JP2001132550A - ガス燃料エンジン - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 昇圧機をメンテナンスする際においても、継
続して運転できるガス燃料エンジンを提供する。 【解決手段】 昇圧機４にて昇圧された燃料ガスを、過
給機３からシリンダ室１ａへの吸気路２又はシリンダ室
１ａに噴射供給するように構成されたガス燃料エンジン
であって、昇圧機４による昇圧前の燃料ガスを、過給機
３の上流側の吸気路部分に供給する補助供給手段Ｂが、
供給作用状態と停止状態とに切り換え自在に設けられて
いる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、昇圧機にて昇圧さ
れた燃料ガスを、過給機からシリンダ室への吸気路又は
前記シリンダ室に噴射供給するように構成されたガス燃
料エンジンに関する。

【０００２】

【従来の技術】かかるガス燃料エンジンは、燃料ガスを
過給機からシリンダ室への吸気路又はシリンダ室に噴射
供給することにより、低負荷時のポンピングロスの抑制
などによって燃費の向上を図れるなどの利点を得ること
ができるものである。又、昇圧機により低圧の燃料ガス
を高圧に昇圧させて上述の如く噴射供給するようにして
いるから、低圧の燃料ガスを使用できるのであり、特に
発電機の駆動用等として定置式などで設置するときに、
一般の供給管にて供給される低圧の燃料ガスを使用でき
るものとなる等の利点を備えるものであり、近年、研究
開発されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】かかるガス燃料エンジ
ンを使用するに当たって、点検や故障の修理などのため
に昇圧機のメンテナンスを行なうことがあるが、このよ
うなときには、従来のガス燃料エンジンでは、燃料ガス
の噴射供給ができないものとなるため、エンジンを停止
させなければならない不都合があった。ちなみに、この
種のガス燃料エンジンは、上記の如く発電機駆動の目的
などで使用されることが多いため、昇圧機のメンテナン
スのためにエンジンを停止しなければならない不都合
は、極力回避することが望まれる。

【０００４】本発明は、かかる実情に鑑みてなされたも
のであり、その目的は、昇圧機をメンテナンスする際に
おいても、継続して運転できるガス燃料エンジンを提供
することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】〔請求項１記載の発明〕
請求項１に記載の特徴構成は、前記昇圧機による昇圧前
の燃料ガスを、前記過給機の上流側の吸気路部分に供給
する補助供給手段が、供給作用状態と停止状態とに切り
換え自在に設けられていることにある。請求項１に記載
の特徴構成によれば、通常運転状態においては、補助供
給手段は停止状態に維持されており、過給機によって空
気が吸気路を通じて過給される状態で、昇圧機にて昇圧
された燃料ガスが、過給機からシリンダ室への吸気路又
はシリンダ室に噴射供給されて、エンジンが運転され、
通常運転状態にて運転中に、補助供給手段が停止状態か
ら供給作用状態に切り換えられると、昇圧機による昇圧
前の燃料ガスが、過給機の上流側の吸気路部分に供給さ
れて、空気と混合され、その混合気が、過給機によって
シリンダ室に過給されるので、昇圧機を停止させても、
シリンダ室への燃料ガス供給が継続されて、エンジンの
運転が停止することなく継続される。尚、以下の説明で
は、燃料ガスが昇圧機にて昇圧されて、過給機からシリ
ンダ室への吸気路又はシリンダ室に噴射供給される燃料
ガス供給状態を、昇圧供給状態と略記し、昇圧機による
昇圧前の燃料ガスが、過給機の上流側の吸気路部分に供
給される燃料ガス供給状態を、補助供給状態と略記する
場合がある。従って、昇圧機をメンテナンスするときに
は、補助供給手段を停止状態から供給作用状態に切り換
えることによって、昇圧機を停止させてもエンジンの運
転が継続されるので、昇圧機をメンテナンスする際にお
いても、継続して運転できるガス燃料エンジンを提供す
ることができるようになった。

【０００６】〔請求項２記載の発明〕請求項２に記載の
特徴構成は、前記昇圧機による燃料ガスの昇圧動作の異
状を検出する昇圧異状検出手段が設けられ、その昇圧異
状検出手段が異状を検出するに伴って、前記補助供給手
段を前記停止状態から前記供給作用状態に自動的に切り
換え、且つ、前記昇圧機にて昇圧して燃料ガスを供給す
る昇圧供給作動を自動的に停止する制御手段が設けられ
ていることにある。請求項２に記載の特徴構成によれ
ば、昇圧異状検出手段が、昇圧機による燃料ガスの昇圧
動作の異状を検出するに伴って、制御手段によって、補
助供給手段が停止状態から供給作用状態に自動的に切り
換えられ、且つ、昇圧機にて昇圧して燃料ガスを供給す
る昇圧供給作動が自動的に停止されるので、燃料ガス供
給状態が、昇圧供給状態から補助供給状態に自動的に切
り換えられて、シリンダ室への燃料ガス供給が継続さ
れ、エンジンの運転が停止することなく継続される。従
って、通常運転状態での運転中に、万が一、昇圧機が故
障しても、エンジンの運転が停止することなく継続され
るので、一層信頼性を向上することができるようになっ
た。

【０００７】〔請求項３記載の発明〕請求項３に記載の
特徴構成は、前記過給機から前記シリンダ室への前記吸
気路又は前記シリンダ室に対する燃料ガス噴射供給の異
状を検出する噴射異状検出手段が設けられ、その噴射異
状検出手段が異状を検出するに伴って、前記補助供給手
段を前記停止状態から前記供給作用状態に自動的に切り
換え、且つ、前記昇圧機にて昇圧して燃料ガスを供給す
る昇圧供給作動を自動的に停止する制御手段が設けられ
ていることにある。請求項３に記載の特徴構成によれ
ば、噴射異状検出手段が、燃料ガス噴射供給の異状を検
出するに伴って、制御手段によって、補助供給手段が停
止状態から供給作用状態に自動的に切り換えられ、且
つ、昇圧機にて昇圧して燃料ガスを供給する昇圧供給作
動が自動的に停止されるので、燃料ガス供給状態が、昇
圧供給状態から補助供給状態に自動的に切り換えられ
て、シリンダ室への燃料ガス供給が継続され、エンジン
の運転が停止することなく継続される。従って、通常運
転状態での運転中に、万が一、燃料ガス噴射供給用の燃
料インジェクタの故障等により、燃料ガス噴射供給が異
状となっても、エンジンの運転が停止することなく継続
されるので、一層信頼性を向上することができるように
なった。

【０００８】〔請求項４記載の発明〕請求項４に記載の
特徴構成は、前記補助供給手段が、燃料ガスを前記昇圧
機に供給する燃料ガス供給ラインと前記吸気路部分とを
接続するバイパス路を開閉するバイパス開閉弁を設けて
構成され、前記燃料ガス供給ラインにおける前記バイパ
ス路の分岐箇所よりも下流側部分を開閉するライン開閉
弁を閉じることにより、前記昇圧供給作動が停止される
ように構成されていることにある。請求項４に記載の特
徴構成によれば、バイパス開閉弁を閉弁状態から開作動
させ、並びに、ライン開閉弁を開弁状態から閉作動させ
ることにより、燃料ガス供給状態が、昇圧供給状態から
補助供給状態に切り換えられる。ちなみに、燃料ガス供
給ラインを通流する燃料ガスをバイパス路に流す状態
と、バイパス路に流さずにそのまま燃料ガス供給ライン
の下流側に流す状態とに流路を切り換え自在な三方弁に
より、補助供給手段の機能と昇圧供給作動を停止させる
機能とを果たさせるように構成することができる。しか
しながら、三方弁では、流路の切り換えに要する時間
が、開閉弁の開閉作動に要する時間よりも長くなるの
で、燃料ガス供給状態の昇圧供給状態から補助供給状態
への切り換えをスムーズに行ない難いという欠点があ
る。従って、請求項３に記載の特徴構成によれば、燃料
ガス供給状態の昇圧供給状態から補助供給状態への切り
換えをスムーズに行なって、エンジンの運転をスムーズ
に継続するようにする上で、好ましい具体構成を提供す
ることができる。

【０００９】

【発明の実施の形態】〔第１実施形態〕以下、図１に基
づいて、本発明の第１の実施の形態を説明する。ガス燃
料エンジンは、エンジン本体１と、吸気した空気Ａをエ
ンジン本体１のシリンダ室１ａに導く吸気路２に介装さ
れて、空気Ａをシリンダ室１ａに過給する過給機として
の空気用コンプレッサ３と、昇圧機としてのガス用コン
プレッサ４にて昇圧されて燃料ガス供給ライン５を通じ
て送られてくる燃料ガスＧを吸気路２における空気用コ
ンプレッサ３よりも下流側部分に噴射供給する燃料イン
ジェクタ６と、シリンダ室１ａからの排ガスＥを排出す
る排気路７に設けられて、空気用コンプレッサ３を駆動
するタービン８と、ガス燃料エンジンの制御を司る制御
装置９等を備えて構成してある。即ち、本実施形態によ
るガス燃料エンジンは、所謂、ターボチャージャー式に
構成してある。

【００１０】本発明においては、ガス用コンプレッサ４
による昇圧前の燃料ガスＧを、吸気路２における空気用
コンプレッサ３よりも上流側部分に供給する補助供給手
段Ｂを、供給作用状態と停止状態とに切り換え自在に設
けてある。更に、ガス用コンプレッサ４による燃料ガス
の昇圧動作の異状を検出する昇圧異状検出手段Ｓ１、及
び、吸気路２における空気用コンプレッサ３よりも下流
側部分に対する燃料ガス噴射供給の異状を検出する噴射
異状検出手段Ｓ２を設け、制御装置９を、それら異状検
出手段Ｓ１，Ｓ２夫々が異状を検出するに伴って、補助
供給手段Ｂを前記停止状態から前記供給作用状態に自動
的に切り換え、且つ、ガス用コンプレッサ４にて昇圧し
て燃料ガスＧを供給する昇圧供給作動を自動的に停止す
るように構成してある。

【００１１】以下、各部について説明を加える。エンジ
ン本体１は、シリンダ１ｂにピストン１ｃを往復摺動自
在に内嵌し、ピストン１ｃの頂部側に形成されるシリン
ダ室１ａに連通する吸気ポート１ｄに吸気弁１ｅを備
え、シリンダ室１ａに連通する排気ポート１ｆに排気弁
１ｇを備え、並びに、点火プラグ１ｈを備えて構成して
ある。尚、図中の１ｉはピストンロッド、１ｊはクラン
ク軸である。

【００１２】吸気路２は、基端側が大気に対して開口
し、先端をエンジン本体１の吸気ポート１ｄに接続して
ある。燃料ガス供給ライン５の基端は、都市ガスのガス
供給管（図示せず）等の燃料ガス供給源に接続し、先端
を燃料インジェクタ６に接続し、その燃料インジェクタ
６を、吸気路２における空気用コンプレッサ３よりも下
流側部分に燃料ガスＧを噴射供給すべく設けてある。

【００１３】燃料ガス供給ライン５におけるガス用コン
プレッサ４よりも上流側部分から分岐したバイパス路１
０を、吸気路２における空気用コンプレッサ３よりも上
流側部分に、混合器１１を介して接続してある。尚、前
記ガス供給管より燃料ガス供給ライン５に供給される燃
料ガスＧの圧力は、大気圧よりも高いので、ガス用コン
プレッサ４による昇圧前の燃料ガスＧを、バイパス路１
０から混合器１１を介して吸気路２における空気用コン
プレッサ３よりも上流側部分に供給して、空気Ａと混合
することができるのである。

【００１４】バイパス路１０には、その流路を開閉する
バイパス開閉弁１２を設け、そのバイパス開閉弁１２に
より、補助燃料供給手段Ｂを構成している。燃料ガス供
給ライン５における、バイパス路１０の分岐箇所とガス
用コンプレッサ４との間の部分には、その流路を開閉す
るライン開閉弁１３を設け、そのライン開閉弁１３を閉
じることにより、前記昇圧供給作動を停止するように構
成してある。

【００１５】又、燃料ガス供給ライン５におけるガス用
コンプレッサ４よりも下流側部分には、通流する燃料ガ
スＧの圧力を検出する圧力センサ１４を設け、その圧力
センサ１４の検出圧力が設定値以下になることに基づい
て、ガス用コンプレッサ４による燃料ガスＧの昇圧動作
が異状であると判断するように構成して、圧力センサ１
４を昇圧異状検出手段Ｓ１として機能させるように構成
してある。又、燃料インジェクタ６における開閉駆動手
段（例えば、電磁バルブ等）の駆動状態を検出すること
に基づいて、燃料インジェクタ６の開閉動作を検出する
開閉検出センサ１６を設け、その開閉検出センサ１６が
開閉動作の異状を検出することに基づいて、燃料ガス噴
射供給が異状であると判断するように構成して、開閉検
出センサ１６を噴射異状検出手段Ｓ２として機能させる
ように構成してある。

【００１６】ガス用コンプレッサ４は、前記ガス供給管
から供給される燃料ガスＧを、空気用コンプレッサ３に
て昇圧後の空気Ａが流れる吸気路２の部分に噴射可能な
圧力にまで昇圧するものであり、電動式のものでも良い
し、エンジン本体１のクランク軸１ｊに連結して駆動す
るものでも良い。

【００１７】排気路７はエンジン本体１の排気ポート１
ｆに接続し、その排気路７に、タービン８を排ガスの膨
張により回転駆動されるように設け、そのタービン８の
タービン軸８ａに空気用コンプレッサ３を連結してあ
る。

【００１８】次に、制御装置９の制御作動について説明
する。燃料ガスＧをガス用コンプレッサ４にて昇圧して
吸気路２における空気用コンプレッサ３よりも下流側部
分に噴射供給する、通常供給運転モードから、ガス用コ
ンプレッサ４にて昇圧して燃料ガスＧを供給する昇圧供
給作動を停止した状態でガス燃料エンジンの運転を継続
する運転モード（以下、補助供給運転モードと略記する
場合がある）への切り換え、及び、その補助供給運転モ
ードから通常供給運転モードへの切り換えを人為的に指
令する操作盤１５を設け、制御装置９は、操作盤１５か
らの指令情報、圧力センサ１４の検出情報及び開閉検出
センサ１６の検出情報夫々に基づいて、運転モードを切
り換えるべく、ガス用コンプレッサ４、バイパス開閉弁
１２及びライン開閉弁１３夫々の作動を制御するように
構成してある。

【００１９】尚、制御装置９により、通常供給運転モー
ドから補助供給運転モードへの切り換え、及び、補助供
給運転モードから通常供給運転モードへの切り換えを行
うに当たっては、ガス燃料エンジンを含めた燃料供給シ
ステムの動特性を考慮して、切り換え速度やタイミング
の最適化を行うことは勿論である。

【００２０】通常供給運転モードにおいては、制御装置
９は、ガス用コンプレッサ４を作動状態に維持し、バイ
パス開閉弁１２を閉弁状態に維持し、並びに、ライン開
閉弁１３を開弁状態に維持する。従って、ガス用コンプ
レッサ４により昇圧された燃料ガスＧが、燃料インジェ
クタ６により、吸気路２における空気用コンプレッサ３
よりも下流側部分に噴射供給されることにより、空気用
コンプレッサ３により昇圧された空気Ａと混合されて混
合気が生成され、その混合気が、吸気ポート１ｄからシ
リンダ室１ａに供給されて、圧縮、燃焼、膨張し、排ガ
スが排気ポート１ｆから排出されて、タービン８にて膨
張してから排出される。もって、エンジン本体１が作動
すると共に、タービン８が回転駆動して、そのタービン
８によって、空気用コンプレッサ３が駆動されるのであ
る。

【００２１】通常供給運転モードにて運転中に、操作盤
１５から、補助供給運転モードへの切り換えが指令され
ると、バイパス開閉弁１２を開作動し、ライン開閉弁１
３を閉作動し、並びに、ガス用コンプレッサ４の運転を
停止させて、補助供給運転モードに切り換える。又、通
常供給運転モードにて運転中に、圧力センサ１４の検出
圧力が設定値よりも低くなると、ガス用コンプレッサ４
による燃料ガスＧの昇圧動作が異状であると判断して、
バイパス開閉弁１２を開作動し、ライン開閉弁１３を閉
作動し、並びに、ガス用コンプレッサ４の運転を停止さ
せて、補助供給運転モードに切り換える。又、通常供給
運転モードにて運転中に、開閉検出センサ１６が開閉動
作の異状を検出すると、燃料ガス噴射供給が異状である
と判断して、同様に、バイパス開閉弁１２を開作動し、
ライン開閉弁１３を閉作動し、並びに、ガス用コンプレ
ッサ４の運転を停止させて、補助供給運転モードに切り
換える。

【００２２】補助供給運転モードにおいては、ガス用コ
ンプレッサ４による昇圧前の燃料ガスＧが、バイパス路
１０から混合器１１を介して、吸気路２における空気用
コンプレッサ３よりも上流側部分に供給され、混合器１
１で混合された燃料ガスＧと空気Ａとの混合気が空気用
コンプレッサ３によりシリンダ室１ａに過給され、通常
供給運転モードと同様に、エンジン本体１が作動すると
共に、タービン８が回転駆動して、そのタービン８によ
って、空気用コンプレッサ３が駆動される。

【００２３】補助供給運転モードにて運転中に、操作盤
１５から、通常供給運転モードへの切り換えが指令され
ると、ガス用コンプレッサ４の運転を開始し、バイパス
開閉弁１２を閉作動し、並びに、ライン開閉弁１３を開
作動して、通常供給運転モードに切り換える。

【００２４】従って、メンテナンス等のために操作盤１
５から補助供給運転モードへの切り換えが指令された
り、ガス用コンプレッサ４が故障して、圧力センサ１４
により前記昇圧動作の異状が検出されたり、燃料インジ
ェクタ６が故障して、開閉検出センサ１６により開閉動
作の異状が検出されると、自動的に通常供給運転モード
から補助供給運転モードに切り換えられるので、エンジ
ン本体１の作動が停止することなく継続する。又、補助
供給運転モードにて運転を継続している間に、メンテナ
ンスが終了すると、操作盤１５から通常供給運転モード
への切り換えを指令すれば、自動的に補助供給運転モー
ドから通常供給運転モードに切り換えられるので、エン
ジン本体１の作動が停止することなく継続する。

【００２５】〔第２実施形態〕以下、図２に基づいて、
本発明の第２の実施の形態を説明する。尚、第１実施形
態と同じ構成要素や同じ作用を有する構成要素について
は、重複説明を避けるために、同じ符号を付すことによ
り説明を省略し、主として、第１実施形態と異なる部分
を説明する。即ち、第２実施形態においては、燃料イン
ジェクタ６は、ガス用コンプレッサ４にて昇圧された燃
料ガスＧを、エンジン本体１のシリンダ室１ａに噴射供
給すべく設けてあり、それ以外は、上記の第１実施形態
と同様に構成してある。

【００２６】従って、空気用コンプレッサ３により昇圧
された空気Ａが吸気ポート１ｄからシリンダ室１ａに過
給され、並びに、ガス用コンプレッサ４により昇圧され
た燃料ガスＧが、燃料インジェクタ６により、シリンダ
室１ａに直接、噴射供給されて、シリンダ室１ａで、圧
縮、燃焼、膨張し、排ガスＥが排気ポート１ｆから排出
されて、タービン８にて膨張してから排出される。もっ
て、エンジン本体１が作動すると共に、タービン８が回
転駆動して、そのタービン８によって、空気用コンプレ
ッサ３が駆動されるのである。第２実施形態のガス燃料
エンジンでは、燃料ガスＧがシリンダ室１ａに直接、噴
射供給されることにより層状化燃焼が可能になるので、
空気Ａを過給することによる効果と層状化燃焼による効
果との相乗効果で、燃費の向上を一層促進させることが
できる。

【００２７】そして、第２実施形態におけるガス燃料エ
ンジンにおいても、制御装置９は、通常供給運転モード
にて運転中に、操作盤１５から補助供給運転モードへの
切り換えが指令されたり、圧力センサ１４により前記昇
圧動作の異状が検出されたり、開閉検出センサ１６によ
り燃料ガス噴射供給の異状が検出されると、自動的に通
常供給運転モードから補助供給運転モードに切り換え、
又、補助供給運転モードにて運転中に、操作盤１５から
通常供給運転モードへの切り換えが指令されると、自動
的に補助供給運転モードから通常供給運転モードに自動
的に切り換える。

【００２８】〔別実施形態〕次に別実施形態を説明す
る。 （イ） 上記の実施形態においては、操作盤１５から通
常供給運転モードから補助供給運転モードへの切り換え
が指令されたり、圧力センサ１４により前記昇圧動作の
異状が検出されたり、開閉検出センサ１６により燃料ガ
ス噴射供給の異状が検出されると、制御装置９によっ
て、自動的に通常供給運転モードから補助供給運転モー
ドに切り換え、並びに、操作盤１５から、補助供給運転
モードから通常供給運転モードへの切り換えが指令され
ると、制御装置９によって、自動的に補助供給運転モー
ドから通常供給運転モードに切り換えるように構成する
場合について例示した。これに代えて、圧力センサ１４
及び開閉検出センサ１６を省略すると共に、制御装置９
における運転モード自動切換え機能を省略して、操作盤
１５からの運転モード切り換え指令に基づいて、通常供
給運転モードから補助供給運転モードへの切り換えや、
補助供給運転モードから通常供給運転モードへの切り換
えが実行されるように、回路構成にて構成しても良い。

【００２９】（ロ） 補助供給手段Ｂの具体構成は、上
記の実施形態において例示したバイパス開閉弁１２に限
定されるものではなく、例えば、燃料ガス供給ライン５
からの燃料ガスＧをバイパス路１０へ流す状態と、バイ
パス路１０へ流さずにそのまま燃料ガス供給ライン５の
下流側に流す状態とに流路の切り換え操作自在な三方弁
にて構成しても良い。

【００３０】（ハ） 昇圧異状検出手段Ｓ１の具体構成
は、上記の実施形態において例示した圧力センサ１４に
限定されるものではなく、例えば、燃料ガス供給ライン
５におけるガス用コンプレッサ４よりも下流側部分を通
流する燃料ガスＧの流量を検出する流量センサや、ガス
用コンプレッサ４の回転速度を検出する回転センサでも
良い。又、圧力センサ１４を複数個設けても良いし、圧
力センサ１４、前記流量センサ、前記回転センサ等、複
数種のセンサを設けても良い。この場合、ガス用コンプ
レッサ４による燃料ガスＧの昇圧動作の異状を検出する
精度を一層向上することができる。

【００３１】（ニ） 噴射異状検出手段Ｓ２の具体構成
は、上記の実施形態において例示した開閉検出センサ１
６に限定されるものではなく、例えば、燃料ガス供給ラ
イン５におけるガス用コンプレッサ４よりも下流側部分
を通流する燃料ガスＧの流量を検出する流量センサでも
良い。噴射異状検出手段Ｓ２を流量センサにて構成する
場合は、この流量センサを昇圧異状検出手段Ｓ１として
も機能させることができるので、コスト面で有利とな
る。

【００３２】（ホ） 上記の実施形態においては、昇圧
異状検出手段Ｓ１及び噴射異状検出手段Ｓ２の両方を設
ける場合について例示したが、いずれか一方を省略して
も良い。

【００３３】（ヘ） 本発明を適用することができるガ
ス燃料エンジンは、上記の実施形態において例示したタ
ーボチャージャー式に限定されるものではなく、所謂、
スーパーチャージャー式にも適用することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】第１実施形態に係るガス燃料エンジンの構成を
示すブロック図

【図２】第２実施形態に係るガス燃料エンジンの構成を
示すブロック図

【符号の説明】

２ 吸気路 ３ 過給機 ４ 昇圧機 ５ 燃料ガス供給ライン ９ 制御手段 １０ バイパス路 １２ バイパス開閉弁 １３ ライン開閉弁 １ａ シリンダ室 Ｂ 補助供給手段 Ｓ１ 昇圧異状検出手段 Ｓ２ 噴射異状検出手段

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 昇圧機にて昇圧された燃料ガスを、過給
   機からシリンダ室への吸気路又は前記シリンダ室に噴射
   供給するように構成されたガス燃料エンジンであって、 前記昇圧機による昇圧前の燃料ガスを、前記過給機の上
   流側の吸気路部分に供給する補助供給手段が、供給作用
   状態と停止状態とに切り換え自在に設けられているガス
   燃料エンジン。
2. 【請求項２】 前記昇圧機による燃料ガスの昇圧動作の
   異状を検出する昇圧異状検出手段が設けられ、 その昇圧異状検出手段が異状を検出するに伴って、前記
   補助供給手段を前記停止状態から前記供給作用状態に自
   動的に切り換え、且つ、前記昇圧機にて昇圧して燃料ガ
   スを供給する昇圧供給作動を自動的に停止する制御手段
   が設けられている請求項１記載のガス燃料エンジン。
3. 【請求項３】 前記過給機から前記シリンダ室への前記
   吸気路又は前記シリンダ室に対する燃料ガス噴射供給の
   異状を検出する噴射異状検出手段が設けられ、 その噴射異状検出手段が異状を検出するに伴って、前記
   補助供給手段を前記停止状態から前記供給作用状態に自
   動的に切り換え、且つ、前記昇圧機にて昇圧して燃料ガ
   スを供給する昇圧供給作動を自動的に停止する制御手段
   が設けられている請求項１記載のガス燃料エンジン。
4. 【請求項４】 前記補助供給手段が、燃料ガスを前記昇
   圧機に供給する燃料ガス供給ラインと前記吸気路部分と
   を接続するバイパス路を開閉するバイパス開閉弁を設け
   て構成され、 前記燃料ガス供給ラインにおける前記バイパス路の分岐
   箇所よりも下流側部分を開閉するライン開閉弁を閉じる
   ことにより、前記昇圧供給作動が停止されるように構成
   されている請求項２又は３記載のガス燃料エンジン。