JP5885393B2 - 光学素子および撮像素子 - Google Patents

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Description

本発明は、互いに屈折率が異なる複数の媒質により形成された屈折率パターンが周期的に形成されている光学素子に関する。
近年、固体撮像素子の高機能化が望まれており、画素の大きさがセンシングする電磁波の波長と同程度である場合にも十分な機能が得られるフォトニック結晶を用いた素子が提案されている。フォトニック結晶とは、屈折率が周期的に変化する構造体である。一般に、フォトニック結晶の構造の周期は、相互作用する電磁波の波長と同程度である。またフォトニック結晶の構造は、電磁波の波長ごとに最適化され、特定の波長に対して選択的な効果を有するように設計されるのが一般的である。
特許文献1には、赤、緑、青それぞれの波長に対して機能する赤用、緑用、青用フォトニック結晶を用いて、赤、緑、青それぞれのマイクロレンズに電磁波(光)を垂直に入射させる構成が開示されている。特許文献2には、フォトニック結晶を利用して、赤、緑、青の光を異なる角度に射出して赤、緑、青の三板の異なる固体撮像素子でセンシングする技術が開示されている。この技術は、三板式の固体撮像装置の技術であり、赤、緑、青の光の伝播方向を制御する。特許文献3には、赤、緑、青全ての波長に機能し、波長未満の構造を有する回折格子が開示されている。特許文献3の技術では、赤、青の回折効率を同一の回折格子を用いて制御する。特許文献4には、可視光である白色光を赤、緑、青に色分離する際に用いられるカラーフィルタにより生じる光利用効率の低下を、回折格子を用いて抑制する液晶装置が開示されている。
特開2005−142429号公報 特開2005−79674号公報 特開2006−221976号公報 特開平9−105927号公報
しかしながら、特許文献1に開示された構成では、カラーフィルタを用いることで赤、緑、青いずれかの波長の光をセンシングする際に他の波長の光をカットすることで光の利用効率が低下する。また、本来の物体の色とは異なる色で撮像される偽色と呼ばれる現象が発生する。
また特許文献2は、赤、緑、青の光の伝播方向を制御し三板の固体撮像素子でセンシングするため、細かい周期で赤、緑、青をセンシングすることができない。
特許文献3では、赤と青に対応した2種の回折格子の面積比率を調整することで赤と青の回折効率を制御するが、回折格子の面積比率のみでは独立に調整できる変数が少なく、回折効率を最大化することは難しい。また、緑の光の回折効率を独立に制御する方法について開示されていない。また特許文献3は、格子周期の調整のみで構造の形状の調整は行っておらず、より精密に各波長の光強度分布を制御することができない。
特許文献4は、赤、緑、青それぞれの光が伝播する方向を制御しているが、複数の回折次数の回折効率の相対値を制御していない。このため、それぞれの光強度分布を精密に制御することはできない。
そこで本発明は、複数の波長に対して共通の構造で、波長ごとに異なる機能を有する光学素子および撮像素子を提供する。
本発明の一側面としての光学素子は、互いに屈折率が異なる複数の媒質により形成された屈折率パターンが周期的に形成されている光学素子であって、前記光学素子に入射する3以上の各波長領域の光束に対する最大回折次数は互いに異なり、該各波長領域の光束がそれぞれ周期的に局在するように該各波長領域の光束を出射させ、前記屈折率パターンの単位周期内に複数の前記屈折率パターンを含み、前記複数の屈折率パターンは異なる大きさのパターン、または非相似形のパターンである。
本発明の他の側面としての光学素子は、互いに屈折率が異なる複数の媒質により形成された屈折率パターンが周期的に形成されている光学素子であって、前記光学素子に入射する3以上の各波長領域の光束に対する最大回折次数は互いに異なり、該各波長領域の光束がそれぞれ周期的に局在するように該各波長領域の光束を出射させ、前記光学素子は可視光の光束を出射させる素子であり、x方向とそれに直交するy方向にそれぞれ800nmから2500nmの周期を有し、前記互いに屈折率が異なる複数の媒質はガラスと空隙を含んで構成され、前記屈折率パターンは、xy平面において90度回転対称であり、かつ、該xy平面において円形状およびL字形状の前記空隙を含み、前記空隙の厚さは100nm以上1μm以下である。
本発明の他の側面としての撮像素子は、前記光学素子と、前記光学素子を出射した前記第1の波長領域および前記第2の波長領域の光束が入射する受光領域が周期的に配置されている受光素子とを有する。
本発明の他の目的及び特徴は、以下の実施例において説明される。
本発明によれば、複数の波長に対して共通の構造で、波長ごとに異なる機能を有する光学素子および撮像素子を提供することができる。
本実施形態における光学素子に対して、最大回折次数と屈折率パターン(波長未満の構造)の制御を行う場合の説明図である。 本実施形態において、赤、緑、青の光のセンシングを行う光学素子(撮像素子)の概略図である。 実施例1における光学素子の概略図である。 実施例1の光学素子において、青、緑、赤の波長の光強度分布を示す図である。 実施例2の撮像素子において、赤、緑、青の波長の光強度分布を示す図である。 実施例3の撮像装置において、シリコン内部の光強度分布を示す図である。 実施例4の光学素子において、赤、緑、青の波長の光強度分布を示す図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図において、同一の部材については同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。
本実施形態は、複数の波長に対して共通の構造で、波長ごとに異なる機能を有する光学素子およびその光学素子を用いた撮像素子を提供する。使用する波長ごとに構造を最適化する従来のフォトニック結晶は、一般的に波長ごとに異なる構造を有する。例えば、ガラス基板に円筒形の空隙が周期的に配列した構造の場合、空隙の間隔や直径や深さ(厚さ)が波長ごとに応じて最適化される。
一方、本実施形態における光学素子は、制御対象となる全ての波長に対して共通の構造を有する。ここで、制御対象となる全ての波長とは、最小波長λ1と最大波長λ2に対し、λ1以上でλ2以下の複数の波長(第1の波長領域、第2の波長領域)とする。また、この波長領域に対して機能する光学素子の構造とは、例えば、図4(d)に示されるように、ガラス基板に円筒形や直方体の空隙を有する単位構造を有し、この単位構造が2次元の両方向に周期的に並んだ周期構造を有する。例えば、可視域の光束(赤、緑、青の光束)に対して、光学素子を透過素子として適用する場合を考える。青の光束の波長がλ1であり、赤の光束の波長がλ2である。複数の波長とは、赤、緑、青の3波長となる。光学素子は、赤、緑、青の光束の全てを透過し、任意の伝播距離において、赤、緑、青の光束の光強度分布を制御する。赤、緑、青の光強度分布は、光学素子の周期に対応した周期(強度周期)を有する。光学素子は、この強度周期の単位周期内で、赤、緑、青の光束をそれぞれ異なる位置に集中させる(局在させる)機能を有する。また光学素子は、構造(屈折率パターン)を変えることで、強度周期の単位周期内で、赤、緑、青の光束を同じ位置に集中させる(局在させる)こともできる。更に光学素子は、赤、緑、青の光束の光強度分布を様々な分布に制御することも可能である。
本実施形態において、光学素子に入射する第1の波長領域の光束に対する最大回折次数は、第1の波長領域よりも長い第2の波長領域の光束に対する最大回折次数よりも大きい。ここで、「最大回折次数」を定義する。光学素子に入射した赤、緑、青の3波長の光は、それぞれの波長に対応した回折光を発生する。このとき、回折光の回折次数をx方向にdm、y方向にdnの(dm,dn)と表すと、発生する回折光の最大次数は、赤、緑、青の3波長で一般に異なる次数になる。このとき、最大次数はdm+dnの最大値であり、これを最大回折次数と表記する。波長λ1(第1の波長領域)の最大回折次数をx方向にm1、y方向にn1の(m1,n1)と表す。同様に、波長λ2(第2の波長領域)の最大回折次数を(m2,n2)と表す。m1,n1は、波長λ1と光学素子の周期Lx、Lyから一意に決定される。同様に、m2,n2は、波長λ2と光学素子の周期Lx,Lyから一意に決定される。なお、波長λ1、λ2はλ1<λ2の関係を有する。
赤、緑、青の光束の光強度分布を制御する光学素子の機能は、以下に述べる光学素子の2つの構成要件から実現できる。
第1の構成要件は、光学素子の周期が、m1+n1>m2+n2を満たすことである。例えば、光学素子のx方向の周期Lxとy方向の周期Lyが等しくL=Lx=Lyである場合、m1+n1は最小でも1でなければならない。このため、第1の構成要件を満たすには、Lは少なくとも波長λ1よりも大きく、波長λ1の回折光が出るように構成されている必要がある。このとき、例えば、波長λ2が光学素子の周期Lよりも大きな場合、m2=0かつn2=0になるため、m1+n1>m2+n2を満たす。さらに、L≧3×λ1かつL<4×λ1の場合、m1=3かつn1=0となる。このとき、(m2、n2)が(2,2)となる場合にも、m1+n1>m2+n2を満たす。これ以外でも、(m2、n2)が(2,1)、(1、2)、(1,1)、(1,0)、(0,1)、(0,0)のいずれかである場合にも、m1+n1>m2+n2を満たす。このように、光学素子によって生じる回折光の最大回折次数が波長λ1、λ2で異なるように光学素子の周期Lが設定される。
続いて、光学素子の周期Lx、Lyと波長λ1(または波長λ2)から最大回折次数(m1、n1)(または(m2、n2))のm1+n1(またはm2+n2)を一意に決定する式について説明する。ここで、δ1<(2π/Lx)かつδ1<(2π/Ly)、δ2<(2π/Lx)かつδ2<(2π/Ly)を満たすδ1、δ2を定義する。このとき、整数m1、n1に対して、以下の式(1)を満たすように、整数m1+n1が一意に決定される。
(2π/λ1)=sqrt[m1×(2π/Lx)+n1×(2π/Ly))+δ1] … (1)
同様に、整数m2、n2に対して、以下の式(2)を満たすように、整数m2+n2が一意に決定される。
(2π/λ2)=sqrt[m2×(2π/Lx)+n2×(2π/Ly))+δ2] … (2)
ここで、sqrt[ ]はルートを意味する。
第1の構成要件であるm1+n1>m2+n2を満たすことで、波長λ2では生じず波長λ1で生じる回折次数が存在する。このため、光学素子に入射する波長λ1(第1の波長領域)の光束に対する最大回折次数を、波長λ2(第2の波長領域)の光束に対する最大回折次数よりも大きくすることで、波長λ1、λ2の光束の光強度分布をそれぞれ制御することができる。例えば、光学素子を透過した波長λ1、λ2の回折光を強度周期の単位周期内において互いに異なる位置に集中させる(局在させる)ことができる。また、波長λ1、λ2の光束を同じ位置に集中させる(局在させる)こともできる。ただし、最大回折次数を波長λ1、λ2とで異ならせるのみでは、これらの光束の光強度分布を精密に制御することは困難である。なぜなら、光強度分布の精密な制御には、最大回折次数のみでなく、複数の回折次数における回折効率の相対値を制御する必要があるためである。そこで本実施形態では、第2の構成要件として、複数の回折次数における回折効率の相対値を制御する条件が必要となる。
第2の構成要件は、光学素子が単位周期内に波長未満の構造(屈折率パターン)を有することである。波長未満の構造の屈折率、形状、大きさを調整することで、光強度分布を制御することができる。波長未満の構造は、非相似形の複数の形状であってもよい。形状を限定しないことで設計自由度が増し、より高精度な光強度分布の制御が可能になる。波長未満の構造は、非伝播光の制御に用いられることが一般的である。しかし波長未満の構造によって、伝播光である回折光の回折効率を制御することも可能である。したがって、波長未満の構造を調整することで非伝播光の影響が消える遠方における光強度分布を制御することができる。本実施形態の光学素子は、波長未満の構造を調整することによって回折効率を積極的に制御する。
特許文献3では、赤と青の波長に対応した周期によって回折効率を制御している。本手法は、周期によってのみでなく波長未満の構造が持つ形状に応じて回折効率を制御する。このような構成により、より高効率な光利用効率を得ることができる。また本手法では、赤と青の2波長に限らない複数の波長に対して光強度を制御できる。これについては、実施例1において詳述する。また実施例2では、波長未満の構造が回折効率を変化させる効果について説明する。光学素子の単位格子に含まれる波長未満の構造(屈折率パターン)は、相似形の複数の形状であってもよい。また、単位格子に複数の波長未満の構造がある場合に限定されるものではなく、単位格子に1つの波長未満の構造があってもよい。このとき、例えば円形のように半径のみで決定される構造よりも、複雑な構造であればより多くの設計自由度が得られる。また、波長未満の構造を考える際の波長は、波長幅を有する波長領域であってもよい。この波長幅は、最大回折次数が共通の範囲の値であるとする。本実施形態において、波長未満の構造(屈折率パターン)は、波長領域(例えば、第2の波長領域(波長λ2))の代表値(例えば、波長領域の最大波長や中心波長)よりも小さな構造と定義する。
以上のとおり、本実施形態の光学素子は、波長λ1の回折光の最大次数(m1,n1)、波長λ2の回折光の最大次数(m2、n2)に対し、m1+n1>m2+n2を満たす周期Lを有し、かつ、単位周期内に波長λ2未満の構造を有する。
続いて、図1を参照して、本実施形態における光学素子について説明する。図1は、光学素子に対して、最大回折次数と屈折率パターン(波長未満の構造)の制御を行う場合の説明図である。
図1(e)、(j)は、ともに光学素子の単位周期(xy平面)を示している。単位周期は、Lx=Ly=L=540nmである。光学素子は、ガラスに空隙を設けて形成されており、図1(e)、(j)中の黒色部が空隙(空気)を示し、白色部がガラス示している。z方向(紙面垂直方向)の厚さは300nmである。本実施形態の光学素子は、このような構造体の上下にそれぞれ100nmの2枚のガラス板で挟んで構成される。全体の厚さ500nmの光学素子に4つの波長の電磁波を垂直(z方向)に入射させる。電磁波の偏光はy方向(図1中の縦方向)とする。このときの透過光の光強度分布について説明する。図1には、光学素子を射出してから空気中を1μmの距離だけ伝播した面に形成される強度周期の単位周期が示されている。1μmの伝播距離は、表面プラズモン効果など近接場効果を扱う距離よりも大きな距離である。光学素子に入射する電磁波の4つの波長は、本実施形態では250nm、300nm、530nm、660nmである。これらの波長のうち最小波長である波長λ1=250nmと最大波長である波長λ2=660nmに対して回折光の最大次数が異なるように、単位周期L=540nmが設定される。本実施形態では、最小波長と最大波長を含め、全ての波長に対して最大次数が異なる。
図1(a)〜(d)は、4つの波長の電磁波に対する回折光を示している。図1(a)〜(d)はそれぞれ、250nm、300nm、530nm、660nmの波長の電磁波に対する回折光である。それぞれの最大回折次数(m、n)=(2,0)または(0,2)と、(1,1)と、(1,0)または(0,1)と、(0,0)とで互いに異なっている。この最大回折次数の違いに対応して、図1(e)の構造に対しては、図1(f)〜(i)に示されるように光強度分布が変化する。同様に、図1(j)の構造に対しては、図1(k)〜(n)に示されるように光強度分布が変化する。このように、本実施形態の光学素子は、各波長の光束に対して互いに異なる光強度分布を形成することが可能である。
また、同じ波長の電磁波に対しても、図1(e)の構造を有する光学素子と図1(j)の構造を有する光学素子は、互いに異なる光強度分布を形成する。図1(e)、(j)の光学素子では、いずれも単位周期L=540nmを有するため、この違いは波長未満の構造(屈折率パターン)によるものである。この波長未満の構造の形状を様々に変化させることで、波長ごとに回折効率を制御して、光強度分布を制御することができる。図1(e)の光学素子は、屈折率パターンの単位周期内に複数の屈折率パターンを含み、複数の屈折率パターンは、異なる大きさのパターンまたは非相似形であるパターンで構成される。各々の形状、大きさ、位置関係を変化させることで、光強度分布を制御することが可能である。また図1(j)の光学素子は、複数の構造を含まずH型の空隙構造が設けられている。H型の空隙構造は、縦の長さや横の長さ、空隙の太さなど円の構造よりも多くの形状変数があり、これらの形状変数を変化させることで光強度分布を制御することが可能である。このように、使用波長に対して回折光の最大次数が異なる周期に調整し、かつ波長未満の構造(屈折率パターン)を変化させることで、任意の伝播距離にて光強度分布を精密に制御することができる。
なお特許文献3の技術は、赤、緑、青の波長の光に対して、赤と青の光の回折効率を制御し、緑は間接的に制御している。緑を独立に制御することが困難な理由の1つに以下のことが考えられる。特許文献3の構造は周期650nmの構造である。これに対し、赤の波長は650nm、青の波長は450nmである。これらの条件から、赤の光の最大回折次数は(1,0)または(0,1)である。青の光の最大回折次数は(1,1)である。450nmより大きく650nm未満の緑の波長の最大回折次数は、赤の波長の最大回折次数か青の波長の最大回折次数のいずれか一方と等しい。このため、緑の波長の光のみが有する回折次数の分布が無く、緑を独立に制御することが困難になる。一方本実施形態では、固体撮像素子を例として、赤、緑、青の波長の最大回折次数を異なるように周期を設定している。このような構成により、緑の光も独立に回折効率を制御することができる。これについては、実施例1で説明する。
続いて、光学素子を備えた撮像素子(固体撮像素子)について説明する。本実施形態において、具体的には赤(660nm)、緑(550nm)、青(440nm)の波長の光をセンシングする際に用いられる光学素子を備えた固体撮像素子について説明する。固体撮像素子は、シリコンで赤、緑、青の波長の光を光電変換してセンシングする一般的な素子である。光学素子を用いて、赤、緑、青の光をシリコンの別々の位置に集光する(局在させる)ことで、シリコンの異なる位置で赤、緑、青の光をセンシングすることができる。
図2は、赤、緑、青の光のセンシングを行う光学素子(撮像素子)の概略図である。RGB1は入射光であり、赤、緑、青の光束を含む白色光である。BLは、光学素子の単位周期に相当する構造体である。RGB2は、構造体BLから出射した透過光である。Siは、青、緑、赤の光束の光強度分布をセンシングする面(以下、「センシング面」という。)における強度周期の単位周期(以下、「強度単位周期」という。)である。R(黒色部)は赤の波長の光強度が高い領域、G(斜線部)は緑の波長の光強度が高い領域、B(ドット柄)は青の波長の光強度が高い領域をそれぞれ示す。これは、単位周期に相当する領域であり、このような領域が周期的に配列される。このように、周期的な構造体BLを有する光学素子は、各波長の光束が周期的に局在するように各光束を出射させる。そして、この光学素子を有する撮像素子は、赤、緑、青の異なる光強度分布に対応してそれぞれの波長の光強度が高い位置で赤、緑、青の光をセンシングする。このように、赤、緑、青ごとに異なる光強度分布を、色ごとに光強度分布の密度が高い位置でセンシングすることで、原理的にはカラーフィルタを用いずに色分離することが可能である。
強度単位周期内の赤、緑、青の光強度分布が互いに重なり合いのない理想的な分布であって、かつ構造体BLの透過率が100%の理想的な場合、100%の効率で赤、緑、青の全ての波長をセンシングすることができる。これは、構造体の透過率が100%であってベイヤー配列でセンシングした場合に赤25%、緑50%、青25%となることと比較すると、高い光利用効率である。また、波長ごとに異なる位置に光強度分布を集中させる(局在させる)ことで、撮像素子内に構成する遮光アルミ層を簡易化または省略することが可能である。さらに、光学素子の強度単位周期内において、赤、緑、青の全ての波長をセンシングできるため、偽色の発生が抑制される。光学素子の周期は、物体を撮像する際の空間分解能(画像の画素ピッチ)に相当する。これは、波長と同程度から2倍程度の長さであり、この大きさの分解能でセンシングできることに対応する。このため、波長よりも大きな巨視的な構造による固体撮像素子よりも高精細化の達成が可能である。また、赤、緑、青の各光束が周期的に異なる位置に局在するように各光束を出射することで、それぞれの波長の光強度が高い位置でセンシングすることが可能になる。このため、より弱い光もセンシングすることが可能となり高感度化が達成できる。これについては、実施例2で詳述する。
また、強度単位周期内で赤、緑、青の光束を全て同一の位置に局在させることも可能である。例えば、配線スペースを避けた位置が赤、緑、青の波長が異なっても同じ位置であるとした場合、配線スペースを避けた位置に赤、緑、青の光強度の面密度を増強させることができる。これについては、実施例3で詳述する。この場合、赤、緑、青の色分離はカラーフィルタを用いて行うことが好ましい。光学素子を用いて形成した光強度分布を、カラーフィルタで色分離することも可能である。またセンシング面の深さは、赤、緑、青の各波長に対して同一でも異なっていてもよい。また、本実施形態における光学素子(撮像素子)に適用可能な光束の波長領域は、可視光の領域に限定されるものではなく、紫外、赤外、テラヘルツ波などの領域でもよい。使用する波長領域に適した周期構造体を備えることにより、本実施形態の光学素子は、可視光に限定されない電磁波に対しても効果的に機能する。
以下、各実施例において、光学素子(撮像素子)の具体的な構造について説明する。
まず、実施例1において、赤(660nm)、緑(550nm)、青(440nm)の波長の光強度分布を制御する光学素子について説明する。赤、緑、青の波長を含む白色光が、光学素子に垂直に入射する場合を考える。白色光の偏光は、無偏光(x偏光+y偏光)であるとする。
図3は、本実施例における光学素子の概略図である。図3(a)は光学素子の断面構造図であり、構造体BLで示された箇所が光学素子の単位周期構造を示す。白色光RGBが構造体BLに垂直に(z方向に)入射する。構造体BLの下部には反射防止膜ARが設けられている。反射防止膜ARは、11層の多層膜構造を有する。反射防止膜ARの11層の厚さの合計は550nmである。ただし、反射防止膜ARの層数、材質、厚さなどは適宜変更可能である。反射防止膜ARの下部にはシリコンSiが設けられている。本実施例において、制御対象である光強度分布は、シリコンSiの上面における分布である。
図3(b)は光学素子を構成する構造体BLの構造図である。図3(b)に示されるように、光学素子は3層構造であり、1層目の構造体BL1は厚さ400nmのガラス、2層目の構造体BL2は空隙が設けられた厚さ400nmのガラス、3層目の構造体BL3は厚さ400nmのガラスである。本実施例において、空隙(屈折率パターン)が設けられた構造体は2層目の構造体BL2のみである。1層目と3層目の構造体BL1、BL3は、屈折利パターンを有しないため、2層目に対するx、y方向のシフトが無視できる。このため、光学素子の形成に際して各層のアライメントが容易である。2層目の構造体BL2は、単位周期Lx=Ly=L=1300nmの周期構造を有する。
図4は、本実施例における青、緑、赤の波長の光強度分布を示す図である。本実施例では、単位格子の構造体を2パターン考え、2パターンの構造体を図4(d)、(k)に示す。図4(d)、(k)において、白色部がガラス、黒色部が空隙(空気)を示している。これら2パターンの構造体はいずれも周期1300nm、厚さ400nmを有する。また、これらの構造体はいずれも、上下に厚さ400nmのガラスで挟まれている。反射防止膜ARもシリコンSiも共通である。図4(d)、(k)のパターンの詳細を、それぞれ図4(o)、(p)に示す。
図4(a)〜(c)は、図4(d)の構造体に対してそれぞれ青、緑、赤の光を入射させた際の回折光の回折光分布である。回折光分布は、空隙の屈折率1におけるものである。白丸は、回折効率が大きく、光強度分布への寄与が大きい回折光である。黒丸は、回折効率が小さく、光強度分布への寄与が小さい回折光である。青、緑、赤それぞれの光束における最大回折次数は異なり、青、緑、赤の光強度分布を独立に制御することができる。ガラスの屈折率においても、青、緑、赤それぞれの最大回折次数は異なる。図4(h)〜(j)は、図4(k)の構造体に対して青、緑、赤の光を入射させた際の回折光の回折光分布である。構造体の周期Lは等しいため、青、緑、赤の最大回折次数は、図4(d)の構造体と等しい。ただし、各回折次数の回折効率は、白丸と黒丸の配置が互いに異なるため、図4(d)の構造体と異なる。このため、波長未満の構造(屈折率パターン)を調整することで回折効率を調整することができる。
続いて、光強度分布について説明する。図4(e)〜(g)は、図4(d)の構造体に対する、それぞれ青、緑、赤の光強度分布の単位周期を示す。青、緑、赤の波長ごとに光強度分布の単位周期において異なる位置に光強度が集中している(局在している)。図4(l)〜(n)は、図4(k)の構造体に対する、それぞれ青、緑、赤の光強度分布の単位周期を示す。青、緑、赤の波長全てに対して、光強度分布の単位周期において中央部に強度が集中している(局在している)。図4(d)と図4(k)の構造体が形成する光強度分布の違いは、構造体の周期が1300nmで同じであるため、波長未満の空隙構造の違い(屈折率パターンの違い)により生じる。この波長未満の空隙構造で回折効率を調整することで、図4(d)と図4(k)の構造体で異なる光強度分布が得られる。本実施例のように、青、緑、赤の光強度分布を互いに異なる位置に、また、同じ位置にも集中させることができる。図4(d)や図4(k)の単位構造を有する光学素子は、光強度分布を制御する光学素子として機能する。
このように、本実施例の光学素子は、波長未満の構造の形状を制御することで、複数の回折次数の回折効率の相対値を制御し、波長ごとに光強度分布を制御することができる。波長未満の構造の形状を変化させることで光強度分布を制御可能であり、より精密に光強度分布を制御することができる。
次に、実施例2において、赤(660nm)、緑(550nm)、青(440nm)の波長の光強度分布を制御する光学素子を撮像素子(固体撮像素子)に適用した場合ついて説明する。本実施例の撮像素子は、赤、緑、青の各波長の光をセンシングする光学素子を備えた固体撮像素子であり、シリコンで赤、緑、青の各波長の光を光電変換してセンシングする一般的な素子である。撮像素子は、具体的には、光学素子と、光学素子を出射した第1の波長領域(波長λ1)および第2の波長領域(波長λ2)の光束が入射する受光領域(赤、緑、青の3つの受光領域が配置されます)が周期的に配置されている受光素子とを有する。
撮像素子は、実施例1で説明した図3(a)に示される構造体を有する。赤、緑、青の波長の光は、光学素子の構造体BLを透過して、実施例1と同じ構成の反射防止膜ARを透過した後、センシング面であるシリコンSiの上面でセンシングされる。本実施例における光学素子の構造体BLとしては、図3(b)の構造体BL2が図4(d)の構造を有するものが用いられる。図4(d)の構造体は、青、緑、赤の光束を互いに異なる位置に集光する(局在させる)。この機能を用いて、撮像素子は、シリコンSiの異なる位置で青、緑、赤の光をセンシングすることができる。構造体の周期1300nmは、物体を撮像する際の空間分解能(画像の画素ピッチ)に相当する。
図5は、本実施例の撮像素子において、赤、緑、青の波長の光強度分布を示す図である。図5(a)〜(c)は、図4(e)〜(g)を再掲したもので、光学素子の構造体BLを透過した光がセンシング面で形成する光強度分布を示す。図5(a)〜(c)はそれぞれ、青、緑、赤の波長の光強度分布である。これらの光強度分布は全て、光学素子と同じ1300nmの周期を有する。図5(a)〜(c)は強度単位周期を示し、各波長で光強度が高い位置は異なる。各波長で異なる位置に光強度を集中(局在)させる場合、図4(d)の構造体のように、例えばL字形状の直線を含む形状で偏光との相互作用を利用することが好ましい。このとき、直線の方向は、光学素子が有する周期方向と垂直方向であることが好ましい。また、L字形状は、凹形(concave)の形状の一種であり、凸形(卵形、convexとも言われる)ではない形状である。凸形とは、形状の内部に含まれる任意の2点を含む線分が必ず形状の内部に含まれる形状を意味し、へこみが無い形状である。また凹形とは、形状の内部に含まれる任意の2点を含む線分が必ずしも形状の内部に含まれない形状であり、へこみがある形状である。光学素子は、凹形の形状の屈折率パターンを有する場合、各波長で異なる位置に強度を集中させる効果が大きくなる場合がある。図5(e)〜(g)は、各波長で強度が高い位置を抽出したものである。センシングしない領域を黒色(0.0)で示している。図5(e)〜(g)はそれぞれ、青、緑、赤をセンシングする領域を示している。青、緑、赤のセンシング領域は重ならない。図5(d)は、単位周期の青、緑、赤のセンシング領域である。ドット柄が青、斜線部が緑、黒色部が赤のセンシング領域をそれぞれ示す。
この領域でセンシングされる光は、図5(a)〜(c)の透過光量に対して、青50%、緑52%、赤41%である。一般的なベイヤー配列を用いると、カラーフィルタの透過率が100%の理想的な場合でも青25%、緑50%、赤25%となる。このため、本実施例の光学素子を用いて色分離を行うと、高い光利用効率が得られる。図5(d)に示されるセンシング領域に対応したカラーフィルタを用いることで、色分離の効果をさらに高めることも可能である。また、図5(d)に示される各波長に対応したセンシング領域の面積を調整することで、青、緑、赤のセンシング効率を調整することができる。
図5(h)〜(j)は、2層目に空隙を設けない構造体(屈折率パターンのない構造体)と本実施例の光学素子との比較図である。屈折利パターンのない構造体を用いた場合の光強度は、厚さ1200nmのガラスを透過して、同一の反射防止膜構造を透過して、同一のSiのセンシング面に到達する光強度である。図5(h)〜(j)は、この光強度分布と本実施例の光学素子を透過した図5(a)〜(c)の光強度分布とを比較している。図5(h)はy=L/2(中央)における青の波長の光強度分布、図5(i)はy=L/4における緑の波長の光強度分布、図5(j)はy=L/4における赤の波長の光強度分布である。それぞれの図において、屈折率パターンのない構造体の光強度分布は、x方向に一様な分布として示されている。白色の領域がセンシングされる領域で、灰色の部分は他色の光のセンシングに用いられる領域を示す。センシングされる光強度は、屈折率パターンがない構造体に比べ、光学素子を用いた方がより高い。
このように、本実施例によれば、高感度化を達成することができる。また、マイクロレンズを併用するなどにより、さらなる高感度化も可能である。なお本実施例において、センシング面は青、緑、赤で同一の面であるが、各波長で異なる深さでセンシングするように構成してもよい。また本実施例の撮像素子は、高効率および高感度を実現している。また、1300nmの1周期で赤、緑、青の全ての波長の光をセンシングするため、偽色の発生を抑制することができる。
図5(k)〜(m)は、光束を斜入射(x方向に5度)した場合における青、緑、赤の光強度分布である。斜入射の影響で光強度分布はx方向にシフトしているが、各色で強度が集中する位置関係は保たれている。このため、斜入射特性を考慮して光学素子の設計を行うことも可能である。図5(n)〜(p)はそれぞれ、青、緑、赤のシリコンSiにおける光強度分布である。図中において、縦方向は深さ方向(z[nm]方向)、横方向はx[nm]方向であり、単位周期1300nmの範囲を示している。図5(n)はy=L/2(中央)の断面、図5(o)、(p)はy=L/4の断面である。図5(n)〜(p)は、強度値のスライスレベル0.7、0.6、0.4、0.2を示している。また比較のため、屈折率パターンが無い構造体である、厚さ1200nmのガラス板を光が透過してさらに反射防止膜ARを透過した場合の強度値が0.2となる深さを、矢印で示している。
一般の撮像素子において、センシングの効率の観点で、青の光はシリコンSi内により深くまで侵入し、赤の光はシリコンSiのより浅い位置でより多く吸収されることが好ましい。図5(n)に示されるように、青色の光は強度が集中した位置(局在位置)においてシリコンSi内により深くまで侵入している。また図5(p)に示されるように、赤の光はシリコンSiのより浅い位置でより多く吸収される。本実施例の撮像素子によれば、青の光と赤の光を同じ深さの範囲でセンシングする効率を向上させることができる。
図5(n)〜(p)には、図5(d)に示される位置で青、緑、赤の光をセンシングするz方向の領域を、それぞれB、G1、Rで示している。この領域は、強度値が1.0以上の光が0.7以下になるまでシリコンSiに吸収される領域である。青、緑、赤の全ての光に対して、深さ方向に100nm以上の範囲となっている。図5(o)において、緑の光は、深さの違いで強度が集中するx方向の位置が変化している。例えば図5(o)中のG2で示される深さの領域では、緑の光を図5(d)中の黒色の領域でセンシングしてもよい。図5(d)中の黒色の領域は、図5(p)のRで示される深さでは、赤の光をセンシングする領域である。このように、深さ方向に異なる位置では、青、緑、赤それぞれの光をセンシングするxyの領域を、異なる色に配分してもよい。また、深さ方向に異なる位置では、青、緑、赤それぞれの光をセンシングするxyの領域を異なる領域に区分けしてもよい。
本実施例において、構造体BL1は屈折率パターンを有する構造体BL2の保護層としての役割を有する。構造体BL1の厚さは400nmに限定されるものではなく、これよりも大きな厚さを有する場合でも光学素子は本実施例と同様の機能を有する。また、構造体BL1の層が無い場合でも、光学素子は本実施例と同様の機能を有する。
次に、実施例3において、赤(660nm)、緑(550nm)、青(440nm)の波長の光強度分布を制御する光学素子を撮像素子(固体撮像素子)に適用した場合ついて説明する。本実施例における光強度分布は、実施例1のセンシング面での光強度分布である。
本実施例の光学素子は、図3(b)に示されるような3層構造で、図3(b)の1層目は厚さ400nmのガラス、2層目は空隙を設けた厚さ400nmのガラス、3層目は厚さ400nmのガラスである。本実施例では、屈折率パターンがある層が2層目のガラスのみであるため、各層のアライメントが容易となる。2層目の構造体は実施例2と異なり、図4(k)に示される構造体である。図4(k)において、白色部がガラス、黒色部が空隙(空気)を示す。単位構造の縦と横の長さはともに1300nmである。この詳細図を図4(p)に示す。
図4(l)〜(n)はそれぞれ、青、緑、赤の波長の光強度分布を示す。前述のように、3つ全ての光強度分布において、単位構造の中心部で強度の値が高い。青、緑、赤の波長の光をセンシングする場合、単位構造の中心部でセンシングすることが好ましい。単位構造の周辺部に配線や枠があり単位構造の中心部に受光部があるセンシング構造において、効率よくセンシングすることができる。また、周期1300nmという微細な周期において、効率よく光強度分布を中心部に集中させることが可能である。
図6(a)〜(c)は、本実施例の撮像装置において、それぞれ青、緑、赤のシリコン内部の光強度分布を示す図である。図6中の縦方向は深さ方向(z[nm]方向)、横方向はx[nm]方向であり、単位周期1300nmの範囲が示されている。図6(a)〜(c)は全て、y=L/2(中央)の断面である。図6(a)〜(c)には、強度値のスライスレベル1.8、1.5、1.0、0.8が示されている。屈折率パターンが無い場合の厚さ1200nmのガラス板を光が反射防止膜ARを透過した場合、シリコンSiに到達する強度値は、青が0.43、緑が0.49、赤が0.53である。本実施例では、図4(k)の屈折率パターンを用いて光強度を枠や配線を避けた中央部に集中させることで、屈折率パターンが無い場合の強度値よりも高い強度値を達成している。すなわち、より強度の低い光でも、シリコン内部(単位格子の中央部)に透過させることができ、高感度化が達成可能である。
一般の撮像素子は、センシングの効率の観点で、青、緑、赤の光をシリコン内の同じ深さで吸収することが好ましい。図6(a)中のBで示される範囲、図6(b)中のGで示される範囲、および、図6(c)中のRで示される範囲は、それぞれ、青、緑、赤の光強度が1.8以上から0.8まで吸収される領域である。これらB,G,Rの範囲がシリコン内の略同じ範囲であるため、青、緑、赤の光がシリコン内の略同じ深さで吸収される。また、深さ方向に800nm以上の範囲で、青、緑、赤の光強度が中央部に集中している。
なお本実施例において、赤、緑、青の色分離はカラーフィルタを用いて行うことが好ましい。本実施例の撮像素子は、シリコンの画素構造が色別に分離されないため、実施例2と比べて単純な画素構造を用いて得られる。
次に、実施例4において、周期がx方向のみで金属を含む構造体(光学素子)について説明する。本実施例の構造体は、y方向に対しては一様の構造を有する。図7は、赤、緑、青の波長の光強度分布を示す図である。図7(a)において、横方向をx方向、縦方向をz方向、紙面に垂直な方向をy方向とする。また、構造体の周期は、Lx=1300nmである。赤(652nm)、緑(550nm)、青(430nm)の波長に対して、回折光は、それぞれ1次、2次、3次の異なる最大回折次数を有する。
図7(a)は、ガラスSiO2に空隙Vacを設けた構造体(単位周期)であって、構造体の下に反射防止膜ARが設けられている。また図7(c)は、白色光(偏光はy方向)がこの構造体に垂直に入射した場合のシリコンSi上面における光強度分布を示している。R,G,Bはそれぞれ赤(652nm)、緑(550nm)、青(430nm)の波長に対応する。
図7(b)は、図7(a)の構造に金属である銅Cuを付加した構造体である。図7(d)は、この図7(b)の構造におけるSi上面における強度分布である。銅の構造が加えられた他は、入射する白色光や反射防止膜の構造は図7(a)と同様である。図7(d)は、図7(c)に比べ、赤、緑、青の波長の光強度が波長ごとに異なる位置に集中している。このように、x方向のみ周期を持つ構造体においても、光強度を波長ごとに制御することが可能である。また、金属媒質の屈折率パターンの形状や大きさを調整して共鳴現象を利用し、光強度分布を制御してもよい。
上記各実施例(実施例3を除く、波長別に異なる位置に光強度を集中させる実施例)における屈折率パターンの形状において、屈折率パターンの最大屈折率nに対し、第1の波長領域の中心波長の(1/4n)倍以上の長さの直線形状を含むことが好ましい。直線形状を含むことで、屈折率パターンの境界と入射光の偏光との相互作用が強く生じ、光強度が集中する機能が得られる場合があるためである。
また、上記各実施例(実施例3を除く、波長別に異なる位置に光強度を集中させる実施例)において、光学素子は可視光の光束を出射させる素子であり、x方向とそれに直交するy方向にそれぞれ800nmから2500nmの周期を有する。そして、上述の互いに屈折率が異なる複数の媒質は、ガラスと空隙を含んで構成される。さらに屈折率パターンは、xy平面において90度回転対称であり、かつ、xy平面において円形状およびL字形状の空隙を含み、空隙の厚さは100nm以上1μm以下であることが好ましい。
上記各実施例によれば、複数の波長に対して共通の構造で、波長ごとに異なる機能を有する光学素子および撮像素子を提供することができる。各実施例の光学素子は、複数の波長の伝播方向のみでなく複数の波長の強度分布を制御する素子である。このため、例えば、電磁波をセンシングする際の効率の向上と偽色の抑制が可能である。なお、上記各実施例の光学素子により光強度分布を制御する場合、位相や偏光も同時に制御される。このため光学素子は、光強度分布に限らず位相や偏光を制御するものであってもよい。
上記各実施例の光学素子およびそれを備えた撮像素子は、デジタルビデオカメラ、デジタルスチルカメラ、カメラ付携帯電話、放送機器、デジタル顕微鏡、計測器、ロボットアイ、テラヘルツ電磁波のセンシングなどの各種装置に適用可能である。また、太陽電池やディスプレイ、アンテナ、レーザーにも適用可能である。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
RGB1:白色光(入射光)
BL:構造体
RGB2:白色光(出射光)

Claims (8)

  1. 互いに屈折率が異なる複数の媒質により形成された屈折率パターンが周期的に形成されている光学素子であって、
    前記光学素子に入射する3以上の各波長領域の光束に対する最大回折次数は互いに異なり、該各波長領域の光束がそれぞれ周期的に局在するように該各波長領域の光束を出射させ
    前記屈折率パターンの単位周期内に複数の前記屈折率パターンを含み、前記複数の屈折率パターンは異なる大きさのパターン、または非相似形のパターンである、ことを特徴とする光学素子。
  2. 前記各波長領域の光束を互いに異なる位置に局在させることを特徴とする請求項1に記載の光学素子。
  3. 前記各波長領域の光束を同じ位置に局在させることを特徴とする請求項1に記載の光学素子。
  4. 前記3つ以上の各波長領域のうち第1の波長領域の光束に対する最大回折次数は、該第1の波長領域よりも長い第2の波長領域の光束に対する最大回折次数よりも大きく、
    前記屈折率パターンが前記第2の波長領域の中心波長よりも小さな屈折率パターンを有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の光学素子。
  5. 前記屈折率パターンの形状において、凹形の形状を含むことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の光学素子。
  6. 前記3つ以上の各波長領域のうち第1の波長領域の光束に対する最大回折次数は、該第1の波長領域よりも長い第2の波長領域の光束に対する最大回折次数よりも大きく、
    前記屈折率パターンは、該屈折率パターンの最大屈折率nに対し、前記第1の波長領域の中心波長の(1/4n)倍以上の長さの直線形状を含むことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の光学素子。
  7. 互いに屈折率が異なる複数の媒質により形成された屈折率パターンが周期的に形成されている光学素子であって、
    前記光学素子に入射する3以上の各波長領域の光束に対する最大回折次数は互いに異なり、該各波長領域の光束がそれぞれ周期的に局在するように該各波長領域の光束を出射させ、
    前記光学素子は可視光の光束を出射させる素子であり、
    x方向とそれに直交するy方向にそれぞれ800nmから2500nmの周期を有し、
    前記互いに屈折率が異なる複数の媒質はガラスと空隙を含んで構成され、
    前記屈折率パターンは、xy平面において90度回転対称であり、かつ、該xy平面において円形状およびL字形状の前記空隙を含み、
    前記空隙の厚さは100nm以上1μm以下であることを特徴とする光学素子。
  8. 請求項1乃至のいずれか1項に記載の光学素子と、
    前記光学素子を出射した前記各波長領域の光束が入射する受光領域が周期的に配置されている受光素子と、を有することを特徴とする撮像素子。
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