JP5897558B2 - 10−プロパルギル−10−デアザアミノプテリンによりメトトレキサート抵抗性疾患を治療するための方法 - Google Patents

10−プロパルギル−10−デアザアミノプテリンによりメトトレキサート抵抗性疾患を治療するための方法 Download PDF

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Description

メトトレキサート(「MTX」とも呼ばれる。)は、多くの種類の癌を治療するための併用化学療法レジメンの一部として使用される。これは、急性リンパ芽球性白血病を含む多くの腫瘍性疾患の治療法である。メトトレキサートは、重症筋無力症、多発性筋炎、皮膚筋炎、封入体筋炎、強直性脊椎炎、クローン病、乾癬、膿疱性乾癬、乾癬性関節炎、関節リウマチ、ヴェーゲナー肉芽腫及び強皮症を含む一部の自己免疫疾患に対する治療としても使用される。
10−プロパルギル−10−デアザアミノプテリン(「10−プロパルギル−10−dAM」、「プララトレキサート」、「ラセミPDX」、「(2S)−2−[[4−[(1RS)−1−[(2,4−ジアミノプテリジン−6−イル)メチル]ブト−3−イニル]ベンゾイル]アミノ]ペンタン二酸」、「(2RS)−2−[[4−[(1RS)−1−[(2,4−ジアミノプテリジン−6−イル)メチル]ブト−3−イニル]ベンゾイル]アミノ]ペンタン二酸」及び「PDX」を包含する。)は、試験を経て、癌の治療において有用であることが分かっている化合物である。10−プロパルギル−10−デアザアミノプテリンは、米国食品医薬品局(FDA)から、再発治療抵抗性末梢T細胞リンパ腫に対する治療薬として承認を得ている。10−プロパルギル−10−デアザアミノプテリンはまた、リンパ腫、肺癌、膀胱癌及び乳癌での使用についても研究中である。
10−プロパルギル−10−デアザアミノプテリンは、DeGrawら、「Synthesis and Antitumor Activity of 10−Propargyl−10−deazaaminopterin」、J.Med.Chem.36:2228−2231(1993)により最初に開示され、酵素ジヒドロ葉酸レダクターゼ(「DHFR」)の阻害剤として及びマウスL1210リンパ性白血病細胞株における増殖阻害剤として作用することが示された。さらに、マウスE0771乳房腫瘍モデルを用いて、本化合物の抗腫瘍特性に関する結果がいくつか発表された。
米国特許第6,028,071号及びPCT公開第WO1998/02163号は、異種移植モデルで試験した場合、高純度10−プロパルギル−10−デアザアミノプテリン組成物がヒト腫瘍に対して有効性があることを開示している。10−プロパルギル−10−デアザアミノプテリンを用いたその後の研究から、これが、単独で及び他の治療薬と併用して有用であることが示されている。例えば、Sirotnakら、Clinical Cancer Research Vol.6,3705−3712(2000)は、10−プロパルギル−10−デアザアミノプテリン及び、cMOAT/MRP−様形質膜ATPaseの阻害剤であるプロベネシドの同時投与によって、ヒト固形腫瘍に対して10−プロパルギル−10−デアザアミノプテリンの効果が大きく促進されることを報告している。10−プロパルギル−10−デアザアミノプテリンならびに10−プロパルギル−10−デアザアミノプテリンとプラチナ系化学療法剤との併用は、中皮腫に対して有効であることが示されている。(Khokarら、Clin.Cancer Res.7:3199−3205(2001))。WO/2005/117892ではリンパ腫の治療のための、ゲムシタビン(Gem)との同時投与が開示されている。米国特許第6,323,205号では、10−プロパルギル−10−デアザアミノプテリンとタキソールとの併用が有効であることが開示されている。10−プロパルギル−10−デアザアミノプテリンはまた、T細胞リンパ腫の治療に対して有効であることも示されており、これについては米国特許第7,622,470号を参照のこと。その他の研究から、試料により発現される還元型葉酸担体−1タンパク質(RFC−1)の量を測定することによる、10−プロパルギル−10−デアザアミノプテリンによる治療に対するリンパ腫の感受性を評価するための方法が示されており、PCT公開第WO2005/117892号で開示されており、この方法では、発現されるRFC−1レベルが高いほど、10−プロパルギル−10−デアザアミノプテリンに対する感受性が高いことを示す。
10−プロパルギル−10−デアザアミノプテリンは葉酸拮抗剤/代謝拮抗剤として知られている。葉酸経路は、細胞成長及び増殖においてキーとなる役割を果たす(Appling、1991;Odinら、2003)。葉酸(folate)は、還元型葉酸担体1(RFC−1)を介して細胞に入り、ホリルポリグルタミン酸シンテターゼ(FPGS)によりポリグルタミン酸化され、ジヒドロ葉酸へと還元され、これがさらにジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)によってテトラヒドロ葉酸(THF)に変換される。この経路に関与する様々な酵素及び輸送体は、重要なクラスの細胞毒性薬である葉酸拮抗剤のための標的である。メトトレキサートは、このクラスの最初の薬剤の1つであり、小児急性リンパ芽球性白血病の治療において最初に使用された(Farberら、1948)。その後、メトトレキサートは血液及び固形癌において幅広く使用され、葉酸経路の複数の局面を利用するように新世代の葉酸拮抗剤が合理的に設計されてきた(例えば、結直腸癌におけるラルチトレキセド(Cocconiら、1998)及び悪性胸膜中皮腫(Vogelzangら、2003)及び非小細胞肺癌(NSCLC)(Hannaら、2004)におけるペメトレキセド))。殆どの腫瘍細胞において、RFC−1は葉酸類似体の内部移行に介在する。細胞の内部に移行したら、これらの類似体はジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)に結合し、それによってプリン及びチミジン生合成に必要な細胞内還元型葉酸プールを枯渇させるか又はDHFRに結合する前にポリグルタミン酸に代謝されるかの何れかである。ホリルポリグルタミン酸シンテターゼ(FPGS)によりポリグルタミン酸化が触媒される。ホリル−ポリグルタミン酸ヒドロラーゼ(FPGH、γ−グルタミルヒドロラーゼ[GGH]としても知られる。)は開裂に介在し、従って続いてこれらの細胞内のポリグルタミン酸化葉酸拮抗剤のクリアランスが起こる。チミジル酸シンターゼ(TS)及びグリシンアミドリボヌクレオチドホルミルトランスフェラーゼ(GARFT)も、「リサイクリング」酵素として葉酸代謝に関与する(従って、DNA合成に利用可能なヌクレオチドのプールに直接影響を与える。)。
メトトレキサートは葉酸拮抗剤である。細胞株の試験に基づき、10−プロパルギル−10−デアザアミノプテリン及びメトトレキサートは、同様なパターンの細胞毒性を有すると考えられており、10−プロパルギル−10−デアザアミノプテリンはメトトレキサートよりも3倍から19倍強力であることが多い。
メトトレキサート抵抗性は通常、DHFR遺伝子の突然変異又は増幅の結果として生じる。この葉酸アンタゴニスの効果に対して細胞が免疫性を獲得し得る3種類の既知の方式がある。細胞中のメトトレキサート濃度は、薬物を細胞へ及び細胞から移動させる輸送系での変化によって低下し得る。例えば、メトトレキサートを細胞に取り込む輸送体数が減少する場合、細胞内で見られるメトトレキサートはより少なくなる。また、細胞における薬物濃度は、ポリグルタミン酸化及び代謝速度を変化させることにより制御することができる。薬物がよりゆっくりとポリグルタミン酸化されるか又はより急激に代謝される場合、薬物はより簡単に細胞から除去され、細胞内でのその濃度及び活性が低下する。DHFR遺伝子の増幅により、存在するDHFR量が増加し、これがメトトレキサート治療に対する反応低下と相関することが示された。メトトレキサートは、DHFRの活性を妨害するためにDHFRに結合しなければならない。遺伝子の変化により、メトトレキサート結合を低減させるようにDHFRの結合領域が変化する場合、DHFRは、葉酸を活性化し続け得、治療の有効性が低下する。これらの結果は全て、メトトレキサートに対する抵抗性の上昇と関連付けられている。メトトレキサートに対する抵抗性が急激に獲得され得、治療は失敗に終わり得る。
従って、メトトレキサート獲得抵抗性を克服するための方法は有用である。
ある実施態様において、本発明は、個体においてメトトレキサート抵抗性疾患を治療する方法を含む。この方法は、10−プロパルギル−10−デアザアミノプテリン又はその医薬的に許容可能な塩を含む組成物の有効量を個体に投与することを含み得る。
別の実施態様において、本発明は、メトトレキサート抵抗性新生物治療を必要とする個体を治療する方法を含み、この方法は、10−プロパルギル−10−デアザアミノプテリン又はその医薬的に許容可能な塩の有効量を個体に投与することを含む。
いくつかの実施態様において、疾患は癌である。他の実施態様において、疾患は炎症性疾患である。ある実施態様において、本組成物は静脈内投与用に製剤化される。別の実施態様において、本組成物は経口投与用に製剤化される。
図1は、10−プロパルギル−10−デアザアミノプテリンを調製する際に有用な合成スキームを示す。 図2は、15種類の被験癌細胞株に対する10−プロパルギル−10−デアザアミノプテリン及び他の葉酸阻害剤の感受性を示す。 図3は、10−プロパルギル−10−デアザアミノプテリン又はメトトレキサートで処理した場合の、ナイーブDU−145細胞、10−プロパルギル−10−デアザアミノプテリン順応(DU−PDX)及びメトトレキサート順応(DU−MTX)DU−145細胞に対するIC50を示す。 図4は、10−プロパルギル−10−デアザアミノプテリン又はメトトレキサートで処理した場合の、ナイーブHEP2細胞、10−プロパルギル−10−デアザアミノプテリン順応(HEP−PDX)及びメトトレキサート順応(HEP−MTX)HEP2細胞に対するIC50を示す。 図5は、10−プロパルギル−10−デアザアミノプテリン−抵抗性細胞株における葉酸遺伝子の相対的mRNA発現を示す。 図6は、DU145及びHEP2感受性細胞株ならびにDU−PDX、DU−MTX、HEP−PDX及びHEP−MTXといった10−プロパルギル−10−デアザアミノプテリン及びメトトレキサート抵抗性細胞株における、DHFRタンパク質のウエスタンブロットを示す。 図7は、DU145及びHEP2感受性細胞株ならびにDU−PDX、DU−MTX、HEP−PDX及びHEP−MTXといった10−プロパルギル−10−デアザアミノプテリン及びメトトレキサート抵抗性細胞株における、DHFRに対するmRNA発現を示す。
癌患者における治療に伴う今も変わらぬ問題の1つは、治療薬に対する反応の個人差及び、化学療法に対する抵抗性をもたらす腫瘍内の遺伝子変化である。化学療法には、急速に分裂している細胞を標的とすることが多い薬物の投与が含まれる。葉酸拮抗剤を含め、多くの化学療法剤は、細胞分裂前のDNA複製を妨害する。化学療法剤には多くの長所があるものの、癌細胞、特に進行癌の遺伝的不安定性により、薬物抵抗性癌の出現率が高い。
本発明において、DU145(前立腺)及びHEP2(頭頸部)癌細胞株から、メトトレキサート及び10−プロパルギル−10−デアザアミノプテリンに対する獲得抵抗性を有する細胞株を作製した。10−プロパルギル−10−デアザアミノプテリンに対して獲得抵抗性があるDU−PDX及びHEP−PDX細胞は、10−プロパルギル−10−デアザアミノプテリンに対して親細胞よりも200倍超高い抵抗性を有しながら、メトトレキサートに対する交差抵抗性を示し;DU−MTX及びHEP−MTX細胞は、10−プロパルギル−10−デアザアミノプテリンに対して顕著な感受性をなお示す。
10−プロパルギル−10−デアザアミノプテリン及びメトトレキサートに対する獲得抵抗性の様々なメカニズムが認められた。10−プロパルギル−10−デアザアミノプテリンに対する獲得抵抗性は、DU−PDX及びHEP−PDX細胞株の両方においてRFC1 mRNA発現の顕著な低下と関連があり、さらにMDR1 mRNA発現の小幅な上昇も認められた。本発明はまた、10−プロパルギル−10−デアザアミノプテリン−抵抗性細胞においてFPGS mRNA発現が僅かに減少することも示し、これにより10−プロパルギル−10−デアザアミノプテリンに対する抵抗性におけるポリグルタミン酸化の役割が示唆される。30年前に行われた研究から、メトトレキサート獲得抵抗性のよくあるメカニズムは、DHFR遺伝子増幅及び結果として起こる酵素過剰発現であることが分かった(Assarafにより概説、2007;Chenら、1995)。故に、メトトレキサート濃度漸増による培養腫瘍細胞株の選択において、葉酸拮抗剤に対する獲得抵抗性はDHFR遺伝子増幅によることが多い。実際に、本発明において、メトトレキサートに対する獲得抵抗性を有する細胞株HEP−MTXは、その親細胞株と比較したとき、DHFRタンパク質の発現が劇的に上昇しており、このことから、このモデルにおけるDHFR遺伝子増幅の可能性が示唆される。このようなタンパク質増加は、10−プロパルギル−10−デアザアミノプテリン−抵抗性細胞株では認められなかった。これらの知見から、これらの細胞株におけるメトトレキサート及び10−プロパルギル−10−デアザアミノプテリンに対する抵抗性の様々な分子メカニズムが示唆される。
癌は、治療剤と接触させない場合のその成長と比較して、治療剤との接触の結果としてその成長速度が抑制される場合、治療剤に「反応性」があるか又は、治療に対する「良好な反応」がある。様々な方法で癌の成長を測定することができ、例えば、腫瘍の大きさ又はその腫瘍タイプに適切な腫瘍マーカーの発現を測定し得る。これらの基準は、測定される反応のタイプ及び、また治療剤に対する腫瘍の感受性の別の重要な尺度である疾患進行停止時間の特徴も規定する。様々な条件下で、10−プロパルギル−10−デアザアミノプテリンに対して反応性があるという性質は変動するものであり、ある種の治療剤に対する「反応性」レベルは癌によって異なる。またさらに、患者のクオリティーオブライフ、転移度などを含む、腫瘍の成長サイズ以外のさらなる基準を用いて、反応性の程度を評価することができる。さらに、適切な状況において、臨床予後マーカー及び可変要素を評価することができる。
癌は、治療剤と接触させない場合のその成長と比較したとき、治療剤との接触の結果として、その成長速度が抑制されないか又は抑制が非常に小さい場合、10−プロパルギル−10−デアザアミノプテリンなどの治療剤に対して「無反応性」であるかもしくは「反応不良」であるか又は治療に対して反応が乏しい。上述のように、様々な方法で癌の成長を測定することができ、例えば、腫瘍の大きさ又はその腫瘍タイプに適切な腫瘍マーカーの発現を測定し得る。様々な条件下で、治療剤に対して無反応性であるという性質は大きく変動するものであり、ある種の治療剤に対する「無反応性」レベルは癌によって異なる。またさらに、患者のクオリティーオブライフ、転移度などを含む、腫瘍の成長サイズ以外のさらなる基準を用いて、無反応性の程度を評価することができる。さらに、適切な状況において、臨床予後マーカー及び可変要素を評価することができる。このような無反応性又は反応不良の癌は、無反応性であり得るか又は最初に反応性であったが、抵抗性を獲得している。抵抗性又は無反応性は、他のより感受性が高い癌又は腫瘍細胞株に対して又は同じタイプの癌又は腫瘍細胞株に対して測定し得る。これらのタイプの癌はまた、特定の化学療法剤に対して「抵抗性」癌ともみなされ得、例えばメトトレキサート抵抗性癌は、最初からメトトレキサートに抵抗性である場合もあれば、メトトレキサートもしくは別の化学療法剤での一連の治療中にメトトレキサートに対して抵抗性を獲得したものである場合もある。抵抗性は、葉酸経路タンパク質、葉酸輸入経路の1つにおけるタンパク質中の突然変異によるか又はメトトレキサートに対する反応に関連する何らかの他のタンパク質によるものであり得る。
従って、ある実施態様において、本発明は、個体においてメトトレキサート抵抗性疾患を治療する方法を含み、この方法は、10−プロパルギル−10−デアザアミノプテリン及びその医薬的に許容可能な塩の有効量を個体に投与することを含む。
以前にはある腫瘍に対して毒性であった薬物の効果に対してその腫瘍が抵抗性を獲得することができると、その結果、抵抗性が生じ得る。このような獲得抵抗性は、染色体破壊によるものであり得る。透過性低下は初期抵抗性の一般的な形態である。薬物の変質又は不活性化はおそらく薬物抵抗性の最も一般的なメカニズムである。薬物抵抗性は、薬物が作用する標的部位の変化によるものでもあり得る。主治医又は当技術分野の他の熟練者の評価により、癌などの疾患がメトトレキサートに対する抵抗性を獲得した状況を調べることができ、これには、治療時の疾患の退縮又は静止状態と、それに続くある一定の治療期間後の疾患の進行が含まれる。癌を含む多くの疾患において、多くの疾患が治療に対する獲得抵抗性を現すことが認められている。
従って、別の実施態様において、本発明は、10−プロパルギル−10−デアザアミノプテリン又はその医薬的に許容可能な塩を含む組成物の治療的有効量を投与することを含む、メトトレキサートでの治療中にメトトレキサートに対する抵抗性を獲得した葉酸経路依存性疾患又は悪性腫瘍を治療する方法に関する。
「治療」は、さらなる腫瘍成長を阻止又は抑制するための、ならびに腫瘍の縮小を引き起こすための、及び生存期間を延長させるための療法の使用を意味し得る。治療はまた、腫瘍の転移の予防も含むものとする。(反応性/無反応性、疾患進行停止時間又は当技術分野で公知及び本明細書中に記載の指標により判定するとき)癌又は腫瘍の少なくとも1つの症状が改善されるか、停止するか、減速するか、最小化されるか又は阻止される場合、腫瘍は「抑制される」か又は「治療される」。本明細書中にさらに記載のような治療レジメン(例えば10−プロパルギル−10−デアザアミノプテリン)を用いた治療に従う、腫瘍の何らかの症状、身体(physical)他の何らかの改善は、本発明の範囲内である。次に、一般に、「治療」、「治療する(treating)」及び「治療すること(to treat)」という用語は、本明細書中で使用される場合、症状を改善するか、一時的又は永久的の何れかで癌又は炎症性疾患の原因を排除するか、症状の発現及び/又は疾患の進行を遅延させるか又は疾病を予防する(即ち予防的に治療する)ことを意味する。予防的治療を受ける対象は、一般に例えば遺伝的素因、食餌、病原体への曝露、病原因子への曝露などにより癌又は炎症状態のリスクがある哺乳動物である。
本発明のある実施態様において、本発明の方法に使用される組成物は、「高純度」の10−プロパルギル−10−デアザアミノプテリン及び10−プロパルギル−10−デアザアミノプテリンのジアステレオマーを含む、10−プロパルギル−10−デアザアミノプテリンを含み得る。本明細書及び本明細書中の特許請求の範囲で使用される場合、「高純度」の組成物は、10−プロパルギル−10−デアザアミノプテリンの抗腫瘍活性を妨害し得る他の葉酸誘導体、特に10−デアザアミノプテリンを実質的に含まない、10−プロパルギル−10−デアザアミノプテリン含有する。本発明の範囲内の組成物は、治療上の使用に適切な投与単位形態に10−プロパルギル−10−デアザアミノプテリンを製剤化する担体又は賦形剤ならびにさらなる非葉酸治療剤を含み得る。
10−プロパルギル−10−デアザアミノプテリンは、炭素10(C10)及び炭素19(C19)位に不斉中心を含有する。ある実施態様において、10−プロパルギル−10−デアザアミノプテリンは、C10キラル中心でR−及びS−配置のおよそ1:1のラセミ混合物及びC19キラル中心で≧98.0%のS−ジアステレオマーを含む。10−プロパルギル−10−デアザアミノプテリンは、C10ジアステレオマーPDX−10a[S−配置]化学名:(2S)−2−[[4−[(1S)−1−[(2,4−ジアミノプテリジン−6−イル)メチル]ブト−3−イニル]ベンゾイル]アミノ]ペンタン二酸及びPDX−10b[R−配置]化学名:(2S)−2−[[4−[(1R)−1−[(2,4−ジアミノプテリジン−6−イル)メチル]ブト−3−イニル]ベンゾイル]アミノ]ペンタン二酸を含む。
10−プロパルギル−10−デアザアミノプテリンを製造することに関し、その全体において本明細書中に参照により組み込まれる、DeGrawら、米国特許第5,354,751号の実施例7で開示される方法を用いて、10−プロパルギル−10−デアザアミノプテリンを合成し得る。10−プロパルギル−10−デアザアミノプテリンは、本明細書中に参照により組み込まれる米国特許第6,028,071号の特に実施例1で与えられる方法によって合成することもできる。
10−プロパルギル−10−デアザアミノプテリンのジアステレオマーを生成させるために、本明細書中で教示されるように及びその他により10−プロパルギル−10−デアザアミノプテリンを合成し得、続いて最終生成物又は早期の中間生成物の何れかを出発物質としてして、C10ジアステレオマーを分離し得る。あるいは、キラル合成を使用し得、実質的に純粋なPDX−10a及び/又はPDX−10bが多くの出発物質の何れかから直接生成される。光学異性体又はジアステレオマーを分離するための当技術分野で公知のキラルカラムを使用して、最終的な10−プロパルギル−10−デアザアミノプテリン又は早期の中間体のジアステレオマーを分離し得る。ジアステレオマーを分離するための適切なキラルカラムとしては、移動相としてエタノールを用いる、日本のダイセル化学工業から入手可能なキラルカラムCHIRALPAK ADが挙げられる。
いくつかの実施態様において、葉酸経路依存性疾病又は疾患は癌である。その他の実施態様において、葉酸経路依存性疾病又は疾患は炎症性疾患である。いくつかの実施態様において、癌又は炎症性疾患は、最初に少なくともある程度はメトトレキサートに感受性があり、その後メトトレキサートに対する抵抗性を獲得した疾患である。固有のものであれ獲得性であれ、葉酸経路疾病又は疾患がメトトレキサートに対して抵抗性を有するか否かを判定するための方法は、当業者により決定され得、患者由来の腫瘍細胞などの関連細胞を培養又は入手し、メトトレキサートに対する抵抗性及び/又は感受性に関与する様々な葉酸経路酵素の発現レベルを調べることなどの方法を含み得る。別のこのような方法は、固有のものであれ獲得性であれ、抵抗性を明らかにするためにメトトレキサート治療に対する患者の反応を調べ及び/又は監視することによる。メトトレキサートに対する抵抗性を示すマーカーの相対的発現を調べるために、関連細胞を遺伝子型又は表現型の何れかで分類し得る。
ある実施態様において、本発明での使用のための表現型アッセイには、患者から腫瘍外植片を入手し、その外植片の一部を培養し、外植片からの関連細胞の単層を成長させ、候補薬物にその単層を曝露し、候補薬物が腫瘍細胞表現型を変化させる能力を評価することが含まれる。
本発明に従う遺伝子型分析は何らかの公知の方法により遂行される。好ましい方法には、一般的に又は評価を行っている候補治療剤に関して特異的に、薬物抵抗性と関連することが知られている遺伝子型を有する患者から入手した細胞の遺伝子型もしくはその一部を比較することが含まれる。例えば、候補治療剤に対する抵抗性を与えることが知られているか又はそれが疑われる多型変異体が患者細胞中に存在する場合、その候補薬剤はそれらの細胞に対する有望な治療剤としては選抜されずに除外される。患者細胞の遺伝学的特性は下記のように当技術分野で公知の方法により決定される(例えば配列決定、遺伝子多型)。薬物抵抗性における患者の遺伝子型の影響は、抵抗性に関連する既知の突然変異又は遺伝子多型を分類する遺伝子データベース又はライブラリを参照することにより調べ得る。
何らかのメカニズムに縛られるものではないが、メトトレキサートに対する抵抗性又は獲得抵抗性に関連する細胞における突然変異の例としては、感受性細胞に対するか又は抵抗性獲得前の細胞に対する、DHFR mRNA及び/又はタンパク質発現の増加が挙げられるが、これらに限定されない。
いくつかの実施態様において、癌又は炎症性疾患は、メトトレキサートに対する獲得抵抗性を有する。治療する癌としては、例えば、前立腺癌、乳癌、メラノーマ、肺癌及びT細胞リンパ腫が挙げられる。T細胞リンパ腫の場合、本発明のジアステレオマーによる治療の対象となる様々な状態があり、これには、(a)胸腺由来の原始リンパ球前駆細胞において悪性腫瘍が生じるリンパ芽球性リンパ腫;(b)T細胞前リンパ球白血病、T細胞顆粒リンパ球白血病、アグレッシブNK細胞白血病、皮膚T細胞リンパ腫(菌状息肉腫/セザリー症候群)、未分化大細胞型リンパ腫、T細胞型、腸管症型T細胞リンパ腫、HTLV−1が関与するものを含む成人T細胞白血病/リンパ腫及び血管免疫芽細胞性T細胞リンパ腫及び皮下脂肪織炎様T細胞リンパ腫を含む、成熟又は末梢T細胞新生物;及び(c)病初はリンパ節皮質傍野を含み、真の濾胞型に成長することはない末梢T細胞リンパ腫が含まれる。治療するための他の癌としては、血液悪性腫瘍、頭頸部癌癌、消化管の癌、卵巣癌及び骨肉種が含まれる。
「炎症性疾患」という用語は、本明細書中で使用される場合、炎症により引き起こされるか又はその症状が炎症を含むかの何れかの、何らかの疾患を指す。例として、炎症により引き起こされる炎症性疾患は敗血性ショックであり得、症状に炎症が含まれる炎症性疾患は関節リウマチであり得る。本発明の炎症性疾患としては、循環器疾患、関節リウマチ、多発性硬化症、クローン病、炎症性腸疾患、全身性エリテマトーデス、多発性筋炎、敗血性ショック、移植片対宿主疾患、喘息、鼻炎、乾癬及び湿疹が挙げられるが、これらに限定されない。ある実施態様において、治療しようとする炎症性疾患としては、関節リウマチ及び若年性関節リウマチが挙げられる。
「患者」又は「哺乳動物」という用語は、本明細書中で使用される場合、ヒト、家畜(domestic及びfarm animals)及び動物園飼育動物又はペット、例えばイヌ、ウマ、ネコ、ウシなどを含む哺乳動物として分類される何らかの動物を指す。好ましくは哺乳動物はヒトである。
本発明による使用のための10−プロパルギル−10−デアザアミノプテリンは、一般的に、当技術分野で公知のように、患者が治療を受けている目的に対して最も効果的な治療(効果及び安全性の両方の面から)をもたらす投与レジメンで患者に投与される。本発明の治療法を行う際に、本発明によるメトトレキサート抵抗性疾患及び/又は10−プロパルギル−10−デアザアミノプテリン−感受性癌における使用のための10−プロパルギル−10−デアザアミノプテリンは、治療を受けている癌のタイプ及び例えば公開されている臨床研究の結果に基づくように、処方医師の医学的判断によって、経口、局所、静脈内、腹腔内、筋肉内、関節内、皮下、鼻腔内、眼内、膣内、直腸、頭蓋内又は皮内経路によるなど、当技術分野で公知の何らかの効果的な方式で投与され得る。
本発明によるメトトレキサート抵抗性疾患及び/又は10−プロパルギル−10−デアザアミノプテリン−感受性癌における使用のための10−プロパルギル−10−デアザアミノプテリンは、医薬品の一部として製剤化され得る。具体的な剤形は投与方法に依存するが、これには、経口、静脈内、筋肉内、頭蓋内又は腹腔内投与などのための、錠剤、カプセル剤、経口液剤及び注射液が含まれ得る。投与量はmg/mとして表され得る。あるいは、投与量は、当業者にとって許容可能な何らかの方式によってmg/kg体重として表され得る。mg/kg体重の単位で同等な投与量を得るためのある方法には、平均的なヒトの場合、変換係数0.025mg/kgを1mg/mとほぼ同等として適用することが含まれる。この計算によると、150mg/mの投与量は約3.75mg/kgとほぼ同等である。
メトトレキサート抵抗性疾患及び/又は10−プロパルギル−10−デアザアミノプテリン−感受性癌の治療のための、癌に対する適切な投与には、次の投与レジメンが含まれる。ある実施態様において、これらの投与はI.V.である。例えば、凡そ10から120mg/m(体表面積)/日(約0.25から3mg/kg体重/日)の用量が適切である。週に1回、3週間にわたり30mg/m(約0.75mg/kg)を投与し、次に1週間休薬して、週に1回、6週間にわたり30mg/m(約0.75mg/kg)を投与し、次いで1週間休薬するか又は6週間のスケジュールで週に1回の割合で10−プロパルギル−10−デアザアミノプテリンの用量を漸増させるという投与も適切である。患者の耐容性及び悪性腫瘍のタイプに基づき、必要に応じてより少ない用量を使用し得る。より高い用量を使用することができ、この場合投与頻度は少なくなる。従って、一般的に、様々な投与スケジュールで、10から275mg/m(約0.25から約6.9mg/kg)の投与量、例えば隔週投与で約100から275mg/m(約2.5から約6.87mg/kg)の投与量及び週1回投与で約10から150mg/m(約0.25から約3.75mg/kg)又はより具体的には約10から60mg/mの間の投与量が適切に使用される。
米国特許第6,323,205号に記載のものと同様のプロトコールを用いた適切な投与量の決定は、当技術分野の技術の範囲内である。ある実施態様において、本発明に従うメトトレキサート抵抗性疾患及び/又は10−プロパルギル−10−デアザアミノプテリン−感受性癌における使用のための10−プロパルギル−10−デアザアミノプテリンは、投与1回あたり約10から約275mg/m(約0.25から約6.87mg/kg)の量で投与することができる。本発明の方法はまた、週に1回、約10mg/m(0.25mg/kg)又は約30mg/m(0.75mg/kg)の用量;1回あたり約10から約150mg/m(約0.25から約3.75mg/kg)の量;隔週で;約100から約275mg/m(約2.5から約6.9mg/kg)の投与量での、本発明に従うメトトレキサート抵抗性疾患及び/又は10−プロパルギル−10−デアザアミノプテリン−感受性癌における使用のための10−プロパルギル−10−デアザアミノプテリンの投与も含む。ある実施態様において、本発明に従うメトトレキサート抵抗性疾患及び/又は10−プロパルギル−10−デアザアミノプテリン−感受性癌での使用のための10−プロパルギル−10−デアザアミノプテリンは、約0.25mg/kgから約4mg/kg;約0.75mg/kgから約3mg/kgの量で;約1.0mg/kgから約2.5mg/kgの量で;約0.25mg/kg又は約0.75mg/kgの量(又は体表面積(BSA)での同等量)で投与することができる。
ビンカアルカロイド、例えばビンブラスチン、ナベルビン及びビンデシン、ヌクレオチド類似体、例えばゲムシタビン、5−フルオロウラシル及びシタラビン;アルキル化剤、例えばシクロホスファミド又はイホスファミド;シスプラチン又はカルボプラチン;ロイコボリン;タキサン、例えばパクリタキセル又はドセタキセル;抗CD20モノクローナル抗体(放射性同位体あり又はなし)及び抗生物質、例えばドキソルビシン及びマイトマイシンを含む他の細胞毒性及び抗腫瘍化合物と組み合わせて、10−プロパルギル−10−デアザアミノプテリンを使用し得る。10−プロパルギル−10−デアザアミノプテリンとこれらのその他の抗腫瘍剤の一部又は増殖因子阻害剤及び抗血管形成剤との組み合わせも使用し得る。
10−プロパルギル−10−デアザアミノプテリン及び他の薬剤を同時に投与するか又は、10−プロパルギル−10−デアザアミノプテリン及びその他の薬剤を異なる時間に投与するという共通治療レジメンの一部として組み合わせてこれらを使用することができる。例えば、10−プロパルギル−10−デアザアミノプテリン投与の、前、直後又一定時間(例えば24時間)後に、他の薬剤を投与し得る。従って、この適用の場合、投与するという用語は、一般に、別段の断りがない限り、薬物と薬物との間に時間をあけて又はあけずに、並行治療レジメンにおいて何れかの順序で薬物を同時投与又は連続投与することを指す。
炎症性疾患の治療の場合、経口、筋肉内、静脈内、動脈内又は髄腔内経路によって10−プロパルギル−10−デアザアミノプテリンを与え得る。当業者は他の経路に気付くであろう。乾癬、関節リウマチ及び/又は若年性関節リウマチを含むが限定されない炎症性疾患の治療の場合、投与には次のものが含まれ得る。成人関節リウマチ又は多関節型の若年性関節リウマチのための本発明の方法には、週に1回約1から約30mgの経口投与が含まれ、ある実施態様において、週に1回約7.5mgが投与される。他の投与量には、週に1回の10mg/m投与が含まれ得る。最適反応を得るために投与量を徐々に調節し得る。20mg/m/wk超又は0.65から1.0mg/kg/wkなどのより高い投与量では、筋肉内又は皮下投与によって吸収がより良好になり得る。適切な投与にはまた、1週間あたり7.5mg又は約0.5から約10mgで分割して経口投与することも含まれ得;ある実施態様において、投与量は、週1回のコースとして3回に分けて12時間間隔で2.5mgに分割して経口投与し得る。それが有効である限り投与を継続し得、最長2年間及びそれより長い期間にわたる治療が含まれる。
10−プロパルギル−10−デアザアミノプテリンは、治療の副作用を減少させるために葉酸及びビタミンB12補給と組み合わせて適切に使用される。例えば、葉酸(10−プロパルギル−10−デアザアミノプテリンによる治療の1週間前から開始して毎日1mg/m又はあるいは体表面積(BSA)に基づくことなく毎日経口投与(p.o.)で1mg);及びB12(月に1mg/m又はあるいは筋肉内投与(I.M.)で8−10週間ごとに1mg(BSAに基づかない。)又はあるいは毎日p.o.で1mg(BSAに基づかない。))で患者を処置し得る。
ある実施態様において、本発明による10−プロパルギル−10−デアザアミノプテリンは、経口投与用に製剤化される。別の実施態様において、本発明による10−プロパルギル−10−デアザアミノプテリンは静脈内投与用に製剤化される。
10−プロパルギル−10−デアザアミノプテリンは、多岐にわたる様々な剤形で投与され得る。例えば、10−プロパルギル−10−デアザアミノプテリンは、好ましくは経口又は非経口投与され得る。
10−プロパルギル−10−デアザアミノプテリンは、錠剤、カプセル剤、薬用ドロップ、トローチ剤、ハードキャンディー、粉剤、噴霧剤、クリーム剤、塗剤(salves)、坐薬、ゼリー剤、ゲル剤、ペースト剤、ローション剤、軟膏剤、エリキシル剤、シロップ剤などの形態で様々な医薬的に許容可能な不活性担体とともに投与し得る。単回投与又は複数回投与でこのような剤形の投与を行い得る。担体としては、固体希釈剤又は充填剤、滅菌水性溶媒及び様々な無毒性の有機溶媒などが挙げられる。経口医薬組成物は適切に甘味が付与されるか及び/又は香味が付与され得る。10−プロパルギル−10−デアザアミノプテリンの経口投与の場合、一方又は両方の活性薬物を含有する錠剤は、デンプン(及び好ましくはトウモロコシ、ジャガイモ又はタピオカデンプン)、アルギン酸及びある種の複雑ケイ酸塩などの様々な崩壊剤とともに、ポリビニルピロリドン、スクロース、ゼラチン及びアカシアのような顆粒結合剤と一緒に、例えば微晶質セルロース、クエン酸ナトリウム、炭酸カルシウム、リン酸二カルシウム及びグリシンなどの様々な賦形剤の何れかと合わせられる。さらに、ステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウム及びタルクなどの滑沢剤が錠剤化に非常に有用であることが多い。同様のタイプの固形組成物もゼラチンカプセルにおける充填剤として使用され;これに関連する好ましい材料にはまた、ラクトース又は乳糖ならびに高分子量ポリエチレングリコールも含まれる。水性縣濁液及び/又はエリキシル剤が経口投与に望ましい場合、水、エタノール、プロピレングリコール、グリセリンなどの希釈剤及び様々なその類似の組み合わせなどと一緒に、10−プロパルギル−10−デアザアミノプテリンを様々な甘味剤又は香味剤、着色料又は色素及び望ましい場合は乳化剤及び/又は懸濁化剤とも合わせ得る。場合によっては1以上の補助的成分又はアジュバントと一緒に圧縮するか又は成形することによって、本発明の組成物を含有する錠剤を調製し得る。圧縮錠剤は、場合によっては結合剤、滑沢剤、不活性希釈剤,界面活性剤又は分散剤と混合した、粉末又は顆粒などの自由流動形態の活性成分を適切な機械において圧縮することによって、調製され得る。成形錠剤は、不活性液体希釈剤で湿らせた粉末化合物の混合物を適切な機械において成形することによって作製され得る。各錠剤は、好ましくは約0.05mgから約10gの活性成分を含有し、各カシェー又はカプセルは好ましくは約0.05mgから約10gの活性成分を含有し;錠剤はまた、適切に錠剤1個あたり約2.5mgの活性成分又は錠剤1個あたり約7.5mgを含有し得る。
10−プロパルギル−10−デアザアミノプテリンの非経口投与の場合、溶液ならびに活性成分又は対応するその水溶性の塩を含む滅菌水溶液を使用し得る。このような滅菌水溶液は、好ましくは適切に緩衝化され、また好ましくは、例えば十分な塩又はグルコースで等張化され得る。これらの特定の水溶液は、静脈内、筋肉内、皮下及び腹腔内注射用に特に適切である。油性溶液は、関節内、筋肉内及び皮下注射用に適切である。当業者にとって周知の標準的な製薬技術によって、滅菌状態下でのこれらの全溶液の調製を容易に遂行し得る。
獣医学の目的の場合、何らかの形態を使用して、及び上述の何らかの経路によって、個別に又は一緒に動物に活性成分を投与することができる。好ましい実施態様において、カプセル剤、ボーラス剤、錠剤、水薬の形態で、注射により又は移植片として、10−プロパルギル−10−デアザアミノプテリンを投与する。代替法として、10−プロパルギル−10−デアザアミノプテリンを動物飼料とともに投与することができ、この目的のために、濃厚飼料添加物又はプレミックスを通常の動物飼料用に調製し得る。標準的な獣医学的実務に従い、従来の方式でこのような処方物を調製する。
本発明はまた、メトトレキサート抵抗性新生物治療を必要とする個体を治療する方法も含み、この方法は、10−プロパルギル−10−デアザアミノプテリン及びその医薬的に許容可能な塩の有効量を個体に投与することを含む。
「医薬的に許容可能な塩」という用語は、医薬的に許容可能な無毒性塩基又は酸から調製される塩を指す。本発明の化合物が酸性である場合、その対応する塩は、無機塩基及び有機塩基を含む医薬的に許容可能な無毒性塩基から都合よく調製され得る。このような無機塩基由来の塩としては、アルミニウム、アンモニウム、カルシウム、銅(第二銅及び第一銅)、第二鉄、第一鉄、リチウム、マグネシウム、、マンガン(マンガン(III)及びマンガン(II))、カリウム、ナトリウム、亜鉛などの塩が挙げられる。特に好ましいものは、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、カリウム及びナトリウム塩である。ある実施態様において、塩は塩酸塩である。医薬的に許容可能な有機無毒性塩基由来の塩としては、一級、二級及び三級アミンならびに環状アミン及び置換アミン、例えば天然及び合成置換アミンなどの塩も挙げられる。塩が形成され得る他の医薬的に許容可能な有機無毒性塩基としては、例えば、アルギニン、ベタイン、カフェイン、コリン、N’,N’−ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチルモルホリン、N−エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソプロピルアミン、リジン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン類、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トロメタミンなどのイオン交換樹脂が挙げられる。
上記で挙げた一般的な剤形に加えて、10−プロパルギル−10−デアザアミノプテリン(その各成分の医薬的に許容可能な塩、エステル、溶媒和物及び多形体を含む。)は、制御放出手段及び/又は送達装置によっても投与し得る。
別段の断りがない限り、本明細書及び特許請求の範囲中で使用される、成分、寸法、反応条件などの量を表す数字は全て、全ての例において「約」という用語により修飾されると理解されたい。
本願及び特許請求の範囲において、単数の使用には、具体的に別段の断りがない限り、複数も含む。さらに、「又は」の使用は、別段の定めがない限り「及び/又は」を意味する。さらに、「含むこと(including)」という用語ならびにその他の形態、例えば「含む(includes)」及び「含まれる(included)」などは、限定するものではない。また、「要素」又は「構成成分」などの用語は、具体的に別段の断りがない限り、1単位を含む要素及び構成成分ならびに複数単位を含む要素及び構成成分の両方を包含する。
本発明は、ある一部分において、メトトレキサートに対する抵抗性を獲得した細胞がプララトレキサートに対する感受性を保持し、一方でプララトレキサートに対する抵抗性を獲得している細胞がメトトレキサートに対する獲得抵抗性も有することを示すデータに基づく。プララトレキサート感受性の予測的遺伝因子に関して、DU145(前立腺)及びHEP2(頭頸部)癌細胞株から、薬物に対する獲得抵抗性がある2種類の細胞株を作製した。DU−PDX及びHEP−PDXは、親細胞よりもプララトレキサートに対して200倍超高い抵抗性を有しながら、メトトレキサートに対する部分的な交差抵抗性を示した。プララトレキサート獲得抵抗性は、RFC−1発現低下及びMDR1発現上昇と関連していた。Fotoohiら(2009)は、RFC−1のmRNAレベルがメトトレキサート抵抗性細胞において2倍を超えて下方制御される葉酸拮抗剤−抵抗性白血病株について述べているが、このことから葉酸拮抗剤抵抗性における流入輸送の重要な役割が強調される。他のメトトレキサート抵抗性細胞モデルを用いてJansen(1998)、Rothen(2004)及びIfergan(2003)によって同様なデータが以前に得られた。MDR1の阻害によってプララトレキサートに対する感受性が回復しなかったので、MDR1発現の上昇は、プララトレキサートに対する獲得抵抗性が認められることに関与しないと思われる。FPGS活性の低下は、ヒト白血病CCRF−CEM細胞においてメトトレキサートに対する獲得抵抗性と関与することが示された(Mauritz、2002)。ある研究において、プララトレキサート−抵抗性細胞においてFPGS発現の僅かな低下が認められ、これによりプララトレキサートに対する抵抗性においてポリグルタミン酸化が果たす役割が示唆される。30年前に行われた研究から、メトトレキサート獲得抵抗性の別のよくあるメカニズムが、DHFR遺伝子増幅及び結果として起こる酵素過剰発現であることが分かった(Assaraf 2007により概説;Chenら、1995)。この研究において、メトトレキサートに対する獲得抵抗性がある細胞株HEP−MTXは、その親細胞株と比較した場合にDHFR mRNA及びタンパク質発現の劇的な上昇を示した。プララトレキサート−抵抗性細胞株において、DHFR発現の上昇は認められなかった。これらの知見から、これらの細胞株におけるメトトレキサート及びプララトレキサートに対する抵抗性の様々な分子メカニズムが示唆される。
従って、本発明は、驚くべきことに、メトトレキサートに対して抵抗性になる細胞株はプララトレキサートに対して抵抗性にならず及び/又はプララトレキサートに対する最初の感受性より以上のものを保持したことを示す。
限定するものではない続く実施例を検討すると、本発明のさらなる目的、長所及び新規特性が当業者にとって明らかになろう。さらに、本明細書中で上記で明らかにされるような及び下記の特許請求の範囲で主張されるような本発明の様々な実施態様及び局面のそれぞれに対して、次の実施例において実験的確証が見出される。
実施例
続く実施例は、単に説明を目的として提供するものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
実施例1:
図1は、10−プロパルギル−10−デアザアミノプテリンを調製する際に有用な合成スキームを示す。18mLの篩過乾燥THF中の油分散中60%NaHの混合物(1.06g、26.5mmol)を0℃に冷却した。冷混合物を乾燥THF(7mL)中のホモテレフタル酸ジメチルエステル(5.0g、24mmol、図1の化合物1)の溶液で処理し、この混合物を0℃で1時間撹拌した。臭化プロパルギル(26.4mmol)を添加し、混合物を00℃でさらに1時間、次いで室温で16時間撹拌した。得られた混合物を2.4mLの50%酢酸で処理し、次いで240mLの水に注いだ。混合物をエーテル(2x150mL)で抽出した。エーテル抽出物を合わせ、NaSO上で乾燥させ、橙黄色の油状物質になるまで濃縮した。シリカゲル(600mLの230−400メッシュ)上でクロマトグラフィーを行い、シクロヘキサン−EtOAc(8:1)により溶出して、白色固体(4.66)として生成物α−プロパルギルホモテレフタル酸ジメチルエステル(化合物2)を得たが、これはTLC(シクロヘキサン−EtOAc、3:1)により均質であることが明らかになった。しかし、この生成物における質量スペクトルデータから、これが所望の生成物2とジプロパルギル化化合物との混合物であることが示された。出発物質1は検出されなかった。HPLCから、モノプロパルギル化生成物とジ−プロパルギル化生成物の比が約3:1であることが示される。化合物1とは異なり、ジプロパルギル化生成物は反応の次の段階で不要な副生成物を生成させ得ないので、この物質は化合物3への変換に適切であった。10−プロパルギル−10−デアザアミノプテリンから10−dAMから完全に除去することが非常に困難なため、本合成を進行させるのに使用される生成物中に出発化合物1がないことは、最終生成物に至る変換中の10−dAMの逐次形成を回避するために非常に重要である。
0.36gの油分散中60%NaH(9mmol)を10mLの乾燥DMFと合わせることによって混合物を形成させ、0から5℃に冷却した。10mL乾燥DMF中の最初の反応生成物(化合物2)(2.94g、12mmol)の溶液を滴下して冷混合物を処理し、次に0℃で30分間撹拌した。−25℃に冷却した後、10mL乾燥DMF中の2,4,ジアミノ−6−(ブロモメチル)−プテリジン臭化水素酸塩−0.2 2−プロパノール(1.00g、2.9mmol)の溶液を滴下して添加し、その間、温度を−25℃付近に維持した。2時間にわたり撹拌混合物の温度を−10℃に上昇させた。−10℃でさらに2時間経過後、温度を20℃に上昇させ、2時間を超えて室温で撹拌し続けた。次に、固形COを添加することにより、反応物をpH7に調整し、真空下で濃縮して溶媒を除去した後、残渣をジエチルエーテルとともに撹拌し、エーテル不溶物を回収し、水で洗浄し、真空下で乾燥させて1.49gの粗製生成物を得た。シリカゲルカラムに添加するために、この粗製生成物をCHCl−MeOH(10:1)中で溶解した。同じ溶媒系により溶出して、40%の収率(485mg)で10−プロパルギル−10−カルボメトキシ−4−デオキシ−4−アミノ−10−デアザプテロイン酸メチルエステル(化合物3)を得たが、これはTLCに対して均一であった。
2−メトキシエタノール(5mL)中の化合物3(400mg、0.95mmol)の撹拌縣濁液を水(5mL)及び次いで10%水酸化ナトリウム溶液(3.9mL)で処理した。混合物を室温で4時間撹拌したところ、その間に溶液が生じた。この溶液を酢酸でpH8に調整し、高真空下で濃縮した。得られた残渣を15mLの水中で溶解し、pH5.5−5.8に酸性化したところ、沈殿物が形成された。この沈殿物を回収し、水で洗浄し、真空下で乾燥させ、340mgの化合物4(91%収率)を回収した。HPLC分析から生成物純度が90%であることが示された。
15mL DMSO中で10分間、115−120℃に加熱することによって化合物4(330mg)からカルボキシル基を除去した。10分後のHPLCによる試験から、変換が基本的に完了したことが確認された。真空下で蒸留することにより(40℃の浴槽)DMSOを除去した。残渣を0.5N NaOHとともに撹拌し、透明な溶液を得た。1N HClでpH5.0に酸化することにより、黄色の固体として70%収率で10−プロパルギル−4−デオキシ−4−アミノ−10−デアザプテロイン酸(化合物5)を得た。HPLCから、生成物の純度がこの段階で90%であることが示された。
トリエチルアミン(148mg、1.46mmol)を含有するDMF(10mL)中のBOP試薬(ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスファート(287mg、0.65mmol、Aldrich Chemical Co.)を用いて、化合物5(225mg、0.65mmol)をL−グルタミン酸ジメチル塩酸塩(137mg、0.65mmol)とカップリングさせた。混合物を20−25℃で3時間撹拌し、次いで蒸発乾固させた。残渣を水とともに撹拌し、水に不溶の粗製生成物を回収し、真空下で乾燥させた。粗製生成物(350mg)をシリカゲルクロマトグラフィーにかけ、トリエチルアミン(0.25%体積)を含有するCHCl−MeOH(10:1)により溶出して精製し、165mgの10−プロパルギル−10−デアザアミノプテリンジメチルエステル(化合物6、50%収率)を回収したが、これはTLCに対して均質であった(CHCl−MeOH 5:1)。
10mLの撹拌MeOH中で化合物6(165mg、0.326mmol)を懸濁し、これに0.72mL(0.72meq)の1N NaOHを添加した。数時間後に溶液が生じるまで室温で撹拌を継続した。この溶液を20−25℃に8時間維持し、次いで10mLの水で希釈した。減圧蒸発によりメタノールを除去し、濃縮された水性溶液をさらに24時間、20−25℃で静置した。次いでHPLCから、エステル加水分解が完了したことが分かった。透明な水性溶液を酢酸でpH4.0に酸性化したところ、10−プロパルギル−10−デアザアミノプテリンが薄黄色の固体として沈殿した。回収し、水で洗浄し、真空下で乾燥させた生成物の重量は122mg(79%収率)であった。元素分析、プロトンNMR及び質量分析によるアッセイは、指定の構造と完全に一致していた。HPLC分析から、純度が98%であることが示され、この生成物が10−デアザアミノプテリン不含であることが確認された。
この場合、10−プロパルギル−10−デアザアミノプテリンの量(HPLCピーク面積により測定した場合)は98%に近く、この領域に小さいベースラインリップルはあるが、処理ソフトウェアにより10−デアザアミノプテリンに対応するピークは検出されない。
実施例2:
様々な固形腫瘍タイプにわたり10−プロパルギル−10−デアザアミノプテリンの活性を調べるために、10−プロパルギル−10−デアザアミノプテリンの細胞毒性活性に対する感受性について15種類のヒト固形腫瘍細胞株を調べた。
材料及び方法:細胞株
結腸(HT29、HCT116、COLO205、HCC2998)、乳部(MCF7、MDA−MB−435)、肺(HOP62、HOP92)、卵巣(OVCAR3、IGROV1)、前立腺(DU145、PC3)及び頭頸部(SCC61、HEP2、SQ20B)ヒト癌細胞株のパネルをATCC(Rockville、MD)及びNational Cancer Institute collectionsから購入した。10%ウシ胎仔血清、2mMグルタミン、100単位/mLペニシリン及び100μM/mLストレプトマイシンを補給したRPMI培地中で細胞を単層として生育させた。
細胞の細胞毒性アッセイ
生成データは全て、2つ組で行った3回の個別の実験の結果であった。MTTアッセイを用いて細胞生存性を調べたが、このアッセイは既に記載されている通りに行った(Hansen、1989)。簡単に述べると、2x10個/ウェルの密度で96ウェルプレートに細胞を播種した。細胞を120時間インキュベートし、次いで37℃で4時間、0.4mg/mLのMTT色素(3−[4,5−ジメチルチアゾール−2−イル]−2,5−ジフェニルテトラゾリウムブロミドを添加した。0.1mLのDMSO中で単層を懸濁し、マイクロプレートリーダーを用いて560nmでの吸収を測定した。陽性及び陰性対照には、それぞれ未処理細胞又はMTTを含有し、細胞を含まない培地が入ったウェルが含まれた。紫色の不溶性ホルマザンへの黄色の水溶性テトラゾリウムMTTの変換は、ミトコンドリアデヒドロゲナーゼにより触媒され、生存細胞数を推定するために使用される。未処理細胞に対応する対照値を100%とし、処理した試料の生存率を対照の%として表した。細胞生存率が50%に低下する濃度としてIC50値を決定した。
単剤試験の場合、細胞を播種し、24時間静置した後、漸増濃度の10−プロパルギル−10−デアザアミノプテリンで72時間処理した。インキュベート後、化合物不含培地中で48時間、この細胞を回復させ、その後、MTTアッセイを用いて増殖抑制を調べた。
ウエスタンブロット分析
50mM HEPES(pH7.6)、150mM NaCl、1%Triton X−100、2mMバナジウム酸ナトリウム、100mM NaF及び0.4mg/mLフッ化フェニルメチルスルホニルを含有する緩衝液中で細胞を溶解させた。等量のタンパク質(20−50μg/レーン)をSDS−PAGEに供し、ニトロセルロース膜に転写した。抗切断型PARP、抗切断型カスパーゼ3、抗カスパーゼ9(Cell Signaling、Saint Quentin Yvelines、France)、抗DHFR(Abcam、France)、抗β−アクチン(Sigma Aldrich、Saint−Quentin Fallavier、France)特異的一次抗体を用い、続いてペルオキシダーゼ結合二次抗体を用い、化学発光により視覚化して膜を調べた。
図2は、試験した15種類のヒト癌細胞株の10−プロパルギル−10−デアザアミノプテリンに対する相対的感受性を示す。これらの細胞株のうち9種類は、10−プロパルギル−10−デアザアミノプテリンの細胞毒性活性に対して感受性があることが分かり(IC50<0.1μM)、一方でこれらの細胞株のうち6種類が比較的抵抗性であることが分かった(IC50>9μM)。
単剤抗増殖効果
表1で示されるように、15種類の癌細胞株においてプララトレキサートの抗増殖効果を調べた。経時変化実験から、細胞がプララトレキサートに72時間曝露された場合に最適抗増殖効果が達成されたことが分かった(図1A)。プララトレキサートIC50は、前立腺癌細胞株PC3の場合の0.01±0.002μMから、MDA−MB−435細胞株の場合の>350μMの範囲にわたった。興味深いことに、IC50が100倍超異なる2つの群の細胞株が観察され、PC3、SCC61、DU145、HT29、HOP62、SQ20B、HOP92、HEP2及びIGROV1細胞を含む一方の群のIC50は<0.1μMであり、Colo205、HCC2998、MCF7、HCT116、OVCAR3及びMDA−MB−435細胞のIC50値は9μMであった。
プララトレキサートの抗増殖効果をメトトレキサートならびにペメトレキセド、5−FU及び、活性カペシタビン代謝物である5’−DFURなどの一般に使用されるいくつかの代謝拮抗剤と比較した(図1B及び表1)。プララトレキサートIC50は、メトトレキサートで見られる値よりも平均でほぼ10倍低かった。これら2種類の葉酸拮抗剤の細胞毒性プロファイルは同様であり、感受性及び抵抗性細胞株の群が同じように区別される。プララトレキサートの細胞毒性プロファイルは、5−FU、5’−DFUR及びペメトレキセドとは異なっており、このことから、プララトレキサートとこれらの他の代謝拮抗剤との間の代謝、作用メカニズム及び/又は抵抗性の違いが示唆された。興味深いことに、プララトレキサートと、主にチミジル酸シンテターゼ(TS)阻害剤であると考えられる葉酸拮抗剤ペメトレキセドとの間で限定的な交差感受性が観察された。
葉酸輸送及び代謝に関与する遺伝子の発現
癌細胞株のパネルにおいて、葉酸拮抗剤に対する感受性に関与することが知られている遺伝子の発現を分析した。DHFR、FPGS、TS/TYMS、(チミジル酸シンテターゼ)、SCL19A1/RFC−1、GARFT(グリシンアミドリボヌクレオチドホルミルトランスフェラーゼ)、SLC25A32(ミトコンドリア葉酸輸送体/担体)及びABC輸送体B1(ABCB1又はMDR1)mRNA発現をqRT−PCRにより調べた(図3A)。これらの細胞株は、様々なレベルでこれらの葉酸経路遺伝子を発現したが、プララトレキサートに対する感受性とTS、SCL19A1/RFC−1、GARFT、SLC25A32及びMDR1のmRNA発現との間に顕著な相関は見られなかった。プララトレキサート−感受性細胞は、「抵抗性」群よりも比較的高いレベルで、プララトレキサートの標的であるDHFRを発現したが、これは統計学的に有意ではなかった(p=0.083、図3A)。プララトレキサート−感受性細胞は、抵抗性細胞よりも有意に高いレベルのFPGS mRNAを発現した(t検定、p=0.002)。全体として、FPGS mRNA発現とプララトレキサート感受性(IC50)との間で正の相関の傾向がみられ(R=0.47、p<0.01)、このことから、プララトレキサート抗増殖活性におけるポリグルタミン酸化の重要な役割が示唆される。
プララトレキサート活性における葉酸輸送体の潜在的な役割を調べるために、発明者らは、9種類のプララトレキサート感受性細胞株でのSCL19A1/RFC−1及びSLC25A32のmRNA発現レベルと、72時間の薬物曝露後に得られるIC50値の相互関係を示した(図3B)。SCL19A1/RFC−1及びSLC25A32 mRNAを高レベルで発現した細胞は、プララトレキサートに対する感受性がより高く、このことから、プララトレキサートの細胞取り込みにおけるSCL19A1/RFC−1及びSLC25A32の潜在的な役割が示唆される。
Figure 0005897558
実施例3:
10−プロパルギル−10−デアザアミノプテリン及びメトトレキサート抵抗性細胞株の生成
10−プロパルギル−10−デアザアミノプテリン抗増殖効果の予測因子の特徴を調べるために、6ヶ月間にわたり10−プロパルギル−10−デアザアミノプテリンに曝露し、この濃度を段階的に上昇させることによって、それぞれ親であるDU145及びHEP2細胞から細胞株DU−PDX及びHEP−PDXを生成させた。得られたDU−PDX及びHEP−PDX細胞は、親細胞よりも10−プロパルギル−10−デアザアミノプテリンに対する感受性が少なくとも200倍及び500倍低かった。薬物不含培地中で5回継代した後、抵抗性細胞はそれらの薬物抵抗性を維持し、このことから、これらの細胞株の安定性が示唆される。
10−プロパルギル−10−デアザアミノプテリン及びメトトレキサート抵抗性のメカニズムを比較するために、メトトレキサートに曝露し、この濃度を段階的に上昇させることによって、親であるDU145及びHEP2細胞から細胞株DU−MTX及びHEP−MTXを生成させた。DU−MTX及びHEP−MTXは、親細胞と比較して、メトトレキサート及び10−プロパルギル−10−デアザアミノプテリンに対して抵抗性を示した。しかし10−プロパルギル−10−デアザアミノプテリンの活性は、DU−MTX及びHEP−MTX癌細胞においてメトトレキサートをなお上回っていた(IC50はおよそ10倍低い。)。
図3は、DU145細胞及び10−プロパルギル−10−デアザアミノプテリン又はメトトレキサートの何れかに順応させたDU145細胞の場合の、10−プロパルギル−10−デアザアミノプテリン又はメトトレキサートに対するIC50を示す。このデータから、DU−MTXに対して、10−プロパルギル−10−デアザアミノプテリンが顕著な効果を保持し;メトトレキサート順応DU−145細胞株の場合の10−プロパルギル−10−デアザアミノプテリンに対するIC50が0.02μMであったことが示される。それに対して、ナイーブDU−145細胞の場合の10−プロパルギル−10−デアザアミノプテリンIC50は0.01μMであった。メトトレキサート順応DU−145細胞は、およそ10倍、メトトレキサートに対するIC50が上昇していた。まとめると、10−プロパルギル−10−デアザアミノプテリンに対して順応させたDU−145細胞もメトトレキサートに対して不感受性となり、一方でメトトレキサート順応DU−145細胞は、10−プロパルギル−10−デアザアミノプテリンに対してDU−145ナイーブ細胞とほぼ同じ感受性をなお示した。
図4は、HEP2細胞及び10−プロパルギル−10−デアザアミノプテリン又はメトトレキサートの何れかに順応させたHEP2細胞の場合の、10−プロパルギル−10−デアザアミノプテリン又はメトトレキサートに対するIC50を示す。このデータから、HEP−MTX(メトトレキサートに順応)の場合、10−プロパルギル−10−デアザアミノプテリンが顕著な効果を保持し、IC50測定によって、10−プロパルギル−10−デアザアミノプテリンが依然として10倍より効果的であることが示される。
10−プロパルギル−10−デアザアミノプテリン獲得抵抗性と関連する遺伝子変化
RT−PCR
ABI Prism 7900 Sequence Detection System(Perkin−Elmer Applied Biosystems、Foster City、CA、USA)を用いた定量RT−PCRの理論的及び実際的な局面は、当業者にとって公知である。結果は、TBP遺伝子(内因性RNA対照)に対する、及び標的遺伝子mRNAの最小量を含有した試験シリーズ由来の細胞株試料からなるキャリブレーター(1x試料)に対する標的遺伝子発現のn倍の差として表した。実験は2つ組で行った。
抗葉酸剤抵抗性に対する可能なメカニズムを調べるために、発明者らは、親細胞及び抵抗性細胞における、DHFR、TS、FPGS、RFC1/SCL19A1、SLC25A32及びABCB1/MDR1を含む葉酸代謝に関与するいくつかの遺伝子のmRNA発現を評価した。図5で示されるように、DHFR、TS及びSLC25A32のmRNA発現は、10−プロパルギル−10−デアザアミノプテリン−抵抗性細胞において顕著には変化しなかった。DU−PDX及びHEP−PDX細胞において、それらの親細胞と比較して、FPGSのmRNA発現の僅かな低下が認められた。それに対して、2種類の10−プロパルギル−10−デアザアミノプテリン−抵抗性細胞株でRFC1/SCL19A1発現が>10倍低下した。ABCB1/MDR1のmRNAレベルは、DU−PDX及びHEP−PDXにおいてそれぞれ、DU145及びHEP2と比較して、40倍及び2倍高かった。これらのデータから、10−プロパルギル−10−デアザアミノプテリン抗増殖活性及び獲得抵抗性における輸送体の重要な役割が示唆される。カルシウムチャネルブロッカーであるベラパミルは、その固有の薬理学的機能にはかかわらず、MDR1の競合的基質として機能することによって抵抗性を反転させる。様々な臨床研究からも、ベラパミルなどの薬物が抗癌剤に対する抵抗性を反転させ得ることが示された。10−プロパルギル−10−デアザアミノプテリン抵抗性におけるMDR1の役割を研究するために、10−プロパルギル−10−デアザアミノプテリンと同時に30μMベラパミル及び3μMシクロスポリンAと一緒に、DU−PDX及びHEP−PDX細胞を72時間インキュベートした。ベラパミル及びシクロスポリンAの存在下及び非存在下で10−プロパルギル−10−デアザアミノプテリン細胞毒性の変化は認められず、これにより、これらの細胞株における獲得抵抗性においてMDR1過剰発現は顕著な役割がないことが示唆された(結果は示さず。)。
10−プロパルギル−10−デアザアミノプテリン及びメトトレキサートの標的であるDHFRの発現の分析から、親であるHEP2細胞と比較してHEP−MTX細胞におけるタンパク質の顕著な増加が示され、これにより遺伝子増幅(図6)及びmRNAの顕著な増加(図7)の可能性が示唆された。DHFRタンパク質発現は、10−プロパルギル−10−デアザアミノプテリンに短時間(24時間)曝露した後、僅かに増加したが、10−プロパルギル−10−デアザアミノプテリンへ長時間曝露しても(6ヶ月)増加せず、これにより、HEP−PDX細胞における10−プロパルギル−10−デアザアミノプテリンに対する獲得抵抗性の分子メカニズムがHEP−MTX細胞におけるメトトレキサート抵抗性とは異なることが示唆された。
他の薬物に対するプララトレキサート−抵抗性細胞の交差抵抗性を評価するために、DU145、DU−PDX、HEP2及びHEP−PDX細胞をペメトレキセド及び5−FUに72時間曝露した。5−FU細胞毒性に関して、親細胞とPDX−抵抗性細胞との間に有意差は認められなかった。ペメトレキセドに72時間曝露した後の細胞毒性は、DU−PDX及びHEP−PDX細胞において、それらの親細胞と比較してごく僅かに低いだけであった(データは示さず。)。これらのデータから、おそらくこれらの化合物の作用メカニズムが異なるので、プララトレキサートに対する獲得抵抗性がペメトレキセド及び5−FUへの抵抗性に転換し得ないことが示唆される。
プララトレキサートは、還元型葉酸担体1(RFC−1)タンパク質及びホリルポリグルタミン酸シンテターゼ(FPGS)に対して高親和性を有し、その結果、腫瘍細胞内で大規模な内部移行及び蓄積が起こる葉酸拮抗剤である。プララトレキサートは現在、様々な悪性腫瘍において、単剤として及び併用において試験されている。さらなる臨床開発を導くために、プララトレキサートに対する感受性の分子相関及び併用治療における前臨床データが必要である。
プララトレキサートは、15種類のヒト固形腫瘍細胞株のうち9種類において強力な抗増殖活性(IC50<0.1μM)を示した。2種類の別個の細胞株群は、プララトレキサートIC50値が>100倍異なることが確認され:感受性細胞株及び比較的抵抗性の細胞株であった。IC50値に関するプララトレキサートのインビトロ抗増殖効果は、メトトレキサートで認められたものよりも平均でほぼ10倍良好であった。5−FU、5’−DFUR及びペメトレキセドを含む他の代謝拮抗剤とこれらの2種類の同様の葉酸拮抗剤の細胞毒性活性を比較すると、プララトレキサートは、NSCLC HOP62及びHOP92細胞株など、5−FU及び5’−DFURに対する感受性が乏しかったいくつかの細胞において活性を保持していると思われる。同様に、ペメトレキセドに対する感受性プロファイルはプララトレキサートに対するものとは異なるが、これは、これらの化合物の作用の分子メカニズムが異なることにより説明され得る。
まとめると、10−プロパルギル−10−デアザアミノプテリンに対する獲得抵抗性は、DU−PDX及びHEP−PDX細胞株においてRFC−1発現低下及びMDR1発現上昇と関連があった。これらのモデルにおいて、MDR1の薬理学的阻害により10−プロパルギル−10−デアザアミノプテリン抵抗性は変化せず、このことから、観察された抵抗性においてMDR1の役割が限定的であることが示唆された。10−プロパルギル−10−デアザアミノプテリン−抵抗性細胞においてDHFRmRNA発現の変化は見られなかった。それに対して、HEP−MTX細胞においてDHFRmRNA及びタンパク質発現の顕著な増加が見られた。10−プロパルギル−10−デアザアミノプテリン及びメトトレキサートに対する獲得抵抗性のメカニズムの相違が認められ、このデータから、メトトレキサート感受性癌ならびにメトトレキサート獲得抵抗性という状況における10−プロパルギル−10−デアザアミノプテリンのさらなる開発が示唆される。
本発明の前出の考察は、例示及び説明を目的として提示されている。この前出の記述は、本明細書中で開示される形態に本発明を限定するものではない。本発明の説明には1以上の実施態様の記載が含まれているが、ある一定の改変物及び変更物、他の改変物及び変更物は、本開示を理解した後、例えば当業者の技術及び知識の範囲内に包含され得るので、本発明の範囲内である。主張するものに対する代替的な、交換可能な及び/又は同等な構造、機能、範囲又は段階を含め、かかる代替的、交換可能な及び/又は同等な構造、機能、範囲又は段階が本明細書中で開示されるか否かにかかわらず、何らかの特許性のある対象物を一般に対して献納することなく、許容される程度まで代替的な実施態様を含む権利を得るものとする。

Claims (9)

  1. 有効量の10−プロパルギル−10−デアザアミノプテリン又はその医薬的に許容可能な塩を含むメトトレキサート抵抗性疾患用医薬組成物であって、
    前記メトトレキサート抵抗性疾患を有する個体において使用し、前記メトトレキサート抵抗性疾患は、メトトレキサートに対する獲得抵抗性を有する疾患である、医薬組成物
  2. 前記疾患が癌である、請求項1に記載の医薬組成物
  3. 治療しようとする癌が、前立腺癌、T細胞リンパ腫、乳癌、肺癌、血液悪性腫瘍、頭頸部癌、消化管の癌、卵巣癌及び骨肉種である、請求項2に記載の医薬組成物
  4. 前記疾患が炎症性疾患である、請求項1に記載の医薬組成物
  5. 前記炎症性疾患が関節リウマチである、請求項4に記載の医薬組成物
  6. 前記疾患がメトトレキサート抵抗性新生物である、請求項1に記載の医薬組成物
  7. 前記メトトレキサート抵抗性新生物は、前立腺癌、T細胞リンパ腫、乳癌、肺癌、血液悪性腫瘍、頭頸部癌、消化管の癌、卵巣癌及び骨肉種である、請求項6に記載の医薬組成物。
  8. 前記医薬組成物が経口投与用に製剤化される、請求項1〜7のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  9. 前記医薬組成物が静脈内投与用に製剤化される、請求項1〜7のいずれか1項に記載の医薬組成物。
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