JP5891606B2 - 車両の監視方法及び監視装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両の周辺における環境の変化を監視する監視方法及び監視装置に関する。例えば、車両への人の接近やドアの開放などを検出して、車両の盗難を防止する方法及び装置に関する。
特許文献1には、家屋内には、放送局から放射された電波が、常時、侵入していることを利用して、その電波のレベルを検出する受信装置を室内において、レベルが変動した時に、家屋のドアーの開放、部外者の侵入があったことを検出する侵入検知システムが開示されている。
また、特許文献2には、車両のボディによる区画毎に、エバネセント波を区画されたボディに励起して、このエバネセット波が放射伝搬しないことを利用して、車両内部や周囲における局在された空間内だけに限定して通信を行うことが開示されている。
また、特許文献3には、電磁波環境が安定している時の電磁波を受信して、その平均などにより受信信号の振幅と位相とから成る基準受信ベクトルを求め、その後に、一定時間間隔毎に電磁波を受信して、受信ベクトルが基準受信ベクトルに対して所定量変化している場合に、環境への侵入と判断することが開示されている。
また、特許文献4には、マルチパス環境におけるパルス信号の反射遅延プロファイルの変化を検出して、電磁波環境への侵入を検出することが開示されている。
また、特許文献5には、マルチパス環境における複数の受信信号の位相相関を求めることで、電磁波環境における侵入を検出することが開示されている。
その他、車両に関する盗難防止装置として、各種のシステムが知られている。
特許第4528946号 特表2005−528848 特開2001−229474 特開2003−185735 特開平5−232213
車両に関する盗難防止装置は、車両に係る振動、音波を検出したり、ドアの開放を検出したりするのが一般的である。しかし、車両に部外者が接近する場合に、車両に振動を生じさせない場合や、ガラス割れを生じない場合があり、この場合には、接近や車両の盗難を検出することが困難である。
本発明は従来にない原理を用いるものである。本発明は、車両の周辺を監視する方法及び装置において、より簡便で、正確な検出を行うことができる新規な原理を用いた監視方法及び監視装置を提供することを目的とする。
本第1発明は、車両の周辺を監視する監視方法において、車両のボディを送信装置の出力する監視信号による電磁波で励振させて、送信装置と受信装置との間に、電磁波のマルチパスを形成し、受信装置により受信された監視信号の位相を検出し、該位相が変化した場合に、車両の周辺に異常が発生したとして、警報する監視方法であって、ボディの外面には、電磁波による監視信号を受信し、周波数の変換された監視信号を送信する返信装置が設置されており、受信装置は返信装置から送信された周波数の変換された監視信号を受信することを特徴とする車両の監視方法である。
本発明において、送信装置によるボディの励振は、車両のボディに直接、励振電流が供給されても良い。この場合に、送信装置は車両内部に設けても、ボディの外面に取り付けても良い。
また、送信装置による車両のボディの励振は、車両の内部空間に設けられたアンテナにより放射された電磁波により行われても良い。すなわち、車両の内部にアンテナから放射された電磁波により間接的に車両のボディを励振する。
励振する電磁波を生成する励振信号は、単一周波数の正弦波であっても、正弦波、方形波、パルス、鋸歯状波などのベースバンド信号で、搬送波を変調した信号であっても良い。監視信号は、変調されていない場合には、単一周波数の正弦波、変調されている場合には、ベースバンド信号を言うものとする。なお、ベースバンド信号が単一周波数の正弦波である場合に、このベースバンド信号で搬送波を振幅変調して片側帯波を抽出した場合には、励振に使用される電磁波は、ベースバンド信号の単なる周波数変換したものとなるが、このような周波数変換も変調とする。したがって、この場合の搬送波よりも周波数の低い単一周波数の正弦波も、監視信号とする。また、変調をする場合には、変調の種類は問わない、振幅変調であれば両側帯波、片側帯波でも良い。また、位相変調、周波数変調であっても良い。ベースバンドの監視信号は、0レベル、1レベルの期間が等しい矩形波、0レベル、1レベルの期間が異なるパルス、その他、符号列なども含まれる。要する、信号の立ち上がり、又は、立ち下がりが急峻なものであれば良い。監視信号の周波数は、車両の環境の変化が位相変化として検出できる周波数であれば任意である。勿論、励振する電磁波を監視信号による搬送波の変調信号とした場合には、監視信号の周波数は、搬送波の周波数よりも低い周波数である。
本発明は、車両のボディを励振させて、送信装置と返信装置を介した受信装置との間に、車両のボディを介在させたマルチパス環境を形成して、受信装置において監視信号の位相の時間的変化量を検出することを特徴とするものである。車両の置かれている環境が変化しないのであれば、マルチパス環境であっても、受信装置で検出される監視信号の位相は変化しない。この状態において、車両に人が接近したり、人がボディに触れたり、ドアを開放したりすると、マルチパス環境が変化することになり、受信装置において受信される監視信号の位相が時間的に変化することになる。この変化を検出することで、車両の周囲を監視することができる。車両のボディの電磁波による励振は直接的又は間接的に行うことができる。車両の内部空間に送信アンテナを設けてボディを間接的に電磁波で励振したり、ボディを直接励振できる位置(車両のボディの外面など)に送信装置を設け、ボディの外面に返信装置を取り付けることで、マルチパス環境下における監視信号の位相の変化を検出することができる。受信装置には、監視信号の位相変化が検出されて、人の車両の接近などの環境変化が検出された場合に警報音を出力するスピーカを備えても良く、また、車両から離れた位置に居る車両の所有者の所持する受信器に警報信号を送信して、所有者に人の接近を知らせるようにしても良い。
また、本発明において、ボディの外面には、電磁波による監視信号を受信し、周波数の変換された監視信号を送信する返信装置が設置されており、受信装置は、返信装置から送信された周波数の変換された監視信号を受信するようにしている。
この場合には、受信装置は、通常、送信装置と共に車両の内部に設けられる。返信装置は、監視信号を受信して、異なる周波数に変換した後、受信装置に送信する。したがって、送信装置、返信装置、受信装置の経路が、マルチパス環境となるため、より精度の高い監視が可能となる。この場合においても送受信装置はボディの外面に設けても良い。この場合には、送受信装置と返信装置とはボディを励振する電磁波を送受信することになる。
第2発明は、車両の周辺を監視する監視装置において、車両のボディを監視信号による電磁波で励振させる送信装置と、送信装置との間で、車両のボディを介在させた電磁波のマルチパスが形成される位置に配設され、監視信号を受信し、該監視信号の位相が変化した場合に、車両の周辺に異常が発生したとして、警報を出力する受信装置と、ボディの外面に設置され、電磁波による監視信号を受信し、周波数の変換された監視信号を送信する返信装置を、有し、受信装置は、返信装置から送信された周波数の変換された監視信号を受信することを特徴とする車両の監視装置である。
この発明は、上記の方法発明に対応する装置発明である。
この発明において、送信装置によるボディの励振は、車両のボディに直接、励振電流が供給されることにより行われても良い。
また、送信装置は、車両の内部空間に設けられ、車両のボディを励振する電磁波を放射するアンテナを有していても良い。すなわち、車両のボディは、アンテナにより放射された電磁波により励振されて、ボディによるマルチパス環境が形成される。
方法発明において説明したことは、本装置発明についても適用される。
本発明において、ボディの外面に設置され、電磁波による監視信号を受信し、周波数の変換された監視信号を送信する返信装置を、有し、受信装置は、返信装置から送信された周波数の変換された監視信号を受信するようにしている。
この場合には、受信装置は、通常、送信装置と共に車両の内部に設けられる。返信装置は、監視信号を受信して、受信信号とは異なる周波数に変換した後、受信装置に送信する。したがって、送信装置、返信装置、受信装置の経路が、マルチパス環境となるため、より精度の高い監視が可能となる。また、送受信装置はボディの外面に設けても良く、この場合には、送受信装置と返信装置とはボディを励振する電磁波を送受信することになる。
また、第3発明は、第2発明において、受信装置は、受信した監視信号の位相を検出する位相検出器と、位相検出器の時間の経過に対する位相の変化量が閾値以上か否かを判定する位相変化量判定手段と、位相変化量判定手段により、位相の変化量が閾値以上と判定された場合に、車両の周辺に異常が発生したとして、警報を出力する警報装置と、を設けてたものである。
マルチパス環境を伝搬した監視信号が受信装置により受信されて、時間の経過に対する位相変化量が測定される。この位相変化量が所定の閾値以上となった場合に、警報音を出力したり、警報信号が車両から離れた位置に居る所有者に伝送される。これにより、車両への人の接近などを検出することができ、車両の盗難を防止することができる。
警報装置には、警報信号を無線で送信する送信装置、この警報信号を受信して、警報を、光、音、画面で表示する出力装置が含まれる。また、警報信号を無線で送信する代わりに、車両に取り付ける受信装置に設けられた、直接、光、音などで警報を出力する出力装置であっても良い。
第4発明は、第3発明において、制御信号を入力して、その制御信号に応じて、目標周波数を設定すると共に記憶保持する目標周波数設定レジスタと目標位相を設定すると共に記憶保持する目標位相設定レジスタとを有し、目標周波数設定レジスタに設定されている目標周波数と目標位相設定レジスタに設定されている目標位相とに一致した周波数と位相の基準信号を出力する基準信号発振器と、監視信号と、基準信号発振器の出力する基準信号との位相差を示す位相差信号を出力する位相比較器と、位相比較器の出力する位相差信号の時間変動からその時の監視信号と基準信号との周波数差をもとめ、その周波数差に基づいて、基準信号発振器の目標周波数を制御する周波数制御装置と、位相比較器の出力する位相差信号の示す位相差に基づいて、基準信号発振器の目標位相を制御する位相制御装置と、を有し、位相検出器は、監視信号が検出されている期間において、目標位相設定レジスタに設定される目標位相を、監視信号の位相として検出することを特徴とする。
位相検出器、位相変化量判定手段、警報装置、位相比較器、周波数制御装置、位相制御装置は、アナログ回路、ディジタル回路、コンピュータで構成することができる。送信装置、受信装置には、変調する場合には、変調器、復調器や、増幅器などが含まれる。
本発明において、制御信号は、目標周波数及び目標位相を単位量づつ増減させる加減算パルスであり、基準信号発振器は、ディジタルシンセサイザであり、目標周波数設定レジスタ及び目標位相設定レジスタは、加減算パルスに基づいて、目標周波数及び目標位相を増減するレジスタとすることができる。この装置では、監視信号の受信期間において、微小量づつ、基準信号の周波数と位相とを変化させつつ、常時、フィードバック制御により、基準信号の周波数と位相が、受信した監視信号の周波数と位相に一致するように追従制御されている。周波数と位相の同期がかかった状態の目標周波数と目標位相は記憶されている。
また、本発明において、制御信号は、目標周波数及び目標位相の絶対値を示す信号であり、基準信号発振器は、ディジタルシンセサイザであり、目標周波数設定レジスタ及び目標位相設定レジスタは、制御信号を入力する毎に、制御信号の示す絶対値を、目標周波数及び目標位相として設定するレジスタを有するようにしても良い。この装置では、監視信号の受信期間において、目標周波数及び目標位相が絶対値として設定され、この値を変化させることで、基準信号の周波数と位相とを変化させつつ、フィードバック制御により、基準信号の周波数と位相とが、受信された監視信号の周波数と位相に追従するように制御されている。周波数と位相の同期がかかった状態の目標周波数と目標位相は記憶されている。
これらの発明において、目標位相の読取は、目標位相設定レジスタに設定されている値を読み取るようにしても良いし、目標位相設定レジスタに出力される制御信号、目標位相を読み取るようにしても良い。要は、異なる2つの時刻で、目標位相を検出するのであれば、どのような方法であっても良い。
本発明においては、監視信号が検出されている期間において、目標位相設定レジスタに設定されている目標位相を、異なる時刻で検出し、その目標位相の変動量が所定値以上か否かが判定される。すなわち、車両の環境の状態が変化すると、車両周囲の電磁場が変化することになり、受信装置で受信した監視信号の位相が変化することになる。この位相が、異なる時刻で検出されて、所定時間の経過に対する位相変化量が、所定値よりも大きい場合に、車両に対する部外者の接近、車両への接触、ドアの開放などの車両の環境状態が変化したことを検出している。そして、位相変化量判定手段により位相の変動量が所定値以上であると判定された場合には、車両の周辺に異常が発生したとして、警報している。
第5発明は、第2発明において、受信装置は、送信装置と共に送受信装置を構成し、送信装置の出力する送信監視信号と、返信装置からの送信信号を受信し、復調して得られる受信監視信号との位相差を検出する位相差検出器と、位相差検出器の出力する位相差の時間の経過に対する変化量が閾値以上か否かを判定する位相差変化量判定手段と、位相差変化量判定手段により、位相差の変化量が閾値以上と判定された場合に、車両の周辺に異常が発生したとして、警報を出力する警報装置と、を有することを特徴とする車両の監視装置である。
返信装置は、受信信号を他の周波数の信号に周波数変換する場合と、受信信号が変調されている場合にベースバンド信号に復調した後、波形整形して、その波形により送信時の搬送波の周波数と異なる周波数の搬送波を変調して、返信する場合とを含む。
この発明では、送信監視信号と受信監視信号との位相差が検出される。車両への人の接近などにより、マルチパス環境が変化した場合には、この位相差が時間的に変化する。この位相差の変化量が所定の閾値以上の場合に、マルチパス環境の変化、すなわち、人の接近と判定できる。この場合に、警報音を出力したり、警報信号を車両から離れた位置に居る所有者に伝送させて、人の車両への接近などを知らせることができる。これにより車両の盗難などを効果的に防止することができる。
本発明において、送信監視信号、受信監視信号は、上述した監視信号と同一であり、励振する電磁波が変調されている場合には、ベースバンド信号を意味する。
第6発明は、第2発明において、受信装置は送信装置と共に送受信装置を構成し、この送受信装置は、基準信号を発振する基準信号発振器と、基準信号発振器の出力する基準信号と、返信装置からの送信信号を受信し、復調して得られる受信監視信号との間の第1位相差を検出する第1位相差検出器と、第1位相差検出器の出力する第1位相差が零となるように、送信装置の出力する送信監視信号の周波数及び位相を制御する送信監視信号発振器と、基準信号発振器の出力する基準信号と送信監視信号発振器の出力する送信監視信号との間の第2位相差を検出する第2位相差検出器と、第2位相差検出器の出力する第2位相差の時間の経過に対する変化量が閾値以上か否かを判定する位相差変化量判定手段と、位相差変化量判定手段により、第2位相差の変化量が閾値以上と判定された場合に、車両の周辺に異常が発生したとして、警報を出力する警報装置と、を有することを特徴とする車両の監視装置である。
本発明は、送信装置、返信装置、受信装置からなる一巡の回路において、送信監視信号にPLL(フェーズロックループ)をかけるようにした装置である。したがって、受信監視信号の位相が基準信号の位相に同期するように送信監視信号の周波数と位相が制御されて、この送信監視信号に基づく電磁波により車両のボディが励振される。マルチパス環境下において、上記の一巡の回路における監視信号がPLL同期されており、マルチパス環境の変化があっても、PLL同期したまま送信監視信号の周波数と位相は追従制御される。したがって、送信監視信号と基準信号との位相差の時間変化量が所定の閾値以上となった場合に、マルチパス環境の変化と判定される。これにより精度の高いマルチパス環境の変化を検出することができる。
この場合も、返信装置は、受信信号を他の周波数に周波数変換する場合と、受信信号が変調されている場合にベースバンド信号に復調した後、波形整形して、この波形により送信時の搬送波の周波数と異なる周波数の搬送波を変調して、返信する場合とを含む。
第7発明は、第2発明において、受信装置は送信装置と共に送受信装置を構成し、この送受信装置は、基準信号を発振する基準信号発振器と、基準信号発振器の出力する基準信号と、返信装置からの送信信号を受信し、復調して得られる受信監視信号との間の第1位相差を検出する第1位相差検出器と、基準信号発振器の出力する基準信号と、送信装置の出力する送信監視信号との間の第2位相差を検出する第2位相差検出器と、第1位相差と第2位相差との絶対値の差を出力する比較器と、比較器の出力が零となるように、送信監視信号の周波数及び位相を制御する送信監視信号発振器と、第1位相差検出器の出力する第1位相差又は第2位相差検出器の出力する第2位相差の時間の経過に対する変化量が閾値以上か否かを判定する位相差変化量判定手段と、位相差変化量判定手段により、第1位相差又は第2位相差の変化量が閾値以上と判定された場合に、車両の周辺に異常が発生したとして、警報を出力する警報装置と、を有することを特徴とする車両の監視装置である。
本発明は、第6発明と同様に、送信装置、返信装置、受信装置からなる一巡の回路において、送信監視信号にPLLをかけるようにした装置である。送信装置から返信装置を経由した受信装置までの伝搬経路には、伝搬遅延時間が存在するので、送信監視信号の位相に対して受信監視信号の位相は、必ず遅れる。そこで、基準信号に対する受信監視信号の遅れ位相差(第1位相差)と、基準信号に対する送信監視信号の進み位相差(第2位相差)の絶対値が等しくなるように、送信監視信号の進み位相が決定される。本発明は、このような条件で送信装置と受信装置との間でPLL同期をかけたものである。遅れ位相差又は進み位相差の時間的変化量が所定の閾値以上となった場合に、人の車両への接近などのマルチパス環境の変化を検出することができる。マルチパス環境の変化があっても、送信監視信号の周波数と位相は、PLL同期したまま追従制御されるため、マルチパス環境の変化の精度の高い検出が可能となる。
第1〜第7発明において、送信装置による車両のボディを励振する電磁波の周波数は、限定されないが、ボディの表面にエバネセット波を励振する周波数とすることが望ましい。エバネセット波は、空間に伝搬しない。よって、車両の外部の電気機器に対して、電磁波による雑音を与えない。エバネセット波であれば、車両のボディへの近接、接触により、エバネセット波が励振される電磁場が変化する。これにより、雑音源とならずに、車両に対する人の接近を検出し、車両の盗難を正確に且つ未然に防止することができる。
搬送波の周波数は、車両の周辺に電磁場が拘束されるエバネセット波を用いるのであれば、波長/2が、車両の連続した金属体の最大長さよりも長くなる周波数を用いればよい。例えば、60MHzの場合には、車両の周辺に電磁場が拘束されたエバネセント波となり、300MHzであれば、車両から離間した周辺部にも電磁場が形成される。車両に人などが接近した場合には、人による電磁波の反射により受信装置で受信される電磁波は、マルチパスなどにより、位相が変化する。この位相の時間的変化量を受信装置により検出することで、車両の周辺の電磁場が変化したこと、すなわち、車両への人の接近、接触、ドアの開放などを検出することができる。
本発明では、車両のボディを電磁波で励振することにより、送信装置と受信装置との間で、ボディを介在させる伝搬路においてマルチパス環境を生成することができる。このマルチパス環境における人の接近などの環境の変化を、受信装置において受信された監視信号の位相の時間的変化量の大きさにより検出することができる。位相の変化量が所定値以上の場合に、車両の周辺環境に変化があったとして警報を発生している。これにより、監視装置の構成が簡単となり、小型化が可能となると共に、車両の遠くの電磁波の影響を受けることなく、車両の周辺の環境のみの変化をより正確に検出することができる。これにより車両の盗難をより正確に未然に防止することができる。特に、車両のボディの表面をエバネセント波で励振した場合には、本監視装置が、車両の外部の電気機器に対して雑音源となることが防止される。
本発明の具体的な実施例1に係る監視装置の構成図。 実施例1の装置における位相比較器の原理を説明するためのタイミングチャート。 実施例1の装置における位相比較器の出力する位相差信号のレベルと位相差との関係を示した説明図。 本発明の具体的な実施例2に係る監視装置の構成図。 本発明の具体的な実施例3に係る監視装置の構成図。 本発明の実施例に係る監視装置の判定手段を実現するCPUの処理手順を示したフローチャート。 本実施例に係る監視装置の送信装置を示した構成図。 本実施例に係る監視装置の送信装置と受信装置の取り付け位置と車両との関係を示した説明図。 本発明の具体的な実施例4に係る監視装置の構成図。 本発明の具体的な実施例5に係る監視装置の構成図。 本発明の具体的な実施例6に係る監視装置の送受信装置の構成図。 本発明の具体的な実施例7に係る監視装置の構成図。 実施例に係る監視装置を構成する送受信装置と返信装置の取り付け位置と車両との関係を示した説明図。 車両のボディを300MHzの電磁波で励振した場合のボディ及びボディ周辺における電磁場を示す説明図。 車両のボディを60MHzの電磁波で励振した場合のボディ及びボディ周辺における電磁場を示す説明図。
以下、本発明を、具体的な実施例に基づいて説明する。本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
図8は、本実施例の監視装置の送信装置8と受信装置1の車両に対する取り付け位置を示す図である。車両のボディに送信装置8と受信装置1が取り付けられる。送信装置8と受信装置1とは、ボディに対して異なる位置に設けられている。送信装置8は、図7に示すように構成されている。発振器94で2MHzの第1パルス信号の方形波が生成される。ベースバンドの第1パルス信号が、監視信号又は送信監視信号である。直交変調器91の内部にある1/2n-edge 回路により、第1パルス信号の立ち下がりに同期して立ち上がり、次の立ち下がりに同期して立ち下がるパルス信号が生成される。また、直交変調器91の内部にある1/2p-edge 回路により、第1パルス信号の立ち上がり同期して立ち上がり、次の立ち上がり同期して立ち下がるパルス信号が生成される。すなわち、1MHzで位相差がπ/2の2つのパルス信号(方形波)が生成される。これらの2つの信号は、直交変調器91において、搬送波発生回路96により生成されたcos(ωt)とsin(ωt)の2つの搬送波により、直交変調されて合成される。合成した信号がボディを励振するための励振信号(励振のための電磁波)となる。励振信号は、2MHzの第1パルス信号を、単一搬送波で2値のBPSK変調した信号と等価となる。このようにして生成された励振信号が送信導体92から送信される。送信導体92は、同軸ケーブルの芯線とシールド線から成る。その芯線は車両の金属ボディのある箇所に接続され、その接続箇所と離れた箇所にシールド線が接続される。これにより、金属ボディは励振信号により励振される。
次に、受信装置1について説明する。図1は、本実施例に係る監視装置の受信装置1のの構成図である。検出導体20は増幅器21を介して直交復調器30に接続されている。検出導体20は、同軸ケーブルの芯線とシールド線から成る。その芯線とシールド線が、車両の金属ボディに所定の距離をおいて接続されている。これにより、金属ボディに送信装置8により励振されている電磁場である励振信号を受信することができる。励振信号は、図1に示されている2MHzの方形波である第1パルス信号(監視信号)により、搬送波を2値の位相変移変調(BPSK)した信号である。実際には、コスタスループによる直交復調を用いるために、1MHzのパルス信号と、この信号をπ/2だけ位相変移させたパルス信号との2つの信号を、直交変調した後、合成して、送信している。しかし、直交復調して得られた位相差がπ/2の1MHzの2つのパルス信号をEX−OR合成した結果は、2MHzの方形波となるので、結果的には、2MHzの第1パルス信号を、単一の搬送波で変調したものと等価である。したがって、以下、特に、区別することなく、2値のBPSK変調として説明する。勿論、2MHzの第1パルス信号を、単一の搬送波で変調した信号を励振信号としても良い。この変調には、BPSKの他、振幅変移変調(ASK)、位相変移変調(PSK)、周波数変移変調(FSK)を用いても良い。
直交復調器30は、コスタスループを用いた同期直交復調回路である。受信信号は、直交復調器30に入力する搬送波sin(ωt)、cos(ωt)により復調される。この時、直交復調器30で復調された2つのパルス信号の積の平均値が零となるように、復調搬送波sin(ωt)とcos(ωt)の位相がフィードバック制御される。同期がとれた状態では、位相差がπ/2の2つの1MHzの2つのパルス信号が得られる。この2つの1MHzのパルス信号をEX−OR回路31により排他的論理和加算して、2MHzの方形波である第1パルス信号(受信した監視信号、受信監視信号)を復調するようにしている。復調結果は、図1に示されているように2MHzのベースバンドのパルス信号(方形波)となり、励振信号の変調信号であるベースバンドの第1パルス信号S1(監視信号)が復調される。
直交復調器30の出力する第1パルス信号S1と後述する基準信号発振器を構成するパルス発振器60の出力する第2パルス信号S2(基準信号)とは、両者の位相差(周波数差を含む)を検出する位相周波数型の位相比較器(PFC)32(たとえば、4046)に入力する。位相比較器32は、図2の(a)、(b)、(c)に示されているように、第1パルス信号S1の立ち上がりが第2パルス信号S2の立ち上がりよりも進んでいる期間だけハイレベルとなる信号Aが生成される(c)。この時、信号Bは、ローレベルにある。また、図2の(a)、(d)、(e)に示されているように、第1パルス信号S1の立ち上がりが、第2パルス信号S2の立ち上がりよりも遅れている期間だけ、信号Bが生成される(e)。この時、信号Aはローレベルにある。これらの2つの信号A、BがCMOSの2つのゲートに入力されることで、図2の(f)、(g)に示されているように、第1パルス信号S1の立ち上がりが第2パルス信号S2の立ち上がりよりも進んでいる期間だけハイレベルのパルス信号が、第1パルス信号S1の立ち上がりが第2パルス信号S2の立ち上がりよりも遅れている期間だけローレベルのパルス信号が、位相比較器32の出力信号S3として、ローパスフィルタ(ループフィルタ)33に入力される。
ローパスフィルタ33では、図2の(f):又は、(g)の出力信号S3が、平滑化される。すなわち、第1パルス信号S1が第2パルス信号S2に対して進み位相にある場合には、2つの信号の位相差が大きい程、ローパスフィルタ33から出力される位相差信号S4は、高いレベルとなる。また、第1パルス信号S1が第2パルス信号S2に対して遅れ位相にある場合には、2つの信号の位相差だ大きい程、位相差信号S4は、低いレベルとなる。
ローパスフィルタ33から出力される位相差信号S4が基準レベルにある時には、第1パルス信号S1と第2パルス信号S2との周波数差及び位相差は零である。第1パルス信号S1と第2パルス信号S2とが周波数が一致した状態で、位相差信号S4が最大レベルにある場合には、第1パルス信号S1は第2パルス信号S2に対して2πの進み位相にあり、位相差信号S4が0レベルにある場合には、第1パルス信号S1は第2パルス信号S2に対して−2πの遅れ位相にある。第2パルス信号S2に対する第1パルス信号S1の位相θ、(以下、この位相を位相差θという)と、ローパスフィルタの出力である位相差信号S4との関係は、図3に示すように比例関係にある。本発明の位相比較器は、本実施例では位相比較器32とローパスフィルタ33とで構成されている。第1パルス信号の周波数が第2パルス信号の周波数よりも高い場合には、位相差信号S4は基準レベルと最大レベルとの間に存在し、フィードバック制御により第2パルス信号の周波数が増加すると、位相差信号S4は基準レベルと最大レベルとの間で周波数の変化に伴い振動する。また、第1パルス信号の周波数が第2パルス信号の周波数よりも低い場合には、位相差信号S4は基準レベルと0レベルとの間に存在し、フィードバック制御により第2パルス信号の周波数が減少すると、位相差信号S4は基準レベルと0レベルとの間で周波数の変化に伴い振動する。
次に、周波数同期のための回路について説明する。位相差信号S4は、周波数差演算器40と、ディレイ回路41に入力しており、そのディレイ回路41の出力は周波数差演算器40に入力している。周波数差演算器40は、位相差信号S4から次の処理をする回路である。位相差θ(t)の時間微分は、第1パルス信号S1の基本周波数の第2パルス信号の基本周波数に対する時刻tにおける周波数差ω(t)を表している。すなわち、次式が成立する。
ただし、Δtは、ディレイ回路41における微小遅延時間であり、ディレイ回路41の出力信号S5が、θ(t−Δt)を表している。
周波数差演算器40では、θ(t)−θ(t−Δt)をΔtで割った値から、周波数差ω(t)が演算される。ω(t)は負の値もとるので、ω(t)に正のバイアス(基準レベル)を加えて、正の範囲の信号S6として、比較器42に出力される。信号S6が基準レベルにある時には、周波数差ω(t)は零である。信号S6が基準レベルより大きい場合には、周波数差ω(t)は正であり、基準レベルとの差が大きい程、周波数差ω(t)は大きい。また、信号S6が、基準レベルより小さい場合には、周波数差ω(t)は負であり、基準レベルとの差が大きい程、周波数差ω(t)の絶対値は大きい。
周波数差演算器40の出力する信号S6は、比較器42の一つの入力端子に入力している。比較器42の他の端子には、基準レベルが入力している。比較器42は差動型の出力を有し、一方の出力信号の反転信号が他方の出力端子から出力される。したがって、比較器42に入力する信号S6が基準レベルよりも高い場合には、比較器42の非反転出力端子からハイレベルの信号S7が出力される。また、信号S6が基準レベルより低い場合には、反転出力端子からハイレベルの信号S8が出力される。すなわち、比較器42は、周波数差ω(t)の正負を判定する回路である。比較器42の出力する信号S7、S8は、それぞれ、AND回路43、44の一入力端子に入力する。AND回路43、44の他の入力端子には、信号S7、S8をパルス化するための同一周波数のクロック信号が入力されている。
したがって、AND回路43、44の出力する信号S9、S10は、クロックパルスがハイレベルにある期間だけ、信号S7、S8のハイレベルが出力される。すなわち、周波数差ω(t)が正である期間、信号S9は、クロックに同期したパルス信号となり、信号10は零レベルを維持する。また、周波数差ω(t)が負である期間、信号S10は、クロックに同期したパルス信号となり、信号9は零レベルを維持する。これらの信号S9、S10は、目標周波数設定レジスタ61の加算端子、減算端子に入力される。目標周波数設定レジスタ61は、加算端子から1加算パルス入力される毎に、保持している値を1だけ加算し、減算端子から1減算パルス入力される毎に、保持している値を1だけ減算する回路である。すなわち、目標周波数設定レジスタ61が保持する値は、周波数差ω(t)が正である期間において、加算パルスが入力する度に、順次、大きくなり、周波数差ω(t)が負である期間において、減算パルスが入力する度に、順次、小さくなる。
目標周波数設定レジスタ61に保持されている値は、D/A変換器62によりアナログレベルに変換されて、電圧制御発振器(VCO)63に入力する。目標周波数設定レジスタ61に保持されている値は、VCO63の発振信号の周波数を与える。VCO63の出力信号は、移相器64により位相が調整された後、2値化回路65に入力する。2値化回路65の出力は、第2パルス信号S2(基準信号)となる。
位相比較器32、ローパスフィルタ33、周波数差演算器40、比較器42、AND回路43、44、目標周波数設定レジスタ61、D/A変換器62、VCO63、移相器64、2値化回路64が、周波数のフィードバックループとなる。この結果、第2パルス信号S2は、周波数差演算器40により求められた周波数差ω(t)が零となる時の目標周波数設定レジスタ61に設定されている周波数となり、第1パルス信号S1の周波数と一致する。周波数差ω(t)が正値の場合には、第2パルス信号S2の周波数は第1パルス信号S1の周波数よりも小さいことを意味する。周波数差ω(t)が正値をとる期間、目標周波数設定レジスタ61の保持する値は、信号S9(加算パルス)の入力より増大し、第2パルス信号S2の周波数は増加する。逆に、周波数差ω(t)が負値をとる期間、目標周波数設定レジスタ61の保持する値は、信号S10(減算パルス)の入力より減少し、第2パルス信号S2の周波数は減少する。このようなフィードバック制御により、周波数差ω(t)は零に収束するように、動作することになる。
次に、位相同期のための回路について説明する。ローパスフィルタ33の出力する位相差信号S4は、図3に示すように、正の範囲のレベルを有した信号であり、位相差信号S4が基準レベルの時には、位相差θ(t)は零である。位相差信号S4が基準レベルよりも高い場合には、第2パルス信号S2は第1パルス信号S1に対して遅れ位相にあり、位相差信号S4のレベルが高い程、第2パルス信号S2の遅れ位相の値も大きい。位相差信号S4が基準レベルよりも低い場合には、第2パルス信号S2は第1パルス信号S1に対して進み位相にあり、位相差信号S4のレベルが低い程、第2パルス信号S2の進み位相の値も大きい。この位相差信号S4は、比較器46の一入力端子に入力している。比較器46の他の入力端子は、基準レベルが入力している。
比較器46は差動型の出力を有し、一方の端子の出力信号の反転信号が他方の端子から出力される。したがって、比較器46に入力する位相差信号S4が基準レベルよりも高い場合には、比較器46の非反転出力端子からハイレベルの信号S11が出力される。また、位相差信号S4が基準レベルより低い場合には、反転出力端子からハイレベルの信号S12が出力される。すなわち、比較器46は、位相差θ(t)の正負を判定する回路である。比較器46の出力する信号S11、S12は、それぞれ、AND回路47、48の一入力端子に入力する。AND回路47、48の他の入力端子には、信号S11、S12をパルス化するための同一周波数のクロック信号が入力されている。
したがって、AND回路47、48の出力する信号S13、S14は、クロックパルスがハイレベルにある期間だけ、信号S11、S12のハイレベルが出力される。すなわち、位相差θ(t)が正である期間、信号S13は、クロックに同期したパルス信号となり、信号14は零レベルを維持する。また、位相差θ(t)が負である期間、信号S14は、クロックに同期したパルス信号となり、信号13は零レベルを維持する。これらの信号S13、S14は、目標位相設定レジスタ66の加算端子、減算端子に入力される。目標位相設定レジスタ66は、加算端子から1加算パルス入力される毎に、保持している値を1だけ加算し、減算端子から1減算パルス入力される毎に、保持している値を1だけ減算する回路である。すなわち、目標位相設定レジスタ66が保持する値は、位相差θ(t)が正である期間において、加算パルスの入力する度に、順次、大きくなり、位相差θ(t)が負である期間において、減算パルスが入力する度に、順次、小さくなる。
目標位相設定レジスタ66に保持されている値は、D/A変換器67によりアナログレベルの信号S15に変換されて、移相器64に入力する。移相器64では、この信号S15のレベルに応じて、VCO63の出力する発振信号の位相が制御される。このようにして、第2パルス信号S2(基準信号)の位相が制御される。
位相比較器32、ローパスフィルタ33、比較器46、AND回路47、48、目標位相設定レジスタ66、D/A変換器67、移相器64、2値化回路64が、位相のフィードバックループとなる。周波数差ω(t)が正の場合には、ローパスフィルタ33の出力する位相差信号S4は、図3に示すように、鋸歯状波となり、常に、増加方向に変化する。また、周波数差ω(t)が負の場合には、位相差信号S4は、図3に示すように、鋸歯状波となり、常に、減少方向に変化する。したがって、位相差θ(t)に時間変動が存在する限り、周波数差ω(t)が観測され、周波数に関するフィードバックがかかり、周波数差ω(t)が零となるように安定する。この状態での位相差θ(t)は、周波数差によらない位相差となり、この位相差が零となるように、上記の位相フィードバックループにより制御される。
この結果、第2パルス信号S2(基準信号)の位相は、位相差θ(t)が零となる時の目標位相設定レジスタ66に設定されている位相となり、第1パルス信号S1(監視信号)の位相と一致する。位相差θ(t)が正値の場合には、第1パルス信号S1の位相は、第2パルス信号S2の位相よりも進み位相にあることを意味する。位相差θ(t)が正値をとる期間、目標位相設定レジスタ66の保持する値は、信号S13(加算パルス)の入力より増大し、第2パルス信号S2の位相は進められる。逆に、位相差θ(t)が負値をとる期間、目標位相設定レジスタ61の保持する値は、信号S14(減算パルス)の入力より減少し、第2パルス信号S2の位相は遅れられる。位相差θ(t)が零となると、目標位相設定レジスタ61の保持する値の変動が停止し、第2パルス信号S2の位相がその設定位相に保持されて、第2パルス信号S2はその位相において第1パルス信号の位相に一致する。
このような周波数と位相のフィードバック制御により、周波数差ω(t)と位相差θ(t)が零に収束するように、動作することになる。
上記のように周波数と位相のフィードバック制御により、第1パルス信号S1(監視信号、受信監視信号)の周波数と位相に同期した第2パルス信号S2(基準信号)が生成される。
以上の動作により、目標周波数設定レジスタ61、目標位相設定レジスタ66には、受信した第1パルス信号S1の現時刻での周波数と位相が、リアルタイムで保持されることになる。この目標位相設定レジスタ66に保持されている値は、一定時間間隔T毎に、CPU70により読み取られて、図6に示す処理が実行される。
図6のステップ100において、目標位相設定レジスタ66の現時刻における値がφ1 として入力される。次にステップ102において、位相を入力してから所定時間Tが経過したか否かが判定され、所定時間Tが経過した場合に、ステップ104において、目標位相設定レジスタ66の現時刻における値がφ2 として入力される。次に、ステップ106において、その2つの時刻における位相φ1 とφ2 の位相差の絶対値Δφ=|φ2 −φ1 |が演算される。そして、ステップ108において、位相差の絶対値Δφが所定値以上と判定されると、車体の周辺の電磁波環境が変化したとして、ステップ110において、送信器71が駆動されて、警報信号が送信される。この警報信号は、車両から離れた位置、例えば、車両の保有者の保持する受信器72で受信されて、警報器73に、音、光、画面上の表示などにより、保有者に警報が報知される。次に、ステップ112において、位相φ2 を入力してから所定時間Tが経過したか否かが判定されて、経過した場合に、ステップ100に戻り、上記の処理が繰り返し実行されて、車両の監視状態が継続される。このようにして、車体への部外者の接触やドアの開放などを、車両の保有者に通知することができる。
本発明の基準信号発振器(パルス信号発振器60)は、本実施例においては、目標周波数設定レジスタ61、目標位相設定レジスタ66、D/A変換器62、67、VCO63、移相器64、2値化回路65から構成されている。本発明の周波数制御装置は、周波数差演算器40、比較器42、AND回路43、44により構成されている。また、本発明の位相制御装置は、比較器46、AND回路47、48により構成されている。位相変化量判定手段は、CPU70、ステップ100−108、112により構成されている。また、警報装置は、CPU70、ステップ110、送信器71、受信器72、警報器73により構成されている。
上記実施例において、ローパスフィルタ33の出力をA/D変換して、周波数差演算器40、比較器42、46による極性判定、AND回路43、44、47、48によるパルス化を、コンピュータを用いたディジタル処理により実現しても良い。すなわち、目標周波数設定レジスタ61、目標位相設定レジスタ66へ出力する加算パルス、減算パルスを、コンピュータによるソフトウエアの制御により、出力するようにしても良い。この場合に、コンピュータは、CPU70を用いることができる。また、位相比較器32、ローパスフィルタ33をディジタル回路で構成しても良い。なお、送信装置8は、車両の内部空間に設けても良い。この場合には、送信導体92は車両の内部空間に設けられたアンテナとなる。車両のボディは、アンテナから放射された電磁波により間接的に励振される。
図4は、実施例2に係る監視装置の構成図である。本実施例では、実施例1の基準信号発振器であるパルス発振器60をディジタルシンセサイザ80で構成したものである。ディジタルシンセサイザ80は、実施例1と同様に、加算パルス、減算パルスで保持している値を加算、減算する目標周波数設定レジスタ61、目標位相設定レジスタ66を有している。ディジタルシンセサイザ80は、コンピュータにより、目標周波数設定レジスタ61に設定されている周波数、目標位相設定レジスタ66により設定されている位相により、方形波を発生する装置である。第2パルス信号S2(基準信号)が第1パルス信号S1(監視信号)に対して、周波数と位相が同期される動作原理については、実施例1と同一である。また、ローパスフィルタ33の出力する位相差信号S4を、ディジタル値に変換して、加算パルス、減算パルスを出力する処理を、コンピュータにより実現しても良い。
この目標位相設定レジスタ66に保持されている値は、実施例1と同様に、一定時間間隔T毎に、CPU70により読み取られて、図6に示す処理が実行される。そして、異なる2つの時刻における位相φ1 とφ2 の位相差の絶対値Δφ=|φ2 −φ1 |が、所定値以上と判定されると、送信器71が駆動されて、警報信号が送信される。以下、実施例1と同一である。このようにして、車体への部外者の接触やドアの開放などを、車両の保有者に通知することができる。
実施例2は、ディジタルシンセサイザ80の目標周波数設定レジスタ61、目標位相設定レジスタ66を、加算パルス、減算パルスにより加減算するインクリメンタルレジスタで構成している。本実施例では、ディジタルシンセサイザの目標周波数設定レジスタ、目標位相設定レジスタを、入力されたデータ(絶対値)を保持する絶対値レジスタで構成している。図5に示すように、ディジタルシンセサイザ81は、入力データを設定する目標周波数設定レジスタ82、目標位相設定レジスタ83を有している。これらのレジスタに設定された周波数と位相に応じて、方形波(基準信号)を発生させることは、実施例2と同一である。
目標周波数設定レジスタ82、目標位相設定レジスタ83を絶対値レジスタとしたことから、本実施例では、周波数差演算器40の出力する周波数差ω(t)を示す信号S6、ローパスフィルタ33の出力する位相差θ(t)を示す位相差信号S4を、それぞれ、入力するPID演算器51、52を有している。PID演算器51、52は、信号S6、位相差信号S4のレベルの基準レベルに対する偏差、偏差の積分、偏差の微分を演算して、制御量を演算する装置である。この基準レベルは、周波数差ω(t)が零となるレベル、位相差θ(t)が零となるレベルである。PID演算器51、52により演算された周波数制御量、位相制御量が、目標周波数設定レジスタ82、目標位相設定レジスタ83に設定される。また、PID演算器52の出力する位相値、すなわち、目標位相設定レジスタ83に設定されている位相値は、CPU70により所定時間間隔Tの周期で読み取られる。
周波数差ω(t)が正の期間は、PID演算器51の積分機能により、その出力する周波数制御量は増大する。周波数差ω(t)が負の期間は、PID演算器51の積分機能により、その出力する周波数制御量は減少する。周波数差ω(t)が零となると、積分値は変動しなくなるので、周波数制御量は一定値となる。
同様に、位相差θ(t)が正の期間は、PID演算器52の積分機能により、その出力する位相制御量は増大する。位相差θ(t)が負の期間は、PID演算器52の積分機能により、その出力する位相制御量は減少する。位相差θ(t)が零となると、積分値は変動しなくなるので、位相制御量は一定値となる。このような周波数と位相のフィードバック制御により、第2パルス信号S2(基準信号)の周波数と位相は、第1パルス信号S1(監視信号)の周波数と位相に同期することになる。
PID演算器52の出力する位相であって、目標位相設定レジスタ66に保持されている値は、実施例1と同様に、一定時間間隔T毎に、CPU70により読み取られて、図6に示す処理が実行される。そして、異なる2つの時刻における位相φ1 とφ2 の位相差の絶対値Δφ=|φ2 −φ1 |が、所定値以上と判定されると、送信器71が駆動されて、警報信号が送信される。以下、実施例1と同一である。このようにして、車体への部外者の接触やドアの開放などを、車両の保有者に通知することができる。
本発明の周波数制御装置は、本実施例では、周波数差演算器40とPID演算器51とにより構成されている。また、本発明の位相制御装置は、本実施例では、PID演算器52により構成されている。PID演算器51、52は、車両周辺の電磁波環境の変化による追従偏差が小さい場合には、微分補正のないPI演算でも良いし、積分演算だけでも良い。PID演算器51、52は、アナログ回路、ディジタル回路、コンピュータで構成しても良い。また、本実施例においても、ローパスフィルタ33の出力する位相差信号S4を、ディジタル値に変換して、PID演算し、制御量を出力する処理を、コンピュータにより実現しても良い。また、このコンピュータをCPU70と共用しても良い。実施例1と同様に、位相変化量判定手段は、CPU70、ステップ100−108、112により構成されている。また、警報装置は、CPU70、ステップ110、送信器71、受信器72、警報器73により構成されている。
図9は本願の具体的な実施例4に係る送受信装置100及び返信装置200の具体的な構成を示すブロック図である。本実施例は、車両の内部空間に送受信装置100を設け、車両のボディの外面に返信装置200を取り付けた装置である。
図9の送受信装置100の構成のうち、送信装置は次の通りである。
基準信号発振器である周波数固定発振器10から、固定周波数fの正弦波が出力される。固定周波数発振器10の出力する基準信号は、第1位相比較器11及び第2位相比較器18、並びに第1高周波生成器14に入力される。
第1位相比較器11は、低域濾波器12、送信監視信号発振器である電圧制御発振器13及び送受信装置100と返信装置200の伝搬路を介したフェーズロックドループ(PLL)を形成する。第1位相比較器11には帯域濾波器163の出力する受信監視信号と周波数固定発振器10の出力する基準信号とが入力されて、第1位相比較器11からは、受信監視信号の基準信号に対する位相差である第1位相差が出力される。そして、第1位相差が零となるように、電圧制御発振器13の出力する送信監視信号の周波数及び位相が制御される。このようにして、帯域濾波器163の出力する受信監視信号の位相が、周波数固定発振器10の出力する基準信号の位相と一致するように電圧制御発振器13の出力する周波数fの正弦波である送信監視信号の位相が進められる。
電圧制御発振器13の出力する周波数fの正弦波は、混合器15に入力される。混合器15はダブルバランスドミキサで構成できる。また混合器15には第1高周波生成器14から周波数Nf(N≫1)の高周波が入力される。こうして、混合器15の出力から、帯域濾波器161で周波数Nf付近のみの両側帯波(DSB(Nf))(励振信号)が透過され、第1送信アンテナAT1から車両のボディを励振するための電磁波が放射される。これにより、車両のボディは励振状態となる。尚、周波数Nfの搬送波は、完全に抑圧されていても、抑圧されずに共存していても良い。第1高周波生成器14は、詳細を図示していないが、例えば位相比較器、低域濾波器、電圧制御発振器、分周器とから成るフェーズロックドループ(PLL)により構成できる。なお、第1送信アンテナAT1に代えて実施例1のように励振導体を車両のボディに直に付けることで、直接、ボディを励振しても良い。
図9の返信装置200の構成は次の通りである。
車両のボディに取り付けられた第2受信アンテナA2Rで受信された周波数Nf付近の両側帯波(DSB(Nf))(励振された電磁波)は、帯域濾波器262で周波数Nf付近のみ透過され、第2同期復調器27により同期復調され、帯域濾波器263を透過して周波数fの正弦波が受信監視信号として復調される。復調された周波数fの正弦波は混合器25(第2変調器)に入力される。第2同期復調器27としては詳細を示していないが、コスタスループの他、公知の任意の同期復調器を採用することができる。
固定周波数発振器23から周波数fの正弦波が出力され、第2高周波生成器24により周波数Mf(M≫1且つM≠N)の高周波が生成されて混合器25に入力される。こうして、混合器25の出力は帯域濾波器261で周波数Mf付近のみの両側帯波(DSB(Mf))が透過され、第2送信アンテナAT2から送受信装置100に送信される。尚、周波数Mfの搬送波は、完全に抑圧されていても、抑圧されずに共存していても良い。第2高周波生成器24は、詳細を図示していないが、例えば位相比較器、低域濾波器、電圧制御発振器、分周器とから成るフェーズロックドループ(PLL)により構成できる。なお、第2送信アンテナAT2からの送信信号は、電磁波として、送受信装置100に送信しても良いし、車両のボディを電磁波で励振して送信するようにしても良い。
図9の送受信装置100の受信装置の構成は次の通りである。
第1受信アンテナA1Rで受信された周波数Mf付近の両側帯波(DSB(Mf))は、帯域濾波器162で周波数Mf付近のみ透過され、第1同期復調器17により同期復調され、帯域濾波器163を透過して周波数fの正弦波、すなわち、ベースバンドの受信監視信号が復調される。復調された周波数fの正弦波である受信監視信号は第1位相比較器11に入力される。第1同期復調器17としては詳細を示していないが、コスタスループ他、公知の任意の同期復調器を採用することができる。
以上のように構成されているので、図9の送受信装置100において、帯域濾波器163の出力する受信監視信号の位相が、固定周波数発振器10(基準発振器)の出力する基準信号の位相と一致するように電圧制御発振器13(送信監視信号発振器)の出力する周波数fの正弦波である送信監視信号の位相が進められる。固定周波数発振器10の出力する基準信号と、電圧制御発振器13の出力する送信監視信号は、第2位相比較器18に入力している。
送信監視信号の基準信号に対する位相差(第2位相差)は、A/Dコンバータ19によりディジタル値に変換された後に、CPU70に読み取られる。CPU70の処理手順は、第2位相比較器18の出力する第2位相差を図6の位相φとして処理した手順と同一となる。第2位相差は、送受信装置100と返信装置200の間の往復による伝搬遅延時間により生じた位相差である。車両のボディの周辺におけるマルチパス環境に変化がなければ、第2位相差は時間的に変化しない。例えば、人が車両に接近したり、ドアに触れたり、ドアを開放したりすると、送受信装置100と返信装置200の間のマルチパス環境が変化するので、第2位相差が、それにともない時間的に変化する。この所定時間間隔Tにおける第2位相差の変化量Δφ(ステップ106)が閾値Th以上と判定された場合(ステップ108)に、警報信号が送信器71から車両の所有者の有する受信器72に向けて送信される。そして、警報器73に警報が表示され、警報音が出力される。
また、周波数fの正弦波により周波数Nf又は周波数Mfの高周波を変調した、両側帯波(DSB(Nf)及びDSB(Mf))を用いるので、占有する帯域が極めて狭い。
図10は本発明の具体的な実施例5に係る送受信装置101及び返信装置201の具体的な構成を示すブロック図である。送受信装置101と返信装置201の車両における配設位置は、実施例4と同様である。
図10の送受信装置101は、単一基準周波数fの基準信号である正弦波を発振する基準発振器110と、返信装置201からの送信信号を受信する第1受信アンテナ120と、その受信信号を増幅する増幅器119と、その増幅器の出力信号を基準信号と同一の周波数の正弦波である受信監視信号に周波数変換する第1周波数変換器112と、基準発振器110の出力する基準信号の正弦波の位相と、第1周波数変換器112の出力する正弦波の位相とを比較する第1位相比較器111とを有している。また、送受信装置101は、第1位相比較器111の出力する第1位相差信号を積分するループフィルタ113と、そのループフィルタ113の出力電圧に応じて、発振周波数を変化させる電圧制御発振器114(送信監視信号発信器)、その出力である送信監視信号を増幅する増幅器115と、その出力信号を送信するための第1送信アンテナ118を有している。また、基準発振器110の出力する正弦波である基準信号の位相と、電圧制御発振器114の出力する正弦波である送信監視信号の位相とを比較する第2位相比較器116と、その出力を積分するローパスフィルタ117とを有している。
第2位相比較器116の出力する第2位相差は、ローパスフィルタ117を介して、A/Dコンバータ119によりディジタル値に変換された後に、CPU70に読み取られる。CPU70の処理手順は、第2位相比較器116の出力する第2位相差を図6の位相φとして処理した手順と同一となる。第2位相差は、送受信装置101と返信装置201の間の往復による伝搬遅延時間により生じた位相差である。車両のボディの周辺におけるマルチパス環境に変化がなければ、第2位相差は時間的に変化しない。例えば、人が車両に接近したり、ドアに触れたり、ドアを開放したりすると、送受信装置101と返信装置201の間のマルチパス環境が変化するので、第2位相差が、それにともない時間的に変化する。この所定時間間隔Tにおける第2位相差の変化量Δφ(ステップ106)が閾値Th以上と判定された場合(ステップ108)に、警報信号が送信器71から車両の所有者の有する受信器72に向けて送信される。そして、警報器73に警報が表示され、警報音が出力される。
返信装置201は、送受信装置101から送信された送信監視信号を受信する第2受信アンテナ251と、第2受信アンテナ251で受信された信号を周波数変換する第2周波数変換器250とを有している。本実施例では、第1周波数変換器112は、1/10の分周器、第2周波数変換器250には、10倍の逓倍器を用いた。本実施例では、返信装置201は、受信信号をベースバンドに復調することなく、単に、周波数を変換して送信する装置とした。
次に、本装置の作用を説明する。本実施例では、基準発振器110の出力する基準信号は、周波数10MHzの正弦波である。また、電圧制御発振器114の出力する送信監視信号も、周波数10MHzの正弦波である。また、返信装置201では、受信された10MHzの正弦波である送信監視信号を、100MHzの正弦波に周波数変換して、第2送信アンテナ252から出力されて、車両のボディが励振される。
このようにして、本装置では、第1位相比較器111の出力する第1位相差が零となるように、周波数と位相のフィードバックがかかり、送受信装置101と返信装置201との間で形成される一巡のPLLは、安定することになる。
本実施例では、送受信装置101により車両のボディを励振する電磁波は、10MHz、返信装置201により車両のボディを励振する電磁波は、100MHzの単一の周波数であるので、使用帯域幅が、極めて狭いものとなる。また、単一周波数だけを用いて、周波数変換するだけであるので、回路構成が極めて簡単となる。
このようにして、送受信装置と返信装置との間のマルチパス環境における状況の変化を検出することができる。
図11は、本発明の実施例6に係る監視装置の送受信装置102の構成図である。基準発振器310は、1MHzの方形波の基準信号S0を発振する発振器である。基準発振器310の出力する基準信号S0は、第1位相比較器311と第2位相比較器312とに入力している。第2位相比較器312には、電圧制御発振器317の出力する送信ベースバンド信号B2である送信監視信号が入力されている。送信ベースバンド信号B2は、基準信号S0に周波数同期し、位相差が所定値となるように位相同期した方形波である。電圧制御発振器317の出力する送信ベースバンド信号B2は変調器(ミキサー)318に入力している。基準発振器310の出力する基準信号S0はPLL電圧制御発振器319に入力しており、PLL電圧制御発振器319は、基準信号S0を元に、その基準信号S0の周波数を逓倍した正弦波を搬送波として発生する。この搬送波は、変調器318に入力しており、変調器318により送信ベースバンド信号B2により搬送波が振幅変調される。そして、変調器318の出力する信号は、帯域通過フィルタ320に入力して、変調信号の上側帯波だけ抽出される。帯域通過フィルタ320の出力信号は増幅器322で増幅された後、励振信号として、送信アンテナ321に入力し、車両の内部空間に放射される。この結果、車両のボディは励振信号S2による電磁波により励振される。または、送信アンテナ321を実施例1のように車両のボディに直接付けた励振導体とすることで、ボディを直接、励振するようにしても良い。
返信装置は、実施例4の図9に示す返信装置200と同一構成である。すなわち、返信装置200からは、車両のボディから電磁波を受信して、ベースバンドの送信監視信号に復調された後、その信号で、送信搬送波とは異なる周波数の搬送波を変調した返信信号S1が出力される。返信装置200においては、この返信信号により車両のボディが励振される。返信信号S1は受信アンテナ330により受信され、受信信号は増幅器331により増幅された後、復調器333に入力する。復調器333は、同期復調器であり、返信信号S1の搬送波に同期した周波数の正弦波の復調搬送波を発生して、その復調搬送波で返信信号S1を同期復調する。復調器333の出力信号は帯域通過フィルタ334を通過して、受信監視信号である受信ベースバンド信号B1として第1位相比較器312に入力する。受信ベースバンド信号B1は方形波であり、送信ベースバンド信号B2と同一周波数であり、所定位相だけ遅れた信号である。
第1位相比較器311では、受信ベースバンド信号B1(受信監視信号)と基準信号S0との第1位相差θ1が検出される。第1位相差θ1は、受信ベースバンド信号B1の位相−基準信号の位相として定義される。すなわち、基準信号の位相を0度とした時の受信ベースバンド信号B1の位相である。θ1の負値は、遅れ位相を表す。第1位相比較器311は、良く知られたようにフリップフロップ回路から成る。受信ベースバンド信号B1の基準信号S0に対する位相差に比例した幅のパルス信号が出力される。受信ベースバンド信号B1と基準信号S0とが同相の場合には、第1位相比較器311の出力は、デューティ比50%の方形波となり、受信ベースバンド信号B1が基準信号S0に対してπだけ位相が進んでいる場合には、デューティ比100%の方形波(ハイレベルの直流)となり、受信ベースバンド信号B1が基準信号S0に対してπだけ位相が遅れている場合には、デューティ比0%の方形波(ローレベルの直流)となるように調整されている。第1位相比較器311の出力信号はローパスフィルタ(ループフィルタ)314に入力しており、平滑化(平均化)される。ローパスフィルタ314の出力レベルが第1位相差θ1を与える。受信ベースバンド信号B1は基準信号S0に対して、必ず位相が遅れる。したがって、第1位相差θ1は負値である。このため、反転器316において、信号レベルが反転されて、第1位相差θ1の絶対値が求められる。すなわち、反転器316の出力信号は、第1位相差の絶対値(−θ1)を与える。
同様に、第2位相比較器312には、基準信号S0と送信ベースバンド信号B2(送信監視信号)が入力している。第2位相比較器312は、第1位相比較器311と同一の構成をしており、同一の作用をする。したがって、送信ベースバンド信号B2と基準信号S0とが同相の場合には、第2位相比較器312の出力は、デューティ比50%の方形波となり、送信ベースバンド信号B2が基準信号S0に対してπだけ位相が進んでいる場合には、デューティ比100%の方形波(ハイレベルの直流)となり、送信ベースバンド信号B2が基準信号S0に対してπだけ位相が遅れている場合には、デューティ比0%の方形波(ローレベルの直流)となるように調整されている。第2位相比較器312の出力信号はローパスフィルタ(ループフィルタ)315に入力しており、平滑化(平均化)される。ローパスフィルタ315の出力レベルが第2位相差θ2を与える。送信ベースバンド信号B2は基準信号S0に対して、必ず位相が進んでいる。したがって、第2位相差θ2は正値である。このため、ローパスフィルタ315の出力レベルは第2位相差θ2の絶対値(θ2)を与えることになる。
第1位相差の絶対値(−θ1≧0)と、第2位相差の絶対値θ2とが、比較器313に入力している。比較器313の出力は、第1位相差の絶対値の第2位相差の絶対値に対する位相差Δθを演算する。
比較器313の出力信号は、電圧制御発振器317(送信監視信号発信器)の制御端子に入力している。位相差Δθが正の場合には、電圧制御発振器317の出力する送信ベースバンド信号B2の位相を進めて、比較器313の出力Δθが0となるようにフィードバック制御される。また、Δθが負の場合には、電圧制御発振器317の出力する送信ベースバンド信号B2の位相を遅らせて、比較器313の出力Δθが0となるようにフィードバック制御される。このようにして、比較器313の出力である位相差Δθが、常に、0となるように、送信ベースバンド信号B2の位相は制御されることになる。すなわち、送受信装置102と返信装置200との間で、ベースバンド信号に関してPLL同期が確立したことになる。
PLL同期が確立した状態では、比較器313の出力である位相差Δθは零である。
すなわち、第1位相差θ1と第2位相差θ2の絶対値は等しくなる。
第2位相比較器312の出力する第2位相差θ2は、ローパスフィルタ315を介して、A/Dコンバータ319によりディジタル値に変換された後に、CPU70に読み取られる。CPU70の処理手順は、第2位相比較器312の出力する第2位相差θ2を図6の位相φとして処理した手順と同一となる。第2位相差θ2は、送受信装置102と返信装置200の間の片道の伝搬遅延時間により生じた位相差である。車両のボディの周辺におけるマルチパス環境に変化がなければ、第2位相差は時間的に変化しない。例えば、人が車両に接近したり、ドアに触れたり、ドアを開放したりすると、送受信装置102と返信装置200の間のマルチパス環境が変化するので、第2位相差θ2が、それにともない時間的に変化する。この所定時間間隔Tにおける第2位相差θ2の変化量Δφ(ステップ106)が閾値Th以上と判定された場合(ステップ108)に、警報信号が送信器71から車両の所有者の有する受信器72に向けて送信される。そして、警報器73に警報が表示され、警報音が出力される。位相差の時間変化は、第1位相差θ1の時間変化を検出するようにしても良い。
本実施例7の監視装置は、実施例4の監視装置において、送受信装置、返信装置、送受信装置の一巡の経路において、監視信号に関してPLLをかけないようにした監視装置である。
図12において、基準信号発振器10の出力する基準信号が送信監視信号となる。この送信監視信号により搬送波が変調(周波数変換)されて、励振信号として出力される。位相比較器11には、受信信号を復調して得られた受信監視信号と、基準信号である送信監視信号とが入力している。そして、位相比較器11の出力は、受信監視信号と送信監視信号との位相差を示す。この位相差は、送受信装置、返信装置、送受信装置の一巡の経路による伝搬遅延時間により生じたものである。この位相差が、A/Dコンバータ19によりディデタル値に変換されて、CPU70に読み取られる。CPU70の処理手順は、図6に示す実施例1の場合と同一である。
このようにして、送信監視信号と受信監視信号との位相差を検出することができ、その位相差の時間的変化量が所定の閾値以上となった場合に、マルチパス環境の変化、すなわち、車両に対する人の接近などの異常を検出することができる。
なお、送受信装置と返信装置を用いる実施例4−7の場合には、送受信装置100と返信装置200とを、共に、車両のボディの外面に設けても良い。そして、送受信装置100を一箇所に設けて、複数の返信装置200をボディの外面の多数の箇所に設けても良い。この場合には、各返信装置200毎に返信信号の周波数を変化させ、送受信装置100において、周波数を切り換えて、各返信装置200に対する信号の受信を行うようにしても良い。このように複数の返信装置200を用いることで、ボディの広い範囲に渡って周辺の異常の監視を行うことができる。また、異なる周波数を各返信装置200に割り当てる代わりに、異なる拡散符号を割り当てて、この拡散符号を各返信装置に固有のベースバンドの監視信号として用いても良い。
車両のボディを300MHzの電磁波で励振した場合の電磁場のシミュレーョン結果を図14に示す。ボディの周辺の空間にも電磁場が存在することが分かる。そして、周囲に誘電体を設けた場合に、周辺の電磁波が乱されていることが分かる。これにより、人が車両に接近した場合に、送信装置と受信装置との間、送受信装置と返信装置との間のマルチパス環境が変化することが分かる。
また、車両のボディを60MHzの電磁波で励振した場合の電磁場のシミュレーョン結果を図15に示す。この場合には、電磁場は車両のボディに拘束れており、周辺にはほとんど存在しないことが分かる。これにより、60MHzでボディを励振した場合には、周辺に伝搬しないエバネセット波が励起されていることが分かる。このエバネセット波は、受信装置、送受信装置により検出することができ、人などが車両に接近するとエバネセット波による電磁場が影響を受けて変化することになる。この電磁場の変化を、送信監視信号と受信監視信号との位相差の時間的変化として検出することができる。
本発明は、車両への部外者の接近、接触、ドアの開放などを検出し、車両の盗難を未然に防止できる監視装置に応用することができる。
1…監視装置
20…検出導体
30…直交復調器
32…位相比較器
40…周波数差演算回路
42、46…比較器
43、44…AND回路
60…パルス発振器
66…目標位相設定レジスタ
11…第1位相比較器
18…第2位相比較器

Claims (15)

  1. 車両の周辺を監視する監視方法において、
    前記車両のボディを送信装置の出力する監視信号による電磁波で励振させて、前記送信装置と受信装置との間に、前記電磁波のマルチパスを形成し、前記受信装置により受信された監視信号の位相を検出し、該位相が変化した場合に、前記車両の周辺に異常が発生したとして、警報する監視方法であって、
    前記ボディの外面には、前記電磁波による前記監視信号を受信し、周波数の変換された監視信号を送信する返信装置が設置されており、
    前記受信装置は前記返信装置から送信された周波数の変換された監視信号を受信する
    ことを特徴とする車両の監視方法。
  2. 前記送信装置による前記ボディの励振は、前記車両のボディに直接、励振電流が供給されることにより行われることを特徴とする請求項1に記載の車両の監視方法。
  3. 前記送信装置による前記車両のボディの励振は、前記車両の内部空間に設けられたアンテナにより放射された電磁波により行われることを特徴とする請求項1に記載の車両の監視方法。
  4. 車両の周辺を監視する監視装置において、
    前記車両のボディを監視信号による電磁波で励振させる送信装置と、
    前記送信装置との間で、前記車両のボディを介在させた電磁波のマルチパスが形成される位置に配設され、前記監視信号を受信し、該監視信号の位相が変化した場合に、前記車両の周辺に異常が発生したとして、警報を出力する受信装置と、
    前記ボディの外面に設置され、前記電磁波による前記監視信号を受信し、周波数の変換された監視信号を送信する返信装置を、
    有し、
    前記受信装置は、前記返信装置から送信された周波数の変換された監視信号を受信する ことを特徴とする車両の監視装置。
  5. 前記送信装置による前記ボディの励振は、前記車両のボディに直接、励振電流が供給されることにより行われることを特徴とする請求項4に記載の車両の監視装置。
  6. 前記送信装置は、前記車両の内部空間に設けられ、前記車両のボディを励振する電磁波を放射するアンテナを有する
    ことを特徴とする請求項4に記載の車両の監視装置。
  7. 前記受信装置は、
    受信した前記監視信号の位相を検出する位相検出器と、
    前記位相検出器の時間の経過に対する位相の変化量が閾値以上か否かを判定する位相変化量判定手段と、
    前記位相変化量判定手段により、位相の変化量が閾値以上と判定された場合に、前記車両の周辺に異常が発生したとして、警報を出力する警報装置と、
    を有することを特徴とする請求項4乃至請求項6の何れか1項に記載の車両の監視装置。
  8. 前記受信装置は、
    制御信号を入力して、その制御信号に応じて、目標周波数を設定すると共に記憶保持する目標周波数設定レジスタと目標位相を設定すると共に記憶保持する目標位相設定レジスタとを有し、前記目標周波数設定レジスタに設定されている目標周波数と前記目標位相設定レジスタに設定されている目標位相とに一致した周波数と位相の基準信号を出力する基準信号発振器と、
    前記監視信号と、前記基準信号発振器の出力する前記基準信号との位相差を示す位相差信号を出力する位相比較器と、
    前記位相比較器の出力する前記位相差信号の時間変動からその時の前記監視信号と前記基準信号との周波数差をもとめ、その周波数差に基づいて、前記基準信号発振器の前記目標周波数を制御する周波数制御装置と、
    前記位相比較器の出力する前記位相差信号の示す前記位相差に基づいて、前記基準信号発振器の前記目標位相を制御する位相制御装置と、
    を有し、
    前記位相検出器は、前記監視信号が検出されている期間において、前記目標位相設定レジスタに設定される前記目標位相を、前記監視信号の位相として検出する
    ことを特徴とする請求項7に記載の車両の監視装置。
  9. 前記受信装置は、
    前記送信装置と共に送受信装置を構成し、
    前記送信装置の出力する送信監視信号と、前記返信装置からの送信信号を受信し、復調して得られる受信監視信号との位相差を検出する位相差検出器と、
    前記位相差検出器の出力する前記位相差の時間の経過に対する変化量が閾値以上か否かを判定する位相差変化量判定手段と、
    前記位相差変化量判定手段により、前記位相差の変化量が閾値以上と判定された場合に、前記車両の周辺に異常が発生したとして、警報を出力する警報装置と、
    を有することを特徴とする請求項4に記載の車両の監視装置。
  10. 前記受信装置は前記送信装置と共に送受信装置を構成し、
    前記送受信装置は、
    基準信号を発振する基準信号発振器と、
    前記基準信号発振器の出力する前記基準信号と、前記返信装置からの送信信号を受信し、復調して得られる受信監視信号との間の第1位相差を検出する第1位相差検出器と、
    前記第1位相差検出器の出力する前記第1位相差が零となるように、前記送信装置の出力する送信監視信号の周波数及び位相を制御する送信監視信号発振器と、
    前記基準信号発振器の出力する基準信号と前記送信監視信号発振器の出力する前記送信監視信号との間の第2位相差を検出する第2位相差検出器と、
    前記第2位相差検出器の出力する前記第2位相差の時間の経過に対する変化量が閾値以上か否かを判定する位相差変化量判定手段と、
    前記位相差変化量判定手段により、前記第2位相差の変化量が閾値以上と判定された場合に、前記車両の周辺に異常が発生したとして、警報を出力する警報装置と、
    を有することを特徴とする請求項4に記載の車両の監視装置。
  11. 前記受信装置は前記送信装置と共に送受信装置を構成し、
    前記送受信装置は、
    基準信号を発振する基準信号発振器と、
    前記基準信号発振器の出力する前記基準信号と、前記返信装置からの送信信号を受信し、復調して得られる受信監視信号との間の第1位相差を検出する第1位相差検出器と、
    前記基準信号発振器の出力する前記基準信号と、前記送信装置の出力する送信監視信号との間の第2位相差を検出する第2位相差検出器と、
    前記第1位相差と前記第2位相差との絶対値の差を出力する比較器と、
    前記比較器の出力が零となるように、前記送信監視信号の周波数及び位相を制御する送信監視信号発振器と、
    前記第1位相差検出器の出力する前記第1位相差又は前記第2位相差検出器の出力する前記第2位相差の時間の経過に対する変化量が閾値以上か否かを判定する位相差変化量判定手段と、
    前記位相差変化量判定手段により、前記第1位相差又は前記第2位相差の変化量が閾値以上と判定された場合に、前記車両の周辺に異常が発生したとして、警報を出力する警報装置と、
    を有することを特徴とする請求項4に記載の車両の監視装置。
  12. 前記制御信号は、前記目標周波数及び前記目標位相を単位量づつ増減させる加減算パルスであり、前記基準信号発振器は、ディジタルシンセサイザであり、前記目標周波数設定レジスタ及び前記目標位相設定レジスタは、前記加減算パルスに基づいて、前記目標周波数及び前記目標位相を増減するレジスタであることを特徴とする請求項8に記載の監視装置。
  13. 前記制御信号は、前記目標周波数及び前記目標位相の絶対値を示す信号であり、前記基準信号発振器は、ディジタルシンセサイザであり、前記目標周波数設定レジスタ及び前記目標位相設定レジスタは、前記制御信号を入力する毎に、制御信号の示す絶対値を、前記目標周波数及び前記目標位相として設定するレジスタを有することを特徴とする請求項8に記載の監視装置。
  14. 前記送信装置による前記車両のボディを励振する前記電磁波の周波数は、前記ボディの表面にエバネセット波を励振する周波数であることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の車両の監視方法。
  15. 前記送信装置による前記車両のボディを励振する前記電磁波の周波数は、前記ボディの表面にエバネセット波を励振する周波数であることを特徴とする請求項4乃至請求項13の何れか1項に記載の車両の監視装置。
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