JP5904027B2 - 回路基板検査システム及び画像形成装置 - Google Patents

回路基板検査システム及び画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、画像形成装置内の回路基板について動作確認可能な回路基板検査システム、及び、この回路基板検査システムにより検査される画像形成装置に関する。
画像形成装置の出荷前の検査では、画像形成装置を動作させて、得られるプリント結果から不具合の有無を判断するようにしていた。そして、不具合がある場合には、検査あるいは修理の技術者の経験に基づいて、不具合箇所を推測し、複数の回路基板のいずれかの該当するものを交換している。この場合、不具合の原因となる回路基板の特定は、複数の回路基板をそれぞれ交換して確認するという試行錯誤により行っていた。
また、近年は電子写真方式の画像形成装置の性能や画質が向上したことにより、回路基板に多数の部品が搭載されている。そして、回路基板上の部品は小型化しており、表面実装により取り付けられている。このため、回路基板の検査を行う際に多大な工数を要すると共に、どの回路基板に不具合があるかを精度良く検査するのは困難であった。
このような問題を解決するために、回路基板や部品の動作時の温度を赤外線カメラなどで撮影し、温度分布で判断する手法が以下の特許文献などに提案されている。
特開2011-22039号公報 特開2011-254021号公報 特開2008-111683号公報 特開2005-135952号公報 特開2005-114553号公報 特開平7-128668号公報 特開平5-283465号公報 特開平2-12046号公報
以上の特許文献1では、温度測定装置を接触式温度測定部と放射温度測定部を使い半導体の温度を測定し、接合部の温度を測定方法については開示されているが、半導体の故障個所については特定できない。
以上の特許文献2では、電圧の印加のみで不良チップを判断するが、特定のパターンデータを送信しての機能確認は行っていないため、デバイスの入力に対しての故障特定はできない。
以上の特許文献3では、ホットプレートによって加熱処理されている基板上の複数のチップの温度または温度分布をサーモグラフィにより同時に計測しているが、チップの動作は行っていない。
以上の特許文献4では、電子部品装着装置は、赤外線サーモグラフィにより取得された回路基板の温度分布と、メモリに予め記憶されている標準温度分布との差が検出回路により検出され、電子部品の装着異常を検出することができるが、動作不具合を検知することはできない。
以上の特許文献5では、基板を通電させた上で、温度検出装置に測定エリア毎の温度分布を測定させているが、回路基板上のエリア毎での良否判定しかできない。
以上の特許文献6では、液晶のガラス基板表面の配光膜を擦るラビング処理時において、ラビング処理による摩擦熱を、赤外線カメラで撮影して温度分布パターンで正常か否かを判断する手法が提案されている。この場合、摩擦処理が均一になされたかを、摩擦熱により検知するものであり、電子デバイスの不具合や電子回路の動作を判定するものではない。
以上の特許文献7では、赤外線センサーで温度を非接触法により測定し、あらかじめ記憶させた前記規格位置における規格温度と比較し、ワイヤボンディングの実施,不実施を決定することを特徴とするワイヤボンディングの実施有無を検査する装置であり、電子デバイスの不具合を判定する装置ではない。
以上の特許文献8は、プリント基板上に赤外線を発光する赤外線ランプと赤外線を受光しプリント基板上の発熱量に応じた電気信号を出力する赤外線放射温度計により正常なプリント基板に通電を行った状態で各部の発熱量を計測し正常なプリント基板の各部の発熱量とを比較し、部品の誤挿入やハンダ付け不良あるいは部品不良等を判定する温度分布検査方法である。
すなわち、以上の特許文献のいずれの手法を採用しても、複数の回路基板を有する画像形成装置において、不具合の原因となる回路基板を特定することはできない。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであって、複数の動作モードに応じた複数の回路基板を有する画像形成装置において、不具合の原因となる回路基板を適切に特定することが可能な回路基板検査システム、および、この回路基板検査システムに検査されるに適した画像形成装置を実現することを目的とする。
すなわち、前記した課題を解決する本発明は、以下の通りである。
(1)複数の動作モードに応じた複数の回路基板を有する画像形成装置と、前記複数の回路基板の異常を非接触で検出する検査装置と、を備える回路基板検査システムであって、前記検査装置は、前記複数の回路基板の温度分布を測定する測温部と、前記複数の回路基板が正常である場合における正常温度分布が予め記憶される記憶部と、前記正常温度分布と前記測温部での測定結果とを比較して前記複数の回路基板の異常を判定する判定部と、を有し、前記画像形成装置は、前記回路基板の検査時には、前記複数の動作モードのいずれかで動作する、ことを特徴とする。
(2)上記(1)において、前記画像形成装置は、スキャン用回路を搭載したスキャン用回路基板と、プリント用回路を搭載したプリント用回路基板と、を少なくとも有し、前記複数の動作モードは、前記スキャン用回路基板を使用するスキャンモードと、前記プリント用回路基板を使用するプリントモードと、前記スキャン用回路基板と前記プリント用回路基板を使用するコピーモードと、を少なくとも有し、前記回路基板の検査時における動作モードとして、前記コピーモードを実行する、ことを特徴とする。
(3)上記(1)または(2)において、前記画像形成装置は、前記回路基板の検査時における動作モードとして、予め定められた枚数のスキャンと予め定められた枚数のプリントを実行する、ことを特徴とする。
(4)上記(1)−(3)のいずれかにおいて、前記画像形成装置は、前記検査装置の接続を検知して、検査時における動作モードに移行する、ことを特徴とする。
(5)上記(1)−(3)のいずれかにおいて、前記画像形成装置は、前記検査装置からの指示を受信して、検査時における動作モードに移行する、ことを特徴とする。
(6)上記(1)−(3)のいずれかにおいて、前記画像形成装置は、前記動作モードの完了を前記検査装置に通知し、前記検査装置は、前記動作モードの完了の通知を前記画像形成装置から受信して、前記測温部が測定を行う、ことを特徴とする。
(7)上記(1)−(6)のいずれかにおいて、前記画像形成装置は、前記複数の回路基板のいずれかに画像処理を実行する画像処理用回路を搭載しており、前記回路基板の検査時における動作モードとして、前記画像処理用回路を用いた画像処理を実行する、ことを特徴とする。
(8)上記(1)−(7)のいずれかにおいて、前記検査装置は、前記判定部によりいずれかの回路基板が異常と判断された場合には、異常と判断された回路基板についての検査結果を前記画像形成装置に通知すると共に検査を続行し、前記画像形成装置は、前記通知を受信した場合には、異常と判断された回路基板を動作させる、ことを特徴とする。
(9)上記(1)−(8)のいずれかにおいて、前記記憶部は、前記各動作モード毎に前記複数の回路基板が正常である場合における正常温度分布を記憶している、ことを特徴とする。
(10)複数の回路基板の温度分布を測定する測温部、前記複数の回路基板が正常である場合における正常温度分布が予め記憶される記憶部、及び前記正常温度分布と前記測温部での測定結果とを比較して前記複数の回路基板の異常を判定する判定部を有する検査装置により、前記複数の回路基板の異常が非接触で検出される画像形成装置であって、前記画像形成装置は、スキャン用回路を搭載したスキャン用回路基板と、プリント用回路を搭載したプリント用回路基板と、を少なくとも有し、前記スキャン用回路基板を使用するスキャンモードと、前記プリント用回路基板を使用するプリントモードと、前記スキャン用回路基板と前記プリント用回路基板を使用するコピーモードと、を複数の動作モードとして有し、前記回路基板の検査時には前記コピーモードを実行する、ことを特徴とする。
本発明によると、以下のような効果が得られる。
(1)この回路基板検査システムにおいて、検査装置は、複数の回路基板の温度分布を測定する測温部と、複数の回路基板が正常である場合における正常温度分布が予め記憶される記憶部と、正常温度分布と測温部での測定結果とを比較して複数の回路基板の異常を判定する判定部と、を有しており、画像形成装置は、回路基板の検査時には前記複数の動作モードのいずれかで動作するため、複数の動作モードに応じた複数の回路基板中の不具合の原因となる回路基板を適切に特定することが可能になる。
(2)ここで、複数の動作モードは、スキャン用回路基板を使用するスキャンモードと、プリント用回路基板を使用するプリントモードと、スキャン用回路基板とプリント用回路基板を使用するコピーモードと、を少なくとも有し、回路基板の検査時における動作モードとしてコピーモードを実行することにより、複数の基板全てを動作させることになるため、複数の動作モードに応じた複数の回路基板について、不具合の原因となる回路基板を適切に特定することが可能になる。
(3)また、画像形成装置は、回路基板の検査時における動作モードとして、予め定められた枚数のスキャンと予め定められた枚数のプリントを実行することにより、不具合の原因となる回路基板を適切に特定することが可能になる。
(4)また、画像形成装置は、検査装置の接続を検知して、検査時における動作モードに移行することにより、検査時に必要な動作モードの動作を確実に行える。
(5)また、画像形成装置は、検査装置からの指示を受信して、検査時における動作モードに移行することにより、検査時に必要な動作モードの動作を確実に行える。
(6)また、画像形成装置は所定の動作モードの完了を検査装置に通知し、検査装置は所定の動作モードの完了の通知を画像形成装置から受信して測定を行うことにより適切な測定を行って、不具合の原因となる回路基板を適切に特定することが可能になる。
(7)また、画像形成装置は、複数の回路基板のいずれかに画像処理を実行する画像処理用回路を搭載しており、回路基板の検査時における動作モードとして、画像処理用回路を用いた画像処理を実行することにより、画像処理を行う回路を含めて適切な測定を行って、不具合の原因となる回路基板を適切に特定することが可能になる。
(8)また、検査装置はいずれかの回路基板が異常であると判断した場合には異常と判断した回路基板についての検査結果を画像形成装置に通知すると共に検査を続行し、画像形成装置は検査で異常と判断された回路基板を動作させることにより、複数の動作モードに応じた複数の回路基板についての不具合の原因となる回路基板を、確実に特定することが可能になる。
(9)また、記憶部は、各動作モード毎における複数の回路基板が正常である場合の正常温度分布を記憶しているため、各動作モード毎に正常温度分布と測温部での測定結果とを比較して複数の回路基板の異常を判定することができ、複数の動作モードに応じた複数の回路基板中の不具合の原因となる回路基板を適切に特定することが可能になる。
(10)また、スキャン用回路を搭載したスキャン用回路基板と、プリント用回路を搭載したプリント用回路基板と、を少なくとも有し、スキャン用回路基板を使用するスキャンモードと、プリント用回路基板を使用するプリントモードと、スキャン用回路基板とプリント用回路基板を使用するコピーモードと、を複数の動作モードとして有する画像形成装置を、検査装置で検査する際には、画像形成装置側でコピーモードを実行することにより、複数の動作モードに応じた複数の回路基板について、不具合の原因となる回路基板を適切に特定することが可能になる。
本発明の実施形態の回路基板検査システムの構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態の画像形成装置の構成を示す構成図である。 本発明の実施形態の回路基板検査システムの動作を示すフローチャートである。
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態(以下、実施形態)を詳細に説明する。
〈構成〉
図1は本発明を実施するための形態としての回路基板検査システムの基本構成を示している。
この回路基板検査システムは、複数の動作モードに応じた複数の回路基板を有する画像形成装置100と、前記複数の回路基板の異常を非接触で検出する検査装置200と、を有して構成されている。
ここで、画像形成装置100は、表示画面データを表示すると共にオペレータからの操作についての指示入力を受け付ける操作表示部105と、画像形成装置100内の各部を制御するため制御用回路基板110B上に載置される制御部110と、原稿を読み取ってスキャンデータを生成するスキャナ光学部120と、スキャナ光学部120で得られたスキャンデータを処理するスキャナ用回路基板120Bと、プリント用の処理を行う処理回路が搭載されるプリント用回路基板130Bと、プリントを実行するプリントエンジン130と、を備えて構成される。
また、ここでは、制御用回路基板110Bは、制御を司るCPU(Central Processing Unit)111と、該CPU111のワークエリアとして使用されるメモリ112と、検査装置200等の外部機器と接続されうるコネクタ113と、を備えて構成される。
また、ここで、スキャナ用回路基板120Bは、スキャンデータの入力画像処理を行う集積回路としての画像ASIC(Application Specific Integrated Circuit)121と、画像ASIC121のワークエリアとして使用されるメモリ122と、スキャンデータの色変換(RGB→YMCK)等の画像処理を行う集積回路としての画像ASIC123と、画像ASIC123のワークエリアとして使用されるメモリ124と、を備えて構成される。
また、ここで、プリント用回路基板130Bは、プリントデータの反転や回転等の画像処理を行う集積回路としての画像ASIC131と、画像ASIC131のワークエリアとして使用されるメモリ132と、プリントデータの出力処理等を行う集積回路としての画像ASIC133と、画像ASIC133のワークエリアとして使用されるメモリ134と、を備えて構成される。
なお、画像形成装置100において、複数の動作モードに応じた複数の回路基板としては、動作モードが各種設定やジョブ受付の場合は制御用回路基板110B、動作モードがスキャンの場合はスキャナ用回路基板120B、動作モードがプリントの場合はプリント用回路基板130B、を使用する。
また、動作モードがコピーの場合はスキャナ用回路基板120B及びプリント用回路基板130Bを使用する。なお、実際には、スキャン時、プリント時、コピー時には、制御用回路基板110Bも動作する。
また、検査装置200は、検査の装置の動作を制御する制御部201と、画像形成装置100内の複数の回路基板が正常である場合における動作時の正常温度分布の画像パターンが予め記憶される記憶部202と、画像形成装置100内の複数の回路基板の温度分布を非接触で測定して温度分布パターンを生成する測温部210と、表示画面データを表示すると共にオペレータからの検査についての指示入力を受け付ける操作表示部205と、を備えて構成される。
また、ここで、測温部210としては、例えば赤外線サーモグラフィが使用される。この赤外線サーモグラフィは、対象物から出ている赤外線放射エネルギーを光学的に非接触で検出・可視化して、温度分布に応じた画像パターン(温度分布パターン)を取得する装置である。
また、ここで、制御部201は、検査実行時に所定の手順で検査を実行するように検査制御プログラムを実行させ、測温部210で得られた温度分布パターンと正常な画像パターンとを比較して判定を行う判定部としての機能を有する。
なお、検査装置200において、測温部210が一体になっているように図示しているが、これに限定されず、赤外線サーモグラフィのようなカメラを検査装置200に対して外部接続するような構成であってもよい。
また、検査時において、画像形成装置100と検査装置200とは信号線300により接続される。ここで、画像形成装置100側では、制御用回路基板110B上のコネクタ113に信号線300が接続される。なお、この信号線300は、有線である場合を具体例にするが、無線通信あるいは光通信であることを妨げない。
図2は画像形成装置100において、複数の回路基板の配置の様子を示す斜視図である。ここでは、画像形成装置100の背面側のパネルを外した状態を示しており、制御用回路基板110Bと、スキャナ用回路基板120Bと、プリント用回路基板130Bとが、近接した状態で搭載された様子を示している。なお、複数の回路基板同士は、接続手段であるコネクタcntによって電気的に接続されている。また、検査装置200による検査実行時には、このようにして、画像形成装置100の背面側のパネルを外して、複数の回路基板が見える状態にして、測温部210により撮影を実行する。
〈動作〉
以下、図3のフローチャートを参照して、検査システムによる検査の動作を説明する。
まず、複数の回路基板を有する画像形成装置100の各回路基板を検査装置200により検査する際には、図2に示すように、画像形成装置100の背面側のパネル等を外し、複数の回路基板が見える状態にして、複数の回路基板全体を撮影可能に測温部210の撮影範囲を合わせる。
また、画像形成装置100と検査装置200との間を信号線300で接続する(図3中のステップS101、S201)。この場合、画像形成装置100側では、制御用回路基板110B上のコネクタ113に信号線300が接続される。また、検査装置200側では、測温部210と制御部201の両方、あるいは、制御部201のみに信号線300が接続される。
制御部110は、制御用回路基板110B上のコネクタ113に信号線300が接続されたことを検知すると、あるいは、制御用回路基板110B上のコネクタ113に信号線300が接続されて検査装置200と通信可能になったことを検知すると(図3中のステップS102でYES)、画像形成装置100の動作を通常モードから回路基板検査モードに移行させる(図3中のステップS103)。なお、ここでは、第1段階の回路基板通常検査モードとする。
この回路基板通常検査モードでは、制御部110は、画像形成装置100を上述した複数の動作モードのいずれかで動作させるよう制御する(図3中のステップS104)。画像形成装置100として、原稿を読み取ってスキャンデータを生成するスキャンモード、画像データをプリントするプリントモード、原稿を読み取って得たスキャンデータを画像データとしてプリントするコピーモード、の動作モードが存在する場合に、こ動作モードとしてはコピーモードを設定する。この状態では、制御部110は、操作表示部105に回路基板通常検査モードで動作中であることを表示し、必要に応じて、原稿皿に原稿を置くようにオペレータに対するメッセージを表示する。
ここでは、制御部110の制御により、画像形成装置100は、スキャナ光学部120で予め定められた枚数のスキャンを実行し、スキャナ用回路基板120Bではスキャンデータの入力画像処理や色変換処理などの画像処理を行う。また、ここでは、制御部110の制御により、制御用回路基板110Bでは、CPU111やメモリ112を中心にして各種の制御を行う。また、ここでは、制御部110の制御により、画像形成装置100は、スキャナ用回路基板120Bでプリントデータの各種画像処理やプリントデータの出力処理等を行い、プリントエンジン130で予め定められた枚数のプリントを行う。この予め定められた枚数の原稿スキャンと予め定められた枚数のプリントとにより、複数の回路基板が全体として一定の処理を実行して、熱を発生する。
以上の予め定められた枚数の原稿スキャンと予め定められた枚数のプリントとにより、複数の回路基板が全体として一定の処理を実行することで、処理を実行した素子を中心にして一定の熱を発生するため、温度が上昇した状態になる。このため、機能毎に処理回路が設けられている場合には、全ての処理回路に対応した処理を行うように、制御部110が制御を行う。
なお、基板上に故障した素子が存在すると、その素子周辺が動作せずに通常より低温になるか、あるいは、電流が通常より多く流れて高温になる、といった現象が現れやすい。なお、素子の故障以外に、不適切な素子が実装された場合にも同様の現象が起こりうる。
このような予め定められた枚数の原稿スキャンと予め定められた枚数のプリントとを実行した時点で、制御部110は、検査装置200の制御部201に対して、信号線300を経由して、回路基板通常検査モードの動作完了を通知する(図3中のステップS105でYES、S106)。
信号線300を経由して回路基板通常検査モードの動作完了の通知を受信(図3中のステップS202でYES)した制御部201は、測温部210により、回路基板110B、120B、130B全体を撮影して、温度分布パターンの画像を生成する(図3中のステップS203)。
ここで、制御部201は、予め記憶部202に記憶してある正常温度分布パターンを読み出し、測温部210で得られた温度分布パターンと比較を行う(図3中のステップS204)。
なお、記憶部202は、各動作モード毎における複数の回路基板が正常である場合の正常温度分布を記憶しているため、各動作モード毎に、正常温度分布と測温部210での測定結果とを比較して、複数の動作モードに応じた複数の回路基板中の不具合の原因となる回路基板を制御部201が適切に特定することが可能になる。
この場合、既知の画像処理におけるマッチングの手法を用いることができる。なお、制御部201は、比較の前に、測温部210で得られた温度分布パターンの画像について、必要に応じて画像処理を施しても良い。
なお、環境温度や画像形成装置100の状態によって測温部210で得られた温度分布パターンには若干の変動が生じる可能性がある。一方、回路基板の不具合による場合には、特定の回路基板や、回路基板内の特定の領域で温度変動が生じる。よって、このような全体の変動か一部の領域の変動かも加味して、制御部201は比較を行うことが望ましい。
比較により、測温部210により得られた温度分布パターンと予め記憶している正常温度分布パターンとが一致した場合には(図3中のステップS205でYES)、制御部201は回路基板が正常であると判定し、制御部201は操作表示部205に「検査結果=正常」などと表示して(図3中のステップS206)、回路基板検査モードの全ての動作を終了する(図3中のエンド)。
また、制御部110は、後述する制御部201からの回路基板詳細検査モードの通知を一定時間待っても受信しない場合には(図3中のステップS107でNO、S109でYES)、回路基板検査モードの全ての動作を終了し(図3中のエンド)、通常の画像形成モードに復帰するか、電源を自動的に遮断する。なお、制御部110は、操作表示部105に対して、信号線300の取り外し、背面側のパネルの取付を促す表示を行ってもよい。
一方、比較により、測温部210により得られた温度分布パターンと予め記憶している正常温度分布パターンとが不一致である場合には(図3中のステップS205でNO)、制御部201は回路基板が異常であると判定し、測温部210で得られた温度分布パターンと予め記憶している正常温度分布パターンの間で不一致が検出されているのが、回路基板110B,120B,130Bのいずれであるかを特定する(図3中のステップS207)。
そして、制御部201は操作表示部205に「検査結果=異常あり、異常箇所=xxx回路基板」などと表示する(図3中のステップS208)。
以上の異常箇所の特定により検査を終了する場合、すなわち回路基板通常検査モードのみの実行で回路基板詳細検査モードが不要である場合(図3中のステップS209でNO)には、回路基板検査モードの全ての動作を終了する(図3中のエンド)。また、制御部110でも、回路基板検査モードの全ての動作を終了する(図3中のステップS107でNO、S109でYES、エンド)。
なお、回路基板詳細検査モードとは、複数全ての回路基板ではなく、異常であると特定された回路基板について動作と撮影とを行い、その異常であると特定された回路基板の異常が再現されるか、その異常であると特定された回路基板内で異常部分はどこにあるか、を確認する第2段階の検査モードである。
この回路基板詳細検査モードを実行するか否かについては、オペレータが指定しても良いし、制御部201が自動的に判断しても良い。この回路基板詳細検査モードの実行有無についての制御部201による判断としては、測温部210により得られた温度分布パターンと予め記憶している正常温度分布パターンとの不一致について、不一致の温度差や不一致の範囲から異常が明らかであるである場合には回路基板詳細検査モードを不要と判断し、不一致の温度差や不一致の範囲が小さい場合には回路基板詳細検査モードを必要と判断してもよい。
回路基板詳細検査モードの実行を行う場合には(図3中のステップS209でYES)、制御部201は、回路基板通常検査モードから回路基板詳細検査モードに検査モードを変更(図3中のステップS210)し、この回路基板詳細検査モードへの変更を信号線300を介して制御部110に通知する(図3中のステップS211)。
この通知を受けた制御部110は(図3中のステップS107でYES)、回路基板通常検査モードから回路基板詳細検査モードに検査モードを変更(図3中のステップS108)し、異常と特定された回路基板を使用する動作モードで画像形成装置100を動作させるよう制御する(図3中のステップS104)。
例えば、制御部201によりスキャナ用回路基板120Bが異常であると特定された場合には、制御部110の制御により、画像形成装置100は、スキャナ光学部120で予め定められた枚数のスキャンを実行し、スキャナ用回路基板120Bではスキャンデータの入力画像処理や色変換処理などの画像処理を行う。なお、この際には、制御用回路基板110Bも各種制御処理を行う。
また、制御部201によりプリント用回路基板130Bが異常であると特定された場合には、制御部110の制御により、画像形成装置100は、プリントエンジン130で予め定められた枚数のプリントを実行し、プリントエンジン130ではプリントデータの画像処理や出力処理などを行う。なお、この際には、制御用回路基板110Bも各種制御処理を行う。
以上の予め定められた枚数の原稿スキャンまたは予め定められた枚数のプリントにより、異常であると特定された回路基板が一定の処理を実行することで、処理を実行した素子を中心にして一定の熱を発生するため、温度が上昇した状態になる。
このような予め定められた枚数の原稿スキャンまたは予め定められた枚数のプリントを実行した時点で、制御部110は、検査装置200の制御部201に対して、信号線300を経由して、回路基板詳細検査モードの動作完了を通知する(図3中のステップS105でYES、S106)。
信号線300を経由して回路基板通常検査モードの動作完了の通知を受信(図3中のステップS202でYES)した制御部201は、測温部210により、回路基板詳細検査モードとして、異常であると特定された回路基板(スキャナ用回路基板120Bまたはプリント用回路基板130Bのいずれか)と制御用回路基板110Bとを撮影して、温度分布パターンの画像を生成する(図3中のステップS203)。この場合、全ての回路基板を撮影する回路基板通常検査モードよりも、特定の回路基板を撮影する回路基板詳細検査モードでの撮影は、高解像度の温度パターンを得ることができる。
そして、制御部201は、予め記憶部202に記憶してある正常温度分布パターンを読み出し、異常と特定された回路基板について、測温部210で得られた温度分布パターンと比較を行う(図3中のステップS204)。この場合、全ての回路基板の領域について温度分布パターンと正常温度分布パターンとを比較する場合よりも、より詳細に比較することが可能になる。
この回路基板詳細検査モードでの比較により、測温部210により得られた温度分布パターンと予め記憶している正常温度分布パターンとが不一致である場合には(図3中のステップS205でNO)、異常と特定された回路基板中のどの部分であるかを特定する(図3中のステップS207)。
この回路基板詳細検査モードでは、異常と特定された回路基板を中心にして高解像度の比較を行っているため、例えば、スキャナ用回路基板中の画像ASIC121付近が異常領域、のように特定を行う。そして、制御部201は操作表示部205に、回路基板詳細検査モードの検査結果として特定された異常箇所を表示する(図3中のステップS208)。
以上の回路基板詳細検査モードによる異常箇所の特定により、回路基板検査モードの全ての動作を終了する(図3中のステップS209でNO、図3中のエンド)。また、制御部110でも、回路基板検査モードの全ての動作を終了する(図3中のステップS107でNO、S109でYES、エンド)。
なお、回路基板通常検査モードで制御用回路基板110Bが異常であると特定された場合には、スキャナ用回路基板120Bに対する回路基板詳細検査モードの実行と、プリント用回路基板130Bに対する回路基板詳細検査モードの実行とを順番に行う。これにより、スキャナ用回路基板120Bとプリント用回路基板130Bとには異常がないことが確認できると共に、制御用回路基板110B内の異常箇所を特定することができる。
以上説明してきたように、この回路基板検査システムでは、複数の動作モードに応じた複数の回路基板中の不具合の原因となる回路基板を適切に特定することが可能になる。
また、画像形成装置100を、検査装置200で検査する際には、画像形成装置100側でコピーモードを実行することにより、複数の動作モードに応じた複数の回路基板について、不具合の原因となる回路基板を適切に特定することが可能になる。
〈その他の実施形態〉
以上の動作説明では、予め定められた枚数の原稿スキャンまたは予め定められた枚数のプリントを実行した時点で温度分布パターンを測定するようにしていたが、これに限定されるものではない。
例えば、予め定められた枚数の原稿スキャンや予め定められた枚数のプリントを実行中にも測温部210による撮影を行って、温度分布パターンの変化の様子から異常を検知することも可能である。例えば、動作開始直後に正常温度分布パターンよりも急激に温度が上昇するといった時系列の情報から異常を判断することもできる。
また、電源はオンしているものの予め定められた枚数の原稿スキャンや予め定められた枚数のプリントを実行する前に測温部210による撮影を行って、処理実行前の正常温度分布パターンと比較して、この処理実行前の温度分布パターンから異常を検知することも可能である。例えば、処理実行前に既に温度が上昇しているといった状態から異常を判断することもできる。
また、予め定められた枚数の原稿スキャンや予め定められた枚数のプリントを実行した後の温度が低下する様子を測温部210による撮影を行って、処理実行後の温度低下中の正常温度分布パターンと比較して、この処理実行後の温度分布パターンから異常を検知することも可能である。例えば、処理実行後に一定時間が経過しても温度が低下しないといった状態から異常を判断することもできる。
100 画像形成装置
110 制御部
110B 制御用回路基板
120 スキャナ光学部
120B スキャナ用回路基板
130 プリントエンジン
130B プリント用回路基板
200 検査装置
201 制御部
202 記憶部
210 測温部

Claims (10)

  1. 複数の動作モードに応じた複数の回路基板を有する画像形成装置と、前記複数の回路基板の異常を非接触で検出する検査装置と、を備える回路基板検査システムであって、
    前記検査装置は、前記複数の回路基板の温度分布を測定する測温部と、前記複数の回路基板が正常である場合における正常温度分布が予め記憶される記憶部と、前記正常温度分布と前記測温部での測定結果とを比較して前記複数の回路基板の異常を判定する判定部と、を有し、
    前記画像形成装置は、前記回路基板が前記検査装置により検査される際には、前記複数の動作モードのいずれかで動作する、
    ことを特徴とする回路基板検査システム。
  2. 前記画像形成装置は、
    スキャン用回路を搭載したスキャン用回路基板と、プリント用回路を搭載したプリント用回路基板と、を少なくとも有し、
    前記複数の動作モードは、前記スキャン用回路基板を使用するスキャンモードと、前記プリント用回路基板を使用するプリントモードと、前記スキャン用回路基板と前記プリント用回路基板を使用するコピーモードと、を少なくとも有し、
    前記回路基板の検査時における動作モードとして、前記コピーモードを実行する、
    ことを特徴とする請求項1記載の回路基板検査システム。
  3. 前記画像形成装置は、前記回路基板の検査時における動作モードとして、予め定められた枚数のスキャンと予め定められた枚数のプリントを実行する、
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の回路基板検査システム。
  4. 前記画像形成装置は、前記検査装置の接続を検知して、検査時における動作モードに移行する、
    ことを特徴とする請求項1−3のいずれか一項に記載の回路基板検査システム。
  5. 前記画像形成装置は、前記検査装置からの指示を受信して、検査時における動作モードに移行する、
    ことを特徴とする請求項1−3のいずれか一項に記載の回路基板検査システム。
  6. 前記画像形成装置は、前記動作モードの完了を前記検査装置に通知し、
    前記検査装置は、前記動作モードの完了の通知を前記画像形成装置から受信して、前記測温部が測定を行う、
    ことを特徴とする請求項1−3のいずれか一項に記載の回路基板検査システム。
  7. 前記画像形成装置は、
    前記複数の回路基板のいずれかに画像処理を実行する画像処理用回路を搭載しており、
    前記回路基板の検査時における動作モードとして、前記画像処理用回路を用いた画像処理を実行する、
    ことを特徴とする請求項1−6のいずれか一項に記載の回路基板検査システム。
  8. 前記検査装置は、前記判定部によりいずれかの回路基板が異常と判断された場合には、異常と判断された回路基板についての検査結果を前記画像形成装置に通知すると共に検査を続行し、
    前記画像形成装置は、前記通知を受信した場合には、異常と判断された回路基板を動作させる、
    ことを特徴とする請求項1−7のいずれか一項に記載の回路基板検査システム。
  9. 前記記憶部は、前記各動作モード毎に前記複数の回路基板が正常である場合における正常温度分布を記憶している、
    ことを特徴とする請求項1−8のいずれか一項に記載の回路基板検査システム 。
  10. 複数の回路基板の温度分布を測定する測温部、前記複数の回路基板が正常である場合における正常温度分布が予め記憶される記憶部、及び前記正常温度分布と前記測温部での測定結果とを比較して前記複数の回路基板の異常を判定する判定部を有する検査装置により、前記複数の回路基板の異常が非接触で検出される画像形成装置であって、
    前記画像形成装置は、
    スキャン用回路を搭載したスキャン用回路基板と、プリント用回路を搭載したプリント用回路基板と、を少なくとも有し、
    前記スキャン用回路基板を使用するスキャンモードと、前記プリント用回路基板を使用するプリントモードと、前記スキャン用回路基板と前記プリント用回路基板を使用するコピーモードと、を複数の動作モードとして有し、
    前記回路基板の検査時には前記コピーモードを実行する、
    ことを特徴とする画像形成装置。
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