JP5885936B2 - 微粒子多重検出を用いた異数性の検出法 - Google Patents
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Description
本発明は、微粒子混合物中の微粒子を検出および分類する方法を提供する。本発明のこの方法により、多くの異なる微粒子クラスの検出および分類が可能になる。検出および分類は、微粒子サイズ、結合されている任意のレポーター分子の蛍光スペクトル、レポーター分子の蛍光強度、および各分類ビン中の粒子数に基づく。これらの微粒子クラスは、多くの遺伝的または生化学的多重研究において、特に生物または生物の胚の異数性を検出するための結合剤として、特定の用途を有する。ヒトでは、全染色体の異種性を同時検出する単一チューブ法に対して、少なくとも24クラスの微粒子の検出および分類で十分であり、この場合、異なる微粒子クラスはそれぞれ、特定のヒト染色体にただ1つしかないポリヌクレオチド配列に相補的でありかつ特異的なポリヌクレオチド配列を含む。さらに、現在利用できる技術を用いることで、本方法は、216対以下の染色体を有する生物について全染色体の異数性を同時検出するのにも応用できる。1種または複数種のヒト染色体の異数性を同時検出するためのキットもまた提供する。
本明細書において言及する出版物(非特許文献1〜4)の書誌的詳細もまた、本記載の末尾に収載する。
(i) 微粒子サイズ
(ii) 微粒子標識
(iii) 微粒子標識強度
(iv) 微粒子数
(i) 対象中の各染色体の存在量を表すレポーター分子標識ポリヌクレオチド試料を作製する段階;
(ii) 異なるレポーター分子で標識された、各染色体に対する等価な非異数性ポリヌクレオチド標準物質を作製する段階;
(iii) 試料および標準物質を各染色体に対する限られた量の結合剤と混合する段階であって、結合剤は各染色体に対する試料および標準物質と相補的なポリヌクレオチドを含み、結合剤ポリヌクレオチドは微粒子上に固定化されており、各染色体に対するポリヌクレオチド配列と結合している微粒子は、サイズおよび/または蛍光標識および/または蛍光標識強度に基づいて異なる段階;
微粒子上の蛍光標識は、存在する場合、試料および標準物質の標識のいずれとも異なる放射スペクトルを有し;結合剤に対する試料および標準物質の非同等な結合によって異数性が検出される。
本発明は、微粒子混合物中の微粒子を検出および分類する方法を提供する。本発明のこの方法により、多くの異なる微粒子クラスの検出および分類が可能になる。検出および分類は、微粒子サイズ、結合されている任意のレポーター分子の蛍光スペクトル、レポーター分子の蛍光強度、および粒子数を伝える事象の識別を基礎とする。これらの微粒子クラスは、生物または生物の胚の異数性を検出するための結合剤として、特定の用途を有する。ヒトでは、全染色体の異数性を同時検出する単一チューブ法に対して、少なくとも24クラスの微粒子の検出および分類で十分であり、この場合、異なる微粒子クラスはそれぞれ、特定のヒト染色体にただ1つしかないポリヌクレオチド配列に相補的でありかつ特異的なポリヌクレオチド配列を含む。さらに、現在利用できる技術を用いることで、本方法は、216対以下の染色体を有する生物について全染色体の異数性を同時検出するのに応用できる。1種または複数種のヒト染色体の異数性を同時検出するためのキットもまた提供する。
典型的な顕微鏡は、対象を照射するために電球を使用する。フローサイトメーターでは、光源はレーザーである場合が多い。レーザーは、単色光の非常に集中的かつ強力なビームを提供するという理由で用いられる。光の単色特性は、蛍光測定を行う際に特に重要である。
顕微鏡では、ステージは移動が可能であり、対象を対物レンズの視野にもって行くことができる。フローサイトメーターでは、細胞または粒子は液体懸濁液中に存在する。空気圧に応答した液流は対物レンズを通り過ぎ、そして細胞または粒子を運び視野領域(Viewing field)を通過させる。
顕微鏡およびフローサイトメーターのいずれにおいても、レンズは対象から光を集める。
ある種の顕微鏡は、観察者にとって最も重要である光の特性を選択するためのフィルターを有する。これはとりわけ蛍光顕微鏡に当てはまる。蛍光の場合、色素分子が特徴的な波長(または「色」)の光によって励起されて、次いでより長い波長の放射光を発する。フィルターは励起光を除去して、放射光の観察または測定を可能にする。
顕微鏡では、光検出器は観察者である。フローサイトメーターでは、光電子増倍管または「PMT」と称される高感度光検出器を用いる。検出器は、対物レンズの視野を通して、移動している細胞または粒子からの放射光の一瞬の閃光を、1秒間に数千個に及ぶ速度で1つずつ測定できなければならない。
(i) アルゴンレーザー‐青色の488 nm線を含み、緑色から赤色の領域で蛍光を発する多くの色素および蛍光色素の励起に適している。一連の波長(458 nm、488 nm、496 nm、515 nm、およびその他)で放射する、調節可能なアルゴンレーザーもまた利用することができる。
(ii) ダイオードレーザー‐635 nmの放射波長を有する。現在利用できる他のダイオードレーザーは、532 nmで作動する。この波長はヨウ化プロピジウム(PI)を最適に励起する。約476 nmで放射する青色ダイオードレーザーもまた利用可能である。
(iii) HeNeガスレーザー‐赤色の633 nm線で作動する。
(iv) HeCdレーザー‐325 nmで作動する。
(v) 100W水銀アークランプ‐ヘキストおよびDAPIのようなUV色素の励起に最も有効な光源である。
(i) 微粒子サイズ
(ii) 微粒子標識
(iii) 微粒子蛍光強度
(式中、Yjはj番目の数クラスターである)である。このクラスター中の粒子数は、それまでの数クラスターをすべて加算し、2.15を乗じることによって作成される。
(i)アルゴンレーザー‐青色の488 nm線を含み、緑色から赤色の領域で蛍光を発する多くの色素および蛍光色素の励起に適している。一連の波長(458 nm、488 nm、496 nm、515 nm、およびその他)で放射する、調節可能なアルゴンレーザーもまた利用することができる。
(ii) ダイオードレーザー‐635 nmの放射波長を有する。現在利用できる他のダイオードレーザーは、532 nmで作動する。この波長はヨウ化プロピジウム(PI)を最適に励起する。約476 nmで放射する青色ダイオードレーザーもまた利用可能である。
(iii) HeNeガスレーザー‐赤色の633 nm線で作動する。
(iv) HeCdレーザー‐325 nmで作動する。
(v) 100W水銀アークランプ‐ヘキストおよびDAPIのようなUV色素の励起に最も有効な光源である。
(i) 対象中の各染色体の存在量を表すレポーター分子標識ポリヌクレオチド試料を作製する段階;
(ii) 異なるレポーター分子で標識された、各染色体に対する等価な非異数性ポリヌクレオチド標準物質を作製する段階;
(iii) 試料および標準物質を各染色体に対する限られた量の結合剤と混合する段階であって、結合剤は各染色体に対する試料および標準物質と相補的なポリヌクレオチドを含み、結合剤ポリヌクレオチドは微粒子上に固定化されており、各染色体に対するポリヌクレオチド配列と結合している微粒子は、サイズおよび/または蛍光標識および/または蛍光標識強度に基づいて異なる段階;
微粒子上の蛍光標識は、存在する場合、試料および標準物質の標識のいずれとも異なる放射スペクトルを有し;結合剤に対する試料および標準物質の非同等な結合によって異数性が検出される。
(i) 排卵誘発‐卵巣を刺激してより多くの卵子を生成させるため、排卵を促進する濃縮型の天然ホルモンであるヒト閉経ゴナドトロピンを投与する。ゴナドトロピンはいくつかの卵胞を一度に成熟させ、ヒトではその数は2個〜30個である。卵子が成熟したと判定された時点で、ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)を1回投与する。hCGにより、排卵および受精に用いる卵子が調製される。ここでhCGはタイムキーパーとして働き、摂取時点から約40時間後に排卵が自然に起こることを示す。したがって、卵子採取はhCGのこの投与から約36時間後に行わなくてはならない。
(ii) 卵子採取‐針を卵巣に刺入し、吸引力により卵胞から体液および卵子を採取する。次いで、卵子を試験管に入れる。平均して3分の2を超える卵胞が卵子を生成する。
(iii) 媒精および受精‐卵子を数時間成熟させた後に精子を添加するが、その時間は通常、採取から6〜8時間である。媒精とは、単に精子の培養液への添加である;各卵子をそれぞれのディッシュに単離し、明確な数の精子を各卵子と一緒にする。次いで、このディッシュを生理的温度に設定したインキュベーター内に置く。数時間後、精子が実際に卵子に侵入した時点で受精が起こる。受精が起こると、精子の尾部は消失し、頭部が拡大する。この段階は2PN期として知られているが、それは2つの前核がまだ融合していないからである。胚は、最初は2細胞、次いで4細胞へと分裂を開始する。通常、採取から36〜48時間後に、胚は卵割して4細胞になる。
(iv) 胚移植および着床‐卵子採取から72時間後に、胚移植(着床)を行う。胚をカテーテル中に吸引し、胚を含む液体を子宮腔に注入する。移植する胚の数は様々である。移植した後、子宮壁を見い出しそこに付着するかは卵子次第である。
(i) 高齢のウシ‐以前は、高齢という理由で、遺伝的利点を有する多くのウシが繁殖プールから排除されていた。価値のあるこれらの高齢雌ウシにおいて、未成熟の卵母細胞または卵子の低リスク採取を行い得る可能性がある。
(ii) 問題のあるウシ‐すべての品種および年齢の雌ウシは、環境的な原因から、繁殖障害を有する可能性がある:排卵障害、卵管輸送障害、子宮の疾患/変性、および刺激ホルモンに対する非反応性。これらの状態であったとしても、多くのウシは、回収可能な卵母細胞を含む卵胞を何とかして生成することができる。
(iii) 健常な周期の雌ウシ‐ドナー雌ウシでは、古典的な過排卵および胚移植と同時に体外受精プログラムが行われ得る。過排卵過程の休止期の合間に、卵母細胞採取と体外受精プログラムを組み合わせることで、ドナーでの成功率は最大に達する。
(i) IVF 3日後の7細胞胚を生検に供する。保持ピペットを備えたマイクロマニピュレーター上の定位置に胚を保持する。
(ii) 透明帯開孔ピペットを用いて、酸性タイロードにより胚の殻(透明帯)に孔を開ける。
(iii) 次いで、胚生検ピペットをこの開口部に挿入し、穏やかに吸引して胚から単一細胞(割球)を取り出す。
(iv) 次に、生検採取した胚をインキュベーターに戻して、さらに培養する。ここで本発明の方法に従って、割球を異数性についてスクリーニングすることができる。
(v) 割球の解析に基づき、次に、対応する非異数性胚を着床用に選択する。
微粒子の12重検出
本方法が12の異なる微粒子クラスを識別する能力について試験した。3.0μm、4.12μm、5.0μm、および6.8μmの微粒子を、テトラメチルローダミンを用いて3つの異なる蛍光強度レベル、0%、33%、および100%で標識し、12クラスの微粒子を作製した。次いで、これらのビーズを、単一検出チャネルを用いたフローサイトメトリーに供した。結果を図2に示す。
全ヒト染色体の異数性を同時検出するのための例示的な微粒子
表3は、全ヒト染色体の異数性を同時検出するのに適した、例示的な一連の潜在的結合剤を示す。これらの微粒子は、単一の蛍光マーカーによって5つの異なる蛍光強度レベルで標識された、5つの異なるサイズの微粒子を含む。ビーズサイズとマーカー強度のこれらの組み合わせによって、全ヒト染色体を同時に試験するのに必要な24クラスに対応する、25の可能なビーズクラスが生成される。
数クラスタリングを用いた多重解析
ヒトhGATA4、エキソン4 DNAを、フォワードプライマー上に5'リン酸を有したPCRにより作製した。PCR産物中の一塩基多型に関して、対立遺伝子特異的プローブを構築した。PCRした後、ExoI消化して過剰なプライマーおよびプライマー二量体を除去した。フォワード鎖DNAを、ラムダエキソヌクレアーゼにより優先的に分解した。試験当たり25ビーズまたは試験当たり50ビーズという形態で、PCRによるssDNAを、リン酸化フォワードプライマーと同一のDNAでカスタマイズしたAmpaSand(商標)ビーズ(Genera Biosystems、オーストラリア、メルボルン)と混合した。対立遺伝子特異的プローブ(黄色のチャネルで放射するテトラメチルローダミン(TMR)で標識したSNP-A特異的プローブ;および赤のチャネルで放射するCy5で標識したSNP-G特異的プローブ)。競合的にハイブリダイゼーションさせた後、2つの異なる実験による実験物を混合し、Becton-Dickinson FACSArrayフローサイトメーターに同時に供した。データを取得し、Showplot解析パッケージ(Genera Biosystems)で解析した。簡潔に説明すると、ビーズは、PCR産物の状態に応じて4つの「ポケット」のうちの1つにクラスター形成することになる。PCR中に「A」対立遺伝子のみ(ホモ接合性A)が存在する場合、TMRのみがAmpaSand(商標)ビーズに結合することになり、ビーズは黄色になる。PCR中に「G」対立遺伝子のみ(ホモ接合性G)が存在する場合、Cy5のみがビーズに結合することになり、ビーズは赤色になる。両対立遺伝子が存在する場合には、ビーズは中間となる(「半分」が赤色に輝き/「半分」が黄色に輝く)。試料が陰性である場合には、ビーズ上に蛍光は存在せず、ビーズはいずれのチャネルにおいても非常に低いポケットにクラスター形成することになる。
Claims (2)
- ポリヌクレオチド混合物におけるポリヌクレオチドの異なるクラスを検出および分類する方法であって、該方法は以下を含む、方法:
(i) 該ポリヌクレオチド混合物を含むレポーター分子標識ポリヌクレオチド試料を提供する段階であって、ここで、該レポーター分子は蛍光マーカーであり;
(ii) 該ポリヌクレオチド試料を結合剤と混合する段階であって、
ここで、各結合剤は、該ポリヌクレオチド混合物において、選択されるポリヌクレオチドと相補的な結合剤ポリヌクレオチドを含み、さらにここで、該結合剤は微粒子上に固定化され、かつ、固定化された結合剤ポリヌクレオチドと結合した微粒子は、該微粒子上の単一の蛍光標識、複数の微粒子サイズ、複数の微粒子標識強度に基づいて互いに異なり、ここで、該蛍光標識は該レポーター分子標識ポリヌクレオチド試料へ取り込まれる蛍光標識と異なる放射スペクトルを有し、および、
(iii)微粒子上の単一の蛍光標識、複数の微粒子サイズ、複数の微粒子標識強度に基づいて、該混合物から、捕えられたポリヌクレオチドを有するもしくは有さない微粒子を検出および分類する段階。 - 前記微粒子が、シリカ微粒子である、請求項1記載の方法。
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