JP5879895B2 - リニアモータ - Google Patents

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Description

本発明は、電磁気的な作用によりリニア駆動を行うリニアモータに関する。
特許文献1に記載のリニアモータアクチュエータは、固定子となる断面円形のロッド(3)と、ロッド(3)の長手方向に沿って摺動する可動子(4)とを備える。ロッド(3)の内部には、その図3に示されるように、複数の永久磁石(3a)が交互に逆向きになるように配列されている。可動子(4)は、四角形状に形成されたハウジング(4a)内に、円筒状のコイル4bを収納して構成されている。各コイル4bに三相交流電流が印加されることにより、可動子3(4)はロッド(3)に対して摺動する(例えば、特許文献1の明細書段落[0018]〜[0020]参照)。
特許文献2に記載のリニアアクチュエータは、コイルが固定されたヨークと、ヨークの内側で往復移動可能に設けられた可動子とを有する。可動子は、円筒状の鉄部材の表面にリング状の永久磁石が設けられることにより構成されている(例えば、特許文献2の段落[0016]、[0020]、図1参照)。このようなリニアアクチュエータでは、固定子から発生する磁束変化と、可動子に設けられた永久磁石が発生する磁束との相互作用により、可動子がリニアに移動する。ここで、鉄部材の表面に永久磁石が設けられているので、予想外の力が加わった場合には鉄部材から永久磁石がずれたりする等の恐れを若干残していた。
そこで、特許文献3に記載のリニアモータの固定子は、永久磁石が固定子コアに埋め込まれた構造を有している(例えば、特許文献3の段落[0006]、図2、4参照)。
そのほか、特許文献4〜7において、リニアモータやリニアアクチュエータ等の装置が開示されている。
特開2004−129316号公報 特許第3873836号公報 特許第2751684号公報 国際公開第2008/117345号パンフレット 特開2010−57338号公報 特開2010−141978号公報 特開2010−239724号公報
特許文献3に記載の、永久磁石が固定子コアに埋め込まれた埋め込み型のリニアモータでは、可動子側から発生した磁束であって固定子コアに流れ込む磁束の一部は、その固定子コアの表面を流れる。固定子コアの表面を流れる磁束と、固定子コアに設けられた永久磁石が発生する磁束との相互作用はほとんどなく、可動子を移動させるための推力に寄与しない。したがって、推力特性が悪化する。
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、経時または経年変化によるコア部材と永久磁石とのずれを防止でき、磁束を効率良く使用することにより可動子の推力特性を向上させることができるリニアモータを提供することにある。
上記目的を達成するため、本技術に係るリニアモータは、
複数のコイルが装着可能な1次側部材と、
前記1次側部材に対向して配置され、前記1次側部材と直線的に相対移動可能に設けられた2次側部材とを具備するリニアモータであって、
前記2次側部材は、永久磁石と、前記永久磁石が埋設される埋設孔とを有するコア部材とを有し、
前記コア部材は、前記埋設孔より前記1次側部材側に配置された表面側領域を有し、
前記コア部材の表面側領域は、第1の領域及び前記第1の領域の磁気抵抗より高い任意の磁気抵抗を有する第2の領域を含み、前記第1の領域及び前記第2の領域が、前記2次側部材に対する前記1次側部材の移動方向に沿って配置され、
前記複数のコイルにそれぞれ位相の異なる交流を加えることで、前記1次側部材が前記2次側部材に対して移動可能とされている
ことを特徴とする。
本発明に係るリニアモータでは、複数の永久磁石が埋設孔に挿入されて配置されることにより、それら永久磁石により形成される磁極の配列方向に沿って、1次側部材及び2次側部材が相対移動可能となる。このように、コア部材の埋設孔内に永久磁石が挿入されて埋設されているので、経時または経年変化によるコア部材と永久磁石とのずれを防止でき、確実にこれらの永久磁石を保持しておくことができる。
本発明による技術と、参考技術としてリニア方向に永久磁石を配列させて(あるいは永久磁石と鉄とを交互に配列させて)形成された2次側部材の技術とを比べると、本発明による技術では、永久磁石が埋設孔に埋設されているため、コア部材自体が強度(剛性)の高い構造体となっている。したがって、2次側部材が、2次側部材に対する1次側部材の移動方向(以下、相対移動方向という。)に長く形成されていても、その撓みを防止することができる。また、永久磁石が埋設孔に埋設されることにより、当該参考技術と比べ、その永久磁石の位置決めの精度が高まり、その結果、推力特性や推力バランスが向上する。
また、コア部材の表面側領域のうち、第2の領域が、第1の領域の磁気抵抗より高く形成され、これら第1及び第2の領域が相対移動方向に沿って配置されている。このような構成によれば、複数のコイルへの位相の異なる交流の通電により発生する磁束及び永久磁石が発生する磁束が、その表面側領域における第2の領域では、前記相対移動方向に沿って流れにくくなる。これにより、表面側領域で相対移動方向に沿って流れようとする、推力に寄与しない無駄な磁束を減らすことができる。つまり磁束を効率良く使用することができ、可動子の推力特性を向上させることができる。
前記リニアモータは、前記2次側部材に対する前記1次側部材の移動方向に沿って前記2次側部材の周囲の少なくとも一部を覆うカバー部材をさらに具備し、
前記1次側部材は、前記カバー部材を介して前記2次側部材に対向して配置されている
ことを特徴とする。
本発明に係る2次側部材は、例えば従来の特許文献1に記載のロッドのように、単に永久磁石をその長手方向に並べて構成された部材とは異なり、永久磁石が埋設孔に埋設されて構成されたコア部材を有しており、強度の高い構造体であるため、その撓みを防止することができる。これにより、本発明では前記相対移動方向に沿って設けられたカバー部材自体の強度を高くする必要はなく、特許文献1におけるロッドそれ自体の材料の厚さよりカバー部材の材料の厚さを薄くすることができる。カバー部材の材料の厚さ薄くすることができる結果、カバー部材を介して対向する1次側部材及び2次側部材の間の距離を小さくすることができ、すなわち磁気ギャップを小さくすることができるので、磁気抵抗を小さくすることができ、漏れ磁束を減らし、磁束使用の効率を高めることができる。
前記カバー部材は、管状に形成され、前記2次側部材は、前記カバー部材内に配置された固定子であり、前記1次側部材は、前記固定子に対して移動する可動子であってもよい。
以上、本技術によれば、経時または経年変化によるコア部材と永久磁石とのずれを防止でき、磁束を効率良く使用することにより可動子の推力特性を向上させることができる。
図1は、本技術の一実施形態に係るリニアモータを示す図である。 図2は、固定子を示す断面図である。 図3は、固定子をZ軸方向で見た図である。 図4A及びBは、固定子コアを形成する磁性板をそれぞれ示す図であり、磁性板をZ軸方向で見た図である。 図5は、第1の磁性板及び第2の磁性板を重ね合わせてZ軸方向で見た図である。 図6は、溝が設けられることによる作用効果を説明するための図である。 図7は、本発明の第2の実施形態に係るリニアモータの固定子を示す断面図である。 図8は、間欠溝が設けられることによる作用効果を説明するための図である。 図9は、本発明の第3の実施形態に係るリニアモータを示す断面図である。 図10は、図9におけるA−A線断面図である。
以下、図面を参照しながら、本技術の実施形態を説明する。
[第1の実施形態]
図1は、本技術の一実施形態に係るリニアモータを示す図である。リニアモータ100は、一方向(図1中、Z軸方向)に長く形成された2次側部材である固定子1と、この固定子1に対向して配置され、固定子1の長手方向に沿って移動可能な可動子3とを備える。本実施形態では、可動子3は固定子1の周囲に配置されるようにリング状に設けられている。
可動子3は、リング状の複数のコア要素315でなる可動子コア31と、可動子コア31に装着された複数のコイル32とを有する。各コイル32は、各コア要素315にそれぞれ巻回されている。可動子コア31は、磁性体でなり、典型的には強磁性体でなる。各コア要素315は、非磁性体でなるハウジング34等の部材により一体化されている。可動子3は、例えばZ軸方向に沿って設けられた、可動子3の移動を案内する図示しないリニアガイドにスライド可能に接続されている。
なお、可動子コア31は、Z軸方向に磁性板が複数積層されて形成されていてもよい。この場合、磁性板としては電磁鋼板が用いられ、磁性板はケイ素を含んでいてもよい。各磁性板の表面には、渦電流の発生を抑制するための、図示しない電気絶縁被膜がそれぞれ形成されていてもよい。
図2は、固定子1を示す断面図である。図3は、固定子1をZ軸方向で見た図である。
固定子1は、埋設孔11aを有する固定子コア11と、固定子コア11の埋設孔11aに挿入された永久磁石13とを有する。固定子コア11は、概略円柱形状を有する。また、固定子コア11の中央にはシャフト15が挿通される挿通穴11bが形成されており、このシャフト15のZ軸方向での両端は、図示しない支持部材に支持され固定されている。
さらに、固定子1の周囲には、カバー部材として機能する管部材6が設けられている。管部材6は円筒形状を有し、この管部材6の内周面に固定子1(固定子コア11)の外周面が接触するように、固定子1が管部材6内に挿入されて配置されている。この管部材6の外周面と可動子3の内周面との間に所定のエアギャップが設けられるようにして、可動子3はこの管部材6に対向して配置されている。管部材6は、主にアルミニウム、ステンレス、セラミック等の非磁性材料でなる。その他、非磁性材料として、CFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastics)、またはGFRP(Glass Fiber Reinforced Plastics)であってもよい。しかし、管部材6の材料の厚さによっては、磁束が飽和するので、その場合、管部材6の材料は磁性体であってもよい。
図3に示すように、固定子コア11の概略円形のエッジ部11cに沿って、リング状に複数の埋設孔11aが形成されている。埋設孔11aは、Z軸方向で見た一断面において例えば10個設けられており、これらの埋設孔11aにそれぞれ永久磁石13が埋設されて固定されている。
これら永久磁石13は、埋設孔11a内で接着剤により接着されて固定されていてもよい。Z軸方向の一断面で見た埋設孔11aの数は10個に限られず、適宜変更可能である。これら永久磁石13の形状は、例えば実質的に同じサイズで、また平板形状を有している。しかし、固定子コア11のエッジ部の円形に沿った、円弧板状に形成されていてもよい。その場合、埋設孔11aも概略円弧状に形成されていてもよい。
図2に示すように、1つの埋設孔11aに、Z軸方向に複数の永久磁石13が配列されており、これらの永久磁石13は、Z軸方向に沿って交互に磁極が逆向きになるようにそれぞれ配列されている。永久磁石13は、固定子コア11と可動子コア31とが対向する方向に着磁されている。Z軸方向で見た一断面では、この固定子コア11の半径方向外側、つまり可動子3側に向く磁極が、すべて同じ磁極となるように、各永久磁石13が配置されている。すなわち固定子1は当該一断面で単極構造を有している。
なお、2つの永久磁石13の間(磁極の境界13a)には磁気シールド材または隙間が設けられていてもよい。永久磁石は複数に限られず、1つの永久磁石が一体的に多極着磁されていてもよい。
図4A及びBは、固定子コア11を形成する磁性板をそれぞれ示す図であり、磁性板をZ軸方向で見た図である。
図4A及びBに示すように、固定子コア11は、少なくとも2種類の形状の磁性板として、第1の磁性板111と、第2の磁性板112とを含む。第1の磁性板111には埋設孔11aが形成され、上記シャフト15の挿通穴11bが形成されている。第2の磁性板112には埋設孔11aが形成されず、シャフト15の挿通穴11bは形成されている。
これら第1の磁性板111及び第2の磁性板112の厚さは、実質的に同一とされるが、異なっていてもよい。これら磁性板111及び112も、典型的には電磁鋼板が用いられ、ケイ素を含んでいてもよい。各磁性板111及び112の表面には図示しない電気絶縁被膜がそれぞれ形成されている。これにより、固定子コア11及び可動子3の対向方向に沿って発生する磁束の流れによる渦電流の発生を抑制することができる。
図5は、これら第1の磁性板111及び第2の磁性板112を重ね合わせてZ軸方向で見た図である。このように、第2の磁性板112のサイズは第1の磁性板111のサイズより小さい。具体的には、第2の磁性板112の外形を形成するエッジ部112cのラインは、第1の磁性板111の埋設孔11aの内側(固定子コア11の中心に近い側)を形成するラインに概略一致するように、これら磁性板111及び112のサイズが設計されて積層されている。
図2に示すように、固定子コア11における、Z軸方向に沿って配列された2つの永久磁石13及び13で形成される磁極の境界13aがある位置に、複数の第2の磁性板112が積層され、その他は第1の磁性板111が積層されている。これにより、その磁極の境界13aの可動子3側に磁気抵抗の高い溝(空隙)11dが形成される。すなわち、固定子コア11の表面側領域(各永久磁石13より可動子3側に近い領域)110は、相対的に磁気抵抗が低いコア領域(第1の領域)11eと、相対的に磁気抵抗が高い領域である上記溝(第2の領域)11dとを含む。固定子コア11の形状に着目すると、表面側領域110のうちこの溝11dの領域は、各永久磁石13の間を構成する磁極の境界13aを覆うように配置されている。
溝11dのZ軸方向の幅は、適宜変更可能であり、ここでは第2の磁性板112の枚数により適宜設定され得る。
次に、以上のように構成されたリニアモータ100の動作を説明する。U,V及びW相の3相交流電流が可動子3のコイル32に印加され、それらの3相交流電流により可動子コア31の各コア要素315に位相が120°ずつずれた磁束が順に発生する。これらの磁束と、固定子1に設けられた永久磁石13が発生する磁束との相互作用によって、可動子3がZ軸方向に沿って移動する。また、これらコイル32の電流の向きを逆向きにすると、Z軸方向に沿ってそれまでとは逆向きに移動する。
以上のように、本実施形態では、永久磁石13が埋設孔11aに挿入されて埋設されているので、経時または経年変化による固定子コア11と永久磁石13とのずれを防止でき、永久磁石13が固定子コア11から剥がれ落ちるおそれがなく、確実にこれらの永久磁石13を保持しておくことができる。
以上のように、本実施形態に係る固定子コア11の表面側領域110に、コア領域11eの磁気抵抗より高い磁気抵抗を有する溝11dが形成されている。このような構成によれば、コイル32の通電により発生する磁束及び永久磁石13が発生する磁束が、その表面側領域110における溝11dでは、可動子3の移動方向(Z軸方向)に沿って流れにくくなる。これにより、表面側領域110でZ軸方向に沿って流れようとする、推力に寄与しない無駄な磁束を減らすことができる。つまり鉄損を低減し、磁束を効率良く使用することができ、可動子3の推力特性を向上させることができる。
特に本実施形態では、表面側領域110の磁極境界13a上に溝11dが形成されている。これにより、例えば隣り合う永久磁石13及び13の間で発生する磁束の、その磁極境界13a上の表面側領域110での短絡を抑制することができる。具体的には、図6に示すように、表面側領域110で、Z軸方向に沿って流れようとする、推力に寄与しない無駄な磁束(一点鎖線矢印Lで示す磁束)を減らすことができる。すなわち、磁極境界13a上の表面側領域110で短絡しない分の磁束が、固定子コア11及び可動子コア31間で発生する磁束に寄与するので、磁束を効率良く使用することができる。
ここで、このようなリニアモータでは固定子部分の強度が要求される。例えば、上記特許文献1に記載のリニアモータクチュエータにおいては、ロッドが一方向に長い構造を有しているため、ロッドの強度が低い場合、ロッドが撓み、その結果、そのロッドを摺動する可動子3の推力が変動するおそれがあった。一方、ロッドの強度を高めるために、そのロッドを構成する材料の厚さを厚くすると、その分、そのロッド内の永久磁石13と可動子3との間に設けられる磁気ギャップが大きくなる。磁気ギャップが大きくなると、磁束の使用効率が低下し、その結果、可動子3の推力特性が低下する。したがって、固定子1の所望の強度を確保しながらも、磁気ギャップの増大を防止することができることが要求された。
この点、本実施形態に係る固定子1は、例えば従来の特許文献1に記載のロッドのように、単に永久磁石をその長手方向に並べて構成された部材とは異なり、永久磁石13が埋設孔11aに埋設されて構成された固定子コア11を有しており、固定子コア11自体が強度(剛性)の高い構造体となっている。したがって、固定子1がZ軸方向に長く形成されていても、その撓みを防止することができる。これにより、本実施形態ではZ軸方向に沿って設けられた管部材6自体の強度を高くする必要はなく、特許文献1におけるロッドの構成材料の厚さより、管部材6の材料の厚さを薄くすることができる。管部材6は固定子1を保護する機能さえ有していればよい。このように、管部材6の材料の厚さを薄くすることができる結果、固定子1と、その管部材6を介して対向する可動子3及び固定子1との間の距離を小さくすることができ、すなわち磁気ギャップを小さくすることができるので、漏れ磁束を減らし、磁束使用の効率を高めることができる。また、永久磁石13が埋設孔11aに埋設されることにより、その永久磁石の位置決めの精度が高まり、その結果、推力特性や推力バランスが向上する。
また、本実施形態に係る固定子1は、表面側領域110のコア領域11eが設けられており、これらコア領域11eに磁束が集中して通り、固定子1の外側(本実施形態では管部材6の外側)への磁束の広がり範囲は少ない。これに対して、特許文献1に記載のリニアモータアクチュエータでは、その永久磁石の外周側に磁性体が存在しないので、ロッドの外への磁束の広がり範囲が、本実施形態に係る固定子1に比べて大きい。したがって、特に、永久磁石の材料としてネオジウム等の強力な磁力を発生する永久磁石が用いられる場合、この特許文献1の装置を組み立て途中等、そのロッドに比較的遠い位置から、工具等がそのロッドに急激に引きつけられ、危険である。本実施形態によれば、固定子コア11にコア領域11eが設けられているため、工具等がコア領域11eに対して非常に近い距離の位置に近付けられなければ、そのような危険の事態は起こらない。その距離は非常に小さいため、作業者が自身の身体の一部をその固定子と工具との間に挟んでしまうおそれは少ない。
本実施形態では、固定子1が組み立てられた後、この固定子1が管部材6内に挿入されるだけで、管部材6及び固定子1が一体化されるので、その製造が容易となる。
さらに本実施形態では、シャフト15が固定子コア11に挿通されているので、固定子コア11の剛性を高めることができ、固定子コア11の撓みを確実に防止することができる。この点、例えば特許文献1の固定子は、永久磁石が一方向に配列されて形成されているので、永久磁石自体にシャフトの挿通穴を設けない限り、シャフトをその永久磁石に取り付けることができず、本実施形態ではシャフト15を固定子コア11に取り付ける工程も容易になる。
[第2の実施形態]
図7は、本発明の第2の実施形態に係るリニアモータの固定子を示す断面図である。この図は、X軸方向で見た図であり、上記第1の実施形態では図2に対応する図である。これ以降の説明では、図1等に示した実施形態に係るリニアモータ100が含む部材や機能等について同様のものは説明を簡略化または省略し、異なる点を中心に説明する。
このリニアモータ200の固定子コア51の表面側領域510には、上記第1の実施形態のように磁極境界上の位置である否かに関わらず、Z軸方向に沿って間欠的に溝51dが形成されている。以下、これを間欠溝51dという。このような固定子コア51は、典型的には、図4A及びBで示した第1の磁性板111及び第2の磁性板112が単数ずつ交互に積層されて形成される。すなわちこの固定子コア51の表面側領域510では、磁気抵抗の低い領域(第1の領域)であるコア領域51eと、磁気抵抗の高い領域(第2の領域)である間欠溝51dとがZ軸方向に沿って交互に配置される。
図8に示すように、例えば、コイル32の通電により発生する磁束及び永久磁石13が発生する磁束が、表面側領域510おける間欠溝51d以外の領域、つまり磁気抵抗の低いコア領域51eを通り、可動子コア31の中心側に向かうようになる。すなわち、磁束が可動子3の移動方向に沿って表面側領域510を流れにくくなり、表面側領域510で可動子3の移動方向に流れようとする、可動子3の推力に寄与しない無駄な磁束を減らすことができる。つまり鉄損を低減し、磁束を効率良く使用することができ、可動子3の推力特性を向上させることができる。
[第3の実施形態]
図9は、本発明の第3の実施形態に係るリニアモータを示す断面図である。図10は、図9におけるA−A線断面図である。
このリニアモータ300において、上記各実施形態に係るリニアモータとは、図10に示すようにZ軸方向における一断面で、固定子60に設けられた永久磁石13により形成される磁極が2極である点で異なる。すなわち、Y軸方向に着磁された複数の永久磁石13が、固定子コア61の埋設孔61aに挿入されて、Z軸方向に配列されている。
固定子コア61は、上記各実施形態と同様に、複数の磁性板がZ軸方向に積層されて形成されている。これら各磁性板の外形は、Z軸方向で見て例えば長方形を有しており、固定子60の全体形状は平板状になっている。また、固定子コア61は、上記第1の実施形態に係る固定子コア11と同様に、複数の永久磁石13で形成される磁極の境界13aを覆うように、溝61dが形成されている。本実施形態に係る溝61dは、Z軸周りの全周にわたって形成されており、すなわち、この磁極の境界13a上には磁性板は配置されていない。
なお、固定子コア61は、直方体の管部材7内に挿入されているが、管部材7はなくてもよい。
また、固定子コア61の溝61dは、Z軸周りの全周にわたって形成されている必要はない。例えば可動子38において、コイル36が装着されるティース部38aと対向する固定子コア61の表面側領域610以外の部分(図10で示す永久磁石の側面部13b付近)には、コアが形成されていてもよい。
このリニアモータ300の固定子コア61の溝61dが設けられておらず、あるいは、溝61dに加えて、この固定子コア61に、上記第2の実施形態で説明したように、間欠溝が形成されていてもよい。
[その他の実施形態]
本技術は、以上説明した実施形態に限定されず、他の種々の実施形態を実現することができる。
上記実施形態に係る装置をリニアモータとして説明したが、このリニアモータは、比較的、可動子3のストロークが小さいリニアアクチュエータの概念も含む。
上記第1及び第2の実施形態を組み合わせてもよい。すなわち、固定子コアの表面側領域において、磁極境界上に溝が形成され、かつ、磁極境界上以外の表面側領域において間欠溝が形成されていてもよい。
上記第1及び第2の実施形態において、溝11d及び間欠溝51dとしての比較的磁気抵抗が高い領域は、空隙によって形成されたが、この磁気抵抗が高い領域には、コア領域11e(51e)の磁気抵抗より高い磁気抵抗を持つ材料が設けられていてもよい。その材料としては、例えばアルミニウム、ステンレス、ガラス、セラミック、ゴム等の非磁性材でもよい。
上記第1の実施形態における溝11dの形状は、図2に示したようにX軸方向の断面で見て矩形状に切りかかれて形成されていた。しかし、この溝11dの形状は、V字や曲線形状のものであってもよい。
上記各実施形態に係る固定子コア11の表面側領域110において、溝11d(あるいは間欠溝51d)は、Z軸周りの全周にわたって形成されていた。しかし、溝(あるいは間欠溝)は、そのZ軸方向の周囲に沿った一部の領域で形成されていてもよい。この場合、固定子コアは、後述するようにソリッドに形成されていてもよい。
上記各実施形態に係る固定子コアにおいて、積層される磁性板について、第1の磁性板及び第2の磁性板の厚さは互いに異なっていてもよい。例えば固定子コアにおいて、第1の磁性板の厚さより、第2の磁性板の厚さを厚くしてもよい。この場合、例えば溝11dを形成する磁性板は、その1つの溝に1枚の第2の磁性板が対応するような厚さを持っていてもよい。
上記各実施形態では、インナー部材が固定子とされ、アウター部材が可動子とされたが、アウター部材が固定子とされ、インナー部材が可動子とされてもよい。
Z軸方向におけるコイル32、36のピッチ及び個数、Z軸方向における永久磁石13のピッチ(磁極ピッチ)及び個数、固定子の形状及びサイズ、及び、可動子の形状及びサイズ等は、適宜変更可能である。例えば可動子の形状はリング状でなくてもよく、また、固定子の形状も円柱状でなくてもよく、それら可動子及び固定子が対向して配置されていればどのような形状であってもよい。
上記各実施形態では、固定子コア及び可動子コアともに、磁性板の積層により形成された。しかし、固定子コア及び可動子コアのうち少なくとも一方が、積層でなくソリッドに形成されていてもよい。この場合、ソリッドなコア部材の表面側領域に、上記各実施形態で示したような溝や間欠溝が形成されていればよい。このようなソリッドなコアは、圧粉や焼結体により形成されていてもよい。
上記各実施形態では、管部材6は設けられていなくてもよい。この場合、固定子1の表面側領域110(510、610)に可動子3の内周面が直接対向するように配置される。
上記各実施形態に係るリニアモータ100、200及び300は、管部材6、7内を真空に保つようなシール構造を備えていてもよい。
以上説明した各形態の特徴部分のうち、少なくとも2つの特徴部分を組み合わせることも可能である。
1、60…固定子(2次側部材に相当)
3…可動子(1次側部材に相当)
6…管部材
11、51、61…固定子コア(コア部材に相当)
11d、61d…溝(第2の領域に相当)
11e、51e…コア領域(第1の領域に相当)
13…永久磁石
31…可動子コア
32…コイル
51d…間欠溝(第2の領域に相当)
51e…コア領域
100、200…リニアモータ
110、510…表面側領域

Claims (2)

  1. 複数のコイルが装着可能な1次側部材である可動子と、
    前記可動子に対向して配置され、2次側部材である固定子とを具備するリニアモータであって、
    前記固定子は、永久磁石と、前記永久磁石が埋設される埋設孔とを有するコア部材とを有し、
    前記コア部材は、前記可動子の移動方向に沿って積層された複数の磁性板で構成され、前記埋設孔より前記可動子側に配置された表面側領域を有し、
    前記コア部材の表面側領域は、第1の領域及び前記第1の領域の磁気抵抗より高い任意の磁気抵抗を有する第2の領域を含み、前記第1の領域及び前記第2の領域が、前記可動子の移動方向に沿って配置されるとともに、前記第2の領域が、少なくとも、前記移動方向に延びる一の前記永久磁石上で当該移動方向に沿って間欠的に配置され、
    前記第2の領域は、
    前記複数のコイルにそれぞれ位相の異なる交流を加えることで、前記可動子が移動可能とされている
    ことを特徴とするリニアモータ。
  2. 請求項1に記載のリニアモータであって、
    前記可動子の移動方向に沿って前記固定子の周囲の少なくとも一部を覆うカバー部材をさらに具備し、
    前記可動子は、前記カバー部材を介して前記固定子に対向して配置されている
    ことを特徴とするリニアモータ。
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