JP5903185B1 - 凸部付きテーパペール容器 - Google Patents

凸部付きテーパペール容器 Download PDF

Info

Publication number
JP5903185B1
JP5903185B1 JP2015175434A JP2015175434A JP5903185B1 JP 5903185 B1 JP5903185 B1 JP 5903185B1 JP 2015175434 A JP2015175434 A JP 2015175434A JP 2015175434 A JP2015175434 A JP 2015175434A JP 5903185 B1 JP5903185 B1 JP 5903185B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
container
pail
ear
bead
tapered
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015175434A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017052519A (ja
Inventor
浩一 村尾
浩一 村尾
利男 林
利男 林
Original Assignee
新邦工業株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 新邦工業株式会社 filed Critical 新邦工業株式会社
Priority to JP2015175434A priority Critical patent/JP5903185B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5903185B1 publication Critical patent/JP5903185B1/ja
Publication of JP2017052519A publication Critical patent/JP2017052519A/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Stackable Containers (AREA)
  • Rigid Containers With Two Or More Constituent Elements (AREA)
  • Details Of Rigid Or Semi-Rigid Containers (AREA)

Abstract

【課題】容器の強度や使い勝手を変更することなく、且つ、輸送時に荷崩れしたり、イヤー部等の容器の一部が損傷したりするおそれがなく、極限まで上下方向に多積みして積載効率を高めることが可能な凸部付きテーパペール容器を提供する。【解決手段】テーパが付いた側壁(側周壁20)と底板21とを有する容器本体2と、この容器本体2を提げるための手提げ用の取っ手3と、を備えたテーパペール容器1であって、側壁(側周壁20)には、変形防止のためにビード23などの外側へ突出する水平方向に沿った帯状の凸部が形成されているとともに、取っ手3を側壁(側周壁20)に揺動自在に支持するイヤー部4が取り付けられており、凸部(ビード23)は、その下端がイヤー部4の下端より低い位置となるように形成され、且つ、凸部(ビード23)には、イヤー部4近傍でイヤー部4を上方に迂回するように迂回部24が形成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、手提げ用の取っ手を有し、テーパが付いて多積み運搬可能なテーパペール容器(ペール缶)に関し、詳しくは、容器の胴体部分である側壁にビードやリブなどの補強用の凸部が成形された凸部付きテーパペール容器に関する。
従来、液体や流動体などの内容物を保管、搬送するための容器として、手提げ用の取っ手(把手)を有したバケツ状の容器であるペール缶が知られている。また、このようなペール缶のうち、内容物が入れられる前の蓋なしのオープン状態で容器(缶)のみで輸送する際の輸送効率を考慮して、上下に複数のペール缶を積み重ねて多積み可能とするため、容器(缶)の胴体部分となる側周壁の径が上方へ行くに従って大きくなるようにテーパが付けられたテーパペール缶も知られている。なお、テーパペールのことを省スペースであることを強調するため、スタッカータイプ、又はスタッカーペール缶と呼ぶ場合もある。
また、鋼製やステンレス製などの金属製のペール缶だけではなく、樹脂(プラスチック)製のペール容器も知られている。そして、内容物に応じて胴体部分の側周壁の強度を上げるため、ビードやリブなどの凸部加工が施された凸部付きテーパペール容器も知られている。
このような凸部付きテーパペール容器としては、例えば、特許文献1に、本願出願人が出願した、円筒状にロールフォーミング成型された鋼板27の両周端部28を互いにシーム溶接して構成され、缶底部に地板が巻締められてなる収納缶であって、最上部に位置する開口部外側に巻き込み突出形成された湾曲形状の固定縁部11と、固定縁部11の下段において外側に突出形成された湾曲形状のビード12とを備え、更に上から積み重ねる一の当該収納缶1におけるビード12に、下側から受ける他の当該収納缶1における固定縁部11を係止させることにより互いに上下に積み重ね可能に構成され、ビード12は、少なくともシーム溶接された周端部28において外側への突出量が低減されてなる収納缶が開示されている(特許文献1の特許請求の範囲の請求項1、明細書の段落[0016]〜[0022]、図面の図5、図6等参照)。
しかし、特許文献1に記載の収納缶は、一般的に、上下2本のビード12の中間高さに、取っ手のイヤー部が溶接されるものであり、ペール缶を上下に積み重ねて多積みして、コンテナ船などの限られた高さ空間で輸送する場合に、多積みできる容器の個数が少なく積載効率が悪くなってしまい、結果的に輸送費が嵩んでしまうという問題があった。
また、特許文献2には、金属製オープンペール缶であって、缶本体1は、上端の開口周縁が外側へ巻き込むカール部13を形成し、少なくとも把手取付金具4の固着位置よりも下位側が下方へ縮径すると共に、その下位側には周方向に沿って外側へ膨出する環状ビード部11aを有さず、把手取付金具4の下端部と缶本体1の外周面との間に隙間tが構成され、緩衝カバー部51に係止突片52,53を一体形成した合成樹脂又は合成ゴム成形物からなる緩衝部材5が、その係止突片を隙間tから把手取付金具4の内側へ挿嵌することにより、緩衝カバー部51が把手取付金具4の下面側を覆うように係着されてなり、従来品に比して積重ね状態の嵩を大幅に低減でき、積重ね荷重及び積重ね時の衝当による凹みや傷の発生を防止し得るとされている金属製オープンペール缶P1,P2が開示されている(特許文献2の特許請求の範囲の請求項1、明細書の段落[0016]〜[0025]、図面の図5、図10等参照)。
しかし、特許文献2に記載の金属製オープンペール缶は、積載効率を高めるために上下方向に多積みした場合、容器本体(缶本体1)に溶接したイヤー部(把手取付金具4)で多積みしたペール缶の荷重を支えることとなるため、緩衝部材5を介在させたとしても、イヤー部(把手取付金具4)やイヤー部周りの容器本体が変形してしまうおそれがあるという問題があった。
その上、特許文献2に記載の金属製オープンペール缶では、イヤー部(把手取付金具4)において、シーソー状態の2点支持で支持することとなるため、多積みしたペール缶が輸送時に傾いて荷崩れしてしまうおそれがあり、その点でも使用前のペール缶が損傷してしまうおそれがあるという問題があった。それに加え、特許文献2に記載の金属製オープンペール缶では、変形防止のための環状ビード部11aが上端付近に1本設けるだけであるため、その点でも、輸送時や内容物の充填時においてペール缶が損傷してしまうおそれがあるという問題があった。
また、特許文献1に記載の収納缶の容器全体において、イヤー部の取り付け位置を相対的に上げて、上下に多積みする場合の積載効率を上げることも考えられるが、取っ手の位置と容器内容物とのバランスが崩れ、内容物を充填して持ち歩く際の使い勝手が悪くなってしまうという問題があった。それに加え、容器全体の強度が低下するおそれがあるという問題や、ビードなどの凸部加工が上端付近だけに限られてしまい、容器側周壁の上下方向中間部分の変形を効率的に防止できないという問題もあった。
特開2008−195417号公報 特開2015−113155号公報
そこで、本発明は、前述した問題に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、容器の強度や使い勝手を変更することなく、且つ、輸送時に荷崩れしたり、イヤー部等の容器の一部が損傷したりするおそれがなく、極限まで上下方向に多積みして積載効率を高めることが可能な凸部付きテーパペール容器を提供することにある。
第1発明に係る凸部付きテーパペール容器は、テーパが付いた側壁と底板とを有する容器本体と、この容器本体を提げるための手提げ用の取っ手と、を備えたテーパペール容器であって、前記側壁には、変形防止のためにビードなどの外側へ突出する水平方向に沿った帯状の凸部が形成されているとともに、前記取っ手を前記側壁に揺動自在に支持するイヤー部が取り付けられており、前記凸部は、その下端が前記イヤー部の下端より低い位置となるように形成され、且つ、前記凸部には、前記イヤー部近傍で前記イヤー部を上方に迂回するように迂回部が形成されていることを特徴とする。
第2発明に係る凸部付きテーパペール容器は、第1発明において、前記迂回部は、水平方向に沿った帯状の上辺部と、この上辺部に対して傾斜した斜辺部を有することを特徴とする。
第3発明に係る凸部付きテーパペール容器は、テーパが付いた側壁と底板とを有する容器本体と、この容器本体を提げるための手提げ用の取っ手と、を備えたテーパペール容器であって、前記側壁には、変形防止のためにビードなどの外側へ突出する水平方向に沿った帯状の凸部が形成されているとともに、前記取っ手を前記側壁に揺動自在に支持するイヤー部が取り付けられており、前記凸部は、その下端が前記イヤー部下端より低い位置となるように形成され、且つ、前記凸部は、一直線の帯状で前記イヤー部近傍及び前記イヤー部の下方には形成されておらず環状になっていないことを特徴とする。
第4発明に係る凸部付きテーパペール容器は、第1発明ないし第3発明のいずれかの発明において、前記容器本体は、鋼製であることを特徴とする。
第1発明〜第発明によれば、ペール容器を上下に積載している状態では、ビードなどの外側へ突出する水平方向に沿った帯状の凸部と、容器の上端とが凸部の全長に亘り当接してイヤー部と凸部とは接触していない状態で多積みされているので、輸送時に荷崩れしたり、イヤー部等の容器の一部が損傷したりするおそれがなく、極限まで上下方向に多積みして積載効率を高めることができる。
また、第1発明〜第発明によれば、イヤー部の容器本体に対する相対的な取り付け位置を変更していないため、容器の強度が低下したり、使い勝手が悪くなったりするおそれがない。その上、第1発明〜第5発明によれば、容器本体の上端に通常ロール成形される縁部とは別に、空容器の積載効率を高めることができる範囲で可能な限り下方へ凸部を成形しているので、容器本体の曲げ強度が高く、内容物を充填して運搬する際の変形を効果的に防止することができる。
特に、第2発明によれば、前記作用効果に加え、迂回部の成形が容易であり、凸部の加工費用があまり嵩むことなく、凸部の迂回部の成形が可能となる。また、凸部加工の不具合の発生率が低下して歩留まりが向上し、結果的にペール容器の製品単価を低減することができる。
特に、第4発明によれば、前記作用効果に加え、容器本体は、鋼製であるので、様々な内容物を収容できるとともに、ペール容器(缶)を安価に製作することができ、更に、ペール容器の製品単価を低減することができる。
本発明の第1実施形態に係る凸部付きテーパペール容器を示す斜視図である。 同上のペール容器をイヤー部が中心となるように示した正面図である。 同上のペール容器を中央鉛直面で切断して示す鉛直断面図である。 同上のペール容器を上方から見下ろした状態で示す平面図である。 同上のペール容器のイヤー部を示す図面であり、(a)が拡大正面図、(b)が水平断面図である。 同上のペール容器を2段積みした状態で上部のみを示す鉛直断面図である。 図6の鉛直断面図の一部を拡大して示す部分拡大断面図である。 ペール容器を多積みした状態を示す正面図であり、(a)が従来のペール容器(特許文献1相当)を多積みした状態を示す正面図、(b)が第1実施形態に係る凸部付きテーパペール容器を示す正面図である。 従来の他のペール容器(特許文献2相当)を多積みした状態を示す正面図である。 同上の従来のペール容器(特許文献2相当)を多積みした状態を示す写真である。 本発明の第2実施形態に係る凸部付きテーパペール容器を示す斜視図である。 同上のペール容器をイヤー部が中心となるように示した正面図である。 同上のペール容器を中央鉛直面で切断して示す鉛直断面図である。 同上のペール容器を2段積みした状態で示す鉛直断面図である。 図14の鉛直断面図の一部を拡大して示す部分拡大断面図である。
以下、本発明に係る凸部付きテーパペール容器を実施するための一実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
[第1実施形態]
先ず、図1〜図10を用いて、本発明の第1実施形態に係る凸部付きテーパペール容器について説明する。図1、図2に示すように、本発明の第1実施形態に係る凸部付きテーパペール容器1は、鋼製の容器本体2と、この容器本体を提げるための手提げ用の取っ手3などを備え、液体や流動体などの内容物が容器本体2に後から充填され、内容物を保管、搬送するための容器として用いられるバケツ状の天蓋取外し式の蓋なし(オープン)鋼製ペール缶である。
<容器本体>
容器本体2は、図1〜図4に示すように、容器本体2の胴体部分となる略円筒状の側周壁20と、この側周壁20の下端にカシメ止められた円盤状の鋼板からなる底板21などから構成されている。
(側周壁)
この側周壁20は、0.34mm〜0.6mm程度の薄板の矩形の鋼板からロール成形されて、矩形の端部同士がシーム溶接等で接合され円筒状に成形された後、エキスパンダー等で上方に行くに従って徐々に拡径するように成形されたテーパ付きの円筒体(逆円錐台の側周面に相当)である。
本本実施形態に係る容器本体2の側周壁20は、上端開口の内径の直径が285mmで、下端開口の内径の直径が272mmとなっており、高さが361mmである。つまり、本実施形態に係る容器本体2の高さも、361mmとなっている。
このように、図示ペール容器1は、容器本体2の胴体部分となる側周壁20の径が上方へ行くに従って大きくなるようにテーパが付けられたテーパペール缶であり、上下に複数のペール缶を積み重ねて多積み可能となったスタッカータイプである。
また、この側周壁20の上端の縁部は、鋼板の切断した鋭利な端部が露出しないように、且つ、上端の曲げ強度を向上させるために、スピンカール等でロール成形されて丸められたカール縁22となっている。
(ビード)
そして、この側周壁20には、容器本体2内に内容物を充填して搬送する際などにおいて、凹みなどの容器の変形を防止するために強度を上げことを目的として、容器本体2の外側へコルゲート(波形)状に湾曲して突出する凸部である帯状のビード23(Bead)が、水平方向に沿って形成されている。
その上、このビード23には、後述のイヤー部4を上方に迂回するように迂回部24が形成されており、本実施形態に係る迂回部24には、水平方向に沿った帯状の上辺部24aと、この上辺部24aに対して傾斜した斜辺部24bなどが設けられている。つまり、このビード23は、迂回部24が略台形の富士山型となったビードであり、迂回部24を除く一般部23aが水平な一直線の帯状となっているビードである。勿論、迂回部の形状は、イヤー部4を迂回していれば、略台形の富士山型以外も適用可能である。
但し、本実施形態に係るペール容器1のうように、上辺部24aと一般部23aの2本の帯状のビードから形成されていると、迂回部24の成形が容易であり、凸部の加工費用があまり嵩むことなく、迂回部24の成形が可能となる。また、ビードの凸部加工の不具合の発生率が低下して歩留まりが向上し、結果的にペール容器1の製品単価を低減することができる。
そして、図3に示すように、このビード23は、その下端が後述のイヤー部4の下端より低い位置となるように形成されている。即ち、イヤー部4の下端が、側周壁20(容器本体2)の上端から距離H1の高さに取り付けられ、ビード23の下端である一般部23aの下端が、側周壁20(容器本体2)の上端から距離H2の高さに形成されている場合、H1<H2となっている。
本実施形態に係るペール容器1では、距離H1=77mmであり、距離H2=81mmである。また、一般部23aの最も高い中央の高さは、側周壁20の上端から73mmで、上辺部24aの最も高い中央の高さは、側周壁20の上端から28mmであり、ビード23は、45mm上方へ迂回している。
(底板)
底板21は、図3、図4に示すように、側周壁20と同様の薄板の円盤状の鋼板からなり、曲げ剛性を確保するため、上方へコルゲート(波形)状に湾曲して突出するリング状の3つのリング状ビード25,26、27が形成されている。また、底板21の縁部28は、下方へ折り曲げられて側周壁20の下端の縁にカシメ止められて、接合されている。
<取っ手>
取っ手3は、図1、図2等に示すように、鋼線(鋼棒)からなる取っ手本体30と、この取っ手本体30に外嵌された樹脂材からなる筒状の握り手31などからなり、容器本体2にカップ状の鋼製金具である後述のイヤー部4で揺動自在に止め付けられている。
<イヤー部>
このイヤー部4は、図5に示すように、側周壁20と同様の薄板の鋼板からカップ状に成形されたイヤー部本体40と、このイヤー部本体40の左右の側部に添設された側周壁20との溶接の際に用いられる溶接用の溶接鍔41など、からなり、イヤー部本体40の中央には、取っ手本体30を揺動自在に掛け止める取っ手孔42が穿設されている。
このイヤー部4の側周壁20への取付は、溶接ガンを用いて溶接鍔41を熱溶解して側周壁20と一体化させ溶接する。このとき、溶接鍔41と側周壁20の当接部分は、直線状であり、確実に溶接鍔41を側周壁20へ溶接することができる。なお、イヤー部4は、溶接ガンを用いて側周壁20に溶接されるのではなく、溶接鍔41の代わりにもう少し幅の広い鍔を設けてリベット止めされていてもよい。
このように、本実施形態に係るペール容器1よれば、溶接ガンを用いてイヤー部4を容易且つ確実に溶接することができるので、イヤー部4の取り付け手間を低減して、ペール容器1の製品単価を低減することができる。また、ペール容器1よれば、イヤー部4の近傍には、ビード23が形成されていないので、溶接ガンによる溶接が容易であり、極めて短時間でイヤー部の取り付けを完了することができる。イヤー部4をリベット止めする場合も同様に、イヤー部4の近傍にビード23が形成されていないので、リベット止めが容易である。
なお、本実施形態に係るペール容器1では、従来のペール容器と同様に、取っ手孔42の中心が、側周壁20の上端から62.5mmとなる位置に、イヤー部4が取り付けられている。よって、イヤー部4の容器本体2に対する相対的な取り付け位置を変更していないため、容器の強度が低下したり、使い勝手が悪くなったりするおそれもない。
[多積み状態]
次に、図6〜図10を用いて、前述の第1実施形態に係る凸部付きテーパペール容器1を上下に複数段積み重ねて多積みした状態について詳細に説明する。
図6、図7に示すように、前述のペール容器1の上に、別のペール容器1をもう1段重ねた場合、1段目のペール容器1の容器本体2の上端である側周壁20のカール縁22の内周面に、2段目のペール容器1のビード23(一般部23a)が当接して、1段目のペール容器1の上に、2段目のペール容器1が載置されることとなる。
このとき、前述のように、イヤー部4は、その下端、即ち、イヤー部本体40の下端が、容器本体2の上端(カール縁22の上端)から距離H1(H1=77mm)の高さに取り付けられており、且つ、ビード23は、その下端、即ち、一般部23aの下端が、容器本体2の上端(カール縁22の上端)から距離H2(H2=81mm)の高さに形成されているとともに、H1<H2となっている。
このため、第1実施形態に係る凸部付きテーパペール容器1によれば、ペール容器1を上下に積み重ねた場合でも、上端のペール容器1のイヤー部4に、下段のペール容器1が当接しない。よって、本実施形態に係るペール容器1によれば、多積みした場合であってもイヤー部4が損傷したりするおそれがない。また、このとき、H1<H2を満たし、且つ、H1がH2に限りなく近くになっていれば、ビード23による容器本体2の強度を効果的に強化することと、ペール容器1の積み重ねの積載効率を向上させることの両立を図ることができるため好ましい。
次に、コンテナ船のような限られた空間において、前述の特許文献1のような従来のペール容器P1を上下に積み重ねた場合と、本実施形態に係るペール容器1を上下に積み重ねた場合とで、積み重ねられる段数の違いについて検証してみた。
具体的には、一般的なコンテナである40フィートのコンテナサイズはW=2,349mm×H=2,382mm×L=12,004mmであるため、高さ2,382mmの空間に従来のペール容器P1と本実施形態に係るペール容器1が、何段詰めるかを検証してみた。
図8に示すように、1段目の高さは、従来のペール容器P1及び本実施形態に係るペール容器1いずれも361mmで同じである。しかし、従来のペール容器P1は、2段ビードの下のビードの下端までの容器上端からの距離H3が114mmであり(表1参照)、前述のように、ペール容器1のビード23の下端までの容器本体2の上端からの距離H2が81mmであるから、2段目以降は、距離H3と、距離H2とがそれぞれ加算されていくこととなる。
計算すると、下記の表1に示すように、従来のペール容器P1では、19段目でコンテナの内寸高さH=2,382mmを超えることとなる。一方、本実施形態に係るペール容器1では、26段目でコンテナの内寸高さを超えることとなる。よって、図8に示すように、コンテナ内に従来のペール容器P1は、18段しか積めないのに対して、本実施形態に係るペール容器1では、25段積めることとなる。なお、表1の計算では、念のため、H2=81.5mmで計算している。また、表記した数値はmmであり、表1の従来品が従来のペール容器P1であり、実施形態がペール容器1である。
つまり、本実施形態に係るペール容器1によれば、従来品であるペール容器P1が高さH=2,382mmのコンテナにおいて18段積める場合において従来品と比べて7段多く積めることとなる。即ち、ペール容器1によれば、従来と比べて、40%(7/18≒0.39)近く積載効率が向上することとなる。このため、ペール容器1によれば、ペール容器1の輸送コストをその分削減することができる。
図9は、特許文献2で説明した従来のペール容器P2を複数段積み重ねた状態を示す図であり、図10は、従来のペール容器P2を複数段積み重ねた状態を示す写真である。ペール容器P2は、イヤー部で多積みしたペール缶の荷重を支える構造であるため、背景技術で述べたように、ペール容器P2では、シーソー状態のイヤー部での2点支持で支持することとなるため、図9、図10から明らかなように、上方へ行くに従って傾いてしまう。このため、多積みしたペール缶が輸送時に傾いて荷崩れしてしまうおそれがあり、使用前のペール缶が損傷してしまうおそれがある。その上、多積みしたペール缶が傾いて接触する可能性があるため、幅方向において間隔をあける必要性があり、積載効率が低下する。
これに対して、本実施形態に係るペール容器1によれば、容器本体2を略一周する一般部23aと、カール縁22のとの接触で支持しているため、ペール容器1を上下に積み重ねた状態でも安定的に載置可能である。このため、ペール容器1によれば、多積みした場合であっても輸送時において荷崩れするおそれがなく、この点でもペール容器1が損傷するおそれがない。また、幅方向において間隔をあける必要性がなく、積載効率が向上する。
また、本実施形態に係るペール容器1によれば、容器本体2の上端のカール縁22とは別に、空容器の積載効率を高めることができる範囲で可能な限り下方の位置にビード23(一般部23a)を成形しているので、容器本体2の曲げ強度が高く、内容物を充填して運搬する際の変形を効果的に防止することができる。
次に、図11〜図15を用いて、本発明の第2実施形態に係る凸部付きテーパペール容器1’について説明する。前述の第1実施形態に係る凸部付きテーパペール容器1と相違する点は、容器本体に形成されたビードの形状だけなので、主に、その点についてのみ説明し、同一構成は同一符号を付し、説明を省略する。
図11〜図15に示すように、第2実施形態に係る凸部付きテーパペール容器1’の容器本体2の側周壁20’には、容器本体2’の外側へコルゲート(波形)状に湾曲して突出する凸部である帯状のビード23’が、水平方向に沿って形成されている。
しかし、このビード23’は、第1実施形態に係る側周壁20のビード23と相違して、イヤー部4を上方に迂回するように迂回部が形成されておらず、前述のビード23の一般部23aと同様の一般部23a’が一直線の帯状に延び、イヤー部4近傍で徐々に外側への突出高さが低くなって切断され、イヤー部4の周りにはビードが形成されていない形状である。
このような一直線の帯状でイヤー部4の周りにはビードが形成されていない形状のビード23’であっても、その下端がイヤー部4の下端より低い位置となるように形成されており、即ち、イヤー部4の下端が、側周壁20’(容器本体2’)の上端から距離H1の高さに取り付けられ、ビード23’の下端である一般部23a’の下端が、側周壁20’(容器本体2’)の上端から距離H2の高さに形成されている場合、H1<H2となっている点は、第1実施形態に係るペール容器1と同様である。
このため、第2実施形態に係る凸部付きテーパペール容器1’も、第1実施形態に係るペール容器1と同様に、前述の作用効果を奏することができ、従来と比べて、40%(7/18≒0.39)近く積載効率が向上することができる。このため、ペール容器1’によれば、ペール容器1の輸送コストをその分削減することができる。
また、ペール容器1’によれば、ペール容器1と同様に、容器本体2’を略一周する一般部23a’と、カール縁22のとの接触で支持しているため、ペール容器1’を上下に積み重ねた状態でも安定的に載置可能である。このため、ペール容器1’によれば、多積みした場合であっても輸送時において荷崩れするおそれがなく、この点でもペール容器1が損傷するおそれがない。
また、ペール容器1’によれば、容器本体2’の上端のカール縁22とは別に、空容器の積載効率を高めることができる範囲で可能な限り下方へビード23’(一般部23a’)を成形しているので、容器本体2’の曲げ強度が高く、内容物を充填して運搬する際の変形を効果的に防止することができる。
以上、本発明の実施形態に係る凸部付きテーパペール容器について詳細に説明したが、前述した又は図示した実施形態は、いずれも本発明を実施するにあたって具体化した一実施形態を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。
特に、本発明の実施形態に係るペール容器としてテーパ付き円筒体からなるバケツ状のペール缶を例示して説明したが、テーパが付いたものであれば、一般的な一斗缶のように角形の缶にも適用することができる。また、鋼製のペール缶ではなくプラスチックなどの樹脂製の容器にも適用することができる。樹脂ペール容器の場合、凸部として例示したビードではなく、補強用のリブなどの凸部を用いても構わない。但し、実施形態に係る凸部付きテーパペール容器のように、鋼製のペール缶とすれば、様々な内容物を収容可能であるとともに、ペール容器(缶)を安価に製作することができる。
1,1’ :ペール容器
2,2’ :容器本体
20,20’ :側周壁(側壁)
21 :底板
22 :カール縁(縁部)
23,23’ :ビード(凸部)
23a,23a’ :一般部
24 :迂回部
24a :上辺部(迂回部)
24b :下辺部(迂回部)
25,26,27 :リング状ビード
28 :縁部
3 :取っ手
30 :取っ手本体
31 :握り手
4 :イヤー部
40 :イヤー部本体
41 :溶接鍔
42 :取っ手孔
P1,P2 :従来のペール容器

Claims (4)

  1. テーパが付いた側壁と底板とを有する容器本体と、この容器本体を提げるための手提げ用の取っ手と、を備えたテーパペール容器であって、
    前記側壁には、変形防止のためにビードなどの外側へ突出する水平方向に沿った帯状の凸部が形成されているとともに、前記取っ手を前記側壁に揺動自在に支持するイヤー部が取り付けられており、
    前記凸部は、その下端が前記イヤー部の下端より低い位置となるように形成され、且つ、前記凸部には、前記イヤー部近傍で前記イヤー部を上方に迂回するように迂回部が形成されていること
    を特徴とする凸部付きテーパペール容器。
  2. 前記迂回部は、水平方向に沿った帯状の上辺部と、この上辺部に対して傾斜した斜辺部を有すること
    を特徴とする請求項1に記載の凸部付きテーパペール容器。
  3. テーパが付いた側壁と底板とを有する容器本体と、この容器本体を提げるための手提げ用の取っ手と、を備えたテーパペール容器であって、
    前記側壁には、変形防止のためにビードなどの外側へ突出する水平方向に沿った帯状の凸部が形成されているとともに、前記取っ手を前記側壁に揺動自在に支持するイヤー部が取り付けられており、
    前記凸部は、その下端が前記イヤー部下端より低い位置となるように形成され、且つ、前記凸部は、一直線の帯状で前記イヤー部近傍及び前記イヤー部の下方には形成されておらず環状になっていないこと
    を特徴とする凸部付きテーパペール容器。
  4. 前記容器本体は、鋼製であること
    を特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の凸部付きテーパペール容器。
JP2015175434A 2015-09-07 2015-09-07 凸部付きテーパペール容器 Active JP5903185B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015175434A JP5903185B1 (ja) 2015-09-07 2015-09-07 凸部付きテーパペール容器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015175434A JP5903185B1 (ja) 2015-09-07 2015-09-07 凸部付きテーパペール容器

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP5903185B1 true JP5903185B1 (ja) 2016-04-13
JP2017052519A JP2017052519A (ja) 2017-03-16

Family

ID=55747702

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015175434A Active JP5903185B1 (ja) 2015-09-07 2015-09-07 凸部付きテーパペール容器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5903185B1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2018110416A1 (ja) * 2016-12-15 2019-10-24 日本電気株式会社 充電システム、充電コントローラ、充電器、ユーザ端末、充電方法および記録媒体

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5966732U (ja) * 1982-10-27 1984-05-04 中国塗料株式会社 取手を有する塗料用大型容器
EP0870690A1 (en) * 1997-04-11 1998-10-14 HK-Plastics B.V. Plastic bucket
JP2002205754A (ja) * 2001-01-10 2002-07-23 Fujikura Kasei Co Ltd 容 器
JP2008195417A (ja) * 2007-02-09 2008-08-28 Shinpo Kogyo Kk 収納缶並びにその製造方法
WO2009051570A1 (en) * 2007-10-16 2009-04-23 Asa San Marino S.A. Process for preventing interference between contact surfaces of stackable containers where there are local rough parts on said surfaces, and the relative stackable container
US20090266738A1 (en) * 2008-04-23 2009-10-29 Advantus, Corp. Container having recessed tilting handle and method for stacking same

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5966732U (ja) * 1982-10-27 1984-05-04 中国塗料株式会社 取手を有する塗料用大型容器
EP0870690A1 (en) * 1997-04-11 1998-10-14 HK-Plastics B.V. Plastic bucket
JP2002205754A (ja) * 2001-01-10 2002-07-23 Fujikura Kasei Co Ltd 容 器
JP2008195417A (ja) * 2007-02-09 2008-08-28 Shinpo Kogyo Kk 収納缶並びにその製造方法
WO2009051570A1 (en) * 2007-10-16 2009-04-23 Asa San Marino S.A. Process for preventing interference between contact surfaces of stackable containers where there are local rough parts on said surfaces, and the relative stackable container
US20090266738A1 (en) * 2008-04-23 2009-10-29 Advantus, Corp. Container having recessed tilting handle and method for stacking same

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2018110416A1 (ja) * 2016-12-15 2019-10-24 日本電気株式会社 充電システム、充電コントローラ、充電器、ユーザ端末、充電方法および記録媒体

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017052519A (ja) 2017-03-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6938767B2 (en) Container for welding wire
US20120181205A1 (en) Telescopically Stackable Container
US9845178B2 (en) Compressible plastic container with base cup
JPH06507594A (ja) 大容積の蓋付き容器
US20080173655A1 (en) Removable Integrated Handle For Containers
JP5903185B1 (ja) 凸部付きテーパペール容器
EP2999638B1 (en) Shipping container
US8800807B2 (en) Metal sheet container for transporting dangerous products
JP4753179B2 (ja) 巻回物包装体、巻回物包装用端壁および巻回物包装体の組立方法
JP5680579B2 (ja) 液体の輸送および貯蔵容器のためのパレット状下部フレーム
US4253569A (en) Reinforced spool for storing and transporting strand material and a package assembly utilizing the same
US2128297A (en) Barrel construction
US10836564B2 (en) Packages for the transport of tubes
KR102461181B1 (ko) 곡물 수매용 박스
EP1785365B1 (en) Lid for a container-drum
JP6719131B2 (ja) 凹状ビード付きペール缶及びペール缶の製造方法
WO2014161055A1 (en) Can with a suspension device
JP2017024754A (ja) プラスチックボトル
US3170592A (en) Pail type shipping container
JP6950278B2 (ja) 合成樹脂製容器
JP5961600B2 (ja) 金属製オープンペール缶
US3170591A (en) Pail type shipping container
JP3230546B2 (ja) 運搬用容器
JP2008162690A (ja) 果物収納容器
US3341002A (en) Packaging container

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160308

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160311

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5903185

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250