JP5879183B2 - 伝送路監視装置 - Google Patents

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Description

本発明は、伝送路監視装置に関し、例えば、直交周波数分割多重変調されたデジタル放送波が通過する給電線と、その給電線に接続され且つ給電線を通過するデジタル放送波を放射する空中線とを備えた伝送路の常態及び変化・変動(障害・劣化)を監視する伝送路監視装置に関する。
特許文献1には、地上アナログ放送の伝送路の障害発生位置を検出する障害点位置検出装置が提案されている。この障害点位置検出装置は、複数の高周波(映像搬送波(fv)及び音声搬送波(fa))が共用して通過する伝送路からそれぞれの高周波の進行波成分および反射波成分を抽出する手段と、映像搬送波(fv)及び音声搬送波(fa)各々の進行波と反射波との位相差を計算する手段と、その位相差から伝送路の障害発生位置までの距離を計算する手段とを備えている。
上記の障害点位置検出装置は、地上アナログ放送の伝送路の障害発生の検知だけでなく、その障害箇所の特定ができるようになっている。そのため、前記障害点位置検出装置を用いてアナログ放送の伝送路を監視することで、伝送路に障害が発生した場合に、短時間で障害復旧を行うことができ、地上アナログ放送の送信設備の信頼性向上と保守・運用性の向上を図ることができる。
特開平5−336008号公報 日本放送協会 放送技術研究所編、「マルチメディア時代のディジタル放送技術事典」、丸善株式会社、平成12年4月10日第7刷発行、p.248−249 高田豊、浅見聡著、「デジタルテレビ技術入門」、初版、米田出版、2004年6月10日第3刷発行、p.63,p.65 塩見正、羽鳥光俊著、「ディジタル放送」、第1版、株式会社オーム社、平成11年10月4日第3刷発行、p.113、p.119
ところで、我が国では、地上デジタル放送において、それまで放送や通信で実用されたことがない最も新しい技術の一つであるOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing(直交周波数分割多重))方式が採用されている。この直交周波数分割多重方式で変調された地上デジタル放送波は、チャンネル毎の占有帯域幅が約5.6MHzとなっている。また、地上デジタル放送波は、帯域内に1405本〜5617本の同じ強度の搬送波が互いに干渉しないように一定の周波数間隔で配置され、帯域内の振幅が平坦になっている。
すなわち、地上デジタル放送波は、地上アナログ放送波に比べて複雑に変調されており、搬送波の数も、地上アナログ放送が映像搬送波(fv)及び音声搬送波(fa)であるのに対して、非常に多いという特性を有している。
図1(a)に、OFDM信号の信号波形、図1(b)に、スペクトラム波形の一例及び図2に, 地上アナログ放送波のスペクトラム波形の一例を示す。(尚、図1の出典は非特許文献1、2,3,図2の出典は、非特許文献3である。)
上記のような特性を有する地上デジタル放送等の直交周波数分割多重方式で変調された信号を送信する送信設備においても、地上アナログ放送の送信設備と同様、その伝送路を監視して、障害が発生した場合に、その障害箇所を特定して、迅速に復旧させることが求められるが、放送休止時間の大幅な短縮、空中線の構成の複雑化により、さらに迅速な復旧が求められている。
しかしながら、空中線の構成の複雑化に反して、特許文献1に記載の障害点位置検出装置は、伝送路の全域にわたってその常態を監視することができず、また、伝送路に障害が発生した場合、生じた障害の箇所が1カ所であれば、障害発生の検知だけでなく、その障害箇所の特定ができるが、同時に複数の箇所で、障害・劣化が発生した場合、各発生位置における障害・劣化の程度及びその位置までの距離の検出ができないと云う技術的課題を有している。
例えば、周波数の異なる搬送波2波が通過する伝送路上の2カ所に同じ大きさの反射波を生じる障害点がある場合、検出される各搬送波の反射波信号は、2つの障害点からの反射波のベクトル合成波となり、検出される位相は、2つの障害点各々からの反射波の位相の中間値となる。
また、検出される搬送波の反射波信号相互間の位相差も、2つの障害点各々からの各反射波信号の位相差の中間値となる。
従って、検出した位相差から障害位置までの距離を算出する特許文献1に記載の障害点位置検出装置では、障害発生位置までの距離は、2つの障害発生位置の中間地点の値となってしまう。
同様に、搬送波の進行波信号と反射波信号の振幅から算出する障害・劣化の程度も、反射波信号の振幅がベクトル合成波の振幅となるので、障害点各々の障害・劣化の程度と異なるものとなってしまう。
さらに、直交周波数分割多重方式で複雑に変調されている搬送波が通過する伝送路の障害検出に特許文献1に記載の障害点位置検出装置を用いた場合、技術的な困難性、或いは、回路構成が複雑になり、装置が高額化するという課題が生じる。
具体的には、搬送波の反射波信号の位相は、帯域内において周波数偏差を生じるので、障害位置までの距離と要求される距離の検出精度とにより決まる数百kHz以下の帯域幅の反射波の中間周波数(IF)信号を、IF信号の帯域内から抽出し、同様に抽出された進行波のIF信号と位相比較しなければならない。
IF信号を抽出するために、中間周波数帯において数百kHz以下の帯域幅を有する非常に選択度の高いバンドパスフィルタが要求される。
特許文献1に記載の障害点位置検出装置のIF周波数は、10.7MHzであるが、これはFM放送用受信機に使用されるIFフィルタ(BW:200kHz)を利用するためで、TV放送波のIF周波数としては、イメージ周波数の除去の面からは不適当である。
通常、TV放送波受信用のIF周波数として概ね50MHz以上(日本の地上デジタル放送波用受信機は57MHz)が用いられるので、このIF周波数に対して数百kHz以下の帯域幅を有する非常に選択度の高いバンドパスフィルタが求められる。
このような非常に選択度の高いバンドパスフィルタは、その製作に当たって技術的な困難が伴い、入手しにくいという問題がある。
或いは、位相検出の手段として、直交周波数分割多重方式で変調されている搬送波の進行波信号及び反射波信号を地上デジタル放送用受像機のテレビチューナに用いられているデコーダと同様の回路を用いて、デジタル放送波を一旦デコードし、その復調過程において位相比較を行うことが考えられる。
この場合、変調信号のフォーマット毎に専用のデコーダ回路を用意することになり、回路構成が非常に複雑になり、装置の高額化を招いてしまう。
本発明は、上記技術的課題に鑑みてなされたものであり、直交周波数分割多重変調された搬送波のような一定以上の周波数帯域を有する信号が通過する伝送路において、複数の位置で障害・劣化が発生した場合、各位置までの距離及び障害・劣化の程度を検出可能で、かつ技術的な困難さ、或いは、回路構成が複雑になり、装置が高額化するという課題が生じない安価な伝送路監視装置を提供することを目的とする。
上記技術的課題を解決するためになされた本発明は、直交周波数分割多重方式で変調された搬送波を含む一定以上の周波数成分を持つ搬送波が通過する給電線と、該給電線に接続され且つ該給電線から送られる搬送波を放射する空中線とを備えた伝送路を監視する伝送路監視装置であって、前記給電線の所定位置に接続されており、該給電線を通過する前記搬送波の進行波信号及び反射波信号を抽出する抽出手段と、前記抽出した進行波信号及び反射波信号を所定周波数幅毎に分割し、該分割した周波数幅毎に該進行波信号及び該反射波信号の位相差を検出し、該位相差の周波数特性を生成する位相検出手段と、前記進行波信号及び前記反射波信号を所定周波数毎に分割し、該分割した周波数毎に各々進行波レベル及び反射波レベルを検出し、各レベルの周波数特性を生成するレベル検出手段と、前記取得した進行波レベル及び反射波レベルより反射係数を算出すると共に、反射係数の周波性特性を取得し、該反射係数の周波数特性及び前記取得した位相差に対して周波数領域から時間領域への変換演算を行い時間分布を求め、前記給電線を通過する搬送波の伝送速度及び前記時間分布を用いて、前記伝送路で生じている障害・劣化の位置及びその程度を算出するデータ処理手段とを有し、前記データ処理手段は、前記伝送路の複数の箇所において障害・劣化が発生している場合でも、各発生位置における障害・劣化の程度及びその位置までの距離を算出できるようになっていることを特徴とする。
このように、本発明の伝送路監視装置は、抽出手段、位相検出手段及びレベル検出手段を設けることにより、直交周波数分割多重変調された搬送波が通過する伝送路の障害・劣化の判定に必要な情報(「進行波レベル及び反射波レベルの周波数特性」及び「位相差の周波性特性」)を検出することができ、一定以上の周波数成分を持つ搬送波(例えば、地上デジタル放送波)の送出を停止することなく、常時搬送波が通過する伝送路の全域にわたって伝送路の状態を監視することが可能となり、正常時の状態表示は元より、伝送路に障害・劣化が伝送路の複数の位置で同時に生じたとしても、その位置及び程度を検出・表示することができる。
また、本発明の伝送路監視装置は、数百kHz以下の帯域幅の進行波及び反射波のIF信号の抽出を、ベースバンドで行うように回路構成しているので、非常に選択度の高いバンドパスフィルタの必要がなく、ローパスフィルタに置き換えることが可能となる。
さらに、変調信号のフォーマット毎に専用のデコーダ回路を用意する必要がないので、回路構成が簡素化し、装置を低価格で提供することができる。
また、上記のように構成することにより、一定以上の周波数成分を持つ搬送波(例えば、直交周波数分割多重変調された搬送波)が通過する伝送路の一カ所は元より複数の場所で発生した障害・劣化の検知だけでなく、その発生箇所の特定もできる。そのため、本発明の伝送路監視装置により、例えば、地上デジタル放送等の直交周波数分割多重方式で変調された信号を送信する伝送路を監視することにより、伝送路に障害・劣化が発生した場合に、その発生箇所を特定して、迅速に復旧させることができる。
また、前記データ処理手段は、前記反射係数及び前記位相差の周波数特性を示す画像情報と、前記検出した障害・劣化の位置とその程度とを示す画像情報とのうち少なくとも一方を生成して出力することが望ましい。
このように構成することにより、伝送路監視装置のユーザ(伝送路の管理者)は、視覚的に、「伝送路に障害・劣化が発生したこと」、「その障害や劣化の程度」及び「障害や劣化が発生している位置」を把握することができる。また、ユーザは、常時、障害・劣化の発生位置及びその程度を監視でき、保守作業着手前に、障害・劣化の位置・程度を簡単に把握できる。また、ユーザは、的確な保守作業計画を立てることができ、その結果、保守作業時間を短縮することができる。例えば、前記搬送波が地上デジタル放送波である場合、放送休止時間の大幅短縮化に対応可能となる。
また、各種情報を格納する記憶手段を備え、前記取得した反射係数及び前記取得した位相差の周波性特性を示す情報と、前記検出した障害・劣化の位置とその程度を示す情報とのうち少なくとも一方を逐次前記記憶手段に格納し、前記データ処理手段は、該格納された情報を用いて、前記反射係数及び前記位相差の周波性特性の経年変化を示す情報と、前記伝送路の経年変化を示す情報とのうち少なくとも一方を生成して出力することが望ましい。また、前記データ処理手段は、前記反射係数及び前記位相差の周波数特性を示す画像情報と、前記検出した障害・劣化の位置とその程度とを示す画像情報とのうち少なくとも一方を生成して出力することが望ましい。
このように構成することにより、ユーザは、伝送路の経年変化を把握できるため、事前に、障害が発生する可能性が高い位置を予測することが可能になる。そのため、例えば、事前に復旧に必要な部品を準備したり、或いは、障害発生前に部品交換して障害発生を未然に防止したりすることができる。

また、前記位相検出手段は、前記抽出した進行波信号及び反射波信号の振幅を揃えた上で該進行波信号及び反射波信号を位相合成し、該位相合成して得られた合成信号から位相差信号を検出することが望ましい。
このように進行波信号及び反射波信号の振幅を揃えた上で進行波信号及び反射波信号を位相合成することにより、位相差信号の検出に、入力信号の振幅レベルの影響が及ぶことを排除することができる。また、位相合成により位相差を求めることで、回路構成を簡素化することができる。
また、前記合成信号から検出した前記位相差信号には、前記進行波信号と前記反射波信号とを位相合成して得られた第1合成信号から検出した第1の位相信差号と、前記進行波信号又は前記反射波信号のいずれかと、180°の整数倍にならない所定の位相差を持つ前記進行波信号又は前記反射波信号とを位相合成して得られた第2の合成波信号から検出した第2の位相差信号とが含まれていることが望ましい。また、前記180°の整数倍にならない所定の位相差が、90°であることが望ましい。
このように、位相をずらすことにより、全位相の範囲(0〜2π)で位相差の検出が可能になる。
本発明によれば、直交周波数分割多重変調された搬送波のような一定以上の周波数帯域を有する信号が通過する伝送路において、複数の位置で障害・劣化が発生した場合、各位置までの距離及び障害・劣化の程度を検出可能で、かつ技術的な困難さ、或いは、回路構成が複雑になり、装置が高額化するという課題が生じない安価な伝送路監視装置を提供することができる。
(a)は OFDM信号の信号波形、(b)はスペクトラム波形の一例である。 地上アナログ放送波のスペクトラム波形の一例である。 本発明の第1実施形態の伝送路監視装置の構成を示したブロック図である。 本発明の第1実施形態のIFチューナ・レベル検出部により行われる位相差信号を分割する処理を説明するための模式図である。 本発明の第1実施形態のIFチューナ・レベル検出部のローパスフィルタから出力される200KHz毎に分割される位相差信号を示した模式図である。 本発明の第1実施形態の伝送路監視装置が出力する伝送路の障害・劣化を示す画像情報の模式図であり、伝送路の障害位置とその程度を示したグラフが含まれた模式図である。 本発明の第1実施形態の伝送路監視装置が出力する伝送路の障害・劣化を示す画像情報の模式図であり、Γ−phaseで表示したスミスチャートが含まれた模式図である。 本発明の第1実施形態の伝送路監視装置が出力する伝送路の障害・劣化を示す画像情報の模式図であり、位相の占有帯域内周波数特性チャートが含まれた模式図である。 本発明の第2実施形態の伝送路監視装置の構成を示したブロック図である。
以下、本発明の実施形態の伝送路監視装置について図面に基づいて説明する。なお、本実施形態では、本発明が日本の地上デジタル放送波(映像情報、音声情報等の各種情報が含まれる搬送波)の伝送路を監視する伝送路監視装置に適用された場合を例にしている。
先ず、本発明の第1実施形態の伝送路監視装置W1の構成を図3に基づいて説明する。図3は、本発明の第1実施形態の伝送路監視装置の構成を示したブロック図である。
図示するように、第1実施形態の伝送路監視装置W1は、放送機1から送信される地上デジタル放送波が通過する伝送路(給電線2及び空中線3)に接続されており、その伝送路の障害・劣化を監視するように構成されている。ここで、放送機1は、直交周波数分割多重方式で変調された地上デジタル放送波(直交周波数分割多重変調された信号)を送信するように構成されている。また、前記伝送路は、放送機1から送信される地上デジタル放送波が通過する給電線2と、その給電線2に接続され且つ給電線2から送られる地上デジタル放送波を放射する空中線3とを備えている。なお、放送機1、給電線2及び空中線3は、既存技術により実現されるものであるため、詳細な説明を省略する。
また、伝送路監視装置W1は、方向性結合器10と、UHFチューナ部20と、位相測定部30と、IFチューナ・レベル検出部40と、制御部50と、データ処理・表示部60とを備えている。また、方向性結合器10と、UHFチューナ部20との間に、進行波信号Pfの位相を切り替える可変位相回路11が設置されている。また、UHFチューナ部20は、スイッチ12a、12bを介して位相測定部30或いはIFチューナ・レベル検出部40に接続されるようになっている。また、位相測定部30は、スイッチ13を介してIFチューナ・レベル検出部40に接続されるようになっている。また、制御部50とデータ処理・表示部60は、通信ケーブル(例えば、RS−232C規格の通信ケーブル)により、相互間で信号の授受が行えるようになっている。
なお、方向性結合器10と、UHFチューナ部20と、可変位相回路11とで抽出手段、スイッチ12a、12bと、スイッチ13と、IFチューナ・レベル検出部40とでレベル検出手段、スイッチ12a、12bと、位相測定部30と、スイッチ13と、IFチューナ・レベル検出部40とで位相検出手段、制御部50と、データ処理・表示部60とでデータ処理手段を構成している。
そして、方向性結合器10が給電線2を通過する地上デジタル放送波の進行波信号Pf及び反射波信号Prを抽出する。また、UHFチューナ部20が、進行波信号PfのIF信号及び反射波信号PrのIF信号を生成する。また、位相測定部30が、「進行波信号PfのIF信号」及び「反射波信号PrのIF信号」を位相合成し、「進行波信号PfのIF信号」と「反射波信号PrのIF信号」との位相差を合成出力の振幅(位相差信号)として検出する。また、IFチューナ・レベル検出部40が、前記位相差信号を所定周波数幅毎に分割して位相差信号の帯域内周波数特性を生成すると共に、「進行波信号PfのIF信号」及び「反射波信号PrのIF信号」を所定周波数幅毎に分割して各々「進行波レベル」及び「反射波レベル」の帯域内周波数特性を生成する。
また、制御部50は、伝送路監視装置W1全体の動作を制御する。また、制御部50は、「位相差信号」、「進行波レベル」信号及び「反射波レベル」信号をデジタル信号に変換し、データ処理・表示部60に送信する。データ処理・表示部60は、「進行波レベル」信号及び「反射波レベル」信号を用いて反射係数を算出すると共に、「位相差信号」、前記算出した反射係数を用いて、前記伝送路で生じている障害・劣化の位置及びその程度を算出する。また、データ処理・表示部60は、前記算出した障害・劣化の位置とその程度とを示した画像情報を生成して出力する。
以下、伝送路監視装置W1の各構成を順次説明していく。
先ず、方向性結合器10を説明する。
方向性結合器10は、給電線2の所定位置に接続されており、給電線2を通過する地上デジタル放送波の進行波信号Pf及び反射波信号Prを抽出する。また、方向性結合器10は、進行波信号Pfを出力する出力端子10aと、反射波信号Prを出力する出力端子10bとを備えている。また、出力端子10a、10bは、それぞれ、UHFチューナ部20に接続されており、方向性結合器10が抽出した進行波信号Pf及び反射波信号Prは、UHFチューナ部20に入力されるようになっている。なお、進行波信号Pfには、進行波の振幅及び位相を示す情報が含まれている。また、反射波信号Prには、反射波の振幅及び位相を示す情報が含まれている。
なお、進行波信号Pf及び反射波信号Prを抽出する部材は、方向性結合器に限らない。
例えば、周波数結合器、分配器、分波器、分岐器等がある。
また、進行波信号Pfを出力する出力端子10aと、UHFチューナ部20との間に、進行波信号Pfの位相が反射波信号Prの位相に対して「0°」又は「90°」になるように切り替える可変位相回路11が接続されている。これにより、UHFチューナ部20には、反射波信号Prの位相に対して「0°」の位相を持つ進行波信号Pfと、反射波信号Prの位相に対して「90°」の位相を持つ進行波信号Pfとが入力される。この可変位相回路11は、図示しない信号線により制御部50と接続され、制御部50から送られる制御信号により制御されて動作するようになっている。なお、反射波信号Prを出力する出力端子10bは、直接UHFチューナ部20に接続されている。
次に、UHFチューナ部20について説明する。
UHFチューナ部20は、方向性結合器10が抽出した進行波信号Pf及び反射波信号Prに所定のローカル信号を加えて、中心周波数が所定周波数となるIF信号を生成するもので、2つの可変バンドパスフィルタ21a、21bと、2つのミキサ22a、22bと、1つのシンセサイザ23と、2つのバンドパスフィルタ(57MHz±2.8MHzのバンドパスフィルタ)24a、24bとを備えている。なお、可変バンドパスフィルタ21a、21bが周波数可変型となっているため、伝送路監視装置W1の汎用性が実現されている。
なお、給電線2を通過する搬送波の周波数が一定であれば、可変バンドパスフィルタ21a、21bは、この周波数を中心周波数とする周波数固定型のバンドパスフィルタでもよい。
そして、可変バンドパスフィルタ21aは、出力端子10aからの進行波信号Pfのイメージ波(不要な波)を抑制する。また、可変バンドパスフィルタ21bは、出力端子10bからの反射波信号Prのイメージ波(不要な波)を抑制する。
また、ミキサ22aは、可変バンドパスフィルタ21aからの進行波信号Pfと、シンセサイザ23からのローカル信号とを混合し、進行波信号Pfを中心周波数(fo)が「57MHz」となる進行波信号PfのIF信号に変換する。また、ミキサ22aのIF出力端子は、バンドパスフィルタ24aに接続されている。そして、ミキサ22aから出力される進行波信号PfのIF信号は、バンドパスフィルタ24aに入力される。
また、ミキサ22bは、可変バンドパスフィルタ21bからの反射波信号Prと、シンセサイザ23からのローカル信号とを混合し、反射波信号Prを中心周波数(fo)が「57MHz」となる反射波信号PrのIF信号に変換する。また、ミキサ22bのIF出力端子は、バンドパスフィルタ24bに接続されている。そして、ミキサ22bから出力される反射波信号PrのIF信号は、バンドパスフィルタ24bに入力される。
また、シンセサイザ23は、制御部50により制御されて動作するようになっている。また、シンセサイザ23は、ミキサ22a(ミキサ22b)に、ミキサ22a(ミキサ22b)が出力する進行波信号Pf(反射波信号Pr)のIF信号の中心周波数(fo)が「57MHz」となるように、所定周波数を持つローカル信号を出力する。なお、本実施形態において、進行波信号Pf(反射波信号Pr)のIF信号の中心周波数(fo)を「57MHz」「帯域幅±2.8MHz」としているのは、地上デジタル放送テレビ受信機のテレビチューナで用いられている安価で、入手しやすいバンドパスフィルタを、バンドパスフィルタ24a、24bに使用するためであるが、特にこれに限定されるものではない。中心周波数(fo)は、凡そ10〜200MHzの範囲で、ミキサ22a、22bの負荷側を構成する素子等が、入手し易い周波数を選択すればよい。帯域幅は、変調波の占有周波数帯域を包括し、イメージ周波数等の妨害波となる信号成分を除去できればよい。
また、57MHz±2.8MHzのバンドパスフィルタ24a(バンドパスフィルタ24b)は、ミキサ22a(ミキサ22b)から進行波信号Pf(反射波信号Pr)のIF信号が入力されるようになっている。そして、バンドパスフィルタ24a(バンドパスフィルタ24b)は、入力された進行波信号Pf(反射波信号Pr)のIF信号の不要波を取り除き、スイッチ12a(スイッチ12b)に、不要波を取り除いたIF信号を出力する。
また、スイッチ12a、12bは、制御部50に制御されて、「UHFチューナ部20と位相測定部30との接続」及び「UHFチューナ部20とスイッチ13との接続」を択一的に切り替えて設定するように動作する。また、スイッチ13は、制御部50に制御されて、「IFチューナ・レベル検出部40とスイッチ12aとの接続」、「IFチューナ・レベル検出部40と位相測定部30との接続」及び「IFチューナ・レベル検出部40とスイッチ12bとの接続」を択一的に切り替えて設定するように動作する。
そして、スイッチ12a、12bが、UHFチューナ部20と位相測定部30との接続に設定された場合、位相測定部30には、「進行波信号PfのIF信号」と、「反射波信号PrのIF信号」とが入力され、位相測定部30による位相合成処理が行われる。この場合、スイッチ13は、IFチューナ・レベル検出部40と位相測定部30とを接続するように設定され、IFチューナ・レベル検出部40に前記位相合成処理により得られた位相差信号が入力される。
また、スイッチ12a、12bが、UHFチューナ部20とスイッチ13との接続に設定された場合、スイッチ13は、「IFチューナ・レベル検出部40とスイッチ12aとの接続」と、「IFチューナ・レベル検出部40とスイッチ12bとの接続」とを順番に行う。これにより、IFチューナ・レベル検出部40には、「進行波信号PfのIF信号」と、「反射波信号PrのIF信号」とが順次入力され、IFチューナ・レベル検出部40による「進行波レベル」及び「反射波レベル」の帯域内周波数特性の生成処理が行われる。
次に、位相測定部30について説明する。
位相測定部30は、UHFチューナ部20から入力される「進行波信号PfのIF信号」及び「反射波信号PrのIF信号」を位相合成し、位相合成して得られる位相差信号を出力する。具体的には、位相測定部30は、スイッチ12aに接続されるリミッティングアンプ31aと、スイッチ12bに接続されるリミッティングアンプ31bと、リミッティングアンプ31a、31bのそれぞれに接続された2合成器32とを備えている。
そして、リミッティングアンプ31a、31bは、スイッチ12a、12bから入力された「進行波信号PfのIF信号」及び「反射波信号PrのIF信号」の振幅レベルを一定値に揃えて、2合成器32に出力する。これにより、2合成器32には、振幅レベルの等しい「進行波信号PfのIF信号」及び「反射波信号PrのIF信号」が入力される。
このように、位相測定部30にリミッティングアンプ31a、31bを設けているのは、位相差信号の検出に、入力信号の振幅レベルの影響が及ぶことを排除するためである。すなわち、「反射波信号PrのIF信号」の振幅レベルが伝送路の障害・劣化の程度により変動するため、リミッティングアンプ31a、31bを通し、「進行波信号PfのIF信号」及び「反射波信号PrのIF信号」の振幅レベルを一定値に揃えることで、入力信号の振幅レベルの影響を排除した。なお、リミッティングアンプ31a、31bは、自身の位相変動が位相誤差の要因となるため、入力信号レベルに対する位相変化並びに環境条件の変化等による位相変動が少ないものを選択することが好ましい。
また、2合成器32は、入力された「進行波信号PfのIF信号」と「反射波信号PrのIF信号」とを位相合成して、位相差信号を検出する。この2合成器32による位相差信号の検出は、例えば、以下の手順で行われる。
具体的には、「進行波信号PfのIF信号」及び「反射波信号PrのIF信号」の互いに等しい振幅レベルを「V1」とし、位相合成により得られた「進行波信号PfのIF信号」及び「反射波信号PrのIF信号」の位相差を「θ」とし、合成出力の振幅を「V2」とすると、「V1」、「θ」及び「V2」は、下記の(数1)に示す(式1)のように表すことができる。そして、2合成器32は、下記(式1)の関係に基づいて、合成出力の振幅「V2」から位相差「θ」を求める。なお、この位相差(θ)を示す「cosθ信号」を「第1の位相差信号」と呼ぶ。
Figure 0005879183
また、上記(式1)では、「θ=0〜π」と、「θ=0〜−π(又は、2π〜π)」のとき、合成出力の振幅(V2)が同じ値になるため識別することができない。そのため、本実施形態では、進行波信号Pfの位相が、反射波信号Prの位相に対して「90°」となるように、可変位相回路11を切り替えて、位相をずらした進行波信号Pfも位相測定部30に入力されるようにしている。この構成により、位相測定部30には、反射波信号Prの位相に対して位相が「0°」となっている「進行波信号PfのIF信号」が入力されることに加えて、反射波信号Prの位相に対して位相が「90°」となっている「進行波信号PfのIF信号」も入力される。
そして、位相測定部30は、反射波信号Prの位相に対して位相が「90°」となっている「進行波信号PfのIF信号」についても、前記位相が「0°」となっている「進行波信号PfのIF信号」と同様の手順にしたがい、「反射波信号PrのIF信号」と位相合成する。
ここで、反射波信号Prの位相に対して位相が「90°」となっている「進行波信号PfのIF信号」と、「反射波信号PrのIF信号」とを位相合成して得られた合成出力の振幅を「V3」とすると、「V1」、「θ」及び「V3」は、下記の(数2)に示す(式2)のように表すことができる。そして、下記(式2)の関係に基づいて、合成出力「V3」から位相差「θ」が求められる。なお、この位相差(θ)を示す「sinθ信号」を「第2の位相差信号」と呼ぶ。
Figure 0005879183
このように、本実施形態では、可変位相回路11により、反射波信号Prの位相に対して進行波信号Pfの位相を「90°」ずらすことにより、2種類の位相差信号(cosθ信号、sinθ信号)を求めて、「0〜2π」全位相の範囲で位相差の検出ができるようにしている。
次に、IFチューナ・レベル検出部40の構成について、図3と、図4及び図5とを参照しながら説明する。
ここで、図4は、本発明の第1実施形態のIFチューナ・レベル検出部により行われる位相差信号を分割する処理を説明するための模式図である。なお、図4(a)は、ミキサ41に入力される位相差信号及びローカル信号Loを模式的に示しており、図4(b)は、ミキサ41から出力される位相差信号を模式的に示している。また、図4(c)は、ローパスフィルタ43により処理される位相差信号を模式的に示している。また、また、図5は、本発明の第1実施形態のローパスフィルタから出力される所定周波数幅(本実施例において、所定周波数幅は200KHzとしている。)毎に分割される位相差信号を示した模式図である。
IFチューナ・レベル検出部40は、スイッチ13に接続されたミキサ41と、ミキサ41にローカル信号を入力するシンセサイザ42と、ミキサ41から出力される信号が入力される100kHzのローパスフィルタ(LPF)43と、ローパスフィルタ43からの信号が入力される検波器44とを備えている。そして、IFチューナ・レベル検出部40は、上記構成により、入力される位相差信号を所定周波数幅毎に分割して位相差信号の帯域内周波数特性を生成すると共に、入力される「進行波信号PfのIF信号」及び「反射波信号PrのIF信号」を所定周波数幅毎に分割して各々「進行波レベル」及び「反射波レベル」の帯域内周波数特性を生成するように構成されている。
また、ミキサ41には、位相測定部30を経由した「位相差信号(cosθ信号、sinθ信号)」と、位相測定部30を経由していない「進行波信号PfのIF信号」及び「反射波信号PrのIF信号」とが入力されるようになっている。
具体的には、ミキサ41には、制御部50に制御されるスイッチ13の動作により、順番に、「57MHz±2.8MHz」の周波数成分を持つ「位相差信号(cosθ信号、sinθ信号)」と、「57MHz±2.8MHz」の周波数成分を持つ「進行波信号PfのIF信号」及び「反射波信号PrのIF信号」とが入力されるようになっている。また、ミキサ41には、シンセサイザ42からのローカル信号が入力されるようになっている。
なお、シンセサイザ42は、制御部50からの制御信号に制御されて動作するようになっており、その制御信号に基づいて、ミキサ41にローカル信号を出力する。すなわち、シンセサイザ42は、ミキサ41に入力される「57MHz±2.8MHz」の周波数成分を持つ位相差信号(或いは前記IF信号)に対して、ミキサ41のIF出力端子からの出力信号の周波数成分が「0Hz」となるように、「57MHz±2.8MHz」の範囲で「200kHz」毎に設定されたローカル周波数の(fLo)のローカル信号を順次入力する。
また、ミキサ41に「57MHz±2.8MHz」の周波数成分を持つ「位相差信号(cosθ信号、sinθ信号)」が入力された場合、以下の処理が行われる。具体的には、ミキサ41は、図4(a)に示すように、入力された「57MHz±2.8MHz」の周波数成分を持つ位相差信号(cosθ信号、sinθ信号)に、「200kHz」毎に設定されたローカル周波数の(fLo)のローカル信号を加えて周波数変換を行う。そして、ミキサ41では、図4(b)に示すように、マイナス側に変換された周波数成分がプラス側に折り返されて、IF出力端子から出力さる。この出力される出力信号は、「100kHz」のローパスフィルタ43に入力される。
また、「100kHz」のローパスフィルタ43は、図4(c)及び図5に示すように、ミキサ41からの出力信号を帯域制限し、「fLo±100KHz」の信号成分がベースバンド信号に変換される。これにより、5.6MHzの帯域を「200KHz」幅毎に分割されたベースバンド信号が得られる。
そして、100kHzのローパスフィルタ43で生成された前記ベースバンド信号は、検波器44により直流に変換されて、制御部50に出力される。これにより、制御部50は、位相差信号(cosθ信号、sinθ信号)の帯域内周波数特性が得られる。なお、本実施形態は、検波器44に倍電圧半波整流方式のダイオード検波器を採用しているが、特にこれに限定されるものではない。例えば、検波器44にLog Detectorや熱電対型検波器等を用いるようにしてもよい。
一方、ミキサ41に、位相測定部30を通らない「進行波信号PfのIF信号」及び「反射波信号PrのIF信号」が入力された場合においても、上記同様、各部(ミキサ41、シンセサイザ42、ローパスフィルタ43)により、「進行波信号PfのIF信号」及び「反射波信号PrのIF信号」が、所定周波数(200KHz)幅毎に分割される。
また、所定周波数幅に分割された「進行波信号PfのIF信号」及び「反射波信号PrのIF信号」のそれぞれの振幅が検波器44により直流に変換される。これにより、所定周波数幅に分割された各進行波信号Pf(IF信号)の「振幅レベル(Pfレベル)」と、所定周波数幅に分割された各反射波信号Pr(IF信号)の「振幅レベル(Prレベル)」とが検出される。この検出された「振幅レベル(Pfレベル)」及び「振幅レベル(Prレベル)」は、制御部50に出力される。これにより、制御部50は、「Pfレベル」信号及び「Prレベル」信号の帯域内周波数特性が得られる。
次に、制御部50について説明する。
制御部50は、A−D変換器51と、CPU52と、図示しないメモリとを備えており、伝送路監視装置W1全体の動作を制御する。また、前記メモリには、前記装置全体を動作制御するプログラムが格納されており、前記CPU52が前記プログラムを実行することにより、装置全体の動作を制御するようになっている。例えば、CPU52は、前記プログラムにしたがい、可変位相回路11、スイッチ12a、12b、スイッチ13、シンセサイザ23、シンサイザ42各々の動作を制御する信号を生成し、可変位相回路11、スイッチ12a、12b、スイッチ13、シンセサイザ23、シンサイザ42各々に、その生成した制御信号を送信する。
また、A−D変換器51は、IFチューナ・レベル検出部40から入力される所定周波数幅毎に分割された信号(位相差信号(cosθ信号、sinθ信号)、進行波レベル、反射波レベル)をデジタル信号に変換する。デジタル信号に変換された前記信号は、CPU52で「cosθ信号」、「sinθ信号」、「進行波レベル」および「反射波レベル」に信号化され、通信ケーブルを介して、データ処理・表示部60に送出される。
次に、データ処理・表示部60について説明する。
データ処理・表示部60は、CPU、メモリ(記憶手段)及び各種インターフェース(I/OIF、通信IF)を備える本体部と、液晶ディスプレイ等により構成される表示部と、キーボード及びマウス等で構成される入力部とを備えるコンピュータ(PC)により構成されている。
そして、前記本体部は、制御部50から送信された信号(「cosθ信号」、「sinθ信号」、「進行波レベル」、「反射波レベル」)を受信する。また、前記本体部は、前記受信した「Pfレベル」及び「Prレベル」を用いて反射係数を算出すると共に、前記「cosθ信号」及び「sinθ信号」、前記算出した反射係数を用いて、伝送路(給電線2、空中線3)で生じている障害・劣化の位置及びその程度を算出する。また、前記本体部は、前記算出した障害・劣化の位置とその程度とを示した画像情報を生成して、表示部に表示する。
なお、前記本体部のメモリには、上述した本体部の機能を実現するための監視プログラムが格納されているものとする。そして、前記本体部の機能は、前記本体部のCPUが前記監視プログラムを実行することにより実現される。
次に、データ処理・表示部60により行われる伝送路で生じている障害・劣化の位置及びその程度を検出する障害位置検出処理について説明する。なお、前記障害位置検出処理を実現するための手順や各種データは、前記監視プログラムに含まれている。
データ処理・表示部60は、前記受信した所定周波数幅毎に分割された「Pfレベル」及び「Prレベル」を用いて、周波数毎に反射係数Γ(Γ=Prレベル/Pfレベル)を算出する。また、データ処理・表示部60は、所定周波数毎の反射係数Γと、所定周波数毎の位相差信号(cosθ信号、sinθ信号)とにより、「200KHz」毎の「Γ*cosθ」及び「Γ*sinθ」を求める。データ処理・表示部60は、「200KHz」毎の「Γ*cosθ」及び「Γ*sinθ」にフーリエ級数解析を行うことにより、周波数特性として得られた計測値(Prレベル、Pfレベル、cosθ、sinθ)を時間領域における時間分布に変換する。
さらに、データ処理・表示部60は、給電線2を通過するデジタル放送波の伝送速度(光速*波長短縮率)から、前記時間分布の時間(軸)を距離(軸)に換算することにより、反射係数Γの距離に対する分布を求めて、その分布から障害位置及び障害・劣化の程度を検出する。以下で、データ処理・表示部60が行う障害位置検出処理の原理について、5.6MHzの帯域をM等分した周波数に対して測定を行う場合を例に説明する。
各測定周波数における角速度を「ω、ω、・・・ω」としたとき、各周波数における「Γ*cosθ」及び「Γ*sinθ」の測定値を「Γ*cosθ、Γ*sinθ、Γ*cosθ、Γ*sinθ、・・・、Γ*cosθ、Γ*sinθ」とする。この場合、各周波数における反射係数測定値を複素表示すると、以下の(数3)に示す(式3−1)のように表される。
Figure 0005879183
また、給電線2の線路長をLとし、LをN等分し、測定基準点からの距離=0、L/N、2*L/N、・・・(N−1)*L/N、Lの各点をそれぞれ「l、l、・・・lN−1、l」とする。また、給電線2の線路上の「l、l、・・・、lN−1、l」の各点に反射が存在するものとして、各点の反射係数を以下のように定義すると、(数4)に示す(式3−2)のように示すことができる。
Figure 0005879183
但し、n=0〜Nとする。また、vn及びφnは、各点での反射係数の大きさと反射位相を示す。また、各点の反射係数の大きさvn及び反射位相φnは、帯域内において周波数に依存しないものとする。
また、前記測定基準点における反射波Prは、進行波Pfを基準にすると、進行波Pfに対して基準点から反射点までの距離を往復する時間分遅れるので、測定基準点からの反射波を測定周波数毎に下記(数5)とすると、下記(数6)に示す(式3−3)で定義することができる。
Figure 0005879183
Figure 0005879183
但し、n=0〜N、m=0〜M
また、上記(式3−3)において、tは、各反射点までの往復の伝送時間を示しており、下記(数7)に示す(式3−4)のように表される。
Figure 0005879183
但し、n=0〜N、m=0〜M、λmは各周波数における波長を示す。
また、上記(式3−3)に(式3−4)を代入すると下記(数8)に示す(式3−5)が求められる。
Figure 0005879183
また、各測定周波数における「Γ*cosθ」及び「Γ*sinθ」の測定値は、給電線2上の複数の反射点からの反射波をベクトル合成したものになるため、下記(数9)に示す(式3−6)のように示すことができる。
Figure 0005879183
また、上記(式3−6)は、Γ値のフーリエ級数展開を示しているため、各点の反射係数「vn(ベクトル)」は、下記(数10)に示す(式3−7)により導くことができる。
Figure 0005879183
そして、上記(式3−7)により、測定基準点からの距離(0、L/N、2*L/N、・・・、(N−1)*L/N、L)による反射量(障害の大きさ)は、下記(数11)に示す(式3−8)ように導くことができる。
Figure 0005879183
但し、n=0〜Nとする。
ここで、上記の(式3−8)における「(n・4・π・L)/N」*(1/λ)」を「β」とすると((数12)の(式3−9)参照)、下記(数13)に示す(式3−10)が求められる。このように、各周波数における反射係数測定値Γ・cosθ、Γ・sinθ(m=0〜M)の値から、測定基準点からの距離(0、L/N、2*L/N、・・・、(N−1)*L/N、L)における反射係数を算出することができる。
Figure 0005879183
Figure 0005879183
但し、n=0〜Nとする。
このように、本実施形態の伝送路監視装置W1によれば、伝送路の各地点(測定基準点から所定距離にある各位置)の反射係数の値が算出されるため、伝送路の各地点の反射係数を参照することにより、伝送路全体における障害・劣化の有無、及びその程度を判定することができる。
次に、データ処理・表示部60により生成・出力される伝送路の障害・劣化の程度を示す画像情報の例として、図6〜図8を用いて説明する。
ここで、図6は、本発明の第1実施形態の伝送路監視装置が出力する伝送路の障害・劣化を示す画像情報の模式図であり、伝送路の障害位置とその程度を示している。また、図7は、本発明の第1実施形態の伝送路監視装置が出力する伝送路の障害・劣化を示す画像情報の模式図であり、Γ−phaseで表示したスミスチャートを示している。また、図8は、本発明の第1実施形態の伝送路監視装置が出力する伝送路の障害・劣化を示す画像情報の模式図であり、位相の占有帯域内周波数特性を示している。
具体的には、データ処理・表示部60は、上述した障害位置検出処理により得た処理結果を示すデータから画像情報100、110、120を生成し、表示部に表示する。或いは、データ処理・表示部60は、図示しないプリンタに接続され、ユーザからの要求にしたがい、画像情報100、110、120を印刷データに変換し、前記プリンタに該印刷データを出力させる。
そして、図4〜6に提示する画像情報100、110、120には、それぞれ、障害位置(基準点からの距離)とその程度(反射計数Γの値)を示したテキスト情報を表示する領域101と、障害位置(基準点からの距離)とその程度(反射計数Γの値)に関する情報をチャート形式で提示する領域102とが設けられている。このように、本実施形態では、ユーザ(伝送路の管理者)に対して、伝送路の障害・劣化の位置及び程度を示した画像情報100、110、120を提示できるため、ユーザに伝送路の状態を視覚的に把握させることができる。
また、画像情報100、110、120には、表示する「チャートの種類及びスケール」の切り替えを受け付けるチャート・スケール変更ボタン103が設けられている。ユーザは、データ処理・表示部60の入力部(キーボードやマウス)を操作して、所望するチャートを示すスケールボタン103aを選択(クリック)することにより、領域102の表示を所望するものに切り替えることができる。なお、画像情報100のチャート領域102には、障害位置(基準点からの距離)とその程度(反射計数Γの値)を示したグラフ105が提示されており、画像情報110のチャート領域102には、Γ−phaseで表示したスミスチャート106が提示されており、画像情報120のチャート領域102には、位相の占有帯域内周波数特性を示したグラフ107が提示されている。
このように第1実施形態の伝送路監視装置W1によれば、ユーザは、必要に応じて、データ処理・表示部60に、画像情報100を表示させ、伝送路の障害位置及びその程度を確認して、伝送路の保守作業が必要否かを判断したり、或いは、画像情報110、120を表示させて、保守作業に必要な情報を取得したりできる。そのため、第1実施形態の伝送路監視装置W1を用いて地上デジタル放送の伝送路を監視することで、伝送路に障害を早期に発見できる。また、第1実施形態によれば、障害が発生した位置が特定されるため、短時間で障害復旧を行うことができ、地上デジタル放送の送信設備の信頼性向上と保守・運用性の向上を図ることができる。
さらに、第1実施形態のデータ処理・表示部60は、上述した障害位置検出処理を行った場合、その処理結果(反射係数、位相差の周波数特性、検出した障害・劣化の位置とその程度を示す情報)を逐次メモリ(データ処理・表示部60のメモリや、データ処理・表示部に接続される外付けメモリ)に格納するように構成されている。
また、データ処理・表示部60は、前記メモリに格納された前記処理結果(反射係数、位相差の周波数特性、検出した障害・劣化の位置とその程度を示す情報)を用いて、前記反射係数及び前記位相差の周波性特性の経年変化を示す情報、及び/又は、伝送路の経年変化を示す情報(テキスト情報や画像情報)を生成して出力するように構成されている。また、データ処理・表示部60のメモリに、前記反射係数及び前記位相差の周波性特性の定常値を格納しておく。そして、データ処理・表示部60は、前記定常値と、現在値(現在検出した(或いは、直近に検出された)反射係数及び前記位相差の周波性特性)とを比較して、その比較結果を出力するようにしてもよい。
このように構成することにより、ユーザは、伝送路の経年変化を把握できるため、事前に、障害が発生する可能性が高い位置を予測することが可能になる。そのため、例えば、事前に復旧に必要な部品を準備したり、或いは、障害発生前に部品交換して障害発生を未然に防止したりすることができる。
また、データ処理・表示部60は、伝送路の経年変化が所定変化率以上であれば、警告情報を生成して、前記表示部に表示するように構成されていてもよい。
このように構成することにより、伝送路の管理者(ユーザ)の経験が浅い場合であっても、事前に障害が発生する可能性が高い位置を把握することができる。
以上説明したように、本発明の第1実施形態によれば、数百kHz以下の帯域幅の反射波信号を中間周波数帯域内から抽出してから位相比較を行う、或いは、直交周波数分割多重変調された信号に対する専用デコーダ回路を設けた複雑な回路構成を採用することなく、直交周波数分割多重変調されたデジタル放送波が通過する伝送路を監視する伝送路監視装置W1を提供することができる。
また、第1実施形態では、地上デジタル放送波の送出を停止することなく、地上デジタル放送波が通過する伝送路(給電線2、空中線3)に生じている障害・劣化の状態を検出し、障害・劣化の発生位置までの距離及び障害・劣化の程度を表示できるようになっている。そのため、第1実施形態によれば、常時、地上デジタル放送波が通過する伝送路(給電線2、空中線3)を監視することができる。また、常時監視ができるため、保守作業着手前に、障害・劣化の位置及び程度が把握でき、工事計画が立て易くなり、工事期間を短縮することが可能になる。また、その結果、放送休止時間の短縮化に対応することができる。
また、第1実施形態では、給電線を伝搬する信号の周波数(約5.6MHz)の占有帯域内を所定周波数間隔で測定し、信号成分の周波数特性をフーリエ級数解析することにより障害位置までの距離、障害・劣化の程度を検出している。したがって、伝送路の複数箇所で反射波が生じる状態が発生しても、得られた信号成分の周波数特性には各々の発生位置までの距離、障害・劣化の程度の情報が含まれているので、フーリエ級数解析をすることにより各々の位置及び障害・劣化の程度を検出することができる。すなわち、第1実施形態によれば、同時に、複数の箇所に障害・劣化が発生している場合においても、それぞれについて、その位置及び程度を検出して表示できる。
また、第1実施形態の構成によれば、送信機から負荷側の位相を測定できるため、アンテナ建設時及び保守工事後の分岐給電線間の位相調整が容易にでき、アンテナ構成の複雑化に対応することができる。また、第1実施形態によれば、従来のように、ネットワークアナライザ等の機器を現場に持ち込んで測定を行う必要がなくなり、保守担当者の負担が軽減される。
次に、本発明の第2実施形態の伝送路監視装置について、図9に基づいて説明する。ここで、図9は、本発明の第2実施形態の伝送路監視装置の構成を示したブロック図である。なお、第2実施形態の伝送路監視装置W2は、第1実施形態の伝送路監視装置W1の構成を一部変更し、進行波信号及び反射波信号のレベル検出及び位相差検出を同時にでき、連続的なデータの取得が可能となるように構成したものであるが、伝送路の障害・劣化の検出処理の原理は、第1実施形態と同じである。また、第2実施形態では、説明の便宜上、第1実施形態と同じ構成及び相当する構成については、同じ符号を付している。また、第2実施形態については、第1実施形態と異なる部分を中心に説明し、同様の構成の説明を省略する。
図示するように、第2実施形態の伝送路監視装置W2は、方向性結合器10と、UHFチューナ部20と、位相測定部30と、IFチューナ・レベル検出部40と、制御部50と、データ処理・表示部60とを備えている。そして、UHFチューナ部20、位相測定部30、IFチューナ・レベル検出部40及び制御部50が、第1実施形態の構成を一部変更したものとなっている。また、第2実施形態の伝送路監視装置W2は、第1実施形態異なり、可変位相回路11、スイッチ12a、12b、スイッチ13が設けられていない。
具体的には、UHFチューナ部20は、上述した第1実施形態の構成に、さらに、2つの分配器25a、25bを設けたものである。この分配器25a、25bは、それぞれ、入力端子がバンドパスフィルタ24a、24bの出力端子に接続されている。また、分配器25a(又は分配器25b)は、その出力端子が、位相測定部30及びIFチューナ・レベル検出部40の両者に接続されている。
そして、分配器25aは、バンドパスフィルタ24aからの「進行波信号PfのIF信号」が入力されると、その入力された「進行波信号PfのIF信号」を分配し、位相測定部30及びIFチューナ・レベル検出部40(ミキサ41a)の両者に出力する。また、分配器25bは、バンドパスフィルタ24bからの「反射波信号PrのIF信号」が入力されると、その入力された「反射波信号PrのIF信号」を分配し、位相測定部30及びIFチューナ・レベル検出部40(ミキサ41b)の両者に出力する。このように構成することにより、並列処理が可能となり、第1実施形態において採用していたスイッチ12a、12bを設ける必要がなくなるため、制御部50の処理負担が軽減される。
また、位相測定部30は、分配器25aに接続されるリミッティングアンプ31aと、分配器25bに接続されるリミッティングアンプ31bと、リミッティングアンプ31aに分配器33を介して接続された2合成器32aと、リミッティングアンプ31bに分配器34を介して接続された2合成器32bとを備えている。
分配器33は、リミッティングアンプ31aからの「進行波信号PfのIF信号」が入力されると、その入力された「進行波信号PfのIF信号」を2分配する。また、分配器33は、2分配した一方の「進行波信号PfのIF信号」をそのまま2合成器32aに出力する。また、分配器33は、2分配した他方の「進行波信号PfのIF信号」の位相が、「一方の進行波信号PfのIF信号」の位相に対して「90°」となるように、位相をずらした上で、2合成器32bに出力する。
また、分配器34は、リミッティングアンプ31bからの「反射波信号PrのIF信号」が入力されると、その入力された「反射波信号PrのIF信号」を2分配し、一方を2合成器32aに出力し、他方を2合成器32bに出力する。
これにより、2合成器32aには、同じ位相の「進行波信号PfのIF信号」及び「反射波信号PrのIF信号」が入力される。そして、2合成器32aは、第1実施形態と同様の位相合成処理を行い、位相差信号(cosθ信号)を検出し、IFチューナ・レベル検出部40のミキサ41cに、検出した位相差信号(cosθ信号)を出力する。
また、2合成器32bには、反射波信号Prの位相に対して位相が「90°」の「進行波信号PfのIF信号」と、「反射波信号PrのIF信号」とが入力される。そして、2合成器32bは、第1実施形態と同様の位相合成処理を行い、位相差信号(sinθ信号)を検出し、IFチューナ・レベル検出部40のミキサ41dに、検出した位相差信号(sinθ信号)を出力する。
このように、第2実施形態においても、第1実施形態と同様、2種類の位相差信号(cosθ信号、sinθ信号)を検出することができ、「0〜2π」全位相の範囲で位相差の検出ができる。また、第2実施形態の位相測定部30の構成によれば、2種類の位相差信号(cosθ信号、sinθ信号)を並列処理により同じタイミングで検出できるため、第1実施形態と比べて、位相差信号の処理速度を速めることができる。
また、IFチューナ・レベル検出部40は、並列に設けられた4つの処理ラインにより構成されており、所定周波数幅毎の「進行波レベル」、「反射波レベル」、「位相差信号(cosθ信号)」、「位相差信号(sinθ信号)」を並列処理で同じタイミングで検出できるようになっている。
具体的には、ミキサ41a、ローパスフィルタ43a及び検波器44aを有する第1ラインは、「進行波信号PfのIF信号」の入力を受け、その入力された「進行波信号PfのIF信号」を所定周波数幅毎に分割して「進行波レベル」の帯域周波数特性を生成する。
また、ミキサ41b、ローパスフィルタ43b及び検波器44bを有する第2ラインは、「反射波信号PrのIF信号」の入力を受け、その入力された「反射波信号PrのIF信号」を所定周波数幅毎に分割して「反射レベル」の帯域周波数特性を生成する。
また、ミキサ41c、ローパスフィルタ43c及び検波器44cを有する第3ラインは、「位相差信号(cosθ信号)」の入力を受け、その入力された「位相差信号(cosθ信号)」を所定周波数幅毎に分割して「位相差信号(cosθ信号)」の帯域周波数特性を生成する。
また、ミキサ41d、ローパスフィルタ43d及び検波器44dを有する第4ラインは、「位相差信号(sinθ信号)」の入力を受け、その入力された「位相差信号(sinθ信号)」を所定周波数幅毎に分割して「位相差信号(sinθ信号)」の帯域周波数特性を生成する。
また、IFチューナ・レベル検出部40には、第1実施形態と同様、シンセサイザ42が設けられており、このシンセサイザ42により、ミキサ41a、41b、41c、41dに、ローカル周波数の信号が入力される。
このように構成することにより、第2実施形態では、所定周波数幅毎の「進行波レベル」、「反射波レベル」、「位相差信号(cosθ信号)」及び「位相差信号(sinθ信号)」を並列処理でき、同じタイミングで検出できるため、第1実施形態と比べて、帯域周波数特性の生成処理を速めることができる。
また、制御部50は、4つのA−D変換器51a、51b、51c、51dと、CPU52と、図示しないメモリとを備えている。そして、4つのA−D変換器51a、51b、51c、51dにより、所定周波数幅毎に分割された4種類の信号(進行波レベル、反射波レベルcosθ信号及びsinθ信号)が並列処理されて、同じタイミングでデジタル信号に変換されるようになっている。このように構成することにより、第2実施形態では、第1実施形態と比べて、制御部50の処理速度を速めることができる。
以上、説明したように、第2実施形態の構成によれば、第1実施形態と比べて、伝送路監視装置W2の処理速度を速めることができる。また、第2実施形態によれば、並列処理ができ、連続的な情報(伝送路の状態を示す情報)の取得が可能となり処理速度を速めることができるため、伝送路の急激な変化・変動の検出が可能になる。その結果、第2実施形態の伝送路監視装置W2を用いることにより、地上デジタル放送波を送信するシステムの性能及び信頼性の向上を図ることができる。
なお、本発明は、上述した実施形態(第1実施形態、第2実施形態)に限定されるものではなく、その要旨の範囲内において種々の変更が可能である。
例えば、上述した実施形態では、2種類の位相差信号(cosθ信号、sinθ信号)を検出するために、「進行波信号PfのIF信号」について、その位相が、反射波信号Prの位相に対して「90°」となるように、位相をずらしているが、ずらしている位相の値はあくまでも一例に過ぎない。進行波信号Pfの位相が、反射波信号Prの位相に対して「180°」の整数倍にならない所定の値に調整されていればよい。
また、進行波信号Pfではなく、反射波信号Prの位相をずらすようにしてもよい。すなわち、反射波信号Prの位相が、進行信号Pfの位相に対して「180°」の整数倍にならない所定の値に調整されていてもよい。
また、上述した実施形態では、反射係数及び位相差の周波数特性を示す画像情報と、前記検出した障害・劣化の位置とその程度とを示した画像情報とを生成して出力した場合を説明しているが(図6参照)、特にこれに限定されるものではない。例えば、データ処理・表示部60は、反射係数及び位相差の周波数特性だけを示す画像情報を生成して出力するようにしてもよいし、障害・劣化の位置とその程度とを示した画像情報だけを生成して出力するようにしてもよい。
また、上述した実施形態では、地上デジタル放送波が通過する伝送路を監視する場合を例にしているが、本発明の構成は、地上デジタル放送波が通過する伝送路以外にも適用することが可能である。すなわち、本発明は、地上デジタル放送波に限らず、一定以上の周波数帯域(必ずしも連続な領域である必要はなく、離散的に信号成分が存在していてもよい)を持つ搬送波を伝送する設備の監視に適用することができる。
W1、W2…伝送路監視装置
1…放送機
2…給電線
3…空中線
10…方向性結合器
10a、10b…出力端子
11…可変位相回路
12a、12b、13…スイッチ
20…UHFチューナ部
21a、21b…可変バンドパスフィルタ
22a、22b…ミキサ
23…シンセサイザ
24a、24b…57MHz±2.8MHzのバンドパスフィルタ
25a、25b…分配器
31a、31b…リミッティングアンプ
32、32a、32b…2合成器
33…分配器
34…分配器
40…IFチューナ・レベル検出部
41、41a、41b、41c、41d…ミキサ
42…シンセサイザ
43、43a、43b、43c、43d…100kHzのローパスフィルタ
44、44a、44b、44c、44d…検波器
50…制御部
51、51a、51b、51c、51d…A−D変換器
52…CPU
60…データ処理・表示部

Claims (7)

  1. 直交周波数分割多重方式で変調された搬送波を含む一定以上の周波数成分を持つ搬送波が通過する給電線と、該給電線に接続され且つ該給電線から送られる搬送波を放射する空中線とを備えた伝送路を監視する伝送路監視装置であって、
    前記給電線の所定位置に接続されており、該給電線を通過する前記搬送波の進行波信号及び反射波信号を抽出する抽出手段と、
    前記抽出した進行波信号及び反射波信号を所定周波数幅毎に分割し、該分割した周波数幅毎に該進行波信号及び該反射波信号の位相差を検出し、該位相差の周波数特性を生成する位相検出手段と、
    前記進行波信号及び前記反射波信号を所定周波数毎に分割し、該分割した周波数毎に各々進行波レベル及び反射波レベルを検出し、各レベルの周波数特性を生成するレベル検出手段と
    前記取得した進行波レベル及び反射波レベルより反射係数を算出すると共に、反射係数の周波性特性を取得し、該反射係数の周波数特性及び前記取得した位相差に対して周波数領域から時間領域への変換演算を行い時間分布を求め、前記給電線を通過する搬送波の伝送速度及び前記時間分布を用いて、前記伝送路で生じている障害・劣化の位置及びその程度を算出するデータ処理手段とを有し、
    前記データ処理手段は、前記伝送路の複数の箇所において障害・劣化が発生している場合でも、各発生位置における障害・劣化の程度及びその位置までの距離を算出できるようになっている
    ことを特徴とする伝送路監視装置。
  2. 前記位相検出手段は、前記抽出した進行波信号及び反射波信号の振幅を揃えた上で該進行波信号及び反射波信号を位相合成し、該位相合成して得られた合成信号から位相差信号を検出する
    ことを特徴とする請求項1に記載の伝送路監視装置。
  3. 前記合成信号から検出した前記位相差信号には、前記進行波信号と前記反射波信号とを位相合成して得られた第1合成信号から検出した第1の位相信差号と、
    前記進行波信号又は前記反射波信号のいずれかと、これと180°の整数倍にならない所定の位相差を持つ前記進行波信号又は前記反射波信号とを位相合成して得られた第2の合成波信号から検出した第2の位相差信号とが含まれている
    ことを特徴とする請求項に記載の伝送路監視装置。
  4. 前記180°の整数倍にならない所定の位相差が、90°である
    ことを特徴とする請求項に記載の伝送路監視装置。
  5. 前記データ処理手段は、前記反射係数及び前記位相差の周波数特性を示す画像情報と、前記検出した障害・劣化の位置とその程度とを示す画像情報とのうち少なくとも一方を生成して出力する
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の伝送路監視装置。
  6. 各種情報を格納する記憶手段を備え、
    前記取得した反射係数及び前記取得した位相差の周波性特性を示す情報と、前記検出した障害・劣化の位置とその程度を示す情報とのうち少なくとも一方を逐次前記記憶手段に格納し、前記データ処理手段は、該格納された情報を用いて、前記反射係数及び前記位相差の周波性特性の経年変化を示す情報と、前記伝送路の経年変化を示す情報とのうち少なくとも一方を生成して出力する
    ことを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の伝送路監視装置。
  7. 前記データ処理手段は、前記反射係数及び前記位相差の周波性特性の経年変化を示す画像情報と前記伝送路の経年変化を示す画像情報とのうち少なくとも一方を生成して出力する
    ことを特徴とする請求項に記載の伝送路監視装置。
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