JP5904802B2 - ガスエンジン - Google Patents

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Description

本発明は、吸気路に配置したブロアと排気路に配置したタービンとを連結してなるターボ式過給機を備えたガスエンジンに関する。
かかるターボ式過給機を備えたガスエンジンでは、例えば非常用発電機の駆動源として利用され停電時などに電力負荷が投入される場合などにおいて、一度に多くの負荷が投入されたり、投入される負荷が急増したりすると、スロットルバルブの開度制御によるエンジン出力の上昇遅れに加え、排ガスの排出量増加遅れによるターボ式過給機の応答遅れが生じることで、迅速に必要な量の燃料ガス又は混合気を燃焼室に供給することができず、結果、エンジン回転速度が低下し、ストールに至る場合がある。
そこで、従来のガスエンジンとして、かかる負荷投入時における応答性を改善するように構成されたエンジンが知られている(例えば、特許文献1及び特許文献2を参照。)。
特許文献1に記載のガスエンジンは、負荷投入時において、ターボ式過給機の排ガスタービン側に圧縮窒素を導入することで、ターボ式過給機の回転駆動を補助する構成を採用して、ターボ式過給機の応答遅れを解消している。
一方、特許文献2に記載のガスエンジンは、負荷投入時における燃料ガスの供給量増加にあわせて、吸気路に対しブロアにより強制的に補助空気を供給する構成を採用して、エンジン出力を強制的に上昇させるようにしている。
特開2002−161751号公報 特開2001−050113号公報
しかしながら、従来の負荷投入時における応答性を改善するように構成されたガスエンジンでは、排気路や吸気路に対して圧縮窒素や補助空気を供給するための圧縮窒素用の圧力タンクや補助空気用のガス圧縮機を追加設置する必要があるために、構成が煩雑になり、コスト高を招く場合がある。
更に、排気路や吸気路に対して圧縮窒素や補助空気を供給する場合に、ターボ式過給機の応答性は若干改善されるものの、それは十分なものではなく、ターボ式過給機の回転速度が上昇するまでの間は、やはり燃焼室に対して新気を過給することができない期間が存在することになっていた。
一方、従来のガスエンジンとして、吸気路における吸気弁直前の吸気ポートに燃料ガスを噴射するポート噴射式のエンジンや、燃焼室に燃料ガスを直接噴射する筒内噴射式のエンジンがある。
かかるポート噴射式又は筒内噴射式のガスエンジンは、吸気行程初期において吸気弁及び排気弁との両方が開状態となるオーバーラップ期間の後に吸気ポート又は燃焼室に燃料ガスを噴射するため、未燃焼の燃料ガスが燃焼室を通過して排気路側に排出されることが防止され、エンジンの熱効率の向上が図られている。
このようなガスエンジンでは、通常、燃焼室又は吸気ポートに接続され燃料ガスが導入されるガス路に、電動式又は機械式のガス圧縮機が配置されており、吸気路に導入された燃焼用空気をターボ式過給機のブロアに通過させ、当該ターボ式過給機のブロアを通過した燃焼用空気に対してガス圧縮機で加圧された燃料ガスを噴射して混合気を形成し、当該形成された混合気を燃焼室に導入して圧縮し燃焼させる燃料噴射ターボ過給運転を実行するように構成される。
そして、かかる燃料噴射ターボ過給運転を実行するポート噴射型又は筒内噴射型のガスエンジンにおいても、負荷投入時における応答性を改善することが望まれている。
本発明は、かかる点に着目してなされたものであり、その目的は、燃料噴射ターボ過給運転を実行するポート噴射型又は筒内噴射型のガスエンジンにおいて、負荷投入時における応答性を改善することできる技術を提供する点にある。
この目的を達成するための本発明に係るガスエンジンは、
混合気を圧縮して燃焼させる燃焼室と、
前記燃焼室に接続され燃焼用空気が導入される吸気路と、
前記燃焼室に接続され当該燃焼室から排ガスが排出される排気路と、
記吸気路に接続され燃料ガスが導入されるガス路と、
前記吸気路に配置したブロアと前記排気路に配置したタービンとを連結してなるターボ式過給機と、
前記ガス路に配置された電動式又は機械式のガス圧縮機とを備え、
前記吸気路に導入された燃焼用空気を前記ターボ式過給機のブロアに通過させ、当該ターボ式過給機のブロアを通過した燃焼用空気に対して前記ガス圧縮機で圧縮された燃料ガスを噴射して前記吸気路に混合気を形成し、当該形成された混合気を前記燃焼室に導入して圧縮し燃焼させる燃料噴射ターボ過給運転を実行可能なガスエンジンであって、
その第1特徴構成は、
前記吸気路に導入された燃焼用空気に対して前記ガス路に導入された燃料ガスを混合して前記吸気路に混合気を形成し、当該形成された混合気の少なくとも一部を前記ガス路に導入して前記ガス圧縮機で圧縮し、当該圧縮された混合気を前記燃焼室に導入して圧縮し燃焼させる予混合強制過給運転を前記燃料噴射ターボ過給運転に代えて実行可能に構成してある点にある。
上記第1特徴構成によれば、例えば負荷投入後において、燃焼室から十分な量の排ガスが排出されターボ式過給機が十分な回転速度で作動しているときには、上記燃料噴射ターボ過給運転を実行することで、吸気行程初期において吸気弁及び排気弁との両方が開状態となるオーバーラップ期間の後に吸気ポートにガス圧縮機で加圧された燃料ガスを噴射することができるため、未燃焼の燃料ガスが燃焼室を通過して排気路側に排出されることが防止され、エンジンの熱効率の向上が図られる。
一方、例えば負荷投入時において、燃焼室から排出される排ガスの量が不十分でありターボ式過給機の回転速度が不十分であるときには、この燃料噴射ターボ過給運転に代えて上記予混合強制過給運転を実行することで、ターボ式過給機に頼ることなく、吸気路において予め形成した混合気を、本来燃料ガスを加圧するために設置していたガス圧縮機で加圧し当該加圧された混合気を燃焼室に過給することができるので、一度に多くの負荷が投入された場合、又は、投入される負荷が急増した場合でも、迅速に必要な量の混合気を燃焼室に供給することができ、エンジン回転速度の低下及びそれによるストールを回避することができる。
即ち、上記予混合強制過給運転においては、吸気路におけるターボ式過給機のブロアよりも上流側に導入された燃焼用空気に対して、ガス路においてガス圧縮機よりも上流側に導入された未加圧の燃料ガスが混合されて、吸気路において予め混合気が形成される。そして、この混合気を、ターボ式過給機ではなく、燃料ガスを加圧する必要が無くなったガス圧縮機に供給して加圧することができ、当該加圧された混合気を燃焼室に過給することができる。
また、このような予混合強制過給運転では、圧縮窒素用の圧力タンクや補助空気用のガス圧縮機を追加する必要がないために、簡単且つ廉価な構成を採用することができる。
本発明に係るガスエンジンの第2特徴構成は、上記第1特徴構成に加えて、
ガスエンジンの運転を制御する制御手段を備え、
前記制御手段が、エンジン出力を制御するにあたり、高出力域では前記燃料噴射ターボ過給運転を実行し、前記高出力域よりもエンジン出力が低い低出力域では前記予混合強制過給運転を実行する点にある。
上記第2特徴構成によれば、上記制御手段により、例えば起動運転時のエンジン出力上昇過程において、低出力域では、燃焼室から排出される排ガスの量が比較的少なくターボ式過給機の回転速度が小さいので、上記予混合強制過給運転を実行して、ガス圧縮機で加圧した混合気を燃焼室に過給することで、エンジンの熱効率を高い状態に維持しつつ、エンジン回転速度を安定したものに維持できる。
一方、高出力域では、燃焼室から排出される排ガスの量が比較的多くターボ式過給機の回転速度が大きいので、上記燃料噴射ターボ過給運転を実行することで、ターボ式過給機による過給により高い熱効率で安定した運転を維持しつつ、ポート噴射式又は筒内噴射式の燃料ガスの供給方式による燃料ガスの吹き抜けを防止して、更なる熱効率の向上を図ることができる。
本発明に係るガスエンジンの第3特徴構成は、上記第1乃至第2特徴構成に加えて、
前記吸気路に導入された燃焼用空気に対して前記ガス路に導入された燃料ガスを混合して前記吸気路に混合気を形成し、当該形成された混合気を前記ターボ式過給機のブロアに通過させ、当該ターボ式過給機のブロアを通過した混合気を前記燃焼室に導入して圧縮し燃焼させる予混合ターボ過給運転を前記燃料噴射ターボ過給運転及び前記予混合強制過給運転に代えて実行可能に構成してある点にある。
上述したような予混合強制過給運転と燃料噴射ターボ過給運転との切り替え時には、新気の通流状態が、ガス圧縮機により過給する強制過給状態とターボ式過給機により過給するターボ過給状態との間で切り替えられることに加えて、燃料ガスの供給状態が、ターボ式過給機のブロアを通過した燃焼用空気に対してガス圧縮機で加圧された燃料ガスを噴射するポート噴射式又は筒内噴射式の燃料噴射状態と、吸気路におけるターボ式過給機のブロアよりも上流側に導入された燃焼用空気に対してガス路においてガス圧縮機よりも上流側に導入された未加圧の燃料ガスを混合する予混合状態との間で切り替えられることになる。このように、新気の通流状態と燃料ガスの供給状態とを同時に切り替えると、燃焼室に供給される混合気の空燃比が変動し、一時的に運転状態が不安定になる場合がある。
そこで、上記第3特徴構成によれば、上記予混合ターボ過給運転を介して、上記予混合強制過給運転と上記燃料噴射ターボ過給運転との切り替えを行うことができ、予混合強制過給運転と予混合ターボ過給運転との切り替え時では燃料ガスの供給状態を切り替えることなく新気の通流状態を切り替え、一方、予混合ターボ過給運転と燃料噴射ターボ過給運転との切り替え時では新気の通流状態を切り替えることなく燃料ガスの供給状態を切り替えるというように、新気の通流状態と燃料ガスの供給状態とを同時に切り替えることがないので、切り替え時における混合気の空燃比の変動を抑制し、安定した運転状態を維持することができる。
本発明に係るガスエンジンの第4特徴構成は、上記第3特徴構成に加えて、
ガスエンジンの運転を制御する制御手段を備え、
前記制御手段が、エンジン出力を制御するにあたり、高出力域では前記燃料噴射ターボ過給運転を実行し、前記高出力域よりもエンジン出力が低い中出力域では前記予混合ターボ過給運転を実行し、前記中出力域よりもエンジン出力が低い低出力域では前記予混合強制過給運転を実行する点にある。
上記第4特徴構成によれば、上記制御手段により、例えば起動運転時のエンジン出力上昇過程において、上記低出力域において予混合強制過給運転を実行し、上記高出力時において燃料噴射ターボ過給運転を実行するため、上述した第2特徴構成と同様の作用効果を発揮することができる。
更に、上記中出力域では、燃焼室から排出される排ガスの量が比較的多くターボ式過給機の回転速度が大きいので、新気の通流状態を上記燃料噴射ターボ過給運転と同じターボ過給状態としつつ、燃料ガスの供給状態を上記予混合強制過給運転と同じ予混合状態とすることで、低出力域と中出力域との間の移行時、及び、中出力域と高出力域との間の移行時において、新気の通流状態と燃料ガスの供給状態とが択一的に切り替わることになり、切り替え時における混合気の空燃比の変動が抑制されるので、スムーズなエンジン出力変更を実現することができる。
本発明に係るガスエンジンの第5特徴構成は、上記第1乃至第4特徴構成に加えて、
前記ガス路が、前記吸気路における前記ターボ式過給機のブロアの下流側の流路である高圧側吸気路に配置された燃料噴射部に接続された第1ガス路と、前記吸気路における前記ターボ式過給機のブロアの上流側の流路である低圧側吸気路に配置された燃料混合部に接続された第2ガス路とからなると共に、前記ガス圧縮機が前記第1ガス路に設けられ、
前記低圧側吸気路における前記燃料混合部の下流側の流路と前記第1ガス路における前記ガス圧縮機の上流側の流路である低圧側第1ガス路とを接続する第1接続路を備え、
前記燃料噴射ターボ過給運転時においては前記第1ガス路への燃料ガスの供給を許容すると共に前記第2ガス路への燃料ガスの供給を遮断する燃料噴射状態とし、一方、前記予混合強制過給運転時においては前記第1ガス路への燃料ガスの供給を遮断すると共に前記第2ガス路への燃料ガスの供給を許容する予混合状態とする形態で、燃料ガスの供給状態を切り替える燃料ガス供給状態切替手段と、
前記燃料噴射ターボ過給運転時においては前記低圧側吸気路から前記ターボ式過給機のブロアへの新気の供給を許容すると共に前記第1接続路での新気の通流を遮断するターボ過給状態とし、前記予混合強制過給運転時においては前記低圧側吸気路から前記ターボ式過給機のブロアへの新気の供給を遮断又は制限すると共に前記第1接続路での新気の通流を許容する強制過給状態とする形態で、新気の通流状態を切り替える新気通流状態切替手段とを備えた点にある。
上記第5特徴構成によれば、ガス圧縮機が設けられ上記燃料噴射部に接続された上記第1ガス路と上記燃料混合部に接続された上記第2ガス路とからガス路を構成し、切替弁などで構成可能な燃料ガス供給状態切替手段を設けるだけで、燃料ガスの供給状態を、燃料噴射ターボ過給運転時における燃料噴射状態と、予混合強制過給運転時における予混合状態との間で、切り替えることができる。
また、吸気路と第1ガス路とを接続する上記第1接続路を設け、切替弁などで構成可能な新気通流状態切替手段とを設けるだけで、新気の通流状態を、燃料噴射ターボ過給運転時におけるターボ過給状態と、予混合強制過給運転時における強制過給状態との間で、切り替えることができる。
即ち、従来のガスエンジンに対して、燃料ガス及び新気が通流する通路及び切替弁等の配置を改変するだけという簡単且つ廉価な構成を採用するだけで、これまで説明したような燃料噴射ターボ過給運転と予混合強制過給運転とを択一的に実行可能なガスエンジンを実現することができる。
本発明に係るガスエンジンの第6特徴構成は、上記第5特徴構成に加えて、
前記吸気路に導入された新気に前記ガス路に導入され前記ガス圧縮機で圧縮されていない燃料ガスを混合して前記吸気路に混合気を形成し、当該形成された混合気を前記ターボ式過給機のブロアに通過させ、当該ターボ式過給機のブロアを通過した混合気を前記燃焼室に導入して圧縮し燃焼させる予混合ターボ過給運転を前記燃料噴射ターボ過給運転及び前記予混合強制過給運転に代えて実行可能に構成してあり、
前記燃料ガス供給状態切替手段が、前記予混合ターボ過給運転時においては燃料ガスの供給状態を前記予混合状態とし、
前記新気通流状態切替手段が、前記予混合ターボ過給運転時においては新気の通流状態を前記ターボ過給状態とする点にある。
上記第6特徴構成によれば、上記予混合ターボ過給運転を実行可能に構成されていることから、上述した第3特徴構成と同様の作用効果を発揮することができる。
更に、上記燃料ガス供給状態切替手段及び上記新気通流状態切替手段は、上記予混合ターボ過給運転時において、燃料ガスの供給状態を前記予混合状態とし、新気の通流状態を前記ターボ過給状態とする、という簡単な構成を採用するだけで、これまで説明してきた燃料噴射ターボ過給運転及び予混合強制過給運転に代えて予混合ターボ運転を実行可能なガスエンジンを実現することができる。
本発明に係るガスエンジンの第7特徴構成は、上記第6特徴構成に加えて、
前記高圧側吸気路と前記第1ガス路における前記ガス圧縮機の下流側の流路である高圧側第1ガス路とを接続する第2接続路を備え、
前記新気通流状態切替手段が、新気の通流状態を前記ターボ過給状態とするときには前記第2接続路での新気の通流を遮断し、新気の通流状態を前記強制過給状態とするときには前記第2接続路での新気の通流を許容する点にある。
上記第7特徴構成によれば、上記第2接続路を備えることで、上記新気通流状態切替手段により新気の通流状態を強制過給状態に切り替えて、ガス圧縮機で加圧され高圧側第1ガス路に吐出された混合気を、流路断面積が比較的小さい燃料噴射部を通じて燃焼室に供給するのではなく、流路断面積が比較的大きい第2接続路及び高圧側吸気路を通じて燃焼室に供給することができるので、混合気の圧力損失による効率低下を抑制することができる。
本実施形態に係るガスエンジンの構成、及び燃料噴射ターボ過給運転の状態を示す図 本実施形態に係るガスエンジンの予混合ターボ過給運転の状態を示す図 本実施形態に係るガスエンジンの予混合強制過給運転の状態を示す図 本実施形態に係るガスエンジンの起動運転時のエンジン出力上昇過程における各制御弁の状態変移を示すフロー図
本発明に係るガスエンジンの実施形態について図面に基づいて説明する。
尚、図1〜3では、燃料ガスG、燃焼用空気A、又は混合気Mのガスが通流している流路を太実線で示し、通流してない流路を細実線で示しており、また、各種制御弁において、閉状態のものを黒塗りで示し、開状態のものを白抜きで示している。
先ず、本実施形態に係るガスエンジンの基本構成について、図1、図2、及び図3に基づいて説明する。
本実施形態のガスエンジンは、天然ガス系都市ガスの燃料ガスGを利用したレシプロ式ガスエンジンとして構成されている。即ち、シリンダの内面とピストンの頂面とで規定される複数の燃焼室2を配置してなる多気筒型のエンジン本体1を備えると共に、夫々の燃焼室2に接続され燃焼用空気Aが導入される吸気路7と、夫々の燃焼室2に接続され当該燃焼室2から排ガスEが排出される排気路8と、燃料ガスGが導入される第1ガス路9及び第2ガス路10と、吸気路7に配置したブロア19aと排気路8に配置したタービン19bとを連結してなるターボ式過給機19と、第1ガス路9に配置されたガス圧縮機20とが備えられている。また、センサ等の検出結果が入力され、その入力信号に基づいて制御弁などの各種補機を制御して、ガスエンジンの運転を制御するコンピュータからなるエンジンコントロールユニット(以下、ECUと呼ぶ。)40(制御手段の一例)が備えられている。
尚、複数の燃焼室2の夫々に対して、吸気路7は、複数の吸気ポート7c及び吸気弁(図示せず)を介して接続されており、一方、排気路8は、複数の排気ポート8c及び排気弁(図示せず)を介して接続されている。また、上記第1ガス路9は、後述する燃料噴射弁15に接続されたガス路であり、上記第2ガス路10は、低圧側吸気路7aに配置された後述するミキサ16に接続されたガス路であり、第1ガス路9と吸気路7との接続路とも言える。
そして、この種のガスエンジンは、吸気路7から燃焼室2に吸気された混合気Mを、ピストン(図示せず)の上昇により圧縮した状態で点火プラグ(図示省略)にて火花点火して燃焼・膨張させることで、ピストンを押し下げて出力軸3から回転動力を出力し、燃焼により発生した排ガスEは、燃焼室2から排気路8に押し出され、外部に排出される。
更に、出力軸3には非常用発電機50が接続されており、出力軸3で出力した回転動力が非常用発電機50の駆動源として利用される。
非常用発電機50には、電力線及び開閉器51を介して電力負荷52が接続されており、例えば、停電時において外部からの起動指令信号を受けたECU40によりエンジン本体1が起動され、出力軸3を回転させた状態で開閉器51が開状態(電力通流を遮断する状態)から閉状態(電力通流を許容する状態)に切り替えられることで、非常用発電機50に対して電力負荷52で要求される電力に相当する発電負荷が投入され、それに伴って出力軸3に対して非常用発電機50を回転駆動するために必要な回転負荷が投入される。
ターボ式過給機19は、排気路8を通流する排ガスEの運動エネルギによりタービン19bを回転させ、このタービン19bの回転力により吸気路7に配置されたブロア19aを回転駆動する形態で、吸気路7を通流する混合気M又は燃焼用空気Aである新気Fを燃焼室2に対して過給することができる。また、かかるターボ式過給機19は、比較的高出力で運転が行われ排気路8に多量の排ガスEが排出され当該排ガスEが有する運動エネルギが比較的大きいときには新気Fを十分に過給できる程度に回転するが、比較的低出力で運転が行われ排気路8に排出される排ガスEが少量となり当該排ガスEが有する運動エネルギが比較的小さいときには回転が不十分になり新気Fを十分に過給できない状態となる。
尚、吸気路7において、後述するターボ式過給機19のブロア19aの上流側で且つ後述するミキサ16の下流側の流路を低圧側吸気路7aと呼び、同ブロア19aの下流側の流路を高圧側吸気路7bと呼ぶ。夫々の吸気ポート7cは高圧側吸気路7bに含まれることになる。
また、排気路8には、ターボ式過給機19のタービン19bをバイパスするバイパス路11、及びそのバイパス路11におけるガスの通流を断続可能且つガスの流量を調整可能な制御弁V4が設けられている。
即ち、この制御弁V4を閉状態に切り替えると、排気路8において排ガスEはタービン19bを通流することになるので、その運動エネルギはターボ式過給機19の回転動力として利用されることになり、一方、この制御弁V4を開状態に切り替えると、排気路8において排ガスEはタービン19bを通流しなくなるので、その運動エネルギは利用されずに排ガスEがバイパス路11を通じて外部に排出されることになる。また、このように制御弁V4を開状態に切り替えて、排ガスEを、バイパス路11を通じて外部に排出する場合には、排ガスEの圧力損失が低減するので、燃焼室2から排気路8に排ガスEを排出するために消費されるポンピングロスが低減される。
夫々の吸気ポート7cには、当該吸気ポート7cに燃料ガスGを噴射する燃料噴射弁15(燃料噴射部の一例)が夫々設けられており、第1ガス路9がこれら夫々の燃料噴射弁15に接続されている。
また、第1ガス路9には、ガス圧縮機20のブロア20aが配置されており、当該ガス圧縮機20は、電動機20bの回転力により第1ガス路9に配置されたブロア20aを回転駆動する形態で、第1ガス路9を通流するガスを加圧する所謂電気式のガス用の圧縮機として構成されている。
尚、当該第1ガス路9において、後述するガス圧縮機20のブロア20aの上流側の流路を低圧側第1ガス路9aと呼び、同ブロア20aの下流側の流路を高圧側第1ガス路9bと呼ぶ。
更に、低圧側第1ガス路9a及び高圧側第1ガス路9bの夫々には、ガスの通流を断続可能且つガスの流量を調整可能な制御弁V1b、V3bが設けられている。
低圧側吸気路7aには、ミキサ16(燃料混合部の一例)が設けられており、第2ガス路10がこのミキサ16に接続されている。
また、この第2ガス路10には、ガスの通流を断続可能且つガスの流量を調整可能な制御弁V1aが設けられている。
第1接続路12が、低圧側吸気路7aにおけるミキサ16の下流側の流路と低圧側第1ガス路9aにおける制御弁V1bの下流側の流路とを接続する流路として設けられており、その第1接続路12には、ガスの通流を断続可能且つガスの流量を調整可能な制御弁V2aが設けられている。
また、第2接続路13が、高圧側吸気路7bと高圧側第1ガス路9bとを接続する流路として設けられており、その第2接続路13には、ガスの通流を断続可能且つガスの流量を調整可能な制御弁V3aが設けられている。
また、低圧側吸気路7aにおける上記第1接続路12への分岐点より下流側の流路には、ガスの通流を断続可能且つガスの流量を調整可能な制御弁V2bが設けられている。
エンジン本体1には、出力軸3から出力される回転動力の回転速度を検出しECU40に検出結果を出力する回転速度センサ5が設けられており、吸気路7の高圧側吸気路7bには、電動式のスロットルバルブ30が設けられている。そして、ECU40は、回転速度センサ5で検出される回転速度が所望の定格回転速度になるように、スロットルバルブ30の開度を制御する。
上記制御弁V1a、V1b、V2a、V2b、V3a、V3bは、その開閉状態が切り替えられることで、燃料ガスGの供給状態及び新気Fの通流状態が切り替えられ、以下にその詳細について説明する。
ECU40は、燃料ガスGの供給状態を、下記のような燃料噴射状態と予混合状態との間で択一的に切り替える燃料ガス供給状態切替手段Xとして機能する。
〔燃料噴射状態〕
即ち、燃料噴射状態では、図1に示すように、制御弁V1b及び制御弁V3bが開状態とされ制御弁V2a及び制御弁V3aが閉状態とされることで第1ガス路9への燃料ガスGの供給が許容されると共に、制御弁V1aが閉状態とされることで第2ガス路10への燃料ガスGの供給が遮断される。すると、電動機20bにより駆動されるガス圧縮機20により加圧された比較的高圧の燃料ガスGが、高圧側第1ガス路9bを通じて燃料噴射弁15に供給され、燃料噴射弁15の開閉タイミングがECU40により制御されることで、吸気行程初期において吸気弁及び排気弁との両方が開状態となるオーバーラップ期間の直後に、その比較的高圧の燃料ガスGが吸気ポート7cに噴射され、結果、当該吸気ポート7cに混合気Mが形成されることになる。
〔予混合状態〕
一方、予混合状態では、図2及び図3に示すように、制御弁V1bが閉状態とされることで第1ガス路9へ燃料ガスGの供給が遮断されると共に、制御弁V1aが開状態とされることで第2ガス路10への燃料ガスGの供給が許容される。すると、ガス圧縮機20により加圧されていない比較的低圧の燃料ガスGが、第2ガス路10を通じてミキサ16に供給されて低圧側吸気路7aを通流する燃焼用空気Aに混合されることで、当該低圧側吸気路7aに混合気Mが形成されることになる。
ECU40は、燃焼用空気A又は混合気Mである新気Fの通流状態を、下記のようなターボ過給状態と強制過給状態との間で択一的に切り替える新気通流状態切替手段Yとして機能する。
〔ターボ過給状態〕
即ち、ターボ過給状態では、図1及び図2に示すように、制御弁V2bが開状態とされることで低圧側吸気路7aからターボ式過給機19のブロア19aへの新気Fの供給が許容されると共に、制御弁V2aが閉状態とされることで第1接続路12での新気Fの通流が遮断され、更には、制御弁V3aが閉状態とされていることで第2接続路13での新気Fの通流が遮断される。すると、低圧側吸気路7aを通流する新気Fはターボ式過給機19のブロア19aに供給され、当該ブロア19aで排ガスEの運動エネルギを利用して加圧された新気Fが高圧側吸気路7bを通じて燃焼室2に吸気されることになる。
〔強制過給状態〕
一方、強制過給状態では、図3に示すように、制御弁V2bが閉状態とされることで低圧側吸気路7aからターボ式過給機19のブロア19aへの新気Fの供給が遮断されると共に、制御弁V2a及び制御弁V3aが開状態とされることで第1接続路12及び第2接続路13での新気Fの通流が許容される。すると、低圧側吸気路7aを通流する新気F(具体的には混合気M)が第1接続路12及び低圧側第1ガス路9aを通じてガス圧縮機20のブロア20aに供給され、当該ブロア20aで電動機20bの駆動力を利用して加圧された新気Fが高圧側第1ガス路9b、第2接続路13、及び高圧側吸気路7bを通じて燃焼室2に吸気されることになる。また、この強制過給運転状態においては、ターボ式過給機19を作動させる必要がないため、制御弁V4が開状態とされて、ポンピングロスの低減が図られている。
更に、この強制過給状態では、新気Fをガス圧縮機20で加圧するのであるが、新気Fの全量を加圧するのではなく、その一部のみを加圧し後に他部と合流させるように構成することもできる。即ち、制御弁V2bを完全に閉状態とするのではなく開度を絞る程度に留めることで、低圧側吸気路7aからターボ式過給機19のブロア19aへの新気Fの供給を制限すれば、新気Fの一部をガス圧縮機20のブロア20aを通過させて加圧すると共に、残部をターボ式過給機19のブロア19aを通過させ、それらを高圧側吸気路7bにおいて合流させることができる。この場合でも、合流した後の新気Fは、低圧側吸気路7aを流通する新気Fよりも高圧になる。
ECU40は、エンジン出力制御において、上述した燃料ガスGの供給状態及び新気Fの通流状態を切り替えることで、下記のような燃料噴射ターボ過給運転(図1参照)、予混合ターボ過給運転(図2参照)、及び予混合強制過給運転(図3参照)を択一的に実行するように構成されており、その詳細について以下に説明する。
即ち、燃料噴射ターボ過給運転を実行するにあたり、ECU40は、図1に示すように、燃料ガスGの供給状態を燃料噴射弁15に燃料ガスGを供給する燃料噴射状態とすると共に、新気Fの通流状態をターボ式過給機19で新気Fを過給するターボ過給状態とする。すると、吸気路7に導入された燃焼用空気Aをターボ式過給機19のブロア19aに通過させ、当該ターボ式過給機19のブロア19aを通過した燃焼用空気Aに対してガス圧縮機20で加圧された燃料ガスGを燃料噴射弁15により噴射して混合気Mを形成し、当該形成された混合気Mを燃焼室2に導入して圧縮し燃焼させる形態で、燃料噴射ターボ過給運転が実行されることになる。
更に、ECU40は、エンジン出力が比較的大きく燃焼室2から十分な量の排ガスEが排気路8排出されターボ式過給機19が十分な回転速度で作動している高出力域においては、このような燃焼噴射ターボ過給運転を実行することにより、未燃焼の燃料ガスGが燃焼室2を通過して排気路8側に排出されることを防止し、熱効率の向上を図る。
また、予混合強制過給運転を実行するにあたり、ECU40は、図3に示すように、燃料ガスGの供給状態をミキサ16に燃料ガスGを供給する予混合状態とすると共に、新気Fの通流状態をガス圧縮機20で新気Fを過給する強制過給運転とする。すると、吸気路7に導入された燃焼用空気Aに対して第2ガス路10に導入された燃料ガスGをミキサ16において混合して混合気Mを形成し、当該形成された混合気Mをガス圧縮機20のブロア20aに通過させ、当該ガス圧縮機20のブロア20aを通過した混合気Mを燃焼室2に導入して圧縮し燃焼させる形態で、予混合強制過給運転が実行されることになる。
更に、ECU40は、エンジン出力が比較的低く燃焼室2から排気路8に排出される排ガスEの量が不十分でありターボ式過給機19の回転速度が不十分である低出力域においては、このような予混合強制過給運転を実行することにより、一度に多くの負荷が投入された場合、又は、投入される負荷が急増した場合でも、迅速に必要な量の混合気Mを燃焼室2に供給できるようにして、エンジン回転速度の低下及びそれによるストールを回避する。
また、予混合ターボ過給運転を実行するにあたり、ECU40は、図2に示すように、燃料ガスGの供給状態をミキサ16に燃料ガスGを供給する予混合状態とすると共に、新気Fの通流状態をターボ式過給機19で新気Fを過給するターボ過給状態とする。すると、吸気路7に導入された燃焼用空気Aに対して第2ガス路10に導入された燃料ガスGをミキサ16において混合して混合気Mを形成し、当該形成された混合気Mをターボ式過給機19のブロア19aに通過させ、当該ターボ式過給機19のブロア19aを通過した混合気Mを燃焼室2に導入して圧縮し燃焼させる形態で、予混合ターボ過給運転が実行されることになる。
更に、ECU40は、エンジン出力が上記高出力域と上記低出力域との間にあり燃焼室2から十分な量の排ガスEが排気路8排出されターボ式過給機19が十分な回転速度で作動している中出力域においては、このような予混合ターボ過給運転を実行することにより、上記予混合強制過給運転と上記燃料噴射ターボ過給運転との切り替えが上記予混合ターボ過給運転を介して切り替えられることになるので、燃料ガスGの供給状態及び新気Fの通流状態の両方を同時に切り替えることがなくなり、その同時切り替えによる空燃比の変動を抑制し、安定した運転状態を維持する。
更に、ECU40は、上記のような運転切り替えを、起動運転時のエンジン出力上昇過程において好適に実行することで、負荷投入時における応答性を改善するように構成されており、以下に、そのECU40による起動運転時の制御フローについて、図4に基づいて説明する。
先ず、停電時において外部からの起動指令信号を受けると、エンジン本体1が起動され、エンジン出力は比較的小さい低出力域であるために、上述した予混合強制過給運転(図3参照)が実行される。この際には、制御弁V1a、V2a、V3a、V4が開状態とされ、且つ制御弁V2b、V3bが閉状態とされることで、燃料ガスGの供給状態が予混合状態とされ、新気Fの供給状態は強制過給状態とされる。また、出力軸3の回転速度は、スロットルバルブ30の開度制御により所望の定格回転速度に維持される。
このように予混合強制過給運転を実行しているときに、開閉器51が開状態(電力通流を遮断する状態)から閉状態(電力通流を許容する状態)に切り替えられ、非常用発電機50から電力負荷52への電力供給が開始される所謂負荷投入が行われるが、予混合強制過給運転により安定した運転状態が維持されているため、エンジン回転速度の低下(矢印Pを参照)は従来と比べ非常に小さなものとなる。
負荷投入が完了し、エンジン出力の上昇に伴って出力軸3から出力されるトルクが所定値まで増加して中出力域となると、ターボ式過給機19による過給が可能となるので、上述した予混合強制過給運転から予混合ターボ過給運転(図2参照)に移行される。この際に、制御弁V2a、V3a、V4が開状態から閉状態に切り替えられ、且つ制御弁V2b、V3bが閉状態から開状態へ切り替えられることで、新気Fの通流状態のみが強制過給状態からターボ過給状態に切り替えられる。
また、この新気通流状態移行時において、上記制御弁V2a、V3b、V4は、即座に開閉を切り替えるのではなく、徐々に開度が変化するように開閉が切り替えられる。このようにすることで、ターボ式過給機19においてブロア19aへ供給される混合気Mの量及びタービン19bへ供給される排ガスEの量を徐々に増加させることができ、急激な負荷増加によるターボ式過給機19の能力低下を回避することができる。
更に、エンジン出力が定格出力まで上昇し出力軸3から出力されるトルクが所定の定格トルクまで増加して高出力域となると、更なる熱効率の向上を図るべく、上述した予混合ターボ過給運転から燃料噴射ターボ過給運転(図1参照)に移行される。この際に、制御弁V1aが開状態から閉状態に切り替えられ、且つ制御弁V1bが閉状態から開状態へ切り替えられることで、燃料ガスGの供給状態のみが予混合状態から燃料噴射状態に切り替えられる。
また、この燃料ガス供給状態移行時において、上記制御弁V1a、V1bは、即座に開閉を切り替えるのではなく、徐々に開度が変化するように開閉が切り替えられる。このようにすることで、吸気路7に混合気Mが存在しているのにもかかわらず更にその混合気Mに対して燃料噴射弁15から多くの燃料ガスGが供給されることを防止し、燃焼室2に対して燃料ガスGが過剰に供給されことによる異常燃焼を回避することができる。
〔別実施形態〕
最後に、本発明のその他の実施形態について説明する。尚、以下に説明する各実施形態の構成は、夫々単独で適用されるものに限られず、矛盾が生じない限り、他の実施形態の構成と組み合わせて適用することも可能である。
(1)上記実施形態では、燃料噴射ターボ過給運転と予混合強制過給運転との移行を、予混合ターボ過給運転を介して行うように構成したが、この予混合ターボ過給運転を省略して直接移行するように構成しても構わない。
(2)上記実施形態では、燃料噴射ターボ過給運転、予混合ターボ過給運転、及び予混合強制過給運転を択一的に実行するために、第2ガス路10、第1接続路12、及び第2接続路13を備えると共に、夫々の流路における燃料ガスGの供給状態及び新気Fの通流状態の切り替えを行うための制御弁V1a、V1b、V2a、V2b、V3a、V3bを備える構成を採用したが、本発明に係るガスエンジンは、この構成に限定されるものではなく、適宜流路及び制御弁の配置を改変することができる。例えば、上記実施形態では、第2接続路13を、高圧側吸気路7bと高圧側第1ガス路9bとを接続する流路として設ける構成を採用したが、この第2接続路13を低圧側吸気路7aの制御弁V2bの下流側と高圧側第1ガス路9bとを接続する流路として構成し、新気Fの通流状態を強制過給状態とする場合において、ガス圧縮機20で加圧された新気Fを低圧側吸気路7a、ターボ式過給機19のブロア19a、及び高圧側吸気路7bを通じて燃焼室2に供給するように構成することができる。
(3)上記実施形態では、ターボ式過給機19のタービン19bをバイパスするバイパス路11を設けたが、このバイパス路11を省略して、ターボ式過給機19の作動及び非作動にかかわらず、排ガスEは常にタービン19bを通過させるように構成しても構わない。
(4)上記実施形態では、ガス圧縮機20を、電動機20bの回転力によりブロア20aを回転駆動する電動式のものとして構成したが、出力軸3の回転動力の一部を利用してブロアを回転駆動する機械式のものとして構成しても構わない。
(5)上記実施形態では、本発明に係るガスエンジンを、非常用発電機50を駆動するものとして利用したが、例えば圧縮式ヒートポンプを有する空調システムの駆動源等としても利用可能である。
(6)上記実施形態では、燃料ガスGとして、天然ガス系都市ガスを好適に利用したが、別に、水素などの任意の気体燃料を使用することができる。また、本発明に係るガスエンジンを多気筒型に構成した例を説明したが、別に単気筒型に構成しても構わない。
本発明は、吸気路に配置したブロアと排気路に配置したタービンとを連結してなるターボ式過給機を備えたガスエンジンとして有効に利用可能である。
2 :燃焼室
7 :吸気路
7a :低圧側吸気路
7b :高圧側吸気路
8 :排気路
9 :第1ガス路(ガス路)
9a :低圧側第1ガス路
9b :高圧側第1ガス路
10 :第2ガス路(ガス路)
12 :第1接続路
13 :第2接続路
15 :燃料噴射弁(燃料噴射部)
16 :ミキサ(燃料混合部)
19 :ターボ式過給機
19a :ブロア
19b :タービン
20 :ガス圧縮機
A :燃焼用空気
E :排ガス
F :新気
G :燃料ガス
M :混合気
X :燃料ガス供給状態切替手段
Y :新気通流状態切替手段

Claims (7)

  1. 混合気を圧縮して燃焼させる燃焼室と、
    前記燃焼室に接続され燃焼用空気が導入される吸気路と、
    前記燃焼室に接続され当該燃焼室から排ガスが排出される排気路と、
    記吸気路に接続され燃料ガスが導入されるガス路と、
    前記吸気路に配置したブロアと前記排気路に配置したタービンとを連結してなるターボ式過給機と、
    前記ガス路に配置された電動式又は機械式のガス圧縮機とを備え、
    前記吸気路に導入された燃焼用空気を前記ターボ式過給機のブロアに通過させ、当該ターボ式過給機のブロアを通過した燃焼用空気に対して前記ガス圧縮機で圧縮された燃料ガスを噴射して前記吸気路に混合気を形成し、当該形成された混合気を前記燃焼室に導入して圧縮し燃焼させる燃料噴射ターボ過給運転を実行可能なガスエンジンであって、
    前記吸気路に導入された燃焼用空気に対して前記ガス路に導入された燃料ガスを混合して前記吸気路に混合気を形成し、当該形成された混合気の少なくとも一部を前記ガス路に導入して前記ガス圧縮機で圧縮し、当該圧縮された混合気を前記燃焼室に導入して圧縮し燃焼させる予混合強制過給運転を前記燃料噴射ターボ過給運転に代えて実行可能に構成してあるガスエンジン。
  2. ガスエンジンの運転を制御する制御手段を備え、
    前記制御手段が、エンジン出力を制御するにあたり、高出力域では前記燃料噴射ターボ過給運転を実行し、前記高出力域よりもエンジン出力が低い低出力域では前記予混合強制過給運転を実行する請求項1に記載のガスエンジン。
  3. 前記吸気路に導入された燃焼用空気に対して前記ガス路に導入された燃料ガスを混合して前記吸気路に混合気を形成し、当該形成された混合気を前記ターボ式過給機のブロアに通過させ、当該ターボ式過給機のブロアを通過した混合気を前記燃焼室に導入して圧縮し燃焼させる予混合ターボ過給運転を前記燃料噴射ターボ過給運転及び前記予混合強制過給運転に代えて実行可能に構成してある請求項1又は2に記載のガスエンジン。
  4. ガスエンジンの運転を制御する制御手段を備え、
    前記制御手段が、エンジン出力を制御するにあたり、高出力域では前記燃料噴射ターボ過給運転を実行し、前記高出力域よりもエンジン出力が低い中出力域では前記予混合ターボ過給運転を実行し、前記中出力域よりもエンジン出力が低い低出力域では前記予混合強制過給運転を実行する請求項3に記載のガスエンジン。
  5. 前記ガス路が、前記吸気路における前記ターボ式過給機のブロアの下流側の流路である高圧側吸気路に配置された燃料噴射部に接続された第1ガス路と、前記吸気路における前記ターボ式過給機のブロアの上流側の流路である低圧側吸気路に配置された燃料混合部に接続された第2ガス路とからなると共に、前記ガス圧縮機が前記第1ガス路に設けられ、
    前記低圧側吸気路における前記燃料混合部の下流側の流路と前記第1ガス路における前記ガス圧縮機の上流側の流路である低圧側第1ガス路とを接続する第1接続路を備え、
    前記燃料噴射ターボ過給運転時においては前記第1ガス路への燃料ガスの供給を許容すると共に前記第2ガス路への燃料ガスの供給を遮断する燃料噴射状態とし、一方、前記予混合強制過給運転時においては前記第1ガス路への燃料ガスの供給を遮断すると共に前記第2ガス路への燃料ガスの供給を許容する予混合状態とする形態で、燃料ガスの供給状態を切り替える燃料ガス供給状態切替手段と、
    前記燃料噴射ターボ過給運転時においては前記低圧側吸気路から前記ターボ式過給機のブロアへの新気の供給を許容すると共に前記第1接続路での新気の通流を遮断するターボ過給状態とし、前記予混合強制過給運転時においては前記低圧側吸気路から前記ターボ式過給機のブロアへの新気の供給を遮断又は制限すると共に前記第1接続路での新気の通流を許容する強制過給状態とする形態で、新気の通流状態を切り替える新気通流状態切替手段とを備えた請求項1〜4の何れか1項に記載のガスエンジン。
  6. 前記吸気路に導入された新気に前記ガス路に導入され前記ガス圧縮機で圧縮されていない燃料ガスを混合して前記吸気路に混合気を形成し、当該形成された混合気を前記ターボ式過給機のブロアに通過させ、当該ターボ式過給機のブロアを通過した混合気を前記燃焼室に導入して圧縮し燃焼させる予混合ターボ過給運転を前記燃料噴射ターボ過給運転及び前記予混合強制過給運転に代えて実行可能に構成してあり、
    前記燃料ガス供給状態切替手段が、前記予混合ターボ過給運転時においては燃料ガスの供給状態を前記予混合状態とし、
    前記新気通流状態切替手段が、前記予混合ターボ過給運転時においては新気の通流状態を前記ターボ過給状態とする請求項5に記載のガスエンジン。
  7. 前記高圧側吸気路と前記第1ガス路における前記ガス圧縮機の下流側の流路である高圧側第1ガス路とを接続する第2接続路を備え、
    前記新気通流状態切替手段が、新気の通流状態を前記ターボ過給状態とするときには前記第2接続路での新気の通流を遮断し、新気の通流状態を前記強制過給状態とするときには前記第2接続路での新気の通流を許容する請求項6に記載のガスエンジン。
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