JP2014092064A - 蒸気タービン - Google Patents

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Abstract

【課題】シール部において、快削材層の耐侵食性を向上するとともに、蒸気の漏出を抑制することができる蒸気タービンを提供する。
【解決手段】実施形態の蒸気タービン10は、タービンロータ23およびこれととともに回転する動翼22と、タービンロータ23の外周に配設されたダイアフラム内輪27および動翼22の外周に配設されたダイアフラム外輪26と、タービンロータ23および動翼22のシュラウド31の外周面から突出させて設置されたシール部材50、80とを備える。また、シール部材50、80に対向するダイアフラム内輪27およびダイアフラム外輪26の内周面から突出させて設置された板状部材60、90と、板状部材60、90が突出するダイアフラム内輪27およびダイアフラム外輪26の内周面から、板状部材60、90の先端に至る部分に設けられた快削材層70、100とを備える。
【選択図】図2

Description

本発明の実施形態は、蒸気タービンに関する。
発電プラントなどに使用される蒸気タービンにおける仕事効率は、動翼を回転させて動力(回転トルク)を発生させる蒸気の流量に影響される。そのため、蒸気タービンにおける静止部と回転部との間の隙間から漏出する蒸気の流量が増加すれば、仕事効率は低下する。そこで、蒸気タービンにおける静止部と回転部とのシール技術の向上が要求されている。
図5は、従来の蒸気タービンにおける一つのタービン段落の子午断面の一部を模式的に示した図である。なお、図5には、蒸気の流れを矢印で示している。
ダイアフラム内輪310とダイアフラム外輪311との間には、蒸気の流れを整流する複数の静翼312が周方向に支持されている。これらの構成部は、静止構造体として機能する。
タービンロータ320には、図5に示すように、ロータディスク321が形成されている。このロータディスク321には、複数の動翼322が周方向に植設されている。動翼322の先端には、シュラウド323が備えられている。これらの構成部は、回転構造体として機能する。
図5に示すように、ダイアフラム内輪310の内周面にシールフィン330を備え、ダイアフラム内輪310とタービンロータ320との間からの蒸気の漏出を抑制している。また、シュラウド323の外周面にシールフィン331を備え、シュラウド323とダイアフラム外輪311との間からの蒸気の漏出を抑制している。
上記した従来の蒸気タービンにおいて、運転中に発生する振動などにより、静止構造体と回転構造体が接触することがある。すなわち、シールフィン330がタービンロータ320に接触したり、シールフィン331がダイアフラム外輪311に接触することがある。
そこで、このような接触が生じた場合においても、構成部材の損傷を防止し、蒸気のシール構造を保持するために、例えば、シールフィン330、331の先端と対向する面に、被削性(削りやすさ)に優れたアブレイダブル層を被覆する技術が検討されている。
特開2007−170302号公報
上記したようにアブレイダブル層などの快削材層を備えることで、蒸気タービンの運転中、振動などによって静止部と回転部とが抵触しても、シールフィン330、331の損傷は抑制できる。しかしながら、蒸気タービンの運転中、異物による快削材層の侵食や、経年的な快削材層の減肉が生じることがある。そのため、快削材層の耐侵食性を改善する必要がある。
本発明が解決しようとする課題は、シール部において、快削材層の耐侵食性を向上するとともに、蒸気の漏出を抑制することができる蒸気タービンを提供することにある。
実施形態の蒸気タービンは、タービンロータの回転軸を中心に回転する回転構造体と、前記回転構造体の外周に離間して配設された静止構造体と、前記回転構造体の外周面または前記静止構造体の内周面から突出させて周方向に設置されたシール部材とを備える。さらに、蒸気タービンは、前記シール部材に対向する前記回転構造体の外周面または前記静止構造体の内周面から前記シール部材の先端に接触しないように突出させて、周方向に設置された板状部材と、前記板状部材が突出する前記回転構造体の外周面または前記静止構造体の内周面から、前記板状部材の先端に至る部分に設けられた快削材層とを備える。
実施の形態の蒸気タービンの子午断面を示す図である。 実施の形態の蒸気タービンが作動していない状態における一つのタービン段落の子午断面の一部を模式的に示した図である。 実施の形態の蒸気タービンが作動している状態における一つのタービン段落の子午断面の一部を模式的に示した図である。 実施の形態の蒸気タービンが作動している状態において、シール部の快削材層の一部が侵食されたタービン段落の子午断面の一部を模式的に示した図である。 従来の蒸気タービンにおける一つのタービン段落の子午断面の一部を模式的に示した図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、実施の形態の蒸気タービン10の子午断面を示す図である。なお、以下の実施の形態において、同一の構成部分には同一の符号を付して、重複する説明を省略または簡略する。
図1に示すように、蒸気タービン10は、内部ケーシング20とその外側に設けられた外部ケーシング21とから構成される二重構造のケーシングを備えている。また、内部ケーシング20内にタービンロータ23が貫設されている。このタービンロータ23は、ロータ軸受24によって回転可能に支持されている。
タービンロータ23には、例えば、ロータディスク25が形成され、このロータディスク25に、複数の動翼22が周方向に植設されている。複数の動翼22を周方向に備えた動翼翼列は、タービンロータ23の軸方向に複数段構成されている。
内部ケーシング20の内周には、ダイアフラム外輪26が設置され、このダイアフラム外輪26の内側には、ダイアフラム内輪27が設置されている。また、ダイアフラム外輪26とダイアフラム内輪27との間には、周方向に複数の静翼28が配置され、静翼翼列を構成している。この静翼翼列は、タービンロータ23の軸方向に動翼翼列と交互に複数段備えられている。そして、静翼翼列と、その直下流側に位置する動翼翼列とで一つのタービン段落を構成している。また、ダイアフラム外輪26の下流側の一部は、図1に示すように、動翼22の外周に離間して下流方向に延設されている。
ダイアフラム外輪26とダイアフラム内輪27との間には、主蒸気が流れる環状の蒸気通路29が形成されている。タービンロータ23と内部ケーシング20との間、およびタービンロータ23と外部ケーシング21との間には、蒸気の外部への漏出を防止するために、シール部30が設けられている。なお、後に詳しく説明するが、タービンロータ23とダイアフラム内輪27との間、および動翼22の先端を構成するシュラウド31とダイアフラム外輪26との間にも、蒸気の漏出を防止するシール部40が設けられている。
外部ケーシング21と内部ケーシング20とを貫通するようにスリーブ管32が設けられている。このスリーブ管32は、主蒸気管33からの蒸気をノズルボックス34内へ導く。ノズルボックス34は、内部ケーシング20とタービンロータ23との間に配置された環状の通路である。ノズルボックス34の出口部には、第1段の静翼28(第1段のノズル)を備える。ノズルボックス34へ供給された蒸気は、第1段の静翼28を通過して第1段の動翼22へ導かれる。
最終段のタービン段落の下流側には、各タービン段落において膨張仕事をした蒸気を排気するための排気通路35が設けられている。
なお、ここでは、高圧タービンを例示して説明するが、本実施の形態の構成は、例えば、超高圧タービン、中圧タービン、低圧タービンなどに適用することができる。本実施の形態の構成は、超高圧タービン、高圧タービン、中圧タービン、低圧タービンの少なくとも一つのタービン段落に設けられる。例えば、蒸気の圧力が高い、超高圧タービン、高圧タービンおよび中圧タービンにおいては、例えば、すべてのタービン段落を本実施の形態の構成にしてもよい。低圧タービンの場合には、例えば、蒸気の圧力が高い上流側のタービン段落に設けることが好ましい。
次に、タービンロータ23とダイアフラム内輪27との間、および動翼22の先端を構成するシュラウド31とダイアフラム外輪26との間におけるシール部40の構成について詳しく説明する。
図2は、実施の形態の蒸気タービン10が作動していない状態における一つのタービン段落の子午断面の一部を模式的に示した図である。図3は、実施の形態の蒸気タービン10が作動している状態における一つのタービン段落の子午断面の一部を模式的に示した図である。
実施の形態の蒸気タービン10は、図2に示すように、タービンロータ23と、タービンロータ23のロータディスク25に植設された動翼22とを含む回転構造体を備えている。また、蒸気タービン10は、静翼28と、この静翼28を外径側から支持するダイアフラム外輪26と、静翼28を内径側から支持するダイアフラム内輪27とを含む静止構造体とを備えている。
まず、タービンロータ23と、このタービンロータ23の外周に離間して配設されたダイアフラム内輪27との間に形成されるシール部40について説明する。
図2に示すように、タービンロータ23の外周面23aには、半径方向外側に突出するシール部材50が形成されている。このシール部材50は、タービンロータ23の周方向に亘って連続して形成され、円環状の形状をなしている。シール部材50は、タービンロータ23の外周面23aに一体的に構成されもよいし、溶接肉盛りなどにより形成されてもよい。
なお、ここでは、隣り合うシール部材50の半径方向外側への突出長さが異なる、いわゆるHigh−Lowタイプの構造を示しているが、これに限られるものではない。例えば、隣り合うシール部材50の半径方向外側への突出長さを同じとしてもよい。
シール部材50は、所定の幅M1を有する板状の部材で構成される。シール部材50は、例えば、図2に示すように、先端部において、先端に行くに伴ってその厚さを徐々に減少されるフィン形状としてもよい。シール部材50は、例えば、タービンロータ23を構成する材料と同じ材料などで構成される。
ここでは、タービンロータ23の軸方向に、4段のシール部材50を備えた一例を示しているが、シール部材50は、タービンロータ23の軸方向に、少なくとも1段形成されていればよい。
一方、シール部材50に対向するダイアフラム内輪27の内周面27aには、シール部材50の先端に接触しないように、半径方向内側(タービンロータ23側)に突出する板状部材60が形成されている。この板状部材60は、ダイアフラム内輪27の周方向に亘って連続して形成され、円環状の形状をなしている。
板状部材60の半径方向内側への突出長さは、シール部材50の突出長さに対応して設定される。シール部材50が、例えば、High−Lowタイプの構造の場合には、図2に示すように、ダイアフラム内輪27の内周面27aは、凹凸に形成される。そして、板状部材60とシール部材50とを対向して配置したとき(タービンロータ23の軸方向の位置を一致させて配置したとき)に、双方の先端が接触しないようにそれぞれの突出長さは、設定されている。具体的は、蒸気タービン10を運転していない状態で、板状部材60とシール部材50とを対向させたときに、双方の先端の隙間が、例えば、製造交差や熱伸び量などを考慮して、0.5mm〜2.0mm程度となるように設定される。
板状部材60は、例えば、内周面27aに周方向に亘って形成された溝部27bに板状部材60の一部を嵌合し、溝部27bの開口部をかしめることで固定される。かしめは、例えば、上流側(図2では板状部材60の左側)および下流側(図2では板状部材60の右側)の少なくとも一方側から行われる。なお、板状部材60の固定を強固とするため、かしめは、例えば、上流側および下流側の双方から行われることが好ましい。また、かしめ部は、周方向に亘って、例えば均等に複数個所に形成される。
板状部材60は、シール部材50の幅M1よりも薄い、幅M2を有する板状の部材で構成される。板状部材60は、例えば、SUS304などのステンレス鋼などで構成される。板状部材60は、シール部材50を構成する材料よりも硬度の低いものが好ましい。なお、板状部材60の幅M2は、シール部材50の幅M1よりも薄いため、板状部材60を構成する材料として、シール部材50を構成する材料と同程度の硬度を有するものを使用することもできる。
ここで、蒸気タービン10が作動していない状態においては、図2に示すように、板状部材60の先端のタービンロータ軸方向の位置は、シール部材50の先端のタービンロータ軸方向の位置とずれている。板状部材60の先端のタービンロータ軸方向の位置は、例えば、図2に示すように、対応するシール部材50の先端のタービンロータ軸方向の位置よりも上流側にずれている。
このずれ幅は、蒸気タービン10を作動させた状態における、タービンロータ23とダイアフラム内輪27のタービンロータ23の軸方向の熱伸び量などに基づいて設定される。すなわち、このずれ幅は、蒸気タービン10が作動している状態において、図3に示すように、板状部材60の先端のタービンロータ軸方向の位置と、シール部材50の先端のタービンロータ軸方向とが一致するように設定される。ここで、図3に示す状態は、蒸気タービン10が作動され、熱的に安定した状態、例えば、定格運転時における状態である。
ここでは、板状部材60は、シール部材50の個数に対応させて、タービンロータ23の軸方向に、4段設けられているが、これに限られるものではない。例えば、図2に示された板状部材60において、最も上流側に位置する板状部材60のみで構成されてもよい。さらに、例えば、図2に示された板状部材60において、最も上流側および最も下流側に位置する板状部材60のみで構成されてもよい。すなわち、板状部材60として、少なくとも、最も上流側に位置する板状部材60を備えていればよい。
板状部材60が突出するダイアフラム内輪27の内周面27aから、板状部材60の先端に至る部分には、快削材で形成される快削材層70が形成されている。この快削材層70は、例えばアブレイダブル材で構成される。アブレイダブル材は、特に限定されるものではなく、一般に使用されている公知のものを使用することができる。アブレイダブル材として、例えば、固体潤滑剤BN(ベントナイト)を含む、被削性に優れた材料を使用することができる。例えば、NiCrAl合金およびBNからなる組成物、NiCrFeAl合金およびBNからなる組成物などが挙げられる。また、アブレイダブル材として、例えば、リン青銅や洋白などの軟質金属を適用してもよい。
快削材層70は、板状部材60を固定後、上記した材料をダイアフラム内輪27の内周面27aに、例えば、溶射することなどで形成される。
次に、動翼22と、この動翼22の外周に離間して配設されたダイアフラム外輪26との間に形成されるシール部40について説明する。
図2に示すように、動翼22の先端を構成するシュラウド31の外周面31aには、半径方向外側に突出するシール部材80が形成されている。このシール部材80は、シュラウド31の周方向に亘って連続して形成され、円環状の形状をなしている。シール部材80は、シュラウド31の外周面31aに一体的に構成されもよいし、溶接肉盛りなどにより形成されてもよい。
なお、ここでは、隣り合うシール部材80の半径方向外側への突出長さが異なる、いわゆるHigh−Lowタイプの構造を示しているが、これに限られるものではない。例えば、隣り合うシール部材80の半径方向外側への突出長さを同じとしてもよい。
シール部材80は、所定の幅M3を有する板状の部材で構成される。シール部材80は、例えば、図2に示すように、先端部において、先端に行くに伴ってその厚さを徐々に減少されるフィン形状としてもよい。シール部材80は、例えば、シュラウド31を構成する材料と同じ材料などで構成される。
ここでは、タービンロータ23の軸方向に、4段のシール部材80を備えた一例を示しているが、シール部材80は、タービンロータ23の軸方向に、少なくとも1段形成されていればよい。
一方、動翼22の外周に延設され、シール部材80に対向するダイアフラム外輪26の内周面26aには、シール部材80の先端に接触しないように、半径方向内側(タービンロータ23側)に突出する板状部材90が形成されている。この板状部材90は、ダイアフラム外輪26の周方向に亘って連続して形成され、円環状の形状をなしている。
板状部材90の半径方向内側への突出長さは、シール部材80の突出長さに対応して設定される。シール部材80が、例えば、High−Lowタイプの構造の場合には、図2に示すように、ダイアフラム外輪26の内周面26aは、凹凸に形成される。そして、板状部材90とシール部材80とを対向して配置したとき(タービンロータ23の軸方向の位置を一致させて配置したとき)に、双方の先端が接触しないようにそれぞれの突出長さは、設定されている。具体的は、蒸気タービン10を運転していない状態で、板状部材90とシール部材80とを対向させたときに、双方の先端の隙間が、例えば、製造交差や熱伸び量などを考慮して、0.5mm〜2.0mm程度となるように設定される。
板状部材90は、前述した板状部材60と同様の方法で、ダイアフラム外輪26の内周面26aに固定される。板状部材90は、シール部材80の幅M3よりも薄い、幅M4を有する板状の部材で構成される。板状部材90は、例えば、CrMoV鋼などの低合金鋼で構成される。板状部材90は、シール部材80を構成する材料よりも硬度の低いものが好ましい。なお、板状部材90の幅M4は、シール部材80の幅M3よりも薄いため、板状部材90を構成する材料として、シール部材80を構成する材料と同程度の硬度を有するものを使用することもできる。
ここで、蒸気タービン10が作動していない状態においては、図2に示すように、板状部材90の先端のタービンロータ軸方向の位置は、シール部材80の先端のタービンロータ軸方向の位置とずれている。板状部材90の先端のタービンロータ軸方向の位置は、例えば、図2に示すように、対応するシール部材80の先端のタービンロータ軸方向の位置よりも上流側にずれている。
このずれ幅は、蒸気タービン10を作動させた状態における、シュラウド31とダイアフラム外輪26のタービンロータ23の軸方向の熱伸び量などに基づいて設定される。すなわち、このずれ幅は、蒸気タービン10が作動している状態において、図3に示すように、板状部材90の先端のタービンロータ軸方向の位置と、シール部材80の先端のタービンロータ軸方向とが一致するように設定される。
ここでは、板状部材90は、シール部材80の個数に対応させて、タービンロータ23の軸方向に、4段設けられているが、これに限られるものではない。例えば、図2に示された板状部材90において、最も上流側に位置する板状部材90のみで構成されてもよい。さらに、例えば、図2に示された板状部材90において、最も上流側および最も下流側に位置する板状部材90のみで構成されてもよい。すなわち、板状部材90として、少なくとも、最も上流側に位置する板状部材90を備えていればよい。
板状部材90が突出するダイアフラム外輪26の内周面26aから、板状部材90の先端に至る部分には、快削材で形成される快削材層100が形成されている。この快削材層100は、前述した快削材層70と同様の材料および同様の方法で構成される。
ここで、蒸気タービン10における上記したシール部40の作用について説明する。なお、タービンロータ23とダイアフラム内輪27との間に形成されるシール部40における作用は、動翼22とダイアフラム外輪26との間に形成されるシール部40における作用と同様である。そのため、ここでは、動翼22とダイアフラム外輪26との間に形成されるシール部40における作用について説明する。
図4は、実施の形態の蒸気タービン10が作動している状態において、シール部40の快削材層100の一部が侵食されたタービン段落の子午断面の一部を模式的に示した図である。なお、図4には、蒸気の流れを矢印で示している。
図3に示した運転状態が維持され、シール部40の快削材層100の上流側が侵食されると図4に示す状態となる。すなわち、最上流側に位置する板状部材90の上流側の快削材層100の表面の一部が侵食されている。このような侵食を受けても、図4に示すように、最上流側に位置する板状部材90が存在するため、それよりも下流側の快削材層100が侵食されるのを防止することができる。
また、蒸気タービン10が作動している状態において、板状部材90の先端とシール部材80の先端とが対向するため(それぞれの先端のタービンロータ23の軸方向の位置が一致するため)、快削材層100が侵食されても、蒸気の漏出を的確に抑制することができる。
上記した実施の形態では、静止構造体に、板状部材60、90および快削材層70、100を備え、回転構造体に、シール部材50、80を備えた一例を示しているが、この構成に限られるものではない。例えば、静止構造体に、シール部材50、80を備え、回転構造体に、板状部材60、90および快削材層70、100を備える構成としてもよい。
すなわち、タービンロータ23と、ダイアフラム内輪27との間に形成されるシール部40においては、タービンロータ23の外周面23aに、板状部材60および快削材層70を備え、ダイアフラム内輪27の内周面27aに、シール部材50を備えてもよい。また、動翼22と、ダイアフラム外輪26との間に形成されるシール部40においては、動翼22の先端を構成するシュラウド31の外周面31aに、板状部材90および快削材層100を備え、動翼22の外周に延設され、シール部材80に対向するダイアフラム外輪26の内周面26aに、シール部材80を備えてもよい。
このような構成としても、上記した実施の形態における作用効果と同様の作用効果を得ることができる。
以上説明した実施形態によれば、シール部において、快削材層の耐侵食性を向上するとともに、蒸気の漏出を抑制することが可能となる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10…蒸気タービン、20…内部ケーシング、21…外部ケーシング、22…動翼、23…タービンロータ、23a,31a…外周面、24…ロータ軸受、25…ロータディスク、26…ダイアフラム外輪、26a,27a…内周面、27…ダイアフラム内輪、27b…溝部、28…静翼、29…蒸気通路、30,40…シール部、31…シュラウド、32…スリーブ管、33…主蒸気管、34…ノズルボックス、35…排気通路、50,80…シール部材、60,90…板状部材、70,100…快削材層。

Claims (5)

  1. タービンロータの回転軸を中心に回転する回転構造体と、
    前記回転構造体の外周に離間して配設された静止構造体と、
    前記回転構造体の外周面または前記静止構造体の内周面から突出させて周方向に設置されたシール部材と、
    前記シール部材に対向する前記回転構造体の外周面または前記静止構造体の内周面から前記シール部材の先端に接触しないように突出させて、周方向に設置された板状部材と、
    前記板状部材が突出する前記回転構造体の外周面または前記静止構造体の内周面から、前記板状部材の先端に至る部分に設けられた快削材層と
    を具備することを特徴とする蒸気タービン。
  2. 前記蒸気タービンが作動していない状態において、前記シール部材の先端のタービンロータ軸方向の位置が、前記板状部材の先端のタービンロータ軸方向の位置とずれていることを特徴とする請求項1記載の蒸気タービン。
  3. 前記蒸気タービンが作動している状態において、前記シール部材の先端のタービンロータ軸方向の位置が、前記板状部材の先端のタービンロータ軸方向の位置と一致していることを特徴とする請求項1または2記載の蒸気タービン。
  4. 前記板状部材の厚さが、前記シール部材の厚さよりも薄いことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の蒸気タービン。
  5. 前記回転構造体が、タービンロータ、および前記タービンロータの周方向に植設された複数の動翼であり、
    前記静止構造体が、前記タービンロータの外周に離間して配設され、複数の静翼を支持するダイアフラム内輪、および一部が前記動翼の外周に離間して下流方向に延設され、複数の静翼を支持するダイアフラム外輪であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の蒸気タービン。
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