JP5894863B2 - 玩具銃における反動発生装置 - Google Patents

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Description

本発明は、射手に比較的大きな反動を体感させることができる玩具銃における反動発生装置に関する。
従来から、実銃を使用した際に発生する反動と同様な反動を玩具銃にも生じさせるようにする試みが行われており、例えば、特許文献1には、弾丸発射時に射手に反動(リコイルショック)を体感させるように構成している反動発生装置を具備した玩具銃が記載されている。
この特許文献1に記載の玩具銃における反動発生装置は、銃本体の機関室内にピストンを前後方向に摺動自在に内装したシリンダを配設すると共に、ピストンと機関室の後壁との間に上記ピストンを前方に弾圧するピストンばねを介装している一方、上記機関室の後方における上記ピストンの移動軸線上に、ウエイトを前後摺動自在に内装したウエイト作動室を設け、このウエイト作動室の後壁面とウエイトの後端面との間にリコイルばねを介装していると共に、ウエイトの前端面中心部から前方に向かって一定長さのロッドを突設してこのロッドを機関室の後壁に摺動自在に貫通させてその先端が上記ピストンの後端面に当接可能に機関室内に突設させてなる構造を有している。
さらに、上記ピストンの下端には後方に向かってラックを突設してあり、このラックに噛合しているセクターギヤを、引金を引くことによって作動するモータにより噛合歯車列を介して回転させ、上記ピストンばねを圧縮させながらピストンを急速に後退させた後、後退端でラックに対するセクターギヤの噛合を解くことによってピストンばねの復元力によりピストンを素早く前進させ、シリンダ内の空気を圧縮してこの圧縮エアにより弾丸を発射させる一方、上記ピストンの後退によってロッドを介しウエイトを後方に押し進めてリコイルばねを圧縮させた後、ピストンによる押圧が開放されてリコイルばねがウエイトを前方に押し進めながら伸張に転じた際に、その反力を反動(リコイルショック)として射手に体感させるように構成している。
特開2007−51851号公報
しかしながら、上記玩具銃における反動発生装置によれば、機関室の後方に設けているウエイト作動室内には、ウエイトとリコイルばねとを前後に直列状に配設しているので、ウエイトの長さを長くすればリコイルばねの長さが短くなり、リコイルばねの長さを長くするとウエイトの長さを短くせざるを得ず、そのため、リコイルばねの伸張量やウエイトの移動量が狭い範囲内に制限され、リコイルばねが圧縮された後、伸張する際のウエイトの移動に伴ってウエイト作動室の後端面に発生する反力が充分な大きさとなるように設定することが困難となり、射手に与える反動が比較的小さくなるといった問題点があった。
さらに、上記のように、ウエイト作動室内におけるウエイトの移動量が狭い範囲内に制限されているため、リコイルばねが伸張すると、ウエイトの前端がウエイト作動室の前端側に衝撃的に当接する事態が発生して作動機構等を破損させる虞れがあるばかりでなく、その衝撃力が上記反動発生方向と逆方向に作用して射手に違和感を与えるといった問題点がある。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、ウエイト作動室内におけるウエイトの移動量及びリコイルばねの圧縮、伸張量が大きくなるように設定することができて、射手に充分な反動を体感させることができる玩具銃における反動発生装置を提供するにある。
上記目的を達成するために本発明の玩具銃における反動発生装置は、請求項1に記載したように、銃本体の機関室内にピストンを前後方向に摺動自在に内装したシリンダと、ピストンを前方に押圧するピストン弾発ばねとを配設していると共に、上記機関室の後方にウエイト収納室を設けてこのウエイト収納室内に、上記ピストンの後退時にピストンと共に後退するウエイトと該ウエイトを前方に押圧するリコイルばねとを配設してあり、引金の操作によって上記ピストンを後退させると共に上記ウエイトをリコイルばねを圧縮させながらピストンと一体的に後退させたのち、ピストンが上記ピストン弾発ばねの復元力によって前進してリコイルばねが圧縮から伸張に転じた際のこのリコイルばねの作用力によってウエイト収納室の後壁面に反動を発生させるように構成した玩具銃における反動発生装置において、上記ウエイト収納室内に前後移動自在に配設した上記ウエイト内に上記リコイルばねを収納した空間部を設けていると共にウエイト収納室の後壁面に前後方向に長い固定ロッド体を突設してこの固定ロッド体をウエイトの後端から上記空間部に連通している挿通孔に挿入し、このロッド体の前端面と上記空間部の前端面との間に上記リコイルばねを介在させていることを特徴とする。
このように構成した玩具銃における反動発生装置において、請求項2に係る発明は、銃本体における上記機関室の後壁にウエイト収納室に連通する通孔を設けていると共に、ピストンとウエイト収納室内のウエイトとの間にピストンの後退を上記通孔を通じてウエイトに伝達する伝達部材を配設していることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、上記伝達部材の前端をピストンの後端中央部に固着している一方、後端をウエイトの前端面に当接可能に該前端面から前方に小間隔を存して離間させていることを特徴とする。
さらに、請求項4に係る発明は、機関室の後壁に設けている上記通孔内に、圧縮した際に後端部がこの通孔内に没入する短いコイルスプリングを配設している一方、ウエイトの前端に上記通孔よりも小径の頭部を設けてこの小径頭部の前端面を上記コイルスプリングの後端に受止させるように構成していることを特徴とする。
また、請求項5に係る発明は、上記伝達部材は小径の管体からなり、この伝達部材の前部内に緩衝スプリングを配設すると共に伝達部材の後端からこの伝達部材内に小径可動ロッドを挿入してこの小径可動ロッドの前端を上記緩衝スプリングの後端に当接、離間可能に受止させている一方、伝達部材の後端から後方に突出しているこの小径可動ロッドの後端をウエイトの前端部に連結していることを特徴とする。
請求項1に係る発明によれば、銃本体内の機関室の後方に配設しているウエイト収納室内にウエイトを前後移動自在に収納し、このウエイト内にリコイルばねを配設した空間部を設けていると共に、ウエイト収納室の後壁面に前後方向に長いロッド体を突設してこのロッド体をウエイトの後端から上記空間部に連通するように貫設している挿通孔に挿入してこのロッド体の前端面と空間部の前端面との間に上記リコイルばねを介在させているので、リコイルばねをウエイトの内部に配設しているから、ウエイト収納室内でのウエイトの前後方向の移動距離を大きくすることができると共にリコイルばねの長さもできるだけ長くなるように設定することができてその圧縮量及び伸張量を増大させることができ、従って、機関室内のピストンを後退させてウエイトを後方に押し進めながらリコイルばねを圧縮させた後、ピストンによる押圧を開放した際に、ウエイトの移動に伴ってウエイト収納室の後壁面に伝達されるリコイルばねによる反力を極めて大きくすることができ、この反力によって射手に大きな反動(リコイルショック)を体感させることができる。
さらに、リコイルばねが伸張しても、ウエイトの前端面と機関室の後壁との間にウエイトがさらに前進可能な間隔を設けておくことができるので、ウエイトの前端がウエイト収納室の前端側に衝突するような事態を防止することができる。
請求項2に係る発明によれば、上記銃本体における機関室の後壁にウエイト収納室に連通する通孔を設けていると共に、ピストンとウエイト収納室内のウエイトとの間にピストンの後退を上記通孔を通じてウエイトに伝達する伝達部材を配設しているので、ピストンの作動をこの伝達部材を介してウエイトに確実且つ正確に伝達することができる。
その上、請求項3に係る発明によれば、上記伝達部材の前端をピストンの後端中央部に固着している一方、後端をウエイトの前端面に当接可能に該前端面から前方に小間隔を存して離間させているので、ピストンの後退時には、このピストンを前方に押圧しているスプリングを圧縮させながら伝達部材を介してウエイトにその後退を伝達してピストンとウエイトとを確実に一体的に後退させることができる一方、ピストンが加速度的に後退端まで達した時に、ウエイトを慣性力によって瞬間的に伝達部材の後端面から後方に離間させてウエイト収納室の後端面に衝撃的に衝突させることもでき、従って、一層大きな反動を射手に体感させることができると共に、ピストンを上記スプリングの復元力によってウエイトに先行するように前進させて伝達部材にウエイトを衝突させることなくリコイルばねを円滑に伸張させて上記反動を効果的に発生させることができる。
的に発生させることができる。)
請求項4に係る発明によれば、機関室の後壁に設けている上記通孔内に、圧縮した際に後端部がこの通孔内に没入する短いコイルスプリングを配設している一方、ウエイトの前端に上記通孔よりも小径の頭部を設けてこの小径頭部の前端面を上記コイルスプリングの後端に受止させるように構成しているので、リコイルばねが圧縮後、伸張に転じてウエイトを押し戻しながら反動を発生させ、最大限にまで伸張した時に、ウエイトの前端面を通孔内に設けている上記コイルスプリングの通孔からの突出端に当接、受止させてウエイトを減速させながら元位置に復帰させるさせることができると共に、ウエイトの前端面が機関室の後壁に衝突するのを確実に阻止することができ、後壁や機関室内の作動機構等が破損するのを防止することができる。
請求項5に係る発明によれば、上記伝達部材は小径の管体からなり、この伝達部材の前部内に緩衝スプリングを配設すると共に伝達部材の後端からこの伝達部材内に小径可動ロッドを挿入してこの小径可動ロッドの前端を上記緩衝スプリングの後端に当接、離間可能に受止させている一方、伝達部材の後端から後方に突出しているこの小径可動ロッドの後端をウエイトの前端に当接させているので、ピストンがピストン弾発ばねを圧縮させながら後退する際に、まず、伝達部材内の小径可動ロッドを緩衝スプリングを圧縮させながら後方に押し進めてウエイトに後退開始時の初速度を付与した後、直ちに、伝達部材の後端をウエイトに当接させてウエイトを円滑に後退させることができると共に、ウエイトがリコイルばねを介して反動を発生させながら跳ね返って小径可動ロッドを前方に押し進めた際に、緩衝スプリングによってその押圧力を吸収してピストンに衝撃力が伝達するのを防止することができる。
反動発生装置を備えた玩具銃の要部の縦断側面図。 作動前の反動発生装置の状態を示す縦断側面図。 装置を作動させてウエイトを途中まで移動させた状態の縦断側面図。 反動発生直前の状態を示す縦断側面図。 反動を発生させた状態の縦断側面図。 ウエイトが前方に押し戻された状態の縦断側面図。 ウエイトがコイルスプリングによって元位置よりも僅かに後方に押し戻された状態を示す縦断側面図。 元位置に復帰した状態を縦断側面図。 反動発生装置の別な実施例を示す縦断側面図。
本発明の具体的な実施例を図面について説明すると、図1は反動発生装置を備えた小銃型の玩具銃を示すもので、前端側に銃身Aを後端側に銃床Bを一体に設けている銃本体1の機関室2内に、その中心を銃身Aと同一軸線上にしてピストン4を前後摺動自在に内装しているシリンダ3を配設、固定している一方、機関室2の後壁2aの後方に、前後方向に長い筒状のウエイト収納室5をその中心を上記シリンダ3と同一中心線上にして配設してあり、このウエイト収納室5の前端開口部を機関室2の後壁2aの後面に固着していると共に後端を銃床Bの前端に一体に固着している。
上記ウエイト収納室5内に前後方向に長い円筒形状のウエイト6を前後動自在に配設してあり、ウエイト収納室5の後端開口部に臨ませている上記銃床Bの前端面をウエイト6の後退端であるストックエンド7に形成している。なお、このストックエンド7は、ウエイト収納室5の後端に後壁部を設けて、この後壁部によって形成しておいてもよく、要するに、ウエイト収納室5の後端にストックエンド7を設けておけばよい。
このストックエンド7の中心部に前方に向かって適宜長さを有する固定ロッド体8を突設してあり、この固定ロッド体8を、上記ウエイト6の中心部に該ウエイト6の後端面から前端に向かって長さ方向に穿設しているガイド孔9に挿入して固定ロッド体8をガイドとしてウエイト6を前後方向に移動自在に配設している。なお、ウエイト6の外径をウエイト収納室5の内径よりも小径に形成してウエイト6を上記固定ロッド体8に支持させながら、空気抵抗を殆ど受けることなくウエイト収納室5内を前後方向に円滑に移動可能となるように構成している。
ウエイト6の中心部には、上記ガイド孔9と共にウエイト6を前方に押圧するリコイルばね10を収納した断面円形状の空間部11が設けられている。この空間部11はガイド孔9よりも大径で長さも長く、ウエイト6の前端部から後部に達する部分にまで設けられていて、その後端をガイド孔9の前端に連通させていると共に、上記固定ロッド体8の先部をガイド孔9の前端から空間部11の後部内に突出させ、その突出端によってリコイルばね10の後端を受止している。
リコイルばね10は上記空間部11に直接、内装してその前端を空間部11の前端開口部を閉止しているウエイト6の前端部後面に受止させ、後端を上記ロッド体9の先端(前端)に受止させておいてもよいが、図においては、上記空間部11に、長さがこの空間部11の長さよりも僅かに短く、且つ、空間部11の内径よりもその外径が僅かに小径で、後端が開口している円筒部材12を配設し、この円筒部材12内にリコイルばね10を収納してあり、リコイルばね10の前端を円筒部材12の前端壁部の後面に受止させていると共に後端をこの円筒部材12の後部内に挿入している上記固定ロッド体8の先端(前端)に受止させている。
ウエイト6の長さや重量は、リコイルばね10を大きく圧縮させながらウエイト6が後方に移動してその後端面がウエイト収納室5の後端における上記ストックエンド7の前端近くにまで達し、且つ、リコイルばね10が伸張した際に、その前端が機関室2の後壁面2aに達することができるように適宜な長さと重量に設定されてあり、リコイルばね10の長さはウエイト6の作動前の位置、即ち、その前端面が機関室2の後壁面2aに近接している状態において、ウエイト6の後端面と上記ストックエンド7との間の長さ寸法よりも長く形成されている。即ち、ウエイト6の長さとリコイルばね10の長さの和は、ウエイト収納室5の長さよりも長くしている。
ウエイト6の前端面中央部にはウエイト6の外径よりも小径の頭部6aが一体に固着されてあり、この小径頭部6aの後面によって円筒部材12の前端面を受止している上記前端部後面を形成していると共に小径頭部6aの中心部に後述する小径可動ロッド19の後端部を挿入させている挿入孔6bを貫設している。
銃本体1における上記機関室2の後壁2aには上記ウエイト収納室5に連通する通孔13が穿設されている。この通孔13は上記シリンダ3の後方における機関室2の後壁2aにシリンダの中心と同一軸線上にして設けられてあり、その後端開口部に上記ウエイト収納室5内のウエイト6の小径頭部6aを臨ませていると共に機関室2内に設けている上記ピストン4と上記ウエイト収納室5内のウエイト6との間に、ピストン4の後退時に上記通孔13を通じてウエイト6に伝達する小径の管体からなる伝達部材14を配設している。この伝達部材14はその前端をピストン4の後面中央部に一体に固着している一方、後端を上記通孔13の前端開口部に臨ませて、この通孔13を通じてウエイト6の前端面に当接可能にウエイト6の前端面から前方に小間隔を存して離間させている。
さらに、機関室2の後壁2aの前面における上記通孔13の前端外周部に前方に向かって伝達部材14の後部を摺動自在に挿入させているガイド筒30を突設していると共に通孔13の前端口縁に環状のフランジからなるスプリング受け15を設けて、このスプリング受け15と上記ピストン4の後面との間に前端をピストン4の後面に受止させ、後端をスプリング受け15に受止させて、ピストン4を前方に押圧するピストン弾発ばね16を介装している。
上記通孔13内には、圧縮した際にその後端部がこの通孔13内に没入する長さが短いコイルスプリング17が配設されていて、その前端を上記スプリング受け15の後端面に支持させている。このコイルスプリング17の後端に上記ウエイト6の小径頭部6aの前端面がリコイルばね10の弾発力を介して受止されていると共にウエイト6の小径頭部6aは通孔13よりも小径に形成されていてコイルスプリング17を圧縮させなから通孔13内に嵌入可能に構成している。
さらに、上記伝達部材14の前部内に緩衝スプリング18を配設していると共に伝達部材14の後端からこの伝達部材14内に小径の可動ロッド19を挿入してこの小径可動ロッド19の前端を上記緩衝スプリング18の後端に当接、離間可能に受止させていると共に小径可動ロッド19の後端部を伝達部材14の後端から後方に突出させて上記通孔13の中心部を通じてウエイト6の小径頭部6aの中心部に貫設している上記挿入孔6bに挿入し、その先端をウエイト6の上記空間部11内に設けている円筒部材12の前端面に当接させて円筒部材12に一体に連結している。
上記シリンダ3の前端部には、公知のように、引金20と連動させて弾倉21から銃身Aの弾丸装填部22に弾丸23を送り込むように構成していると共に上記機関室2内に弾丸発射手段を配設している。この弾丸発射手段は図1に示すように、シリンダ3に内装している上記ピストン4の下端部に後方に向かってラック24を突設してこのラック24にセクターギヤ25を噛合させてあり、セクターギヤ25の回転によってラック24を備えたピストン4をピストン弾発ばね16を圧縮させながら後退させ、セクターギヤ25の歯のない部分がラック24に対した時に噛合が解かれてピストン4を上記ピストン弾発スプリング16の復元力によってシリンダ3内のエアを圧縮しながら素早く前進させることにより弾丸23を発射するように構成している。
上記セクターギヤ25は、モータ26によって駆動される噛合歯車列27を介して回転させられ、モータ26は引金20を引くことによって切り替わるスイッチにより作動し、さらに、単発射撃や連続射撃の切替えも可能にしている。
次に、以上のように構成した玩具銃における反動発生装置の作用を述べる。この玩具銃の使用前においては、ピストン4はピストン弾発ばね16によってシリンダ3内の前部に位置していると共に図2に示すように、ピストン4から後方に突設している伝達部材14の後端は機関室2の後壁2aに設けている通孔13の前端開口部に臨ませてあり、さらに、伝達部材14内に配設している小径可動ロッド19はその前端を伝達部材14の前部内に配設している緩衝スプリング18の後端に押接させ、後端を伝達部材14の後端から上記通孔13を通じて機関室2の後方のウエイト収納室5内に突入させてウエイト6内に設けている円筒部材12の前端に当接させている。
さらに、セクターギヤ25はラック24の後端部に噛合している一方、機関室2の後方のウエイト収納室5では、ウエイト6がリコイルばね10によって前方に押圧されていてその小径頭部6aの先端面を通孔13内から突出している短いコイルスプリング17の後端に受止させている。
この状態から引金20を引いてモータ26を駆動し、噛合歯車列27を介してセクターギヤ25を回転させると、セクターギヤ25に噛合しているラック24を有するピストン4がピストン弾発ばね16を圧縮させながら急速に後退する。このピストン4の後退の初期においては、まず、伝達部材14が後退してその後端がウエイト6の小径頭部6aに当接するまで移動する間に、伝達部材14の前部内に配設している緩衝スプリング18が圧縮してその圧縮力を小径可動ロッド19を介してウエイト6に伝達してウエイト6を僅かに後方に押し進め、次いで、伝達部材14の後端がウエイト6の先端部材6aに当接してこの伝達部材14を介してウエイト6が図3に示すように、リコイルばね10を圧縮させながらピストン4と一体的に後退する。
リコイルばね10はウエイト6内に配設されてあり、ウエイト収納室5の後端のストックエンド7から前方に向かって突出している固定ロッド体8がウエイト6の中心部に設けているガイド孔9に挿入してその先端で上記リコイルばね10を受止しているので、ウエイト6内でリコイルばね10を圧縮させながらウエイト6をその後端面がストックエンド7に近接する位置まで後退させることができると共に、リコイルばね10の圧縮量を増大させて大きな復元弾発力を生じさせることができる。
上記ピストン4が後退を開始してウエイト6がストックエンド7近くにまで後方に移動する動作は瞬間的に行われ、ウエイト6の後退によるリコイルばね10の圧縮力が固定ロッド体8を介してストックエンド7に伝達されると共にウエイト6が図4に示すように後退端にまで移動した時に、ラック24に対するセクターギヤ25の噛合が解かれて、ピストン4がピストン弾発ばね16の復元力によって図5に示すように急速に前進移動すると共に、このピストン4の前進によってリコイルばね10の圧縮が解かれ、ピストン4の前進移動に後続してリコイルばね10が復元力によって伸張に転じてウエイト6を前方に押し進め、このリコイルばね10の圧縮から復元する際の跳ね返り作用力が固定ロッド体8を介してストックエンド7に反力として伝達してこの反力が反動(リコイルショック)として射手に体感させることができる。
さらに、ピストン4が後方に急速移動したのち、前進移動に転じる際に、ウエイト6が慣性力によって瞬間的にさらに後退し、その後端面をストックエンド7に衝突させて衝撃による反動(リコイルショック)を発生させ、上記リコイルばね10による反動と共に射手に大きな反動を体感させることができる。なお、このウエイト6を慣性力によってその後端面を直接ストックエンド7に衝突させることができるのは、上述したように、ウエイト6の長さとリコイルばね10の長さとの和がウエイト収納室5の長さよりも長くしているからであるが、本発明においては、ウエイト6の長さとリコイルばね10の長さとの和をウエイト収納室5の長さよりも短くしておいても上記リコイルばね10により反動を発生させることができる。
上記のように、反動を発生させながらピストン4に後続してウエイト6がリコイルばね10の復元力により前進に転じ、その小径頭部6aが機関室2の後壁2aの後面近くにまで達すると、小径頭部6aから前方に向かって突設している小径可動ロッド19の前端が図6に示すように、伝達部材14の前部内に配設している緩衝スプリング18の後端に当接してこの緩衝スプリング18を圧縮させると共に、小径頭部6aの前端面が通孔13内から後方に突出しているコイルスプリング17の後端に当接してこのコイルスプリング17を圧縮させ、これらの緩衝スプリング18とコイルスプリング17との圧縮によってウエイト6の前進移動力を吸収して前進速度を制動し、ウエイト6の前端面を機関室2の後壁2aに当接させることなく小径頭部6aの先部が通孔13内に没入した状態で前進移動を停止させる。
このように、リコイルばね10の復元力によってウエイト6をその小径頭部6aの先部が通孔13内に没入するまで前進移動させることができるので、リコイルばね10による反動を増大させることができる。
さらに、ウエイト6がコイルスプリング17を圧縮させながらその小径頭部6aの先部を通孔13内に没入させて前進を停止した直後に、コイルスプリング17の復元力によってウエイト6がリコイルばね10を圧縮させながら図7に示すように後方に押し戻され、このウエイト6の後方への移動がリコイルばね10から固定ロッド体8を介してストックエンド7に緩やかな反動力として伝達され、この反動力によって射手に銃本体1が揺動しているような感覚を与えることができる。
このように、ウエイト6がコイルスプリング17の復元力によって後方に押し戻されたのち、リコイルばね10の復元力によって直ちに前進して図8に示すように、その小径頭部6aの先端面をコイルスプリング17に当接させ、次の射撃に備える。また、連続射撃に切り替えた場合には、上記動作を繰り返し行うと共に上記コイルスプリング17の復元力による射手に与える揺動感覚は一層、明確に顕現させることができる。
なお、以上の実施例においては、ピストン4の後端面から後方に突出している管状の伝達部材14内に緩衝スプリング18と小径可動ロッド19とを設けているが、このような緩衝スプリング18や小径可動ロッド19を設けることなく、伝達部材14の後端面をウエイト6の前端面に押し付けてウエイト6をリコイルばね10の弾発力に抗して後方に移動させるように構成しておいてもよい。この場合、必要に応じて伝達部材14を緩衝スプリングを介してその後方への移動をウエイト6に伝達するように構成してもよい。
また、伝達部材14を使用することなく、図9に示すように、ピストン4とウエイト6との間に弾発スプリング16' を介在させてピストン4の後退移動をこの弾発スプリング16'を圧縮させながらウエイト6に伝達するように構成しておいてもよく、要するに、ウエイト収納室5内に前後動自在に設けているウエイト6内にリコイルばね10を配設し、このリコイルばね10の後端をストックエンド7から前方に突出している固定ロッド体8の前端に受止させてリコイルばね10の圧縮、伸張によるウエイト6の跳ね返り動作によって反動を発生させるように構成しておけば本発明を満足させることができる。
1 銃本体
2 機関室
3 シリンダ
4 ピストン
5 ウエイト収納室
6 ウエイト
7 ストックエンド
8 ロッド体
9 ガイド孔
10 リコイルばね
13 通孔
14 伝達部材
16 ピストン弾発ばね
17 コイルスプリング
18 緩衝スプリング
19 小径可動ロッド
20 引金
24 ラック
25 セクターギヤ

Claims (5)

  1. 銃本体の機関室内にピストンを前後方向に摺動自在に内装したシリンダと、ピストンを前方に押圧するピストン弾発ばねとを配設していると共に、上記機関室の後方にウエイト収納室を設けてこのウエイト収納室内に、上記ピストンの後退時にピストンと共に後退するウエイトと該ウエイトを前方に押圧するリコイルばねとを配設してあり、引金の操作によって上記ピストンを後退させると共に上記ウエイトをリコイルばねを圧縮させながらピストンと一体的に後退させたのち、ピストンが上記ピストン弾発ばねの復元力によって前進してリコイルばねが圧縮から伸張に転じた際のこのリコイルばねの作用力によってウエイト収納室の後壁面に反動を発生させるように構成した玩具銃における反動発生装置において、上記ウエイト収納室内に前後移動自在に配設した上記ウエイト内に上記リコイルばねを収納した空間部を設けていると共にウエイト収納室の後壁面に前後方向に長い固定ロッド体を突設してこの固定ロッド体をウエイトの後端から上記空間部に連通している挿通孔に挿入し、このロッド体の前端面と上記空間部の前端面との間に上記リコイルばねを介在させていることを特徴とする玩具銃における反動発生装置。
  2. 銃本体における機関室の後壁にウエイト収納室に連通する通孔を設けていると共に、ピストンとウエイト収納室内のウエイトとの間にピストンの後退を上記通孔を通じてウエイトに伝達する伝達部材を配設していることを特徴とする請求項1に記載の玩具銃における反動発生装置。
  3. 伝達部材の前端をピストンの後端中央部に固着している一方、後端をウエイトの前端面に当接可能に該前端面から前方に小間隔を存して離間させていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の玩具銃における反動発生装置。
  4. 機関室の後壁に設けている通孔内に、圧縮した際に後端部がこの通孔内に没入する短いコイルスプリングを配設している一方、ウエイトの前端に上記通孔よりも小径の頭部を設けてこの小径頭部の前端面を上記コイルスプリングの後端に受止させるように構成していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の玩具銃における反動発生装置。
  5. 伝達部材は小径の管体からなり、この伝達部材の前部内に緩衝スプリングを配設すると共に伝達部材の後端から伝達部材内に小径可動ロッドを挿入してこの小径可動ロッドの前端を上記緩衝スプリングの後端に当接、離間可能に受止させている一方、伝達部材の後端から後方に突出しているこの小径可動ロッドの後端をウエイトの前端部に連結させていることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の玩具銃における反動発生装置。
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