JP5884544B2 - 光学的粒子計測装置 - Google Patents

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本発明はナノメータサイズの微粒子を含むエアロゾル中の粒子数を計数するための計測装置に関し、特に、エアロゾルの粒子数をCPC(Condensation Particle Counter)装置により測定する装置に関する。エアロゾルは、固体又は液体の微粒子が気体中に比較的安定して浮遊して存在している状態のものであり、自動車の排気ガスや工場からの排出ガスなどを含む。
CPC装置では、過飽和蒸気でエアロゾル中の粒子上に液滴を凝縮させて成長させることにより粒径を大きくした後に、サンプリング領域でエアロゾルの流れにレーザビームを照射する。そして、エアロゾル中の粒子によるレーザ散乱光によるパルス信号をホトダイオードなどの光検出器で受けて計数して粒子数を求める(特許文献1参照。)。
その際、レーザビーム照射のための光学系の汚れなどによるレーザビーム強度の低下や、レーザビームのフォーカスの劣化などにより計測装置の感度低下が起こることがある。感度低下は粒子数の計数値の誤差につながる。そのような感度低下に対して、レーザビームをエアロゾルに照射するサンプリング領域の光入射側にレーザモニタ用のホトダイオードなどの光検出器を設置し、サンプリング領域に入射される前のレーザビームの状態をモニターすることが行われている。
特開2004−354370号公報 特開2010−281788号公報
J. Aerosol Sci. Vol. 21, No. 2, pp. 263-275, 1990 J. Aerosol Sci. Vol. 29, No. 5/6, pp. 601-615, 1998
レーザビームの劣化(光強度の低下やビームフォーカスの異常など)をサンプリング領域とは別のところで間接的にモニターする方法は、レーザ照射系の異常をある程度は検知することができる。しかし、サンプリング領域でモニターしていないため、サンプリング領域でのレーザビームの状態を的確に把握することができない。また、粒子凝縮成長の機能の異常も粒子数の計数値の誤差につながるものであるが、レーザ照射系のモニターだけではそのような粒子凝縮成長の機能の異常は全く検知することができない。そのため、従来のエアロゾル微粒子計測装置では粒子数濃度の測定値の誤差が大きくなっていても、その判断を十分におこなうことができないというのが現状である。
本発明は、エアロゾル微粒子計測装置において、測定結果が正常であるか異常であるかを判定できるようにすることを目的とするものである。
本発明のエアロゾル微粒子計測装置は、試料ガスをエアロゾルフローとして流すエアロゾルフローキャピラリ、飽和蒸気状態のシースフローを前記エアロゾルフローキャピラリから流出するエアロゾルフローと合流させる飽和器、前記エアロゾルフローキャピラリからのエアロゾルフローと前記飽和器からのシースフローとの合流ガスを冷却してエアロゾルフロー中の微粒子をシースフローの蒸気により成長させる冷却凝縮器、及び前記冷却凝縮器を通過したエアロゾルフローに光を照射し、エアロゾルフロー中の粒子による散乱光パルスを検出する粒子計数器を測定系として備えたCPC装置である。
そして、前記粒子計数器の検出信号を処理するデータ処理装置として、前記粒子計数器で検出された散乱光パルスのうち閾値を超えた散乱光パルスに関連した数をカウント数として計数するカウント手段、前記粒子計数器で検出された散乱光パルスが前記閾値を超えた期間の割合をハイ(High)区間率として算出するハイ区間率算出手段、前記閾値を変更する閾値変更手段、及び前記閾値変更手段により閾値を複数レベルに変更したときの閾値に対する前記カウント数と前記ハイ区間率のうちの少なくとも1つとの関係に基づいて測定結果が正常であるか異常であるかを判定する異常判定手段を備えている。
この粒子計数器は、その検出器としての本来の計数値は、通常動作用に設定された閾値のもとで前記カウント手段が計数したカウント値であり、前記異常判定手段による判定出力とは独立して出力される。本発明は、その出力されるカウント値が正常であるか異常であるかを判定するものである。
前記カウント手段における計数と前記ハイ区間率算出手段におけるハイ区間率の算出を確実に行うようにするために、前記粒子計数器で検出された散乱光パルスを閾値との比較により矩形パルス信号に変換する波形整形回路をさらに備えることが好ましい。その場合は、前記カウント手段は前記波形整形回路から出力される矩形パルス信号に基づいて散乱光パルスに関連した数を計数するものとなり、前記ハイ区間率算出手段は前記波形整形回路から出力される矩形パルス信号に基づいてハイ区間率を算出するものとなる。そして、前記閾値変更手段は前記波形整形回路に供給する閾値を変更する。
前記カウント手段は前記矩形パルス信号の立上がりの数と立下りの数の一方又は両方を散乱光パルスに関連した数として計数することができる。
カウント手段とハイ区間率算出手段は、変更された各閾値の値に対して、カウント数とハイ区間率を求める。各閾値の値に対するカウント数とハイ区間率の一方又は両方から測定値が正常であるか異常であるかを判定するための基準値をあらかじめ設定しておく。好ましくはその基準値を基準値記憶部に記憶させておく。異常判定手段はカウント数とハイ区間率の一方又は両方を基準値と比較して装置の動作状態が正常であるか異常であるかの判定を行う。
好ましい実施形態では、前記データ処理装置は、前記粒子計数器で検出された散乱光パルスのパルス高さを算出するパルス高さ算出手段をさらに備えている。そして、前記異常判定手段はパルス高さ算出手段で算出されたパルス高さも用いて測定結果が正常であるか異常であるかを判定する。
分級する装置(DMA(微分型電気移動度測定器)等)を組み合わせ、分級する装置で分級されて排出されるエアロゾルを本発明のエアロゾル微粒子計測装置の試料ガスとして供給することにより、本発明の計測装置は粒子径分布を測定する装置として利用することができる。そのような一実施形態は、エアロゾル試料を帯電させる帯電装置と、分析対象成分を含まないシースガスの流れの中に前記帯電装置によって帯電したエアロゾル試料を供給し、試料中の帯電微粒子を電界によって粒子径ごとに分級して取り出す分級装置と、前記分級装置の取り出し口に配置されて分級された帯電微粒子数を計測する検出器とを備えており、その検出器として本発明のエアロゾル微粒子計測装置を使用するとともに、そのエアロゾル微粒子計測装置は前記分級装置における分級動作と同期して作動させられるものである。
本発明のエアロゾル微粒子計測装置は、粒子計数器で検出された散乱光パルスのうち閾値を超えた散乱光パルスに関連したカウント数と、散乱光パルスが閾値を超えた期間の割合を示すハイ区間率を求め、閾値を複数レベルに変更したときの閾値に対するカウント数とハイ区間率のうちの少なくとも1つとの関係に基づいて測定結果が正常であるか異常であるかを判定するようにしたので、光源の光量の異常だけでなく、光学系の異常又は粒子成長過程の異常までも判定することができるようになる。
一実施例のエアロゾル微粒子計測装置の測定系示す概略図である。 同実施例における粒子計数器とその検出信号を処理するデータ処理装置を示すブロック図である。 エアロゾル微粒子計測装置の検出信号について閾値とカウント数の関係を示すグラフである。 エアロゾル微粒子計測装置の検出信号について閾値とハイ率/カウント数の関係を示すグラフである。 エアロゾル微粒子計測装置の検出信号についての正常な場合と異常な場合を示すグラフである。 一実施例における正常、異常の判定動作を示すフローチャートである。 本発明のエアロゾル微粒子計測装置をDMAの検出器として使用した実施例を示す構成図である。
図1と図2に一実施例のエアロゾル微粒子計測装置を示す。その測定系を示す部分は、図1に示されるように、試料ガス流路2から吸入した試料ガスとしてのエアロゾルを分離するスプリッタ6と、スプリッタ6で分離されたエアロゾルをエアロゾルフローとするエアロゾルフローキャピラリ4と、スプリッタ6で分離されたエアロゾルの残部をシースガスとするシースガス流路8が設けられている。シースガス流路8にはフィルタ10とその下流の可変オリフィス12が設けられている。シースガスを飽和蒸気状態のシースフローにするために飽和器14が設けられ、そのシースフローをエアロゾルフローキャピラリ4から流出するエアロゾルフローと合流させ、冷却してエアロゾルフロー中の微粒子をシースフローの蒸気により成長させるためにエアロゾルフローキャピラリ4の下流に冷却凝縮器16が設けられている。冷却凝縮器16で成長した微粒子を計数するために、冷却凝縮器16の下流に粒子計数器18が設けられている。試料ガス流路2から試料ガスを吸入するために粒子計数器18の下流に排気ポンプ22が設けられ、試料ガス流量を調節するために粒子計数器18と排気ポンプ22の間に流量計20が設けられている。
試料ガス流路2から吸入された試料ガスのエアロゾルは、スプリッタ6で分離され、その一部がエアロゾルフローキャピラリ4に導かれてエアロゾルフローとなり、残部はシースガス流路8に導かれてシースガスとなる。試料ガスがエアロゾルフローキャピラリ4の手前までは大きな流量で流されるのは、試料ガス中でのエアロゾルの拡散による微粒子の損失を防ぐためである。シースガス流路8ではフィルタ10で試料ガス中の粒子が除去されてシースガスとなり、可変オリフィス12でシースガスの流量が調節される。シースガスは飽和器14で飽和蒸気状態のシースフローにされ、エアロゾルフローキャピラリ4から流出するエアロゾルフローと合流した後、冷却凝縮器16で冷却されることによりエアロゾルフロー中の微粒子がシースフローの蒸気により成長し、粒子計数器18で粒子数が計数される。試料ガス流路2から吸入される試料ガスの流量は流量計20で測定され、その流量が所定流量になるように排気ポンプ22の駆動が制御される。
このような計測装置で試料ガス中の微粒子数を正確に測定するためには、エアロゾルフローキャピラリ4を流れるエアロゾルフローの流量が正確に制御されなければならない。そのため、この実施例では、流量計20を通過するガスの流量Cが一定になるようにポンプ22の駆動が制御され、シースガス流路8を通るシースガスの流量Bは可変オリフィス12により調節される。その結果、エアロゾルフローキャピラリ4を通るエアロゾルフローの流量Aは(流量C−流量B)として設定される。
エアロゾルフローキャピラリ4を通る流量Aは、目的の流量となるように可変オリフィス12が調節されることにより校正され、そのときのエアロゾルフローキャピラリ4による圧力損失が圧力計24により検出されて記憶される。計測時はエアロゾルフローキャピラリ4による圧力損失を圧力計24により検出し、その値が校正された一定値を保っておればエアロゾルフローキャピラリ4を流れるエアロゾルフローの流量が校正された一定値で維持されているものとして扱われる。
本発明のエアロゾル微粒子計測装置の流路構成は図1に示されたものに限定されない。校正時に試料ガス流路2を流れる試料ガスの流量を測定するための別の流量計を設け、エアロゾルフローの流量を直接測定して校正できるようにした特許文献2の図1から図3に示された流路構成とすることもできる。そのような流路構成をもったエアロゾル微粒子計測装置も本発明の範囲内のものである。
粒子計数器18とその検出信号を処理するデータ処理装置を図2に示す。粒子計数器18では、冷却凝縮器16からのエアロゾルがエアロゾルフロー30として放出される。粒子計数器18はエアロゾルフロー30に光照射を行うために、光源装置34と集光レンズ38を備えている。光源装置34は光源として例えばレーザダイオードを備えたものである。レーザダイオードは光強度が一定となるように自動制御(Auto Power Control)されている。その光源装置34からの照射光であるレーザビーム36が集光レンズ38によりエアロゾルフロー30の位置に集光される。エアロゾルフロー30中に冷却凝縮器16で成長した粒子32が存在するときは、その粒子によりレーザビーム36の散乱光40が生じる。その散乱光40を検出するために、粒子計数器18は集光レンズ42と光検出器44を備えている。光検出器44は例えばホトダイオードである。散乱光40は集光レンズ42で集光され、ホトダイオード44で検出される。
エアロゾルフロー30中の粒子32が連続しないで個々に分離された状態でレーザビーム36を横切るようにエアロゾルフロー30の流量を調節する。ホトダイオード44で検出される散乱光40による信号は、エアロゾルフロー30中の粒子がレーザビーム36を横切るたびに1つのピーク信号として検出される。このピーク信号を以下では散乱光パルスと呼ぶ。
ホトダイオード44での検出信号は電流値として取り出され、その電流値を電圧値に変換するために、電流−電圧変換回路46が設けられている。電流−電圧変換回路46の出力信号である散乱光パルスの電圧値を閾値電圧との比較により矩形のパルス信号に変換するために波形整形回路48が設けられている。
波形整形回路48に閾値電圧を供給するために閾値発生回路50が設けられている。その閾値発生回路50が発生する閾値電圧を可変にするために、閾値発生回路50には閾値変更手段52が接続されている。
波形整形回路48の出力信号は矩形パルス信号であり、そのパルス信号に基づくカウント数を計数するためにカウント手段54が設けられている。パルス信号に基づく計数は、パルス信号の立上がりと立下りの両方で行ってもよく、その場合はカウント数はパルス数の2倍となる。また、パルス信号に基づく計数をパルス信号の立上がり又は立下りで行ってもよく、その場合はカウント数はパルス数と一致する。
波形整形回路48からのパルス信号から閾値を超えた期間の割合をハイ区間率と呼ぶ。波形整形回路48からのパルス信号からハイ区間率を算出するためにハイ区間率算出手段56が設けられている。
閾値変更手段52により閾値を複数レベルに変更したときの閾値とカウント数との関係、及び閾値とハイ区間率との関係の少なくとも1つの関係に基づいて測定結果が正常であるか異常であるかを判定するために異常判定手段58が設けられている。
異常判定手段58が測定結果の正常・異常を判定するための基準値はあらかじめ設定され、基準値記憶部60に記憶させておく。
電流−電圧変換回路46からの散乱光パルスのパルス高さを算出するためにパルス高さ算出手段57が設けられている。
データ処理装置のうち、電流−電圧変換回路46、波形整形回路48及び閾値発生回路50は回路素子を用いてハードウエアとして構成されている。カウント手段54、ハイ区間率算出手段56及びパルス高さ算出手段57もそれぞれ回路素子を用いてカウント回路、ハイ区間率算出回路及びパルス高さ算出回路として、ハードウエア構成で実現することができる。
この実施例では、カウント手段54、ハイ区間率算出手段56及びパルス高さ算出手段57を含めて、閾値変更手段52、異常判定手段58及び基準値記憶部60はデータ処理コンピュータにより実現されている。そのようなデータ処理コンピュータは、このエアロゾル微粒子計測装置に専用のコンピュータとして設けたものであってもよく、このエアロゾル微粒子計測装置が他の測定装置の検出器として用いられる場合にはその測定装置の制御用コンピュータにより実現してもよく、又は汎用のパーソナルコンピュータにより実現してもよい。図2で鎖線により囲まれた部分62がそのコンピュータにより実現される部分を示している。
次にこの実施例の動作について説明する。粒子数カウント機能が正常に動作している状態では、レーザビーム36は適切に集光されていて、光パワーが所定の値(範囲)を維持している、粒子により散乱された光は検知用のホトダイオード44に集光され、カウントに十分な強さ及びS/N(信号対ノイズ)比で検知される。
レーザの集光用光学系の光学素子の表面が汚れたりすることによりレーザビーム36のビーム幅が広がった場合には、光散乱パルスのカウント数に比してハイ区間率が大きくなる。そのため、本発明の一実施形態では、閾値を複数レベルに変化させたときのカウント数に対するハイ区間率の比率を使って集光用光学系の異常を判定する。
サンプリング領域でのレーザビーム強度が低下した場合には、閾値−カウント数の分布が閾値の小さい側にシフトする。そこで、本発明の他の実施形態では、閾値を異ならせて閾値−カウント数の関係を求め、その結果に基づいて測定値の異常を判定する。
散乱光を集光する光学系に異常があった場合にも、本発明では異常を検知することができるが、この異常は従来のようにレーザビームがサンプリング領域に入射する前の段階のレーザビームをモニターする方法では検知できない。
過飽和蒸気による粒子成長部の特性として、その機能が正常に動作していれば、初期粒子の大きさに大きなばらつきがあっても、粒子成長後の各粒子はよく揃った粒子径となり、光散乱強度も比較的狭い強さの範囲に収まる(非特許文献1、2参照。)。そこで、本発明のさらに他の実施形態では、閾値を複数レベルに変化させたときの閾値−カウント数の関係から粒子成長部の機能の正常・異常を判定する。
閾値とカウント数の関係を図3に、閾値とハイ区間率/カウント数の関係を図4に示す。符号70で示される実線の曲線は正常動作時のカウント数とハイ区間率/カウント数をあらわし、符号72で示される破線の曲線は粒子成長部が不調の場合の典型的なカウント数を表わしている。図3、図4中には通常測定時の閾値の設定値THも太い破線で示す。
通常測定時の閾値とは、通常の測定時にこのエアロゾル微粒子計測装置により試料のエアロゾル中の微粒子数を計測するときの閾値であり、その閾値によるカウント手段54によるカウント値が通常測定時の計測値として出力される。異常判定手段58による判定結果はその通常測定時の計測値が正常であるか異常であるかを判定して出力するものである。
閾値のA区間は回路ノイズなどを検知し粒子数を正常にカウントできない領域、B区間は粒子数をカウントできる領域、C区間はカウントされる粒子が存在しない領域である。
図5に、横軸を時間とし、縦軸は光散乱パルスをI−V変換(電流から電圧への変換)して得られる電圧値としたときの波形を示す。実線の曲線74は正常動作時のもの、破線の曲線76は異常動作時のものである。A,B,Cは図3、図4のA,B,Cに対応している。閾値がAの範囲に設定された場合には、閾値を横切る散乱光パルスがなくカウント数はゼロとなり、一方ハイ区間率は100%となる。Bの領域に閾値が設定された場合には散乱光パルスが検出される。散乱光パルスが閾値を横切るときの立上がりと立下りをそれぞれ計数するものとすると、1つの散乱光パルスに対してカウント数は2となる。図5のような適当な間隔をもって散乱光パルスが個別に検出される場合はハイ区間率がおおよそ25%程度となり、Bの領域でそのようなハイ区間率がえられるようにエアロゾルの流量を調整することが好ましい。
異常時の波形76により示されるオフセットの異常80は、レンズ表面の汚れ等による乱反射等により受光ホトダイオードへ入射する迷光が増加することにより起こる、波形の異常82は、主に照射ビームのフォーカシングの劣化により起こる。この際に波高さの減少とパルス幅の増加が同時に起こるが、パルス幅の変化の方が確実に異常を検知できる。パルス幅が広がることで、カウント数に比べて、ハイ区間率が大きくなり、ハイ区間率/カウント数が大きくなるので、この値を正常動作時の基準値と比較することによりこの照射ビームのフォーカシングの劣化を検知することができる。
粒子成長部が不調の場合には、パルス幅の増加は起こらず、パルス高さが全体的に減少し、閾値とパルス高さとの関係が閾値の小さい側にシフトする。したがって、閾値の変化に対して、カウント数が変化しない範囲を判定基準として、この異常を検知できる。粒子成長後の粒子径分布に関しては非特許文献1、2に記載されているので、そのような分布を参照して正常と異常を判定することもできる。
異常が発生した場合、閾値を変化させたときにカウント数とハイ区間率/カウント数がどのような影響を受けるかについて表1にまとめて示す。
Figure 0005884544
また、表1中には異常を判定するための変数H_TH0、H_TH1、H_TH2、L_TH0、L_TH1及びL_TH2も示している。
変数H_TH0、H_TH1、H_TH2、L_TH0、L_TH1及びL_TH2の意味は表1中に示されているが、改めて示すと次の通りである。
H_TH0:ハイ区間/カウント値が∞でカウント値がゼロとなる領域とカウント有りとの境界の閾値。
H_TH1:閾値の微小範囲別のカウント数分布C(TH)から計算されるカウントされた散乱光パルスの平均高さ。ここで、微小範囲とは閾値を変化させる単位である。例えば、パルス高さのフルスケールを64段階から256段階程度に区分し、その1段階分を微小範囲とする。
H_TH2:C(TH)から計算されるパルス高さ分布の相対標準偏差(標準偏差/平均値)。
L_TH0:ハイと判定されかつカウント値がゼロとなる状態とカウント有りの境界の閾値(H_TH0と同じ意味をもつ)。
L_TH1:ロウ(Low)と判定されかつカウントゼロとなる状態とカウント有りの境界の閾値。
R_TH1:閾値がH_TH1におけるハイ区間の時間(秒)/カウント数の値。
これらの変数を用いて、ホトダイオード44の検出信号から異常判定手段58がその測定値が正常であるか異常であるかを判定する手順の一例を図6のフローチャートに示す。図6におけるそれらの変数の値は判定の基準値であり、基準値記憶手段60に記憶しておく。図6に示された基準値は厳密なものではなく、実施するエアロゾル微粒子計測装置によって変動し得るものである。そのため、本発明の実施にあたってはそれらの判定の基準値は実験的に求めるのが適当である。
測定が開始されると、粒子計数器18からの検出信号は電流−電圧変換回路46により電圧値で表わされた散乱光パルスとして出力される。波形整形回路はその散乱光パルスを閾値発生回路50から与えられる閾値により矩形パルス信号に変換する。カウント手段54はその矩形パルス信号の立上がりと立下りの数を計数して散乱光パルスに関連した数をカウント数とする。ハイ区間率算出手段56はその矩形パルス信号からハイ期間の割合を求めてハイ区間率とする。閾値変更手段52により閾値が複数レベルに変更され、それぞれの閾値に対してカウント手段54はカウント数を算出し、ハイ区間率算出手段56はハイ区間率を算出する。パルス高さ算出手段57は電流−電圧変換回路46からの散乱光パルスのパルス高さを算出する。
異常判定手段58はカウント手段54、ハイ区間率算出手段56及びパルス高さ算出手段57のそれぞれの算出結果を取り込み、変数H_TH0、H_TH1、H_TH2、L_TH0、L_TH1及びR_TH1を算出し、基準値記憶手段60に記憶されている基準値と比較する。異常判定手段58における測定値の正常と正常の判定は図6のように行われる。
まず、L_TH0が基準値0〜0.1の範囲にあるかどうかが判定され、0〜0.1の範囲になければオフセットレベル異常、すなわち光学系に異常があると判定される。
L_TH0が基準値0〜0.1の範囲にあれば、H_TH1が基準値0.4〜0.6の範囲にあるかどうかが判定される。H_TH1がその基準値0.4〜0.6の範囲になければパルス高さ異常であると判定され、光学系異常又は粒子成長異常と判定される。
H_TH1が基準値0.4〜0.6の範囲にあれば、H_TH2が基準値0.15以内にあるかどうかが判定され、H_TH2が基準値0.15以内になければ粒子成長異常と判定される。
H_TH2が基準値0.15以内にあればR_TH1が0.5μs〜0.7μs(マイクロ秒)の範囲にあるかどうかが判定される。R_TH1が0.5μs〜0.7μsの範囲になければ光学系に異常があると判定される。
そして、R_TH1が0.5μs〜0.7μsの範囲にあれば正常動作が行われていると判定される。
図7に本発明のエアロゾル微粒子計測装置を分級装置の検出器として用いた場合の実施例を示す。
分級装置として微分型電気移動度測定器(DMA:Differential mobility analyzer)を用いる。DMAは微粒子の粒径を効率的かつ広範囲にわたって測定できる。試料ガス中の微粒子を帯電させて試料供給口111からDMA102に供給するために帯電装置140が設けられている。DMA102で分級された粒子が排出される出口に、検出器として本発明の一実施例のエアロゾル微粒子計測装置100が接続されている。
DMA102は、囲み体105と、囲み体105の内部に設置されて、分級された微粒子を外部に取り出すためのスリット112を有する中心ロッド113と、正に帯電した微粒子および負に帯電した微粒子が混在した帯電粒子を、囲み体105と中心ロッド113の間に供給する微粒子供給部104とを備えている。
シースガスはフィルタ108を通過してDMA102内に供給され、排出口109から外部に排出される。シースガスの引込口107はDMA102の上部に設けられ、引込口107の下部にはシースガスの流れを整え、不純物を除去するフィルタ108が取り付けられている。引込口107から供給されたシースガスは、囲み体105と中心ロッド113の間を流れ、囲み体105の下部に設けられた排出口109からポンプ等により外部に排出され、その一部はスリット112から分級された微粒子とともに外部に取り出されるようになっている。
囲み体105と中心ロッド113間に所定の電圧を印加することにより、特定の粒子径をもつ荷電粒子が中心ロッド113のスリット112に入り分級される。試料中のガス成分とともに、中心ロッド113のスリット112を経て分級されて取り出された微粒子は、シースガスとともに連通管115を経て外部に取り出される。連通管115は分岐され、分級されてシースガスとともに導かれる荷電粒子の一部はエアロゾル微粒子計測装置100に導かれ、残部は排出される。
4 エアロゾルフローキャピラリ
8 シースガス流路
14 飽和器
16 冷却凝縮器
18 粒子計数器
46 電流−電圧変換回路
48 波形整形回路
50 閾値発生回路
52 閾値変更手段
54 カウント手段
56 ハイ区間率算出手段
57 パルス高さ算出手段
58 異常判定手段
60 基準値記憶部

Claims (5)

  1. 試料ガスをエアロゾルフローとして流すエアロゾルフローキャピラリと、
    飽和蒸気状態のシースフローを前記エアロゾルフローキャピラリから流出するエアロゾルフローと合流させる飽和器と、
    前記エアロゾルフローキャピラリからのエアロゾルフローと前記飽和器からのシースフローとの合流ガスを冷却してエアロゾルフロー中の微粒子をシースフローの蒸気により成長させる冷却凝縮器と、
    前記冷却凝縮器を通過したエアロゾルフローに光を照射し、エアロゾルフロー中の粒子による散乱光パルスを検出する粒子計数器と、
    前記粒子計数器で検出された散乱光パルスのうち閾値を超えた散乱光パルスに関連した数をカウント数として計数するカウント手段と、
    前記粒子計数器で検出された散乱光パルスが前記閾値を超えた期間の割合をハイ区間率として算出するハイ区間率算出手段と、
    前記閾値を変更する閾値変更手段と、
    前記閾値変更手段により閾値を複数レベルに変更したときの閾値に対する前記カウント数と前記ハイ区間率との関係に基づいて測定結果が正常であるか異常であるかを判定する異常判定手段と、
    を備えたエアロゾル微粒子計測装置。
  2. 前記粒子計数器で検出された散乱光パルスを閾値との比較により矩形パルス信号に変換する波形整形回路をさらに備え、
    前記カウント手段は前記波形整形回路から出力される矩形パルス信号に基づいて散乱光パルスに関連した数を計数するものであり、
    前記ハイ区間率算出手段は前記波形整形回路から出力される矩形パルス信号に基づいて前記ハイ区間率を算出するものであり、
    前記閾値変更手段は前記波形整形回路に供給する閾値を変更するものである請求項1に記載のエアロゾル微粒子計測装置。
  3. 前記カウント手段は前記矩形パルス信号の立上がりの数と立下りの数の一方又は両方を散乱光パルスに関連した数として計数するものである請求項2に記載のエアロゾル微粒子計測装置。
  4. 前記粒子計数器で検出された散乱光パルスのパルス高さを算出するパルス高さ算出手段をさらに備え、
    前記異常判定手段はパルス高さ算出手段で算出されたパルス高さも用いて測定結果が正常であるか異常であるかを判定するものである請求項1から3のいずれか一項に記載のエアロゾル微粒子計測装置。
  5. エアロゾル試料を帯電させる帯電装置と、
    分析対象成分を含まないシースガスの流れの中に前記帯電装置によって帯電したエアロゾル試料を供給し、試料中の帯電微粒子を電界によって粒子径ごとに分級して取り出す分級装置と、
    前記分級装置の取り出し口に配置されて分級された帯電微粒子数を計測する検出器と、
    を備え、
    前記検出器は請求項1から4のいずれか一項に記載のエアロゾル微粒子計測装置であり、該エアロゾル微粒子計測装置は前記分級装置における分級動作と同期して作動させられることを特徴とするエアロゾル微粒子計測装置。
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