JP5892995B2 - プレス機械の運転方法およびプレス機械の制御装置 - Google Patents

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    • B30B15/14Control arrangements for mechanically-driven presses
    • B30B15/148Electrical control arrangements

Description

本発明は、プレス機械の運転方法およびプレス機械の制御装置に関する。
プレス機械は運転中に一時的に大きなモータトルクが必要であり、このようなプレス機械においてサーボモーターを用いるもの(以下、サーボプレスともいう)が知られている(特許文献1)。サーボプレスには、例えばコンバーターやコンデンサーを含むエネルギー蓄積部を備えるものがあり、電源からエネルギーを徐々に蓄積し、プレス加工時のエネルギーをエネルギー蓄積部から放出することができる。例えば特許文献2のサーボプレスはエネルギー蓄積部を有しており、サーボプレスの制御装置がプレス機械の運転パターンに基づいてエネルギー蓄積部の充放電状態を制御する制御パターンを選択することでエネルギー蓄積部の容量の最適化を図っている。
特開2001−37280号公報 特開2010−260094号公報
しかし、プレス機械はプレス加工時に急峻な負荷が発生し、急激なエネルギー消費が発生するため、実際にはDCバス電圧を全く低下させないようにすることは困難である。一般に、DCバス電圧が低下するとスライド速度も低下するが、その速度回復が遅れてしまうと、例えば材料供給装置、ダイクッション装置との連動運転において干渉が生じたり、サイクルSPMが低下したりする虞がある。
本発明は、以上の事を鑑みてなされたものであり、DCバス電圧の低下によって追従しなくなったスライド速度を早期に回復させるプレス機械の運転方法、プレス機械の制御装置を提供する。
本発明にかかるプレス機械の運転方法は、モーターの回転に応じてスライドが昇降可能に形成されたプレス機械の運転方法であって、前記スライドの位置を算出するスライド位置算出ステップと、前記スライドの位置が加工域に含まれるか否かを判定する判定ステップと、前記モーターへのトルク指令を生成するトルク指令生成ステップと、を含み、前記トルク指令生成ステップにおいて、前記スライドの位置が加工域に含まれると判定した場合に、界磁弱め制御が実行されず、前記スライドの位置が前記加工域に含まれないと判定した場合に、前記界磁弱め制御が実行され得る。
本発明にかかるプレス機械の運転方法によれば、界磁弱め制御の実行・非実行をスライドの位置が加工域にあるか否かによって使い分けることで、DCバス電圧の低下によるスライド速度の低下を適切に判定し、スライド速度を早期に回復させることができる。このとき、界磁弱め制御を実行しない場合には、いわゆるid=0制御を実行して、効率的にトルク電流(q軸電流)に比例したトルクを発生させることができる。
本発明にかかるプレス機械の運転方法において、前記界磁弱め制御は、前記モーターの界磁を弱めるための弱め界磁電流を、トルク電流の偏差に応じた大きさで与えてもよい。
本発明にかかるプレス機械の運転方法によれば、弱め界磁電流(d軸電流)をトルク電流の偏差、すなわちトルク電流の指令と検出値との差に応じた大きさで与える。このとき、弱め界磁電流の大きさはトルク電流の偏差に応じたものであるため、効果的にトルク電流の偏差を小さくすることができる。
本発明にかかるプレス機械の運転方法の前記トルク指令生成ステップにおいて、前記スライド位置算出ステップで算出された前記スライドの位置が前記加工域に含まれないと判定した場合であって、かつトルク電流の偏差が所定の値以上である場合に、前記界磁弱め制御が実行されてもよい。
本発明にかかるプレス機械の運転方法によれば、スライドの位置が加工域に含まれないと判定した場合であって、かつトルク電流の偏差が所定の値以上である場合に、界磁弱め制御を実行する。このとき、界磁弱め制御の実行・非実行をトルク電流の偏差の大きさによっても使い分けることで、スライド速度の低下が大きい場合には適切に界磁弱め制御を実行するとともに、それ以外の場合には、id=0制御を実行して、効率的にトルク電流(q軸電流)に比例したトルクを発生させることができる。
本発明にかかるプレス機械の制御装置は、モーターの回転に応じてスライドが昇降可能に形成されたプレス機械の制御装置であって、前記スライドの位置を算出する位置制御部と、前記モーターへのトルク指令を生成する速度制御部と、前記スライドの位置が加工域に含まれるか否かを判定する判定部と、を含み、前記速度制御部は、前記スライドの位置が加工域に含まれると判定された場合に、界磁弱め制御を実行せず、前記スライドの位置が前記加工域に含まれないと判定された場合に、前記界磁弱め制御を実行し得る。
本発明にかかるプレス機械の制御装置によれば、界磁弱め制御の実行・非実行をスライドの位置が加工域にあるか否かによって使い分けることで、DCバス電圧の低下によるスライド速度の低下を適切に判定し、スライド速度を早期に回復させることができる。
本実施形態のプレス機械の制御装置を説明するためのブロック図である。 指令生成部を説明するためのブロック図である。 図3(A)〜図3(C)は電圧低下の影響、弱め界磁電流による合成電圧の変化を説明する図である。 本実施形態での運転方法を説明するフローチャートである。 比較例でのスライド速度の追従性を説明する図である。 本実施形態でのスライド速度の追従性を説明する図である。
以下、本発明の好適な実施形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1.プレス機械
図1は本実施形態のプレス機械10の制御装置11を説明するためのブロック図である。まず、プレス機械10について説明する。この例では、プレス機械10はクランクプレスである。サーボモーター4の軸4Sに接続されたギヤ8にメインギヤ9が噛み合わされ、メインギヤ9にはクランク機構(クランク軸3、コネクティングロッド2)が接続されている。プレス機械10は、クランク機構によりスライド1を静止側のボルスタ7に対して昇降可能に形成されている。
クランク軸3はサーボモーター4の正転、逆転、速度可変制御により自由に回転駆動されるので、クランク機構だけでなくこれ以外の機構のスライドモーション、静止を含む成形体に適合するスライドモーション、あるいは、正逆振り子モーションなど各種スライドモーションを自在に設定でき、これらの切り換え使用が可能であるので、プレス成形体に対する精度、生産性や適応性を拡大できる。
サーボモーター4としては、永久磁石を用いた同期モーターや、誘導モーター、直流サーボモーター等が利用できる。また、サーボモーター4は位置検出器5を備えており、位置検出器5はサーボモーター4の回転位置θを検出した検出信号74を出力する。また、図1はクランクプレスを例にとったが、他の構造のプレス機械10、例えば、ボールネジを利用したもの、リニアモーターを利用した構造でもよい。
2.制御装置の構成
次に、制御装置11の構成について説明する。制御装置11は、サーボモーター4を駆動することでプレス機械10を制御する。図1のように、制御装置11は、インバーター部20、エネルギー蓄積部30、指令生成部40を含む。
インバーター部20は、後述するトルク指令54に基づいて可変電圧、可変周波数の交流駆動信号を出力してサーボモーター4を駆動する。
エネルギー蓄積部30は、コンバーター部31、コンデンサー32を含む。エネルギー蓄積部30は、交流電源21からの交流電圧を、コンバーター部31で直流電圧に変換する。変換された直流電圧はコンデンサー32にエネルギーとして蓄積される。なお、変換された直流電圧はDCバス電圧60としてインバーター部20に出力されてもよい。例えば、プレス機械10に高い負荷が生じる場合(例えばプレス加工時)、コンデンサー32に蓄積されたエネルギーが放出されてDCバス電圧60に変換されるとともに、交流電源21からの交流電圧を変換した直流電圧もDCバス電圧60として用いられてもよい。ここで、コンバーター部31としては、例えばダイオードブリッジとDC/DCコンバーターの組み合わせた整流器等を用いることができる。また、コンデンサー32の代わりに、2次電池が利用されてもよい。
指令生成部40は、角度指令70および位置検出器5からの検出信号74(検出されたサーボモーター4の回転位置θ)に基づいて、サーボモーター4の駆動制御に用いられるトルク指令54を生成する。ここで、角度指令70は上位のプレス機械制御部(図示せず)から出力される信号であり、例えば同一グループに属する複数のプレス機械10が同期するように、上位のプレス機械制御部からこれら複数のプレス機械10の全てに共通に出力される信号である。
なお、本実施形態では、指令生成部40は、トルク指令54をインバーター部20だけでなく、コンバーター部31にも出力する。コンバーター部31は、トルク指令54に基づいてエネルギーのコンデンサー32への充放電を制御できる。ここで、トルク指令54はサーボモーター4の駆動制御に用いられ、プレス機械10はサーボモーター4の回転に応じた動作を行う。よって、コンバーター部31は、コンデンサー32のエネルギーの充放電をプレス機械10の動作と連動させることができ、プレス機械10の動作に合わせて適切にDCバス電圧60を制御することが可能である。
3.指令生成部の詳細な構成
図2は、指令生成部40の詳細な構成を説明する図である。指令生成部40は位置制御部42、速度制御部46、微分器48を含む。位置制御部42は、上位のプレス機械制御
部からの角度指令70、および位置検出器5からの検出信号74を受け取る。位置制御部42は、例えば角度指令70に基づいてサーボモーター4が目標とする回転位置(目標回転位置θとする)を演算する。そして、目標回転位置θと検出信号74に基づく回転位置θとに基づいて速度指令50を生成する。
本実施形態では、位置制御部42は角度指令70および検出信号74に基づいてプレス機械10のスライド1の位置も演算で求める。そして、スライド1が加工域にあるか否かを表す信号(位置判定信号52)を生成する。例えば、位置判定信号52はデジタル信号であって、スライド1が加工域になければローレベルを、スライド1が加工域にあればハイレベルをとる信号であってもよい。また、位置制御部42は位置判定信号52に代えて、スライド1の位置情報を出力し、速度制御部46が、スライド1が加工域にあるか否かを判定してもよい。ここで、加工域とはプレス加工時にスライド1が位置し得る範囲である。加工域は、プレス機械10の種類や加工内容によって変化するが、下死点近傍で大きな加圧力を発生出来ることから、下死点近傍であることが多い。
微分器48は、検出信号74を受け取り、検出信号74を微分してサーボモーター4の回転速度ωを求めて速度制御部46に出力する。速度制御部46は、速度指令50、位置判定信号52、微分器48からのサーボモーター4の回転速度ωの情報を受け取る。微分器48は、例えば速度指令50に基づいてサーボモーター4が目標とする回転速度(目標回転速度ωとする)を演算する。そして、目標回転速度ωと微分器48から得た回転速度ωとに基づいてトルク指令54を生成する。
速度制御部46が生成するトルク指令54は、具体的にはトルク電流Iq(q軸電流)と弱め界磁電流Id(d軸電流)である。弱め界磁電流Idがゼロの場合、サーボモーター4のトルクをトルク電流Iqに比例するように制御できる。また、弱め界磁電流Idは、界磁を弱めるのに用いられる。なお、速度制御部46は、後述するようにスライド1の位置等に応じて弱め界磁電流Idを調整するが、このとき、位置判定信号52が用いられる。
4.電圧低下とトルク指令の影響
図3(A)〜図3(C)はDCバス電圧60の電圧低下の影響、弱め界磁電流による合成電圧の変化を説明する図である。まず、図3(A)は、弱め界磁電流Idをゼロとしてトルク電流Iqのみを流してサーボモーター4を制御した場合(いわゆるid=0制御の場合)を示す。
図3(A)のように、サーボモーター4には発電効果による誘起電圧A、インダクタンスの逆起電圧A、抵抗による電圧降下A(以下、それぞれ単にA、A、Aとする)が生じる。Aはq軸上のベクトルとして表すことができ、その大きさはサーボモーター4の回転速度ωに比例する。また、Aはd軸上(負方向)のベクトルとして表すことができ、その大きさはサーボモーター4の回転速度ωとトルク電流Iqとを乗じた値に比例する。そして、Aはq軸上のベクトルとして表すことができ、その大きさはトルク電流Iqに比例する。
ここで、サーボモーター4の駆動制御にはDCバス電圧60が使用されるので、A、A、Aのベクトル和で表される合成電圧Eの大きさはDCバス電圧60以下になるように制限される。図3(A)〜図3(C)ではDCバス電圧60は出力電圧範囲として示されており、合成電圧Eは出力電圧範囲と示された半円の範囲内に含まれるように制限される。
図3(B)は、図3(A)の場合と同様にid=0制御をした場合であって、DCバス
電圧60が低下した場合を示す。DCバス電圧60の低下によって、合成電圧E1Sが、図3(A)の場合に比べて小さい半円の範囲内に含まれるように制限される。このとき、合成電圧E1Sの各成分A1S、A2S、A3Sも小さくなり、トルク電流Iqやサーボモーター4の回転速度ωも図3(A)の場合に比べて小さくなる。すると、例えばスライド1の速度が低下し、スライド1が指令に追従できないといった問題を生じ得る。
図3(C)は、図3(B)の場合と同じくDCバス電圧60が低下した場合であって、合成電圧Eが小さい半円の範囲内に含まれるように制限されるが、弱め界磁制御が実行されている。このとき、図3(C)のA、A、Aは図3(A)の場合と同じであるが、弱め界磁電流Idについての抵抗による電圧降下B、弱め界磁電流Idについてのインダクタンスの逆起電圧B(以下、それぞれ単にB、Bとする)が生じる。Bはd軸上(負方向)のベクトルとして表すことができ、その大きさは弱め界磁電流Idに比例する。また、Bはq軸上(負方向)のベクトルとして表すことができ、その大きさはサーボモーター4の回転速度ωと弱め界磁電流Idとを乗じた値に比例する。
このとき、特にBのベクトルの向きがA、Aと逆であることにより、A、A、Aが図3(A)の場合と同じでありながらも、合成電圧Eが小さい半円の範囲内に含まれるようにすることができる。また、弱め界磁電流Idが非ゼロであるため、トルクは低下するものの、例えばサーボモーター4の回転速度ωは図3(A)の場合と同じであり、スライド1の速度が低下することはなく、スライド1が指令に追従できないといった問題は生じない。
以上のように、DCバス電圧60が低下する場合、図3(B)のようにid=0制御を実行すると、DCバス電圧60の低下に伴う影響はあるものの、それ以上にトルクを低下させることはない。しかし、サーボモーター4の回転速度ωが低下するため、例えばスライド1の速度が低下するという問題が生じ得る。一方、DCバス電圧60の低下がある場合に図3(C)のように弱め界磁制御をすると、DCバス電圧60の低下に伴う影響以上にトルクが低下してしまう可能性があるが、サーボモーター4の回転速度ωを低下させないため、例えばスライド1が指令に追従できないといった問題は生じない。
したがって、DCバス電圧60の低下がある場合であっても、id=0制御と弱め界磁制御とをプレス機械10の動作に連動させて切り替えることで、トルクの大きな低下を避けつつ、スライド1を指令に追従させることが可能である。本実施形態のプレス機械10の制御装置11は、以下に説明するフローチャートに従うことで、トルクの大きな低下を避けつつ、DCバス電圧60の低下によって追従しなくなったスライド速度を早期に回復させることができる。
5.プレス機械の運転方法
図4は、本実施形態の制御装置11が行うプレス機械10の運転方法を説明するフローチャートである。本実施形態では、特に速度制御部46がこれらの処理を実行する。まず、速度制御部46は、速度指令50に基づいて原トルク指令を取得する(S10)。ここで、原トルク指令は、id=0制御を前提として演算されるトルク電流Iq、弱め界磁電流Idである。原トルク指令では、弱め界磁電流Idはゼロに設定されている。本実施形態では速度制御部46が原トルク指令を演算で求めるが、速度制御部46が外部から原トルク指令を取得してもよい。速度制御部46は、以下に説明するようにプレス機械10のスライド1の位置から運転状況を判断して、原トルク指令を調整し、必要に応じて弱め界磁制御に切り替える。
速度制御部46は、位置制御部42からの位置判定信号52に基づいてスライド1が加工域にあるか否かを判定する(S20)。スライド1が加工域にある場合(S20のY)
、DCバス電圧60が低下する可能性があるが、スライド1の速度の追従性が低下するとしても、利用できるエネルギーをプレス加工の実行に向けることが好ましい。つまり、スライド1が加工域にある場合には、トルクが大きく低下することを回避したいため、id=0制御を選択することが好ましい。すると、原トルク指令の弱め界磁電流Idを調整する必要はないため、その調整量である「Id修正値」をゼロに設定する(S42)。
一方、スライド1が加工域にない場合(S20のN)、直ちに弱め界磁電流Idを実行してもよいが、本実施形態ではIq偏差(σ)が閾値Tより大きいか否か(S30)を判定する。Iq偏差(σ)は、原トルク指令のトルク電流Iqと、実際の検出値であるトルク電流(以下、トルク電流Iqrとする)との差であり、スライド1の速度と指令との乖離が大きいほど大きくなる。より詳細には、DCバス電圧60が低下すると、電流が流れにくくなるためIq偏差(σ)が大きくなるが、DCバス電圧60の低下によってサーボモーター4の回転速度ωも低下するので、Iq偏差(σ)とスライド1の速度と指令との乖離には正の相関関係がある。なお、トルク電流Iqrは、例えば微分器48から得た回転速度ωに基づいて計算で求めてもよいし、外部から直接に得られてもよい。閾値Tは正の値であり、スライド1の速度について指令と実際の乖離の許容値に基づいて定めてもよい。
Iq偏差(σ)が閾値T以下の場合には(S30のN)、その後に短時間でスライド1の速度が回復することが見込まれるので、指令との乖離があっても許容範囲にあると判定できる。そのため、あえて弱め界磁制御を行う必要性はなく、「Id修正値」をゼロに設定する(S42)。
Iq偏差(σ)が閾値Tより大きい場合には(S30のY)、スライド1の速度と指令との乖離が大きく、早期にスライド1の速度を回復させることが好ましい。そこで、「Id修正値」を非ゼロとし弱め界磁制御を行う。ここで、「Id修正値」は、Iq偏差(σ)から閾値Tを引いた値に比例定数をかけたものを用いることが好ましい。つまり、(σ−T)に比例した「Id修正値」を設定する(S40)。このとき、スライド1の速度が指令と大きく乖離している場合には、Iq偏差(σ)も大きな値であるため、「Id修正値」を大きくすることができる。また、スライド1の速度が回復するにつれて、「Id修正値」の値が小さくなるように制御できる。
速度制御部46は、上記のように得られた「Id修正値」に基づいてトルク指令54を修正する(S50)。つまり、「Id修正値」を原トルク指令の弱め界磁電流Idに加え、修正された弱め界磁電流Idをトルク指令54とする。なお、弱め界磁電流Idに加える際には「Id修正値」の極性は磁束を弱める方向に適宜変更されるとする。本実施形態では、速度制御部46が生成、修正したトルク電流Iq、弱め界磁電流Idをトルク指令54とするが、それぞれ実際の検出値との差分をとったIq偏差(σ)とId偏差とをトルク指令54としてもよい。ここで、Id偏差とは、修正後の弱め界磁電流Idと実際の検出値である弱め界磁電流との差分である。
6.速度の追従性
図5、図6は、それぞれ比較例、本実施形態でのスライド1の速度の追従性を説明する図である。まず、図5は、常にid=0制御を行った場合(比較例)のシミュレーション結果を表す。図5において、一点鎖線EbはDCバス電圧60、点線Viはスライド1の指令、太い実線Vaはスライド1の速度、実線Iqiはトルク電流Iq、点線Iqaは実際の検出値であるトルク電流Iqr、太い点線Idaは修正後の弱め界磁電流Idをそれぞれ表す。
図5では、時刻t0で加工が開始されて、DCバス電圧60(一点鎖線Eb)がプレス
加工による負荷のために低下している。比較例では、弱め界磁電流Id(太い点線Ida)は常に0であり、DCバス電圧60の低下によってスライド1の速度(太い実線Va)が低下する。したがって、スライド1が加工域から出ても、スライド1の速度は、スライド1の指令(点線Vi)よりも遅く、追従していない(領域R0の左部分)。また、DCバス電圧60が回復してくると、スライド1の速度も回復するが、スライド1の指令(点線Vi)に対して大きなオーバーシュートを生じており(領域R0の右部分)、やはり指令に追従していない。
このように、常にid=0制御を行う比較例では、プレス加工の後にスライド1の速度が指令に追従せず、例えば材料供給装置、ダイクッション装置との連動運転において干渉が生じたり、サイクルSPMが低下したりする虞がある。なお、図5において、スライド1の速度が指令に追従していない領域R0に対応して、トルク電流Iq(実線Iqi)とトルク電流Iqr(点線Iqa)との差が大きくなっている。つまり、Iq偏差(σ)が大きくなっており、Iq偏差(σ)によってスライド1の速度の追従性が判定できることがわかる。
一方、図6は、上述の運転方法に従ってid=0制御と界磁弱め制御とを切り替える本実施形態のシミュレーション結果を表す。なお、各実線、点線の表記、時刻t0については図5と同じであるため説明を省略し、比較例と異なる部分だけを説明する。図6のように、本実施形態では、スライド1が加工域に含まれなくなった後に弱め界磁電流Idを非ゼロとしている。このときの弱め界磁電流Idの大きさはIq偏差(σ)に応じたものである。
図6のように、本実施形態では、図5の領域R0に対応する領域R1においても、スライド1の速度がスライド1の指令にほぼ追従している。スライド1が加工域を抜けた直後には、それまでid=0制御が行われていたため、スライド1の速度が指令よりも遅くなっているが、その後に弱め界磁制御に切り替えることで早期に速度を回復している。このとき、比較例のように大きなオーバーシュートを生じることもない。
よって、本実施形態のプレス機械10の制御装置11は、界磁弱め制御の実行・非実行をスライド1の位置が加工域にあるか否かによって使い分けることで、DCバス電圧60の低下によるスライド速度の低下を適切に判定し、スライド速度を早期に回復させることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記の実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜設計変更可能である。
1 スライド、2 コネクティングロッド、3 クランク軸、4 サーボモーター、4S
軸、5 位置検出器、7 ボルスタ、8 ギヤ、9 メインギヤ、10 プレス機械、11 制御装置、20 インバーター部、21 交流電源、30 エネルギー蓄積部、31 コンバーター部、32 コンデンサー、40 指令生成部、42 位置制御部、46
速度制御部、48 微分器、50 速度指令、52 位置判定信号、54 トルク指令、60 DCバス電圧、70 角度指令、74 検出信号、Id 弱め界磁電流(d軸電流)、Iq トルク電流(q軸電流)

Claims (4)

  1. モーターの回転に応じてスライドが昇降可能に形成されたプレス機械の運転方法であって、
    前記スライドの位置を算出するスライド位置算出ステップと、
    前記スライドの位置が加工域に含まれるか否かを判定する判定ステップと、
    前記モーターへのトルク指令を生成するトルク指令生成ステップと、を含み、
    前記トルク指令生成ステップにおいて、
    前記スライドの位置が加工域に含まれると判定した場合に、界磁弱め制御が実行されず、
    前記スライドの位置が前記加工域に含まれないと判定した場合に、前記界磁弱め制御が実行され得る、プレス機械の運転方法。
  2. 前記界磁弱め制御は、
    前記モーターの界磁を弱めるための弱め界磁電流を、トルク電流の偏差に応じた大きさで与える、請求項1に記載のプレス機械の運転方法。
  3. 前記トルク指令生成ステップにおいて、
    前記スライド位置算出ステップで算出された前記スライドの位置が前記加工域に含まれないと判定した場合であって、かつトルク電流の偏差が所定の値以上である場合に、前記界磁弱め制御が実行される、請求項1または2に記載のプレス機械の運転方法。
  4. モーターの回転に応じてスライドが昇降可能に形成されたプレス機械の制御装置であって、
    前記スライドの位置を算出する位置制御部と、
    前記モーターへのトルク指令を生成する速度制御部と、
    前記スライドの位置が加工域に含まれるか否かを判定する判定部と、
    を含み、
    前記速度制御部は、
    前記スライドの位置が加工域に含まれると判定された場合に、界磁弱め制御を実行せず

    前記スライドの位置が前記加工域に含まれないと判定された場合に、前記界磁弱め制御を実行し得る、プレス機械の制御装置。
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