JP5885489B2 - 画像処理装置、画像処理方法、コンピュータプログラム - Google Patents

画像処理装置、画像処理方法、コンピュータプログラム Download PDF

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Description

本発明は、版ずれによる白抜けを防ぐトラッピングに関する。
複数の色版に分版した画像を用紙上に重ね合わせることによってフルカラー画像を印刷する画像形成装置がある。複数の色版の画像を重ね合わせるため、色版間にずれ(版ずれ)が生じた場合、異なる色版の画像オブジェクトどうしの境界において、用紙の地色が見えてしまう白抜けが生じる。この白抜けの発生を抑制するために、一方の色版の画像オブジェクトの領域を他方の色版の画像オブジェクトの領域とオーバーラップさせるように拡張するトラッピング処理が行われる。トラッピング処理は画像オブジェクトどうしをオーバーラップさせる処理であるため、版ずれが生じた場合でも白抜けの発生を抑制できる。しかし、一方の色版の画像オブジェクトを他方の色版の画像オブジェクトにオーバーラップさせるため、画像オブジェクトのエッジ部分においては2つの色が混色されて色味の変化が発生する。したがってトラッピング処理では、版ずれによる白抜けを防ぎつつも、画像オブジェクトのエッジ部分における色変化による視覚的影響を抑えることが重要である。
特許文献1は、ブラックの色版(K版)以外の色版に対してトラッピング処理の有無を決定し、トラッピング処理を行う画像形成装置を開示する。この画像形成装置は、トラッピング処理の対象となっている画素の周辺画素の濃度を考慮することで、例えば2つの画像オブジェクトに挟まれた隙間にはトラッピング処理を行わないようにして、画像オブジェクトの境界の視覚的な変化を抑える。
特開2008−141623号公報
図8(a)は、K版の画像とシアンの色版(C版)の画像で構成される画像オブジェクト(文字「F」)に、マゼンタの色版(M版)で構成される画像オブジェクト(背景)が隣接している画像を示す。図8(a)の破線で囲まれた領域の各色版の位置関係を、図8(b)の配置パターン801に示す。なお、図8(b)に示される縦方向に延びる破線は、画像オブジェクト(文字「F」)と画像オブジェクト(背景)とが理想的に配置された場合の、画像オブジェクトどうしの境界を示す。
特許文献1の開示する画像形成装置は、配置パターン801の画像に対してK版以外のC版とM版についてトラッピング処理を行うことで、配置パターン802の画像を生成する。配置パターン802の画像では、トラッピング処理を行ったことにより、文字「F」(K版とC版の混色)と背景(M版)をオーバーラップさせても生じない青っぽい色(C版とM版の混色)が、文字「F」と背景の境界に生じる。この配置パターン802の画像に基づいて印刷を行った場合に版ずれが起きると、配置パターン803の画像が印刷されることがある。すなわち、C版とM版のオーバーラップ領域が拡大し、青っぽい色(C版とM版の混色)が目立ってしまう。
仮にK版に対してC版と同様にトラッピング処理を行えば、配置パターン803よりもオーバーラップ領域を小さくすることができる。しかし、目立つ色であるK版の領域拡張は、視覚的な変化が大きいために、望ましくない。
本発明は、上記課題を解決すべく、画像オブジェクトの境界における視覚的な変化を抑えつつも、白抜けを防ぐトラッピング処理を行うことを目的とする。
本発明の画像処理装置は、第1のオブジェクトと前記第1のオブジェクトに隣接する第2のオブジェクトとを含む画像であって、前記第1のオブジェクトを構成する色版と前記第2のオブジェクトを構成する色版とが異なる前記画像を取得する取得手段と、前記第1のオブジェクトを構成する色版に特定の色版が含まれないことに基づいて、前記第1のオブジェクトを前記第2のオブジェクトに向けて拡大し、かつ、前記第2のオブジェクトを前記第1のオブジェクトに向けて拡大するトラッピング処理を行い、前記第1のオブジェクトを構成する色版に前記特定の色版が含まれることに基づいて、前記第1のオブジェクトを前記第2のオブジェクトに向けて拡大しないが、前記第2のオブジェクトを前記第1のオブジェクトに向けて拡大するトラッピング処理を行うトラップ手段と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、異なる色版で構成される、互いに隣接する2つのオブジェクトにおいて、オブジェクトを構成する色版に特定の色版が含まれているか否かに基づいてトラッピング処理が制御されるので、視覚的変化が抑えられつつ白抜けを防止できる。
画像形成装置の構成の一例を説明するブロック図である。 画像形成装置の制御部の構成の一例を示すブロック図である。 本発明の実施形態1に係るトラッピング処理部の構成を説明するための図である。 本発明の実施形態1に係るトラップ色決定処理を説明するための図である。 本発明の実施形態1に係るトラップ判定処理を説明するための図である。 本発明の実施形態2に係るトラッピング処理部の構成を説明するための図である。 本発明の実施形態2に係るトラッピング処理を説明するための図である。 トラッピング処理について説明するための図である。 本発明の実施形態にかかる参照画素群を説明するための図である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。なお、以下では、画像形成装置としてディジタル複合機を想定するが、カラー複写機やカラープリンタなどの他の印刷デバイスであってもよい。
(実施形態1)
[画像形成装置の構成]
図1は、本実施形態に係るカラー画像形成装置(以下単に画像形成装置と呼ぶ)100の構成を説明するブロック図である。
画像形成装置100は、例えば、複数種類の機能を有する複合機である多機能処理装置(MFP:Multi Function Peripheral)やプリント機能のみを有するプリンタなどで実現される。また画像形成装置100は、制御部101を有し、この制御部101によって画像形成装置100の各処理部の動作は統括的に制御される。
制御部101は、ネットワークI/F部107を介してネットワークに接続し、ネットワークに接続されたPCなどの外部機器との間で印刷データや各種情報をやりとりする。例えばPCから印刷すべき印刷データを画像形成装置100に対して送信すると、制御部101はこの印刷データをネットワークI/F部107を介して受信する。そして制御部101は、印刷データに対して画像処理を施すことにより印刷部106で印刷可能なデータを生成する。そして制御部101は生成したデータをビデオ信号として印刷部106へ送信する。この一連の処理については、図2を用いて後述する。
また、制御部101は、原稿台とオートドキュメントフィーダ(ADF)を含む画像読取部104と接続する。この画像読取部104は、原稿台上の原稿画像を光源で照射し、その原稿からの反射像をレンズで固体撮像素子(不図示)に結像する。これにより画像読取部104は、その固体撮像素子からラスタ状の画像信号を基に、所定密度(例えば、600dpi)のページ単位のラスタ画像を得ることができる。なお、本実施形態では画像読取部104で読み取られる原稿として、紙文書を例に挙げて説明するが、紙以外の記録媒体(例えば、OHPシート、フィルム等の透過原稿、布等)等の印刷物を画像読取部104の読取対象としても良い。制御部101は、画像読取部104で読み取った画像信号に対応するラスタ画像に対し、画像処理することにより印刷部106で印刷可能なデータを生成する。そして制御部101は生成したデータをビデオ信号として印刷部106に送信する。
印刷部106は、受信したビデオ信号に基づき、カラー画像を記録媒体に印刷する。なお、本実施形態において印刷部106は、色版ごとの画像形成ユニットを持つタンデム方式のレーザプリンタのプリンタエンジンであるが、カラー画像を形成するものであれば他の形態のプリンタエンジンであって良い。印刷部106の動作は、制御部101によって制御される。
操作部103は、画像形成装置100の動作を制御するための各種の設定情報をユーザの指示に基づいて入力するための手段である。操作部103は制御部101によって制御される。また、操作部103における入力状態の表示、処理中の画像データの表示、画像形成装置100の状態の表示等は表示部102によって、ユーザに対して表示される。この表示部102の動作も制御部101によって制御される。なお、本実施例における操作部103および表示部102は、画像形成装置100に対して各種の設定情報の入力手段および表示手段をユーザに提供するユーザインタフェースである。
[制御部の構成]
次に、制御部101の詳細構成について図2を用いて説明する。図2は、本発明の実施形態に係る制御部101の詳細構成を示すブロック図である。
制御部101はCPU201を有する。CPU201は、操作部103もしくはネットワークI/F部107を介して受信された情報に応じて、制御部101内の各部を統括的に制御する。この制御はROM208に格納されている制御プログラムに基づいて実行される。このROM208に格納されている制御プログラムは、システムクロックによってタスクと称されるロードモジュール単位に時分割制御を行うためのOSを含んでいる。またこの制御プログラムには、このOSによって機能単位に実行制御される複数のロードモジュールが含まれる。CPU201による演算処理の作業領域としては、RAM209が使用される。CPU201を含む各部は、システムバス207に接続されている。このシステムバス207は、アドレスバスとデータバス及び制御信号バスとを有している。
また、制御部101はホストI/F部202を有し、ホストI/F部202を介することで図1に示される各処理部とのデータの送受信を行う。以下では、ネットワークI/F部107を介して外部機器から印刷データを受信した場合の制御部101の動作について詳述する。
まず、ホストI/F部202は、受信した印刷データを画像データ発生部203に送信する。ここで、受信された印刷データは、例えば、PDL(ページ記述言語)データである。
次に、画像データ発生部203は、印刷データの解析を行う。印刷データがPDLデータである場合、PDL解析処理を行う。そして、画像データ発生部203は、解析結果から中間言語を生成し、更に画像処理部205が処理可能なビットマップデータを生成する。具体的には、印刷データの解析とその解析による中間言語情報の作成を行うとともに、その中間言語情報の作成と並行してラスタライズ処理を行う。このラスタライズ処理では、印刷データに含まれる表示色RGB(加法混色)から印刷部106が処理可能なYMCK(減法混色)への変換が含まれる。またこの処理には、印刷データに含まれる文字コードから予め格納されているビットパターン、アウトラインフォント等のフォントデータへの変換等の処理が含まれる。その後、画像データ発生部203は、ラスタライズ処理によって、ページ単位或はバンド単位でビットマップデータを作成し、画像処理部205において印刷処理が可能なビットマップデータを生成する。そして画像データ発生部203は、生成したビットマップデータを画像メモリ部204に格納する。
次に画像処理部205は、画像メモリ部204から読み出したビットマップデータに対して、図3〜5を用いて後述するトラッピング処理や、ディザパターンを用いるハーフトーン処理などを施す。なおこのトラッピング処理は、画像処理部205の有する不図示のトラッピング処理部によって行われる。このように画像処理部205は、ビットマップデータにトラッピング処理などの画像処理を施して印刷部106において印刷処理が可能なハーフトーンデータを生成し、ふたたび画像メモリ部204に格納する。なお本実施形態におけるトラッピング処理は、ラスタライズ処理後のビットマップデータに対して行うものであるが、本発明の開示する技術思想は、ラスタイメージ処理においてオブジェクトベースで行うトラッピング処理にも適用できる。
そして、エンジンI/F部206は、画像メモリ部204に格納されたハーフトーンデータ(画像データ)を読み出し、ビデオ信号として印刷部106に送信する。
上記の一連の処理が行われることで、ネットワークI/F部107を介して受信された印刷データが印刷される。
[トラッピング処理部の構成]
次に本実施形態の特徴であるトラッピング処理について、図3〜図5を参照して説明する。なお、トラッピング処理は、ラスタライズ処理後のビットマップデータに対して行われ、このビットマップデータは少なくとも二つの色版を含む。ここでは、ビットマップデータは、印刷部106で処理可能な色空間であるイエロー版(Y版)、マゼンタ版(M版)、シアン版(C版)、ブラック版(K版)の4つの色版に分版されたビットマップデータであるものとして説明する。また、以下の本実施形態の説明において、説明の便宜上、注目画素におけるトラッピング処理について説明するが、実際はビットマップデータの全画素について処理が行われる。
図3は、トラッピング処理を行うトラッピング処理部の構成を示すブロック図である。
ウィンドウデータ生成部301は、画像メモリ部204から読み出されたビットマップデータを、データバッファ(不図示)を用いて、N×N画素のデータ(以下、ウィンドウデータ)を生成し、トラップ判定部302Y、302M、302C、302Kに送信する。ウィンドウデータには各色版のビットマップデータが含まれている。なお、このウィンドウデータを用いて処理を行う際、ウィンドウデータの中心位置の画素のことを注目画素と呼び、注目画素以外の画素を参照画素と呼ぶ。なお、トラッピング処理とは、ウィンドウデータを用いて行われる処理であって、注目画素の画素値を、参照画素の画素値に基づく値で置き換える処理のことである。また、ウィンドウデータ生成部301の処理後にトラップ判定部302Yからトラップ出力部304Yで行われる、Y版のビットマップデータに対する一連の処理において、Y版のことを注目版、それ以外の色版のことを参照版と呼ぶ。M版、C版、K版についても同様である。
トラップ判定部302(302Y、302M、302C、302K)は、次の処理(トラップ判定処理)を行う。処理の詳細については、図5を用いて後述する。
トラップ判定部302Yは、Y版に関してトラッピング処理が行われるべきか否かを判定し、判定結果をトラップ色決定部303Yに送信する。
トラップ判定部302Mは、M版に関してトラッピング処理が行われるべきか否かを判定し、判定結果をトラップ色決定部303Mに送信する。
トラップ判定部302Cは、C版に関してトラッピング処理が行われるべきか否かを判定し、判定結果をトラップ色決定部303Cに送信する。
トラップ判定部302Kは、K版に関してトラッピング処理が行われるべきか否かを判定し、判定結果をトラップ色決定部303Y、303M、303C、303Kに送信する。
続いて、トラップ色決定部303(303Y、303M、303C、303K)は、図4を用いて詳述される処理(トラップ色決定処理)を実行する。この処理によって、K版以外のトラッピング処理を行いつつ、図8(b)の配置パターン801〜803に示されるような色滲みの拡がりを抑制することが可能となる。なお、処理の概略は以下の通りである。
トラップ色決定部303Yは、トラップ判定部302Y、302Kから受信した判定結果に基づいて、Y版の注目画素のトラップ色を決定し、決定したトラップ色をトラップ出力部304Yに送信する。
また、トラップ色決定部303Mは、トラップ判定部302M、302Kから受信した判定結果に基づいて、M版の注目画素のトラップ色を決定し、決定したトラップ色をトラップ出力部304Mに送信する。
また、トラップ色決定部303Cは、トラップ判定部302C、302Kから受信した判定結果に基づいて、C版の注目画素のトラップ色を決定し、決定したトラップ色をトラップ出力部304Cに送信する。
また、トラップ色決定部303Kは、302Kから受信した判定結果に基づいて、K版の注目画素のトラップ色を決定し、決定したトラップ色をトラップ出力部304Kに送信する。
続いて、トラップ出力部304(304Y、304M、304C、304K)は、注目画素のビットマップデータの出力処理を行う。トラップ出力部304は、注目版の注目画素の画素値と、トラップ色決定部303で決定したトラップ色の値に基づき、出力すべき注目版の注目画素の画素値を算出し、算出した画素値のビットマップデータを出力する。一例として、トラップ出力部304は、トラップ色の値が注目版の注目画素の画素値以上の場合、注目画素の画素値をトラップ色の値に置き換えて出力し、トラップ色の値が注目版の注目画素の画素値未満の場合、注目画素の画素値をそのまま出力する。
以上のようにして、画像処理部205のトラッピング処理部は、1ページ分のビットマップデータに対してトラッピング処理を施す。
以下ではトラップ判定部302およびトラップ色決定部303の処理について詳述する。
[トラップ判定部]
図5は、トラップ判定部302Y、302M、302C、302Kの処理を示すフローチャートである。このフローチャートによる処理は、各色版とも同様である。この処理はウィンドウデータ生成部301から受信したウィンドウデータに対して行われる。
ステップS501において、トラップ判定部302は、注目版の注目画素の画素値が、第1の闘値以下であるか否かを判定する。注目版の注目画素の画素値が第1の閾値よりも大きい場合、トラップ判定部302は、トラッピング処理が行われないべき旨を示す判定結果をトラップ色決定部303に送信し、当該ウィンドウデータを対象としたトラップ判定処理を終了する。これは注目版の注目画素が十分に濃いので、トラッピング処理によって注目画素をさらに濃くする必要はないと判定できるためである。
ステップS501にて注目版の注目画素が第1の閾値以下である場合、ステップS502において、トラップ判定部302は、注目版と比較する参照版の色版を設定する。たとえば、注目版がY版である場合、設定される参照版は、M版、C版、K版のいずれかが設定される。
次にステップS503において、トラップ判定部302は、参照版の注目画素の画素値が、第2の闘値以上かを判定する。参照版の注目画素の画素値が第2の閾値より小さい場合に、参照版が設定されうる色版のうち最後のものであれば、トラップ判定部302は、トラッピング処理が行われないべき旨を示す判定結果をトラップ色決定部303に送信する。そしてトラップ判定部302は、現在のウィンドウデータを対象としたトラップ判定処理を終了する。これは参照版の注目画素の値が薄いため、版ずれしたとしても視覚的に版ずれの影響が目立たないので、トラッピング処理を行う必要はないと判定できるためである。
参照版の注目画素値が第2の閾値以上の場合、ステップS504においてトラップ判定部302は、ウィンドウデータのうちどの距離の画素を参照画素(周辺画素)として用いるかを示す参照画素群RGを設定する。たとえば図9(a)の斜線に示すように、注目画素に隣接する画素をまずは参照画素とするように参照画素群RGが設定される。
次にステップS505において、トラップ判定部302は、参照画素群RGで示される参照画素群における注目版の画素に、濃い画素があるかを判定する。この判定の一例として、所定の闘値より大きい画素値を持つ注目版の画素が、所定の数以上あるかを判定するようにしても良い。ステップS505で注目版の画素に濃い画素が存在しないと判定された場合、処理はステップS507に進み、そうでなければ処理はステップS506に進む。
ステップS506において、トラップ判定部302は、参照画素群RGで示される参照画素群における参照版の画素に、薄い画素があるかを判定する。この判定の一例として、所定の閾値より小さい画素値を持つ参照版の画素が、所定の数以上あるかを判定するようにしても良い。ステップS506で参照版の画素に薄い画素が存在しないと判定された場合、処理はステップS507に進み、そうでなければ処理はステップS509に進む。
以上のステップS501、S503、S505、S506の処理は、注目画素が画像の境界(エッジ部分)であるかどうか、さらには注目版のトラッピング処理の必要性、つまり参照画素の濃い画素値を、注目画素の薄い画素値に分配する必要があるかを判定している。したがってステップS509において、トラップ判定部302はトラッピング処理を行うべき旨を示す判定結果をトラップ色決定部303に送信する。さらにトラップ判定部302は、この判定結果を得たときのトラッピング情報(参照版の色版、設定されていた参照画素群RG、注目版の参照画素の画素値)をトラップ色決定部303に送信する。
一方、ステップS507において、トラップ判定部302は、図9(b)、(c)に示すように、参照画素群RGを広げるように設定を更新する。
そしてステップS508において、トラップ判定部302は、参照画素群RGはウィンドウデータの範囲内で設定されているかを判定し、参照画素群RGがウィンドウデータの範囲内で設定されていない場合、処理をステップS510に進める。また、この場合において、参照版が設定されうる色版のうち最後のものであれば、トラップ判定部302は、トラッピング処理が行われないべき旨を示す判定結果をトラップ色決定部303に送信する。トラップ判定部302は、一方、参照画素群RGがウィンドウデータの範囲内で設定されている場合、トラップ判定部302は、処理をステップS503に進める。
ステップS510において、トラップ判定部302は、全ての色版の参照版を用いてステップS503〜S509を行ったかを判定する。全ての色版の参照版を用いてステップS503〜S509を行ったと判定されない場合、ステップS511においてトラップ判定部302は、参照版を別の色版に設定(更新)し、ステップS503へ処理を進める。一方、全ての色版の参照版を用いてステップS503〜S509を行ったと判定された場合、当該ウィンドウを対象としたトラップ判定処理を終了する。
また、図5に示すトラップ判定部の処理のフローチャートでは、参照版の色版を順次切り替えてトラップ判定を行ったが、参照版の各色版の画素値に対して色版ごとの重み係数をかけ、それらを足し合わせた画素値を用いてトラップ判定を行ってもよい。
以上のようにして、トラッピング処理が行われるべきか否かが判定される。
[トラップ色決定部]
図4は、トラップ色決定部303Y、303M、303C、303Kの処理を示すフローチャートである。このフローチャートによる処理は、各色版とも同様である。
ステップS401において、トラップ色決定部303は、注目版がトラップ判定部302から受信した判定結果がトラッピング処理が行われるべき旨を示すか否かを判定する。トラップ色決定部303は、トラッピング処理が行われるべき旨を示す判定結果であった場合(ステップS401で「Yes」)に処理をステップS402に進め、そうでない場合(ステップS401で「No」)に処理をステップS404に進める。
ステップS402において、トラップ色決定部303は、K版に関するトラップ判定部302の判定結果(所定の色版についてのトラップ判定処理の判定結果)が、トラッピング処理が行われるべき旨を示すか否かを判定する。トラップ色決定部303は、K版に関してトラッピング処理が行われるべき旨を示す判定結果でない場合(ステップS402で「No」)に処理をS403に進め、そうでない場合(ステップS402で「Yes」)に処理をステップS404に進める。
なお、ステップS401およびステップS402の処理は、注目版のトラップ色を決定するために、注目版に関する判定結果とK版に関する判定結果を合わせて考慮するだけの処理であるため、処理順序は逆であってもかまわない。
ステップS404において、トラップ色決定部303は、トラップ色を0にする。なお、トラップ色を0にすることは、トラッピング処理を行わないことと同義である。
ステップS403において、トラップ色決定部303は、トラップ判定部302から判定結果と共に受信したトラッピング情報に基づいて、注目版の注目画素に分配すべき画素値(トラップ色)を算出して決定する。たとえば注目画素に近い画素群(参照画素群RG、図9(a)参照)によりトラッピング処理が行われるべき旨の判定結果が得られた場合、トラップ色決定部303は、参照画素と同じあるいは同等の濃度に近い画素値をトラップ色に決定する。また、注目画素から遠い画素群(参照画素群RG、図9(c)参照)によりトラッピング処理が行われるべき旨の判定結果が得られた場合、トラップ色決定部303は、参照画素よりも薄い濃度の画素値をトラップ色に決定する。
以上の一連の処理によって、注目版のトラップ色が決定される。
[トラッピング処理による効果]
本実施形態のトラッピング処理の効果について、図8(a)、(c)を用いて説明する。図8(a)は、K版の画像とC版の画像で構成される画像オブジェクト(文字「F」)に、M版で構成される画像オブジェクト(背景)が隣接している画像を示す。そして、図8(c)に、図8(a)の破線で囲まれた領域の各色版の位置関係を表す配置パターンを示す。以下では図8(c)の配置パターンを持つ画像に対してトラッピング処理を行う場合を例として説明する。なお、図8(c)に示される縦方向に延びる破線は、画像オブジェクト(文字「F」)と画像オブジェクト(背景)とが理想的に配置された場合の、画像オブジェクトどうしの境界を示す。また、以下の説明においては説明の簡略化のため、M版、C版、K版に着目した説明を行い、Y版についての説明は省略する。
図8(c)の配置パターン811は、トラッピング処理部へ入力される画像の各色版の配置を示すものであり、理想的な色版の配置を示す。まず、この画像に対して、トラップ判定部はトラップ判定処理を行う。
すると、配置パターン811の境界(破線)の左側において、すでに画像のあるC版とK版についてはトラッピング処理が行われないべきであると判定され、画像のないM版についてはトラッピング処理が行われるべきであると判定される(図5)。すなわち、図4のフローチャートの処理に従えば、境界(破線)の左側において、M版については、ステップS401で「Yes」かつS402で「No」と判定されるのでステップS403に処理が進む。一方で、C版とK版については、ステップS401で「No」と判定されるのでステップS404に処理が進む。したがって、M版についてのみトラッピング処理が行われるようにトラップ色が決定され、配置パターン811の境界(破線)の左側において、配置パターン812のように、M版のみの画像オブジェクトが右から左へと拡張されるようなビットマップデータが出力される。
一方で、配置パターン811の境界(破線)の右側において、すでに画像のあるM版についてはトラッピング処理が行われないべきであると判定され、画像のないC版、K版についてはトラッピング処理が行われるべきであると判定される(図5)。すなわち、図4のフローチャートの処理に従えば、M版についてはステップS401で「No」と判定されるのでステップS404に処理が進む。一方で、C版とK版については、ステップS401で「Yes」かつステップS402で「Yes」と判定されるのでステップS404に処理が進み、トラッピング処理がキャンセルされる。したがって、M版、C版、K版についてトラッピング処理は行われないようにトラップ色が0に決定され、配置パターン811の境界(破線)の右側において、配置パターン812のように、C版、K版のいずれの色版の画像オブジェクトも左から右へと拡張されないようなビットマップデータが出力される。
この本実施形態のトラッピング処理を行った後の配置パターン812と、従来のトラッピング処理を行った後の配置パターン802を対比させる。すると、従来の配置パターン802では境界(破線)の右側にM版の画像オブジェクトが左から右へと拡張されているのに対し、本実施形態の配置パターン812では境界(破線)の右側にM版の画像オブジェクトが拡張されないことが決定的に異なる。
このようなトラッピング処理によって、トラッピング処理後の画像を印刷した際に版ずれが生じたとしても、版ずれ後の配置パターン813における色滲み領域(C版がにじみ出る領域)の大きさを、従来(図8(b)の配置パターン803)よりも小さくできる。また、以上説明したM版の画像オブジェクトのように、画像オブジェクトの領域を拡張することもできるので、白抜けを防ぐこともできる。
このように、本実施形態によれば、Kを注目版としたトラップ判定結果に基づき、全版のトラップ色を決定する。その結果、K版と重なった版の存在する領域が拡張されるといった不自然な色の発生を抑制したうえで、トラッピング処理を行うことができる。
特に、ステップS402の処理を設けることによって、K版に対してはトラッピング処理が抑制されつつも、他の色版に対してはトラッピング処理が行われるようになる。したがって、本実施形態のトラッピング処理は、K版以外の色版については視覚的な観点から白抜けを防止すべくトラッピング処理の対象とするが、トラッピング処理を行った際の影響度が大きいK版についてはトラッピング処理を行わないように制御することが可能となる。
またさらに、K版に関する判定結果を用いて、他の色版のトラッピング処理の有無を制御することにより、画素値を持つK版と重なる色版についてのトラッピング処理、すなわち色領域の拡張を抑制し、視覚的な色の変化を最小限に抑えることができる。
またさらに、K版が存在しない(K版の画素値がない)領域においては、白抜けを防止するトラッピング処理の効果が得られることになる。
(実施形態2)
以下、本実施形態のトラッピング処理部について説明する。実施形態1ではY版〜K版までの各分版について並列処理する構成であった。実施形態1のように画像処理部205のトラッピング処理部を並列処理可能な構成にすると、その分、回路コストが増加する。そこで、本実施形態では、まずK版についてトラップ判定処理を行い、続いてY版についてトラップ判定処理、トラップ色決定処理、出力処理を行い、続いて順次C版、M版について同様に処理を行う構成をとり、トラッピング処理の処理リソースを削減する。なお、本実施形態において特に断りがなければ実施形態1の構成と同様である。また、以下の説明において同一符号を付す場合、実施形態1と同様の構成であるとして詳細説明を省略する。
[トラッピング処理部の構成]
図6を用いて本実施形態の特徴であるトラッピング処理部について説明する。図6は、Y版〜K版のいずれか一つの色版を注目版としてトラッピング処理を行うためのトラッピング処理部の構成を示す図である。
ウィンドウデータ生成部601は、画像メモリ部204から読み出されたビットマップデータ(Y版〜K版)を、データバッファ(不図示)を用いて、N×N画素のデータ(以下、ウィンドウデータ)を生成する。さらに後述するトラップ判定部602、トラップ色決定部603、トラップ出力部604とウィンドウデータの送受信を行う。なお、このデータバッファには、注目版を示す変数targetが格納される。また、ウィンドウデータ生成部601は、
トラップ判定部602およびトラップ色決定部603の行う処理については、図7を用いて後述するため、ここでは概要を述べる。
トラップ判定部602は、Y版〜K版の何れかを注目版とした際に、参照版との間でトラッピング処理が行われるべきか否かを判定する。
トラップ色決定部603は、トラップ判定部602による判定結果に基づいて、各色版を注目版とした際の注目画素のトラップ色を決定する。
トラップ出力部604は、トラップ出力部304と同様に、決定されたトラップ色に基づく画素値のビットマップデータを出力する。
図7は、図6に示したトラップ処理部の処理を示すフローチャートである。なお、このフローチャートの処理は画像処理部205によって制御、実行される。
ステップS701において、トラップ判定部602は、最初の注目版をK版に設定する。トラップ判定部602は、ウィンドウデータ生成部601のデータバッファの変数targetにK版を示す情報である「K」を設定する。
ステップS702において、トラップ判定部602は、変数targetがKであるか判定する。ここで変数targetがKである場合、ウィンドウデータ生成部601は、処理対象画素を中心画素(注目画素)としたウィンドウデータをトラップ判定部602に送信し、処理をステップS703に進める。
ステップS703において、トラップ判定部602は、変数targetが示す色版を注目版として、トラッピング処理が行われるべきか否かを判定する。ここで行う判定処理(トラップ判定処理)は図5で示したフローチャート同様であるため、説明を省略する。なお、このステップS703において、トラップ判定部602は、トラップ判定処理の判定結果およびトラッピング情報をウィンドウデータ生成部601のデータバッファに格納する。
ステップS704において、トラップ判定部602は、変数targetがKであるかを判定する。変数targetがKであった場合、処理はステップS705に進み、それ以外の場合、処理はステップS709に進む。
ステップS705において、トラップ判定部602は、K版についてのトラップ判定処理の判定結果を、ウィンドウデータ生成部601が持つデータバッファに格納する。K版についての判定結果を格納するデータバッファの大きさは、少なくとも1画素分の判定結果を保持できる容量である。また、この際、トラップ判定部602は、K版の注目画素の画素値を示すデータを、ウィンドウデータ生成部601のデータバッファに格納する。
注目版をK版とした場合のトラップ判定処理後は、K版以外の色版を注目版にして処理を続けるため、トラップ判定部602は、ステップS706において注目版を示す変数targetをK版以外の色版を示す情報に設定し、処理をステップS702へ進める。変数targetがK以外に設定しなおされたことにより、トラップ判定部602はステップS702において、処理をステップS707に進める。このように色版を示す情報を設定しなおすことで、本実施形態のトラッピング処理部は、K版以外の第1の色版について処理を行い、続いてK版および第1の色版以外の第2の色版について処理を順次行う。
ステップS707において、トラップ判定部602は、ステップS705でデータバッファに格納したK版に対するトラップ判定処理の判定結果を取得する。
ステップS708において、トラップ判定部602は、ステップS707で取得したK版に対する判定結果が、トラッピング処理が行われるべき旨を示すかを判定する。判定結果が、トラッピング処理が行われないべきである旨を示す場合、トラップ判定部602は、処理をステップS703に進める。そしてトラップ判定部602は、S702にて受信したウィンドウデータを用いて、現在の変数targetが示す色版についてトラッピング処理が行われるべきか否かを判定する。一方、K版についての判定結果が、トラッピング処理が行われるべき旨を示す場合、トラップ判定部602は、処理をステップS711へ進める。
ステップS704において変数targetがKではなかった場合、ステップS709においてトラップ判定部602は、S703のトラップ判定処理の判定結果が、トラッピング処理が行われるべき旨を示すかどうかを判定する。判定結果が、トラッピング処理が行われるべき旨を示す場合、トラップ判定部602は、処理をステップS710に進める。一方、判定結果が、トラッピング処理が行われるべきでない旨を示す場合、トラップ判定部602は、処理をステップS711に進める。
処理がステップS711に進んだ場合、トラップ色決定部603は、変数targetの示す色版について、トラッピング処理は行われない判定し、トラップ色を0に設定する。この処理は、実施形態1のステップS404の処理と同様である。一方、処理がステップS710に進んだ場合、トラップ色決定部603は、実施形態1のステップS403の処理と同様に、トラップ色を決定する。このステップS710およびS711において、トラップ色決定部603は、ウィンドウデータ生成部601のデータバッファから判定結果およびトラッピング情報を取得してトラップ色を決定する。そして、トラップ色決定部603は、決定したトラップ色をウィンドウデータ生成部601のデータバッファへ格納する。
ステップS712において、トラップ出力部604は、実施形態1のトラップ出力部304の行う処理と同様に、トラップ色に基づいた画素値のビットマップデータを出力する。この際、トラップ出力部604は、ステップS710またはステップS711でデータバッファに格納されたトラップ色を取得して、取得したトラップ色に基づき、変数tagetが示す色版の注目画素の画素値を算出し、このデータを出力する。なお、トラップ出力部604の出力したデータは、ウィンドウデータ生成部601のデータバッファに格納される。
次にステップS713において、ウィンドウデータ生成部601は、変数targetを確認し、処理対象となっている注目画素に対して全色版に対してステップS701〜S712の処理を行ったかを判定する。全色版に対して処理を完了していた場合、ウィンドウデータ生成部601はデータバッファに格納されたY版〜K版の画素値データを有するビットマップデータを出力する。そして処理はステップS714に進む。そうでない場合は、処理はステップS706に進み、次の色版に対して処理を繰り返す。
ステップS714において、ウィンドウデータ生成部601は、1ページもしくは1バンド分の全画素を処理対象の注目画素として処理を行ったかを判定する。全画素を処理したと判定された場合、トラッピング処理部の処理を終了し、いまだ処理していない画素が存在する場合、処理はステップS715に進み、注目画素を更新する。注目画素の更新はウィンドウデータ生成部601が次の画素を中心画素(注目画素)としたウィンドウデータを生成することで行われる。
このように本実施形態によれば、実施形態1によって得られる効果に加え、より少ない処理リソースによってトラッピング処理が可能になる。
また本実施形態の方法は上述のように複雑な回路構成を必要としないため、同等の機能を持つ処理部をホストコンピュータ上にソフトウェアモジュールで実現することが比較的容易となる。ホストコンピュータは印刷データに対してトラッピング処理およびハーフトーン処理まで含めた各種の処理を行い、処理後のデータを画像形成装置に送信する。そして画像形成装置は受信したデータを印刷するだけといったホストベースシステムに、上記ソフトウェアモジュールを適用した場合、ホストコンピュータの計算能力を有効に用いることで、トラッピング処理機能がないような廉価な画像形成装置においてもトラッピング処理の施された高画質な画像を得ることができる。
(実施形態3)
実施形態1では、K版についてもY版、M版、C版と同様のトラップ判定処理を行い、K版の判定結果を用いて、Y版〜C版についてのトラッピング処理を制御している。本実施形態では、K版についてトラップ判定処理を行わずに、実施形態1と同様の効果を有するトラッピング処理について説明する。なお、本実施例の特徴は、K版についてトラップ判定処理およびトラップ色決定処理を行わないことと、図4のステップS402の処理に替えてステップS902(後述)を行うことであるため、その他の構成については実施形態1と同様のものとして説明を省略する。なお、K版についてはトラップ色決定処理を行わないので、K版の処理対象画素のビットマップデータはそのまま出力される。
S902の処理について説明する。このS902の処理は、K版以外の色版を注目版とした場合のトラップ色決定処理を行う際に、注目版における参照画素群RGを参照して、この参照画素群RGのK版の画素の濃度が濃いか否かを判定する処理である。具体的には、参照画素群RGを構成するK版の画素の画素値について、所定の閾値以上の画素値が所定の個数以上ある場合に、ステップS404へと処理を進め、そうでない場合にステップS403に処理を進める。これは、トラッピング処理が行われるべきと判定された色版(Y版〜M版)は、K版との重ね合わせ(図8(c)の配置パターン811の境界の左側参照)によって画像を構成するか否かを判定していることと同義である。このようなステップS902の処理を図4のS402に替えて行うことで、K版についてのトラップ判定処理を行わずとも実施形態1と同様の効果を得ることができる。また、K版についてのトラップ判定処理およびトラップ色決定処理を行わないことで、トラッピング処理部の処理を高速化できる。
(他の実施形態)
上述した実施形態では、K版についてのトラップ判定処理の判定結果を用いて、K版を含めた他の色版のトラッピング処理の有無が決定されたが、本発明は、これに限定されない。例えば、K版以外の色版を所定の色版として、この所定の色版についてのトラップ判定処理の判定結果を用いて、所定の色版を含めた他の色版のトラッピング処理の有無を決定してもよい。
仮に2つの色版(例えばM版とC版。M版を所定の色版とする。)で構成される画像オブジェクトが、この2つの色版以外の色版(例えばY版)で構成される画像オブジェクトと隣接している場合を考える。この場合に、本発明を適用することで、トラッピング処理によるC版のみの領域拡張を防ぐことができて且つY版の領域拡張を行うので、版ずれによって生じるC版とY版の重なりによる緑っぽい色滲みの程度を抑制しつつも、白抜けを抑制することができる。ここから、本発明は、2つ以上の色版で画像オブジェクトが構成されうる画像に対してトラッピング処理する際に、この2つ以上の色版のうち少なくとも1つの色版を所定の色版とすることで適用できる。
上述した実施形態では、複数の処理部によってトラッピング処理部が構成されているものとして説明されたが、本発明はこれに限定されない。つまり、上述した実施形態のトラッピング処理部が行う処理を1つの処理部が実行してもよい。
なお、本発明は、複数の機器(例えばホストコンピュータ、インタフェイス機器、リーダ、プリンタなど)から構成されるシステムに適用しても、一つの機器からなる装置(例えば、複写機、ファクシミリ装置など)に適用してもよい。
また、本発明の目的は、上記実施形態の機能を実現するソフトウェア(コンピュータプログラム)を記録した記憶媒体(記録媒体)をシステムまたは装置に供給し、そのシステムまたは装置のコンピュータ(CPUやMPU)が前記ソフトウェアを実行することでも達成される。この場合、記憶媒体から読み出されたソフトウェア自体が上記実施形態の機能を実現することになり、そのソフトウェアを記憶した記憶媒体は本発明を構成する。
また、前記ソフトウェアの実行により上記機能が実現されるだけでなく、そのソフトウェアの指示により、コンピュータ上で稼働するオペレーティングシステム(OS)などが実際の処理の一部または全部を行い、それによって上記機能が実現される場合も含む。
また、前記ソフトウェアがコンピュータに接続された機能拡張カードやユニットのメモリに書き込まれ、そのソフトウェアの指示により、前記カードやユニットのCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、それによって上記機能が実現される場合も含む。
本発明を前記記憶媒体に適用する場合、その記憶媒体には、先に説明したフローチャートに対応するソフトウェアが格納される。

Claims (13)

  1. 第1のオブジェクトと前記第1のオブジェクトに隣接する第2のオブジェクトとを含む画像であって、前記第1のオブジェクトを構成する色版と前記第2のオブジェクトを構成する色版とが異なる前記画像を取得する取得手段と、
    前記第1のオブジェクトを構成する色版に特定の色版が含まれないことに基づいて、前記第1のオブジェクトを前記第2のオブジェクトに向けて拡大し、かつ、前記第2のオブジェクトを前記第1のオブジェクトに向けて拡大するトラッピング処理を行い、
    前記第1のオブジェクトを構成する色版に前記特定の色版が含まれることに基づいて、前記第1のオブジェクトを前記第2のオブジェクトに向けて拡大しないが、前記第2のオブジェクトを前記第1のオブジェクトに向けて拡大するトラッピング処理を行うトラップ手段と、
    を有することを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記特定の色版は、視覚的な影響度が他の色版に比べて相対的に大きい色版であることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記特定の色版は、ブラックの色版であることを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理装置。
  4. 前記画像は複数の画素で構成され、
    前記トラップ手段は、
    前記第1のオブジェクトと前記第2のオブジェクトとの境界を形成する、前記第1のオブジェクトに含まれる第1の画素および前記第2のオブジェクトに含まれる第2の画素を判定する手段と、
    前記第1の画素が前記特定の色版において閾値以上の画素値を有さないことに基づいて、前記第1のオブジェクトを構成する色版の前記第1の画素の画素値に基づいて算出された当該色版の画素値を、前記第2の画素に分配し、かつ、前記第2のオブジェクトを構成する色版の前記第2の画素の画素値に基づいて算出された当該色版の画素値を、前記第1の画素に分配するトラッピング処理を行い、
    前記第1の画素が前記特定の色版において閾値以上の画素値を有することに基づいて、前記第2の画素の画素値を変更せず、かつ、前記第2のオブジェクトを構成する色版の前記第2の画素の画素値に基づいて算出された当該色版の画素値を、前記第1の画素に分配するトラッピング処理を行う手段と、
    を有することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の画像処理装置。
  5. 前記画像は複数の画素で構成され、
    前記トラップ手段は、
    前記第1のオブジェクトと前記第2のオブジェクトとの境界を形成する、前記第1のオブジェクトに含まれる第1の画素および前記第2のオブジェクトに含まれる第2の画素を判定する手段と、
    前記第1の画素が前記特定の色版において閾値以上の画素値を有さないことに基づいて、前記第1のオブジェクトを構成する色版の前記第1の画素の画素値を、前記第2の画素に分配し、かつ、前記第2のオブジェクトを構成する色版の前記第2の画素の画素値を、前記第1の画素に分配するトラッピング処理を行い、
    前記第1の画素が前記特定の色版において閾値以上の画素値を有することに基づいて、前記第2の画素の画素値を変更せず、かつ、前記第2のオブジェクトを構成する色版の前記第2の画素の画素値を、前記第1の画素に分配するトラッピング処理を行う手段と、
    を有することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の画像処理装置。
  6. 前記画像は複数の色版のうちの少なくとも2つの色版で構成され、
    前記複数の色版は、前記特定の色版としてブラックの色版を含み、
    前記複数の色版の残りの色版は、シアン、マゼンタ、イエローの色版を含むことを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の画像処理装置。
  7. 第1のオブジェクトと前記第1のオブジェクトに隣接する第2のオブジェクトとを含む画像であって、前記第1のオブジェクトを構成する色版と前記第2のオブジェクトを構成する色版とが異なる前記画像を取得する取得工程と、
    前記画像に対してトラッピング処理を行うトラッピング処理工程と、
    を有し、
    前記トラッピング処理工程は、
    前記第1のオブジェクトを構成する色版に特定の色版が含まれないことに基づいて、前記第1のオブジェクトを前記第2のオブジェクトに向けて拡大し、かつ、前記第2のオブジェクトを前記第1のオブジェクトに向けて拡大するトラッピング処理を行い、
    前記第1のオブジェクトを構成する色版に前記特定の色版が含まれることに基づいて、前記第1のオブジェクトを前記第2のオブジェクトに向けて拡大しないが、前記第2のオブジェクトを前記第1のオブジェクトに向けて拡大するトラッピング処理を行うことを特徴とする画像処理方法。
  8. 前記特定の色版は、視覚的な影響度が他の色版に比べて相対的に大きい色版であることを特徴とする請求項7に記載の画像処理方法。
  9. 前記特定の色版は、ブラックの色版であることを特徴とする請求項7または8に記載の画像処理方法。
  10. 前記画像は複数の画素で構成され、
    前記トラッピング処理工程は、
    前記第1のオブジェクトと前記第2のオブジェクトとの境界を形成する、前記第1のオブジェクトに含まれる第1の画素および前記第2のオブジェクトに含まれる第2の画素を判定する第1の工程と、
    前記第1の画素が前記特定の色版において閾値以上の画素値を有するか否かに基づいて異なるトラッピング処理を行う第2の工程と、
    を有し、
    前記第2の工程は、
    前記第1の画素が前記特定の色版において閾値以上の画素値を有さないことに基づいて、前記第1のオブジェクトを構成する色版の前記第1の画素の画素値に基づいて算出された当該色版の画素値を、前記第2の画素に分配し、かつ、前記第2のオブジェクトを構成する色版の前記第2の画素の画素値に基づいて算出された当該色版の画素値を、前記第1の画素に分配する第1のトラッピング処理を行い、
    前記第1の画素が前記特定の色版において閾値以上の画素値を有することに基づいて、前記第2の画素の画素値を変更せず、かつ、前記第2のオブジェクトを構成する色版の前記第2の画素の画素値に基づいて算出された当該色版の画素値を、前記第1の画素に分配する第2のトラッピング処理を行うことを特徴とする請求項7乃至9の何れか1項に記載の画像処理方法。
  11. 前記画像は複数の画素で構成され、
    前記トラッピング処理工程は、
    前記第1のオブジェクトと前記第2のオブジェクトとの境界を形成する、前記第1のオブジェクトに含まれる第1の画素および前記第2のオブジェクトに含まれる第2の画素を判定する第1の工程と、
    前記第1の画素が前記特定の色版において閾値以上の画素値を有するか否かに基づいて異なるトラッピング処理を行う第2の工程と、
    を有し、
    前記第2の工程は、
    前記第1の画素が前記特定の色版において閾値以上の画素値を有さないことに基づいて、前記第1のオブジェクトを構成する色版の前記第1の画素の画素値を、前記第2の画素に分配し、かつ、前記第2のオブジェクトを構成する色版の前記第2の画素の画素値を、前記第1の画素に分配する第1のトラッピング処理を行い、
    前記第1の画素が前記特定の色版において閾値以上の画素値を有することに基づいて、前記第2の画素の画素値を変更せず、かつ、前記第2のオブジェクトを構成する色版の前記第2の画素の画素値を、前記第1の画素に分配する第2のトラッピング処理を行うことを特徴とする請求項7乃至9の何れか1項に記載の画像処理方法。
  12. 前記画像は複数の色版のうちの少なくとも2つの色版で構成され、
    前記複数の色版は、前記特定の色版としてブラックの色版を含み、
    前記複数の色版の残りの色版は、シアン、マゼンタ、イエローの色版を含むことを特徴とする請求項7乃至11の何れか1項に記載の画像処理方法。
  13. 請求項1乃至6の何れか1項に記載の各手段として、コンピュータを機能させるためのコンピュータプログラム。
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