JP5883448B2 - 共振電力伝送システムにおける共振インピーダンストラッキング装置及びその方法 - Google Patents
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Description
共振電力は、ソース装置からターゲット装置に無線で伝送される。
無線環境の特性上、ソース共振器とターゲット共振器間の距離が時間とともに変化する可能性が高く、両共振器のマッチング条件もまた変わり得る。
無線電力伝送において、消費電力変化、共振カップリング条件変化、インピーダンス変化、共振期間の位置変化などによって発生する電力損失を減らすことができる。
ソース共振器とターゲット共振器との間のインピーダンス変化を制御することによって、定電圧及び定電流の制御が可能である。
図1は、例示的の実施形態に係る無線電力伝送システムを示す。
図1を参照すると、無線電力伝送システムは、ソースとターゲットで構成されるソース−ターゲット構造である。
例えば、無線電力伝送システムは、ソースに該当する共振電力伝送装置110とターゲットに該当する共振電力受信装置120とを含む。
また、共振電力伝送装置110は、共振周波数又はインピーダンスマッチングを行うマッチング制御部113をさらに含んで構成してもよい。
マッチング制御部113は、ソース共振帯域幅設定部(図示せず)又は、ソースマッチング周波数設定部(図示せず)のうち少なくとも1つを含む。ソース共振帯域幅設定部は、ソース共振器115の共振帯域幅を設定する。ソースマッチング周波数設定部は、ソース共振器115のインピーダンスマッチング周波数を設定する。ここで、ソース共振器の共振帯域幅設定又はソース共振器のインピーダンスマッチング周波数設定に基づいて、ソース共振器115のQファクター(Q−factor)が決定されてもよい。
例えば、ソース共振器115は、ターゲット共振器121との電磁結合101によって共振電力をターゲット装置120に伝送する。ここで、ソース共振器115は、設定された共振帯域幅内で共振する。
ターゲット共振器121は、ソース共振器115から電磁気エネルギーを受信する。ここで、ターゲット共振器121は、設定された共振帯域幅内で共振する。
マッチング制御部123は、ターゲット共振帯域幅設定部(図示せず)又はターゲットマッチング周波数設定部(図示せず)の内の少なくとも1つを含む。ターゲット共振帯域幅設定部は、ターゲット共振器121の共振帯域幅を設定する。ターゲットマッチング周波数設定部は、ターゲット共振器121のインピーダンスマッチング周波数を設定する。
ここで、ターゲット共振器121の共振帯域幅設定又はターゲット共振器121のインピーダンスマッチング周波数設定に基づいて、ターゲット共振器121のQファクターが決定されてもよい。
ここで、ターゲット部125は、ソース共振器115からターゲット共振器121で受信されるAC信号を整流してDC電圧を生成するAC/DCコンバータと、DC電圧の電圧レベルを調整することによって定格電圧をデバイス又は負荷に供給するDC/DCコンバータを含んでもよい。
ここで、ソース共振器115の共振帯域幅は、ターゲット共振器121の共振帯域幅より広く或いは狭く設定してもよい。例えば、ソース共振器115の共振帯域幅がターゲット共振器121の共振帯域幅より広く或いは狭く設定されることによって、ソース共振器のBW−factorとターゲット共振器のBW−factorは、不平衡(unbalance)な関係が保たれる。
ソース共振器115とターゲット共振器121間の距離変化、共振インピーダンス変化、インピーダンスミスマッチング、反射信号などを全て考慮したQファクターをQtとする時、Qtは以下の数式1のように共振帯域幅と反比例関係を有する。
ここで、BW−factorは、1/BWS又は1/BWDを意味する。
インピーダンスミスマッチングは、電力伝送の効率を減少させる直接的な原因になることがある。
マッチング制御部113は、伝送信号の一部が反射して戻ってくる反射波を検出することによって、インピーダンスミスマッチングが発生したと判断して、インピーダンスマッチングを実行してもよい。また、マッチング制御部113は、反射波の波形分析によって共振ポイントを検出することにより、共振周波数を変更してもよい。
ここで、マッチング制御部113は、反射波の波形で振幅(amplitude)が最小の周波数を共振周波数として決定してもよい。
図2を参照すると、共振電力伝送システムのソース装置は、AC/DCコンバータ210、DC/ACインバータ220、及びソース共振部230を含む。
また、共振電力伝送システムのターゲット装置は、ターゲット共振部240、AC/DCコンバータ250を含む。
図2の例で、負荷260は、ターゲット装置に含まれた構成、或いは外部装置であってもよい。
また、DC/ACインバータ220とソース共振部230との間のインピーダンス変化に対するインピーダンスマッチングは、A地点で行う。
ここで、インピーダンスマッチングは、後述するインピーダンストラッキングによって行ってもよい。
一方、共振インピーダンスをトラッキングするための共振インピーダンストラッキング装置は、ソース装置及びターゲット装置の各々に備えるか、或いはソース装置又はターゲット装置のいずれか1つに備えてもよい。
ここで、共振インピーダンスとは、共振器が共振周波数を有する時のインピーダンス値を意味する。
図3を参照すると、ソース装置300は、電圧制御部310、AC/DCインバータ320、スイッチング制御部330、ソース制御部340、ターゲット検出部350、ソース反射信号検出部360、ソース共振部390を含む。
整流部313は、トランス311から出力されるAC信号を整流することによって、DC信号を出力する。
定電圧制御部315は、ソース制御部340の制御によって、一定レベルのDC電圧を出力する。定電圧制御部315は、一定レベルのDC電圧を出力するための安定化回路を含んで構成してもよい。定電圧制御部315から出力されるDC電圧の電圧レベルは、ターゲット装置で必要な電力量及び共振電力の出力量制御にしたがって決定されてもよい。
AC/DCインバータ320は、高速スイッチングのためのスイッチング素子を含んでもよい。ここで、スイッチング素子は、スイッチングパルス信号が「ハイ(high)」であるときオン(On)になり、スイッチングパルス信号が「ロー(Low)」であるときオフ(off)になるように構成してもよい。
高速スイッチング方式は、高速スイッチング素子、例えば、電界効果トランジスタ(FET)を用いて実現してもよい。発振方式は、オシレータによって実現してもよい。すなわち、スイッチング制御部330は、オシレータをさらに含んでもよい。ここで、オシレータは、所定の発振周波数を有するAC信号を出力する。
図5に示すように、スイッチングパルス信号は、矩形波(square wave)であってもよい。また、スイッチングパルス信号は、正弦波(sine wave)であってもよい。
図6に示すように、スイッチング制御部330は、スイッチングパルス信号のデューティ比を50:50で制御してもよい。
ここで、第2周波数は、例えば、数MHz〜数十MHz帯域であってもよい。スイッチングパルス信号のデューティ比は、50:50を基準として、±10%のマージンを有するように設定してもよい。すなわち、スイッチング制御部330は、スイッチングパルス信号のデューティ比を40〜60%で制御してもよい。
したがって、ソース制御部340は、少なくとも1つのプロセッサを含んでもよい。
例えば、ソース制御部340に備えられる少なくとも1つのプロセッサは、共振インピーダンストラッキングを制御するように構成させる。
ここで、「共振インピーダンスのトラッキング」とは、ソースインピーダンストラッキング部370で行われるインピーダンスの調節工程である。
ソース制御部340は、ターゲット装置に対するインピーダンス変化量を取得し、インピーダンス変化量に基づいてソースインピーダンストラッキング部370を制御する。
ここで、ターゲット装置に対するインピーダンスは、図2のA地点からB地点を眺める時のインピーダンスを意味する。ターゲット装置に対するインピーダンス変化は、ターゲット検出部350からソース制御部340に提供される。
ターゲット検出部350は、外部電源から電圧制御部310から入力されるAC電力量、ソース共振部380の出力電力量、ターゲット装置に伝送される共振電力に対応する反射電力の大きさなどに基づいてターゲット装置に対するインピーダンス変化を検出する。
例えば、ターゲット検出部350は、ターゲット装置に伝送される共振電力の電力量と反射電力の比を用いてターゲット装置に対するインピーダンス変化を検出する。
ソース反射信号検出部360は、反射信号をカップリングするためのカプラーを含んでもよい。すなわち、ソース反射信号検出部360は、カプラーによって反射信号を検出してもよい。
一側面において、ソース制御部360は、ソース反射信号検出部360を介して反射信号が検出されなければ、共振インピーダンストラッキングを終了するようにスイッチ379を制御する。また、ソース制御部360は、ソース反射信号検出部360を介して反射信号が検出されれば、共振インピーダンストラッキングを続けて行うようにスイッチ379を制御する。
ソースインピーダンストラッキング部370は、共振周波数の決定要素(factor)を調節して共振インピーダンスのトラッキングを行う。
共振器のC値は、即ち、共振周波数のC値と同一の意味である。
ソースインピーダンストラッキング部370は、共振器のC値をトラッキングするための可変キャパシタ又は複数のキャパシタ(371、373、375)を含む。ソースインピーダンストラッキング部370は、スイッチ379をさらに含む。
例えば、制御信号は、C値が順次小さくなる方向にスイッチ379をスイッチングしたり、C値が順次大きくなる方向にスイッチ379をスイッチングするための信号であり得る。
通信部は、共振周波数によってターゲット装置とデータとを送受信するイン−バンド(in−band)通信及びデータ通信のために割り当てられた周波数によってターゲット装置とデータとを送受信するアウト−バンド(out−band)通信を実行してもよい。
一側面において、通信部は、ターゲット装置で検出される負荷のインピーダンス変化量を受信してソース制御部340に提供してもよい。ソース制御部340は、負荷のインピーダンス変化量を用いてソースインピーダンストラッキング部370を制御してもよい。
図4を参照すると、ターゲット装置400は、ターゲット共振部450、AC/DCコンバータ470、DC/DCコンバータ480、負荷検出部410、ターゲット反射信号検出部420、及びターゲット制御部440を含む。
図4の例で、負荷401は、ターゲット装置400に含まれる構成であるか、又は外部装置であってもよい。
ターゲットインピーダンストラッキング部430は、共振周波数の決定要素を調節して共振インピーダンスのトラッキングを行う。ターゲットインピーダンストラッキング部430で行われる共振インピーダンスのトラッキングは、図2のB地点におけるインピーダンス調節工程である。
ターゲットインピーダンストラッキング部430で行われる共振インピーダンストラッキングは、ソースインピーダンストラッキング部370で行われるものと同一の方式によって行ってもよい。ソースインピーダンストラッキング部370と同様に、ターゲットインピーダンストラッキング部430は、複数のキャパシタ(431、433、435)、及びスイッチ437を含む。
DC/DCコンバータ480は、DC電圧の信号レベルを調節することによって定格電圧を負荷401に供給する。
ここで、負荷検出部410は、負荷401にかかる電圧及び負荷401に流れる電流量を検出することによって、負荷のインピーダンス変化を検出する。
ターゲット反射信号検出部420は、反射信号をカップリングするためのカプラーを含んでもよい。すなわち、ターゲット反射信号検出部420は、カプラーによって反射信号を検出する。
反射信号が発生する原因は様々であり得る。例えば、負荷401の消費電力が変化した場合にも負荷のインピーダンスが変わることがある。
ターゲット制御部440は、負荷のインピーダンス変化量を取得し、インピーダンス変化量に基づいてターゲットインピーダンストラッキング部430を制御する。ターゲット制御部440は、負荷のインピーダンス変化量にしたがって、スイッチ437のスイッチング方向を制御する。例えば、ターゲット制御部440は、ターゲット共振器460のC値が順次小さくなる方向にスイッチ437を制御する。
通信部は共振周波数によってソース装置とデータを送受信するイン−バンド通信及びデータ通信のために割り当てられた周波数によってソース装置とデータを送受信するアウト−バンド通信を実行してもよい。
一側面において、通信部はターゲット装置で検出される負荷のインピーダンス変化量をソース装置に伝送してもよい。
図7は、ソース装置のインピーダンスZ0と負荷のインピーダンスZLを等価的に表現したのである。
図7において、「Γ(S11)_Target」は、ソース装置に対するターゲット装置の反射インピーダンス又は反射電力を意味する。
数式5を参照すると、共振インピーダンスが変化する時、ΓS又はΓDの補正によって全体効率Uを保持することができる。
図8に示した方法は、ターゲット装置400によって行う。
図8を参照すると、ターゲット装置400は、ステップS810でソース装置から共振電力を受信する。
ステップS810で受信される共振電力は、ターゲット制御部440をウェイクアップ(wake−up)させることができる程度の小さい電力量を有してもよい。
ステップS830において、ターゲット装置400は、共振電力の受信状態をチェックする。
例えば、ターゲット装置400は、受信される共振電力の量が一定、或いは受信状態が不安定であるかなどをチェックしてもよい。
ターゲット装置400は、ステップS840で負荷のインピーダンスを検出し、
ステップS850で負荷のインピーダンス変化を検出する。
すなわち、ステップS850でターゲット装置400は、負荷のインピーダンス変化が検出されたか否かを判断し、負荷のインピーダンス変化が検出された場合、ステップS860で共振インピーダンスのトラッキングを行う。
インピーダンス変化量は、負荷にかかる電圧及び負荷に流れる電流量を検出することによって検出してもよい。
ステップS870において、ターゲット装置400は、共振電力に対応する反射信号の検出有無に基づいて共振インピーダンスのトラッキングを制御する。すなわち、ターゲット装置400は、反射信号が検出されれば、ステップS860に戻って共振インピーダンスのトラッキングを続けて行うようにターゲットインピーダンストラッキング部430を制御する。
また、ターゲット装置400は反射信号が検出されなければ、ステップS830に戻るか、或いは共振インピーダンストラッキング方法を終了してもよい。
「インピーダンス変化量に関連する制御信号」は、共振周波数の決定要素を順次変更する順序に対応してもよい。共振周波数の決定要素は、ターゲット共振器のキャパシタ成分であってもよい。制御信号は、キャパシタ成分の順次的な増加又は減少に関する情報であってもよい。
図9は、図7のようにソース装置のインピーダンスZ0と負荷のインピーダンスZLとを等価的に表現したものである。
ソース装置から入力されるAC電力、共振電力に変換するときに生じる電力転換損失、及び「Γ(S11)_Source」を検出すると、ソース装置はインピーダンスZLを認識することができる。
ソース装置は、インピーダンスZLの変化を検出することによって共振インピーダンスのトラッキングを実行する。
図10に示した方法は、ソース装置300によって行われる。
図10を参照すると、ソース装置300は、ステップS1010で外部装置から入力される入力交流電力を測定する。
ここで、ターゲット装置の負荷を検出することは、図9においてターゲット装置に対するインピーダンスZLの大きさを検出することを意味する。
ステップS1030において、ソース装置300はターゲット装置に対するインピーダンス変化を検出する。すなわち、ステップS1030でソース装置300はターゲット装置に対するインピーダンス変化が検出されたか否かを判断し、ターゲット装置に対するインピーダンス変化が検出された場合、ステップS1040で共振インピーダンスのトラッキングを行う。
ステップS1050において、ソース装置300は、共振電力に対応する反射信号の検出有無に基づいて共振インピーダンスのトラッキングを制御する。すなわち、ソース装置300は、反射信号が検出されれば、ステップS1040に戻って共振インピーダンスのトラッキングを続けて行うようにソースインピーダンストラッキング部370を制御する。
また、ソース装置300は、反射信号が検出されなければ、ステップS1010に戻るか、或いは共振インピーダンストラッキング方法を終了してもよい。
「インピーダンス変化量に関連する制御信号」は、共振周波数の決定要素を順次変更する順序に対応してもよい。共振周波数の決定要素は、ターゲット共振器のキャパシタ成分であってもよい。制御信号は、キャパシタ成分の順次的な増加又は減少に関する情報であってもよい。
ソース装置は、ターゲット装置の接続が検出された場合、まずターゲット装置に対する負荷の大きさに対応するZLを知る必要がある。
ソース装置は、ZLを知るためにステップS1110で「Wake−Up Power」をターゲット装置に送信する。ここで、「Wake−Up Power」とは、ターゲット装置に備わったプロセッサなどを活性化させることができる程度の小さい電力量を有するPowerに相当する。
負荷検出は、負荷のインピーダンスの大きさ及び負荷のインピーダンス変化を検出するものである。
ステップS1130において、ターゲット装置は共振インピーダンストラッキングを行う。共振インピーダンストラッキングが完了すると、ターゲット装置はソース装置に共振インピーダンストラッキングが完了したという報告(Report)を伝送する。
ターゲット装置の共振インピーダンストラッキングが完了すると、ステップS1150でソース装置は共振インピーダンストラッキングを行う。ソース装置において共振インピーダンストラッキングが完了すると、ステップS1160でインピーダンスマッチングされた共振電力がソース装置からターゲット装置に伝送される。
図12に示した例は、ソース装置に備えられた共振インピーダンストラッキング装置によって行う。又は、図12に示した例は、ターゲット装置に備えられた共振インピーダンストラッキング装置で行ってもよい。以下の説明では、図12に示した例がターゲット装置に備えられた共振インピーダンストラッキング装置によって行われるものと仮定する。
図12の例において、複数のキャパシタ(1201、1203、1205)の各々は、周波数オフセットに対応する互いに異なるC値を有するように決定する。図12の例において、複数のキャパシタ(1201、1203、1205)の各々のC値は、「1201」、「1203」、「1205」と仮定する。
ターゲット装置に接続された負荷変化又は消費電力が変化すれば、インピーダンスミスマッチングが発生する。
ターゲット制御部は、負荷変化を検出すれば、共振インピーダンストラッキングのための制御信号を生成する。ここで、ターゲット制御部は、共振インピーダンストラッキングがハイバンド(High Band)に進むべきか、又はローバンド(Low Band)で実行されるべきかを決定する。共振インピーダンストラッキングがハイバンド方向に進む場合、スイッチのスイッチングは、F2からF4に順次進める。すなわち、ターゲット制御部は、負荷のインピーダンスが変わって共振周波数をハイバンド方向に調節する必要がある場合、F2からF4方向にスイッチングするようにスイッチを制御する。
全ての物質は、固有の透磁率及び誘電率を有する。透磁率は、当該物質からえられた磁界に対して発生する磁束密度と、真空中でその磁界に対して発生する磁束密度との比を意味する。そして、誘電率は、当該物質からえられた電界に対して発生する電束密度と、真空中でその電界に対して発生する電束密度との比を意味する。
透磁率及び誘電率は、所定の周波数又は波長から当該物質の伝搬定数を決定し、透磁率及び誘電率によってその物質の電磁気特性が決定される。
特に、自然界に存在しない誘電率又は透磁率を有し、人工的に設計された物質をメタ物質とよび、メタ物質は非常に大きい波長又は非常に低い周波数領域においても容易に(すなわち、物質のサイズが大きく変わらなくても)共振状態に置くことができる。
図13を参照すると、本発明の一実施形態に係る共振器1300は、第1信号導体部分1311、第2信号導体部分1312、及びグラウンド導体部分1313を含む伝送線路、キャパシタ1320、整合器1330、及び導体(1341、1342)を含む。
ここで、「ループ構造」は、円形の構造、四角形のような多角形の構造などを全て含み、「ループ構造を有するとは」電気的に閉じていることを意味する。
能動素子が整合器1330に含まれる場合、能動素子はコントローラによって生成される制御信号に応答して駆動し、その制御信号に応じて共振器1300のインピーダンスを調整する。例えば、整合器1330には、能動素子の一種のダイオードを含んでもよく、ダイオードが「on」状態にあるか又は「off」状態にあるかによって、共振器1300のインピーダンスを調整することができる。
また、図13に示していないが、(MNG)共振器1300を貫通する磁気コアをさらに含んでもよい。このような磁気コアは、電力伝送距離を増加させる機能を行う。
図14を参照すると、本発明の一実施形態に係る立体構造の共振器1400は、第1信号導体部分1411、第2信号導体部分1412、及びグラウンド導体部分1413を含む伝送線路及びキャパシタ1420を含む。ここでキャパシタ1420は、伝送線路で第1信号導体部分1411と第2信号導体部分1412との間に直列に挿入され、電界はキャパシタ1420に閉じ込められる。
伝送線路は、上部に第1信号導体部分1411及び第2信号導体部分1412を含み、下部にグラウンド導体部分1413を含む。第1信号導体部分1411及び第2信号導体部分1412とグラウンド導体部分1413とは、互いに向かい合うように配置される。
電流は、第1信号導体部分1411及び第2信号導体部分1412を介してx方向に流れ、このような電流によって−y方向に磁界H(w)が発生する。勿論、図14に示すものとは異なり+y方向に磁界H(w)が発生させることもできる。
特に、分布素子の形態を有する分布型キャパシタは、ジグザグ形状の導体ラインとその導体ラインの間に存在する高誘電率を有する誘電体とを含んでもよい。
集中素子として挿入されたキャパシタ1420の容量が適切に決められる場合、共振器1400はメタ物質の特性を有する。特に、キャパシタ1420の容量を適切に調整することによって、共振器1400は特定周波数帯域で負の透磁率を有するため、本発明の一実施形態に係る共振器1400はMNG共振器と呼ばれる。
以下で説明するように、キャパシタ1420の容量を定める前提は多様であり得る。共振器1400がメタ物質の特性を有する前提、共振器1400が対象周波数で負の透磁率を有する前提、又は共振器1400が対象周波数で零次共振(Zeroth−Order Resonance)特性を有する前提などがあり、上述した前提のうち少なくとも1つの前提の下でキャパシタ1420の容量を決めてもよい。
(MNG)共振器1400は、零次共振特性を有するため、共振周波数は(MNG)共振器1400の物理的なサイズに対して独立的であり得る。(MNG)共振器1400において、共振周波数を変更するためにはキャパシタ1420を適切に設定することで充分であるため、(MNG)共振器1400の物理的なサイズを変更しなくてもよい。
MNG共振器1400は、集中素子のキャパシタ1420を用いて高いQファクターを有するため、電力伝送の効率を向上させることができる。
そして、電流は、コネクタ1440を介して(MNG)共振器1400に流入したり(MNG)共振器1400から流出する。
ここで、コネクタ1440はグラウンド導体部分1413又は整合器1430と接続されてもよい。
能動素子が整合器1430に含まれる場合、能動素子は、コントローラによって生成される制御信号に基づいて駆動し、その制御信号に基づいて共振器1400のインピーダンスが調整される。例えば、整合器1430には、能動素子の一種のダイオードを含むことができ、ダイオードが「on」状態にあるか又は「off」状態にあるかによって、共振器1400のインピーダンスを調整することができる。
また、図14に明確に示していないが、(MNG)共振器1400を貫通する磁気コアをさらに含んでもよい。このような磁気コアは、電力伝送距離を増加させる機能を行ってもよい。
図15を参照すると、第1信号導体部分1511と導体1542は、個別的に製作した後に互いに接続したものではなく、1つの一体型に製作してもよい。同様に、第2信号導体部分1512と導体1541もまた1つの一体型に製作してもよい。
ここで、本発明の実施形態によれば、第2信号導体部分1512と導体1541とは継ぎ目なしに(seamless)互いに接続され、導体1541とグラウンド導体部分1513とも継ぎ目なしに互いに接続され、継ぎ目による導体損失を減らすことができる。
即ち、第2信号導体部分1512とグラウンド導体部分1513とは、継ぎ目なしに1つの一体型に製作することができる。同様に、第1信号導体部分1511とグラウンド導体部分1513とは、継ぎ目なしに1つの一体型に製作することができる。
図15に示すように、継ぎ目なしに1つの一体型に2つ以上の部分を互いに接続する類型を「bulky type」と呼ぶこともある。
図16を参照すると、「Hollow type」で設計された無線電力伝送のための共振器の第1信号導体部分1611、第2信号導体部分1612、グラウンド導体部分1613、導体(1641、1642)の各々は、内部に空いた空間を含む。
図17を参照すると、パラレルシートを適用した無線電力伝送のための共振器に含まれる第1信号導体部分1711、第2信号導体部分1312の各々の表面にはパラレルシートが適用される。
第1信号導体部分1711、第2信号導体部分1712は、完全な導体(perfect conductor)ではないため抵抗成分を有してもよく、その抵抗成分によって抵抗損失が発生することもある。このような抵抗損失は、Qファクターを減少させ、カップリング効率を減少させることがある。
図17の符号1770の部分の拡大図を参照すると、パラレルシートが適用される場合、第1信号導体部分1711、第2信号導体部分1712の各々は複数の導体ラインを含む。この導体ラインは、並列に配置され、第1信号導体部分1711、第2信号導体部分1712の各々の終端で接続される。
第1信号導体部分1711、第2信号導体部分1712の各々の表面にパラレルシートを適用する場合、導体ラインが並列に配置されるため、導体ラインが有する抵抗成分の合計は減少する。したがって、抵抗損失を減らし、Qファクター及びカップリング効率を向上させることができる。
図18を参照すると、無線電力伝送のための共振器に含まれるキャパシタ1820は、分布型キャパシタである。集中素子としてのキャパシタは、相対的に高い等価直列抵抗(Equivalent Series Resistance:ESR)を有する。集中素子としてのキャパシタが有するESRを減らすための様々な提案があるが、本発明の実施形態は分布素子としてのキャパシタ1820を用いることによって、ESRを減らすことができる。参考として、ESRによる損失は、Qファクター及びカップリング効率を減少させることができる。
分布素子としてのキャパシタ1820は、図18に示すように、ジグザグ構造を有する。すなわち、分布素子としてのキャパシタ1820は、ジグザグ構造の導体ライン及び誘電体で実現される。
なぜなら、集中素子としてのキャパシタの各々が有する抵抗成分は、並列接続によって小さくなるため、並列的に接続された集中素子としてのキャパシタの有効抵抗もまた小さくなることができ、したがって、ESRによる損失を減らすことができる。例えば、10pFのキャパシタ1つを用いるものを1pFのキャパシタ10個を用いるものに変えることによって、ESRによる損失を減らすことができる。
図19は、整合器を含む図13に示した平面構造の共振器の一部を示し、図20は、整合器を含む図14に示した立体構造の共振器の一部を示す。
導体1331とグラウンド導体部分1313との間の距離「h」によって平面構造の共振器のインピーダンスは決定され、導体1331とグラウンド導体部分1313との間の距離「h」は、コントローラによって制御される。導体1331及びグラウンド導体部分1313の間の距離「h」は、多様な方式によって調整することができ、複数の導体のうちいずれか1つを適応的に活性化することによって導体1331となし、距離「h」を調整する方式、導体1331の物理的な位置を上下に調整することによって、距離「h」を調整する方式などがあり得る。
導体1431とグラウンド導体部分1413との間の距離「h」によって立体共振器のインピーダンスは決定され、導体1431とグラウンド導体部分1413との間の距離「h」は、コントローラによって制御される。平面構造の共振器に含まれる整合器と同様に、立体構造の共振器に含まれる整合器においても導体1431とグラウンド導体部分1413との間の距離「h」は多様な方式によって調整することができる。例えば、複数の導体のうちいずれか1つを適応的に活性化することによって導体1431となし距離「h」を調整する方式、導体1431の物理的な位置を上下に調整することによって、距離「h」を調整する方式などがあり得る。
図13に示した無線電力伝送のための共振器は、図21に示す等価回路でモデリングすることができる。
図21の等価回路において、CLは、図13の伝送線路の中断部に集中素子の形態で挿入されたキャパシタを示す。
LRは伝送線路のインダクタンスであり、CRは伝送線路と接地間のキャパシタンスである。
例えば、伝搬定数が0の場合、無線電力伝送のための共振器はωMZRを共振周波数として有すると仮定する。
ここで、共振周波数ωMZRは、以下の数式6のように表される。ここで、MZRは、「Mu Zero Resonator」を意味する。
したがって、共振周波数ωMZRと共振器との物理的なサイズが互いに独立的であるため、共振器の物理的なサイズは十分に小さくなり得る。
例えば、キャパシタ1420は、キャパシタ431と並列に接続してもよい。すなわち、ソースインピーダンストラッキング部370又は図4のターゲットインピーダンストラッキング部430は、共振器1300のCL値を調節できる多様な形態でキャパシタ1420に接続されてもよい。
例えば、説明した技術が説明した方法と異なる順序で実行したり、及び/又は説明したシステム、構造、装置、回路などの構成要素が説明した方法と異なる形態で結合又は組み合わせたり、他の構成要素又は均等物によって置き換えたり置換されても適切な結果を達成することができる。
したがって、本発明の範囲は、開示された実施形態に限定されて定められるものではなく、特許請求の範囲及び特許請求の範囲と均等なものなどによって定められるものである。
110 共振電力伝送装置
111 ソース部
113、123 マッチング制御部
115 ソース共振器
120 共振電力受信装置
121 ターゲット共振器
125 ターゲット部
210、250 AC/DCコンバータ
220 DC/ACインバータ
230 ソース共振部
240 ターゲット共振部
260 負荷
300 ソース装置
310 電圧制御部
311 トランス
313 整流部
315 定電圧制御部
320 AC/DCインバータ
330 スイッチング制御部
340 ソース制御部
350 ターゲット検出部
360 ソース反射信号検出部
370 ソースインピーダンストラッキング部
371、372、373、431、432、433 キャパシタ
379、437 スイッチ
380 ソース共振部
390 ソース共振部
400 ターゲット装置
401 負荷
410 負荷検出部
420 ターゲット反射信号検出部
430 ターゲットインピーダンストラッキング部
440 ターゲット制御部
450 ターゲット共振部
460 ターゲット共振器
470 AC/DCコンバータ
480 DC/DCコンバータ
Claims (18)
- ソース装置から伝送される共振電力を受信するターゲット装置に接続された負荷のインピーダンス及びその変化を検出する負荷検出部と、
前記共振電力に対応する反射信号を検出するターゲット反射信号検出部と、
共振周波数の決定要素を調節して共振インピーダンスのトラッキングを行うターゲットインピーダンストラッキング部と、
前記負荷のインピーダンスの変化があったか、又は前記反射信号が検出されたか、のいずれか、又はその両方に基づいて前記共振インピーダンスのトラッキングを制御するターゲット制御部と、
前記ソース装置がソース共振器の共振周波数を制御するために、前記ターゲット装置で検出された負荷のインピーダンスの変化量を前記ソース装置に送信する通信部と、を備えることを特徴とする共振電力伝送システムにおける共振インピーダンストラッキング装置。 - 前記負荷検出部は、前記負荷にかかる電圧及び前記負荷で流れる電流量を検出することによって、前記負荷のインピーダンスの変化を検出することを特徴とする請求項1に記載の共振電力伝送システムにおける共振インピーダンストラッキング装置。
- 前記ターゲット反射信号検出部は、カプラーによって前記反射信号を検出することを特徴とする請求項1に記載の共振電力伝送システムにおける共振インピーダンストラッキング装置。
- 前記ターゲットインピーダンストラッキング部は、複数のキャパシタ及びスイッチを含み、前記複数のキャパシタを順次スイッチングすることにより前記共振周波数の決定要素を調節することを特徴とする請求項1に記載の共振電力伝送システムにおける共振インピーダンストラッキング装置。
- 前記ターゲット制御部は、前記負荷のインピーダンスの変化量を取得して、前記インピーダンスの変化量に基づいて前記スイッチのスイッチング方向を決定することを特徴とする請求項4に記載の共振電力伝送システムにおける共振インピーダンストラッキング装置。
- ソース装置からターゲット装置に伝送される共振電力に対応する反射信号を検出するソース反射信号検出部と、
前記ターゲット装置に対するインピーダンスの変化を検出するターゲット検出部と、
前記ターゲット装置で検出された負荷のインピーダンスの変化量を前記ターゲット装置から受信する通信部と、
共振周波数の決定要素を調節して共振インピーダンスのトラッキングを行うソースインピーダンストラッキング部と、
前記ターゲット装置に対するインピーダンスの変化若しくは前記反射信号の検出の有無、又は前記通信部を介して受信した前記負荷のインピーダンスの変化量の少なくともいずれか1つに基づいて、前記共振インピーダンスのトラッキングを制御するソース制御部と、を備えることを特徴とする共振電力伝送システムにおける共振インピーダンストラッキング装置。 - 前記ソース反射信号検出部は、カプラーによって前記反射信号を検出することを特徴とする請求項6に記載の共振電力伝送システムにおける共振インピーダンストラッキング装置。
- 前記ターゲット検出部は、前記ターゲット装置に伝送される共振電力の電力量及び前記反射信号に基づいて前記ターゲット装置に対するインピーダンスの変化を検出することを特徴とする請求項6に記載の共振電力伝送システムにおける共振インピーダンストラッキング装置。
- 前記ソースインピーダンストラッキング部は、複数のキャパシタ及びスイッチを含み、前記複数のキャパシタを順次スイッチングすることにより前記共振周波数の決定要素を調節することを特徴とする請求項6に記載の共振電力伝送システムにおける共振インピーダンストラッキング装置。
- 前記ソース制御部は、前記ターゲット装置に対するインピーダンスの変化量を取得して、前記インピーダンスの変化量に基づいて前記スイッチのスイッチング方向を決定することを特徴とする請求項9に記載の共振電力伝送システムにおける共振インピーダンストラッキング装置。
- 共振電力伝送システムにおけるターゲット装置の共振インピーダンストラッキング方法であって、
ソース装置から伝送される共振電力を受信するターゲット装置に接続された負荷のインピーダンス及びその変化を検出するステップと、
前記負荷のインピーダンスの変化の検出の有無及び前記負荷のインピーダンスの変化量に基づいて共振インピーダンスのトラッキングを行うステップと、
前記共振電力に対応する反射信号の検出の有無に基づいて前記共振インピーダンスのトラッキングを制御するステップと、
前記負荷のインピーダンスの変化量及び前記共振インピーダンスのトラッキングが完了したという報告を前記ソース装置に送信するステップと、を有することを特徴とするターゲット装置の共振インピーダンストラッキング方法。 - 前記負荷のインピーダンスの変化を検出するステップは、前記負荷にかかる電圧及び前記負荷に流れる電流量を検出することによって、前記負荷のインピーダンスの変化を検出することを特徴とする請求項11に記載のターゲット装置の共振インピーダンストラッキング方法。
- 前記共振インピーダンスのトラッキングを行うステップは、
前記負荷のインピーダンスの変化量に関連する制御信号を生成するステップと、
前記制御信号に基づいて共振周波数の決定要素を順次変更するステップと、を含むことを特徴とする請求項11に記載のターゲット装置の共振インピーダンストラッキング方法。 - 前記共振周波数の決定要素は、ターゲット共振器のキャパシタンスに対応し、
前記制御信号は、前記キャパシタンスの順次的な増加又は減少に関する情報であることを特徴とする請求項13に記載のターゲット装置の共振インピーダンストラッキング方法。 - 共振電力伝送システムにおけるソース装置の共振インピーダンストラッキング方法であって、
共振電力を受信するターゲット装置に対するインピーダンスの変化を検出するステップと、
ターゲット装置で検出された負荷のインピーダンスの変化量及びターゲット装置の共振インピーダンスのトラッキングが完了したという報告を前記ターゲット装置から受信するステップと、
前記ターゲット装置に対するインピーダンスの変化の検出の有無及び前記ターゲット装置に対するインピーダンスの変化量、又は通信部を介して受信した前記負荷のインピーダンスの変化量の少なくともいずれか1つに基づいて共振インピーダンスのトラッキングを行うステップと、
前記共振電力に対応する反射信号の検出の有無に基づいて前記共振インピーダンスのトラッキングを制御するステップと、を有することを特徴とするソース装置の共振インピーダンストラッキング方法。 - 前記ターゲット装置に対するインピーダンスの変化は、前記ターゲット装置に伝送される共振電力の電力量及び前記反射信号に基づいて検出されることを特徴とする請求項15に記載のソース装置の共振インピーダンストラッキング方法。
- 前記共振インピーダンスのトラッキングを行うステップは、
前記インピーダンスの変化量に関連する制御信号を生成するステップと、
前記制御信号に基づいて共振周波数の決定要素を順次変更するステップと、を含むことを特徴とする請求項15に記載のソース装置の共振インピーダンストラッキング方法。 - 前記共振周波数の決定要素は、ソース共振器のキャパシタンスに対応し、
前記制御信号は、前記キャパシタンスの順次的な増加又は減少に関する情報であることを特徴とする請求項17に記載のソース装置の共振インピーダンストラッキング方法。
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