JP5894142B2 - 複数の細胞懸濁物を調製及び解析する自動プロセス及び自動化デバイス - Google Patents

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Description

本発明は、複数の細胞懸濁物を調製及び分析するプロセスに関し、当該プロセスは、少なくとも以下の連続的工程:
(a)受取りプレート上に複数のボトルを装填し、各ボトルが解析される細胞懸濁物を有する工程;
(b)当該受取りプレート上に複数の解析容器を装填する工程;及び
(c)細胞懸濁物の試料を1つのボトルから取り出し、当該試料を解析容器中に置き、これが解析される各ボトルにおいて繰り返される工程;
を含む。また、本発明は、当該プロセスを実行するための自動化調製品及び解析デバイスにも関する。
細胞懸濁物や例えば固定された細胞学的スメア等の解析は、極めてデリケートな作業である。細胞学的診断は、細胞の形態学的試験に基づく診断技術に及ぶ。この技術は、特に頸癌の癌性及び前癌性病変のスクリーニングによく適用されている。
そのような解析の目的は、病理学的細胞のスクリーニングであるから、何らかの診断のエラーを避けるために、関心のある領域を代表する完全に判読可能な細胞の堆積を取得しなければならない。
大量の試料を迅速に解析するために、解析用の試料の調製及び実際の解析手順を自動化することが想定されている。この目的のために、スメア等の生検からスライドを調製する自動化デバイスが知られている。
上記のタイプの自動化デバイスは、例えばUS 2009/0233331等に記載されている。
しかしながら、そのような自動化デバイスは、充分な解析を可能とし、妥当な診断をもたらす、細胞の堆積を常に調製することはできない。そのような自動化設備は、一定数のアーティファクト、具体的には細胞の形態の変化に伴うフィルター管理及び圧力の問題、並びにデブリによるフィルターメッシュの目詰まりの問題等を生じる装置を使用する。加えて、操作手順が試料の種類ごとに異なり:例えば、赤血球や粘液は、最初にフィルター上に細胞を回収する前に除去されなければならないであろう。
故に、全ての種類の婦人科系及び非婦人科系の細胞学的試料に共通の標準的方法の樹立は不可能であり、このことは、オペレーターによる活動を最小限にする。
本発明の目的の一つは、妥当で、再現可能で、標準化された方法で、そして迅速に、複数の細胞学的懸濁物の調製及び解析を完全に自動化することにより、これらの短所を克服することである。細胞の種類にかかわらず、これらの調製プロセスは類似する。
この目的のために、本発明の主題は、細胞の試料を1つのボトルから取り出し、当該試料を解析容器中に置く工程(c)が、ピペッティング-分注手段を使用して細胞集合を破壊する1つ以上の工程を含む、複数の細胞懸濁物をサンプリング及び解析するプロセスである。
本プロセスの他の態様において、細胞の試料を1つのボトルから取り出し、当該試料を解析容器中に置く工程(c)が、当該ボトル中の細胞懸濁物を混合及び濾過する1つ以上の工程を含む。
細胞の試料を1つのボトルから取り出し、当該試料を解析容器中に置く工程(c)は、更に、少なくとも以下の工程:
(d)試料を懸濁物に戻す工程;
(e)ディファレンシャルデカンティング(differential decanting)により関心のある細胞を選択する工程;
(f)ピペッティング手段を使用してディファレンシャルデカンティングにより生じた体積を吸引し、当該体積が解析される試料を含有する工程;
(g)前記解析される試料を含有する体積を前記ピペッティング手段中で均一な懸濁物に戻す工程;
(h)前記ピペッティング手段を移動させて、前記解析容器の上に置く工程;
(i)前記解析される試料を、前記解析容器内に分注する工程;
を含む。
各解析容器は、デカントウェル及び当該デカントウェルに対面して置かれた解析スライドを備え、前記プロセスは、以下の連続的工程:
(j)各解析スライドが前記プレート及び吸収シートの間に配置されるように、プレート上に吸収シートを置く工程;
(k)圧迫体(press)中に複数のデカントウェルを装填し、そして各デカントウェルが解析スライドの上方に、及び対面して配置されるように、プレートの上に当該圧迫体(66)を置く工程;並びに
(l)解析スライド上に細胞スメアを塗付する工程、当該細胞スメアはデカントウェル中の試料の堆積に由来する;
を含み、工程(j)及び(k)は、複数の解析容器の装填の工程(b)の後、かつ細胞懸濁物の試料を取り出す工程(c)の前に実施され、そして工程(l)は細胞懸濁物の試料を取り出す工程(c)の後に実施される。
上記プロセスは、解析スライド上の細胞密度を測定することによりデカントウェルの底部の細胞堆積を解析する工程を含む。
上記プロセスは、自動化された細胞染色又は標識工程を含む。
上記プロセスは、解析される細胞懸濁物を含有するボトルを予め完全に密封する工程を含み、当該プロセスは、当該ボトルをその後に開封せずに実施される。
上記各解析容器は、サンプリング又は分注チューブを含む。
本発明の更なる主題は、1つ以上の細胞懸濁物をサンプリング及び解析するための自動化デバイスであり:
-解析される細胞懸濁物を含む1つ以上のボトル;
-その上にボトルが置かれ、確実に固く固定される、1つ以上の受入れプレート
-細胞懸濁物をデカントするための1つ以上のウェル、当該デカントウェルは前記プレート上に置かれ確実に硬く固定される;
-細胞懸濁物の試料を受け入れ/含むための1つ以上の解析スライドを備えた解析系、当該試料は解析される要素を含有する細胞懸濁物の一部の体積であり、そして当該解析スライドはデカントウェルの下方に、及び対面して、プレート上に配置され確実に固く固定される;
を備え、前記自動化デバイスは、ボトルから細胞懸濁物の試料を取り、そして当該試料を解析系の解析スライド上のデカントウェル内に分注することができるピペッティング手段を備え、そしてこれらのピペッティング手段は、細胞集団を破壊できるように配置されている。
前記自動化デバイスの他の特徴として、以下のものが挙げられる。
前記自動化デバイスは、その上にピペッティング手段が取り付けられた第一の可動アームを備え、当該アームは、少なくとも、前記ボトル、デカントウェル及び解析スライドを固定する前記受入れプレート上を跨いで移動する。
前記自動化デバイスは、前記ピペッティング手段により細胞学的溶液と混合され得る標識又は染色溶液を備える。
各ボトル及び各解析スライドは視覚的マーキングを備え、前記自動化デバイスは、当該視覚的マーキングを読み取る手段を備える。
前記読み取り手段はカメラを備え、当該カメラは、第二の可動アームにより運搬される。当該第二のアームは、少なくとも、前記ボトル、デカントウェル及び解析スライドを固定する前記受入れプレート上を跨いで移動する。
前記ボトルは、デカントコーンの上方に配置された濾過手段を備え、前記ピペッティング手段が、それらが当該濾過手段の下部の細胞懸濁物の一部をサンプリングし、当該一部をデカントコーンに再び注入するように配置されていることにより、当該細胞懸濁物を混合し、そして当該懸濁物が当該濾過手段を1回以上通過することにより、フィルターのメッシュサイズよりも大きい細胞集団を破壊する。
前記試料を解析する系は、解析スライド上のデカントウェルの底の細胞堆積の細胞密度を解析する手段を備える。
前記解析スライド上のデカントウェルの底の細胞堆積の細胞密度を解析する手段は、カメラを備える。
前記試料を解析する系は、当該試料の仮想スライドを形成するデバイスを備える。
前記試料の仮想スライドを形成するデバイスは、カメラを備える。
前記自動化デバイスは、前記読取り手段、前記密度解析手段及び前記仮想スライドを形成するためのデバイスを形成する、単一のカメラを備える。
前記自動化デバイスは、確実に固くプレートを保持することができる、少なくともプレートを位置決定するための手段、並びに少なくとも当該プレートの位置を認証することができるボタンを備える、支持体を備える。
前記自動化デバイスは、上記プロセスを実施するように配置されている。
前記細胞懸濁物は、細胞学的懸濁物である。
前記細胞学的懸濁物は、以下:
生理食塩水590ml;
PEG10ml;
イソプロピルアルコール203ml;
純粋エタノール193ml;及び
アジ化ナトリウム0.01体積%;
を含有する固定溶液を80〜95体積%、並びに20〜5体積%の4%緩衝ホルムアミドを含有する。
本発明は、例示としてのみ提供される、添付される図面に関する以下の説明を読むことにより、よりよく理解され得る。
図1は、本発明に係る自動化されたサンプリング及び解析デバイスの断面の模式図である。
図2は、図1の自動化デバイスの斜視図の模式図である。
図3は、調製及び解析のための自動化されたデバイスの受取りプレートの平面図の模式図であって、各受取りボトルは、細胞懸濁物を含む。
図4は、前記自動化デバイスに装填されるボトルの断面図である。
図5は、前記自動化デバイスに装填されるデカントウェルの断面図である。
図6は、図1及び2の自動化デバイスの解析手段の斜視図の模式図である。
図7は、細胞懸濁物を調製及び解析するためのプロセスの混合工程の過程のボトルの断面図である。
上記図面を参照して、調製及び解析の自動化を可能とする細胞懸濁物を調製及び解析するための自動化デバイス2が記述される。
図1及び2は、固定された細胞学的懸濁物等の解析される細胞懸濁物5を含有する1つ以上のボトル4を調製及び解析するための自動化デバイス2を例示する。
前記細胞学的懸濁物5は、サンプリングブラシ(記載省略)等を使用して実施される頸部スメアに由来してもよい。この細胞学的懸濁物は、特に細胞を含有する。
そして、前記ブラシは、固定溶液を含有するボトル4に浸漬され、フィルターにこすり付けられて細胞が抽出及び回収されて、そうして細胞懸濁物5が形成される。
前記固定溶液は、細胞学者による解析のために、細胞学的試料や生検を保存することを意図する。ゆえに、固定溶液は、有核細胞や赤血球の完全性、特に形態を、サンプリングされる前の状態で維持しなければならない。
前記固定溶液は、細胞学者により解析される生物学的細胞を含有する細胞学的試料をインビトロで保存することが意図される。
Saccomannoらの報告により既知であるように、アルコール固定溶液は、Carbowax(登録商標)又はポリエチレングリコール(PEG)も含有し得る。既に公知であるように、ホルムアルデヒドは、エチレンジアミン4酢酸(EDTA)やその塩等の脱灰又は抗凝集剤と協調し得る。加えて、既に公知であるように、ジチオスレイトール(DTT)又はアセチルシステイン等の粘液溶解剤が、粘液を含有する試料に添加されてもよい。
ホルムアルデヒドは、赤血球や有核細胞を溶解せずに保存するのに使用されるため、サイズに関して細胞学者によるより妥当な診断が可能な参照を保証する。
下記実施例において、その範囲を限定せずに、前記固定溶液を例示する。
溶液は、80体積%の以下の混合物:
生理食塩水590ml;
PEG10ml;
イソプロピルアルコール203ml;
純粋エタノール193ml;及び
アジ化ナトリウム0.01体積%;
並びに20体積%の4%緩衝ホルムアルデヒドからなる。
本発明の固定溶液は、アセトンや、ケトン又は酢酸のファミリーに由来する化合物を含有しない。これらの製品は赤血球細胞の溶解を引き起こし、内容物のヘモグロビンが放出されて、細胞に結合するからである。幾つかの核染色剤をヘモグロビンと結び付ける染色剤の複雑さのため、幾つかの種類の染色、例えばパパニコロー染色は、細胞学的解析及び特に核の解析を非常に困難にし、場合によっては不可能にする。同様に、免疫化学的試験も、ヘモグロビンの堆積によりしばしば阻害される。
本発明において、アセトンや、ケトン類又は酢酸類に由来する化合物を含有しない、本明細書中に記載の固定溶液中で固定された試料の、パパニコロー染色又は免疫細胞化学試験による試料の解析が改善される。
故に、上記固定溶液は、解析の観点で、有核細胞及び赤血球の完全性の良好な保存を可能とする。
加えて、上記PEG及び/又はホルムアルデヒドを含有する固定溶液は、細胞学において使用される本質的にアルコールベースである公知の固定溶液と比重が異なる。出願人は、前記固定溶液が、細胞学で使用される公知の固定溶液と比較してより効率的に、密度勾配により、所望の細胞の選択を可能とすることを確認した。
前記自動化デバイス2は、更に、解析される細胞懸濁物5を含有する1つ以上のボトル4を担持する1つ以上の受取りプレート6、及び当該受取りプレート6がその上に配置される支持体8を有する。
前記受取りプレート6は、細胞懸濁物5を含有する複数のボトル4が、全ての又は一部の当該懸濁物について同時に、又は連続して、複数の解析される細胞懸濁物5を迅速かつ自動的に調製するのを支持することを目的としている。当該受取りプレート6は、本出願人により出願された欧州特許出願EP-2111300に既に記載されており、プレート6上の少なくともボトル4の位置を決定し、これを確実に硬く固定することが出来る。当業者はこの文献を参照するであろうから、このプレートは本明細書中ではこれ以上記載しない。当該プレートの模式図を図3に示す。
前記支持体8は、前記自動化デバイス2中に固く確実にプレート6を固定できるプレート6の位置を決定するための手段を備える。これらの位置決定手段は、プレート6の末端部分を受け取る手段9を含み、当該プレートは、前記自動化デバイス2中に配置されたときに、当該手段9に対向して、又はその中に配置される。
加えて、前記プレート6は、支持体8上に位置決定手段を備える。これらの位置決定手段は、プレートを貫通しない1つ以上の開口部10を備え、当該開口部は、前記自動化デバイスの支持体8上にプレートが確実に固定されたことを保証する。好ましくは、前記プレート6は、当該プレート6の長軸に直角に配置された2つの同一の開口部10を備える。
前記自動化デバイスの支持体8は、前記プレート6と適合する位置決定手段を備える。これらの手段は、1つ以上の突起12を備え、好ましくはプレート6の開口部10と同数備える。プレート6が支持体8の上に配置されたときに、突起12が対応する開口部10の内側にはめ込まれるように、突起12の形状は前記プレートの開口部10の形状と適合するが、それよりも僅かに小さい。従って、前記プレート6は、前記支持体8上に、固く確実に固定される。
また、前記自動化デバイス2の支持体8は、当該支持体8上でのプレート6の適切な水平位置を評価するためのボタン14又は押しボタンを備える。前記プレート6が適切に配置され、即ち当該プレートの下側の全体が支持体8と接触しているとき、前記突起12が開口部10に受け取られることにより、前記押しボタン14がこの目的で提供された支持体8の空間16に押し込まれ、プレート6が正しく配置されたことを保証し、そして自動化デバイス2の動作が可能となる。当該押しボタン14が自動化デバイスに押し込まれない限りは、当該自動化デバイスは動作が妨げられる。
加えて、前記自動化デバイス2は、以下でピペッティング又はサンプリング手段ともいうピペッティング-分注手段20を備え、当該手段は、細胞懸濁物5の試料のサンプリング及び/又は分注及び/又は充填を可能とする。これらのピペッティング手段20は、上記受取りプレート6の上に展開する。前記試料は、解析される関心のある要素、例えば細胞を含有する細胞懸濁物5の正確な体積部分である。
これらのピペッティング手段20は、サンプリング及び/又は充填のために、図1に矢印で示すように、各ボトルの上を移動することができる。当該ピペッティング手段20は、1つ以上のピペット22又は針で構成され、好ましくは複数のピペット、例えば4つ又は8つのピペットで構成され、これらが平行に配列することにより、複数のボトル4から同時に試料を取り出し、それらの解析を同時に行うことが出来る。
前記ピペッティング手段20は、自動化デバイス2上でプレート6の上方を移動する第一のロボットアームに取り付けられる。
前記プレートの正確な位置決定を保証するデバイス(突起10/開口部12及び押しボタン14)は、当該プレートがピペッティング手段20に対して不適切な位置に取り付けられた場合に起こり得ることである、ボトル4の縁と針又はピペット22との接触を防ぐことにより、針又はピペット22の破損を避けることが出来る。故に、破壊又は変形した設備の交換に関する技術サービスの余分なコストの発生を防ぐことが出来る。
また、前記自動化デバイス2は、ピペッティング手段20によりサンプリング又は分注される細胞懸濁物5の試料を受け取る/含有することが意図される、1つ以上の解析支持体を備える、調製及び解析系30を備える。
例えば、前記調製及び解析系30の解析支持体は、スメアスライド32、サンプリング又は分注チューブ34、解析又はデカントウェル36を、実施者により選択される解析モードに依存して備え得る。
前記解析支持体32、34、36は、プレート6上に確実に硬く固定される。
この調製及び解析系30を下記により詳細に記載される。
解析される細胞懸濁物5を含有するボトル4は、図4を参照して詳述される。
好ましくは、このボトル4は、文献EP-2111300に記載のものと同じ特徴を有することにより、受取りプレート6上にボトル4を固定することができ、文献WO-2006/058989に記載の幾つかの特徴を有することにより、細胞懸濁物を調製及び解析することが出来る。
図4に関して、細胞懸濁物5を含有するボトル4は、本体40を備え、これは例えば筒状である。当該本体40から下端42が伸び、ブロック手段44が当該本体のいずれかの側に配置されてそこから突き出していることにより、縦及び隆起方向において、文献EP-2111300に記載のように、受取りプレート6上にボトル4をブロックできる。当該ブロッキング手段44はプレート6のレールの溝にかみ合うようになっていることにより、当該ボトル4を好ましい方向にブロックする。当業者は、当該文献を参照して、このボトル4と受取りプレート6の関係を理解することができる。
加えて、当該ボトル4は、ピペット等の自動化デバイスのピペッティング手段10の貫通が可能な、穿孔可能で自己回復可能な膜48等を有するキャップ46を備える。この穿孔可能で自己回復可能な膜48は、特に、ボトルからキャップ46を取り外さずに細胞溶液の試料を取り出すことを可能とするので、調製及び解析プロセスを通じて密封されたボトルの中にあることにより、医師又は研究機関により採取された後の試料の、完全に安全な保管を保証することが可能となる。加えて、当該構造は、研究機関の技術員が固定溶液を汚染し、又は吸入するリスクを完全に避けることが出来る。
各ボトル4のキャップ46は、更に、ボトル4中に含有される細胞懸濁物5を同定するための視覚的マーキング50又は識別印を備える。例えば、この視覚的マーキング50は、バーコードである。当該マーキング50は、試料番号をコンピューター管理することにより、調製及び解析の間での完全なトレーサビリティーを提供する。
他の態様において、前記同定手段は様々なものであり、例えば、その内容が読み取り手段により読み取られ得る、データ伝送ラベル又はRFIDチップ型の電子チップを含む。
サンプリングブラシの使用を要する細胞学的試料の調製を意図する一つの態様において、ボトル4は、文献WO-2006/058989に記載されるように、懸濁物中に少なくとも部分的に浸漬される濾過手段52を備える。これらの濾過手段52は、籠を形成する材料の濾過網の形態をとり、例えばその端が前記ボトルの本体40に結合し、その中央が当該ボトルの口に向かって伸長しているチューブ54に結合しており、当該チューブは、当該ボトルを定位置に固定する手段と協調して、前記自動化デバイスの細胞溶液サンプリング手段20、特に細胞懸濁物を吸引するピペッティング手段22を前記濾過手段の下側に通す。
好ましくは前記濾過材料の網は編んだナイロンであり、生検を傷める事無くブラシを材料にこすり付けたときの機械的作用により細胞の剥離を可能とする。
加えて、ボトル4の下側の部分は、デカントコーン56を備える。
また、周知であるように、ボトル4は、取り外し可能な形でハンドルに取り付けられた細胞学的サンプリングブラシを受け取ることが意図される口を備える。当該ボトルの口は、ブラシ隣接手段を備えることにより、前記ブラシはボトル中にブロックされて、ハンドルから取り外される。
当業者はこのボトルの具体的な詳細に関して前記文献を参照するであろうから、本明細書では更に記載はしない。前記ボトルを用いることにより、サンプリング針を阻害又は破壊する事無く、ブラシを保存することが出来る。生検査型の標本等のためのサンプリングブラシの使用や生体液の回収を要しない細胞学的試料の調製を意図する一つの態様において、前記ボトル4は、中央のチューブも濾過手段も備えない。
前記調製及び解析系30は、詳細に記載される。
図5に関して、調製及び解析系30は、好ましくは、解析スライド上でデカンティングすることにより細胞を堆積させるデバイス60を備える。当該解析スライド上でデカンティングすることにより細胞を堆積させるデバイス60は、既に文献FR-2917165に記載されているため、当業者はこれを参照することが出来る。
当該デバイス60は、解析スライド32の上に配置された1つ以上のデカントウェル36及び吸収材料62を備える。
前記解析スライド32は、端の部分に、例えばバーコード型の視覚的マーキング等の同定手段50を備える。
前記懸濁物は、ピペッティング手段20を使用して、解析スライド32の上に置かれ、その下部が開口しており、当該解析スライド32の細胞堆積部分に伸長している、デカントウェル36の受取りチャンバー64に分注される。当該チャンバーの下部は、保存又は固定液を徐々に吸収するための吸収材料62と液体連結しているため、解析スライド32の細胞堆積領域上に、細胞のデカンテーションによる均一な堆積が可能となる。この方法により、短いデカンティング時間で均一な細胞堆積が取得される。
前記吸収材料62は、前記受取りチャンバーの下部と細胞堆積領域の周囲の解析スライドとの間に挟まれて、デカンティング圧迫体66により部分的に圧迫される。
図5及び6に関して、前記調製及び解析系30は、解析スライド32を形成するように、デカンティングチャンバー中の細胞密度を測定するための手段70を備える。当該細胞密度測定手段70は、文献FR2922019に記載されており、当業者は当該文献を参照し得る。
故に、前記細胞密度測定手段70は、プレート6、即ちデカンティングチャンバー64の内容及び解析スライド32の画像を記録するように配置された、カメラ72を備える。
加えて、前記細胞密度測定手段70は、カメラの周囲に取り付けられたスリーブ74を備えることにより、カメラ72が下降してデカンティングチャンバー64の内容の画像を取得するためにチャンバー上に配置されたとき、このスリーブ74が前記デカンティング圧迫体66と接触して、画像取得に最適な暗室を形成する。
細胞密度測定手段70は、更に、カメラ72による細胞密度の測定を実施するために、デカンティングチャンバーに光を照射する手段を備える。当該照射手段は、例えばカメラ72に取り付けられる、光源76を備える。カメラ72が下降するとき、光源76が、最適な光の放射を行うため、解析スライド32の縁のできるだけ近くに運ばれる。そして、当該光源76は、解析スライド32中に光を照射する。
前記細胞密度測定手段70は、プレート6のボトル4の上に移動する第二のロボットアーム上に取り付けられる。
一つの変法において、系30の解析支持体は、1つ以上のサンプリング又は分注チューブ34、及び複数のチューブ34が定位置に硬く固定されるように挿入され得る支持体80を備える。当該分注チューブ34の支持体80は、前記ピペッティング手段20が、分注チューブと同じプレートに固定されているボトル4中に含有される細胞学的溶液5の試料を取り出して、これらを分注チューブ34に分注できるように、プレート6に確実に取り付けられている。
解析スライド32上に配置され、吸収材料62を有するデカンティングウェル36、あるいはサンプリング又は分注チューブ34が、解析前の段階でより良好な制御を可能とする非染色スライド上での密度解析の結果に相関して、又は組織的に、補足的技術を同時的又は時差的に実施するために、同一の担体上で関連し得る。
前記自動化デバイスは、更に、ボトル4上の視覚的マーキング32を同定するための遠隔読み取り手段90を備える。これらの読み取り手段90は、広視野カメラを備え、受取りプレート6の上に展開する。これらの遠隔読み取り手段90は、自動化デバイスの第二の可動ロボットアームにより運搬され、当該第二のアームは、視覚的マーキング50又はキャップ46上にマークされた識別印の読み取りを実施するために、プレート6上に硬く固定されたボトル4の上を順次移動する。
前記カメラは、解析スライド32の同定データ50を読み取ることが出来るように配置される。このデータは、例えば、複数の解析スライドの質のモニタリング及び当該スライド上に堆積した細胞スメアのデータのグルーピングを確保するデータ処理システムに伝達される。このデータは、特に、細胞スメアの起源を含み、ボトル4の上のマーキングと解析スライドのマーキングはペアになっている。
1つの好ましい態様において、細胞密度測定手段70のカメラ72は、視覚的マーキング50の読み取りを可能とする。この場合、細胞密度解析手段70及び遠隔読み取り手段90は、スペースの節約のために、組み合わせられる。
好ましくは、前記マーキング50は、キャップが本体に固定されているときに適切な一定の方向に向くため、これらのマーキングを読み取るための遠隔手段90の使用が容易になる。一定の方向は、EP2111300に記載のボトル4をブロックする手段44を通じて取得され得る。
これらの遠隔読み取り手段90は、ボトル4が特定の方向を向いているため、それらが想定される解析系(スメアスライド32、サンプリング又は分注チューブ34、解析ウェル34・・・)と単一又は多重に適合できるように、これらのボトルの単一又は多重の観察を可能とする。言い換えると、前記読み取り手段90は、単一のボトル4のマーキング50の、又は同時に複数のマーキングの読み取りを可能とする。例えばデカンティング圧迫体66中に配置された解析スライド32等に対応するこの固定された位置決定は、ボトル4の支持体として作用する文献EP2111300中に記載のレールの連続の中にあり、そのため、1つの同じ単一のプレートが、遠隔読み取り手段のためのスライド32及びボトル4の好ましい位置取りを可能とし、単一又は複数の観察を可能とする。故に、複数のボトルの集団での処理が可能で、そのような処理は、解析速度を向上させる。
前記自動化デバイスは、更に、図示されていないが、細胞試料の種類に関連して使用者により設定されるパラメーターの選択を収集し、ロボットアーム、ピペッティング手段20、読み取り手段90、細胞密度解析手段70、押しボタン14を制御(動作、サンプリング体積、カメラ捕捉、光源等)するための処理手段を備える。
一つの態様において、自動化デバイスは、図示されていないが、更に、自動化デバイス2の支持体8の上に確実に固定された支持体を備え、当該支持体は、細胞の核、細胞質又は他の成分等の細胞の特定の実体を染色又は標識するのに一般に使用される溶液を含むボトルを備える。この染色又は標識溶液のための支持体は、当業者により日常的に実施されるような解析スライド上で実施される染色又は標識工程を可能にする。この染色又は標識工程は、ピペッティング手段20を使用して実施され、当該ピペッティング手段が前記染色または標識溶液のボトルの上方に移動し、必要な体積を取り出し、前記解析スライドの上に移動し、そこでピペッティング手段が内容物を分注する。
一つの態様において、前記自動化デバイス2の解析系30は、更に、文献FR-2931966に記載されるような試料の仮想スライドを形成するための手段を備え、当該手段は、カメラを備える。一つの態様において、前記解析手段及び/又は読み取り手段のためのものと同一のカメラが使用される。
そして、前記自動化デバイスは、前記読み取り手段90、細胞密度解析手段70、及び仮想スライドを形成するデバイスを形成する単一のカメラを備えることにより、スペースの節約が可能となる。
上記自動化デバイス2より実施されるこれらの懸濁物を調製及び解析するプロセスは、解析スライド32の調製において更に詳述される。
調製及び解析される細胞試料を採取し、これらをボトル4に移した後、実施者は、キャップ46を用いて当該ボトル4を確実に密封する。これらの懸濁物を調製及び解析するプロセスは、ボトル4をその後に開けること無く効果的に実施される。
他の態様において、細い針を使用した穿孔(Fine Needle Aspiration)により回収される場合、実施者は、前記キャップを一度も開けること無く、前記ボトルの自己回復膜を貫通して針を挿入することにより、当該細胞試料を、ボトル中に注入することが出来る。
技術者又は使用者は、充分な固定時間の後、例えば2時間以上後、細胞懸濁物5を含むボトル4をローディングプレート6に装填し、解析系30の容器、好ましくは解析スライド32と同数のボトル4を装填できる。
前記吸収シート62は、プレート6の上に位置することにより、各解析スライド32は、ローディングプレート6及び吸収シート62の間に配置される。複数のデカンティングウェル36が、デカンティング圧迫体66中に装填される。当該デカンティング圧迫体66はプレート6の上に装着され、各デカンティングウェル36は、文献FR-2917165に記載されるように、解析スライド32の上に置かれる。
前記プレート6は、自動化デバイス2中の支持体8上に装填され、プレート6及び自動化デバイス2の支持体8の位置決定手段10及び12により、並びにプレートの配置が適正か否かを評価する押しボタン14により、定位置に確実に固定される。
技術者又は使用者はソフトウエアを立ち上げ、自動化デバイスに配置された試料の数及び種類に関する非常に単純なパラメーター設定をして、当該調製作業を開始する。
前記読み取り手段90は、ボトル4及び解析スライド32の視覚的マーキング50を同定し、解析される溶液を含有するボトル4と調製される解析スライド32との間の関連性の決定を可能とする。
サンプリング手段20は、解析される細胞溶液5を含有するボトル4の上方に配置される。当該サンプリング手段20の針又はピペット22は、ボトル4の蓋46の自己回復膜48を貫通して、細胞懸濁液をボトルに注入する。
ボトル4中の細胞懸濁物の試料は、サンプリング手段20のピペット20により取り出される。
この目的のため、図7の矢印F等により示すように、細胞懸濁物5は、第一の体積の細胞溶液を吸引/サンプリングし、そして当該細胞懸濁物中に当該第一の体積を放出/排出することにより、ピペッティング手段20のピペット20により解析ボトル4中で混合される。好ましくは、前記第一の体積は、実質的には、50〜2000μLの細胞溶液である。この工程の目的は、ボトル4のデカンティングコーン56の壁上の解析される細胞試料5の細胞集団を破壊/解離することである。また、ボトル中に再注入された細胞は前記濾過手段を通過して、フィルターの網目よりも大きいサイズの細胞集団を破壊するため、取得される試料の第二の濾過及び試料の再懸濁を可能とする。
細胞溶液の最初のデカンティングは、第一の期間の間実施される。好ましくは、当該第一の期間は、選択される解析モードに依存して実質的に5分〜12時間であり、例えば解析スライドの調製においては15分である。この工程において、解析される関心のある細胞と、炎症又は出血性の細胞との間の勾配を取得することが可能である(ディファレンシャルデカンティング)。
前記溶液の吸引工程が次に実施され、これらの溶液は、解析容器中で堆積される。この工程は、
i)細胞の種類又は緩衝剤に拘らず解析スライド32に細胞を接着させる一定量の接着剤をピペッティング手段20により吸引する工程
ii)任意で、FR2919054に記載されるような一定量の空気を吸引する工程
iii)関連する細胞、即ち第一のディファレンシャルデカンティングの後に溶液の下部に位置する細胞を含有する、デカンティングコーン56の底部にある一定量の細胞溶液を吸引する工程
を含む。
好ましくは、前記接着剤及び細胞溶液の体積は等量で、実質的に50〜1000μL、例えば250μLである。
分注チューブを使用する態様において、接着剤の体積は0である。
また、好ましくは、一定量の細胞溶液の最後のサンプリング工程は、それ自体、2つの小工程:「微小混合」という第一の小工程、及び所望の体積の細胞溶液を吸引する第二の小工程を経て実施される。
「微小混合」工程は、前記ボトルのデカンティングコーンの底の直上、例えば2mm上の、一定量、例えば20〜200μl、あるいは100μlの細胞溶液を吸引して、ピペッティング手段20は、サンプリングした体積の一部、例えば50μlを、「死んだ体積又は残留物」100を避けるため、実質的に同じ場所に再注入する。即ち、当該再注入により、ピペッティング手段20の注入力を通じてデカンティングコーン56の底から細胞を剥離させ、均一な懸濁液に戻す。
この「微小混合」工程は任意のものであり、一定体積の細胞溶液の単純なサンプリング工程により置き換えられても良い。
解析スライド32に細胞が接着するように適用される接着剤の使用は、細胞の接着のための特定の処理を行っていないスライドを使用することを可能とする。そのため、解析される細胞溶液の調製及び解析のコストを減少させられる。
例えば、250μlの接着剤をとり、そして関心のある細胞を含有する100μlの細胞溶液をとり、そして当該ピペット中に含まれた細胞溶液試料50μlを再注入し、そして200μlの細胞溶液をとって、関心のある細胞の溶液の量と接着剤の量を等しくする。
そして、前記ピペット22を、文献FR2919054に記載のように、当該ピペットの内容物を混合するように自動的に作動させられる。この工程は、文献FR2919054に記載されるような希釈方法に続いて、前記試料を希釈して接着剤又は緩衝剤中の均一な懸濁物とすることを可能とする。
他の態様において、前記緩衝溶液は、標識又は染色成分を含有していてもよい。
前記ピペッティング手段20は、デカンティングウェル36の上方に移動して、デカンティングチャンバー64中に前記試料を分注/堆積させ、そして解析されるべき細胞スメアを含む解析スライド32を形成する。当該細胞スメアは、当業者に参照されうる文献FR2917165に記載されるようなデカンティングウェル中に試料を堆積させることにより形成される。
第二のデカンティングが、第二の期間の間、前記スライドにおいて実施される。好ましくは、前記第二の期間は、実質的に5〜60分であり、好ましくは15分であり、この期間中に、解析スライドが形成される。
サンプリング工程及びスライド32形成工程は、細胞学者による診断に必要な病理的及び関連する細胞を差分的に選択することにより、解析されるボトル4のそれぞれについて反復される。
デカンティングウェル36の底の細胞の堆積を解析する工程は、細胞学的解析を対象としたものであっても、又は例えば文献FR-2922019に記載されるような追加の生物学的技術を対象としたものであっても、全ての試料の解析前の調査を提案するために、解析スライド32上の細胞密度を測定することにより実施される。当該工程は、前記スライド32において適切な細胞密度を得るために前記試料を自動的に再調整することが出来るように、前記細胞懸濁物が、妥当な診断を導き出すのに充分な細胞の堆積を含むか否かを判定するのに使用される。当該工程は、細胞溶液5から調製された解析スライド32の質のモニタリングを可能とする。
一つの態様において、この細胞堆積の解析工程の後、自動的な染色又は標識工程が実施される。
一つの態様において、前記ピペッティング手段20は、複数の針、好ましくは4本又は8本の針を備えることにより、複数の細胞懸濁物の調製及び解析を並行して行うことが可能で、故に、解析スライドを調製する速度が向上する。
本発明の自動化デバイスは、スメア及び他の薄層細胞試料の調製を自動的に行うことが出来る。
本発明の自動化デバイス2の長所の1つは、ボトル4から解析スライドまでが完全に密封されているため、全ての細胞溶液及び細胞学的標本の完全性が確保され、コンタミネーションのリスクが完全に回避され、そして実施者の更なる安全が保証される(固定溶液の吸入の防止)。この長所は、薄層細胞スメアを得るための、濾過手段とデカント手段を組み合わせたボトルの使用にも起因する。
加えて、文献US 2009/0233331に記載されているような自動化デバイスと異なり、前記ボトル4は自動化デバイス2の支持体上に硬く固定されており、ボトル4の上方で移動する、ピペッティング手段20、読み取り手段70及び密度解析手段20等の系とは別個のものであることで、研究室での操作の安全性の向上を保証する。
加えて、前記デバイスは、良好な標準化を可能とする。全ての試料は、
-ボトル及び他の容器(解析スライド、分注チューブ、デカンティングウェル)を含むプレートの正確な固定された位置決定により、ボトルのデカンティングコーン中、1mmの10分の1以内の同一のポイントで;
-ピペッティング手段により誤差1マイクロリットル以内の等量で;そして
-全ての試料が同一の方法の後に回収されるため、同時に;
効果的に取得される。
加えて、試料の数のコンピューター管理による解析の過程での完全なトレーサビリティーは、配置されたボトルのキャップ上の視覚的マーキングと、解析スライド等の調製容器の視覚的マーキングとの関連性を、当該視覚的マーキングの遠隔読み取り手段を使用して取得することにより行われる。
解析スライドを形成するための自動化デバイスにより実施される細胞密度を調製する方法は、必要な場合病理細胞の相対密度を増大させて、スリム化されながらも有益な解析コンテクストを維持しつつ、スメアの質を改善し、選択された成分を保全する。この方法により、伝統的な技術や半自動化薄層細胞技術と比較して、より合理的な解釈が提供される。
加えて、1つのボトル又は複数のボトルを同時に自動的に調製することにより、伝統的な技術や半自動化薄層細胞技術と比較して技術的調製時間を90%短縮することが可能となる。
以上のように、本願の自動化技術は、真正の品質保証システムを設計し、薄層の堆積を標準化し、スメアの再現性を改善し、そして細胞の完全性と読み取りの促進を保証することができる。また、当該技術は、技術的及び読み取りのコストを明確に減少させることができる。

Claims (23)

  1. 複数の細胞懸濁物(5)を調製及び分析するプロセスであって、少なくとも以下の連続的工程:
    (a)受取りプレート(6)上に複数のボトル(4)を装填し、各ボトル(4)が解析される細胞懸濁物(5)を含有する工程;
    (b)当該受取りプレート(6)上に複数の、サンプリング又は分注チューブ(34)、沈降ウェル(36)及び解析スライド(32)からなる解析容器(32、34、36)を装填する工程;
    (c)細胞懸濁物(5)の試料を1つのボトル(4)から取り出し、当該試料を解析容器(32、34、36)中に置き、これが解析される各ボトル(4)において繰り返される工程;
    を含み、当該(c)細胞懸濁物(5)の試料を1つのボトル(4)から取り出し、当該試料を解析容器(32、34、36)中に置く工程が、以下の工程:
    (i)ピペッティング手段(20)を使用して細胞集団を解砕する工程;
    (ii)試料を懸濁物に戻す工程;
    (iii)沈降分離(differential decanting)により関心のある細胞を選択する工程;及び
    (iv)沈降分離により生じた体積(100)をピペッティング手段(20)を使用して吸引し、当該体積(100)が解析される試料を含有する工程;
    (v)当該体積を解析容器の中に置く工程;
    を含み、当該工程(iv)が、1つ以上の微小混合(micro−mixing)工程を含み、当該工程において、前記ボトルの沈降コーンの底の直上の一定量の溶液が吸引され、そして同じ場所に再注入されることにより、沈降コーンの底から細胞を剥離させ、残留を防ぐことを特徴とする、前記プロセス。
  2. 前記(c)細胞懸濁物(5)の試料を1つのボトル(4)から取り出し、当該試料を解析容器(32、34、36)中に置く工程が、当該ボトル(4)中の細胞懸濁物(5)を混合及び濾過する1つ以上の工程を含むことを特徴とする、請求項1に記載のプロセス。
  3. 前記(c)細胞懸濁物(5)の試料を1つのボトル(4)から取り出し、当該試料を解析容器(32、34、36)中に置く工程が、更に、少なくとも以下の工程:
    (g)前記解析される試料を含有する体積(100)を前記ピペッティング手段(20)中で均一な懸濁物に戻す工程;
    (h)前記ピペッティング手段(20)を移動させて、前記解析容器(34、36)の上に置く工程;
    (i)前記解析される試料を、前記解析容器(32、34、36)内に分注する工程;
    を含む、請求項1又は2のいずれか1項に記載のプロセス。
  4. 各解析容器(32、34、36)沈降ウェル(36)及び当該沈降ウェル(36)に対面して置かれた解析スライドを備えること、並びに前記プロセスが、以下の連続的工程:
    (j)各解析スライド(32)が前記プレート(6)及び吸収シート(62)の間に配置されるように、プレート(6)上に吸収シート(62)を置く工程;
    (k)圧迫体(press)(66)中に複数の沈降ウェル(36)を装填し、そして各沈降ウェル(36)が解析スライド(32)の上方に、及び対面して配置されるように、プレート(6)の上に当該圧迫体(66)を置く工程;並びに
    (l)解析スライド(32)上に細胞解析スメアを形成する工程、当該細胞スメアは沈降ウェル(36)中の試料の堆積に由来する;
    を含むことを特徴とし、工程(j)及び(k)は、複数の解析容器の装填の工程(b)の後、かつ細胞懸濁物の試料を取り出す工程(c)の前に実施され、そして工程(l)は細胞懸濁物(5)の試料を取り出す工程(c)の後に実施される、請求項1〜3のいずれか1項に記載のプロセス。
  5. 解析スライド(32)上の細胞密度を測定することにより沈降ウェル(36)の底部の細胞の堆積を解析する工程を含むことを特徴とする、請求項4に記載のプロセス。
  6. 自動化された細胞染色又は標識工程を含むことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載のプロセス。
  7. 解析される細胞懸濁物(5)を含有するボトル(4)を予め完全に密封する工程を含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のプロセスであり、前記ボトル(4)をその後に開封せずに実施される、前記プロセス。
  8. 各解析容器(32、34、36)がサンプリング又は分注チューブ(34)を含むことを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載のプロセス。
  9. 1つ以上の細胞懸濁物(5)を調製及び解析するための自動化デバイス(2)であり:
    −解析される細胞懸濁物(5)を含む1つ以上のボトル(4);
    −その上にボトルが置かれ、確実に固く固定される、1つ以上の受入れプレート(6);
    −細胞懸濁物(5)を沈降するための1つ以上の沈降ウェル(36)、当該沈降ウェル(36)は前記プレート(6)上に置かれ確実に硬く固定される;
    −細胞懸濁物(5)の試料を受け入れ/含むための1つ以上の解析スライド(32)を備えた解析系(30)、当該試料は解析される要素を含有する細胞懸濁物(5)の一部の体積であり、そして当該解析スライド(32)は沈降ウェル(36)の下方に、及び対面して、かつプレート(6)上に配置され、確実に固く固定される;
    を備え
    前記自動化デバイス(2)が、ボトル(4)から細胞懸濁物(5)の試料を取り、そして当該試料を解析系(30)の解析スライド(32)上の沈降ウェル(36)内に分注することができるピペッティング手段(20)を備え、これらのピペッティング手段(20)が細胞集団を解砕できるように配置されており、
    前記自動化デバイス(2)が、試料を懸濁物に戻すこと、沈降分離により関心のある細胞を選択すること、及び沈降分離により生じた体積(100)をピペッティング手段(20)を使用して吸引し、当該体積(100)が解析される試料を含有すること、及び当該体積を解析スライド(32)の中に置くことが可能であり、
    前記ピペッティング手段が、前記ボトルの沈降コーンの底の直上の一定量の溶液を吸引し、そして当該溶液を同じ場所に再注入することにより、沈降コーンの底から細胞を剥離させ、残留を防ぐ、
    ことを特徴とする、前記自動化デバイス。
  10. 前記ピペッティング手段(20)が取り付けられた第一の可動アームを備え、当該アームが、少なくとも、ボトル(4)、沈降ウェル(36)及び解析スライド(32)を固定する受入れプレート(6)上を跨いで移動することを特徴とする、請求項9に記載の自動化デバイス。
  11. 前記ピペッティング手段(20)により細胞学的溶液と混合されることが出来る染色又は標識溶液を備えることを特徴とする、請求項9又は10のいずれか1項に記載の自動化デバイス。
  12. 各ボトル(4)及び各解析スライド(32)が視覚的マーキング(50)を備えること、および前記自動化デバイスが当該視覚的マーキング(50)を読み取る手段(90)を備えることを特徴とする、請求項9〜11のいずれか1項に記載の自動化デバイス。
  13. 前記読み取り手段(90)がカメラを備え、当該カメラが第二の可動アームにより運搬され、当該第二のアームが、少なくとも、ボトル(4)、沈降ウェル(36)及び解析スライド(32)を固定する受入れプレート(6)上を跨いで移動することを特徴とする、請求項9に従属する請求項12に記載の自動化デバイス。
  14. 前記ボトル(4)が、沈降コーン(56)の上方に配置された濾過手段(52)を備え、前記ピペッティング手段(20)が、それらが当該濾過手段(52)の下部の細胞懸濁物(5)の一部をサンプリングし、当該一部を沈降コーン(56)に再び注入するように配置されていることにより、当該細胞懸濁物を混合し、そして当該懸濁物が当該濾過手段を1回以上通過することにより、当該濾過手段(52)のメッシュサイズよりも大きい細胞集団を解砕することを特徴とする、請求項9〜13のいずれか1項に記載の自動化デバイス。
  15. 前記試料の解析系(30)が、解析スライド(32)上の沈降ウェル(36)の底部の細胞堆積の細胞密度を解析するための手段(70)を備えることを特徴とする、請求項9〜14のいずれか1項に記載の自動化デバイス。
  16. 解析スライド(32)上の沈降ウェル(36)の底部の細胞堆積の細胞密度を解析するための前記手段(70)がカメラを備える、請求項15に記載の自動化デバイス。
  17. 試料の解析系(30)が、当該試料の仮想スライド(virtual slide)を形成するためのデバイスを備える、請求項9〜16のいずれかに記載の自動化デバイス。
  18. 前記試料の仮想スライドを形成するためのデバイスがカメラを備えることを特徴とする、請求項17に記載の自動化デバイス。
  19. 前記読取り手段(90)、前記密度解析手段(70)及び前記仮想スライドを形成するためのデバイスを形成する、単一のカメラを備えることを特徴とする、請求項13、14、又は18のいずれか1項に記載の自動化デバイス。
  20. 確実に固くプレート(6)を固定することができる、少なくともプレート(6)を位置決定するための手段(9、12)、並びに少なくとも当該プレート(6)の位置を認証することができる押しボタン(14)を備える、支持体を備えることを特徴とする、請求項9〜19のいずれか1項に記載の自動化デバイス。
  21. 請求項1〜7のいずれか1項に記載のプロセスを実施するように配置されることを特徴とする、請求項9〜20のいずれか1項に記載の自動化デバイス。
  22. 前記細胞懸濁物(5)が細胞学的懸濁物であることを特徴とする、請求項9〜21のいずれか1項に記載の自動化デバイス。
  23. 前記細胞学的懸濁物が、以下:
    生理食塩水590ml;
    PEG10ml;
    イソプロピルアルコール203ml;
    純粋エタノール193ml;及び
    アジ化ナトリウム0.01体積%;
    を含有する固定溶液を80〜95体積%、並びに20〜5体積%の4%緩衝ホルムアミドを含有することを特徴とする、請求項22に記載の自動化デバイス。
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