JP5878072B2 - ガス化ガス発電プラントにおけるガス化原料搬送用排気ガス中残留酸素濃度の低減方法並びに低減のための燃料供給条件決定方法及び燃料供給条件決定プログラム - Google Patents

ガス化ガス発電プラントにおけるガス化原料搬送用排気ガス中残留酸素濃度の低減方法並びに低減のための燃料供給条件決定方法及び燃料供給条件決定プログラム Download PDF

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本発明は、ガス化ガス発電プラントにおけるガス化原料搬送用排気ガス中残留酸素濃度の低減方法並びに低減のための燃料供給条件決定方法及び燃料供給条件決定プログラムに関する。さらに詳述すると、本発明は、ガスタービンから排出された燃焼排気ガスの一部を希釈剤としてリサイクルすると共に他の一部をガス化炉へのガス化原料搬送用媒体として使用するガス化ガス発電プラントにおいて適用して好適な技術に関する。
近年、エネルギー資源の多様化と高効率発電とを目的として石炭ガス化複合発電(以下、IGCCとも表記する)技術の開発が進められている。一方、地球環境問題への対応から、二酸化炭素(CO2)回収機構を組み合わせた発電システムとすることも求められている。
そこで、これら要望に応えるため、IGCCに閉サイクルガスタービンとCO2回収機構とを組み合わせたCO2回収型IGCCシステムが提案されている(図7参照;非特許文献1)。このシステムは、一酸化炭素(CO)と水素(H2)とを主成分とするCO2添加酸素(O2)吹き石炭ガス化ガス燃料をO2によって量論比燃焼させ、生成される高温の燃焼ガスをCO2と水(H2O)とを主成分とするガスタービン燃焼排気ガスで希釈して所定の温度に調整するという排ガス循環・O2量論比燃焼による閉サイクルガスタービンを構成するものである。
ここで、上記CO2回収型IGCCシステムでは、ガスタービン燃焼排気ガスの一部はCO2を回収して系外へ排出され、残りはリサイクルされてガスタービン燃焼器に希釈剤として供給され約3000℃になる燃焼温度を所定の温度(例えば、1300℃級ガスタービンの場合、膨張タービンの初段動翼入口で1220℃程度)に調整する。すなわち、ガスタービン燃焼排気ガスを循環させる閉サイクルガスタービンでは、CO2及びH2Oを主成分とする燃焼排気ガスを作動媒体とするガスタービン燃焼を実現することにより、CO2回収に伴うプラント熱効率の低下を抑制するIGCCが実現される。
上述のCO2回収型IGCCシステムでは、ガスタービン燃焼器において、CO成分が多い石炭ガス化ガス燃料をO2で量論比燃焼させると共に燃焼排気ガスのリサイクルによって燃焼温度を調整するために燃焼反応が抑制されて十分な燃焼効率を得ることが難しい。
そして、排ガス循環による閉サイクルガスタービンにおけるガスタービン燃焼器では、運用上の酸素供給条件(当量比)の下でガスタービン燃焼器で完全燃焼したと仮定しても燃焼器の出口排気ガス中には0.3〜2.7〔vol%〕程度のO2が残留する。実際には排ガス循環による石炭ガス化ガス・O2量論比燃焼ガスタービン燃焼器では燃焼効率を(ほぼ)100%とする完全燃焼は非常に困難であるので、排気ガス中には例えば2〜3〔vol%〕のO2が残留する。
電力中央研究所報告「CO2回収型高効率石炭ガス化複合発電システムの提案とその課題」,研究報告:M07003,財団法人電力中央研究所,2007年
しかしながら、非特許文献1のIGCCシステムでは、ガスタービン燃焼排気ガスの一部をガス化炉への石炭搬送用媒体として使用するので、石炭搬送中の燃焼反応・酸化反応等による発熱や搬送石炭の発火などを防止するために燃焼排気ガス中の残留O2成分をできる限り減少させなければならないという問題がある。
そこで、本発明は、ガス化ガス発電プラントを対象とし、ガス化設備へのガス化原料搬送用媒体として使用するガスタービン燃焼排気ガス中の残留O2濃度を低減させることができる技術を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するため、請求項1記載のガス化ガス発電プラントにおけるガス化原料搬送用排気ガス中残留酸素濃度の低減方法は、ガス化原料をガス化剤でガス化するガス化設備と、当該ガス化設備で生成されたガス化ガスを精製するガス精製設備と、当該ガス精製設備で精製されたガス化ガスを主燃料として酸化剤によって燃焼させるガスタービン燃焼器と、当該ガスタービン燃焼器から排出される燃焼排気ガスによって駆動するガスタービンとを有し、当該ガスタービンから排出された燃焼排気ガスの一部を当該ガスタービンの作動媒体としてリサイクルすると共に他の一部をガス化設備にガス化原料を搬送する媒体として使用するガス化ガス発電プラントにおいて、ガス化設備にガス化原料を搬送する媒体として使用する前の燃焼排気ガスにガス精製設備で精製されたガス化ガスの一部又は当該ガス化ガスから抽出された水素及び/若しくは一酸化炭素を供給するようにしている。
また、請求項2記載のガス化ガス発電プラントにおけるガス化原料搬送用排気ガス中残留酸素濃度の低減方法は、ガス化原料をガス化剤でガス化するガス化設備と、当該ガス化設備で生成されたガス化ガスを精製するガス精製設備と、当該ガス精製設備で精製されたガス化ガスを主燃料として酸化剤によって燃焼させるガスタービン燃焼器と、当該ガスタービン燃焼器から排出される燃焼排気ガスによって駆動するガスタービンとを有し、当該ガスタービンから排出された燃焼排気ガスの一部を当該ガスタービンの作動媒体としてリサイクルすると共に他の一部をガス化設備にガス化原料を搬送する媒体として使用するガス化ガス発電プラントにおいて、ガス化設備にガス化原料を搬送する媒体として使用する前の燃焼排気ガスにガス精製設備で精製されたガス化ガスの一部又は当該ガス化ガスから抽出された水素及び/若しくは一酸化炭素と炭化水素とのうちの少なくとも一方を供給するようにしている。
したがって、これらのガス化ガス発電プラントにおけるガス化原料搬送用排気ガス中残留酸素濃度の低減方法によると、ガス化ガス発電プラントにおけるガスタービン燃焼器の燃料として用いるガス化ガスをガス化原料搬送用媒体として用いるガスタービン燃焼排気ガスに供給するようにしているので、前記燃焼排気ガス中の酸素濃度が低減する。
また、請求項3記載の発明は、請求項1または2記載のガス化ガス発電プラントにおけるガス化原料搬送用排気ガス中残留酸素濃度の低減方法において、ガス化設備にガス化原料を搬送する媒体として使用する分として分割された後の燃焼排気ガスに、ガス精製設備で精製されたガス化ガスの一部又は当該ガス化ガスから抽出された水素及び/若しくは一酸化炭素と炭化水素とのうちの少なくとも一方を供給するようにしている。この場合には、燃焼排気ガス中の酸素濃度を低減させるために分解することが必要な酸素の量が非常に少ないために供給するガス化ガス,炭化水素の量も少なくて済む。
また、請求項4記載のガス化ガス発電プラントにおけるガス化原料搬送用排気ガス中残留酸素濃度の低減のための燃料供給条件決定方法は、ガス化原料をガス化剤でガス化するガス化設備と、当該ガス化設備で生成されたガス化ガスを精製するガス精製設備と、当該ガス精製設備で精製されたガス化ガスを主燃料として酸化剤によって燃焼させるガスタービン燃焼器と、当該ガスタービン燃焼器から排出される燃焼排気ガスによって駆動するガスタービンとを有し、当該ガスタービンから排出された燃焼排気ガスの一部を当該ガスタービンの作動媒体としてリサイクルすると共に他の一部をガス化設備にガス化原料を搬送する媒体として使用するガス化ガス発電プラントにおけるガス化原料搬送用排気ガス中残留酸素濃度の低減のための燃料供給条件決定方法であり、ガス化設備にガス化原料を搬送する媒体として使用する前のガスタービン燃焼排気ガスの酸素濃度を計測するステップと、ガスタービン燃焼排気ガスの酸素濃度と酸素濃度閾値とに基づいて酸素濃度の低減率を算定するステップと、ガス精製設備で精製されたガス化ガス及び炭化水素のガスタービン燃焼排気ガスへの供給に関する供給前提条件としてガスタービン燃焼排気ガスに供給するガス化ガスと炭化水素との合計に対するガス化ガスの割合及びガスタービン燃焼排気ガス中の酸素成分の分解の反応時間の設定を行うステップと、酸素濃度の低減率と供給前提条件とに基づいてガスタービン燃焼排気ガス中の酸素成分の分解に必要とされる反応温度を算定するステップと、反応温度がガス化ガス発電プラントのガス化ガスと炭化水素とを供給する地点における実際の排気ガス温度以下であるか否かの判定を行うステップとを有するようにしている。
また、請求項5記載の発明は、請求項4記載のガス化ガス発電プラントにおけるガス化原料搬送用排気ガス中残留酸素濃度の低減のための燃料供給条件決定方法において、酸素濃度の低減のために供給されるガス化ガスとして当該ガス化ガスから抽出された水素と一酸化炭素とのうちの少なくとも一方が用いられるようにしている。
また、請求項6記載のガス化ガス発電プラントにおけるガス化原料搬送用排気ガス中残留酸素濃度の低減のための燃料供給条件決定プログラムは、ガス化原料をガス化剤でガス化するガス化設備と、当該ガス化設備で生成されたガス化ガスを精製するガス精製設備と、当該ガス精製設備で精製されたガス化ガスを主燃料として酸化剤によって燃焼させるガスタービン燃焼器と、当該ガスタービン燃焼器から排出される燃焼排気ガスによって駆動するガスタービンとを有し、当該ガスタービンから排出された燃焼排気ガスの一部を当該ガスタービンの作動媒体としてリサイクルすると共に他の一部をガス化設備にガス化原料を搬送する媒体として使用するガス化ガス発電プラントにおけるガス化原料搬送用排気ガス中残留酸素濃度の低減のための燃料供給条件を決定する処理を行うプログラムであり、ガス化設備にガス化原料を搬送する媒体として使用する前のガスタービン燃焼排気ガスの酸素濃度の計測値データの入力を受ける手段、ガスタービン燃焼排気ガスの酸素濃度と酸素濃度閾値とに基づいて酸素濃度の低減率を算定する手段、ガス精製設備で精製されたガス化ガス及び炭化水素のガスタービン燃焼排気ガスへの供給に関する供給前提条件としてガスタービン燃焼排気ガスに供給するガス化ガスと炭化水素との合計に対するガス化ガスの割合及びガスタービン燃焼排気ガス中の酸素成分の分解の反応時間の設定を行う手段、酸素濃度の低減率と供給前提条件とに基づいてガスタービン燃焼排気ガス中の酸素成分の分解に必要とされる反応温度を算定する手段、反応温度がガス化ガス発電プラントのガス化ガスと炭化水素とを供給する地点における実際の排気ガス温度以下であるか否かの判定を行う手段としてコンピュータを機能させるようにしている。
また、請求項7記載の発明は、請求項6記載のガス化ガス発電プラントにおけるガス化原料搬送用排気ガス中残留酸素濃度の低減のための燃料供給条件決定プログラムにおいて、酸素濃度の低減のために供給されるガス化ガスが当該ガス化ガスから抽出された水素と一酸化炭素とのうちの少なくとも一方であるようにしている。
したがって、これらのガス化ガス発電プラントにおけるガス化原料搬送用排気ガス中残留酸素濃度の低減のための燃料供給条件決定方法及び燃料供給条件決定プログラムによると、ガスタービン燃焼排気ガスをガス化原料搬送用媒体として用いる際の前記燃焼排気ガス中の酸素濃度を低減させるためのガス化ガスと炭化水素との合計に対するガス化ガスの割合が決定される。
本発明のガス化ガス発電プラントにおけるガス化原料搬送用排気ガス中残留酸素濃度の低減方法によれば、ガスタービン燃焼排気ガスをガス化原料搬送用媒体として用いる際の前記燃焼排気ガス中の酸素濃度を低減させることができるので、閉サイクルガスタービンとしての利点・特徴に影響を与えることなく、ガス化原料を搬送する媒体としてのガスタービン燃焼排気ガスの使用の安全性の向上を図ることが可能になる。
本発明のガス化ガス発電プラントにおけるガス化原料搬送用排気ガス中残留酸素濃度の低減方法によれば、さらに、燃焼排気ガス中の酸素濃度を低減させるために供給するガス化ガス,炭化水素の量を少なくすることができるので、ガス化ガス発電プラントの運転条件や熱効率等の仕様・性能に与える影響を小さくすることが可能になる。
また、本発明のガス化ガス発電プラントにおけるガス化原料搬送用排気ガス中残留酸素濃度の低減のための燃料供給条件決定方法及び燃料供給条件決定プログラムによれば、ガスタービン燃焼排気ガスをガス化原料搬送用媒体として用いる際の前記燃焼排気ガス中の酸素濃度を低減させるためのガス化ガスと炭化水素との合計に対するガス化ガスの割合を決定することができるので、ガス化ガス発電プラントの安全で良好な運転条件を決定することが可能になる。
実施形態のガス化ガス発電プラントを示す概略構成図である。 本発明のガス化ガス発電プラントにおけるガス化原料搬送用排気ガス中残留酸素濃度の低減のための燃料供給条件決定方法をガス化ガス発電プラントにおけるガス化原料搬送用排気ガス中残留酸素濃度の低減のための燃料供給条件決定プログラムによって実現する場合の実施形態の一例を説明するフローチャートである。 ガス化ガス発電プラントにおけるガス化原料搬送用排気ガス中残留酸素濃度の低減のための燃料供給条件決定方法をプログラムを用いて実施する場合のコンピュータの機能ブロック図である。 炭化水素燃料を供給して酸素成分を分解する場合の反応時間と排気ガス中の酸素濃度の低減率との間の関係の例を示す図である。 ガス化ガスを供給して酸素成分を分解する場合のガス化ガスの割合と反応時間と排気ガス中の酸素濃度の低減率との間の関係の例を示す図である。 ガス化ガスを供給して酸素成分を分解する場合の酸素濃度の低減率を90%とする反応時間の例を示す図である。(A)は反応温度を600〔℃〕としたときのガス化ガスの割合との間の関係の例を示す図である。(B)反応温度との間の関係の例を示す図である。 従来の二酸化炭素回収型石炭ガス化複合発電プラントを示す概略構成図である。
以下、本発明の構成を図面に示す実施の形態の一例に基づいて詳細に説明する。
図1から図6に、本発明のガス化ガス発電プラントにおけるガス化原料搬送用排気ガス中残留酸素濃度の低減方法並びに低減のための燃料供給条件決定方法及び燃料供給条件決定プログラムの実施形態の一例を示す。なお、本実施形態では、本発明を図1に全体構成を示す発電プラントに適用した場合を例に挙げて説明する。
本実施形態の発電プラントは、ガス化原料としての石炭Cをガス化剤としての酸素O2でガス化するガス化設備としてのガス化炉2と、当該ガス化炉2で生成された石炭ガス化ガスCG1を精製するガス精製設備3と、当該ガス精製設備3で精製された石炭ガス化ガスCG2を主燃料として酸素を主成分とする酸化剤によって燃焼させるガスタービン燃焼器5と、当該ガスタービン燃焼器5から排出される燃焼排気ガスFGによって駆動するガスタービン6と、当該ガスタービン6に結合されて電力を出力する発電機9Aと、ガスタービン6から排出された燃焼排気ガスGの一部(燃焼排気ガスGr)をガスタービン6の作動媒体としてリサイクルすると共に残りの燃焼排気ガスGpのうちの一部(燃焼排気ガスGc)をガス化炉2へのガス化原料(石炭C)搬送用媒体として使用しつつその他(燃焼排気ガスGd)を系外に排出する際にCO2を回収するCO2回収設備12とを有し、CO2添加O2吹き石炭ガス化ガス燃料をO2によって燃焼させ、ガスタービン燃焼排気ガスGの一部(燃焼排気ガスGp=Gd+Gc)はCO2を回収して系外に排出し或いはガス化炉2へのガス化原料搬送用媒体として使用し、残り(燃焼排気ガスGr)はリサイクルしてガスタービン燃焼器5に供給して燃焼温度を調整して燃焼排気ガスFGをガスタービン6に導入する閉ループを構成する。
すなわち、本実施形態の発電プラントにおける閉サイクルガスタービンは、CO2とH2Oとを主成分とする燃焼排気ガスFGを作動媒体とするガスタービン燃焼を実現することにより、CO2回収に伴うプラント熱効率の低下を抑制する石炭ガス化ガス発電を実現する。
本実施形態の発電プラントは、さらに、ガスタービン6から排出される高温の燃焼排気ガスGの熱を利用して水蒸気STを発生させる排熱回収ボイラ7と、当該排熱回収ボイラ7で発生した水蒸気STによって駆動される蒸気タービン10と、当該蒸気タービン10に結合されて電力を出力する発電機9Bとを含み、すなわち、石炭ガス化複合発電(IGCC)プラントとして構成されている。
なお、図1において、符号1はガス化炉2及びガスタービン燃焼器5で必要な酸素AO2を空気から生成する酸素製造設備、符号8はリサイクルされるガスタービン燃焼排気ガスGrを昇圧する圧縮機、符号11は給水加熱器、符号11aは復水器と復水ポンプ、符号13AはCO2が回収されるガスタービン燃焼排気ガスGdを昇圧する圧縮機、符号CDはガスタービン燃焼排気ガスGdから回収したCO2、符号FWは復水・給水、符号HGは圧縮後のリサイクル排気ガス(Gr)をそれぞれ表す。
また、給水加熱器11を通過したガスタービン燃焼排気ガスGの一部(燃焼排気ガスGp)の、CO2回収設備12又はガス化炉2への供給ライン上に、燃焼排気ガスGpを冷却すると共にハロゲンなどを除去するための水洗塔・汽水分離器14、冷却器・汽水分離器15、圧縮機13B,13Cが適宜設けられ、また、燃焼排気ガスGp中の水銀を除去する処理16が適宜行われる。
なお、排熱回収ボイラ7を通過した燃焼排気ガスG(そしてこれから分割されて給水加熱器11に案内される燃焼排気ガスGp)はCO2とH2Oとが大部分を占め、水洗塔・汽水分離器14や冷却器・汽水分離器15などを通過して処理されることにより、CO2が大部分(概ね95%以上)を占めると共に数%のO2が混入している状態になる。
ここで、本発明のベースとなる上述の二酸化炭素回収型石炭ガス化複合発電プラントの個々の設備・装置やそれらを連系させて構成されたシステム自体は周知の技術であるので(例えば、前掲の非特許文献1,特開平04-244504,特開平06-288262,特開2002-61517,特開2002-188457,特開2002-235556などを参照)、本発明に関連する構成を中心に以下に説明し、その他の詳細についてはここでは省略する。
ガス化炉2では、ガス化剤としての酸素AOを供給することによってガス化原料としての石炭Cをガス化して石炭ガス化ガスCG1を発生させ、ガス精製装置3によって脱塵・脱硫してガスタービン燃焼器5に供給する石炭ガス化ガスCG2を生成する。ガス化炉2の負荷が上昇して所定以上の品位の石炭ガス化ガスCG2が生成されるようになると、これをガスタービン燃焼器5に供給する。
なお、本発明におけるガス化原料は、石炭Cに限定されるものではなく、例えば石油,バイオマス,廃棄物などでも良い。また、本発明におけるガス化剤は、酸素O2に限定されるものではなく、例えば空気,酸素富化空気などでも良い。
ガスタービン燃焼器5は、ガスタービン燃焼排気ガスGをリサイクルした燃焼排気ガスGr中で石炭ガス化ガスCG2を酸素燃焼させる。
ガスタービン6はガスタービン燃焼器5から排出される燃焼排気ガスFGを作動媒体として駆動し、これによって発電機9Aにおいて発電が行われる。
ガスタービン6から排出される高温の燃焼排気ガスGは、排熱回収ボイラ7で給水FWに熱を受け渡して水蒸気STを発生させる。当該水蒸気STは蒸気タービン10に案内されて当該蒸気タービン10を駆動し、これによって発電機9Bにおいて発電が行われる。
排熱回収ボイラ7を通過したガスタービン燃焼排気ガスGは、排ガスダンパ18の開度を調整することにより、圧縮機8に案内される燃焼排気ガスGrと給水加熱器11に案内される燃焼排気ガスGpとに分割される。
圧縮機8に案内された燃焼排気ガスGrは圧縮されて高圧排気ガスHGとしてガスタービン燃焼器5に供給される。すなわち、排熱回収ボイラ7を通過してから圧縮機8に案内される燃焼排気ガスGrはリサイクル排気ガスである。
なお、本実施形態では、圧縮機8によって圧縮された後の高圧排気ガスHGを、排熱回収ボイラ7に熱を渡す再生熱交換器17を通過させてからガスタービン燃焼器5に供給するようにしている。これにより、熱効率が大幅に向上する。
一方、給水加熱器11に案内された燃焼排気ガスGpは、給水FWに熱を渡して冷却された後、水洗塔・汽水分離器14→圧縮機13B→水銀除去処理16→冷却器・汽水分離器15→圧縮機13Cを経て、流量コントロールバルブ19の開度調整などにより、水銀やハロゲンなどを除去した後に貯留を目的に系外に排出されるCO2を主成分とする燃焼排気ガスGdと、ガス化炉2へのガス化原料搬送用媒体として使用されるCO2を主成分とする燃焼排気ガスGcとに分割される。
CO2回収・系外排出対象の燃焼排気ガスGdは、CO2回収設備12に案内されてCO2が回収された後、煙突(図示省略)から系外に排出される。なお、本発明においてガス化ガス発電プラントがCO2回収設備12を備えることは必須の要件ではなく、ガス化ガス発電プラントがCO2回収設備12を備えていないとしても本発明は適用可能である。
一方、ガス化原料搬送用媒体としての燃焼排気ガスGcは、ガス化原料としての石炭Cをガス化炉2に搬送するためのガス化原料搬送用ガスとしてガス化炉2へのガス化原料供給ライン4に供給される。このガス化原料搬送用排気ガスGcはガス化原料と共にガス化炉2に投入されてガス化剤の一部になる。
なお、排ガスダンパ18によるガスタービン燃焼排気ガスGのリサイクル排気ガスGrと他の燃焼排気ガスGpとへの分割の割合や、流量コントロールバルブ19による前記他の燃焼排気ガスGpのCO2回収・系外排出対象排気ガスGdとガス化原料搬送用排気ガスGcとへの分割の割合は、二酸化炭素回収型石炭ガス化複合発電プラント全体としての設計条件や仕様などに基づいて適宜設定されるものであって特定の割合に限定されるものではない。具体的には例えば、CO2回収・系外排出対象排気ガスGdとガス化原料搬送用排気ガスGcとの分割の割合が9:1で、最終的に、ガス化原料搬送用排気ガスGcとして、ガスタービン燃焼排気ガスG全体のおよそ1〜2%程度が使用される。
ここで、例えば本実施形態のような排ガス循環による石炭ガス化ガス・O2量論比燃焼を行うガスタービン燃焼器5から排出される燃焼排気ガスFG中には、実際上は当量比運転を行って、概ね0.3〜3〔vol%〕のO2が残留する。そして、O2濃度が高い濃度で残留する場合には、ガスタービン燃焼排気ガスGをそのままガス化原料搬送用排気ガスGcとして使用すると、搬送中にガス化原料(石炭C)が燃焼反応・酸化反応などを起こしてしまうという問題がある。このため、ガス化炉2へのガス化原料供給ライン4に供給する前に、ガス化原料搬送用排気ガスGc中の残留O2濃度をガス化原料(石炭C)が搬送中に燃焼反応や酸化反応などを起こさない程度までは少なくとも低減させるように制御する必要がある。
一方、ガス精製設備3によって精製された後の石炭ガス化ガスCG2については、ガス化原料(石炭,重油,バイオマス,廃棄物など)によってその組成は異なり、また、ガス化方式やプラントの負荷によっても組成が変化するものであるが、通常は一酸化炭素(CO)と水素(H2)とが比較的多く含まれる。また、石炭ガス化ガスCG2を、水蒸気シフト反応を利用してH2リッチな燃料にする技術もあり、本発明においては石炭ガス化ガスCG2をH2リッチな燃料にしてから以下の工程を経るようにしても良い。
そこで、本発明のガス化ガス発電プラントにおけるガス化原料搬送用排気ガス中残留酸素濃度の低減方法は、ガス化炉2にガス化原料(石炭C)を搬送する媒体として使用する前(言い換えると、ガス化炉2へのガス化原料供給ライン4に供給する前)のガスタービン燃焼排気ガスにガス精製設備3で精製されたガス化ガスCG2の一部又は当該ガス化ガスCG2から抽出された水素及び/若しくは一酸化炭素を供給するようにしている。これにより、ガスタービン燃焼排気ガスG中のO2が分解される。
また、ガス化炉2にガス化原料(石炭C)を搬送する媒体として使用する前(言い換えると、ガス化原料供給ライン4に供給する前)のガスタービン燃焼排気ガスに、炭化水素のみ、或いは、ガス精製設備3で精製されたガス化ガスCG2の一部又は当該ガス化ガスCG2から抽出された水素及び/若しくは一酸化炭素と炭化水素との両方(或いは全て)を供給するようにしても良い。この場合も、ガスタービン燃焼排気ガスG中のO2が分解される。
本発明における炭化水素(Cnm)としては、例えばメタン(CH4)が挙げられる。なお、炭化水素は、例えば炭化水素の供給設備がプラント内の付帯設備として利用できる場合にはそれを利用して供給され、炭化水素の供給設備がプラント内の付帯設備として利用できない場合には系外からのものとして供給される。
なお、炭化水素を用いてのO2の分解では高温の反応温度が必要になる。具体的には例えば、CH4=100〔%〕を供給することによってO2を気相で触媒を用いることなく1秒程度で分解しようとすると800〜1000〔℃〕程度の反応温度が必要になる(図4参照)。一方で、COとH2とが大部分を占める石炭ガス化ガスCG2の場合にはO2の分解の反応温度が低減する。
(参考)
<CH4によってO2を分解する場合>
2+0.5CH4 → 0.5CO2+H2O(費消する熱量は4747〔kcal/m3〕)
<COによってO2を分解する場合>
2+2CO → 2CO2(費消する熱量は6036〔kcal/m3〕)
<H2によってO2を分解する場合>
2+2H2 → 2H2O(費消する熱量は6096〔kcal/m3〕)
図4は、燃焼排気ガス中の残留O2成分を分解するためにO2分解用燃料としてCH4燃料(CH4=100〔%〕)を供給した場合の反応速度論に基づく数値解析の結果図である。この図4においては反応温度をパラメータとして燃焼排気ガス中のO2成分の分解反応特性を比較して示している。
上述の反応速度論に基づく数値解析自体は周知の技術であるのでここでは詳細については省略するが、概略としては、残留O2の分解過程を反応動力学に基づいて数値解析するようにしており、数値解析にはMillerとBowmanとによって提案された素反応スキームを使用している(Miller,J.A. and Bowman,C.T., "Mechanism and modeling of nitrogen chemistry in combustion", Prog. Energy Combust. Sci., Vol.15, pp.287-338, 1989年 を参照)。
そして、図4に結果を示す数値解析では、燃焼排気ガスの組成を一定とし、表1に示す圧力条件(即ち、0.11〔MPa〕)のもとで燃焼排気ガス中の残留O2成分を分解するための燃料(CH4,CO,H2又はCOとH2との混合ガスであるガス化ガス燃料)を燃焼排気ガスに混合して反応動力学に基づく数値解析によって素反応を構成する化学種51成分の反応過程を計算している。数値解析で用いられ得る数値解析のための条件例を表1に示す。表1には、O2成分を分解するための燃料としてCH4を混合した場合のガス組成の例を示している。また、反応温度については、反応温度がO2成分の分解特性に及ぼす影響を検討するため、300〜1000〔℃〕の範囲で100〔℃〕ピッチで変化させたそれぞれの結果を図4に示している。
Figure 0005878072
図4に示す結果なども踏まえると、ガス化ガス発電プラントにおいては、CH4などの炭化水素(Cnm)のみを供給してO2を分解させる仕組みが有効であると考えられ、他にも、ガス化ガス発電プラントのガス化炉2へのガス化原料供給ライン4における燃焼排気ガスの温度を考慮すると、炭化水素に加えて石炭ガス化ガスCG2を供給してO2を分解させる仕組みも有効であると考えられる。そして、両者を比較すると、炭化水素のみを供給する方が熱効率を高くできる点において有利であり、一方、炭化水素に加えて石炭ガス化ガスCG2も供給する方が気相且つ無触媒での反応温度を低減できる点において有利である。また、石炭ガス化ガスCG2のみを供給してO2を分解させる仕組みの場合には、CH4を供給するための付帯設備が不要であり、従来のガス化ガス発電プラントの系内で閉じたサイクルを構成し得る点で更に有利である。
ここで、ガスタービン燃焼排気ガスに対してガス化ガスCG2,炭化水素を供給する地点Sとしては、ガスタービン6の排気出口Sa(即ち、ガスタービン燃焼排気ガスGに対して供給する),排熱回収ボイラ7を通過し排ガスダンパ18によってリサイクル排気ガスGrと分割された後の給水加熱器11への案内ラインSb(即ち、燃焼排気ガスGpに対して供給する),給水加熱器11から流量コントロールバルブ19によってCO2回収・系外排出排気ガスGdとガス化原料搬送用排気ガスGcとに分割されるまでの供給ラインSc上のどこか(即ち、給水加熱器11を通過した後の燃焼排気ガスGpに対して供給する),流量コントロールバルブ19によってCO2回収・系外排出排気ガスGdと分割された後のガス化原料供給ライン4への案内ラインSd上のどこか(即ち、ガス化原料搬送用排気ガスGcに対して供給する)の四つが考えられる。
ガスタービン6の排気出口Saで供給する場合、すなわち、ガスタービン燃焼排気ガスGに対して供給する場合には、既存のガス化ガス発電プラントを参考にすると、1300℃〜1500℃級ガスタービンであればガスタービン燃焼排気ガスGの温度は680〜770〔℃〕程度になっており(例えば前掲の非特許文献1を参照)、十分な反応温度を確保することができる。また、ガスタービン6の排気出口Saから排熱回収ボイラ7までの間で反応時間として1秒程度は確保することができる。したがって、ガスタービン燃焼排気ガスG内の残留O2成分を分解することが可能である。
また、煙道に隔壁を設けて二分割し、排ガスダンパ18をガスタービン6の出口付近に設けておくことで、リサイクル排気ガスGrとCO2回収・系外排出排気ガスGdとに分割することができる。この場合、燃焼排気ガス中のO2分解用に供給するガス化ガスCG2又は炭化水素の量を低減することが可能になる。
また、排熱回収ボイラ7を通過し排ガスダンパ18によってリサイクル排気ガスGrと分割された後の給水加熱器11への案内ラインSbで供給する場合、すなわち、燃焼排気ガスGpに対して供給する場合には、燃焼排気ガスGpはガスタービン6の排気出口Saにおけるガスタービン燃焼排気ガスGと比べてガス温度は100〔℃〕程度と低いものの量は5分の1以下になっている。したがって、分解すべきO2の量が少ないので、必要に応じて熱交換器等により加温する場合などがあるものの、煙道を二分割するなどの付帯設備を設けること無く供給する炭化水素やガス化ガスの供給量を少なくすることができる利点がある。この場合、さらに、既設の設備に追設し易いなどの利点もある。
また、給水加熱器11から流量コントロールバルブ19によってCO2回収・系外排出排気ガスGdとガス化原料搬送用排気ガスGcとに分割されるまでの供給ラインSc上のどこかで供給する場合、すなわち、給水加熱器11を通過した後の燃焼排気ガスGpに対して供給する場合には、水洗塔・汽水分離器14又は冷却器・汽水分離器15によって水分が除去されるため、給水加熱器11を通過する前の燃焼排気ガスGpと比べてガス温度は50〜100〔℃〕程度と低いものの、水分が除去される分だけ量は減少する。また、圧縮機13B又は圧縮機13Cによって加圧されるために燃焼排気ガスGpの体積が小さくなっており、燃焼排気ガスGp中のO2分解用の設備を小型化することができるなどの利点がある。また、必要に応じて燃焼排気ガスGpを熱交換器などによって加温する場合があるものの、熱交換器を小型化することができるため、給水加熱器11の前に熱交換器を設置する構成と比べて実用化し易いという利点がある。
また、流量コントロールバルブ19によってCO2回収・系外排出排気ガスGdと分割された後のガス化原料供給ライン4への案内ラインSd上のどこかで供給する場合、すなわち、ガス化原料搬送用排気ガスGcに対して供給する場合には、ガス化原料搬送用排気ガスGcはガスタービン6の排気出口Saにおけるガスタービン燃焼排気ガスGと比べてガス温度は500〔℃〕を下回って低い(あくまで一例として挙げれば、非特許文献1では30〜110〔℃〕程度である)ものの量は100分の1程度になっている。したがって、分解すべきO2の量が非常に少ないので、供給する炭化水素と石炭ガス化ガスCG2との比率を調整することと、必要な場合には系内の熱を使ったりして加熱することとによってガス化原料搬送用排気ガスGc内の残留O2成分を分解することが可能である。
上述のように、ガス化原料供給ライン4への案内ラインSd上のどこか、言い換えると、ガス化原料搬送用排気ガスとして供給する分が分割された後の燃焼排気ガスにガス化ガスCG2,炭化水素を供給するようにすると、燃焼排気ガス中のO2濃度を低減させるために分解することが必要なO2の量が非常に少ないために供給するガス化ガスCG2,炭化水素の量も少なくて済むので、ガス化ガス発電プラントの運転条件や熱効率等の仕様・性能に与える影響が小さい点で好ましい。
続いて、本発明のガス化ガス発電プラントにおけるガス化原料搬送用排気ガス中残留酸素濃度の低減のための燃料供給条件決定方法及び燃料供給条件決定プログラムについて説明する。
本発明のガス化ガス発電プラントにおけるガス化原料搬送用排気ガス中残留酸素濃度の低減のための燃料供給条件決定方法(以下、単に燃料供給条件決定方法と表記する)は、ガス精製設備3で精製されたガス化ガスCG2の組成並びにガス化炉2にガス化原料(炭素C)を搬送する媒体として使用する前のガスタービン燃焼排気ガスの酸素濃度を計測するステップと、ガスタービン燃焼排気ガスの酸素濃度が酸素濃度閾値以下であるか否かを判定するステップと、ガスタービン燃焼排気ガスの酸素濃度と酸素濃度閾値とに基づいて酸素濃度の低減率を算定するステップと、供給前提条件としてガス化ガスCG2と炭化水素との合計に対するガス化ガスCG2の割合Rg及び反応時間の設定を行うステップと、酸素濃度の低減率と供給前提条件とに基づいて酸素分解の反応温度を算定すると共に酸素分解に必要なガス化ガスCG2,炭化水素の供給量を算定するステップと、反応温度がガス化ガス発電プラントのガス化ガスCG2と炭化水素とを供給する地点における実際の排気ガス温度以下であるか否かの判定を行うステップと、処理結果を表示するステップとを有するようにしている。
ここで、本発明においては、酸素濃度の低減のための酸素分解用に供給されるガス化ガスとして当該ガス化ガスから抽出された水素と一酸化炭素とのうちの少なくとも一方が用いられるようにしても良い。そして、以下の説明では単に「ガス化ガスCG2」と表記するが、ガス化ガスCG2から抽出されたものを酸素分解用供給燃料として用いる場合には以下の説明における酸素分解用供給燃料としての「ガス化ガスCG2」を「ガス化ガスCG2から抽出された水素と一酸化炭素とのうちの少なくとも一方」と読み替えることにより本発明は適用され得る。
なお、ガス化ガスからの水素(H2)や一酸化炭素(CO)の抽出自体は周知の技術であるのでここでは詳細については省略するが、具体的には例えば深冷分離法や物理吸着法や化学吸収法や水素分離膜を用いる方法などを利用して抽出することができる。これらの方法はいずれも周知の技術であるのでここでは各々について詳細については省略するが、例えば深冷分離法は、ガスを圧縮液化し蒸留によって他の不純物を除去してから水素や一酸化炭素を選択的に分離・回収する手法である。また、水素分離膜を用いる方法は、水素だけを透す水素透過膜を利用して水素を分離する方法である。この水素分離膜を用いる方法をガス化ガスCG2に適用した場合には、水素を抽出することができ、一方で、残ったガスは一酸化炭素が高いガスになる。
そして、上述の燃料供給条件決定方法は、本発明のガス化ガス発電プラントにおけるガス化原料搬送用排気ガス中残留酸素濃度の低減のための燃料供給条件決定プログラム(以下、単に燃料供給条件決定プログラムと表記する)をコンピュータ上で実行することによっても実現される。本実施形態では、燃料供給条件決定プログラムをコンピュータ上で実行することによって燃料供給条件決定方法が実施される場合を例に挙げて説明する。
燃料供給条件決定プログラムをコンピュータ上で実行することによって燃料供給条件決定方法を実施する場合のプログラムのフローチャートを図2に示す。
また、燃料供給条件決定プログラム37を実行するためのコンピュータ30の全体構成を図3に示す。このコンピュータ30は、制御部31、記憶部32、入力部33、表示部34及びメモリ35を備えて相互にバス等の信号回線によって接続されている。また、コンピュータ30には、通信回線・信号回線を介し、上述のガス化ガス発電プラントに関する種々の計測値データが入力される。
制御部31は記憶部32に記憶されている燃料供給条件決定プログラム37によってコンピュータ30全体の制御並びに燃料供給条件の決定に係る演算を行うものであり、例えばCPU(中央演算処理装置)である。
記憶部32は少なくともデータやプログラムを記憶可能な装置であり、例えばハードディスクである。入力部33は少なくとも作業者の命令を制御部31に与えるためのインターフェイスであり、例えばキーボードである。表示部34は制御部31の制御によって文字や図形等の描画・表示を行うものであり、例えばディスプレイである。メモリ35は制御部31が種々の制御や演算を実行する際の作業領域であるメモリ空間となるものであり、例えばRAM(Random Access Memory の略)である。
そして、コンピュータ30の制御部31には、燃料供給条件決定プログラム37を実行することにより、ガス精製設備3で精製されたガス化ガスCG2の組成の計測値データ並びにガス化炉2にガス化原料(炭素C)を搬送する媒体として使用する前のガスタービン燃焼排気ガスの酸素濃度の計測値データの入力を受けるデータ読込部31a、ガスタービン燃焼排気ガスの酸素濃度が酸素濃度閾値以下であるか否かを判定するO2濃度判定部31b、ガスタービン燃焼排気ガスの酸素濃度と酸素濃度閾値とに基づいて酸素濃度の低減率を算定するO2分解量算定部31c、供給前提条件としてガス化ガスCG2と炭化水素との合計に対するガス化ガスCG2の割合Rg及び反応時間の設定を行う供給前提条件設定部31d、酸素濃度の低減率と供給前提条件とに基づいて酸素分解の反応温度を算定する反応温度算定部31e及び酸素分解に必要なガス化ガスCG2,炭化水素の供給量を算定する供給量算定部31f、反応温度がガス化ガス発電プラントのガス化ガスCG2と炭化水素とを供給する地点における実際の排気ガス温度以下であるか否かの判定を行う反応温度判定部31g、処理結果を表示する結果表示部31hが構成される。
本発明の燃料供給条件決定方法の実施のためには、制御対象のガス化ガス発電プラントにおいて必要な計測が行われる。具体的には、本発明によって燃料供給条件を決定するためには、ガス精製設備3で精製されたガス化ガスCG2の組成、さらに、ガス化炉2へのガス化原料供給ライン4に供給されるガス化原料搬送用排気ガスGc中の酸素濃度、並びに、ガスタービン燃焼排気ガスにガス化ガスCG2,炭化水素を供給する地点(Sa,Sb,Sc,Sd)における排気ガス組成及び温度の情報が必要であり、各々について適当な装置・器具が用いられて計測が行われる。
なお、ガスタービン燃焼排気ガスにガス化ガスCG2,炭化水素を供給する地点については、当該供給を行うためにはガス化ガス発電プラントに対して対応する設備を設けるようにしなければならないので、予備的な検討や設備付設の可能性などを踏まえて一箇所若しくは複数箇所が予め選定される。また、ガス化ガスCG2,炭化水素を供給する地点として流量コントロールバルブ19からガス化原料供給ライン4への案内ラインSd上が選定された場合には、当然ながら、当該案内ラインSdにおける排気ガス組成及び温度の計測によってガス化原料搬送用排気ガスGc中の酸素濃度も分かることになる。
本実施形態では、ガスタービン燃焼排気ガスにガス化ガスCG2,炭化水素を供給する地点として、ガスタービン6の排気出口Sa(供給地点Saという)と、排ガスダンパ18から給水加熱器11への案内ラインSb(供給地点Sbという)と、給水加熱器11から流量コントロールバルブ19までの供給ラインSc上(供給地点Scという)と、流量コントロールバルブ19からガス化原料供給ライン4への案内ラインSd上(供給地点Sdという)との四つが選定されているとする。
そして、本実施形態の燃料供給条件決定方法の実行にあたっては、まず、制御部31のデータ読込部31aが、制御対象のガス化ガス発電プラントに関する計測値データの入力を受ける(S1)。
具体的には、データ読込部31aは、本実施形態では、ガス精製設備3で精製されたガス化ガスCG2の組成の計測値データ、並びに、供給地点Sa,Sb,Sc,Sdにおける排気ガスの組成及び温度の計測値データの入力を受ける。なお、供給地点Sdが選定されていない場合には、供給地点における排気ガスの組成及び温度の計測値データに加えて、ガス化炉2へのガス化原料供給ライン4に供給されるガス化原料搬送用排気ガスGc中の酸素濃度の計測値データの入力を受ける。
なお、本発明におけるガス化ガスCG2の組成や排気ガスの組成としては、具体的には例えばO2,H2O,CO,CO2,H2,CH4などの成分に着目して組成(構成比)が計測されてデータ読込部31aに入力される。
そして、データ読込部31aは、入力されたガス化ガスCG2の組成の計測値をメモリ35に記憶させると共に、供給地点Sa,Sb,Sc,Sdにおける排気ガスの組成及び温度の計測値を供給地点Sa,Sb,Sc,Sdと対応づけてメモリ35に記憶させる。
次に、制御部31のO2濃度判定部31bは、S1の処理によって入力された計測値に基づいてガス化原料搬送用排気ガスGc中のO2濃度がO2濃度閾値以下であるか否かの判定を行う(S2)。
具体的には、O2濃度判定部31bは、S1の処理においてメモリ35に記憶された供給地点Sdにおける排気ガス組成の計測値をメモリ35から読み込み、当該供給地点Sdにおける燃焼排気ガス(即ちガス化原料搬送用排気ガスGc)中のO2濃度を算定する。なお、供給地点Sdにおける燃焼排気ガスGc中のO2濃度が計測されている場合にはその計測値をそのまま以下の処理に用いる。
続いて、O2濃度判定部31bは、上述のガス化原料搬送用排気ガスGc中のO2濃度の算定値がO2濃度閾値以下であるか否かの判定を行う。
2濃度閾値は、ガス化炉2へのガス化原料の搬送用媒体として用いる排気ガス中の酸素濃度の上限値であり、搬送中にガス化原料が燃焼反応・酸化反応などを起こさないようにするための値として、ガス化原料の成分やガス化原料搬送用排気ガスGcの温度等を考慮して適宜設定される。そして、本実施形態では、O2濃度閾値は燃料供給条件決定プログラム37内に予め規定される。なお、O2濃度閾値については、S1の処理の段階で入力部33によって入力された作業者の指定値を用いるようにしても良いし、予め規定された値を入力部33によって入力された作業者の指定値に変更するようにしても良い。
そして、ガス化原料搬送用排気ガスGc中のO2濃度の算定値がO2濃度閾値以下である場合には(S2:Yes)、O2濃度判定部31bは燃料供給条件決定の処理過程をS1の処理に戻して供給地点Sa,Sb,Sc,Sdにおける排気ガスの組成及び温度の新たな計測値データの入力を待つ。
一方、O2濃度の算定値がO2濃度閾値よりも大きい場合には(S2:No)、O2濃度判定部31bは、ガス化原料搬送用排気ガスGc中のO2濃度の算定値をメモリ35に記憶させ、燃料供給条件決定の処理過程をS3の処理に進ませる。
そして、制御部31のO2分解量算定部31cは、ガス化原料搬送用排気ガスGc中のO2濃度をO2濃度閾値以下にするために必要なO2分解量の算定を行う(S3)。
具体的には、O2分解量算定部31cは、S2の処理においてメモリ35に記憶されたガス化原料搬送用排気ガスGc中のO2濃度の算定値をメモリ35から読み込み、当該O2濃度の算定値とO2濃度閾値とに基づいてガス化原料搬送用排気ガスGc中のO2濃度をO2濃度閾値以下にするために必要なO2濃度の低減率(言い換えると、濃度パーセントベースの低減パーセント)を算定する。
続いて、O2分解量算定部31cは、S1の処理においてメモリ35に記憶された供給地点Sa,Sb,Sc,Sd毎の排気ガス組成の計測値をメモリ35から読み込み、当該供給地点毎の排気ガス組成の計測値と前記算定されたガス化原料搬送用排気ガスGc中のO2濃度の低減率と供給地点毎の排気ガス流量データとに基づいて、ガス化原料搬送用排気ガスGcについて前記算定されたO2濃度の低減率を達成するために必要な供給地点毎のO2の分解量を算定する。
ここで、供給地点毎の排気ガス流量データについては、制御対象のガス化ガス発電プラントの設計条件や仕様などに基づいて設定するようにしても良いし、実際に計測して得られた計測値データを用いるようにしても良い。
そして、O2分解量算定部31cは、算定したガス化原料搬送用排気ガスGc中のO2濃度の低減率及び供給地点Sa,Sb,Sc,Sd毎のO2の分解量をメモリ35に記憶させる。
次に、制御部31の供給前提条件設定部31dは、ガスタービン燃焼排気ガスへのガス化ガスCG2,炭化水素の供給の仕方に関する前提条件の設定を行う(S4)。
具体的には、供給前提条件設定部31dは、ガス化ガスCG2と炭化水素との合計に対するガス化ガスCG2の割合Rgと、反応時間との設定を行う。
ガス化ガスCG2と炭化水素との合計に対するガス化ガスCG2の割合Rgは、S3の処理において算定されたO2の分解量がガス化ガス発電プラントにおいて実現できるように必要に応じて変動させながら(言い方を変えると、調整しながら)決定される。そこで、ガス化ガスCG2の割合Rgについては、初期値Rgoと増分Δrとに基づいて必要に応じて変動させて決定されるものとする。
ガス化ガスCG2の割合の初期値Rgo及び増分Δrは、特定の値に限定されるものではなく、予備的な検討としての解析結果や実績などに基づいて適宜設定される。具体的には例えば、初期値Rgo=0〜40〔%〕,増分Δr=5〜10〔%〕程度に設定することが考えられる。なお、初期値Rgo=0〔%〕は即ち供給する燃料が全て炭化水素である場合であり、O2分解用燃料が全て炭化水素であっても本発明は成立する。
反応時間は、供給地点Sa,Sb,Sc,Sd毎に、各供給地点においてガス化ガスCG2,炭化水素を供給した場合にガス化ガス発電プラントの構造や燃焼排気ガスの速度等の流動条件に基づいて確保される(言い換えると、期待される)時間を予め求めておく。
ガス化ガスCG2の割合Rgの初期値Rgo及び増分Δr並びに反応時間は、本実施形態では、燃料供給条件決定プログラム37内に予め規定される。なお、初期値Rgo及び増分Δrについては、S4の処理の段階で入力部33によって入力された作業者の指定値を用いるようにしても良いし、予め規定された値を入力部33によって入力された作業者の指定値に変更するようにしても良い。
なお、1回目の供給前提条件の設定(即ち、1回目のS4の処理)では、ガス化ガスCG2の割合Rg=Rgoとする。
そして、供給前提条件設定部31dは、ガス化ガスCG2の割合Rgの設定値及び供給地点Sa,Sb,Sc,Sd毎の反応時間の設定値をメモリ35に記憶させる。
次に、S3の処理によって算定されたガス化原料搬送用排気ガスGc中のO2濃度の低減率及びO2の分解量とS4の処理によって設定された供給前提条件とに基づいて、制御部31の反応温度算定部31eはO2分解の反応温度の算定を行い、また、制御部31の供給量算定部31fはO2分解に必要なガス化ガスCG2,炭化水素の供給量の算定を行う(S5)。ここで、以下のS5の処理は供給地点Sa,Sb,Sc,Sd毎に行われる。
反応温度算定部31eは、S1の処理においてメモリ35に記憶されたガス化ガスCG2の組成の計測値並びにS3の処理においてメモリ35に記憶されたガス化原料搬送用排気ガスGc中のO2濃度の低減率をメモリ35から読み込むと共にS4の処理においてメモリ35に記憶されたガス化ガスCG2の割合Rgの設定値及び反応時間の設定値をメモリ35から読み込み、これらに基づいてO2分解に必要とされる反応温度を算定する。これについては、解析を行うことによって反応温度を算定するようにしても良いし、ガス化ガス燃料の組成と燃焼排気ガス中のO2濃度の低減率と反応時間とガス化ガスCG2の割合Rgと反応温度との間の関係を予め準備しておいて当該関係に当てはめることによって反応温度を求めるようにしても良い。
ここで、上記要件(変数)の間の関係を検討・準備する際に参考になる反応速度論に基づく数値解析の結果を図5に示す。この図5は、表1に示す数値解析のための条件例において反応温度を600〔℃〕としたときの燃焼排気ガスに供給するガス化ガスCG2の割合Rgを変化させた場合の燃焼排気ガス中のO2成分の分解反応特性についての、反応速度論に基づく数値解析の結果図である。なお、この図5においては、ガス化ガスの割合をパラメータとして燃焼排気ガス中のO2成分の分解反応特性を比較して示している。また、この図5には、酸素濃度の低減のための酸素分解用に供給されるガス化ガス(言い換えると、酸素分解用供給燃料)としてH2=100〔%〕の場合(同図中の点線)とCO=100〔%〕の場合(同図中の☆印の曲線)とについても示している。
図5に示されるように、表1に示す組成の燃焼排気ガスに酸素分解用供給燃料としてCH4のみを供給した場合(同図中のガス化ガスの割合=0;破線)には、酸素分解反応は概ね反応時間10秒で開始され、酸素分解率が90%になるためには約240秒もの反応時間が必要とされることが分かる。一方で、燃焼排気ガスに供給する酸素分解用供給燃料としてのCH4をガス化ガスに置換するに従って酸素分解は早期に生じるようになり、CH4と比べてガス化ガスの方が酸素分解効果が高いことが分かる。例えばCH4のうちの40%をガス化ガスに置換した場合(同図中のガス化ガスの割合=0.4;□印の曲線)では反応時間約0.2秒で酸素分解率が90%に達することが示されている。また、酸素分解用供給燃料としてH2のみを供給した場合(同図中の点線)に酸素分解が最も早期に生じるようになり、また、酸素分解用供給燃料としてCOのみを供給した場合(同図中の☆印の曲線)にガス化ガスのみの場合(同図中ガス化ガスの割合=1;無印の実線)と比べて酸素の分解が若干遅れるようになり、水素成分の酸素分解効果は一酸化炭素を主成分とするガス化ガスのみの場合及び一酸化炭素のみの場合と比べて若干高いことが分かる。すなわち、燃焼排気ガス中のO2成分を分解するために供給する燃料としては、ガス化ガスの代わりにガス化ガスから抽出された水素と一酸化炭素とのうちの少なくとも一方を用いるようにしてもほぼ同様の効果が得られることが分かる。
そして、S5の処理において用いられ得る、ガス化ガス燃料の組成と燃焼排気ガス中のO2濃度の低減率と反応時間とガス化ガスCG2の割合Rgと反応温度との間の関係の具体例を図6に示す。この図6は、表1に示す数値解析のための条件例を用い、同図(A)は反応温度を600〔℃〕としたときの燃焼排気ガスに供給するガス化ガスの割合(=ガス化ガス〔mol〕/(ガス化ガス+炭化水素)〔mol〕)を変化させた場合の燃焼排気ガス中の酸素成分の分解特性についての、また、同図(B)はガス化ガスの割合を1としたときの反応温度を変化させた場合の燃焼排気ガス中の酸素成分の分解特性についての、反応速度論に基づく数値解析の結果図である。
同図(A)は反応温度を600〔℃〕としたときの燃焼排気ガス中のO2濃度の低減率を90%とする反応時間とガス化ガスCG2の割合Rgとガス化ガス燃料の組成との間の関係である。この同図(A)によれば燃焼排気ガス中のO2濃度を90%低減させる場合についてのガス化ガスCG2の割合Rgに対して必要とされる反応時間がガス化ガス燃料の組成別に求められる。また、同図(B)は燃焼排気ガス中のO2濃度の低減率を90%とする反応時間と反応温度とガス化ガス燃料の組成との間の関係である。この同図(B)によればO2濃度を90%低減させる場合についての反応温度に対して必要とされる反応時間がガス化ガス燃料の組成別に求められる。
そして、反応温度算定部31eは、反応温度の算定値を供給地点Sa,Sb,Sc,Sdと対応づけてメモリ35に記憶させる。
また、供給量算定部31fは、S3の処理においてメモリ35に記憶されたガス化原料搬送用排気ガスGc中のO2の分解量の算定値をメモリ35から読み込むと共にS4の処理においてメモリ35に記憶されたガス化ガスCG2の割合Rgの設定値をメモリ35から読み込み、これらに基づいてO2分解に必要とされるガス化ガスCG2,炭化水素の供給量を算定する。この際、必要に応じ、S1の処理においてメモリ35に記憶された供給地点毎の排気ガス組成の計測値をメモリ35から読み込んで当該計測値も用いて供給量を算定する。
そして、供給量算定部31fは、ガス化ガスCG2,炭化水素の供給量の算定値を供給地点Sa,Sb,Sc,Sdと対応づけてメモリ35に記憶させる。
次に、制御部31の反応温度判定部31gは、S5の処理によって算定された反応温度がガス化ガス発電プラントにおける実際の排気ガス温度以下であるか否かの判定を行う(S6)。ここで、以下のS6の処理も供給地点Sa,Sb,Sc,Sd毎に行われる。
具体的には、反応温度判定部31gは、S1の処理においてメモリ35に記憶された供給地点毎の排気ガス温度の計測値をメモリ35から読み込むと共にS5の処理においてメモリ35に記憶された供給地点毎の反応温度の算定値をメモリ35から読み込み、反応温度の算定値が排気ガス温度の計測値以下である化否かの判定を行う。
そして、反応温度の算定値が排気ガス温度の計測値を上回っている場合には(S6:No)、反応温度算定部31eは燃料供給条件決定の処理過程をS4の処理に戻す。そして、供給前提条件設定部31dはガス化ガスCG2の割合Rgに増分Δrを加え(即ち、Rg=Rg+Δr)(S4)、反応温度算定部31eがO2分解の反応温度の算定をし直すと共に供給量算定部31fがO2分解に必要なガス化ガスCG2,炭化水素の供給量の算定をし直す(S5)。そして、反応温度判定部31gが、反応温度の算定値が排気ガス温度の計測値以下である化否かの判定をし直す(S6)。このように、反応温度の算定値が排気ガス温度の計測値を上回っている場合には(S6:No)、S4からS6までの処理を繰り返し行う。
ここで、上述した通り、炭化水素を用いてのO2の分解では高温の反応温度が必要になる一方で、石炭ガス化ガスCG2の場合にはO2の分解の反応温度が低減するので、S4の処理においてガス化ガスCG2と炭化水素との合計に対するガス化ガスCG2の割合Rgに増分Δrを加えていくことによってO2の分解の反応温度を低減させることができる。なお、増分Δrを加えていき、ガス化ガスCG2の割合Rg=100〔%〕になっても良い。
そして、反応温度の算定値が排気ガス温度の計測値以下である場合には(S6:Yes)、反応温度算定部31eは燃料供給条件決定の処理過程をS7の処理に進ませる。なお、供給地点が複数選定されている場合には、それら供給地点のうちの少なくとも一地点において反応温度の算定値が排気ガス温度の計測値以下になった場合にはS7の処理に進ませる。
次に、制御部31の結果表示部31hはS6までの処理の結果の表示を行う(S7)。
具体的には、結果表示部31hは、例えば、S1の処理においてメモリ35に記憶されたガス化炉2へのガス化原料供給ライン4に供給されるガス化原料搬送用排気ガスGc中の酸素濃度の計測値及び供給地点毎の排気ガス温度の計測値,S4の処理においてメモリ35に記憶されたガス化ガスCG2の割合Rgの設定値及び供給地点毎の反応時間の設定値,S5の処理においてメモリ35に記憶された供給地点毎の反応温度の算定値及びガス化ガスCG2,炭化水素の供給量の算定値を燃料供給条件として表示部34に表示させる。なお、供給地点が複数選定されている場合には、全ての供給地点についてそれら供給地点毎に処理結果(燃料供給条件)の表示を行う。
結果表示部31hは、さらに、表示させた燃料供給条件で決定して良いか否かの判断を作業者に要求し、作業者が表示の条件では支障があると判断して決定処理をやり直すと入力部33を介して指示を与えた場合には(S7:No)、結果表示部31hは燃料供給条件決定の処理過程をS4の処理に戻す。そして、S4からS6までの処理をあらためて行う。
なお、S6の処理において反応温度の算定値が排気ガス温度の計測値以下である(S6:Yes)としてS7の処理に進んだ場合でも、例えばガス化ガスCG2の供給量が多いためにガス化ガス発電プラントの熱効率に与える影響が大きく支障があると判断される場合などが考えられる。これについては、供給地点が複数選定されている場合で、これら複数の供給地点のうちの一部で反応温度の算定値が排気ガス温度の計測値以下であるとしてS7の処理に進んだとしても、他の供給地点において反応温度が適切になる可能性があり且つその場合にはガス化ガス発電プラントの熱効率に与える影響を小さくすることができる場合が具体的には考えられる。
一方、作業者が表示の条件で決定して良いと入力部33を介して指示を与えた場合には(S7:Yes)(なお、必要な場合には、供給地点のうちのいずれにおける燃料供給条件で決定して良いかを指示する)、結果表示部31hは燃料供給条件決定の処理過程をS1の処理に戻して供給地点における排気ガスの組成及び温度の新たな計測値データの入力を待つ。
ここで、決定された燃料供給条件によってガス化ガス発電プラントを運転させるため、コンピュータ30が当該燃料供給条件をガス化ガス発電プラントの燃料供給設備の制御装置に送って燃料供給が行われるようにしても良いし、作業者がガス化ガス発電プラントの燃料供給設備の制御装置を操作して燃料供給が行われるようにしても良い。
なお、上述のS7の処理を設けることなく、S6の処理において反応温度の算定値が排気ガス温度の計測値以下である場合には(S6:Yes)自動的にS1の処理に戻るようにしても良い。すなわち、作業者の判断を確認することなく完全に自動で燃料供給条件の決定処理を行うようにしても良い。そして、例えばこのようにS6の処理において反応温度が適切であるときには自動的にS1の処理に戻るようにする場合には、ガス化ガスCG2の供給量を作業者が確認することがないので、S3の処理におけるO2の分解量の算定やS5の処理におけるガス化ガスCG2,炭化水素の供給量の算定をしないようにしても良い。
以上のように構成された本発明のガス化ガス発電プラントにおけるガス化原料搬送用排気ガス中残留酸素濃度の低減方法によれば、ガスタービン燃焼排気ガスをガス化原料搬送用媒体として用いる際の前記燃焼排気ガス中の酸素濃度を低減させることができるので、閉サイクルガスタービンとしての利点・特徴に影響を与えることなく、ガス化原料を搬送する媒体としてのガスタービン燃焼排気ガスの使用の安全性の向上を図ることが可能になる。また、燃焼排気ガスGd中の酸素濃度を下げることによって非凝縮性ガス濃度が低減されるので、CO2回収設備12による二酸化炭素の回収が一層良好に行われるようになる。
また、本発明のガス化ガス発電プラントにおけるガス化原料搬送用排気ガス中残留酸素濃度の低減のための燃料供給条件決定方法及び燃料供給条件決定プログラムによれば、ガスタービン燃焼排気ガスをガス化原料搬送用媒体として用いる際の前記燃焼排気ガス中の酸素濃度を低減させるためのガス化ガスと炭化水素との合計に対するガス化ガスの割合を決定することができるので、ガス化ガス発電プラントの安全で良好な運転条件を決定することが可能になる。
なお、上述の形態は本発明の好適な形態の一例ではあるがこれに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。例えば、本実施形態では、図1に全体構成を示す発電プラントに本発明を適用した場合を例に挙げて説明したが、本発明が適用され得る発電プラントは図1に示すプラントに限定されるものではなく、ガスタービン燃焼器から排出される燃焼排気ガスをガス化設備へのガス化原料搬送用媒体として使用するものであればどのようなものでも良い。
2 ガス化設備(ガス化炉)
3 ガス精製設備
4 ガス化原料供給ライン
5 ガスタービン燃焼器
6 ガスタービン
C 石炭(ガス化原料)
G ガスタービン燃焼排気ガス
CG1 精製前ガス化ガス
CG2 精製後ガス化ガス

Claims (7)

  1. ガス化原料をガス化剤でガス化するガス化設備と、当該ガス化設備で生成されたガス化ガスを精製するガス精製設備と、当該ガス精製設備で精製されたガス化ガスを主燃料として酸化剤によって燃焼させるガスタービン燃焼器と、当該ガスタービン燃焼器から排出される燃焼排気ガスによって駆動するガスタービンとを有し、当該ガスタービンから排出された燃焼排気ガスの一部を当該ガスタービンの作動媒体としてリサイクルすると共に他の一部を前記ガス化設備に前記ガス化原料を搬送する媒体として使用するガス化ガス発電プラントにおいて、前記ガス化設備にガス化原料を搬送する媒体として使用する前の前記燃焼排気ガスに前記ガス精製設備で精製されたガス化ガスの一部又は当該ガス化ガスから抽出された水素及び/若しくは一酸化炭素を供給することを特徴とするガス化ガス発電プラントにおけるガス化原料搬送用排気ガス中残留酸素濃度の低減方法。
  2. ガス化原料をガス化剤でガス化するガス化設備と、当該ガス化設備で生成されたガス化ガスを精製するガス精製設備と、当該ガス精製設備で精製されたガス化ガスを主燃料として酸化剤によって燃焼させるガスタービン燃焼器と、当該ガスタービン燃焼器から排出される燃焼排気ガスによって駆動するガスタービンとを有し、当該ガスタービンから排出された燃焼排気ガスの一部を当該ガスタービンの作動媒体としてリサイクルすると共に他の一部を前記ガス化設備に前記ガス化原料を搬送する媒体として使用するガス化ガス発電プラントにおいて、前記ガス化設備にガス化原料を搬送する媒体として使用する前の前記燃焼排気ガスに前記ガス精製設備で精製されたガス化ガスの一部又は当該ガス化ガスから抽出された水素及び/若しくは一酸化炭素と炭化水素とのうちの少なくとも一方を供給することを特徴とするガス化ガス発電プラントにおけるガス化原料搬送用排気ガス中残留酸素濃度の低減方法。
  3. 前記ガス化設備にガス化原料を搬送する媒体として使用する分として分割された後の燃焼排気ガスに、前記ガス精製設備で精製されたガス化ガスの一部又は当該ガス化ガスから抽出された水素及び/若しくは一酸化炭素と炭化水素とのうちの少なくとも一方を供給することを特徴とする請求項1または2記載のガス化ガス発電プラントにおけるガス化原料搬送用排気ガス中残留酸素濃度の低減方法。
  4. ガス化原料をガス化剤でガス化するガス化設備と、当該ガス化設備で生成されたガス化ガスを精製するガス精製設備と、当該ガス精製設備で精製されたガス化ガスを主燃料として酸化剤によって燃焼させるガスタービン燃焼器と、当該ガスタービン燃焼器から排出される燃焼排気ガスによって駆動するガスタービンとを有し、当該ガスタービンから排出された燃焼排気ガスの一部を当該ガスタービンの作動媒体としてリサイクルすると共に他の一部を前記ガス化設備に前記ガス化原料を搬送する媒体として使用するガス化ガス発電プラントにおけるガス化原料搬送用排気ガス中残留酸素濃度の低減のための燃料供給条件決定方法であり、前記ガス化設備にガス化原料を搬送する媒体として使用する前のガスタービン燃焼排気ガスの酸素濃度を計測するステップと、前記ガスタービン燃焼排気ガスの酸素濃度と酸素濃度閾値とに基づいて酸素濃度の低減率を算定するステップと、前記ガス精製設備で精製されたガス化ガス及び炭化水素の前記ガスタービン燃焼排気ガスへの供給に関する供給前提条件として前記ガスタービン燃焼排気ガスに供給する前記ガス化ガスと前記炭化水素との合計に対する前記ガス化ガスの割合及び前記ガスタービン燃焼排気ガス中の酸素成分の分解の反応時間の設定を行うステップと、前記酸素濃度の低減率と前記供給前提条件とに基づいて前記ガスタービン燃焼排気ガス中の前記酸素成分の分解に必要とされる反応温度を算定するステップと、前記反応温度がガス化ガス発電プラントの前記ガス化ガスと前記炭化水素とを供給する地点における実際の排気ガス温度以下であるか否かの判定を行うステップとを有することを特徴とするガス化ガス発電プラントにおけるガス化原料搬送用排気ガス中残留酸素濃度の低減のための燃料供給条件決定方法。
  5. 前記酸素濃度の低減のために供給される前記ガス化ガスとして当該ガス化ガスから抽出された水素と一酸化炭素とのうちの少なくとも一方が用いられることを特徴とする請求項4記載のガス化ガス発電プラントにおけるガス化原料搬送用排気ガス中残留酸素濃度の低減のための燃料供給条件決定方法。
  6. ガス化原料をガス化剤でガス化するガス化設備と、当該ガス化設備で生成されたガス化ガスを精製するガス精製設備と、当該ガス精製設備で精製されたガス化ガスを主燃料として酸化剤によって燃焼させるガスタービン燃焼器と、当該ガスタービン燃焼器から排出される燃焼排気ガスによって駆動するガスタービンとを有し、当該ガスタービンから排出された燃焼排気ガスの一部を当該ガスタービンの作動媒体としてリサイクルすると共に他の一部を前記ガス化設備に前記ガス化原料を搬送する媒体として使用するガス化ガス発電プラントにおけるガス化原料搬送用排気ガス中残留酸素濃度の低減のための燃料供給条件を決定する処理を行うプログラムであり、前記ガス化設備にガス化原料を搬送する媒体として使用する前のガスタービン燃焼排気ガスの酸素濃度の計測値データの入力を受ける手段、前記ガスタービン燃焼排気ガスの酸素濃度と酸素濃度閾値とに基づいて酸素濃度の低減率を算定する手段、前記ガス精製設備で精製されたガス化ガス及び炭化水素の前記ガスタービン燃焼排気ガスへの供給に関する供給前提条件として前記ガスタービン燃焼排気ガスに供給する前記ガス化ガスと前記炭化水素との合計に対する前記ガス化ガスの割合及び前記ガスタービン燃焼排気ガス中の酸素成分の分解の反応時間の設定を行う手段、前記酸素濃度の低減率と前記供給前提条件とに基づいて前記ガスタービン燃焼排気ガス中の前記酸素成分の分解に必要とされる反応温度を算定する手段、前記反応温度がガス化ガス発電プラントの前記ガス化ガスと前記炭化水素とを供給する地点における実際の排気ガス温度以下であるか否かの判定を行う手段としてコンピュータを機能させることを特徴とするガス化ガス発電プラントにおけるガス化原料搬送用排気ガス中残留酸素濃度の低減のための燃料供給条件決定プログラム。
  7. 前記酸素濃度の低減のために供給される前記ガス化ガスが当該ガス化ガスから抽出された水素と一酸化炭素とのうちの少なくとも一方であることを特徴とする請求項6記載のガス化ガス発電プラントにおけるガス化原料搬送用排気ガス中残留酸素濃度の低減のための燃料供給条件決定プログラム。
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