JP5877855B2 - 有機単量体間の架橋を利用した多層薄膜基盤の逆浸透分離膜及びその製造方法 - Google Patents

有機単量体間の架橋を利用した多層薄膜基盤の逆浸透分離膜及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、有機単量体間の架橋を利用した多層薄膜基盤の逆浸透分離膜及びその製造方法に関する。
半透過性膜にて隔離された二つの溶液の間において溶媒が溶質の濃度の低い溶液から高い溶液の方へ分離膜を通って移動する現象を浸透現象といい、このとき、溶媒の移動で溶質の濃度の高い溶液側へ作用する圧力を浸透圧という。
このような浸透圧よりも高い外部圧力を印加すると、溶媒は溶質の濃度の低い溶液の方へ移動するようになり、これを逆浸透という。逆浸透の原理を用い圧力勾配を駆動力として半透過性膜を介して各種の塩や有機物質を分離することができる。このような逆浸透現象を用いた逆浸透分離膜は、分子レベルの物質を分離し、また塩水または海水から塩を除去して家庭用や建築用、産業用用水として供給するのに核心的な素材として使用される。
商用化分離膜は、一般に、多孔性支持体上に水溶液状のMPD(m−phenylene diamine)単量体と有機溶媒状のTMC(trimesoyl chloride)単量体間の界面重合を通じてポリアミド(polyamide)選択層を製造する複合体の形態で生産されてきた。
このようなポリアミド系分離膜は、優れた塩除去性能を有することから、30年余りにわたり逆浸透分離膜として広く使用されてきた。しかしながら、相対的に低い水透過率と膜汚染(fouling)による深刻な性能低下が問題点として指摘されていた。
したがって、海水淡水化工程に要されるエネルギーやコストを削減するためには、高い塩除去率と共に、高い水透過度及び汚染抵抗性を有する新規な逆浸透分離膜の開発が必要な状況である。
これに関する従来の逆浸透分離膜技術としての界面重合による選択層製造方式は、バルク合成の特性上、選択層の厚さや表面構造、架橋密度の構造を制御しにくいという問題点があった。したがって、これを克服するために、近年、水溶液状で高分子電解質間の静電気的な引力を用いたLbL(Layer−by−Layer)、すなわち繰り返しの積層技術を基盤とした多層薄膜選択層を製造しようとする努力が試みられてきた。しかしながら、積層される物質が水溶性でなければならないという限界によって製造できる薄膜の物理化学的構造が制限的であることから、結果的に分離膜の塩除去率及び水透過率が従来の商用化逆浸透膜の性能レベルに及ばないという問題点がある。
近年、有機溶媒状で有機単量体間の架橋結合を繰り返すことで多様な化学構造を有する多層薄膜の製造方法が報告されたことがあるが、これまでのところ、支持体、有機単量体、溶媒、及び濃度などにおいて工程の最適化がなされておらず、特に多孔性支持体上へのLbL多層薄膜の積層の際に組立体が支持体の気孔内に満たされるポアフィリング(pore filling)現象によって過剰の積層過程が必要となるという不具合がある。このような過剰積層は、製造工程上のコストをアップさせるだけでなく、製造された分離膜の水透過率を急激に下げるという逆効果を引き起こすようになる。
韓国登録特許公報第10-1076221号
Park et al. Journal of Materials Chemistry, 20, 2085-2091(2010) Johnson et al. Journal of Polymer Science B, 50, 168-173(2012) Qian et al. Langmuir, 28, 17803-17810(2012)
本発明は、海水の淡水化に使用される逆浸透分離膜の製造時に、有機単量体間の架橋結合を利用して多様な化学構造を有する多層薄膜基盤の逆浸透分離膜を製造し、多孔性支持体上に中間層を導入することで、LbL多層薄膜の積層過程で生じる支持体のポアフィリング(pore filling)現象を防止すると共に、最小の積層数にて高い水透過率、汚染抵抗性、及び塩除去率を達成する逆浸透分離膜及びその製造方法を提供することをその目的とする。
前記のような目的を達成するために、本発明に係る具現例は、多孔性支持体及びその上部に積層されたLbL(Layer−by−Layer)選択層を含み、前記多孔性支持体と前記LbL選択層との間に高分子ナノ薄膜からなる中間層を含み、前記LbL選択層は、第1の有機単量体を含む第1の選択層及び第2の有機単量体を含む第2の選択層が積層された構造を含む逆浸透分離膜を提供する。
また、本発明に係る具現例は、前記のような逆浸透分離膜を製造する方法であって、多孔性支持体を高分子ナノ薄膜形成溶液に浸漬(dipping)して、多孔性支持体上に中間層を形成する中間層形成段階、前記中間層が形成された多孔性支持体を第1の有機単量体を含む有機溶媒に浸漬して、前記中間層上に第1の選択層を形成する第1の選択層形成段階、及び前記第1の選択層が形成された多孔性支持体を第2の有機単量体を含む有機溶媒に浸漬して、前記第1の選択層上に第2の選択層を形成する第2の選択層形成段階を含むことを特徴とする逆浸透分離膜製造方法を提供する。
本発明に係る有機単量体架橋を利用した多層薄膜基盤の逆浸透分離膜及びその製造方法によれば、従来の界面重合法によって製造された逆浸透分離膜に比べて、高いレベルの塩除去率だけでなく、顕著に向上した水透過率及び汚染抵抗性を達成する逆浸透分離膜を製造することができる。
また、本発明に係る有機単量体架橋を利用した多層薄膜基盤の逆浸透分離膜及びその製造方法によれば、有機単量体間の共有結合を用いて多層薄膜基盤の逆浸透分離膜を製造し且つ多孔性支持体上に中間層を導入することで、LbL多層薄膜の積層過程で生じるポアフィリング(pore filling)現象を防止する効果を達成すると共に、最小の積層数を用いながらも分離性能に優れる選択層薄膜を実現することができるようにする。
本発明の一具現例に係る逆浸透分離膜の構造を示す模式図である。 本発明の一具現例に従い逆浸透分離膜を製造する工程を示す概念図である。 本発明の一具現例に係る逆浸透分離膜に含まれた有機単量体間の共有自己組み立て(LbL)にて形成された分離膜選択層の表面SEMイメージを示す図である。 本発明の比較例としての従来技術に従い界面重合にて形成された分離膜選択層の表面SEMイメージを示す図である。
本明細書における、特許請求の範囲及び要約書を含む本明細書の全般にわたって用いられる用語である「自己組み立て」または「LbL(Layer−by−Layer)」は、層と層とが静電気的な引力、水素結合または共有結合にてつながれて構造的に極めて安定し、且つ支持体の大きさまたは形態にかかわらず多層超薄膜を実現することができる技術のことを意味する。また、本明細書における用語「選択層」は、それぞれ一回以上相互に繰り返し積層された第1の選択層及び第2の選択層を包括する意味として用いられる。本明細書における用語「多孔性支持体」は、前記多層から構成された薄膜の下層に位置して薄膜の形態を保たせる構造体であって、内部、表面または構造体を貫通する複数のポア(pore)が存在する構造体のことを意味する。本明細書における用語「浸漬(dipping)」は、特定の物体を溶液中に浸して特定の物体の表面に被膜を形成させることを意味する。
本発明は逆浸透分離膜に関し、以下、本発明の具現例について添付した図面を参照して詳細に説明する。
添付された図1は、本発明に係る逆浸透分離膜の例示的な形態を示した図である。図1を参照して説明すると、本発明の具現例に係る逆浸透分離膜は、多孔性支持体A及びその上部に積層されたLbL(Layer−by−Layer)選択層C、Dを含み、前記多孔性支持体Aと前記LbL選択層C、Dとの間に高分子ナノ薄膜からなる中間層Bを含み、前記LbL選択層は、第1の有機単量体を含む第1の選択層C及び第2の有機単量体を含む第2の選択層Dが積層された構造を含む。そして、一具現例として、前記逆浸透分離膜のLbL選択層は、前記第1の選択層C及び第2の選択層Dが積層された構造を一層以上含んでいてよい。
本発明の具現例によれば、前記多孔性支持体は、その成分や形態が特に制限されないが、逆浸透分離膜の一部として各種の塩や有機物質の分離能を保持するためという観点から、具体的には、有機溶媒に対する溶解抵抗性が強い限外ろ過(ultrafiltration)レベルの多孔性支持体であってよい。より具体的に、前記多孔性支持体は、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)またはポリスルホン(polysulfone)などを含むものを例に挙げられる。また、一具現例において前記多孔性支持体の空径は1〜500nmである。
v また、本発明の具現例によれば、前記多孔性支持体は、その上部に積層されたLbL選択層との間に中間層を含み、前記中間層は、多孔性支持体の表面ポアを塞ぐことで、その上に積層されるLbL選択層の積層数を減らすと共に、前記LbL選択層が効果的に形成できるようにする。本発明の具現例によれば、前記中間層は、高い水透過率を有し、且つ前記多孔性支持体の表面においてポア(pore)を塞ぐことができるものであれば特に制限されるものではなく、具体的には、界面重合または自己組み立てによって形成された高分子ナノ薄膜であってよい。
一具現例として、前記中間層は、多官能アミンと多官能酸クロリド(acid chloride)間の界面重合によって形成されたナノ薄膜であってよい。このとき、前記多官能アミンと多官能酸クロリドは特に制限されないが、例えば、前記多官能アミンと多官能酸クロリドは、それぞれピペラジン(Piperazine、以下、PIP)アミンとトリメソイルクロリド(trimesoyl chloride、以下、TMC)であってよい。または、それぞれピペラジン(PIP)アミンと脂肪族三官能基クロリド(aliphatic trifuctional chloride)であってよい。他の一具現例として、前記中間層は、電荷を呈する支持体の表面上にアニオン性高分子電解質とカチオン性高分子電解質との自己組み立てによって形成された高分子ナノ薄膜であってよい。このとき、前記アニオン性高分子電解質は、特に制限されないが、例えば、ポリエチレンイミン(polyethylenimine、PEI)またはポリ(アリルアミンヒドロクロリド)(poly(allylamine hydrochloride)、以下、PAH)であってよい。また、前記カチオン性高分子電解質は、特に制限されないが、ポリ(アクリル酸)(poly(acrylic acid)、以下、PAA)を例に挙げられる。一具現例として、前記電荷を呈する支持体は、本発明において用いられていてよい一般的な多孔性支持体(PAN、PVDF、Polysulfone)をいずれも含むことができる。これは、前記多孔性支持体の場合、特別な処理を施さなくても中性水溶液上で弱い負電荷を呈するからである。または、前記電荷を呈する支持体は、必要に応じて負電荷の強度を増加させるために、NaOH水溶液処理、UV−Ozone、あるいは酸素プラズマ表面処理を施された多孔性支持体であってよい。
本発明の具現例によれば、前記中間層の厚さは特に制限されず、最終的に製造される逆浸透分離膜の水透過率の確保という面から、薄ければ薄いほどよい。前記中間層の厚さは、具体的に0.1nm〜100nmを例に挙げられる。
本発明の具現例によれば、前記LbL選択層は、前記中間層の上部に積層されたものであって、第1の有機単量体を含む第1の選択層及び第2の有機単量体を含む第2の選択層が積層された構造から構成される。前記第1の選択層及び第2の選択層は、それぞれに含まれる第1の有機単量体及び第2の有機単量体間における共有結合によって積層される。一具現例として、前記LbL選択層は、前記第1の選択層及び第2の選択層が積層された構造を一層以上繰り返し含んでいてよく、前記第1及び第2の選択層の積層数及び最下層及び最上層に積層された選択層の種類は、必要に応じて調節されていてよい。
一具現例として、前記各第1または第2の選択層の一層の厚さは、特に制限されないが、最終的に製造される逆浸透分離膜の水透過率の確保という面から、薄ければ薄いほどよい。例えば、一つの第1または第2の選択層の厚さは、0.1nm〜3.0nmであってよい。また、単一または複数の第1の選択層及び第2の選択層を含むLbL選択層の総厚さは、特に制限されないが、最終的に製造される逆浸透分離膜の水透過率の確保という面から、薄ければ薄いほどよい。一具現例において、前記LbL選択層の総厚さは、0.1nm〜100nmの範囲を有していてよい。
一具現例として、前記第1の選択層に含まれる第1の有機単量体は、有機溶媒に溶解されて前記中間層の表面と共有結合または水素結合を形成することができ、前記第2の選択層に含まれる第2の有機単量体と相互共有結合(架橋)して積層され得るものであれば特に制限されず、具体的に芳香族ジアミンが挙げられる。例えば、前記第1の有機単量体は、オルト−、メタ−、またはパラ−フェニレンジアミン(OPD、MPD、PPD)を含む芳香族ジアミンが挙げられる。
一具現例として、前記第2の選択層に含まれる第2の有機単量体は、有機溶媒に溶解されて、前記第1の選択層の第1の有機単量体と共有結合(架橋)して積層され得るものであれば特に制限されず、具体的に、多官能基クロリド(multifuctional chloride)が挙げられる。例えば、前記第2の有機単量体は、TMCを含む多官能基クロリドが挙げられる。
一具現例として、前記第1及び第2の有機単量体は、それぞれ1nm以下の大きさを有していてよく、このような分子大きさの単位で架橋反応を制御することで、常用逆浸透分離膜製法、すなわちバルク界面重合の時よりも小さい分子レベルでの構造制御を可能にする効果がある。
本発明の具現例によれば、前記のような構成を有する逆浸透分離膜を製造する方法は、多孔性支持体を高分子ナノ薄膜形成溶液に浸漬(dipping)して、多孔性支持体上に中間層を形成する中間層形成段階;前記中間層が形成された多孔性支持体を第1の有機単量体を含む有機溶媒に浸漬して、前記中間層上に第1の選択層を形成する第1の選択層形成段階;及び前記第1の選択層が形成された多孔性支持体を第2の有機単量体を含む有機溶媒に浸漬して、前記第1の選択層上に第2の選択層を形成する第2の選択層形成段階を含んでいてよい。また、一具現例として、前記第1の選択層形成段階及び第2の選択層形成段階は、相互に1回以上繰り返し行っていてよい。
一具現例によれば、前記中間層形成段階は、多孔性支持体を多官能アミン水溶液に浸漬してから多官能酸クロリド(acid chloride)水溶液に浸漬して界面重合させ、多孔性支持体の上部に中間層を形成することを含んでいてよい。または、前記中間層形成段階は、一具現例として、前記多孔性支持体をアニオン性高分子電解質水溶液に浸漬してからカチオン性高分子電解質水溶液に浸漬して自己組み立てさせ、多孔性支持体の上部に中間層を形成することを含んでいてよい。
本発明の具現例によれば、前記製造方法は、前記第1及び第2の選択層形成段階後に、それぞれ前記選択層が形成された多孔性支持体を有機溶媒で洗浄する洗浄段階をさらに含んでいてよい。また、前記洗浄段階は、洗浄液(rinsing solution)で洗浄する段階をさらに含んでいてよい。
本発明の一具現例としてより詳細に説明すれば、前記第1の選択層は、前記中間層が形成された多孔性支持体を第1の有機単量体が溶解された有機溶媒中に一定の時間浸漬して製造することができる。前記浸漬コーティング方式は、従来のスピンキャスティング(spin−casting)などに比べて、商業化の面で有利である。前記有機溶媒中に浸漬された多孔性支持体の中間層上には、有機溶媒中に溶解された第1の有機単量体と前記中間層表面間の共有結合または水素結合によって第1の選択層が形成される。
また、一具現例として、前記製造方法は、前記第1の選択層が形成された後に、前記第1の選択層が形成された多孔性支持体を有機溶媒で洗浄する洗浄段階をさらに含んでいてよい。前記洗浄段階では、洗浄液をさらに含んで洗浄することができる。すなわち、前記第1の選択層形成段階の後の洗浄段階では、未反応した第1の有機単量体を除去するために、前記選択層が形成された多孔性支持体を有機溶媒に浸漬させ、このとき、さらに洗浄液を含ませていてよく、このとき、前記洗浄液は、前記第1の有機単量体を洗浄することができるものであれば特に制限されないが、第1の有機単量体に対する溶解度が高い溶媒であるほどよい。前記洗浄液の一具現例としては、アセトン、アルコール、テトラヒドロフラン(THF)、または水を例に挙げられる。
また、一具現例として、前記第2の選択層は、前記第1の選択層が形成された多孔性支持体を第2の有機単量体が溶解された有機溶媒中に一定の時間浸漬して製造することができる。前記有機溶媒中に浸漬された多孔性支持体の第1の選択層上には、有機溶媒中に溶解された第2の有機単量体と前記第1の選択層上の第1の有機単量体間の共有(架橋)結合によって第2の選択層が形成される。
一具現例として、前記製造方法は、前記第2の選択層が形成された後に、前記第2の選択層が形成された多孔性支持体を有機溶媒で洗浄する洗浄段階をさらに含んでいてよい。前記洗浄段階では、洗浄液をさらに含んで洗浄することができる。すなわち、前記第2の選択層形成段階の後の洗浄段階では、未反応した第2の有機単量体を除去するために前記選択層が形成された多孔性支持体を有機溶媒に浸漬させ、このとき、さらに洗浄液を含ませていてよい。このとき、前記洗浄液は、前記第2の有機単量体を洗浄することができるものであれば特に制限されないが、第2の有機単量体に対する溶解度が高い溶媒であるほどよい。前記洗浄液は、一具現例として、トルエン、テトラヒドロフラン(THF)を用いていてよい。
一具現例として、前記有機溶媒は、多孔性支持体を溶解させず且つ第1の有機単量体及び第2の有機単量体を溶解させることができるものであれば、特に制限されない。例示的な具現例において、前記有機溶媒は、トルエン、テトラヒドロフラン(THF)などを用いていてよい。
本発明の具現例として、前記した一連の段階を含む逆浸透分離膜の製造過程で形成される第1及び第2の選択層の物理化学的構造と、最終的に製造される逆浸透分離膜の分離性能は、前記中間層、第1の有機単量体、第2の有機単量体、洗浄液(rinsing solution)または有機溶媒によって制御されるようになる。また、最終的に製造される逆浸透分離膜の分離性能は、前記第1及び第2の選択層の積層回数と厚さ、初期及び最終積層段階によって決められ得る。
前記した逆浸透分離膜の製造技術は、有機単量体間の架橋結合を利用した自己組み立て(LbL)技術であって、界面重合による選択層の製造技術などをはじめとした従来技術に比べて、より小さい分子レベルの構造制御が可能であり、その結果、製造される逆浸透分離膜の厚さ、物理化学的構造、架橋密度または表面粗さなどを制御することが容易となる。また、前記のような自己組み立てにて選択層を形成する場合は、最小の積層数(厚さ)を有しつつも高い架橋密度を有する多層薄膜層が製造できるので、優れた塩除去率を確保すると共に水分子の拡散抵抗を下げることで水透過率を極大化するようになる。さらには、形成される多層薄膜層の表面粗さを最小化できるので、前記逆浸透分離膜の汚染性を改善するようになる。したがって、本発明に従って製造される逆浸透分離膜を海水淡水化工程に適用した場合、海水淡水化工程に要されるエネルギーやコストの削減に寄与する効果を得ることができる。また、前記逆浸透分離膜製造工程において、多孔性支持体上に中間層を導入することで、続く選択層(LbL多層薄膜)の積層過程で生じるポアフィリング(pore filling)現象を予め防止することで、前記選択層の形成時に、不要な過剰積層を防止するだけでなく製造効率性を向上することができる。
以下、実施例を挙げて本発明をより詳しく説明することにする。これらの実施例は、単に本発明を例示するためのものに過ぎず、本発明の範囲がこれらの実施例によって制限されると解釈されるものではないことは、当業界における通常の知識を有する者にとって自明なことである。
実施例1
本発明の一具現例に係る逆浸透分離膜を下記の方法にて製造した。
先ず、多孔性支持体としてポリアクリロニトリル(PAN)を用意し、これを精製水で洗浄後、1wt%のPIP水溶液に5分間浸漬した。次いで、ローラー(Roller)を利用して表面に付着した過量のPIP溶液を除去した後、0.05wt%のTMCヘキサン溶液を支持体の表面に注いで3分間反応させた。その後、過量のヘキサンで表面を洗浄してから、70℃のオーブンで2分間乾燥させた。
前記のような過程を通じて中間層が形成された支持体を、先ずトルエンに20分間浸漬して支持体を媒質に充分に浸した後、1wt%のMPDトルエン溶液に支持体を40秒間浸漬した。反応後、アセトンとトルエンに順次1分ずつ洗浄及び浸漬し、1wt%のTMCトルエン溶液にサンプルを40秒間浸漬した。以降、トルエンで1分間ずつ2回にわたって洗浄を行った。このとき、前記一連の過程を積層数1と定義した。かかる積層過程を繰り返し行って多層薄膜を製造し、前記積層数が10層である多層薄膜を製造した(実施例1)。
実施例2及び3
本発明の一具現例に係る逆浸透分離膜を、前記実施例1と中間層形成段階を除いては同一の方法にて下記のように製造した。
先ず、多孔性支持体としてのPAN支持体を、40℃の2MのNaOH水溶液に2時間浸した。過量の精製水で支持体を洗浄した後、0.2wt%のPAH水溶液(pH7.5)に10分間浸漬し、過量の精製水(pH7.5)で1分間2回にわたってサンプルを洗浄した。以降、0.2wt%のPAA水溶液(pH3.5)に10分間浸漬した後、過量の精製水(pH3.5)で1分間2回にわたってサンプルを洗浄して中間層を形成した。そして、続く実施例2と実施例3におけるLbL選択層形成段階は、実施例1と同様に行った。なお、第1の選択層積層後の洗浄段階で用いた洗浄液は、トルエン(実施例2)とアセトン(実施例3)とにそれぞれ相違するものとした。
実施例4
本発明の一具現例に係る逆浸透分離膜を下記のように製造した。
先ず、PAN支持体を40℃の2MのNaOH水溶液に2時間浸した。過量の精製水で支持体を洗浄した後、0.1wt%のPEI/0.5wt%のNaCl水溶液(pH7.0)に30分間浸漬し、過量の精製水(pH7.0)で2分間4回にわたってサンプルを洗浄した。次いで、0.1wt%のTMCトルエン溶液に3分間浸漬してから過量のトルエンで洗浄して中間層を形成した。続く実施例4におけるLbL選択層形成段階は、実施例1と同様に行った。なお、最終的に積層される積層数は0、2、5、10層(それぞれ実施例4a、4b、4c、4d)で、それぞれ相違するものとした。
比較例1
従来技術に従って多孔性支持体であるポリアクリロニトリル(PAN)を用意し、MPDとTMC間の界面重合を用いて前記多孔性支持体上に選択層を製造した。これにより、常用分離膜製法である界面重合法と架橋積層を用いたLbL製法によって製造された分離膜の分離性能を比較してみることとする。
具体的に、多孔性支持体としてポリアクリロニトリル(PAN)を用意し、これを精製水で洗浄後、1wt%のMPD水溶液に5分間浸漬した。ローラーを利用して表面に付着した過量のMPD溶液を除去した後、0.1wt%のTMCヘキサン溶液を支持体の表面に注いで3分間反応させた。その後、過量のヘキサンで表面を洗浄してから、70℃のオーブンで2分間乾燥させて逆浸透分離膜を製造した。
実験例1
前記実施例1〜4と比較例1に従って製造された逆浸透分離膜を対象に、海水淡水化における分離性能を測定した。
具体的に、前記それぞれの実施例1〜4と比較例1に従って製造した逆浸透分離膜を、径4.9cm大きさのサンプルとして切り出し、クロスフローセル(cross−flow cell)に付着した。このとき、供給水は2、000ppmのNaCl水溶液を用い、工程圧力は15.5barにセットした。2時間の安定化以降から分離膜にてろ過される溶液の量と溶液中に含まれたNaClの濃度を測定して水透過率(L/mh)と塩(NaCl、%)除去率を測定し、前記実験によって測定された結果を次の表1に表した。
前記表に表された逆浸透分離膜の分離性能を見てみると、前記実施例3の場合、従来技術に係る比較例1の逆浸透分離膜に比べて、優れた塩除去率(98.2%)を示すことを確認することができる。また、前記実施例3を除く他の全ての実施例は、前記比較例1に比べて向上した水透過率を示す確認することができた。
特に、実施例1の場合、比較例1に比べて塩除去率がわずかな差で低いが、水透過率が3倍以上も増加した結果を示した。また実施例4dの場合、比較例1に比べて同等レベルの塩除去率を示しながらも水透過率が67%程度増加した結果を示した。
したがって、前記実験結果を参照すれば、本発明に従って逆浸透分離膜の製造工程条件(有機単量体の濃度、溶媒、洗浄液、中間層、積層数など)をさらに最適化することによって、商用化分離膜に比べて同等以上の塩除去率を示しながらも水透過率が一層向上した逆浸透分離膜を得ることができるものと判断される。
また、逆浸透分離膜において滑らかな表面は、ラフな表面に比べてファウリング(fouling)抵抗性が高いものと知られており、したがって、本発明の図3a及び図3bに示された結果を参照するとき、LbL製法による分離膜の汚染安定性が常用製法による分離膜に比べて優れるものと予想される。
以上、本発明内容の特定の部分を詳しく記述したところ、当業界における通常の知識を有する者にとって斯様な具体的技術は単に好適な実施態様であるに過ぎず、これによって本発明の範囲が制限されるものではない点は明白であろう。よって、本発明の実質的な範囲は請求項とそれらの等価物によって定義されると言えよう。
A 多孔性支持体
B 中間層
C 第1の選択層
D 第2の選択層
E 有機溶媒
F 洗浄液(rinsing solution)

Claims (14)

  1. 多孔性支持体及びその上部に積層されたLbL(Layer−by−Layer)選択層を含み、
    前記多孔性支持体と前記LbL選択層との間に高分子ナノ薄膜からなる中間層を含み、
    前記LbL選択層は、第1の有機単量体を含む第1の選択層及び第2の有機単量体を含む第2の選択層が積層された構造を含み、
    前記中間層は、多官能アミンと多官能酸クロリド(acid chloride)間の界面重合によって形成されるか、または電荷を呈する支持体表面の上にアニオン性高分子電解質とカチオン性高分子電解質との自己組み立てによって形成された、厚さが100nm以下の高分子ナノ薄膜であり、
    前記第1の有機単量体は芳香族ジアミンを含み、
    前記第2の有機単量体は多官能基クロリド(multifuctional chloride)を含む、逆浸透分離膜。
  2. 前記LbL選択層は、前記第1の選択層及び第2の選択層が積層された構造を一層以上含むことを特徴とする請求項1に記載の逆浸透分離膜。
  3. 前記多孔性支持体は、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)またはポリスルホン(polysulfone)を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の逆浸透分離膜。
  4. 前記芳香族ジアミンが、オルト−、メタ−、またはパラ−フェニレンジアミンを含む請求項1〜3の何れかに記載の逆浸透分離膜
  5. 前記多官能基クロリドが、トリメソイルクロリドを含む請求項1〜4の何れかに記載の逆浸透分離膜
  6. 前記多官能アミンが、ピペラジンを含む請求項1〜5の何れかに記載の逆浸透分離膜
  7. 前記多官能酸クロリドが、トリメソイルクロリドを含む請求項1〜6の何れかに記載の逆浸透分離膜
  8. 前記LbL選択層の総厚さは100nm以下であることを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載の逆浸透分離膜。
  9. 請求項1〜の何れかに記載の逆浸透分離膜を製造する方法であって、
    多孔性支持体を高分子ナノ薄膜形成溶液に浸漬(dipping)して、多孔性支持体上に中間層を形成する中間層形成段階;
    前記中間層が形成された多孔性支持体を第1の有機単量体を含む有機溶媒に浸漬して、前記中間層上に第1の選択層を形成する第1の選択層形成段階;及び
    前記第1の選択層が形成された多孔性支持体を第2の有機単量体を含む有機溶媒に浸漬して、前記第1の選択層上に第2の選択層を形成する第2の選択層形成段階;
    を含むことを特徴とする逆浸透分離膜の製造方法。
  10. 前記中間層形成段階は、多孔性支持体を多官能アミン水溶液に浸漬してから多官能酸クロリド(acid chloride)溶液に浸漬して界面重合させ、多孔性支持体の上部に中間層を形成することを含むことを特徴とする請求項に記載の逆浸透分離膜の製造方法。
  11. 前記中間層形成段階は、多孔性支持体をアニオン性高分子電解質水溶液に浸漬してからカチオン性高分子電解質水溶液に浸漬して自己組み立てさせ、多孔性支持体の上部に中間層を形成することを含むことを特徴とする請求項に記載の逆浸透分離膜の製造方法。
  12. 前記第1及び第2の選択層形成段階後に、第1の選択層が形成された多孔性支持体及び第2の選択層が形成された多孔性支持体のそれぞれを有機溶媒で洗浄する洗浄段階をさらに含むことを特徴とする請求項9〜11の何れかに記載の逆浸透分離膜の製造方法。
  13. 前記洗浄段階は、洗浄液(rinsing solution)で洗浄する段階をさらに含むことを特徴とする請求項12に記載の逆浸透分離膜の製造方法。
  14. 前記第1の選択層形成段階及び第2の選択層形成段階を交互に1回以上繰り返し行うことを特徴とする請求項9〜13の何れかに記載の逆浸透分離膜の製造方法。
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