JP5892873B2 - 蒸気タービン - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、蒸気タービンに関する。
従来の火力発電設備における蒸気タービンにおいて、タービンロータや動翼などの高温部品が曝される蒸気温度は、600℃以下である。そのため、これらの高温部品は、経済性や製造性を考慮して、フェライト系耐熱鋼で構成されている。
しかしながら、環境保全を背景とした火力発電設備の高効率化のために、蒸気タービンに導入する蒸気の温度を上昇する傾向にある。近年では、蒸気温度が600℃程度の高温蒸気を利用した蒸気タービンが運転されている。そのため、このような蒸気タービンにおいて、高温部品をフェライト系耐熱鋼で構成することは、高温強度が問題となる。そこで、高温部品をNi基合金やオーステナイト系耐熱鋼で構成した蒸気タービンも存在する。
そのようななか、火力発電設備の高効率化を図るために、蒸気の温度をさらに上昇させることが検討され、一方で、経済性や製造性などの観点から、Ni基合金やオーステナイト系耐熱鋼で構成される部分を極力削減するための検討もなされている。
特開2000−282808号公報 特開平11−200801号公報
蒸気タービンを構成する部品のなかでも、ケーシングは、大型の鋳造部品であることから、ケーシングの低コスト化を図ることは、蒸気タービンの製造コストの削減に繋がる。しかしながら、例えば、二重ケーシング構造を有する場合、内周側となる内部ケーシングには、静翼を固定しているダイアフラム外輪を介して、蒸気通路を流れる高温の主蒸気からの熱が伝わる。これにより、内部ケーシングは、高温となるため、内部ケーシングを安価なフェライト系耐熱鋼で構成することは困難となる。
本発明が解決しようとする課題は、静翼を支持するダイアフラム外輪を介してケーシングに熱が伝わるのを抑制し、ケーシングの温度上昇を抑えることができる蒸気タービンを提供することにある。
実施形態の蒸気タービンは、ケーシングの内部に、ダイアフラム内輪、ダイアフラム外輪、および前記ダイアフラム内輪と前記ダイアフラム外輪との間に支持された静翼を備える。そして、前記ケーシングの内周面から半径方向内側に向かって突出され、かつ周方向に形成された突条部の上流側の端面、および前記端面に接触し、前記端面よりも上流側に配置された前記ダイアフラム外輪の下流側の端面の少なくとも一方が凹凸構造で構成され、前記凹凸構造の凹部に、熱伝導率が10W/m・K以下の断熱充填材が充填されている
第1の実施の形態の蒸気タービンの子午断面を示す図である。 第1の実施の形態の蒸気タービンにおける、ダイアフラム外輪と内部ケーシングの一部の断面を拡大して示した図である。 第2の実施の形態の蒸気タービンの断熱部材をタービンロータ軸方向に見たときの平面図である。 第2の実施の形態の蒸気タービンにおいて、他の構成の断熱部材を備えたときの、ダイアフラム外輪と内部ケーシングの一部の断面を拡大して示した図である。 第3の実施の形態の蒸気タービンにおける、ダイアフラム外輪と内部ケーシングの一部の断面を拡大して示した図である。 第4の実施の形態の蒸気タービンにおける、ダイアフラム外輪と内部ケーシングの一部の断面を拡大して示した図である。 第4の実施の形態の蒸気タービンのダイアフラム外輪に形成された凹凸構造を説明するための、図6のA−A断面を示す図である。 第4の実施の形態の蒸気タービンのダイアフラム外輪に形成された他の構成の凹凸構造を説明するための、図6のA−A断面を示す図である。 第4の実施の形態の蒸気タービンのダイアフラム外輪に形成された他の構成の凹凸構造を説明するための、図6のA−A断面を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態の蒸気タービン10の子午断面を示す図である。なお、以下の実施の形態において、同一の構成部分には同一の符号を付して、重複する説明は、省略または簡略する。
図1に示すように、蒸気タービン10は、内部ケーシング20とその外側に設けられた外部ケーシング21とから構成される二重構造のケーシングを備えている。また、内部ケーシング20内に動翼22が植設されたタービンロータ23が貫設されている。動翼22は、タービンロータ23のロータディスク23aの周方向に複数植設され、動翼翼列を構成している。この動翼翼列は、タービンロータ軸方向に複数段形成されている。タービンロータ23は、ロータ軸受24によって回転可能に支持されている。
内部ケーシング20の内周には、ダイアフラム外輪25が設けられ、静翼26の外周部を支持している。ダイアフラム外輪25と内部ケーシング20との接触面間には、後に詳しく説明するが、断熱部材50が設けられている。
静翼26の内周部は、ダイアフラム内輪27によって支持されている。このように、ダイアフラム外輪25とダイアフラム内輪27との間に、周方向に亘って複数の静翼26が支持され、静翼翼列を構成している。この静翼翼列は、タービンロータ軸方向に間隔をあけて複数段形成され、各静翼翼列は、各動翼翼列の上流側に配置される。すなわち静翼翼列と動翼翼列は、タービンロータ軸方向に交互に複数段配設され、一組の静翼翼列と動翼翼列から構成されるタービン段落が複数形成されている。
タービンロータ23と各ケーシングとの間には、蒸気の外部への漏洩を防止するために、グランドラビリンス部33が設けられている。
内部ケーシング20とタービンロータ23との間には、ノズルボックス28が設けられている。このノズルボックス28は、外部ケーシング21と内部ケーシング20を貫通すように設けられたスリーブ管29を介して主蒸気管34と連通されている。ノズルボックス28の出口には、第1段の静翼26を備える。ノズルボックス28へ供給された蒸気は、この第1段の静翼26を通過して第1段の動翼22へ導かれる。
また、蒸気タービン10は、最終段の動翼22を通過した蒸気を内部ケーシング20内から蒸気タービン10の外部に導く排気流路30を備えている。
次に、ダイアフラム外輪25と内部ケーシング20との接触面の構成について説明する。図2は、第1の実施の形態の蒸気タービン10における、ダイアフラム外輪25と内部ケーシング20の一部の断面を拡大して示した図である。
また、図2に示すように、内部ケーシング20の内周面には、半径方向内側(タービンロータ23側)に向かって突出し、かつ周方向に延びる突条部31が形成されている。この突条部31は、各タービン段落に対応して、タービンロータ軸方向に複数形成されている。この突条部31間の溝部に、ダイアフラム外輪25の一部である、半径方向外側に突出した突出部40が位置する。そして、突条部31の上流側の端面32に、この端面32よりも上流側に配置されたダイアフラム外輪25の突出部40の下流側の端面41が、断熱部材50を介して接触している。このように接触することで、ダイアフラム外輪25のタービンロータ軸方向の下流側への移動が防止される。
断熱部材50は、熱伝導率が10W/m・K以下となるように構成されている。ここで、ダイアフラム外輪25や内部ケーシング20を構成する金属材料の熱伝導率は、例えば、20〜30W/m・Kである。そのため、断熱部材50の熱伝導率は、ダイアフラム外輪25や内部ケーシング20を構成する金属材料の熱伝導率よりも小さい。
断熱部材50の熱伝導率は、例えば、レーザ加熱時の過渡応答から熱伝導率を求めるレーザフラッシュ法や、熱線による加熱時の温度応答に基づいて熱伝導率を求める熱線法、温度勾配を付与して定常時の熱流束から熱伝導率を求める定常法などによって測定される。
断熱部材50は、例えば、ダイアフラム外輪25の突出部40の下流側の端面41または突条部31の上流側の端面32に断熱層51を形成することで構成される。例えば、端面41に断熱層51を形成する場合、断熱層51は、端面41のうち、端面32に接触する部分に形成される。なお、断熱層51は、端面41および端面32の双方に形成されてもよい。
断熱層51は、例えば、ジルコニア(ZrO)、ハフニア(HfO)、セリア(CeO)、チタニア(TiO)、アルミナ(Al)、マグネシア(MgO)、希土類ジルコネート(XZr、XはSc、Y、La、Ce、Pr、Ndなどの希土類元素)などの金属酸化物で構成される。
上記した断熱層51を構成する金属酸化物のうち、希土類ジルコネートやハフニアは、熱伝導率が低く、熱膨張係数が比較的大きいことから、金属材料の表面に形成される断熱層51を構成する材料として好適である。なお、端面41または端面32と、断熱層51との間に、これらを構成する材料の中間的な熱膨張係数を有する、ニッケル鋼やクロムニッケル鋼、NiAlのような金属間化合物などによる中間層を設けてもよい。これにより、断熱層51の熱応力が緩和される。
断熱層51は、蒸気タービン10の運転の際、ダイアフラム外輪25と内部ケーシング20との間で、圧縮応力を受けるため、高い圧縮強度を有することが好ましい。さらに、水蒸気に曝されることから、水蒸気に対する耐性にも優れていることが好ましい。これらの観点からは、例えば、上記した金属酸化物のうち、ジルコニア(ZrO)やハフニア(HfO)などを使用することが好適である。
アルミナ(Al)やマグネシア(MgO)などの金属酸化物を使用する場合においては、圧縮強度を損なわない程度に気孔を存在させることで、熱伝導率を低減することが可能である。
断熱層51の形成方法は、特に限定されるものではないが、例えば、大気プラズマ溶射などの溶射、物理蒸着、化学蒸着、拡散浸透法などによって形成される。また、断熱層51は、上記した金属酸化物材料の粒子を含むスラリーを端面41または端面32に塗布し、その後焼成することによって形成されてもよい。
断熱層51の厚さは、断熱効果を得るために、例えば、0.5〜3mm程度に形成されることが好ましい。
次に、蒸気タービン10における、ダイアフラム外輪25と内部ケーシング20との間の熱移動について、図1および図2を参照して説明する。
主蒸気管34から蒸気タービン10内に導入された蒸気は、スリーブ管29を通りノズルボックス28に導かれる。ノズルボックス28に導かれた蒸気は、静翼26と動翼22との間の蒸気通路を膨張仕事をしながら流動し、タービンロータ23を回転させる。そして、最終段の動翼22を通過した蒸気は、排気流路30を通り蒸気タービン10の外部へ排気される。ここで、蒸気タービン10の運転時、ダイアフラム外輪25は、その直下流側の内部ケーシング20の突条部31に押し付けられる。
静翼26を支持するダイアフラム外輪25やダイアフラム内輪27は、蒸気通路を流れる高温の主蒸気によって加熱される。この際、ダイアフラム外輪25に接触する内部ケーシング20へ熱伝導による熱移動が生じるが、これらの間には、断熱部材50(断熱層51)を有しているため、熱移動が抑制される。
これによって、内部ケーシング20の温度上昇を抑制することができる。そのため、蒸気タービン10へ導入される蒸気の温度が高温化された場合においても、内部ケーシング20を従来と同様の材料で構成することができる。
第1の実施の形態の蒸気タービン10によれば、ダイアフラム外輪25と内部ケーシング20との接触面間に断熱部材50を備えることで、ダイアフラム外輪25から内部ケーシング20へ向かう熱移動を抑制することができる。そのため、内部ケーシング20の温度上昇を抑えることができる。
ここでは、断熱層51を金属酸化物で構成する一例を示したが、これに限られるものではない。例えば、金属酸化物からなる粒子を含有する金属で断熱層51を構成してもよい。具体的には、断熱層51は、金属からなる金属マトリックス、およびこの金属マトリックス中に均一に分散された金属酸化物からなる粒子で構成される。
金属マトリックスを構成する金属としては、例えば、鉄、クロム、ニッケル、コバルトやこれらを主成分とする合金などを使用することができる。粒子を構成する金属酸化物としては、例えば、断熱層51を構成する材料と同様に、例えば、ジルコニア(ZrO)、ハフニア(HfO)、セリア(CeO)、チタニア(TiO)、アルミナ(Al)、マグネシア(MgO)、希土類ジルコネート(XZr、XはSc、Y、La、Ce、Pr、Ndなどの希土類元素)などを使用することができる。
断熱層51は、熱伝導率が10W/m・K以下となるように構成されるため、酸化物粒子の含有量は、使用する金属マトリックスおよび粒子の材料によって適宜設定される。例えば、金属マトリックスの材料としてクロムを含有する鉄を使用し、粒子の材料としてジルコニア(ZrO)などのジルコニウム酸化物を使用する場合には、粒子の含有量を25〜75体積%程度にすることが好ましい。また、金属マトリックスの材料としてニッケル、もしくはニッケルを含有する鉄を使用し、粒子の材料としてジルコニア(ZrO)などのジルコニウム酸化物を使用する場合には、粒子の含有量を15〜50体積%程度にすることが好ましい。
上記した粒子を含有する金属マトリックスからなる断熱層51は、ダイアフラム外輪25の突出部40の下流側の端面41や突条部31の上流側の端面32に、例えば次のように形成される。断熱層51は、例えば、金属マトリックスを構成する金属材料と酸化物粒子との混合粉末を用いたプラズマ溶射法によって形成される。また、断熱層51は、例えば、酸化物粒子を含むめっき浴中でめっき施工を行う複合めっき法、または酸化物粒子を含む塗料をスプレーや刷毛によって塗布し、乾燥・焼成する塗布法などによって形成される。
ここで、ダイアフラム外輪25が内部ケーシング20に接触する際、接触面に不均一な圧力がかかることがある。すなわち、ダイアフラム外輪25が内部ケーシング20に対して片当たりの状態となることもある。この場合、局所的な応力の発生が問題となる。
しかしながら、断熱層51においては、金属マトリックスが柔軟に変形して応力を吸収し、応力の集中を緩和する。さらに、金属酸化物からなる粒子を含有することによって、粒子と金属マトリックスとの界面が熱抵抗になり、熱伝導率を低減する。そのため、ダイアフラム外輪25から内部ケーシング20へ向かう熱移動を抑制することができる。
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態の蒸気タービン11の構成は、第1の実施の形態の蒸気タービン10の構成と、断熱部材50の構成以外は同じである。そのため、ここでは、断熱部材50の構成について主に説明する。
図3は、第2の実施の形態の蒸気タービン10の断熱部材50をタービンロータ軸方向に見たときの平面図である。
図3に示すように、断熱部材50は、ダイアフラム外輪25と内部ケーシング20との接触面に沿って周方向に延びるリング状の平板部材で構成される。なお、断熱部材50を構成する材料は、第1の実施の形態における断熱部材50(断熱層51)を構成する材料と同じである。すなわち、第2の実施の形態に係る断熱部材50は、金属酸化物や金属酸化物の粒子を含有する金属マトリックスで構成される。また、断熱部材50は、熱伝導率が10W/m・K以下となるように構成されている。
リング状の断熱部材50は、例えば、図3に示すように、上半部および下半部の2分割構造で構成される。なお、分割数は、これに限られるものではなく、上半部および下半部において、それぞれさらに分割した構成としてもよい。
断熱部材50は、上半部および下半部の接合端部に、例えば、半径方向外側に突出するフランジ部60を備えている。このフランジ部60を備えることで、例えば、ボルト締結などによって、下半部の断熱部材50が、例えば内部ケーシング20に固定され、上半部の断熱部材50が、下半部の断熱部材50上に固定される。
ここで、リング状の断熱部材50は、ダイアフラム外輪25の突出部40の下流側の端面41と、このダイアフラム外輪25の直下流側に位置する突条部31の上流側の端面32との間に挟持される。なお、リング状の断熱部材50を備えたときの、ダイアフラム外輪25と内部ケーシング20の断面形状は、図2に示された断面形状と同様となる。
第2の実施の形態の蒸気タービン11によれば、ダイアフラム外輪25の突出部40の下流側の端面41および突条部31の上流側の端面32のそれぞれが、リング状の断熱部材50に接触する構成とすることで、接触界面を増やすことができる。これによって、熱抵抗が増加され、ダイアフラム外輪25から内部ケーシング20へ向かう熱移動を抑制することができる。また、第1の実施の形態と同様に、断熱部材50によっても、ダイアフラム外輪25から内部ケーシング20へ向かう熱移動が抑制される。そのため、内部ケーシング20の温度上昇を抑えることができる。
ここで、リング状の断熱部材50の構成は、上記した構成に限られるものではない。図4は、第2の実施の形態の蒸気タービン10において、他の構成の断熱部材50を備えたときの、ダイアフラム外輪25と内部ケーシング20の一部の断面を拡大して示した図である。
図4に示すように、リング状の金属板52と、この金属板52の両表面に形成された断熱層53とによってリング状の断熱部材50を構成してもよい。
金属板52は、例えば、ダイアフラム外輪や内部ケーシングと同様に、高クロム鋼、ニッケルクロム鋼、ニッケル合金などの金属部材で構成される。また、金属板52は、図3に示した断熱部材50と同様に、上半部および下半部の2分割構造で構成される。なお、分割数は、これに限られるものではなく、上半部および下半部において、それぞれさらに分割した構成としてもよい。
断熱層53は、第1の実施の形態における断熱部材50(断熱層51)を構成する材料と同じ材料で構成される。断熱層53の形成方法は、第1の実施の形態における断熱層51の形成方法と同じである。
なお、ここでは、リング状の金属板52の両表面に断熱層53を形成した一例を示しているが、断熱層53は、金属板52の少なくとも一方の表面に形成されていればよい。すなわち、リング状の金属板52と、この金属板52の一方の表面に形成された断熱層53とによってリング状の断熱部材50を構成してもよい。
リング状の金属板52の少なくとも一方の表面に断熱層53を備える構成のリング状の断熱部材50においても、熱伝導率が10W/m・K以下となるように構成されている。
この構成を備えるリング状の断熱部材50においても、接触界面を増やすことができるため、熱抵抗が増加され、ダイアフラム外輪25から内部ケーシング20へ向かう熱移動を抑制することができる。また、第1の実施の形態と同様に、断熱層53によっても、ダイアフラム外輪25から内部ケーシング20へ向かう熱移動が抑制される。
(第3の実施の形態)
図5は、第3の実施の形態の蒸気タービン12における、ダイアフラム外輪25と内部ケーシング20の一部の断面を拡大して示した図である。
図5に示すように、第3の実施の形態における断熱部材50は、第1の実施の形態の断熱層51の表面に耐摩耗層70を備えた構成となっている。なお、図示しないが、耐摩耗層70は、第2の実施の形態における、ダイアフラム外輪25の突出部40や内部ケーシング20の突条部31に接触する、断熱層53の表面に形成されてもよい。すなわち、耐摩耗層70は、ダイアフラム外輪25の突出部40の下流側の端面41または突条部31の上流側の端面32に接触する断熱層51、53の表面に形成される。
耐摩耗層70を構成する材料としては、例えば、金属素地にWCやCrCなどの化合物を含有した材料などを使用することが好ましい。また、耐摩耗層70を構成する材料としては、窒化処理やホウ化処理などを施して、金属の内部へ窒素やホウ素を拡散させて硬質な化合物を形成した材料などを使用することが好ましい。
金属素地にWCやCrCなどの化合物を含有した材料としては、例えば、サーメット(WC−X、CrC−X、Xは金属元素でNiやCoなどを主成分とするものが好適)などを使用することができる。窒化処理やホウ化処理などを施して、金属の内部へ窒素やホウ素を拡散させて硬質な化合物を形成した材料としては、例えば、窒化物(TiN,AlN、Fe−3N)、ホウ化物(FeB、FeB)などを使用することができる。また、これら以外にも、例えば、クロミア(Cr)、ダイアモンドライクカーボンなどを使用することができる。
なお、窒化処理は、アンモニアまたは窒素を含んだ雰囲気中に暴露し、表面に窒素を浸透させて硬化させる方法である。ホウ化処理は、ホウ素を侵入拡散させてホウ化層を生成する方法である。
耐摩耗層70は、溶射、物理蒸着、化学蒸着、窒化処理、ホウ化処理などによって形成される。ここで、耐摩耗層70の形成方法について、具体的に例示する。
例えば、サーメットなどの耐磨耗材料を使用する場合、断熱層51を形成後、断熱層51の表面に、耐磨耗材料を溶射施工する。この際、耐磨耗材料は、例えば、高速火炎溶射されることが好適である。また、耐磨耗材料を溶射施工する前に、断熱層51の表面をブラスト処理して、耐磨耗材料の機械的な密着性を向上させてもよい。
さらに、断熱層51と耐摩耗層70との間に、これらを構成する材料の中間的な熱膨張係数を有する、MCrAlY合金(MはNi、Co、Feなどを主成分とする金属元素)などによる中間層を設けてもよい。これにより、断熱層51の熱応力が緩和される。
例えば、ダイアモンドライクカーボンなどの耐磨耗材料を使用する場合、断熱層51を形成後、物理蒸着によってダイアモンドライクカーボンなどの耐摩耗層70を形成する。
例えば、上記した窒化処理やホウ化処理によって耐摩耗層70を形成する場合、断熱層51を形成後、断熱層51の表面に、溶射により金属層(例えば、NiやCoなどを主成分とする金属)を形成する。そして、金属層に窒化処理またはホウ化処理を施して、耐摩耗層70を形成する。
耐摩耗層70の厚さは、耐摩耗性を維持するため、例えば、0.1mm〜0.5mm程度であることが好ましい。耐摩耗層70が接触する、ダイアフラム外輪25の突出部40や内部ケーシング20の突条部31のビッカース硬さが150〜200HV程度であることから、耐摩耗層70の硬さは、ビッカース硬さで200HV以上であることが好ましい。
ここで、蒸気タービン10の起動時および停止時には、ダイアフラム外輪25と内部ケーシング20との熱伸びの違いによって、断熱部材50は、ダイアフラム外輪25の突出部40の下流側の端面41または突条部31の上流側の端面32を摺動する。また、蒸気タービン10の起動時における振動などによって、断熱部材50は、ダイアフラム外輪25の突出部40の下流側の端面41または突条部31の上流側の端面32を摺動する。このような摺動によって、断熱部材50(断熱層51)には、摩耗が生じることがある。
そこで、第3の実施の形態の蒸気タービン12によれば、上記したように、断熱層51の表面に耐摩耗層70を備えることで、断熱部材50が端面41や端面32を摺動する場合でも、断熱層51の摩耗を防止することができる。これによって、耐摩耗性に優れた断熱部材50を構成することができる。また、第1の実施の形態と同様に、ダイアフラム外輪25から内部ケーシング20へ向かう熱移動を抑制することができる。そのため、内部ケーシング20の温度上昇を抑えることができる。
なお、第2の実施の形態における断熱層53の表面に耐摩耗層70を形成した場合においても、上記した作用効果と同様の作用効果を得ることができる。
(第4の実施の形態)
図6は、第4の実施の形態の蒸気タービン13における、ダイアフラム外輪25と内部ケーシング20の一部の断面を拡大して示した図である。図7は、第4の実施の形態の蒸気タービン13のダイアフラム外輪25に形成された凹凸構造を説明するための、図6のA−A断面を示す図である。
図6および図7に示すように、内部ケーシング20の突条部31の上流側の端面32に接触する、ダイアフラム外輪25の突出部40の下流側の端面41は、凹凸構造で構成されている。この凹凸構造としては、例えば、図7に示すように、端面41に半径方向に亘って貫通するスリット状の溝部80を周方向に複数備えた構成とすることができる。溝部80が形成された部分を除く端面41は、突条部31の上流側の端面32に接触する。
ここで、溝部80が形成された部分を除く端面41の面積は、溝部80が形成されていない状態の端面41の面積の10〜50%であることが好ましい。
溝部80が形成された部分を除く端面41の面積をこの範囲とすることで、端面41と端面32との接触面積が減少し、ダイアフラム外輪25から内部ケーシング20へ向かう熱移動を抑制することができる。また、溝部80が形成された部分を除く端面41の面積に割合が最大となる場合においても、蒸気タービン10の運転時においてダイアフラム外輪25が内部ケーシング20に押し付けられる際に発生する圧縮荷重に十分に耐えることができる。
ここで、凹凸構造は、上記した構成に限られるものではなく、溝部80が形成された部分を除く端面41の面積を溝部80が形成されていない状態の端面41の面積の10〜50%とする構成であればよい。凹凸構造としては、例えば、端面41と端面32の接触面における面圧や摺動の方向などに応じて、適正な構造を選択することが可能である。
図8および図9は、第4の実施の形態の蒸気タービン13のダイアフラム外輪25に形成された他の構成の凹凸構造を説明するための、図6のA−A断面を示す図である。
図8に示すように、例えば、端面41に周方向に亘ってスリット状の溝部80を半径方向に複数備えた構成としてもよい。また、図9に示すように、例えば、端面41に、例えば、複数の円柱状の溝部80を備えた構成としてもよい。
これらの場合においても、溝部80が形成された部分を除く端面41の面積は、溝部80が形成されていない状態の端面41の面積の10〜50%に設定される。
なお、ここでは、ダイアフラム外輪25の突出部40の下流側の端面41に凹凸構造を備えた一例を示しているが、凹凸構造は、内部ケーシング20の突条部31の上流側の端面32に形成されてもよい。
上記したように、第4の実施の形態の蒸気タービン13によれば、ダイアフラム外輪25の突出部40の下流側の端面41と内部ケーシング20の突条部31の上流側の端面32との接触面積を減少させることで、ダイアフラム外輪25から内部ケーシング20へ向かう熱移動を抑制することができる。そのため、内部ケーシング20の温度上昇を抑えることができる。
ここで、上記した溝部80に、前述した断熱層51、53を構成する材料を充填してもよい。なお、この材料は、断熱充填材として機能する。このように、溝部80に充填材を充填することで、ダイアフラム外輪25から内部ケーシング20へ向かう熱移動を抑制しつつ、蒸気タービン10の運転時においてダイアフラム外輪25が内部ケーシング20に押し付けられる際の圧縮荷重に対する強度を向上させることができる。
以上説明した実施形態によれば、静翼を支持するダイアフラム外輪を介してケーシングに熱が伝わるのを抑制し、ケーシングの温度上昇を抑えることが可能となる。
なお、蒸気タービン10としては、例えば、高温の蒸気が供給される、高圧タービンや中圧タービンなどが挙げられるが、これらに限られるものではない。ダイアフラム外輪25から、このダイアフラム外輪25に接触するケーシングへの熱移動を抑制することが必要な蒸気タービンに対して、本実施の形態の構成を適用することが可能である。また、本実施の形態では、二重構造のケーシングを備えた蒸気タービン10を例示して説明したが、本実施の形態に係る構成は、一重構造のケーシングを備えた蒸気タービンに対しても適用することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10,11,12,13…蒸気タービン、20…内部ケーシング、21…外部ケーシング、22…動翼、23…タービンロータ、23a…ロータディスク、24…ロータ軸受、25…ダイアフラム外輪、26…静翼、27…ダイアフラム内輪、28…ノズルボックス、29…スリーブ管、30…排気流路、31…突条部、32,41…端面、33…グランドラビリンス部、34…主蒸気管、40…突出部、50…断熱部材、51,53…断熱層、52…金属板、60…フランジ部、70…耐摩耗層、80…溝部。

Claims (3)

  1. ケーシングの内部に、ダイアフラム内輪、ダイアフラム外輪、および前記ダイアフラム内輪と前記ダイアフラム外輪との間に支持された静翼を備える蒸気タービンであって、
    前記ケーシングの内周面から半径方向内側に向かって突出され、かつ周方向に形成された突条部の上流側の端面、および前記端面に接触し、前記端面よりも上流側に配置された前記ダイアフラム外輪の下流側の端面の少なくとも一方が凹凸構造で構成され、
    前記凹凸構造の凹部に、熱伝導率が10W/m・K以下の断熱充填材が充填されていることを特徴とする蒸気タービン。
  2. 前記断熱充填材が、金属酸化物で構成されていることを特徴とする請求項1記載の蒸気タービン。
  3. 前記断熱充填材が、金属酸化物からなる粒子を含有する金属で構成されていることを特徴とする請求項1記載の蒸気タービン。
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