以下に、本発明の実施形態に係るハイブリッド車両の制御装置につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記の実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるものあるいは実質的に同一のものが含まれる。
[第1実施形態]
図1から図12を参照して、第1実施形態について説明する。本実施形態は、ハイブリッド車両の制御装置に関する。図1は、本発明の第1実施形態に係るハイブリッド車両の制御装置の動作を示すフローチャート、図2は、第1実施形態に係る車両のスケルトン図、図3は、軸配置の一例を示す図、図4は、第1実施形態に係るハイブリッド車両の制御装置の入出力関係図、図5は、第1実施形態に係るハイブリッド車両の制御装置の係合表を示す図である。
図2に示す車両100は、ハイブリッド車両であり、エンジン1、第一回転電機MG1、第二回転電機MG2、第一遊星歯車機構10、第二遊星歯車機構20、クラッチCLおよびブレーキBKを含んで構成されている。また、本実施形態に係るハイブリッド車両の制御装置1−1は、エンジン1、第一回転電機MG1、第二回転電機MG2、第一遊星歯車機構10、クラッチCLおよびブレーキBKを含んで構成されている。なお、ハイブリッド車両の制御装置1−1は、更にECU50を含んで構成されてもよい。本実施形態では、第一遊星歯車機構10が差動機構に対応している。
エンジン1は、燃料の燃焼エネルギーを回転軸1aの回転運動に変換して出力する。エンジン1の回転軸1aは、第二遊星歯車機構20の第二キャリア24と接続されている。エンジン1の回転軸1aと同軸上には、エンジン1側から順に、第二遊星歯車機構20、第一遊星歯車機構10、第一回転電機MG1、クラッチCL、ブレーキBKが配置されている。
第一遊星歯車機構10は、エンジン1に接続された回転要素と、第一回転電機MG1に接続された回転要素と、ブレーキBKに接続された回転要素とを有する差動機構である。第一遊星歯車機構10は、第一回転電機MG1の回転を変速して出力するMG1変速プラネタリとしての機能を有する。
第一遊星歯車機構10は、シングルピニオン式であり、第一サンギア11、第一ピニオンギア12、第一リングギア13および第一キャリア14を有する。第一リングギア13は、第一サンギア11と同軸上であってかつ第一サンギア11の径方向外側に配置されている。第一ピニオンギア12は、第一サンギア11と第一リングギア13との間に配置されており、第一サンギア11および第一リングギア13とそれぞれ噛み合っている。第一ピニオンギア12は、第一キャリア14によって回転自在に支持されている。
第一キャリア14は、第一回転電機MG1の回転軸25と接続されている。回転軸25は、エンジン1の回転軸1aと同軸上に回転自在に支持されている。従って、第一ピニオンギア12は、第一キャリア14と共に回転軸1aの中心軸線周りに回転(公転)可能であり、かつ第一キャリア14によって支持されて第一ピニオンギア12の中心軸線周りに回転(自転)可能である。本実施形態では、第一キャリア14が第一回転電機MG1に接続された回転要素に対応している。
第二遊星歯車機構20は、エンジン1の動力を出力側と第一回転電機MG1側とに分割する動力分割プラネタリとしての機能を有している。
第二遊星歯車機構20は、第一遊星歯車機構10に隣接して配置されており、第一遊星歯車機構10と軸方向において互いに対向している。第二遊星歯車機構20は、シングルピニオン式であり、第二サンギア21、第二ピニオンギア22、第二リングギア23および第二キャリア24を有する。第二リングギア23は、第二サンギア21と同軸上であってかつ第二サンギア21の径方向外側に配置されている。第二ピニオンギア22は、第二サンギア21と第二リングギア23との間に配置されており、第二サンギア21および第二リングギア23とそれぞれ噛み合っている。第二ピニオンギア22は、第二キャリア24によって回転自在に支持されている。
第二キャリア24は、エンジン1の回転軸1aと接続されており、回転軸1aと一体回転する。従って、第二ピニオンギア22は、第二キャリア24と共に回転軸1aの中心軸線周りに回転(公転)可能であり、かつ第二キャリア24によって支持されて第二ピニオンギア22の中心軸線周りに回転(自転)可能である。
第二サンギア21は、第一リングギア13と接続されている。つまり、第一リングギア13は、第二サンギア21、第二ピニオンギア22および第二キャリア24を介してエンジン1の回転軸1aと接続されており、エンジン1に接続された回転要素に対応している。第一リングギア13は、第一遊星歯車機構10に入力されたMG1トルクを出力する出力回転要素である。
第一回転電機MG1の回転軸25は、係合部26を有する。係合部26は、回転軸25におけるエンジン1側と反対側の端部に配置されている。係合部26は、径方向外側に向けて突出する円板形状をなしている。第一回転電機MG1の回転軸25は、中空であり、その内部に第一サンギア11の回転軸が挿入されている。第一サンギア11の回転軸は、係合部27を有する。係合部27は、第一サンギア11の回転軸におけるエンジン1側と反対側の端部に配置されている。係合部27は、径方向外側に向けて突出する円板形状をなしている。係合部27は、係合部26よりもエンジン側と反対側に位置している。
本実施形態では、第一遊星歯車機構10を変速させる切替機構は、クラッチCLとブレーキBKとを含んで構成されている。
クラッチCLは、第一遊星歯車機構10の差動を規制することができる。本実施形態のクラッチCLは、係合部26に連結された第一キャリア側係合要素と、係合部27に連結された第一サンギア側係合要素とを有する。クラッチCLは、第一キャリア側係合要素と第一サンギア側係合要素とが係合することにより、第一キャリア14と第一サンギア11とを接続し第一遊星歯車機構10の差動を規制することができる。クラッチCLは、例えば、噛合い式や摩擦係合式のクラッチ装置とすることができる。なお、クラッチCLは、第一キャリア14と第一サンギア11とを接続するものには限定されない。クラッチCLは、第一サンギア11、第一キャリア14、第一リングギア13の3つの回転要素のうち、いずれか2つ以上を接続して第一遊星歯車機構10の差動を規制するものであればよい。
ブレーキBKは、第一遊星歯車機構10の回転要素の回転を規制することができる。本実施形態のブレーキBKは、第一サンギア11の回転を規制する。具体的には、ブレーキBKは、係合部27に連結された回転要素側係合要素と、車体側に固定された車体側係合要素とを有する。ブレーキBKは、回転要素側係合要素と車体側係合要素とが係合することにより、第一サンギア11の回転を規制する。ブレーキBKは、例えば、噛合い式や摩擦係合式のクラッチ装置とすることができる。なお、ブレーキBKは、第一サンギア11の回転を規制するものには限定されない。ブレーキBKは、第一サンギア11、第一キャリア14、第一リングギア13の3つの回転要素のうち、少なくとも一つの回転を規制するものであればよい。
クラッチCLおよびブレーキBKを噛合い式のクラッチ、例えばドグ歯噛合い式とした場合、湿式摩擦材のクラッチと比較して、非係合時の引き摺り損失が小さく、高効率化が可能である。噛合い式クラッチのアクチュエータは、電磁式を用いることができる。この場合、油圧回路が不要となり、T/Aの簡略化、軽量化が可能となる。
第二リングギア23の外周には、カウンタドライブギア15が配置されている。カウンタドライブギア15は、第二遊星歯車機構20の出力軸に配置された出力ギアであり、動力源の動力を駆動輪39に向けて出力する。
カウンタドライブギア15は、カウンタドリブンギア31と噛み合っている。また、カウンタドリブンギア31には、リダクションギア35が噛み合っている。リダクションギア35は、第二回転電機MG2の回転軸34に配置されたギアである。リダクションギア35は、カウンタドリブンギア31よりも小径であり、第二回転電機MG2の回転を減速してカウンタドリブンギア31に伝達する。カウンタドリブンギア31は、カウンタシャフト32を介してドライブピニオンギア33と接続されている。カウンタドリブンギア31とドライブピニオンギア33とは一体回転する。
ドライブピニオンギア33は、デファレンシャル装置36のデフリングギア37と噛み合っている。デファレンシャル装置36は、左右の駆動軸38を介して駆動輪39と接続されている。
第一回転電機MG1および第二回転電機MG2は、それぞれモータ(電動機)としての機能と、発電機としての機能とを備えている。第一回転電機MG1および第二回転電機MG2は、インバータを介してバッテリと接続されている。第一回転電機MG1および第二回転電機MG2は、バッテリから供給される電力を機械的な動力に変換して出力することができると共に、入力される動力によって駆動されて機械的な動力を電力に変換することができる。回転電機MG1,MG2によって発電された電力は、バッテリに蓄電可能である。第一回転電機MG1および第二回転電機MG2としては、例えば、交流同期型のモータジェネレータを用いることができる。
本実施形態に係る車両100では、図3に示すように各軸X1,X2,X3,X4が配置されている。第二回転電機MG2の中心軸線であるMG2軸X3は、最も上側に配置されている。また、デファレンシャル装置36の中心軸線であるデフ軸X4は、最も下側に配置されている。エンジン1および第一回転電機MG1の中心軸線であるエンジン・MG1軸X1は、最も前側に配置されている。また、カウンタシャフト32の中心軸線であるカウンタ軸X2は、軸方向視において各軸X1,X3,X4を頂点とする三角形の内部に配置されている。
図2に戻り、車両100は、ECU50を備える。ECU50は、コンピュータを有する電子制御ユニットである。ECU50は、車両100の各部を制御する制御装置としての機能を有する。ECU50は、エンジン1、第一回転電機MG1、第二回転電機MG2、クラッチCLおよびブレーキBKと接続されており、エンジン1、第一回転電機MG1、第二回転電機MG2、クラッチCLおよびブレーキBKを制御することができる。
例えば、ECU50は、エンジン1の燃料噴射制御や点火制御、電子スロットル制御等によってエンジン1のトルクや回転数を制御することができる。また、ECU50は、第一回転電機MG1および第二回転電機MG2の回転数やトルクを制御することができる。また、ECU50は、図示しない油圧制御装置からクラッチCLおよびブレーキBKに対する供給油圧を制御することによってクラッチCLおよびブレーキBKの係合/開放状態を制御することができる。
図4に示すように、本実施形態に係るECU50は、HV_ECU50Aと、MG_ECU50Bと、エンジンECU50Cとを有する。HV_ECU50Aは、ハイブリッドシステムを統合制御する制御装置としての機能を有している。MG_ECU50Bは、第一回転電機MG1および第二回転電機MG2を制御する制御装置としての機能を有している。エンジンECU50Cは、エンジン1を制御する制御装置としての機能を有している。
HV_ECU50Aには、車速を示す信号、アクセル開度を示す信号、バッテリの充電状態SOCを示す信号がそれぞれ入力される。また、HV_ECU50Aには、MG1回転数センサ、MG2回転数センサ、出力軸回転数センサがそれぞれ接続されている。MG1回転数センサは、第一回転電機MG1の回転数であるMG1回転数を検出し、HV_ECU50Aに対してその検出結果を示す信号を出力する。MG2回転数センサは、第二回転電機MG2の回転数であるMG2回転数を検出し、HV_ECU50Aに対してその検出結果を示す信号を出力する。出力軸回転数センサは、ハイブリッドシステムの出力軸の回転数、例えば第二リングギア23の回転数を検出し、HV_ECU50Aに対してその検出結果を示す信号を出力する。
HV_ECU50Aは、取得した情報に基づいて、ハイブリッドシステムを制御する。HV_ECU50Aは、例えば、取得した情報に基づいて要求駆動力や要求パワーを算出することができる。また、HV_ECU50Aは、取得した情報に基づいて走行モードを決定することができる。また、HV_ECU50Aは、取得した情報に基づいて、エンジン1、第一回転電機MG1、第二回転電機MG2、ブレーキBKおよびクラッチCLのそれぞれに対する指令値を決定することができる。
例えば、HV_ECU50Aは、第一回転電機MG1に対するトルク指令であるMG1トルク指令および第二回転電機MG2に対するトルク指令であるMG2トルク指令を決定し、これらのトルク指令をMG_ECU50Bに対して出力する。MG_ECU50Bは、各トルク指令に基づいて第一回転電機MG1に対する供給電流および第二回転電機MG2に対する供給電流をそれぞれ制御する。
また、HV_ECU50Aは、エンジン1に対するトルク指令であるエンジントルク指令を決定し、エンジントルク指令をエンジンECU50Cに対して出力する。エンジンECU50Cは、エンジントルク指令に基づいて電子スロットル弁の開度や点火タイミング等を制御する。
また、HV_ECU50Aは、クラッチCLに対する指令値(例えば、供給油圧の指令値)PbC1やブレーキBKに対する指令値(例えば、供給油圧の指令値)PbB1をアクチュエータ(例えば、油圧制御装置)に対して出力する。
図5に示すように、車両100は、1つのEV走行モードと、3つのHV走行モードとを有する。車両100は、EV走行モードとして、1MGモードを有する。1MGモードは、第二回転電機MG2を動力源として車両100を走行させる走行モードである。図6は、1MGモードに係る共線図である。共線図において、S1軸は第一サンギア11の回転数、C1軸は第一キャリア14の回転数、R1軸は第一リングギア13の回転数をそれぞれ示す。また、S2軸は第二サンギア21の回転数、C2軸は第二キャリア24の回転数、R2軸は第二リングギア23の回転数をそれぞれ示す。また、PL1は第一遊星歯車機構10、PL2は第二遊星歯車機構20を示す。
図5に示すように、1MGモードでは、ブレーキBKおよびクラッチCLがともに開放される。1MGモードでは、第二回転電機MG2の動力が駆動輪39に伝達されて車両100が走行する。1MGモードでは、エンジン1の運転を停止して走行することができる。出力軸の第二リングギア23は、第二回転電機MG2の回転と連動して回転する。1MGモードでは、エンジン1や第一回転電機MG1は、例えば回転を停止し、もしくは引き摺られて低速で回転する。
従って、本実施形態に係るハイブリッド車両の制御装置1−1によれば、ブレーキBKおよびクラッチCLを開放して第一遊星歯車機構10をニュートラルとすることにより、エンジン回転数およびMG1回転数を略0とすることができる。よって、エンジン1や第一回転電機MG1を切り離すための専用のクラッチが不要となる。
図7は、HVモードHiに係る共線図である。図5に示すように、HVモードHiでは、ブレーキBKが開放され、クラッチCLが係合される。クラッチCLが係合されることにより、第一遊星歯車機構10の差動が規制され、第一サンギア11、第一キャリア14および第一リングギア13が一体回転する。従って、第一回転電機MG1は、エンジン1の反力受けとして機能することができる。第一回転電機MG1が出力するMG1トルクは、第一リングギア13から第二サンギア21に伝達され、エンジントルクに対する反力トルクとして作用する。これにより、エンジントルクが第二リングギア23から出力されて駆動輪39に伝達される。HVモードHiでは、第一回転電機MG1の回転が増速も減速もされずに等速で第二サンギア21に伝達される。HVモードHiは、エンジン回転を増速して第二リングギア23から出力する場合、例えば高車速走行時に実行される。あるいは、HVモードHiは、第一回転電機MG1の回転数を増速しない方が効率等の点で有利な場合に選択されてもよい。
図8は、HVモードLoに係る共線図である。図5に示すように、HVモードLoでは、ブレーキBKが係合され、クラッチCLが開放される。ブレーキBKが係合されることにより、第一サンギア11の回転が規制される。第一サンギア11は、MG1トルクに対する反力受けとして機能し、MG1トルクを第一リングギア13から第二サンギア21に伝達させることができる。これにより、第一回転電機MG1は、エンジン1に対する反力受けとして機能し、エンジントルクを第二リングギア23から駆動輪39に対して出力させることができる。第一遊星歯車機構10は、HVモードLoでは、第一回転電機MG1の回転を増速して第一リングギア13から第二サンギア21に伝達することができる。つまり、第一遊星歯車機構10は、差動が許容された状態で、第一回転電機MG1の回転を増速して出力する。HVモードLoは、エンジン回転数を減速して第二リングギア23から出力する場合、例えば低車速走行時に実行される。あるいは、HVモードLoは、第一回転電機MG1の回転数を増速した方が効率等の点で有利な場合に選択されてもよい。
図9は、MG1ロックに係る共線図である。図5に示すように、MG1ロックでは、ブレーキBKおよびクラッチCLが共に係合される。ブレーキBKが係合することにより第一サンギア11の回転が規制され、クラッチCLが係合することにより第一遊星歯車機構10の差動が規制される。従って、MG1ロックのモードでは、第一遊星歯車機構10の全ての回転要素の回転が規制される。また、第一リングギア13と接続された第二サンギア21の回転も規制される。よって、第二サンギア21は、エンジン1の反力受けとして機能し、エンジントルクを第二リングギア23から駆動輪39に対して出力させることができる。MG1ロックのモードでは、第二回転電機MG2にアシストトルクを出力させることも、減速時に回生発電を行わせることも、エンジントルクによって発電を行わせることも可能である。
MG1ロックのモードは、例えば、車両100の高車速走行時に実行される。MG1ロックのモードでは、第一回転電機MG1の回転がロックされるため、第一回転電機MG1の引き摺り損失による効率低下が抑制される。また、機械的に第一遊星歯車機構10の回転をロックすることにより、第一回転電機MG1のトルクによる反力受けが不要となり、高車速巡航時等における動力循環の発生が抑制される。また、MG1ロックのモードは、回転電機MG1,MG2を含む電気系統の不調時等に実行されてもよい。MG1ロックのモードでは、第一回転電機MG1および第二回転電機MG2のいずれのトルクも必要とせずにエンジントルクによって車両100を走行させることができる。従って、電気系統の不調時等であっても、車両100を走行させることが可能となる。
EV走行モードからHV走行モードに移行する場合、ECU50は、エンジン1を始動する。本実施形態のハイブリッド車両の制御装置1−1は、EV走行モードから第一回転電機MG1によってエンジン1を始動する始動制御として、第一始動制御および第二始動制御を備える。
第一始動制御は、第一遊星歯車機構10の差動を規制した状態でエンジン1を始動する始動制御である。一方、第二始動制御は、第一遊星歯車機構10の差動を許容した状態でエンジン1を始動する始動制御である。第一始動制御および第二始動制御を適宜選択してエンジン始動を行うことにより、広い速度範囲でエンジン1を第一回転電機MG1によって始動することが可能となる。また、適切に始動制御を選択することによって、エンジン始動時におけるイナーシャ等による損失を低減することが可能となる。
図10は、第一始動制御に係る共線図である。第一始動制御では、ブレーキBKが開放され、かつクラッチCLが係合される。クラッチCLが係合することにより、第一遊星歯車機構10の差動が規制される。第一回転電機MG1は、正トルクを出力してエンジン回転数を上昇させる。ここで、正トルクは、車両100の前進時の第二リングギア23の回転方向のトルクである。MG1トルクは、第一リングギア13から第二サンギア21を介して第二キャリア24に伝達され、エンジン回転数を上昇させることができる。ECU50は、エンジン回転数が予め定められた回転数N3まで上昇すると、ファイアリングを行い、エンジン1を自立運転させる。
ECU50は、第一始動制御を実行する場合、MG1回転数を第一リングギア13の回転数N1に同期させてからクラッチCLを係合することができる。1MGモードで走行中は、図6に示すように、第一リングギア13および第二サンギア21は負回転している。このときに、MG1回転数を第一リングギア13の回転数N1に同期させてクラッチCLを係合すると、図10に実線で示す回転状態となる。第一回転電機MG1は、正トルクを出力して、図10に破線で示すように、回転数N3までエンジン回転数を上昇させる。このときのエンジン回転数N3は、ファイアリングによりエンジン1が自立運転を開始できる回転数として予め定められた回転数である。ECU50は、図10に破線で示す状態からファイアリングを行い、エンジン1を始動する。ECU50は、エンジン1の始動が完了すると、3つのHVモードのいずれかのモードで車両100を走行させる。
なお、ECU50は、MG1回転数を第一リングギア13の回転数N1に同期させることなく、クラッチCLを係合することも可能である。この場合、クラッチCLを半係合状態とすることによりMG1回転数を第一リングギア13の回転数N1まで連続的に変化させることができる。
図11は、第二始動制御に係る共線図である。第二始動制御では、ブレーキBKが係合され、かつクラッチCLが開放される。ブレーキBKが係合することにより、第一サンギア11の回転が規制される。従って、第一サンギア11は、MG1トルクに対する反力受けとして機能し、MG1トルクを第一リングギア13から第二サンギア21を介して第二キャリア24に伝達することができる。第一回転電機MG1は、正トルクを出力し、エンジン回転数を上昇させることができる。
ECU50は、第二始動制御を実行する場合、MG1回転数を予め調節してからブレーキBKを係合するようにしてもよい。1MGモードで走行中にブレーキBKを係合すると、MG1回転数は、図11に示す回転数N4となる。このときのMG1回転数N4は、第一リングギア13の回転数N1と、第一サンギア11の回転数(0)と、第一遊星歯車機構10のギア比とで決まる。ECU50は、MG1回転数をブレーキBKを係合した場合の回転数N4に予め調節してからブレーキBKを係合させることができる。第一回転電機MG1は、正トルクを出力して、図11に破線で示すように回転数N3までエンジン回転数を上昇させる。このときのエンジン回転数N3は、ファイアリングによりエンジン1が自立運転を開始できる回転数として予め定められた回転数である。ECU50は、図11に破線で示す状態からファイアリングを行い、エンジン1を始動する。ECU50は、エンジン1の始動が完了すると、3つのHVモードのいずれかのモードで車両100を走行させる。
なお、ECU50は、MG1回転数をブレーキBK係合後の回転数N4に調節することなく、ブレーキBKを係合することも可能である。この場合、ブレーキBKを半係合状態とすることにより、ブレーキBKが完全係合したときの回転数N4までMG1回転数を変化させることができる。
図1および図12を参照して、ハイブリッド車両の制御装置1−1のエンジン始動制御について説明する。図12は、本実施形態のエンジン始動制御に係るタイムチャートである。図12には、エンジン回転数、MG1トルク、MG1回転数、MG2トルクおよびMG2回転数の推移が示されている。図1に示す制御フローは、例えば、車両100の走行中、一例として1MGモードによる走行中に実行される。
まず、ステップS1では、ECU50により、エンジン1が停止中であるか否かが判定される。その判定の結果、エンジン停止中であると判定された場合(ステップS1−Y)にはステップS2に進み、そうでない場合(ステップS1−N)には本制御フローは終了する。
ステップS2では、ECU50により、エンジン始動要求があるか否かが判定される。ECU50は、例えば、車速や要求駆動力、バッテリの充電状態等の車両100の走行状況に基づいてステップS2の判定を行うことができる。ステップS2の判定の結果、エンジン始動要求があると判定された場合(ステップS2−Y)にはステップS3に進み、そうでない場合(ステップS2−N)には本制御フローは終了する。図12では、時刻t1にエンジン始動要求がなされる。
ステップS3では、ECU50により、車速情報が取得される。ステップS3が実行されると、ステップS4に進む。
ステップS4では、ECU50により、車速が閾値以上であるか否かが判定される。ECU50は、ステップS3で取得した車速と閾値とを比較してステップS4の判定を行う。この閾値は、第一始動制御あるいは第二始動制御のいずれの始動制御を実施するかを判定する閾値である。閾値は、例えば、以下に説明するように定められている。
閾値は、例えば、エンジン1を始動するときのMG1回転数の変化量が小さい方の始動制御を選択することができるように定められる。第一始動制御(図10参照)の場合、エンジン始動に係るMG1回転数の変化量ΔN1は、例えば、1MGモードにおけるMG1回転数(一例として、0)から第一リングギア13の回転数N1までの回転数の変化量ΔNa、第一リングギア13の回転数N1からエンジン1のファイアリングを開始するときの回転数N2までの回転数の変化量ΔNb、あるいは1MGモードにおけるMG1回転数からファイアリングを開始するときの回転数N2までの回転数の変化量ΔNcの少なくともいずれか1つを含むことができる。本実施形態では、第一始動制御のMG1回転数の変化量ΔN1は、上記回転数の変化量ΔNaと回転数の変化量ΔNbとの和であるものとする。
第二始動制御(図11参照)の場合、エンジン始動に係るMG1回転数の変化量ΔN2は、例えば、1MGモードにおけるMG1回転数からブレーキBK係合後の回転数N4までの回転数の変化量ΔNd、ブレーキBK係合後の回転数N4からエンジン1のファイアリングを開始するときの回転数N5までの回転数の変化量ΔNe、あるいは1MGモードにおけるMG1回転数からファイアリングを開始するときの回転数N5までの回転数の変化量ΔNfの少なくともいずれか1つを含むことができる。本実施形態では、第二始動制御のMG1回転数の変化量ΔN2は、上記回転数の変化量ΔNdと回転数の変化量ΔNeとの和であるものとする。
第一始動制御のMG1回転数の変化量ΔN1、および第二始動制御のMG1回転数の変化量ΔN2は、それぞれ車速に応じて変化する。つまり、第一始動制御のMG1回転数の変化量ΔN1あるいは第二始動制御のMG1回転数の変化量ΔN2のいずれが小さくなるかは、車速に応じて決まる。
低車速で走行している場合、第一始動制御のMG1回転数の変化量ΔN1の方が小さくなる可能性が高いと考えられ、高車速で走行している場合、第二始動制御のMG1回転数の変化量ΔN2の方が小さくなる可能性が高いと考えられる。閾値は、例えば、MG1回転数の変化量ΔN1,ΔN2の大小関係が逆転する車速として定められる。
ステップS4の判定の結果、車速が閾値以上であると判定された場合(ステップS4−Y)には、ステップS5に進み、そうでない場合(ステップS4−N)にはステップS6に進む。図12では、時刻t2に車速に基づいてエンジン始動モードの判定が実施される。
ステップS5では、ECU50により、高速モードでのエンジン始動が実施される。本実施形態では、高速モードでのエンジン始動として、第二始動制御が実施される。ECU50は、ブレーキBKを係合し、かつクラッチCLを開放して第一回転電機MG1のトルクによってエンジン1のクランキングを行い、エンジン1を始動する。図12では、時刻t3にエンジン1の点火がなされる。エンジン始動が完了すると、MG1トルクは負トルクとされ、第一回転電機MG1がエンジン1の反力を受ける。ステップS5が実行されると、本制御フローは終了する。
ステップS6では、ECU50により、低速モードでのエンジン始動が実施される。本実施形態では、低速モードでのエンジン始動として、第一始動制御が実施される。ECU50は、ブレーキBKを開放し、かつクラッチCLを係合して第一回転電機MG1のトルクによってエンジン1のクランキングを行い、エンジン1を始動する。ステップS6が実行されると、本制御フローは終了する。
なお、第一回転電機MG1のトルクによってエンジン回転数を上昇させるときに、第二リングギア23には、始動反力トルクが作用する。この始動反力トルクは、負方向のトルクであり、車両100の走行駆動力を減少させるトルクである。ECU50は、第一回転電機MG1のトルクによってエンジン回転数を上昇させるときに、始動反力トルクを打ち消すようにMG2トルクを増加させる。
以上説明したように、本実施形態に係るハイブリッド車両の制御装置1−1は、第一始動制御と第二始動制御とを備えることにより、走行状態に適した始動制御でエンジン始動を実施することができる。第一遊星歯車機構10がMG1回転数を等速度で出力する第一始動制御と、第一遊星歯車機構10がMG1回転数を増速して出力する第二始動制御とを選択可能であることから、広い車速領域で第一回転電機MG1によるエンジン始動を行うことができる。
適切に始動制御を選択することで、エンジン始動時のMG1回転数を抑制することができる。例えば、1種類の始動制御しか実施できない場合、高車速時にエンジン始動をしようとすると、MG1回転数が高回転となり、トルク不足となる虞がある。これに対して高回転で大トルクを出力できる回転電機を搭載するとコスト増を招いてしまう。本実施形態のハイブリッド車両の制御装置1−1は、始動制御を適宜選択することにより、エンジン始動時のMG1回転数を抑制することができる。よって、MG1トルクの不足を抑制し、低コスト化を実現することができる。MG1回転数を変速できることにより、第一回転電機MG1に大トルクを発揮させることが可能となる。また、高車速であっても第一回転電機MG1によってエンジン1を始動することができるため、EV走行領域を高車速側に拡張することができ、燃費の向上が可能である。
ブレーキBKおよびクラッチCLを係合して第一回転電機MG1の回転をロックした状態からエンジン1を始動するときは、走行状態等によりブレーキBKおよびクラッチCLのうちで必要な一方の係合装置は係合したまま、他方の係合装置を開放して第一遊星歯車機構10を動力伝達状態に切り替えることができる。単一係合装置の開放なので、エンジン回転数を第一回転電機MG1で上昇させる制御が行いやすい。
本実施形態に係るハイブリッド車両の制御装置1−1は、HV走行時に第一遊星歯車機構10の変速によって第一回転電機MG1の回転数レンジを選択できるため、高車速走行時の動力循環の発生が抑制可能である。なお、HVモードLoとHVモードHiとの切り替えは、例えば、第一回転電機MG1を高効率で動作させることができるように決定されてもよい。
また、ハイブリッド車両の制御装置1−1によれば、トーイング(牽引)等の発熱の厳しい条件において、MG1ロックモードで係合装置によって機械的にエンジン反力を受けることが可能であり、第一回転電機MG1の熱制限要件が緩和される。
なお、HV走行時に、ブレーキBK/クラッチCLによる変速と、第一回転電機MG1の回転制御による変速とを同時に行うようにしてもよい。例えば、HVモードLoとHVモードHiとの切り替えによるショックを抑制するように、第一回転電機MG1の回転制御が行われてもよい。
なお、本実施形態では、差動機構として遊星歯車機構が用いられているが、これには限定されず、他の公知の差動機構が第一遊星歯車機構10に代えて搭載されてもよい。また、差動機構を変速させる切替機構は、ブレーキBKとクラッチCLとの組合せに限定されるものではない。
[第2実施形態]
図13から図18を参照して、第2実施形態について説明する。第2実施形態については、上記第1実施形態で説明したものと同様の機能を有する構成要素には同一の符号を付して重複する説明は省略する。図13は、第2実施形態に係る車両のスケルトン図である。本実施形態のハイブリッド車両の制御装置1−2において、上記第1実施形態のハイブリッド車両の制御装置1−1と異なる点は、第一遊星歯車機構10において、第一回転電機MG1の回転を減速して出力可能な点である。
図13に示すように、第一回転電機MG1の回転軸25は、第一リングギア13に接続されている。つまり、第一リングギア13は、第一回転電機MG1に接続された回転要素に対応する。第一キャリア14は、第二サンギア21と接続されている。従って、第一キャリア14は、第二サンギア21、第二ピニオンギア22および第二キャリア24を介してエンジン1と接続された回転要素である。
クラッチCLは、第一サンギア11と第一リングギア13とを接続することにより第一遊星歯車機構10の差動を規制する。具体的には、クラッチCLは、第一回転電機MG1の回転軸25の係合部26に連結された第一リングギア側係合要素と、係合部27に連結された第一サンギア側係合要素とを有する。クラッチCLは、第一リングギア側係合要素と第一サンギア側係合要素とが係合することにより、第一リングギア13と第一サンギア11とを接続し、第一遊星歯車機構10の差動を規制することができる。なお、クラッチCLは、第一リングギア13と第一サンギア11とを接続するものには限定されない。
ブレーキBKは、第一サンギア11の回転を規制する。なお、ブレーキBKは、第一サンギア11に代えて、第一キャリア14の回転を規制するようにしてもよい。
図14は、第2実施形態に係るハイブリッド車両の制御装置1−2の係合表を示す図である。本実施形態のハイブリッド車両の制御装置1−2は、上記第1実施形態のハイブリッド車両の制御装置1−1と同様に、1つのEVモードと、3つのHVモードとを備えている。
図15は、第2実施形態の1MGモードに係る共線図である。図14に示すように、1MGモードでは、ブレーキBKおよびクラッチCLがそれぞれ開放される。ECU50は、第二回転電機MG2のトルクによって車両100を走行させる。出力軸の第二リングギア23は、第二回転電機MG2の回転と連動して回転する。1MGモードでは、エンジン1や第一回転電機MG1は、例えば、運転を停止し、もしくは引き摺られて低速で回転する。
図16は、第2実施形態のHVモードHiに係る共線図である。図14に示すように、HVモードHiでは、ブレーキBKが係合され、クラッチCLが開放される。ブレーキBKが係合されることにより、第一サンギア11の回転が規制される。従って、第一サンギア11がMG1トルクに対する反力受けとなり、MG1トルクを第一キャリア14から第二サンギア21に伝達させることができる。よって、第一回転電機MG1は、エンジン1の反力を受け、エンジントルクを第二リングギア23から駆動輪39に出力させることができる。
HVモードHiでは、第一回転電機MG1の回転数が減速されて第一キャリア14から第二サンギア21に伝達される。つまり、第一遊星歯車機構10は、差動が許容された状態で第一回転電機MG1の回転を減速して出力する。HVモードHiは、例えば、高車速走行時に実行されてもよい。あるいは、HVモードHiは、第一キャリア14の回転数が低回転となる運転状態のときに選択されてもよい。
図17は、第2実施形態のHVモードLoに係る共線図である。図14に示すように、HVモードLoでは、ブレーキBKが開放され、クラッチCLが係合される。クラッチCLが係合されることにより、第一遊星歯車機構10の差動が規制され、第一回転電機MG1がエンジン1の反力受けとして機能することができる。第一回転電機MG1が出力するMG1トルクは、第一キャリア14から第二サンギア21に伝達され、エンジントルクに対する反力トルクとして作用する。これにより、エンジントルクが第二リングギア23から出力されて駆動輪39に伝達される。
HVモードLoでは、第一回転電機MG1の回転が増速も減速もされずに等速で第二サンギア21に伝達される。HVモードLoは、例えば低車速走行時に実行されてもよい。あるいは、HVモードLoは、第一キャリア14の回転数が高回転となる運転状態のときに選択されてもよい。
図18は、第2実施形態のMG1ロックに係る共線図である。図14に示すように、MG1ロックでは、ブレーキBKおよびクラッチCLが共に係合される。ブレーキBKが係合することにより第一サンギア11の回転が規制され、クラッチCLが係合することにより第一遊星歯車機構10の差動が規制される。従って、MG1ロックのモードでは、第一遊星歯車機構10の全ての回転要素の回転が規制される。また、第一キャリア14と接続された第二サンギア21の回転も規制される。よって、第二サンギア21は、エンジン1の反力受けとして機能し、エンジントルクを第二リングギア23から駆動輪39に対して出力させることができる。
本実施形態に係るハイブリッド車両の制御装置1−2は、上記第1実施形態のハイブリッド車両の制御装置1−1と同様に、第一始動制御および第二始動制御を実施することができる。第一始動制御は、クラッチCLを係合して第一遊星歯車機構10の差動を規制した状態で、かつブレーキBKを開放して第一回転電機MG1によってエンジン1を始動する始動制御である。第二始動制御は、クラッチCLを開放して第一遊星歯車機構10の差動を許容した状態で、かつブレーキBKを係合して第一回転電機MG1によってエンジン1を始動する始動制御である。
ECU50は、例えば、予め定められた閾値以上の車速で走行している場合には第二始動制御を実行し、車速が閾値未満である場合には第一始動制御を実行するようにしてもよい。
[実施形態の変形例]
上記第1実施形態および第2実施形態の変形例について説明する。上記の各実施形態では、車速に基づいて第一始動制御あるいは第二始動制御の選択がなされたが、始動制御の選択方法はこれには限定されない。例えば、第一回転電機MG1の回転数に関連する他の運転状態に基づいて、始動制御の選択がなされてもよい。
また、エンジン始動後に実行されるHV走行モードに基づいて始動制御が選択されてもよい。例えば、EV走行モードから、第一遊星歯車機構10の差動が規制されるHV走行モード(HVモードLo)へ移行する場合には、第一遊星歯車機構10の差動を規制する第一始動制御によってエンジン1を始動するようにしてもよい。一方、EV走行モードから、第一遊星歯車機構10の差動が許容されるHV走行モード(HVモードHi)に移行する場合には、第一遊星歯車機構10の差動を許容する第二始動制御によってエンジン1を始動するようにしてもよい。
また、エンジン始動に要する時間に基づいて、始動制御の選択がなされてもよい。例えば、高い加速応答性が要求される運転状況では、エンジン始動に要する時間を短くすることを優先して始動制御を選択し、高い加速応答性が要求されない運転状況では、MG1回転数の変化量を少なくすることを優先して始動制御を選択するようにしてもよい。
上記の各実施形態では、以下のギヤトレーンが開示されている。
機関と、変速部と、差動部と、変速部の軸に係合する2つの係合要素とを備え、第一回転電機の出力軸が変速部の入力軸に連結され、差動部の第一要素が変速部の出力軸に連結され、第二要素に機関が連結され、第三要素に第二回転電機が連結されており、変速部は係合する係合要素を切り替えることで第一回転電機を変速し、2つの係合要素を両方係合することで第一回転電機の回転数を0に固定するギヤトレーン。
このギヤトレーンによれば、新たな固定手段を追加することなく、エンジン走行時にエンジンのみでの直達走行を可能とすることができる。
上記の各実施形態および変形例に開示された内容は、適宜組み合わせて実行することができる。