JP5888702B2 - 抗癌活性化合物 - Google Patents

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Description

本発明は、優れた抗癌活性を有し、様々な癌等の予防または治療剤等として有用な新規化合物に関する。
ラメラリンは、14−フェニル−6H−[1]ベンゾピラノ[4’,3’:4,5]ピロロ[2,1−a]イソキノリン−6−オンを共通骨格とする海洋天然物である。その骨格上に複数の水酸基やメトキシ基を持つ約40種の天然物が、カイメン、ホヤ等の海洋生物から単離されている。これらの天然物の多くが、抗癌活性、抗HIV活性等の有用な生理活性を有し、新薬開発のためのリード化合物として注目されている(特許文献1および2)。
1996年には、ラメラリンDトリアセテート、ラメラリンNトリアセテートおよびラメラリンKトリアセテートが種々の癌細胞に対して強い細胞増殖阻害活性を示すことが報告されている(非特許文献1)。また、これらの化合物は、通常の抗癌剤が無効な多剤耐性癌細胞に対しても有効であることが示されている。さらに興味深いことに、置換様式の異なるラメラリンIは、細胞増殖阻害活性は低いが、通常の抗癌剤と併用することにより、その抗癌剤の活性を回復させる多剤耐性克服活性を持つことも報告されている。
1997年、本発明者らは、ラメラリン系天然物(ラメラリンDおよびH)の最初の全合成を報告した(非特許文献2)。さらに、本発明者らは、この手法を用いて、10種の非天然型ラメラリンDアナローグを合成し、構造活性相関研究を行った(非特許文献3)。その結果、ラメラリンDは、子宮癌細胞HeLaに対して対照薬剤マイトマイシンCを凌ぐ強い細胞増殖阻害活性を有すること、また活性発現のためには、8位と20位の水酸基が必須であることが明らかになった。
2003年には、Baillyらにより、ラメラリンの主要な作用機序が、DNAの複製に必須であるトポイソメラーゼIの阻害であることが明らかにされた(非特許文献4)。また、ドッキングシミュレーションにより、ラメラリンD−DNA−トポイソメラーゼI三元複合体モデルが提案された。これによれば、ラメラリンDは、DNA塩基対間にインターカレーションした後、8位の水酸基、20位の水酸基、およびラクトン環カルボニル基でトポイソメラーゼIのAsn722、Glu356およびArg364とそれぞれ水素結合することにより三元複合体を安定化し、トポイソメラーゼIの酵素活性を阻害していることが分かる。この結果は、本発明者らによる上記の構造活性相関研究(非特許文献3)の結果と完全に一致している。さらに、本発明者らは、Baillyらとの共同研究により、ラメラリンDアナローグによる細胞増殖阻害活性とトポイソメラーゼI阻害活性の間には良好な相関関係があることを明らかにした(非特許文献5)。
2009年、本発明者らは、ラメラリンDの1位の芳香環を除去または置換した様々な1−デアリールラメラリンDアナローグの設計および合成を報告した(非特許文献6)。39系ヒト培養がん細胞パネルによる活性試験(文部科学省がん特定領域・化学療法情報支援班)を行った結果、これらのアナローグの多くがラメラリンDと同程度の細胞増殖阻害活性を保持しており、ラメラリンの活性発現のためには、ラメラリンの平面5環性骨格および8位と20位の水酸基があれば充分であることが明らかになった。
特許第4153992号 国際公開第2004/014917号パンフレット
British J. Cancer、1996年、第74巻、p.677−682 Tetrahedron、1997年、第53巻、p.5951−5962 J. Nat. Prod.、2002年、第65巻、p.500−504 Cancer Res.、2003年、第63巻、p.7392−7399 J. Med. Chem.、2005年、第48巻、p.3796−3807 J. Org. Chem.、2009年、第74巻、p.8143−8153
ラメラリンDと同等以上の優れた抗癌活性を有し、かつ、物性等の点でラメラリン骨格を有する化合物とは異なる優れた性質を有し得る新規化合物の開発が望まれている。
本発明者らは、上記の知見を基盤として鋭意研究した結果、以下の式(I)で表される新規な化合物またはその塩が、ラメラリンDと同等以上の優れた抗癌活性を有することを見出し、さらなる研究により、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
[1]式(I):
[式中、
Wは、OまたはNHを示し;
は、水素原子、置換されていてもよいC1−6アルキル基、置換されていてもよいC2−6アルケニル基、置換されていてもよいC2−6アルキニル基、置換されていてもよいカルバモイル基、置換されていてもよいC6−14アリール基、または置換されていてもよい芳香族複素環基を示し;
およびRは、同一または異なって、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、ニトロ基、置換されていてもよいアミノ基、置換されていてもよいC1−6アルキル基、または置換されていてもよいC1−6アルコキシ基を示し;
およびRは、同一または異なって、それぞれ(i) 水素原子、(ii) 置換されていてもよいC1−6アルキル基、(iii) 置換されていてもよいC1−6アルキル基および置換されていてもよいC6−14アリール基から選択される置換基でモノまたはジ置換されていてもよいカルバモイル基、(iv) 置換されていてもよいC1−6アルキル−カルボニル基、(v) 置換されていてもよいC1−6アルコキシ−カルボニル基、(vi) 置換されていてもよいC6−14アリールオキシ−カルボニル基、(vii) 置換されていてもよいC1−6アルキルスルホニル基、(viii) 置換されていてもよいC6−14アリールスルホニル基、(ix) −SOX(式中、Xは、水素原子、置換されていてもよいC1−6アルキル基、置換されていてもよいC6−14アリール基または対イオンを示す。)、(x) −PO(OY)(OZ)(式中、YおよびZは、同一または異なって、それぞれ水素原子、置換されていてもよいC1−6アルキル基、置換されていてもよいC6−14アリール基または対イオンを示す。)、または(xi) −POY’(式中、Y’は対イオンを示す。)を示し;
は、水素原子、またはヒドロキシ基を示す。]
で表される化合物またはその塩;
[2]RおよびRがメトキシ基である、上記[1]記載の化合物、またはその塩;
[3]Rが水素原子または置換されていてもよいC1−6アルキル基である、上記[1]または[2]記載の化合物、またはその塩;
[4]式(I’):
[式中、
’は、水素原子、置換されていてもよいC1−6アルキル基、置換されていてもよいC2−6アルケニル基、置換されていてもよいC2−6アルキニル基、置換されていてもよいカルバモイル基、置換されていてもよいC6−14アリール基、または置換されていてもよい芳香族複素環基を示し;
’およびR’は、同一または異なって、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよいC1−6アルキル基、または置換されていてもよいC1−6アルコキシ基を示し;
’およびR’は、同一または異なって、それぞれ水素原子、置換されていてもよいC1−6アルキル基および置換されていてもよいC6−14アリール基から選択される置換基でモノまたはジ置換されていてもよいカルバモイル基、置換されていてもよいC1−6アルキル−カルボニル基、置換されていてもよいC1−6アルコキシ−カルボニル基、置換されていてもよいC6−14アリールオキシ−カルボニル基、置換されていてもよいC1−6アルキルスルホニル基、置換されていてもよいC6−14アリールスルホニル基、−SOX(式中、Xは、水素原子、置換されていてもよいC1−6アルキル基、置換されていてもよいC6−14アリール基または対イオンを示す。)、−PO(OY)(OZ)(式中、YおよびZは、同一または異なって、それぞれ水素原子、置換されていてもよいC1−6アルキル基、置換されていてもよいC6−14アリール基または対イオンを示す。)、または−POY’(式中、Y’は対イオンを示す。)を示し;
’は、水素原子、またはヒドロキシ基を示す。]
で表される、上記[1]記載の化合物、またはその塩;
[5]R’およびR’がメトキシ基である、上記[4]記載の化合物、またはその塩;
[6]Rが水素原子または置換されていてもよいC1−6アルキル基である、上記[4]または[5]記載の化合物、またはその塩;
[7]上記[1]記載の化合物もしくはその塩、またはそのプロドラッグを含有する医薬;
[8]癌の予防または治療剤である、上記[7]記載の医薬;
[9]哺乳動物に対して、上記[1]記載の化合物もしくはその塩、またはそのプロドラッグを有効量投与することを特徴とする、当該哺乳動物における癌の予防または治療方法;
[10]癌の予防または治療のための、上記[1]記載の化合物もしくはその塩、またはそのプロドラッグ;
[11]
(式中、−OMeはメトキシ基を示し;−Oi−Prはイソプロポキシ基を示し;−OMOMはメトキシメトキシ基を示し;−COMeはメトキシカルボニル基を示し;−Bocはtert−ブトキシカルボニル基を示す。)
で表される化合物、またはその塩;
[12]
(式中、各記号は前記と同意義を示す。)
で表される化合物、またはその塩;
[13]
(式中、各記号は前記と同意義を示す。)
で表される化合物、またはその塩;
等に関する。
式(I)で表される化合物(以下、化合物(I)と称する場合がある)もしくはその塩、またはそのプロドラッグは、優れた抗癌活性を有するため、様々な癌等の治療または予防剤として有用である。
化合物(I)(特に、式(I’)で表される化合物(以下、化合物(I’)と称する場合がある))は、ラメラリンの5環性骨格とほぼ同等の分子形状を持つが、骨格内の5員環上の窒素原子の位置が異なる。そのため、該窒素原子上に様々な置換基を導入したアナローグの製造が可能となり、その置換基の効果により物性や活性の制御が可能となる。さらに、化合物(I)とラメラリン骨格では電子状態が異なるため、新たな作用機序に基づく特異性が発現することも期待される。
本明細書中、特に限定しない限り、「ハロゲン原子」としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、およびヨウ素原子が挙げられる。
本明細書中、特に限定しない限り、「C1−6アルキル基」としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1−エチルプロピル基、1,1−ジメチルプロピル基、2−メチルブチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、1,1−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、2−エチルブチル基等が挙げられる。
本明細書中、特に限定しない限り、「C2−6アルケニル基」としては、例えば、エテニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、3−メチル−2−ブテニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、4−メチル−3−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基、5−ヘキセニル基等が挙げられる。
本明細書中、特に限定しない限り、「C2−6アルキニル基」としては、例えば、エチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、1−ブチニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基、1−ペンチニル基、2−ペンチニル基、3−ペンチニル基、4−ペンチニル基、1−ヘキシニル基、2−ヘキシニル基、3−ヘキシニル基、4−ヘキシニル基、5−ヘキシニル基等が挙げられる。
本明細書中、特に限定しない限り、「C1−6アルコキシ基」および置換基中の「C1−6アルコキシ」としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、2−メチルブチルオキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基等が挙げられる。
本明細書中、特に限定しない限り、「C1−6アルキル−カルボニル基」としては、例えば、アセチル基、プロパノイル基、ブタノイル基、2−メチルプロパノイル基、ペンタノイル基、3−メチルブタノイル基、2−メチルブタノイル基、2,2−ジメチルプロパノイル基、ヘキサノイル基、ヘプタノイル基等が挙げられる。
本明細書中、特に限定しない限り、「C1−6アルコキシ−カルボニル基」としては、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、イソブトキシカルボニル基、sec−ブトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、ペンチルオキシカルボニル基、ヘキシルオキシカルボニル基等が挙げられる。
本明細書中、特に限定しない限り、「C1−6アルキルスルホニル基」としては、例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、プロピルスルホニル基、イソプロピルスルホニル基、ブチルスルホニル基、イソブチルスルホニル基、sec−ブチルスルホニル基、tert−ブチルスルホニル基、ペンチルスルホニル基、イソペンチルスルホニル基、ネオペンチルスルホニル基、1−エチルプロピルスルホニル基、1,1−ジメチルプロピルスルホニル基、2−メチルブチルスルホニル基、ヘキシルスルホニル基、イソヘキシルスルホニル基、1,1−ジメチルブチルスルホニル基、2,2−ジメチルブチルスルホニル基、3,3−ジメチルブチルスルホニル基、2−エチルブチルスルホニル基等が挙げられる。
本明細書中、特に限定しない限り、「C3−10シクロアルキル基」としては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル、ビシクロ[2.2.2]オクチル、ビシクロ[3.2.1]オクチル、ビシクロ[3.2.2]ノニル、ビシクロ[3.3.1]ノニル、ビシクロ[4.2.1]ノニル、ビシクロ[4.3.1]デシル、アダマンチル等が挙げられる。
本明細書中、特に限定しない限り、「C6−14アリール基」および置換基中の「C6−14アリール」としては、例えば、フェニル、ナフチル、アントリル、フェナントリル、アセナフチレニル、ビフェニリル等が挙げられる。
本明細書中、特に限定しない限り、「C6−14アリールオキシ−カルボニル基」としては、例えば、フェニルオキシカルボニル、ナフチルオキシカルボニル、アントリルオキシカルボニル、フェナントリルオキシカルボニル、アセナフチレニルオキシカルボニル等が挙げられる。
本明細書中、特に限定しない限り、「C6−14アリールスルホニル基」としては、例えば、フェニルスルホニル、ナフチルスルホニル、アントリルスルホニル、フェナントリルスルホニル、アセナフチレニルスルホニル等が挙げられる。
本明細書中、特に限定しない限り、「芳香族複素環基」としては、例えば、環構成原子として炭素原子以外に酸素原子、硫黄原子(該硫黄原子は、酸化されていてもよい)および窒素原子から選ばれるヘテロ原子を1〜4個含有する4〜7員(好ましくは5または6員)の単環式芳香族複素環基および縮合芳香族複素環基が挙げられる。該縮合芳香族複素環基としては、例えば、これら4〜7員の単環式芳香族複素環基と、1または2個の窒素原子を含む5または6員の芳香族複素環(例、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、ピラジン、ピリジン、ピリミジン)、1個の硫黄原子を含む5員の芳香族複素環(例、チオフェン)、あるいはベンゼン環等とが1または2個縮合した基等が挙げられる。
芳香族複素環基の好適な例としては、
フリル(例、2−フリル、3−フリル)、チエニル(例、2−チエニル、3−チエニル)、ピリジル(例、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル)、ピリミジニル(例、2−ピリミジニル、4−ピリミジニル、5−ピリミジニル)、ピリダジニル(例、3−ピリダジニル、4−ピリダジニル)、ピラジニル(例、2−ピラジニル)、ピロリル(例、2−ピロリル、3−ピロリル)、イミダゾリル(例、1−イミダゾリル、2−イミダゾリル、4−イミダゾリル)、ピラゾリル(例、1−ピラゾリル、3−ピラゾリル、4−ピラゾリル)、チアゾリル(例、2−チアゾリル、4−チアゾリル、5−チアゾリル)、イソチアゾリル(例、3−イソチアゾリル、4−イソチアゾリル、5−イソチアゾリル)、オキサゾリル(例、2−オキサゾリル、4−オキサゾリル、5−オキサゾリル)、イソオキサゾリル(例、3−イソオキサゾリル、4−イソオキサゾリル、5−イソオキサゾリル)、オキサジアゾリル(例、1,2,5−オキサジアゾール−3−イル、1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)、チアジアゾリル(例、1,2,3−チアジアゾール−4−イル、1,3,4−チアジアゾール−2−イル)、トリアゾリル(例、1,2,4−トリアゾール−1−イル、1,2,4−トリアゾール−3−イル、1,2,3−トリアゾール−1−イル、1,2,3−トリアゾール−2−イル、1,2,3−トリアゾール−4−イル)、テトラゾリル(例、テトラゾール−1−イル、テトラゾール−5−イル)、トリアジニル(例、1,2,4−トリアジン−3−イル、1,2,4−トリアジン−5−イル、1,2,4−トリアジン−6−イル)等の単環式芳香族複素環基;
キノリル(例、2−キノリル、3−キノリル、4−キノリル、6−キノリル)、イソキノリル(例、3−イソキノリル)、キナゾリル(例、2−キナゾリル、4−キナゾリル)、キノキサリル(例、2−キノキサリル、6−キノキサリル)、ベンゾフラニル(例、2−ベンゾフラニル、3−ベンゾフラニル、4−ベンゾフラニル、5−ベンゾフラニル、6−ベンゾフラニル、7−ベンゾフラニル)、ベンゾチエニル(例、2−ベンゾチエニル、3−ベンゾチエニル)、ベンズオキサゾリル(例、2−ベンズオキサゾリル)、ベンズイソオキサゾリル(例、7−ベンズイソオキサゾリル)、ベンゾチアゾリル(例、2−ベンゾチアゾリル、6−ベンゾチアゾリル)、ベンゾイミダゾリル(例、ベンゾイミダゾール−1−イル、ベンゾイミダゾール−2−イル、ベンゾイミダゾール−5−イル)、ベンゾトリアゾリル(例、1H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−1−イル、1H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−5−イル)、インドリル(例、インドール−1−イル、インドール−2−イル、インドール−3−イル、インドール−5−イル)、インダゾリル(例、2H−インダゾール−3−イル)、ピロロピラジニル(例、1H−ピロロ[2,3−b]ピラジン−2−イル、1H−ピロロ[2,3−b]ピラジン−6−イル)、イミダゾピリジニル(例、1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−2−イル、1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル、2H−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル)、イミダゾピラジニル(例、1H−イミダゾ[4,5−b]ピラジン−2−イル)、ピラゾロピリジニル(例、1H−ピラゾロ[4,3−c]ピリジン−3−イル)、チエノピラゾリル(例、1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−5−イル)、ピラゾロトリアジニル(例、ピラゾロ[5,1−c][1,2,4]トリアジン−3−イル)、トリアゾロピリミジニル(例、[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−イル)、フタラジニル等の縮合芳香族複素環基;
等が挙げられる。
本明細書中、特に限定しない限り、「非芳香族複素環基」としては、例えば、環構成原子として炭素原子以外に酸素原子、硫黄原子(該硫黄原子は、酸化されていてもよい)および窒素原子から選ばれるヘテロ原子を1〜4個含有する4〜7員(好ましくは5または6員)の単環式非芳香族複素環基および縮合非芳香族複素環基が挙げられる。該縮合非芳香族複素環基としては、例えば、これら4〜7員の単環式非芳香族複素環基と、1または2個の窒素原子を含む5または6員の芳香族または非芳香族複素環(例、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、ピラジン、ピリジン、ピリミジン)、1個の硫黄原子を含む5員の芳香族または非芳香族複素環(例、チオフェン)、あるいはベンゼン環等とが1または2個縮合した基等が挙げられる。
非芳香族複素環基の好適な例としては、
ピロリジニル(例、1−ピロリジニル、2−ピロリジニル、3−ピロリジニル)、ピペリジニル(例、ピペリジノ、2−ピペリジニル、3−ピペリジニル、4−ピペリジニル)、ホモピペリジニル(例、ホモピペリジノ、2−ホモピペリジニル、3−ホモピペリジニル、4−ホモピペリジニル)、テトラヒドロピリジル(例、1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−1−イル)、ジヒドロピリジル(例、2,3−ジヒドロピリジン−4−イル)、モルホリニル(例、モルホリノ、2−モルホリニル)、チオモルホリニル(例、チオモルホリノ)、1,1−ジオキシドチオモルホリニル(例、1,1−ジオキシドチオモルホリノ)、ピペラジニル(例、1−ピペラジニル、2−ピペラジニル)、ヘキサメチレンイミニル(例、1−ヘキサメチレンイミニル)、オキサゾリジニル(例、2−オキサゾリジニル)、チアゾリジニル(例、3−チアゾリジニル、2−チアゾリジニル)、イミダゾリジニル(例、2−イミダゾリジニル、3−イミダゾリジニル)、オキサゾリニル(例、2−オキサゾリニル)、チアゾリニル(例、2−チアゾリニル)、イミダゾリニル(例、2−イミダゾリニル、3−イミダゾリニル)、ジオキソリル(例、1,3−ジオキソール−4−イル)、ジオキソラニル(例、1,3−ジオキソラン−4−イル)、ジヒドロオキサジアゾリル(例、4,5−ジヒドロ−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)、ピラニル(例、2−ピラニル、4−ピラニル)、テトラヒドロピラニル(例、2−テトラヒドロピラニル、3−テトラヒドロピラニル、4−テトラヒドロピラニル)、チオピラニル(例、4−チオピラニル)、テトラヒドロチオピラニル(例、2−テトラヒドロチオピラニル、3−テトラヒドロチオピラニル、4−テトラヒドロチオピラニル)、1−オキシドテトラヒドロチオピラニル(例、1−オキシドテトラヒドロチオピラン−4−イル)、1,1−ジオキシドテトラヒドロチオピラニル(例、1,1−ジオキシドテトラヒドロチオピラン−4−イル)、テトラヒドロフリル(例、テトラヒドロフラン−3−イル、テトラヒドロフラン−2−イル)、ピラゾリジニル(例、1−ピラゾリジニル、3−ピラゾリジニル)、ピラゾリニル(例、1−ピラゾリニル)、テトラヒドロピリミジニル(例、1−テトラヒドロピリミジニル)、ジヒドロトリアゾリル(例、2,3−ジヒドロ−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)、テトラヒドロトリアゾリル(例、2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)、ジヒドロオキサジアゾリル(例、4,5−ジヒドロ−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)、チアジニル(例、1,4−チアジン−2−イル)、1,1−ジオキシドチアジナニル(例、1,1−ジオキシド−1,2−チアジナン−2−イル)、ジヒドロピリダジニル(例、1,6−ジヒドロピリダジン−3−イル)、テトラヒドロピリダジニル(例、1,4,5,6−テトラヒドロピリダジン−3−イル)、ジヒドロチオキサジニル(例、2,3−ジヒドロ−1,4−チオキサジン−3−イル)、ジヒドロチアジニル(例、3,4−ジヒドロ−2H−1,4−チアジン−5−イル)等の単環式非芳香族複素環基;
ジヒドロインドリル(例、2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)、ジヒドロイソインドリル(例、2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−1−イル、1,3−ジヒドロ−2H−イソインドール−2−イル)、ジヒドロベンゾフラニル(例、2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル)、ジヒドロベンゾジオキシニル(例、2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)、ジヒドロベンゾジオキセピニル(例、3,4−ジヒドロ−2H−1,5−ベンゾジオキセピン−7−イル)、テトラヒドロベンゾフラニル(例、4,5,6,7−テトラヒドロ−1−ベンゾフラン−3−イル)、クロメニル(例、4H−クロメン−2−イル、2H−クロメン−3−イル、2H−クロメン−7−イル)、ジヒドロキノリニル(例、1,2−ジヒドロキノリン−4−イル、3,4−ジヒドロキノリン−1(2H)−イル)、テトラヒドロキノリニル(例、1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−4−イル)、ジヒドロイソキノリニル(例、1,2−ジヒドロイソキノリン−4−イル)、テトラヒドロイソキノリニル(例、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−イル)、ジヒドロフタラジニル(例、3,4−ジヒドロフタラジン−1−イル、1,4−ジヒドロフタラジン−4−イル)、テトラヒドロベンゾアゼピニル(例、2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[c]アゼピン−1−イル)、ベンゾジオキソリル(例、1,3−ベンゾジオキソール−5−イル)、ベンゾチアジン(例、3,4−ジヒドロ−2H−1,4−ベンゾチアジン−2−イル)等の縮合非芳香族複素環基;
等が挙げられる。
以下に、一般式(I)で表される化合物について詳細に説明する。
Wは、OまたはNHを示す。
Wは、好ましくは、Oである。
別の態様において、Wは、好ましくは、NHである。
は、水素原子、置換されていてもよいC1−6アルキル基、置換されていてもよいC2−6アルケニル基、置換されていてもよいC2−6アルキニル基、置換されていてもよいカルバモイル基、置換されていてもよいC6−14アリール基、または置換されていてもよい芳香族複素環基を示す。
で示される「置換されていてもよいC1−6アルキル基」、「置換されていてもよいC2−6アルケニル基」および「置換されていてもよいC2−6アルキニル基」の「C1−6アルキル基」、「C2−6アルケニル基」および「C2−6アルキニル基」は、置換可能な任意の位置に1〜3個の置換基を有していてもよい。
このような置換基としては、
(1)(a) 1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−6アルキル基、
(b) ヒドロキシ基、
(c) C1−6アルコキシ基、
(d) C1−6アルキル−カルボニル基、および
(e) C1−6アルコキシ−カルボニル基
から選ばれる置換基でモノまたはジ置換されていてもよいアミノ基;
(2)(a) 1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−6アルキル基、
(b) ヒドロキシ基、
(c) C1−6アルコキシ基、
(d) ハロゲン原子、および
(e) オキソ基
から選ばれる1〜3個の置換基で置換されていてもよいC3−10シクロアルキル基;
(3)(a) 1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−6アルキル基、
(b) ヒドロキシ基、
(c) C1−6アルコキシ基、および
(d) ハロゲン原子
から選ばれる1〜3個の置換基で置換されていてもよいC6−14アリール基;
(4)(a) 1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−6アルキル基、
(b) ヒドロキシ基、
(c) C1−6アルコキシ基、および
(d) ハロゲン原子
から選ばれる1〜3個の置換基で置換されていてもよい芳香族複素環基;
(5)(a) 1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−6アルキル基、
(b) ヒドロキシ基、
(c) C1−6アルコキシ基、
(d) ハロゲン原子、および
(e) オキソ基
から選ばれる1〜3個の置換基で置換されていてもよい非芳香族複素環基;
(6)(a) 1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−6アルキル基、
(b) ヒドロキシ基、および
(c) C1−6アルコキシ基
から選ばれる置換基でモノまたはジ置換されていてもよいカルバモイル基;
(7)ヒドロキシ基;
(8)(a) ヒドロキシ基、
(b) C1−6アルコキシ基、
(c) ハロゲン原子、
(d) 1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよいC6−14アリール基、および
(e) C3−10シクロアルキル基
から選ばれる1〜3個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルコキシ基;
(9)(a) ヒドロキシ基、
(b) C1−6アルコキシ基、および
(c) ハロゲン原子
から選ばれる1〜3個の置換基で置換されていてもよいC2−6アルケニルオキシ基;
(10)(a) 1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−6アルキル基、
(b) ヒドロキシ基、
(c) C1−6アルコキシ基、および
(d) ハロゲン原子
から選ばれる1〜3個の置換基で置換されていてもよいC7−13アラルキルオキシ基;
(11)(a) 1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−6アルキル基、
(b) ヒドロキシ基、
(c) C1−6アルコキシ基、および
(d) ハロゲン原子
から選ばれる1〜3個の置換基で置換されていてもよいC6−10アリールオキシ基;
(12)(a) ヒドロキシ基、
(b) C1−6アルコキシ基、および
(c) ハロゲン原子
から選ばれる1〜3個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル−カルボニル基;
(13)(a) ヒドロキシ基、
(b) C1−6アルコキシ基、および
(c) ハロゲン原子
から選ばれる1〜3個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルコキシ−カルボニル基;
(14) カルボキシル基
(15)(a) ヒドロキシ基、
(b) C1−6アルコキシ基、および
(c) ハロゲン原子
から選ばれる1〜3個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル−カルボニルオキシ基;
(16)(a) ヒドロキシ基、
(b) C1−6アルコキシ基、および
(c) ハロゲン原子
から選ばれる1〜3個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルコキシ−カルボニルオキシ基;
(17)(a) ヒドロキシ基、
(b) C1−6アルコキシ基、および
(c) ハロゲン原子
から選ばれる1〜3個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキルチオ基;
(18)(a) 1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−6アルキル基、
(b) ヒドロキシ基、
(c) C1−6アルコキシ基、および
(d) ハロゲン原子
から選ばれる1〜3個の置換基で置換されていてもよいC7−13アラルキルチオ基;
(19)(a) 1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−6アルキル基、
(b) ヒドロキシ基、
(c) C1−6アルコキシ基、および
(d) ハロゲン原子
から選ばれる1〜3個の置換基で置換されていてもよいC6−14アリールチオ基;
(20)シアノ基;
(21)ニトロ基;
(22)ハロゲン原子;
等が挙げられる。置換基が2個以上である場合、各置換基は同一でも異なっていてもよい。
ここで、「C2−6アルケニルオキシ基」としては、例えば、エテニルオキシ、1−プロペニルオキシ、2−プロペニルオキシ、2−メチル−1−プロペニルオキシ、1−ブテニルオキシ、2−ブテニルオキシ、3−ブテニルオキシ、3−メチル−2−ブテニルオキシ、1−ペンテニルオキシ、2−ペンテニルオキシ、3−ペンテニルオキシ、4−ペンテニルオキシ、4−メチル−3−ペンテニルオキシ、1−ヘキセニルオキシ、3−ヘキセニルオキシ、5−ヘキセニルオキシ等が挙げられる。
「C7−13アラルキルオキシ基」としては、ベンジルオキシ、フェネチルオキシ、ナフチルメチルオキシ(1−ナフチルメチルオキシ、2−ナフチルメチルオキシ)、ビフェニリルメチルオキシ等が挙げられる。
「C6−10アリールオキシ基」としては、例えば、フェニルオキシ、ナフチルオキシ(1−ナフチルオキシ、2−ナフチルオキシ)等が挙げられる。
「C1−6アルキル−カルボニルオキシ基」としては、例えば、アセチルオキシ、プロパノイルオキシ、ブタノイルオキシ、2−メチルプロパノイルオキシ、ペンタノイルオキシ、3−メチルブタノイルオキシ、2−メチルブタノイルオキシ、2,2−ジメチルプロパノイルオキシ、ヘキサノイルオキシ、ヘプタノイルオキシ等が挙げられる。
「C1−6アルキルチオ基」としては、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、イソブチルチオ、sec−ブチルチオ、tert−ブチルチオ、ペンチルチオ、ヘキシルチオ等が挙げられる。
「C7−13アラルキチオ基」としては、ベンジルチオ、フェネチルチオ、ナフチルメチルチオ(1−ナフチルメチルチオ、2−ナフチルメチルチオ)、ビフェニリルメチルチオ等が挙げられる。
「C6−14アリールチオ基」としては、フェニルチオ、ナフチルチオ、アントリルチオ、フェナントリルチオ、アセナフチレニルチオ、ビフェニリルチオ等が挙げられる。
上記置換基としての「アミノ基」および「カルバモイル基」がジ置換されている場合、当該2個の置換基はそれらが結合する窒素原子と一緒になって、置換されていてもよい含窒素複素環を形成してもよい。
このような「置換されていてもよい含窒素複素環」の「含窒素複素環」としては、例えば、環構成原子として炭素原子以外に少なくとも1個の窒素原子を含み、さらに酸素原子、硫黄原子(該硫黄原子は、酸化されていてもよい)および窒素原子から選ばれるヘテロ原子を1または2個含有していてもよい5〜7員の含窒素複素環が挙げられる。該含窒素複素環の好適な例としては、ピロリジン、イミダゾリジン、ピラゾリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、チオモルホリン、オキソピペラジン等が挙げられる。
該「含窒素複素環」は、置換可能な位置に1〜3個の置換基を有していてもよい。このような置換基としては、
(a) 1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−6アルキル基、
(b) ヒドロキシ基、
(c) C1−6アルコキシ基、
(d) ハロゲン原子、
(e) オキソ基
等が挙げられる。置換基が2個以上である場合、各置換基は同一でも異なっていてもよい。
で示される「置換されていてもよいカルバモイル基」の「カルバモイル基」は、1または2個の置換基で置換されていてもよい。
このような置換基としては、
(1)上記「置換されていてもよいC1−6アルキル基」の「C1−6アルキル基」等が有していてもよい置換基として例示した置換基群、
(2)(a) ハロゲン原子、
(b) カルボキシル基、
(c) ヒドロキシ基、
(d) C1−6アルコキシ基、
(e) C1−6アルキル基でモノまたはジ置換されていてもよいアミノ基、
(f) 1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよいC6−14アリール基、
(g) C3−10シクロアルキル基、
(h) C1−6アルキル−カルボニル基、
(i) C1−6アルコキシ−カルボニル基、
(j) 芳香族複素環基、
(k) 非芳香族複素環基、および
(l) シアノ基
から選ばれる1〜3個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル基;
(3)(a) ハロゲン原子、
(b) カルボキシル基、
(c) ヒドロキシ基、
(d) C1−6アルコキシ基、
(e) C1−6アルキル基でモノまたはジ置換されていてもよいアミノ基、
(f) 1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよいC6−14アリール基、
(g) C3−10シクロアルキル基、
(h) C1−6アルキル−カルボニル基、
(i) C1−6アルコキシ−カルボニル基、
(j) 芳香族複素環基、
(k) 非芳香族複素環基、および
(l) シアノ基
から選ばれる1〜3個の置換基で置換されていてもよいC2−6アルケニル基;
(4)(a) ハロゲン原子、
(b) カルボキシル基、
(c) ヒドロキシ基、
(d) C1−6アルコキシ基、
(e) C1−6アルキル基でモノまたはジ置換されていてもよいアミノ基、
(f) 1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよいC6−14アリール基、
(g) C3−10シクロアルキル基、
(h) C1−6アルキル−カルボニル基、
(i) C1−6アルコキシ−カルボニル基、
(j) 芳香族複素環基、
(k) 非芳香族複素環基、および
(l) シアノ基
から選ばれる1〜3個の置換基で置換されていてもよいC2−6アルキニル基;
等が挙げられる。
該「カルバモイル基」がジ置換されている場合、当該2個の置換基は、同一でも異なっていてもよく、また、それらが結合する窒素原子と一緒になって、置換されていてもよい含窒素複素環を形成してもよい。
このような「置換されていてもよい含窒素複素環」としては、上記「置換されていてもよいC1−6アルキル基」の「C1−6アルキル基」等が有していてもよい置換基としての「アミノ基」および「カルバモイル基」の2個の置換基が、それらが結合する窒素原子と一緒になって形成してもよい「置換されていてもよい含窒素複素環」として前記したものが挙げられる。
で示される「置換されていてもよいC6−14アリール基」および「置換されていてもよい芳香族複素環基」の「C6−14アリール基」および「芳香族複素環基」は、置換可能な任意の位置に1〜3個の置換基を有していてもよい。
このような置換基としては、上記「置換されていてもよいカルバモイル基」の「カルバモイル基」が有していてもよい置換基として例示した置換基等が挙げられる。置換基が2個以上である場合、各置換基は同一でも異なっていてもよい。
は、好ましくは、水素原子、置換されていてもよいC1−6アルキル基、置換されていてもよいC2−6アルケニル基、置換されていてもよいC2−6アルキニル基であり、より好ましくは、水素原子、置換されていてもよいC1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、C2−6アルキニル基であり、さらに好ましくは、(i) 水素原子、(ii) C1−6アルキル基(好ましくは、メチル基)でモノもしくはジ置換されていてもよいアミノ基(好ましくは、ジメチルアミノ基)、ヒドロキシ基およびC1−6アルコキシ−カルボニルオキシ基(好ましくは、メトキシカルボニルオキシ基)から選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル基(好ましくは、メチル基、エチル基)、(iii) C2−6アルケニル基(好ましくは、2−プロペニル基)、(iv) C2−6アルキニル基(好ましくは、2−プロピニル基)であり、特に好ましくは、水素原子、メチル基、エチル基、2−(ジメチルアミノ)エチル基、2−(メトキシカルボニルオキシ)エチル基、2−(ヒドロキシ)エチル基、2−プロペニル基、2−プロピニル基である。
別の態様において、Rは、好ましくは、(i) 水素原子、(ii) C1−6アルキル基(好ましくは、メチル基)でモノもしくはジ置換されていてもよいアミノ基(好ましくは、ジメチルアミノ基)で置換されていてもよいC1−6アルキル基(好ましくは、メチル基、エチル基)、(iii) C2−6アルケニル基(好ましくは、2−プロペニル基)、(iv) C2−6アルキニル基(好ましくは、2−プロピニル基)である。
およびRは、同一または異なって、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、ニトロ基、置換されていてもよいアミノ基、置換されていてもよいC1−6アルキル基、または置換されていてもよいC1−6アルコキシ基を示す。
またはRで示される「置換されていてもよいアミノ基」の「アミノ基」は、1または2個の置換基で置換されていてもよい。
このような置換基としては、上記Rで示される「置換されていてもよいカルバモイル基」の「カルバモイル基」が有していてもよい置換基として例示した置換基等が挙げられる。置換基が2個である場合、各置換基は同一でも異なっていてもよい。
またはRで示される「置換されていてもよいC1−6アルキル基」としては、上記Rで示される「置換されていてもよいC1−6アルキル基」と同様のものが挙げられる。
またはRで示される「置換されていてもよいC1−6アルコキシ基」としては、上記Rで示される「置換されていてもよいC1−6アルコキシ基」と同様のものが挙げられ、メトキシ基が好ましい。
およびRは、好ましくは、同一または異なって、それぞれ(i) 水素原子、(ii) ハロゲン原子、(iii) ヒドロキシ基、(iv) ニトロ基、(v) 置換されていてもよいアミノ基、(vi) 置換されていてもよいC1−6アルキル基、または(vii) C1−6アルコキシ基であり、
より好ましくは、同一または異なって、それぞれ(i) 水素原子、(ii) ハロゲン原子(好ましくは、塩素原子、臭素原子)、(iii) ヒドロキシ基、(iv) ニトロ基、(v) C1−6アルキル基(好ましくは、メチル基)でモノまたはジ置換されていてもよいアミノ基(好ましくは、ジメチルアミノ基)、(vi) C1−6アルキル基(好ましくは、メチル基)でモノまたはジ置換されていてもよいアミノ基(好ましくは、ジメチルアミノ基)で置換されていてもよいC1−6アルキル基(好ましくは、メチル基)、(vii) C1−6アルコキシ基(好ましくは、メトキシ基)であり、
さらに好ましくは、同一または異なって、それぞれ(i) 水素原子、(ii) ハロゲン原子(好ましくは、塩素原子、臭素原子)、(iii) C1−6アルキル基(好ましくは、メチル基)でモノまたはジ置換されていてもよいアミノ基(好ましくは、ジメチルアミノ基)で置換されていてもよいC1−6アルキル基(好ましくは、メチル基)(好ましくは、ジメチルアミノメチル基)、(iv) C1−6アルコキシ基(好ましくは、メトキシ基)であり、
なおさらに好ましくは、同一または異なって、それぞれ(i) 水素原子、(ii) C1−6アルコキシ基(好ましくは、メトキシ基)であり、
特に好ましくは、同一または異なって、それぞれC1−6アルコキシ基(好ましくは、メトキシ基)である。
およびRは、同一または異なって、それぞれ(i) 水素原子、(ii) 置換されていてもよいC1−6アルキル基、(iii) 置換されていてもよいC1−6アルキル基および置換されていてもよいC6−14アリール基から選択される置換基でモノまたはジ置換されていてもよいカルバモイル基、(iv) 置換されていてもよいC1−6アルキル−カルボニル基、(v) 置換されていてもよいC1−6アルコキシ−カルボニル基、(vi) 置換されていてもよいC6−14アリールオキシ−カルボニル基、(vii) 置換されていてもよいC1−6アルキルスルホニル基、(viii) 置換されていてもよいC6−14アリールスルホニル基、(ix) −SOX(式中、Xは、水素原子、置換されていてもよいC1−6アルキル基、置換されていてもよいC6−14アリール基または対イオンを示す。)、(x) −PO(OY)(OZ)(式中、YおよびZは、同一または異なって、それぞれ水素原子、置換されていてもよいC1−6アルキル基、置換されていてもよいC6−14アリール基または対イオンを示す。)、または(xi) −POY’(式中、Y’は対イオンを示す。)を示す。
またはRで示される「置換されていてもよいC1−6アルキル基」としては、上記Rで示される「置換されていてもよいC1−6アルキル基」と同様のものが挙げられる。
またはRで示される「置換されていてもよいC1−6アルキル基および置換されていてもよいC6−14アリール基から選択される置換基でモノまたはジ置換されていてもよいカルバモイル基」における「置換されていてもよいC1−6アルキル基」および「置換されていてもよいC6−14アリール基」としては、それぞれ上記Rで示される「置換されていてもよいC1−6アルキル基」および「置換されていてもよいC6−14アリール基」と同様のものが挙げられる。
またはRで示される「置換されていてもよいC1−6アルキル−カルボニル基」、「置換されていてもよいC1−6アルコキシ−カルボニル基」および「置換されていてもよいC1−6アルキルスルホニル基」の「C1−6アルキル−カルボニル基」、「C1−6アルコキシ−カルボニル基」および「C1−6アルキルスルホニル基」は、置換可能な任意の位置に1〜3個の置換基を有していてもよい。このような置換基としては、上記Rで示される「置換されていてもよいC1−6アルキル基」の「C1−6アルキル基」等が有していてもよい置換基として例示した置換基等が挙げられる。置換基が2個以上である場合、各置換基は同一でも異なっていてもよい。
またはRで示される「置換されていてもよいC6−14アリールオキシ−カルボニル基」および「置換されていてもよいC6−14アリールスルホニル基」の「C6−14アリールオキシ−カルボニル基」および「C6−14アリールスルホニル基」は、置換可能な任意の位置に1〜3個の置換基を有していてもよい。このような置換基としては、上記Rで示される「置換されていてもよいC6−14アリール基」の「C6−14アリール基」等が有していてもよい置換基として例示した置換基等が挙げられる。置換基が2個以上である場合、各置換基は同一でも異なっていてもよい。
X、YまたはZで示される「置換されていてもよいC1−6アルキル基」および「置換されていてもよいC6−14アリール基」としては、それぞれ上記Rで示される「置換されていてもよいC1−6アルキル基」および「置換されていてもよいC6−14アリール基」と同様のものが挙げられる。
Xで示される「対イオン」としては、−SO と対になるイオンであれば特に制限されず、例えば、ナトリウムイオン、カリウムイオン、リチウムイオン等のアルカリ金属イオン、アンモニウムイオン等が挙げられる。
YまたはZで示される「対イオン」としては、それぞれ−PO(OZ)Oまたは−PO(OY)Oと対になるイオンであれば特に制限されず、例えば、ナトリウムイオン、カリウムイオン、リチウムイオン等のアルカリ金属イオン、アンモニウムイオン等が挙げられる。
Y’で示される「対イオン」としては、−PO 2−と対になるイオンであれば特に制限されず、例えば、マグネシウムイオン等のアルカリ土類金属イオン等が挙げられる。
およびRは、好ましくは、同一または異なって、それぞれ(i) 水素原子、(ii) 置換されていてもよいC1−6アルキル基、(iii) 置換されていてもよいC1−6アルキル−カルボニル基、(iv) −SOX(式中、Xは対イオンを示す。)、(v) −PO(OY)(OZ)(式中、YおよびZは、同一または異なって、それぞれ置換されていてもよいC1−6アルキル基または対イオンを示す。)であり、
より好ましくは、同一または異なって、それぞれ(i) 水素原子、(ii) C1−6アルキル基(好ましくは、イソプロピル基)、(iii) C1−6アルコキシ−カルボニル基(好ましくは、tert−ブトキシカルボニル基)で置換されていてもよいアミノ基で置換されていてもよいC1−6アルキル−カルボニル基(好ましくは、イソブチルカルボニル基)、(iv) −SOX(式中、Xは対イオン(好ましくは、ナトリウムイオン)を示す。)、(v) −PO(OY)(OZ)(式中、YおよびZは、同一または異なって、それぞれC6−14アリール基(好ましくは、フェニル基)で置換されていてもよいC1−6アルキル基(好ましくは、メチル基)、または対イオン(好ましくは、ナトリウムイオン)を示す。)である。
は、水素原子、またはヒドロキシ基を示す。
は、好ましくは、水素原子である。
また、化合物(I)は、式(I)に明記した置換基R〜R、−OR、−OR、Rおよびオキソ基以外に、他の置換基を有していてもよい。このような置換基は、化合物(I)の活性に悪影響を及ぼさない限り制限されず、置換可能な任意の位置に任意の数存在してもよい。
化合物(I)は、好ましくは、
WがOまたはNHであり;
が、水素原子、置換されていてもよいC1−6アルキル基、C2−6アルケニル基またはC2−6アルキニル基[好ましくは、(i) 水素原子、(ii) C1−6アルキル基(好ましくは、メチル基)でモノもしくはジ置換されていてもよいアミノ基(好ましくは、ジメチルアミノ基)、ヒドロキシ基およびC1−6アルコキシ−カルボニルオキシ基(好ましくは、メトキシカルボニルオキシ基)から選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル基(好ましくは、メチル基、エチル基)、(iii) C2−6アルケニル基(好ましくは、2−プロペニル基)、または(iv) C2−6アルキニル基(好ましくは、2−プロピニル基)、より好ましくは、水素原子、メチル基、エチル基、2−(ジメチルアミノ)エチル基、2−(メトキシカルボニルオキシ)エチル基、2−(ヒドロキシ)エチル基、2−プロペニル基、または2−プロピニル基]であり;
およびRが、同一または異なって、それぞれ(i) 水素原子、(ii) ハロゲン原子、(iii) ヒドロキシ基、(iv) ニトロ基、(v) 置換されていてもよいアミノ基、(vi) 置換されていてもよいC1−6アルキル基、または(vii) C1−6アルコキシ基[好ましくは、(i) 水素原子、(ii) ハロゲン原子(好ましくは、塩素原子、臭素原子)、(iii) ヒドロキシ基、(iv) ニトロ基、(v) C1−6アルキル基(好ましくは、メチル基)でモノまたはジ置換されていてもよいアミノ基(好ましくは、ジメチルアミノ基)、(vi) C1−6アルキル基(好ましくは、メチル基)でモノまたはジ置換されていてもよいアミノ基(好ましくは、ジメチルアミノ基)で置換されていてもよいC1−6アルキル基(好ましくは、メチル基)、または(vii) C1−6アルコキシ基(好ましくは、メトキシ基)、より好ましくは、(i) 水素原子、(ii) ハロゲン原子(好ましくは、塩素原子、臭素原子)、(iii) C1−6アルキル基(好ましくは、メチル基)でモノまたはジ置換されていてもよいアミノ基(好ましくは、ジメチルアミノ基)で置換されていてもよいC1−6アルキル基(好ましくは、メチル基)(好ましくは、ジメチルアミノメチル基)、または(iv) C1−6アルコキシ基(好ましくは、メトキシ基)]であり;
およびRが、同一または異なって、それぞれ(i) 水素原子、(ii) 置換されていてもよいC1−6アルキル基、(iii) 置換されていてもよいC1−6アルキル−カルボニル基、(iv) −SOX(式中、Xは対イオンを示す。)、または(v) −PO(OY)(OZ)(式中、YおよびZは、同一または異なって、それぞれ置換されていてもよいC1−6アルキル基または対イオンを示す。)[好ましくは、(i) 水素原子、(ii) C1−6アルキル基(好ましくは、イソプロピル基)、(iii) C1−6アルコキシ−カルボニル基(好ましくは、tert−ブトキシカルボニル基)で置換されていてもよいアミノ基で置換されていてもよいC1−6アルキル−カルボニル基(好ましくは、イソブチルカルボニル基)、(iv) −SOX(式中、Xは対イオン(好ましくは、ナトリウムイオン)を示す。)、または(v) −PO(OY)(OZ)(式中、YおよびZは、同一または異なって、それぞれC6−14アリール基(好ましくは、フェニル基)で置換されていてもよいC1−6アルキル基(好ましくは、メチル基)、または対イオン(好ましくは、ナトリウムイオン)を示す。)]であり;
が、水素原子またはヒドロキシ基である化合物である。
別の態様において、化合物(I)は、好ましくは、
WがOまたはNHであり;
が、(i) 水素原子、(ii) C1−6アルキル基(好ましくは、メチル基)でモノもしくはジ置換されていてもよいアミノ基(好ましくは、ジメチルアミノ基)で置換されていてもよいC1−6アルキル基(好ましくは、メチル基、エチル基)、(iii) C2−6アルケニル基(好ましくは、2−プロペニル基)、または(iv) C2−6アルキニル基(好ましくは、2−プロピニル基)であり;
およびRが、同一または異なって、それぞれ(i) 水素原子、または(ii) C1−6アルコキシ基(好ましくは、メトキシ基)であり;
およびRが、同一または異なって、それぞれ(i) 水素原子、(ii) 置換されていてもよいC1−6アルキル基、(iii) 置換されていてもよいC1−6アルキル−カルボニル基、(iv) −SOX(式中、Xは対イオンを示す。)、または(v) −PO(OY)(OZ)(式中、YおよびZは、同一または異なって、それぞれ置換されていてもよいC1−6アルキル基または対イオンを示す。)[好ましくは、(i) 水素原子、(ii) C1−6アルキル基(好ましくは、イソプロピル基)、(iii) C1−6アルコキシ−カルボニル基(好ましくは、tert−ブトキシカルボニル基)で置換されていてもよいアミノ基で置換されていてもよいC1−6アルキル−カルボニル基(好ましくは、イソブチルカルボニル基)、(iv) −SOX(式中、Xは対イオン(好ましくは、ナトリウムイオン)を示す。)、または(v) −PO(OY)(OZ)(式中、YおよびZは、同一または異なって、それぞれC6−14アリール基(好ましくは、フェニル基)で置換されていてもよいC1−6アルキル基(好ましくは、メチル基)、または対イオン(好ましくは、ナトリウムイオン)を示す。)]であり;
が、水素原子またはヒドロキシ基である化合物である。
また別の態様において、化合物(I)は、好ましくは、化合物(I’)である。
以下に、一般式(I’)で表される化合物について詳細に説明する。
’は、水素原子、置換されていてもよいC1−6アルキル基、置換されていてもよいC2−6アルケニル基、置換されていてもよいC2−6アルキニル基、置換されていてもよいカルバモイル基、置換されていてもよいC6−14アリール基、または置換されていてもよい芳香族複素環基を示す。
’で示される「置換されていてもよいC1−6アルキル基」、「置換されていてもよいC2−6アルケニル基」、「置換されていてもよいC2−6アルキニル基」、「置換されていてもよいカルバモイル基」、「置換されていてもよいC6−14アリール基」および「置換されていてもよい芳香族複素環基」は、上記Rで示される「置換されていてもよいC1−6アルキル基」、「置換されていてもよいC2−6アルケニル基」、「置換されていてもよいC2−6アルキニル基」、「置換されていてもよいカルバモイル基」、「置換されていてもよいC6−14アリール基」および「置換されていてもよい芳香族複素環基」と同様である。
’は、好ましくは、水素原子、置換されていてもよいC1−6アルキル基、置換されていてもよいC2−6アルケニル基、置換されていてもよいC2−6アルキニル基であり;より好ましくは、C1−6アルキル基(好ましくは、メチル基)でモノもしくはジ置換されていてもよいアミノ基(好ましくは、ジメチルアミノ基)、ヒドロキシ基、またはC1−6アルコキシ−カルボニルオキシ基(好ましくは、メトキシカルボニルオキシ基)で置換されていてもよいC1−6アルキル基(好ましくは、メチル基、エチル基)、C2−6アルケニル基(好ましくは、2−プロペニル基)、C2−6アルキニル基(好ましくは、2−プロピニル基)であり、さらに好ましくは、メチル基、2−(ジメチルアミノ)エチル基、2−(メトキシカルボニルオキシ)エチル基、2−(ヒドロキシ)エチル基、2−プロペニル基、2−プロピニル基である。
’およびR’は、同一または異なって、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよいC1−6アルキル基、または置換されていてもよいC1−6アルコキシ基を示す。
’またはR’で示される「置換されていてもよいC1−6アルキル基」および「置換されていてもよいC1−6アルコキシ基」は、上記RまたはRで示される「置換されていてもよいC1−6アルキル基」および「置換されていてもよいC1−6アルコキシ基」と同様である。
’およびR’は、好ましくは、同一または異なって、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよいC1−6アルキル基、またはC1−6アルコキシ基であり、より好ましくは、水素原子、ハロゲン原子(好ましくは、塩素原子、臭素原子)、C1−6アルキル基(好ましくは、メチル基)でモノまたはジ置換されていてもよいアミノ基(好ましくは、ジメチルアミノ基)で置換されていてもよいC1−6アルキル基(好ましくは、メチル基)、C1−6アルコキシ基(好ましくは、メトキシ基)であり、さらに好ましくは、水素原子、塩素原子、臭素原子、ジメチルアミノメチル基、メトキシ基であり、特に好ましくは、メトキシ基である。
’およびR’は、同一または異なって、それぞれ水素原子、置換されていてもよいC1−6アルキル基および置換されていてもよいC6−14アリール基から選択される置換基でモノまたはジ置換されていてもよいカルバモイル基、置換されていてもよいC1−6アルキル−カルボニル基、置換されていてもよいC1−6アルコキシ−カルボニル基、置換されていてもよいC6−14アリールオキシ−カルボニル基、置換されていてもよいC1−6アルキルスルホニル基、置換されていてもよいC6−14アリールスルホニル基、−SOX(式中、Xは、水素原子、置換されていてもよいC1−6アルキル基、置換されていてもよいC6−14アリール基または対イオンを示す。)、−PO(OY)(OZ)(式中、YおよびZは、同一または異なって、それぞれ水素原子、置換されていてもよいC1−6アルキル基、置換されていてもよいC6−14アリール基または対イオンを示す。)、または−POY’(式中、Y’は対イオンを示す。)を示す。
’またはR’で示される「置換されていてもよいC1−6アルキル基および置換されていてもよいC6−14アリール基から選択される置換基でモノまたはジ置換されていてもよいカルバモイル基」、「置換されていてもよいC1−6アルキル−カルボニル基」、「置換されていてもよいC1−6アルコキシ−カルボニル基」、「置換されていてもよいC6−14アリールオキシ−カルボニル基」、「置換されていてもよいC1−6アルキルスルホニル基」、「置換されていてもよいC6−14アリールスルホニル基」、「−SOX(式中、Xは、水素原子、置換されていてもよいC1−6アルキル基、置換されていてもよいC6−14アリール基または対イオンを示す。)」、「−PO(OY)(OZ)(式中、YおよびZは、同一または異なって、それぞれ水素原子、置換されていてもよいC1−6アルキル基、置換されていてもよいC6−14アリール基または対イオンを示す。)」および「−POY’(式中、Y’は対イオンを示す。)」は、上記RまたはRで示される「置換されていてもよいC1−6アルキル基および置換されていてもよいC6−14アリール基から選択される置換基でモノまたはジ置換されていてもよいカルバモイル基」、「置換されていてもよいC1−6アルキル−カルボニル基」、「置換されていてもよいC1−6アルコキシ−カルボニル基」、「置換されていてもよいC6−14アリールオキシ−カルボニル基」、「置換されていてもよいC1−6アルキルスルホニル基」、「置換されていてもよいC6−14アリールスルホニル基」、「−SOX(式中、Xは、水素原子、置換されていてもよいC1−6アルキル基、置換されていてもよいC6−14アリール基または対イオンを示す。)」、「−PO(OY)(OZ)(式中、YおよびZは、同一または異なって、それぞれ水素原子、置換されていてもよいC1−6アルキル基、置換されていてもよいC6−14アリール基または対イオンを示す。)」および「−POY’(式中、Y’は対イオンを示す。)」と同様である。
’およびR’は、好ましくは、水素原子、C1−6アルコキシ−カルボニル基(好ましくは、tert−ブトキシカルボニル基)で置換されていてもよいアミノ基で置換されていてもよいC1−6アルキル−カルボニル基(好ましくは、イソブチルカルボニル基)である。
’は、水素原子、またはヒドロキシ基を示す。
’は、好ましくは、水素原子である。
化合物(I’)は、好ましくは、
’が、水素原子、置換されていてもよいC1−6アルキル基[好ましくは、C1−6アルキル基(好ましくは、メチル基)でモノもしくはジ置換されていてもよいアミノ基(好ましくは、ジメチルアミノ基)またはC1−6アルコキシ−カルボニルオキシ基(好ましくは、メトキシカルボニルオキシ基)で置換されていてもよいC1−6アルキル基(好ましくは、メチル基、エチル基)]、置換されていてもよいC2−6アルケニル基(好ましくは、2−プロペニル基)、または、C2−6アルキニル基(好ましくは、2−プロピニル基)であり;
’およびR’が、同一または異なって、それぞれ水素原子、ハロゲン原子(好ましくは、塩素原子、臭素原子)、置換されていてもよいC1−6アルキル基[好ましくは、C1−6アルキル基(好ましくは、メチル基)でモノまたはジ置換されていてもよいアミノ基(好ましくは、ジメチルアミノ基)で置換されていてもよいC1−6アルキル基(好ましくは、メチル基)]、またはC1−6アルコキシ基(好ましくは、メトキシ基)であり;
’およびR’が、水素原子、または置換されていてもよいC1−6アルキル−カルボニル基[好ましくは、C1−6アルコキシ−カルボニル基(好ましくは、tert−ブトキシカルボニル基)で置換されていてもよいアミノ基で置換されていてもよいC1−6アルキル−カルボニル基(好ましくは、イソブチルカルボニル基)]であり;
’が、水素原子またはヒドロキシ基である化合物である。
化合物(I)の塩としては、例えば、金属塩、アンモニウム塩、有機塩基との塩、無機酸との塩、有機酸との塩、塩基性又は酸性アミノ酸との塩等が挙げられる。金属塩の好適な例としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩、バリウム塩等のアルカリ土類金属塩;アルミニウム塩等が挙げられる。有機塩基との塩の好適な例としては、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、2,6−ルチジン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン等との塩が挙げられる。無機酸との塩の好適な例としては、例えば、塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸等との塩が挙げられる。有機酸との塩の好適な例としては、例えば、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、フタル酸、フマル酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等との塩が挙げられる。塩基性アミノ酸との塩の好適な例としては、例えば、アルギニン、リジン、オルニチン等との塩が挙げられ、酸性アミノ酸との塩の好適な例としては、例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸等との塩が挙げられる。
このうち、薬学的に許容し得る塩が好ましい。例えば、化合物内に酸性官能基を有する場合には、アルカリ金属塩(例、ナトリウム塩、カリウム塩等)、アルカリ土類金属塩(例、カルシウム塩、マグネシウム塩等)等の無機塩、アンモニウム塩等、また、化合物内に塩基性官能基を有する場合には、例えば、塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸等の無機酸との塩、又は酢酸、フタル酸、フマル酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等の有機酸との塩が挙げられる。中でも、薬学的に許容し得る塩が好ましい。
以下、化合物(I)及びその塩を総称して本発明化合物とも称する。
本発明化合物が、光学異性体、立体異性体、位置異性体、回転異性体等の異性体を有する場合には、いずれか一方の異性体も混合物も本発明化合物に包含される。例えば、本発明化合物に光学異性体が存在する場合には、ラセミ体から分割された光学異性体も本発明化合物に包含される。これらの異性体は、自体公知の合成手法、分離手法(例、濃縮、溶媒抽出、カラムクロマトグラフィー、再結晶等)、光学分割手法(例、分別再結晶法、キラルカラム法、ジアステレオマー法等)等によりそれぞれを単品として得ることができる。
本発明化合物は、結晶であってもよく、結晶形が単一であっても結晶形混合物であっても本発明化合物に包含される。結晶は、自体公知の結晶化法を適用して、結晶化することによって製造することができる。本発明化合物は、薬学的に許容され得る共結晶または共結晶塩であってもよい。ここで、共結晶または共結晶塩とは、各々が異なる物理的特性(例えば、構造、融点、融解熱、吸湿性、溶解性および安定性等)を持つ、室温で二種またはそれ以上の独特な固体から構成される結晶性物質を意味する。共結晶または共結晶塩は、自体公知の共結晶化法に従い製造することができる。
本発明化合物は、溶媒和物(例、水和物等)であっても、無溶媒和物(例、非水和物等)であってもよく、いずれも本発明化合物に包含される。
同位元素(例、H、11C、14C、18F、35S、125I等)等で標識された化合物や、重水素変換体も、本発明化合物に包含される。
本発明化合物のプロドラッグは、生体内における生理条件下で酵素、胃酸等による反応により本発明化合物に変換する化合物、すなわち酵素的に酸化、還元、加水分解等を起こして本発明化合物に変化する化合物、胃酸等により加水分解等を起こして本発明化合物に変化する化合物をいう。
本発明化合物のプロドラッグとしては、本発明化合物のアミノ基がアシル化、アルキル化、りん酸化された化合物(例、本発明化合物のアミノ基がエイコサノイル化、アラニル化、ペンチルアミノカルボニル化、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メトキシカルボニル化、テトラヒドロフラニル化、ピロリジルメチル化、ピバロイルオキシメチル化、t−ブチル化された化合物等);本発明化合物のヒドロキシ基がアシル化、アルキル化、りん酸化、ホウ酸化された化合物(例、本発明化合物のヒドロキシ基がアセチル化、パルミトイル化、プロパノイル化、ピバロイル化、スクシニル化、フマリル化、アラニル化、ジメチルアミノメチルカルボニル化された化合物等);本発明化合物のカルボキシ基がエステル化、アミド化された化合物(例、本発明化合物のカルボキシ基がエチルエステル化、フェニルエステル化、カルボキシメチルエステル化、ジメチルアミノメチルエステル化、ピバロイルオキシメチルエステル化、エトキシカルボニルオキシエチルエステル化、フタリジルエステル化、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチルエステル化、シクロヘキシルオキシカルボニルエチルエステル化、メチルアミド化された化合物等);等が挙げられる。これらの化合物は自体公知の方法によって本発明化合物から製造することができる。
また、本発明化合物のプロドラッグは、医薬品の開発、第7巻 (分子設計)、163-198頁(広川書店)に記載されているような生理的条件で本発明化合物に変化するものであってもよい。
本発明化合物又はそのプロドラッグは、哺乳動物(例、マウス、ラット、ハムスター、ウサギ、ネコ、イヌ、ウシ、ヒツジ、サル、ヒト等)に対して、優れた抗癌活性を有し、これらの動物における癌等の疾患の予防・治療薬として使用できる。「癌等の疾患」としては、例えば、網膜芽細胞腫、小児癌、脳腫瘍、神経膠腫、口腔癌、上咽頭癌、中咽頭癌、下咽頭癌、喉頭癌、乳癌、肺癌、食道癌、胃癌、腎臓癌、子宮癌、皮膚癌、メラノーマ、前立腺癌等が挙げられる。また、本発明化合物又はそのプロドラッグは、毒性(例、急性毒性、慢性毒性、遺伝毒性、生殖毒性、心毒性、薬物相互作用、癌原性等)が低く、さらに、安定性及び体内動態(吸収性、分布、代謝、排泄等)にも優れているので、医薬品として有用である。
本発明化合物又はそのプロドラッグを含有する医薬(以下「本発明医薬」と称する)は、医薬製剤の製造法として自体公知の方法(例、日本薬局方記載の方法等)に従って、本発明化合物又はそのプロドラッグを単独で、あるいは薬理学的に許容される担体と混合して、例えば錠剤(糖衣錠、フィルムコーティング錠、舌下錠、口腔内崩壊錠、バッカル錠等を含む)、丸剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤(ソフトカプセル剤、マイクロカプセル剤を含む)、トローチ剤、シロップ剤、液剤、乳剤、懸濁剤、放出制御製剤(例、速放性製剤、徐放性製剤、徐放性マイクロカプセル剤)、エアゾール剤、フィルム剤(例、口腔内崩壊フィルム、口腔粘膜貼付フィルム)、注射剤(例、皮下注射剤、静脈内注射剤、筋肉内注射剤、腹腔内注射剤)、点滴剤、経皮吸収型製剤、軟膏剤、ローション剤、貼付剤、坐剤(例、肛門坐剤、膣坐剤)、ペレット、経鼻剤、経肺剤(吸入剤)、点眼剤等とすることができる。経口的または非経口的(例、静脈内、筋肉内、皮下、臓器内、鼻腔内、皮内、点眼、脳内、直腸内、膣内、腹腔内、腫瘍内部、腫瘍の近位、病巣等)に安全に投与することができる。
本発明化合物又はそのプロドラッグの本発明医薬中の含有量は、医薬全体の約0.01〜100重量%である。本発明医薬の投与量は、投与対象、投与ルート、疾患、症状等により異なるが、例えば癌の治療の目的で成人患者に経口投与する場合、有効成分である本発明化合物又はそのプロドラッグとして約0.001〜約100mg/kg体重、好ましくは約0.005〜約50mg/kg体重、さらに好ましくは約0.01〜約2mg/kg体重であり、これらの服用量を症状に応じて1日約1〜3回投与するのが望ましい。
上記薬理学的に許容される担体としては、製剤素材として慣用の各種有機又は無機担体物質が挙げられ、例えば固形製剤における賦形剤、滑沢剤、結合剤及び崩壊剤、又は液状製剤における溶剤、溶解補助剤、懸濁化剤、等張化剤、緩衝剤及び無痛化剤等が挙げられる。更に必要に応じ、通常の防腐剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤、吸着剤、湿潤剤等の添加物を適宜、適量用いることもできる。
賦形剤としては、例えば乳糖、白糖、D−マンニトール、デンプン、コーンスターチ、結晶セルロース、軽質無水ケイ酸等が挙げられる。滑沢剤としては、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、コロイドシリカ等が挙げられる。結合剤としては、例えば結晶セルロース、白糖、D−マンニトール、デキストリン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、デンプン、ショ糖、ゼラチン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム等が挙げられる。崩壊剤としては、例えばデンプン、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、L−ヒドロキシプロピルセルロース等が挙げられる。溶剤としては、例えば注射用水、アルコール、プロピレングリコール、マクロゴール、ゴマ油、トウモロコシ油、オリーブ油等が挙げられる。溶解補助剤としては、例えばポリエチレングリコール、プロピレングリコール、D−マンニトール、安息香酸ベンジル、エタノール、トリスアミノメタン、コレステロール、トリエタノールアミン、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム等が挙げられる。懸濁化剤としては、例えばステアリルトリエタノールアミン、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルアミノプロピオン酸、レシチン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、モノステアリン酸グリセリン等の界面活性剤;例えばポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等の親水性高分子等が挙げられる。等張化剤としては、例えばブドウ糖、D−ソルビトール、塩化ナトリウム、グリセリン、D−マンニトール等が挙げられる。緩衝剤としては、例えばリン酸塩、酢酸塩、炭酸塩、クエン酸塩等の緩衝液等が挙げられる。無痛化剤としては、例えばベンジルアルコール等が挙げられる。防腐剤としては、例えばパラオキシ安息香酸エステル類、クロロブタノール、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、デヒドロ酢酸、ソルビン酸等が挙げられる。抗酸化剤としては、例えば亜硫酸塩、アスコルビン酸、α−トコフェロール等が挙げられる。
本発明化合物又はそのプロドラッグを上記各疾患に適用する際には、それら疾患に通常用いられる薬剤又は治療法と適宜併用することが可能である。
以下、本発明化合物又はそのプロドラッグと併用薬物を併用して使用することを「本発明の併用剤」と称する。
併用薬物としては、例えば、代謝拮抗剤、アルキル化剤、トポイソメラーゼ阻害薬、微小管重合阻害薬、微小管脱重合阻害薬、分子標的薬等が挙げられる。
本発明化合物又はそのプロドラッグと併用薬物とを組み合わせることにより、
(1)本発明化合物又はそのプロドラッグ、あるいは併用薬物を単独で投与する場合に比べて、その投与量を軽減することができる、
(2)患者の症状(軽症、重症等)に応じて、併用薬物を選択することができる、
(3)本発明化合物又はそのプロドラッグと作用機序が異なる併用薬物を選択することにより、治療期間を長く設定することができる、
(4)本発明化合物又はそのプロドラッグと作用機序が異なる併用薬物を選択することにより、治療効果の持続を図ることができる、
(5)本発明化合物又はそのプロドラッグと併用薬物とを併用することにより、相乗効果が得られる、等の優れた効果を得ることができる。
本発明の併用剤は、毒性が低く、例えば、本発明化合物又はそのプロドラッグ、あるいは(及び)上記併用薬物を自体公知の方法に従って、薬理学的に許容される担体と混合して医薬組成物、例えば錠剤(糖衣錠、フィルムコーティング錠等も含む)、散剤、顆粒剤、カプセル剤、液剤、乳剤、懸濁剤、注射剤、坐剤、徐放剤(例、舌下錠、マイクロカプセル等)、貼布剤、口腔内崩壊錠、口腔内崩壊フィルム等として、経口的又は非経口的(例、皮下、局所、直腸、静脈投与等)に安全に投与することができる。
本発明の併用剤の製造に用いられてもよい薬理学的に許容される担体としては、製剤素材として慣用の各種有機又は無機担体物質が挙げられ、例えば固形製剤における賦形剤、滑沢剤、結合剤及び崩壊剤、又は液状製剤における溶剤、溶解補助剤、懸濁化剤、等張化剤、緩衝剤及び無痛化剤等が挙げられる。更に必要に応じ、通常の防腐剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤、吸着剤、湿潤剤等の添加物を適宜、適量用いることもできる。
本発明の併用剤の使用に際しては、本発明化合物又はそのプロドラッグと併用薬物の投与時期は限定されず、本発明化合物又はそのプロドラッグあるいはその医薬組成物と、併用薬物又はその医薬組成物とを、投与対象に対し、同時に投与してもよいし、時間差をおいて投与してもよい。併用薬物の投与量は、臨床上用いられている投与量に準ずればよく、投与対象、投与ルート、疾患、組み合わせ等により適宜選択することができる。
本発明の併用剤の投与形態は、特に限定されず、投与時に、本発明化合物と併用薬物とが組み合わされていればよい。このような投与形態としては、例えば、(1)本発明化合物又はそのプロドラッグと併用薬物とを同時に製剤化して得られる単一の製剤の投与、(2)本発明化合物又はそのプロドラッグと併用薬物とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の同一投与経路での同時投与、(3)本発明化合物又はそのプロドラッグと併用薬物とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の同一投与経路での時間差をおいての投与、(4)本発明化合物又はそのプロドラッグと併用薬物とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の異なる投与経路での同時投与、(5)本発明化合物又はそのプロドラッグと併用薬物とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の異なる投与経路での時間差をおいての投与(例、本発明化合物又はそのプロドラッグ;併用薬物の順序での投与、又は逆の順序での投与等)等が挙げられる。
本発明の併用剤における本発明化合物又はそのプロドラッグと併用薬物との配合比は、投与対象、投与ルート、疾患等により適宜選択することができる。
例えば、本発明の併用剤における本発明化合物又はそのプロドラッグの含有量は、製剤の形態によって相違するが、通常製剤全体に対して約0.01〜100重量%、好ましくは約0.1〜50重量%、さらに好ましくは約0.5〜20重量%である。
本発明の併用剤における併用薬物の含有量は、製剤の形態によって相違するが、通常製剤全体に対して約0.01〜100重量%、好ましくは約0.1〜50重量%、さらに好ましくは約0.5〜20重量%である。
本発明の併用剤における担体等の添加剤の含有量は、製剤の形態によって相違するが、通常製剤全体に対して約1〜99.99重量%、好ましくは約10〜90重量%である。
また、本発明化合物又はそのプロドラッグ及び併用薬物をそれぞれ別々に製剤化する場合も同様の含有量でよい。
製造法
本明細書中、以下のスキームにおいて使用する略号は以下を意味する。
−Me:メチル基
−Et:エチル基
−OMe:メトキシ基
−Oi−Pr:イソプロポキシ基
−COMe:メトキシカルボニル基
−NMe:ジメチルアミノ基
−MOM:メトキシメチル基
−OMOM:メトキシメトキシ基
−OBn:ベンジルオキシ基
−Boc:tert−ブトキシカルボニル基
−THP:2−テトラヒドロピラニル基
−NHBoc:tert−ブトキシカルボニルアミノ基
−SEM:2−(トリメチルシリル)エトキシメチル基
[A法]
化合物(I)においてWがOである化合物(以下、化合物(I)−1と称する)は、例えば、下記スキームに記載の方法によって製造される化合物14を中間体として合成することができる。なお、以下のスキームに記載の化合物はいずれも、化合物(I)−1の製造において重要な中間体である。
工程(a):化合物2の合成
イソバニリン(1)(25.0 g, 164 mmol)、炭酸カリウム(45.4 g, 329 mmol)、臭化イソプロピル(23.1 mL, 247 mmol)およびジメチルスルホキシド(300 mL)の混合物を55℃で2時間撹拌した。放冷後、水を加え、エーテルで抽出した。抽出液を水、10%水酸化ナトリウム水溶液および飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、エーテルを減圧留去した。残渣を減圧蒸留し、化合物2を無色透明の油状物(29.0 g)として得た。収率91%。沸点85-97℃/0.2 mmHg。
1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ 1.40 (d, J= 6.0 Hz, 6H), 3.94 (s, 3H), 4.65 (sep, J= 6.0 Hz, 1H), 6.98 (d, J= 8.0 Hz, 1H), 7.40-7.47 (m, 2H), 9.84 (s, 1H).
工程(b):化合物3の合成
0℃にて化合物2(195 mg, 1.00 mmol)の乾燥ジメチルホルムアミド(4.0 mL)溶液に、N−ブロモコハク酸イミド(356 mg, 2.00 mmol)の乾燥ジメチルホルムアミド(2.0 mL)溶液を滴下した。その後室温まで昇温し、同温度にて30時間撹拌した。水を加え、ジクロロメタンで抽出し、抽出液を亜硫酸ナトリウム水溶液、水および飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。ジクロロメタンを減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=5:1)で精製し、化合物3を黄色固体(192 mg)として得た。収率70%。融点102.5-103℃(ジクロロメタン/ヘキサン混合溶媒)。
1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ 1.38 (d, J= 6.1 Hz, 6H), 3.94 (s, 3H), 4.63 (sep, J= 6.1 Hz, 1H), 7.05 (s, 1H), 7.42 (s, 1H), 10.18 (s, 1H).
Anal. Calcd for C11H13BrO3: C, 48.37; H, 4.80. Found: C, 48.23; H, 4.72.
工程(c):化合物5の合成
アルゴン雰囲気下、0℃にてピロール(4)(20.1 g, 300 mmol)、トリエチルアミン(21.6 mL, 155 mmol)、4−ジメチルアミノピリジン(1.83 g, 15.0 mmol)および乾燥テトラヒドロフラン(180 mL)の混合物に、ジ−tert−ブチルジカルボナート(43.6 g, 200 mmol)の乾燥テトラヒドロフラン(20 mL)溶液を滴下した。室温まで昇温し、同温度にて20時間撹拌した後、溶媒を減圧留去した。残渣に水を加え、ジクロロメタンで抽出した。抽出液を水および飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、ジクロロメタンを減圧留去した。残渣を減圧蒸留し、化合物5を無色透明の油状物(39.0 g)として得た。収率78%。沸点80℃/47 mmHg。
1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ 1.59 (s, 9H), 6.21 (t, J= 2.4 Hz, 2H), 7.23 (t, J= 2.4 Hz, 2H).
工程(d):化合物6の合成
アルゴン雰囲気下、−78℃にてジイソプロピルアミン(18.2 ml, 130 mmol)のテトラヒドロフラン(450 mL)溶液にn−ブチルリチウムヘキサン溶液(1.61 M, 74.8 mL, 120 mmol)を滴下した。5分間撹拌後、0℃まで昇温し、同温度にて10分間撹拌した。反応溶液を再度−78℃に冷却し、その溶液に化合物5(16.7 g, 100 mmol)のテトラヒドロフラン溶液(30 mL)を滴下し、同温度にて1時間撹拌した。−78℃にてホウ酸トリメチル(16.7 mL, 150 mmol)を加え、同温度にて1時間撹拌後、室温まで昇温し、同温度にてさらに15時間撹拌した。反応溶液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、溶媒を減圧留去した。残渣に酢酸を加えpHを3に調整した後、エーテルで抽出し、抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、エーテルを留去した。残渣を吸引濾過することで回収された粉末をヘキサンで洗浄し、化合物6を白色粉末(15.6 g)として得た。収率75%。
1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ 1.62 (s, 9H), 6.26 (t, J= 3.2 Hz, 1H), 7.05 (br s, 2H), 7.10 (dd, J= 1.6 and 3.2 Hz, 1H), 7.45 (dd, J= 1.6 and 3.2 Hz, 1H).
工程(e):化合物7の合成
化合物3(82.2 mg, 0.301 mmol)、化合物6(75.9 mg, 0.360 mmol)およびPd(PPh(35.1 mg, 30.3μmol)の混合物を減圧脱気によりアルゴンに置換した。この固体混合物にテトラヒドロフラン(7 mL)を加え、撹拌溶解した。さらにアルゴンで脱気した炭酸ナトリウム水溶液[NaCO(0.210 g, 1.98 mmol)+水(0.60 mL)]を加えた。この混合物を19時間、撹拌還流した。放冷後、溶媒を減圧留去した。残渣に水を加え、ジクロロメタンで抽出した。抽出液を水および飽和食塩水で洗い、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。ジクロロメタンを減圧下留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=10:1)で精製し、化合物7を赤色油状物(108 mg)として得た。収率98%。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 1.29 (s, 9H), 1.41 (d, J= 6.1 Hz, 6H), 3.92 (s, 3H), 4.70 (sep, J= 6.1 Hz, 1H), 6.24 (dd, J= 1.8 and 3.3 Hz, 1H), 6.29 (t, J= 3.3 Hz, 1H), 6.82 (s, 1H), 7.44 (dd, J= 1.8 and 3.3 Hz, 1H), 7.43 (s, 1H), 9.74 (s, 1H).
HRFABMS m/z. Calcd for C20H25NO5(M+): 359.1733. Found: 359.1738.
工程(f):化合物8の合成
アルゴン雰囲気下、0℃にて(メトキシメチル)トリフェニルホスホニウムクロリド(2.68 g, 7.82 mmol)および乾燥テトラヒドロフラン(39 mL)の混合物に、カリウムtert−ブトキシド(1.05 g, 9.36 mmol)の乾燥テトラヒドロフラン(9.4 mL)懸濁液を滴下した。同温度にて10分間撹拌後、化合物7(2.31 g, 6.26 mmol)の乾燥テトラヒドロフラン(27 mL)溶液を滴下した。さらに同温度にて3時間撹拌した後、水を加え、室温に昇温した。溶媒を減圧留去した後、残渣をエーテルで抽出し、抽出液を水および飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。エーテルを減圧留去した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=10:1)で精製し、化合物8(シス−トランス混合物、トランス体:シス体=0.636:0.364)を赤色油状物(2.26 g)として得た。収率93%。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 1.22 (s, 3.28H), 1.26 (s, 5.72H), 1.38 (d, J= 6.1 Hz, 3.82H), 1.40 (d, J= 6.2 Hz, 2.18H), 3.50 (s, 1.91H), 3.71 (s, 1.09H), 3.82 (s, 1.91H), 3.82 (s, 1.09H), 4.50-4.61 (m, 1H), 4.84 (d, J= 7.2 Hz, 0.364H), 5.47 (d, J= 12.9 Hz, 0.636H), 5.95 (d, J= 7.2 Hz, 0.364H), 6.11 (dd, J= 1.8 and 3.4 Hz, 0.364H), 6.12 (dd, J= 1.9 and 3.3 Hz, 0.636H), 6.24 (t, J= 3.4 Hz, 0.364H), 6.24 (t, J= 3.3 Hz, 0.636H), 6.72 (d, J= 12.9 Hz, 0.636H), 6.74 (s, 0.364H), 6.76 (s, 0.636H), 6.87 (s, 0.636H), 7.37 (dd, J= 1.9 and 3.3 Hz, 0.636H), 7.38 (dd, J= 1.8 and 3.4 Hz, 0.364H), 7.70 (s, 0.364H).
HRFABMS m/z. Calcd for C22H29NO5(M+): 387.2046. Found: 387.2053.
工程(g):化合物9の合成
0℃にて化合物8(1.49 g, 3.85 mmol)の乾燥ジクロロメタン(25 mL)溶液に、メタンスルホン酸(25.0μL, 0.385 mmol)を滴下し、同温度にて23時間撹拌した。炭酸ナトリウム(103.7 mg, 0.978 mmol)および硫酸マグネシウム(101.8 mg, 0.846 mmol)を加え、懸濁液を濾過した。濾液の溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=10:1)で精製し、化合物9を白色粉末(1.26 g)として得た。収率92%。融点102.5-103℃(ジクロロメタン/ヘキサン混合溶媒)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 1.45 (d, J= 6.1 Hz, 6H), 1.68 (s, 9H), 4.02 (s, 3H), 4.72 (sep, J= 6.1 Hz, 1H), 6.61 (d, J= 3.7 Hz, 1H), 7.25 (s, 1H), 7.46 (d, J= 8.4 Hz, 1H), 7.52 (d, J= 8.4 Hz, 1H), 7.59 (d, J= 3.7 Hz, 1H), 8.43 (s, 1H).
Anal. Calcd for C21H25NO4: C, 70.96; H, 7.09; N, 3.94. Found: C, 71.06; H, 7.26; N, 3.76.
工程(h):化合物10の合成
アルゴン雰囲気下、−78℃にて化合物9(491 mg, 1.38 mmol)のテトラヒドロフラン(50 mL)溶液に、tert−ブチルリチウムペンタン溶液(1.46 M, 1.14 mL, 1.66 mmol)を滴下した。同温度にて1時間撹拌後、1,2−ジブロモ−1,1,2,2−テトラフルオロエタン(246μL, 2.07 mmol)を滴下し、同温度にて1時間撹拌した。反応溶液に水を加え、室温まで昇温した後、溶媒を減圧留去した。残渣をジクロロメタンで抽出し、抽出液を水および飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。エーテルを減圧留去した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=10:1)で精製し、化合物10を無色固体(567 mg)として得た。収率95%。融点108.5-109℃。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 1.45 (d, J= 6.1 Hz, 6H), 1.75 (s, 9H), 3.96 (s, 3H), 4.70 (sep, J= 6.1 Hz, 1H), 6.70 (s, 1H), 7.23 (s, 1H), 7.38 (d, J= 8.5 Hz, 1H), 7.45 (d, J= 8.5 Hz, 1H), 7.49 (s, 1H).
HRFABMS m/z. Calcd for C21H24BrNO4(M+): 433.0889. Found: 433.0903.
工程(i):化合物12の合成
化合物10(394 mg, 0.907 mmol)、アリールボロン酸(11)(369 mg, 1.37 mmol)、NaCO(624 mg, 5.89 mmol)およびPd(PPh(105 mg, 0.0909 mmol)の混合物を減圧脱気によりアルゴンに置換した。この固体混合物に1,2−ジメトキシエタン(13.4 mL)を加え、撹拌した。さらにアルゴンで脱気した水(2.6 mL)を加え、この混合物を19時間還流した。放冷後、溶媒を減圧留去した。残渣に水を加え、ジクロロメタンで抽出した。抽出液を水および飽和食塩水で洗い、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。ジクロロメタンを減圧下留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=3:1)で精製し、化合物12を白色粉末(452 mg)として得た。収率86%。融点102.5-103℃(ジクロロメタン/ヘキサン混合溶媒)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 1.33 (s, 9H), 1.42 (d, J= 6.1 Hz, 6H), 1.46 (d, J= 6.1 Hz, 6H), 3.29 (s, 3H), 3.84 (s, 3H), 3.97 (s, 3H), 4.59 (sep, J= 6.1 Hz, 1H), 4.72 (sep, J= 6.1 Hz, 1H), 4.94 (s, 2H), 6.59 (s, 1H), 6.82 (s, 1H), 6.93 (s, 1H), 7.27 (s, 1H), 7.49 (s, 2H), 7.95 (s, 1H).
Anal. Calcd for C33H41NO8: C, 68.37; H, 7.13; N, 2.42. Found: C, 68.36; H, 7.28; N, 2.26.
工程(j):化合物13の合成
0℃にて化合物12(92.7 mg, 0.160 mmol)の乾燥ジメチルホルムアミド(2.0 mL)溶液に、N−ブロモコハク酸イミド(31.3 mg, 0.176 mmol)の乾燥ジメチルホルムアミド(2.0 mL)溶液を滴下し、同温度にて7時間撹拌した。水を加え、室温まで昇温した後、エーテルで抽出し、抽出液を水および飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。エーテルを減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン)およびシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=3:1)で順次精製し、化合物13を淡黄色固体(104 mg)として得た。収率99%。融点64.5-65℃。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 1.32 (s, 9H), 1.42 (d, J= 6.1 Hz, 3H), 1.44 (d, J= 6.1 Hz, 3H), 1.46 (d, J= 6.1 Hz, 6H), 3.30 (s, 3H), 3.84 (s, 3H), 3.96 (s, 3H), 4.62 (sep, J= 6.1 Hz, 1H), 4.74 (sep, J= 6.1 Hz, 1H), 4.94 (d, J= 6.7 Hz, 1H), 5.00 (d, J= 6.7 Hz, 1H), 6.87 (s, 1H), 6.90 (s, 1H), 7.28 (s, 1H), 7.50 (d, J= 8.6 Hz, 1H), 7.57 (d, J= 8.6 Hz, 1H), 7.79 (s, 1H).
HRFABMS m/z. Calcd for C33H40BrNO8(M+): 657.1937. Found: 657.1925.
工程(k):化合物14の合成
アルゴン雰囲気下、−78℃にて化合物13(481 mg, 0.731 mmol)のテトラヒドロフラン(20 mL)溶液に、tert−ブチルリチウムペンタン溶液(1.59 M, 1.01 mL, 1.60 mmol)を滴下した。同温度にて1時間撹拌後、クロロギ酸メチル(169μL, 2.19 mmol)のテトラヒドロフラン(8.0 mL)溶液を滴下し、同温度にて1時間撹拌した。反応溶液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、室温まで昇温した後、溶媒を減圧留去した。残渣をエーテルで抽出し、抽出液を水および飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。エーテルを減圧留去した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で精製し、化合物14を赤色固体(350 mg)として得た。収率75%。融点147-149℃(ジクロロメタン/ヘキサン混合溶媒)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 1.33 (s, 9H), 1.42 (d, J= 6.1 Hz, 3H), 1.44 (d, J= 6.1 Hz, 3H), 1.47 (d, J= 6.1 Hz, 6H), 3.32 (s, 3H), 3.75 (s, 3H), 3.81 (s, 3H), 3.94 (s, 3H), 4.63 (sep, J= 6.1 Hz, 1H), 4.74 (sep, J= 6.1 Hz, 1H), 4.94 (d, J= 6.8 Hz, 1H), 4.99 (d, J= 6.8 Hz, 1H), 6.86 (s, 1H), 6.90 (s, 1H), 7.31 (s, 1H), 7.56 (s, 1H), 7.60 (d, J= 8.7 Hz, 1H), 8.17 (d, J= 8.7 Hz, 1H).
Anal. Calcd for C35H43NO10: C, 65.92; H, 6.80; N, 2.20. Found: C, 65.92; H, 6.89; N, 2.02.
化合物(I)−1は、化合物14から下記の実施例1と同様の方法で得られる化合物を用いて、自体公知の方法により各置換基の導入または変換を行うことで合成することができる。あるいは、化合物(I)−1は、化合物14の合成工程において、所望の置換基R〜Rに対応する置換基を有する原料を使用することによっても合成することができる。
[B法]
化合物(I)−1は、下記スキームに記載の方法によっても製造することができる。
(式中、Aは脱離基を示し;その他の記号は前記と同意義を示す。)
Aで示される「脱離基」としては、ハロゲン原子(例、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)等が挙げられ、好ましくは臭素原子である。
工程(a)
化合物B−1と化合物B−2を、パラジウム触媒および塩基の存在下、反応に悪影響を及ぼさない溶媒中で反応させることにより、化合物B−5を合成することができる。
塩基としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸タリウム、フッ化セシウム、フッ化カリウム、リン酸カリウム等が挙げられ、好ましくはリン酸カリウム、炭酸カリウムである。
パラジウム触媒としては、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウムジクロリド等が挙げられ、好ましくはテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムである。
反応に悪影響を及ぼさない溶媒としては、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン、アセトニトリル、ベンゼン、トルエン等が挙げられ、好ましくは1,2−ジメトキシエタン、1,4−ジオキサンである。
塩基の使用量は、化合物B−1に対して、通常3モル当量〜10モル当量、好ましくは6モル当量である。
パラジウム触媒の使用量は、化合物B−1に対して、通常0.01モル当量〜0.2モル当量、好ましくは0.1モル当量である。
反応温度は、通常20℃〜200℃、好ましくは、60℃〜120℃である。
反応時間は、通常1時間〜72時間、好ましくは、10時間〜30時間である。
また、化合物B−5は、以下の工程(b)によっても合成することができる。
工程(b)
化合物B−3と化合物B−4を、パラジウム塩、ホスフィン配位子及び塩基の存在下、反応に悪影響を及ぼさない溶媒中で反応させることにより、化合物B−5を合成することができる。
パラジウム塩としては、酢酸パラジウム、塩化パラジウム、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウムジクロリド等が挙げられ、好ましくは酢酸パラジウムである。
ホスフィン配位子としては、2−(ジ−tert−ブチルホスフィノ)ビフェニル等が挙げられる。
塩基としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、フッ化セシウム等が挙げられ、好ましくは炭酸セシウムである。
反応に悪影響を及ぼさない溶媒としては、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、トルエン、ベンゼン等が挙げられ、好ましくはo−キシレンである。
パラジウム塩の使用量は、化合物B−3に対して、通常0.01モル当量〜0.2モル当量、好ましくは0.1モル当量である。
ホスフィン配位子の使用量は、化合物B−3に対して、通常0.01モル当量〜0.4モル当量、好ましくは0.1モル当量〜0.2モル当量である。
塩基の使用量は、化合物B−3に対して、通常3モル当量〜10モル当量、好ましくは6モル当量である。
反応温度は、通常20℃〜200℃、好ましくは80℃〜170℃である。
反応時間は、通常1時間〜72時間、好ましくは10時間〜30時間である。
工程(c)
化合物B−5を強酸の存在下、反応に悪影響を及ぼさない溶媒中で反応させることにより、化合物(I)−1を合成することができる。
強酸としては、塩酸、トリフルオロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸、塩化アルミニウム等が挙げられ、好ましくは塩酸である。
反応に悪影響を及ぼさない溶媒としては、メタノール、エタノール、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタンまたはこれらの混合溶媒等が挙げられ、好ましくはメタノール−クロロホルム混合溶媒である。
強酸の使用量は、化合物B−5に対して、通常1モル当量〜100モル当量、好ましくは40モル当量〜60モル当量である。
反応温度は、通常0℃〜60℃、好ましくは50℃である。
反応時間は、通常1時間〜72時間、好ましくは10時間〜24時間である。
[C法]
化合物(I)においてWがNである化合物(以下、化合物(I)−2と称する)は、例えば、下記スキームに記載の方法によって製造することができる。
(式中、各記号は前記と同意義を示す。)
工程(a)
化合物B−1と化合物C−1を、パラジウム触媒および塩基の存在下、反応に悪影響を及ぼさない溶媒中で反応させることにより、化合物C−2を合成することができる。
塩基としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸タリウム、フッ化セシウム、フッ化カリウム、リン酸カリウム等が挙げられ、好ましくはリン酸カリウムである。
パラジウム触媒としては、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウムジクロリド等が挙げられ、好ましくはテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムである。
反応に悪影響を及ぼさない溶媒としては、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン、アセトニトリル、ベンゼン、トルエン等が挙げられ、好ましくは1,4−ジオキサンである。
塩基の使用量は、化合物B−1に対して、通常3モル当量〜10モル当量、好ましくは6モル当量である。
パラジウム触媒の使用量は、化合物B−1に対して、通常0.01モル当量〜0.2モル当量、好ましくは0.1モル当量である。
反応温度は、通常20℃〜200℃、好ましくは、80℃〜120℃である。
反応時間は、通常1時間〜72時間、好ましくは、10時間〜24時間である。
工程(b)
化合物C−2を強酸の存在下、反応に悪影響を及ぼさない溶媒中で反応させることによりtert−ブトキシカルボニル基を除去し、化合物C−3を合成することができる。
強酸としては、トリフルオロ酢酸、塩酸、トリフルオロメタンスルホン酸、塩化アルミニウム等が挙げられ、好ましくはトリフルオロ酢酸である。
反応に悪影響を及ぼさない溶媒としては、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、ベンゼン、トルエン、ニトロメタン等が挙げられ、好ましくはジクロロメタンである。
強酸の使用量は、化合物C−2に対して、通常1モル当量以上、好ましくは300モル当量〜600モル当量である。
反応温度は、通常0℃〜50℃、好ましくは20℃〜25℃である。
反応時間は、通常1時間〜72時間、好ましくは10時間〜24時間である。
工程(c)
化合物C−3を、減圧下加熱することにより化合物(I)−2を合成することができる。
加熱温度は、通常50℃〜250℃、好ましくは170℃〜200℃である。
加熱時間は、通常1時間〜72時間、好ましくは10時間〜24時間である。
あるいは、化合物(I)−2は、工程(d)および(e)に記載の通り、化合物C−3から化合物C−4を経て合成することもできる。
工程(d)
化合物C−3を反応に悪影響を及ぼさない溶媒中、塩基を用いてアルカリ加水分解することにより、化合物C−4を合成することができる。
塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化バリウム、シアン化ナトリウム、シアン化カリウム等が挙げられ、好ましくは水酸化ナトリウムである。
反応に悪影響を及ぼさない溶媒としては、水、エタノール、メタノール、テトラヒドロフラン、あるいはこれらの混合溶媒等が挙げられ、好ましくは水とエタノールの混合溶媒である。
塩基の使用量は、化合物C−3に対して、通常1モル当量〜100モル当量、好ましくは10モル当量である。
反応温度は、通常20℃〜200℃、好ましくは70℃〜100℃である。
反応時間は、通常1時間〜72時間、好ましくは10時間〜24時間である。
工程(e)
化合物C−4を反応に悪影響を及ぼさない溶媒中、脱水縮合剤で処理することにより化合物(I)−2を合成することができる。
脱水縮合剤としては、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩、1,1’−カルボニルジイミダゾール、2−クロロ−1−メチルピリジニウムヨージド等が挙げられ、好ましくは1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩である。
反応に悪影響を及ぼさない溶媒としては、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、酢酸エチル、ベンゼン、トルエン等が挙げられ、好ましくはテトラヒドロフランである。
脱水縮合剤の使用量は、化合物C−4に対して、通常1モル当量〜100モル当量、好ましくは80モル当量である。
反応温度は、通常0℃〜100℃、好ましくは20℃〜30℃である。
反応時間は、通常1時間〜72時間、好ましくは10時間〜24時間である。
なお、上記の各スキーム中の化合物は、塩を形成している場合も含み、このような塩としては、例えば化合物(I)の塩と同様のもの等が挙げられる。各工程で得られた化合物は反応液のままか粗製物として次の反応に用いることもできるが、常法に従って反応混合物から単離することもでき、再結晶、蒸留、クロマトグラフィー等の分離手段により容易に精製することができる。式中の化合物が市販されている場合には市販品をそのまま用いることもできる。
原料化合物または製造中間体がアミノ基、カルボキシ基、ヒドロキシル基等の官能基を有する場合、これらの基は、ペプチド化学等で一般的に用いられる保護基で保護されていてもよい。この場合、反応後に、必要に応じて、保護基を除去することにより目的化合物を得ることができる。これらの保護基の導入あるいは除去は、自体公知の方法、例えば、Wiley-Interscience社1999年刊「Protective Groups in Organic Synthesis, 3rdEd.」(Theodora W. Greene, Peter G. M. Wuts著)に記載の方法等に準じて行えばよい。
実施例1
化合物14(1.07 g, 1.68 mmol)、クロロホルム(40 mL)、メタノール(40 mL)および濃塩酸(8.0 mL)の混合物を室温で3時間撹拌し、その後50℃に昇温し、同温度にて22時間撹拌した。放冷後、溶媒を減圧留去し、水を加え、ジクロロメタンで抽出した。抽出液を水および飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、ジクロロメタンを減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:酢酸エチル=1:1)で精製し、目的化合物を白色固体(712 mg)として得た。収率91%。融点186-187℃(酢酸エチル)。
1H NMR (400 MHz, acetone-d6): δ 1.40 (d, J= 6.0 Hz, 12H), 3.89 (s, 3H), 3.94 (s, 3H), 4.76 (sep, J= 6.0 Hz, 1H), 4.77 (sep, J= 6.0 Hz, 1H), 7.05 (s, 1H), 7.48 (s, 1H), 7.51 (s, 1H), 7.62 (d, J= 8.5 Hz, 1H), 7.66 (s, 1H), 8.04 (d, J= 8.5 Hz, 1H), 12.03 (s, 1H).
HREIMS m/z. Calcd for C27H27NO6(M+): 461.1838. Found: 461.1833.
実施例2
アルゴン雰囲気下、−78℃にて実施例1で得られた化合物(99.1 mg, 0.215 mmol)の乾燥ジクロロメタン(37 mL)溶液に、三塩化ホウ素ヘプタン溶液(1.0 M, 2.58 mL, 2.58 mmol)を滴下し、同温度にて30分間撹拌した。その後0℃に昇温し、同温度にて1時間撹拌した。さらに室温まで昇温した後、22時間撹拌した。反応溶液に飽和重曹水を加え、溶媒を減圧留去した。析出した固体を吸引濾過し、回収された固体を水、2M塩酸および水で順次洗浄し、一晩真空乾燥することで目的化合物を灰白色固体(71.3 mg)として得た。収率88%。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 3.98 (s, 3H), 4.06 (s, 3H), 6.95 (s, 1H), 7.31 (s, 1H), 7.50 (d, J= 8.6 Hz, 1H), 7.86 (d, J= 8.6 Hz, 1H), 8.34 (s, 1H), 8.37 (s, 1H), 13.72 (s, 1H).
HRFABMS m/z. Calcd for C21H15NO6(M+): 377.0899. Found: 377.0892.
実施例3
アルゴン雰囲気下、乾燥ヘキサンで洗浄した水素化ナトリウム(60%、油性)(22.4 mg, 0.560 mmol)に乾燥ジメチルホルムアミド(0.5 mL)を加えた。0℃に冷却した後、実施例1で得られた化合物(32.0 mg, 0.0693 mmol)の乾燥ジメチルホルムアミド(1.0 mL)溶液を滴下し、同温度にて1時間撹拌した。18−クラウン6−エーテル(32.8 mg, 0.124 mmol)の乾燥ジメチルホルムアミド(1.0 mL)懸濁液を加え、同温度にて40分間撹拌した後、ヨウ化メチル(18.0μL, 0.292 mmol)を滴下し、さらに3時間撹拌した。反応溶液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、室温まで昇温した後、酢酸エチル(50 mL)で希釈した。有機層と水層を分離した後、有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。酢酸エチルを減圧留去した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1〜酢酸エチル)で精製し、目的化合物を黄色固体(29.0 mg)として得た。収率88%。融点1231.5-232℃(酢酸エチル)。
1H NMR (400 MHz, acetone-d6): δ 1.41 (d, J= 6.1 Hz, 6H), 1.42 (d, J= 6.1 Hz, 6H), 3.99 (s, 3H), 4.02 (s, 3H), 4.57 (s, 3H), 4.78 (sep, J= 6.1 Hz, 1H), 4.78 (sep, J= 6.1 Hz, 1H), 7.01 (s, 1H), 7.46 (s, 1H), 7.59 (d, J= 8.5 Hz, 1H), 7.63 (s, 1H), 7.82 (s, 1H), 8.08 (d, J= 8.5 Hz, 1H).
HREIMS m/z. Calcd for C28H29NO6(M+): 475.1995. Found: 475.1991.
実施例4
アルゴン雰囲気下、−78℃にて実施例3で得られた化合物(237 mg, 0.497 mmol)の乾燥ジクロロメタン(50 mL)溶液に、三塩化ホウ素ヘプタン溶液(1.0 M, 3.00 mL, 3.00 mmol)を滴下し、同温度にて30分間撹拌した。その後0℃に昇温し、同温度にて7時間撹拌した。反応溶液に飽和重曹水を加え、溶媒を減圧留去した。析出した固体を吸引濾過し、回収された固体を水、1M塩酸および水で順次洗浄し、一晩真空乾燥することで目的化合物を灰白色固体(174 mg)として得た。収率90%。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 3.97 (s, 3H), 4.02 (s, 3H), 4.57 (s, 3H), 6.97 (s, 1H), 7.36 (s, 1H), 7.54 (d, J= 8.5 Hz, 1H), 7.62 (s, 1H), 7.82 (s, 1H), 7.95 (d, J= 8.5 Hz, 1H), 9.71 (br s, 2H).
HRFABMS m/z. Calcd for C22H17NO6(M+): 391.1056. Found: 391.1062.
実施例5
アルゴン雰囲気下、乾燥ヘキサンで洗浄した水素化ナトリウム(60%、油性)(12.1 mg, 0.303 mmol)に乾燥ジメチルホルムアミド(2.0 mL)を加えた。0℃に冷却した後、実施例1で得られた化合物(43.4 mg, 0.0940 mmol)の乾燥ジメチルホルムアミド(2.0 mL)溶液を滴下し、同温度にて30分間撹拌した。臭化アリル(32.0μL, 0.378 mmol)を滴下し、同温度にて30分間攪拌した後、室温に昇温し、同温度にてさらに22時間撹拌した。反応溶液に飽和塩化アンモニウム水溶液および濃アンモニア水を加え、酢酸エチルで希釈した。有機層と水層を分離した後、有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。酢酸エチルを減圧留去した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:2)で精製し、目的化合物を淡黄色固体(35.1 mg)として得た。収率74%。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 1.45 (d, J= 6.1 Hz, 6H), 1.48 (d, J= 6.1 Hz, 6H), 3.92 (s, 3H), 3.97 (s, 3H), 4.61 (sep, J= 6.1 Hz, 1H), 4.74 (sep, J= 6.1 Hz, 1H), 5.45 (br s, 1H), 5.55-5.63 (m, 1H), 5.71-5.77 (m, 1H), 6.56-6.67 (m, 1H), 6.98 (s, 1H), 7.32 (s, 1H), 7.43 (s, 1H), 7.57 (d, J= 8.5 Hz, 1H), 7.67 (s, 1H), 8.24 (d, J= 8.5 Hz, 1H).
HRFABMS m/z. Calcd for C30H31NO6(M+): 501.2151. Found: 501.2139.
実施例6
アルゴン雰囲気下、−78℃にて実施例5で得られた化合物(35.1 mg, 0.0700 mmol)の乾燥ジクロロメタン(6.0 mL)溶液に、三塩化ホウ素ヘプタン溶液(1.0 M, 420μL, 0.420 mmol)を滴下し、同温度にて30分間撹拌した。その後−40℃に昇温し、同温度にて7.5時間撹拌し、その後さらに0℃に昇温し、同温度にて6.5時間攪拌した。反応溶液に飽和重曹水を加え、溶媒を減圧留去した。析出した固体を吸引濾過し、回収された固体を水、2M塩酸および水で順次洗浄し、一晩真空乾燥することで目的化合物を黄白色固体(14.7 mg)として得た。収率50%。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 3.88 (s, 3H), 3.94 (s, 3H), 5.39 (d, J= 17.4 Hz, 1H), 5.61 (br s, 2H), 5.66 (d, J= 10.9 Hz, 1H), 6.71-6.82 (m, 1H), 7.01 (s, 1H), 7.38 (s, 1H), 7.51 (s, 1H), 7.60 (d, J= 8.5 Hz, 1H), 7.71 (s, 1H), 8.02 (d, J= 8.5 Hz, 1H), 9.65 (s, 1H), 10.30 (s, 1H).
実施例7
アルゴン雰囲気下、乾燥ヘキサンで洗浄した水素化ナトリウム(60%、油性)(8.6 mg, 0.215 mmol)に乾燥ジメチルホルムアミド(2.0 mL)を加えた。0℃に冷却した後、実施例1で得られた化合物(32.0 mg, 0.0693 mmol)の乾燥ジメチルホルムアミド(2.0 mL)溶液を滴下し、同温度にて20分間撹拌した。2−(ジメチルアミノ)エチルクロリド塩酸塩(23.2 mg, 0.160 mmol)を加え、その後75℃まで昇温し、同温度にて8時間撹拌した。0℃に冷却し、水素化ナトリウム(60%、油性)(3.8 mg, 0.095 mmol)および2−(ジメチルアミノ)エチルクロリド塩酸塩(23.2 mg, 0.161 mmol)を加え、その後75℃まで昇温し、同温度にて13時間撹拌した。0℃に冷却し、水素化ナトリウム(60%、油性)(3.9 mg, 0.098 mmol)および2−(ジメチルアミノ)エチルクロリド塩酸塩(23.2 mg, 0.161 mmol)を加え、その後75℃まで昇温し、同温度にて4時間撹拌した。放冷後、反応溶液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチル(50 mL)で希釈した。有機層と水層を分離した後、有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。酢酸エチルを減圧留去した後、残渣をアミノプロピル修飾シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1〜酢酸エチル)で精製し、目的化合物を淡黄色固体(13.4 mg)として得た。収率47%。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 1.47 (d, J= 6.1 Hz, 6H), 1.49 (d, J= 6.1 Hz, 6H), 2.44 (s, 6H), 3.18 (br s, 2H), 4.02 (s, 3H), 4.08 (s, 3H), 4.65 (sep, J= 6.1 Hz, 1H), 4.76 (sep, J= 6.1 Hz, 1H), 4.97 (br s, 2H), 7.04 (s, 1H), 7.34 (s, 1H), 7.59 (d, J= 8.5 Hz, 1H), 7.64 (s, 1H), 7.80 (s, 1H), 8.30 (d, J= 8.5 Hz, 1H).
実施例8
アルゴン雰囲気下、−78℃にて実施例7で得られた化合物(32.6 mg, 0.0612 mmol)の乾燥ジクロロメタン(5.0 mL)溶液に、三塩化ホウ素ヘプタン溶液(1.0 M, 430μL, 0.430 mmol)を滴下し、同温度にて30分間撹拌した。その後0℃に昇温し、同温度にて18時間撹拌した。反応溶液に飽和重曹水を加え、室温まで昇温した後、溶媒を減圧留去した。析出した固体を吸引濾過し、回収された固体を水で洗浄し、一晩真空乾燥した。白色固体(14.2 mg)が得られた。一方、濾液を酢酸エチルで抽出し、抽出液を水および飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、酢酸エチルを減圧留去することで白色固体(10.8 mg)を得た。合計25.0 mgの白色固体を次の反応にそのまま使用した。
アルゴン雰囲気下、室温にて先の白色固体(25.0 mg)、トリエチルアミン(76.0μL, 0.545 mmol)、4−ジメチルアミノピリジン(2.1 mg, 0.0172 mmol)および乾燥アセトニトリル(4.0 mL)の混合物にジ−tert−ブチルジカルボナート(110 mg, 0.504 mmol)の乾燥アセトニトリル(2.0 mL)溶液を滴下した。同温度にて19時間撹拌した後、水を加えた。溶媒を減圧留去し、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水および飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、酢酸エチルを減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:酢酸エチル=30:1〜1:1)および遠心薄層クロマトグラフ装置(ジクロロメタン:酢酸エチル=20:1)で精製し、淡黄色固体(11.1 mg)を得た。
得られた淡黄色固体(11.1 mg)およびトリフルオロ酢酸(1.0 mL)を室温にて2時間撹拌した。トリフルオロ酢酸を減圧留去し、残渣をセファデックスLH−20カラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:メタノール=1:1)で精製し、目的化合物(6.5 mg)を得た。収率15%。
1H NMR (400 MHz, methanol-d4): δ 2.56 (s, 6H), 3.65 (s, 2H), 4.06 (s, 3H), 4.08 (s, 3H), 5.25 (br s, 2H), 6.87 (s, 1H), 7.28 (s, 1H), 7.46 (s, 1H), 7.52 (d, J= 8.5 Hz, 1H), 7.53 (s, 1H), 8.03 (d, J= 8.5 Hz, 1H).
実施例9
アルゴン雰囲気下、N−(tert−ブトキシカルボニル)−L−バリン(149.9 mg, 0.69 mmol)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(132.3 mg, 0.69 mmol)、4−ジメチルアミノピリジン(6.2 mg, 0.0511 mmol)および乾燥ジメチルホルムアミド(7.0 mL)の混合物を室温にて10分間撹拌し、実施例4で得られた化合物(50 mg, 0.128 mmol)を加えた。同温度にて24時間撹拌し、水を加えた。ジクロロメタンで希釈した後、有機層と水層を分離し、有機層を水および飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、ジクロロメタンを減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で精製し、目的化合物を白色固体(66 mg)として得た。収率65%。
1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ 1.05-1.22 (m, 12H), 1.51 (s, 18H), 2.30-2.58 (m, 2H), 3.94 (s, 6H), 4.33 (s, 3H), 4.58 (dd, J= 4.3 and 9.5 Hz, 1H), 4.62 (dd, J= 4.3 and 9.5 Hz, 1H), 5.23 (d, J= 9.5 Hz, 2H), 7.09 (s, 1H), 7.37 (s, 1H), 7.44 (d, J= 8.4 Hz, 1H), 7.51 (s, 1H), 7.56 (s, 1H), 8.11 (d, J= 8.4 Hz, 1H).
HRFABMS m/z. Calcd for C42H51N3O12(M+): 789.3473. Found: 789.3456.
実施例10
実施例9で得られた化合物(20.5 mg, 0.0260 mmol)およびトリフルオロ酢酸(1.0 mL)の混合物を室温にて1時間撹拌した。トリフルオロ酢酸を減圧留去し、真空乾燥することで目的化合物(25.4 mg)を得た。収率100%。
1H NMR (400 MHz, methanol-d4): δ 1.25-1.32 (m, 12H), 2.52-2.62 (m, 2H), 3.95 (s, 3H), 4.00 (s, 3H), 4.30 (s, 3H), 4.34 (dd, J= 4.3 Hz, 2H), 7.18 (s, 1H), 7.48 (d, J= 8.6 Hz, 1H), 7.55 (s, 1H), 7.64 (s, 1H), 7.67 (s, 1H), 7.89 (d, J= 8.6 Hz, 1H).
HRFABMS m/z. Calcd for C32H36N3O8[(M-2CF3COOH+H)+]: 590.2502. Found: 590.2527.
実施例11
アルゴン雰囲気下、乾燥ヘキサンで洗浄した水素化ナトリウム(60%、油性)(31.3 mg, 0.783 mmol)に乾燥ジメチルホルムアミド(2.0 mL)を加えた。0℃に冷却した後、実施例1で得られた化合物(82.6 mg, 0.179 mmol)の乾燥ジメチルホルムアミド(3.0 mL)溶液を滴下し、同温度にて30分間撹拌した。ヨウ化エチル(56.0μL, 0.716 mmol)を滴下し、同温度にて30分間攪拌した後、室温に昇温し、同温度にてさらに23.5時間撹拌した。反応溶液に飽和塩化アンモニウム水溶液および濃アンモニア水を加え、酢酸エチルで希釈した。有機層と水層を分離した後、有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。酢酸エチルを減圧留去した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:2)で精製し、目的化合物を白色固体(50.9 mg)として得た。収率58%。
融点 219.2-220.0℃(酢酸エチル)
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 1.46 (d, J= 6.1 Hz, 6H), 1.49 (d, J= 6.1 Hz, 6H), 1.98 (t, J= 7.2 Hz, 3H), 4.00 (s, 3H), 4.06 (s, 3H), 4.61 (sep, J= 6.1 Hz, 1H), 4.74 (sep, J= 6.1 Hz, 1H), 4.94 (q, J= 7.2 Hz, 2H), 6.97 (s, 1H), 7.30 (s, 1H), 7.45 (s, 1H), 7.54 (d, J= 8.5 Hz, 1H), 7.69 (s, 1H), 8.26 (d, J= 8.5 Hz, 1H).
13C NMR (100 MHz, CDCl3): δ 15.9, 21.8, 22.0, 42.9, 55.9, 56.8, 71.0, 71.5, 101.4, 101.4, 104.0, 104.6, 105.6, 112.6, 116.4, 118.1, 121.3, 123.1, 128.4, 132.7, 139.6, 146.2, 146.6, 148.7, 149.2, 150.2, 159.2. Anal. Calcd for C29H31NO6: C : 71.15; H, 6.38 ; N, 2.86. Found : C, 71.06; H, 6.45 ; N, 2.79
HRFABMS m/z. Calcd for C29H32NO6[(M+H)+]: 490.2230. Found : 490.2216.
実施例12
アルゴン雰囲気下、−78℃にて実施例11で得られた化合物(30.0 mg, 0.0613 mmol)の乾燥ジクロロメタン(6.0 mL)溶液に、三塩化ホウ素−ヘプタン溶液(1.0 M, 368μL, 0.368 mmol)を滴下し、同温度にて30分間撹拌した。その後0℃に昇温し、同温度にて24時間攪拌した。反応溶液に飽和重曹水を加え、溶媒を減圧留去した。析出した固体を吸引濾取し、回収された固体を水で洗浄し、一晩真空乾燥することで黄白色固体(30.0 mg)を得た。H NMRによる測定の結果、イソプロピル基が完全に除去されていなかったので、再度反応を行った。
アルゴン雰囲気下、−78℃にて先に得られた黄白色固体(30.0 mg)の乾燥ジクロロメタン(6.0 mL)溶液に、三塩化ホウ素−ヘプタン溶液(1.0 M, 368μL, 0.368 mmol)を滴下し、同温度にて30分間撹拌した。その後室温に昇温し、同温度にて8時間攪拌した。反応溶液に飽和重曹水を加え、溶媒を減圧留去した。析出した固体を吸引濾取し、回収された固体を水で洗浄し、一晩真空乾燥することで目的化合物を黄白色固体(8.3 mg)として得た。収率33%。
融点(封管) 185-186℃で深緑色から灰色に変化。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 1.93 (t, J= 7.2 Hz, 3H), 3.96 (s, 3H), 4.02 (s, 3H), 5.07 (q, J= 7.2 Hz, 2H), 6.99 (s, 1H), 7.37 (s, 1H), 7.57 (d, J= 8.5 Hz, 1H), 7.59 (s, 1H), 7.79 (s, 1H), 8.02 (d, J= 8.5 Hz, 1H), 9.73 (br s, 1H), 10.36 (br s, 1H).
13C NMR (100 MHz, DMSO-d6): δ 15.7, 29.7, 55.5, 56.2, 100.0, 101.5, 104.6, 104.7, 105.0, 112.7, 115.9, 117.0, 120.1, 122.8, 128.4, 132.7, 139.8, 145.3, 145.9, 148.2, 149.0, 149.3, 158.5.
HRFABMS m/z. Calcd for C23H19NO6 (M+) : 405.1212. Found : 405.1237.
実施例13
アルゴン雰囲気下、乾燥ヘキサンで洗浄した水素化ナトリウム(60%、油性)(45.3 mg, 1.13 mmol)に乾燥ジメチルホルムアミド(2.0 mL)を加えた。0℃に冷却した後、実施例1で得られた化合物(43.4 mg, 0.0940 mmol)の乾燥ジメチルホルムアミド(2.0 mL)溶液を滴下し、同温度にて30分間撹拌した。プロパルギルブロミド(63.0μL, 0.838 mmol)を滴下し、同温度にて30分間攪拌した後、室温に昇温し、同温度にてさらに3.5時間撹拌した。反応溶液に飽和塩化アンモニウム水溶液および濃アンモニア水を加え、酢酸エチルで希釈した。有機層と水層を分離した後、有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。酢酸エチルを減圧留去した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:2)で精製し、目的化合物を淡黄色固体(68.6 mg)として得た。収率65%。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 1.45 (d, J= 6.0 Hz, 6H), 1.48 (d, J= 6.0 Hz, 6H), 3.96 (s, 3H), 4.01 (s, 3H), 4.59 (sep, J= 6.0 Hz, 1H), 4.70 (sep, J= 6.0 Hz, 1H), 5.35 (d, J= 6.2 Hz, 2H), 6.89 (s, 1H), 7.20 (s, 1H), 7.32 (t, J= 6.2 Hz, 1H), 7.50 (d, J= 8.5 Hz, 1H), 7.75 (s, 1H), 8.04 (s, 1H), 8.20 (d, J= 8.5 Hz, 1H).
13C NMR (100 MHz, CDCl3): δ 21.8, 22.0, 55.8, 56.5, 71.0, 71.5, 83.6, 98.1, 101.4, 101.8, 103.3, 104.3, 105.8, 111.8, 116.9, 117.6, 120.7, 123.2, 128.2, 132.8, 139.7, 146.2, 146.3, 148.6, 149.2, 149.9, 159.3, 209.7.
HRFABMS m/z. Calcd for C30H30NO6 [(M+H)+]: 500.2073. Found: 500.2076.
実施例14
アルゴン雰囲気下、−78℃にて実施例13で得られた化合物(24.7 mg, 0.0494 mmol)の乾燥ジクロロメタン(4.9 mL)溶液に、三塩化ホウ素−ヘプタン溶液(1.0 M, 300μL, 0.300 mmol)を滴下し、同温度にて30分間撹拌した。その後0℃に昇温し、同温度にて5時間攪拌した。反応溶液に飽和重曹水を加え、溶媒を減圧留去した。析出した固体を吸引濾過し、回収された固体を水、2M塩酸および水で順次洗浄し、一晩真空乾燥することで目的化合物を黄白色固体(12.9 mg)として得た。収率63%。
融点(封管) 247-250℃で黄色からこげ茶色に変化。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 3.92 (s, 3H), 3.97 (s, 3H), 5.70 (d, J= 6.3 Hz, 2H), 6.95 (s, 1H), 7.33 (s, 1H), 7.57 (d, J= 8.6 Hz, 1H), 7.95 (d, J= 8.6 Hz, 1H), 7.96 (s, 1H), 7.97 (t, J= 6.3 Hz, 1H), 8.23 (s, 1H).
13C NMR (100 MHz, DMSO-d6): δ 55.5, 56.1, 84.4, 97.9, 100.3, 101.5, 104.3, 104.6, 104.7, 112.1, 116.4, 116.8, 119.6, 122.8, 128.2, 132.8, 139.8, 145.0, 146.2, 148.3, 148.7, 149.4, 158.5, 209.0.
HRFABMS m/z. Calcd for C24H18NO6[(M+H)+]: 416.1134. Found: 416.1113.
実施例15
アルゴン雰囲気下、実施例4で得られた化合物(30.0 mg, 0.07665 mmol)、ピリジン−三酸化硫黄錯体(2.73 g, 17.2 mmol)、乾燥ジメチルホルムアミド(6.0 mL)および乾燥ピリジン(1.5 mL)の混合物を65℃にて19時間撹拌した。室温に冷却後、溶媒を減圧留去した。残渣に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えpHを8に調整した後、水を減圧留去した。残渣をカラムクロマトグラフィー(Sephadex LH‐20,メタノール)で精製し、目的化合物を淡黄色固体(32.6 mg)として得た。収率71%。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 3.98 (s, 3H), 4.03 (s, 3H), 4.73 (s, 3H), 7.67 (d, J= 8.5 Hz, 1H), 7.70 (s, 1H), 7.78 (s, 1H), 7.96 (s, 1H), 8.05 (d, J= 8.5 Hz, 1H), 8.10 (s, 1H).
HRFABMS m/z. Calcd for C22H16NNa2O12S2[(M+H)+]: 595.9909. Found: 595.9915.
実施例16
アルゴン雰囲気下、−10℃にて実施例4で得られた化合物(24.7 mg, 0.0631 mmol)の乾燥アセトニトリル(5.0 mL)懸濁液に、四塩化炭素(104μL, 1.07 mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(204μL, 1.17 mmol)、4?ジメチルアミノピリジン(33.2 mg, 0.271 mmol)および亜りん酸ジベンジル(158μL, 0.714 mmol)を順次滴下し、同温度にて18時間撹拌した。その後反応溶液に0.5Mリン酸二水素カリウム水溶液(5.0 mL)を加え、室温まで昇温した。溶媒を減圧留去した後、残渣を酢酸エチルで抽出した。抽出液を水および飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、酢酸エチルを減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:2〜酢酸エチル)で精製し、目的化合物を淡黄色油状物(36.2 mg)として得た。収率63%。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 3.94 (s, 3H), 3.98 (s, 3H), 4.54 (s, 3H), 5.20 (s, 2H), 5.22 (s, 4H), 5.25 (s, 2H), 7.32-7.40 (m, 21H), 7.49 (s, 1H), 7.50 (d, J= 8.5 Hz, 1H), 7.69 (d, J= 1.6 Hz, 1H), 7.71 (s, 1H), 8.25 (d, J= 8.5 Hz, 1H).
FABMS m/z. Calcd for C50H43NO12P2 (M+): 911. Found: 911.
実施例17
アルゴン雰囲気下、室温にて実施例16で得られた化合物(35.1 mg, 0.0700 mmol)の乾燥ジクロロメタン(6.0 mL)溶液に、ブロモトリメチルシラン(420μL, 0.420 mmol)を滴下し、同温度にて1時間撹拌した。その後1.0Mナトリウムメトキシド−メタノール溶液(420μL, 0.420 mmol)を加え、1時間撹拌した。その後、溶媒を減圧留去した。残渣を水−メタノールにて再結晶し、析出した固体を吸引濾取し、回収された固体をメタノールで洗浄し、一晩真空乾燥した。得られた固体をさらにカラムクロマトグラフィー(Sephadex LH‐20,水)で精製し、目的化合物を淡黄色固体(36.2 mg)として得た。収率63%。
1H NMR (400 MHz, D2O): δ 3.66 (s, 3H), 3.77 (s, 3H), 4.67 (s, 3H), 6.94 (s, 1H), 6.99 (s, 1H), 7.22 (d, J= 8.4 Hz, 1H), 7.37 (d, J= 8.4 Hz, 1H), 7.38 (s, 1H), 7.81 (s, 1H).
13C NMR (100 MHz, D2O): δ 34.3, 53.4, 54.3, 97.1, 99.7, 103.1, 104.6, 106.8, 114.2, 115.0, 115.5, 117.3, 121.1, 125.5, 130.9, 138.8, 139.9, 140.0, 143.2, 143.2, 144.6, 144.7, 144.9, 147.3, 147.4, 158.3.
HRFABMS m/z. Calcd for C22H16NNa4O12P2[(M+H)+]: 639.9739. Found: 639.9754.
実施例18
アルゴン雰囲気下、室温にて実施例7で得られた化合物(100 mg, 0.188 mmol)の乾燥ジクロロメタン(6.0 mL)溶液に、塩化アルミニウム−ニトロベンゼン溶液(1.0 M, 1.01 mL, 1.01 mmol)を滴下し、同温度にて2日間撹拌した。反応溶液に、炭酸水素ナトリウム(255 mg, 3.04 mmol)、ロッシェル塩(857 mg, 3.04 mmol)および水(6.0 mL)からなる混合溶液を加え、1時間激しく撹拌した後、固体を吸引濾取した。濾液を減圧濃縮し、析出した固体をさらに吸引濾取した。回収された固体を水で洗浄し、一晩真空乾燥することで目的化合物を黄白色固体(78.9 mg)として得た。収率94%。
1H NMR (400 MHz, 実施例18の化合物2.0 mgのDMSO-d6 0.6 mL溶液): δ 2.40 (s, 6H), 3.16 (br s, 2H), 3.99 (s, 3H), 4.04 (s, 3H), 5.07 (br s, 2H), 6.98 (s, 1H), 7.38 (s, 1H), 7.58 (d, J= 8.5 Hz, 1H), 7.71 (s, 1H), 7.85 (s, 1H), 8.03 (d, J= 8.5 Hz, 1H), 9.63 (s, 1H), 10.24 (br s, 1H).
1H NMR (400 MHz, 実施例18の化合物30 mgのDMSO-d6 0.8 mL溶液): δ 2.31 (s, 6H), 2.94 (br s, 2H), 3.92 (s, 3H), 3.93 (s, 3H), 4.58 (br s, 2H), 6.89 (s, 1H), 7.31 (s, 1H), 7.43 (s, 1H), 7.49 (d, J= 8.5 Hz, 1H), 7.59 (s, 1H), 7.94 (d, J= 8.5 Hz, 1H), 9.59 (br s, 1H), 10.30 (br s, 1H).
13C NMR (100 MHz, 実施例18の化合物30 mgのDMSO-d6 0.8 mL溶液): δ 45.5, 46.9, 55.2, 55.7, 58.0, 99.7, 100.7, 103.9, 103.9, 104.3, 112.3, 115.4, 116.5, 119.7, 122.4, 128.0, 132.1, 139.3, 144.8, 145.6, 147.8, 148.7, 148.8, 157.9.
実施例8’
実施例18で得られた化合物(100 mg, 0.223 mmol)、ジクロロメタン(2.0 mL)およびトリフルオロ酢酸(2.0 mL)の混合物を室温にて5分間撹拌した。溶媒を減圧留去した後、カラムクロマトグラフィー(Sephadex LH‐20,メタノール)で精製し、目的化合物を褐色固体(115 mg)として得た。収率91%。
1H NMR (400 MHz, methanol-d4): δ 2.56 (s, 6H), 3.65 (s, 2H), 4.06 (s, 3H), 4.08 (s, 3H), 5.25 (br s, 2H), 6.87 (s, 1H), 7.28 (s, 1H), 7.46 (s, 1H), 7.52 (d, J= 8.5 Hz, 1H), 7.53 (s, 1H), 8.03 (d, J= 8.5 Hz, 1H).
HRFABMS m/z. Calcd for C25H25N2O6 [(M-CF3COOH+H)+]: 449.1713. Found: 449.1721.
参考例1
工程(a):化合物15の合成
反応フラスコに亜鉛(7.18 g、110 mmol)およびテトラヒドロフラン(THF)(30 mL)を量り取り、4-ブロモクロトン酸メチル(8.57 g、47.9 mmol)および化合物3(10.1 g、36.8 mmol)のTHF(120 mL)溶液をアルゴン雰囲気下で少量滴下した。70℃に加熱し、ヨウ素を少量加えて激しく撹拌することにより反応を開始した。ヨウ素の色が消えた後、残りの溶液を70℃で50分間かけて滴下し、滴下後77℃まで昇温し2時間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却した後、エーテルで希釈し、飽和塩化アンモニウム水溶液に注いだ。有機層を分離し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=4:1)で精製し、化合物15(8.67 g、23.2 mmol)を黄色液体として得た。収率63%。
1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ 1.36 (6H, dd, J= 1.6, 6.1 Hz), 2.10 (1H, s), 2.47-2.72 (2H, m), 3.84 (3H, s), 4.50-4.58 (1H, m), 5.12-5.15 (1H, m), 5.92 (1H, d, J= 15.9 Hz), 6.98-7.13 (3H, m).
工程(b):化合物16の合成
化合物15(9.97 g, 26.7 mmol)およびジヒドロ-2H-ピラン(3.62 mL, 40.1 mmol)の乾燥ジクロロメタン(100 mL)溶液に、触媒量のピリジニウム p-トルエンスルフォネートを加え、室温で21時間放置した。反応混合物を5%炭酸水素ナトリウム水溶液に加え反応を停止し、ジクロロメタン層を分離し、水層をジクロロメタンで抽出した。有機層を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=5:1→2:1)で精製し、化合物16(10.8 g、23.5 mmol)を黄色油状物質として得た。収率88%。
1H NMR(300 MHz, CDCl3): δ 1.33-1.37 (6H, m), 2.46-2.70 (2H, m), 3.32-3.95 (5H, m), 3.71 (3H, d, J = 1.5), 3.83 (3H, s), 4.41-4.59 (2H, m), 4.78-5.30 (1H, m), 5.81-5.90 (1H, m), 6.91-7.12 (3H, m).
工程(b’):化合物16’の合成
化合物15(3.51 g, 9.40 mmol)の乾燥ジクロロメタン(30 mL)溶液にジイソプロピルエチルアミン(4.93 mL, 31.6 mmol)およびクロロメチルメチルエーテル(2.52 mL, 31.64 mmol)を3〜24時間のインターバルで5回に分けて加えた。さらに5時間撹拌した後、10%塩化アンモニウム水溶液を加え反応を停止し、有機層を分離し、水層をジクロロメタンで2回抽出した。有機層を合わせ、順次2 M水酸化ナトリウム水溶液および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。残渣をジイソプロピルエーテル−ヘキサン(4:1)で再結晶し、化合物16’(3.49 g, 8.37 mmol)を淡黄色結晶として得た。収率89%。Mp 54.5〜56.2℃。
1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ 1.35 (6H, d, J= 6.5 Hz), 2.56-2.64 (2H, m), 3.37 (3H, s), 3.72 (3H, s), 3.84 (3H, s), 4.48-4.57 (3H, m), 5.05-5.09 (1H, m), 5.89 (1H, d, J= 15.7 Hz), 6.98-7.08 (3H, m).
工程(c):化合物17の合成
乾燥THF(10 mL)中に懸濁した水素化ナトリウム(1.46 g, 36.5 mmol)に、アルゴン雰囲気下-30℃で化合物16(5.06 g, 11.1 mmol)およびトシルメチルイソシアニド(4.69 g, 24.0 mmol)の乾燥THF(100 mL)溶液を30分間かけて滴下した。反応混合物を室温に戻し、30分間撹拌した。氷冷下、飽和塩化アンモニウム水溶液をゆっくり加えることにより反応を停止し、混合物を酢酸エチルで3回抽出した。有機層を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1)で精製し、化合物17(4.45 g、8.97 mmol)を黄色液体として得た。収率81%。
1H NMR (300MHz, CDCl3): δ 1.35 (6H, d, J= 5.9 Hz), 3.08-3.15 (1H, m), 3.25-3.35 (2H, m), 3.40-3.52 (1H, m), 3.78 (1.5H, s), 3.80 (1.5H, s), 3.81 (1.5H, s), 3.81 (1.5H, s), 4.36-4.38 (0.5H, m), 4.45-4.57 (1H, m), 4.75-4.77 (0.5H, m), 5.14-5.19 (0.5H, m), 5.30-5.35 (0.5H, m), 6.33-6.35 (0.5H, m), 6.62-6.64 (0.5H, m), 6.93 (1H, d, J= 5.2 Hz), 6.96 (0.5H, s), 7.07 (0.5H, s), 7.32-7.34 (1H, m), 8.31 (1H, s).
工程(c’):化合物17’の合成
工程(c)と同様の方法により、化合物16’から化合物17’を黄色液体として得た。収率75%。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 2.99 (1H, dd, J= 6.5, 14.3 Hz), 3.20 (3H, s), 3.28 (1H, dd, J= 7.1, 14.3 Hz), 3.79(3H, s), 3.84 (3H, s), 4.41 (2H, dd, J= 6.6, 19.4 Hz), 5.14 (2H, s), 5.21 (1H, t, J= 6.8 Hz), 6.27 (1H, t, J= 2.3 Hz), 6.91 (1H, s), 6.99 (1H, s), 7.27-7.44 (6H, m), 8.29 (1H, s).
工程(d):化合物18の合成
化合物17(2.01 g, 4.05 mmol)、トリエチルアミン(5 mL, 36.1 mmol)、トリo-トリルホスフィン(343 mg, 1.13 mmol)および酢酸パラジウム(44.6 mg, 0.20 mmol)の乾燥アセトニトリル(25 mL)懸濁液をシールチューブに入れ、アルゴン雰囲気下105℃で15分間撹拌した。トリo-トリルホスフィン(269 mg, 0.883 mmol)および酢酸パラジウム(44.3 mg, 0.197 mmol)を追加し、さらに105分間撹拌した。室温まで戻し、少量の水を加え反応を停止し、セライト濾過した。濾液を酢酸エチルで3回抽出し、有機層を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で精製し、化合物18(1.58 g、3.81 mmol)を黄色液体として得た。収率94%。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 1.42-1.55 (4H, m), 1.46 (6H, d, J= 6.1 Hz), 1.67-1.77 (2H, m), 3.05-3.11 (1H, m), 3.14-3.20 (0.5H, m), 3.35-3.41 (0.5H, m), 3.48-3.55 (1H, m), 4.48-4.54 (1H, m), 4.59-4.61 (0.5H, m), 4.80-4.83 (0.5H, m), 4.86-4.89 (0.5H, m), 4.97-4.98 (0.5H, m), 6.99 (0.5H, s), 7.18 (0.5H, m), 7.22 (0.5H, m), 7.27 (0.5H, s), 7.39-7.40 (1H, m), 10.96 (1H, s).
工程(d’):化合物18’の合成
工程(d)と同様の方法により、化合物17’から化合物18’を黄色液体として得た。収率28%。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 3.02 (1H, dd, J= 5.1, 17.3 Hz), 3.27 (3H, s), 3.46 (1H, dd, J= 4.1, 17.2 Hz), 3.82 (3H, s), 3.88 (3H, s), 4.59 (2H, dd, J= 6.9, 16.9 Hz), 4.74 (1H, t, J= 4.6 Hz), 5.18 (2H, s), 6.76 (1H, s), 6.99 (1H, s), 7.27-7.46 (6H, m), 8.84 (1H, s).
工程(e):化合物19の合成
化合物18(2.08 g, 5.01 mmol)の乾燥THF(20 mL)溶液に、アルゴン雰囲気下−78℃でN-ブロモコハク酸イミド(955 mg, 5.37 mmol)を加え30分間撹拌した。室温に戻し1時間撹拌した後、水を加えて反応を停止した。混合物を酢酸エチルで3回抽出し、有機層を合わせて飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:アセトン=19:1)で精製し、化合物19(1.89 g, 4.83 mmol)を黄緑色結晶として得た。収率97%。Mp 217.5〜219.3℃。
1H NMR (400 MHz, acetone-d6): δ 1.24 (6H, d, J= 6.0), 3.98 (3H, s), 3.85 (3H, s), 4.58-4.64 (1H, m), 7.30 (1H, s), 7.39 (1H, s), 7.69 (1H, s), 7.87 (1H, d, J= 8.7 Hz), 11.9(1H, s).
なお、化合物19の合成には、化合物18の代わりに化合物18’を用いてもよい。
参考例1
工程(a):化合物22の合成
化合物21(12.72 g, 0.0825 mol)を48%臭化水素酸(75 g)およびメタノール(150 mL)に60℃に加温して溶かし、5℃まで冷却した。この溶液に亜硝酸ナトリウム(7.67 g, 0.111 mol)の水溶液(20 mL)を0〜10℃に保ちながらゆっくりと滴下した。同温で10分間攪拌した後、濾過した。濾液を臭化銅(I)(17.34 g, 0.1209 mol)の48%臭化水素酸溶液に室温で滴下した(反応温度25〜30℃)。反応混合物を65℃まで加温し45分間攪拌し、常圧でメタノールを留去した。さらに浴槽温度を110℃まで上げ、20分間攪拌した。室温まで冷却した後、水で希釈した。析出した結晶を濾過して集め、濾液は酢酸エチルで3回抽出し、5%炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄した。結晶性の生成物は酢酸エチルに溶かし、不溶物を濾別した。両酢酸エチル抽出物を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒、ヘキサン:酢酸エチル=4:1)で精製し、化合物22(13.70 g, 0.06284 mol, 76%)を淡黄色結晶として得た。
工程(b):化合物23の合成
化合物22(2.41 g, 11.0 mmol)、無水炭酸カリウム(2.28 g, 16.5 mmol)および乾燥アセトン(15 mL)の混合物を45分間加熱還流した。これにベンジルブロミド(1.56 mL, 13.2 mmol)を加え、90分間加熱還流した。室温に戻し、濾過した後、濾液を濃縮した。残渣を酢酸エチルに溶かし、水次いで塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒、ヘキサン:酢酸エチル=3:1)で精製し、化合物23(3.14 g, 10.2 mmol, 93%)を淡黄色油状物質として得た。
工程(c):化合物24の合成
化合物23(1.41 g, 4.57 mmol)および塩化鉄(III)・6水和物(343 mg, 1.27 mmol)のメタノール(36 mL)溶液に活性炭粉末を適量加え、1時間加熱還流した。これにヒドラジン・1水和物(0.888 mL, 18.2 mmol)を加え、さらに5時間加熱した。室温まで冷却し、活性炭を濾別した後、濾液を濃縮した。残渣をジクロロメタンで抽出し、水ついで塩水で3回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒、ヘキサン:酢酸エチル=9:1)で精製し、化合物24(1.18 g, 4.23 mmol, 93%)を白色結晶として得た。
工程(d):化合物25の合成
化合物24(502 mg, 1.79 mmol)、二炭酸ジ−tert−ブチル(1.00 mL, 4.35 mmol)および4−(ジメチルアミノ)ピリジン(触媒量)の混合物を70℃で3時間攪拌した。反応混合物を塩水に注ぎ、ジクロロメタンで2回抽出し、有機層を塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濃縮後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒、ヘキサン:酢酸エチル=19:1)で精製し、化合物25(306.2 mg, 0.809 mmol, 45%)を白色結晶として得た。
工程(e):化合物26の合成
化合物25(663.3 mg, 1.75 mmol)の乾燥THF(40 mL)溶液に、アルゴン雰囲気下、−78℃で1.59M tert−ブチルリチウム−ペンタン溶液(3.85 mL, 6.13 mmol)を滴下した。15分間攪拌した後、2−イソプロポキシ−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(0.714 mL, 3.50 mmol)を加え、100分間攪拌した。反応混合物を室温までゆっくりと加温した後、10%塩化アンモニウム水溶液に注ぎ反応を停止した。酢酸エチルで3回抽出し、塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。得られた化合物26(919.2 mg)は、精製することなく次の反応に用いた。
実施例19
工程(a)
水素化ナトリウム(60% in oil, 234 mg, 5.85 mmol, 乾燥ヘキサンで洗浄)の乾燥DMF(2 mL)懸濁液に、氷冷、アルゴン雰囲気下、化合物19(505 mg, 1.29 mmol)の乾燥DMF(5 mL)溶液を10分間かけて滴下し、1時間撹拌した。反応混合物にヨウ化メチル(0.32 mL, 5.19 mmol)を滴下し、室温に戻し3時間撹拌した。反応混合物にエタノール続いて10%塩化アンモニウム水溶液を加えることにより反応を停止し、酢酸エチルで3回抽出した。抽出液を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。残渣をエーテルで再結晶し、化合物20(292 mg, 0.719 mmol)を白色結晶として得た。収率56%。Mp 173.8〜176.0℃。
1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ 1.47 (6H, d, J= 6.1 Hz), 3.92 (3H, s), 3.99 (3H, s), 4.37 (3H, s), 4.70-4.86 (1H, m), 7.33 (1H, s), 7.49 (1H, d, J= 8.7 Hz), 7.85 (1H, s), 8.13 (1H, d, J= 8.8 Hz).
工程(b)
化合物20(38.8 mg, 0.0955 mmol)、化合物26(121 mg, 0.286 mmol)、2M 炭酸ナトリウム水溶液(0.3 mL)および1,4−ジオキサン(1 mL)の混合物をアルゴンガスで3分間パージした。この混合物に塩化カリウム(21.3 mg, 0.286 mmol)およびテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(11.0 mg, 0.00955 mmol)を加え、アルゴン雰囲気下100℃で8.5時間攪拌した。反応混合物を塩水に注ぎ、エーテルで3回抽出した。エーテル層を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒、ヘキサン:酢酸エチル=2:1)で精製し、化合物27(12.2 mg, 0.0195 mmol, 20%)および化合物28(25.3 mg, 0.0473 mmol, 49%)をそれぞれ淡黄色結晶として得た。
工程(c)
化合物27(8.6 mg, 0.0137 mmol)の乾燥ジクロロメタン(1 mL)溶液に、トリフルオロ酢酸(0.4 mL)を加え、室温で15時間放置した。反応物を酢酸エチルで希釈し、順次0.5M 水酸化ナトリウム溶液および塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥、濃縮した後、残渣をHPLC(CAPCELL PAK C18 UG80, 10 x 250 mm、溶媒、80% CH3CN)で精製し、化合物29(6.0 mg, 0.0137 mmol, 100%)を白色結晶として得た。
工程(d)
化合物29(3.0 mg, 0.00572 mmol)をエタノール(1 mL)に溶かし、9M 水酸化ナトリウム溶液(0.5 mL)を加え、3時間加熱還流した。水で希釈し、エタノールを減圧下留去し、1M 塩酸を用いpH=6に調整した。酢酸エチルで3回抽出し、塩水で洗い、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。得られた粗アミノ酸を乾燥THF(2 mL)に懸濁し、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(9.0 mg, 0.469 mmol)を加え、室温で20時間攪拌した。反応溶液を水に注ぎ、酢酸エチルで3回抽出した。有機層を合わせ、5%炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。固形物残渣をエーテルで洗浄することにより、目的化合物(0.7 mg, 0.0017 mmol, 30%)を白色結晶として得た。Mp 300℃以上。
1H NMR (DMSO-d6): δ 1.35 (6H, d, J= 6.1 Hz), 4.32 (3H, s), 3.85 (3H, s), 4.77 (1H, m), 6.78 (1H, dd, J= 8.6, 1.2 Hz), 6.93 (1H, d, J= 1.2 Hz), 7.53 (1H, s), 7.60 (1H, d, J= 8.6 Hz), 7.92 (1H, s), 8.18 (1H, d, J= 8.8 Hz), 8.21 (1H, d, J= 8.6 Hz), 10.05, (1H, s), 11.36 (1H, s).
実施例20
工程(a)
化合物19(476 mg, 1.21 mmol)を乾燥THF(5 mL)および乾燥N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)(10 mL)の混合溶媒に溶かし、0℃で水素化ナトリウム(60% in oil, 97 mg, 2.4 mmol)を7回に分けて加えた。15分間攪拌した後、(2−トリメチルシリルエトキシ)メチルクロリド(0.390 mL, 2.20 mmol)を滴下した。室温で15分間攪拌した後、反応混合物を10%塩化アンモニウム水溶液に注ぎ、エーテルで3回抽出した。有機層を合わせ、塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。残渣をエーテルで再結晶し、化合物30(271 mg)を白色結晶として得た。再結晶母液を濃縮し、シリカゲル中圧液体クロマトグラフィー(溶媒、ヘキサン:酢酸エチル=3:1)で精製し、化合物30(133 mg)を更に得た。全量404 mg(0.773 mmol, 64%)。
1H NMR (CDCl3): δ -0.02 (9H, s), 1.00 (2H, t, J= 8.1 Hz), 1.47 (6H, d, J= 6.1 Hz), 2.17 (9H, s), 3.82 (2H, t, J= 8.1 Hz), 4.00 (3H, s), 4.02 (3H, s), 4.75 (1H, m), 5.99 (2H, s), 7.30 (1H, s), 7.53 (1H, d, J= 8.8 Hz), 8.11 (1H, d, J= 8.8 Hz), 8.16 (1H, s).
工程(b)
化合物30(133 mg, 0.255 mmol)、化合物26(216 mmol, 0.509 mmol)、K3PO4(325 mg, 1.53 mmol)および乾燥ジオキサン(3.5 mL)の混合物をアルゴンガスで5分間パージし脱気した。これにテトラキストリフェニルフォスフィンパラジウム(30 mg, 0.0255 mmol)を加え、アルゴン雰囲気下、100℃で16時間攪拌した。室温まで冷却した後、反応物を酢酸エチルで希釈し、セライトで濾過した。濾液を塩水で洗浄し、水層を酢酸エチルで2回抽出した。有機層を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。残渣をシリカゲル中圧液体クロマトグラフィー(溶媒、ヘキサン:酢酸エチル=3:1)で精製し、化合物31(66.2 mg, 0.893 mmol, 35%)および化合物32(23.1 mg, 0.0355 mmol, 14%)を得た。
化合物31: 1H NMR (CDCl3): δ -0.07 (9H, s), 0.84 (1H, t, J= 8.3 Hz), 1.40 (9H, s), 1.48 (6H, d, J= 6.0 Hz), 3.41 (1H, t, J= 8.3 Hz), 3.80 (3H, s), 4.01 (3H, s), 4.77 (1H, m), 5.05 (2H, s), 5.15 (2H, s), 6.42 (1H, s), 6.79 (1H, dd, J= 8.0, 2.5 Hz), 7.15 (1H, d, J= 9.0 Hz), 7.29-7.71 (8H, m), 7.61 (1H, d, J= 8.7 Hz), 7.88 (1H, d, J= 2.5 Hz), 8.11 (1H, s), 8.24 (1H, d, J= 8.7 Hz), 10.03 (1H, s).
化合物32: 1H NMR (CDCl3): δ -0.07 (9H, s), 0.86 (2H, t, J= 8.3 Hz), 1.39 (9H, s), 1.48 (6H, d, J= 6.0 Hz), 3.44 (1H, t, J= 8.3 Hz), 3.82 (3H, s), 4.01 (3H, s), 4.77 (1H, m), 5.40 (1H, d, J= 10.6 Hz), 5.64 (1H, d, J= 10.6 Hz), 6.51 (1H, s), 6.66 (1H, dd, J= 8.4, 2.2 Hz), 7.11 (1H, d, J= 8.4 Hz), 7.37 (1H, s), 7.60 (1H, d, J= 8.7 Hz), 7.70 (1H, d, J= 2.2 Hz), 8.10 (1H, s), 8.22 (1H, d, J= 8.7 Hz).
工程(c)
化合物32(18.3 mg, 0.0281 mmol)およびテトラブチルアンモニウムフルオリド(1M THF溶液, 0.200 mL, 0.200 mmol)の乾燥THF(2 mL)溶液を3時間加熱還流した。反応混合物を10%塩化アンモニウム水溶液に注ぎ、ジクロロメタンで2回抽出した。有機層を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。残渣をHPLC(CAPCELL PAK C18 UG80, 10 x 250 mm、溶媒、80% CH3CN)で精製し、化合物33(13.0 mg, 0.0250 mmol, 89%)を得た。
1H NMR (acetone-d6): δ 1.37 (9H, s), 1.37 (6H, d, J= 5.6 Hz), 3.74 (3H, s), 3.92 (3H, s), 4.74 (1H, m), 6.65 (1H, dd, J= 8.4, 2.4 Hz), 7.24 (1H, d, J= 8.4 Hz), 7.44 (1H, s), 7.53 (1H, d, J= 8.8 Hz), 7.57 (1H, d, J= 2.4 Hz), 7.51-7.61 (1H, br), 7.94 (1H, s), 8.08 (1H, d, J= 8.8 Hz), 11.35-11.57 (1H, br).
工程(d)
化合物33(6.5 mg, 0.0125 mmol)をトリフルオロ酢酸(0.5 mL)および無水ジクロロメタン(1 mL)の混合溶媒に溶解し、室温で2時間放置した。1M 水酸化ナトリウム水溶液を用いpH=6に調整し、ジクロロメタンで2回抽出した。有機層を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。残渣をミクロクーゲルローラー中で減圧下185℃で25分間加熱し、HPLC(CAPCELL PAK C18 UG80, 10 x 250 mm、溶媒、80% CH3CN)で精製し、目的化合物(1.5 mg, 0.00386 mmol, 31%)を白色結晶として得た。Mp 168-170℃(昇華)。
1H NMR (DMSO-d6): δ 1.35 (6H, d, J= 6.1 Hz), 4.01 (3H, s), 4.75 (1H, m), 6.79 (1H, dd, J= 8.55, 1.95 Hz), 6.89 (1H, d, J= 1.95 Hz), 7.46 (1H, s), 7.53 (1H, d, J= 8.55 Hz), 7.99 (1H, s), 8.06 (1H, d, J= 8.49 Hz), 8.14 (1H, d, J= 8.30 Hz), 9.97 (1H, s), 11.23 (1H, s), 12.46 (1H, s).
試験例1 HeLa細胞に対する増殖阻害活性の評価
48穴マイクロプレートに200細胞/ウェルのHeLa細胞を播種し、10%ウシ胎児血清およびペニシリン(100U%)を含むMEMα培地を加え、各種濃度になるように調製したサンプルのDMSO−エタノール溶液を加え、5%二酸化炭素/95%空気雰囲気下、37℃で72時間培養した。1%メチレンブルーの50%メタノール溶液(2〜3滴/ウェル)を加え、室温で30分間放置して染色した後、形成したコロニー数を計測した。阻害率は対照区に比べコロニー数を50%に抑制する濃度(GI50)で示した。結果を以下の表1に示す。
試験例2 造血器腫瘍細胞に対する増殖阻害活性の評価
10%ウシ胎児血清を含むRPMI1640を培養液とし、1×10個/mLの各種造血器腫瘍細胞株およびFicollにて分離した健常人末梢血単核球細胞(PBMC)に対し、各種濃度になるように調製したサンプルのDMSO溶液を加えた。96ウェルプレートに播種し、5%二酸化炭素/95%空気雰囲気下、37℃で48時間培養した後、MTSアッセイを行った。結果は、96ウェルプレートリーダーを用いて490nmの波長にて測定した。サンプル無添加の細胞をコントロールとし、阻害率はコントロール細胞の増殖を100%とした場合の50%増殖抑制濃度(GI50)で示した。結果を以下の表2に示す。
試験例3 種々のがん細胞に対する増殖阻害活性の評価
96穴プレートに種々のがん細胞を播種した。翌日、各種濃度になるように調製したサンプル溶液を加え、2日間培養した後、細胞増殖をスルホローダミンBによる比色定量で測定した。阻害率は対照に比べ増殖を50%に抑制する濃度(GI50)で示した。結果を以下の表3〜9に示す。
本発明化合物は、ラメラリンDと同等以上の優れた抗がん活性を有し、かつ、5環性骨格内の5員環の窒素原子上に有する様々な置換基の効果により物性等の点でラメラリン骨格を有する化合物とは異なる優れた性質を有し得るため、癌等の疾患の予防または治療薬として非常に有効である。
本出願は、日本で出願された特願2011−007011を基礎としており、その内容は本明細書にすべて包含されるものである。

Claims (9)

  1. 式(I):

    [式中、
    Wは、OまたはNHを示し;
    は、水素原子、置換されていてもよいC1−6アルキル基、置換されていてもよいC2−6アルケニル基、置換されていてもよいC2−6アルキニル基、置換されていてもよいカルバモイル基、置換されていてもよいC6−14アリール基、または置換されていてもよい芳香族複素環基を示し;
    およびRは、同一または異なって、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、ニトロ基、置換されていてもよいアミノ基、置換されていてもよいC1−6アルキル基、または置換されていてもよいC1−6アルコキシ基を示し;
    およびRは、同一または異なって、それぞれ(i) 水素原子、(ii) 置換されていてもよいC1−6アルキル基、(iii) 置換されていてもよいC1−6アルキル基および置換されていてもよいC6−14アリール基から選択される置換基でモノまたはジ置換されていてもよいカルバモイル基、(iv) 置換されていてもよいC1−6アルキル−カルボニル基、(v) 置換されていてもよいC1−6アルコキシ−カルボニル基、(vi) 置換されていてもよいC6−14アリールオキシ−カルボニル基、(vii) 置換されていてもよいC1−6アルキルスルホニル基、(viii) 置換されていてもよいC6−14アリールスルホニル基、(ix) −SOX(式中、Xは、水素原子、置換されていてもよいC1−6アルキル基、置換されていてもよいC6−14アリール基または対イオンを示す。)、(x) −PO(OY)(OZ)(式中、YおよびZは、同一または異なって、それぞれ水素原子、置換されていてもよいC1−6アルキル基、置換されていてもよいC6−14アリール基または対イオンを示す。)、または(xi) −POY’(式中、Y’は対イオンを示す。)を示し;
    は、水素原子、またはヒドロキシ基を示す。]
    で表される化合物またはその塩。
  2. およびRがメトキシ基である、請求項1記載の化合物、またはその塩。
  3. が水素原子または置換されていてもよいC1−6アルキル基である、請求項1または2記載の化合物、またはその塩。
  4. 式(I’):

    [式中、
    ’は、水素原子、置換されていてもよいC1−6アルキル基、置換されていてもよいC2−6アルケニル基、置換されていてもよいC2−6アルキニル基、置換されていてもよいカルバモイル基、置換されていてもよいC6−14アリール基、または置換されていてもよい芳香族複素環基を示し;
    ’およびR’は、同一または異なって、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよいC1−6アルキル基、または置換されていてもよいC1−6アルコキシ基を示し;
    ’およびR’は、同一または異なって、それぞれ水素原子、置換されていてもよいC1−6アルキル基および置換されていてもよいC6−14アリール基から選択される置換基でモノまたはジ置換されていてもよいカルバモイル基、置換されていてもよいC1−6アルキル−カルボニル基、置換されていてもよいC1−6アルコキシ−カルボニル基、置換されていてもよいC6−14アリールオキシ−カルボニル基、置換されていてもよいC1−6アルキルスルホニル基、置換されていてもよいC6−14アリールスルホニル基、−SOX(式中、Xは、水素原子、置換されていてもよいC1−6アルキル基、置換されていてもよいC6−14アリール基または対イオンを示す。)、−PO(OY)(OZ)(式中、YおよびZは、同一または異なって、それぞれ水素原子、置換されていてもよいC1−6アルキル基、置換されていてもよいC6−14アリール基または対イオンを示す。)、または−POY’(式中、Y’は対イオンを示す。)を示し;
    ’は、水素原子、またはヒドロキシ基を示す。]
    で表される、請求項1記載の化合物またはその塩。
  5. ’およびR’がメトキシ基である、請求項4記載の化合物、またはその塩。
  6. ’が水素原子または置換されていてもよいC1−6アルキル基である、請求項4または5記載の化合物、またはその塩。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物またはその塩を含有する医薬。
  8. 癌の予防または治療剤である、請求項7記載の医薬。
  9. 癌の予防または治療のための、請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物またはその
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