JP5880993B2 - メッシュターゲットを使用した、低および高有機移動相組成のための衝撃ベースのイオン源の改善された再現性 - Google Patents

メッシュターゲットを使用した、低および高有機移動相組成のための衝撃ベースのイオン源の改善された再現性 Download PDF

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Description

本発明は、質量分析計用のイオン源および試料をイオン化する方法に関する。好ましい実施形態は、質量分析計および質量分析の方法に関する。
HPLCまたはUPLCクロマトグラフィー装置からの液体流をイオン化するために、生じる気相イオンを質量分析計により分析する前に、大気圧イオン化(「API」)イオン源が広く使用されている。最も一般的に使用される2つの技術としては、エレクトロスプレーイオン化(「ESI」)および大気圧化学イオン化(「APCI」)が挙げられる。ESIは、中〜高極性分析物に最適であり、APCIは、非極性分析物に最適である。これらの技術の両者を組み合わせたAPIイオン源は、各技術により生成される電界が遮断され、互いに独立であることを保証する幾何学を使用してESIとAPCIイオン化とを同時に組み合わせる設計において提案および実現されてきた。これらのいわゆる「マルチモード」イオン源は、異なるイオン化技術間を切り替える必要なく、1回のクロマトグラフの実施で広範囲の極性を含む分析混合物をイオン化できるという利点を有する。米国特許第7034291号は、ESIイオン源および下流コロナニードルを含むESI/APCIマルチモードイオン源を開示している。米国特許第7411186号は、マルチモードESI/APCIイオン源を開示している。既知のマルチモードイオン源は、機械的に複雑であるという問題を抱えている。
液体クロマトグラフィーを質量分析とインターフェース接続するために、他の汎用またはマルチモードイオン源が提案されてきた。そのような例の1つに、表面活性化化学イオン化(「SACI」)イオン源がある。これは、加熱ネブライザープローブからの蒸気流を、質量分析計のイオン入口開口部の近くでネブライザーの端から15〜20mm離れて位置するブロードエリア帯電ターゲットプレートに導く。SACIイオン源のスプレーポイントは、加熱ネブライザープローブ内にあり、その結果、SACIイオン源のスプレーポイントとターゲットプレートとの間の典型的な距離は70mmとなる。スプレーヤーとターゲットとの間の距離が比較的長いこの幾何学的構成により、ターゲットにおいて分散反射流を有する発散スプレーが生成される。これは、通常、最適化ESIおよびAPCI源と比較して感度を低下させる。米国特許第7368728号は、公知の表面活性化化学イオン化イオン源を開示している。
原子吸光分光に使用されるインパクターネブライザーの噴霧されるスプレー点に極めて近い位置に、ビーズの形態の小さいターゲットを設置することも知られている。インパクターネブライザーは、例えば、Anal.Chem.1982、54、1411〜1419に開示されている。公知のインパクターネブライザーは、試料のイオン化には使用されない。
質量分析計のための改善されたイオン源を提供することが望まれている。
本発明の態様によれば、
1以上のネブライザーと1以上のターゲットとを備え、
1以上のネブライザーが、1以上のターゲットに衝突させ、液滴をイオン化して複数のイオンを形成するイオン源が提供される。
液滴は、好ましくは分析物液滴を含む。複数のイオンは、好ましくは分析物イオンを含む。
しかしながら、別の実施形態によれば、液滴は、試薬液滴を含んでもよい。複数のイオンは、試薬イオンを含んでもよい。
好ましい実施形態によれば、作成される試薬イオンは、中性分析物分子と反応する、相互作用する、またはそれに電荷を運び、分析物分子をイオン化できる。試薬イオンを使用して分析物イオンの形成を強化することもできる。
実施形態によれば、1以上のチューブを、1種以上の分析物または他のガスを1以上のターゲットに隣接した領域に供給するように配置および適合させてもよい。
試薬イオンは、好ましくは分析物ガスをイオン化して複数の分析物イオンを形成するように配置される。
分析物液体を1以上のターゲットに供給し、イオン化して複数の分析物イオンを形成し、かつ/または試薬液体を1以上のターゲットに供給し、イオン化して試薬イオンを形成できる。この試薬イオンは、電荷を中性分析物原子または分子に運び分析物イオンを形成する、および/または分析物イオンの形成を強化する。
1以上のターゲットは、好ましくは1以上の開口部を備える。分析物液体および/または試薬液体が、1以上のターゲットに直接に供給され、1以上の開口部から出る。
実施形態によれば、1以上のターゲットは、1種以上の液体、固体またはゼラチン状分析物でコーティングしてもよい。1種以上の分析物をイオン化して複数の分析物イオンを形成する。
1以上のターゲットを1種以上の分析物から形成することができ、1種以上の分析物をイオン化して複数の分析物イオンを形成することができる。
好ましい実施形態によれば、イオン源は、大気圧イオン化(「API」)イオン源を含む。
1以上のネブライザーは、好ましくは1以上のネブライザーにより放出される質量または物質の大部分が、蒸気ではなく液滴の形態となるように配置および適合される。
好ましくは、1以上のネブライザーにより放出される質量または物質の少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%または95%が液滴の形態である。
1以上のネブライザーは、好ましくは、液滴の流れを放出するように配置および適合される。液滴のザウター平均直径(「SMD」、d32)は、(i)<5μm、(ii)5〜10μm、(iii)10〜15μm、(iv)15〜20μm、(v)20〜25μm、または(vi)>25μmの範囲にある。
1以上のネブライザーから放出された液滴の流れは、好ましくは1以上のターゲットに衝突した後に、二次液滴の流れを形成する。
液滴の流れおよび/または二次液滴の流れは、好ましくは、(i)<2000、(ii)2000〜2500、(iii)2500〜3000、(iv)3000〜3500、(v)3500〜4000、または(vi)>4000の範囲のレイノルズ数(Re)を有する流れ領域を横切る。
好ましい実施形態によれば、実質的に液滴が1以上のターゲットに衝突する点において、液滴が、(i)<50、(ii)50〜100、(iii)100〜150、(iv)150〜200、(v)200〜250、(vi)250〜300、(vii)300〜350、(viii)350〜400、(ix)400〜450、(x)450〜500、(xi)500〜550、(xii)550〜600、(xiii)600〜650、(xiv)650〜700、(xv)700〜750、(xvi)750〜800、(xvii)800〜850、(xviii)850〜900、(xix)900〜950、(xx)950〜1000、および(xxi)>1000からなる群から選択されるウェーバー数(We)を有する。
好ましい実施形態によれば、実質的に液滴が1以上のターゲットに衝突する点において、液滴が、(i)1〜5、(ii)5〜10、(iii)10〜15、(iv)15〜20、(v)20〜25、(vi)25〜30、(vii)30〜35、(viii)35〜40、(ix)40〜45、(x)45〜50、および(xi)>50の範囲のストローク数(S)を有する。
1以上のターゲットに対する液滴の平均軸衝撃速度は、好ましくは、(i)<20m/s、(ii)20〜30m/s、(iii)30〜40m/s、(iv)40〜50m/s、(v)50〜60m/s、(vi)60〜70m/s、(vii)70〜80m/s、(viii)80〜90m/s、(ix)90〜100m/s、(x)100〜110m/s、(xi)110〜120m/s、(xii)120〜130m/s、(xiii)130〜140m/s、(xiv)140〜150m/s、および(xv)>150m/sからなる群から選択される。
1以上のターゲットは、好ましくは1以上のネブライザーの出口から<20mm、<19mm、<18mm、<17mm、<16mm、<15mm、<14mm、<13mm、<12mm、<11mm、<10mm、<9mm、<8mm、<7mm、<6mm、<5mm、<4mm、<3mm、または<2mmに配置される。
1以上のネブライザーは、好ましくは一定期間にわたって1以上の装置により放出される1種以上の溶出液を噴霧するように配置および適合される。
1以上の装置は、好ましくは1以上の液体クロマトグラフィー分離装置を含む。
1以上のネブライザーは、好ましくは1種以上の溶出液を噴霧するように配置および適合される。この1種以上の溶出液は、(i)<1μL/分、(ii)1〜10μL/分、(iii)10〜50μL/分、(iv)50〜100μL/分、(v)100〜200μL/分、(vi)200〜300μL/分、(vii)300〜400μL/分、(viii)400〜500μL/分、(ix)500〜600μL/分、(x)600〜700μL/分、(xi)700〜800μL/分、(xii)800〜900μL/分、(xiii)900〜1000μL/分、(xiv)1000〜1500μL/分、(xv)1500〜2000μL/分、(xvi)2000〜2500μL/分、および(xvii)>2500μL/分からなる群から選択される液体流速を有する。
1以上のネブライザーは、さほど好ましくない実施形態によれば、1以上の回転ディスクネブライザーを含んでもよい。
1以上のネブライザーは、好ましくは使用中に液滴の流れを放出する出口を有する第1のキャピラリーチューブを含む。
第1のキャピラリーチューブは、好ましくは使用中に、(i)−5〜−4kV、(ii)−4〜−3kV、(iii)−3〜−2kV、(iv)−2〜−1kV、(v)−1000〜−900V、(vi)−900〜−800V、(vii)−800〜−700V、(viii)−700〜−600V、(ix)−600〜−500V、(x)−500〜−400V、(xi)−400〜−300V、(xii)−300〜−200V、(xiii)−200〜−100V、(xiv)−100〜−90V、(xv)−90〜−80V、(xvi)−80〜−70V、(xvii)−70〜−60V、(xviii)−60〜−50V、(xix)−50〜−40V、(xx)−40〜−30V、(xxi)−30〜−20V、(xxii)−20〜−10V、(xxiii)−10〜0V、(xxiv)0〜10V、(xxv)10〜20V、(xxvi)20〜30V、(xxvii)30〜40V、(xxviii)40〜50V、(xxix)50〜60V、(xxx)60〜70V、(xxxi)70〜80V、(xxxii)80〜90V、(xxxiii)90〜100V、(xxxiv)100〜200V、(xxxv)200〜300V、(xxxvi)300〜400V、(xxxvii)400〜500V、(xxxviii)500〜600V、(xxxix)600〜700V、(xl)700〜800V、(xli)800〜900V、(xlii)900〜1000V、(xliii)1〜2kV、(xliv)2〜3kV、(xlv)3〜4kV、および(xlvi)4〜5kVの電位に維持される。
第1のキャピラリーチューブは、好ましくは使用中に質量分析計および/または1以上のターゲットの第1の真空度にするイオン源および/またはイオン入口装置を囲む筐体の電位に対して、(i)−5〜−4kV、(ii)−4〜−3kV、(iii)−3〜−2kV、(iv)−2〜−1kV、(v)−1000〜−900V、(vi)−900〜−800V、(vii)−800〜−700V、(viii)−700〜−600V、(ix)−600〜−500V、(x)−500〜−400V、(xi)−400〜−300V、(xii)−300〜−200V、(xiii)−200〜−100V、(xiv)−100〜−90V、(xv)−90〜−80V、(xvi)−80〜−70V、(xvii)−70〜−60V、(xviii)−60〜−50V、(xix)−50〜−40V、(xx)−40〜−30V、(xxi)−30〜−20V、(xxii)−20〜−10V、(xxiii)−10〜0V、(xxiv)0〜10V、(xxv)10〜20V、(xxvi)20〜30V、(xxvii)30〜40V、(xxviii)40〜50V、(xxix)50〜60V、(xxx)60〜70V、(xxxi)70〜80V、(xxxii)80〜90V、(xxxiii)90〜100V、(xxxiv)100〜200V、(xxxv)200〜300V、(xxxvi)300〜400V、(xxxvii)400〜500V、(xxxviii)500〜600V、(xxxix)600〜700V、(xl)700〜800V、(xli)800〜900V、(xlii)900〜1000V、(xliii)1〜2kV、(xliv)2〜3kV、(xlv)3〜4kV、および(xlvi)4〜5kVの電位に維持される。
実施形態によれば、ワイヤーを第1のキャピラリーチューブに囲まれる容積内に配置させてもよい。ワイヤーは、液滴の流れを集中させるように配置および適合される。
好ましい実施形態によれば、
(i)第1のキャピラリーチューブは、ガス流を第1のキャピラリーチューブの出口に供給するように配置および適合された第2のキャピラリーチューブに囲まれる、または、
(ii)第2のキャピラリーチューブは、ガスのクロスフロー流を第1のキャピラリーチューブの出口に供給するように配置および適合される。
第2のキャピラリーチューブは、好ましくは第1のキャピラリーチューブを囲む、および/または第1のキャピラリーチューブと同心円状もしくは非同心円状である。
第1のキャピラリーチューブの端と第2のキャピラリーチューブの端とは、好ましくは、(i)互いに同一平面上にあるもしくは平行である、または(ii)互いに対して突出している、陥凹しているもしくは平行でない。
第1のキャピラリーチューブの出口は、好ましくは直径Dを有し、液滴のスプレーは、好ましくは1以上のターゲットの衝撃ゾーンに衝突するように配置される。
衝撃ゾーンは、好ましくはxの最大寸法を有する。比率x/Dは、<2、2〜5、5〜10、10〜15、15〜20、20〜25、25〜30、30〜35、35〜40、または>40の範囲にある。
衝撃ゾーンは、好ましくは、(i)<0.01mm、(ii)0.01〜0.10mm、(iii)0.10〜0.20mm、(iv)0.20〜0.30mm、(v)0.30〜0.40mm、(vi)0.40〜0.50mm、(vii)0.50〜0.60mm、(viii)0.60〜0.70mm、(ix)0.70〜0.80mm、(x)0.80〜0.90mm、(xi)0.90〜1.00mm、(xii)1.00〜1.10mm、(xiii)1.10〜1.20mm、(xiv)1.20〜1.30mm、(xv)1.30〜1.40mm、(xvi)1.40〜1.50mm、(xvii)1.50〜1.60mm、(xviii)1.60〜1.70mm、(xix)1.70〜1.80mm、(xx)1.80〜1.90mm、(xxi)1.90〜2.00mm、(xxii)2.00〜2.10mm、(xxiii)2.10〜2.20mm、(xxiv)2.20〜2.30mm、(xxv)2.30〜2.40mm、(xxvi)2.40〜2.50mm、(xxvii)2.50〜2.60mm、(xxviii)2.60〜2.70mm、(xxix)2.70〜2.80mm、(xxx)2.80〜2.90mm、(xxxi)2.90〜3.00mm、(xxxii)3.00〜3.10mm、(xxxiii)3.10〜3.20mm、(xxxiv)3.20〜3.30mm、(xxxv)3.30〜3.40mm、(xxxvi)3.40〜3.50mm、(xxxvii)3.50〜3.60mm、(xxxviii)3.60〜3.70mm、(xxxix)3.70〜3.80mm、(xl)3.80〜3.90mm、および(xli)3.90〜4.00mmからなる群から選択される面積を有する。
イオン源は、好ましくは1種以上の加熱ガス流を1以上のネブライザーの出口に供給するように配置および適合された1以上のヒーターをさらに備える。
実施形態によれば、
(i)1以上のヒーターは第1のキャピラリーチューブを囲み、加熱ガス流を第1のキャピラリーチューブの出口に供給するように配置および適合される、および/または
(ii)1以上のヒーターは1以上の赤外線ヒーターを含む、および/または
(iii)1以上のヒーターは1以上の燃焼式ヒーターを含む。
イオン源は、1以上のターゲットを直接的におよび/または間接的に加熱するように配置および適合された1以上の加熱装置をさらに備えてよい。
1以上の加熱装置は、1以上のターゲットを加熱するために1以上のターゲットに衝突する1以上のレーザー光を放出するように配置および適合された1以上のレーザーを備えてよい
実施形態によれば、1以上のターゲットは、使用中に、(i)−5〜−4kV、(ii)−4〜−3kV、(iii)−3〜−2kV、(iv)−2〜−1kV、(v)−1000〜−900V、(vi)−900〜−800V、(vii)−800〜−700V、(viii)−700〜−600V、(ix)−600〜−500V、(x)−500〜−400V、(xi)−400〜−300V、(xii)−300〜−200V、(xiii)−200〜−100V、(xiv)−100〜−90V、(xv)−90〜−80V、(xvi)−80〜−70V、(xvii)−70〜−60V、(xviii)−60〜−50V、(xix)−50〜−40V、(xx)−40〜−30V、(xxi)−30〜−20V、(xxii)−20〜−10V、(xxiii)−10〜0V、(xxiv)0〜10V、(xxv)10〜20V、(xxvi)20〜30V、(xxvii)30〜40V、(xxviii)40〜50V、(xxix)50〜60V、(xxx)60〜70V、(xxxi)70〜80V、(xxxii)80〜90V、(xxxiii)90〜100V、(xxxiv)100〜200V、(xxxv)200〜300V、(xxxvi)300〜400V、(xxxvii)400〜500V、(xxxviii)500〜600V、(xxxix)600〜700V、(xl)700〜800V、(xli)800〜900V、(xlii)900〜1000V、(xliii)1〜2kV、(xliv)2〜3kV、(xlv)3〜4kV、および(xlvi)4〜5kVの電位に維持される。
実施形態によれば、1以上のターゲットは、使用中に質量分析計および/または1以上のネブライザーの第1の真空度にするイオン源および/またはイオン入口装置を囲む筐体の電位に対して、(i)−5〜−4kV、(ii)−4〜−3kV、(iii)−3〜−2kV、(iv)−2〜−1kV、(v)−1000〜−900V、(vi)−900〜−800V、(vii)−800〜−700V、(viii)−700〜−600V、(ix)−600〜−500V、(x)−500〜−400V、(xi)−400〜−300V、(xii)−300〜−200V、(xiii)−200〜−100V、(xiv)−100〜−90V、(xv)−90〜−80V、(xvi)−80〜−70V、(xvii)−70〜−60V、(xviii)−60〜−50V、(xix)−50〜−40V、(xx)−40〜−30V、(xxi)−30〜−20V、(xxii)−20〜−10V、(xxiii)−10〜0V、(xxiv)0〜10V、(xxv)10〜20V、(xxvi)20〜30V、(xxvii)30〜40V、(xxviii)40〜50V、(xxix)50〜60V、(xxx)60〜70V、(xxxi)70〜80V、(xxxii)80〜90V、(xxxiii)90〜100V、(xxxiv)100〜200V、(xxxv)200〜300V、(xxxvi)300〜400V、(xxxvii)400〜500V、(xxxviii)500〜600V、(xxxix)600〜700V、(xl)700〜800V、(xli)800〜900V、(xlii)900〜1000V、(xliii)1〜2kV、(xliv)2〜3kV、(xlv)3〜4kV、および(xlvi)4〜5kVの電位に維持される。
好ましい実施形態によれば、動作モード中、1以上のターゲットが正電位に維持され、1以上のターゲットに衝突する液滴が、複数の正に帯電したイオンを形成する。
別の好ましい実施形態によれば、動作モード中、1以上のターゲットが負電位に維持され、1以上のターゲットに衝突する液滴が、複数の負に帯電したイオンを形成する。
イオン源は、正弦波または非正弦波ACまたはRF電圧を1以上のターゲットに印加するように配置および適合された装置をさらに備えてよい。
1以上のターゲットは、好ましくは液滴の流れおよび/または複数のイオンを、質量分析計のイオン入口装置に向けて偏向させるように配置されるか、あるいは何らかの方法で位置決めされる。
1以上のターゲットは、好ましくは質量分析計のイオン入口装置の上流に位置決めされ、イオンがイオン入口装置の方向に向けて偏向する。
1以上のターゲットは、ステンレス鋼ターゲット、金属、金、非金属物質、半導体、カーバイドコーティングを有する金属もしくは他の物質、絶縁体またはセラミックを含んでもよい。
1以上のターゲットは、複数のターゲット要素を含んでもよく、1以上のネブライザーからの液滴は複数のターゲット要素上に落ちる、および/またはターゲットは多数の衝撃点を有するように配置され、液滴は多数のそれた偏向によりイオン化される。
1以上のターゲットは、1以上のターゲットを通過するガス流が質量分析計のイオン入口装置に向かうか、これと平行になる、これと直交する、またはこれから離れるように案内もしくは偏向されるように形成するまたは空気力学プロファイルを有することができる。
複数のイオンの少なくとも一部または大多数を、使用中に1以上のターゲットを通過するガス流に巻き込まれるように配置してもよい。
実施形態によれば、動作モード中、1以上の基準または検量体ネブライザーからの液滴は1以上のターゲット上に案内される。
実施形態によれば、動作モード中、1種以上の分析物ネブライザーからの液滴は1以上のターゲット上に案内される。
本発明の別の態様によれば、前述のイオン源を備える質量分析計が提供される。
質量分析計は、好ましくは質量分析計の第1の真空度にするイオン入口装置をさらに備える。
イオン入口装置は、好ましくはイオンオリフィス、イオン入口コーン、イオン入口キャピラリー、イオン入口加熱キャピラリー、イオントンネル、イオン移動度分光計もしくは分離器、示差イオン移動度分光計、非対称電界イオン移動度分光計(「FAIMS」)装置、または他のイオン入口を備える。
1以上のターゲットは、好ましくはイオン入口装置から第1の方向における第1の距離X、およびイオン入口装置から第2の方向における第2の距離Zに位置し、第2の方向は第1の方向と直交しており、
(i)Xは、(i)0〜1mm、(ii)1〜2mm、(iii)2〜3mm、(iv)3〜4mm、(v)4〜5mm、(vi)5〜6mm、(vii)6〜7mm、(viii)7〜8mm、(ix)8〜9mm、(x)9〜10mm、および(xi)>10mmからなる群から選択される、および/または
(ii)Zは、(i)0〜1mm、(ii)1〜2mm、(iii)2〜3mm、(iv)3〜4mm、(v)4〜5mm、(vi)5〜6mm、(vii)6〜7mm、(viii)7〜8mm、(ix)8〜9mm、(x)9〜10mm、および(xi)>10mmからなる群から選択される。
1以上のターゲットは、好ましくは液滴の流れおよび/または複数のイオンをイオン入口装置に向けて偏向させるように位置決めされる。
1以上のターゲットは、好ましくはイオン入口装置の上流に位置決めされる。
1以上のターゲットは、好ましくは(i)1以上のロッド、または(ii)テーパコーンを有する1以上のピンのいずれかを備える。
液滴の流れは、好ましくは1以上のロッドまたは1以上のピンのテーパコーンに対して、(i)1以上のロッドまたはピンの中心線に直接的に、または(ii)イオン入口オリフィスの方をまたはそれから離れる方を向く1以上のロッドまたは1以上のピンのテーパコーンの側面のいずれかに衝突するように配置される。
質量分析計は、1以上のネブライザー、1以上のターゲット、およびイオン入口装置を囲む筐体をさらに備えてよい。
質量分析計は、1以上の偏向またはプッシャー電極をさらに含んでもよく、イオンを質量分析計のイオン入口装置に向けて偏向するまたは付勢するために、使用中に1種以上のDC電圧またはDC電圧パルスが1以上の偏向またはプッシャー電極に印加される。
本発明の態様によれば、主に液滴の流れを1以上のターゲットに衝突させて、液滴をイオン化して複数の分析物イオンを形成させることを含む、試料をイオン化する方法が提供される。
本発明の態様によれば、前述のイオンをイオン化する方法を含む質量分析の方法が提供される。
本発明の態様によれば、
ターゲットと、
使用中に、主にターゲットに衝突させ、液滴をイオン化して複数のイオンを形成するようにされた液滴から形成された流れを放出するよう構成されたネブライザーと、を備えるイオン源を備える質量分析計が提供される。
本発明の態様によれば、
ターゲットと、
使用中に、主にターゲットに衝突させ、液滴をイオン化して複数のイオンを形成するようにされた液滴から形成された流れを放出するよう構成されたネブライザーと、を備えるイオン源が提供される。
本発明の態様によれば、
主に液滴から形成された流れを生成し、液滴を1以上のターゲットに衝突させるようにすることにより液滴をイオン化して複数のイオンを形成することにより試料をイオン化することを含む、質量分析の方法が提供される。
本発明の態様によれば、
主に液滴から形成された流れを生成することと、液滴を1以上のターゲットに衝突させるようにすることにより液滴をイオン化して複数のイオンを形成することと、を含む、試料をイオン化する方法が提供される。
本発明の態様によれば、1以上のネブライザーと1以上のターゲットとを備える脱溶媒和装置であって、
1以上のネブライザーが、使用中に、主に1以上のターゲットに衝突させ、液滴に脱溶媒和気相分子および/または二次液滴を形成させるようにされた液滴の流れを放出するよう配置および適合されている装置が提供される。
本発明の態様によれば、主に液滴の流れを1以上のターゲットに衝突させて、液滴に脱溶媒和気相分子および/または二次液滴を形成させることを含む脱溶媒和方法が提供される。
本発明の態様によれば、1以上のネブライザーと1以上のメッシュまたはグリッドターゲットとを備えるイオン源であって、
1以上のネブライザーが、使用中に、主に1以上のメッシュまたはグリッドターゲットに衝突させ、液滴をイオン化して複数のイオンを形成するようにされた液滴の流れを放出するよう配置および適合されているイオン源が提供される。
1以上のメッシュまたはグリッドターゲットは、好ましくは1以上のワイヤーメッシュまたはグリッドターゲットを含む。
ワイヤーメッシュまたはグリッドターゲットは、好ましくは、(i)<50μm、(ii)50〜100μm、(iii)100〜150μm、(iv)150〜200μm、(v)200〜250μm、(vi)250〜300μm、(vii)300〜350μm、(viii)350〜400μm、(ix)400〜450μm、(x)450〜500μm、(xi)500〜550μm、(xii)550〜600μm、(xiii)600〜650μm、(xiv)650〜700μm、(xv)700〜750μm、(xvi)750〜800μm、(xvii)800〜850μm、(xviii)850〜900μm、(xix)900〜950μm、(xx)950〜1000μm、および(xxi)>1mmの群から選択される直径を有するワイヤーを含む。
メッシュまたはグリッドは、好ましくは、(i)<50μm、(ii)50〜100μm、(iii)100〜150μm、(iv)150〜200μm、(v)200〜250μm、(vi)250〜300μm、(vii)300〜350μm、(viii)350〜400μm、(ix)400〜450μm、(x)450〜500μm、(xi)500〜550μm、(xii)550〜600μm、(xiii)600〜650μm、(xiv)650〜700μm、(xv)700〜750μm、(xvi)750〜800μm、(xvii)800〜850μm、(xviii)850〜900μm、(xix)900〜950μm、(xx)950〜1000μm、および(xxi)>1mmの群から選択される間隔を有する。
1以上のメッシュまたはグリッドターゲットは、好ましくは、(i)1以上のネブライザーのスプレー軸と略垂直の平面、または(ii)1以上のネブライザーのスプレー軸に対して<90度の角度で傾斜した平面のいずれかに配置される。
1以上のメッシュまたはグリッドターゲットは、好ましくは多数の衝撃ゾーンを提供する。
1以上のメッシュまたはグリッドターゲットは、好ましくは1次元または2次元アレイの裂け目または開口を備える。
1以上のメッシュまたはグリッドターゲットは、好ましくは複数の層を含む。好ましくは、層の1以上はメッシュまたはグリッドを含む。
複数の層は、好ましくは実質的に同一のまたは実質的に異なるメッシュサイズを有する層を含む。
本発明の態様によれば、主に液滴の流れを1以上のメッシュまたはグリッドターゲットに衝突させ、液滴をイオン化して複数の分析物イオンを形成させることを含む、試料をイオン化する方法が提供される。
本発明の態様によれば、前述のイオンをイオン化する方法を含む質量分析の方法が提供される。
本発明の態様によれば、
メッシュまたはグリッドターゲットと、
使用中に、主にターゲットに衝突させ、液滴をイオン化して複数のイオンを形成するようにされた液滴から形成された流れを放出するよう構成されたネブライザーと、を備えるイオン源を備える質量分析計が提供される。
本発明の態様によれば、
メッシュまたはグリッドターゲットと、
使用中に、主にターゲットに衝突させ、液滴をイオン化して複数のイオンを形成するようにされた液滴から形成された流れを放出するよう構成されたネブライザーと、を備えるイオン源が提供される。
本発明の態様によれば、
主に液滴から形成された流れを生成し、
液滴を1以上のメッシュまたはグリッドターゲットに衝突させるようにすることにより液滴をイオン化して複数のイオンを形成することにより試料をイオン化することを含む、質量分析の方法が提供される。
本発明の態様によれば、
主に液滴から形成された流れを生成することと、液滴を1以上のメッシュまたはグリッドターゲットに衝突させるようにすることにより液滴をイオン化して複数のイオンを形成することを含む、試料をイオン化する方法が提供される。
本発明の態様によれば、1以上のネブライザーと1以上のメッシュまたはグリッドターゲットとを備える脱溶媒和装置であって、
1以上のネブライザーが、使用中に、主に1以上のターゲットに衝突させ、液滴に脱溶媒和気相分子および/または二次液滴を形成させるようにされた液滴の流れを放出するよう配置および適合されている装置が提供される。
本発明の態様によれば、
主に液滴の流れを1以上のメッシュまたはグリッドターゲットに衝突させ、液滴に脱溶媒和気相分子および/または二次液滴を形成させることを含む脱溶媒和方法が提供される。
本発明がイオン源および試料をイオン化する方法を越えて液滴の流れを少なくとも部分的に脱溶媒和するまたはさらに脱溶媒和するための装置および方法を含むことが明らかであろう。生じる気相分子および/または二次液滴は、その後別のイオン源によりイオン化され得る。
本発明の態様によれば、
第1のキャピラリーチューブを含み、使用中に分析物液滴の流れを放出する出口を有するネブライザーと、
ネブライザーの出口から10mm未満に配置されたターゲットと、を備える質量分析計であって、
一定期間にわたって溶出液を出すように配置および適合された液体クロマトグラフィー分離装置と、
ネブライザーを備える、溶出液をイオン化するように配置および適合されたイオン源と、をさらに含み、
使用中に、分析物液滴の流れをターゲットに衝突させ、分析物をイオン化して複数の分析物イオンを形成するようにされていることを特徴とする質量分析計が提供される。
対照として、SACIイオン源のターゲットは、質量分析計のイオン入口オリフィスの下流に置かれ、イオンはイオン入口オリフィスのほうに反射される。
本発明の別の態様によれば、
第1のキャピラリーチューブを含み、分析物液滴の流れを放出する出口を有するネブライザーを提供することと、
ターゲットをネブライザーの出口から10mm未満に位置決めすることと、を含む質量分析の方法であって、
一定期間にわたって溶出液を放出するす液体クロマトグラフィー分離装置を提供することと、
分析物液滴の流れをターゲットに衝突させ、分析物をイオン化して複数の分析物イオンを形成させることにより、溶出液をイオン化することと、をさらに含むことを特徴とする質量分析の方法が提供される。
前述のように、SACIイオン源のスプレーポイントは、加熱ネブライザープローブ内にあり、その結果、スプレーポイントとターゲットプレートとの間の典型的な距離は約70mmとなる。対照として、好ましいインパクターイオン源では、スプレーポイントは内部キャピラリーチューブの先端に位置し、スプレーポイントとターゲットとの間の距離は10mm未満となり得る。
SACIイオン源が蒸気流を放出し、蒸気のターゲットに対する衝撃速度は比較的低く、約4m/sであることが当業者に理解されよう。対照として、好ましい実施形態に係るインパクターイオン源は、蒸気流は放出しないが、代わりに高密度液滴流を放出する。さらに、液滴流のターゲットに対する衝撃速度は比較的高く、約100m/sである。
それ故に、本発明によるイオン源が既知のSACIイオン源と全く別であることが明らかであろう。
好ましい実施形態によれば、液体流は、好ましくはスプレーヤーまたはネブライザーチップでの高い電位差の援助なしに、高速ガスの同心円状流によって噴霧スプレーに変換される。液滴流に匹敵する寸法または衝撃ゾーンを有する微小ターゲットは、好ましくは衝撃ゾーンを規定し、スプレーを質量分析計のイオン入口オリフィスに向けて部分的に偏向するようスプレーヤーチップにごく接近して(例えば、5mm未満に)位置決めされる。生じるイオンおよび帯電した液滴は、質量分析計の第1の真空度により採取される。
好ましい実施形態によれば、ターゲットは、好ましくはステンレス鋼ターゲットを含む。しかしながら、ターゲットが他の金属物質(例えば、金)および非金属物質を含んでもよい他の実施形態が考えられる。例えば、ターゲットが、半導体、カーバイドコーティングを有する金属もしくは他の物質、絶縁体またはセラミックを含む実施形態が考えられる。
別の実施形態によれば、ターゲットは、複数のターゲットプレートまたはターゲット要素を含んでもよく、その結果、ネブライザーからの液滴は複数のターゲットプレートまたはターゲット要素上に落ちる。この実施形態によれば、好ましくは多数の衝撃点が存在し、液滴は多数のそれた偏向によりイオン化される。
API源の観点から、帯電イオン化表面としても作用する密結合インパクターの組み合わせは、高感度のマルチモードイオン源の基礎を提供する。スプレーチップおよび微小ターゲットは、好ましくはそれた衝撃幾何学にごく接近して構成され、その結果、既知のブロードエリアSACIイオン源と比較して増加したターゲットでの噴霧束および有意に小さいビーム発散または反射分散が得られる。それ故に、好ましい実施形態は、高感度API源を提供する。
好ましい実施形態は、ハードウエアまたはチューニングパラメータを切り替える必要がなく、高効率で高および低極性分析物を有利にイオン化できるマルチモードイオン源を備える。
1以上のターゲットに衝突する液滴は、好ましくは帯電していない。
本発明によるイオン源およびイオンをイオン化する方法は、既知のSACIイオン源と比較して特に有利であることが明らかであろう。
例示のみを目的として与えられた本発明の種々の実施形態を、他の配置とともに、単なる例示として以下の添付図面を参照してここに記載する。
本発明の好ましい実施形態に係るインパクタースプレーAPIイオン源を示す。 ネブライザーを省略した、本発明の好ましい実施形態に係る質量分析計のターゲットおよび第1の真空度の平面図を示す。 本発明の好ましい実施形態に係る質量分析計のネブライザーまたはスプレーヤーチップ、ターゲットおよび第1の真空度の側面図を示す。 コロナ放電ピンを用いる従来のAPCIイオン源を示す。 従来のエレクトロスプレーイオン源、従来のAPCIイオン源、および好ましい実施形態に係るインパクターイオン源を使用して測定した5種の試験分析物の相対強度を示す。 本発明の好ましい実施形態に係る、ターゲット電位のイオンシグナルへの影響を示す。 2.2kVのターゲット電位を用いる本発明の好ましい実施形態に係るインパクタースプレーイオン源から得られた質量スペクトルを示す。 0Vのターゲット電位を用いる本発明の実施形態に係るインパクタースプレー源から得られた質量スペクトルを示す。 4kVの最適化キャピラリー電位を用いる従来のエレクトロスプレーイオン源により得られた質量スペクトルを示す。 既知の表面活性化化学イオン化イオン源を示す。 従来のSACIイオン源および好ましい実施形態に係るインパクターイオン源スプレーにより得られた相対強度の比較を示す。 好ましいネブライザーから放出された液滴の位相ドップラー粒子計測分析から得られたデータを示す。 本発明の実施形態に係る空気ネブライザーおよびSACIイオン源に使用されるような加熱ネブライザーについてのデータレートの径方向分布の比較を示す。 メッシュターゲットを含む好ましい実施形態を示す。
図1は、本発明の実施形態に係るインパクタースプレーAPIイオン源の一般的なレイアウトの概略図を示す。分析物を含む液体流は、ネブライザーまたはスプレーヤー1に入るように配置され、液体キャピラリーチューブ3を通じてスプレーヤーチップ2に送達される。液体キャピラリーチューブ3は、好ましくは高速ガス流を液体キャピラリーチューブ3の出口に送達するためのガス入口5を好ましくは備える第2のキャピラリー4に囲まれる。実施形態によれば、液体キャピラリーチューブ3の内径は130μmであり、液体キャピラリーチューブ3の外径は270μmである。第2の(ガス)キャピラリーチューブ4の内径は、好ましくは330μmである。この配置により、10〜20μmの典型的な直径を有する液滴を含み、スプレーヤーチップから近い距離で100m/sを超える速度を有する噴霧スプレーが生成される。
生じる液滴は、好ましくは第2のガス入口7を通じて同心円状ヒーター6に入る追加のガス流により加熱される。ネブライザーまたはスプレーヤー1は、揺らしてスプレーヤーチップとイオン入口オリフィス9との間の水平距離を変化させることができるように質量分析計のイオン入口コーン8の右手側にちょうつがい式に動かされ得る。プローブもまた、スプレーヤーチップとイオン入口オリフィス9との間の垂直距離を同様に変化できるように構成され得る。好ましくは液体キャピラリーチューブ3と同様の寸法を有するターゲット10が、スプレーヤーチップとイオン入口オリフィス9との間に置かれる。ターゲット10は、好ましくは微調整ステージによって(水平面で)xおよびy方向に操作できる。これは好ましくは、源筐体11およびイオン入口オリフィス9に対して0〜5kVの電位に保持される。イオン入口コーン8は、好ましくはガス入口13を通じて入る低流量の窒素ガスにより流される金属コーンガスハウジング12に囲まれる。源筐体に入る全ガスは、好ましくは質量分析計の第1の真空度15により排気される源筐体排気14またはイオン入口オリフィス9を通じて出る。図11を参照して以下により詳細に記載する特に好ましい実施形態によれば、ターゲットは、メッシュまたはグリッドターゲットを含んでもよい。
図2Aは、ネブライザーまたはスプレーヤー1を省略した本発明の実施形態の概略平面図を示す。ターゲット10は、質量分析計の第1の真空度15に隣接して位置する。さほど好ましくない実施形態によれば、ターゲット10は、好ましくは5mmの距離にわたって直線状テーパ部を組み込んだ0.8mm直径のステンレス鋼ピンを備えてよい。ピンは、好ましくはイオン入口オリフィス9から5mmの水平距離Xに位置決めされる。ピン10は、好ましくはプローブ軸とターゲット10との間の衝撃点が、図2Bに示すようにイオン入口オリフィス9に面するテーパコーンの側面に存在するように位置決めされる。この位置により、図2Bの端面概略図中の矢印線16として示す、最適化された逸れた入射角が得られる。また、図2Bは、好ましい実施形態、すなわち、Z=9mmおよびZ=1.5mmであるネブライザーまたはプローブ2およびターゲット10の相対垂直位置も示す。ネブライザーまたはスプレーヤー2は、好ましくは0Vに維持され、ターゲット10は、好ましくは2.2kVに保持され、イオン入口コーンは、好ましくは100Vに保持され、コーンガスハウジングは、好ましくは100Vに保持され、ヒーターセンブリおよび源筐体は、好ましくはグラウンド電位に保持される。窒素ネブライザーガスは、好ましくは7バールに加圧され、窒素ヒーターガス流は、好ましくは1200L/時間で送達するように加圧され、窒素コーンガス流は、好ましくは150L/時間で送達するように加圧される。好ましい実施形態によれば、ピンターゲットは、メッシュまたはグリッドターゲットと交換できる。
一連の試験を行い好ましいインパクタースプレー源、従来のESIイオン源および従来のAPCIイオン源の相対的感度を試験した。
従来のESIイオン源は、ターゲット10を取り外し、スプレーヤーチップに直接2.5kVの電位を印加することにより構築した。他の全電位およびガス流は、前述のように維持した。
APCIイオン源は、市販のAPCIイオン源に使用されているように、図3に示すようにネブライザーまたはスプレーヤー2を従来の加熱ネブライザープローブ17と交換し、コロナ放電ピン18を付加することにより構築した。コロナ放電ピン18の先端は、図3に示すように距離X=7mmおよびZ=5.5mmに位置していた。APCIイオン源プローブは、550℃で運転し、ヒーターガスは500L/時間の流速で加熱せず、コロナ放電ピン18は5μAの電流に設定した。他の設定は全て前述のとおりとした。
70/30アセトニトリル/水からなり、スルファジメトキシン(10pg/μL)、ベラパミル(10pg/μL)、エリスロマイシン(10pg/μL)、コレステロール(10ng/μL)、およびシクロスポリン(100pg/μL)を含む試験溶液を調製した。この試験溶液を15μL/分の流速で70/30アセトニトリル/水の0.6mL/分のキャリア液体流に注入し、次いでこれを3種の異なるAPIイオン源により採取した。
図4は、従来のエレクトロスプレーイオン源、従来のAPCIイオン源、および好ましい実施形態に係るインパクターイオン源を使用して5種の試験分析物について得られた相対シグナル強度を示す。各分析物について、シグナル強度を、プロトン化分子([M+H])に関して観測した。しかしながら、好ましいインパクタースプレーにおいてはシグナル飽和のために、コレステロールシグナルを[M+H]イオンの炭素−13同位体で測定した。この図から、APCIイオン源はESIイオン源を上回るいくつかの利点(例えば、コレステロールなどの非極性分析物に対する利点など)を有するが、ESIは一般にこれらの2つの技術よりも高感度であることが明らかである。好ましいインパクタースプレー源が全化合物種についてESIまたはAPCIイオン源よりも有意に強いシグナル強度を与えることも明らかである。
SACIイオン化技術を利用するAPIイオン源では、ブロードエリアターゲットを高電位に維持してイオンシグナルを最適化する。図5は、好ましいインパクタースプレー源についての、生じるイオンシグナルへの、ターゲット電位を変化させることの影響を示しており、同一試験混合物を2.2kVのターゲット電位、引き続いて0kVのターゲット電位で分析した。SACIと対照的に、高ターゲット電位は、有利ではあるが、イオン化工程に必須ではないことが明らかである。対照的に、ブロードエリアSACI源は、同一実験条件下でイオンシグナルの90%超を失う(データは示さない)。
必須ではないが、高ターゲット電位はそれでもなお有利であり、質量スペクトルデータの質的側面を改善するという結果を有する。これを示すために、図6Aは、2.2kVのターゲット電位を用いる実施形態に係るインパクターイオン源から得られた質量スペクトルを示す。図6Bは、0Vのターゲット電位を用いる実施形態に係るインパクターイオン源から得られた質量スペクトルを示す。図6Cは、4kVの最適化キャピラリー電位を用いる従来のエレクトロスプレーヤー源により得られた質量スペクトルを示す。好ましい実施形態に係るイオン源を使用して得られた図6A,図6Bに示す質量スペクトルは、ESIよりも多くの分析物イオンを生成することが示されているが、有意に高いターゲット電位はまた、イオン付加物形成([M+Na]および[M+K])に対する感受性を低下させる。その結果、プロトン化分子([M+H])は、図6Aに示す質量スペクトルについての基準ピークに過ぎなくなる。
実施形態に係るインパクターイオン源の感度とSACI型のイオン源の感度とを比較するための実験を行った。図7は、使用したSACIイオン源の概略図を示す。SACIイオン源は、インパクターピンターゲット10を、約30mm×15mmである0.15mm厚さの長方形スズシート19と交換することにより構築した。シートターゲット19は、水平に対して約30度の角度とし、ネブライザーまたはプローブ2軸とターゲット19との間の交点が、X=4mmおよびZ=4mmとなるように位置決めした。SACIイオン源を、0Vのネブライザーまたはスプレーヤー電位および1kVのターゲット電位で最適化した。他の全ガス流および電圧は好ましいインパクタースプレー源について記載した通りとした。
図8は、SACIイオン源および好ましい実施形態に係るインパクターイオン源により得られた相対シグナル強度を比較している。好ましいインパクタースプレーイオン源は、典型的にはブロードエリアSACIイオン源よりも5〜10倍高感度であることが認められる。
中央ワイヤーを液体キャピラリーチューブ3の孔の中に位置決めすることにより、好ましいインパクターイオン源の性能をさらに改善可能な、さらなる実施形態が考えられる。ビデオ写真撮影により、中央ワイヤーが液滴流の焦点を合わせると、結果としてターゲットを、液滴束密度をさらに増加させる焦点に配置できることが示された。焦点の位置は、好ましい実施形態に使用されるスプレーヤーチップとターゲットとの間の距離に匹敵する(1〜2mm)。
前述のように、SACIイオン源は液体流を蒸気流に変換し、この蒸気流がブロードエリアターゲットに衝突する。SACIの実験(Cristoni他、J.Mass Spectrom、2005、40、1550)により、イオン化が、気相の中性分析物分子とブロードエリアターゲットのプロトンに富む表面との相互作用の結果生じることが示された。さらに、イオン化効率と1〜4cmの範囲内のターゲット面積との間には直線関係がある。
SACIとは対照的に、流線型ターゲットを使用して液体液滴の高速流を遮断して、二次液滴、気相中性物質およびイオンからなる二次流を与える。
本発明の実施形態に係る空気ネブライザーをさらに調査した。ネブライザーは、127μmの内径および230μmの外径を有する内部液体キャピラリーを含んでいた。内部液体キャピラリーは、7バールに加圧された330μmの内径を有するガスキャピラリーに囲まれていた。
図9は、90%水/10%メタノールからなる1mL/分液体流および窒素ネブライザーガスについての、好ましいネブライザーの位相ドップラー粒子計測(「PDA」)分析から得られた代表的なデータを示す。
PDAサンプリング点を、スプレーポイントから5mmの軸距離、すなわち、実施形態に係る典型的なネブライザーとターゲットとの間に等しい距離で、スプレーを径方向に横切ってスキャンした(プローブ軸=0)。図9は、ネブライザーが、典型的には100ms−1を超える平均軸速度を有する13〜20μmの範囲のザウター平均直径(d32)の液体液滴を生成することを示している。
図9はまた、極めて高い速度の液滴がプローブ軸から1mmの半径内で良好にコリメートされ典型的には限局されることを示している。
図10の上のラインは、好ましい空気ネブライザーおよび前述の実験条件についてのデータレートN/T(単位時間当たりの有効試料の数)の径方向分布を示している。この対数プロットは、スプレーがプローブ軸から1mmの半径に限局されている総液滴質量の3分の2よりもより良好にコリメートされていることを示している。図10の下部線は、従来のSACI源に使用されるような加熱ネブライザーを用いた場合の対応するN/T分布を示している。この加熱ネブライザーは、4mm直径孔を有する90mm長さの円筒チューブ(チューブ温度=600℃)中にスプレーする空気ネブライザーからなる。このネブライザーについてのN/Tデータを、加熱チューブの出口端から7mmの軸距離で得た。加熱ネブライザーからのわずかな検出された液滴(d32は典型的には14μmであった、そのデータは示さない)についてのN/Tは、本発明の実施形態に係る空気ネブライザーから得られたものよりも概して3桁小さいことに留意することが重要である。これは、液体の圧倒的な大部分がSACI型加熱ネブライザーで気化され、極めて低い数密度の残存液滴を含む蒸気流が生成されるという事実のためである。
したがって、公知のSACIイオン源は、主に蒸気の流れを放出するネブライザーを含むものと解釈すべきである。それ故に、SACIイオン源は本発明の範囲内に入らないと理解すべきである。
図9,図10に示すデータを参照すると、好ましい実施形態に係るイオン源の物理的モデルは、高速流体液滴の源ヒーターにより間接的に加熱されるターゲットに対する衝撃に支配されると仮定できる。このような衝撃効果は、二次液滴を形成させ、液滴崩壊の性質は以下に与えられるウェーバー数Wによって決定される。
=ρUd/σ(1)
式中、ρは液滴密度であり、Uは液滴速度であり、dは液滴直径であり、σは液滴表面張力である。
水滴が40℃であり、窒素ガス環境が100℃であり、d=18μmおよびU=50ms−1であると仮定すると、好ましい実施形態に係る液滴については、W=640の値が得られる。再微粒化水液滴の数が、260〜400℃の間の温度で加熱鋼ターゲットに対する衝撃について、50〜750の範囲のWと共に線形に増加することが(文献に)示されている。W=750では、単一液滴は、概して40個の二次液滴を生じる。
それ故に、インパクターターゲットが有意な液滴崩壊を引き起こし、帯電した液滴、中性物質、イオンおよびクラスターからなる二次流を生成することが明らかである。
系の衝撃効率は、ストローク数Sに大きく支配される。
=ρdU/18μa(2)
式中、ρは液滴密度であり、dは液滴直径であり、Uは液滴速度であり、μはガス粘度であり、aはターゲットの特徴的寸法である。
衝撃効率は、Sの増加に伴い増加するので、高速の大粒の液滴および直径が小さいターゲットが好ましい。故に、前述の好ましいインパクタースプレー条件では、Sの典型的な値は30であると予想できる。
>>1の場合、液滴が流れの流線から逸脱してターゲットに衝突する可能性が極めて高い。対照的に、ターゲット寸法が1桁増加し、速度が1桁減少する(すなわち、SACIと同様の条件)と、Skの値は0.3に下がり、この点では液滴はターゲットの周りのガス流に従う可能性がより高くなる。衝撃効率は、実施形態に係るインパクタースプレーターゲットの流線型性質をさらに好むレイノルズ数の減少に伴い増加することも公知である。
二次流の形状は、ガス流動力学、特に以下に示すレイノルズ数(R)により支配される。
=ρvL/μ(3)
式中、ρはガス密度であり、vはガス速度であり、μはガス粘度であり、Lはターゲットの重要寸法である。
1mm直径のインパクターターゲット、50ms−1のガス速度および100℃の窒素ガスでは、R=3000の値が得られる。
2000〜3000の範囲のレイノルズ数は、一般的に層流から乱流の遷移領域に相当する。それ故に、ターゲットからの後流はいくらかの乱流および渦巻の特徴を含むと予想され得る。しかしながら、イオン入口コーンでのイオンまたは液滴の採取を妨げ得る大きな乱流は予想されない。
ネブライザーを揺らして衝撃ゾーンをターゲットの片側から反対側まで動かすことによりイオン源を調整できる。これにより、二次液滴流の強い照度により視覚的に観察することが可能な後流の変化が生じる。それ故に、源最適化が集中化した衝撃ゾーンおよび非対称ターゲット横断面により達成され得る他の実施形態が考えられる、例えば、飛行機の翼(のプロファイル)。
ピンを使用する衝撃ベースのスプレーが、典型的なESIまたはAPCIと比較して、極性および非極性化合物の両方においてイオン化効率を改善することが示された。しかしながら、異なる移動相組成を有する性能が、プローブおよびピンの物理的幾何学にかなり強く依存することが時々観察される。
高有機移動相における相対的性能に対するプローブおよびピンの位置依存性によって、要求される公差の問題が引き起こされ得る。さらに、機器の寿命期間にピンおよび/またはプローブキャピラリーを1回以上交換する必要が生じ得るため、これらの公差の維持も問題となり得る。
本発明のさらなる特に好ましい実施形態によれば、ピンターゲットの代わりに、好ましくはグリッドまたはメッシュターゲットが使用される。グリッドまたはメッシュ衝突面を有するグリッドまたはメッシュターゲットが、ピンターゲットを使用するものと比較して特に有利であることが見出された。この理由は、グリッドまたはメッシュターゲットの利用が、ターゲットとして固体ピンを使用する場合に発生し得る位置依存性の問題を解決するからである。
本発明の好ましい実施形態を図11に示す。好ましくは適切なサイズのメッシュまたはグリッドターゲット20が衝突ターゲットとして使用される。好ましい実施形態によれば、衝撃ゾーン(すなわち、ターゲットの衝撃点におけるプルームの直径)は、好ましくは0.5〜1.0mmである。
好ましい実施形態によれば、メッシュワイヤーサイズおよび間隔は、好ましくは、衝撃ゾーンまたはエリア内にいくつかの個々の衝撃ゾーンを提供するような適切なサイズに形成される。ワイヤー直径は、好ましくは噴霧を改善するようにプルームの衝撃をワイヤーに与えるのに十分な大きさである。150μmのメッシュの間隔および100μmのワイヤー直径が特に有利であることが見出された。しかしながら、他のアスペクト比も考えられ、本発明の範囲内にあると意図される。実施形態によれば、メッシュまたはグリッド20は、略平坦な長方形(15mm×7mm)を含むことができ、スプレー軸と略垂直に保持できる。この実施形態によれば、スプレーは、本質的にメッシュまたはグリッド20を通り抜ける。
あるいは、メッシュまたはグリッド20は、スプレー軸に対して傾けてもよい。メッシュまたはグリッド20の角度は、プルームがメッシュまたはグリッド20を通り抜けるときに、質量分析計の入口9付近にまたはその方向に向けて偏向するように定めることができる。図11に示す特定の実施形態によれば、メッシュまたはグリッドターゲット20は、スプレー軸に対して70度の角度に位置決めされ得る。
メッシュまたはグリッド20の物理的寸法は、好ましくはメッシュまたはグリッド20の表面で液体ビーズが好ましくは最小化するように設定または配置される。メッシュまたはグリッド20の角度および形状は、液体ビーズを減少するように最適化できる。
好ましい実施形態によれば、高電圧をメッシュまたはグリッド電極20に印加して、前述の本発明の他の実施形態と同じようなおよびピンターゲットを利用するイオン化を援助できる。実施形態によれば、メッシュまたはグリッド20は1kVの電位に維持できる。しかしながら、メッシュまたはグリッドターゲット20を他の電位にも維持できることが当業者に明らかである。
メッシュまたはグリッドターゲット20を使用する特定の利点は、好ましい実施形態に係るメッシュまたはグリッドターゲット20が位置の幾何学に対する依存性を顕著に減少することである。この理由は、液滴の流れがメッシュまたはグリッドターゲット20において多数の衝撃点に衝突するからである。プローブまたはメッシュターゲット20が動いても、ターゲット20への液滴の衝撃特性は依然として実質的に同じである。したがって、MS入口9およびプローブの位置と相対的なイオン源の性能は、イオン入口と相対的なエレクトロスプレーイオン化(「ESI」)イオン源と同じように作用する。
さらなる実施形態が考えられる。例えば、メッシュの代わりにグリッドを使用できる。グリッドは、好ましくは液滴の流れがターゲットに衝突する多数の衝撃点をゾーン内に有する。衝撃後のスプレー方向の位置依存性が要求される場合には、単列グリッドを利用できる。
実施形態によれば、ターゲットが、多層のメッシュおよび/またはグリッドを含むことにより、単一の層で形成されたメッシュまたはグリッドターゲット20を傾けるのと同一の効果を達成できる。
好ましい実施形態を参照して本発明を説明したが、添付の特許請求の範囲により定義される本発明の範囲から逸脱することなく、形態および詳細を様々に変更することができることが当業者に明らかであろう。

Claims (20)

  1. 1以上のネブライザーと1以上のメッシュまたはグリッドターゲットとを備えるイオン源であって、
    前記1以上のネブライザーが、一定期間にわたって1以上の液体クロマトグラフィー分離装置により放出される1種以上の溶出液を噴霧するように配置および適合され、
    1以上のネブライザーが、使用中に、主に前記1以上のメッシュまたはグリッドターゲットに衝突させることによって液滴をイオン化して複数のイオンを形成するようにされた前記液滴の流れを放出するように配置および適合され、
    前記液滴のザウター平均直径(「SMD」、d32)が(i)<5μm、(ii)5〜10μm、(iii)10〜15μm、(iv)15〜20μm、または(v)20〜25μmの範囲にある、イオン源。
  2. 前記1以上のメッシュまたはグリッドターゲットが、1以上のワイヤーメッシュまたはグリッドターゲットを含む、請求項1に記載のイオン源。
  3. 前記1以上のメッシュまたはグリッドターゲットが、(i)前記1以上のネブライザーのスプレー軸と略垂直の平面、または(ii)前記1以上のネブライザーのスプレー軸に対して<90度の角度で傾斜した平面のいずれかに配置される、請求項1または2に記載のイオン源。
  4. 前記1以上のメッシュまたはグリッドターゲットが多数の衝撃ゾーンを提供する、請求項1〜のいずれか1項に記載のイオン源。
  5. 前記1以上のメッシュまたはグリッドターゲットが1次元または2次元アレイの裂け目または開口を備える、請求項1〜のいずれか1項に記載のイオン源。
  6. 前記1以上のメッシュまたはグリッドターゲットが複数の層を含む、請求項1〜のいずれか1項に記載のイオン源。
  7. 前記層の1以上がメッシュまたはグリッドを含む、請求項に記載のイオン源。
  8. 前記複数の層が実質的に同一のまたは実質的に異なるメッシュサイズを有する層を含む、請求項またはに記載のイオン源。
  9. 前記1以上のネブライザーが前記1以上のネブライザーにより放出される質量または物質の大部分が蒸気ではなく液滴の形態となるように配置および適合される、請求項1〜のいずれか1項に記載のイオン源。
  10. 前記1以上のターゲットが前記1以上のネブライザーの出口から、<20mm、<19mm、<18mm、<17mm、<16mm、<15mm、<14mm、<13mm、<12mm、<11mm、<10mm、<9mm、<8mm、<7mm、<6mm、<5mm、<4mm、<3mm、または<2mmに配置される、請求項1〜のいずれか1項に記載のイオン源。
  11. 動作モード中、前記1以上のターゲットが正電位に維持され、前記1以上のターゲットに衝突する前記液滴が複数の正に帯電したイオンを形成する、請求項1〜10のいずれか1項に記載のイオン源。
  12. 動作モード中、前記1以上のターゲットが負電位に維持され、前記1以上のターゲットに衝突する前記液滴が複数の負に帯電したイオンを形成する、請求項1〜10のいずれか1項に記載のイオン源。
  13. 前記1以上のターゲットが、前記液滴の流れおよび/または前記複数のイオンを質量分析計のイオン入口装置に向けて偏向させるように配置されるか、あるいは何らかの方法で位置決めされる、請求項1〜12のいずれか1項に記載のイオン源。
  14. 前記1以上のターゲットが質量分析計のイオン入口装置の上流に位置決めされ、その結果イオンが前記イオン入口装置の方向に向けて偏向する、請求項13に記載のイオン源。
  15. 前記1以上のターゲットが、ステンレス鋼ターゲット、金属、金、非金属物質、半導体、カーバイドコーティングを有する金属もしくは他の物質、絶縁体またはセラミックを含む、請求項1〜14のいずれか1項に記載のイオン源。
  16. 一定期間にわたって1以上の液体クロマトグラフィー分離装置により放出される1種以上の溶出液を噴霧することと、
    主に液滴の流れを1以上のメッシュまたはグリッドターゲットに衝突させ、前記液滴をイオン化して複数の分析物イオンを形成することと、を含み、
    前記液滴のザウター平均直径(「SMD」、d32)が(i)<5μm、(ii)5〜10μm、(iii)10〜15μm、(iv)15〜20μm、または(v)20〜25μmの範囲にある、試料をイオン化する方法。
  17. 液体クロマトグラフィー分離装置と、
    メッシュまたはグリッドターゲットと、
    使用中に、主にターゲットに衝突させることによって液滴をイオン化して複数のイオンを形成するようにされた液滴から形成された流れを放出するよう構成されたネブライザーと、を含み、
    前記ネブライザーが一定期間にわたって前記液体クロマトグラフィー分離装置により放出される溶出液を噴霧するように配置および適合され、
    前記液滴のザウター平均直径(「SMD」、d32)が(i)<5μm、(ii)5〜10μm、(iii)10〜15μm、(iv)15〜20μm、または(v)20〜25μmの範囲にある、イオン源を備える質量分析計。
  18. メッシュまたはグリッドターゲットと、
    使用中に、主にターゲットに衝突させることによって液滴をイオン化して複数のイオンを形成するようにされた液滴から形成された流れを放出するよう構成されたネブライザーと、を含み、
    前記ネブライザーが一定期間にわたって1以上の液体クロマトグラフィー分離装置により放出される1種以上の溶出液を噴霧するように配置および適合され、
    前記液滴のザウター平均直径(「SMD」、d32)が(i)<5μm、(ii)5〜10μm、(iii)10〜15μm、(iv)15〜20μm、または(v)20〜25μmの範囲にある、イオン源。
  19. 一定期間にわたって1以上の液体クロマトグラフィー分離装置により放出される1種以上の溶出液を噴霧することと、主に液滴から形成された流れを生成することと、液滴を1以上のメッシュまたはグリッドターゲットに衝突させるようにすることにより液滴をイオン化して複数のイオンを形成することとにより試料をイオン化することを含み、
    前記液滴のザウター平均直径(「SMD」、d32)が(i)<5μm、(ii)5〜10μm、(iii)10〜15μm、(iv)15〜20μm、または(v)20〜25μmの範囲にある、質量分析の方法。
  20. 一定期間にわたって1以上の液体クロマトグラフィー分離装置により放出される1種以上の溶出液を噴霧することと、主に液滴から形成された流れを生成することと、液滴を1以上のメッシュまたはグリッドターゲットに衝突させるようにすることにより液滴をイオン化して複数のイオンを形成することと、を含み、
    前記液滴のザウター平均直径(「SMD」、d32)が(i)<5μm、(ii)5〜10μm、(iii)10〜15μm、(iv)15〜20μm、または(v)20〜25μmの範囲にある、試料をイオン化する方法。
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