JP5902240B2 - フィルタ装置 - Google Patents
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Description
図32に示すように、車両用燃料タンクは、タンク本体1の底壁に、燃料流通孔4を側壁に有する旋回槽2を配設した構造において、旋回槽2の一側壁にポンプ係着用の開口部3を形成し、燃料ポンプ5をポンプ本体6の燃料吸入口6aが旋回槽2内に配置される状態で開口部3に係着されている。そして、燃料ポンプ5のポンプ本体6の燃料吸入口6aの先端部には、燃料ポンプ5に吸入される燃料に含まれる異物を除去すなわち燃料を濾過する袋状の濾過部材7が接続されている。濾過部材7は、旋回槽2内に配置されている。
本発明が解決しようとする課題は、燃料貯留部内に貯留された燃料とともにタンク内燃料を濾過して燃料ポンプに吸入させることのできるフィルタ装置を提供することにある。
本発明の実施例1を説明する。本実施例のフィルタ装置を備えた燃料供給装置は、車両等に搭載されており、エンジン(内燃機関)に燃料を供給するものである。
まず、燃料供給装置の概要について説明する。なお、図1は燃料供給装置の概要を示す構成図である。
図1に示すように、燃料供給装置10は、燃料タンク12内に配置されている。燃料タンク12は、燃料を貯留する中空状の容器で、車両等に搭載されている。燃料タンク12内の底部には、上面を開口する有底筒状のリザーバとしてのフィルタ装置14が設けられている。フィルタ装置14は、燃料タンク12内の燃料及び燃料ポンプ16から吐出されかつ余剰となった燃料(いわゆるリターン燃料)を貯留する燃料貯留部15を有している。なお、フィルタ装置14については後述する。
図2及び図3に示すように、フィルタ装置14は、濾過部材24と槽壁部材26とを備えている。濾過部材24は、前記燃料ポンプ16に吸入される燃料に含まれる異物を除去すなわち燃料を濾過するもので、例えば樹脂製のメッシュ材や不織布により扁平な袋状に形成されている。濾過部材24は、扁平方向(厚さ方向)を上下方向に向けた状態で平面視(図2参照)において左右方向を長くする横長四角形状に形成されている。また、濾過部材24は、上側の濾材28と下側の濾材29との外周縁部を全周に亘って溶着されてなる(図3参照)。このため、濾過部材24の外周部には、上下の両濾材28,29の溶着によるフランジ状の溶着部30が形成されている。また、上側の濾材28の中央部には、L字管状の連結管33の一端部(基端部)が接続されている。連結管33内は、上側の濾材28に形成された開口孔(図示省略)を介して濾過部材24の内部空間と連通されている。また、連結管33の他端部(先端部)は、左方に向けられている(図2参照)。また、フィルタ装置14は、濾過部材24の下面が前記燃料タンク12内の底面12a上に面接触状に当接する状態で配置される。なお図示しないが、濾過部材24内には、その濾過部材24を膨大状態(膨らんだ状態)に保持するための樹脂製のフレーム部材が設けられている。
次に、前記した槽壁部材26に対する濾過部材24の装着構造について説明する。なお、図4は槽壁部材を示す底面図、図5は図4のV−V線矢視断面図、図6は図4のVI−VI線矢視断面図、図7は濾過部材を示す底面図、図8は同じく側面図である。
図4に示すように、槽壁部材26の下端部の内周部には、濾過部材24の溶着部30(図8参照)を嵌合可能な段付溝状の装着溝57が形成されている。装着溝57の内周面(溝底面)の下端部には、係止爪58(図5参照)が周方向に断続的に形成されている。本実施例では、前壁部35及び後壁部36に各3個、左壁部37及び右壁部38に各1個の係止爪58が配置されている。図5及び図6に示すように、係止爪58は、断面三角形状に形成され、水平状の係止面58a、及び、その係止面58aの内端から下方に向かって傾斜状に拡がる案内面58bとを有している。
前記槽壁部材26の装着溝57は、次のように変更することができる。なお、図9は槽壁部材の装着溝の変更例を断面図である。
図9に示すように、本変更例は、槽壁部材26の装着溝(符号、60を付す)を、上下の両溝壁面60a,60bを有する断面V字形の谷形状に形成したものである。この場合、下側の溝壁面60bは、係止爪58の係止面を兼用する。
次に、前記した濾過部材24の連結管33と吸入管42との接続構造について説明する。なお、図10は連結管と吸入管との接続構造を示す断面図である。
図10に示すように、連結管33の先端部の内周面に、口径を小さくするスプール部62が形成されている。そして、連結管33の先端部内に吸入管42の上流側端部が弾性変形を利用した圧入によりシール状態に接続されている。本例の場合、吸入管42にはチューブ材を用いるとよい。なお、連結管33に対する吸入管42の接続構造は、次の変更例1、2に代えることができる。なお、図11は連結管と吸入管との接続構造の変更例1を示す断面図、図12は同じく変更例2を示す断面図である。
本変更例は、図11に示すように、連結管33の先端部の内周面に設けた環状溝64内に、断面円形状のOリング65が装着されている。そして、連結管33の先端部内に、吸入管42の一端部がOリング65の弾性変形を利用してシール状態に接続されている。本変更例の場合、吸入管42には、剛性を有するパイプ材を用いることができる。
本変更例は、図12に示すように、前記変更例1におけるOリング65(図11参照)を、断面波形状のOリング67に代えたものである。
次に、前記グロメット48の構成について説明する。なお、図13はグロメットを示す斜視図、図14は同じく平面図、図15は図14のXV−XV線矢視断面図である。
図13に示すように、グロメット48は、ゴム状弾性材によりU字状に形成されている。グロメット48の内周部の間には割溝70が形成されている(図15参照)。また、グロメット48の割溝70の底部には、断面C字状の管受入溝73が形成されている。管受入溝73には、前記吸入管42又は前記吐出管50(図2参照)を割溝70から嵌合可能となっている。また、グロメット48の外周面には、周方向に延びる取付溝74が形成されている(図13及び図14参照)。
本発明の実施例2を説明する。本実施例は、前記実施例1に変更を加えたものであるから、その変更部分について説明し、重複する説明は省略する。また、以降の実施例についても、その変更部分について説明し、重複する説明は省略する。なお、図16はフィルタ装置を示す平面図、図17は図16のXVII−XVII線矢視断面図である。
図16及び図17に示すように、本実施例は、前記実施例1(図2及び図3参照)のフィルタ装置14における燃料ポンプ16の搭載構造を変更したものである。すなわち、前記槽壁部材26の前壁部35の上部を前方へ張り出し状に形成し、その前壁部35の後面中央部にポンプ収容部(符号、76を付す)を形成したものである。これにともない、前記実施例1(図2参照)における前壁部35の支持溝44及びその支持溝44に対応するグロメット48が省略されている。本実施例のフィルタ装置14によっても、前記実施例1と同様の作用・効果を得ることができる。
本発明の実施例3を説明する。なお、図18はフィルタ装置を示す平面図、図19は図18のXIX−XIX線矢視断面図、図20は図19のXX−XX線矢視断面図である。
図18〜図20に示すように、本実施例は、前記実施例1(図2及び図3参照)のフィルタ装置14における燃料ポンプ16の搭載構造を変更したものである。すなわち、前記槽壁部材26におけるポンプ収容部40(図2及び図3参照)が省略されている。また、槽壁部材26には、その上面開口を閉鎖する上蓋部78が形成されている。上蓋部78の左右方向の中央部には、前後方向(図18において上下方向)に延びる燃料流入窓79が形成されている。このため、燃料タンク12内の燃料液面が燃料流入窓79より高いときは、燃料タンク12内の燃料が燃料流入窓79から燃料貯留部15へ流入可能となっている。
本発明の実施例4を説明する。なお、図21はフィルタ装置を示す平面図、図22は図21のXXII−XXII線矢視断面図である。
図21及び図22に示すように、本実施例は、前記実施例1(図2及び図3参照)のフィルタ装置14における燃料ポンプ16の搭載構造を変更したものである。すなわち、前記槽壁部材26のポンプ収容部40を、その右端壁52が槽壁部材26の右壁部38と同一面状をなすように移動させるとともに、ポンプ収容部40の底面が濾過部材24の下面と同一面状をなすように下方へ移動させたものである。
本発明の実施例5を説明する。なお、図23はフィルタ装置を示す平面図、図24は図23のXXIV−XXIV線矢視断面図、図25は図23のXXV−XXV線矢視断面図である。
図23及び図24に示すように、本実施例は、前記実施例1(図2及び図3参照)のフィルタ装置14における燃料ポンプ16の搭載構造を変更したものである。すなわち、前記実施例1の槽壁部材26におけるポンプ収容部40が省略されている。また、濾過部材24が槽壁部材26の内周に沿う環状に形成されている。
本発明の実施例6を説明する。なお、図26はフィルタ装置を示す平面図、図27は図26のXXVII−XXVII線矢視断面図、図28は図26のXXVIII−XXVIII線矢視断面図である。
図26〜図28に示すように、本実施例は、前記実施例5(図23〜図25参照)のフィルタ装置14における燃料ポンプ16の搭載構造を変更したものである。すなわち、前記実施例5の濾過部材24における底壁部材108が省略されている。また、濾過部材24の内周面には、矩形枠状の縦壁状に形成された内側壁部材122を有している。内側壁部材122は、長尺状の前壁部123及び後壁部124と、短尺状の左壁部125及び右壁部126とを有している。また、前記槽壁部材26は、内側壁部材122に対応する外側壁部材となっている。両側壁部材26,122により濾過部材24上に燃料を貯留する環状の燃料貯留部(符号、128を付す)が形成されている。なお、内側壁部材122に対する濾過部材24の装着構造は、槽壁部材26に対する濾過部材24の装着構造と同様、濾過部材24の内周側の溶着部110を抜け止め状態に装着するようになっている。
本発明の実施例7を説明する。なお、図29はフィルタ装置を示す平面図、図30は図29のXXX−XXX線矢視断面図、図31は図29のXXXI−XXXI線矢視断面図である。
図29〜図31に示すように、本実施例は、前記実施例6(図26〜図28参照)のフィルタ装置14における燃料ポンプ16の搭載構造を変更したものである。すなわち、前記実施例6における燃料ポンプ16を、燃料吐出口18側を上方へ持ち上げることで傾斜状に配置している(図30参照)。これにともない、吐出管50は、内側壁部材122の右壁部126に形成されたU字状の支持溝144にグロメット146を介して傾斜状に支持されている。なお、グロメット146は、前記実施例1のグロメット48と基本的構成が同じで、吐出管50を傾斜状に支持する構成となっている。
12…燃料タンク
14…フィルタ装置
15…燃料貯留部
16…燃料ポンプ
17…燃料吸入口
22…プレッシャレギュレータ
24…濾過部材
26…槽壁部材
43…吸入管部材
86…吸入管部材
101…吸入管(吸入管部材)
106…吸入管部材
112…燃料溜まり部
118…吸入管部材
128…燃料貯留部
130…吸入管部材
Claims (4)
- 燃料タンク内に配置された燃料ポンプの燃料吸入口に接続されかつ燃料ポンプに吸入される燃料に含まれる異物を除去する袋状の濾過部材と、
前記濾過部材上に燃料を貯留する燃料貯留部を形成する槽壁部材と
を備え、
前記槽壁部材は、前記燃料貯留部の周囲を取り囲む壁状に形成され、
前記槽壁部材には、その上面開口を閉鎖しかつ前記燃料タンク内の燃料の前記燃料貯留部への流入を可能とする開口部を有する上蓋部が形成され、
前記上蓋部の上側には、前記燃料ポンプが横置き状に配置され、
前記槽壁部材には、前記燃料ポンプが前記上蓋部との対向面間に隙間が形成されるように支持されており、
前記槽壁部材には、その下面開口部を閉鎖するように前記濾過部材が配置されている
ことを特徴とするフィルタ装置。 - 請求項1に記載のフィルタ装置であって、
前記槽壁部材には、前記上蓋部が一体に形成されていることを特徴とするフィルタ装置。 - 請求項1又は2に記載のフィルタ装置であって、
前記燃料ポンプを、平面視において前記燃料貯留部内に配置したことを特徴とするフィルタ装置。 - 請求項1〜3のいずれか1つに記載のフィルタ装置であって、
前記上蓋部には、エンジンへ供給される燃料圧力を調整するプレッシャレギュレータが配置されていることを特徴とするフィルタ装置。
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