JP5882337B2 - 組織固定具 - Google Patents

Description

本開示は、概して組織移植片の固定に関し、詳細には組織移植片の固定で使用するための構成要素に関する。

［関連出願の相互参照］
本出願は、米国特許出願第６１／３８８０５６号に対する優先権を主張するＰＣＴ国際特許出願であり、その開示の全体を参照により本明細書に組み込む。

靱帯再建手術において、使用される移植片が四頭筋腱から採取されたものである場合、特定タイプの固定装置、すなわちエンドボタン（登録商標）を使用する選択は、縫合糸およびホイップタイプの縫合を使用することが必要になり、それには結び目を作る必要がある。結び目を使用すると、結び目間の剛性に、ある程度の変動が含まれる。エンドボタン（登録商標）ＣＬタイプは、縫合糸の連続するループを使用し、結び目がなく、したがって、非常に高い強度と剛性を示している。

米国特許第５３０６３０１号明細書 米国特許第５６４５５８８号明細書 米国特許第６５３３８０２号明細書 米国特許第７５３０９９０号明細書

エンドボタン（登録商標）ＣＬタイプを移植片、特に四頭筋腱に固定する方法、およびその方法で使用するための装置が求められている。

一態様において、本開示は、固定具を軟組織移植片に取り付けるための針に関する。針は、尖った遠位端および近位端を含み、近位端は縫合糸カプラを含み、縫合糸カプラは、フックおよびフックにより形成されたポケットを含み、針は、針の全長にわたって湾曲している。

一実施形態において、近位端は、通路と、通路への開口部と、をさらに含む。一実施形態において、近位端は、近位端の各側部に溝をさらに含む。別の実施形態において、針は、針の長さにわたってチャネルを含む。さらに別の実施形態において、溝はポケットと交差する。他の実施形態において、針は、針に結合された固定具をさらに含み、固定具は、固定具に結合された可撓性部材を含み、可撓性部材は固定具を針に結合する。

さらに他の実施形態において、可撓性部材の一部は、ポケット内に収容される。実施形態において、ポケットから延在する可撓性部材の部分が、溝の内部に収容される。別の実施形態において、可撓性部材は、連続するループの形状をなしており、ループは、ポケット内に収容される第１の端部と、固定具に結合される第２の端部と、を含む。さらに別の実施形態において、固定具は、少なくとも１つの穴を含み、縫合糸の第２の端部が、穴を使用することにより固定具に結合される。他の実施形態において、固定具は２つの穴を含み、縫合糸の第２の端部が２つの穴を使用することにより固定具に結合される。さらに他の実施形態において、固定具は４つの穴を含み、縫合糸の第２の端部が、穴のうちの２つを使用することにより固定具に結合され、後方縫合糸（trailing suture）が第３の穴に結合され、かつ前方縫合糸（leading suture）が第４の穴に結合される。

別の態様において、本開示は、軟組織移植片を骨に固定する方法に関する。前記方法は、針を使用することにより軟組織移植片に固定具を結合するステップであって、針が尖った遠位端および近位端を含み、近位端が縫合糸カプラを含み、縫合糸カプラが、フックと、フックにより形成されたポケットと、を含み、針が、針の全長にわたって湾曲している、前記ステップと、固定具を使用することにより軟組織移植片を骨に結合するステップと、を含む。

一実施形態において、方法は、軟組織移植片を、大腿骨を含む骨の内部のトンネルに通すステップをさらに含む。別の実施形態において、固定具は、固定具に結合された可撓性部材を含み、可撓性部材は、固定具を針に結合する。さらに別の実施形態において、可撓性部材の一部が、ポケット内に収容される。他の実施形態において、可撓性部材は、連続するループの形状をなしており、ループは、ポケット内に収容される第１の端部と、固定具に結合される第２の端部と、を含む。

さらに他の実施形態において、固定具は、少なくとも１つの穴を含み、縫合糸の第２の端部は、穴を使用することにより固定具に結合される。一実施形態において、固定具は２つの穴を含み、縫合糸の第２の端部が、２つの穴を使用することにより固定具に結合される。別の実施形態において、固定具は４つの穴を含み、縫合糸の第２の端部が、穴のうちの２つを使用することにより固定具に結合され、後方縫合糸が第３の穴に結合され、かつ前方縫合糸が第４の穴に結合される。

本開示の適用性のさらなる範囲は、以下で提供される詳細な説明から明らかになろう。詳細な説明および具体的な例は、本開示の好ましい実施形態を示しているが、単に例示するためのものであり、本開示の範囲を限定するようには意図されていないことを理解されたい。

本明細書に組み込まれており、かつその一部を形成する添付図面は、本開示の種々の実施形態を例示しており、本記述と併せて、本開示の原理、特性、および特徴を説明するのに役立つ。

本開示の針の側面図である。 図１の針の等角図である。 本開示の固定具に結合された図１の針の等角図である。 本開示による骨に軟組織移植片を固定する方法を示す図である。 本開示による骨に軟組織移植片を固定する方法を示す図である。 本開示による骨に軟組織移植片を固定する方法を示す図である。 本開示による骨に軟組織移植片を固定する方法を示す図である。 本開示による骨に軟組織移植片を固定する方法を示す図である。 本開示による骨に軟組織移植片を固定する方法を示す図である。 本開示による骨に軟組織移植片を固定する方法を示す図である。 本開示による骨に軟組織移植片を固定する方法を示す図である。 本開示による骨に軟組織移植片を固定する方法を示す図である。

以下の好適な実施形態の説明は、単に例示的な性質のものに過ぎず、決して本開示、その適用、または使用を限定することを意図するものではない。

図１および図２は本開示の針１０を示す。針１０は、遠位端１１および近位端１２を含む。本開示において、遠位端１１は尖っている。しかし、遠位端１１を尖らせないことも本開示の範囲に含まれる。近位端１２は、通路（passage）１２ｂおよび通路１２ｂへの開口部１２ｂ´と、フック１２ｃと、フック１２ｃにより形成されたポケット１２ｄと、を有する縫合糸カプラ１２ａを含む。さらに、縫合糸カプラ１２ａは、カプラ１２ａの各側部に、ポケット１２ｄと交差する溝１２ｅを含む。本開示において、針１０はその全長にわたって湾曲している。しかし、針１０が湾曲していないことも本開示の範囲に含まれる。さらに、針１０は、針１０の長さにわたってチャネル１３を含む。針が２つ未満のチャネル１３を有すること又はチャネル１３を有しないことも、本開示の範囲に含まれる。ポケット１２ｄおよび溝１２ｅの目的は、縫合糸の一部（a portion）または部分（portions）を収容するためであり、以下でさらに説明する。針１０は、生体適合性のある金属材料から、当業者に知られたプロセスにより製作される。しかし、針１０に、その意図する目的で使用するのに十分な強度を持たせることのできる他の材料を使用することもできる。

図３は、針１０に結合された固定具２０を備える針１０を示す。固定具２０は、スミスアンドネフューインコーポレーテッドにより製造および販売されるエンドボタン（登録商標）ＣＬタイプである。固定具２０は、固定装置２１と、固定装置２１に結合された閉ループ縫合糸２２と、を含む。縫合糸２２の第１の端部２２ａは、端部２２ａを、通路１２ｂの開口部１２ｂ´を通し、通路１２ｂを通してポケット１２ｄへと配置することにより縫合糸カプラ１２ａに結合される。フック１２ｃは、端部２２ａがポケット１２ｄからはずれて、針１０との結合が解除される可能性を実質的に低減する。固定装置２１は、４つの穴２１ａ、２１ｂを含み、縫合糸２２の第２の端部２２ｂが２つの穴２１ａに結合される。固定装置２１が１つの穴２１ａを含み、かつ縫合糸２２の端部２２ａが１つの穴２１ａを介して固定装置２１に結合されることも本開示の範囲に含まれる。さらに固定装置２１は、２つのさらなる穴２１ｂを含む。これらの穴２１ｂは、後方縫合糸および前方縫合糸を収容するためのものであって、特許文献１、特許文献２、特許文献３、および特許文献４でさらに述べられており、その開示の全体を参照により本明細書に組み込む。

図４〜図１２は、軟組織移植片３０を骨に結合する方法を示す。図４は、軟組織移植片３０を示している。本開示において、移植片３０は四頭筋腱である。しかし、移植片３０は、他のヒトもしくは動物の軟組織、または合成組織とすることもできる。移植片３０は、第１の端部３１および第２の端部３２を含む。図４〜図１２に示されていないが、第１の端部３１は骨を含む。骨を含まない第２の端部３２は、固定具２０が結合される端部である。図４および図５に示されるように、針１０は、端部３２の第１の位置３２ａを通し、移植片３０を貫通して引っ張られる。図６〜図８に示されるように、針１０は、続いて移植片３０を回って戻り、端部３２の第２の位置３２ｂを通し、移植片３０を貫通して引っ張られる。図９〜図１１に示されるように、針１０は、縫合糸端部２２ａが端部３２の周りでループを作るように端部３２を回って戻される。針１０は、次いで、端部２２ａから外すことにより、縫合糸２２から取り外すことができる。図１２に示されるように、最終ステップは、固定装置２１を引っ張り、縫合糸２２に端部３２の周りで張力を加えることである。本開示において、針１０は、移植片３０を２回通している。しかし、針１０を、２回よりも多く、または少ない回数で移植片３０に通すことも本開示の範囲に含まれる。

固定具２０が移植片３０に結合された後、移植片３０を、脛骨および大腿骨に位置する骨トンネルを介して引っ張ることができ、かつ固定装置２１を大腿骨の外側表面上に配置することにより、移植片３０を大腿骨に取り付けることができるが、それは、特許文献１、特許文献２、特許文献３、および特許文献４において、より十分に説明されている。本開示において、方法は、膝に対する靱帯再建手術で軟組織移植片と共に針１０および固定具２０を使用することを含む。しかし、針１０および固定具２０は、別のタイプの手術に関して軟組織移植片と共に使用することもできる。

本開示の範囲から逸脱することなく、対応する例示を参照して上記で述べた例示的な各実施形態に対して様々な変更を加えることができ、したがって、前述の記載に含まれ、かつ添付図面に示されたすべての事項は、例示的なものであって、限定するものではないと解釈すべきであることが意図される。したがって、本開示の広さおよび範囲は、上述した例示的な実施形態のいずれかによって限定されるべきではなく、本明細書に添付された以下の特許請求の範囲、およびその均等な形態によってのみ定義されるべきである。

１０ 針
１１ 遠位端
１２ 近位端
１２ａ 縫合糸カプラ
１２ｂ 通路
１２ｂ´ 開口部
１２ｃ フック
１２ｄ ポケット
１２ｅ 溝
１３ チャネル
２０ 固定具
２１ 固定装置
２１ａ 穴
２１ｂ 穴
２２ 閉ループ縫合糸
２２ａ 第１の端部
２２ｂ 第２の端部
３０ 軟組織移植片
３１ 第１の端部
３２ 第２の端部
３２ａ 第１の位置
３２ｂ 第２の位置

Claims (8)

1. アセンブリであって、
   可撓性部材と、
   針であって、尖った遠位端、前記可撓性部材の第１端部が取り付けられるフックを含む前記針の近位端を有する針と、
   前記可撓性部材の第２端部が取り付けられる固定装置であって、前記固定装置の長さ方向軸が前記可撓性部材の一部に対して直角に向いている固定装置と、を備え、
   前記可撓性部材が貫通可能要素の第１の位置の穴を通過しており、前記貫通可能要素は合成組織であり、
   前記可撓性部材が前記貫通可能要素の第２の位置の穴を通過しており、前記貫通可能要素の遠位端が第１位置の穴よりも遠くに離れて配置されており、
   前記可撓性部材の撚糸の第１部分が並んで配置され、撚糸の第１部分が前記貫通可能要素の第１位置の穴を通過しており、
   前記可撓性部材の撚糸の第２部分が並んで配置されており、撚糸の第２部分が前記貫通可能要素の第２位置の穴を通過しており、
   前記可撓性部材の撚糸が第１の撚糸及び第２の撚糸を含み、
   前記貫通可能要素の一部が前記第１の位置の穴と前記第２の位置にある穴との間に延在する前記可撓性部材の第１の撚糸及び第２の撚糸の部分の間に存在し、
   前記貫通可能要素が、前記貫通可能要素の前記第２の位置にある穴と前記針の近位端に取り付けられた可撓性部材の第１端部との間に延在する前記可撓性部材の撚糸の分離箇所の間に存在することを特徴とするアセンブリ。
2. 前記針は湾曲していることを特徴とする請求項１に記載のアセンブリ。
3. 後方縫合糸と、
   前方縫合糸と、をさらに備え、
   前記フックがポケットを規定し、前記ポケットへの開口が湾曲した針の凸側に配置されており、
   前記後方縫合糸は前記固定装置中の第１の穴に結合されており、
   前記前方縫合糸は前記固定装置中の第２の穴に結合されていることを特徴とする請求項２に記載のアセンブリ。
4. 第１縫合糸と、
   第２縫合糸と、をさらに備え、
   前記第１縫合糸は前記固定装置中の第１の穴に留められており、
   前記第２縫合糸は前記固定装置中の第２の穴に留められていることを特徴とする請求項２に記載のアセンブリ。
5. 前記可撓性部材は、可撓性材料の連続ループであることを特徴とする請求項１に記載のアセンブリ。
6. 前記可撓性部材の第１端が前記針の近位端に取り付けられており、
   前記可撓性部材の第２端が前記固定装置に取り付けられていることを特徴とする請求項１に記載のアセンブリ。
7. 前記可撓性部材の撚糸の分離箇所が、前記貫通可能要素周りで張力を加えられていることを特徴とする請求項１に記載のアセンブリ。
8. 前記可撓性部材はループ縫合糸であることを特徴とする請求項７に記載のアセンブリ。

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