JP5898048B2 - 鍵管理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、鍵管理装置に関する。
鍵ホルダに鍵を連結するにあたって、封緘具を用いることにより、封緘具を破壊しない限り鍵を鍵ホルダから抜き取ることができない構造となっている技術が知られている。つまり、この場合の封緘具は、鍵の鍵ホルダからの不正な抜き取りを防止するとともに、無理な抜き取りがあった場合には破壊の痕跡を示すことで不正行為等があったことを示唆する機能を担う(例えば、特許文献1参照)。
特開2011−179164号公報
しかしながら、このように封緘具を用いるものであると、正規に、鍵ホルダへの新しい鍵の付け替えが必要になった際にも、封緘具を破壊して鍵ホルダから古い鍵を抜き取り、新しい封緘具を用意して鍵ホルダに新しい鍵を連結する必要がある。このため、その作業が煩雑なものになるとともに、古い封緘具の廃棄が必要になるという課題が存在する。
したがって、本発明は、鍵の鍵ホルダからの不正な抜き取りを防止することができ、その上で、鍵ホルダへの鍵の付け替え時には、付け替え作業の容易化および廃棄物の低減を図ることが可能となる鍵管理装置の提供を目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、装置本体と、該装置本体に対し着脱可能であって装着状態でロックされる着脱部材および該着脱部材に鍵を連結する連結部材からなる鍵ホルダとを備え、前記連結部材は、前記着脱部材の貫通穴と前記鍵の貫通穴とに挿入可能な線状部材と、該線状部材をその両端部を同時に収容した状態でロックする連結部材本体と、を備え、前記装置本体には、前記連結部材本体による前記線状部材のロックを解除するロック解除手段が設けられていることを特徴とする。
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において、前記連結部材本体は、ケースと、前記線状部材の両端部を保持しつつ前記ケースにスライド可能に設けられるスライド体と、を有し、前記線状部材は、両端部が近接方向に移動させられることで前記スライド体に対し着脱され、前記ケースは、前記スライド体に装着された前記線状部材の両端部の間に配置されてこれら両端部の近接方向移動を規制する近接方向移動規制部と、該近接方向移動規制部が前記線状部材の両端部の近接方向移動を規制する位置で前記スライド体のスライドを規制するスライド規制部と、を有し、前記ロック解除手段は、前記ケースに挿入されて前記スライド規制部による前記スライド体のスライド規制を解除し該スライド体を押圧してスライドさせることにより該スライド体に装着された前記線状部材の両端部を前記近接方向移動規制部から離間させることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項2に係る発明において、前記スライド体は、スライド方向に沿って延在する二本の腕部を有し、前記スライド規制部は、前記二本の腕部のそれぞれが所定の角度状態にあるとき、前記スライド体のスライドを許容する一方、前記二本の腕部の少なくともいずれか一方が前記所定の角度状態にないとき、前記スライド体のスライドを規制することになり、前記ロック解除手段は、前記二本の腕部の間に入り込んでこれら二本の腕部のそれぞれを前記所定の角度状態にすることを特徴とする。
請求項1に係る発明によれば、着脱部材の貫通穴と鍵の貫通穴とに線状部材を挿入した後、この線状部材の両端部を連結部材本体に収容してロックすると、着脱部材および連結部材からなる鍵ホルダに鍵を着脱不可に連結させることができる。したがって、鍵の鍵ホルダからの不正な抜き取りを防止することができる。また、装置本体のロック解除手段を用いて、連結部材本体による線状部材のロックを解除することで、線状部材を連結部材本体から取り外せば、線状部材から鍵が取り外し可能となり、鍵の付け替えが可能となる。よって、部材の破壊等を必要とすることがなくなるため、鍵の付け替え作業の容易化および廃棄物の低減が可能となる。加えて、線状部材と、線状部材の両端部を同時に収容してロックする連結部材本体とを有する簡素な構造の連結部材を用いるため、コスト増を抑制できる。加えて、鍵の付け替えの際に再使用不可となる環状部材で着脱部材に鍵を連結する構造の装置に対して、環状部材に変えて連結部材を用いれば、部材の破棄等が不要な構造に容易に変更できる。
請求項2に係る発明によれば、ケースのスライド規制部がスライド体のスライドを規制する状態では、ケースの近接方向移動規制部が、スライド体に装着された線状部材の両端部の間に配置されてこれら両端部の近接方向移動を規制して、線状部材のスライド体に対する着脱を規制する。他方、ロック解除手段が、ケースに挿入されてスライド規制部によるスライド体のスライド規制を解除しスライド体を押圧してスライドさせて線状部材の両端部をケースの近接方向移動規制部から離間させると、線状部材は、両端部が近接方向に移動可能となり、両端部が近接方向に移動させられることでスライド体に対し着脱可能となる。このように、スライド規制部と近接方向移動規制部とを有するケースとスライド体とからなる連結部材と、スライド規制部によるスライド体のロックを解除してスライド体を押圧するロック解除手段とを用いるため、さらなるコスト増抑制効果が得られる。
請求項3に係る発明によれば、スライド規制部は、二本の腕部の少なくともいずれか一方が所定の角度状態にないとき、スライド体のスライドを規制することになり、ロック解除手段は、二本の腕部の間に入り込んでこれら二本の腕部のそれぞれを前記所定の角度状態にすると、スライド体のスライドを許容することになるため、連結部材およびロック解除手段がさらに簡素な構造となって、さらなるコスト増抑制効果が得られる。
本発明に係る第1実施形態の鍵管理装置を示す斜視図である。 本発明に係る第1実施形態の鍵管理装置の装置本体を示す制御系ブロック図である。 本発明に係る第1実施形態の鍵管理装置の鍵ホルダの着脱部材を示す斜視図である。 本発明に係る第1実施形態の鍵管理装置の鍵ホルダの連結部材を示す斜視図である。 本発明に係る第1実施形態の鍵管理装置の鍵、鍵ホルダおよび解除具を示す断面図であって、(a)は連結部材のロック状態を、(b)は連結部材のロック解除状態を示すものである。 本発明に係る第1実施形態の鍵管理装置の連結部材を示すもので、(a)は図5のA−A断面図、(b)は図5のB−B断面図である。 本発明に係る第1実施形態の鍵管理装置における記憶部の記憶例である。 本発明に係る第1実施形態の鍵管理装置における、(a)は持出状況データを、(b)は付替状況データの各例を示すものである。 本発明に係る第1実施形態の鍵管理装置におけるログ出力データの例である。 本発明に係る第2実施形態の鍵管理装置の鍵、鍵ホルダおよび解除具を示す断面図であって、(a)は連結部材のロック状態を、(b)は連結部材のロック解除状態を示すものである。 本発明に係る第3実施形態の鍵管理装置の鍵、鍵ホルダおよび解除具を示す断面図であって、(a)は連結部材のロック状態を、(b)は連結部材のロック解除状態を示すものである。
本発明に係る鍵管理装置の第1実施形態を図1〜図9を参照して以下に説明する。
第1実施形態の鍵管理装置1は、銀行等の金融機関の店舗で使用されるもので、図1に示すように、鍵10と、一対一で鍵10を保持する鍵ホルダ11と、鍵ホルダ11を整列状態で着脱可能に保持する装置本体12とを有するものである。ここで、鍵10は、その用途が、金融機関に設置された金庫の扉の開閉用、現金処理機の扉の開閉用、現金処理機の扉内の現金収納庫の扉の開閉用、現金処理機の扉内の回収庫の扉の開閉用、現金処理機の主電源のオン・オフ切り換え用等となっている。
装置本体12は、装置主体部14と、この装置主体部14の上下方向中間部から下部に設けられた開閉部15を覆う開閉可能なカバー16とを有している。カバー16は、装置主体部14の側縁部に設けられたヒンジ17を介して一端側が装置主体部14に回動可能に連結されており、他端側の内面には、係合突起部18および検出突起部19が固定されている。
装置主体部14には、カバー16で閉塞されない上部に、担当者による暗証番号等の入力操作や文字の入力操作がなされる複数の操作キー21aを有する操作部21と、日時、操作状況、アラーム情報およびガイダンス等を表示する液晶ディスプレイからなる表示部22と、IDカード23が走査されると、このIDカード23からデータを読み取るカードリーダ24と、必要な情報を紙面に印字して鍵管理装置本体上面の排紙口25aから排紙するプリンタ部25と、報知音を発生させるブザー26とが設けられている。なお、IDカード23は、ICチップを有する電子カードや磁気カード等からなるもので、鍵管理装置1の使用が許可されたすべての担当者にそれぞれ個別に準備されて他との識別のための個別の担当者識別番号等が記憶されている。また、操作部21は、数字のほかに、アルファベット、ひらがなおよびカタカナのうちの少なくとも一種類の入力が可能となっている。必要により漢字変換を可能としても良い。
装置主体部14には、カバー16で閉塞されない側部に、主電源のオン・オフ操作が入力される電源スイッチ27と、外部電源用の電源ケーブルが接続される接続部28とが設けられている。
装置主体部14には、カバー16で閉塞される開閉部15に、それぞれが一対一で対応する鍵ホルダ11を取り外し不可となるようにロック状態で保持する多数の鍵保持部31が上下二段に整列状態で設けられている。また、開閉部15には、カバー16の閉時に係合突起部18が挿入される係合挿入穴32と、カバー16の閉時に検出突起部19が挿入される検出挿入穴33とが設けられている。さらに、開閉部15には、収納部34が設けられている。
係合挿入穴32の内側には、係合挿入穴32に挿入された係合突起部18をロックおよびロック解除する電磁駆動式の図2に示すカバーロック機構35が設けられており、検出挿入穴33の内側には、検出挿入穴33に挿入された検出突起部19の挿入・非挿入を検出することでカバー16が閉状態にあるか否かを検出する図2に示す閉検出センサ37が設けられている。カバーロック機構35は、カバー16が閉じられることで検出突起部19の挿入を閉検出センサ37が検出したことを条件に、係合突起部18を係合挿入穴32内でロックする。
鍵管理装置1は、装置主体部14の上部に設けられた取っ手38を介して持ち運び可能となっており、また背面に設けられた折り畳み収納式のスタンド39を用いることで机上等に傾斜状態で立設可能となっている。
鍵ホルダ11は、装置本体12の鍵保持部31に対し着脱可能であって装着状態でロックされる図3に示す着脱部材40と、この着脱部材40に鍵10を連結する図4に示す連結部材41とからなっている。
着脱部材40には、図3に示すように、厚さ方向に貫通する貫通穴42が形成されており、一対一で保持する鍵10を他の鍵10と識別するための個別の着脱部材識別番号が記憶されたICタグ43が側面に貼着されている。さらに、着脱部材40には、ICタグ43に記憶されたものと同じ個別の着脱部材識別番号が視認可能に表記された鍵識別表記部44が側面に設けられている。
図1に示すように、複数の鍵保持部31は、それぞれ、着脱部材40が挿入される個別の着脱部材装着穴45と、着脱部材装着穴45に着脱部材40が挿入されるとこれをロックしてロック状態で保持し、かつロック解除可能な個別の電磁駆動式の図2に示す鍵ロック機構46とを有している。
また、鍵保持部31は、それぞれが、同じ鍵保持部31を構成する鍵ロック機構46のロックを解除する際に押圧される操作ボタンであって点灯および点滅することで操作を案内可能な表示ランプ50が一体に設けられた操作ボタン51と、装着された着脱部材40の図3に示すICタグ43と通信可能であって通信状態から非通信状態への切り替えで鍵10の持ち出しを検出し非通信状態から通信状態への切り替えで鍵10の返却を検出する図2に示すICタグリーダ52とを有している。すべての鍵保持部31には、他の鍵保持部31と識別するための例えば「001」〜「030」のような個別の保持部識別番号が割り振られており、着脱部材装着穴45の上側には、保持部識別番号が視認用に記載される保持部識別表記部53が設けられている。
図5に示すように、鍵10には、厚さ方向に貫通する貫通穴60が形成されており、着脱部材40とで鍵ホルダ11を構成する連結部材41は、着脱部材40の貫通穴42と鍵10の貫通穴60とに挿入可能な線状部材62と、線状部材62をその両端部を同時に収容した状態でロックする連結部材本体63とからなっている。
線状部材62は、線状のバネ鋼材等を塑性変形させることにより形成される可撓性の部材であり、半円より大きい円弧状の円弧状部65と、円弧状部65の一端および他端から径方向外側に互いに平行に延出する一対の延出部66,66と、一対の延出部66,66の円弧状部65とは反対側の端部から互いに反対向きに延出する一対の係合部67,67とからなっている。線状部材62を構成するこれら円弧状部65、一対の延出部66,66および一対の係合部67,67は同一平面に配置されており、線状部材62の両端部は一対の係合部67,67となっている。
連結部材本体63は、合成樹脂を主体として形成される外側のケース69と、合成樹脂で形成され線状部材62の両端部である一対の係合部67,67を保持しつつケース69内にスライド可能に設けられるスライド体70とを有している。連結部材本体63は、線状部材62の一対の係合部67,67をスライド体70で保持しつつ収容する。
ケース69は、合成樹脂製のケース本体71と、ケース本体71内に埋設されてスライド体70のケース69に対するスライドを規制および規制解除するスライド規制部72とからなっている。ケース本体71は筒状をなしており、その長さ方向一側の内周部にスライド規制部72が埋設され、その長さ方向他側の内周部がスライド体70のスライドをガイドするスライドガイド穴73となっている。スライドガイド穴73には、図6(a)にも示すように、スライドガイド穴73を横断するように変位規制部(近接方向移動規制部)74が形成されている。図5に示すスライドガイド穴73のスライド規制部72とは反対側において、スライド体70に線状部材62が着脱される。
スライド規制部72は、合成樹脂製の規制部本体76を有しており、規制部本体76には、スライドガイド穴73に繋がってスライドガイド穴73とともにスライド体70のスライドをガイドするスライドガイド穴77が形成されている。また、規制部本体76には、スライドガイド穴77内に一端が開口するように複数具体的には三カ所の収容穴78がスライドガイド穴77の延在方向に直交する姿勢でスライドガイド穴77の延在方向に並んで形成されている。三カ所の収容穴78には、それぞれ底部側に金属製のバネ82が開口部側に金属製のロック部材83が配置されている。
スライド体70は、スライドガイド穴73にスライド可能に収容される頭部85と、スライドガイド穴77にスライド可能に収容される胴部86とを有しており、スライドガイド穴73,77を結ぶ方向にスライドする。頭部85には、胴部86とは反対側からスライド体70のスライド方向に沿って挿入穴88が形成されている。この挿入穴88の対向する内壁面には、一対の係合穴90,90がスライド体70のスライド方向に直交するように形成されている。スライド体70には、挿入穴88および一対の係合穴90,90の両方に直交して案内穴87が形成されており、この案内穴87の内側に、ケース本体71の変位規制部74が配置されている。スライド体70は、案内穴87が変位規制部74で案内される。
一対の係合穴90,90には、線状部材62の一対の係合部67,67が嵌合される。具体的に、線状部材62は、一対の係合部67,67を相互近接方向に移動させるように弾性変形させられた状態で、一対の係合部67,67および一対の延出部66,66が挿入穴88の内側に配置され、この状態で弾性変形が解除されると、一対の係合部67,67が一対の係合穴90,90に嵌合することになる。この状態では、線状部材62は、変形させられない限り移動不可となるようにスライド体70の頭部85に保持されることになる。
また、線状部材62は、この状態から一対の係合部67,67を相互近接方向に移動させるように弾性変形させられると、一対の係合穴90,90から一対の係合部67,67が抜けることになって、スライド体70の頭部85から取り外し可能となる。つまり、線状部材62は、両端の一対の係合部67,67が近接方向に移動させられることでスライド体70に対し着脱される。
スライド体70は、頭部85をスライド規制部72に近接させる図5(a)に示す所定のロック位置にあると、一対の係合穴90,90のスライド方向の位置を、案内穴87の内側にあるケース本体71の変位規制部74に重ね合わせることになる。よって、このとき、スライド体70の一対の係合穴90,90に一対の係合部67,67を嵌合させた状態にある線状部材62は、一対の延出部66,66の間および一対の係合部67,67の間にケース本体71の変位規制部74が位置することになる。これにより、線状部材62は、図6(a)にも示すように、変位規制部74に当接して一対の係合部67,67および一対の延出部66,66の相互近接方向への移動が規制されることになる。
よって、スライド体70が奥側のロック位置にあるとき、連結部材本体63はスライド体70に装着された線状部材62を着脱不可にロックすることになり、しかも、線状部材62の両端部を同時に収容した状態で着脱不可にロックする。その際に、ケース69の変位規制部74が、線状部材62の両端の一対の係合部67,67の間に配置されてこれら係合部67,67の近接方向移動を規制する。
スライド体70は、頭部85をスライド規制部72から離間させる図5(b)に示す所定のロック解除位置にあると、スライド方向における一対の係合穴90,90の位置をケース本体71の変位規制部74よりも外側にずらすことになる。よって、この状態では、図6(b)にも示すように、一対の係合部67,67が変位規制部74から離間して相互近接方向への移動が許容されることになり、図5(b)に示すスライド体70の一対の係合穴90,90から一対の係合部67,67を抜いて挿入穴88から線状部材62を抜くこと、並びに、挿入穴88に挿入された線状部材62の一対の係合部67,67をスライド体70の一対の係合穴90,90に嵌合させることが可能となる。
スライド体70の胴部86には、スライド方向に沿って鍵溝91が形成されており、スライド体70が図5(a)に示すロック位置にあるとき、三カ所の収容穴78のそれぞれと対向可能な位置に三カ所の保持穴92が形成されている。三カ所の保持穴92は、スライド体70のスライド方向に直交しており、それぞれの内部には、長さの異なる金属製の三つの駒95が移動可能に配置されている。スライド体70がロック位置にあるとき、三つの駒95はそれぞれバネ82の付勢力でロック部材83により押圧されて保持穴92の底部に当接している。このとき、スライド体70は、三つのロック部材83にスライド方向において当接してスライドが規制される。つまり、ロック部材83を含むスライド規制部72は、変位規制部74が線状部材62の両端部の近接方向移動を規制するロック位置でスライド体70のスライドを規制する。なお、図5(b)に示すように、三つのロック部材83がバネ82の付勢力に抗して移動して、それぞれのバネ82とは反対側の端部位置を、スライド体70の胴部86と規制部本体76との境界位置に一致させると、スライド体70のスライドが可能となる。
連結部材41には、一対一で保持する鍵10を他の鍵10と識別するための個別の連結部材識別番号が記憶された図4に示すICタグ100が上面に貼着されている。なお、ここでは、着脱部材40に対して割り当てられた着脱部材識別番号と、連結部材41に対して割り当てられた連結部材識別番号と、鍵保持部31に対して割り当てられた保持部識別番号とを共通の番号としている。以下の説明では、この共通の識別番号を鍵類識別番号とする。
図1に示す装置本体12の収納部34には、図5に示す連結部材本体63のスライド規制部72による線状部材62のロックを解除する解除具(ロック解除手段)101が収納されている。この解除具101は、収納部34の奥側に固定される基板部102と、基板部102から収納部34内に延出する延出板部103とを有しており、延出板部103には、所定の凹凸状の鍵山部104と、鍵山部104より基板部102側の押圧突起105とが形成されている。
収納部34には、連結部材本体63の線状部材62とは反対側が挿入される。すると、収納部34の内周面で案内される連結部材本体63は、そのスライド体70の鍵溝91が解除具101の延出板部103と位置を合わせることになり、鍵溝91に延出板部103を入り込ませる。スライド体70が解除具101の押圧突起105に当接する位置で、凹凸状の鍵山部104が三つの駒95を所定位置に移動させて、スライド規制部72の三つのロック部材83のそれぞれのバネ82とは反対側の端部位置を、図5(b)に示すようにスライド体70の胴部86と規制部本体76との境界位置に一致させることになる。
よって、この状態では、スライド体70が三つのロック部材83にスライド方向において当接することはなく、ケース69に対しスライド可能となる。このため、連結部材本体63をさらに収納部34の奥側まで挿入すると、図5(b)に示すように、解除具101に当接して停止させられているスライド体70に対してケース69が移動してスライド体70がケース69に対して所定のロック解除位置まで相対移動する。その結果、線状部材62が変位規制部74から離れてスライド体70から取り外し可能となる。このようにして、連結部材本体63から取り外された線状部材62に、着脱部材40が貫通穴42において保持されたり、鍵10が貫通穴60において保持されたり、着脱部材40が取り外されたり、鍵10が取り外されたりする。ここで、解除具101以外の部材が鍵溝91に挿入されても、スライド規制部72の三つのロック部材83のそれぞれのバネ82とは反対側の端部位置を、スライド体70の胴部86と規制部本体76との境界位置に一致させることは極めて困難であり、よって、不正なロック解除を規制する。
つまり、解除具101は、連結部材本体63のケース69に挿入されてスライド規制部72によるスライド体70のケース69に対するスライド規制を解除するとともにスライド体70を押圧してスライドさせることになり、その結果、スライド体70に装着された線状部材62の両端部を変位規制部74から離間させる。
また、この状態から、連結部材本体63を収納部34から引き抜くと、その初期は、スライド体70が解除具101の鍵山部104に嵌合する三つの駒95とともに留まり、ケース69が移動する。ケース69がスライド体70に対し、スライド規制部72の三カ所の収容穴78の位置を三つの駒95の位置に合わせるロック位置になると、三つの駒95の上下移動が可能となり、スライド体70が解除具101に対しスライド可能となって、解除具101から離れる。これにより、図5(a)に示すように三つの駒95が三カ所の保持穴92の底部に移動し、三つのロック部材83がスライド体70をケース69に対しロックする。その結果、スライド体70に保持された線状部材62の一対の係合部67,67の間に変位規制部74が配置されることになって、線状部材62が取り外し不可となる。
つまり、解除具101は、連結部材本体63のケース69から抜かれると、スライド体70に装着された線状部材62の両端部の間に変位規制部74を配置するとともに、スライド規制部72によりスライド体70のケース69に対するスライド規制を行わせることになる。
収納部34の天井面には、ICタグリーダ107が設けられており、このICタグリーダ107は、図5(b)に示すように収納部34内に挿入された連結部材41のICタグ100と通信可能でありICタグ100に記憶された鍵類識別番号を読み取る。
図1に示すように、収納部34には開閉扉110が設けられている。装置本体12には、開閉扉110を閉状態でロックおよびロック解除する電磁駆動式の図2に示す扉ロック機構111と、開閉扉110が閉状態にあるか否かを検出する閉検出センサ112と、扉ロック機構111のロックを解除する際に押圧されるものであって点灯および点滅可能な表示ランプ113が一体に設けられた操作ボタン114と、が設けられている。
装置本体12は、上記各部を制御する制御部115と、制御部115とデータのやり取りが可能なRAMやHDD等からなる記憶部116とを有している。
記憶部116には、鍵管理装置1を使用可能な担当者識別番号および使用時に入力される暗証番号が記憶されており、また、それぞれの担当者識別番号について、モード切替(後述)の許可の有無および使用可能な鍵10およびこれを保持する鍵保持部31の鍵類識別番号が関連付けされて記憶されている。つまり、担当者の職務範囲や権限に応じてモード切替の許可の有無が決められるため、担当者毎にモード切替の許可の有無が記憶されている。また、担当者の職務範囲や権限に応じて使用可能な鍵10が異なるため、担当者毎に鍵10の持ち出しが可能な鍵保持部31が決められており、この関係が記憶されている。さらに、担当者の職務範囲や権限に応じて、鍵10の付け替えを行うことができる鍵ホルダ11が決められており、この関係が記憶されている。
記憶部116には、各鍵保持部31の鍵類識別番号に一対一で対応して、保持する鍵10の用途情報(目的、適用箇所)が関連付けされて記憶されている。つまり、各鍵保持部31には保持する鍵10が一対一で決められており、鍵10にはそれぞれ、金庫の扉開閉用、現金処理機の扉開閉用、現金処理機の現金収納庫の扉開閉用、現金処理機の回収庫の扉開閉用、現金処理機の主電源のオン・オフ切換用等の用途(目的、使用する場所)が決められているため、複数の鍵保持部31それぞれについての、個別の保持部識別情報と、保持する鍵10の用途情報とが関連付けされて記憶されている。例えば、記憶部116には、図7に一例を示すように、鍵類識別番号の「001」とその用途情報としての「キンコ トビラ」とが関連付けされて記憶されており、鍵類識別番号の「002」とその用途情報としての「ATM1ゴウキ トビラ」とが関連付けされて記憶されており、鍵類識別番号の「003」とその用途情報としての「ATM1ゴウキ シュウノウコA カギ」とが関連付けされて記憶されており、鍵類識別番号の「004」とその用途情報としての「ATM1ゴウキ カイシュウコ カギ」とが関連付けされて記憶されている。
鍵管理装置1は、持出・返却モード、交換モード、新規登録モード、およびログ出力モードでの使用が可能となっており、これらのモードの切り替えは、モード切替の許可有の担当者識別番号をIDカード23から読み取った場合にのみ可能となる。モード切替の許可無の担当者識別番号をIDカード23から読み取った場合、制御部115は、以下の持出・返却モードを自動的に選択し、モード切替の許可有の担当者識別番号をIDカード23から読み取った場合、表示部22へモード選択画面を表示させる。この表示は、例えば「1.持出・返却モード 2.交換モード 3.新規登録モード 4.ログ出力モード」といった表示となり、この場合、操作者は、操作部21の操作キー21aの数字入力でモードを選択する。制御部115は、選択されたモードを実行する。
「持出・返却モード」
持出・返却モードについて説明する。カードリーダ24にIDカード23が走査された後、持出・返却モードが選択され、鍵10の管理許可のために設定された暗証番号が操作部21に入力される。すると、制御部115は、カードリーダ24で読み取ったIDカード23の担当者識別番号および操作部21に入力された暗証番号を記憶部116に記憶されたデータと照合することで担当者識別番号および暗証番号が持出・返却モードを実行するにあたって適正であるか否かを判定する。適正である場合に、制御部115は、カバーロック機構35を駆動してカバー16のロックを解除するとともに、この担当者識別番号に対して設定された鍵類識別番号を有する鍵保持部31をロック解除可能とするべく対応するすべての操作ボタン51の表示ランプ50を点滅させる。このように、操作部21、カードリーダ24および制御部115が、装置本体12の使用の認証を行う。なお、担当者識別番号および暗証番号が適正である場合に、すべての鍵保持部31をロック解除可能とする設定としても良い。
担当者は、ロックが解除されたカバー16を開き、表示ランプ50が点滅している鍵保持部31の中から所望の鍵10の付いた鍵ホルダ11が保持された鍵保持部31の操作ボタン51を、保持部識別表記部53に表記された鍵類識別番号の識別を視認して押すことになる(一つでも良いし複数でも良い)。つまり、複数の鍵保持部31のそれぞれに設けられた操作ボタン51は、持出・返却モードが設定されている場合に、複数の鍵保持部31の中からいずれかを選択する選択指定を受け付ける。なお、各鍵保持部31にそれぞれ設けられた保持部識別表記部53を液晶素子とし、それぞれに対応する鍵類識別番号と用途情報とを表示させるようにしても良い。
そして、この表示ランプ50が点滅した、選択指定の受け付け可能な操作ボタン51の中から所望のものが担当者によって押圧操作されると、制御部115は、この表示ランプ50を点灯させるとともに、この操作ボタン51が設けられた鍵保持部31の鍵ロック機構46を駆動しロックを解除して、鍵10の付いた鍵ホルダ11を取り外し可能とする。つまり、操作ボタン51が鍵保持部31の選択指定を受け付けると、制御部115は鍵ロック機構46でこの選択指定された鍵保持部31のロックを解除する。このように鍵保持部31のロック状態が解除され、表示ランプ50の点灯で持ち出し可能となったことが案内されている鍵保持部31から、担当者が鍵10の付いた鍵ホルダ11を持ち出すことになる。なお、操作部21への鍵類識別番号の入力でも、制御部115が、選択指定された鍵保持部31を認識して、その鍵ロック機構46を駆動しロックを解除するとともにその表示ランプ50を点滅から点灯に切り替えるようになっている。
すると、制御部115は、この鍵保持部31のICタグリーダ52が、鍵ホルダ11のICタグ43と通信不可となることでその持ち出しを検出する。制御部115は、持ち出しが検出された表示ランプ50を点滅状態に戻すとともに、この鍵ホルダ11の持ち出しに際して読み取ったIDカード23の担当者識別番号と、操作ボタン51が押圧された鍵保持部31の鍵類識別番号と、操作ボタン51が押された鍵保持部31からの鍵ホルダ11つまり鍵10の持出時刻と、返却時刻(この時点では未返却であるためデータは空欄とされる)とを含む図8(a)に示すような持出状況データを記憶部116に記憶させる。
図8(a)に示す持出状況データの一例においては、「001」の鍵類識別番号の鍵保持部31から鍵10の付いた鍵ホルダ11を、「777」の担当者識別番号の担当者が、「10:10」の持出時刻で持ち出し、「10:20」の返却時刻で返却したことを表している。つまり、制御部115は、ICタグリーダ52の検出結果である持出時刻および返却時刻を、ICタグリーダ52の検出対象であるICタグ43に記憶された鍵類識別番号と関連付けて記憶部116に記憶させる。なお、当然のことながら、表示ランプ50が点滅した以外の操作ボタン51が操作されても、制御部115は、この操作ボタン51が設けられた鍵保持部31のロック状態を解除することはない。
そして、制御部115は、鍵10の付いた鍵ホルダ11が持ち出されるたびに、記憶部116に、上記した持出状況データを、持ち出し時間順に時系列的に並べて記憶させ、記憶用ログデータを作成する。
鍵10の付いた鍵ホルダ11の取り出し後(後述する返却後も同様)、担当者はカバー16を閉じることになる。すると、カバー16の係合突起部18が、装置主体部14の係合挿入穴32に進入するとともに、カバー16の検出突起部19が、装置主体部14の検出挿入穴33に進入することになり、この検出突起部19を閉検出センサ37が検出すると、制御部115は、カバーロック機構35でカバー16を閉状態にロックする。なお、検出突起部19を閉検出センサ37が検出した状態で、操作部21にロック操作が入力されると、カバーロック機構35がカバー16を閉状態でロックするようにしても良い。
次に、返却時について説明する。担当者は、ロックが解除されたカバー16を開き、表示ランプ50が点滅している鍵保持部31の中から、鍵10の付いた鍵ホルダ11の鍵識別表記部44に表記された鍵類識別番号と同じ鍵類識別番号が表記された保持部識別表記部53を有する鍵保持部31の着脱部材装着穴45に、鍵ホルダ11を挿入する(一つでも良いし複数でも良い)。すると、制御部115は、ICタグリーダ52でこの鍵ホルダ11のICタグ43から鍵類識別番号を読み出し、この鍵類識別番号がこの鍵保持部31の鍵類識別番号に一致しているか否かを確認する。これらの鍵類識別番号が一致している場合のみ、鍵10の付いた鍵ホルダ11の返却を検出して、鍵ロック機構46でこの鍵ホルダ11をロック状態とする。それとともに、制御部115は、記憶部116に記憶されているこの鍵類識別番号を有する最新の持出状況データの返却時刻に、この鍵10の付いた鍵ホルダ11を検出した時刻を書き込む。
他方、制御部115は、鍵保持部31および鍵10の鍵類識別番号が一致しない場合に鍵ロック機構46による鍵ホルダ11のロックをせず、この鍵保持部31の操作ボタン51の表示ランプ50を点灯させ、ブザー26による報知音および表示部22へのアラーム表示(正しい操作を誘導する表示を含む)等を発生させる。
「交換モード」
交換モードについて説明する。カードリーダ24にIDカード23が走査された後、交換モードが選択され、鍵10の管理許可のために設定された暗証番号が操作部21に入力される。すると、制御部115は、カードリーダ24で読み取ったIDカード23の担当者識別番号および操作部21に入力された暗証番号を記憶部116に記憶されたデータと照合することで担当者識別番号および暗証番号が交換モードを実行するにあたって適正であるか否かを判定する。適正である場合、つまり交換モードを実行する特定の権限を付与された担当者識別番号および暗証番号が入力された場合、制御部115は、カバーロック機構35を駆動してカバー16のロックを解除するとともに、表示部22に、交換する鍵保持部31の選択操作を促す画面を表示させるとともに、入力された担当者識別番号に対して登録済みで交換可能の鍵類識別番号を有する鍵保持部31に対して設けられた操作ボタン51の表示ランプ50を点滅させる。担当者は、カバー16を開き、表示ランプ50が点滅している操作ボタン51の中から、交換する所望の鍵保持部31の操作ボタン51を押す(一つでも良いし複数でも良い)。
すると、制御部115は、操作ボタン51が押された鍵保持部31の鍵類識別番号が選択指定されたことを認識することになり、この操作ボタン51が設けられた鍵保持部31の鍵ロック機構46を駆動しロックを解除して、鍵ホルダ11を取り外し可能とするとともに、この状態を案内するべく、この操作ボタン51の表示ランプ50を点滅から点灯に切り替える。このように鍵保持部31のロック状態が解除されることにより担当者が鍵保持部31から鍵ホルダ11を取り外すことになる。なお、操作部21への鍵類識別番号の入力でも、制御部115が、選択指定された鍵保持部31を認識して、その鍵ロック機構46を駆動しロックを解除するとともに表示ランプ50を点滅から点灯に切り替えるようになっている。操作ボタン51あるいは操作部21で指定された鍵保持部31に保持された鍵ホルダ11は、後述するように連結機構61による鍵10の連結状態を解除する対象であり、操作ボタン51の表示ランプ50は、点滅から点灯に切り替わることで、指定された鍵ホルダ11を案内する。
鍵保持部31から鍵ホルダ11が取り外されると、制御部115は、この鍵保持部31のICタグリーダ52が、鍵ホルダ11のICタグ43と通信不可となることでその取り外しを検出する。すると、制御部115は、この鍵ホルダ11の取り外しに際して読み取ったIDカード23の担当者識別番号と、操作ボタン51が押圧された鍵保持部31の鍵類識別番号と、操作ボタン51が押された鍵保持部31からの鍵ホルダ11の取外時刻と、この鍵ホルダ11の鍵10の付替時刻(この時点では付け替え前であるためデータは空欄とされる)と、操作ボタン51が押された鍵保持部31への再取付時刻(この時点では再取り付け前であるためデータは空欄とされる)と、を含む付替状況データを記憶部116に記憶させる。また、この付替状況データには、収納部34の解除具101の使用が開始された解除具使用開始時刻(この時点では使用前であるためデータは空欄とされる)と、解除具101の使用が終了した解除具使用終了時刻(この時点では使用前であるためデータは空欄とされる)とが含まれる。
図8(b)に示す付替状況データの一例においては、「021」の鍵類識別番号の鍵保持部31から鍵ホルダ11を、「711」の担当者識別番号の担当者が、「13:15」の取外時刻で取り外し、「13:17」の付替時刻で鍵10を付け替え、「13:18」の時刻で再取り付けを誤り、「13:19」の再取付時刻で適正に取り付けたこと、および、「000」の識別番号の収納部34に対し、解除具101を、「711」の担当者識別番号の担当者が、「13:16」の解除具使用開始時刻で使用を開始し、「13:20」の解除具使用終了時刻で使用を終了したことを表している。つまり、制御部115は、ICタグリーダ52の検出結果である取外時刻および再取付時刻と、ICタグリーダ107の検出結果である付替時刻とを鍵類識別番号と関連付けて記憶部116に記憶させる。
そして、制御部115は、鍵10の付け替えが行われるたびに、記憶部116に、上記した付替状況データを、時系列的に並べて記憶させ、記憶用ログデータを作成する。
次に、制御部115は、表示部22に、鍵ホルダ11が取り外された鍵保持部31の交換後の鍵10の用途情報の入力を促す画面を表示させ、用途情報の入力を受け付ける状態となる。担当者は、操作部21の操作キー21aを用いたカナ入力および英字入力等で用途情報を入力し直す。例えば、図7に一例を示すように、鍵類識別番号の「001」に対する用途情報として、それまでとは変更して「キンコ トビラ」を入力したり、鍵類識別番号の「002」に対する用途情報として、それまでとは変更して「ATM1ゴウキ トビラ」を入力したり、鍵類識別番号の「003」に対する用途情報として、それまでとは変更して「ATM1ゴウキ シュウノウコA カギ」を入力したり、鍵類識別番号の「004」に対する用途情報として、それまでとは変更して「ATM1ゴウキ カイシュウコ カギ」を入力したりする。このように入力が行われると、制御部115は、この入力時に選択指定された鍵類識別番号に対して、この用途情報を関連付けて記憶部116に記憶させる。つまり、制御部115は、操作ボタン51あるいは操作部21への鍵保持部31の選択指定を受け付けると、当該選択指定された鍵保持部31の鍵類識別番号と、当該選択指定に関連して操作部21によって入力された用途情報とを関連付けて記憶部116に記憶させる。
用途情報の入力が完了した旨の操作入力が操作部21に入力されると、制御部115は、鍵10の付け替えを促す画面を表示部22に表示させるとともに、収納部34に対して設けられた操作ボタン114の表示ランプ113を点滅させる。これを見て、担当者は、操作ボタン114を押圧操作することになる。すると、制御部115は、表示ランプ113を点滅から点灯に切り替えるとともに、扉ロック機構111を駆動して収納部34の開閉扉110のロックを解除する。その後、担当者は、収納部34の開閉扉110を開く。このように、制御部115は、IDカード23の担当者識別番号および入力された暗証番号の認証結果に基づいて解除具101へのアクセスを許諾する。なお、開閉扉110を開くと、閉検出センサ112がこれを検出することになり、その時点で制御部115は、その時刻を、上記した付替状況データの解除具101の解除具使用開始時刻として記憶部116に記憶させる。
そして、担当者は、上記したように、収納部34に連結部材41の連結部材本体63を挿入し、解除具101を鍵溝91に進入させることで、スライド規制部72によるスライド体70の規制を解除した後、スライド体70をケース69に対し相対移動させて、ロック解除位置まで移動させる。そして、この状態を維持しながら、線状部材62を連結部材本体63から取り外して、線状部材62から、それまで取り付けられていた古い鍵10を外して新しい鍵10を取り付ける付け替えを行う。
なお、収納部34に連結部材本体63を挿入すると、連結部材本体63に設けられた図5(b)に示すICタグリーダ107が連結部材本体63のICタグ100から鍵類識別番号を読み取ることになり、制御部115は、この鍵類識別番号が、選択指定された鍵保持部31の鍵類識別番号と一致する場合、その時刻を、この鍵類識別番号における付替状況データの付替時刻として記憶部116に記憶させる。鍵類識別番号が一致しない場合は、ブザー26による報知音および表示部22へのアラーム表示(正しい操作を誘導する表示を含む)等のアラームを発生させ、鍵類識別番号が一致するまで待機する。
線状部材62の鍵10を付け替えると、担当者は、ロック解除位置にあるスライド体70に線状部材62を取り付けることになり、その後、連結部材本体63を収納部34から引き抜くと解除具101がスライド体70をケース69に対しロック位置まで移動させてロックした後、抜け出す。
そして、担当者は、鍵ホルダ11の着脱部材40の鍵識別表記部44と同じ表記の保持部識別表記部53を有する鍵保持部31の着脱部材装着穴45に、鍵10の付け替えが終わった鍵ホルダ11の着脱部材40を挿入することになる。すると、鍵保持部31は、ICタグリーダ52が着脱部材40のICタグ43と通信して鍵類識別番号を読み出すことになり、この鍵類識別番号と、この鍵類識別番号を検出したICタグリーダ52を有する鍵保持部31の鍵類識別番号とが一致していれば、鍵ロック機構46で鍵ホルダ11をロックするとともにこの鍵保持部31に対して設けられた操作ボタン51の表示ランプ50を点滅させる。鍵類識別番号が一致しない場合はロックせずに、ブザー26による報知音および表示部22へのアラーム表示(正しい操作を誘導する表示を含む)等を発生させ、鍵類識別番号が一致するまで待機する。なお、鍵類識別番号が一致すると、制御部115は、その時刻を、上記した付替状況データの再取付時刻として記憶部116に記憶させる。
このような、鍵保持部31の操作ボタン51の選択指定のステップ、用途情報の入力のステップ、選択指定された鍵保持部31の鍵類識別番号および用途情報の関連付け記憶のステップ、鍵ホルダ11の連結部材41のICタグ100からのICタグリーダ107による鍵類識別番号の検出および鍵類識別番号の一致確認のステップ、鍵ホルダ11の着脱部材40のICタグ43からのICタグリーダ52による鍵類識別番号の検出および鍵類識別番号の一致確認のステップを、鍵10の数分行う。その最中に、記憶部116に記憶された基準のステップデータと比較することにより、例えば、閉検出センサ112による開閉扉110の開検出のステップの前や、鍵ホルダ11の連結部材41のICタグ100からのICタグリーダ107による鍵類識別番号の検出のステップの前に、鍵ホルダ11の着脱部材40のICタグ43からのICタグリーダ52による鍵類識別番号の検出のステップが行われる等、ステップの順序に誤りがあると、制御部115は、ブザー26による報知音および表示部22へのアラーム表示(正しい操作を誘導する表示を含む)等を発生させる。
鍵10の付け替えが完了すると、担当者は、収納部34の開閉扉110を閉じる。すると、閉検出センサ112がこれを検出することになり、制御部115は、扉ロック機構111により開閉扉110を閉状態でロックするとともに、表示部22に、カバー16を閉じる操作を促す表示を行う。すると、担当者は、カバー16を閉じる。すると、カバー16の係合突起部18が、装置主体部14の係合挿入穴32に進入するとともに、カバー16の検出突起部19が、装置主体部14の検出挿入穴33に進入することになり、この検出突起部19を閉検出センサ37が検出すると、カバーロック機構35が自動的にカバー16を閉状態でロックして交換モードを終了する。この場合も、検出突起部19を閉検出センサ37が検出した状態で操作部21にロック操作が入力されるとカバーロック機構35がカバー16を閉状態でロックするようにしても良い。
なお、閉検出センサ112が開閉扉110の閉状態を検出すると、制御部115は、その時刻を、上記した付替状況データの解除具使用終了時刻として記憶部116に記憶させることになる。この場合も、記憶部116に記憶された基準のステップデータと比較することにより、例えば、閉検出センサ112による開閉扉110の開検出のステップの前や、鍵ホルダ11のICタグ100からのICタグリーダ107による鍵類識別番号の検出のステップの前、さらには鍵ホルダ11のICタグ43からのICタグリーダ52による鍵類識別番号の再検出のステップが行われる前に、閉検出センサ37が検出突起部19つまりカバー16の閉状態を検出する等、ステップの順序に誤りがあると、制御部115は、ブザー26による報知音および表示部22へのアラーム表示(正しい操作を誘導する表示を含む)等を発生させる。
以上により、制御部115は、操作ボタン51の表示ランプ50で案内した鍵保持部31に保持された鍵ホルダ11が装置本体12から取り外されるステップと、開閉扉110が開状態となり解除具101にアクセスされるステップと、当該取り外された鍵ホルダ11が装置本体12に再装着されるステップと、ICタグリーダ107がICタグ100から鍵類識別番号を読み取るステップとを確認する。そして、制御部115は、ステップの予め記憶部116に登録された所定の順序と、ステップの実際の操作の際に進行した順序との一致確認を行い、当該一致確認結果についての報知を行う。
なお、交換モードにて、交換可能な鍵類識別番号を有する鍵保持部31のロックを操作ボタン51で解除可能とする際に、収納部34の開閉扉110のロックを操作ボタン114で操作可能とするようにして、鍵10の付け替え後、対象となる鍵保持部31の着脱部材装着穴45に鍵ホルダ11を挿入しICタグリーダ52が鍵ホルダ11のICタグ43と通信して鍵類識別番号の一致を確認してから、この鍵類識別番号に対応する用途情報の操作部21への入力を行うようにしても良い。
「新規登録モード」
新規登録モードでは、制御部115が、新規登録モードを実行する特定の権限を付与された担当者識別番号および暗証番号が入力された場合に限り、カバーロック機構35を駆動してカバー16のロックを解除する以外は、交換モードとほぼ同様である。
「ログ出力モード」
ログ出力モードについて説明する。カードリーダ24にIDカード23が走査された後、ログ出力モードが選択され、鍵10の管理許可のために設定された暗証番号が操作部21に入力される。すると、制御部115は、カードリーダ24で読み取ったIDカード23の担当者識別番号および操作部21に入力された暗証番号を記憶部116に記憶されたデータと照合することで担当者識別番号および暗証番号がログ出力モードを実行するにあたって適正であるか否かを判定する。適正である場合、制御部115は、記憶部116に記憶されている上記した記憶用ログデータを読み出し、この記憶用ログデータを構成する各持出状況データおよび各付替状況データにある鍵類識別番号(つまり選択指定を受け付けた鍵保持部31の鍵類識別番号)のそれぞれについて、関連する用途情報を記憶部116から読み出して、各持出状況データおよび付替状況データの中にそれぞれ対応する用途情報を含ませる。
このようにして、それぞれが用途情報を含む持出状況データおよび付替状況データが時系列的に並べられた図9に示すような出力用ログデータ(用途情報を含むログ情報)を作成する。図9に示す出力用ログデータの一例においては、「2012/3/3」の日付の日に、「001」の鍵類識別番号の鍵保持部31から「キンコ トビラ」の鍵10を、「777」の担当者識別番号の担当者が、「10:10」の持出時刻で持ち出し、「10:20」の返却時刻で返却したこと、「002」の鍵類識別番号の鍵保持部31から「ATM1ゴウキ トビラ」の用途情報を有する鍵10を、「789」の担当者識別番号の担当者が、「10:15」の持出時刻で持ち出し、「10:25」の返却時刻で返却したこと、「003」の鍵類識別番号の鍵保持部31から「ATM1ゴウキ シュウノウコA カギ」の用途情報を有する鍵10を、「789」の担当者識別番号の担当者が、「10:16」の持出時刻で持ち出し、「10:26」の返却時刻で返却したこと、「004」の鍵類識別番号の鍵保持部31から「ATM1ゴウキ カイシュウコ カギ」の用途情報を有する鍵10を、「789」の担当者識別番号の担当者が、「10:17」の持出時刻で持ち出し、「10:27」の返却時刻で返却したことを表している。
加えて、図9に示す出力用ログデータの一例においては、「021」の鍵類識別番号の鍵保持部31から、鍵10の付いた鍵ホルダ11を、「711」の担当者識別番号の担当者が、「13:15」の取外時刻で取り外し、「13:17」の付替時刻で鍵10を付け替え、「13:18」の時刻で再取り付けを誤り、「13:19」の再取付時刻で適正に取り付けたこと、および、「キンコ トビラ」に用途を変更したことを表している。さらには、「000」の識別番号の収納部34に対し、解除具101を、「711」の担当者識別番号の担当者が、「13:16」の解除具使用開始時刻で使用を開始し、「13:20」の解除具使用終了時刻で使用を終了したことを表している。つまり、制御部115および記憶部116は、操作の際に進行したステップの順序の確認状況を履歴として残す。その際に、間違えた手順についても履歴を残す。例えば、複数の鍵ホルダ11を指定して鍵10の付け替えを行った場合には、履歴から、何れの鍵ホルダ11から順番に鍵10の付け替えを行ったかについてもわかることになる。
ここで、出力用ログデータは、例えば、前回出力が行われた出力用ログデータに含まれる持出状況データおよび付替状況データよりも後に記憶された持出状況データおよび付替状況データからなるもの、出力する当日に記憶された持出状況データおよび付替状況データからなるもの、操作部21へ指定入力された日付あるいは期間の日に記憶された持出状況データおよび付替状況データからなるもの等である。
そして、制御部115は、このようにして作成した出力用ログデータをプリンタ部25で用紙に出力させる。なお、出力用ログデータをプリンタ部25で用紙に出力させるのではなく、別途のパーソナルコンピュータからなるデータ管理装置に出力して記憶させても良く、用紙への出力とデータ管理装置への記憶との両方を行っても良い。
なお、制御部115は、上記のように操作部21で出力操作を受け付けるとプリンタ部25で出力用ログデータを出力させるのではなく、主電源がオンされた基準時点から、予め設定された所定の時間が経過したか否かを判断し、この所定の時間が経過したと判断した場合に、出力用ログデータを用紙あるいは別途のデータ管理装置に出力するようにしても良い。あるいは、前回出力用ログデータを出力した基準時点から、予め設定された所定の時間(例えば一週間)が経過したか否かを判断し、この所定の時間が経過したと判断した場合に、出力用ログデータを用紙あるいは別途のデータ管理装置に出力するようにしても良い。あるいは、制御部115は、その時計機能を利用して、予め設定された所定の時刻となったか否かを判断し、所定の時刻になったと判断した場合に、出力用ログデータを用紙あるいは別途のデータ管理装置に出力するようにしても良い。さらには、これらを適宜組み合わせるようにしても良い。
以上に述べた第1実施形態の鍵管理装置1によれば、着脱部材40の貫通穴42と鍵10の貫通穴60とに線状部材62を挿入した後、この線状部材62の一対の係合部67,67を連結部材本体63に収容してロックすると、着脱部材40および連結部材41からなる鍵ホルダ11に鍵10を着脱不可に連結させることができる。したがって、鍵10の鍵ホルダ11からの不正な抜き取りを防止することができる。また、装置本体12の解除具101を用いて、連結部材本体63による線状部材62のロックを解除することで、線状部材62を連結部材本体63から取り外せば、線状部材62から鍵10が取り外し可能となり、鍵10の付け替えが可能となる。よって、部材の破壊等を必要とすることがなくなるため、鍵10の付け替え作業の容易化および廃棄物の低減が可能となる。加えて、線状部材62と、線状部材62の両端部を同時に収容してロックする連結部材本体63とを有する簡素な構造の連結部材41を用いるため、コスト増を抑制できる。加えて、鍵10の付け替えの際に再使用不可となる環状部材で着脱部材40に鍵10を連結する構造の装置に対して、環状部材に変えて連結部材41を用いれば、部材の破棄等が不要な構造に変更できる。
また、ケース69のスライド規制部72がスライド体70のスライドを規制する状態では、ケース69の変位規制部74が、スライド体70に装着された線状部材62の一対の係合部67,67の間に配置されてこれら一対の係合部67,67の近接方向移動を規制して、線状部材62のスライド体70に対する着脱を規制する。他方、解除具101が、ケース69に挿入されてスライド規制部72によるスライド体70のスライド規制を解除しスライド体70を押圧してスライドさせて線状部材62の一対の係合部67,67をケース69の変位規制部74から離間させると、線状部材62は、一対の係合部67,67が近接方向に移動可能となり、一対の係合部67,67が近接方向に移動させられることでスライド体70に対し着脱可能となる。このように、スライド規制部72と変位規制部74とを有するケース69とスライド体70とからなる連結部材41と、スライド規制部72によるスライド体70のロックを解除してスライド体70を押圧する解除具101とを用いるため、さらなるコスト増抑制効果が得られる。
次に、本発明に係る鍵管理装置の第2実施形態を主に図10を参照して第1実施形態との相違部分を中心に以下に説明する。
第2実施形態では、連結部材41のスライド体70が案内穴87および挿入穴88を有する合成樹脂製の頭部85と、スライド体70のスライド方向に沿って延在する、頭部85とは別体の二本の合成樹脂製の腕部121,122とを有している。二本の腕部121,122は、頭部85の挿入穴88とは反対側に設けられた一対の金属製の回動軸123,124で回動可能に連結されている。
一方の腕部121には、スライド体70のスライド方向における中間部に幅が広い幅広部126が形成されており、幅広部126の頭部85とは反対端に他方の腕部122側に突出する突起部127が形成されている。また、一方の腕部121の幅広部126よりも頭部85とは反対側には、他方の腕部122側に向けて凹凸状の係合部128が形成されている。
他方の腕部122には、スライド体70のスライド方向における中間部に幅が広い幅広部130が形成されており、幅広部130よりも頭部85とは反対側には、一方の腕部121側に向けて凹凸状の係合部131が形成されている。一方の腕部121と他方の腕部122との間には、バネ133が介装されており、これにより、二本の腕部121,122は、図10(a)に示すように頭部85とは反対側同士を当接させている。
合成樹脂製のケース69には、頭部85に当接することでスライド体70の所定のロック位置よりも奥側への移動を規制するストッパ135が形成されている。スライド体70は、一方の腕部121とケース69との間に介装されたバネ136により、頭部85をストッパ135に当接させる所定のロック位置に位置するように付勢されている。
ケース69には、スライド規制部140が形成されている。スライド規制部140は、一方の腕部121がケース69に対し所定の角度状態(具体的にはスライド体70のスライド方向に平行な状態)にあるとき、この一方の腕部121の幅広部126をスライド体70のスライド方向に進入させることが可能となる通路138を有している。また、スライド規制部140は、他方の腕部122がケース69に対し所定の角度状態(具体的にはスライド体70のスライド方向に平行な状態)にあるとき、この他方の腕部122の幅広部130をスライド体70のスライド方向に進入させることが可能となる通路139を有している。言い換えれば、スライド規制部140は、二本の腕部121,122のそれぞれが所定の角度状態にあるとき、スライド体70のスライドを許容する一方、二本の腕部121,122の少なくともいずれか一方が所定の角度状態にないとき、スライド体70のスライドを規制することになる。
解除具101は、延出板部103に、一方の腕部121の係合部128と相補う凹凸状をなしこの係合部128に係合して一方の腕部121をケース69に対し上記した所定の角度状態にする鍵山部142と、他方の腕部122の係合部131と相補う凹凸状をなしこの係合部131に係合して他方の腕部122をケース69に対し上記した所定の角度状態にする鍵山部143とが形成されている。
このような第2実施形態では、収納部34に、連結部材本体63の線状部材62とは反対側が挿入されると、解除具101の延出板部103が、ケース69内に入り込み二本の腕部121,122の間に入り込む。すると、腕部121の係合部128と解除具101の鍵山部142とが合致し、腕部122の係合部131と解除具101の鍵山部143とが合致するまで、二本の腕部121,122のそれぞれが同時に所定の角度状態になることはなく、幅広部126が通路138に進入可能且つ幅広部130が通路139に進入可能となることはない。よって、スライド体70はスライド規制部140に当接してスライドが規制されることになる。勿論、解除具101以外の部材によって幅広部126が通路138に進入可能且つ幅広部130が通路139に進入可能な状態となることは極めて困難であり、スライド体70のスライドが規制されることになって、不正なロック解除が規制される。
そして、腕部121の係合部128と解除具101の鍵山部142とが合致し且つ腕部122の係合部131と解除具101の鍵山部143とが合致するまで延出板部103が二本の腕部121,122の間に入り込むと、二本の腕部121,122のそれぞれが同時に所定の角度状態になり、幅広部126が通路138に進入可能且つ幅広部130が通路139に進入可能となる。
この状態では、スライド体70がケース69に対しスライド可能となり、連結部材本体63をさらに収納部34の奥側まで挿入すると、解除具101に突起部127で当接して停止させられているスライド体70に対して幅広部126を通路138に進入させ且つ幅広部130を通路139に進入させながらケース69が移動して、図10(b)に示すようにスライド体70がケース69に対して所定のロック解除位置まで相対移動する。その結果、線状部材62が変位規制部74から離れてスライド体70から取り外し可能となる。このようにして、連結部材本体63から取り外された線状部材62に、着脱部材40が貫通穴42において保持されたり、鍵10が貫通穴60において保持されたり、着脱部材40が取り外されたり、鍵10が取り外されたりする。
また、この状態から、連結部材本体63を収納部34から引き抜くと、その初期は、スライド体70がバネ136の付勢力で解除具101に当接したまま留まり、ケース69が移動する。スライド体70は、幅広部126が通路138から脱出し幅広部130が通路139から脱出すると、二本の腕部121,122が揺動可能となり、頭部85がケース69のストッパ135に当接すると、スライド体70がケース69とともに移動して解除具101から離れる。これにより、スライド体70が、バネ136の付勢力でケース69に対しロック位置に保持される。その結果、スライド体70に保持された線状部材62が一対の係合部67,67の間に変位規制部74を配置する状態になって、線状部材62が取り外し不可となる。
以上に述べた第2実施形態によれば、スライド規制部140は、二本の腕部121,122の少なくともいずれか一方が所定の角度状態にないとき、スライド体70のスライドを規制することになり、解除具101は、二本の腕部121,122の間に入り込んでこれら二本の腕部121,122のそれぞれを所定の角度状態にすると、スライド体70のスライドを許容することになるため、連結部材41および解除具101がさらに簡素な構造となって、さらなるコスト増抑制効果が得られる。
次に、本発明に係る鍵管理装置の第3実施形態を主に図11を参照して第1実施形態との相違部分を中心に以下に説明する。
第3実施形態では、連結部材41のスライド体70が案内穴87および挿入穴88を有する合成樹脂製の頭部85と、スライド体70のスライド方向に沿って延在する、頭部85とは別体の一本の合成樹脂製の腕部151とを有している。腕部151は、頭部85の挿入穴88とは反対側に設けられた金属製の回動軸152で回動可能に連結されている。
腕部151は、頭部85とは反対側に幅が広い幅広部153が形成されている。また、幅広部153の中間位置には長さ方向に直交する当接面154が形成されており、幅広部153の頭部85とは反対側にはピン部155が形成されている。
ケース69には、頭部85に当接することでスライド体70の所定のロック位置よりも奥側への移動を規制する二カ所のストッパ157が形成されており、腕部151の揺動を規制するストッパ158が形成されている。スライド体70は、腕部151とケース69との間に介装されたバネ159により、頭部85をストッパ157に当接させる所定のロック位置に位置させ、且つ腕部151をストッパ158に当接させるように付勢されている。
ケース69には、スライド規制部162が形成されている。スライド規制部162は、腕部151がケース69に対し所定の角度状態(具体的にはスライド体70のスライド方向に平行な状態)にあるとき、この腕部151の幅広部153をスライド体70のスライド方向に進入させることが可能となる通路161を有している。言い換えれば、スライド規制部162は、腕部151が所定の角度状態にあるときスライド体70のスライドを許容する一方、腕部151が所定の角度状態にないときスライド体70のスライドを規制することになる。
解除具101は、延出板部103に、ピン部155を案内して腕部151をケース69に対し所定の角度状態にする係合溝164が形成されている。係合溝164は基板部102とは反対側の導入溝165と、基板部102側の位置決め溝166と、これらを繋ぐ連結溝167とを有している。なお、延出板部103には両側にダミーの鍵山部169,170が形成されている。
このような第3実施形態では、収納部34に、連結部材本体63が線状部材62とは反対側から挿入されると、解除具101の係合溝164の導入溝165にピン部155が入り込む。すると、係合溝164の導入溝165および連結溝167の形状によって腕部151が揺動する。ピン部155が位置決め溝166に入り込むまで、腕部151が所定の角度状態になることはなく、幅広部153が通路161に進入可能となることはない。よって、スライド体70はスライド規制部162に当接してスライドが規制されることになる。勿論、解除具101以外の部材によって幅広部153が通路161に進入可能な状態となることは極めて困難であり、スライド体70のスライドが規制されることになって、不正なロック解除が規制される。
そして、腕部151のピン部155が位置決め溝166に入り込むと、腕部151が所定の角度状態になり、幅広部153が通路161に進入可能となる。この状態では、スライド体70がケース69に対しスライド可能となり、連結部材本体63をさらに収納部34の奥側まで挿入すると、解除具101に当接面154で当接して停止しているスライド体70に対して幅広部153を通路161に進入させながらケース69が移動して、図11(b)に示すようにスライド体70がケース69に対して所定のロック解除位置まで相対移動する。その結果、線状部材62が変位規制部74から離れてスライド体70から取り外し可能となる。このようにして、連結部材本体63から取り外された線状部材62に、着脱部材40が貫通穴42において保持されたり、鍵10が貫通穴60において保持されたり、着脱部材40が取り外されたり、鍵10が取り外されたりする。
また、この状態から、連結部材本体63を収納部34から引き抜くと、その初期は、スライド体70が当接面154をバネ159の付勢力で解除具101に当接させたまま留まり、ケース69が移動する。スライド体70は、幅広部153が通路161から脱出すると腕部151が揺動可能となり、頭部85がケース69のストッパ157に当接すると、スライド体70がケース69とともに移動して解除具101から離れる。これにより、スライド体70が、バネ159の付勢力でケース69に対しロック位置に保持される。その結果、スライド体70に保持された線状部材62が一対の係合部67,67の間に変位規制部74を配置する状態になって、線状部材62が取り外し不可となる。
以上に述べた第3実施形態によれば、スライド規制部140は、一本の腕部151が所定の角度状態にないとき、スライド体70のスライドを規制することになり、解除具101は、一本の腕部151を所定の角度状態にすると、スライド体70のスライドを許容することになるため、連結部材41および解除具101がさらに簡素な構造となって、さらなるコスト増抑制効果が得られる。
以上の第1〜3実施形態において、鍵管理装置1の制御部115を、例えば鍵管理装置1が設置されている営業店とLANで連携される本店の管理PCに通信可能に接続させて鍵管理システムを構築し、この管理PCからの操作によって、鍵管理装置1の制御部115による解除具101へのアクセスの許諾の機能を設定可能としても良い。つまり、鍵管理装置1の制御部115による解除具101へのアクセスの許諾の有効・無効を操作入力により設定して、例えば誰であっても交換後一定期間は鍵10の交換をできなくしたり、あるいは特定の権限を付与された担当者複数の中から一部のみが、交換後一定期間であっても鍵10の交換を可能に選択したり等、顧客の運用形態に合わせた設定が可能となる。
また、第1〜3実施形態においては、解除具101を収納するための専用の収納部34を設ける場合を例にとり説明したが、鍵10と同様に管理されるIDカードを収納する、装置本体12の内部に別に設けられた図示略のカード収納部を解除具101を収納するための収納部として用いても良い。あるいは、収納部34をユニット化して鍵管理装置1の外面に取り付けたりすることも可能である。
1 鍵管理装置
10 鍵
11 鍵ホルダ
12 装置本体
40 着脱部材
41 連結部材
42 貫通穴
60 貫通穴
62 線状部材
63 連結部材本体
69 ケース
70 スライド体
72 スライド規制部
74 変位規制部(近接方向移動規制部)
101 解除具(ロック解除手段)
121,122 腕部
140 スライド規制部
162 スライド規制部

Claims (3)

  1. 装置本体と、
    該装置本体に対し着脱可能であって装着状態でロックされる着脱部材および該着脱部材に鍵を連結する連結部材からなる鍵ホルダとを備え、
    前記連結部材は、
    前記着脱部材の貫通穴と前記鍵の貫通穴とに挿入可能な線状部材と、
    該線状部材をその両端部を同時に収容した状態でロックする連結部材本体と、を備え、
    前記装置本体には、前記連結部材本体による前記線状部材のロックを解除するロック解除手段が設けられていることを特徴とする鍵管理装置。
  2. 前記連結部材本体は、ケースと、前記線状部材の両端部を保持しつつ前記ケースにスライド可能に設けられるスライド体と、を有し、
    前記線状部材は、両端部が近接方向に移動させられることで前記スライド体に対し着脱され、
    前記ケースは、
    前記スライド体に装着された前記線状部材の両端部の間に配置されてこれら両端部の近接方向移動を規制する近接方向移動規制部と、
    該近接方向移動規制部が前記線状部材の両端部の近接方向移動を規制する位置で前記スライド体のスライドを規制するスライド規制部と、を有し、
    前記ロック解除手段は、前記ケースに挿入されて前記スライド規制部による前記スライド体のスライド規制を解除し該スライド体を押圧してスライドさせることにより該スライド体に装着された前記線状部材の両端部を前記近接方向移動規制部から離間させることを特徴とする請求項1記載の鍵管理装置。
  3. 前記スライド体は、スライド方向に沿って延在する二本の腕部を有し、
    前記スライド規制部は、前記二本の腕部のそれぞれが所定の角度状態にあるとき、前記スライド体のスライドを許容する一方、前記二本の腕部の少なくともいずれか一方が前記所定の角度状態にないとき、前記スライド体のスライドを規制することになり、
    前記ロック解除手段は、前記二本の腕部の間に入り込んでこれら二本の腕部のそれぞれを前記所定の角度状態にすることを特徴とする請求項2記載の鍵管理装置。
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