JP5878243B2 - 医療用器具、特に歯科用又は外科用器具の駆動装置 - Google Patents

医療用器具、特に歯科用又は外科用器具の駆動装置 Download PDF

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Description

本発明は、医療用器具、特に歯科用又は外科用器具の駆動装置に関する。本発明の駆動装置は、単方向回転運動を多方向回転運動に変換するよう構成されているため、器具をこの多方向運動で操作することができる。
単方向回転運動を多方向運動、即ち同時的又は混合的なリフティング運動及び減速回転運動に変換する駆動装置は、特許文献1(国際公開第2011/089348号パンフレット)に既知である。この場合、角度付きハンドピース内に配置された駆動装置は、単方向回転運動を伝達するためにモータに接続可能な駆動軸と、回転運動における回転速度を減速するための多段遊星歯車と、回転速度を減速した回転運動を伝達するための軸と、リフティング運動を生じさせるための偏心軸とを備える。
この駆動装置は、多数の欠点を有するものである。即ち、回転運動における回転速度を大幅に減速するために、複数個、例えば3個の連続配置された遊星歯車が設けられ、そのために大きなスペースが必要になる。このような大きなスペースを必要とするため、遊星歯車は、ハンドピースの角度付きヘッド部から離れ、かつ曲げ部又は角度(特許文献1の図1を参照)によって分けたハンドピースの後方セクションにしか配置することができない。しかしながらこの場合、ハンドピースの曲げ部に更に2個のギアを設ける必要がある。即ち、減速回転運動を伝達するための第1ギアと、回転運動を偏心軸に伝達するための第2ギアとである。このように、複数個の遊星歯車の使用により、様々な個別部品が必要になり、従って製造及びアセンブリにおける高コストにつながる。
このように、上述した欠点を克服した駆動装置を提供することが望まれる。この場合の駆動装置は、単方向回転運動を多方向運動、即ちリフティング運動及び減速回転運動に変換し、好適には同時的又は混合的に変換するものとする。その際、好適には、回転運動における回転速度は変更され、特に減速されている。駆動装置は、特に、可及的にコンパクトとし、所要スペースを小さくし、僅かな個数の個別部品で構成し、回転速度を大幅に減速可能とするのが望ましく、そして好適には、角度付きハンドピースの角度部分及びヘッド部の間に配置可能とする。
特許文献2(米国特許第6293795号明細書)には、多方向回転運動とした多方向運動を生じさせる他の駆動装置が既知である。この駆動装置は、ハンドピース、特に電気モータによって駆動される歯内ファイルなどの器具を有する歯内ハンドピース含む。この場合、マイクロコントローラを含む電気的制御ユニットが電気モータを作動させることにより、ファイルは、振動回転運動とした多方向回転運動を生じる。この振動回転運動は、第1回転角に亘る第1回転方向への回転と、第2回転角に亘る(第1回転方向とは逆の)第2回転方向への回転とを器具に対して交互にもたらすものであり、また、この場合に第1及び第2回転角は異なる値を有する。振動回転運動により、特に歯根管内の組織は、好適には器具を一方の回転方向に回転させることによって除去されると共に、好適には器具を逆方向に回転させることによって歯冠方向に搬送される。
上述の駆動装置における欠点の1つは、器具を動作させるために、マイクロコントローラを含む電気的制御ユニットが必要とされることである。このため、振動回転運動を実現する上で技術的、経済的に大幅なコストが付加的にもたらされる。このことは、特に空圧作動式の治療装置しか所有していないユーザに当てはまることである。
国際公開第2011/089348号パンフレット 米国特許第6293795号明細書
このように、医療用器具、特に歯科用又は外科用器具の振動回転運動を生じさせると共に、特に空圧でのみ作動する治療器具にも使用できる代替的な駆動装置を提供することが望まれる。
一実施形態において、治療用装置、特に歯科用又は外科用治療装置が提供される。該治療装置は、単方向回転運動を伝達するための駆動軸と、治療装置のヘッド部に配置されることにより、リフティング運動及び回転運動を好適には同時に生じる器具を保持するための器具保持装置と、単方向回転運動をリフティング運動及び回転運動に好適には同時に変換することにより、リフティング運動及び回転運動を器具保持装置に好適には同時に生じさせ、かつ単方向回転運動の回転速度を変更、特に減速するためのギア、及び偏心ギアを含むギアアセンブリとを備える。単方向回転運動における回転速度を変更するためのギアは、回転軸線を有する入力軸と、器具保持装置に結合された出力軸と、回転軸線に対して角度を付けた中心軸線を有すると共に、入力軸に結合された突出部と、複数個の歯を有すると共に、回転不能に配置された第1歯列と、複数個の歯を有すると共に、出力軸に回転可能に結合された第2歯列と、入力軸に結合された突出部上に回転可能に配置され、かつ第1端部に第3歯列を、また第2端部に第4歯列を有するスリーブとを含み、この場合にスリーブは、第1歯列及び第2歯列の間に配置されることにより、第3歯列における少なくとも1個の歯が第1歯列における少なくとも1個の歯と噛み合い、また第4歯列における少なくとも1個の歯が第2歯列における少なくとも1個の歯と噛み合い、これにより入力軸に対する出力軸の回転速度を変更する。
単方向回転運動における回転速度を変更するために上述の構成としたギアは、極めてコンパクトであるだけでなく所要スペースが僅かであるため、医療用治療装置、特に歯科用又は外科用治療装置、特にハンドピース又は角度付きハンドピース内により容易に組み込むことができる。このようなギアは、比較的僅かな個数の個別部品で構成されると共に、広範囲に亘る回転速度の減速、例えば1:25から極めて高い減速比、例えば1:900以上を可能にするものである。
本発明の治療装置における特に有利な実施形態は、以下の点を個別に又は組み合わせとして含む。即ち、
・入力軸に結合された突出部上には、少なくとも1個の軸受装置が設けられることにより、突出部上に配置されたスリーブが突出部に対して回転可能であり、また、突出部の特に一端は遊端として構成され、器具保持装置方向において、支持されることなく軸受装置を越えて自由に延在している点と、
・入力軸に結合された突出部の中心軸線及び入力軸の回転軸線による角度は、約5°〜15°である点と、
・入力軸に結合された突出部及び入力軸による角度は、約5°〜15°である点と、
・中心軸線との関連において、入力軸に結合された突出部の軸線方向における長さは、約3〜7mmである点と、
・入力軸に結合された突出部上に設けられた軸受装置は、ローラ軸受、特にボール軸受又は滑り軸受として構成される点と、
・軸受装置は、入力軸に結合された突出部を包囲する点と、
・軸受装置は、入力軸に結合された突出部及び該突出部上に配置されたスリーブの間に配置される点と、
・治療装置又は単方向回転運動における回転速度を変更するためのギアは、第1面領域及び該第1面領域に対してほぼ平行に配置された第2面領域を有する円板状又はプレート状キャリアを含み、また、第1歯列は、その歯が第2歯列を指向するよう第1面領域に回転不能に配置され、更に、第2面領域は、入力軸を支持する軸受要素、特にローラ軸受又はボール軸受のための軸受座として構成される点と、
・回転不能に配置された第1歯列は、プレート状キャリアと一体的に構成される点と、
・プレート状キャリアは、治療装置の回転不能な部材、特に治療装置の外側スリーブに固定され、好適には、肩部又は対応する肩部上の凹部又は治療装置の突出部に固定される点と、
・軸受要素は、第2面領域に直接に支持される点と、
・プレート状キャリアは、穿孔、好適には中央穿孔を有し、該穿孔を通して以下の少なくとも1個の部品、即ち、単方向回転運動における回転速度を変更、特に減速するためのギアが含む入力軸、単方向回転運動を伝達するための駆動軸、及び偏心ギアを駆動する軸、特に偏心ギアの一部、例えば偏心ピンに結合された軸が延在する点と、
・偏心ギアは、単方向回転運動における回転速度を変更するためのギアを通過する軸で駆動可能であり、これに関連して、好適には、偏心ギアを駆動する軸は、偏心ギアの一部、例えば偏心ピン又は偏心ピン用のレセプタクルに結合され、好適には、単方向回転運動における回転速度を変更するためのギアを構成する以下の少なくとも1個の部品、即ち、入力軸、回転不能に配置された第1歯列、第1歯列が設けられたプレート状キャリア、入力軸に結合された突出部、出力軸に回転可能に配置された第2歯列、及び器具保持装置に結合された出力軸には、穿孔が設けられる点と、
・単方向回転運動における回転速度を変更するためのギア及び偏心ギアを駆動する軸は、ほぼ同心円状に配置される点と、
・入力軸に結合された突出部の中心軸線及び偏心ギアを駆動する軸の回転軸線による角度は、約5°〜15°である点と、
・入力軸に結合された突出部及び偏心ギアを駆動する軸による角度は、約5°〜15°である点と、
・偏心ギアを駆動し、かつ好適には偏心ギアの一部が設けられた軸は、好適には滑り軸受によって、出力軸内に回転可能に支持される点と、
・出力軸及び/又は突出部及び/又は入力軸は、好適には偏心ギアの一部が設けられ、かつ偏心ギアを駆動する軸が収容された中空軸として構成する点と、
・入力軸及び/又は突出部は、例えば加圧により、偏心ギアを駆動し、かつ好適には偏心ギアの一部が設けられた軸に回転不能に結合され、これにより共通の軸及び/又は共通のギアで有利に駆動可能な点と、
・突出部が結合された入力軸、及び偏心ギアを駆動し、かつ好適には偏心ギアの一部が設けられた軸は、互いに回転可能であると共に、特に異なる回転速度で駆動可能な点と、
・入力軸、偏心ギアを駆動し、かつ好適には偏心ギアの一部が設けられた軸、及び好適には回転不能に配置された第1歯列は、互いに同心円状に配置され、及び/又は、偏心ギアを駆動し、かつ好適には偏心ギアの一部が設けられた軸、第2歯列、及び出力軸は、互いに同心円状に配置される点と、
・治療装置は、医療用ハンドル要素、特に歯科用又は外科用ハンドル要素、特に歯内治療用に構成された例えばハンドピース又は角度付きハンドピースを含む点と、
・治療装置、特に角度付きハンドピースは、ヘッド近傍のセクション、及び該セクションに対して角度又は曲げ部付きで配置された後方セクションを含むハンドル部分を備え、単方向回転運動における回転速度を変更するためのギアは、ヘッド近傍のセクションに少なくとも部分的に配置される点と、
・ギアアセンブリは、付加的な機械的ギアを含み、該付加的な機械的ギアは、単方向回転運動を振動回転運動に変換するよう構成されていることにより、器具保持装置に振動回転運動を生じさせることができ、好適には、この場合の振動回転運動は、第1回転角に亘る第1回転方向への回転、及び第2回転角に亘る(第1回転方向とはほぼ逆の)第2回転方向への回転を器具に対して交互にもたらし、また、好適には第1及び第2回転角は異なる値を有し、これに関連して、リフティング運動及び回転運動を器具保持装置に好適には同時に生じさせる上述の回転運動は、特に振動回転運動を含み、単方向回転運動を振動回転運動に変換するためのギアは、好適には回転速度を減速させる構成とすることもできる点と、
・単方向回転運動を振動回転運動に変換するためのギアは、好適には器具保持装置に設けられた偏心ギア、及び単方向回転運動における回転速度を変更、特に減速するためのギアの間に設けられるか、又は、好適には、回転速度を変更、特に減速するためのギアは、後方セクションに設けられ、単方向回転運動を振動回転運動に変換するためのギアは、後方セクションに対して角度又は曲げ部付きで配置された治療装置、特に角度付きハンドピースのヘッド近傍のセクションに設けられる点と、
・単方向回転運動を振動回転運動に変換するためのギアは、駆動軸を介して伝達された単方向回転運動を振動運動、特に振動振子運動又は振動旋回運動に変換するための第1要素、及び単方向回転運動を伝達するための第2要素を含む点と、
・単方向回転運動を振動回転運動に変換するためのギアに器具保持装置を結合する出力軸は、振動運動、特に振動振子運動又は振動旋回運動及び単方向回転運動が出力軸に同時に伝達されるよう、第1要素及び/又は第2要素に結合される点と、
・偏心ギアは、好適には偏心ギアの一部が設けられ、かつ単方向回転運動を振動回転運動に変換するためのギア及び/又は出力軸を通過する軸により駆動可能であり、好適には、単方向回転運動を振動回転運動に変換するためのギア、特に中央歯車は、偏心ギアを駆動する軸を収容するための穿孔を有する点と、
・単方向回転運動を振動回転運動に変換するためのギアに器具保持装置を結合する出力軸は、好適には偏心ギアの一部が設けられ、かつ偏心ギアを駆動する軸が収容された中空軸として構成され、また、出力軸及び偏心ギアを駆動する軸は、特に異なる回転速度で駆動可能である点と、
・駆動軸を介して伝達された単方向回転運動を振動運動、特に振動振子運動又は振動旋回運動に変換するための第1要素は、(付加的な)偏心ギアを含み、単方向回転運動を伝達するための第2要素は、複数個の歯車を含む点と、
を含む。
他の実施形態において、医療用治療装置、特に歯科用又は外科用治療装置が提供される。該治療装置は、医療用器具、特に歯科用又は外科用器具を保持するための器具保持装置と、振動回転運動を器具に生じさせるよう構成された駆動装置とを備え、振動回転運動は、第1回転角に亘る第1回転方向への回転と、第2回転角に亘る(第1回転方向とはほぼ逆の)第2回転方向への回転とを器具に対して交互にもたらし、また、好適には第1及び第2回転角は異なる値を有し、更に、駆動装置は、単方向回転運動を伝達するよう構成された駆動軸アセンブリと、出力軸と、駆動軸アセンブリによって駆動可能であり、かつ駆動軸を介して伝達された単方向回転運動を振動回転運動に変換するよう構成され、該振動回転運動を出力軸に伝達する機械的ギアと、器具保持装置と協働する偏心ギアとを含むことにより、リフティング運動及び振動回転運動を器具保持装置に好適には同時に生じさせる。
本発明の治療装置における特に有利な実施形態は、以下の点を個別に又は組み合わせとして含む。即ち、
・器具保持装置と協働する偏心ギアは、好適には偏心ギアの一部が設けられ、かつ単方向回転運動を振動回転運動に変換するための機械的ギア、特に機械的ギアが含む中央歯車を通過する軸によって駆動可能であり、好適には、単方向回転運動を振動回転運動に変換するためのギア、特に中央歯車は、偏心ギアを駆動する軸を収容するための穿孔を有する点と、
・単方向回転運動を振動回転運動に変換するためのギアに器具保持装置を結合する出力軸は、好適には偏心ギアの一部が設けられ、かつ偏心ギアを駆動する軸が収容された中空軸として構成されるか又は穿孔を有し、また、出力軸および偏心ギアを駆動する軸は、特に互いに対して可動である及び/又は異なる回転速度で駆動可能である点と、
・単方向回転運動を振動回転運動に変換するための機械的ギアが含む駆動軸は、好適には偏心ギアの一部が設けられ、かつ偏心ギアを駆動する軸が収容された中空軸として構成されるか又は穿孔を有する点と、
・単方向回転運動を振動回転運動に変換するための機械的ギアが含む駆動軸は、例えば加圧により、偏心ギアを駆動し、かつ好適には偏心ギアの一部が設けられた軸に回転不能に結合され、これにより2個の軸は、共通の駆動軸及び/又は共通のギアによって有利に駆動可能である点と、
・単方向回転運動を振動回転運動に変換するための機械的ギアが含む駆動軸は、偏心ギアを駆動し、かつ好適には偏心ギアの一部が設けられた軸と互いに回転可能であると共に、特に異なる回転速度で駆動可能である点と、
・治療装置は、単方向回転運動における回転速度を伝達及び/又は変更、特に減速するためのギアを更に備える点と、
・回転速度を伝達及び/又は変更、特に減速するためのギア、特にギアが含む歯車の少なくとも一部は、偏心ギアを駆動し、かつ好適には偏心ギアの一部が設けられた軸上、及び/又は、単方向回転運動を振動回転運動に変換するための機械的ギアを駆動する駆動軸アセンブリ上に直接に配置され、これにより偏心ギアを駆動する軸、及び単方向回転運動を振動回転運動に変換するための機械的ギアを駆動する駆動軸アセンブリは、ギアが含む歯車の少なくとも一部によって共に駆動可能である点と、
・単方向回転運動における回転速度を伝達及び/又は変更、特に減速するためのギアは、回転軸線を有する入力軸と、器具保持装置に結合された出力軸と、回転軸線に対して角度を付けた中心軸線を有すると共に、入力軸に結合された突出部と、複数個の歯を有すると共に、回転不能に配置された第1歯列と、複数個の歯を有すると共に、出力軸に回転可能に結合された第2歯列と、入力軸に結合された突出部上に回転可能に配置され、かつ第1端部に第3歯列を、また第2端部に第4歯列を有するスリーブとを含み、この場合にスリーブは、第1歯列及び第2歯列の間に配置されることにより、第3歯列における少なくとも1個の歯が第1歯列における少なくとも1個の歯と噛み合い、また第4歯列における少なくとも1個の歯が第2歯列における少なくとも1個の歯と噛み合い、これにより入力軸に対する出力軸の回転速度を変更する点と、
・入力軸に結合された突出部上には、少なくとも1個の軸受装置が設けられることにより、突出部上に配置されたスリーブが突出部に対して回転可能であり、また、突出部の一端は遊端として構成され、器具保持装置方向において、支持されることなく軸受装置を越えて自由に延在している点と、
・入力軸に結合された突出部及び入力軸による角度は、約5°〜15°である点と、
・中心軸線との関連において、入力軸に結合された突出部の軸線方向における長さは、約3〜7mmである点と、
・入力軸に結合された突出部上に設けられた軸受装置は、ローラ軸受、特にボール軸受又は滑り軸受として構成される点と、
・軸受装置は、入力軸に結合された突出部を半径方向に包囲する点と、
・軸受装置は、入力軸に結合された突出部及び該突出部上に配置されたスリーブの間に配置される点と、
・治療装置又は単方向回転運動における回転速度を変更するためのギアは、第1面領域及び該第1面領域に対してほぼ平行に配置された第2面領域を有する円板状又はプレート状キャリアを含み、また、第1歯列は、その歯が第2歯列を指向するよう第1面領域に回転不能に配置され、更に、第2面領域は、入力軸を支持する軸受要素のための軸受座として構成される点と、
・回転不能に配置された第1歯列は、プレート状キャリアと一体的に構成される点と、
・プレート状キャリアは、治療装置の回転不能な部材、特に治療装置の外側スリーブに固定され、好適には、肩部又は対応する肩部上の凹部又は治療装置の突出部に固定される点と、
・軸受要素は、第2面領域に直接に支持される点と、
・プレート状キャリアは、穿孔、好適には中央穿孔を有し、該穿孔を通して以下の少なくとも1個の部品、即ち、単方向回転運動における回転速度を変更、特に減速するためのギアが含む入力軸、単方向回転運動を伝達するための駆動軸、及び偏心ギアを駆動する軸、特に偏心ギアの一部、例えば偏心ピンに結合された軸が延在する点と、
・単方向回転運動を振動回転運動に変換するためのギアは、好適には器具保持装置に設けられた偏心ギア、及び単方向回転運動における回転速度を伝達及び/又は変更、特に減速するための歯車の間に設けられる点と、
・治療装置は、医療用ハンドル要素、特に歯科用又は外科用ハンドル要素、特に歯内治療用に構成された例えばハンドピース又は角度付きハンドピースを含む点と、
・治療装置、特に角度付きハンドピースは、器具保持装置を含むヘッド部、及びヘッド部近傍のセクション並びに該セクションに対して角度又は曲げ部を付けて配置された後方セクションを含むハンドル部分を備え、また、単方向回転運動を振動回転運動に変換するための機械的ギアは、ヘッド部近傍のセクションに少なくとも部分的に配置され、更に、単方向回転運動における回転速度を伝達及び/又は変更、特に減速するためのギアは、好適には少なくとも部分的に後方セクションに配置される点と、
・駆動軸アセンブリは、単方向回転運動における回転速度を伝達及び/又は変更、特に減速するためのギアが少なくとも部分的に設けられた第1駆動軸、及び単方向回転運動を振動回転運動に変換するための歯車が設けられた第2駆動軸を含み、これら2個の駆動軸はギア、好適には、減速ギア又は減速比を1:1としたギアとして構成され、また、好適には、第1駆動軸は実質的に後方セクションに配置され、第2駆動軸は実質的にヘッド部近傍のセクションに配置される点と、
・2個の駆動軸は、互いに対して角度を付けて配置され、及び/又は、好適には偏心ギアの一部が設けられ、かつ偏心ギアを駆動する軸は、第1駆動軸に対して角度を付けて配置される点と、
・単方向回転運動を振動回転運動に変換するためのギアは、駆動軸から伝達された単方向回転運動を振動運動、特に振動振子運動又は振動旋回運動に変換するための第1要素、及び単方向回転運動を伝達するための第2要素を含む点と、
・出力軸は、振動運動、特に振動振子運動又は振動旋回運動及び単方向回転運動が、出力軸に同時に伝達されるよう、第1要素及び/又は第2要素に結合される点と、
を含む。
他の第3実施形態において、医療用器具、特に歯科用又は外科用器具の駆動装置が提供される。該駆動装置は、振動回転運動を器具に生じさせるよう構成され、該振動回転運動は、第1回転角に亘る第1回転方向への回転、及び第2回転角に亘る(第1回転方向とはほぼ逆の)第2回転方向への回転を器具に対してもたらし、また、好適には第1及び第2回転角は異なる値を有し、更に、駆動装置は、単方向回転運動を伝達するよう構成された駆動軸アセンブリと、出力軸と、駆動軸アセンブリによって駆動可能であり、かつ駆動軸を介して伝達された単方向回転運動を振動回転運動に変換するよう構成され、該振動回転運動を出力軸に伝達する機械的ギアとを備える。
単方向回転運動を振動回転運動に変換する機械的ギアを設けることにより、駆動装置は、電源、特に電気モータ駆動部及び/又は電気的制御に依存することがなくなり、これにより任意の治療装置、特に空圧作動式の治療装置も有利に使用することができる。
本発明の駆動装置における特に有利な実施形態は、以下の点を個別に又は組み合わせとして含む。即ち、
・機械的ギアは、駆動軸アセンブリを介して伝達された単方向回転運動を振動運動、特に振動振子運動又は振動旋回運動に変換するための第1要素、及び単方向回転運動を伝達するための第2要素を含む点と、
・出力軸は、振動運動、特に振動振子運動又は振動旋回運動及び単方向回転運動が、出力軸に同時に伝達されるよう、第1要素及び/又は第2要素に結合される点と、
・駆動軸アセンブリを介して伝達された単方向回転運動を振動運動、特に振動振子運動又は振動旋回運動に変換するための第1要素は、偏心ギアを含む点と、
・機械的ギアが含む内歯ギアに偏心ギアの少なくとも一部が設けられ、好適には、内歯ギアは、駆動軸アセンブリに対して回転可能に構成される点と、
・単方向回転運動を伝達するための第2要素は、複数個の歯車を含む点と、
・歯車の少なくとも1個は出力軸上に固定、好適には回転可能に固定され、特に第1要素が生じる振動回転運動は、出力軸に結合された歯車の少なくとも1個を介して伝達可能である点と、
・単方向回転運動を伝達するための第2要素が含む歯車の少なくとも1個は、内歯ギア内に配置される点と、
・内歯ギアは、該内歯ギア内に配置された歯車の少なくとも1個と噛み合う内歯を有する点と、
・駆動軸アセンブリ又は出力軸に回転可能に結合され、かつ好適には周辺に位置する第2歯車の少なくとも1個は、駆動軸アセンブリ又は出力軸に回転不能に配置され、かつ好適には中央に位置する第1歯車周りに回転し、第2歯車の少なくとも1個は、内歯ギアの内歯と噛み合う点と、
・駆動軸アセンブリは、第1駆動軸及び第2駆動軸を含み、第1駆動軸は、駆動軸アセンブリを介して伝達された単方向回転運動を振動運動、特に振動振子運動又は振動旋回運動に変換するために、機械的ギアが含む第1要素に結合され、第2駆動軸は、単方向回転運動を伝達するために、第2要素に結合される点と、
・第1駆動軸及び第2駆動軸は、分配歯車によって互いに結合されることにより、同一のモータで駆動可能である点と、
・好適には、機械ギアには、器具に伝達可能なトルクを制限するために、例えば摩擦クラッチとしたトルク制限装置が設けられる点と、
・出力軸は、単方向回転運動を伝達するための第2要素、特に該第2要素が含む歯車の少なくとも1個に直接的に及び/又は固定的に結合される点と、
・出力軸は、駆動軸アセンブリを介して伝達された単方向回転運動を振動運動、特に振動振子運動又は振動旋回運動に変換するための第1要素、特に偏心ギア、好適には内歯ギアに直接的に及び/又は固定的に結合され、また、第1要素の一部、特に偏心ギアの一部における例えば偏心要素又はレセプタクルは、周辺歯車の少なくとも1個におけるキャリア、例えば結合要素に設けられる点と、
を含む。
一実施形態において、医療用治療装置、特に歯科用又は外科用治療装置、好適には、特に歯内治療用に構成された医療用ハンドル要素、特に歯科用又は外科用ハンドル要素が提供される。これらハンドル要素は、上述した第3実施形態に係る駆動装置、特に、駆動軸アセンブリによって駆動可能であり、かつ駆動軸を介して伝達された単方向回転運動を振動回転運動に変換するよう構成され、該振動回転運動を出力軸に伝達する機械的ギアを含む駆動装置を備える。
他の実施形態において、医療用装置、特に歯科用又は外科用治療装置、好適には、特に歯内治療用に区政された医療用ハンドル要素、特に歯科用又は外科用ハンドル要素が提供される。これらハンドル要素は、単方向回転運動を伝達するよう構成された駆動軸と、器具を保持するための器具保持装置と、駆動軸を器具保持装置に結合すると共に、複数個、好適には3個の機械的ギアを含み、かつ駆動軸を介して伝達された単方向回転運動を変換することにより、駆動軸を介して伝達された単方向回転運動における回転速度に比べて減速したリフティング運動及び振動回転運動を、器具保持装置に好適には同時に生じさせるギアアセンブリとを備える。この場合の振動回転運動は、第1回転角に亘る第1回転方向への回転と、第2回転角に亘る(第1回転方向とはほぼ逆の)第2回転方向への回転とを器具に対して交互にもたらし、また、好適には第1及び第2回転角は異なる値を有する。好適には、ギアアセンブリは、単方向回転運動における回転速度を減速するためのギアと、偏心ギアと、駆動軸を介して伝達された単方向回転運動を振動回転運動に変換するよう構成されたギアとを含む。好適には、これら3個のギアには、上述した特定の実施形態の1つ以上が含まれる。
上述した医療用治療装置、特に歯科用若しくは外科用治療装置、又は医療用ハンドル要素、特に歯科用若しくは外科用ハンドル要素における使用方法の実施形態は、歯内治療を含む。
以下、添付図面に関連した好適な実施形態を詳述する。
単方向回転運動を振動回転運動に変換する機械的ギアを備える駆動装置の第1実施形態を示す。 単方向回転運動を振動回転運動に変換する機械的ギアを備える駆動装置の第1実施形態を示す。 単方向回転運動を振動回転運動に変換する機械的ギアを備える駆動装置の第1実施形態を示す。 単方向回転運動を振動回転運動に変換する機械的ギアを備える駆動装置の第1実施形態を示す。 単方向回転運動を振動回転運動に変換する機械的ギアを備える駆動装置の第2実施形態を示す。 単方向回転運動を振動回転運動に変換する機械的ギアを備える駆動装置の第2実施形態を示す。 単方向回転運動を振動回転運動に変換する機械的ギアを備える駆動装置の第2実施形態を示す。 駆動装置の機械的ギアが含む偏心ギアの一部を構成する内歯ギアの実施形態を示す正面図である。 駆動装置の機械的ギアが含む偏心ギアの一部を構成する内歯ギアを、図8Aと同一の実施形態で示す背面図である。 駆動装置の機械的ギアが含む偏心ギアの一部を構成する内歯ギアを、図8A及び図8Bとは異なる実施形態で示す正面図である。 駆動装置の機械的ギアが含む偏心ギアの一部を構成する内歯ギアを、図9Aと同一の実施形態で示す背面図である。 単方向回転運動を振動回転運動に変換する機械的ギアを備える駆動装置が生じさせる振動回転運動の実施形態を示す。 単方向回転運動を振動回転運動に変換する機械的ギアが内部に設けられた医療用ハンドル、特に歯科用ハンドル要素を備える医療用治療装置、特に歯科用又は外科用治療装置を示す説明図である。 回転速度を変更、特に減速するためのギアと、偏心ギアとを含むことにより、変速したリフティング運動及び振動回転運動を、治療装置の器具保持装置に好適には同時に生じさせるギアアセンブリを備える医療用治療装置、特に歯科用又は外科用治療装置を示す説明図である。 図12のギアアセンブリを示す拡大図である。 回転速度を変更、特に減速するためのギアと、偏心ギアと、駆動軸を介して伝達された単方向回転運動を振動回転運動に変換するよう構成されたギアとを含むことにより、変速したリフティング運動及び振動回転運動を、治療装置の器具保持装置に好適には同時に生じさせるギアアセンブリを備える医療用治療装置、特に歯科用又は外科用治療装置を示す説明図である。
図1〜図4及び図5〜図7は、医療用器具、特に歯科用又は外科用、好適には歯内用器具の駆動装置1,1Aを異なる実施形態で示す。以下、これら駆動装置1,1Aにおける共通の部品及び/又は機能について説明する。
駆動装置1,1Aは、それぞれ、単方向回転運動を振動回転運動に変換するよう構成された機械的ギア4を備える。振動回転運動とは、第1回転角に亘る第1回転方向への回転と、第2回転角に亘る(第1回転方向とはほぼ逆の)第2回転方向への回転とを器具に対して交互にもたらす回転運動を指し、また、好適には第1及び第2回転角は異なる値を有する。換言すれば、振動回転運動とは、例えば、機械的ギア4に結合された軸要素又は器具が、第1回転角で時計回り又は反時計回りに回転した後、第2回転角で時計回り又は反時計回りに交互に回転する運動シーケンスのことであり、また、好適には、2つの回転角は異なる値を有する。全体として、この運動シーケンスにおいては、回転角の値が異なることにより、軸要素又は器具に優先方向又は作業方向への回転運動がもたらされると共に、軸要素又は器具は、回転方向が異なることにより振動回転運動を生じる。このように、振動回転運動により、前処理領域における組織の交互の除去、特に歯根管内からの組織の除去が可能になるだけでなく、除去した組織が前処理領域から離れた方向、例えば歯冠又は機械的ギア4方向に搬送可能である。
駆動装置1,1Aは、ギア4に加えて駆動軸アセンブリ2及び出力軸3を備え、これら駆動軸アセンブリ2及び出力軸3は何れも、ギア4に作動的に結合、特に機械的に結合されている。駆動軸アセンブリ2は、モータ駆動部、例えば空圧又は電気作動式モータに接続されているか又は接続することができる。モータ駆動部は、単方向回転運動を時計回り又は反時計回りに生じさせ、その回転運動は、駆動軸アセンブリ2を介してギア4に伝達されるか又はもたらされる。図1〜図7に示すように、駆動軸アセンブリ2は、好適には少なくとも2個の駆動軸11,12を含む。これら駆動軸11,12の機能については、以下において更に説明する。
出力軸3は、ギア4が生じさせた回転振動運動を器具及び/又は器具保持装置に伝達する。
機械的ギア4は、駆動軸アセンブリ2を介して伝達された単方向回転運動を振動運動、特に振動振子運動又は振動旋回運動に変換するための第1要素5と、単方向回転運動を伝達するための第2要素6とを含む。特に出力軸3は、振動運動及び単方向回転運動が出力軸3に同時に伝達されるよう、第1要素5及び/又は第2要素6に結合されている。
好適には、駆動軸アセンブリ2を介して伝達された単方向回転運動を振動運動、特に振動振子運動又は振動旋回運動に変換するための第1要素5は、偏心ギア5Aを含む。更に、この偏心ギア5Aは偏心要素88、例えば偏心ピン又は偏心ディスクと共に、偏心要素88のためのレセプタクル17(収容部)を有する。この場合にレセプタクル17は、偏心要素88のために、例えば溝、スロット、チャネル、アンダーカット又はガイドとして形成することができる。偏心要素88は、特に駆動軸アセンブリ2の回転軸線、特に第1駆動軸11の回転軸線に対して偏心状態で配置されている。好適には、特にピン状とした偏心要素88には、ローラ軸受、ニードル軸受、滑り軸受などの軸受を設けることができる。
偏心ギア5Aの第1部分、好適には偏心要素88は、駆動軸アセンブリ2、特にその第1駆動軸11に設けられているが、偏心要素88のためのレセプタクル17を駆動軸アセンブリ2に配置することも可能である。偏心ギア5Aの第1部分、好適には偏心要素88は、駆動軸アセンブリ2、特にその第1駆動軸11に設けられているが(例えば図3参照)、偏心要素88を収容するレセプタクル17を駆動軸アセンブリ2に配置することも可能である。偏心ギア5Aにおける付加的部分、例えばレセプタクル17又は偏心要素88は、ギア4自体、特に機械的ギア4が含む内歯ギア7に設けられている(例えば図3参照)。内歯ギア7の外郭面7Aからは壁部7B又はキャリアが延在しており、好適には、その壁部7B又はキャリアは、偏心ギア5Aの付加部分が壁部7B又はキャリア上に配置されるよう設けるものとする。壁部7B又はキャリアは、特に外郭面7Aの縁部又は端面から半径方向、即ち、特に外郭面7Aによって画定される内歯ギア7の内部空間に向けて延在するものである。駆動軸11は、壁部7B又はキャリアに隣接して配置されている。
内歯ギア7は、駆動軸アセンブリ2、特に駆動軸11に対して回転可能、例えば旋回可能に構成されている。内歯ギア7は、駆動軸アセンブリ2、特に駆動軸11に対して回転可能、例えば旋回可能に構成されている。内歯ギア7は更に、その内側、特に外郭面7Aの内側に内歯10を有する。これら内歯10の機能については、以下においてより詳細に説明する。
好適には、単方向回転運動を伝達するための第2要素6は、複数個の歯車8,8A,9,9Aを含む。特に、単方向回転運動を伝達するための第2要素6の少なくとも一部、又は歯車8,8A,9,9Aの少なくとも1個は、内歯ギア7に包囲されるか又は内歯ギア7の内側に配置されている。これら歯車8,8A,9,9Aは、駆動軸アセンブリ2、特にその第2駆動軸12に結合されているため、駆動軸アセンブリ2は、単方向回転運動を歯車8,8A,9,9Aに伝達すると共に、該歯車8,8A,9,9Aを回転させる。好適には、歯車8,8A,9,9Aの少なくとも1個は、駆動軸アセンブリ2、特に単方向回転運動を伝達するための第2駆動軸12に回転不能に結合されている。
更に、図1〜図7に示すように、歯車8,8A,9,9Aの少なくとも1個、好適には複数個は、内歯ギア7の内歯10と噛み合っているため、内歯ギア7及び歯車8,8A,9,9Aの少なくとも幾つかの間で回転運動及びトルクが伝達可能である。
好適には、歯車8,8A,9,9Aは、1個以上、例えば2個又は3個の周辺歯車8,8Aに包囲された中央歯車9,9Aを含む。中央歯車9,9Aは、周辺歯車8,8Aの少なくとも1個と係合しているため、中央歯車9,9A及び周辺歯車8,8Aの少なくとも1個の間で回転運動及びトルクが伝達可能である。好適には、周辺歯車8,8Aの少なくとも1個は、内歯ギア7の内歯10と噛み合っている。好適には、周辺歯車8,8Aの少なくとも1個は、軸部分18上に回転可能に配置されている。
上述したように、駆動軸アセンブリ2は第1駆動軸11及び第2駆動軸12を含み、この場合に第1駆動軸11は、駆動軸アセンブリ2を介して伝達された単方向回転運動を振動運動、特に振動振子運動又は振動旋回運動に変換するために、機械的ギア4が含む第1要素5に結合され、第2駆動軸12は、単方向回転運動を伝達するために、機械的ギア4が含む第2要素6に結合されている。2個の駆動軸11,12を共通のモータで駆動可能とするため、これら2個の駆動軸11,12を互いに結合する分配ギア13が設けられている。分配ギア13は、駆動軸11,12上に固定された例えば2個の係合歯車13A,13Bによって構成されている。分配ギア13は、駆動軸11,12上に固定された例えば2個の係合歯車13A,13Bによって構成されている。好適には、これら2個の歯車13A,13Bは、減速又は増速ギアとするために歯数は異ならせ、これにより2個の駆動軸11,12が異なる回転速度及び/又はトルクで回転させるものとする。好適には、駆動軸アセンブリ2を介して伝達された単方向回転運動を振動運動に変換するために、機械的ギア4が含む第1要素5に結合された第1駆動軸11は、分配ギア13を介して共通のモータに接続される。好適には、単方向回転運動を変換するために、機械的ギア4が含む第2要素6に結合された第2駆動軸12は、共通のモータによる回転運動を分配ギア13を介して第1駆動軸11に伝達する。
好適には、駆動軸アセンブリ2の回転軸線19A、特に駆動軸11,12における一方の回転軸線19A及び/又は出力軸3の回転軸線19Bは、機械的ギア4の少なくとも一部分、特に歯車8,8A,9,9Aにおける、特に中央歯車9,9A及び/又は内歯ギア7の中心軸線及び/又は回転軸線をなすものである。
一実施形態においては、第1駆動軸11を複数個設けることも可能であり、この場合に各第1駆動軸11は、駆動軸アセンブリ2を介して伝達された単方向回転運動を振動運動、特に振動振子運動又は振動旋回運動に変換するために、機械的ギア4の第1要素5に結合される。
以下、図1〜図4に関連して駆動装置1がいかに機能するかについて説明する。
駆動軸アセンブリ2に接続されているか又は接続可能なモータ駆動部を作動させた後、該モータ駆動部は、分配ギア13を介して、駆動軸アセンブリ2、特に2個の駆動軸11,12における一方に伝達された単方向回転運動を2個の駆動軸11,12の他方に伝達することにより、何れの駆動軸11,12も単方向回転運動を、特に互いに対して逆方向に生じる。
これにより、第2駆動軸12に回転不能に結合されている中央歯車9も回転するため、係合状態にある周辺歯車(図1〜図4には3個を示す)が駆動される。この場合、中央歯車9が回転させる周辺歯車8の回転方向は、中央歯車9及び第2駆動軸12の回転方向とは逆である。軸部分18上に回転可能に配置された周辺歯車8は、内歯ギア7の内歯10と係合状態にあるため、内歯ギア7の内壁に沿って移動する。このように、周辺歯車は、内歯ギア7内又はその内壁に沿って回転運動を生じるものである。周辺歯車8の回転運動は、アームやウェブなどの結合要素20を使用した、各周辺歯車8又は各軸部分18における結合により、出力軸3に伝達される。このように、歯車8,9は、駆動軸アセンブリ2を介して伝達された単方向回転運動を出力軸3に伝達するための第2要素6の一部である。また、この場合の駆動軸アセンブリ2及び出力軸3の回転は、同一方向である。更に、好適には、歯車8,9において対応する歯の選択に応じて、ギア4が含む第2要素6を増速若しくは減速ギア、又は増減速比を1:1としたギアとして構成することが可能である。
第2駆動軸12と同様に単方向に回転する第1駆動軸11は、同時に、即ち単方向回転運動が第2要素6によって出力軸3に伝達されるときに、第1要素、即ちギア4が含む偏心ギア5Aを駆動する。この場合に偏心要素88は、内歯ギア7のレセプタクル17に係合すると共に、駆動軸11の回転運動によって回転することにより、内歯ギア7には振動運動、特に振動振子運動又は振動旋回運動が回転軸線19A,19B周りで生じる。このように、駆動軸アセンブリ2又は軸3,11,12に対して回転可能に構成された内歯ギア7は、時計回り及び反時計回りに所定の回転角に亘って交互に回転又は振動する。
上述したように、機械的ギア4が含む第2要素6による単方向回転運動の伝達と、ギア4が含む第1要素5による内歯ギア7(その内側で周辺歯車8が内歯ギア7に対して運動する)の振動運動とが同時に生じる結果として、単方向回転運動及び振動運動の混合がもたらされる。特に、歯車8,8A,9,9Aの少なくとも1個は、出力軸3に回転可能に結合されており、第1要素5によって特に内歯ギア7に対して生じる振動運動は、出力軸3に対して回転可能に結合された歯車8,8A,9,9Aの少なくとも1個を介して伝達することができる。特に好適には、歯車8,8A,9,9Aの少なくとも1個は、出力軸3上に特に回転可能に固定されており、好適には、第1要素5によって生じる振動運動は、出力軸3に結合された歯車8,8A,9,9Aの少なくとも1個を介して伝達することができる。
好適には、周辺歯車8の回転運動と同一方向における内歯ギア7の運動は、出力軸3又は出力軸に結合されているか又は結合可能な器具を第1方向、特に上述した優先方向又は作業方向に回転させ、及び/又は、出力軸3又は器具を第1大回転角に亘って回転させる。同様に、周辺歯車8の回転運動と逆方向における内歯ギア7の運動は、出力軸3又は出力軸3に結合されているか又は結合可能な器具を第1方向とは逆の第2方向、特に優先方向又は作業方向と逆方向又はリセット方向に回転させ、及び/又は、出力軸3又は器具を第1小回転角に亘って回転させる。
好適には、振動運動時における内歯ギアの角速度は、回転軸線19Aに対する偏心要素88の距離が異なることに起因して異なっている。即ち、偏心ギア5Aは、出力軸3又は器具が上述した第2方向、特に優先方向又は作業方向と逆方向又はリセット方向に運動するときに、出力軸3又は器具が第1方向、特に優先方向又は作業方向に運動するときに比べて、角速度がより大きくなる構成とするのが好適である。
図10は、単方向回転運動及び振動運動の混合によって生じる出力軸3又は出力軸3に結合された器具の振動回転運動を示す。この場合に出力軸3及び器具は、第1回転角に亘る第1回転方向21(上述の記載では、材料が除去される優先方向又は作業方向とも称する)と、第2回転角に亘る(第1回転方向21とはほぼ逆の)第2回転方向22(優先方向若しくは作業方向とは逆方向、又は上述の記載では、除去された材料が搬送されるリセット方向とも称する)とに交互に回転し、また、好適には第1及び第2回転角は異なる値を有する。図示の実施形態において、例えば、第1回転方向21の回転角は約150°であり、第2回転方向の回転角は約30°である。言うまでもなく、回転角は、値が互いに異なるものであれば他の任意の値、例えば約45°及び20°、約180°及び90°、約270°及び90°、約450°及び180°とすることが可能である。更に、図10の回転方向は単なる例示であるため、2つの回転方向21,22を逆にすることも可能である。この場合、回転方向21は反時計回りとなり、また回転方向22は時計回りとなる。
出力軸3又は器具における振動運動の周波数は、例えば約3〜50ヘルツの範囲、特に約5〜20ヘルツの範囲、特に約10ヘルツとされている
図5〜図7に示す駆動装置1Aの機能は、上述した駆動装置1の機能と同一である。ただし、駆動装置1Aの構成は、駆動軸12が結合要素20を介して好適には3個とする周辺歯車8Aに結合され、また、出力軸3が中央歯車9Aに回転不能に結合されている点で異なっている。図示の実施形態における周辺歯車8Aは、駆動装置1の場合と同様に、第2駆動軸12に対して回転可能に配置され、特に結合要素20に固定された軸部分18上に回転可能に配置されている。
一実施形態において、駆動装置1,1A、特に機械的ギア4には、器具に伝達可能なトルクを制限するために、例えば摩擦クラッチとしたトルク制限装置が設けられている。トルク制限装置は、例えば駆動側、特に駆動軸アセンブリ2若しくは駆動軸11,12の少なくとも1個、又は出力側、特に出力軸3に配置することができる。
図8A、図8B及び図9A,図9Bは、それぞれ、特に溝状又はスロット状とした偏心要素88のための異なるレセプタクル17A,17Bを有する内歯ギア7の正面図及び背面図を示す。これらレセプタクル17,17A,17Bは、例えば直線状、曲線状、ほぼS字状、傾斜状に形成し、又は中心的若しくは偏心的に配置することができる。偏心ギア5Aのレセプタクルにおける形状及び/又は方位に変化をもたせているため、例えば内歯ギア7、出力軸3又は出力軸3に結合された器具の回転角又は回転速度は異ならせることができる。
図11は、医療用治療装置、特に歯科用又は外科用治療装置14、好適には、特に歯内治療用に構成された医療用ハンドル、特に歯科用又は外科用ハンドル要素14Aを、器具に振動回転運動を生じさせるよう構成された駆動装置1,1Aを備える状態で示す。好適には、駆動装置1,1Aの機械的ギア4は、特に滑り軸受又はニードル軸受とした軸受16と共にスリーブ15によって包囲され、この場合にスリーブ15、特に軸受16には、機械的ギア4、好適には機械的ギア4が含む偏心ギア5A、特に好適には機械的ギア4が含む偏心ギア5Aの内歯ギア7が回転可能に支持されている。好適には、スリーブ15は、軸受16、特に滑り軸受の少なくとも一部を構成している。スリーブ15は、例えば、治療装置14又はハンドル要素14Aのグリップスリーブ又は外側スリーブによって構成されている。好適には、ギア4、特に偏心ギア5A、特に偏心ギア5Aの内歯ギア7は、治療装置14又はハンドル要素14A内の軸受16によって回転可能に支持されている。
治療装置14又はハンドル要素14Aは、以下の部材の1個以上を更に備える。即ち、振動回転運動が伝達可能になるよう、駆動装置1,1Aの出力軸3に結合され、かつ治療装置14又はハンドル要素14Aに結合可能な器具を着脱可能に保持するための器具保持装置23と、特に電気モータ又は空圧作動式モータとしたモータ駆動部と、治療装置14又はハンドル要素14Aを特に電気モータ又は空圧作動式モータとしたモータ駆動部、及び/又は、制御及び/又は調整装置、及び/又は、特に圧縮空気源及び/又は水源とした媒体源に接続するための接続装置24と、準備箇所及び/又は器具を照らすために発光する特に光半導体を有する光源と、器具保持装置23及び/又は準備箇所の方向に媒体を搬送するための媒体導管と、治療装置14又はハンドル要素14Aの識別データ及び/又は作動データ及び/又はデフォルト値を、好適には上書き可能としたメモリ素子と、特に器具保持装置23領域における温度測定装置と、治療装置14又はハンドル要素14Aの作動データ及び/又は警告を表示するための表示装置とである。
図12〜図14は、特にハンドル要素又はハンドピース又は角度付きハンドピースとした2個の治療装置25,25Aを示す。以下においては、2個の治療装置25,25Aに共通する特徴について説明する。これら治療装置25,25Aは、内部に器具保持装置23を収容したヘッド部27と、ハンドル部分46とを備える。器具保持装置23はヘッド部27内に可動に収容され、好適には、特に回転運動及びリフティング運動を同時に生じることができる。好適には、器具保持装置23は、器具を着脱可能に保持することができるよう構成される。図12及び図14において、器具は、器具レセプタクル開口50を通して角度付きピース49,49Aのヘッド部27から側方方向に突出している。ハンドル部分46は、ヘッド近傍のセクション46Aと、該セクション46Aに対して角度又は曲げ部付きで配置された後方セクション46Bとを含む。
駆動軸アセンブリ2は、治療装置25,25A又はハンドル要素49,49Aを特に電気モータ又は空圧作動式モータとしたモータ駆動部に、及び/又は、制御及び/調整装置に、及び/又は、圧縮空気源又は水源とした少なくとも1つの媒体源に接続するための結合又は接続装置24から治療装置25,25Aを通して延在している。駆動軸アセンブリ2は、単方向回転運動を伝達する構成とした1個以上の駆動軸11,12,26,31を含む。好適には、この場合の単方向回転運動は、結合又は接続装置24に着脱可能に接続可能なモータ駆動部によってもたらされ、結合又は接続装置24を介して駆動軸アセンブリ2に伝達される。少なくとも1個とする駆動軸11,12,26,31は、好適にはローラ軸受又はボール軸受とする軸受要素44,55に回転可能に支持される。
更に、両治療装置25,25Aは、複数個の機械的ギアを含むギアアセンブリ28を備え、これにより、回転運動及びリフティング運動を器具保持装置23に好適には同時に生じさせる。
以下においては、治療装置25が備えるギアアセンブリ28について説明する(図12参照)。ギアアセンブリ28は、(モータ駆動部によって生じ、かつ少なくとも1個の駆動軸26,31を介して伝達された)単方向回転運動における回転速度を変更、特に減速するための少なくとも1個のギア29と、偏心ギア30とを含む。これにより、器具保持装置23は、回転運動及びリフティング運動を好適には同時に生じることができる。この回転運動は、回転軸線52周りにおける一方向へのほぼ連続的な回転によるものである。好適には、駆動軸26と、駆動軸26に対して角度付きで配置されたギア29の入力軸31及び/又は偏心ギア30を駆動する軸45との間には、単方向回転運動における回転速度を伝達及び/又は変更するための他の機械的ギア47が設けられ、その機械的ギア47は、減速比を例えば1:1としたギア又は減速ギアとして構成される。この場合にギア47は2個の歯車を含み、特に1個の歯車48は、偏心軸45及び/又はギア29を駆動する軸31上に直接配置されるため、偏心軸45及び軸31は、ギア47によって共に駆動することができる。
図13は、治療装置25のギアアセンブリ28が含むギア29,30を拡大して示す。単方向回転運動における回転速度の変更、特に減速をするためのギア29は、以下の要素を含む。即ち、回転軸線32を有する入力軸31と、器具保持装置23に結合された出力軸33と、回転軸線32に対して角度を付けた中心軸線35を有すると共に、入力軸31に結合された突出部34と、複数個の歯を有すると共に、回転不能に配置された第1歯列36と、複数個の歯を有すると共に、出力軸33に回転可能に結合された第2歯列37と、入力軸31に結合された突出部34上に回転可能に配置され、かつ第1端部に第3歯列39を、また第2端部に第4歯列40を有するスリーブ38とを含み、この場合にスリーブ38は、第1歯列36及び第2歯列37の間に配置されることにより、第3歯列39における少なくとも1個の歯が第1歯列36における少なくとも1個の歯と噛み合い、また第4歯列40における少なくとも1個の歯が第2歯列37における少なくとも1個の歯と噛み合っている。入力軸31に結合された突出部34上には、例えばローラ軸受又はボール軸受とした少なくとも1個の軸受装置41が設けられることにより、突出部34上に配置されたスリーブ38が突出部34に対して回転可能である。突出部の一端は遊端42として構成され、器具保持装置23方向において、支持されることなく軸受装置41を越えて自由に延在している。更に、第1面領域43Aと、第1面領域43Aに対してほぼ平行に配置された第2面領域43Bとを有するプレート状キャリア43が設けられている。第1歯列36は、その歯が第2歯列37を指向するよう第1面領域43Aに回転不能に配置され、また第2面領域43Bは、好適には、入力軸31を支持する軸受要素44のための軸受座として構成されている。プレート状キャリア43は、好適には中央に穿孔62を有し、その穿孔62を通して例えば入力軸31又は偏心ギア30を駆動する軸45が延在している。歯列36〜40は何れも、環状又は円形状に形成されている。
突出部34は、回転軸線32に対して約5°〜15°の傾きを有するため、突出部34及び突出部34上のスリーブ38には、作動に際して、即ち単方向回転運動の伝達に際して転動運動を生じさせることができる。これにより、スリーブ38の回転に際して噛み合う歯数は僅かではあるが、第1及び第2歯列36,39並びに第2及び第4歯列37,40における少なくとも1個の歯が互いに噛み合うため、係合部分が生じる。これら係合部分は、スリーブ38の回転時に歯列36〜40に沿って移動する。噛み合い状態にある歯列36,39及び37,40の係合部分は、スリーブ38が傾いて配置されるため、互いに対して傾斜している。即ち例えば、歯列37,40の係合部分が左下に位置していれば、歯列36,39の係合部分は右上に位置している(図13参照)。
歯列36〜40における歯数は、例えば10〜30個であり、所望の増減速比は、実際の歯数の関数として調整可能である。入力軸31の回転速度R1及び出力軸33の回転速度R2の比率は、次式によって定義される。即ち、R2/R1=1−(A*B)/(C*D)であり、ここにA=第1歯列36の歯数、B=第4歯列40の歯数、C=第2歯列37、D=第3歯列39の歯数である。
出力軸33及び器具保持装置23の間には、出力軸33の回転運動を伝達するために、ギア式結合部59が設けられている。ギア式結合部59は、出力軸33上に歯車60を、また器具保持装置23上、特に器具保持装置23のブッシュ又はスリーブ上に歯車61を含む。
偏心ギア30は、例えば、好適には軸受ブッシュ54に取り付けた偏心ピン53と、好適には器具保持装置23に設けた、偏心ピン用のレセプタクル又は凹部51を含む。軸45は、偏心ギア30を駆動するために、駆動軸26によって回転させることができる。偏心ギア30は、軸線52に沿って、器具保持装置23の往復動又はリフティング運動を生じさせる。好適には、偏心ギア30の少なくとも一部、特に偏心ピン53は、軸45に直接設けられている。好適には、軸45は、単方向回転運動における回転速度を変更するためのギア29を通過する構成とする。歯車60及び突出部34を含め、特に入力軸31及び出力軸33は、中空軸として構成され、軸45が収容された穿孔56,57を有する。好適には、入力軸31及び偏心軸45は、互いに対して回転不能に結合されているため、例えば共通の駆動軸26、共通のギア47又は共通のモータ駆動部によって共に駆動可能である。好適には、出力軸33及び偏心軸45は、互いに対して回転可能に結合され、例えば滑り軸受とした特に軸受58が、出力軸33の内側及び偏心軸45の外側に設けられている。
図14に示す治療装置25Aのギアアセンブリは、偏心ギア30と、特に駆動軸アセンブリ2,26を介して伝達された単方向回転運動を振動回転運動に変換するためのギア4と、単方向回転運動における回転速度を変更、特に減速するためのギア29とを備える。この場合の偏心ギア30の構成及び機能は、図12及び図13の偏心ギア30の構成及び機能に対応するものである。従って、反復を避けるためにここでは説明を省く。
単方向回転運動を振動回転運動に変換するためのギア4における構成及び機能は、図1〜図7に示すギアの構成及び機能にほぼ対応する。即ち、図示の実施形態におけるギア4による振動回転運動においては、第1回転角に亘る第1回転方向21への回転と、第2回転角に亘る(第1方向とはほぼ逆の)第2回転方向22への回転とが器具に対して交互にもたらされ、また、好適には第1及び第2回転角は異なる値を有する。従って以下においては、両者の違いについてのみ説明する。図14は、ギア4がハンドル部分46のヘッド近傍におけるセクション46Aに配置されていることを示す。従って、偏心軸45は、ギア4及び中空軸として構成された出力軸3を通過するよう延在している。そのため、ギア4、特にギア4が含む中央歯車9,9Aは、偏心軸45用の穿孔63を有する。
伝達及び/又は単方向回転運動における回転速度を変更するための機械的ギア47は、例えば減速比を1:1としたギア又は減速ギアとして構成され、ギア4及び偏心ギア30を駆動軸26に結合している。この場合にギア47は2個の歯車を含み、特に1個の歯車48Aは、偏心軸45及び/又はギア4を駆動する軸11,12上に直接配置されるため、偏心軸45及び軸11,12は、ギア47によって共に駆動することができる。好適には、偏心軸45及び軸11,12は、互いに対して回転不能に結合されている。
単方向回転運動における回転速度を変更、特に減速するためのギア29の構成及び機能は、やはり図12及び図13の構成及び機能にほぼ対応するため、以下においては違いについてのみ説明する。図14は、ギア29がハンドル部分46の後方セクション46Bに配置されていることを示す。これに関連して、偏心軸45がハンドル部分46のヘッド近傍におけるセクション46Aに配置されているため、出力軸33、突出部34又は入力軸31の少なくとも1個は中空軸としてではなく、中実軸として構成することもできる。ギア47の少なくとも一部は、ヘッド近傍における出力軸33の端部に設けられているため、回転速度を減速した単方向回転運動がギア4,30に伝達可能である。
このように、治療装置25A又はハンドル要素49Aは、駆動軸26を介して伝達された単方向回転運動を変換する3個の機械的ギア4,29,30を含むギアアセンブリ28により、駆動軸26を介して伝達された単方向回転運動に比べて減速したリフティング運動及び振動回転運動を、器具保持装置に好適には同時に発生させるよう構成されている。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の基本的な原理を適用するか又は含む一切の実施形態を包含するものである。従って、代替的な施形態において、出力軸3は、駆動軸アセンブリ2を介して伝達された単方向回転運動を振動運動、特に振動振子運動又は振動旋回運動に変換するための第1要素5、特に偏心ギア5A、好適には内歯ギア7に直接的に及び/又は固定的に結合することも可能である。この実施形態においては更に、第1要素5の一部、特に偏心ギア5Aの一部における例えば偏心要素88又はレセプタクル17が、周辺歯車8の少なくとも1個におけるキャリア、例えば結合要素20に設けられている。好適には、レセプタクル17は周辺歯車8の少なくとも1個におけるキャリアに、また特にピン状とした偏心要素88は第1軸に配置されている。
更に、上述した実施形態における全ての特徴は、互いに組み合わせることができる。特に互いに異なる機械的ギア4,29,30,47及びその実施形態は、任意に組み合わせ可能であり、又は治療装置14,25,25Aの異なる箇所に配置可能である。




Claims (33)

  1. 医療用歯科用又は外科用治療装置(25,25A)であって、
    単方向回転運動を伝達するための駆動軸(26)と、
    前記治療装置(25,25A)のヘッド部(27)に配置されることにより、リフティング運動及び回転運動生じる器具を保持するための器具保持装置(23)と、
    単方向回転運動をリフティング運動及び回転運動変換することにより、リフティング運動及び回転運動を前記器具保持装置(23)生じさせ、かつ単方向回転運動の回転速度を変更するためのギア(29)、及び偏心ギア(30)を含むギアアセンブリ(28)とを備える治療装置において、
    単方向回転運動における回転速度を変更するための前記ギア(29)は、回転軸線(32)を有する入力軸(31)と、前記器具保持装置(23)に結合された出力軸(33)と、前記回転軸線(32)に対して角度を付けた中心軸線(35)を有すると共に、前記入力軸(31)に結合された突出部(34)と、複数個の歯を有すると共に、回転不能に配置された第1歯列(36)と、複数個の歯を有すると共に、前記出力軸(33)に回転可能に結合された第2歯列(37)と、前記入力軸(31)に結合された前記突出部(34)上に回転可能に配置され、かつ第1端部に第3歯列(39)を、また第2端部に第4歯列(40)を有するスリーブ(38)とを含み、この場合に前記スリーブ(38)は、前記第1歯列(36)及び前記第2歯列(37)の間に配置されることにより、前記第3歯列(39)における少なくとも1個の歯が前記第1歯列(36)における少なくとも1個の歯と噛み合い、また前記第4歯列(40)における少なくとも1個の歯が前記第2歯列(37)における少なくとも1個の歯と噛み合い、これにより前記入力軸(31)に対する前記出力軸(33)の回転速度を変更し、
    前記ギアアセンブリ(28)は、さらに機械的ギア(4)を含み、前記機械的ギア(4)は、単方向回転運動を振動回転運動に変換するよう構成されることにより、前記器具保持装置(23)に振動回転運動を生じさせることができ、前記振動回転運動は、第1回転角に亘る第1回転方向への回転、及び第2回転角に亘る第1回転方向とは本質的に逆の第2回転方向への回転を器具に対して交互にもたらし、ここで、第1及び第2回転角は異なる値を有することを特徴とする治療装置。
  2. 請求項1に記載の医療用歯科用又は外科用治療装置(25,25A)であって、前記入力軸(31)に結合された前記突出部(34)上には、少なくとも1個の軸受装置(41)が設けられることにより、前記突出部(34)上に配置された前記スリーブ(38)が前記突出部(34)に対して回転可能であり、また、前記突出部(34)の一端は遊端(42)として構成され、前記器具保持装置(23)方向において、支持されることなく前記軸受装置(41)を越えて自由に延在していることを特徴とする療装置。
  3. 請求項1又は2に記載の医療用歯科用又は外科用治療装置(25,25A)であって、第1面領域(43A)及び該第1面領域(43A)に対してほぼ平行に配置された第2面領域(43B)とを有するプレート状キャリア(43)を更に備え、前記第1歯列(36)は、その歯が前記第2歯列(37)を指向するよう前記第1面領域(43A)に回転不能に配置され、前記第2面領域(43B)は前記入力軸(31)を支持する軸受要素(44)のための軸受座として構成されていることを特徴とする治療装置。
  4. 請求項1〜3の何れか一項に記載の医療用歯科用又は外科用治療装置(25,25A)であって、前記偏心ギア(30)は、単方向回転運動における回転速度を変更するための前記ギア(29)を通過する軸(45)によって駆動可能であることを特徴とする治療装置。
  5. 請求項4に記載の医療用歯科用又は外科用治療装置(25,25A)であって、出力軸(33)及び/又は突出部(34)及び/又は入力軸(31)は、前記偏心ギア(30)を駆動する前記軸(45)が収容された中空軸として構成されていること特徴とする治療装置。
  6. 請求項4又は5に記載の医療用歯科用又は外科用治療装置(25,25A)であって、前記入力軸(31)及び/又は前記突出部(34)は、前記偏心ギア(30)を駆動する前記軸(45)に回転不能に結合されていることを特徴とする治療装置。
  7. 請求項4又は5に記載の医療用歯科用又は外科用治療装置(25,25A)であって、前記突出部(34)に結合された前記入力軸(31)及び前記偏心ギア(30)を駆動する前記軸(45)は、互いに対して回転可能であることを特徴とする治療装置。
  8. 請求項4〜7の何れか一項に記載の医療用歯科用又は外科用治療装置(25,25A)であって、前記入力軸(31)、前記偏心ギア(30)を駆動する前記軸(45)、及び回転不能に配置された第1歯列(36)は、互いに同心円状に配置されていることを特徴とする治療装置。
  9. 請求項1〜8の何れか一項に記載の医療用歯科用又は外科用治療装置(25,25A)であって、該治療装置(25,25A)は、ヘッド近傍のセクション(46A)と、該セクション(46A)に対して角度又は曲げ部付きで配置された後方セクション(46B)とを含むハンドル部分(46)を備え、単方向回転運動における回転速度を変更するための前記ギア(29)は、ヘッド近傍の前記セクション(46A)に少なくとも部分的に配置されていることを特徴とする治療装置。
  10. 請求項1〜9の何れか一項に記載の医療用歯科用又は外科用治療装置(25,25A)であって、機械的ギアアセンブリ(28)は、前記単方向回転運動をリフティング運動及び回転運動に同時に変換するように構成されることにより、リフティング運動及び回転運動を前記器具保持装置(23)に同時に生じさせることができることを特徴とする治療装置。
  11. 請求項1〜10の何れか一項に記載の医療用歯科用又は外科用治療装置(25,25A)であって、単方向回転運動を振動回転運動に変換するための前記機械的ギア(4)は前記器具保持装置(23)に設けられた偏心ギア(30)と、単方向回転運動における回転速度変更するためのギア(29)との間に設けられていることを特徴とする治療装置。
  12. 請求項1〜11の何れか一項に記載の医療用歯科用又は外科用治療装置(25,25A)であって、単方向回転運動を振動回転運動に変換するための前記機械的ギア(4)は、駆動軸(26,2)を介して伝達された単方向回転運動を振動運動変換するための第1要素(5)と、単方向回転運動を伝達するための第2要素(6)とを含んでいることを特徴とする治療装置。
  13. 請求項12に記載の医療用歯科用又は外科用治療装置(25,25A)であって、単方向回転運動を振動回転運動に変換するための前記機械的ギア(4)に器具保持装置(23)を結合する出力軸(3)は、振動運動及び単方向回転運動が前記出力軸(3)に同時に伝達されるよう、前記第1要素(5)及び/又は前記第2要素(6)に結合されていることを特徴とする治療装置。
  14. 請求項〜13の何れか一項に記載の医療用歯科用又は外科用治療装置(25,25A)であって、前記偏心ギア(30)は、単方向回転運動を振動回転運動に変換するための前記機械的ギア(4)を通過する、及び/又は、前記出力軸(3)を通過する前記軸(45)によって駆動可能であることを特徴とする治療装置。
  15. 請求項〜14の何れか一項に記載の医療用歯科用又は外科用治療装置(25,25A)であって、前記駆動軸(2)を介して伝達された単方向回転運動を振動運動変換するための前記第1要素(5)は、偏心ギア(5A)を含み、単方向回転運動を伝達するための第2要素(6)は、複数個の歯車(8,8A,9,9A)を含んでいることを特徴とする治療装置。
  16. 医療用、歯科用又は外科用治療装置(25,25A)であって、
    単方向回転運動を伝達するための駆動軸(26)と、
    前記治療装置(25,25A)のヘッド部(27)に配置されることにより、リフティング運動及び回転運動を生じる器具を保持するための器具保持装置(23)と、
    単方向回転運動をリフティング運動及び回転運動に変換することにより、リフティング運動及び回転運動を前記器具保持装置(23)に生じさせ、かつ単方向回転運動の回転速度を変更するためのギア(29)、及び偏心ギア(30)を含むギアアセンブリ(28)とを備える治療装置において、
    単方向回転運動における回転速度を変更するための前記ギア(29)は、回転軸線(32)を有する入力軸(31)と、前記器具保持装置(23)に結合された出力軸(33)と、前記回転軸線(32)に対して角度を付けた中心軸線(35)を有すると共に、前記入力軸(31)に結合された突出部(34)と、複数個の歯を有すると共に、回転不能に配置された第1歯列(36)と、複数個の歯を有すると共に、前記出力軸(33)に回転可能に結合された第2歯列(37)と、前記入力軸(31)に結合された前記突出部(34)上に回転可能に配置され、かつ第1端部に第3歯列(39)を、また第2端部に第4歯列(40)を有するスリーブ(38)とを含み、この場合に前記スリーブ(38)は、前記第1歯列(36)及び前記第2歯列(37)の間に配置されることにより、前記第3歯列(39)における少なくとも1個の歯が前記第1歯列(36)における少なくとも1個の歯と噛み合い、また前記第4歯列(40)における少なくとも1個の歯が前記第2歯列(37)における少なくとも1個の歯と噛み合い、これにより前記入力軸(31)に対する前記出力軸(33)の回転速度を変更し、
    前記偏心ギア(30)は、単方向回転運動における回転速度を変更するための前記ギア(29)を通過する軸(45)によって駆動され、前記突出部(34)は、前記偏心ギア(30)を駆動する前記軸(45)が収容された中空軸として構成されており、前記突出部の中心軸線(35)が、前記偏心ギア(30)を駆動する軸(45)の回転軸線(32)に対して角度をつけて配置されていることを特徴とする治療装置。
  17. 請求項16に記載の医療用、歯科用又は外科用治療装置(25,25A)であって、前記入力軸(31)に結合された前記突出部(34)上には、少なくとも1個の軸受装置(41)が設けられることにより、前記突出部(34)上に配置された前記スリーブ(38)が前記突出部(34)に対して回転可能であり、また、前記突出部(34)の一端は遊端(42)として構成され、前記器具保持装置(23)方向において、支持されることなく前記軸受装置(41)を越えて自由に延在していることを特徴とする治療装置。
  18. 請求項16又は17に記載の医療用、歯科用又は外科用治療装置(25,25A)であって、第1面領域(43A)及び該第1面領域(43A)に対してほぼ平行に配置された第2面領域(43B)とを有するプレート状キャリア(43)を更に備え、前記第1歯列(36)は、その歯が前記第2歯列(37)を指向するよう前記第1面領域(43A)に回転不能に配置され、前記第2面領域(43B)は、前記入力軸(31)を支持する軸受要素(44)のための軸受座として構成されていることを特徴とする治療装置。
  19. 請求項16〜18の何れか一項に記載の医療用、歯科用又は外科用治療装置(25,25A)であって、前記出力軸(33)及び/又は前記入力軸(31)は、前記偏心ギア(30)を駆動する前記軸(45)が収容された中空軸として構成されていること特徴とする治療装置。
  20. 請求項16〜19の何れか一項に記載の医療用、歯科用又は外科用治療装置(25,25A)であって、前記入力軸(31)及び/又は前記突出部(34)は、前記偏心ギア(30)を駆動する前記軸(45)に回転不能に結合されていることを特徴とする治療装置。
  21. 請求項16〜19の何れか一項に記載の医療用、歯科用又は外科用治療装置(25,25A)であって、前記突出部(34)に結合された前記入力軸(31)及び前記偏心ギア(30)を駆動する前記軸(45)は、互いに対して回転可能であり、異なる回転速度で駆動可能であることを特徴とする治療装置。
  22. 請求項16〜21の何れか一項に記載の医療用、歯科用又は外科用治療装置(25,25A)であって、前記入力軸(31)、前記偏心ギア(30)を駆動する前記軸(45)、及び回転不能に配置された第1歯列(36)は、互いに同心円状に配置されていることを特徴とする治療装置。
  23. 請求項16〜22の何れか一項に記載の医療用、歯科用又は外科用治療装置(25,25A)であって、該治療装置(25,25A)は、ヘッド近傍のセクション(46A)と、該セクション(46A)に対して角度又は曲げ部付きで配置された後方セクション(46B)とを含むハンドル部分(46)を備え、単方向回転運動における回転速度を変更するための前記ギア(29)は、ヘッド近傍の前記セクション(46A)に少なくとも部分的に配置されていることを特徴とする治療装置。
  24. 請求項16〜23の何れか一項に記載の医療用、歯科用又は外科用治療装置(25,25A)であって、前記ギアアセンブリ(28)は、他の機械的ギア(4)を含み、該他の機械的ギア(4)は、単方向回転運動を振動回転運動に変換するよう構成されることにより、前記器具保持装置(23)に振動回転運動を生じさせることができることを特徴とする治療装置。
  25. 請求項24に記載の医療用、歯科用又は外科用治療装置(25,25A)であって、単方向回転運動を振動回転運動に変換するための前記ギア(4)は、前記器具保持装置(23)に設けられた偏心ギア(30)と、単方向回転運動における回転速度を変更するためのギア(29)との間に設けられていることを特徴とする治療装置。
  26. 請求項24又は25に記載の医療用、歯科用又は外科用治療装置(25,25A)であって、単方向回転運動を振動回転運動に変換するための前記ギア(4)は、駆動軸(26,2)を介して伝達された単方向回転運動を振動運動に変換するための第1要素(5)と、単方向回転運動を伝達するための第2要素(6)とを含んでいることを特徴とする治療装置。
  27. 請求項26に記載の医療用、歯科用又は外科用治療装置(25,25A)であって、単方向回転運動を振動回転運動に変換するための前記ギア(4)に器具保持装置(23)を結合する出力軸(3)は、振動運動及び単方向回転運動が前記出力軸(3)に同時に伝達されるよう、前記第1要素(5)及び/又は前記第2要素(6)に結合されていることを特徴とする治療装置。
  28. 請求項24〜27の何れか一項に記載の医療用、歯科用又は外科用治療装置(25,25A)であって、前記偏心ギア(30)は、単方向回転運動を振動回転運動に変換するための前記ギア(4)を通過する、及び/又は、前記出力軸(3)を通過する前記軸(45)によって駆動可能であることを特徴とする治療装置。
  29. 請求項24〜28の何れか一項に記載の医療用、歯科用又は外科用治療装置(25,25A)であって、前記駆動軸(2)を介して伝達された単方向回転運動を振動運動に変換するための前記第1要素(5)は、偏心ギア(5A)を含み、単方向回転運動を伝達するための第2要素(6)は、複数個の歯車(8,8A,9,9A)を含んでいることを特徴とする治療装置。
  30. 請求項24〜29の何れか一項に記載の医療用、歯科用又は外科用治療装置(25,25A)であって、機械的ギアアセンブリ(28)は、前記単方向回転運動を同時にリフティング運動及び回転運動に変換するように構成されることにより、リフティング運動及び回転運動を前記器具保持装置(23)に同時に生じさせることができることを特徴とする治療装置。
  31. 請求項24〜30の何れか一項に記載の医療用、歯科用又は外科用治療装置(25,25A)であって、前記機械的ギア(4)は振動回転運動を生成し、該振動回転運動は、第1回転角に亘る第1回転方向への回転、及び第2回転角に亘る第1回転方向とは本質的に逆の第2回転方向への回転を器具に対して交互にもたらし、ここで、第1及び第2回転角は異なる値を有することを特徴とする治療装置。
  32. 請求項1〜31の何れか一項に記載の医療用、歯科用又は外科用治療装置(25,25A)であって、前記偏心ギア(30)を駆動する前記軸(45)が収容される孔は、単方向回転運動における回転速度を変更するための前記ギア(29)を構成する以下の少なくとも1個の部品、即ち、前記第1歯列(36)、前記第1歯列(36)が設けられたプレート状キャリア(43)、前記第2歯列(37)、に設けられることを特徴とする治療装置。
  33. 請求項1〜32の何れか一項に記載の医療用、歯科用又は外科用治療装置(25,25A)であって、前記偏心ギア(30)を駆動する前記軸(45)、前記第2歯列(37)、及び前記出力軸(33)は、互いに同心円状に配置されることを特徴とする治療装置。
JP2014541712A 2011-11-21 2012-11-21 医療用器具、特に歯科用又は外科用器具の駆動装置 Active JP5878243B2 (ja)

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