)、仮ピーク値保持部(56)及びピーク判定部(57)を制御する制御部(51)を備える。
(参照例)
また、図22を参照して第1の参照例を説明する。本参照例では、可動ハンドル13に圧力センサ135が設けられている。圧力センサ135は、信号経路(図示しない)を介して、移動検出部76に電気的に接続されている。本参照例では、移動検出部76は、可動ハンドル13に作用する操作力を検出する操作力検出部として機能する。圧力センサ135での圧力状態を示す検出信号が、信号経路を介して移動検出部76に伝達される。なお、信号経路は、ケーブル7の内部に延設される電気信号線(図示しない)、振動子ケース21のケース導電部(図示しない)、ハンドルユニット6の内部に延設される電気信号線(図示しない)等から形成されている。
また、図22を参照して第1の参照例を説明する。本参照例では、可動ハンドル13に圧力センサ135が設けられている。圧力センサ135は、信号経路(図示しない)を介して、移動検出部76に電気的に接続されている。本参照例では、移動検出部76は、可動ハンドル13に作用する操作力を検出する操作力検出部として機能する。圧力センサ135での圧力状態を示す検出信号が、信号経路を介して移動検出部76に伝達される。なお、信号経路は、ケーブル7の内部に延設される電気信号線(図示しない)、振動子ケース21のケース導電部(図示しない)、ハンドルユニット6の内部に延設される電気信号線(図示しない)等から形成されている。
圧力センサ135は、可動ハンドル13の固定ハンドル12に対する閉動作において術者の操作力が作用する位置に、配置されている。このため、術者による可動ハンドル13の握り込み量(術者からの操作力)に対応して、圧力センサ135の押圧状態が切替わる。すなわち、可動ハンドルに作用する操作力に基づいて、圧力センサ135への圧力状態が変化する。
本参照例では、可動ハンドル13の閉動作によって可動ハンドル13に作用する操作力が大きくなることにより、圧力センサ135での圧力が大きくなる。この際、ジョー18は処置部17に対して閉じ、一般的に、ジョー18から処置部17へ作用する負荷は大きくなる。一方、可動ハンドル13の開動作によって可動ハンドル13に作用する操作力が小さくなることにより、圧力センサ135での圧力が小さくなる。この際、ジョー18は処置部17に対して開き、一般的に、ジョー18から処置部17へ作用する負荷は小さくなる。
前述のように本参照例では、圧力センサ135の圧力状態に基づいて、可動ハンドル13への操作力の検出が行われ、ジョー18から処置部17へ作用する負荷及びジョー18の処置部17に対する開き角度の少なくとも一方が適切に認識される。これにより、可動ハンドル13への操作力の作用状態に基づいて、対象ピークの検出を行われる検出許可状態に検出不可状態から切替えるか否かが、適切に判断される。
すなわち、本参照例では操作力検出部として機能する移動検出部76が、圧力センサ135での圧力状態に基づいて、可動ハンドル13に作用する操作力を検出する。そして、制御部51は、可動ハンドル13への操作力が所定の値より小さい場合は、対象ピークの検出が行われない検出不可状態に、漸減検出部55、仮ピーク値保持部56及びピーク判定部57を制御する。
以上、本発明の実施形態等について説明したが、本発明は前述の実施形態等に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形ができることは勿論である。
以下、特徴的事項を付記する。
記
(付記項1)
振動発生電力が伝達されることにより超音波振動を発生する振動発生部と、前記振動発生部で発生した前記超音波振動が伝達され、伝達された前記超音波振動を用いて処置を行う処置部と、前記処置部に対して開閉可能なジョーであって、前記処置部に対して前記ジョーが閉じた状態において前記処置部に当接可能な当接部を備え、前記処置部に対する開閉動作に対応して前記処置部への負荷の作用状態が変化するジョーと、前記ジョーから前記処置部への前記負荷の前記作用状態及び前記ジョーの前記処置部に対する開き角度の少なくとも一方に対応して移動する移動ユニットと、を備える超音波処置装置において、前記振動発生部への前記振動発生電力の供給を制御する制御ユニットであって、
前記振動発生電力を出力可能な電源と、
前記電源から前記振動発生電力が出力されている状態において、前記振動発生電力の超音波インピーダンス値を経時的に検出するインピーダンス検出部と、
前記インピーダンス検出部での検出結果に基づいて、前記超音波インピーダンス値が漸減を開始する漸減開始時を検出する漸減検出部と、
検出された前記漸減開始時での前記超音波インピーダンス値を仮ピーク値として保持する仮ピーク値保持部と、
保持された前記仮ピーク値に対して前記漸減開始時以後の前記超音波インピーダンス値の経時的な変化を比較することにより、保持された前記仮ピーク値が検出対象である対象ピークであったか否かを判定するピーク判定部と、
前記移動ユニットの移動状態を検出する移動検出部と、
前記移動検出部での前記移動ユニットの前記移動状態の検出結果に基づいて、前記移動ユニットが規定の範囲に位置しない場合は、前記対象ピークの検出が行われない検出不可状態に、前記漸減検出部、前記仮ピーク値保持部及び前記ピーク判定部を制御する制御部と、
を具備する制御ユニット。
記
(付記項1)
振動発生電力が伝達されることにより超音波振動を発生する振動発生部と、前記振動発生部で発生した前記超音波振動が伝達され、伝達された前記超音波振動を用いて処置を行う処置部と、前記処置部に対して開閉可能なジョーであって、前記処置部に対して前記ジョーが閉じた状態において前記処置部に当接可能な当接部を備え、前記処置部に対する開閉動作に対応して前記処置部への負荷の作用状態が変化するジョーと、前記ジョーから前記処置部への前記負荷の前記作用状態及び前記ジョーの前記処置部に対する開き角度の少なくとも一方に対応して移動する移動ユニットと、を備える超音波処置装置において、前記振動発生部への前記振動発生電力の供給を制御する制御ユニットであって、
前記振動発生電力を出力可能な電源と、
前記電源から前記振動発生電力が出力されている状態において、前記振動発生電力の超音波インピーダンス値を経時的に検出するインピーダンス検出部と、
前記インピーダンス検出部での検出結果に基づいて、前記超音波インピーダンス値が漸減を開始する漸減開始時を検出する漸減検出部と、
検出された前記漸減開始時での前記超音波インピーダンス値を仮ピーク値として保持する仮ピーク値保持部と、
保持された前記仮ピーク値に対して前記漸減開始時以後の前記超音波インピーダンス値の経時的な変化を比較することにより、保持された前記仮ピーク値が検出対象である対象ピークであったか否かを判定するピーク判定部と、
前記移動ユニットの移動状態を検出する移動検出部と、
前記移動検出部での前記移動ユニットの前記移動状態の検出結果に基づいて、前記移動ユニットが規定の範囲に位置しない場合は、前記対象ピークの検出が行われない検出不可状態に、前記漸減検出部、前記仮ピーク値保持部及び前記ピーク判定部を制御する制御部と、
を具備する制御ユニット。
(付記項2)
振動発生電力を出力可能な電源と、
前記電源から前記振動発生電力が伝達されることにより、超音波振動を発生する振動発生部と、
前記振動発生部で発生した前記超音波振動が伝達され、伝達された前記超音波振動を用いて処置を行う処置部と、
前記処置部に対して開閉可能なジョーであって、前記処置部に対して前記ジョーが閉じた状態において前記処置部に当接可能な当接部を備えるジョーと、
前記ジョーを前記処置部に対して開閉させる操作が入力される可動ハンドルと、
前記可動ハンドルに作用する操作力を検出する操作力検出部と、
前記電源から前記振動発生電力が出力されている状態において、前記振動発生電力の超音波インピーダンス値を経時的に検出するインピーダンス検出部と、
前記インピーダンス検出部での検出結果に基づいて、前記超音波インピーダンス値が漸減を開始する漸減開始時を検出する漸減検出部と、
検出された前記漸減開始時での前記超音波インピーダンス値を仮ピーク値として保持する仮ピーク値保持部と、
保持された前記仮ピーク値に対して前記漸減開始時以後の前記超音波インピーダンス値の経時的な変化を比較することにより、保持された前記仮ピーク値が検出対象である対象ピークであったか否かを判定するピーク判定部と、
前記操作力検出部での前記可動ハンドルへの前記操作力の検出結果に基づいて、前記操作力が所定の値より小さい場合は、前記対象ピークの検出が行われない検出不可状態に、前記漸減検出部、前記仮ピーク値保持部及び前記ピーク判定部を制御する制御部と、
を具備する超音波処置装置。
振動発生電力を出力可能な電源と、
前記電源から前記振動発生電力が伝達されることにより、超音波振動を発生する振動発生部と、
前記振動発生部で発生した前記超音波振動が伝達され、伝達された前記超音波振動を用いて処置を行う処置部と、
前記処置部に対して開閉可能なジョーであって、前記処置部に対して前記ジョーが閉じた状態において前記処置部に当接可能な当接部を備えるジョーと、
前記ジョーを前記処置部に対して開閉させる操作が入力される可動ハンドルと、
前記可動ハンドルに作用する操作力を検出する操作力検出部と、
前記電源から前記振動発生電力が出力されている状態において、前記振動発生電力の超音波インピーダンス値を経時的に検出するインピーダンス検出部と、
前記インピーダンス検出部での検出結果に基づいて、前記超音波インピーダンス値が漸減を開始する漸減開始時を検出する漸減検出部と、
検出された前記漸減開始時での前記超音波インピーダンス値を仮ピーク値として保持する仮ピーク値保持部と、
保持された前記仮ピーク値に対して前記漸減開始時以後の前記超音波インピーダンス値の経時的な変化を比較することにより、保持された前記仮ピーク値が検出対象である対象ピークであったか否かを判定するピーク判定部と、
前記操作力検出部での前記可動ハンドルへの前記操作力の検出結果に基づいて、前記操作力が所定の値より小さい場合は、前記対象ピークの検出が行われない検出不可状態に、前記漸減検出部、前記仮ピーク値保持部及び前記ピーク判定部を制御する制御部と、
を具備する超音波処置装置。
Claims (13)
- 振動発生電力を出力可能な電源と、
前記電源からの前記振動発生電力によって超音波振動を発生する超音波振動子と、
前記超音波振動子で発生する前記超音波振動を用いて処置を行う処置部と、
前記処置部に対して開閉可能なジョーと、
前記ジョーを開閉させる開閉操作が入力される開閉操作入力部と、
前記開閉操作入力部での前記開閉操作に対応して動作することにより、前記ジョーを開閉させる移動ユニットと、
前記移動ユニットの動作を検出する移動検出部と、
前記超音波振動子の超音波インピーダンス値を経時的に検出するインピーダンス検出部と、
前記超音波インピーダンス値の経時的な変化の検出結果に基づいて、前記超音波インピーダンス値のピークを検出するピーク判定部と、
前記移動検出部での検出結果及び前記ピーク判定部での検出結果に基づいて、前記振動発生電力の出力を停止又は低減させるか、及び、前記超音波インピーダンス値の前記ピークが検出されたことを告知するかの、少なくとも一方を行う制御部と、
を具備する超音波処置装置。 - 保持可能な固定ハンドルをさらに具備し、
前記開閉操作入力部は、前記固定ハンドルに対して開閉することにより、前記ジョーの前記開閉操作が入力される可動ハンドルを備える、
請求項1の超音波処置装置。 - 長手軸に沿って延設され、前記ジョーが先端部に回動可能に取付けられるシースであって、前記長手軸に沿って移動することにより、前記ジョーを前記処置部に対して開閉させる可動筒状部を備えるシースと、
前記可動筒状部に一端が接続される弾性部材と、
をさらに具備し、
前記移動ユニットは、前記弾性部材の他端が接続され、前記可動筒状部に対して移動することにより、前記弾性部材を伸縮させるスライダー部であって、伸縮による弾性力の変化に対応して、前記ジョーから前記処置部への負荷の作用状態を変化させるスライダー部を備える、
請求項1の超音波処置装置。 - 長手軸に沿って延設され、前記ジョーが先端部に回動可能に取付けられるシースをさらに具備し、
前記シースは、前記移動ユニットを形成し、前記長手軸に沿って移動することにより、前記ジョーの前記処置部に対する開き角度を変化させ、前記ジョーを前記処置部に対して開閉させる可動筒状部を備える、
請求項1の超音波処置装置。 - 前記移動ユニットの前記動作に対応して、開閉状態が変化する第1のスイッチ部をさらに具備し、
前記移動検出部は、前記第1のスイッチ部の前記開閉状態に基づいて、前記移動ユニットの前記動作を検出する、
請求項1の超音波処置装置。 - 前記第1のスイッチ部に電気的に接続され、信号を出力する信号出力部をさらに具備し、
前記移動検出部は、前記信号出力部からの前記信号に基づいて、前記第1のスイッチ部の開閉状態を検出する、
請求項5の超音波処置装置。 - 前記電源から前記振動発生電力を出力させるエネルギー操作が入力されるエネルギー操作入力部と、
前記信号出力部に電気的に接続され、前記エネルギー操作入力部での前記エネルギー操作に基づいて、開閉状態が変化する第2のスイッチ部と、
前記第2のスイッチ部の前記開閉状態に基づいて、前記エネルギー操作を検出するエネルギー操作検出部と、
をさらに具備する、請求項6の超音波処置装置。 - 前記第2のスイッチ部は、前記第1のスイッチ部に対して電気的に並列に配置され、
前記信号出力部は、前記第1のスイッチ部及び前記第2のスイッチ部に、前記信号としてアナログ信号を出力し、
前記移動検出部は、前記アナログ信号の物理量に基づいて、前記第1のスイッチ部の開閉状態を検出し、
前記エネルギー操作検出部は、前記アナログ信号の前記物理量に基づいて、前記第2のスイッチ部の開閉状態を検出する、
請求項7の超音波処置装置。 - 前記信号出力部は、前記第1のスイッチ部に前記信号として第1のデジタル信号を出力し、前記第2のスイッチ部に前記信号として前記第1のデジタル信号とは別の第2のデジタル信号を出力し、
前記移動検出部は、前記第1のデジタル信号の信号レベルに基づいて、前記第1のスイッチ部の開閉状態を検出し、
前記エネルギー操作検出部は、前記第2のデジタル信号の信号レベルに基づいて、前記第2のスイッチ部の開閉状態を検出する、
請求項7の超音波処置装置。 - 前記移動ユニットの前記動作に対応して変化する前記移動ユニットからの圧力状態を検出する圧力センサをさらに具備し、
前記移動検出部は、前記圧力センサで検出した前記圧力状態に基づいて、前記移動ユニットの前記動作を検出する、
請求項1の超音波処置装置。 - 前記インピーダンス検出部は、振動発生電流及び振動発生電圧を経時的に検出し、検出した前記振動発生電流及び前記振動発生電圧に基づいて前記超音波インピーダンス値を検出する、請求項1の把持処置装置。
- 前記インピーダンス検出部での検出結果に基づいて、前記超音波インピーダンス値が漸減を開始する漸減開始時を検出する漸減検出部と、
検出された前記漸減開始時での前記超音波インピーダンス値を仮ピーク値として保持する仮ピーク値保持部と、
をさらに具備し、
前記ピーク判定部は、保持された前記仮ピーク値に対して前記漸減開始時以後の前記超音波インピーダンス値の経時的な変化量が所定の変化量以上であったか否か、又は、漸減開始時以後に前記超音波インピーダンス値が所定の基準値以下になったか否かを判定することにより、保持された前記仮ピーク値が検出対象である前記ピークであったか否かを判定する、
請求項1の超音波処置装置。 - 前記制御部は、前記移動検出部での前記移動ユニットの前記動作の検出結果に基づいて、前記移動ユニットが規定の範囲に位置しない場合は、前記ピークの検出が行われない検出不可状態に、前記漸減検出部、前記仮ピーク値保持部及び前記ピーク判定部を制御する、請求項12の超音波処置装置。
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