JP5878098B2 - 摂食・嚥下訓練用車椅子 - Google Patents

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Description

本発明は、搭乗者の体幹の回旋が容易で摂食障碍或いは嚥下障碍から回復するための訓練に好適な訓練用車椅子に関する。
脳血管疾患や神経疾患などの影響により、摂食・嚥下障碍が引き起こされる場合があることが知られている。摂食・嚥下障碍は、栄養状態の低下、誤嚥性肺炎や窒息、食べる楽しみの喪失といった種々の問題を引き起こすため、このような障碍を有する患者に対して、摂食・嚥下機能を回復させるための訓練が行われる。訓練の開始時の姿勢は、例えば水平面を基準として体幹を30度だけ前屈させ、且つ頸部を更に前屈させた30度仰臥位・頸部前屈が基本であり、この姿勢から、頸部を上方に向けたまま体幹を頸部に対して90度程度だけ回旋した姿勢(30度仰臥位・頸部前屈・体幹回旋)で訓練させることが、最も適切と考えられている。
上記の訓練は、一般に、医師、言語聴覚士、嚥下専門看護師によって行われるが、訓練に際しては、患者の姿勢を仰臥位或いは座位から他動的に動かすことが必要になる。この姿勢変更の際の医師等の労力が多大であり、しかも、患者の負担も大きい問題があった。また、上記の体幹回旋は患者が自然に取りうる姿勢ではないため、訓練中の患者の姿勢は多数のクッションやタオル等を用いて保たれている。このことは所定の姿勢を取らせるための労力を一層増大させ、しかも、訓練の度に同一の姿勢を取らせることを困難にしている。更に、介助者が付かないと訓練が困難な場合もある。
特開2004−097451号公報 特開2006−167099号公報 特開2010−099160号公報
ところで、前記のような前屈姿勢を取らせることが必要な訓練は、傾動(リクライニング)機構を備えた車椅子やベッドを用いて行われていた。しかしながら、これらは訓練用に用意されているものではないことから、傾動したときに臀部が滑りやすい等、患者の姿勢を訓練に適切な姿勢に変更することが困難である。しかも、上記傾動機構で可能となるのは体幹の前屈のみであり、体幹を回旋させるための労力は何ら軽減されない問題もある。
なお、例えば、介助用車椅子には、患者に楽な姿勢をとらせることができるように、背もたれを傾動させるリクライニング機構や、座面を傾動させるティルト機構が備えられる。そのため、前記訓練にこのような車椅子を利用すれば、背もたれを傾動させることで仰臥姿勢を容易に取らせることができる上、前部が上昇するように座面を傾動させることで臀部の滑りも抑制できるので、医師や患者等の負担が一層軽減される。しかしながら、このような車椅子であっても、体幹を回旋させるための労力は何ら緩和されない。
因みに、搭乗者(患者)の姿勢変更等を容易にするための構造を備えた車椅子は、従来から種々提案されている。例えば、座席が走行輪の上端よりも高い位置にあり、座面の略中心を通る鉛直方向の回転軸を中心にその座席を回動可能としたものがある(例えば特許文献1を参照)。この車椅子によれば、座席が走行輪に邪魔されることなく360度に亘って任意に向きを変えることができ、また、座席のみが回転することから回転に要する力も小さいので、車椅子全体の向きを変えるための広さを確保できない場所においても、容易に座席のみを所望の向きに変えることができる。そのため、家庭内や病室内等のように狭い室内でベッドから車椅子に、或いはその反対に移動する際にも、車椅子をベッドの縁まで近づけて座席を回転させることで、容易にその座席を乗降等が容易な向き例えば側方がベッドの縁に沿う向きに変えることができる。
また、背もたれを後方に傾倒可能な車椅子において、背もたれフレームと座面フレームとを各々支持しそれらの傾斜角度を各々調整可能にした調整装置を備えたものがある(例えば特許文献2を参照)。この車椅子によれば、背もたれフレームと座面フレームとの間の傾斜角度を任意に設定することができる。そのため、それらの間の傾斜角度が固定されている場合における背もたれの傾倒に伴って搭乗者の腰部分が後方へずれたり前方へ押されたりする問題が生じない。
また、座面部に対して任意の角度で傾斜して保持可能な脚部持ち上げユニットと、座面部に対して任意の角度で傾斜して保持可能な背もたれユニットとを備えるものがある(例えば特許文献3を参照)。上記脚部持ち上げユニットおよび背もたれユニットは、傾斜させることによって平面部を構成し得る。そのため、この車椅子は、利用者の姿勢の自由度が高く快適に座ることができるだけでなく、ストレッチャーとして用いることもできる。
このように、従来の車椅子は、ベッドからの乗降を容易にし、或いは、使用中における患者の体の負担を軽減するものに過ぎない。そのため、これらの車椅子の姿勢変更機能を利用しても、患者を摂食・嚥下機能の訓練に適切な姿勢とすることはできなかった。例えば、前記特許文献1に記載の車椅子は、座席の回動の際には背もたれも一体となって回動するため、搭乗者の向きが変わるだけで、体幹を回旋させることはできない。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであって、その目的は、搭乗者の体幹の回旋が可能で摂食・嚥下訓練用に好適な車椅子を提供することにある。
斯かる目的を達成するため、本発明の要旨とするところは、座部、背もたれ、および利用者の足を受ける足台を基台上に備え、その利用者の摂食・嚥下訓練に用い得る訓練用車椅子であって、(a)前記座部の座面の略中心部をその座面に垂直に通る所定の第1軸心周りにおいて前記背もたれとは独立して回動可能にその座部を支持する座部支持装置と、(b)前記背もたれの下端部において背受け面に沿い且つ水平方向に沿って伸びる第2軸心周りの傾動可能にその背もたれを支持する背もたれ支持装置と、(c)前記座部に同期して前記第1軸心周りにおいて前記背もたれとは独立して回動可能に前記足台を支持する足台支持装置とを、含むことにある。
このようにすれば、摂食・嚥下訓練用車椅子は、座部および足台が同期し且つ背もたれとは独立して座面に垂直な第1軸心周りの回動可能にそれぞれ座部支持装置および足台支持装置に支持されると共に、その背もたれが水平方向の第2軸心周りの傾動可能に背もたれ支持装置に支持されることから、背もたれを所望する角度に傾斜させると共に、座部および足台を座面に垂直な第1軸心回りに、すなわちその背もたれに対して回動させることができる。そのため、利用者すなわち摂食・嚥下訓練が施される患者を車椅子に座らせて、背もたれを傾動させると共に座部および足台を回動させることにより、その患者に適宜の角度に前屈する仰臥位を取らせ、且つ、頸部を上方に向けたまま体幹を頸部に対して適宜の角度だけ回旋させることができる。このとき、足台が座部と同期して回動することから、患者の下腿も体幹と同時に頸部に対して回旋させられるので、体幹を無理なく回旋させることができる。したがって、患者に摂食・嚥下訓練に適した姿勢を容易に取らせることができるので、患者の負担が軽減されると共に、医師や看護士等の労力が軽減される。
なお、前記第1軸心の位置は所望する回動態様に応じて適宜の位置に設けられるが、安定して回動させるためには回動に伴う重心移動が小さいことが好ましく、例えば、座面の略中心部、好適には重心を通るように設けられる。第1軸心の位置が重心から外れていても、支持構造を適宜定めることで座部の回動に支障が生じないようにできるが、上記のようにすれば、利用者の体重を受け且つ滑らかに回動するために必要な支持構造が可及的に簡便になる。
上記座部支持装置は、公知の種々の回動部材支持構造を適用して構成できる。例えば、基台上に直接或いは間接的に第1軸心の周囲に一様な周方向間隔で並べた複数個のボールローラーで座部を支持する構造や、基台に直接的或いは間接的に取り付けたスラスト軸受等によって座部を支持する構造が挙げられる。軸受けにより支持する場合には、その軸受けの周囲においてその座部を裏面から支持する複数個の回転補助装置(例えば、球、円柱、ベアリング等)を設けることが回転安定性を確保するために好ましい。
また、足台支持装置は、例えば、第1軸心周りの相対回動不能に座部に足台を取り付けた構造とすることができる。例えば、座部に足台支持枠を固定的に取り付け、その足台支持枠で足台を支持する構成とすればよい。また、リンク、ギア、その他の機構で機械的に同期させてもよい。
また、背もたれ支持装置は、例えば、前記基台に直接的或いは間接的に取り付けられることによって背もたれ枠を前記第2軸心周りの回動可能に支持する軸受けと、一端をその軸受けよりも上方において回動可能に取り付けられ且つ他端を基台に直接或いは間接的に回動可能に取り付けられたシリンダ等の支持部材とを備えて構成される。
また、前記背もたれの傾動後の傾斜角度は、例えば水平面に対して30度であり、前記座部および足台の回動角度は、例えば体幹が前方に向かう向きから90度である。このようにすれば、30度仰臥位であって、体幹が頸部に対して90度回旋した姿勢、すなわち、横を向いた姿勢での座位を採ることが可能になる。
また、本発明の摂食・嚥下訓練用車椅子は、移動用の車輪を備えた車椅子であることから、訓練のために患者を搭乗させたまま、必要な場合は訓練姿勢を取らせたまま移動することができる。そのため、病室から訓練室へ移動してそのまま乗り換えること無く訓練を行うことができることから、乗り換えに伴う医師等および患者の負担が減じられると共に、訓練効果をX線により評価する場合にも訓練中の姿勢を保ったままでX線撮影が可能であるため、訓練効果の一層適切な評価が可能になる。また、病室からの移動に際しても、患者をベッドから訓練用車椅子に移動させる場合には、訓練用車椅子をベッド脇の適宜の位置に位置させることで、患者をベッドから訓練用車椅子に移動させる作業が容易になる。
ここで、好適には、前記訓練用車椅子は、前記座部と前記足台との間に利用者の下腿を背面側から受ける下腿支持部を有すると共に、その下腿支持部を前記座部側に位置する上端部周りに回動させてその下端側を上昇させる傾動上昇機構(エレベーティング機構)を備えたものである。このようにすれば、利用者の下腿がその下腿支持部で常に支持されると共に、座部を回動させるに先立って下腿支持部の下端側を上昇させることで体幹部の回動が一層容易になる。特に、膝を大きく曲げた通常の着座姿勢のままでは回旋が困難な患者であっても、下腿支持部を傾動上昇させることで脚の屈曲を緩くできるので、摂食・嚥下訓練に適した姿勢を取らせることが一層容易になる。しかも、座部の回動時に下腿支持部を傾動上昇させることにより、車輪と下腿支持部との干渉を容易に回避し得る。上記傾動上昇機構は、例えば、座部或いはその下腿支持部に設けられたシリンダ機構である。
また、好適には、前記座部は移動用の複数個の車輪の上端よりも上方に位置するものである。このようにすれば、座部を回動させる際にその座部と車輪との干渉が生じないようにでき、また、患者の下肢と車輪との干渉も容易に避けることができる。
なお、移動用の複数個の車輪は、一般に4個以上の車輪で構成される。その場合においては、前記第1軸心はそれら複数個の車輪の軸受け相互の間に、例えば、前輪軸受けと後輪軸受けとの間に設けられることが好ましい。
また、好適には、前記訓練用車椅子は、前記座部を予め定められた複数の回動位置で固定するための座部回動角度固定装置を備えたものである。このようにすれば、座部を回動させた状態で固定できるため、例えば30分以上の比較的長い時間を必要とする摂食・嚥下訓練中に、患者を訓練に適した回旋角度に保つことが一層容易になる。また、各固定位置で訓練を行うことによって、適切な回動角度を容易に定めることができ、また、訓練を繰り返す際に、容易にその定められた回動角度に固定することができる。固定位置は訓練の目的に応じて適宜定めることができるが、例えば、正面に向かった位置から、左右に30度、60度、90度だけ回動した位置である。
上記固定装置は、例えば、座部に或いは座部に固定された回動側位置決め部材に複数の係合孔、係合突起、係合凹部等を設けると共に、それら係合孔等に係合させられる係合棒、係合凹部、係合孔、係合突起等を有する固定側位置決め部材を基台側に設ける等の態様で構成できる。固定側位置決め部材は、例えば、座面近傍等に備えられた操作レバーによって係合および解除操作できるように構成すればよい。
また、好適には、前記訓練用車椅子は、前記背もたれを予め定められた複数の傾斜角度で固定するための背もたれ角度固定装置を備えたものである。このようにすれば、背もたれを傾動させた状態で固定できるため、例えば30分以上の長時間を必要とする摂食・嚥下訓練の間、患者を訓練に適した傾斜角度に保つことが一層容易になる。上記背もたれ角度固定装置は、例えば、シリンダの液圧或いは気圧制御によって適宜のロッド突き出し量すなわち適宜の角度で背もたれを固定するものであるが、例えば、ロッドの引き込み位置と最大突き出し位置との2位置でのみ固定できるものであっても差し支えない。
また、好適には、前記訓練用車椅子は、前記背もたれに沿ってその側方に取り付けられ、且つ、利用者の体幹の側方への動きを制限する閉鎖状態とその側方への動きを許容する開放状態との間で変更が可能な体幹部安全柵を備えたものである。このようにすれば、体幹部安全柵を閉鎖状態にした状態では、利用者の体幹が背もたれの側方へずり落ちることがその体幹部安全柵で防止できると共に、開放状態にした状態では、座部を回動させる際にその回動に伴って回旋させられる利用者の体幹や下肢が体幹部安全柵と干渉することがないので、容易に所期の回旋動作をさせることができる。上記体幹部安全柵は、例えば、開放状態とする際に、背もたれの上下方向に沿った軸心周りに外側に回動させてその背もたれよりも後方に位置させるものである。上記体幹部安全柵は、例えば、背もたれの一対の支柱にヒンジ等によって取り付けられる。
また、好適には、前記訓練用車椅子において、前記背もたれは、両側部に一対の支柱を有し且つそれらを連結する連結杆の長さ方向中央位置に傾動角度変更のためのシリンダを配置したものである。このようにすれば、1個のシリンダで背もたれを支持し、且つこれを所望する適宜の突き出し量で固定することによって、背もたれを任意の傾斜角度に容易に変更することができる。上記シリンダは、例えば、液圧、ガス圧、ばね等によって突き出しおよび引き込みが可能なロッドを内装したもので、これら液圧等によって背もたれにかかる荷重が受けられることから、確実な支持状態が得られる。
また、上記のように支柱およびシリンダが配置されていることから、口腔から上部食道において正面よりのX線透過を行う際に、金属が映像内に入ることを容易に避けることができる。なお、この場合、背もたれの背部受け面は非金属素材で構成する必要がある。このように構成すれば、X線透過によって訓練の効果を確認することができる。例えば、ポータブル型のX線装置で撮影すれば、訓練中に背もたれの傾斜角度や座板の回動角度の適否を確認することができる。
また、好適には、前記訓練用車椅子は、座部と足台との間に利用者の下腿を背面側から受ける下腿支持部を有すると共に、その下腿の側方への動きを制限するための脚部安全柵をその下腿支持部の両側方に備えたものである。このようにすれば、利用者の下腿がその下腿支持部で常に支持されると共に、座部を回転させて下腿が横向きになった際にも下方から脚部安全柵で支えられるので、訓練時の姿勢の維持が一層容易になって、医師等の労力や患者の負担が一層軽減される。
また、好適には、前記訓練用車椅子は、前記第2軸心と同一或いはこれに平行な軸心周りに前記座部を傾動させてその一端側を他端側に対して上下させる座部傾動装置を備えたものである。このようにすれば、摂食・嚥下訓練に際して、座部の傾斜角度も適宜変更して、訓練に一層適した姿勢を患者に一層容易に採らせることができる。座部傾動装置は、座部を単独で傾動させるものでもよいが、足台および背もたれ部を含む座席全体を傾動させるティルト機構であってもよい。
また、好適には、前記訓練用車椅子は、前記移動用の複数個の車輪に加えてそれらよりも外側に突き出して設けられた上記車輪よりも小径の補助輪を有するものである。このようにすれば、訓練用車椅子が側方から補助輪で支持されるので、患者が訓練用車椅子に乗降する際や、摂食・嚥下訓練のために座部を回動させた際に車輪よりも外側に患者の体重が掛かっても、それに起因して訓練用車椅子が傾き延いては倒れることが抑制される。したがって、乗降や回動による姿勢の変更が一層容易になる。上記補助輪は、左右方向に突き出し、或いは後方に突き出して設けられる。左右方向に突き出した補助輪は、体幹回旋状態における安定性を高め、後方に突き出した補助輪は、仰臥位における安定性を高める。
また、好適には、前記座部は、座板の背もたれ側の縁が両端部よりも中央部を背もたれ側に突き出した形状を備えたものである。このようにすれば、座部を背もたれ側に十分な長さ寸法で設けて良好な座り心地を確保しながら、その座部の回動時における背もたれの支柱との干渉を容易に避けることができる。上記座板は、背もたれ側の縁が第1軸心を中心とする円弧を成すものとすることが好ましい。座部と背もたれの支柱との干渉を避けるためには、背もたれ側における座板の最大回転半径を第1軸心から背もたれの支柱までの距離よりも短くする必要がある。上記のように円弧状にすれば、このような制限を満たしつつ最大回転半径を最も大きく、すなわち座板の奥行きを最も大きくすることができる。
本発明の一実施例の訓練用車椅子の全体を示す斜視図である。 図1の車椅子を側面視にて示す図である。 図1の車椅子を正面視にて背もたれクッションおよび座クッション等を省略した状態で示す図である。 図1の車椅子の座部の回動機構を構成部品を分解して説明する図である。 座部と背もたれフレームとの位置関係を説明する平面図である。 摂食・嚥下訓練における図1の車椅子の使用方法を説明するための図であって、患者が搭乗した初期状態を座部等の基本構成要素のみで示す模式図である。 図6の初期状態から摂食・嚥下訓練のために背もたれを傾動(リクライニング)させた状態を示す模式図である。 図7の背もたれ傾動状態から座部・背もたれを含む全体を傾動させた状態を示す模式図である。 図8の全体傾動状態から下腿支持部を上昇(エレベーティング)させた状態を示す模式図である。 図9の状態から体幹を旋回させて患者を訓練姿勢とした状態を示す模式図である。
以下、本発明の一実施例を図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の実施例において図は適宜簡略化或いは変形されており、各部の寸法比および形状等は必ずしも正確に描かれていない。
図1〜図3は、それぞれ本発明の一実施例の訓練用車椅子10の全体を示す斜視図、側面視図、正面視図である。なお、これらの図面においては、説明の便宜上、構成部材の一部を省略した。これら図1〜図3において、車椅子10は、それぞれ対を成す小径の前輪12,12と、大径の後輪14,14とを備えたベースフレーム(基台)16の上に座席18が備えられたものである。なお、図2においては、後輪14を仮想線で外形のみ示した。
上記のベースフレーム16は、滑らかに屈曲した金属パイプを溶接等により接合した構造を主体としたもので、後方に向かって伸びるフレーム部材の後端に一対の小径の補助輪20(図1、図2において、手前側に位置する一方のみを図示)が備えられると共に、前輪12および後輪14の間の前後方向の中間位置において、左右方向に伸びるフレーム部材の両端部に補助輪20と同径の一対の補助輪22,22が備えられている。これら補助輪22,22は、図3に示す正面図から明らかなように、前輪12および後輪14よりも外側に位置する。これら4つの補助輪20,22は、後述するように摂食・嚥下訓練のために座席18を傾動および回動させる際に、車椅子10の安定性を高めるためのものである。
また、ベースフレーム16の上部には、水平方向に沿って伸びる座席傾動フレーム24が取り付けられている。座席傾動フレーム24は、座席18の左右方向の両端部であって、前後方向中央部の下面に設けられた下方に向かって伸びる一対の第1連結突部26(図1、図2において手前側に位置する一方のみを図示)において、ベースフレーム16のフレーム部材に図2における紙面に垂直な軸心周りの回動可能に取り付けられている。
また、上記第1連結突部26よりも前方側には、座席18の左右方向の中央位置に第2連結突部28が設けられており、ベースフレーム16の横方向に伸びるフレーム部材に下端部が回動可能に取り付けられた座席傾動シリンダ30の上端部がその第2連結突部28に回動可能に取り付けられている。座席傾動フレーム24は、その座席傾動シリンダ30の突き出し・引き込み作動に従って傾動(ティルト動作)させられる。前記の座席18は、全体がこの座席傾動フレーム24の上に設けられており、その傾動に伴って座席18全体が傾動(ティルト動作)させられる。座席18の傾動角度は、例えば水平面に対して0度(通常状態)〜40度程度の範囲であり、上記シリンダ30の突き出し量を油圧や空気圧で制御することで適宜固定される。
上記座席18は、座部32、背もたれ部34、足支持部36等から成る。前記座部32は、前記後輪14の上端よりも上方に位置し、前記座席傾動フレーム24の中央よりもやや前方よりにおいて、座部回動装置38によって図2における上下方向に沿った軸心周り(すなわち座面39に垂直な軸心周り)の回動可能に支持された座部フレーム40と、その上に取り付けられた座板41および座部クッション42とを備えている。本実施例においては、座席傾動フレーム24および座部回動装置38が座部支持装置に相当する。
座部回動装置38は、図4に構成部品を分解して示すように、座席傾動フレーム24の上に複数個のボールローラー44を介して取り付けられた矩形薄板状の回転板46と、その回転板46の上に固定されたドーナツ状の位置決め円板48とを備えたもので、上記座部フレーム40は、この位置決め円板48上に固定されている。回転板46は、例えば位置決め円板48に相対回転不能に係合する上側回転板および座席傾動フレーム24に相対回転不能に係合する下側回転板から成る構成とすることもできる。上記位置決め円板48には、半周に亘って30度間隔で7つの位置決め孔50が設けられており、座席傾動フレーム24の下側から突き出して取り付けられる位置決めピン(インデックスプランジャー)52の先端部がその位置決め孔50内に入ることによって、座席傾動フレーム24に対する座部フレーム40の回動角度が固定される。上記位置決めピン52の突き出しは、油空圧で行うようにしてもよく、或いは、圧縮コイルばね等を嵌め入れてその弾性力で突き出すようにしてもよい。
上記の座部回動装置38において、位置決め孔50は、上述したように30度間隔で7つ設けられていることから、上記回動角度は、0〜180度の範囲になる。すなわち、座部フレーム40は、例えば、座席傾動フレーム24に対して、図3における左方向および右方向のそれぞれに90度までの範囲で回動可能であり、位置決めピン52によって、両方向においてそれぞれ30度、60度、90度の各角度で固定できる。本実施例においては、上記の位置決め円板48および位置決めピン52が座部回動角度固定装置を構成する。
なお、上記図4に示されるように、座部フレーム40は、一対の金属パイプから成るフレーム部材54,54が2本の連結部材56,56でねじ止め或いは溶接により接合された構造を備えている。また、座席傾動フレーム24は、コの字型に曲成された金属パイプから成るフレーム部材58の開放側に5本の横木60がねじ止め或いは溶接により接合された構造を備えている。
また、前記図1および図5に示すように、座部32の座板41および座部クッション42は、背もたれ部34側の縁が円弧状を成すものとされている。そのため、上記のように回動させる際にも、座板41や座部クッション42が背もたれ部34の支柱66(後述)と干渉することはない。この結果、座部32を背もたれ部34に対した回動させる構造とされているにも拘わらず、座板41および座部クッション42をその背もたれ部34側に十分に長い大きさで設けることができるようになっている。
図1〜図3に戻って、背もたれ部34は、前記座席傾動フレーム24に下端部が回動可能に取り付けられた背もたれフレーム62と、その座部32側に取り付けられた背もたれクッション64とを備えている。前述したように、座部32は座席傾動フレーム24に対して垂直な回動軸周りの回動可能とされる一方、上記背もたれ部34は、背受面65に平行すなわち座席傾動フレーム24に平行且つ水平方向の回動軸周りの回動可能とされている。そのため、本実施例においては座部32は、背もたれ部34とは独立して、座面に垂直な回動軸周りに回動させることができる。
上記の背もたれフレーム62は、上方に伸びる一対の支柱66,66と、例えば上方の2箇所においてそれら支柱66,66を連結する第1連結杆68,第2連結杆70と、支柱66の中央やや下方よりの位置に座部32側に突き出して設けられたコの字型の一対の体幹部安全柵72,72とを備えている。これら連結杆68,70は、後述する摂食・嚥下訓練の際に、X線撮影を行う場合にも、その撮影方向の視野内に金属が入ることのないように、それらの位置が定められている。
前記座席傾動フレーム24の後端部には、背もたれ傾動シリンダ74が、その下端部において回動可能に取り付けられており、その背もたれ傾動シリンダ74の上端部は、上記の第2連結杆70の長手方向の中央位置に回動可能に取り付けられている。そのため、背もたれ部34は、前記座席傾動シリンダ30の作動に従って座席18全体で傾動させられるだけでなく、上記背もたれ傾動シリンダ74の作動に従って、座部32や足支持部34とは別に単独で傾動させることができる。背もたれ部34の傾動角度は、例えば、座席傾動フレーム24に対して36度程度〜90度(通常状態)の範囲で変更可能であり、上記シリンダ74の突き出し量を油圧や空気圧で制御することで適宜固定される。本実施例においては、座席傾動フレーム24および背もたれ傾動シリンダ74が背もたれ支持装置に相当する。
また、前記体幹部安全柵72は、コの字型の開放端が支柱66にヒンジ76,76で取り付けられており、その支柱66の軸心周りに回動可能とされている。この体幹部安全柵72は、患者が搭乗中は常には図示の閉じた状態にあってその落下を防止するためのものであるが、後述する摂食・嚥下訓練の際には、必要に応じて、体幹部の回旋を妨げないように外側に90度回転した状態にされる。また、上記体幹部安全柵72のうち、患者の左側に位置する一方(図2に図示される一方)には、角度表示装置78が取り付けられている。この角度表示装置78は、例えば水平面に対する背もたれ部34の傾斜角度を表示するものである。
また、前記の足支持部36は、上端部が前記座部フレーム40の前端部に回動可能に取り付けられた一対の足支持部フレーム80,80と、それらの下端部に回動可能に取り付けられた足台82と、足支持フレーム80,80間の足台82側位置に取り付けられた下腿クッション84とを備えたものである。足支持部36は、このように座部フレーム40に取り付けられていることから、座部32が座面に垂直な回動軸周りに回動させられる際には、その座部32と一体になって、すなわち、背もたれ部34とは独立して回動させられることになる。なお、本実施例においては、前記足支持部フレーム80および下腿クッション84が下腿支持部に相当する。
上記の足支持部フレーム80,80は、上端部において座部フレーム40のフレーム部材54,54にそれぞれ連結され、下端部が足台82の左右両端にそれぞれ連結されている。それら足支持部フレーム80,80の各々には、下腿傾動シリンダ86の下端部がそれらに回動可能に取り付けられ、そのシリンダ86の上端部はフレーム部材54,54にそれぞれ回動可能に取り付けられている。そのため、足支持部36は、下腿部が上昇する図2における左周り方向に回動可能である。回動角度は、例えば、水平面に対して90度(図2等に示す状態)から、30度程度であり、シリンダ84の突き出し量を油圧や空気圧等で制御することで適宜の角度に固定される。本実施例においては、上記足支持部フレーム80が足台支持装置に相当する。
また、上記の足支持部フレーム80の上端部側には、足台82側に突き出して設けられたコの字型の一対の脚部安全柵88,88が備えられている。脚部安全柵88は、患者の足が足台上から脱落することを防止するためのものである。この脚部安全柵88は、足支持部フレーム80に固定的に取り付けられてもよいが、体幹部安全柵72と同様に、ヒンジによって足支持部フレーム80の軸心周りの回動可能に取り付けられてもよい。回動可能に構成すれば、例えば、患者を車椅子10上に乗せる際に足の移動が容易になる利点がある。
なお、図2において、90はブレーキレバーであり、これを後方に倒し、或いは、後方に向かって伸びる連結杆92の後端に回動可能に取り付けられたペダル94を押し下げることによって、車椅子10の制動が可能である。
図6〜図10は、以上のように構成された車椅子10を用いて患者96の摂食・嚥下訓練を行う場合の車椅子10の作動を説明する模式図である。なお、訓練を行うに際しては、対象の患者96を例えば病室から車椅子10に乗せて、訓練室に移動する。このとき、本実施例においては、訓練用の椅子が車椅子10であることから、訓練室に移動すると、これに搭乗したまま、直ちに訓練を開始できる利点がある。すなわち、訓練室での乗換えが無用であることから、医師等や患者96の負担が軽減される。
図6は、患者96が通常の座位で着座した訓練前の姿勢を表している。図示のように、座席18全体は、そのやや下方に設けられた回動軸周りに角度αだけ回動可能であり、背もたれ部34は、その下端部の回動軸周りに角度βだけ傾動可能であり、座部32は、その略中心を通る軸心周りに角度γだけ回動可能であり、足支持部36は、座部32の前端部に設けられた回動軸周りに角度δだけ傾動可能である。
図7は、図6の平常状態から背もたれ部34を傾動(リクライニング)させた状態を示している。背もたれ部34の傾動に伴い、患者96はその傾動角度に応じた仰臥位になる。
図8は、図7の状態から座席18全体を傾動(ティルト)させた状態を示している。座席18の傾動に伴い、患者96はその傾動角度に応じて更に上方に向かう仰臥位となる。例えば、訓練に際して患者96に30度仰臥位を取らせる場合には、この図8に示す姿勢が30度仰臥位になるように、背もたれ部34の傾動角度を、上記座席18全体の傾動角度を考慮して設定することになる。なお、この傾動作動では、患者96の上体と下肢との為す角度は図7と同一である。
図9は、図8の状態から足支持部36を傾動(エレベーティング)させた状態を示している。この傾動作動では、患者96の上体と下肢との為す角度は図7、図8と同一のままであるが、膝が伸びて上腿部と下腿部との為す角度が大きくなる。なお、足支持部36の傾動作動により膝が伸びると、膝が座面から浮き、下腿部が下腿クッション84から離れていく傾向になるが、簡便に、図8においても、図7と同様に、下腿部が足支持部36の下腿クッション84に密着した状態で描いた。
図10は、図9の状態から座部32および足支持部36を座席18の左周りに90度回動させた状態を示している。本実施例の車椅子10では、前述したように、座部32が背もたれ部34とは独立してその座面に垂直な回動軸周りに回動可能であり、その座部32に取り付けられた足支持部36はその座部32に伴って背もたれ部34に対して回動させられる。そのため、患者96に30度仰臥位を取らせたまま、座部32および足支持部36を座面に垂直な回動軸周りに回動させることにより、頸部を仰向きに保ったまま、その体幹部を横向きに回旋させることができる。これにより、摂食・嚥下訓練に必要な「30度仰臥位体幹部回旋」の姿勢が得られる。
因みに、例えば介護ベッド上で患者96にこのような姿勢を取らせようとすると、ベッドを傾動させた後、医師等が患者96の体幹部を慎重に回旋させる必要がある。患者96の体幹部は、ベッドの上で摩擦されながら回旋することになるから、医師等および患者96の負担が著しい。そのため、「30度仰臥位体幹部回旋」の姿勢が訓練に適切と考えられていても、容易にはその姿勢で摂食・嚥下訓練させることができない状況にあった。本実施例によれば、上述したように、極めて容易に患者96の姿勢を「30度仰臥位体幹部回旋」とすることができる。
しかも、このように車椅子10上で「30度仰臥位体幹部回旋」の姿勢を取らせることができることから、例えば、訓練中にX線撮影を実施して、訓練効果を確認することも容易である。X線撮影方向は、背部に対して直角方向の正面からの撮影と、背部に平行な横方向からの撮影が基本である。なお、正面撮影の場合には、真正面に限られず、やや頭部方向またはやや胸部方向から食道等を撮影する。この場合において、本実施例によれば、前記のように背もたれフレーム62が構成されており、連結杆68,70の位置が設定されていることから、X線が背部後方裏面の金属に干渉しないように撮影することが容易である。
なお、上記の図6〜図10の訓練姿勢のための車椅子10の作動において、背もたれ部34の傾動、座席18の傾動、足支持部36の傾動は、図示の順序に限られない。患者の状態や取らせようとする姿勢に応じて、これらの順序を変更することができ、また、各作動のうちの一部のみを実施して、その後に体幹部の回旋のための座部32の回動を行ってもよい。例えば、患者96が足台82を上昇させないと「30度仰臥位体幹部回旋」姿勢が困難な場合には、足支持部36の傾動が必要であるが、そうで無い場合には、省略しても訓練に特に支障はない。
また、座部32を回動させて、患者96に図10に示す体幹部回旋状態を取らせるに先立ち、回動方向に備えられている体幹部安全柵72が外側に向かうように回動させられ、後方に倒れた開放状態とされる。これにより、座部32の回動時において、患者96の脚部がその体幹部安全柵72に干渉することが防止される。この体幹部安全柵72の開放は、座部32の回動の直前に行えば十分であるが、背もたれ部34の傾動や座席18の傾動の前に行っても差し支えない。
また、実施例においては、患者96の頭部が背もたれクッション64に直接乗る状態になっているが、枕を背もたれ部32に取り付けて、頭部を背もたれクッション64から浮かせる姿勢とすることも可能である。このようにすれば、頭部(頸部)を訓練に一層好適な体幹に対してやや前屈させた「頸部前屈」姿勢にすることが容易になると共に、頭部と背もたれクッション64との間隔の大きさに応じて、体幹部の回旋が容易になる。
また、図10では、患者96の下腿部が座席18の傾斜に従って図における右方向に流れた状態となっていたが、患者96の姿勢を一層適切なものとするために、例えば、足が流れないようにクッションを傾斜方向の下方に配置することもできる。
要するに、本実施例においては、座部32および足台82が同期し且つ背もたれ部34とは独立して座面に垂直な軸心周りの回動可能に座部回動装置38等に支持されると共に、その背もたれ部34が水平方向の軸心周りの傾動可能に座席傾動フレーム24および背もたれ傾動シリンダ74等によって支持されることから、背もたれ部34を所望する角度に傾斜させると共に、座部32および足台82を座面に垂直な軸心回りに、すなわちその背もたれに対して回動させることができる。
そのため、患者96を車椅子10に座らせて、背もたれ部34を傾動させると共に座部32および足台82を回動させることにより、その患者96に適宜の角度に前屈する仰臥位を取らせ、且つ、頸部を上方に向けたまま体幹を頸部に対して適宜の角度だけ回旋させることができる。このとき、足台82が座部32と同期して回動することから、患者96の下腿も体幹と同時に頸部に対して回旋させられるので、体幹を無理なく回旋させることができる。したがって、患者96に摂食・嚥下訓練に適した姿勢を容易に取らせることができるので、患者96の負担が軽減されると共に、医師や看護士等の労力が軽減される。
以上、本発明を図面を参照して詳細に説明したが、本発明は更に別の態様でも実施でき、その主旨を逸脱しない範囲で種々変更を加え得るものである。
10 車椅子
12 前輪
14 後輪
16 ベースフレーム
18 座席
20 補助輪
22 補助輪
24 座席傾動フレーム
26 第1連結突部
28 第2連結突部
30 座席傾動シリンダ
32 座部
34 背もたれ部
36 足支持部
38 座部回動装置
39 座面
40 座部フレーム
41 座板
42 座部クッション
44 ボールローラー
46 回転板
48 位置決め円板
50 位置決め孔
52 位置決めピン
54 フレーム部材
56 連結部材
58 フレーム部材
60 横木
62 背もたれフレーム
64 背もたれクッション
65 背受面
66 支柱
68 第1連結杆
70 第2連結杆
72 体幹部安全柵
74 背もたれ傾動シリンダ
76 ヒンジ
78 角度表示装置
80 足支持部フレーム
82 足台
84 下腿クッション
86 下腿傾動シリンダ
88 脚部安全柵
90 ブレーキレバー
92 連結杆
94 ペダル
96 患者

Claims (7)

  1. 座部、背もたれ、および利用者の足を受ける足台を基台上に備え、その利用者の摂食・嚥下訓練に用い得る訓練用車椅子であって、
    前記座部の座面の略中心部をその座面に垂直に通る所定の第1軸心周りにおいて前記背もたれとは独立して回動可能にその座部を支持する座部支持装置と、
    前記背もたれの下端部において背受け面に沿い且つ水平方向に沿って伸びる第2軸心周りの傾動可能にその背もたれを支持する背もたれ支持装置と、
    前記座部に同期して前記第1軸心周りにおいて前記背もたれとは独立して回動可能に前記足台を支持する足台支持装置と
    を、含むことを特徴とする摂食・嚥下訓練用車椅子。
  2. 前記座部と前記足台との間に利用者の下腿を背面側から受ける下腿支持部を有すると共に、その下腿支持部を前記座部側に位置する上端部周りに回動させてその下端側を上昇させる傾動上昇機構を備えたものである請求項1の摂食・嚥下訓練用車椅子。
  3. 前記座部は移動用の複数個の車輪の上端よりも上方に位置するものである請求項1または請求項2の摂食・嚥下訓練用車椅子。
  4. 前記座部を予め定められた複数の回動位置で固定するための座部回動角度固定装置を備えたものである請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の摂食・臙下訓練用車椅子。
  5. 前記背もたれを予め定められた複数の傾斜角度で固定するための背もたれ角度固定装置を備えたものである請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の摂食・臙下訓練用車椅子。
  6. 前記背もたれに沿ってその側方に取り付けられ、且つ、利用者の体幹の側方への動きを制限する閉鎖状態とその側方への動きを許容する開放状態との間で変更が可能な体幹部安全柵を備えたものである請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の摂食・臙下訓練用車椅子。
  7. 前記背もたれは、両側部に一対の支柱を有し且つそれらを連結する連結杆の長さ方向中央位置に傾動角度変更のためのシリンダを配置したものである請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載の摂食・臙下訓練用車椅子。
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