JP5879621B2 - 微小材料ひずみ計測装置及びその方法 - Google Patents

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Description

本発明は、微小材料ひずみ計測装置及びその方法に関する。
近年、主にシリコン基板に対して行うフォトリソグラフィ技術、薄膜成形技術、及びエッチング技術などの半導体微細加工技術により、機械・電子・光・化学などの複合機能を一体化した微小構造体が製作されるようになってきている。当該微小構造体は、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)デバイスと呼ばれ、アクチュエータ、圧力センサ、温度センサ、加速度センサ、角加速度センサ等に適用されている。これらMEMSデバイスでは基板上に形成されたサブミクロンからミクロンオーダの薄膜を基本的な要素部材としている。サブミクロンからミクロンオーダの薄膜はバルク材と材料特性が異なる可能性があり、機械的性質(弾性率、強度、破壊靭性、疲労特性など)について当該薄膜材料を直接的に評価する必要がある。そこで、機械的性質の評価のために、たとえば特許文献1に示す微小材料ひずみ計測装置が提案されている。
特許文献1においては、引張応力または圧縮応力による微小材料の変形を走査型プローブ顕微鏡で計測するとしている。具体的には、微小材料の表面に標点となる微小な格子状ラインパターンを設けて、その標点の変化を走査型プローブ顕微鏡で計測することで、微小な変形を計測可能としている。
特開2003−207432号公報
しかしながら、特許文献1においては微小材料に標点を設けている。このため、標点を設ける際に微小材料表面に傷がつき、微小材料が計測の前段階で破壊に至るおそれがある。また、走査型プローブ顕微鏡に用いられるカンチレバーはほとんど接触した状態で計測をするため、その位置調整が難しく、極めて整った計測環境を必要とする。更には、その測定時間も領域をいわば点で走査することが必要となるので、その領域も狭く、その狭い領域であっても測定には膨大な時間を必要とする。
このようなことを回避するのに、標点を設けずに、微小材料を固定している2つのチャック部の間の距離をそのまま用いて引張応力または圧縮応力と当該距離との関係を求めることが提案されている。また、標点を設ける場合でも、微小材料の変形に及ぼす影響を極力小さくし、且つ材質の変性を生じさせないように配慮して塗料等で標点を付ける。そして、非接触で計測するためにCCDカメラ等で標点を撮影してその標点の移動量からひずみを求めようとすることも提案されている。しかし、いずれであっても、計測対象が微小材料であるがゆえに、引張応力または圧縮応力に対するひずみを正確に求めることは困難と考えられる。
なお、微小材料の不規則な表面形状にレーザを照射して、そのレーザの散乱光による干渉パターン(スペックルパターン)の変化から引張応力または圧縮応力によるひずみを求める方法も考えられる。しかし、スペックルパターンは表面形状を直接的に表したものではなく、不規則な表面形状の特徴に基づくものである。このため、微小材料にあっては、必要とされる分解能が確保できるとは限らない。そして、引張応力または圧縮応力で微小材料の表面の起伏が変化した際には、初期状態で標点としていたスペックルパターンが変化したり、観察していた視野からスペックルパターンが消失したりするおそれがある。即ち、スペックルパターンを用いても、計測対象が微小材料であるがゆえに、引張応力または圧縮応力に対するひずみを正確に求めることは困難と考えられる。
そこで、本発明は、前記問題点を解決するべくなされたもので、微小材料に対して非接触でありながら引張応力または圧縮応力に対するひずみを正確に計測可能とする微小材料ひずみ計測装置及びその方法を提供することを課題とする。
本発明は、微小材料に引張応力または圧縮応力を加えて該微小材料にひずみを発生させるとともに該引張応力または圧縮応力を計測するひずみ発生部と、該ひずみによる該微小材料の変形を計測する計測部と、を有する微小材料ひずみ計測装置であって、前記計測部に、前記微小材料の計測対象領域を照射する白色光源と、該白色光源で照射された該計測対象領域からの光である測定光と該白色光源から分岐された光で照射された参照鏡からの光である参照光とによって形成される干渉光を検出する2次元光電センサと、該干渉光を該2次元光電センサに受光させるとともに前記参照鏡を備える第1対物レンズと、該第1対物レンズの光軸方向で該第1対物レンズとの位置関係が一定とされるとともに該第1対物レンズと一緒に移動されることで自身の焦点位置が該2次元光電センサにおける前記計測対象領域の結像状態から自動調整され且つ光軸上の該第1対物レンズと入れ替え可能な第2対物レンズと、該光軸方向における相対的な走査で前記干渉光のコントラストが最大となる該第1対物レンズの位置から該計測対象領域の3次元形状を測定するとともに、該3次元形状に基づいて該計測対象領域における変位を計測する上で基準となる位置である標点を複数定め且つ該複数の標点間の距離を計測する画像処理装置と、を備え、且つ、前記ひずみ発生部に、前記微小部材を保持するための2つのチャック部と、該2つのチャック部の一方を支持し前記引張応力または圧縮応力を計測する応力検出手段と、該2つのチャック部の距離を変化させることで前記ひずみを発生させる移動機構と、を備え、前記自動調整された前記第2対物レンズの位置に従い前記第1対物レンズの光軸上の位置が初期的に定められ、該移動機構により前記ひずみを前記微小材料に発生させた際には、前記応力検出手段によって計測された前記引張応力または圧縮応力と、前記初期的に定められた位置から前記第1対物レンズが前記光軸方向で相対的に走査されることで、前記ひずみで変化した前記複数の標点が見失われることなく追従して特定されて計測された該複数の標点間の距離とに基づいて、前記引張応力また圧縮応力に対する前記ひずみが計測されることにより、上記課題を解決したものである。
本発明は、計測部に、白色光源と、測定光と参照光とによって形成される干渉光を検出する2次元光電センサと、干渉光を2次元光電センサに受光させる第1対物レンズと、画像処理装置と、を備えている。そして、第1対物レンズは微小材料に対してその光軸方向に相対的に走査される。即ち、上記構成部材で走査型の白色干渉計(後述)が構成される。このため、第1対物レンズの視野(点ではなく面)が一度に計測されるので、計測対象領域の計測時間を従来よりも短縮することができる。そして、画像処理装置で、干渉光のコントラストが最大となる第1対物レンズの位置から計測対象領域の3次元形状を測定するので、計測対象領域の3次元形状を高い分解能で迅速に求めることができる。このため、マイクロレベルでの微小材料の計測対象領域の変形挙動をその場観察することができる。このとき、微小材料と計測部とは非接触であるので微小材料の取り扱いを従来よりも容易に行うことができる。また、白色干渉計で得られるのは直接的な計測対象領域の3次元形状であって、表面形状(3次元形状)に基づく散乱光による干渉パターン(スペックパターン)とは異なる。即ち、標点を微小材料に描かずとも、白色干渉計の画像処理装置では、計測対象領域内の表面形状の所定の位置を直接的に標点と設定でき、標点間の位置を計測することができる。そして、白色干渉計ではその所定の位置を含めて計測対象領域の表面形状を計測する。このため、ひずみ発生部の移動機構によりひずみを微小材料に発生させた際には、標点の位置が高さを含めて変化してもその変化を連続して計測することができる。即ち、設定された標点を見失うことなく追従して特定できるので、変化する標点間の距離を安定して計測することが可能である。仮に、初期状態で設定した標点が計測対象領域からはずれても、計測対象領域内に収まる位置を標点として適切に設定することができる。同時に、ひずみ発生部の応力検出手段によって微小材料に加わる引張応力または圧縮応力が計測されることから、引張応力または圧縮応力に対するひずみを正確に計測することが可能となる。
このため、MEMSデバイスのための薄膜材料の引張強さ試験方法が日本工業規格として制定(JIS C5630−2、3;平成21年3月20日制定)されているが、本発明により該試験方法に準拠したひずみ計測を行うことができる。
なお、変化する標点間の位置からひずみを求める際には、公称ひずみを求めてもよいが、前記ひずみが該ひずみのない状態の前記複数の標点間の距離と、ひずみを付加したのちの該複数の標点間の距離と、から求められる真ひずみとされていることが好ましい。その場合には、ひずみが微小ひずみである場合に限られず、計測対象領域に大きな変形が伴ってもひずみを高精度に求めることが可能となる。
なお、標点は2以上あれば標点間の距離を求めることができるが、前記複数の標点は、3以上とされていてもよい。この場合には、計測対象領域でひずみを分布として求めることができる。このため、計測対象領域内でのひずみの分布を表面形状と関連させて評価できるので、微小材料のより詳しい機械的性質を把握することができる。
なお、前記計測部に、前記第1対物レンズの光軸方向で該第1対物レンズとの位置関係が一定とされるとともに該第1対物レンズと一緒に移動されることで自身の焦点位置が前記2次元光電センサにおける前記計測対象領域の結像状態から自動調整され且つ光軸上の該第1対物レンズと入れ替え可能な第2対物レンズを備えているので、第1対物レンズの計測対象領域への焦点位置合わせを迅速に行うことができる。同時に、第2対物レンズにて、計測対象領域の状態観察を行うことが可能となる。更に、微小材料の光軸方向に対する傾き機能がなくても、上記第2対物レンズの焦点位置の自動調整機能により、相応の速度で3次元形状の測定が可能となる。
なお、更に、前記計測部に前記微小材料を成形加工可能なレーザを照射するレーザ加工部を備える場合には、微小材料をひずみ発生部に保持する際に微小材料を加工途中としておき、微小材料を保持後に計測対象となる最終的な形状に微小材料を加工することができる。すると、保持の際には計測対象領域への機械的な応力集中を防止できるので、保持の際に微小材料が破壊されることを効果的に防ぐことができる。そして、レーザを用いた非接触状態で微小材料を加工するので、当該加工の際の計測対象領域への影響を最小限にすることができる。結果的に微小材料の保持の段階で微小材料を損なうことを防止することができる。
なお、前記2つのチャック部のうち、一方の該チャック部が他方に対して互いに直交する3軸方向で相対的に位置調整可能とされている場合には、微小材料を保持する際に、チャック部の位置を3軸方向で調整できる。このため、保持の際に微小材料にかかる応力を極力少なくすることができるので、ひずみと応力との関係をより正確に計測可能となるとともに、微小材料の保持の際の破壊を回避することもできる。
なお、更に、前記ひずみ発生部が、前記光軸方向に直交する面内で移動可能とされ、且つ、該光軸方向に対して傾斜可能とされている場合には、ひずみ発生部に保持される微小材料の計測対象領域を第1対物レンズの光軸上に迅速に調整することができる。同時に、微小材料の計測対象領域の傾きを予め少なくしておくことができる(水平状態)。このため、光軸方向における第1対物レンズの走査回数を低減できるので、計測対象領域の3次元形状をより高速に測定することができる。また、第1対物レンズの視野よりも広く計測対象領域を設定して3次元形状の測定を行う際には、第2対物レンズの焦点位置の自動調整機能との相乗効果により、計測対象領域すべての表面形状を追従性よく、連続的に計測することが可能となる。
なお、本発明は、微小材料に引張応力または圧縮応力を加えて該微小材料にひずみを発生させるとともに該引張応力または圧縮応力を計測し、該ひずみによる該微小材料の変形を計測することでひずみを求める微小材料ひずみ計測方法であって、前記微小材料を保持する工程と、光軸上で第2対物レンズを移動させ該微小材料の計測対象領域の結像状態から該第2対物レンズの焦点位置を自動調整し、該第2対物レンズと一緒に光軸方向に移動され該第2対物レンズと一定の位置関係を有し参照鏡を備える第1対物レンズと該第2対物レンズとを入れ替え、該第2対物レンズの光軸上の位置に従い前記第1対物レンズの位置を初期的に定める工程と、保持された該微小材料に前記ひずみを発生させるとともに前記引張応力または圧縮応力を計測する工程と、該ひずみが付与された微小材料の計測対象領域に白色光源で光を照射する工程と、該計測対象領域からの光である測定光と該白色光源から分岐された光で照射された前記参照鏡からの光である参照光とによって形成される干渉光を、前記第1対物レンズで2次元光電センサに受光させる工程と、前記第1対物レンズを前記初期的に定められた位置からその光軸方向で相対的に走査し前記干渉光のコントラストが最大となる該第1対物レンズの位置から前記計測対象領域の3次元形状を測定する工程と、測定された該3次元形状に基づいて、前記ひずみで変化した該計測対象領域における変位を計測する上で基準となる位置である複数の標点を見失うことなく追従して特定し、該複数の標点間の距離を計測する工程と、得られた該複数の標点間の距離及び前記引張応力または圧縮応力に基づいて、該引張応力または圧縮応力に対する前記ひずみが計測される工程と、を含むことを特徴とする微小材料ひずみ計測方法と捉えることもできる。
なお、本発明は、前記微小材料ひずみ計測方法において、一定速度で前記微小材料を変形させることで前記引張応力または圧縮応力を連続的に該微小材料に加える工程を含む場合には、該一定速度が所定のひずみ速度であれば、微小材料の変形によって生じる熱的な平衡状態を一定に保つことができる。このため、より精度の高い計測を実現することができる。また、ひずみ速度(変形速度)によっては引張応力または圧縮応力が異なる場合であっても、該一定速度の所定のひずみ速度であれば、引張応力または圧縮応力をより正確に求めることが可能となる。
本発明によれば、微小材料に対して非接触でありながら引張応力または圧縮応力に対するひずみが正確に計測可能となる。
本発明の実施形態の一例が適用された微小材料ひずみ計測装置の全体斜視図 微小材料の一例を示す斜視図(A)、(B)と拡大上面図(C) 微小材料が保持されるひずみ発生部を示す斜視図(A)と側面図(B) 計測部における白色干渉計の概略構成を示す模式図 微小材料ひずみ計測方法の計測工程を示すフローチャートを示す図 測定対象領域の3次元形状の一例を示す鳥瞰図(A)とZ方向における等高線図(B) チャック間の距離を一定の変位で変化させた際の標点の変化の一例を示す模式図
以下、本発明を実施するための好ましい形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1〜図3に示されるように、本発明の実施形態に係る微小材料ひずみ計測装置100は、位置調整部114とひずみ発生部130と計測部150とを備える。位置調整部114は、微小材料102の計測対象領域108の位置調整をするためのものであり、ベースプレート102上に固定されている。ひずみ発生部130は、微小材料102に引張応力または圧縮応力を加えて微小材料102にひずみを発生させるとともに引張応力または圧縮応力を計測する。計測部150は、ひずみによる微小材料102の変形を計測する。
以下、各構成について、図1〜図4を用いて詳細に説明する。なお、以下では引張応力のみを対象として説明する。
前記微小材料102は、図2(A)の破線部分である図2(C)に示す如く、支持ベース104と支持ベース104上に成膜された薄膜106とからなる。図2(C)に示される微小材料102の主要部分は、後述する平行部104Cの長さと幅とが1mm以下とされている。薄膜106の部分だけが計測対象となるので、薄膜106の計測結果は、支持ベース104と薄膜106の成膜された微小材料102の計測結果と支持ベース104のみの計測結果とから求められる。
支持ベース104の両端には、後述するひずみ発生部130のチャック部134、136に保持されるつかみ部104Aが設けられている。2つのつかみ部104Aの間には、曲率Rでつかみ部104Aの幅を減少させる肩部104Bを介して、平行部104Cが設けられている。平行部104Cの長さLcは、平行部104Cの幅bの2.5倍以上とされている。平行部104Cの例えば中央部分には、図2(C)に示す如く、計測対象領域108を設けることができる。この計測対象領域108は、後述する第1対物レンズ166による視野と一致されており、100μm角程度とされている。なお、計測対象領域は、第1対物レンズ166による視野よりも広く、Y方向では幅bで、伸縮方向(X方向)では平行部104Cの長さLcの80%以下で且つ幅bの2倍以上の長さとされていてもよい(例えば、計測対象領域が、第1対物レンズ166による視野より広くされ、2つの肩部104Bの近傍まで広がっていてもよい)。その際には、前述のJISで望まれている2つの標点をその計測対象領域内に設けることも可能となる。薄膜106は少なくとも計測対象領域108の全面を覆うように設けられている。支持ベース104はシリコンなどであり、薄膜106はシリコン膜や酸化シリコン膜や窒化シリコンなどである。なお、標点は、計測対象領域108における変位を計測する上で、基準となる位置をいう。また、符号aは薄膜106の膜厚であり、符号Sは薄膜106の平行部104Cにおける断面積である。
前記位置調整部114は、図1に示す如く、Yステージ116とXステージ118とθステージ120とβステージ122とαステージ124とを備える。Yステージ116は図示せぬ防振機構上に配置されたベースプレート110上に固定されている。Xステージ118はYステージ116とは直交してYステージ116上に固定されている。即ち、Yステージ116とXステージ118とにより、αステージ124上に固定されるひずみ発生部130を光軸方向に直交する面内(XY方向)で移動可能としている。θステージ120は、光軸方向(Z方向)に回転軸を持ち、Xステージ118上に固定されている。αステージ124、βステージ122はそれぞれ、光軸方向(Z方向)に対してその表面を傾斜させるゴニオステージである。βステージ122がθステージ120上に固定され、αステージ124がβステージ122の傾斜回転軸と直交するようにβステージ122に固定されている。このため、θステージ120とβステージ122とαステージ124により、αステージ124に固定されるひずみ発生部130は、自在に光軸方向に対して傾斜可能とされている。
前記ひずみ発生部130は、αステージ124上に固定されている。ひずみ発生部130は、図3(A)、(B)に示す如く、ベースプレート132上に2つのチャック部134、136とYステージ138と微動Xステージ140(移動機構)とXステージ142とZステージ144とロードセル146とを備えている。ベースプレート132上にYステージ138が固定され、その上に微動Xステージ140が固定されている。そして、その上に、チャック部134が設けられている。微動Xステージ140は、引張応力を微小材料102に加えるためのものであり、駆動源として圧電素子(たとえばPZT)を用いている。このため、微動Xステージ140は、たとえば10nmの精度で制御可能とされている。一方、Yステージ138とは所定の距離をおいて、Xステージ142がベースプレート132に固定され、その上にZステージ144が固定されている。微動Xステージ140に対峙するZステージ144の面にはロードセル146(応力検出手段)が固定され、その上にチャック部136が設けられている。ロードセル146は、ひずみゲージ式のロードセルであり、動的応力と静的応力の両方を検出(計測または測定)することが可能である。具体的には、たとえばロードセル146の検出分解能は200μNで、最大許容荷重が約2Nとされている。荷重の測定では、測定できる荷重の5%よりも高い精度が保証されている。チャック部134、136には微小材料102のつかみ部104Aが保持される。即ち、ひずみ発生部130は、微小材料102を保持するための2つのチャック部134、136を備え、一方のチャック部134(136)が他方136(134)に対して互いに直交する3軸方向で相対的に位置調整可能とされている。なお、2つのチャック部134、136には、それぞれ上面から微小材料102のつかみ部104Aを押さえるための平板形状の止め部材134A、136Aが設けられている。
前記計測部150は、図1に示す如く、ベースプレート110上から垂直に立ちあがるブラケット112に固定されている。計測部150は、Zステージ152と鏡筒154と白色光源156とスライダ162と微動Zステージ164と第1対物レンズ166と第2対物レンズ168とCCDカメラ170(2次元光電センサ)とを有する。
Zステージ152は、ブラケット112に固定されて、その可動部分に鏡筒154を固定している。本実施形態では、Zステージ152のストロークは50mmとされている。鏡筒154には、落射照明部154Aが設けられ、その上部に白色光源156が取り付けられている。白色光源156は、微小材料102の計測対象領域108を照射するのに用いられている。白色光源156は、白色LEDであるが、ある程度スペクトルに広がりのある、ハロゲンランプ、キセノンランプ、水銀ランプ、メタルハライドランプ、SLD(スーパールミネッセンスダイオード)などであってもよい。
鏡筒154には、図4に示す如く、その内部に反射ミラー158とハーフミラー160とを備える。反射ミラー158とハーフミラー160とは、白色光源156から出射された光を光軸Oの上に導くことができる。
鏡筒154のひずみ発生部130に対峙する下部には、スライダ162を介して第1対物レンズ166、第2対物レンズ168が取り付けられている。スライダ162は、第1対物レンズ166と第2対物レンズ168とをY方向移動させることで、光軸方向(Z方向)において位置を変えずに図4に示す光軸Oの上に第1対物レンズ166と第2対物レンズ168とを入れ替え可能としている。即ち、光軸方向で第1対物レンズ166と第2対物レンズ168との位置関係が一定とされている。第1対物レンズ166と第2対物レンズ168とは光軸方向(Z方向)で焦点位置が一致している。第2対物レンズ168はZステージ152との組み合わせにより、第2対物レンズ168の焦点位置が、後述するCCDカメラ170における計測対象領域108の結像状態から自動調整される。このため、第2対物レンズ168の焦点位置が自動調整された状態で、第2対物レンズ168をスライダ162で第1対物レンズ166と入れ替えるだけで、第1対物レンズ166の焦点位置合わせが完了する。
第1対物レンズ166とスライダ162との間には微動Zステージ164が配置されている。微動Zステージ164は、第1対物レンズ166をその光軸方向(Z方向)で走査することができる。微動Zステージ164は、駆動源として圧電素子(たとえばPZT)を用いて、0.1nmの分解能で制御可能とされている。第1対物レンズ166は、図4に示す如く、そのホルダ166Aの内部に、レンズ166Bとハーフミラー166Cと参照鏡166Dをと有し、ミラウ型干渉光学系を構成する。ハーフミラー166Cと参照鏡166Dとは光軸O上に配置されている。即ち、ハーフミラー166Cは、レンズ166Bから出射された光を分岐させる。そして、参照鏡166Dは、その分岐された光を反射して参照光を形成する。一方、ハーフミラー166Cを通過した計測対象領域108からの光は測定光を形成する。第2対物レンズ168は、計測対象領域108の観測、及び第1対物レンズ166の焦点位置を初期的に決定するために用いられる。なお、本実施形態では、第1対物レンズ166、第2対物レンズ168の倍率はそれぞれ、50倍、20倍である。このため、CCDカメラ170の1画素の大きさとの関係から第1対物レンズ166による水平分解能はサブミクロンとされている。
鏡筒154の上部には、CCDカメラ170を取り付けている。CCDカメラ170は、第1対物レンズ166または第2対物レンズ168からの光を受光する2次元光電センサである。即ち、白色光源156と第1対物レンズ166とで、白色干渉光がCCDカメラ170の受光面に形成される。即ち、計測部150は微動Zステージ164を用いることで、走査型の白色干渉計を構成している。白色干渉計の原理を、図4を用いて以下に説明する。
白色光源156から出た光は、鏡筒154の落射照明部154Aを通過し、反射ミラー158、ハーフミラー160で光軸Oに一致させられ、第1対物レンズ166に入射する。第1対物レンズ166のレンズ166Bから出射した光は、ホルダ166A内のハーフミラー166Cで分岐される。分岐されなかった光は、ハーフミラー166Cを透過して計測対象領域108を照射する。計測対象領域108で散乱された光(白色光源156で照射された計測対象領域108からの光である測定光)は、再び第1対物レンズ166のハーフミラー166Cに入射する。一方、ハーフミラー166Cで分岐された光は、ホルダ166内の参照鏡166Dで反射されて、ハーフミラー166Cで再び反射される(白色光源156から分岐された光で照射された参照鏡からの光である参照光)。同時に、測定光と参照光とは、ハーフミラー166Cで重ね合わせられ、共にレンズ166BでCCDカメラ170の受光面上に結像されて、2次元干渉パターン(干渉光)を形成する(第1対物レンズ166で干渉光をCCDカメラ170に受光させる)。この2次元干渉パターンは、測定光と参照光との光路長の差によって生じている。白色光源156はある程度のスペクトル幅を有しているため、可干渉性が少ない(コヒーレント長が短い)。このため、光軸方向における2次元干渉パターンの現れる範囲は狭く、光路長が一致する位置でコントラスト最大の干渉画像(明暗パターン)を得ることができる。つまり、CCDカメラ170の各画素毎にコントラスト最大となるように第1対物レンズ166を微小材料102に対して光軸方向で相対的に走査する。すると、CCDカメラ170の出力から、即ち前記干渉画像(干渉光)のコントラストが最大となる第1対物レンズ166の光軸方向(Z方向)の位置から、計測対象領域108のZ方向の高さを求めることができる(3次元形状の測定)。第1対物レンズ166の走査は、微動Zステージ164によりなされる。なお、白色光では、単一のスペクトルを用いる場合よりも干渉パターンの現れる範囲が狭いので、高い分解能で計測対象領域108の3次元形状を測定することができる。
CCDカメラ170には、図示せぬ画像処理装置が接続されている。画像処理装置は、微動Zステージ164の位置信号により、CCDカメラ170の各画素におけるZ方向の高さを求めることができる。このため、画像処理装置において、上述した計測対象領域108の3次元形状を測定することができる。また、画像処理装置は、得られた計測対象領域108の3次元形状に基づいて計測対象領域108内で2つの標点を定め、それをチャック部134、136間の距離が変化する毎に2つの標点間の距離を計測する。本実施形態では、ひずみのない状態で計測対象領域108の3次元形状を求めた際に、2つの標点が計測対象領域108内のX方向で、Z方向の最小高さを挟んだ2つのZ方向の最大高さの位置を標点としている。これにより、ひずみ値として0.1%以下の測定(計測)を確保している。また、画像処理装置は、以下に示す真ひずみεtと応力σとの関係を求めて、図示せぬモニタなどに出力することができる。なお、モニタには、第1対物レンズ166による2次元干渉パターンや測定された3次元形状画像や第2対物レンズ168で観察される計測対象領域108の実体的な画像を表示することができる。
真ひずみεtは、符号L0をひずみのない初期の状態の標点間の距離、符号L1をひずみを付加したのちの標点間の距離とすると、2つの標点間の距離から式(1)で求めることができる。
εt=ln(L1/L0) (1)
また、応力σは、計測対象領域108における薄膜106の断面積をS(=平行部の幅b*薄膜の厚みa)として、チャック部134、136間にかかる引張応力をLdとすると、式(2)で求めることができる。
σ=Ld/S (2)
ここで、公称応力σfを求める場合には断面積Sとしてひずみのない初期状態の断面積を用い、真応力σtを求める場合には断面積Sとしてひずむ毎に変化する断面積を用いればよい。
なお、図示しないが計測部150の鏡筒154には、微小材料102を成形加工可能なレーザを照射するレーザ加工部が備えられている。このため、αステージ124上のひずみ発生部130に保持された微小材料102を、Yステージ116、Xステージ118の位置調整により、レーザ加工部の光軸上に移動させることができる。レーザ加工部では、加工途中の微小材料102にレーザを照射することで、計測対象となる最終的な微小材料102に成形加工する。
次に、本実施形態の微小材料ひずみ計測装置100によるひずみ計測方法について、図5を用いて微小材料102の作製段階から説明する。
まず、微小材料102を作製する(ステップS2)。具体的には、図2(B)で示す如く、薄膜106を支持する支持ベース104の平行部104Cを形成する。このとき、肩部104Bで応力集中が生じないようにその曲率半径Rは十分大きくし、且つ、肩部104Bをできる限りなめらかに形成する。そして、支持ベース104は補強部104Dを残した形態とする。そして、支持ベース104全体を計測対象となる薄膜106を形成する装置に配置させて、計測すべき膜厚aを形成する。なお、この膜厚aは、薄膜形成時において測定が行われ、その精度は5%以内でなされている。
次に、微小材料102を保持する(ステップS4)。具体的には、薄膜106が形成された図2(B)の支持ベース104を、図3(A)、(B)に示すひずみ発生部130のチャック部134、136に固定する。微小材料102の2つのつかみ部104Aの位置に2つのチャック部134、136が来るように、Yステージ138、Xステージ142、Zステージ144を調整する。そして、止め部材134A、136Aを外した状態のチャック部134、136に微小材料102を配置させる。そして、止め部材134A、136Aでつかみ部104Aを仮止めする。このとき、ロードセル146で検出される荷重をゼロにするように、Yステージ138、Xステージ142、Zステージ144の微調整を行う。即ち、一方のチャック部134(136)を他方136(134)に対して互いに直交する3軸方向で相対的に調整する。荷重がゼロとなった時点で、止め部材134A、136Aでつかみ部104Aを固定して、同時にYステージ138、Xステージ142、Zステージ144もその状態で固定する。なお、本実施形態では、止め部材134A、136Aはチャック部134、136にねじ止めされるので、そのねじの回転量で、つかみ部104Aにかかる力を調整することができる。
次に、微小材料102の支持ベース104の補強部104Dを切断する(ステップS6)。具体的には、計測部150のレーザ加工部の光軸上に、Yステージ116、Xステージ118により微小材料102の補強部104Dを移動させ、補強部104Dをレーザで切断する。即ち、加工途中の微小材料102にレーザを照射することで、図2(A)で示す計測対象となる最終的な微小材料102に成形加工する。このため、微小材料102を保持する際には補強部104Dの存在により微小材料102を破壊から保護し、微小材料102の計測の段階では計測対象領域108の計測を高精度に行うことが可能となる。
次に、微小材料102の位置調整を行う(ステップS8)。具体的には、図1に示す位置調整部114で、ひずみ発生部130を所定の位置に移動させる。即ち、ひずみ発生部130に保持された微小材料102の計測対象領域108を、Yステージ116、Xステージ118を用いて光軸Oに直交する面内で移動させて光軸上Oに移動させる。そして、θステージ120、βステージ122、αステージ124により、微小材料102の薄膜106の水平度を調整する。即ち、微小材料102を光軸方向に対して傾斜させる。そして、保持された微小材料102の計測対象領域108に白色光源156で光を照射する。そして、Zステージ152を用いて第2対物レンズ168の焦点位置を、CCDカメラ170における計測対象領域108の結像状態から自動調整する。そして、計測対象領域108を第2対物レンズ168で観察して、Yステージ116、Xステージ118で計測対象領域108の位置を定める。そして、スライダ162を動かし第1対物レンズ166を光軸O上に配置させる。この時点で、第1対物レンズ166の焦点位置に計測対象領域108の表面がくる。
そして、微小材料102の3次元形状を測定する。具体的には、計測対象領域108からの測定光と白色光源156から分岐された光で照射された参照鏡166Dからの参照光とによって形成される干渉光を、第1対物レンズ166でCCDカメラ170に受光させる。そして、微動Zステージ164を用いて、第1対物レンズ166を微小材料102に対して光軸方向に相対的に走査する。そして、CCDカメラ170の画素毎に白色干渉によるコントラスト最大となるZ方向位置を求めることで、CCDカメラ170の出力から、即ち干渉光のコントラストが最大となる第1対物レンズ166の位置から、計測対象領域108の3次元形状を測定する。計測対象領域108の3次元形状は、CCDカメラの170の各画素の計測対象領域108のZ方向の高さを示す数値として求められる。即ち、当該数値がそれぞれCCDカメラの170の視野を想定したマトリックス状に測定されることで、計測対象領域108の3次元形状が求められる。なお、その3次元形状を視認する際には、表計算ソフトなどを使用し、当該数値の大小に基づき色分け表示、等高図表示(図6(B))、または鳥瞰図表示(図6(A))することで、容易に計測対象領域108の3次元形状が把握できる。このため、後述する標点を定めることも容易であり、且つその標点が変化しても容易に追従して特定することができる。
そして、測定された3次元形状から、微小材料102の表面が平均して水平となるように、θステージ120、βステージ122、αステージ124で、微小材料102の計測対象領域108の水平度を調整する。測定精度などに応じた所定の水平度が得られるまで、必要に応じて微小材料102の3次元形状の測定と微小材料102の水平度の調整を繰り返す。このことによって、正確に微小材料102を配置でき、従来に比べてひずみ計測自体の信頼性を向上させることができる。
次に、ひずみを与える前の段階の微小材料102の初期3次元形状の測定を行う(ステップS10)。なお、3次元形状の測定は上述の如く行う。このとき、微小材料102の平行部104Cの幅bなども計測しておく。なお、この工程は、微小材料102の位置調整工程の一環で行ってもよい。
次に、チャック部134、136の間に一定の変位(たとえば数百nm〜数μm)を与えて、微小材料102に引張応力を付与する(ステップS12)。即ち、保持された微小材料102にひずみを発生させるとともに引張応力を計測する。そして一時停止する。このときの引張速度はひずみ速度で0.01/秒以下で行うことが望ましい。
次に、微小材料102の計測対象領域108の3次元形状を求める(ステップS14)。なお、3次元形状の測定は上述の如く行う。3次元形状を測定したのち、再びチャック部134、136の間に一定の変位を与えて、微小材料102に引張応力を付与する(ステップS12)。これを、チャック部134、136の間が所定の距離Ltlとなるまで行う。たとえば、計測回数nは数十回行うこととしてもよい。
次に、チャック部134、136間が所定の距離Ltlとなったところで、チャック部134、136の移動を停止させる。そして、一定の変位毎に得られた3次元形状から、計測対象領域108内の2つの位置を標点として定め、ひずみで変化した標点を見失うことなく追従して特定し、その標点間の距離をおのおの計測する(ステップS18)。標点Pは、計測対象領域108のうちの特定の領域(図6(A)、(B)で示す領域)に着目してその特定の領域の3次元形状を示す数値のうちで最も大きな値としている(最も小さい値でもよい)。ここでは、計測対象領域108の2つの肩部104Bに最も近い領域を当該特定の領域としてそれぞれ設けている。そして、ここでの特定の領域は第1対物レンズ166の視野と一致されている。このため、チャック部134、136の間の一定の変位毎に得られる特定の領域の3次元形状全体を把握することができるので、標点の位置や値が変化してもその変化に拘わらず標点の位置を追跡することが容易である。
次に、標点間の距離から式(1)、(2)に基づき、真ひずみεtと応力σの算出を行う(ステップS20)。その際に、計測回数iのときの標点間の距離Liと測定回数i+1のときの標点間の距離Li+1からひずみ増分を求め、すべてのひずみ増分を合計して真ひずみεtを求める(真ひずみεtにおけるひずみ増分は式(1)でそれぞれ、距離Liを距離L0の代わりに、距離Li+1を距離L1の代わりに代入することで求められる)。図7では、微小領域102の2つの肩部104Bの近傍(特定の領域)にそれぞれ標点P1、P2を設けたひずみのない初期の状態(図7(A);標点間の距離L0)と、一定の変位によりひずみが付加されたのちの標点P1、P2のそれぞれ変化した状態(図7(B)〜図7(G))を示している。なお、図7(G)では、標点P1、P2間で微小材料102が破断している(破線の丸で囲まれた破断領域FA)。このため、その直前の図7(F)までの真ひずみεtを求めることができる。したがって、たとえ標点と認識した位置が、最終的な計測回数nで計測対象領域108から外れた場合でも、外れる前までのひずみ増分から真ひずみεtを求めることができる。即ち、真ひずみεtを安定して求めることができる。得られた真ひずみεtと応力σとの関係はモニタなどで出力される。なお、本実施形態では、計測対象は微小材料102のうちの薄膜106である。このため、上記一連のひずみ計測を、支持ベース104だけと、薄膜106の成膜された支持ベース104とに行う。そして、その2つの評価結果から、薄膜106だけについて真ひずみεtと応力σとの関係を求めることとなる。
本実施形態は、計測部150に、白色光源156と第1対物レンズ166とCCDカメラ170と、画像処理装置と、を備えている。そして、第1対物レンズ166は微小材料102に対してその光軸方向(Z方向)に相対的に走査される。即ち、上記構成部材で走査型の白色干渉計が構成される。このため、第1対物レンズ166の視野(点ではなく面)が一度に計測されるので、計測対象領域108の計測時間を従来よりも短縮することができる。そして、画像処理装置で、干渉光のコントラストが最大となる第1対物レンズ166の位置から計測対象領域108の3次元形状を測定するので、微小材料102の3次元形状を高い分解能で迅速に求めることができる。このため、マイクロレベルでの微小材料102の計測対象領域108の変形挙動をその場観察することができる。このとき、微小材料102と計測部150とは非接触であるので微小材料102の取り扱いを従来よりも容易に行うことができる。また、白色干渉計で得られるのは直接的な計測対象領域108の3次元形状であって、表面形状(3次元形状)に基づく散乱光による干渉パターン(スペックパターン)とは異なる。即ち、標点を微小材料102に描かずとも、白色干渉計の画像処理装置では、計測対象領域108内の表面形状の所定の位置を直接的に標点と設定でき、標点間の位置を計測することができる。そして、白色干渉計ではその所定の位置を含めて計測対象領域108の表面形状を計測する。このため、ひずみ発生部130の微動Xステージ140によりひずみを微小材料102に発生させた際には、標点の位置が高さを含めて変化してもその変化を連続して計測することができる。即ち、設定された標点を見失うことなく追従して特定できるので、変化する標点間の距離を安定して計測することが可能である。仮に、初期状態で設定した標点が計測対象領域からはずれても、計測対象領域内に収まる位置を標点として適切に設定することができる。同時に、ひずみ発生部130のロードセル146によって微小材料102に加わる引張応力が計測されることから、引張応力に対するひずみを正確に計測することが可能となる。
このため、MEMSデバイスのための薄膜材料の引張強さ試験方法が日本工業規格として制定(JIS C5630−2、3;平成21年3月20日制定)されているが、本実施形態により該試験方法に準拠したひずみ計測を行うことができる。
また、ひずみεがひずみεのない初期の状態の2つの標点間の距離L0と、ひずみεを付加したのちの2つの標点間の距離L1と、から求められる真ひずみεtとされている。このため、ひずみεが微小ひずみである場合に限られず、計測対象領域108に大きな変形が伴ってもひずみεを高精度に求めることが可能である。
また、更に、計測部150に、光軸方向で第1対物レンズ166と焦点位置が同じ位置(位置関係が一定)とされるとともに自身の焦点位置がCCDカメラ170における計測対象領域108の結像状態から自動調整される第2対物レンズ168を備えている。このため、第1対物レンズ166の計測対象領域108への焦点位置合わせを極めて迅速に行うことができる。同時に、第2対物レンズ168にて、計測対象領域108の状態観察を行うことが可能となる。更に、微小材料102の光軸方向に対する傾き機能がない若しくは十分でなくても、第2対物レンズ168の焦点位置の自動調整機能により、相応の精度で3次元形状の測定が可能となる。
また、更に、計測部150に微小材料102を成形加工可能なレーザを照射するレーザ加工部を備えている。このため、微小材料102をチャック部134、136に保持する際に微小材料102を加工途中としておき、微小材料102を保持後に計測対象となる最終的な形状に微小材料102を加工することができる。即ち、微小材料102の保持の際には補強部104Dを備えて計測対象領域108への機械的応力の集中を効果的に防止し、保持の後に補強部104Dを切断することができる。このため、保持の際には微小材料102が破壊されることを効果的に防ぐことができる。そして、レーザを用いた非接触状態で微小材料102を加工するので、当該加工の際の計測対象領域108への影響を最小限にすることができる。結果的に微小材料102の保持の段階で微小材料102を損なうことを防止することができる。
また、2つのチャック部134、136のうち、一方のチャック部134(136)が他方136(134)に対して互いに直交する3軸方向で相対的に位置調整可能とされている。このため、微小材料102を保持する際に、チャック部134、136の位置を3軸方向で調整できる。即ち、保持の際に微小材料102にかかる応力を極力少なくすることができるので、ひずみと応力との関係をより正確に計測可能となるとともに、微小材料102の保持の際の破壊を回避することもできる。
また、更に、ひずみ発生部130は、光軸方向に直交する面内で移動可能とされ、且つ、光軸方向に対して傾斜可能とされている。このため、ひずみ発生部130に保持される微小材料102の計測対象領域108を第1対物レンズ166の光軸上に迅速に調整することができる。同時に、微小材料102の計測対象領域108の傾きを予め少なくしておくことができる(水平状態)。このため、光軸方向における第1対物レンズ166の走査回数を低減できる。このため、計測対象領域108の3次元形状をより高速で計測することができる。なお、第1対物レンズ166の視野よりも広く計測対象領域を設定して3次元形状の測定を行う際には、Yステージ116とXステージ118との組み合わせと、第2対物レンズ168の焦点位置の自動調整機能との相乗効果により、計測対象領域すべての表面形状を追従性よく、連続的に計測することが可能となる。
また、本実施形態においては、チャック134、136間に一定の変位を与えて微小材料102に引張応力を付与し一時停止してから、3次元形状測定を行っている。このため、一定の変位毎に確実に標点間の距離を求めることができるので、上記一定の変位量を細かく設定することで真ひずみと応力との関係を詳細に求めることが可能である。
即ち、本実施形態によれば、微小材料102に対して非接触でありながら引張応力に対するひずみが正確に計測可能となる。
本発明について本実施形態を挙げて説明したが、本発明は本実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の要旨を逸脱しない範囲においての改良並びに設計の変更が可能なことは言うまでもない。
本実施形態においては、引張応力について説明したが、本発明は引張応力だけに限定されるものではない。応力の向きを変えるだけで同じ技術思想のもとに、圧縮応力やせん断応力によるひずみに対しても同様に適用することができる。
また、本実施形態においては、計測対象が単一の薄膜106であり、支持ベース104と一緒に評価を行ったが、本発明はこれに限定されない。たとえば薄膜が計測対象領域のみで自立した状態としてもよい。この場合は、より高精度なひずみを計測することが可能となる。また、薄膜が多層膜構造を有する薄膜であってもよい。その場合には、2次元的なひずみ分布を求めることで、たとえばその多層膜構造に起因する特異組織(層状組織あるいは析出物などを含有する組織など)の近傍におけるひずみ分布を求めることが可能となる。つまり、多層膜構造を有する薄膜に対しては分布を求められるということで、MEMSへの多層膜構造の適用における新たなプロセス提案・改善や歩留まり改善を図ることが可能となる。
また、本実施形態においては、3次元形状の計測回数ごとの標点間の距離を求めて、真ひずみεtを求めていたが、本発明はこれに限定されない。たとえば、最初の標点間の距離L0と最終的に得られるn番目の標点間の距離Ln(=L1)とから、式(1)を用いて真ひずみεtを求めてもよい(図7(A)と図7(F)で示される状態の標点間の距離だけを用いる場合に該当)。その場合にはn番目までの累積される誤差は少なくなるので、真ひずみεtを誤差を少なく求めることが可能となる。
また、本実施形態においては、ひずみεを式(1)で求められる真ひずみεtとしたが、本発明はこれに限定されず、公称ひずみεfでもよい。公称ひずみεfは、符号L0をひずみのない初期の状態の標点間の距離、符号L1をひずみを付加したのちの標点間の距離とすると、以下の式(3)で示す如く求めることができる。公称ひずみεfは、計算量も少なく高速に求めることができ、微小ひずみの領域であれば、応力とひずみとの関係を正確に求めることが可能である。
εf=(L1−L0)/L0 (3)
また、本実施形態においては、ひずみのない状態で計測対象領域108の3次元形状を求めた際に、2つの標点が計測対象領域108内のX方向で、Z方向の最小高さを挟んだ2つのZ方向の最大高さの位置を標点としていたが、本発明はこれに限定されない。たとえば、2つの標点を選択するにしても、表面形状のうねりの周波数特性から特徴的な場所を特定してそこを標点として決定してもよい。また、標点は計測対象領域内の3つ以上の位置を標点として定め、標点間の距離を計測してひずみが求められてもよい。この場合には、計測対象領域でひずみを分布として求めることができる。このため、計測対象領域内でのひずみの分布を表面形状と関連させて評価できるので、微小材料のより詳しい機械的性質を把握することができる。
また、本実施形態においては、計測部150に、第1対物レンズ166と自身の焦点位置が光軸方向で一致しているとともに自身の焦点位置がCCDカメラ170における計測対象領域108の結像状態から自動調整される第2対物レンズ168を備えていたが、本発明はこれに限定されない。たとえば第1対物レンズと第2対物レンズとが光軸方向で焦点位置が異なっても、その位置関係が一定であれば、第1対物レンズの微小部材への焦点位置合わせを迅速に行うことができる。
また、本実施形態においては、更に、計測部150に微小材料102を成形加工可能なレーザを照射するレーザ加工部を備えていたが、本発明はこれに限定されない。レーザ加工部を備えず、補強部がすでに切断された状態で、ひずみ発生部に微小材料を保持してもよい。この場合には、レーザ加工部がないので、装置をより低コストにすることができる。なお、微小材料の加工としては、他に放電加工や化学的な加工、集束イオンビーム加工、電子ビーム加工などを用いてもよい。
また、本実施形態においては、ひずみ発生部130に、微小材料102を保持するための2つのチャック部134、136を備え、一方のチャック部134(136)が他方136(134)に対して互いに直交する3軸方向で相対的に位置調整可能とされていた。そして、微小材料102の保持には止め部材134、136が用いられていたが、本発明はこれに限定されない。たとえば、止め部材を用いずに単に接着剤などで固定してもよい。その際には、接着剤の硬化特性に応じてチャック部の位置を調整して微小材料の保持状態を調整することができる。あるいは、上記3軸方向で相対的にチャック部が調整可能でなくてもよい。その場合には、部品点数を少なくでき、装置のより低コスト化を促進することができる。
また、本実施形態においては、更に、ひずみ発生部130は、光軸方向に直交する面内で移動可能とされ、且つ、光軸方向に対して傾斜可能とされていたが、本発明はこれに限定されない。たとえば、ひずみ発生部は、光軸方向に直交する面内で移動可能されているだけでもよい。この場合には、微小材料の傾き調整を不要とすることができる。このため、微小材料の調整工数を少なくでき、且つ部品点数を低減できるので、装置をより低コストとすることができる。あるいは、ひずみ発生部は、光軸方向に対して傾斜可能とされているだけでもよい。この場合には、微小領域の形状測定は高速で高精度でありながら部品点数を低減できるので、装置をより低コストとすることができる。あるいは、ひずみ発生部は、光軸方向に直交する面内で移動可能とされず、且つ、光軸方向に対して傾斜可能とされていなくてもよい。その場合には、更に部品点数を低減できるので装置を更に低コストとすることができる。
また、本実施形態においては、チャック134、136間に一定の変位を与えて微小材料102に引張応力を付与し一時停止し、3次元形状の測定を行っていたが、本発明はこれに限定されない。たとえば、一定速度で微小材料を変形させることで引張応力または圧縮応力を連続的に微小材料に加えてもよい。その場合には、該一定速度が所定のひずみ速度(たとえば、0.01/秒以下)であれば、微小材料の変形によって生じる熱的な平衡状態を一定に保つことができる。このため、より精度の高い計測を実現することができる。また、ひずみ速度(変形速度)によっては引張応力または圧縮応力が異なる場合(たとえば、高温変形や鉛などの室温変形で観測されるような場合)であっても、該一定速度の所定のひずみ速度であれば、引張応力または圧縮応力をより正確に求めることが可能となる。
本発明は、MEMSデバイスの開発及び製造、金属及びセラミックス、ポリマーを含むMEMS材料の開発及び製造等のための、サブミクロンからミクロン領域の薄膜材料の機械的特性の評価に利用することができる。
本出願は、2010年6月2日に出願された日本国特許出願第2010−127109号に基づく優先権を主張する。当該出願のすべての内容はこの明細書中に参照により援用されている。
100…微小材料ひずみ計測装置
102…微小材料
104…支持ベース
104A…つかみ部
104B…肩部
104C…平行部
104D…補強部
106…薄膜
108…計測対象領域
110、132…ベースプレート
112…ブラケット
114…位置調整部
116、138…Yステージ
118、142…Xステージ
120…θステージ
122…βステージ
124…αステージ
130…ひずみ発生部
134、136…チャック部
140…微動Xステージ
144、152…Zステージ
146…ロードセル
150…計測部
154…鏡筒
156…白色光源
158…反射ミラー
160、166C…ハーフミラー
162…スライダ
164…微動Zステージ
166…第1対物レンズ
166A…ホルダ
166B…レンズ
166D…参照鏡
168…第2対物レンズ
170…CCDカメラ

Claims (8)

  1. 微小材料に引張応力または圧縮応力を加えて該微小材料にひずみを発生させるとともに該引張応力または圧縮応力を計測するひずみ発生部と、該ひずみによる該微小材料の変形を計測する計測部と、を有する微小材料ひずみ計測装置であって、
    前記計測部に、前記微小材料の計測対象領域を照射する白色光源と、該白色光源で照射された該計測対象領域からの光である測定光と該白色光源から分岐された光で照射された参照鏡からの光である参照光とによって形成される干渉光を検出する2次元光電センサと、該干渉光を該2次元光電センサに受光させるとともに前記参照鏡を備える第1対物レンズと、該第1対物レンズの光軸方向で該第1対物レンズとの位置関係が一定とされるとともに該第1対物レンズと一緒に移動されることで自身の焦点位置が該2次元光電センサにおける前記計測対象領域の結像状態から自動調整され且つ光軸上の該第1対物レンズと入れ替え可能な第2対物レンズと、該光軸方向における相対的な走査で前記干渉光のコントラストが最大となる該第1対物レンズの位置から前記計測対象領域の3次元形状を測定するとともに、該3次元形状に基づいて該計測対象領域における変位を計測する上で基準となる位置である標点を複数定め且つ該複数の標点間の距離を計測する画像処理装置と、を備え、且つ、
    前記ひずみ発生部に、前記微小部材を保持するための2つのチャック部と、該2つのチャック部の一方を支持し前記引張応力または圧縮応力を計測する応力検出手段と、該2つのチャック部の距離を変化させることで前記ひずみを発生させる移動機構と、を備え、
    前記自動調整された前記第2対物レンズの位置に従い前記第1対物レンズの光軸上の位置が初期的に定められ、該移動機構により前記ひずみを前記微小材料に発生させた際には、前記応力検出手段によって計測された前記引張応力または圧縮応力と、前記初期的に定められた位置から前記第1対物レンズが前記光軸方向で相対的に走査されることで、前記ひずみで変化した前記複数の標点が見失われることなく追従して特定されて計測された該複数の標点間の距離とに基づいて、前記引張応力また圧縮応力に対する前記ひずみが計測される
    ことを特徴とする微小材料ひずみ計測装置。
  2. 請求項1において、
    前記ひずみは、該ひずみのない状態の前記複数の標点間の距離と、該ひずみを付加したのちの該複数の標点間の距離と、から求められる真ひずみとされる
    ことを特徴とする微小材料ひずみ計測装置。
  3. 請求項1または2において、
    前記複数の標点は、3以上とされている
    ことを特徴とする微小材料ひずみ計測装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれかにおいて、更に、
    前記計測部に前記微小材料を成形加工可能なレーザを照射するレーザ加工部を備える
    ことを特徴とする微小材料ひずみ計測装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれかにおいて、
    前記2つのチャック部のうち、一方の該チャック部が他方に対して互いに直交する3軸方向で相対的に位置調整可能とされている
    ことを特徴とする微小材料ひずみ計測装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれかにおいて、更に、
    前記ひずみ発生部は、前記光軸方向に直交する面内で移動可能とされ、且つ、該光軸方向に対して傾斜可能とされている
    ことを特徴とする微小ひずみ計測装置。
  7. 微小材料に引張応力または圧縮応力を加えて該微小材料にひずみを発生させるとともに該引張応力または圧縮応力を計測し、該ひずみによる該微小材料の変形を計測することでひずみを求める微小材料ひずみ計測方法であって、
    前記微小材料を保持する工程と、
    光軸上で第2対物レンズを移動させ該微小材料の計測対象領域の結像状態から該第2対物レンズの焦点位置を自動調整し、該第2対物レンズと一緒に光軸方向に移動され該第2対物レンズと一定の位置関係を有し参照鏡を備える第1対物レンズと該第2対物レンズとを入れ替え、該第2対物レンズの光軸上の位置に従い前記第1対物レンズの位置を初期的に定める工程と、
    保持された該微小材料に前記ひずみを発生させるとともに前記引張応力または圧縮応力を計測する工程と、
    該ひずみが付与された微小材料の計測対象領域に白色光源で光を照射する工程と、
    該計測対象領域からの光である測定光と該白色光源から分岐された光で照射された前記参照鏡からの光である参照光とによって形成される干渉光を、前記第1対物レンズで2次元光電センサに受光させる工程と、
    前記第1対物レンズを前記初期的に定められた位置からその光軸方向で相対的に走査し前記干渉光のコントラストが最大となる該第1対物レンズの位置から前記計測対象領域の3次元形状を測定する工程と、
    測定された該3次元形状に基づいて、前記ひずみで変化した該計測対象領域における変位を計測する上で基準となる位置である複数の標点を見失うことなく追従して特定し、該複数の標点間の距離を計測する工程と、
    得られた該複数の標点間の距離及び前記引張応力または圧縮応力に基づいて、該引張応力または圧縮応力に対する前記ひずみが計測される工程と、
    を含むことを特徴とする微小材料ひずみ計測方法。
  8. 請求項7において、
    一定速度で前記微小材料を変形させることで前記引張応力または圧縮応力を連続的に該微小材料に加える工程を含む
    ことを特徴とする微小材料ひずみ計測方法。
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