JP5895677B2 - 表示シート、表示シートの製造方法、表示装置および電子機器 - Google Patents

表示シート、表示シートの製造方法、表示装置および電子機器 Download PDF

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Description

本発明は、表示シート、表示シートの製造方法、表示装置および電子機器に関するものである。
従来から、粒子の電気泳動を利用した電気泳動表示装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。このような電気泳動表示装置は、可搬性および省電力性を有している点で優れている。特許文献1に記載の電気泳動ディスプレイは、対向配置された一対の基板と、これらの間に設けられた表示層とを有している。表示層は、隔壁によって複数のセルに分割されており、各セルには、電気泳動粒子を分散媒に分散してなる分散液が充填されている。
このような電気泳動表示装置では、隔壁と基板とが粘着剤層(接着剤)を介して接合されている。しかしながら、隔壁と基板との接触面積(すなわち、隔壁の頂面の面積)が小さいため、隔壁と基板との接合強度を十分に高めることができない。特許文献1では、隔壁の頂面に溝を形成して、粘着剤層との接触面積を増やすことで接合強度を高めているがそれでも不十分である。そのため、例えば、電気泳動表示装置が湾曲変形するなどして比較的大きな応力が加わると、基板から隔壁が剥離し、剥離した部分を介して、隣り合うセル間での電気泳動粒子の移動が生じる。これにより、電気泳動粒子の偏りが生じ、表示特性が悪化するという問題がある。
また、特許文献1では、隔壁内を分散媒が通過できないため、例えば、表示面が押圧等されることによって、所定のセルに比較的大きな圧力が加わった場合でも、その圧力を周囲のセルに分散させることができない。そのため、前記圧力によって、基板から隔壁が剥離するという問題もある。
このように、特許文献1では、もともと基板と隔壁との接着強度が弱く、さらに、その構成上、基板からの隔壁の剥離が生じ易いという問題、すなわち機械的強度が低いという問題がある。
特開2009−271387号公報
本発明の目的は、優れた機械的強度を有する表示シート、表示シートの製造方法、表示装置および信頼性が高い電子機器を提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の表示シートは、表示面側に設けられた第1の基板と、
前記第1の基板に対して対向配置された第2の基板と、
前記第1の基板の前記第2の基板側に設けられた接着層と、
前記接着層と前記第2の基板との間に設けられた表示層と、を有し、
前記表示層は、該表示層を複数の領域に分割する隔壁と、各前記領域内に充填され、正または負に帯電した少なくとも1種の粒子を分散媒に分散してなる分散液と、を有し、
前記隔壁は、多孔質であり、前記第1の基板側の端部が前記接着層と接着しているとともに、前記端部の空孔内に前記接着層が浸透していることを特徴とする。
このように、隔壁の空孔内に接着層が浸透することにより、隔壁と接着層との接触面積を大きくすることができ、これらを強固に接合することができる。また、隔壁の空孔を介して隣り合う領域間の分散媒の移動が可能であるため、各領域内の圧力を均等に均すことができる。したがって、所定の領域に過度な圧力(応力)が加わってしまうことを防止することができる。そのため、優れた機械的強度を有する表示シートが得られる。
本発明の表示シートでは、前記隔壁は、前記分散媒の通過を許容し、前記粒子の通過を規制することが好ましい。
これにより、領域間での粒子の移動が防止されるため、粒子の偏りを防止することができる。そのため、優れた表示特性を維持することができる。
本発明の表示シートでは、前記隔壁は、前記第1の基板側へ向けて幅が漸減するテーパー状をなしていることが好ましい。
これにより、隔壁の機械的強度を高めつつ、表示面の開口率を高めることができる。
本発明の表示シートでは、前記隔壁は、粒子の集合体であり、粒子間の隙間が前記空孔を構成していることが好ましい。
これにより、隔壁の構成が簡単となる。
本発明の表示シートでは、前記接着層は、熱可塑性を有する材料で構成されていることが好ましい。
これにより、簡単に、接着層を軟化させ、隔壁の空孔内へ浸透させることができる。
本発明の表示シートの製造方法は、表示面側に設けられた第1の基板と、前記第1の基板に対して対向配置された第2の基板と、前記第1の基板と前記第2の基板との間に設けられた表示層と、を有する表示シートの製造方法であって、
前記第2の基板上に多孔質な隔壁を形成し、前記隔壁によって形成された複数の領域内の各々に正または負に帯電した少なくとも1種の粒子を分散媒に分散してなる分散液を充填する工程と、
一方の面上に接着層が形成された前記第1の基板を、前記接着層が前記表示層側に位置するように前記隔壁上に載置し、前記第1の基板および前記第2の基板の少なくとも一方を他方側へ押し付けることにより、前記隔壁の先端部と前記接着層とを接着するとともに、前記接着層の一部を前記隔壁の先端部の空孔内に浸透させる工程と、を有していることを特徴とする。
これにより、簡単に、優れた機械的強度を有する表示シートを製造することができる。
本発明の表示シートの製造方法では、前記隔壁の先端部と前記接着層とを接着する工程は、前記接着層を軟化させた状態で行うことが好ましい。
これにより、より確実に、接着層を隔壁の空孔内へ浸透させることができる。
本発明の表示シートの製造方法では、前記隔壁の先端部と前記接着層とを接着する工程の後に、前記隔壁の空孔を介して前記領域内に分散媒を補充する工程を有していることが好ましい。
これにより、各領域内に分散液を充填する際に、分散媒の量を少なくすることができる。そのため、隔壁の先端部に分散媒が付着することを抑制することができ、隔壁と接着層とをより強固に接着することができる。
本発明の表示装置は、本発明の表示シートを備えることを特徴とする。
これにより、優れた信頼性を有する表示装置が得られる。
本発明の表示装置では、前記第2の基板は、シート状の基部と、前記基部の前記第1の基板側に形成された電極とを有し、
前記電極を覆う電極保護層を有していることが好ましい。
これにより、分散液による電極の腐食を防止することができる。
本発明の表示装置では、前記電極保護層は、前記隔壁と一体的に形成されていることが好ましい。
これにより、画素電極保護層を簡単に形成することができる。
本発明の電子機器は、本発明の表示装置を備えることを特徴とする。
これにより、優れた信頼性を有する電子機器が得られる。
本発明の表示装置の第1実施形態を示す断面図である。 図1に示す表示装置の平面図(上面図)である。 図1に示す表示装置の部分拡大断面図である。 図1に示す表示装置の効果を説明する断面図である。 図1に示す表示装置の駆動を説明する断面図である。 図1に示す表示装置の製造方法を説明する断面図である。 図1に示す表示装置の製造方法を説明する断面図である。 図1に示す表示装置の製造方法を説明する断面図である。 本発明の表示装置の第2実施形態を示す概略斜視図である。 図9に示す表示シートの断面図である。 本発明の電子機器を電子ペーパーに適用した場合の実施形態を示す斜視図である。 本発明の電子機器をディスプレイに適用した場合の実施形態を示す図である。
以下、本発明の表示シート、表示シートの製造方法、表示装置および電子機器を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
1.表示装置
まず、本発明の表示シートを組み込んだ表示装置について説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明の表示装置の第1実施形態を示す断面図、図2は、図1に示す表示装置の平面図(上面図)、図3は、図1に示す表示装置の部分拡大断面図、図4は、図1に示す表示装置の効果を説明する断面図、図5は、図1に示す表示装置の駆動を説明する断面図、図6、図7および図8は、それぞれ、図1に示す表示装置の製造方法を説明する断面図である。なお、以下では、説明の都合上、図1中の上側を「上」、下側を「下」として説明を行う。また、図1に示すように、表示装置の平面視にて互いに直交する2方向を「X方向」および「Y方向」とする。他の図についても同様である。
図1に示す表示装置(本発明の表示装置)20は、粒子の泳動を利用して所望の画像を表示する電気泳動表示装置である。この表示装置20は、表示シート(フロントプレーン)21と、回路基板(バックプレーン)22とを有している。
図1に示すように、表示シート21は、平板状の基部2と基部2の下面に設けられた第2の電極4とを備える基板(第1の基板)12と、基板12の下面(電極4の下面)に形成された接着層13と、接着層13と回路基板22との間に位置する表示層400とを有している。このような表示シート21では、基板12の上面が表示面121を構成している。
また、表示層400は、格子状に形成された隔壁9と、隔壁9によって仕切られた各セルSに充填された分散液100とを有している。分散液100は、負に帯電した第1の粒子(電気泳動粒子)Aと、正に帯電し、第1の粒子Aと異なる色相を有する第2の粒子(電気泳動粒子)Bとを分散媒7に分散させたものである。
一方、回路基板22は、平板状の基部1と基部1の上面に設けられた複数の第1の電極3とを備える対向基板(第2の基板)11と、この対向基板11に設けられた図示しない回路とを有している。このような回路は、例えば、マトリックス状に配列されたTFT(スイッチング素子)と、TFTに対応して形成されたゲート線およびデータ線と、ゲート線に所望の電圧を印加するゲートドライバーと、データ線に所望の電圧を印加するデータドライバーと、ゲートドライバーとデータドライバーの駆動を制御する制御部とを有している。
このような表示装置20では、対向基板11が表示シート21の第2の基板を兼ねている。
以下、各部の構成について順次説明する。
基部1および基部2は、それぞれ、シート状(平板状)の部材で構成され、これらの間に配置される各部材を支持および保護する機能を有する。各基部1、2は、それぞれ、可撓性を有するもの硬質なもののいずれであってもよいが、可撓性を有するものであるのが好ましい。可撓性を有する基部1、2を用いることにより、可撓性を有する表示装置20、すなわち、例えば電子ペーパーを構築する上で有用な表示装置20を得ることができる。
基部1、2を、可撓性を有するものとする場合、その構成材料としては、透明性の高いガラスまたは樹脂が挙げられる。前記樹脂としては、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)等のポリエステル、ポリエチレン等のポリオレフィン、変性ポリオレフィン、ポリアミド、熱可塑性ポリイミド、ポリエーテル、ポリエーテルエーテルケトン、ポリウレタン系、塩素化ポリエチレン系等の各種熱可塑性エラストマー等、またはこれらを主とする共重合体、ブレンド体、ポリマーアロイ等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を混合して用いることができる。
基部1、2の平均厚さは、それぞれ、構成材料、用途等により適宜設定され、特に限定されないが、可撓性を有するものとする場合、20μm以上、500μm以下程度であるのが好ましく、25μm以上、250μm以下程度であるのがより好ましい。これにより、表示装置20の柔軟性と強度との調和を図りつつ、表示装置20の小型化(特に薄型化)を図ることができる。
これらの基部1、2の表示層400側の面、すなわち、基部1の上面および基部2の下面に、それぞれ、膜状をなす第1の電極3および第2の電極4が設けられている。本実施形態では、第2の電極4が共通電極とされ、第1の電極3がX方向およびY方向に、マトリックス状に分割された個別電極(TFTに接続された画素電極)とされている。表示装置20では、1つの第1の電極3と第2の電極4とが重なり合う領域が1つの画素を構成している。
電極3、4の構成材料としては、それぞれ、実質的に導電性を有するものであれば特に限定されず、例えば、金、銀、銅、アルミニウムまたはこれらを含む合金等の金属材料、カーボンブラック、グラフェン、カーボンナノチューブ、フラーレン等の炭素系材料、ポリアセチレン、ポリフルオレン、ポリチオフェンまたはこれらの誘導体等の電子導電性高分子材料、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート等のマトリックス樹脂中に、NaCl、Cu(CFSO等のイオン性物質を分散させたイオン導電性高分子材料、インジウム酸化物(IO)、インジウムスズ酸化物(ITO)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)、酸化亜鉛等の導電性酸化物材料のような各種導電性材料が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、電極3、4の平均厚さは、それぞれ、構成材料、用途等により適宜設定され、例えば、10nm以上、100nm以下程度である。
ここで、各基部1、2および各電極3、4のうち、表示面121側に配置される基部および電極は、それぞれ、光透過性を有するもの、すなわち、実質的に透明(無色透明、有色透明または半透明)とされる。本実施形態では、基板12の上面が表示面121を構成するため、少なくとも基部2および第2の電極4は、実質的に透明とされる。これにより、表示装置20に表示された画像を表示面121側から目視により容易に認識することができる。
基板12と対向基板11との間には、それらの縁部に沿って封止部5が設けられている。この封止部5により、表示層400が気密的に封止されている。これにより、表示装置20内への水分の浸入を防止して、表示装置20の表示性能の劣化をより確実に防止することができる。
封止部5の構成材料としては、特に限定されず、例えば、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、オレフィン系樹脂のような熱可塑性樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、フェノール系樹脂のような熱硬化性樹脂等の各種樹脂材料等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
基板12の下面には、接着層13が形成されている。接着層13は、基部2および電極4と同様、実質的に無色透明である。
このような接着層13は、後述するように、表示層400が有する隔壁9と基板12とを接合するのに用いられる層である。また、接着層13は、電極4と分散媒7との接触を防止する機能も有しており、これにより、電極4の腐食劣化を防止することができる。また、電極4と第1、第2の粒子A、Bとの接触を阻止し、第1、第2の粒子A、Bの電極4への固着を防止する機能も有している。
接着層13は、接着性を有し、熱により軟化し易い材料で構成されているのが好ましい。このような材料としては、例えば、ウレタン樹脂、尿素樹脂、エステル樹脂、エーテル樹脂、ポリエチレンやポリプロピレンなどのオレフィン樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)やエチレンメタクリル酸メチル共重合体(EMMA)、エチレン環状オレフィン共重合体(COC樹脂)などのエチレン重合体、アクリル樹脂、ブタジエン系エラストマーなどの熱可塑性樹脂が挙げられる。
なお、接着層13の耐熱性を上げるために、前述したような熱可塑性樹脂に、エポキシ化合物、イソシアネート化合物、シアノアクリレート、シランカップリング剤、メラミン化合物、フェノール化合物などの熱硬化性の材料を添加しても良い。また、熱可塑性樹脂に、繊維状の微細粒子や粒子状のナノ粒子を混合してもよい。これにより、接着層13の下面(表示層400に臨む面)に微小凹凸が形成され、平坦面の場合と比較して表面積を大きくすることができる。そのため、第1、第2の粒子A、Bの保持性が向上するとともに、第1、第2粒子A、Bの堆積厚さを稼ぐことができ、高コントラストの表示が可能となる。
ここで、後述する製造方法でも説明するように、表示装置20の製造工程には、隔壁9の先端部を軟化した接着層13に押し付けることにより、隔壁9の先端部に接着層13を浸透させる工程が存在する。このような工程を円滑かつ確実に行うために、接着層13の軟化温度(ビカット軟化温度)を、例えば、50℃以上、80℃以下程度とするのが好ましい。また、本工程時の隔壁9の変形を抑制するために、接着層13を隔壁9よりも柔らかく構成するのが好ましい。すなわち、隔壁9の構成材料のヤング率よりも低い材料で接着層13を構成するのが好ましい。接着層13の構成材料のヤング率としては、特に限定されず、隔壁9の構成材料によっても異なるが、例えば、0.01MPa以上、500MPa以下程度であるのが好ましい。
接着層13の平均厚さとしては、特に限定されないが、1μm以上、5μm以下程度であるのが好ましい。これにより、接着層13を充分に隔壁9の先端部へ浸透させることができる。また、電極3、4間の電圧降下を抑制できるため、第1、第2の粒子A、Bの保持性の低下を抑制することができる。
対向基板11の上面には、画素電極保護層14が形成されている。画素電極保護層14は、電極3と分散媒7との接触を阻止し、電極3の腐食劣化を防止する機能と、電極3と第1、第2の粒子A、Bとの接触を阻止し、第1、第2の粒子A、Bの電極3への固着を防止する機能とを有している。このような画素電極保護層14は、隔壁9と一体的に形成されている。
画素電極保護層14の厚さとしては、特に限定されないが、0.1μm以上、2μm以下程度であるのが好ましい。これにより、画素電極保護層14の機能を発揮することができるとともに、その厚さを薄く抑えることができる。そのため、電極3、4間の電圧降下をより効果的に抑制することができる。
図1に示すように、表示層400は、格子状に形成され、多孔質体である隔壁9と、隔壁9によって仕切られた各セルSに充填された分散液100とを有している。また、各セルS内には、1つの電極3が配置されている。各セルS内に配置される電極3の数は、1つに限定されず、2つ以上であってもよい。
隔壁9は、対向基板11の上面に形成されている。図2に示すように、隔壁9は、表示層400の平面視にて、X方向に延在し、X方向と直交するY方向に等間隔に並設された第1の隔壁91と、Y方向に延在し、X方向に等間隔に並設された第2の隔壁92とを有し、これらが互いに交差している。
このような隔壁9は、実質的に、無色透明である。以下、隔壁9の構成(形状)について詳細に説明するが、第1、第2の隔壁91、92は、互いに同様の構成であるため、以下では、1つの第1の隔壁91について代表して説明し、他の隔壁については、その説明を省略する。
図3に示すように、第1の隔壁91は、多孔質体であり多数の空孔911を有している。第1の隔壁91は、対向基板11から基板12側へ突出して形成されており、その先端部が接着層13と接着されている。また、第1の隔壁91の先端部の空孔911内に、接着層13が浸透している。これにより、第1の隔壁91と接着層13との接触面積(接着に寄与する面積)を大きくすることができるため、第1の隔壁91と接着層13とを強固に接着することができる。また、不規則に形成された空孔911内に接着層13が浸透することにより、アンカー効果が発揮され、これにより、第1の隔壁91と接着層13との接着強度がより向上する。
また、第1の隔壁91は、その幅が基板12側に向けて漸減するテーパー状をなしている。したがって、第1の隔壁91は、基端部のよりも先端部の幅が狭くなっている。第1の隔壁91をテーパー状とすることにより、第1の隔壁91の機械的強度が向上するとともに、表示面121の開口率が高まる。第1の隔壁91の基端の幅W1と、先端の幅W2は、2W2≦W1≦4W2の関係を満たすのが好ましい。これにより、上記の効果を顕著に発揮することができるとともに、第1の隔壁91が過度に太くなってしまうのを防止でき、各セルSの肥大化、解像度の低下を防止することができる。
また、表示面121の開口率を高くするために、先端側の幅W2をなるべく狭くするのが好ましい。幅W2としては、特に限定されないが、1μm以上、5μm以下程度であるのが好ましい。これにより、第1の隔壁91と接着層13との接触面積を充分に大きく確保しつつ、表示面121の開口率を高くすることができる。
また、第1の隔壁91の高さとしては、特に限定されないが、例えば、5μm以上、50μm以下程度であるのが好ましい。これにより、第1、第2の粒子A、Bの移動距離を短くしつつ、第1、第2の粒子A、Bの遮蔽性を確保することができる。そのため、高い応答速度を発揮しつつ高コントラストの表示が可能となる。また、第1の隔壁91のアスペクト比(高さ/幅)としては、特に限定されないが、1〜50程度であるのが好ましい。
このような第1の隔壁91では、空孔911を介した分散媒7の移動が許容されているが、空孔911を介した第1、第2の粒子A、Bの移動が規制されている。すなわち、隣り合うセルS間での分散媒7の行き来は可能であるが、第1、第2の粒子A、Bの行き来は不可能である。これにより、各セルSの圧力(内圧)を均一に均すことができ、所定のセルSへの応力集中を防止することができる。
具体的には、図4に示すように、表示面121の所定箇所が押圧されることにより基板12が凹没変形し、前記所定箇所に対応するセルS’内の体積が減少して内圧が上昇すると、セルS’内の分散媒7が隔壁9を介して隣り合うセルS”内へ移動し、セルS’の内圧の上昇が吸収、緩和される(各セルSの内圧が均等に均される)。そのため、装置の破損、特に接着層13からの隔壁9の剥離を効果的に防止でき、優れた機械的強度を発揮することができる。
また、第1、第2の粒子A、Bを、収容されたセルSからそれ以外のセルSに移動することができなくしているため、第1、第2の粒子A、Bの偏りを確実に防止でき、優れた画像表示特性を経時的に維持することができる。
隔壁9の空孔率(空間率)としては、特に限定されないが、5%以上、50%以下程度であるのが好ましい。これにより、隔壁9の機械的強度を充分に維持しつつ、前述のような分散媒7の移動を円滑に行うことができる。また、空孔911の平均径としては、第1、第2の粒子A、Bの移動を規制することができれば特に限定されず、第1、第2の粒子A、Bの粒径によっても異なるが、例えば、第1、第2の粒子A、Bの粒径が200nm以上、300nm以下程度の場合では、1nm以上、100nm以下程度とすることができる。
隔壁9の構成材料としては、特に限定されないが、例えば、シリコーン樹脂、ポリイミド、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、尿素樹脂、エステル樹脂、エーテル樹脂、ポリエチレンやポリプロピレンなどのオレフィン樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)やエチレンメタクリル酸メチル共重合体(EMMA)、エチレン環状オレフィン共重合体(COC樹脂)などのエチレン重合体、ブタジエン系エラストマーなどの熱可塑性樹脂や、エポキシ化合物、イソシアネート化合物、シアノアクリレート、シランカップリング剤、メラミン化合物、フェノール化合物などの熱硬化性樹脂を用いることができる。また、必要に応じて紫外線重合開始剤を添加し、紫外線硬化性(光硬化性)を付与しても良いし、粒形または非粒形の無機酸化物粒子、金属粒子等を混合してもよい。
このような隔壁9は、接着層13よりも硬いのが好ましい。すなわち、接着層13の構成材料のヤング率よりも高い材料で隔壁9を構成するのが好ましい。これにより、表示装置20の製造工程において、隔壁9の不本意な変形を抑制することができ、隔壁9と接着層13との接合をより確実に行うことができる。隔壁9の構成材料のヤング率としては、特に限定されず、接着層13の構成材料によっても異なるが、例えば、500MPa以上、10GPa以下程度であるのが好ましい。
なお、隔壁9を熱可塑性樹脂で構成する場合、隔壁9の軟化温度(ビカット軟化温度)は、接着層13の軟化温度よりも高いことが好ましい。隔壁9の軟化温度としては、特に限定されず、接着層13の軟化温度によっても異なるが、80℃以上、120℃以下程度であるのが好ましい。また、隔壁9の軟化温度としては、接着層13の軟化温度よりも30℃程度高いのが好ましい。これにより、隔壁9は軟化していないが、接着層13は軟化している状態を簡単に実現することができ、隔壁9と接着層13との接着を簡単かつ確実に行うことができる。
また、隔壁9の軟化温度は、分散媒7の沸点よりも低いことが好ましく、分散媒7の沸点よりも20℃以上低いことがより好ましい。これにより、表示装置20の製造中に、隔壁9を軟化させるために加える熱によって、分散媒7が蒸発してしまうのを効果的に防止することができる。
このような隔壁9によって形成された各セルSは、分散液100で満たされている。分散液100は、負に帯電した第1の粒子Aと、正に帯電し第1の粒子Aと異なる色相を有する第2の粒子Bとを分散媒7に分散してなるものである。第1、第2の粒子A、Bの色(色相)としては、特に限定されず、白色、黒色、灰色などの無彩色や、赤色、青色、緑色などの有彩色のうちから、2色を任意に選択し組み合わせることができる。例えば、白黒表示を実現する場合には、第1、第2の粒子A、Bのいずれか一方を白色とし、他方を黒色とすれば良い。
第1、第2の粒子A、Bには、それぞれ、電荷を有するものであれば、いかなるものをも用いることができ、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化クロム、酸化ジルコニウム等の酸化物系粒子や、窒化ケイ素、窒化チタン等の窒化物系粒子、硫化亜鉛等の硫化物系粒子、硼化チタン等の硼化物系粒子、クロム酸ストロンチウム、アルミン酸コバルト、亜クロム銅、ウルトラマリン等の無機顔料粒子、アゾ系、キナクリドン系、アントラキノン系、ジオキサジン系、ペリレン系等の有機顔料粒子などを用いることができる。また、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、尿素系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリスチレン、ポリエステル等で構成された樹脂粒子の表面に顔料を塗布した複合粒子を用いることもできる。
また、第1、第2の粒子A、Bの平均粒子径は、それぞれ、特に限定されないが、200nm以上、300nm以下程度であるのが好ましい。平均粒子径が200nm未満であると充分な色度が得られず、表示コントラストが低下して表示が不鮮明になることがある。逆に、平均粒子径が300nmを超えると粒子自体の着色度を必要以上に高くする必要があり、顔料などの使用量が増大することや、第1、第2の粒子A、Bの速やかな移動が困難となり、その応答速度が低下することがある。
なお、第1、第2の粒子A、Bの平均粒子径は、動的光散乱式粒度分布測定装置(例えば、製品名:LB−500、(株)堀場製作所製)で測定した体積平均粒子径を意味する。後述する白色粒子Aについても同様である。
分散媒7としては、沸点が150℃以上で気化し難く、比較的高い絶縁性を有するものが好適に使用される。かかる分散媒7としては、例えば、ブタノールやグリセリン等のアルコール類、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類、酢酸ブチル等のエステル類、ジブチルケトン等のケトン類、ペンタン等の脂肪族炭化水素類(流動パラフィン)、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素類、キシレン等の芳香族炭化水素類、塩化メチレン等のハロゲン化炭化水素類、ピリジン等の芳香族複素環類、アセトニトリル等のニトリル類、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類、カルボン酸塩、シリコーンオイルまたはその他の各種油類等が挙げられ、これらを単独または混合物として用いることができる。
中でも、分散媒7としては、脂肪族炭化水素類(流動パラフィン)またはシリコーンオイルを主成分とするものが好ましい。流動パラフィンまたはシリコーンオイルを主成分とする分散媒7は、疎水性であり、第1、第2の粒子A、Bの凝集抑制効果が高いことから好ましい。これにより、表示装置20の表示性能が経時的に劣化するのをより確実に防止または抑制することができる。また、流動パラフィンおよびシリコーンオイルは、不飽和結合を有しないため耐候性に優れ、安全性も高いという点からも好ましい。
以上、表示装置20の構成について詳細に説明した。このような表示装置20によれば、基板12と隔壁9とを強固に接合することができるため、機械的強度(特に、湾曲変形に対する強度)を高めることができる。また、セルS間で分散媒7の移動が可能であるため、セルSの内圧が過度に高まることを防止することができ、この点からも機械的強度が高められている。また、基板12と隔壁9とが強固に接合されているため、各セルSを他のセルSから確実に分離でき、隣り合うセルS間での第1、第2の粒子A、Bの移動(行き来)を防止することができる。そのため、表示層400内での第1、第2の粒子A、Bの偏りが防止され、優れた表示特性を発揮、維持することができる。
このような表示装置20は、例えば、次のようにして駆動する。
−第1の粒子の色表示状態−
第1の電極3と第2の電極4との間に、第1の電極3が負電位、第2の電極4が正電位となる電圧を印加すると、当該電圧印加により発生した電界が表示層400中の第1、第2の粒子A、Bに作用する。すると、負に帯電する第1の粒子Aが第2の電極4側に泳動して第2の電極4に集まるとともに、正に帯電する第2の粒子Bが第1の電極3側に泳動して第1の電極3に集まる。これにより、図5(a)に示すように、表示面121に、第1の粒子Aの色が表示される。
−第2の粒子の色表示状態−
第1の電極3と第2の電極4との間に、第1の電極3が正電位、第2の電極4が負電位となる電圧を印加すると、当該電圧印加により発生した電界が表示層400中の第1、第2の粒子A、Bに作用する。すると、負に帯電する第1の粒子Aが第1の電極3側に泳動して第1の電極3に集まるとともに、正に帯電する第2の粒子Bが第2の電極4側に泳動して第2の電極4に集まる。これにより、図5(b)に示すように、表示面121に、第2の粒子Bの色が表示される。
このような表示色の選択をセルS(画素)毎に行うことにより、表示面121に所望の画像を表示することができる。
次に、表示装置20の製造方法について説明する。
表示装置20の製造方法は、対向基板11上に隔壁9を形成し、隔壁9によって形成された複数のセルS内の各々に分散液100を充填することにより表示層400を形成する工程と、接着層13が形成された基板12を、接着層13が表示層400側に位置するように表示層400上に載置し、基板12および対向基板11の少なくとも一方を他方側へ押し付けることにより、隔壁9の先端部と接着層13とを接着するとともに、接着層13の一部を隔壁9の先端部の空孔911内に浸透させる工程とを有している。以下、各工程について詳細に説明する。
[1]
まず、図6(a)に示すように、対向基板11を用意し、この対向基板11に隔壁9および画素電極保護層14を同時形成(一体形成)する。隔壁9および画素電極保護層14の形成方法としては、特に限定されず、フォトリソグラフィー技法とエッチング技法によりパターニングする方法や、スクリーン印刷などの印刷法や、金型で凹凸を付けるインプリント法などを用いることができるが、代表して、インプリント法を用いる場合について説明する。
まず、粒子状に形成された熱可塑性樹脂(原料)90’を溶媒に分散してなる塗布液を用意し、図6(b)に示すように、この塗布液を対向基板11上に塗布し、乾燥させて溶媒を除去することにより、粒子状の熱可塑性樹脂90’の集合体である樹脂層90を形成する。
次に、図6(c)に示すように、対向基板12を熱可塑性樹脂90’の軟化温度よりも高い温度(例えば、150〜200℃程度)に加熱しながら、樹脂層90に金型900を押し当て、対向基板11上に隔壁形状を転写形成する。この際、対向基板12が熱可塑性樹脂90’の軟化温度以上に加熱されているため、樹脂層90の対向基板11付近の領域では粒子状の熱可塑性樹脂90’が軟化して互いに一体化する。すなわち、樹脂層90の対向基板11付近の領域は、熱可塑性樹脂90’が粒子としての形状を維持できず、加えて金型900によって押し潰されることにより、内部にほとんど隙間のないシート状に形成される。
一方、樹脂層90の基板12側の領域へは対向基板11の熱が伝わり難いため、当該領域の軟化が防止される。したがって、樹脂層90の基板12側の領域では熱可塑性樹脂90’が粒子状を保つこととなる。なお、冷却等によって金型900の温度をより低く(例えば10〜20℃程度)保ちつつ本工程を行うことにより、樹脂層90の基板12側の領域の昇温をより確実に防止することができる。
その後、原料によっても異なるが、例えば紫外線を照射することにより樹脂層90を硬化することにより、図7(a)に示すように、隔壁9および画素電極保護層14が一体的に形成される。なお、画素電極保護層14は、熱可塑性樹脂が軟化してシート状に再形成された部分で構成されているため、電極3と分散媒7との接触を確実に防止することができる。隔壁9は、熱可塑性樹脂が粒子状を保っている部分で構成されているため、粒子間に形成された隙間が空孔を構成する多孔質なものとなる。
なお、隔壁9および画素電極保護層14は、前述した塗布液に換えて、比較的嵩高い非球状のシリカ等の無機酸化物ナノ粒子(または金属ナノ粒子)とバインダーとを溶媒に分散してなる塗布液を用い、前述と同様の工程を行うことにより形成することができる。また、アルキル基などの比較的長い疎水基を末端に有する樹脂を用いてミセル化することにより、三次元で分岐する疎水性ナノサイズのトンネル(空隙)を隔壁9内に形成する方法を用いてもよい。
[2]
次に、図7(b)に示すように、各セルSに分散液100を充填する。この際、分散媒7をセルSいっぱいに充填せず、例えば、セルSの体積の60%以下程度となるように充填する。これにより、隔壁9の先端部、すなわち接着層13と接着する部分に分散媒7が付着し、接着層13との接着力が低下してしまうのを効果的に抑制することができる。分散液100の充填方法としては、特に限定されないが、例えば、インクジェット法を用いることができる。なお、本工程では、各セルS内へ第1、第2の粒子A、Bのみを充填し、分散媒7の充填を行わなくてもよい。
[3]
次に、接着層13が形成された基板12を用意する。接着層13の形成方法は、特に限定されないが、原料(接着性の樹脂材料)を溶媒に分散してなる塗布液を基板12上(第2の電極4の表面)に塗布して樹脂層を形成し、この樹脂層を乾燥して溶媒を除去することにより形成することができる。塗布液の塗布方法としては、例えば、グラビアコート、コンマコート、ワイヤーバーコート、リップコート、ダイコート、スクリーン印刷、インクジェット法を用いることができる。
[4]
次に、図7(c)に示すように、接着層13が表示層400側に位置するように、基板12を表示層400に載置する。その後、接着層13を50〜80℃程度(接着層13の軟化温度以上)に加熱して軟化させ、その状態にて、基板12を対向基板11へ向けて押圧する。これにより、隔壁9の先端部が接着層13の表面に圧着されるとともに、隔壁9の空孔911内に軟化した接着層13が浸透する。このような構成によれば、隔壁9と接着層13との接触面積が大きくなり、さらにアンカー効果が発生することにより隔壁9と接着層13とが強固に接着する。なお、押圧方法は、特に限定されないが、熱ロールなどを用いることができる。熱ロールによれば、接着層13の加熱(軟化)と基板12の対向基板11への押圧とを同時に行うことができる。
[5]
次に、図8(a)に示すように、隔壁9を介して各セルS内へ分散媒7を充填、補充し、各セルS内を分散液100で満たすととともに空気を除去する。分散媒7の充填方法としては、特に限定されないが、例えば、前記[4]の工程で得られたシートを分散媒7で満たされた浴に浸漬させる浸漬法や、前記[4]の工程で得られたシートを真空(減圧)環境下におき、隔壁9を介して分散媒7を注入する減圧注入法や、隔壁を介して加圧した分散媒7を強制的に注入する加圧注入法などを用いることができる。
[6]
次に、図8(b)に示すように、表示層400の周囲に封止部5を形成することにより、表示装置20が得られる。このような製造方法によれば、隔壁9と基板12とが強固に接合され、優れた機械的強度を有する表示装置20を製造することができる。
<第2実施形態>
図9は、本発明の表示装置の第2実施形態を示す概略斜視図、図10は、図9に示す表示シートの断面図である。
以下、第2実施形態について、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
第2実施形態にかかる表示装置は、表示シートが別体として構成されている以外は、前記第1実施形態と同様である。
図9に示すように、本実施形態の表示装置20Bは、表示シート21Bと、書き込み装置22Bとを有している。
図10に示すように、表示シート21Bは、基板(第1の基板)12Bと、基板12Bと対向配置された基板(第2の基板)11Bと、基板12Bの下面に形成された接着層13と、基板12B、11Bの間に設けられた表示層400と、表示層400を封止する封止部5とを有している。基板12B、11Bは、それぞれ、前述した第1実施形態の基板12の基部2と同様の構成であるため、その説明は省略する。
書き込み装置22Bは、表示シート21Bに所望の画像(模様、色彩、文字、絵またはこれらの組み合わせ等)を書き込む際に使用する装置である。図9に示すように、書き込み装置22Bは、台座221Bと、台座221B上に設けられたシート状の共通電極222Bと、先端に部分電極223Bが設けられた書き込みペン(入力具)224Bと、共通電極222Bおよび部分電極223B間に電圧を印加する電圧印加手段225Bとを有している。
このような表示装置20Bは、例えば、次のように使用する。
まず、表示面121の全域が白色表示状態である表示シート21Bを、表示面121を上側にして書き込み装置22Bの共通電極222B上に載置する。次に、電圧印加手段225Bによって共通電極222Bおよび部分電極223B間に、部分電極223B側が低電位となる電圧を印加する。この状態で、書き込みペン224Bを表示面121に接触させつつ所望の軌跡で移動させることにより、その軌跡に対応するセルにて第1、第2粒子A、Bの泳動が生じ、表示色が白色から黒色に変化する。
このような表示装置20Bによれば、紙に鉛筆で文字等を描くのと同様の感覚で、表示シート21Bの表示面121に所望の文字等を描くことができる。そのため、表示装置20Bの操作性(操作感覚)が向上する。
このような第3実施形態によっても、前述した第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
以上説明したような表示装置20は、それぞれ、各種電子機器に組み込むことができる。電気泳動表示装置を備える本発明の電子機器としては、例えば、電子ペーパー、電子ブック、テレビ、ビューファインダ型、モニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、電子新聞、ワードプロセッサ、パーソナルコンピュータ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた機器等を挙げることができる。
これらの電子機器のうちから、電子ペーパーを例に挙げ、具体的に説明する。
図11は、本発明の電子機器を電子ペーパーに適用した場合の実施形態を示す斜視図である。
図11に示す電子ペーパー600は、紙と同様の質感および柔軟性を有するリライタブルシートで構成される本体601と、表示ユニット602とを備えている。このような電子ペーパー600では、表示ユニット602が、前述したような表示装置20で構成されている。
次に、本発明の電子機器をディスプレイに適用した場合の実施形態について説明する。
図12は、本発明の電子機器をディスプレイに適用した場合の実施形態を示す図である。このうち、図12中(a)は断面図、(b)は平面図である。
図12に示すディスプレイ(表示装置)800は、本体部801と、この本体部801に対して着脱自在に設けられた電子ペーパー600とを備えている。なお、この電子ペーパー600は、前述したような構成、すなわち、図11に示す構成と同様である。
本体部801は、その側部(図12(a)中、右側)に電子ペーパー600を挿入可能な挿入口805が形成され、また、内部に二組の搬送ローラ対802a、802bが設けられている。電子ペーパー600を、挿入口805を介して本体部801内に挿入すると、電子ペーパー600は、搬送ローラ対802a、802bにより挟持された状態で本体部801に設置される。
また、本体部801の表示面側(図12(b)中、紙面手前側)には、矩形状の孔部803が形成され、この孔部803には、透明ガラス板804が嵌め込まれている。これにより、本体部801の外部から、本体部801に設置された状態の電子ペーパー600を視認することができる。すなわち、このディスプレイ800では、本体部801に設置された状態の電子ペーパー600を、透明ガラス板804において視認させることで表示面を構成している。
また、電子ペーパー600の挿入方向先端部(図12(a)中、左側)には、端子部806が設けられており、本体部801の内部には、電子ペーパー600を本体部801に設置した状態で端子部806が接続されるソケット807が設けられている。このソケット807には、コントローラー808と操作部809とが電気的に接続されている。
このようなディスプレイ800では、電子ペーパー600は、本体部801に着脱自在に設置されており、本体部801から取り外した状態で携帯して使用することもできる。これにより、利便性が向上する。
以上、本発明の表示シート、表示シートの製造方法、表示装置および電子機器を、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に他の任意の構成物が付加されていてもよい。また、前述した各実施形態を適宜組み合わせてもよい。
また、前述した実施形態では、隔壁9が格子状をなしていたが、隔壁9の構成(平面視形状)としては、特に限定されない。例えば、ハニカム状に構成されていてもよいし、X方向に延在し、Y方向に間隔を隔てて配置された複数の隔壁で構成されていてもよい。前者の場合には、より機械的強度が増し、後者の場合には、より開口率を高めることができる。
1、2……基部 100……分散液 11B、12B……基板 11……対向基板 12……基板 121……表示面 13……接着層 14……画素電極保護層 20……表示装置 20B……表示装置 21……表示シート 21B……表示シート 22……回路基板 22B……書き込み装置 221B……台座 222B……共通電極 223B……部分電極 224B……書き込みペン 225B……電圧印加手段 3、4……電極 400……表示層 5……封止部 7……分散媒 600……電子ペーパー 601……本体 602……表示ユニット 800……ディスプレイ 801……本体部 802a、802b……搬送ローラ対 803……孔部 804……透明ガラス板 805……挿入口 806……端子部 807……ソケット 808……コントローラー 809……操作部 9……隔壁 90…樹脂層 90’……熱可塑性樹脂 900……金型 91……第1の隔壁 92……第2の隔壁 911……空孔 A……第1の粒子 B……第2の粒子 S……セル(領域) W1、W2……幅

Claims (12)

  1. 表示面側に設けられた第1の基板と、
    前記第1の基板に対して対向配置された第2の基板と、
    前記第1の基板の前記第2の基板側に設けられた接着層と、
    前記接着層と前記第2の基板との間に設けられた表示層と、を有し、
    前記表示層は、該表示層を複数の領域に分割する隔壁と、各前記領域内に充填され、正または負に帯電した少なくとも1種の粒子を分散媒に分散してなる分散液と、を有し、
    前記隔壁は、多孔質であり、前記第1の基板側の端部が前記接着層と接着しているとともに、前記端部の空孔内に前記接着層が浸透していることを特徴とする表示シート。
  2. 前記隔壁は、前記分散媒の通過を許容し、前記粒子の通過を規制する請求項1に記載の表示シート。
  3. 前記隔壁は、前記第1の基板側へ向けて幅が漸減するテーパー状をなしている請求項1または2に記載の表示シート。
  4. 前記隔壁は、粒子の集合体であり、粒子間の隙間が前記空孔を構成している請求項1ないし3のいずれかに記載の表示シート。
  5. 前記接着層は、熱可塑性を有する材料で構成されている請求項1ないし4のいずれかに記載の表示シート。
  6. 表示面側に設けられた第1の基板と、前記第1の基板に対して対向配置された第2の基板と、前記第1の基板と前記第2の基板との間に設けられた表示層と、を有する表示シートの製造方法であって、
    前記第2の基板上に多孔質な隔壁を形成し、前記隔壁によって形成された複数の領域内の各々に正または負に帯電した少なくとも1種の粒子を分散媒に分散してなる分散液を充填する工程と、
    一方の面上に接着層が形成された前記第1の基板を、前記接着層が前記表示層側に位置するように前記隔壁上に載置し、前記第1の基板および前記第2の基板の少なくとも一方を他方側へ押し付けることにより、前記隔壁の先端部と前記接着層とを接着するとともに、前記接着層の一部を前記隔壁の先端部の空孔内に浸透させる工程と、を有していることを特徴とする表示シートの製造方法。
  7. 前記隔壁の先端部と前記接着層とを接着する工程は、前記接着層を軟化させた状態で行う請求項6に記載の表示シートの製造方法。
  8. 前記隔壁の先端部と前記接着層とを接着する工程の後に、前記隔壁の空孔を介して前記領域内に分散媒を補充する工程を有している請求項6または7に記載の表示シートの製造方法。
  9. 請求項1ないし5のいずれかに記載の表示シートを備えることを特徴とする表示装置。
  10. 前記第2の基板は、シート状の基部と、前記基部の前記第1の基板側に形成された電極とを有し、
    前記電極を覆う電極保護層を有している請求項9に記載の表示装置。
  11. 前記電極保護層は、前記隔壁と一体的に形成されている請求項10に記載の表示装置。
  12. 請求項9ないし11のいずれかに記載の表示装置を備えることを特徴とする電子機器。
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