JP5904127B2 - 表面プラズモン励起増強蛍光分光法を用いた蛍光検出方法 - Google Patents
表面プラズモン励起増強蛍光分光法を用いた蛍光検出方法 Download PDFInfo
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Description
本発明はこのような現状に鑑みなされたものであって、センサ構造体間で異なる電場強度を考慮して測定対象物質の実測された蛍光量を数値補正し、センサ構造体間での測定結果を正確に対比できるようにした蛍光検出方法を提供することを目的とする。
本発明の蛍光検出方法では、
誘電体部材と、前記誘電体部材の上面に形成された金属薄膜と、前記金属薄膜の上面に形成された反応層と、から少なくとも構成されたセンサ構造体を用い、
前記誘電体部材側から全反射条件となる入射角で励起光を照射して前記金属薄膜上の電場を増強させ、増強した電場により前記反応層に捕捉されたアナライトを標識する蛍光物質を励起させ、この励起された蛍光物質からの蛍光量を光検出手段にて測定するようにした蛍光検出方法であって、
第1の測定条件で励起光を照射した際に測定された第1の散乱光量と、前記第1の測定条件とは異なる第2の測定条件で励起光を照射した際に測定された第2の散乱光量と、に基づいて、
前記第1の測定条件で励起光を照射することにより測定された蛍光量を補正するものであり、
前記第1の測定条件と前記第2の測定条件とは、
前記金属薄膜に対する励起光の入射角が異なることを特徴とする。
前記第1の測定条件は、
前記金属薄膜へ照射した励起光の反射光量が最少となる入射角で励起光を照射することであることを特徴とする。
このような入射角で有れば、確実に第1の散乱光量を測定することができる。
前記第1の測定条件は、
前記金属薄膜へ照射した励起光の反射光量が最少となる入射角から所定角度オフセットした入射角で励起光を照射することであることを特徴とする。
このような入射角で有れば、確実に第1の散乱光量を測定することができる。
前記第1の測定条件は、
前記第1の散乱光量が最大となる入射角で励起光を照射することであることを特徴とする。
このような入射角で有れば、確実に第1の散乱光量を測定することができる。
前記第1の測定条件は、
前記第1の散乱光量が最大となる入射角から所定角度オフセットした入射角で励起光を照射することであることを特徴とする。
このような入射角で有れば、確実に第1の散乱光量を測定することができる。
前記第2の測定条件は、
前記金属薄膜へ励起光を照射したとき反射光が全反射しない入射角であることを特徴とする。
このような入射角で有れば、確実に第2の散乱光量を測定することができる。
前記第2の測定条件は、
前記金属薄膜へ励起光を照射したとき反射光が全反射する入射角であることを特徴とする。
このような入射角で有れば、確実に第2の散乱光量を測定することができる。
誘電体部材と、前記誘電体部材の上面に形成された金属薄膜と、前記金属薄膜の上面に形成された反応層と、から少なくとも構成されたセンサ構造体を用い、
前記誘電体部材側から全反射条件となる入射角で励起光を照射して前記金属薄膜上の電場を増強させ、増強した電場により前記反応層に捕捉されたアナライトを標識する蛍光物質を励起させ、この励起された蛍光物質からの蛍光量を光検出手段にて測定するようにした蛍光検出方法であって、
第1の測定条件で励起光を照射した際に測定された第1の散乱光量と、前記第1の測定条件とは異なる第2の測定条件で励起光を照射した際に測定された第2の散乱光量と、に基づいて、
前記第1の測定条件で励起光を照射することにより測定された蛍光量を補正するものであり、
前記反応層が流路中に形成されており、
前記第1の測定条件と前記第2の測定条件とは、
前記反応層が形成された流路に満たされた物質の屈折率が異なることを特徴とする。
このような測定条件であれば、確実に第1の散乱光量と第2の散乱光量とを測定することができる。
前記第2の測定条件における前記反応層が形成された流路に満たされた物質は、
前記第1の測定条件における前記反応層が形成された流路に満たされた物質よりも屈折率の低い物質であることを特徴とする。
このような測定条件であれば、確実に第1の散乱光量と第2の散乱光量とを測定することができる。
前記第2の測定条件における前記反応層が形成された流路に満たされた物質は、
前記第1の測定条件における前記反応層が形成された流路に満たされた物質よりも屈折率の高い物質であることを特徴とする。
このような測定条件であれば、確実に第1の散乱光量と第2の散乱光量とを測定することができる。
誘電体部材と、前記誘電体部材の上面に形成された金属薄膜と、前記金属薄膜の上面に形成された反応層と、から少なくとも構成されたセンサ構造体を用い、
前記誘電体部材側から全反射条件となる入射角で励起光を照射して前記金属薄膜上の電場を増強させ、増強した電場により前記反応層に捕捉されたアナライトを標識する蛍光物質を励起させ、この励起された蛍光物質からの蛍光量を光検出手段にて測定するようにした蛍光検出方法であって、
第1の測定条件で励起光を照射した際に測定された第1の散乱光量と、前記第1の測定条件とは異なる第2の測定条件で励起光を照射した際に測定された第2の散乱光量と、に基づいて、
前記第1の測定条件で励起光を照射することにより測定された蛍光量を補正するものであり、
前記第1の測定条件と前記第2の測定条件とは、
前記第1の測定条件に対して、前記第2の測定条件が前記金属薄膜に励起光が照射される領域に対応する反応層上の部分にコーティング処理が施されていることで異なることを特徴とする。
このように金属薄膜に励起光が照射される領域に対応する反応層上の部分にコーティング処理を施せば、確実に第1の散乱光量と第2の散乱光量とを得ることができる。
前記コーティング処理は、ショ糖を用いて行われることを特徴とする。
このようにショ糖であれば入手も容易であり、また反応層のリガンドの保存にも有効であり、さらに反応層の洗浄も容易であるためコーティング処理の材料として好適である。
前記第1の散乱光量及び前記蛍光量は、
前記第1の測定条件で励起光を照射した際に同時に測定されることを特徴とする。
このように測定すれば、測定の回数を最小限に抑えることができ、蛍光量の補正までに要する時間を少なくすることができる。
前記蛍光量を補正するための補正量は、
前記第1の散乱光量及び前記第2の散乱光量を基に、予め設定されたデータベースを用いて求められることを特徴とする。
このように予めデータベースを用意しておけば、このデータベースを基に蛍光量の補正を瞬時に行うことができる。
前記補正量は、
前記データベースより、前記第1の散乱光量と前記第2の散乱光量との比を用いて求められることを特徴とする。
このように第1の散乱光量と第2の散乱光量との比を用いれば、正確な蛍光量を求めることができる。
前記データベースは、
複数のデータ収集用センサ構造体のそれぞれに対して前記第1の測定条件で励起光を照射した際に測定された第3の散乱光量と、前記第2の測定条件で励起光を照射した際に測定された第4の散乱光量と、を基に作成されていることを特徴とする。
前記データベースは、
複数のデータ収集用センサ構造体のそれぞれに対して前記第1の測定条件で励起光を照射した際に測定された第3の散乱光量と、前記第2の測定条件で励起光を照射した際に測定された第4の散乱光量と、電場強度に関するデータと、の関係を基に作成されていることを特徴とする。
このような関係を基にしてデータベースを作成すれば、測定対象のセンサ構造体の蛍光量を確実に補正することができる。
前記データベースは、
前記第3の散乱光量と前記第4の散乱光量との関係と、前記電場強度に関するデータと、の関係を基に作成されていることを特徴とする。
従って、測定された蛍光量の値を所望の基準となる電場強度に合わせて数値補正すれば、センサ構造体間で異なる電場強度をさらに考慮した、より正確な蛍光量を得ることができる。
前記データベースには、
前記第3の散乱光量と前記第4の散乱光量との関係と、前記電場強度に関するデータを、前記複数のデータ収集用センサ構造体に対して収集することで導き出された相関式が保管されていることを特徴とする。
このような相関式をデータベースに保管しておけば、測定対象のセンサ構造体の蛍光量を確実に補正することができる。
前記相関式に前記第1の散乱光量と前記第2の散乱光量を入力して補正係数を算出し、算出された前記補正係数を用いて、前記蛍光量を補正して推定蛍光量を算出することを特徴とする。
このようにして算出された補正係数を用いれば、測定対象のセンサ構造体の蛍光量を確実に補正することができる。
前記電場強度に関するデータは、
電場強度の基準値に対する比であることを特徴とする。
このようなデータであれば、測定対象のセンサ構造体の蛍光量を確実に補正することができる。
前記電場強度に関するデータは、
前記データ収集用センサ構造体をモデル化して測定することで算出された計算電場強度であることを特徴とする。
このようなデータであれば、測定対象のセンサ構造体の蛍光量を確実に補正することができる。
前記計算電場強度は、
前記データ収集用センサ構造体の構成と蛍光量を測定する測定系とをモデル化した多層膜モデルを基に、光学計算で算出されることを特徴とする。
このような計算電場強度であれば、測定対象のセンサ構造体の蛍光量を確実に補正することができる。
前記電場強度に関するデータは、
蛍光量または蛍光量の基準値に対する比から算出されたデータであることを特徴とする。
このようなデータであれば、測定対象のセンサ構造体の蛍光量を確実に補正することができる。
前記電場強度に関するデータは、
前記複数のデータ収集用センサ構造体に同量の蛍光物質を反応層に配置してそれぞれの蛍光量を実測することにより得られた蛍光量に基づくデータであることを特徴とする。
このようなデータであれば、測定対象のセンサ構造体の蛍光量を確実に補正することができる。
なお、本発明の蛍光検出方法に用いられるセンサ構造体および表面プラズモン励起増強蛍光測定装置(SPFS装置)は、背景技術の欄で説明した構成および操作方法と基本的に同じであるため、その説明を省略する。
「センサ構造体」は、実際に蛍光量が測定されるものであり、その構成は背景技術の欄で説明した通りである。
「流路に満たされた物質」は、反応層が形成された流路を満たす物質であり、具体的には、センサ構造体の流路内に流入されるものである。
「所定角度」は、予め決めた任意の角度である。なお個々の角度については明細書中にその都度記載している。
「電場強度の基準値」は、データベース中で基準と決めたデータ収集用センサ構造体の電場強度のことである。
「測定系」は、光検出手段,波長選択機能部材,集光部材などを総称したものである。
「蛍光量の基準値」は、データ収集用センサ構造体の反応層に所定量の蛍光物質を配置し、所定の励起条件により蛍光量を測定した時に検出される、データベース中で基準と決めた蛍光量である。
第1の測定条件による蛍光量と散乱光量の測定と、第2の測定条件による散乱光量との測定の順番は逆でも良い。
(1) 第1の測定条件と第2の測定条件とは、金属薄膜に対する励起光の入射角が異なる。
この条件の場合、第1の測定条件は、以下(1−1)〜(1−4)のいずれかの条件であることが好ましい。
(1−2) 金属薄膜へ照射した励起光の反射光量が最少となる入射角から所定角度オフセットした入射角で、励起光を照射。
図1に示した励起光の入射角と反射率との関係を示したグラフでは谷形の曲線となっており、曲線の下降勾配および上昇勾配が急に成っている箇所が、蛍光検出可能な範囲である。図1においては、反射光量が最少となる入射角が大凡58度であって、この58度からプラスマイナス3度程度までが蛍光検出可能な範囲と言える。
なお、この角度範囲は、データ収集用センサ構造体の構成により適宜設定すれば良いものである。具体的には反射光量が最少となる入射角を基準として、好ましくはプラスマイナス10度、さらに好ましくはプラスマイナス5度までを蛍光検出可能な範囲とすれば良い。
(1−3) 散乱光量が最大となる入射角で、励起光を照射。
(1−4) 散乱光量が最大となる入射角から所定角度オフセットした入射角で、励起光を照射。
図1に示した励起光の入射角と散乱光量との関係を示したグラフは、山形の曲線となっており、曲線の上昇勾配および下降勾配が急に成っている箇所、およびピークとなっている箇所が、蛍光検出可能な範囲である。
図1においては、散乱光量が最大となる入射角が大凡57.5度であって、この57.5度からプラスマイナス3度程度までが蛍光検出可能な範囲と言える。
なお、この角度範囲についても、センサ構造体の構成により適宜設定すれば良いものである。具体的には散乱光量が最大となる入射角を基準として、好ましくはプラスマイナス10度、さらに好ましくはプラスマイナス5度までを蛍光検出可能な範囲とすれば良い。
(1−5) 金属薄膜へ励起光を照射したとき反射光が全反射しない入射角で励起光を照射。
すなわち図1の入射角と反射率の関係を示した谷形の曲線で、反射光量が最大となる臨界角以下であることが好ましい。この臨界角以下はある範囲を持っているが、ここでの蛍光検出時における励起光の入射角とは異なる入射角は、臨界角以下の範囲中のある一つの角度である。
(1−6) 金属薄膜へ励起光を照射したとき反射光が全反射する入射角で励起光を照射。
すなわち図1の入射角と反射率の関係を示した谷形の曲線で、谷に落ち込む前と谷から上がった後の入射角の範囲であることが好ましい。
この条件の場合、第1の測定条件と第2の測定条件は、以下(2−1)〜(2−2)のいずれかの条件であることが好ましい。
(2−2) 第2の測定条件における反応層が形成された流路に満たされた物質は、第1の測定条件における反応層が形成された流路に満たされた物質よりも屈折率の高い物質。
これに対し、蛍光検出時に反応層に存在する物質よりも屈折率が低い物質(n=1.235)の場合には、グラフ左方の山なりの曲線となり、また蛍光検出時に反応層に存在する物質よりも屈折率が高い物質(n=1.435)の場合には、グラフ右方の山なりの曲線となる。
なお、少なくとも反応層全体を被覆するようにコーティング処理を施すことが、簡易なコーティング処理を実現する上で好ましい。
データベースを構成するデータは、例えば下記(A)〜(E)の通りである。
(A) データ収集用のセンサ構造体のそれぞれに対して第1の測定条件で励起光を照射した際に測定された第3の散乱光量のデータ。
(B) 第2の測定条件で励起光を照射した際に測定された第4の散乱光量のデータ。
(C) 電場強度に関するデータ。
(D) 第3の散乱光量と第4の散乱光量との比のデータ。
(E) 第3の散乱光量と第4の散乱光量との比及び電場強度に関するデータを、複数のデータ収集用センサ構造体に対して収集することで導き出された相関式のデータ。
(a) 電場強度の基準値に対する比のデータ。
(b) データ収集用センサ構造体をモデル化して測定することで算出された計算電場強度のデータ。
(ここで計算電場強度としては、データ収集用センサ構造体の構成と蛍光量を測定する測定系とをモデル化した多層膜モデルを下に、光学計算で算出されたものである。)
(c) 蛍光量または蛍光量の基準に対する比から算出されたデータ。
(d) 複数のデータ収集用センサ構造体に同量の蛍光物質を反応層に配置してそれぞれの蛍光量を実測することにより得られた蛍光量に基づくデータ。
このデータ収集用センサ構造体を3つ用いて、補正量(補正係数)を求めるための相関式を作成する手順を可視化する。
この手順を可視化すると、図5に示したように、実際の蛍光量検出用のセンサ構造体の第1の散乱光量および第2の散乱光量の比を、先に求めた相関式 y=−ax+b に入力し、電場強度を推定する。
ここでデータ収集用センサ構造体(1)を基準にすれば、データ収集用センサ構造体(1)の電場強度y1と、実際の蛍光量検出用のセンサ構造体の推定された電場強度y2の比(y2/y1)が補正係数となる。
このような経緯を経ることで、実測された蛍光量から推定された蛍光量(推定蛍光量)を算出でき、この推定蛍光量を用いれば、センサ構造体間での測定結果を正確に対比することができる。
金属薄膜(本実施例では金膜)の厚さが41nm,44nm,46nm,48nm,51nmとした5種類のデータ収集用センサ構造体を用意するとともに、反応層に導入する物質として、屈折率n=1.3325を中心として上下に値が振られるような複数の物質を用意した。
データベースを元にして、第3の散乱光量と第4の散乱光量との比を求め、さらにデータ収集用センサ構造体の構成および測定系をモデル化した多層膜モデルを元に、光学計算で算出された計算電場強度を算出した。
なお、用意したデータ収集用センサ構造体のデータの相関性を示す相関係数は0.8653であり、相関性は非常に高いことが確認できた。
金属薄膜(本実施例では金膜)の厚さが41nm,44nm,46nm,48nm,51nmとした5種類のデータ収集用センサ構造体を用意するとともに、反応層に導入する物質として、屈折率n=1.3325を中心として上下に値が振られるような複数の物質を用意した。
第3の散乱光量,第4の散乱光量の測定を、用意したデータ収集用センサ構造体について行い、得られた結果からデータベースを作成した。
なお、用意したデータ収集用センサ構造体のデータの相関具合を示す相関係数は0.6076であり、これらデータの相関性はある程度得られることが確認された。
金属薄膜(本実施例では金膜)の厚さが41nm,44nm,46nm,48nm,51nmとした5種類のデータ収集用センサ構造体を用意するとともに、反応層に導入する物質として、屈折率n=1.3325を中心として上下に値が振られるような複数の物質を用意した。
データベースを元にして第3の散乱光量と第4の散乱光量との比を求め、さらにデータ収集用センサ構造体の構成および測定系をモデル化した多層膜モデルを元に、光学計算で算出された計算電場強度を算出した。
なお、用意したデータ収集用センサ構造体のデータの相関具合を示す相関係数は0.3308であり、これらデータの相関性はある程度得られることが確認された。
金属薄膜(本実施例では金膜)の厚さが41nm,44nm,46nm,48nm,51nmとした5種類のデータ収集用センサ構造体を用意するとともに、反応層に導入する物質として、屈折率n=1.3325を中心として上下に値が振られるような複数の物質を用意した。
データベースを元にして第3の散乱光量と第4の散乱光量との比を求め、さらにデータ収集用センサ構造体の構成および測定系をモデル化した多層膜モデルを元に、光学計算で算出された計算電場強度を算出した。
上記実施例1〜4を比較すると、実施例1から実施例4に行くに従って、相関係数の値が下がっており、好ましい実施例の順序は実施例1から実施例4の順である。
102・・・誘電体部材
104・・・金属薄膜
106・・・リガンド含有層
108・・・流路
110・・・センサ構造体
112・・・励起光
114・・・光源
116・・・反射光
118・・・受光手段
120・・・蛍光
122・・・光検出手段
124・・・集光部材
126・・・波長選択機能部材
130・・・移動調整手段
132・・・移動調整手段
G・・・反応層
θa・・入射角
Claims (25)
- 誘電体部材と、前記誘電体部材の上面に形成された金属薄膜と、前記金属薄膜の上面に形成された反応層と、から少なくとも構成されたセンサ構造体を用い、
前記誘電体部材側から全反射条件となる入射角で励起光を照射して前記金属薄膜上の電場を増強させ、増強した電場により前記反応層に捕捉されたアナライトを標識する蛍光物質を励起させ、この励起された蛍光物質からの蛍光量を光検出手段にて測定するようにした蛍光検出方法であって、
第1の測定条件で励起光を照射した際に測定された第1の散乱光量と、前記第1の測定条件とは異なる第2の測定条件で励起光を照射した際に測定された第2の散乱光量と、に基づいて、
前記第1の測定条件で励起光を照射することにより測定された蛍光量を補正するものであり、
前記第1の測定条件と前記第2の測定条件とは、
前記金属薄膜に対する励起光の入射角が異なることを特徴とする蛍光検出方法。 - 前記第1の測定条件は、
前記金属薄膜へ照射した励起光の反射光量が最少となる入射角で励起光を照射することであることを特徴とする請求項1に記載の蛍光検出方法。 - 前記第1の測定条件は、
前記金属薄膜へ照射した励起光の反射光量が最少となる入射角から所定角度オフセットした入射角で励起光を照射することであることを特徴とする請求項1に記載の蛍光検出方法。 - 前記第1の測定条件は、
前記第1の散乱光量が最大となる入射角で励起光を照射することであることを特徴とする請求項1に記載の蛍光検出方法。 - 前記第1の測定条件は、
前記第1の散乱光量が最大となる入射角から所定角度オフセットした入射角で励起光を照射することであることを特徴とする請求項1に記載の蛍光検出方法。 - 前記第2の測定条件は、
前記金属薄膜へ励起光を照射したとき反射光が全反射しない入射角であることを特徴とする請求項1に記載の蛍光検出方法。 - 前記第2の測定条件は、
前記金属薄膜へ励起光を照射したとき反射光が全反射する入射角であることを特徴とする請求項1に記載の蛍光検出方法。 - 誘電体部材と、前記誘電体部材の上面に形成された金属薄膜と、前記金属薄膜の上面に形成された反応層と、から少なくとも構成されたセンサ構造体を用い、
前記誘電体部材側から全反射条件となる入射角で励起光を照射して前記金属薄膜上の電場を増強させ、増強した電場により前記反応層に捕捉されたアナライトを標識する蛍光物質を励起させ、この励起された蛍光物質からの蛍光量を光検出手段にて測定するようにした蛍光検出方法であって、
第1の測定条件で励起光を照射した際に測定された第1の散乱光量と、前記第1の測定条件とは異なる第2の測定条件で励起光を照射した際に測定された第2の散乱光量と、に基づいて、
前記第1の測定条件で励起光を照射することにより測定された蛍光量を補正するものであり、
前記反応層が流路中に形成されており、
前記第1の測定条件と前記第2の測定条件とは、
前記反応層が形成された流路に満たされた物質の屈折率が異なることを特徴とする蛍光検出方法。 - 前記第2の測定条件における前記反応層が形成された流路に満たされた物質は、
前記第1の測定条件における前記反応層が形成された流路に満たされた物質よりも屈折率の低い物質であることを特徴とする請求項8に記載の蛍光検出方法。 - 前記第2の測定条件における前記反応層が形成された流路に満たされた物質は、
前記第1の測定条件における前記反応層が形成された流路に満たされた物質よりも屈折率の高い物質であることを特徴とする請求項8に記載の蛍光検出方法。 - 誘電体部材と、前記誘電体部材の上面に形成された金属薄膜と、前記金属薄膜の上面に形成された反応層と、から少なくとも構成されたセンサ構造体を用い、
前記誘電体部材側から全反射条件となる入射角で励起光を照射して前記金属薄膜上の電場を増強させ、増強した電場により前記反応層に捕捉されたアナライトを標識する蛍光物質を励起させ、この励起された蛍光物質からの蛍光量を光検出手段にて測定するようにした蛍光検出方法であって、
第1の測定条件で励起光を照射した際に測定された第1の散乱光量と、前記第1の測定条件とは異なる第2の測定条件で励起光を照射した際に測定された第2の散乱光量と、に基づいて、
前記第1の測定条件で励起光を照射することにより測定された蛍光量を補正するものであり、
前記第1の測定条件と前記第2の測定条件とは、
前記第1の測定条件に対して、前記第2の測定条件が前記金属薄膜に励起光が照射される領域に対応する反応層上の部分にコーティング処理が施されていることで異なることを特徴とする蛍光検出方法。 - 前記コーティング処理は、ショ糖を用いて行われることを特徴とする請求項11に記載の蛍光検出方法。
- 前記第1の散乱光量及び前記蛍光量は、
前記第1の測定条件で励起光を照射した際に同時に測定されることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の蛍光検出方法。 - 前記蛍光量を補正するための補正量は、
前記第1の散乱光量及び前記第2の散乱光量を基に、予め設定されたデータベースを用いて求められることを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載の蛍光検出方法。 - 前記補正量は、
前記データベースより、前記第1の散乱光量と前記第2の散乱光量との比を用いて求められることを特徴とする請求項14に記載の蛍光検出方法。 - 前記データベースは、
複数のデータ収集用センサ構造体のそれぞれに対して前記第1の測定条件で励起光を照射した際に測定された第3の散乱光量と、前記第2の測定条件で励起光を照射した際に測定された第4の散乱光量と、を基に作成されていることを特徴とする請求項14または15に記載の蛍光検出方法。 - 前記データベースは、
複数のデータ収集用センサ構造体のそれぞれに対して前記第1の測定条件で励起光を照射した際に測定された第3の散乱光量と、前記第2の測定条件で励起光を照射した際に測定された第4の散乱光量と、電場強度に関するデータと、の関係を基に作成されていることを特徴とする請求項14または15に記載の蛍光検出方法。 - 前記データベースは、
前記第3の散乱光量と前記第4の散乱光量との関係と、前記電場強度に関するデータと、の関係を基に作成されていることを特徴とする請求項17に記載の蛍光検出方法。 - 前記データベースには、
前記第3の散乱光量と前記第4の散乱光量との関係と、前記電場強度に関するデータを、前記複数のデータ収集用センサ構造体に対して収集することで導き出された相関式が保管されていることを特徴とする請求項18に記載の蛍光検出方法。 - 前記相関式に前記第1の散乱光量と前記第2の散乱光量を入力して補正係数を算出し、算出された前記補正係数を用いて、前記蛍光量を補正して推定蛍光量を算出することを特徴とする請求項19に記載の蛍光検出方法。
- 前記電場強度に関するデータは、
電場強度の基準値に対する比であることを特徴とする請求項17〜20のいずれかに記載の蛍光検出方法。 - 前記電場強度に関するデータは、
前記データ収集用センサ構造体をモデル化して測定することで算出された計算電場強度であることを特徴とする請求項17〜20のいずれかに記載の蛍光検出方法。 - 前記計算電場強度は、
前記データ収集用センサ構造体の構成と蛍光量を測定する測定系とをモデル化した多層膜モデルを基に、光学計算で算出されることを特徴とする請求項22に記載の蛍光検出方法。 - 前記電場強度に関するデータは、
蛍光量または蛍光量の基準値に対する比から算出されたデータであることを特徴とする請求項17〜20のいずれかに記載の蛍光検出方法。 - 前記電場強度に関するデータは、
前記複数のデータ収集用センサ構造体に同量の蛍光物質を反応層に配置してそれぞれの蛍光量を実測することにより得られた蛍光量に基づくデータであることを特徴とする請求項17〜20のいずれかに記載の蛍光検出方法。
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