JP5885485B2 - ポリアミド樹脂組成物及び成形品 - Google Patents
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Description
また、ポリアミド樹脂は自動車分野で広く採用されているが、このような用途では、使用環境が熱的、力学的に厳しく、特にドアミラー等に代表される自動車外装部品では衝撃特性と、表面外観性との両方に優れた特性を要求される場合が多く、さらには、日光等に曝露させた場合色調変化等の物性変化が少ないポリアミド樹脂材料が要求されているのが現状である。
よって、特に、上述したようなハイサイクル成形時の成形品表面外観の安定性、さらには耐衝撃特性を向上させた、過酷な成形条件下においても物性変化が少ないポリアミド樹脂が要求されている。
また、耐衝撃性を改良することができる材料として、テレフタル酸成分と、イソフタル酸成分とを導入したポリアミド6T/6Iからなるポリアミド開示されている(例えば、特許文献5参照。)。
また、ポリアミドに所定の材料を混合したポリアミド樹脂組成物の屋外での用途も近年増加しているが、従来のポリアミドを用いたポリアミド樹脂組成物では、日光等に曝露させた場合に色調変化等の物性変化が生じる場合がある。
また、ポリアミドの特徴である、機械特性のバランスを保持しつつ、成形品表面外観の安定性を維持することは困難であり、このようなポリアミドが要望されている。
すなわち、本発明は、以下の通りである。
(A):(a)アジピン酸とヘキサメチレンジアミンとからなる単位と、
(b)イソフタル酸とヘキサメチレンジアミンとからなる単位と、
を、含むポリアミドであって、
当該ポリアミド中における全カルボン酸成分中のイソフタル酸成分比率(x)が、0.05≦(x)≦0.5であり、
かつ、下記式(1)で示される(Y)が、−0.3≦(Y)≦0.8である(A)ポリアミドと、
(Y)=[(EG)−(x)]/[1−(x)] ・・・(1)
(前記式(1)中、(EG)は、(A)ポリアミド中に含有されている全カルボキシル末端基中のイソフタル酸末端基比率を示し、下記式(2)で示される。
(EG)=イソフタル酸末端基量/全カルボキシル末端基量 ・・・(2))
(B):耐熱安定剤及び耐光安定剤からなる群より選ばれる少なくとも一種の(B)安定剤と、
を、含有するポリアミド樹脂組成物。
〔2〕
前記式(1)で示される(Y)が、0.05≦(Y)≦0.8である、前記〔1〕に記載のポリアミド樹脂組成物。
〔3〕
前記(B)安定剤が、フェノール系安定剤、ホスファイト系安定剤、ヒンダードアミン系安定剤、トリアジン系安定剤、イオウ系安定剤、及び無機リン系安定剤からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物である、前記〔1〕又は〔2〕に記載のポリアミド樹脂組成物。
〔4〕
前記(B)安定剤の含有量が、前記ポリアミド100質量部に対して0.01〜5質量部である、前記〔1〕乃至〔3〕のいずれか一に記載のポリアミド樹脂組成物。
〔5〕
前記(A)ポリアミド30〜95質量部に対して、(C)無機充填材5〜70質量部を、さらに含有する、前記〔1〕乃至〔4〕のいずれか一に記載のポリアミド樹脂組成物。
〔6〕
前記〔1〕乃至〔5〕のいずれか一に記載のポリアミド樹脂組成物を含む成形品。
なお、本発明は、以下の実施形態に制限されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
本実施形態のポリアミド樹脂組成物は、
(A):(a)アジピン酸とヘキサメチレンジアミンとからなる単位と、
(b)イソフタル酸とヘキサメチレンジアミンとからなる単位と、
を、含むポリアミドであって、
当該ポリアミド中における全カルボン酸成分中のイソフタル酸成分比率(x)が、0.05≦(x)≦0.5であり、
かつ、下記式(1)で示される(Y)が、−0.3≦(Y)≦0.8である(A)ポリアミドと、
(Y)=[(EG)−(x)]/[1−(x)] ・・・(1)
(前記式(1)中、(EG)は、(A)ポリアミド中に含有されている全カルボキシル末端基中のイソフタル酸末端基比率を示し、下記式(2)で示される。
(EG)=イソフタル酸末端基量/全カルボキシル末端基量 ・・・(2))
(B):耐熱安定剤及び耐光安定剤からなる群より選ばれる少なくとも一種の(B)安定剤と、
を、含有するポリアミド樹脂組成物。
以下、本実施形態のポリアミド樹脂組成物の構成成分について説明する。
本実施形態のポリアミド樹脂組成物を構成するポリアミド(以下、(A)ポリアミド、ポリアミド(A)、又は単にポリアミドと記載する場合もある。)は、
(a)アジピン酸とヘキサメチレンジアミンとからなる単位と、
(b)イソフタル酸とヘキサメチレンジアミンとからなる単位と、
を、含む。
当該(A)ポリアミド中における全カルボン酸成分中のイソフタル酸成分比率(x)は、0.05≦(x)≦0.5であり、好ましくは0.05≦(x)≦0.4であり、さらに好ましくは0.05≦(x)≦0.3である。
ここで、(A)ポリアミド中における全カルボン酸成分中のイソフタル酸成分比率(x)とは、ポリアミド中に含まれる(b)イソフタル酸とヘキサメチレンジアミンとからなる単位の比率を示している。
前記イソフタル酸成分比率(x)が0.05以上であると、ポリアミドの融点、固化温度が抑制され、本実施形態のポリアミド樹脂組成物の成形品の表面外観性が安定的なものとなる。また、イソフタル酸成分比率(x)が0.5以下であるとポリアミドの結晶性の低下を抑制でき、本実施形態のポリアミド樹脂組成物の成形品において十分な機械的強度が得られる。
(Y)=[(EG)−(x)]/[1−(x)] ・・・(1)
式(1)中、(x)は、上述したように、(A)ポリアミド中における全カルボン酸成分中のイソフタル酸成分比率であり、ポリアミド中における(b)イソフタル酸とヘキサメチレンジアミンとからなる単位の比率を示す。
(EG)は、全カルボキシル末端基中のイソフタル酸末端基比率を示し、下記式(2)で示される。
(EG)=イソフタル酸末端基量/全カルボキシル末端基量 ・・・(2)
後述の実施例及び比較例に基づくポリアミドの、前記ブロック化比率(Y)とポリアミド中における全カルボン酸成分中のイソフタル酸成分比率(x)との関係を表した図を図1に示す。
図1の説明を下記に示す。
横軸:全カルボン酸中のイソフタル酸成分比率(x)
縦軸:全カルボキシル末端基中のイソフタル酸末端基比率(EG)
実線の四角形で囲まれた領域:二つの四角形全体により囲まれた領域が0.05≦(x)≦0.5であり、かつ−0.3≦(Y)≦0.8である領域。図1中上側の四角形のみに囲まれた領域が0.05≦(x)≦0.5であり、かつ0.05≦(Y)≦0.8である領域。
一点鎖線:(EG)=(x)
破線量矢印:[(EG)−(x)]と[1−(x)]の関係を示す。
◇:後述する実施例に用いたポリアミド
■:後述する比較例に用いたポリアミド
イソフタル酸成分比率(x)を上記範囲内とし、かつ前記(Y)の範囲を−0.3≦(Y)≦0.8とすることにより、本実施形態のポリアミド樹脂組成物は、過酷な成形条件下における成形品の表面外観の安定性、耐衝撃特性が優れ、耐候性に優れたものとなる。
ポリアミド中のイソフタル酸成分比率(x)、イソフタル酸末端基量、及び全カルボキシル末端基量の定量方法は、特に制限されないが、核磁気共鳴法(NMR)により求めることができる。具体的には1H−NMRにより求めることができる。
本実施形態のポリアミド樹脂組成物を構成する(A)ポリアミドには、本実施形態の目的を損なわない範囲で、アジピン酸、イソフタル酸以外の、脂肪族ジカルボン酸、脂環族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸、及びヘキサメチレンジアミン以外の主鎖から分岐した置換基を持つジアミン、脂肪族ジアミン、芳香族ジアミン、重縮合可能なアミノ酸、ラクタム等を共重合成分として用いることができる。
脂環族ジカルボン酸は、無置換でも置換基を有していてもよい。
種々の置換基としては、例えば、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数7〜20のアリールアルキル基、クロロ基及びブロモ基等のハロゲン基、炭素数3〜10のアルキルシリル基、並びにスルホン酸基及びナトリウム塩等のその塩である基等が挙げられる。
本実施形態のポリアミド樹脂組成物を構成するポリアミド及びその他の共重合成分を重合させたポリアミド共重合体の原料として、分子量調節や耐熱水性向上のために、末端封止剤を、さらに添加することができる。
例えば、本実施形態のポリアミド、又は上述したポリアミド共重合体を重合する際に、公知の末端封止剤を更に添加することにより、重合量を制御することができる。
それらの中でもモノカルボン酸及びモノアミンが好ましい。
これらの末端封止剤は、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
これらのモノカルボン酸は、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
これらのモノアミンは、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態のポリアミド樹脂組成物を構成する(A)ポリアミドの製造方法としては、上述したようにその他の共重合成分を有するポリアミド共重合体である場合を含めて、前記全カルボン酸成分中のイソフタル酸成分比率(x)が0.05≦(x)≦0.5であり、上記式(1)におけるブロック化比率の指標である(Y)の範囲が−0.3≦(Y)≦0.8、好ましくは0.05≦(Y)≦0.8となるようなポリアミド(又はポリアミド共重合体)が得られればよい。
ポリアミドの製造方法としては、例えば、アジピン酸、イソフタル酸、ヘキサメチレンジアミン、及び必要に応じてその他の成分の混合物の水溶液、又は水の懸濁液を加熱し、溶融状態を維持したまま重合させる方法(熱溶融重合法);熱溶融重合法で得られたポリアミドを融点以下の温度で固体状態を維持したまま重合度を上昇させる方法(熱溶融重合・固相重合法);アジピン酸、イソフタル酸、ヘキサメチレンジアミン、及び必要に応じてその他の成分の混合物の水溶液、又は水の懸濁液を加熱し、析出したプレポリマーをさらにニーダー等の押出機で再び溶融させて重合度を上昇させる方法(プレポリマー・押出重合法);アジピン酸、イソフタル酸、ヘキサメチレンジアミン、及び必要に応じてその他の成分の混合物、固体塩又は重縮合物を、固体状態を維持したまま重合(固相重合法)させる方法等が挙げられる。
全カルボン酸成分中のイソフタル酸成分比率(x)を上記数値範囲内に制御するための方法としては、原料の仕込み量の調整、重合条件の調整が有効である。
上記式(1)におけるブロック化比率の指標となる(Y)を上記数値範囲内に制御するためには、イソフタル酸成分のブロック化を制御することが必要である。具体的には、重合系内で、溶融状態を維持しながら、圧力を適宜調整し、重合温度を好ましくは100℃以上、より好ましくは120℃以上、さらに好ましくは170℃以上としながら、均一混合下において重縮合反応を進め、最終重合内部温度が好ましくは250℃以上、より好ましくは260℃以上になるような条件下で重合させる熱溶融重合法を用いることにより制御することができる。
また、重合装置も特に限定されず、公知の装置、例えば、オートクレーブ型の反応器、タンブラー型反応器、ニーダー等の押出機型反応器等を用いることができる。
バッチ式の熱溶融重合法の一例について以下に説明する。
重合温度条件については特に限定されないが、好ましくは100℃以上、より好ましくは120℃以上、さらに好ましくは170℃以上である。
例えば、アジピン酸、イソフタル酸、及びヘキサメチレンジアミンとの混合物、固体塩又は水溶液を110〜200℃の温度下で攪拌し、約60〜90%まで水蒸気を徐々に抜いて加熱濃縮する。
その後、内部圧力を約1.5〜5.0MPa(ゲージ圧)になるまで加熱を続ける。
その後、水及び/又はガス成分を除きながら、圧力を約1.5〜5.0MPa(ゲージ圧)に保ち、内部温度が好ましくは240℃以上、より好ましくは245℃以上に達した時点で、水及び/又はガス成分を除きながら圧力を徐々に抜き、最終内部温度が好ましくは250℃以上、より好ましくは260℃以上になるように、常圧で又は減圧して重縮合を行う。
さらには、アジピン酸、イソフタル酸、及びヘキサメチレンジアミンとの混合物、固体塩又は重縮合物を融点以下の温度で熱重縮合させる固相重合法等も用いることができる。これらの方法は必要に応じて組み合わせてもよい。
押出温度は、JIS−K7121に準じた示差走査熱量(DSC)測定で求められる融点よりも1〜100℃程度高い温度が好ましい。
剪断速度は、100(sec-1)以上程度であることが好ましく、平均滞留時間は0.1〜15分程度が好ましい。
上記押出条件とすることにより、着色や高分子量化できない等の問題の発生を効果的に抑制できる。
触媒としては、ポリアミドに用いられる公知のものであれば特に限定されず、例えば、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸、オルト亜リン酸、ピロ亜リン酸、フェニルホスフィン酸、フェニルホスホン酸、2−メトキシフェニルホスホン酸、2−(2’−ピリジル)エチルホスホン酸、及びそれらの金属塩等が挙げられる。
金属塩の金属としては、カリウム、ナトリウム、マグネシウム、バナジウム、カルシウム、亜鉛、コバルト、マンガン、錫、タングステン、ゲルマニウム、チタン、アンチモン等の金属塩やアンモニウム塩等が挙げられる。
また、エチルエステル、イソプロピルエステル、ブチルエステル、ヘキシルエステル、デシルエステル、イソデシルエステル、オクタデシルエステル、ステアリルエステル、フェニルエステル等のリン酸エステル類も用いることができる。
本実施形態のポリアミド樹脂組成物を構成する(A)ポリアミドは、蟻酸溶液粘度(JIS K 6816)が、好ましくは10〜30である。
蟻酸溶液粘度が10以上であると、実用上十分な機械的特性を有する成形品が得られ、蟻酸溶液粘度が30以下であると、成形時の流動性が良好なものとなり、表面外観性に優れた成形品が得られる。
本実施形態のポリアミド樹脂組成物は、上述した(A)ポリアミドと、(B)安定剤とを含有し、(B)安定剤としては、耐熱安定剤及び/又は耐光安定剤として用いられる化合物が挙げられる。
(B)安定剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ヒンダードフェノール化合物としては、例えば、N,N’−へキサン−1,6−ジイルビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオンアミド)]、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、3,9−ビス{2−[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピニロキシ]−1,1−ジメチルエチル}−2,4,8,10−テトラオキサピロ[5,5]ウンデカン、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート−ジエチルエステル、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌル酸等が挙げられる。
ペンタエリストール型ホスファイト化合物としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル・フェニル・ペンタエリスリトールジホスファイト、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル・メチル・ペンタエリスリトールジホスファイト、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル・2−エチルヘキシル・ペンタエリスリトールジホスファイト、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル・イソデシル・ペンタエリスリトールジホスファイト、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル・ラウリル・ペンタエリスリトールジホスファイト、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル・イソトリデシル・ペンタエリスリトールジホスファイト、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル・ステアリル・ペンタエリスリトールジホスファイト、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル・シクロヘキシル・ペンタエリスリトールジホスファイト、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル・ベンジル・ペンタエリスリトールジホスファイト、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル・エチルセロソルブ・ペンタエリスリトールジホスファイト、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル・ブチルカルビトール・ペンタエリスリトールジホスファイト、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル・オクチルフェニル・ペンタエリスリトールジホスファイト、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル・ノニルフェニル・ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル・2,6−ジ−t−ブチルフェニル・ペンタエリスリトールジホスファイト、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル・2,4−ジ−t−ブチルフェニル・ペンタエリスリトールジホスファイト、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル・2,4−ジ−t−オクチルフェニル・ペンタエリスリトールジホスファイト、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル・2−シクロヘキシルフェニル・ペンタエリスリトールジホスファイト、2,6−ジ−t−アミル−4−メチルフェニル・フェニル・ペンタエリストリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−アミル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−オクチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト等が挙げられる。
ヒドロキシフェニルトリアジン類としては、例えば、2,4,6−トリス(2’−ヒドロキシ−4’−オクチルオキシ−フェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2’−ヒドロキシ−4’−ヘキシルオキシ−フェニル)−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2−(2’−ヒドロキシ−4’−オクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(2’,4’−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2’,4’−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2’,4’−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(2’−ヒドロキシ−4’−プロピルオキシ−フェニル)−6−(2’,4’−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(4’−メチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2’−ヒドロキシ−4’−ドデシルオキシフェニル)−4,6−ビス(2’,4’−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(2’−ヒドロキシ−4’−イソプロピルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(2’−ヒドロキシ−4’−n−ヘキシルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(2’−ヒドロキシ−4’−エトキシカルボニルメトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン等が挙げられる。
前記リン酸類、亜リン酸類、次亜リン酸類としては、例えば、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸、ピロ亜リン酸、二亜リン酸等が挙げられる。
前記リン酸金属塩類、亜リン酸金属塩類、次亜リン酸金属塩類としては、例えば、上記のリン酸等の化合物と周期律表第1族金属との塩が挙げられる。
前記無機リン系安定剤としては、可溶性化合物(水に対する可溶性を有する化合物)が好ましく、例えば、リン酸ナトリウム、亜リン酸ナトリウム、及び次亜リン酸ナトリウムが好ましく、より好ましくは亜リン酸ナトリウム、及び次亜リン酸ナトリウムであり、さらに好ましくは次亜リン酸ナトリウムである。無機リン系安定剤は、例えば、上述した化合物の水和物(好ましくは、ジ亜リン酸ナトリウムの水和物(NaH2PO2・nH2O))であってもよい。
本実施形態のポリアミド樹脂組成物には、必要に応じて、本発明の目的を損なわない範囲で、成形性改良剤を添加してもよい。
成形性改良剤としては、特に限定されないが、高級脂肪酸、高級脂肪酸金属塩、高級脂肪酸エステル、及び高級脂肪酸アミド等が挙げられる。
これらの中でも、ステアリン酸及びモンタン酸が好ましい。
金属塩の金属元素としては、元素周期律表の第1,2,3族元素、亜鉛、及びアルミニウム等が好ましく、カルシウム、ナトリウム、カリウム、及びマグネシウム等の、第1,2族元素、並びにアルミニウム等がより好ましい。
前記高級脂肪酸金属塩としては、例えば、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、モンタン酸カルシウム、モンタン酸ナトリウム、パルミチン酸カルシウム等が挙げられる。
これらの中でも、モンタン酸の金属塩及びステアリン酸の金属塩が好ましい。
高級脂肪酸エステルとしては、炭素数8〜40の脂肪族カルボン酸と炭素数8〜40の脂肪族アルコールとのエステルが好ましい。
脂肪族アルコールとしては、例えば、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、及びラウリルアルコール等が挙げられる。
高級脂肪酸エステルとしては、例えば、ステアリン酸ステアリル、ベヘン酸ベヘニル等が挙げられる。
高級脂肪酸アミドとしては、例えば、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、エチレンビスステアリルアミド、エチレンビスオレイルアミド、N−ステアリルステアリルアミド、N−ステアリルエルカ酸アミド等が挙げられる。
高級脂肪酸アミドとしては、ステアリン酸アミド、エルカ酸アミド、エチレンビスステアリルアミド、及びN−ステアリルエルカ酸アミドが好ましく、エチレンビスステアリルアミド及びN−ステアリルエルカ酸アミドがより好ましい。
本実施形態のポリアミド樹脂組成物は、上述した(A)ポリアミド、(B)安定剤に加え、さらに、(C)無機充填材を含有してもよい。
(C)無機充填材としては、特に限定されないが、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、ウォラストナイト、タルク、マイカ、カオリン、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、アパタイト、リン酸ナトリウム、蛍石、窒化珪素、チタン酸カリウム、及び二硫化モリブデン等が挙げられる。
これらの中でも、ポリアミド樹脂組成物及びその成形品の機械物性や、安全性、及び経済性の観点から、ガラス繊維、炭素繊維、ウォラストナイト、タルク、マイカ、カオリン、窒化ホウ素、チタン酸カリウム、アパタイトが好ましく用いられる。
前記ガラス繊維や炭素繊維は、ポリアミド樹脂組成物及び成形品において高い機械特性を発現できる観点から、数平均繊維径(D)は3〜30μmが好ましく、重量平均繊維長(L)は100〜750μmが好ましく、重量平均繊維長と数平均繊維径とのアスペクト比(L/D)が10〜100のものが好ましい。
特に、数平均繊維径(D)が3〜30μm、重量平均繊維長(L)が10〜500μm、前記アスペクト比(L/D)が3〜100であるものがより好ましい。
例えば、ペレット状のガラス繊維を含有するポリアミド樹脂組成物を、該ポリアミド樹脂組成物の分解温度以上で加熱し、残ったガラス繊維を、顕微鏡を用いて写真撮影し、ガラス繊維の径や長さを計測する方法により測定することができる。
顕微鏡法によって得られた測定値から、数平均繊維径(D)及び重量平均繊維長(L)を計算する方法としては、下記式(I)、式(II)が挙げられる。
数平均繊維径(D)=ガラス繊維径の合計/ガラス繊維の数 ・・・(I)
重量平均繊維長(L)=ガラス繊維長さの2乗和/ガラス繊維長さの合計・・・(II)
なお、数平均繊維径(L)及び重量平均繊維長(D)は、例えば、ポリアミド樹脂組成物を電気炉に入れて、含まれる有機物を焼却処理し、残渣分から、例えば100本以上のガラス繊維を任意に選択し、SEMで観察して繊維径を測定することにより数平均繊維径を測定でき、倍率1000倍でのSEM写真を用いて繊維長を計測することにより重量平均繊維長を求めることができる。
表面処理としては、特に限定されないが、例えば、カップリング剤やフィルム形成剤を用いることができる。
これらの中でも、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(1,1−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のアミノシラン及びエポキシシランが、経済性に優れ、取り扱い易いため、好ましく用いられる。
これらの中でも、経済性と性能が優れる観点から、ウレタン系ポリマー、アクリル酸系ポリマー、ブタジエン無水マレイン酸コポリマー、エチレン無水マレイン酸コポリマー、スチレン無水マレイン酸コポリマー、及びこれらの混合物が好ましい。
例えば、上記カップリング剤及びフィルム形成剤の有機溶媒溶液又は懸濁液を、いわゆるサイジング剤として表面に塗布するサイジング処理;ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、レーディミキサー、V型ブレンダー等を用いて塗布する乾式混合;スプレーにより塗布するスプレー法;インテグラルブレンド法;ドライコンセントレート法等が挙げられる。
また、これらの方法を組合せた方法(例えば、カップリング剤とフィルム形成剤の一部をサイジング処理により塗布した後、残りのフィルム形成剤をスプレーする方法等)も挙げられる。
これらの中でも、経済性に優れるという観点から、サイジング処理、乾式混合、スプレー法及びこれらを組合せた方法が好ましい。
(C)無機充填材の含有割合を上記範囲内にすることにより、優れた機械特性が得られ、かつ良好な押出性及び成形性が得られる。
(C)無機充填材は、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態のポリアミド樹脂組成物には、必要に応じて、本実施形態の目的を損なわない範囲で、熱劣化、耐熱エージング性の向上を目的として、劣化抑制剤を添加してもよい。
このような劣化抑制剤としては、特に限定されないが、例えば、酢酸銅及びヨウ化銅等の銅化合物が挙げられる。
これらの劣化抑制剤は、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合せて用いてもよい。
本実施形態のポリアミド樹脂組成物には、必要に応じて、本実施形態の目的を損なわない範囲で、着色剤を添加してもよい。
着色剤としては、特に限定されないが、例えば、ニグロシン等の染料、酸化チタン及びカーボンブラック等の顔料;アルミニウム、着色アルミニウム、ニッケル、スズ、銅、金、銀、白金、酸化鉄、ステンレス、及びチタン等の金属粒子;マイカ製パール顔料、カラーグラファイト、カラーガラス繊維、及びカラーガラスフレーク等のメタリック顔料等が挙げられる。
本実施形態のポリアミド樹脂組成物には、必要に応じて、本実施形態の目的を損なわない範囲で、その他の樹脂を添加してもよい。
このような樹脂としては、特に限定されるものではないが、後述する熱可塑性樹脂やゴム成分等が挙げられる。
これらの熱可塑性樹脂は、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合せて用いてもよい。
これらのゴム成分は、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合せて用いてもよい。
本実施形態のポリアミド樹脂組成物は、(A)ポリアミドに、上述した(B)安定剤、必要に応じて(C)無機充填材、劣化抑制剤、成形性改良剤、着色剤、その他の樹脂を配合することにより製造できる。
配合方法としては、公知の押出技術を用いることができる。
例えば、溶融混練温度は、樹脂温度にして250〜350℃程度が好ましい。溶融混練時間は、1〜30分程度が好ましい。
また、本実施形態のポリアミド樹脂組成物を構成する成分を溶融混練機に供給する方法は、すべての構成成分を同一の供給口に一度に供給してもよいし、構成成分をそれぞれ異なる供給口から供給してもよい。
具体的には、混合方法は、例えば、ポリアミドと無機充填材とをヘンシェルミキサー等を用いて混合し、溶融混練機に供給し、混練する方法や、減圧装置を備えた単軸又は2軸押出機で溶融状態にしたポリアミドに、サイドフィダーから無機充填材を配合する方法等が挙げられる。
本実施形態のポリアミド樹脂組成物を成形することにより、所定の成形品が得られる。
成形品を得る方法としては、特に限定されず、公知の成形方法を用いることができる。
例えば、押出成形、射出成形、真空成形、ブロー成形、射出圧縮成形、加飾成形、他材質成形、ガスアシスト射出成形、発砲射出成形、低圧成形、超薄肉射出成形(超高速射出成形)、及び金型内複合成形(インサート成形、アウトサート成形)等の成形方法が挙げられる。
本実施形態のポリアミド樹脂組成物の成形品は、過酷な成形条件下における成形品の表面外観の安定性、耐衝撃特性に優れ、様々な用途に用いることができる。
例えば、自動車分野、電気・電子分野、機械・工業分野、事務機器分野、航空・宇宙分野において、好適に用いることができる。
〔測定方法〕
<ポリアミドのイソフタル酸成分比率、イソフタル酸末端基、及び全カルボキシル末端基の定量>
ポリアミドを用いて、1H−NMRにより求めた。
溶媒として重硫酸を用いた。
装置は日本電子製、「ECA400型」を用いた。
繰返時間は12秒、積算回数は64回で測定した。
各成分の特性シグナルの積分値より、イソフタル酸成分量、イソフタル酸末端基量、その他のカルボキシ末端基(例えばアジピン酸末端基)量を算出し、これらの値から、全カルボン酸中のイソフタル酸成分比率(x)、全カルボキシル末端基中のイソフタル酸末端基比率(EG)、及び上記式(1)のパラメータ(Y)をさらに算出した。
ポリアミドを蟻酸に溶解し、JIS K6810に準じて測定した。
装置は日精樹脂(株)製、「FN3000」を用いた。
シリンダー温度を320℃、金型温度を70℃に設定し、射出17秒、冷却20秒の射出成形条件で、ポリアミド樹脂組成物を用いて100ショットまで成形を行い、ISO試験片を得た。
得られた成形品(ISO試験片)の外観安定性は、堀場(株)製、ハンディ光沢度計「IG320」を用いてグロス値を測定し、下記方法により求めた。
外観安定性=((1):20〜30ショットISO試験片のグロス平均値)−((2):90〜100ショットISO試験片のグロス平均値)
上記の数値差が小さいほど、外観安定性に優れるものと判断した。
なお表1、2中、「(1)−(2)」とは、上記外観安定性の式により算出されるグロス値を示す。
上記外観安定性試験で得られた20〜25ショットISO試験片を用いて、ISO 179に準じてシャルピー衝撃強さ測定した。
測定値はn=6の平均値とした。
上記外観安定性試験で得られた試験片を用いて、ISO4892−2に準じて、初期と1000時間後との色差(ΔE)を求めた。
耐候試験は、試験機としてATLA社製Ci4000(キセノンランプ)を用いて、雨有りの環境下で行った。具体的には、槽内温度40℃、ブラックパネル温度65℃、湿度50%の条件下において、120分サイクル中18分間で純水を試験片にスプレーし試験を行った。
日本電色社製色差計ND−300Aを用いて、初期試験片と、前記試験機により1000時間耐候試験を実施した後の試験片との色差(ΔE)を求めた。
測定は、試験片3枚について行い、試験片の中央部について1枚につき3回測定し、その平均値を評価結果とした。
<製造例1:ポリアミド(A1)の製造>
アジピン酸とヘキサメチレンジアミンとの等モル塩1237g、イソフタル酸とヘキサメチレンジアミンとの等モル塩263g、及び全等モル塩成分に対して0.5モル%過剰のアジピン酸を蒸留水1500gに溶解させ、原料モノマーの等モル50質量%均一水溶液を作製した。
この水溶液を、内容積5.4Lのオートクレーブに仕込み、窒素置換した。
110〜150℃の温度下で前記水溶液を撹拌しながら、溶液濃度70質量%まで水蒸気を徐々に抜いて濃縮した。
その後、オートクレーブの内部温度を220℃に昇温した。
このとき、オートクレーブは1.8MPaまで昇圧した。
そのまま1時間、オートクレーブの内部温度が245℃になるまで加熱し、水蒸気を徐々に抜いて圧力を1.8MPaに保ちながら1時間反応させた。
次に、1時間かけてオートクレーブ内の圧力を1MPaまで下げ、その後、オートクレーブ内を真空装置で650torrの減圧下に10分維持した。
このとき、重合の最終内部温度は265℃であった。
その後、オートクレーブ内を窒素で加圧し下部紡口(ノズル)から得られたポリマーをストランド状で排出し、水冷、カッティングを行いペレット状にして、100℃、窒素雰囲気下で12時間乾燥し、ポリアミドを得た。
得られたポリアミドの全カルボン酸中のイソフタル酸成分比率(x)、全カルボキシル末端基中のイソフタル酸末端基比率(EG)、上記式(1)で示されるパラメータ(Y)、蟻酸溶液粘度等のポリマー特性を上記記載の方法により測定及び算出した。これらを下記表1に示す。
アジピン酸とヘキサメチレンジアミンとの等モル塩1132g、及びイソフタル酸とヘキサメチレンジアミンとの等モル塩368gを用いた。
その他の条件は、製造例1と同様の方法によりポリアミドを得た。
得られたポリアミドの全カルボン酸中のイソフタル酸成分比率(x)、全カルボキシル末端基中のイソフタル酸末端基比率(EG)、上記式(1)で示されるパラメータ(Y)、蟻酸溶液粘度等のポリマー特性を上記記載の方法により測定及び算出した。これらを下記表1に示す。
アジピン酸とヘキサメチレンジアミンとの等モル塩1044g、及びイソフタル酸とヘキサメチレンジアミンとの等モル塩456gを用いた。
その他の条件は、製造例1と同様の方法によりポリアミドを得た。
得られたポリアミドの全カルボン酸中のイソフタル酸成分比率(x)、全カルボキシル末端基中のイソフタル酸末端基比率(EG)、上記式(1)で示されるパラメータ(Y)、蟻酸溶液粘度等のポリマー特性を上記記載の方法により測定及び算出した。これらを下記表1に示す。
アジピン酸とヘキサメチレンジアミンとの等モル塩816g、及びイソフタル酸とヘキサメチレンジアミンとの等モル塩684gを用いた。
その他の条件は、製造例1と同様の方法によりポリアミドを得た。
得られたポリアミドの全カルボン酸中のイソフタル酸成分比率(x)、全カルボキシル末端基中のイソフタル酸末端基比率(EG)、上記式(1)で示されるパラメータ(Y)、蟻酸溶液粘度等のポリマー特性を上記記載の方法により測定及び算出した。これらを下記表1に示す。
アジピン酸とヘキサメチレンジアミンとの等モル塩1237g、及びイソフタル酸とヘキサメチレンジアミンとの等モル塩263gを用いた。全等モル塩成分に対して0.5モル%過剰のアジピン酸を添加しなかった。
その他の条件は、製造例1の方法によりポリアミドを得た。
得られたポリアミドの全カルボン酸中のイソフタル酸成分比率(x)、全カルボキシル末端基中のイソフタル酸末端基比率(EG)、上記式(1)で示されるパラメータ(Y)、蟻酸溶液粘度等のポリマー特性を上記記載の方法により測定及び算出した。これらを下記表1に示す。
アジピン酸とヘキサメチレンジアミンとの等モル塩1044g、及びイソフタル酸とヘキサメチレンジアミンとの等モル塩456gを用いた。全等モル塩成分に対して0.5モル%過剰のアジピン酸を添加しなかった。
その他の条件は、製造例1の方法によりポリアミドを得た。
得られたポリアミドの全カルボン酸中のイソフタル酸成分比率(x)、全カルボキシル末端基中のイソフタル酸末端基比率(EG)、上記式(1)で示されるパラメータ(Y)、蟻酸溶液粘度等のポリマー特性を上記記載の方法により測定及び算出した。これらを下記表1に示す。
アジピン酸とヘキサメチレンジアミンとの等モル塩1114g、イソフタル酸とヘキサメチレンジアミンとの等モル塩386g、及び全等モル塩成分に対して0.5モル%過剰のアジピン酸を蒸留水1500gに溶解させ、原料モノマーの等モル50質量%均一水溶液を作製した。
この水溶液を内容積5.4Lのオートクレーブに仕込み、窒素置換した。
110〜150℃の温度下で前記水溶液を撹拌しながら、溶液濃度70質量%まで水蒸気を徐々に抜いて濃縮した。
その後、オートクレーブの内部温度を220℃に昇温した。
このとき、オートクレーブは1.8MPaまで昇圧した。
そのまま1時間、オートクレーブの内部温度が245℃になるまで加熱し、水蒸気を徐々に抜いて圧力を1.8MPaに保ちながら1時間反応させた。
次に、1時間かけてオートクレーブ内の圧力を1MPaまで下げ、その後、オートクレーブ内を真空装置で400torrの減圧下に10分維持した。
このとき、重合の最終内部温度は265℃であった。
その後、オートクレーブ内を窒素で加圧し下部紡口(ノズル)から得られたポリマーをストランド状で排出し、水冷、カッティングを行いペレット状にして、100℃、窒素雰囲気下で12時間乾燥し、ポリアミドを得た。
得られたポリアミドの全カルボン酸中のイソフタル酸成分比率(x)、全カルボキシル末端基中のイソフタル酸末端基比率(EG)、上記式(1)で示されるパラメータ(Y)、蟻酸溶液粘度等のポリマー特性を上記記載の方法により測定及び算出した。これらを下記表1に示す。
アジピン酸とヘキサメチレンジアミンとの等モル塩1114g、イソフタル酸とヘキサメチレンジアミンとの等モル塩368g、及び全等モル塩成分に対して0.5モル%過剰のアジピン酸を蒸留水1500gに溶解させ、原料モノマーの等モル50質量%均一水溶液を作製した。
この水溶液を内容積5.4Lのオートクレーブに仕込み、窒素置換した。
110〜150℃の温度下で前記水溶液を撹拌しながら、溶液濃度70質量%まで水蒸気を徐々に抜いて濃縮した。
その後、オートクレーブの内部温度を220℃に昇温した。
このとき、オートクレーブは1.8MPaまで昇圧した。
そのまま1時間、オートクレーブの内部温度が245℃になるまで加熱し、水蒸気を徐々に抜いて圧力を1.8MPaに保ちながら1時間反応させた。
次に、1時間かけてオートクレーブ内の圧力を1MPaまで下げ、その後、オートクレーブ内を真空装置で650torrの減圧下に20分維持した。
このとき、重合の最終内部温度は270℃であった。
その後、オートクレーブ内を窒素で加圧し下部紡口(ノズル)から得られたポリマーをストランド状で排出し、水冷、カッティングを行いペレット状にして、100℃、窒素雰囲気下で12時間乾燥し、ポリアミドを得た。
得られたポリアミドの全カルボン酸中のイソフタル酸成分比率(x)、全カルボキシル末端基中のイソフタル酸末端基比率(EG)、上記式(1)で示されるパラメータ(Y)、蟻酸溶液粘度等のポリマー特性を上記記載の方法により測定及び算出した。これらを下記表1に示す。
アジピン酸とヘキサメチレンジアミンとの等モル塩1109g、イソフタル酸とヘキサメチレンジアミンとの等モル塩368g、εカプロラクタム5g、及び全等モル塩成分に対して0.5モル%過剰のアジピン酸を蒸留水1500gに溶解させ、原料モノマーの等モル50質量%均一水溶液を作製した。
この水溶液を内容積5.4Lのオートクレーブに仕込み、窒素置換した。
110〜150℃の温度下で前記水溶液を撹拌しながら、溶液濃度70質量%まで水蒸気を徐々に抜いて濃縮した。
その後、オートクレーブの内部温度を220℃に昇温した。
このとき、オートクレーブは1.8MPaまで昇圧した。
そのまま1時間、オートクレーブの内部温度が245℃になるまで加熱し、水蒸気を徐々に抜いて圧力を1.8MPaに保ちながら1時間反応させた。
次に、1時間かけてオートクレーブ内の圧力を1MPaまで下げ、その後、オートクレーブ内を真空装置で650torrの減圧下に10分維持した。
このとき、重合の最終内部温度は265℃であった。
その後、オートクレーブ内を窒素で加圧し下部紡口(ノズル)から得られたポリマーをストランド状で排出し、水冷、カッティングを行いペレット状にして、100℃、窒素雰囲気下で12時間乾燥し、ポリアミドを得た。
得られたポリアミドの全カルボン酸中のイソフタル酸成分比率(x)、全カルボキシル末端基中のイソフタル酸末端基比率(EG)、上記式(1)で示されるパラメータ(Y)、蟻酸溶液粘度等のポリマー特性を上記記載の方法により測定及び算出した。これらを下記表1に示す。
アジピン酸とヘキサメチレンジアミンとの等モル塩1500g、全等モル塩成分に対して0.5モル%過剰のアジピン酸を蒸留水1500gに溶解させ、原料モノマーの等モル50質量%均一水溶液を作製した。
この水溶液を内容積5.4Lのオートクレーブに仕込み、窒素置換した。
110〜150℃の温度下で前記水溶液を撹拌しながら、溶液濃度70質量%まで水蒸気を徐々に抜いて濃縮した。
その後、オートクレーブの内部温度を220℃に昇温した。
このとき、オートクレーブは1.8MPaまで昇圧した。
そのまま1時間、オートクレーブの内部温度が260℃になるまで加熱し、水蒸気を徐々に抜いて圧力を1.8MPaに保ちながら1時間反応させた。
次に、1時間かけてオートクレーブ内の圧力を1MPaまで下げ、その後、オートクレーブ内を真空装置で650torrの減圧下に10分維持した。
このとき、重合の最終内部温度は290℃であった。
その後、オートクレーブ内を窒素で加圧し下部紡口(ノズル)から得られたポリマーをストランド状で排出し、水冷、カッティングを行いペレット状にして、100℃、窒素雰囲気下で12時間乾燥し、ポリアミドを得た。
得られたポリアミドの全カルボン酸中のイソフタル酸成分比率(x)、全カルボキシル末端基中のイソフタル酸末端基比率(EG)、上記式(1)で示されるパラメータ(Y)、蟻酸溶液粘度等のポリマー特性を上記記載の方法により測定及び算出した。これらを下記表2に示す。
アジピン酸とヘキサメチレンジアミンとの等モル塩1455g、及びイソフタル酸とヘキサメチレンジアミンの等モル塩45gを用いた。
その他の条件は、製造例10と同様の方法によりポリアミドを得た。
得られたポリアミドの全カルボン酸中のイソフタル酸成分比率(x)、全カルボキシル末端基中のイソフタル酸末端基比率(EG)、上記式(1)で示されるパラメータ(Y)、蟻酸溶液粘度等のポリマー特性を上記記載の方法により測定及び算出した。これらを下記表2に示す。
アジピン酸とヘキサメチレンジアミンとの等モル塩1237g、イソフタル酸とヘキサメチレンジアミンとの等モル塩263g、及び全等モル塩成分に対して0.5モル%過剰のアジピン酸を蒸留水1500gに溶解させ、原料モノマーの等モル50質量%均一水溶液を作製した。
この水溶液を内容積5.4Lのオートクレーブに仕込み、窒素置換した。
110〜150℃の温度下で前記水溶液を撹拌しながら、溶液濃度70質量%まで水蒸気を徐々に抜いて濃縮した。
その後、オートクレーブの内部温度を220℃に昇温した。
このとき、オートクレーブは1.8MPaまで昇圧した。
そのまま1時間、オートクレーブの内部温度が260℃になるまで加熱し、水蒸気を徐々に抜いて圧力を1.8MPaに保ちながら1時間反応させた。
次にバルブを閉止し、ヒーターを切り、約8時間かけてオートクレーブの内部温度を常温まで冷却し、蟻酸溶液粘度7のポリアミドを得た。
得られたポリアミドを粉砕した後、内容積10Lのエバポレーターに入れ、窒素気流下、200℃で10時間固相重合した。
得られたポリアミドの全カルボン酸中のイソフタル酸成分比率(x)、全カルボキシル末端基中のイソフタル酸末端基比率(EG)、上記式(1)で示されるパラメータ(Y)、蟻酸溶液粘度等のポリマー特性を上記記載の方法により測定及び算出した。これらを下記表2に示す。
アジピン酸とヘキサメチレンジアミンとの等モル塩816g、及びイソフタル酸とヘキサメチレンジアミンとの等モル塩684gを用いた。
その他の条件は、製造例12と同様の方法によりポリアミドを得た。
得られたポリアミドの全カルボン酸中のイソフタル酸成分比率(x)、全カルボキシル末端基中のイソフタル酸末端基比率(EG)、上記式(1)で示されるパラメータ(Y)、蟻酸溶液粘度等のポリマー特性を上記記載の方法により測定及び算出した。これらを下記表2に示す。
アジピン酸とヘキサメチレンジアミンとの等モル塩1220g、イソフタル酸とヘキサメチレンジアミンとの等モル塩280g、及び全等モル塩成分に対して0.5モル%過剰のアジピン酸を蒸留水1500gに溶解させ、原料モノマーの等モル50質量%均一水溶液を作製した。
この水溶液を、内容積5.4Lのオートクレーブに仕込み、窒素置換した。
110〜150℃の温度下で前記水溶液を撹拌しながら、溶液濃度70質量%まで水蒸気を徐々に抜いて濃縮した。
その後、オートクレーブの内部温度を220℃に昇温した。
このとき、オートクレーブは1.8MPaまで昇圧した。
そのまま2時間、オートクレーブの内部温度が260℃になるまで加熱し、水蒸気を徐々に抜いて圧力を1.8MPaに保ちながら1時間反応させた。
次に、1時間かけてオートクレーブ内の圧力を1MPaまで下げ、次にバルブを閉止し、ヒーターを切り、約8時間かけてオートクレーブの内部温度を常温まで冷却し、ポリアミドを得た。得られたポリアミドを粉砕した後、100℃、窒素雰囲気下で12時間乾燥し、ポリアミドを得た。
得られたポリアミドの全カルボン酸中のイソフタル酸成分比率(x)、全カルボキシル末端基中のイソフタル酸末端基比率(EG)、上記式(1)で示されるパラメータ(Y)、蟻酸溶液粘度等のポリマー特性を上記記載の方法により測定及び算出した。これらを下記表2に示す。
アジピン酸とヘキサメチレンジアミンとの等モル塩570g、及びイソフタル酸とヘキサメチレンジアミンとの等モル塩930gを用いた。
その他の条件は、製造例1と同様の方法によりポリアミドを得た。
得られたポリアミドの全カルボン酸中のイソフタル酸成分比率(x)、全カルボキシル末端基中のイソフタル酸末端基比率(EG)、上記式(1)で示されるパラメータ(Y)、蟻酸溶液粘度等のポリマー特性を上記記載の方法により測定及び算出した。これらを下記表2に示す。
アジピン酸とヘキサメチレンジアミンとの等モル塩570g、及びイソフタル酸とヘキサメチレンジアミンとの等モル塩930gを用いた。
全等モル塩成分に対して0.5モル%過剰のアジピン酸を添加しなかった。
その他の条件は、製造例1と同様の方法によりポリアミドを得た。
得られたポリアミドの全カルボン酸中のイソフタル酸成分比率(x)、全カルボキシル末端基中のイソフタル酸末端基比率(EG)、上記式(1)で示されるパラメータ(Y)、蟻酸溶液粘度等のポリマー特性を上記記載の方法により測定及び算出した。これらを下記表2に示す。
アジピン酸とヘキサメチレンジアミンとの等モル塩1237g、イソフタル酸とヘキサメチレンジアミンとの等モル塩263g、及び全等モル塩成分に対して0.5モル%過剰のアジピン酸を蒸留水1500gに溶解させ、原料モノマーの等モル50質量%均一水溶液を作製した。
この水溶液を内容積5.4Lのオートクレーブに仕込み、窒素置換した。
110〜150℃の温度下で前記水溶液を撹拌しながら、溶液濃度70質量%まで水蒸気を徐々に抜いて濃縮した。
その後、オートクレーブの内部温度を220℃に昇温した。
このとき、オートクレーブは1.8MPaまで昇圧した。
そのまま1時間、オートクレーブの内部温度が260℃になるまで加熱し、水蒸気を徐々に抜いて圧力を1.8MPaに保ちながら1時間反応させた。
次にバルブを閉止し、ヒーターを切り、約8時間かけてオートクレーブの内部温度を常温まで冷却し、蟻酸溶液粘度7のポリアミドを得た。
得られたポリアミドの全カルボン酸中のイソフタル酸成分比率(x)、全カルボキシル末端基中のイソフタル酸末端基比率(EG)、上記式(1)で示されるパラメータ(Y)、蟻酸溶液粘度等のポリマー特性を上記記載の方法により測定及び算出した。これらを下記表2に示す。
(B1)フェノール系安定剤
N,N’−へキサン−1,6−ジイルビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオンアミド)] チバ・ジャパン製 商品名 IRGANOX(登録商標)1098
(B2)ホスファイト系安定剤
ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト ADEKA製 商品名 アデカスタブ(登録商標)PEP−36
(B3)ヒンダードアミン系安定剤
ビス−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−セバケート チバ・ジャパン製 商品名 サノール(登録商標)770
(B4)トリアジン系安定剤
2−(2’−ヒドロキシ−4’−ヘキシルオキシフェニル)−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン チバ・ジャパン製 商品名 TINUBIN(登録商標)167FF
(B5)無機リン系安定剤
次亜リン酸ナトリウム 和光純薬製 商品名 ジ亜リン酸ナトリウム
ガラス繊維(C1) Chongqiung Polycomp International Corporation製 商品名:ECS301HP 平均繊維径:10μm、カット長:3mm
製造例1で作製したポリアミド(A1)100質量部と安定剤(B1)0.1質量部とを、東芝機械社製、TEM35mm 2軸押出機(設定温度:290℃、スクリュー回転数300rpm)にトップフィード口より供給した。紡口より押出された溶融混練物をストランド状で冷却し、ペレタイズしてペレット状のポリアミド樹脂組成物を得た。
また、得られたポリアミド樹脂組成物を用いて、上記記載の方法により成形品を製造し、ハイサイクル成形時の外観安定性、衝撃特性、耐候性の評価を行った。評価結果を下記表1に示す。
(A)ポリアミドの種類、(B)安定剤の種類、配合量を、それぞれ下記表1及び表2に示すように変更した。その他の条件は、実施例1と同様の方法により、ペレット状のポリアミド樹脂組成物を得た。
また、得られたポリアミド樹脂組成物を用いて、上記記載の方法により成形品を製造し、ハイサイクル成形時の外観安定性、衝撃特性、耐候性の評価を行った。評価結果を下記表1及び表2に示す。
ポリアミド(A1)67質量部と安定剤(B1)0.3質量部とを、東芝機械社製、TEM35mm 2軸押出機(設定温度:290℃、スクリュー回転数300rpm)にフィードホッパーより供給した。
さらに、サイドフィード口より、前記ポリアミド(A1)67質量部に対して、ガラス繊維(C1)を33質量部の割合で供給し、溶融混練を行った。紡口より押出された溶融混練物をストランド状で冷却し、ペレタイズしてペレット状のポリアミド樹脂組成物を得た。
また、得られたポリアミド樹脂組成物を用いて、上記記載の方法により成形品を製造し、ハイサイクル成形時の外観安定性、衝撃特性、耐候性の評価を行った。評価結果を下記表1に示す。
ポリアミド(A1)50質量部と安定剤(B1)0.3質量部とを、東芝機械社製、TEM35mm 2軸押出機(設定温度:290℃、スクリュー回転数300rpm)にフィードホッパーより供給した。
さらに、サイドフィード口より、前記ポリアミド(A1)50質量部に対して、ガラス繊維(C1)を50質量部の割合で供給し、溶融混練を行った。紡口より押出された溶融混練物をストランド状で冷却し、ペレタイズしてペレット状のポリアミド樹脂組成物を得た。
また、得られたポリアミド樹脂組成物を用いて、上記記載の方法により成形品を製造し、ハイサイクル成形時の外観安定性、衝撃特性、耐候性の評価を行った。評価結果を下記表1に示す。
ポリアミド(A17)100質量部と安定剤(B1)0.3質量部とを、東芝機械社製、TEM35mm 2軸押出機(設定温度:290℃、スクリュー回転数300rpm)にトップフィード口より供給し溶融混練を行った。しかしながら溶融粘度が低いため、押出加工性が悪く、成形品を得ることができなかった。
ポリアミド(A12)67質量部と安定剤(B1)0.3質量部とを、東芝機械社製、TEM35mm 2軸押出機(設定温度:290℃、スクリュー回転数300rpm)にフィードホッパーより供給した。
さらに、サイドフィード口より、前記ポリアミド(A12)67質量部に対して、ガラス繊維(C1)を33質量部の割合で供給し、溶融混練を行った。紡口より押出された溶融混練物をストランド状で冷却し、ペレタイズしてペレット状のポリアミド樹脂組成物を得た。
また、得られたポリアミド樹脂組成物を用いて、上記記載の方法により成形品を製造し、ハイサイクル成形時の外観安定性、衝撃特性、耐候性の評価を行った。評価結果を下記表2に示す。
一方、(Y)が、−0.3≦(Y)≦0.8の範囲外である比較例3、4、5、8、9のポリアミド樹脂組成物の成形品、及び(x)が0.05≦(x)≦0.5の範囲外である比較例1、2、6、7のポリアミド樹脂組成物の成形品は、表面外観の安定性が大きく低下した。
また、比較例9においては、無機充填材を配合したが、ポリアミドとして(A12)を用いたため、やはり表面外観の安定性に加え、衝撃特性も大きく低下した。
安定剤を配合しなかった比較例10においては、耐候性が大きく低下したことが確認された。
Claims (6)
- (A):(a)アジピン酸とヘキサメチレンジアミンとからなる単位と、
(b)イソフタル酸とヘキサメチレンジアミンとからなる単位と、
を、含むポリアミドであって、
当該ポリアミドが、
(a)アジピン酸とヘキサメチレンジアミンとからなる単位と、(b)イソフタル酸とヘキサメチレンジアミンとからなる単位と、からなるポリアミド、または、
(a)アジピン酸とヘキサメチレンジアミンとからなる単位と、(b)イソフタル酸とヘキサメチレンジアミンとからなる単位と、εカプロラクタムからなる単位と、からなるポリアミドであり、
当該ポリアミド中における全カルボン酸成分中のイソフタル酸成分比率(x)が、0.05≦(x)≦0.5であり、
かつ、下記式(1)で示される(Y)が、−0.3≦(Y)≦0.8である(A)ポリアミドと、
(Y)=[(EG)−(x)]/[1−(x)] ・・・(1)
(前記式(1)中、(EG)は、(A)ポリアミド中に含有されている全カルボキシル末端基中のイソフタル酸末端基比率を示し、下記式(2)で示される。
(EG)=イソフタル酸末端基量/全カルボキシル末端基量 ・・・(2))
(B):耐熱安定剤及び耐光安定剤からなる群より選ばれる少なくとも一種の(B)安定剤と、
を、含有するポリアミド樹脂組成物。 - 前記式(1)で示される(Y)が、0.05≦(Y)≦0.8である、請求項1に記載のポリアミド樹脂組成物。
- 前記(B)安定剤が、フェノール系安定剤、ホスファイト系安定剤、ヒンダードアミン系安定剤、トリアジン系安定剤、イオウ系安定剤、及び無機リン系安定剤からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物である、請求項1又は2に記載のポリアミド樹脂組成物。
- 前記(B)安定剤の含有量が、前記ポリアミド100質量部に対して0.01〜5質量部である、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のポリアミド樹脂組成物。
- 前記(A)ポリアミド30〜95質量部に対して、(C)無機充填材5〜70質量部を、さらに含有する、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のポリアミド樹脂組成物。
- 請求項1乃至5のいずれか一項に記載のポリアミド樹脂組成物を含む成形品。
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