JP5884143B1 - タッチパネル用透明基板 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数のアイコンが配置されているタッチパネルの操作において、表示画面を視認せずに所望のアイコンを操作することが可能になるタッチパネル用の透明基板を提供する。【解決手段】 表示装置の表示領域に配置され、使用者からのタッチ操作を受け付けるように構成されたタッチパネル用の透明基板110であって、周縁部にガイド溝14とガイド部16が形成されている。ガイド溝14は、一群のアイコン配置領域を案内するための線状の凹部を呈している。ガイド部16はガイド溝14に設けられており、一群のアイコン18のそれぞれの配置位置を案内するように構成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、使用者からのタッチ操作を受け付けるタッチパネルに適用可能な透明基板において、タッチパネルの操作領域表示画面を視認せずとも所望の領域をタッチすることが可能なタッチパネル用の透明基板に関する。
近年、透明基板を用いたタッチパネルは使用者が機器を操作する際のインターフェースとして、直感的な操作が可能になることから、幅広い分野に採用されている。タッチパネル用の透明基板は、タッチパネルの使用者に露出する側に配置されており、タッチ操作を受け付ける。また、その平坦性や高い透明度による意匠性の観点から、従来ならば、物理的なボタンやキーボードが用いられていた機器にも、タッチパネルへ置き換える動きが広がっている。例えば、自動車の車載分野では、空調設備やオーディオ等のコントロールもカーナビゲーション機能が表示されている車載モニター画面と一体化して、全てのコントロールをタッチパネル上で操作可能になるディスプレイも存在する。
しかしながら、タッチパネルは、表示画面をタッチしたときの圧力や静電容量等の変化が生じた位置を検出して操作を受け付けるため、視覚障害者が操作する場合や、画面のアイコンの位置を正確に視認できないシチュエーションで操作する場合などは、タッチ操作に困難が生じることがある。つまり、従来の物理ボタンとは異なり、操作を受け付ける領域が平坦な基板しかなく、アイコン等が表示されている操作画面を見なければ、所望の領域をタッチできないという問題がある。
そこで、従来技術のなかには、タッチパネル表面の透明基板に溝状部を形成することで、触覚によってタッチした領域を認識できるようにする技術が存在する(例えば特許文献1)。このような溝状部が形成されることで、使用者は、指の感触によってタッチパネルの中からタッチすべき領域を容易に認識できるため、画面を見なくても的確な操作が可能になるとされている。
特開2013−120589号公報
従来のタッチパネル用の基板では、基板に形成された溝に沿って指をスライドさせることによって、所望のタッチ位置を探すことができた。しかし、一定の深さの溝状部が形成されているだけの構成のため、音量や光量の段階的な調節には適しているが、画面上に多数の小さい操作アイコンが配置されている画面では、所望のアイコンを特定することは難しい。つまり、タッチパネル上をスライドさせる範囲を把握することには適しているが、アイコンの配置領域における多数のアイコンのうちの特定のアイコンをタップする操作が必要な場合、溝が形成されているだけでは所望のアイコンを触覚によって見つけることが極めて困難になる。その結果、結局、タッチ操作のたびに画面を目視する必要が生じてしまうという不都合があった。
本発明の目的は、どのような検知方式のタッチパネルでも対応可能であり、画面上に複数の効果を発揮するアイコンが配置されているタッチパネルにおいても、所望の領域を視覚に頼らずにタッチ可能なタッチパネル用の透明基板を提供することである。
本発明に係る透明基板は、表示装置の表示領域に配置され、使用者からのタッチ操作を受けつけるように構成されたタッチパネル用の透明基板において、凹部を呈するガイド溝が周縁部に形成され、ガイド溝に複数のガイド部が設けられていることを特徴とする透明基板である。ガイド溝は、表示装置における一群のアイコン配置領域を案内するように構成される。ガイド部は、一群のアイコンのそれぞれの配置位置を案内するように構成される。
この構成において、使用者は画面を見ることが出来ない場合に、タッチパネル上で指や操作ペンを動かすことで、透明基板上に形成されたガイド溝を探る。ガイド溝は、適当な長さのある線状の凹部であるため、使用者は周縁側に指をスライドさせることにより容易にガイド溝までたどり着くことができる。ガイド溝は、一群のアイコンの配置領域を案内しているため、使用者はアイコンが表示されている大まかな位置を把握することができる。使用者はガイド溝に沿って指や操作ペンをスライドさせることで、ガイド溝に設けられたガイド部を認識することができる。各ガイド部は、その形状によってアイコンの表示位置を示しているため、使用者は画面を視認せずとも、所望のアイコンを探すことができる。
また、アイコンの表示位置に対応する透明基板上にガイド溝が形成されないことが好ましい。静電容量式タッチパネルでは、アイコン表示位置上にガイド溝が形成されると、ガイド溝に沿って指をスライドさせている際にアイコン上を通ると、基板表面の静電容量が変化してしまうからである。そのため、アイコン表示上から所定の距離を離した領域にガイド溝を形成する。一定の距離を離したとしても、ガイド部がアイコンの位置を案内するため、画面上のアイコンの位置を把握することができる。
透明基板は、表示装置に表示されている画像が認識できる程度の透過率があれば、特に制限はなく、ガラス基板や樹脂基板等を使うことができる。ガラス基板を利用する場合、ガイド溝の形成はエッチングで行うことが好ましい。エッチングにより滑らかな表面のガイド溝が形成されるため、指をスライドさせたときに、指を傷つけるおそれが少ない。
本発明のタッチパネル用の透明基板を用いれば、視覚に頼ることなく、所望の領域をタッチすることが可能になる。
本発明の一実施形態に係るタッチパネルを示す図である。 本発明の別の実施形態に係るタッチパネルを示す図である。 ガラス基板のパターニングを示す図である。 ガラス基板をエッチングする装置を示す図である。 ガラス基板へのガイド溝の形成を示す図である。
図1は、本発明の一実施形態に係る自動車に搭載されるタッチパネルが配置された表示装置10である。表示装置10の使用者に露出している表面は、ガラス基板110で覆われている。また、表示装置10の大部分には、映像表示領域12が配置されている。ガイド溝14は、ガラス基板110の周縁部に形成されている。ガイド溝14には、複数のガイド部16が設けられている。アイコン18は、各ガイド部16に対応する位置に配置されている。映像表示領域12には、カーナビゲーションシステムによる地図情報やテレビ番組等の映像や画像が映し出されるように構成される。
ガラス基板110は、特許請求の範囲の透明基板に該当する。本実施形態では、ガラス基板を使用しているが、映像表示領域12の画像が認識できる程度の透過率があれば、特に制限はない。強度や質感の観点からガラス基板や樹脂基板を用いることが好ましい。透明基板に用いる樹脂の例として、アクリル、ポリカーボネート、ポリエステル等が挙げられる。透明基板の厚さは特に限定されないが、強度の観点から1mmから3mm程度の厚さがあることが好ましい。
アイコン18は、タッチパネル上に表示されている画像をタッチして操作するように構成される。本実施形態では、オーディオやエアコンの操作といったタッチして操作するアイコンだが、これに限定されない。画面上をスライドさせて音量調節をするスライダのようなアイコンでも、タッチパネルに触れて操作する構成であれば、特に制限はない。
ガイド溝14は、線状の凹部を呈する溝であり、アイコン18の表示領域を案内するように構成される。本実施形態では、長手方向と短手方向に2つのガイド溝14が形成されている。ガイド溝14に沿って指をスライドさせることで、アイコン18の表示領域を大まかに把握することができる。また、ガイド溝14は、一定の長さの線状の溝であるため、画面を見ることができない状況においても、容易に発見することができる。ガイド溝14の深さは特に制限されず、使用者がガラス基板110に触れたときに凹部と認識できる程度の深さであればよい。しかし、ガラス基板110の厚さの半分以上の深さの溝が形成されると、ガラス基板110の強度が低下するため、ガラス溝14の深さは、ガラス基板110の厚さの半分以下であることが好ましい。
ガイド部16は、ガイド溝14に沿って案内されたアイコン18の表示領域から各アイコン18の表示位置まで案内するように構成される。前述のように、ガイド部16は、ガイド溝14に設けられており、ガイド溝14に沿って指やスライドペン等をスライドさせることで、ガイド部16にたどり着くことができる。それぞれのガイド部16に対応する位置に、アイコン18が配置されており、あらかじめガイド部16と対応するアイコン18を把握しておけば、操作時に画面を見なくても所望のアイコン18をタッチすることができる。また、ガイド部16は、アイコン18の配置位置を認識でき、案内する形状ならば、どのような形状でも構わない。本実施形態では、ガイド部16は、ガイド溝14よりも線幅が異なるように構成されているが、これに限定されない。ガイド部16は、アイコン18の形状や配置位置によって、所望のアイコン18まで案内可能な形状が適宜形成される。
この構成において、使用者はガイド溝14、ガイド部16と辿っていくことにより、所望のアイコン18を操作することができる。特に、タッチパネル上で複数のアイコン18を操作する場合、線状のガイド溝14だけでは所望のアイコン18を特定することは難しい。ガイド部16により、複数のアイコン18の中から所望のアイコン18を探し出すことが可能になる。
更に、ガイド溝14とガイド部16は前述のように、タッチパネル110の周縁部に形成されているため、タッチパネル110の意匠性を損なうことも少ない。また、ガイド部16を設けることにより、ガイド溝14の数は必要最小限で済むため、映像表示領域12のような使用者が画像を見る必要の領域までガイド溝14を形成する必要もない。
ここで、図2を用いて、ガイド部の他の形状を説明する。図2(A)は、ガイド部の他の実施形態である。タッチパネル220の短辺には、ガイド溝141とガイド部161が形成されている。この場合、ガイド部161は、アイコン181の周囲を囲むように形成されている。ガイド溝141は、各ガイド部161とアイコン181の間に形成されている。この形態においても、ガイド溝141をたどり、ガイド部161を認識することができるので、所望のアイコン181をタッチすることができる。また、アイコン181は、ガイド溝161によって、囲まれているため、誤ってタッチするおそれもない。また、タッチパネル220の長辺に形成されているように、水平方向に複数のガイド溝142が形成されていてもよい。このガイド溝142において、ガイド溝142の端部がガイド部162である。また、ガイド溝142が途中で途切れたとしても、水平方向に形成されているため、使用者がガイド溝を見失うおそれはなく、所望のアイコン182をタッチすることが可能になる。また、図2(B)は、ガイド部のもう一つの実施形態である。ガラス基板221には、波状を呈するガイド溝143が形成されている。ガイド部163は、アイコン183の表示位置に向かって、凹んだ形状を呈している。この形状においても、使用者はガイド部163とそれに対応する位置に配置されているアイコン183を目視に頼らずにタッチすることが可能となる。
続いて、図3を用いてガラス基板110の製造方法を説明する。透明基板としてガラス基板を用いる場合、フッ酸を含むエッチング液をガラス基板に吹き付けたり、浸漬したりすることによってエッチングすることで、凹部を形成することができる。 まず、タッチパネル用のセンサー等が形成されたガラス基板30の両主表面を耐酸性部材20で保護する。耐酸性部材20は、フッ酸を含むエッチング液からガラス基板30を保護するものであれば特に制限はなく、耐酸性フィルムや感光性レジストを用いることができる。
耐酸性部材20で覆われたガラス基板30の主表面からにガイド溝を形成すべき領域をパターニングする。パターニングは、エッチングすべき領域から耐酸性部材20を除去することができれば、どのような手段を用いても構わない。例えば、ピコレーザ等とレーザ装置22やフォトリソグラフィ技術を利用すれば、所望の形状をパターニングすることが可能である。図3(A)は、パターニングが行われたガラス基板30の図である。一般的に、タッチパネルに用いられるようなガラス基板110を製造する場合は、大板のガラス基板30から複数のガラス基板110を製造するため、複数のガイド溝のパターニング領域24が形成されている。
また、ガイド溝の形成だけでなく、ガラス基板の分断もエッチングによって同時に行う場合、図3(B)のようにガラス溝のパターニングだけでなく、各ガラス基板の境界部26もパターニングを作成する。この場合、ガイド溝のパターニング領域24は片面の主表面だけでよいが、ガラス基板の境界部26はもう一方の主表面の対応する位置にもパターニングを行うことが好ましい。そうすることで、ガラス基板の境界部はエッチングが両方の主表面から進行するため、ガイド溝の形成とガラス基板の分断を同時に行うことが可能である。
もちろん、ガイド溝をエッチングで形成した後に、ガラス基板30を分断しても構わない。ガイド溝をエッチングによって形成した後にガラス基板30を分断する場合は、エッチングによる分断に限定されず、スクライブやブラストによる分断や、それらの組合せによってガラス基板30を分断することも可能である。
ガラス基板30をエッチングする場合は、図4に示すエッチング装置40を利用することができる。エッチング装置40は、1つまたは複数のエッチングチャンバを備えている。ガラス基板30は、複数のローラ42で運搬されながら、上下からの複数のシャワー44によって、エッチング液を吹き付けられる。また、エッチングにガラス基板の分断とガイド溝の形成を同時に行う場合は、ガラス基板の分断とガイド溝が適度な深さまでエッチングされるタイミングが同じになるように、シャワーの圧力の調整や、チャンバによって上のみ又は下のみからのシャワーだけでエッチングするといったような調整を適宜行うことが好ましい。ガラス基板30のエッチングが終了すると、端面処理や耐酸性部材20の剥離等の後工程によって適宜処理される。
ここで、図5を用いてガイド溝のエッチングについて説明する。図5は、エッチングによるガイド溝の形成を示した図である。図5(A)に示すようにガラス基板とエッチング液を接触させると、耐酸性部材20で覆われていないガイド溝のパターニング領域24は、等方性エッチングが進行する。更にエッチングが進行すると、図5(B)に示すように、ガイド溝がより深く形成され、主表面とガイド溝の境界部もエッチングが進行する。これにより、主表面とガイド溝の境界面も滑らかになるため、使用者が指でスライドする際にも、指が傷つくおそれがない。
また、前述のように透明基板として樹脂を利用することができる。樹脂基板にガイド溝を形成する場合は、所望の形状の金型を用いたプレス加工によってガイド溝を形成することができる。
上述の実施形態の説明は、すべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述の実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。さらに、本発明の範囲には、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10‐タッチパネル
110,220‐ガラス基板
14,141,142,143‐ガイド溝
16,161,162,163‐ガイド部
18,181,182,183‐アイコン
20‐耐酸性部材
22‐レーザ装置
40‐エッチング装置

Claims (2)

  1. 表示装置の表示領域に配置され、使用者からのタッチ操作を受け付けるように構成されたタッチパネル用のガラスからなる透明基板であって、
    表示装置の周縁部における一群のアイコン配置領域を案内するための線状の凹部を呈するガイド溝であって、その深さが前記透明基板の厚さの半分以下であるガイド溝が形成され、
    前記ガイド溝に一群のアイコンのそれぞれの配置位置を案内するための複数のガイド部が設けられていることを特徴とする透明基板。
  2. 前記ガイド溝が前記一群のアイコン配置領域よりも内側に配置され、かつ、前記ガイド部の線幅が前記ガイド溝の線幅とは異なることを特徴とする請求項1に記載の透明基板。
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