JP5900909B2 - ポリヒドロキシアルカノエートを含む材料から作製された3次元構造体、及び骨充填材の調製用キット - Google Patents

ポリヒドロキシアルカノエートを含む材料から作製された3次元構造体、及び骨充填材の調製用キット Download PDF

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Description

本発明は、骨粗鬆症により脆くなった骨の治療に好適な、ポリヒドロキシアルカノエートを含む材料から作製された3次元構造体、及び骨充填材の調製用キットに関するものである。
高齢化社会に伴い、近年、骨粗鬆症および骨脆弱性骨折が増加している。大腿骨頚部骨折は年間15万件発生し2500億円の医療費を必要としているが、その内の相当数は転倒せずとも発生する骨脆弱性骨折である。骨脆弱性骨は、初期には転位(骨折した骨がずれたり曲がったりすることで、その結果、骨折した部位の見た目の形が変わること)が無いが、徐々に転位が進み、最終的には、高侵襲、高費用の外科的手術をせざるを得なくなる。
骨折個所の外科的手術としては、金属製のプレートを骨折部位にあて、螺子でプレートを骨に固定するロッキングプレート法、又は骨の中心部にある髄腔に骨端から金属製の長いロッド(棒)を打ち込み、ロッドを螺子で固定する髄内釘固定法が一般的に用いられている。しかしながら、上記の外科的手術を骨粗鬆症や骨脆弱性骨折の患者に実施すると、骨の強度が金属の強度より劣っている為、脱転、再転位など様々なトラブルを生じる事があった。
骨折個所のその他の外科的手術としては、骨の髄を削り取り、その中に生体吸収材料等で形成された鞘を設けた構造骨組を挿入し、挿入後に構造骨組を拡大し、骨セメントを充填する方法が知られている(特許文献1参照)。
また、最近では、骨粗鬆症にもとづく背骨の骨折による痛みが改善しない患者に対しては、経皮的後弯矯正術(Balloon Kyphoplasty)が、2011年1月から保険診療の対象となり、日本でも一般的に用いられるようになってきた。この方法は、(1)背中から小さな風船付きの器具を背骨の骨折部に挿入し、(2)椎体の中の風船を膨らませてつぶれた骨を骨折前の形に戻し、(3)次に風船を抜いて椎体内に空間を形成し、(4)形成された空間を満たすように骨セメントを充填する方法で、手術は約1時間程度で終了し、比較的低侵襲な治療方法として注目されている。
しかしながら、経皮的後弯矯正術は、(1)先にシリコン製のバルーンを入れて、骨髄の中のスポンジ状の骨である海面骨を、バルーンで押しつぶすことで壁を作り空間を確保することで、目的とする部分に骨セメントの漏れを防ぎながら確実に注入する事が可能となるが、骨折個所では周りの硬い骨(皮質骨)が破断していることから、この部分からの漏れを止めることはできない、(2)経皮的後弯矯正術で用いられる骨セメントは、カルシウム骨セメントではなく、メチルメタクリレートと呼ばれる樹脂を用いている。この樹脂は、強度に優れており、早期に骨強度を確実に上げることができるが、この材料は骨と直接結合することはできず、硬化する時に90度近くまで発熱することで周囲の組織に影響を与える、(3)硬化したメチルメタクリレートは硬すぎるため、そもそも骨が弱っている患者に使用すると、使用箇所の周囲の骨で、硬化したメチルメタクリレートの強度より弱い個所の骨折を誘発する、という問題があった。
更に、骨セメントが充填個所から骨外に漏洩して血管内に流入すると、肺塞栓を引き起こす恐れがある。この問題を解決するため、骨折個所等の骨欠損部に骨セメントを充填する際に、骨セメントの漏洩を防止し、かつ硬化時間の遅延を防ぐために、骨セメントのペーストをフィブリンシート、コラーゲンシート、又はポリ乳酸、ポリグリコール酸の単独重合体若しくは共重合体から選択された1種からなる生体吸収性材料で包囲することが知られている(特許文献2参照)。
また、骨再建能力を有効に導き出すための化学組成物の徐放システムと患部へのフィッティングを良好にする材料として、ポリ乳酸(PLA)、あるいはポリ乳酸とポリグリコール酸(PGA)との共重合体、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリカプロラクトン(PCL)や、PLA、PGA、PEG及びPCLの共重合体のような合成高分子、フィブリン、コラーゲン、アルギン酸、ヒアルロン酸、キチン、キトサンのような天然高分子を主成分としシロキサンを含有する物質から形成された綿状の3次元立体構造体が知られている(特許文献3参照)。
しかしながら、骨折個所に骨セメントを充填する際には、粘度のある骨セメントペーストを、形状が不規則な髄腔の隅々まで隙間なく浸入させることが必要であるが、上記特許文献1の鞘は、コラーゲン、ポリエステル繊維、ポリ乳酸等の材料から製造されており、柔軟性が乏しいため、骨との密着性に問題がある。
また、上記特許文献2に記載されている生体吸収性材料、特許文献3に記載されている3次元立体構造についても、伸長性が優れないため、骨セメントペーストを注入する際の圧力に耐えきれず、3次元構造体から骨セメントが漏洩してしまい、その結果、血管内への流出の恐れと、骨の隅々まで粘度のある骨セメントペーストを充填させることは難しいという問題があった。
加えて、上記特許文献1に記載されている構造骨格等、骨折個所を骨内から補強する髄内釘は金属から作製されたものが多く、外科的手術後に再骨折すると、骨折個所から金属が骨外に飛び出し、生体組織を傷つける虞がある。
一方、骨折個所の手術に髄内釘を用いず、骨伝導性のあるリン酸カルシウム系骨セメントのみを充填する場合、骨セメントが硬化した状態では弾性に乏しく、曲げ、引っ張り、圧縮等のストレスにより破断をきたす虞がある。例えば、骨粗鬆症で脊椎圧迫骨折を起こした患者の骨折部(脊椎部)に使用する場合、硬化したリン酸カルシウム系骨セメントに比較的高い圧力が加わる状況での長期にわたる機械的強度の維持が不十分であり、所望する形状の安定的維持が困難であった。そのため、リン酸カルシウム系骨セメントに縮れのある繊維を分散させた骨充填材が知られているが(特許文献4参照)、曲げや引っ張り強度は満足がいくものではない。
特開2008−500140号公報 特開2000−262609号公報 特開2011−212039号公報 国際公開2008/026596号
本発明は、上記従来の問題を解決するためになされた発明であり、鋭意研究を行ったところ、ポリヒドロキシアルカノエート(以下「PHA」と記載することもある。)を含む材料から作製された3次元構造体は、(1)耐熱特性に優れていることから、硬化時に発熱するメチルメタクリレートを充填する際の漏洩防止に用いることができ、リン酸カルシウム等の骨伝導性のある骨セメントを含め、従来使用されている全ての骨セメントを充填する際の漏洩防止材料として使用が可能であること、(2)非常に優れた伸長性を備えていることから、骨セメントペーストの注入に応じて伸長するため、凹凸のある髄腔内の隅々まで骨セメントを充填できること、(3)ポリ乳酸等の従来の生分解性材料に比べ、生体内での生分解特性に優れていることから、リン酸カルシウム等の骨伝導性のある骨セメントが用いられると、骨と骨セメントが速やかに接触し骨の再生が促進されること、を新たに見出した。
すなわち、本発明の目的は、(1)PHAを含む材料から作製された3次元構造体、(2)PHAを含む材料から作製された3次元構造体、生分解性材料から作製された髄内釘及び骨セメント材料を含む骨充填材の調整用キット、を提供することである。
本発明は、以下に示す、(1)PHAを含む材料から作製された3次元構造体、(2)PHAを含む材料から作製された3次元構造体、生分解性材料から作製された髄内釘及び骨セメント材料を含む骨充填材の調整用キットに関する。
(1)骨折個所に骨セメントを注入する際に骨セメントが漏洩することを防止するための、ポリヒドロキシアルカノエートを含む材料から作製された直径1〜100μmの繊維を堆積したものであることを特徴とする3次元構造体。
(2)前記ポリヒドロキシアルカノエートが、3−ヒドロキシ酪酸、3−ヒドロキシ吉草酸、4−ヒドロキシ酪酸から選ばれる少なくとも2種の共重合体であることを特徴とする上記(1)記載の3次元構造体。
(3)前記3次元構造体が、200%以上伸長することを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の3次元構造体。
(4)上記(1)〜(3)に記載の3次元構造体及び骨セメントを含む骨充填材の調製用キット。
(5)上記(1)〜(3)に記載の3次元構造体、生分解性材料から作製された髄内釘及び骨セメントを含む骨充填材の調製用キット。
(6)前記髄内釘が、骨セメントを漏出できるサイズの網目構造を有する筒状のものであることを特徴とする上記(5)に記載の骨充填材の調製用キット。
(7)前記骨セメントが、メチルメタクリレート又は骨伝導性のある材料から選ばれることを特徴とする上記(4)〜(6)に記載の骨充填材の調製用キット。
本発明のPHAを含む材料から作製された3次元構造体は、耐熱特性に優れていることから、硬化時に発熱するメチルメタクリレートを充填する際の漏洩防止に用いることができ、リン酸カルシウム等の骨伝導性のある骨セメントを含め、従来使用されている全ての骨セメントを充填する際の漏洩防止材料として使用が可能である。また、本発明の3次元構造体は非常に優れた伸長性を備えることから、骨セメントペーストの注入に応じて伸長するため、凹凸のある髄腔内の隅々まで骨セメントを充填することができる。更に、ポリ乳酸等の従来の生分解性材料に比べ、生体内での生分解特性に優れていることから、リン酸カルシウム等の骨伝導性のある骨セメントが充填に用いられると、骨と骨セメントが速やかに接触し、骨の再生が促進される。
本発明のPHAを含む材料から作製された3次元構造体、生分解性材料から作製された髄内釘及び骨セメントを組み合わせて用いることで、骨セメントの曲げ強度が著しく向上する。したがって、骨伝導性があり骨折個所の充填材としては好ましいものの、曲げに弱く、単独で用いることが困難であったリン酸カルシウム系の骨セメントを充填材として用いることができ、従来は強度が強いメチルメタクリレートが充填されていた骨折個所でも、骨伝導性のある骨セメントの利用が可能となる。
また、本発明の生分解性材料から作製された髄内釘を用いることで、従来の金属と違い、再骨折しても生体組織を傷つける恐れが無い。
図1は、図面代用写真であり、本発明の髄内釘の写真である。 図2は、本発明のPHAを含む材料から作製された3次元構造体、生分解性材料から作製された髄内釘、骨セメントの使用方法の一例を示す図である。 図3は、図面代用写真であり、(a)実施例1で作製したPHA−18(10μm)の不織布、(b)比較例1で作製したPLLA(2μm)の不織布、(c)比較例2で作製したPLLA(10μm)の不織布、のSEM写真である。 図4は、実施例1で作製したPHA−18(10μm)の不織布、比較例1で作製したPLLA(2μm)の不織布、比較例2で作製したPLLA(10μm)の不織布、の応力−歪曲線を示すグラフである。 図5は、実施例2で作製したPHA−18の綿状材料、比較例3で作製したPLLAの綿状材料、比較例4で作製したPLGAの綿状材料、の荷重−歪曲線を示すグラフである。 図6は、図面代用写真で、実施例3及び比較例5において、ガラス瓶で作製した不均一形状モデル内に、袋状の不織布を取り付けた注入シリンジを挿入し、バイオペックスを注入する前の状態を示す写真である。 図7は、図面代用写真で、実施例3及び比較例5において、ガラス瓶で作製した不均一形状モデル内に、袋状の不織布を取り付けた注入シリンジ先端から、バイオペックスを注入中の状態を示す写真である。 図8は、図面代用写真で、比較例5において、バイオペックスを注入中の状態を横方向から見た拡大写真である。 図9は、図面代用写真で、実施例3において、バイオペックスを注入中の状態を横方向から見た拡大写真である。 図10は、図面代用写真で、実施例4及び比較例6において、メチルメタクリレート系骨セメントを注入し、20分経過後の写真である。 図11は、図面代用写真で、(a)は実施例6の手順で治療した兎の1カ月後のレントゲン写真で、(b)は、比較例7の手順で治療した兎の1週間後のレントゲン写真である。 図12は、図面代用写真で、(a)は三点曲げ試験の強度試験機(MTS 858 Mini Bionix II)の外観を示す写真で、(b)は試料とヘッド部分の拡大写真である。 図13は、髄内釘有(実施例7)及び髄内釘無(比較例8、9)の強度試験結果(応力−変位図)を示し、ヘッドの移動時間と曲げ応力値との関係を示すグラフである。 図14は、髄内釘有(実施例7)及び髄内釘無(比較例8、9)の、曲げ応力の最大値を示すグラフある。 図15は、髄内釘有(実施例7)及び髄内釘無(比較例8、9)の、破壊に要したエネルギーの比較を示すグラフである。
以下に、(1)PHAを含む材料から作製された3次元構造体、(2)生分解性材料から作製された髄内釘、(3)PHAを含む材料から作製された3次元構造体、生分解性材料から作製された髄内釘及び骨セメント材料を含む骨充填材について詳しく説明する。
先ず、本発明の3次元構造体とは、不織布、綿状等、PHAを含む材料から作製された繊維(以下「PHA繊維」と記載する。)が、編み物のように織られずに、堆積した状態であるものを意味する。
本発明の3次元構造体の作製に用いられるPHAは、生分解性材料として知られており、ヒドロキシル基が付随したアルカン酸を構成モノマーとし、それらがエステル結合してポリマーを形成したものである。
PHAを構成する代表的なモノマーとしては、3−ヒドロキシ酪酸(3HB)、3−ヒドロキシ吉草酸(3HV)、4−ヒドロキシ酪酸(4HB)、3−ヒドロキシプロピオン酸(3HP)、3−ヒドロキシヘキサン酸(3HH)、3−ヒドロキシオクタン酸(3HO)、3−ヒドロキシデカン酸(3HD)、4−ヒドロキシ吉草酸(4HV)等が挙げられる。これらモノマーを単独で用いてポリマーを形成してもよいし、2種類以上のモノマーを組み合わせて、ランダム又はブロック共重合体にしてもよい。単一のモノマーから作製したポリマーの一例であるP(3HB)の融点は、170〜180℃であり、メチルメタクリレートが硬化する際の発熱にも十分耐えることができる。一方、P(3HB)は、結晶性が高く、硬くて脆いことから、凹凸のある髄腔の隅々まで密着できるようにするため柔軟性を持たせることが好ましく、P(3HB−co−3HV)、P(3HB−co−4HB)、P(3HB−co−4HV)等の共重合体にすることが望ましい。共重合体の構成モノマーの比率を適宜調整することで、柔軟性を持たせることができる。
一方、共重合体にすることで柔軟性が得られるが、共重合体のガラス転移温度は低くなる。そのため、柔軟性及び耐熱性を考慮し、共重合比率を調整すればよく、例えば、P(3HB−co−3HV)の場合、共重合体中の3HVの割合は、モル比で5〜50%が好ましく、10〜20%がより好ましい。また、P(3HB−co−4HB)の場合、共重合体中の4HBの割合は、モル比で5〜50%が好ましく、10〜20%がより好ましい。これらの比率のPHAは、公知の方法で製造してもよいし、例えば、G5 JAPAN社製PHA−18(3HB:4HB=82:18)等の市販品を用いてもよい。
また、分子量は、50〜3000kDaが好ましく、300〜1500kDaがより好ましい。分子量が50kDa以下であると、分解性が激しくなり、3000kDa以上であると、分解が数年以上にも及び好ましくない。
本発明の3次元構造体は、上記PHAのみから作製されてもよいし、グリコール酸等を添加してもよい。
3次元構造体は、PHA材料をクロロホルム、ジクロロメタン等の溶剤に溶解させるとともに、PHA繊維を作製できる粘度に調整された溶液またはスラリー(以下「PHA溶液」と記載する。)を用いて、エレクトロスピニング法による紡糸を実施することで作製される。エレクトロスピニング法とは、PHA溶液にプラス高電圧を印加し、PHA溶液がノズルから、マイナスに帯電したコレクターにスプレーされる過程で、PHA溶液をPHA繊維化させる方法である。作製される3次元構造体は、PHA溶液が、ノズルからコレクターに向かって射出される際に、送風下で行うか否か、また、送風の程度により調整することができる。送風しないでPHA溶液を射出すると、飛び出したPHA溶液が電界の力によって引き伸ばされて繊維化され、PHA繊維がコレクター上に堆積する。このとき、コレクター上に堆積したPHA繊維が溶剤を含んでいると、PHA繊維が軟化して折り重なることで二次元的にPHA繊維が堆積して不織布が作製される。
これに対して、送風下で射出を行うと、溶剤の揮発を促進させ、溶剤をほとんど含まない状態でPHA繊維をコレクターに到達させることができる。このため、コレクター上に堆積したPHA繊維は、溶剤をほとんど含まないので軟化せず繊維形状を維持でき、PHA繊維が折り重ならずに三次元的に堆積する。繊維同士の接着が少ないほど、得られた3次元構造体はより伸長することから、3次元構造体の作製の際には、所望の伸長量が得られるよう送風量を適宜調整すればよい。
また、上記の方法の他に、エタノール等を満たした容器にコレクターを浸漬して、エレクトロスピニングを行ってもよい。この方法では、PHA繊維をエタノール等の中へ誘導することができ、その際にエタノール等へ溶剤が溶出して繊維同士が接着しなくなる。浮遊する繊維を回収すれば自然に繊維同士は絡み合い、綿状材料を得ることができる。繊維を絡みやすくするために、撹拌などを併用してもよい。
PHAを含む材料から作製された3次元構造体は、骨セメントを注入する際の圧力により、3次元構造体の隙間から骨セメントが漏洩することなく伸縮でき、且つ、骨の内面に接触した後も、骨セメントが漏洩しない必要がある。骨セメントは、一般的にはシリンジを通して髄腔に注入されるが、その際のシリンジの押圧力は、骨セメントの材料や粘度により異なるものの、2〜4MPa程度は必要である。シリンジの先端から後述する髄内釘の内部に注入された骨セメントは、髄内釘の隙間を通って3次元構造体を伸長させ、3次元構造体は最終的には髄腔内の凹凸のある骨面に当接するまで伸長するが、髄腔内が骨セメントで隙間なく充填されると、骨セメントが3次元構造体を押圧する圧力は上昇し、シリンジの押圧力に近い圧力になる。したがって、本発明のPHAを含む材料から作製された3次元構造体は、少なくとも2〜4MPa程度の圧力がかかっても、骨セメントが漏洩しないことが好ましい。3次元構造体が上記のような特性を持つためには、骨セメントの注入量が増加しても内圧が上昇することなく拡張すること、つまり、3次元構造体固有の伸長量が、少なくとも、髄腔内に骨セメントを充填する際に必要な伸長量より大きい必要があり、具体的には、約200%以上は伸長できるものが好ましい。
一方、後述する骨セメントの中で、例えば、骨伝導性のあるリン酸カルシウム系の骨セメントが用いられる場合、リン酸カルシウム等は骨再生に寄与するため、骨の内面に接触することが好ましい。したがって、本発明の3次元構造体は、骨セメントを注入して3次元構造体が髄腔内に当接した状態であっても、骨セメント粒子が外に漏洩しないが、3次元構造体の表面に骨セメントの粒子が露出している状態になる寸法が好ましい。
3次元構造体が上記のような特性を持つ為には、骨セメントの粒子サイズ及び粘度にもよるが、PHA繊維の直径サイズを調整すればよい。3次元構造体を構成するPHA繊維の直径が大きすぎると、得られる3次元構造体の隙間の寸法が大きくなり、骨セメント粒子が漏洩する恐れがある。また、PHA繊維の直径が小さすぎると、得られる3次元構造体の隙間の寸法が小さくなり、骨セメントペーストの粘性のため、骨セメント粒子が3次元構造体の表面に露出することができない。したがって、用いる骨セメントの粒子サイズ及び粘度にもよるが、PHA繊維の平均直径は、約1〜100μmが好ましく、約5〜20μmがより好ましい。
本発明のPHA繊維は、エレクトロスピニング法により、飛び出した溶液またはスラリーが電界の力によって引き伸ばされて繊維化されることから、平均直径は溶液またはスラリーの粘度を調整することで制御できる。粘度を大きくすれば、得られる平均直径は太くなり、粘度を小さくすれば、得られる平均直径は細くなる。上記の平均直径にする為には、溶液の濃度や材料の分子量、さらには溶液の誘電率等を考慮し、適宜調整すればよい。また、エレクトロスピニング法以外にも、例えば、メタノールやエタノール等の両親媒性液体を撹拌しているところへPHA溶液又はスラリーをシリンジから注入し、撹拌によって引き伸ばすことで本発明のPHA繊維を得ることもできる。PHA繊維の直径は、PHA溶液又はスラリーの粘度と撹拌の強弱の調整により、PHA溶液又はスラリーが引き伸ばされる力が変化することで制御することができる。エレクトロスピニング法は、直径の細いPHA繊維を作製する場合、メタノールやエタノール等の両親媒性液体を撹拌しているところへPHA溶液又はスラリーをシリンジから注入する方法は、直径の太いPHA繊維を作製する場合に好適であり、所望とする直径に応じて適宜選択すればよい。
本発明で用いられる骨セメントは、骨折個所に注入されて硬化するものであれば特に限定されず、従来この種の用途に用いられている種々の組成の材料を使用することができる。例えば、ポリメチルメタクリレートを主成分とする骨セメント材料(例えばポリメチルメタクリレートの他に、バリウム粉末、メチルメタクリレート(モノマー)等を含むセメント材料)を使用することができる。
また、ポリメチルメタクリレート以外では、リン酸カルシウム系セメント材料が挙げられる。リン酸カルシウムは骨を構成する成分であり、骨伝導性と生体適合性にも優れている好ましい骨セメントである。また、リン酸カルシウム系セメント材料は、骨充填材の調製用キットを構成する材料として、硬化処理を実施する迄は固体形状(典型的には粉末形状)のまま貯蔵することができるため、本発明のキットを構築するうえでも好ましい。
リン酸カルシウム系セメント材料としては、種々の化学組成比のリン酸カルシウムが含まれ得る。好適にはハイドロキシアパタイト(Ca10(PO(OH))或いは加水分解によりハイドロキシアパタイトを生成し得る化合物が挙げられる。例えば、α型リン酸三カルシウム(α−Ca(PO)を主成分とし副成分として他のリン酸カルシウム系化合物が混合されたものが挙げられる。例えば、α型リン酸三カルシウムにハイドロキシアパタイト、β型リン酸三カルシウム(β−Ca(PO)、リン酸四カルシウム(Ca(POO)、リン酸水素カルシウム(CaHPO・2HO)等を添加したものが挙げられる。なお、これら例示したもの以外のリン酸カルシウム系化合物を使用してもよく、使用する化合物の組み合わせはハイドロキシアパタイトその他のリン酸カルシウム系セメント基材(硬化体)を形成し得る組み合わせであれば特に制限はない。
また、リン酸カルシウム系セメント基材(硬化体)が得られる限り、主成分たるリン酸カルシウム系化合物以外の化合物が含まれていてもよい。例えば、リン酸カルシウム系化合物におけるCaの一部が他の元素(例えばSr、Ba、Mg、Fe、Al、Na、K、H)と置換した化合物を含んでいてもよい。或いはPOの一部が他の酸成分(例えばCO、BO、SO、SiO)と置換した化合物を含んでいてもよい。
上記のリン酸カルシウム系骨セメントは、骨伝導性と生体適合性があり、骨折箇所の充填材としては好ましい材料ではあるが、従来、その脆さのため、長幹骨の骨折接合に単独で用いられることはなかった。しかしながら、本発明の、PHAを含む材料から作製された3次元構造体、生分解性材料から作製された髄内釘と共に用いられることで、曲げ、引っ張り、圧縮等のストレスが他の骨より比較的多くかかる長幹骨の骨折治療にも、リン酸カルシウム系骨セメントを用いることができる。
本発明で用いられる骨セメントは、上記の原料を適宜調整して作製してもよいし、市販されているものを使用してもよい。例えば、メチルメタクリレートを主成分とする骨セメントは、サージカルシンプレックス(ストライカー社製)、オストロンII(ジーシー社製)等の商品名で市販されており、また、骨伝導性のある骨セメントは、バイオペックス−R(アドバンス フルセット)(HOYA社製)、セラペースト(日本特殊陶業社製、販売:小林メデイカル)、プリマフィックス(日本エム・デイ・エム社製)等の商品名で市販されている。
本発明で用いられる髄内釘は、図1に示すように、生分解性材料をメッシュ構造に編み上げた円筒形の形態であり、円筒形の内腔に骨セメントを注入すると、メッシュの隙間を通って、骨セメントが髄内釘の外へ漏出する構造となっている。髄内釘の直径及び長さは、用いられる骨折箇所の骨の内腔径より小さければよい。また、筒を形成する編み上げ層数を多くするほど耐曲げ性が向上するので、適用する個所の骨の内腔径や骨折箇所への曲げ、引っ張り、圧縮等のストレスを考慮し、編み上げ回数を適宜調整すればよい。また、網目の大きさは、縦糸及び横糸の間隔を適宜調整すればよい。
髄内釘の作製に用いられる生分解性材料は、生分解性樹脂として、ポリ乳酸(PLA)、ポリグリコール酸(PGA)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリカプロラクトン(PCL)、PHAの重合体、或いは、PLA、PGA、PEG、PCL及びPHAから選ばれる2種以上の共重合体のような合成高分子の他、フィブリン、コラーゲン、アルギン酸、ヒアルロン酸、キチン、キトサンのような天然高分子が挙げられる。
PHAを含む材料から作製された3次元構造体、生分解性材料から作製された髄内釘、骨セメント材料は、骨折箇所の治療の際に、それぞれを組み合わせて用いてもよいし、予め骨充填材の調整用キットとして、準備しておいてもよい。
図2は、PHAを含む材料から作製された3次元構造体、生分解性材料から作製された髄内釘、骨セメントの使用方法の一例を示す図である。図2(a)は長幹骨の端部、(b)は長幹骨の長軸方向断面図、(c)は骨セメント注入前の長幹骨の軸方向垂直断面図、(d)は骨セメント注入後の長幹骨の軸方向垂直断面図である。
図2(a)に示すように、先ず、長幹骨の端部1に、小孔2がドリル等を用いて形成される。次に、髄内釘3の周りに3次元構造体4を袋状に形成し、図2(b)に示すように、小孔2から、長幹骨の内部に挿入する。挿入直後は、図2(c)に示すように、髄内釘3及び3次元構造体4は、長幹骨1の内面に当接せずに、隙間のある状態である。そして、髄内釘3の中心部に骨セメント5を注入すると、図2(d)に示すように、注入された骨セメント5は、髄内釘3の網目を通って外側に漏出し、伸長性に優れた3次元構造体4は長幹骨1の内側に当接するまで押し広げられ、長幹骨1の内面は隅々まで、骨セメント5が充填される。骨セメント5として骨伝導性のあるリン酸カルシウム系が使用された場合、長幹骨1の内面に3次元構造体4が当接した状態で、3次元構造体の外には骨セメント5は漏洩しないが、3次元構造体の最外面に骨セメント5の粒子の一部が露出した状態になる。したがって、骨伝導性のあるリン酸カルシウムが骨に直接当接することで、骨の自己修復が進みやすくなる。
更に、本発明の3次元構造体を構成するPHAは、他の生分解性材料と比較して生分解性が優れている。そのため、骨セメントが硬化し、骨外への漏出の恐れがなくなった後早期に分解されるため、骨と骨伝導性材料の間に異物がなくなり一体となるため、骨の自己修復が更に進みやすくなる。
以下に実施例を掲げ、本発明を具体的に説明するが、この実施例は単に本発明の説明のため、その具体的な態様の参考のために提供されているものである。これらの例示は本発明の特定の具体的な態様を説明するためのものであるが、本願で開示する発明の範囲を限定したり、あるいは制限することを表すものではない。
〔実施例及び比較例で用いた材料〕
・PHA:G5 JAPAN社製PHA−18(3HB:4HB=82:18)(以下「PHA−18」と記載する。)
・PLLA:LACEA(三井化学社製、Mw:140 kDa)
・PLGA:Purasorb(登録商標) PDLG(Purac社製、Mw:140k Da、PLA:PGA=75:25)
・クロロホルム(CHCl3):特級試薬、純度99.0%以上、キシダ化学株式会社
・リン酸カルシウム系骨セメント:バイオペックス−R(アドバンス フルセット)(HOYA社製)
・メチルメタクリレート系骨セメント:オストロンII(ジーシー社製)
〔3次元構造体(不織布)の作製〕
(実施例1)
2gのPHA−18をクロロホルムに溶解し、PHA濃度を6重量%となるようにした。このときの溶液の粘度は2.8Pa・sであった。ガラス製注射筒に上記溶液10mLを入れた。接地した回転ドラムにアルミホイルを巻き付けてコレクターとした。22Gの注射針を取り付け、針部分に正電荷となるように10kVの電圧を印加し、0.35mm/minで押しだして、コレクター上に紡糸して厚さ0.1mmの不織布を作製した。繊維径は約10μmであった。得られた不織布の融点及びガラス転移温度を示差走査熱量計にて調べたところ、融点は130℃、ガラス転移温度は−20℃であった。
(比較例1)
2gのPLLAをクロロホルムに溶解した後、メタノール(和光純薬製、特級)を加え、PLLA:クロロホルム:メタノール=10:67.5:22.5重量比となるようにした。このときの溶液の粘度は0.5Pa・sであった。ガラス製注射筒に上記溶液10mLを入れた。接地した回転ドラムにアルミホイルを巻き付けてコレクターとした。22Gの注射針を取り付け、針部分に正電荷となるように15kVの電圧を印加し、0.35mm/minで押しだして、コレクター上に紡糸して厚さ0.1mmの不織布を作製した。繊維径は約2μmであった。得られた不織布の融点及びガラス転移温度を示差走査熱量計にて調べたところ、融点は170℃、ガラス転移温度は56℃であった。
(比較例2)
2gのPLLAをクロロホルムに溶解し、PLLA濃度が13重量%となるようにした。このときの溶液の粘度は3Pa・sであった。ガラス製注射筒に上記溶液10mLを入れた。接地した回転ドラムにアルミホイルを巻き付けてコレクターとした。22Gの注射針を取り付け、針部分に正電荷となるように15kVの電圧を印加し、0.35mm/minで押しだして、コレクター上に紡糸して厚さ0.1mmの不織布を作製した。繊維径は約10μmであった。得られた不織布の融点及びガラス転移温度を示差走査熱量計にて調べたところ、融点は170℃、ガラス転移温度は56℃であった。
図3(a)は実施例1で作製したPHA−18(10μm)の不織布、(b)は比較例1で作製したPLLA(2μm)の不織布、(c)は比較例2で作製したPLLA(10μm)の不織布、のSEM写真である。
また、図4は、上記実施例1及び比較例1、2で作製した不織布を、長さ20mm×幅5mm×厚さ約0.1mmに裁断し、空気中、室温、クロスヘッドスピード5mm/minの条件下での応力−歪み曲線を示す。図4に示すように、直径2μmのPLLAは、歪み量が約50%を越えると繊維の切断が始まった。なお、直径2μmのPLLAは、高い最大応力を示しているが、これは繊維同士がくっついて緻密化している部分があるためと考えられる。また、直径10μmのPLLAは、歪み量が約20%を超えると繊維の切断が始まった。一方、直径10μmのPHA−18は、歪み量が20%〜230%位まで応力に変化なく、全く切れることなく延びており、延び性能が優れていることが確認された。
〔3次元構造体(綿状材料)の作製〕
(実施例2)
4gのPHA−18Lをクロロホルムに溶解し、PHA濃度が6重量%となるようにした。このときの溶液の粘度は2.8Pa・sであった。ガラス製注射筒に上記溶液10mLを入れた。400×200×40mmのプラスチックバットにエタノール1.5Lを入れ、この底に、接地した直径10mmのステンレス板を沈めた。注射筒に22Gの注射針を取り付け、針部分に正電荷となるように10kVの電圧を印加し、0.35mm/minで押しだして、エタノール中に紡糸した。浮遊している繊維をピンセットで回収し、濾紙に乗せて室温で乾燥した。繊維の直径は約10μmであった。得られた綿状物質の融点及びガラス転移温度を示差走査熱量計にて調べたところ、融点は130℃、ガラス転移温度は−20℃であった。
(比較例3)
4gのPLLAをクロロホルムに溶解し、PLLA濃度が10重量%となるようにした。このときの溶液の粘度は2.5Pa・sであった。ガラス製注射筒に上記溶液10mLを入れた。400×200×40mmのプラスチックバットにエタノール1.5Lを入れ、この底に、接地した直径10mmのステンレス板を沈めた。注射筒に22Gの注射針を取り付け、針部分に正電荷となるように20kVの電圧を印加し、0.35mm/minで押しだして、エタノール中に紡糸した。浮遊している繊維をピンセットで回収し、濾紙に乗せて室温で乾燥した。繊維の直径は約10μmであった。得られた不織布の融点及びガラス転移温度を示差走査熱量計にて調べたところ、融点は170℃、ガラス転移温度は56℃であった。
(比較例4)
4gのPLGAをクロロホルムに溶解し、PLGA濃度が16重量%となるようにした。このときの溶液の粘度は3Pa・sであった。ガラス製注射筒に上記溶液10mLを入れた。400×200×40mmのプラスチックバットにエタノール1.5Lを入れ、この底に、接地した直径10mmのステンレス板を沈めた。注射筒に22Gの注射針を取り付け、針部分に正電荷となるように15kVの電圧を印加し、0.35mm/minで押しだして、エタノール中に紡糸した。浮遊している繊維をピンセットで回収し、濾紙に乗せて室温で乾燥した。繊維の直径は約10μmであった。得られた不織布の融点及びガラス転移温度を示差走査熱量計にて調べたところ、融点は170℃、ガラス転移温度は50℃であった。
上記実施例2及び比較例3、4で作製した綿状材料を、長さ20mm×幅5mm×厚さ約10mmに裁断した。なお、実施例2及び比較例3、4で作製された材料は、綿状でふわふわした状態であることから、厚さは大凡の寸法である。ただし、作製した何れの材料も、重量は約1.8gであった。図5は、これら材料の、空気中、室温、クロスヘッドスピード5mm/minの条件下での荷重−歪み曲線を示す。図5に示すように、PLLA、PLGAは歪み量約200%まで荷重がかかった後は、繊維が急速に切断していった。なお、グラフ上は、500〜1000%まで延びるように見えるが、繊維自身はあまり伸びないため、繊維の切断がどんどん進んでいた。一方、PHA−18は、622%まで、全く切断せずに延びた後、繊維の切断が徐々に進んだ。しかしながら、622%以上では切断した繊維はあるものの、図5に示すように、PHA−18の綿状材料に荷重をかけた際のカーブは緩やかである。このデータから、切断した繊維の量はそれほど多くなく、引き続き繊維は延びていることは明らかであり、PLLA又はPLGAから作製された綿状材料と比較して、PHAを含む材料から作製された綿状材料の延び特性が優れていることが確認された。
〔リン酸カルシウム系骨セメントの注入実験〕
(実施例3)
口径15mm、長さ50mmのガラス瓶に、瓶を傾けた状態でシリコン樹脂を注入・硬化させることで、瓶底全面からキャップの一端部に向かって斜めになるようにシリコン樹脂が硬化した不均一形状モデルを作製した。次に、上記実施例1で作製した不織布を袋状にし、バイオペックス−R(アドバンス フルセット)中の注入シリンジの先端に取り付け、根元を糸で縛り固定した。練和方法及び充填方法を、6mLセット・液量4.0mLとした以外は、添付のマニュアル通りにバイオペックスのペーストを調整した。次いで、上記の通り作製した不均一形状モデル内に不織布を取り付けた注入シリンジを挿入し、調整したバイオペックスをセット中の注射器を用いて注入した。
(比較例5)
上記比較例2で作製したPLLAの不織布を用いた以外は、実施例3と同様に実験を行った。
図6は、実施例3及び比較例5において、ガラス瓶で作製した不均一形状モデル内に、袋状の不織布を取り付けた注入シリンジを挿入し、バイオペックスを注入する前の状態を示す写真である。
図7は、実施例3及び比較例5において、バイオペックスを注入中の状態を示す写真で、実施例3のPHAで作製した不織布は、バイオペックスの注入量に応じてゴム風船のように伸長した。一方、比較例5のPLLAで作製した不織布の場合、袋の表面からセメントが浸みだしてしまい、小さな塊となった。
図8は、比較例5において、バイオペックスを注入中の状態を横方向から見た拡大写真で、写真から明らかなように、PLLAから作製された不織布は伸長性に乏しいことから、一定以上伸長した後はバイオペックスの注入圧力が増しても伸長することができず、不織布の隙間からバイオペックスが浸みだしてしまった。
これに対し、PHAから作製された不織布は、伸長性に富むことから、図9に示すように、バイオペックスを注入するにつれて伸長し、挿入箇所が不均一な形状であっても、当該形状に沿って隙間を埋めるように伸長していくことが確認された。
〔メチルメタクリレート系骨セメントの注入実験〕
(実施例4)
上記実施例2で作製した綿状材料を袋状にし、オストロンII中の注入シリンジの先端に取り付け、根元を糸で縛り固定した。練和方法及び充填方法は、ピンク色に着色した以外は添付のマニュアル通りに行いメチルメタクリレートのペーストを調整した。次いで、調整したメチルメタクリレートのペーストをセット中の注射器を用いて袋状の綿状材料内に注入した。
(比較例6)
上記比較例3で作製したPLLAの綿状材料を用いた以外は、実施例4と同様に実験を行った。
図10は、メチルメタクリレート系骨セメントを注入し、20分経過後の写真である。図10から明らかなように、PHAから作製された綿状材料は、外部から着色がほとんど確認されなかった。一方、PLLAから作製された綿状材料は、PHAから作製された綿状材料と比較して、変色したこと確認された。これは、メチルメタクリレートが硬化する際の発熱により、PHAから作製された綿状材料と比べて、PLLAから作製された綿状材料の繊維とメチルメタクリレート系骨セメントとの反応が進み、繊維構造に乱れが生じたためと考えられる。以上の結果より、本発明のPHAを含む材料から作製された綿状材料は、硬化時に発熱するメチルメタクリレート系骨セメントに対しても、漏洩防止効果があることが確認された。
〔生分解性髄内釘の作製〕
(実施例5)
先ず、紐編機を用いて、PLLAの糸の丸紐を作製した。紐編機はMarusan卓上型紐編機 CK−N(圓井繊維機械株式会社)を使用した。PLLAの糸は直径0.2mmのモノフィラメントを使用し、12本の編み針で平編みにし、直径5mm程度の筒状の丸紐を作製した。
次に、作製した丸紐を150mmの長さに切断し、3層に重ね、内側に直径4mmのテフロンチューブを挿入した。さらに、重ねた丸紐同士が溶着するように、約10mLの溶剤をハケを用いて満遍なく塗布した。溶剤は、ジクロロメタン(試薬特級、和光純薬社製)とメタノール(和光一級、和光純薬社製)を3:1の割合で混合した溶液に、2wt%の割合でPLLAを溶解したものを使用した。
3層に重ねた丸紐が溶着した後、内挿していたテフロンチューブを引き抜き、最後に端部を切り揃えて、外径約5mm、内径約4mmの髄内釘を作製した。
〔骨脆弱性骨折動物の作製〕
骨脆弱性を伴う骨粗鬆症動物モデルを作成するため、生後20〜25週、体重約3.5kgの雌兎を用い、Castanedaらの方法に従い、卵巣摘出後、2週後より糖質ステロイドホルモン1.0mg/kg/dayの筋肉内注射を計4週間施行した。次いで、大腿骨遠位部に電動カッターを用い1/2周性の骨折を作成し、髄内釘を挿入するスペースを作る為、ドリルリーマーにより兎の大腿骨遠位部(膝関節軟骨面)に直径7mmの小孔を作成して髄内リーミングを施行し、骨脆弱性骨折兎モデルとした。
〔骨脆弱性骨折動物の実験〕
(実施例6)
上記〔骨脆弱性骨折動物の作製〕で作製された骨脆弱性骨折兎モデル4羽を用い動物実験を行った。全身麻酔下、上記小孔より大腿骨髄内へ、実施例5で作製した髄内釘を挿入した。挿入の際には、髄内釘の周囲に上記実施例1で作製したPHA不織布を巻き、バイオペックスを注入する際に、ペーストが骨外へ漏洩しないようにした。バイオペックスの調整は、上記実施例3と同様に行った。注入後、約15分でバイオペックスの硬化が概ね完了した。
(比較例7)
髄内釘及びPHA不織布を使用しない以外は、実施例6と同様の手順により、骨脆弱性骨折兎モデル4羽に対してバイオペックスを注入した。
兎は術後1〜2時間で麻酔から覚醒し、歩行を開始した。1週間経過後と1カ月経過後にレントゲン写真を撮影したところ、実施例6の4羽中、1週間経過時に1羽については骨幹部骨折が見られたが、他の3羽は、図11(a)に示すように、1カ月経過後も再骨折せずに順調に治癒が進んでいることが確認された。
一方、比較例7の4羽についても、1週間経過後と1カ月経過後にレントゲン写真を撮影したところ、4羽中、1羽は1カ月経過後も骨折は認められなかったが、他の3羽については、図11(b)に示すように、1週間で再骨折が確認された。上記結果から、髄内釘とバイオペックスを併用した治療法の有用性は明らかとなった。
〔強度試験〕
(実施例7)
外径16mm×内径13mm×長さ35mmのアクリルパイプを2つ縦に並べたものを型枠とし、予め軽くテーピングして筒状にした。上記実施例1で作製したPHA不織布を、外径約10mm、内径約7mmとした以外は実施例5と同様の方法により作製した髄内釘(長さは65mmにカット)に巻いて、アクリルパイプに挿入した。次に、バイオペックスの粉剤を恒温器(ISUZU SKM−111S)、同液剤をウォーターバス(EYELA NTT−220)にてそれぞれ30℃に事前加温しておき、上記実施例3と同様にバイオペックスのペーストを調整後、髄内釘の内側から、ペーストを注入して試験片とした。なお、注入後は10分間、擬似体液(SBF)に浸漬し、インキュベーター(ISUZU SFR−114S)にて37℃に保持することとした。
上記のように作製した試験片で、三点曲げ試験を行った。三点曲げ試験は、図12(a)に示す強度試験機(MTS 858 Mini Bionix II)にて、ヘッドスピード0.5mm/minの条件で行った。図12(b)は、試料とヘッド部分の拡大写真である。なお、実施例7及び後述する比較例8、9のn数は5とした。
(比較例8)
髄内釘を使用しなかった以外は、実施例7と同様に試験片を作製し、三点曲げ試験を行った。
(比較例9)
髄内釘及びPHA不織布を使用しなかった以外は、実施例7と同様に試験片を作製し、三点曲げ試験を行った。
図13は、髄内釘有(実施例7)及び髄内釘無(比較例8、9)の強度試験結果(応力−変位図)を示し、ヘッドの移動時間と曲げ応力値との関係を示す図である。なお、図13〜15中、BPとあるのはバイオペックスを意味する。また、比較例8、9の強度試験結果は、ほぼ同じ結果であった為、図13中では一つのグラフで示した。図13から明らかなように、髄内釘を入れることにより、長い時間ストレスがかかっていても破断せず、曲げ強度が格段に増すことが明らかになった。
図14は、髄内釘有(実施例7)及び髄内釘無(比較例8、9)の、曲げ応力の最大値を示し、髄内釘を入れることで、曲げ応力の最大値が、4〜5倍向上することが明らかとなった。
図15は、髄内釘有(実施例7)及び髄内釘無(比較例8、9)の、破壊に要したエネルギーの比較を示し、髄内釘を入れることで、破壊に要するエネルギーは格段に向上した。
上記の結果より、本発明のPHAを含む材料から作製された3次元構造体、生分解性材料から作製された髄内釘及び骨セメントを組み合わせて用いると、骨伝導性があり好ましいものの、折れや曲げに弱いバイオペックスを単独で用いた場合と比較して、各段に強度が増すことが明らかになった。したがって、従来のメチルメタクリレートで骨折治療が行われていた個所でも、骨伝導性のある骨セメントの利用が可能となる。
本発明に係るPHAを含む材料から作製された3次元構造体を用いることで、骨折個所の治療の際に、骨セメントが骨外に漏洩することを防止できる。また、本発明のPHAを含む材料から作製された3次元構造体は、耐熱性があることから、硬化時に発熱するメチルメタクリレートも含め、骨セメントの種類を問わず骨外への漏洩を防止できることから、手術の安全性が格段に向上するため、病院や救急センターなどの医療機関や大学医学部などの研究機関、教育機関において、骨折個所の治療材料として利用が可能である。

Claims (7)

  1. 骨折個所に骨セメントを注入する際に骨セメントが漏洩することを防止するための、ポリヒドロキシアルカノエートを含む材料から作製された直径1〜100μmの繊維を堆積したものであることを特徴とする3次元構造体。
  2. 前記ポリヒドロキシアルカノエートが、3−ヒドロキシ酪酸、3−ヒドロキシ吉草酸、4−ヒドロキシ酪酸から選ばれる少なくとも2種の共重合体であることを特徴とする請求項1に記載の3次元構造体。
  3. 前記3次元構造体が、200%以上伸長することを特徴とする請求項1又は2に記載の3次元構造体。
  4. 請求項1〜の何れか一項に記載の3次元構造体及び骨セメントを含む骨充填材の調製用キット。
  5. 請求項1〜の何れか一項に記載の3次元構造体、生分解性材料から作製された髄内釘及び骨セメントを含む骨充填材の調製用キット。
  6. 前記髄内釘が、骨セメントを漏出できるサイズの網目構造を有する筒状のものであることを特徴とする請求項に記載の骨充填材の調製用キット。
  7. 前記骨セメントが、メチルメタクリレート又は骨伝導性のある材料から選ばれることを特徴とする請求項4〜6の何れか一項に記載の骨充填材の調製用キット。
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